説明

炊飯器、および、米の劣化度判定方法

【課題】炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定することができる炊飯器、および、米の劣化度判定方法を提供する。
【解決手段】炊飯器は、米を水と共に収容する内鍋と、内鍋外に配置され、内鍋を加熱するための加熱部と、内鍋内に配置され、内鍋内の米を攪拌する攪拌翼と、内鍋内に配置され、内鍋内の水の濁度を測定する濁度センサ13と、攪拌翼に内鍋内の米を攪拌させるモータ制御部31と、内鍋内の米が攪拌された後、濁度センサ13が測定した濁度に基づいて、内鍋内の米の劣化度を判定する判断部20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米を攪拌する機能を有する炊飯器、および、米の劣化度を判定する米の劣化度判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米を最適に炊飯するためには、その米の状態に合わせた適正な洗米と適正な炊飯シーケンスが必要になる。
【0003】
理想的な洗米方法とはどのようなものか。一般的によく言われる手順の一つに、「初めに米を漬けた水はすぐ捨てる」というものがある。これは米表面に残っている糠成分が水と共に吸収され、米に再吸着されるためと言われている。しかし、実際には1回目に注いだ水をすぐに捨て、2回目から洗米する場合と、1回目の水から洗米する場合との間に、残存糠量に差は見られないことが分かっている。更に、糠は完全に除去した方が良いと思われがちであるが、ビタミン、ミネラルなど米の栄養のほとんどは糠に含まれており、また、糠をあえて残すことによってごはんの旨味をしっかりと味わうことができる。無洗米の製造においても、あえて糠を残す製法も開発されている。
【0004】
従来、洗米機としては、実開平5−5022号公報(特許文献1)に記載されているものがある。この従来の洗米機では、洗米排水の濁度を検出し、この濁度が設定値以下になったら洗米を停止する。このため、上記従来の洗米機では、洗米排水の濁度が一定値以下になるまで洗米が行われる。
【0005】
ところが、現在の精米の精度は高く、精白米の糠の大半は精米の時点で除去されており、洗米排水の白色の成分は主にデンプン質である。
【0006】
したがって、上記従来の洗米機は、洗米排水の濁度が一定値以下になるまで洗米を行うので、米を必要以上に洗いすぎてしまう可能性が高い。
【0007】
また、米は、鮮度が高いほど、洗米によって米からデンプンが流出しやすい傾向にある。
【0008】
したがって、上記従来の洗米機のように、洗米排水の濁度が一定値以下になるまで洗米を行うと、新米は過剰に洗米され、古米は洗米不足となる可能性がある。
【0009】
また、適正な洗米時間とはどれくらいであろうか。これは米の劣化度によって異なる。上述のように、糠をあえて残すためには、洗米時間は30秒程度で終えた方がよい。しかし、古米化した米は古米臭が強く、黄化しているため、30秒程度の洗米で糠を残すと臭いがきつく、黄色くばさばさした食味のご飯となってしまう。よって、古米の場合は食味を改善するために、新米よりも長時間洗米をする必要がある。
【0010】
したがって、米を最適に炊飯するためには、米の劣化度に応じて、洗米時間を変更する必要がある。
【0011】
従来、米の劣化度を判定できる炊飯器としては、特開平7−111940号公報(特許文献2)に記載されたものがある。この従来の炊飯器は、炊飯動作中の米が新米または古米であるかを判定し、この判定に基づいた制御を行う。より詳しくは、上記従来の炊飯器では、炊飯水の沸騰時に生じる米の破裂音の周波数が米の劣化度によって異なる性質を利用し、その破裂音をマイクロフォンで検知することにより、炊飯中の米が新米であるか、あるいは、その米が古米であるかを判定している。
【0012】
しかしながら、上記従来の炊飯器では、炊飯水が沸騰して米の破裂音が生じないと、炊飯中の米の劣化度を判定できない。
【0013】
したがって、上記従来の炊飯器には、炊飯水を沸騰させなければ、米の劣化度を判定できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】実開平5−5022号公報
【特許文献2】特開平7−111940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明の課題は、炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できる炊飯器、および、米の劣化度判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、本発明の炊飯器は、
米を漬けた水の濁度を測定して、この濁度に基づいて、上記米の劣化度を判定する劣化度判定機構を備えることを特徴としている。
【0017】
上記構成によれば、上記劣化度判定機構が、米を漬けた水の濁度を測定して、この濁度に基づいて、米の劣化度を判定するので、炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できる。
【0018】
一実施形態の炊飯器は、
米を水と共に収容する内鍋と、
上記内鍋外に配置され、上記内鍋を加熱するための加熱部と、
上記内鍋内に配置され、上記内鍋内の米を攪拌する攪拌体と
を備え、
上記劣化度判定機構は、
上記内鍋内または上記内鍋周辺部に配置され、上記内鍋内の水の濁度を測定する濁度センサと、
上記濁度センサが測定した濁度に基づいて、上記内鍋内の米の劣化度を判定する劣化度判定部と
を有する。
【0019】
上記実施形態によれば、上記濁度センサが測定した濁度に基づいて、内鍋内の米の劣化度を判定するので、内鍋内の水つまり炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定することができる。
【0020】
また、上記米の劣化度に応じて、米を攪拌する時間を変更すれば、洗米が過剰になったり、不十分になったりするのを防ぐこともできる。
【0021】
また、上記炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できるので、炊飯水の沸騰前後において適切な加熱制御を行える。
【0022】
一実施形態の炊飯器では、
上記劣化度判定部による米の劣化度の判定は、上記攪拌体の攪拌による洗米が開始してから1分以内に行われる。
【0023】
上記実施形態によれば、上記劣化度判定部による米の劣化度の判定を、攪拌体の攪拌による洗米が開始してから1分以内に行うので、米の劣化度の判定精度を高めることができる。
【0024】
一実施形態の炊飯器は、
上記劣化判定部によって判定された米の劣化度に応じた洗米時間および炊飯シーケンスを自動的に選択する。
【0025】
上記実施形態によれば、上記劣化度に応じた洗米時間および炊飯シーケンス(例えば炊飯時間)が自動的に選択されるので、使用者は洗米時間および炊飯シーケンス(例えば炊飯時間)を設定しなくても、米を最適に炊飯することができる。
【0026】
一実施形態の炊飯器は、
上記劣化判定部によって判定された米の劣化度が、予め設定された値よりも大きいか否かを判定する超過判定手段と、
上記超過判定手段によって、上記米の劣化度が、予め設定された値よりも大きいと判定された場合は、上記米の炊飯が開始してから、上記加熱部の加熱が開始する直前までの低温キープ期に、上記米を上記攪拌体で攪拌する低温キープ期攪拌手段と
を備える。
【0027】
上記実施形態によれば、上記超過判定手段は、劣化判定部によって判定された米の劣化度が、予め設定された値よりも大きいか否かを判定する。このとき、上記超過判定手段によって、米の劣化度が、予め設定された値よりも大きいと判定された場合は、米の炊飯が開始してから、加熱部の加熱が開始する直前までの低温キープ期に、低温キープ期攪拌手段が米を攪拌体で攪拌するので、米から溶出する固形成分の量を増やすことができる。その結果、上記米から得たご飯がバサバサした硬い食感になるのを防ぐことができる。
【0028】
一実施形態の炊飯器は、
上記米の劣化度に応じた時間、上記米が漬かっている水の温度を上記加熱部の加熱で60℃に維持する水温維持手段を備え、
上記時間は、上記米の劣化度が大きくなるにしたがって長くなるようになっている。
【0029】
上記実施形態によれば、上記水温維持手段は、米の劣化度に応じた時間、米が漬かっている水の温度を加熱部の加熱で60℃に維持する。このとき、上記時間は、米の劣化度が大きくなるにしたがって長くなるようになっているので、米内において甘み成分であるブドウ糖が生成される量を増やすことができる。また、上記米から得られるご飯の粘りを増やすこともできる。
【0030】
一実施形態の炊飯器は、
上記攪拌体を回転駆動する回転駆動装置を備える。
【0031】
上記実施形態によれば、上記回転駆動装置が攪拌体を回転駆動することにより、米を十分に攪拌して、十分な洗米を行える。
【0032】
一実施形態の炊飯器では、
上記濁度センサは、光源と、この光源に起因する光を受光する受光部とを有する。
【0033】
上記実施形態によれば、上記濁度センサは、光源と、この光源に起因する光を受光する受光部とを有するので、受光部の出力信号に基づいて、内鍋内の水の濁度を求めることができる。
【0034】
本発明の米の劣化度判定方法は、
米を漬けた水の濁度を測定する濁度測定工程と、
上記濁度測定工程で測定された濁度に基づいて、上記米の劣化度を判定する劣化度判定工程と
を備えることを特徴としている。
【0035】
上記構成によれば、まず、上記濁度測定工程により、米を漬けた水の濁度を測定する。次に、上記劣化度判定工程により、濁度測定工程で測定された濁度に基づいて、米の劣化度を判定する。したがって、上記水つまり炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できる。
【0036】
一実施形態の米の劣化度判定方法
水に漬かった米を攪拌する攪拌工程を備え、
上記濁度測定工程は、上記攪拌工程で上記米が攪拌された後に行われる。
【0037】
上記実施形態によれば、まず、上記攪拌工程により、水に漬かった米を攪拌すると、その水が懸濁する。次に、上記濁度測定工程により、米が漬かっている水の濁度を測定する。次に、上記水の濁度に基づいて、その水に漬かった米の劣化度を判定する。したがって、上記水つまり炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できる。
【0038】
また、上記米の劣化度に応じて、米を攪拌する時間を変更すれば、洗米が過剰になったり過少になったりするのを防ぐこともできる。
【0039】
また、上記炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できるので、炊飯水の沸騰前後において適切な加熱制御を行える。
【0040】
また、上記攪拌工程で米が攪拌された後に濁度測定工程を行われることによって、攪拌工程により懸濁した水の濁度に基づいて米の劣化度を判定するので、米の劣化度の判定精度を高めることができる。
【0041】
上記課題を解決するため、本発明の炊飯器は、
米を水と共に収容する内鍋と、
上記内鍋外に配置され、上記内鍋を加熱するための加熱部と、
上記内鍋内に配置され、上記内鍋内の米を攪拌する攪拌体と、
上記内鍋内または上記内鍋周辺部に配置され、上記内鍋内の水の濁度を測定する濁度センサと、
上記濁度センサが測定した濁度に基づいて、上記内鍋内の米の劣化度を判定する劣化度判定部と
を備えることを特徴としている。
【0042】
上記構成によれば、上記濁度センサが測定した濁度に基づいて、内鍋内の米の劣化度を判定するので、内鍋内の水つまり炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定することができる。
【0043】
また、上記米の劣化度に応じて、米を攪拌する時間を変更すれば、洗米が過剰になったり、不十分になったりするのを防ぐこともできる。
【0044】
また、上記炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できるので、炊飯水の沸騰前後において適切な加熱制御を行える。
【0045】
一実施形態の炊飯器は、
上記劣化判定部によって判定された米の劣化度に応じた洗米時間および炊飯時間を自動的に選択する。
【0046】
上記実施形態によれば、上記劣化度に応じた洗米時間および炊飯時間が自動的に選択されるので、使用者は洗米時間および炊飯時間を設定しなくても、米を最適に炊飯することができる。
【0047】
一実施形態の炊飯器は、
上記攪拌体を回転駆動する回転駆動装置を備える。
【0048】
上記実施形態によれば、上記回転駆動装置が攪拌体を回転駆動することにより、米を十分に攪拌して、十分な洗米を行える。
【0049】
一実施形態の炊飯器では、
上記濁度センサは、光源と、この光源に起因する光を受光する受光部とを有する。
【0050】
上記実施形態によれば、上記濁度センサは、光源と、この光源に起因する光を受光する受光部とを有するので、受光部の出力信号に基づいて、内鍋内の水の濁度を求めることができる。
【0051】
本発明の米の劣化度判定方法は、
水に漬かった米を攪拌する攪拌工程と、
上記攪拌工程で上記米が攪拌された後、上記水の濁度を測定する濁度測定工程と、
上記濁度測定工程で測定された濁度に基づいて、上記米の劣化度を判定する劣化度判定工程と
を備える。
【0052】
上記構成によれば、まず、上記攪拌工程により、水に漬かった米を攪拌すると、その水が懸濁する。次に、上記濁度測定工程により、米が漬かっている水の濁度を測定する。次に、上記水の濁度に基づいて、その水に浸かった米の劣化度を判定する。したがって、上記水つまり炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できる。
【0053】
また、上記米の劣化度に応じて、米を攪拌する時間を変更すれば、洗米が過剰になったり過少になったりするのを防ぐこともできる。
【0054】
また、上記炊飯水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できるので、炊飯水の沸騰前後において適切な加熱制御を行える。
【0055】
古米化の際の化学変化として、(1)タンパク質中のジスルフィド結合の増加により疎水性が高まること、(2)脂質の分解により生成した脂肪酸とデンプンの結合により糊化が抑制されることなどが知られている。これらの変化により、古米の洗米時のデンプンの流出速度が新米よりも遅くなるのではないかと予測し、高温での保存期間の異なる3種類の米を用いて洗米開始から1分後の濁度を測定した。その結果、上記保存期間が長くなるほど、濁度が低下することが判明した。本発明は、そのような性質を利用し、自動洗米時の濁度を検出することで、簡易的に米の劣化度を判定できる。
【発明の効果】
【0056】
本発明の炊飯器によれば、米を漬けた水の濁度を測定して、この濁度に基づいて、米の劣化度を判定する劣化度判定機構を備えるので、米が漬かっている水(炊飯水)を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できる。
【0057】
本発明の米の劣化度判定方法によれば、米を漬けた水の濁度を測定する濁度測定工程と、この濁度測定工程で測定された濁度に基づいて、米の劣化度を判定する劣化度判定工程とを備えるので、米が漬かっている水(炊飯水)を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は本発明の第1実施例の米の劣化度の判定方法の実験例の折れ線グラフである。
【図2】図2は本発明の第2実施例の炊飯器の模式断面図である。
【図3】図3は濁度センサの下端部の拡大側面図である
【図4】図4は上記濁度センサの下端部の模式断面図である。
【図5】図5は上記炊飯器の制御ブロック図である。
【図6A】図6Aは上記炊飯器の制御を説明するためのフローチャートである。
【図6B】図6Bは上記炊飯器の制御を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は上記炊飯器の炊飯時における水の温度変化を示すグラフである。
【図8】図8は上記濁度センサの変形例の下端部の拡大側面図である
【図9】図9は上記変形例の下端部の模式断面図である。
【図10】図10は上記炊飯器の炊飯時における水の温度変化の他の一例を示すグラフである。
【図11】図11は上記炊飯器の制御ブロック図の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、本発明の炊飯器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0060】
〔第1実施例〕
本第1実施例では、本発明の米の劣化度の判定方法の一例について説明する。この米の劣化度の判定方法の一例は、白米の状態にある被測定米を水中で撹拌する攪拌工程と、この撹拌工程で得られたけん濁液の濁度を測定する濁度測定工程と、この濁度測定工程で測定された濁度を基にして、被測定米の劣化度を判定する劣化度判定工程とを備える。
【0061】
次に、上記濁度の測定方法を説明する。まず、一定量の被測定米および水を所定の容器(図示せず)に入れ、一定の負荷で撹拌する。この撹拌の方法としては、上記容器内に配置した撹拌翼を一定の回転数で回転させる方法や、上記容器を振とう器で一定の振動数で振動させる方法などがある。上記水中での撹拌により、米から水へでんぷんを主とする固形成分が流出する。この固形成分は、新米のものだと水と親和しやすく、すぐにでんぷんが流出し始めるが、古米のものだと疎水性が高いため、でんぷんの流出速度が遅くなる。上記被測定米の撹拌開始から一定時間後に、ろ液のけん濁液の濁度を測定する。古米化が進行するほど一定時間後の溶液の濁度が下がることから、測定された濁度が、基準値と同じ、または、基準値より低ければ古米と、基準値より高ければ新米と判定することができる。したがって、上記水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できる。
【0062】
また、上記米の劣化度に応じて、米を攪拌する時間を変更すれば、洗米が過剰になったり過少になったりするのを防ぐこともできる。
【0063】
また、上記水を沸騰させなくても、米の劣化度を判定できるので、上記水の沸騰前後において適切な加熱制御を行える。
【0064】
(実験データ)
図1に、米の劣化と洗米液の濁度との関係を実測したデータを示す。ここで、上記米の劣化の進行速度は保存時の温度に大きく依存し、15℃以下の低温では劣化が極めて遅い(化学成分の変化がほとんどない)が、25℃以上では時間の経過とともに古米の指標とされている脂肪酸度などの値が上昇することが分かっている。更に、40℃で1ヵ月保存した玄米は室温で1年保存と同等の劣化度であることが分かっている(参考文献:An efficient method for evaluating the palatability deterioration during storage in rice(Plant Production Science Vol.6, 2003))。また、上記データは、2010年度産新潟コシヒカリを使って得たデータである。より詳しくは、2010年度産新潟コシヒカリの玄米を40℃下で保存して劣化を促進させ、一定期間後に家庭用精米機で精米して得た白米を試料米とし、この試料米に係る洗米液の濁度を測定した。なお、図1の0W〜8Wは、劣化促進期間が0週間〜8週間であることを示している。例えば、2Wは、2010年度産新潟コシヒカリの玄米を40℃で2週間保存した後、家庭用精米機で精米して得た白米を試料米としていることを意味している。
【0065】
上記試料米450gと水道水1Lを釜の中に入れる。この釜内には、モータで回転駆動可能な撹拌翼を配置している。上記攪拌翼を400rpmで回転駆動することにより、試料米を撹拌する。そして、上記攪拌翼の撹拌が開始してから0分(浸水直後)および1、3、5、10分後に、上記釜内の洗米液を1mL採取し、イオン交換水で30倍に希釈してセル長2cmのセルに入れ、市販の濁度計で濁度を測定した。このような測定を、劣化促進期間が0週間、1週間、…および8週間である試料米に対して行った。その結果、図1に示すように、劣化度が高まるほど一定時間撹拌後の洗米液の濁度は低下することが分かった。ここで、NTUとは、ホルマジンを標準液として散乱光を測定した場合の濁度の測定単位である。
【0066】
上記第1実施例では、散乱光に基づいて濁度を測定していたが、透過光に基づいて濁度を測定してもよい。
【0067】
〔第2実施例〕
図2に、本発明の第2実施例の炊飯器を鉛直面で切った断面を模式的に示す。
【0068】
上記炊飯器は、炊飯器本体1と、この炊飯器本体1に開閉自在に取り付けられた蓋2と、炊飯器本体1に収納され、米や水を収容する有底円筒形状の内鍋3と、を備えている。
【0069】
上記炊飯器本体1は、内鍋3が収納される外鍋51を有している。この外鍋51と内鍋3との間には、内鍋3を直接または間接的に加熱するヒータ4と、内鍋3の温度を検出する接触式の温度センサ5とを配置している。また、炊飯器本体1の側部には、後述する操作パネル40を設けている。なお、ヒータ4は加熱部の一例である。
【0070】
上記外鍋51は、耐熱性と電気絶縁性を有する材料で形成されている。また、外鍋51の底部の中央部には貫通孔が設けられており、その貫通孔には有底円筒形状のカバー6が挿通されている。
【0071】
上記カバー6は、モータ7の軸部7aと、この軸部7aに連結されたロータ8とを覆っている。このロータ8の外周部には、周方向において等間隔に複数の駆動側磁石9を取り付けている。外鍋51内に内鍋3を収納している状態では、内鍋3の凹部3a内に駆動側磁石9が入るようになっている。なお、モータ7は本発明の回転駆動装置の一例である。
【0072】
上記内鍋3は、例えばアルミニウムなどの高熱伝導部材で形成され、米などの付着を防ぐために高熱伝導部材の内面にフッ素樹脂をコーティングしている。上記高熱伝導部材はプレスまたは鋳造で成型される。内鍋3の底部の略中央部の外面には、下方から見た形状が略円形状である凹部3aが設けている。また、内鍋3の底部の中央部の内面には、凹部3aの形成に伴って凸部が形成されている。この凸部には、内鍋3内の米15を攪拌する攪拌翼10を回転自在に取り付けている。なお、攪拌翼10は本発明の攪拌体の一例である。
【0073】
上記攪拌翼10は、環状のヨーク50と、このヨーク50の内周部に対して周方向に等間隔に取り付けられた複数の被駆動側磁石11とを保持している。この被駆動側磁石11は、モータ7の回転軸に垂直な方向において駆動側磁石9と磁気カップリングする。これにより、モータ7がロータ8を回転駆動すると、攪拌翼10も回転駆動できるようになっている。また、攪拌翼10の上部には、凸部から脱落するのを防ぐための脱落防止用磁石12を取り付けている。
【0074】
また、上記内鍋3内には、内鍋3内の水14の濁度を測定する濁度センサ13を配置している。この濁度センサ13の上端部は、例えばヒンジなどを介して蓋2の下部に揺動自在に取り付けられている。これにより、蓋2を開けるときに、濁度センサ13の下端部が内鍋3の内面に引っ掛からないようにしてなっている。また、水14には複数の米15(図2では5つのみ図示)を漬けている。
【0075】
図3に、上記濁度センサ13の下端部の拡大図を示す。また、図4に、上記濁度センサ13の下端部の断面を模式的に示す。
【0076】
図3,図4に示すように、上記濁度センサ13は、透過光の強さによって濁度を測定する構造を有している。より詳しく説明すると、濁度センサ13は、円柱形状のケース16と、このケース16内に配置された光源17と、ケース16内で光源17の略真下に位置する受光素子18とを有している。ケース16の下端部の側面には凹部16aが設けられている。また、ケース16の下端部の側面には、凹部16aを覆うようにフィルタ19を取り付けている。これにより、水14は凹部16a内に入れるが、米15は凹部16a内に入れないようになっている。また、少なくとも、凹部16aにおいて光源17および受光素子18に対向する部分は、光源17の出射光を透過可能な材料からなっている。
【0077】
図5に、上記炊飯器の制御ブロック図を示す。
【0078】
上記炊飯器は、判断部20と、モータ制御部31およびヒータ制御部32を有する制御部30と、洗米モード選択部41、炊飯モード選択部42および液晶表示部(図示せず)を有する操作パネル40を備えている。なお、判断部20は本発明の劣化度判定部の一例である。また、濁度センサ13および判断部20が劣化度判定機構の一例を構成している。
【0079】
上記判断部20は、濁度センサ13から水14の濁度を示す信号を受ける。そして、判断部20は、上記信号に基づいて、米15の劣化度を判断して、米15の劣化度に応じた信号をモータ制御部31およびヒータ制御部32へ送出する。
【0080】
上記モータ制御部31は、判断部20からの信号と、洗米モード選択部41からの信号と、炊飯モード選択部42からの信号とに基づいて、モータ7を制御する。この洗米モード選択部41および炊飯モード選択部42は、操作パネル40に設けられた例えばボタンからなる。
【0081】
上記ヒータ制御部32は、判断部20からの信号と、炊飯モード選択部42からの信号とに基づいて、ヒータ4を制御する。
【0082】
図6A,図6Bに、上記制御部30によるヒータ4およびモータ7の制御を説明するためのフローチャートである。なお、上記制御は、使用者が、所望量の米15と、この米15の量に応じた量の水14とを内鍋3内に投入した後、蓋2を閉め、洗米モード選択部41を選択すると、開始する。
【0083】
上記制御が開始すると、図6Aに示すように、ステップS101で、モータ制御部31でモータ7をオンすることにより、攪拌翼10を回転させて、米15を攪拌する。このとき、モータ制御部31は、撹拌翼9が一定の回転数(例えば400rpm)で回転するようにモータ7を制御する。撹拌翼9が一定の回転数で回転することで、米15から溶出する固形成分の分量をコントロールすることができる。
【0084】
次に、ステップS102で、攪拌翼10の回転開始から予め定められた時間(例えば60秒)が経過したか否か判定する。このステップS102で、攪拌翼10の回転開始から予め定められた時間が経過したと判定されると、次のステップS103に進む一方、攪拌翼10の回転開始から予め定められた時間が経過したと判定されると、再び、ステップS102を行う。つまり、ステップS102は、攪拌翼10の回転開始から予め定められた時間が経過したと判定されるまで繰り返される。
【0085】
次に、ステップS103で、米15の撹拌中の水14の濁度を濁度センサ13で測定する。ここで、撹拌翼9が一定の回転数で回転していることによって、水14中の固形成分の分散を均一に保つことができるので、水14の濁度を正確に測定できる。
【0086】
次に、ステップS104で、濁度センサ13によって測定された水14の濁度が250NTUを越えているか否かを判定する。このステップS104で、濁度センサ13によって測定された水14の濁度が250NTUを越えていると判定されると、ステップS105に進む一方、濁度センサ13によって測定された水14の濁度が250NTUを越えていないと判定されると、図6Bに示すステップS201に進む。つまり、ステップS104で、米15が新米ならステップS105に進む一方、米15が古米ならステップS201に進む。この新米、古米の判断は、判断部20によって行われ、モータ制御部31およびヒータ制御部32に伝えられる。
【0087】
図6Aに示すステップS105へ進んだ場合、モータ制御部31によりモータ7をオフする。
【0088】
次に、ステップS106で、洗米終了報知を行う。具体的には、操作パネル40の液晶表示部に、洗米が終了した旨のメッセージを表示する。
【0089】
次に、ステップS107で、蓋2が開けられて再度閉じられたか否かを判定する。このステップS107は、蓋2が開けられて再び閉じられた判定されるまで繰り返される。また、ステップS107は、使用者が内鍋3内の水14を捨てて、内鍋3内に新たに水を投入した否かを判定するためのステップである。
【0090】
次に、ステップS108で、炊飯モード選択部42が選択されたか否かを判定する。このステップS108は、炊飯モード選択部42が選択されるまで繰り返される。
【0091】
次に、ステップS109で、新米用炊飯シーケンスを行うと、図6A,図6Bのフローチャートの制御が終了する。
【0092】
図6Bに示すステップS201に進んだ場合、攪拌翼10の回転開始から予め定められた時間(例えば300秒)が経過したか否か判定する。このステップS201は、攪拌翼10の回転開始から予め定められた時間が経過したと判定されるまで繰り返される。
【0093】
次に、ステップS202で、モータ制御部31によりモータ7をオフする。
【0094】
次に、ステップS203で、ステップS106と同じように、洗米終了報知を行う。
【0095】
次に、ステップS204で、蓋2が開けられて再び閉じられたか否かを判定する。このステップS204は、蓋2が開けられて再度閉じられた判定されるまで繰り返される。また、ステップS204の目的はステップS107の目的と同じである。
【0096】
次に、ステップS205で、炊飯モード選択部42が選択されたか否かを判定する。このステップS108は、炊飯モード選択部42が選択されるまで繰り返される。
【0097】
次に、ステップS206で、古米用炊飯シーケンスを行うと、図6A,図6Bのフローチャートの制御が終了する。
【0098】
このように、上記水14を沸騰させなくても、米15の劣化度を判定することができる。
【0099】
また、上記モータ制御部31が、米15が新米であるとの判断に応じて、モータ7がオフして洗米を止めるので、米15が過剰に洗米されるのを防ぐことができる。
【0100】
また、上記モータ制御部31が、米15が古米であるとの判断に応じて、洗米時間を延ばすので、炊飯後の米15の硬さ・粘りなどの食味が改善し、古米臭も軽減することができる。
【0101】
したがって、上記モータ制御部31によるモータ7の制御によって、米15の状態に合わせた適正な洗米を行うことができる。
【0102】
また、上記米15が新米または古米であるとの判断に応じて、新米用炊飯シーケンスまたは古米用炊飯シーケンスが行われるので、米15の状態に合わせた適正な炊飯シーケンスを行うことができる。
【0103】
図7に、上記炊飯器の炊飯シーケンスを説明するためのグラフを示す。
【0104】
上記炊飯シーケンスは、古米用炊飯シーケンスの一例であり、水14の温度を60℃に予め設定された時間キープする60℃キープ期と、水14の温度を100℃に予め設定された時間キープする沸騰期とを有する。この60℃キープ期の時間にモータ7を駆動させて米15から溶出する固形成分の分量を増やしたり、ヒータ4を制御して沸騰期の時間を延ばしたりすることで、米15を柔らかくすることができる。
【0105】
これに対して、上記新米用炊飯シーケンスでは、米15の粘りが強くなり過ぎてダマになるのを防ぐために、60℃キープ期の時間にはモータ7を止めたり、沸騰期の時間を古米用炊飯シーケンスの沸騰期の時間より短くしたりする。
【0106】
上記第2実施例では、攪拌翼10とモータ7の軸部7aとを磁気的に結合していたが、攪拌翼10とモータ7の軸部7aとを物理的に結合してもよい。例えば、モータ7の回転力の伝達方式としてダイレクトドライブ方式を採用してもよい。
【0107】
上記第2実施例では、攪拌翼10に替えて、水14および米15に振動を加えることができる加振装置を用いて、米15を洗米するようにしてもよい。なお、上記加振装置は内鍋3内または内鍋3外に配置してもよい。
【0108】
上記第2実施例では、ステップS107,S204の次にはステップS108,S205を行っていたが、ステップS108,S205を無くして、ステップS107,S204の次にはステップS109,S206を行なうようにしてもよい。つまり、ステップS107,S204で、蓋2が開けられて再び閉じられたと判定されると、ただちに、ステップSS109,S206が実行されるようにしてもよい。
【0109】
上記第2実施例では、内鍋3内に、内鍋3内の水14の濁度を測定する濁度センサ13を配置していたが、内鍋周辺部に、内鍋内の水の濁度を測定する濁度センサを配置してもよい。つまり、内鍋3の外周壁に対向するように濁度センサを配置してもよい。この濁度センサを使用する場合、内鍋において濁度センサに対向する部分を透明な材料で形成してもよい。
【0110】
上記第2実施例において、透過光の強さによって水14の濁度を測定する図3,図4の濁度センサ13に替えて、散乱光の強さによって水の濁度を測定する図8,図9の濁度センサ113を用いてもよい。
【0111】
図8,図9に示すように、上記濁度センサ113は、透過光の強さによって濁度を測定する構造を有している。より詳しく説明すると、濁度センサ113は、円柱形状のケース116と、このケース116内に配置された光源17と、ケース116内で光源17の斜め下方に位置する受光素子18とを有している。ケース116の下端部の側面から底面にかけて凹部16aが設けられている。また、ケース116の下端部には、凹部16aを覆うようにフィルタ119を取り付けている。これにより、水14は凹部16aa内に入れるが、米15は凹部16a内に入れないようになっている。また、少なくとも、凹部16aにおいて光源17および受光素子18に対向する部分は、光源17の出射光を透過可能な材料からなっている。
【0112】
上記第2実施例において、判断部20による米15の劣化度の判定は、攪拌翼10の攪拌による洗米が開始してから1分以内に行われるようにしてもよい。このような判定にした場合、米15の劣化度の判定精度を高めることができる。
【0113】
上記第2実施例において、古米用炊飯シーケンスの炊飯時間を新米用炊飯シーケンスの炊飯時間と異なるようにしてもよい。
【0114】
上記第2実施例の炊飯器は、図10のグラフに係る炊飯シーケンスを行ってもよい。この炊飯シーケンスは、古米用炊飯シーケンスの一例であり、低温キープ期、60℃キープ期および沸騰期を有している。
【0115】
上記低温キープ期の時間は、米15の炊飯が開始してから、ヒータ4がオンの状態になる直前までの時間である。別の言い方をすれば、上記低温キープ期の時間は、ヒータ4をオフにした状態で内鍋3内の水14の温度を米15の炊飯の開始時の温度と同程度の温度にキープする任意の時間である。この低温キープ期により、糊化が始まる前に米15の吸水が充分に行われるようにして、理想的な炊飯を図っている。
【0116】
上記60℃キープ期の時間は、ヒータ4の加熱によって内鍋3内の水14の温度を60℃にキープする任意の時間である。この60℃キープ期により、甘み成分であるブドウ糖が米15内で多く生成されるようにする。なお、内鍋3内の水14の温度は温度センサ5の出力信号に基づいて間接的に検出される。
【0117】
上記沸騰期の時間は、ヒータ4の加熱によって内鍋3内の水14の温度を略100℃にキープする任意の時間である。
【0118】
また、古米は新米よりも吸水しにくいため、ヒータ4を制御して低温キープ期の時間を長くする。また、古米はバサバサした硬い食感になりやすいため、低温キープ期にモータ7を駆動させ、米15から溶出する固形成分の量を増やしたり、ヒータ4を制御して60℃キープ期の時間を長くしたりすることで、米15から得るご飯を粘りのあるご飯に近付ける。こうすることで、古米の食味を改善させることができる。
【0119】
図11に、図10のグラフに係る炊飯器の制御ブロック図を示す。なお、図11において、図5に示した構成部と同一構成部は、図5における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0120】
上記炊飯器は制御部130を備えている。この制御部130は、モータ制御部31と、ヒータ制御部32と、超過判定手段の一例としての超過判定部131と、低キープ期攪拌手段の一例としての低キープ期攪拌部132と、水温維持手段の一例としての水温維持部133とを有している。なお、図11では、図5と同様に、温度センサ5からの出力信号が制御部130に入力されること示す図を省略している。
【0121】
上記超過判定部131は、判断部20によって判断された米15の劣化度が、予め設定された値よりも大きいか否かを判定する。なお、上記値は図示しない記憶部に予め記憶させた値である。
【0122】
上記低温キープ期攪拌部132は、超過判定部131によって、米15の劣化度が、予め設定された値よりも大きいと判定された場合、低温キープ期にモータ7を駆動して、米15を撹拌翼10で攪拌する。この撹拌翼10で米15を攪拌する時間は、低温キープ期の時間以下の時間で予め設定された時間である。なお、上記撹拌翼10で米15を攪拌する時間は、低温キープ期の時間を越えない範囲で、米15の劣化度に応じて決定されるようにしてもよい。
【0123】
上記水温維持部133は、判断部20によって判断された米15の劣化度に基づいて、60℃キープ期の時間を変更する。より詳しくは、米15の劣化度が比較的小さければ、60℃キープ期の時間を比較的短時間となる一方、米15の劣化度が比較的大きければ、60℃キープ期の時間を比較的長時間となるようになっている。すなわち、上記時間は、米15の劣化度が大きくなるにしたがって長くなるようになっている。
【0124】
これに対して、上記新米用炊飯シーケンスでは、米15の粘りが強くなり過ぎてダマになるのを防ぐために、低温キープ期の時間はずっとモータ7を止めたり、60℃キープ期の時間を古米用炊飯シーケンスの時より短くしたりする。
【0125】
本発明の具体的な実施例について説明したが、本発明は上記第1,第2実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、本発明は、ヒータ加熱方式の炊飯器のみならず、誘導加熱方式の炊飯器に適用できる。また、上記第1,第2実施例の記載事項を適宜組み合わせたものを本発明の一実施例としてもよい。
【0126】
また、本発明の米の劣化度判定方法は、水に漬かった米を攪拌する攪拌工程を備えないが、米を漬けた水の濁度を測定する濁度測定工程と、この濁度測定工程で測定された濁度に基づいて、米の劣化度を判定する劣化度判定工程とを備えるものであってもよい。
【0127】
また、本発明の炊飯器は、米を攪拌する機構を備えていないが、米を漬けた水の濁度を測定して、この濁度に基づいて、米の劣化度を判定する劣化度判定機構を備えるものであってもよい。
【0128】
また、本発明の炊飯器は、米の劣化度に応じて、洗米時間および炊飯シーケンス(例えば炊飯時間)の少なくとも一方を自動的に選択するものであってもよい。
【符号の説明】
【0129】
1…炊飯器本体
2…蓋
3…内鍋
4…ヒータ
5…温度センサ
6…カバー
7…モータ
8…ロータ
9…駆動側磁石
10…攪拌翼
11…被駆動側磁石
13…濁度センサ
14…水
15…米
16…光源
17…受光部
19,119…フィルタ
130…超過判定部
132…低キープ期攪拌部
133…水温維持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を漬けた水の濁度を測定して、この濁度に基づいて、上記米の劣化度を判定する劣化度判定機構を備えることを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
請求項1に記載の炊飯器において、
米を水と共に収容する内鍋と、
上記内鍋外に配置され、上記内鍋を加熱するための加熱部と、
上記内鍋内に配置され、上記内鍋内の米を攪拌する攪拌体と
を備え、
上記劣化度判定機構は、
上記内鍋内または上記内鍋周辺部に配置され、上記内鍋内の水の濁度を測定する濁度センサと、
上記濁度センサが測定した濁度に基づいて、上記内鍋内の米の劣化度を判定する劣化度判定部と
を有することを特徴とする炊飯器。
【請求項3】
請求項2に記載の炊飯器において、
上記劣化度判定部による米の劣化度の判定は、上記攪拌体の攪拌による洗米が開始してから1分以内に行われることを特徴とする炊飯器。
【請求項4】
請求項2または3に記載の炊飯器において、
上記劣化判定部によって判定された米の劣化度に応じた洗米時間および炊飯シーケンスを自動的に選択することを特徴とする炊飯器。
【請求項5】
請求項2から4までのいずれか一項に記載の炊飯器において、
上記劣化判定部によって判定された米の劣化度が、予め設定された値よりも大きいか否かを判定する超過判定手段と、
上記超過判定手段によって、上記米の劣化度が、予め設定された値よりも大きいと判定された場合は、上記米の炊飯が開始してから、上記加熱部の加熱が開始する直前までの低温キープ期に、上記米を上記攪拌体で攪拌する低温キープ期攪拌手段と
を備えることを特徴とする炊飯器。
【請求項6】
請求項5に記載の炊飯器において、
上記米の劣化度に応じた時間、上記米が漬かっている水の温度を上記加熱部の加熱で60℃に維持する水温維持手段を備え、
上記時間は、上記米の劣化度が大きくなるにしたがって長くなるようになっていることを特徴とする炊飯器。
【請求項7】
請求項2から6のいずれか一項に記載の炊飯器において、
上記攪拌体を回転駆動する回転駆動装置を備えることを特徴とする炊飯器。
【請求項8】
請求項2から7までのいずれか一項に記載の炊飯器において、
上記濁度センサは、光源と、この光源に起因する光を受光する受光部とを有することを特徴とする炊飯器。
【請求項9】
米を漬けた水の濁度を測定する濁度測定工程と、
上記濁度測定工程で測定された濁度に基づいて、上記米の劣化度を判定する劣化度判定工程と
を備えることを特徴とする米の劣化度判定方法。
【請求項10】
請求項9に記載の米の劣化度判定方法において、
水に漬かった米を攪拌する攪拌工程を備え、
上記濁度測定工程は、上記攪拌工程で上記米が攪拌された後に行われることを特徴とする米の劣化度判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−110686(P2012−110686A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211126(P2011−211126)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】