炊飯器
【課題】より正確に温度検知を行うことのできる炊飯器を得る。
【解決手段】内釜2と、内釜2を収納する内釜収納部1aを備えた炊飯器本体1と、炊飯器本体1の上面開口1gを開閉する蓋本体3と、内釜収納部1aの壁部に形成された開口部40に対向するように設けられる赤外線透過板71と、内釜収納部1aの開口部40に対し、外側に所定距離を隔てて赤外線透過板71を支持する支持部材72と、内釜2から放射される赤外線を赤外線透過板71を通して受光し、この赤外線に基づいて温度を検知する赤外線温度センサ6と、内釜2を加熱する釜加熱装置5と、赤外線温度センサ6が検知した温度に基づいて釜加熱装置5を制御する制御装置8とを備えた。
【解決手段】内釜2と、内釜2を収納する内釜収納部1aを備えた炊飯器本体1と、炊飯器本体1の上面開口1gを開閉する蓋本体3と、内釜収納部1aの壁部に形成された開口部40に対向するように設けられる赤外線透過板71と、内釜収納部1aの開口部40に対し、外側に所定距離を隔てて赤外線透過板71を支持する支持部材72と、内釜2から放射される赤外線を赤外線透過板71を通して受光し、この赤外線に基づいて温度を検知する赤外線温度センサ6と、内釜2を加熱する釜加熱装置5と、赤外線温度センサ6が検知した温度に基づいて釜加熱装置5を制御する制御装置8とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器として、「回転台7に載置された内釜2の底面に接触して、内釜2の底面温度Tb」を検出する「底センサ13」と、「内釜2の側面及び下部に接触して内釜2の側面温度Tc,Tdを検出する第2温度検出器としての側面センサ、及び第3温度検出器としての側面センサ」とを備え、「制御部22は底センサ13、側面センサ25及び側面センサ26の各検出情報に基づいて、内釜2内に入れられた水wと米rからなる炊飯量Wを検出する。この炊飯量検出手段の検出結果より制御部22は加熱コイル5と回転手段10を制御するようになっている。」という技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−23851号公報(第4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の炊飯器では、温度検出器として複数のセンサを備え、このセンサの検出結果に基づいて炊飯量の判定や炊飯制御を行っている。
しかしながら、特許文献1に記載の炊飯器では、温度検出器が内釜の底面又は側面に接触しており、内釜の底面又は側面と温度検出器との間には物理的に遮蔽する板等の部材がまったく無い。このため、例えば、使用者が内釜を着脱するときに水や埃や温度検出器に付着して部品劣化が生じるなど、炊飯器の使用環境によって温度検知の精度が確保できないという課題があった。特に、炊飯工程の初期工程においては内釜の温度が相対的に低温であるので、温度検知の精度が低いと正確に炊飯量を判定するのが困難であり、ご飯の炊き上がりに影響しうる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、より正確に温度検知を行うことのできる炊飯器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る炊飯器は、内釜と、前記内釜を収納する内釜収納部を備えた炊飯器本体と、前記炊飯器本体の上面開口を開閉する蓋本体と、前記内釜収納部の壁部に形成された開口部に対向するように設けられる赤外線透過部材と、前記内釜収納部の前記開口部に対し、外側に所定距離を隔てて前記赤外線透過部材を支持する支持部材と、前記内釜から放射される赤外線を前記赤外線透過部材を通して受光し、この赤外線に基づいて温度を検知する赤外線温度センサと、前記内釜を加熱する内釜加熱装置と、前記赤外線温度センサが検知した温度に基づいて前記内釜加熱装置を制御する制御装置とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の炊飯器は、赤外線透過部材と内釜が所定距離隔てて配置されるので、赤外線透過部材の温度上昇を抑制することができる。このため、赤外線透過部材を通して赤外線を受光する赤外線温度センサは、より正確な釜の温度を検知することができる。釜の温度を正確に検知することで、正確に炊飯量を判定することが可能となり、おいしいご飯に炊き上げることができる炊飯器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る炊飯器の側面断面模式図である。
【図2】実施の形態1に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図3】実施の形態2に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図4】実施の形態3に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図5】実施の形態4に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図6】実施の形態5に係る内釜を加熱した場合の、内釜の表面と赤外線透過板の温度変化を示すグラフである。
【図7】実施の形態6に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図8】実施の形態7に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図9】実施の形態8に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図10】実施の形態9に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図11】実施の形態9に係る赤外線温度センサの動作例を説明する図である。
【図12】実施の形態10に係る炊飯器の平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は、実施の形態1に係る炊飯器の側面断面模式図である。図1に示すように、本実施の形態に係る炊飯器100は、炊飯器本体1と、上面に上面開口2aを有し誘導加熱により発熱する磁性体の金属を含む有底円筒状の内釜2と、炊飯器本体1の上面に設けられた上面開口1gを開閉可能に覆う蓋本体3とを備えている。蓋本体3の内側(内釜2の上面開口2aを覆う側)には、内釜2の上面開口2aを密閉可能な略円盤状の内蓋4が着脱自在に取り付けられている。内釜収納部1aの外面には、釜加熱装置5が設けられている。炊飯器本体1の内部には、赤外線温度センサ6と赤外線透過ユニット7と、炊飯器100における加熱制御を行う制御装置8が設けられている。
【0010】
炊飯器本体1は、外郭を構成する外郭1fと、炊飯器本体1の内部に設けられ、内釜2を収納する内釜収納部1aとを備えている。内釜収納部1aは、炊飯器本体1の上面開口1gの内周部に嵌合された略環状の上枠1bと、内釜2の形状に対応して有底円筒形状に形成され、上部開口側端部で上枠1bに一体的に接続されたコイルベース1cとで構成されている。
【0011】
炊飯器本体1の前壁上部(図1の紙面左側上部)には、蓋本体3のフック3aに係合可能なフック1dが設けられている。フック1dとコイルベース1cとの間にはバネ1eが設けられ、フック1dは、そのバネ1eにより前方(図1の紙面左側)に付勢されている。
【0012】
蓋本体3は、ヒンジ軸22を介して炊飯器本体1に取り付けられており、上面開口1gを開閉自在である。ヒンジ軸22は蓋本体3の開閉軸であり、ヒンジ軸22の両端部は、炊飯器本体1の上枠1bに回動自在に取り付けられている。また、蓋本体3は、ヒンジ軸22の近傍に設けられた回動バネ12により、開成方向に付勢されている。蓋本体3には、外部と後述する蒸気口4aとを連通し、内釜2内の蒸気を外部に放出する蒸気筒14が設けられている。
【0013】
蓋本体3には、蓋温度検知装置の一例である内蓋温度センサ10と、内蓋加熱コイルからなる内蓋加熱装置11とが設けられている。内蓋温度センサ10は、例えばサーミスタからなり、内蓋4の温度を検出して制御装置8に出力する。内蓋加熱装置11は、蓋本体3内に設置され、制御装置8に制御されて内蓋4を誘導加熱するよう構成されている。
【0014】
内蓋4の一部は、内蓋加熱装置11による誘導加熱が可能なステンレスなどの金属で構成されている。また、内蓋4には、内釜2内の蒸気を内釜2外へと排出するために、複数の穴からなる蒸気口4a(例えば、開口面積が0.5cm2)を設けている。内蓋4の外周部の内釜2側の面には、蓋本体3が閉状態にあるとき、内釜2と密接する略環状の内蓋パッキン13が取り付けられている。内蓋パッキン13は、ゴムなどの弾性体で構成されている。
【0015】
蒸気筒14は、蓋本体3に着脱自在に取り付けられており、内蓋4の蒸気口4aから出てきた蒸気は、蒸気筒14内を通過して炊飯器100の外へと放出されるように構成されている。
【0016】
炊飯器本体1の上面のヒンジ軸22近傍には溝17が設けられている。外気温が非常に低い場合などでは、炊飯が終了した後で蓋本体3を開けた際に、内蓋4の内釜2側に付着した水滴が落下する場合があるが、溝17は、この水滴が落下する範囲に設けられており、水滴を受ける機能を有する。
【0017】
蓋本体3には、炊飯のメニュー、時間などの各種情報を表示する表示装置18と、炊飯の開始、取り消し、予約などを実行するための操作ボタン19が搭載されている。操作ボタン19に対して操作が行われると、制御装置8に内蔵された炊飯プログラムが実行され、釜加熱装置5、内蓋加熱装置11を、炊飯プログラムの進行に合わせて動作、停止させて炊飯を実施する。
【0018】
炊飯器本体1には、炊飯器を運搬するためのハンドル20が設けられている。ハンドル20は、炊飯器本体1の側面上部の略前後中央に軸支されており、ハンドル20の回転方向は、蓋本体3の回動方向と略同一である。運搬時には、ハンドル20を回転させて、ハンドル20がハンドル20の軸支点(図示せず)のほぼ直上に位置するようにハンドル20を持ち上げ、使用者はハンドル20のみを持って炊飯器を運搬することが可能となる。また、ハンドル20を、炊飯器本体1が置かれている床面と略水平方向で支持するヒンジカバー21が設けられており、炊飯器100を運搬しない場合には、ヒンジカバー21の上にハンドル20を載置することで蓋本体3の開閉の邪魔にならないようになっている。ヒンジカバー21は、炊飯器本体1の後部に取り付けられており、蓋本体3の回動支点となるヒンジ軸22を炊飯器外から隠して、水滴や異物がヒンジに付着しないようにするとともに、ハンドル20がそれ以上下方に回転しないように支持する役割も果たしている。
【0019】
コイルベース1cの外周面には、釜加熱装置5を構成する底内コイル5aと、底外コイル5bと側面加熱ヒータ5cが取り付けられている。底内コイル5aは、コイルベース1cを介して内釜2の底部の中央部周囲に対向するように配置されており、内釜2の底部を誘導加熱する。底外コイル5bは、コイルベース1cを介して内釜2の底部のコーナー部に対向するように配置されており、内釜2のコーナー部を加熱する。なお、本実施の形態では内釜2を誘導加熱する加熱手段を例に説明するが、例えば電気ヒータ等の他の加熱手段を設けてもよい。
【0020】
図2は、実施の形態1に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7の近傍を示している。
図2において、赤外線温度センサ6は、内釜2から放射される赤外線を受光する受光素子を有している。赤外線温度センサ6の受光素子が赤外線を検知する範囲である視野角は、図中破線の内側の角度Bで示す範囲内である。赤外線温度センサ6は、受光素子が受光した赤外線量に応じた温度情報を出力する。コイルベース1cの壁部には、開口部40が開口している。開口部40は、内釜2から放射される赤外線を赤外線温度センサ6が受光するために設けられたものであり、コイルベース1cの壁部のうち内釜2の温度を反映する部位に設けられている。本実施の形態では、内釜収納部1aに内釜2が収納されたときに内釜2の側壁に対応する位置に、開口部40が設けられている。さらに、内釜収納部1aに内釜2が収納されたときに、内釜2に設けられた水位目盛を含む位置に、開口部40を設けてもよい。
【0021】
赤外線透過ユニット7は、赤外線透過板71と、この赤外線透過板71をコイルベース1cに対して支持する支持部材72とで構成されている。赤外線透過板71は、例えば遠赤外線を通しやすいシリコンやサファイアなど結晶系材料や、ポリエチレンのような合成樹脂材料などの赤外線透過材料で構成されている。赤外線透過板71は、赤外線温度センサ6の受光素子の受光可能範囲を包含する面積を有している。
【0022】
支持部材72は、コイルベース1cに設けられた開口部40の外周を取り囲み、コイルベース1cの外側に向かってほぼ水平に起立するようにして設けられている。支持部材72のコイルベース1cとの接続箇所と対向する位置には、赤外線透過板71が嵌挿されている。赤外線透過板71と開口部40とは対向し、かつ所定距離を隔てた位置に配置される。このような構成により、内釜2が内釜収納部1aに収納された状態において、内釜2の外面と赤外線透過板71とが、所定長さだけ離れた状態となる。
【0023】
赤外線温度センサ6の赤外線を受光可能範囲(視野角B)には、コイルベース1cの領域を含まず開口部40のみが含まれるよう、赤外線温度センサ6の受光範囲と開口部40の開口面積とが調整されている。
【0024】
制御装置8は、制御基板に実装されたマイクロコンピュータ及び制御回路を備え、炊飯器100を構成する各部の駆動制御を行う。制御装置8は、内蓋温度センサ10及び赤外線温度センサ6の検知情報と、操作ボタン19への入力に基づいて、予め内蔵されたプログラムにより釜加熱装置5と内蓋加熱装置11の動作、停止制御を行う。
【0025】
以上のように構成された本実施の形態における炊飯器について、以下その動作、作用について説明する。
【0026】
まず、使用者が、内釜2内に所定の米と水をセットし、表示装置18に表示された炊飯メニューを操作ボタン19で選択し、炊飯開始ボタンを押下することで、炊飯工程が開始される。ここで、炊飯工程は、水を一定温度に保って米に水を吸収させる浸せき工程、内釜2を釜加熱装置5により一気に加熱し、内釜2内の水を沸騰状態にする炊き上げ工程、内釜2内の水がほとんどなくなった状態で加熱を抑える蒸らし工程からなり、これらの工程において米の糊化を進めて炊飯する。
【0027】
制御装置8は、赤外線温度センサ6で検知された内釜2の温度から炊飯量を判定し、赤外線温度センサ6で検知された内釜2の温度及び炊飯量に応じて最適に釜加熱装置5を制御し、予め決められた炊飯プログラムに従って炊飯を行う。炊飯プログラムは、米の種類などによって複数のコースが準備されている。そして、蒸らし工程が終了すると、自動的に保温工程へと移行して炊き上がったご飯の温度が低下しないようにし、使用者がいつでも温かいご飯を食べられるようになっている。
【0028】
次に、炊飯プログラム実行による動作の詳細を以下に説明する。
【0029】
炊飯が開始されると、まず米に水を吸収させる浸せき工程が始まる。制御装置8は、釜加熱装置5により内釜2の加熱を開始し、内釜2内の水の温度を赤外線温度センサ6によって検知し、検知した温度に基づいて内釜2内の米と水の量(炊飯量)を判定する。炊飯量の判定は、例えば、炊飯量が多い場合には少ない場合と比べて温度上昇が遅いことを利用し、釜加熱装置5による加熱を開始してから所定時間経過した時点における温度上昇度合いや、ある温度に達するまでの所要時間に基づいて行うことができる。
【0030】
炊飯量を判定した後は、制御装置8は、赤外線温度センサ6により所定周期で温度を検知し、釜加熱装置5を制御して米の糊化が始まらない温度(約60℃未満)に調整して米の吸水を促進する。米は、糊化が始まらない温度範囲のうち最も高い温度であって、さらにその温度が一定時間(例えば30分〜2時間)継続されることで吸水率が向上しやすい。このため、赤外線温度センサ6により内釜2の温度を検知し、これに基づいて制御装置8は、内釜2の温度を米の糊化が始まらない温度(約60℃未満)に調整する。
【0031】
ここで、本実施の形態1の炊飯器100は、赤外線透過板71を、内釜2の側面から所定距離離れた位置に設けている。このため、内釜2からの熱による赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。すなわち、支持部材72によって開口部40と赤外線透過板71とが所定距離を隔てて配置されるので、支持部材72内の空気が断熱層として機能し、赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。したがって、赤外線透過板71を通して内釜2から放射される赤外線を受光する赤外線温度センサ6は、より正確に内釜2の温度を検出することができる。赤外線温度センサ6は、内釜2の壁面の温度をほぼ正確に検知できるので、炊飯量をより正確に判定することができる。また、赤外線温度センサ6は、内釜2の壁面の温度をほぼ正確に検知できるので、内釜2の温度が上がりすぎないよう、内釜2の温度を米の糊化が始まらない温度(約60℃未満)に調整することができる。
【0032】
炊き上げ工程では、米に水と熱を加えて糊化を進行させる。制御装置8は、釜加熱装置5を動作させて内釜2を急速に加熱し、内釜2内の水を沸騰状態とする。内釜2内の水が徐々に少なくなると、内釜2の温度は100℃を超えて上昇し続ける。そして、赤外線温度センサ6が約130℃を検知すると、制御装置8は、内釜2内の水がなくなったと判断し、釜加熱装置5による加熱を停止する。
【0033】
蒸らし工程では、内釜2内にはほとんど水は残留しておらず、米に付着した余分な水分を蒸散させながら、内釜2内を、高温状態(約100℃の状態)に維持して糊化をさらに進展させる。この際、制御装置8は、内蓋温度センサ10で内釜2の上部空間の温度を検知しながら、内蓋加熱装置11を動作させて、米に対して熱を与え続け、糊化の進展を促進させる。
【0034】
以上のように、本実施の形態1の炊飯器100は、赤外線透過板71を内釜2の外面から離れた位置に設けたので、赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。このため、赤外線温度センサ6はより正確に釜の温度を検出することができるので、制御装置8はより正確に炊飯量を判定することができる。したがって、炊飯量に合った制御を行うことにより、炊飯量の多少にかかわらずおいしいご飯を炊き上げることのできる炊飯器100を得ることができる。また、赤外線温度センサ6は、内釜2の壁面の温度をほぼ正確に検知できるので、炊飯工程の各工程における温度制御をより正確に行うことができ、炊き上がりのばらつきを抑制することができる。
【0035】
なお、本実施の形態1で示した赤外線透過ユニット7は、後述する実施の形態3〜10と組み合わせて用いることができる。
【0036】
実施の形態2.
図3は、実施の形態2に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Aの近傍を示している。本実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付す。
【0037】
図3に示すように、コイルベース1cに設けられた開口部40Aは、赤外線透過板71Aの面積を包含する大きさ及び位置に設けられている。支持部材72Aの上面は、開口部40Aの外周から外側に離れるにしたがって下降する形状を有している。より詳しくは、支持部材72Aは、開口部40Aの外周から外側に離れるにしたがって外径が狭くなるようにテーパー状に突出する形状を有している。そして、支持部材72Aには、開口部40Aと対向する位置に赤外線透過板71Aが嵌挿され、これにより、赤外線透過板71と開口部40とは所定距離離れた位置に配置される。
【0038】
本実施の形態2では、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、支持部材72Aの上面をコイルベース1cの開口部40Aから外側に離れるにしたがって下降する構成とすることで、支持部材72Aの上部に埃等が蓄積するのを抑制することができる。したがって、支持部材72Aに蓄積された埃等によって支持部材72A内の温度が上昇しやすい環境となるのを抑制でき、赤外線温度センサ6の検知精度の低下を抑制できる。
【0039】
なお、図3では、支持部材72Aの上側と下側とが同じ角度で傾斜する構成例を図示しているが、開口部40Aと赤外線透過板71Aとが対応する位置に配置される構成であれば、支持部材72Aの上側と下側の傾斜角度を異ならせてもよい。また、支持部材72Aの下側は水平に突出し、下側以外の部分以外の上面が傾斜する構成としてもよく、このようにしても支持部材72Aへの埃の蓄積を抑制できる。
【0040】
なお、本実施の形態2で示した傾斜する支持部材72Aを有する赤外線透過ユニット7Aは、後述する実施の形態3〜10と組み合わせて用いることができる。
【0041】
実施の形態3.
図4は、実施の形態3に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Aの近傍を示している。本実施の形態3では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付す。
【0042】
図4に示すように、コイルベース1cには、開口部40Aの周囲にネジ61が切られている。また、支持部材72Aには、ネジ61と対応するネジ62が切られている。支持部材72Aを回転させてネジ61とネジ62とを螺合させることで、支持部材72Aをコイルベース1cの開口部40Aに取り付けることができ、また、支持部材72Aを逆に回転させることでコイルベース1cの開口部40Aから取り外すことも可能である。このように、支持部材72Aを介して赤外線透過板71Aをコイルベース1cに対して着脱可能な構成である。
【0043】
なお、ネジ61、ネジ62に限らず、支持部材72Aをコイルベース1cに対して着脱可能な他の構成を採用してもよい。例えば、コイルベース1cに設けた係止爪で、支持部材72Aの外周部を押さえ込む構成としてもよい。
【0044】
本実施の形態3では、実施の形態2と同様の効果が得られるとともに、赤外線透過板71Aが取り付けられた支持部材72Aをコイルベース1cに対して着脱可能に設けたので、赤外線透過ユニット7Aが汚れた場合には、使用者が赤外線透過ユニット7Aを取り外して容易に洗浄することが可能となる。このため、長期間使用された場合でも、赤外線透過ユニット7Aが汚れることによる赤外線温度センサ6の検知精度の低下を抑制できる。
【0045】
なお、支持部材72Aはコイルベース1cに対して固着された状態とし、赤外線透過板71Aのみを支持部材72Aに対して着脱可能な構成としてもよい。このようにすることで、赤外線透過板71Aについては取り外しての洗浄が可能となり、赤外線透過板71Aが汚れることによる赤外線温度センサ6の検知精度の低下を抑制できる。
【0046】
なお、本実施の形態3で示した着脱可能な赤外線透過ユニット7の構成は、前述の実施の形態1、2、又は後述する実施の形態4〜10と組み合わせて用いることができる。
【0047】
実施の形態4.
図5は、実施の形態4に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Bの近傍を示している。本実施の形態4では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付す。
【0048】
本実施の形態4の支持部材72Bは、赤外線透過板71Bよりも熱伝導率の高い材料で構成されている。
また、図5に示すように、炊飯器本体1の内部には、赤外線透過ユニット7Bに対して冷却風を送風可能な位置に、冷却ファン30が設けられている。冷却ファン30は、赤外線透過ユニット7Bに対して送風可能な構成であれば、遠心ファンや軸流ファンなど任意のものを採用することができる。
【0049】
制御装置8(図5には図示せず)は、炊飯工程において加熱を開始すると、冷却ファン30を駆動する。このようにすることで、冷却ファン30により赤外線透過ユニット7Bに対して冷却風が送風される。そして、支持部材72Bは、赤外線透過板71Bよりも熱伝導率の高い材料で構成されているので、冷却風によって支持部材72Bの表面がより早く冷却され、支持部材72Bから赤外線透過板71Bへと伝わる熱を低減でき、赤外線透過板71Bの温度上昇を抑制することができる。
【0050】
本実施の形態4では、実施の形態2と同様の効果が得られることに加え、支持部材72Bを赤外線透過板71Bよりも熱伝導率の大きな材料で構成するとともに冷却ファン30を設けたので、赤外線透過板71Bの温度上昇をより抑制することが可能となる。このため、赤外線透過板71Bが温度上昇することにより赤外線温度センサ6の検知精度が低下するのを抑制でき、より正確に内釜2の温度を検知することができる。内釜2の温度を正確に検知することで、正確に炊飯量を判定することが可能となり、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることができる炊飯器を提供することができる。
【0051】
なお、本実施の形態4で示した構成は、前述の実施の形態1〜3、又は後述する実施の形態6〜10と組み合わせて用いることができる。
【0052】
実施の形態5.
前述の実施の形態4は、支持部材72Bを赤外線透過板71Bよりも熱伝導率の大きな材料で構成するとともに、冷却ファン30により冷却風を供給することで、支持部材72Bから赤外線透過板71Bへ伝わる熱を低減して赤外線透過板71Bの温度上昇を抑制する構成であった。本実施の形態5では、冷却ファン30を設けず、支持部材から赤外線透過板へ伝わる熱を低減する構成例を説明する。本実施の形態5では、実施の形態4との相違点を中心に説明し、実施の形態4と同様の構成には同一の符号を付す。本実施の形態5では、赤外線透過板71、支持部材72という符号で説明する。
【0053】
ここで、釜加熱装置5により内釜2を加熱した場合の、内釜2の表面と赤外線透過板の温度変化の例を説明する。
図6は、釜加熱装置5により内釜2を加熱した場合の、内釜2の表面と赤外線透過板71の温度変化の一例を示すグラフである。図6において、X1は内釜2の表面温度を示し、Y1は支持部材72がコイルベース1cよりも熱伝導率の大きい材料で構成された場合における赤外線透過板71の温度を示し、Y2は支持部材72がコイルベース1cよりも熱伝導率の小さい材料で構成された場合における赤外線透過板71の温度を示している。なお、図6においては、実施の形態4で示した冷却ファン30が設けられていないことを前提としている。
【0054】
図6のY1に示すように、支持部材72をコイルベース1cよりも熱伝導率の大きい材料で構成した場合、赤外線透過板71は内釜2の表面温度よりも温度上昇が早い。このような構成であると、赤外線透過板71を通して赤外線を受光する赤外線温度センサ6は、内釜2の温度を正確に検知することができない。
一方、図6のY2に示すように、支持部材72をコイルベース1cよりも熱伝導率の小さい材料で構成した場合、赤外線透過板71は内釜2の表面温度よりも温度上昇が遅い。
【0055】
そこで、本実施の形態5では、支持部材72を、コイルベース1cよりも熱伝導率の小さい材料で構成する。このようにすることで、コイルベース1cに取り付けられた支持部材72に対してコイルベース1cから熱が伝わるのを抑制でき、図6のY2に示すように、内釜2の表面よりも赤外線透過板71の温度上昇を小さくすることができる。すなわち、支持部材72は、赤外線透過板71の断熱部材として機能し、赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。
【0056】
このように、本実施の形態5によっても、赤外線透過板71が温度上昇することにより赤外線温度センサ6の検知精度が低下するのを抑制でき、より正確に内釜2の温度を検知することができる。内釜2の温度を正確に検知することで、正確に炊飯量を判定することが可能となり、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることができる炊飯器を提供することができる。
【0057】
なお、本実施の形態5で示した構成は、前述の実施の形態1〜3、又は後述する実施の形態6〜10と組み合わせて用いることができる。
【0058】
実施の形態6.
図7は、実施の形態6に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7D、7Eの近傍を示している。本実施の形態6では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付す。
【0059】
図7に示すように、赤外線温度センサ6は、複数(図7の例では2個)の光検知部6a、6bを備える。光検知部6a、6bは、それぞれ、所定の受光範囲における赤外線を受光可能に構成されている。赤外線温度センサ6は、光検知部6a、6bがそれぞれ受光した赤外線量に応じた温度を検知し、温度情報として出力する。
【0060】
光検知部6aの視野角に対応して、コイルベース1cには開口部40Dが設けられているとともに、支持部材72D及び赤外線透過板71Dからなる赤外線透過ユニット7Dが設けられている。本実施の形態では図7に示すように、支持部材72Dの上部はコイルベース1cから離れるにしたがって下降するとともに下部はほぼ水平に延びる形状を有しているが、支持部材72Dの突出形状はこれに限るものではなく、光検知部6aの受光範囲との関係で適宜設定することができる。
また、光検知部6bの受光範囲に対応して、コイルベース1cに開口部40Eが設けられているとともに、支持部材72E及び赤外線透過板71Eからなる赤外線透過ユニット7Eが設けられている。本実施の形態では図7に示すように、支持部材72Eの上部はコイルベース1cから離れるにしたがって下降するとともに下部はコイルベース1cから離れるにしたがって上昇する形状を有しているが、支持部材72Eの突出形状はこれに限るものではなく、光検知部6bの受光範囲との関係で適宜設定することができる。
【0061】
本実施の形態6では、光検知部6aの受光範囲が内釜2の熱源となる釜加熱装置5から最も遠い場所を含むよう、光検知部6aの配置及び視野角と、開口部40Bの配置及び面積と、赤外線透過ユニット7Dの構成とが設定されている。また、光検知部6bの受光範囲が内釜2に設けられた水位線(図示せず)の近傍を含むよう、光検知部6bの配置及び視野角と、開口部40Cの配置及び面積と、赤外線透過ユニット7Eの構成とが設定されている。そして、制御装置8は、光検知部6aが検知した赤外線に基づく温度情報と、光検知部6bが検知した赤外線に基づく温度情報とを比較することによって、内釜2内の米と水の量(炊飯量)を判定する。
【0062】
本実施の形態6によれば、赤外線温度センサ6を、複数の光検知部6a、6bを備えた構成としたので、単一の赤外線温度センサ6により複数箇所の温度を同時に検知することができる。そして、検知した複数箇所の温度を比較して内釜2の炊飯量を判定することで、より正確に炊飯量の判定が行え、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることができる炊飯器を提供することが可能となる。
【0063】
なお、本実施の形態6では、2個の光検知部6a、6bを備えた例を示したが、3個以上の光検知部を設けて3箇所以上の温度を検知するようにしてもよい。より多くの箇所の温度を検知する構成とすることで、炊飯量の判定処理における誤差を低減でき、より正確に炊飯量を判定することができる。
【0064】
実施の形態7.
図8は、実施の形態7に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Aの近傍を示している。本実施の形態7では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付す。
【0065】
本実施の形態の赤外線温度センサ6には、赤外線温度センサ6を上下移動させる駆動装置(図示せず)が連結されている。この駆動装置は、例えば正逆回転可能なモータを備えており、制御装置8(図8には図示せず)により制御される。駆動装置の駆動により、赤外線温度センサ6と内釜2の側面との距離を一定に保ったまま、赤外線温度センサ6が上下方向に移動する。
【0066】
赤外線透過板71Aの面積及び配置は、赤外線温度センサ6の受光可能範囲を包含するように設定されている。
【0067】
制御装置8(図8には図示せず)は、炊飯工程において加熱を開始すると、図示しない駆動装置を制御して赤外線温度センサ6を初期位置(例えば下端位置)に移動させる。赤外線温度センサ6は、開口部40A及びこれに設けられた赤外線透過ユニット7Aを通して、内釜2から放射される赤外線を受光し、温度を検知する。制御装置8は、この初期位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。次に、制御装置8は駆動装置を制御して赤外線温度センサ6を移動させ、その位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。同様にして、赤外線温度センサ6を移動させ、制御装置8は複数箇所の温度を取得する。そして、制御装置8は、取得した複数箇所の温度の相関から、内釜2内の米と水の量(炊飯量)を判定する。
【0068】
また、炊飯工程を構成する各工程においては、制御装置8は、赤外線温度センサ6を上下方向に移動させることによって複数箇所の温度検知を行い、検知した複数の温度に基づいて内釜2の温度を判定する。また、制御装置8は、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、赤外線温度センサ6を上下方向に移動させ、その位置において温度検知を行ってもよく、このようにすることで、内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0069】
本実施の形態7によれば、赤外線温度センサ6を上下移動可能な構成としたので、単一の赤外線温度センサ6により複数箇所の温度を検知することができる。そして、検知した複数箇所の温度に基づいて炊飯量を判定するようにしたので、炊飯量の判定処理における誤差を低減でき、より正確に炊飯量を判定することができる。このため、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることのできる炊飯器を提供することが可能となる。また、複数箇所の温度に基づいて内釜2の温度を判断することで、温度検知誤差を低減でき、内釜2の温度をより正確に判断することができる。また、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、赤外線温度センサ6を上下方向に移動させて温度検知することによって、炊飯量にかかわらず内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0070】
実施の形態8.
図9は、実施の形態8に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Fの近傍を示している。本実施の形態8では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付す。
【0071】
赤外線温度センサ6は、実施の形態1で示したものと比較して視野角Bが大きく構成されている。
【0072】
コイルベース1cと赤外線温度センサ6との間には、スリット91を有する板状の検知範囲調整部材9が設けられている。スリット91は、赤外線温度センサ6の受光範囲を絞る目的で設けられた隙間である。赤外線温度センサ6は、内釜2から放射される赤外線を、スリット91を通して受光する。すなわち、赤外線温度センサ6は視野角Bを有するが、検知範囲調整部材9により絞られた検知範囲B1(B>B1)において温度検知を行うこととなる。検知範囲調整部材9にはモータ等の駆動装置(図示せず)が連結されている。この駆動装置の駆動により、検知範囲調整部材9及びこれに設けられたスリット91は、内釜2の略側面に対向して上下方向に移動する。
【0073】
コイルベース1cには、赤外線温度センサ6の視野角Bの範囲内に、複数の開口部40Fが設けられている。そして、複数の開口部40Fにそれぞれ対応する赤外線透過ユニット7Fが設けられている。赤外線透過ユニット7F及びこれを構成する赤外線透過板71Fと支持部材72Fの構成は、実施の形態2で説明したものと同様の構成である。開口部40Fは、内釜2の側面において温度を検知したい位置に対応して設けられている。すべての開口部40Fは、赤外線温度センサ6の視野角Bの範囲に入っている。
【0074】
制御装置8(図9には図示せず)は、炊飯工程において加熱を開始すると、図示しない駆動装置を制御して検知範囲調整部材9を初期位置(いずれかの開口部40Fにスリット91が対応する位置)に移動させる。赤外線温度センサ6は、開口部40F及びこれに設けられた赤外線透過板71Fと、検知範囲調整部材9のスリット91を通して、内釜2から放射される赤外線を受光し、温度を検知する。制御装置8は、この初期位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。次に、制御装置8は駆動装置を制御して、他の開口部40Fにスリット91が対応するよう検知範囲調整部材9を移動させ、その位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。3箇所以上の温度を検知する場合、すなわち3つ以上の開口部40Fを設けた場合には、制御装置8は、同様にして検知範囲調整部材9を移動させて赤外線温度センサ6の検知温度を取得する。そして、制御装置8は、取得した複数箇所の温度の相関から、内釜2内の米と水の量(炊飯量)を判定する。
【0075】
また、炊飯工程を構成する各工程においては、制御装置8は、検知範囲調整部材9を上下方向に移動させることによって複数箇所の温度検知を行い、検知した複数の温度に基づいて内釜2の温度を判定する。また、制御装置8は、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、検知範囲調整部材9を上下方向に移動させ、その位置において温度検知を行ってもよく、このようにすることで、内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0076】
本実施の形態8によれば、赤外線温度センサ6と赤外線透過ユニット7Fとの間にスリット91を有する検知範囲調整部材9を設けて赤外線温度センサ6の検知範囲を絞るようにし、検知範囲調整部材9を上下移動させて複数箇所の温度を検知するようにした。このため、単一の赤外線温度センサ6により複数箇所の温度を検知することができる。そして、検知した複数箇所の温度に基づいて炊飯量を判定するようにしたので、炊飯量の判定処理における誤差を低減でき、より正確に炊飯量を判定することができる。このため、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることのできる炊飯器を提供することが可能となる。また、複数箇所の温度に基づいて内釜2の温度を判断することで、温度検知誤差を低減でき、内釜2の温度をより正確に判断することができる。また、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、検知範囲調整部材9を上下方向に移動させ、その位置において温度検知することによって、炊飯量にかかわらず内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0077】
実施の形態9.
図10は、実施の形態9に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Aの近傍を示している。本実施の形態9では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付す。
【0078】
本実施の形態9の赤外線温度センサ6には、回動軸63を介して赤外線温度センサ6を上下方向に回動させる駆動装置(図示せず)が連結されている。この駆動装置は、例えば正逆回転可能なモータを備えており、制御装置8(図10には図示せず)により制御される。駆動装置の駆動により、図11に示すように、赤外線温度センサ6が上下方向に回動する。
【0079】
赤外線透過板71Aの面積は、赤外線温度センサ6の視野角Bよりも大きく構成されており、回動後の赤外線温度センサ6は赤外線透過板71Aを通して赤外線を受光可能になっている。言い替えると、赤外線温度センサ6は、赤外線透過板71Aを通して赤外線を受光できるよう、その回動範囲が定められている。
なお、赤外線透過板71Aの面積を赤外線温度センサ6の視野角Bよりも大きく構成するのではなく、実施の形態6で示したようにコイルベース1cに複数の開口部と赤外線透過ユニットを設けてもよい。そして、赤外線温度センサ6が、いずれかの赤外線透過ユニットの赤外線透過板を通して赤外線を受光できるように、赤外線温度センサ6を回動させる構成としてもよい。
【0080】
制御装置8(図10には図示せず)は、炊飯工程において加熱を開始すると、図示しない駆動装置を制御して赤外線温度センサ6を初期位置に回動させる。赤外線温度センサ6は、開口部40F及び赤外線透過ユニット7Aを通して、内釜2から放射される赤外線を受光し、温度を検知する。制御装置8は、この初期位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。次に、制御装置8は駆動装置を制御して赤外線温度センサ6を上下方向に回動させ、その位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。同様にして、赤外線温度センサ6を上下方向に回動させ、制御装置8は複数箇所の温度を取得する。そして、制御装置8は、取得した複数箇所の温度の相関から、内釜2内の米と水の量(炊飯量)を判定する。
【0081】
また、炊飯工程を構成する各工程においては、制御装置8は、赤外線温度センサ6を上下方向に回動させることによって複数箇所の温度検知を行い、検知した複数の温度に基づいて内釜2の温度を判定する。また、制御装置8は、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、赤外線温度センサ6を上下方向に回動させ、その位置において温度検知を行ってもよく、このようにすることで、内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0082】
本実施の形態9によれば、赤外線温度センサ6を上下方向に回動可能に設けたので、単一の赤外線温度センサ6により複数箇所の温度を検知することができる。そして、検知した複数箇所の温度に基づいて炊飯量を判定するようにしたので、炊飯量の判定処理における誤差を低減でき、より正確に炊飯量を判定することができる。このため、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることのできる炊飯器を提供することが可能となる。また、複数箇所の温度に基づいて内釜2の温度を判断することで、温度検知誤差を低減でき、内釜2の温度をより正確に判断することができる。また、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、赤外線温度センサ6を上下方向に回動させ、その位置において温度検知することによって、炊飯量にかかわらず内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0083】
なお、上記実施の形態6〜実施の形態9で示した構成例は、赤外線温度センサ6の性能(視野角、感度)や、温度検知を行いたい範囲に応じて、互いに組み合わせて用いてもよい。
【0084】
実施の形態10.
図12は、実施の形態10に係る炊飯器の平面模式図であり、炊飯器本体1、内釜2、及び赤外線温度センサ6のみ記載している。本実施の形態10では、炊飯器本体1の形状と、内釜2及び赤外線温度センサ6の配置に着目して説明する。
【0085】
図12に示すように、炊飯器本体1は平面視ほぼ矩形の外郭を有している。そして、炊飯器本体1の内部には、平面視円形の内釜2が配置される。なお、図12では炊飯器本体1の四隅が直角に構成されている例を示しているが、四隅の形状はこれに限定されるものではなく、例えば丸角に構成されていてもよい。
【0086】
炊飯器本体1の四隅のうちの一箇所には、赤外線温度センサ6が配置されている。平面視矩形の炊飯器本体1の内部に平面視円形の内釜2を配置した場合、炊飯器本体1の四隅においては、内釜2との間に相対的に大きな距離を確保することができるため、この位置に赤外線温度センサ6を配置しているのである。図示しないが、赤外線温度センサ6に対応して、コイルベース1cに開口部が設けられるとともに赤外線透過ユニット7が設けられている。炊飯器本体1の対角線上においては、内釜2と炊飯器本体1との距離が相対的に大きいので、赤外線透過板71をより内釜2から離れた位置に配置することができる。このようにすることで、赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。なお、本実施の形態10は、実施の形態1〜9と組み合わせて用いることができる。
【0087】
本実施の形態10によれば、平面視ほぼ矩形の炊飯器本体1内に、平面視円形の内釜2を配置し、炊飯器本体1の四隅の一つに赤外線温度センサ6と赤外線透過板71を配置した。このため、赤外線透過板71と内釜2との間に相対的に長い距離を確保することができ、赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。したがって、赤外線温度センサ6でより正確な釜の温度を検知することができる。釜の温度を正確に検知することで、正確に炊飯量を判定することが可能となり、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることができる炊飯器を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
1 炊飯器本体、1a 内釜収納部、1b 上枠、1c コイルベース、1d フック、1e バネ、1f 外郭、1g 上面開口、2 内釜、2a 上面開口、3 蓋本体、3a フック、4 内蓋、4a 蒸気口、5 釜加熱装置、5a 底内コイル、5b 底外コイル、5c 側面加熱ヒータ、6 赤外線温度センサ、6a 光検知部、6b 光検知部、7 赤外線透過ユニット、8 制御装置、9 検知範囲調整部材、10 内蓋温度センサ、11 内蓋加熱装置、12 回動バネ、13 内蓋パッキン、14 蒸気筒、17 溝、18 表示装置、19 操作ボタン、20 ハンドル、21 ヒンジカバー、22 ヒンジ軸、30 冷却ファン、40 開口部、61 ネジ、62 ネジ、63 回動軸、71 赤外線透過板、72 支持部材、91 スリット、100 炊飯器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器として、「回転台7に載置された内釜2の底面に接触して、内釜2の底面温度Tb」を検出する「底センサ13」と、「内釜2の側面及び下部に接触して内釜2の側面温度Tc,Tdを検出する第2温度検出器としての側面センサ、及び第3温度検出器としての側面センサ」とを備え、「制御部22は底センサ13、側面センサ25及び側面センサ26の各検出情報に基づいて、内釜2内に入れられた水wと米rからなる炊飯量Wを検出する。この炊飯量検出手段の検出結果より制御部22は加熱コイル5と回転手段10を制御するようになっている。」という技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−23851号公報(第4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の炊飯器では、温度検出器として複数のセンサを備え、このセンサの検出結果に基づいて炊飯量の判定や炊飯制御を行っている。
しかしながら、特許文献1に記載の炊飯器では、温度検出器が内釜の底面又は側面に接触しており、内釜の底面又は側面と温度検出器との間には物理的に遮蔽する板等の部材がまったく無い。このため、例えば、使用者が内釜を着脱するときに水や埃や温度検出器に付着して部品劣化が生じるなど、炊飯器の使用環境によって温度検知の精度が確保できないという課題があった。特に、炊飯工程の初期工程においては内釜の温度が相対的に低温であるので、温度検知の精度が低いと正確に炊飯量を判定するのが困難であり、ご飯の炊き上がりに影響しうる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、より正確に温度検知を行うことのできる炊飯器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る炊飯器は、内釜と、前記内釜を収納する内釜収納部を備えた炊飯器本体と、前記炊飯器本体の上面開口を開閉する蓋本体と、前記内釜収納部の壁部に形成された開口部に対向するように設けられる赤外線透過部材と、前記内釜収納部の前記開口部に対し、外側に所定距離を隔てて前記赤外線透過部材を支持する支持部材と、前記内釜から放射される赤外線を前記赤外線透過部材を通して受光し、この赤外線に基づいて温度を検知する赤外線温度センサと、前記内釜を加熱する内釜加熱装置と、前記赤外線温度センサが検知した温度に基づいて前記内釜加熱装置を制御する制御装置とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の炊飯器は、赤外線透過部材と内釜が所定距離隔てて配置されるので、赤外線透過部材の温度上昇を抑制することができる。このため、赤外線透過部材を通して赤外線を受光する赤外線温度センサは、より正確な釜の温度を検知することができる。釜の温度を正確に検知することで、正確に炊飯量を判定することが可能となり、おいしいご飯に炊き上げることができる炊飯器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る炊飯器の側面断面模式図である。
【図2】実施の形態1に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図3】実施の形態2に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図4】実施の形態3に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図5】実施の形態4に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図6】実施の形態5に係る内釜を加熱した場合の、内釜の表面と赤外線透過板の温度変化を示すグラフである。
【図7】実施の形態6に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図8】実施の形態7に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図9】実施の形態8に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図10】実施の形態9に係る炊飯器の要部断面模式図である。
【図11】実施の形態9に係る赤外線温度センサの動作例を説明する図である。
【図12】実施の形態10に係る炊飯器の平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は、実施の形態1に係る炊飯器の側面断面模式図である。図1に示すように、本実施の形態に係る炊飯器100は、炊飯器本体1と、上面に上面開口2aを有し誘導加熱により発熱する磁性体の金属を含む有底円筒状の内釜2と、炊飯器本体1の上面に設けられた上面開口1gを開閉可能に覆う蓋本体3とを備えている。蓋本体3の内側(内釜2の上面開口2aを覆う側)には、内釜2の上面開口2aを密閉可能な略円盤状の内蓋4が着脱自在に取り付けられている。内釜収納部1aの外面には、釜加熱装置5が設けられている。炊飯器本体1の内部には、赤外線温度センサ6と赤外線透過ユニット7と、炊飯器100における加熱制御を行う制御装置8が設けられている。
【0010】
炊飯器本体1は、外郭を構成する外郭1fと、炊飯器本体1の内部に設けられ、内釜2を収納する内釜収納部1aとを備えている。内釜収納部1aは、炊飯器本体1の上面開口1gの内周部に嵌合された略環状の上枠1bと、内釜2の形状に対応して有底円筒形状に形成され、上部開口側端部で上枠1bに一体的に接続されたコイルベース1cとで構成されている。
【0011】
炊飯器本体1の前壁上部(図1の紙面左側上部)には、蓋本体3のフック3aに係合可能なフック1dが設けられている。フック1dとコイルベース1cとの間にはバネ1eが設けられ、フック1dは、そのバネ1eにより前方(図1の紙面左側)に付勢されている。
【0012】
蓋本体3は、ヒンジ軸22を介して炊飯器本体1に取り付けられており、上面開口1gを開閉自在である。ヒンジ軸22は蓋本体3の開閉軸であり、ヒンジ軸22の両端部は、炊飯器本体1の上枠1bに回動自在に取り付けられている。また、蓋本体3は、ヒンジ軸22の近傍に設けられた回動バネ12により、開成方向に付勢されている。蓋本体3には、外部と後述する蒸気口4aとを連通し、内釜2内の蒸気を外部に放出する蒸気筒14が設けられている。
【0013】
蓋本体3には、蓋温度検知装置の一例である内蓋温度センサ10と、内蓋加熱コイルからなる内蓋加熱装置11とが設けられている。内蓋温度センサ10は、例えばサーミスタからなり、内蓋4の温度を検出して制御装置8に出力する。内蓋加熱装置11は、蓋本体3内に設置され、制御装置8に制御されて内蓋4を誘導加熱するよう構成されている。
【0014】
内蓋4の一部は、内蓋加熱装置11による誘導加熱が可能なステンレスなどの金属で構成されている。また、内蓋4には、内釜2内の蒸気を内釜2外へと排出するために、複数の穴からなる蒸気口4a(例えば、開口面積が0.5cm2)を設けている。内蓋4の外周部の内釜2側の面には、蓋本体3が閉状態にあるとき、内釜2と密接する略環状の内蓋パッキン13が取り付けられている。内蓋パッキン13は、ゴムなどの弾性体で構成されている。
【0015】
蒸気筒14は、蓋本体3に着脱自在に取り付けられており、内蓋4の蒸気口4aから出てきた蒸気は、蒸気筒14内を通過して炊飯器100の外へと放出されるように構成されている。
【0016】
炊飯器本体1の上面のヒンジ軸22近傍には溝17が設けられている。外気温が非常に低い場合などでは、炊飯が終了した後で蓋本体3を開けた際に、内蓋4の内釜2側に付着した水滴が落下する場合があるが、溝17は、この水滴が落下する範囲に設けられており、水滴を受ける機能を有する。
【0017】
蓋本体3には、炊飯のメニュー、時間などの各種情報を表示する表示装置18と、炊飯の開始、取り消し、予約などを実行するための操作ボタン19が搭載されている。操作ボタン19に対して操作が行われると、制御装置8に内蔵された炊飯プログラムが実行され、釜加熱装置5、内蓋加熱装置11を、炊飯プログラムの進行に合わせて動作、停止させて炊飯を実施する。
【0018】
炊飯器本体1には、炊飯器を運搬するためのハンドル20が設けられている。ハンドル20は、炊飯器本体1の側面上部の略前後中央に軸支されており、ハンドル20の回転方向は、蓋本体3の回動方向と略同一である。運搬時には、ハンドル20を回転させて、ハンドル20がハンドル20の軸支点(図示せず)のほぼ直上に位置するようにハンドル20を持ち上げ、使用者はハンドル20のみを持って炊飯器を運搬することが可能となる。また、ハンドル20を、炊飯器本体1が置かれている床面と略水平方向で支持するヒンジカバー21が設けられており、炊飯器100を運搬しない場合には、ヒンジカバー21の上にハンドル20を載置することで蓋本体3の開閉の邪魔にならないようになっている。ヒンジカバー21は、炊飯器本体1の後部に取り付けられており、蓋本体3の回動支点となるヒンジ軸22を炊飯器外から隠して、水滴や異物がヒンジに付着しないようにするとともに、ハンドル20がそれ以上下方に回転しないように支持する役割も果たしている。
【0019】
コイルベース1cの外周面には、釜加熱装置5を構成する底内コイル5aと、底外コイル5bと側面加熱ヒータ5cが取り付けられている。底内コイル5aは、コイルベース1cを介して内釜2の底部の中央部周囲に対向するように配置されており、内釜2の底部を誘導加熱する。底外コイル5bは、コイルベース1cを介して内釜2の底部のコーナー部に対向するように配置されており、内釜2のコーナー部を加熱する。なお、本実施の形態では内釜2を誘導加熱する加熱手段を例に説明するが、例えば電気ヒータ等の他の加熱手段を設けてもよい。
【0020】
図2は、実施の形態1に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7の近傍を示している。
図2において、赤外線温度センサ6は、内釜2から放射される赤外線を受光する受光素子を有している。赤外線温度センサ6の受光素子が赤外線を検知する範囲である視野角は、図中破線の内側の角度Bで示す範囲内である。赤外線温度センサ6は、受光素子が受光した赤外線量に応じた温度情報を出力する。コイルベース1cの壁部には、開口部40が開口している。開口部40は、内釜2から放射される赤外線を赤外線温度センサ6が受光するために設けられたものであり、コイルベース1cの壁部のうち内釜2の温度を反映する部位に設けられている。本実施の形態では、内釜収納部1aに内釜2が収納されたときに内釜2の側壁に対応する位置に、開口部40が設けられている。さらに、内釜収納部1aに内釜2が収納されたときに、内釜2に設けられた水位目盛を含む位置に、開口部40を設けてもよい。
【0021】
赤外線透過ユニット7は、赤外線透過板71と、この赤外線透過板71をコイルベース1cに対して支持する支持部材72とで構成されている。赤外線透過板71は、例えば遠赤外線を通しやすいシリコンやサファイアなど結晶系材料や、ポリエチレンのような合成樹脂材料などの赤外線透過材料で構成されている。赤外線透過板71は、赤外線温度センサ6の受光素子の受光可能範囲を包含する面積を有している。
【0022】
支持部材72は、コイルベース1cに設けられた開口部40の外周を取り囲み、コイルベース1cの外側に向かってほぼ水平に起立するようにして設けられている。支持部材72のコイルベース1cとの接続箇所と対向する位置には、赤外線透過板71が嵌挿されている。赤外線透過板71と開口部40とは対向し、かつ所定距離を隔てた位置に配置される。このような構成により、内釜2が内釜収納部1aに収納された状態において、内釜2の外面と赤外線透過板71とが、所定長さだけ離れた状態となる。
【0023】
赤外線温度センサ6の赤外線を受光可能範囲(視野角B)には、コイルベース1cの領域を含まず開口部40のみが含まれるよう、赤外線温度センサ6の受光範囲と開口部40の開口面積とが調整されている。
【0024】
制御装置8は、制御基板に実装されたマイクロコンピュータ及び制御回路を備え、炊飯器100を構成する各部の駆動制御を行う。制御装置8は、内蓋温度センサ10及び赤外線温度センサ6の検知情報と、操作ボタン19への入力に基づいて、予め内蔵されたプログラムにより釜加熱装置5と内蓋加熱装置11の動作、停止制御を行う。
【0025】
以上のように構成された本実施の形態における炊飯器について、以下その動作、作用について説明する。
【0026】
まず、使用者が、内釜2内に所定の米と水をセットし、表示装置18に表示された炊飯メニューを操作ボタン19で選択し、炊飯開始ボタンを押下することで、炊飯工程が開始される。ここで、炊飯工程は、水を一定温度に保って米に水を吸収させる浸せき工程、内釜2を釜加熱装置5により一気に加熱し、内釜2内の水を沸騰状態にする炊き上げ工程、内釜2内の水がほとんどなくなった状態で加熱を抑える蒸らし工程からなり、これらの工程において米の糊化を進めて炊飯する。
【0027】
制御装置8は、赤外線温度センサ6で検知された内釜2の温度から炊飯量を判定し、赤外線温度センサ6で検知された内釜2の温度及び炊飯量に応じて最適に釜加熱装置5を制御し、予め決められた炊飯プログラムに従って炊飯を行う。炊飯プログラムは、米の種類などによって複数のコースが準備されている。そして、蒸らし工程が終了すると、自動的に保温工程へと移行して炊き上がったご飯の温度が低下しないようにし、使用者がいつでも温かいご飯を食べられるようになっている。
【0028】
次に、炊飯プログラム実行による動作の詳細を以下に説明する。
【0029】
炊飯が開始されると、まず米に水を吸収させる浸せき工程が始まる。制御装置8は、釜加熱装置5により内釜2の加熱を開始し、内釜2内の水の温度を赤外線温度センサ6によって検知し、検知した温度に基づいて内釜2内の米と水の量(炊飯量)を判定する。炊飯量の判定は、例えば、炊飯量が多い場合には少ない場合と比べて温度上昇が遅いことを利用し、釜加熱装置5による加熱を開始してから所定時間経過した時点における温度上昇度合いや、ある温度に達するまでの所要時間に基づいて行うことができる。
【0030】
炊飯量を判定した後は、制御装置8は、赤外線温度センサ6により所定周期で温度を検知し、釜加熱装置5を制御して米の糊化が始まらない温度(約60℃未満)に調整して米の吸水を促進する。米は、糊化が始まらない温度範囲のうち最も高い温度であって、さらにその温度が一定時間(例えば30分〜2時間)継続されることで吸水率が向上しやすい。このため、赤外線温度センサ6により内釜2の温度を検知し、これに基づいて制御装置8は、内釜2の温度を米の糊化が始まらない温度(約60℃未満)に調整する。
【0031】
ここで、本実施の形態1の炊飯器100は、赤外線透過板71を、内釜2の側面から所定距離離れた位置に設けている。このため、内釜2からの熱による赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。すなわち、支持部材72によって開口部40と赤外線透過板71とが所定距離を隔てて配置されるので、支持部材72内の空気が断熱層として機能し、赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。したがって、赤外線透過板71を通して内釜2から放射される赤外線を受光する赤外線温度センサ6は、より正確に内釜2の温度を検出することができる。赤外線温度センサ6は、内釜2の壁面の温度をほぼ正確に検知できるので、炊飯量をより正確に判定することができる。また、赤外線温度センサ6は、内釜2の壁面の温度をほぼ正確に検知できるので、内釜2の温度が上がりすぎないよう、内釜2の温度を米の糊化が始まらない温度(約60℃未満)に調整することができる。
【0032】
炊き上げ工程では、米に水と熱を加えて糊化を進行させる。制御装置8は、釜加熱装置5を動作させて内釜2を急速に加熱し、内釜2内の水を沸騰状態とする。内釜2内の水が徐々に少なくなると、内釜2の温度は100℃を超えて上昇し続ける。そして、赤外線温度センサ6が約130℃を検知すると、制御装置8は、内釜2内の水がなくなったと判断し、釜加熱装置5による加熱を停止する。
【0033】
蒸らし工程では、内釜2内にはほとんど水は残留しておらず、米に付着した余分な水分を蒸散させながら、内釜2内を、高温状態(約100℃の状態)に維持して糊化をさらに進展させる。この際、制御装置8は、内蓋温度センサ10で内釜2の上部空間の温度を検知しながら、内蓋加熱装置11を動作させて、米に対して熱を与え続け、糊化の進展を促進させる。
【0034】
以上のように、本実施の形態1の炊飯器100は、赤外線透過板71を内釜2の外面から離れた位置に設けたので、赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。このため、赤外線温度センサ6はより正確に釜の温度を検出することができるので、制御装置8はより正確に炊飯量を判定することができる。したがって、炊飯量に合った制御を行うことにより、炊飯量の多少にかかわらずおいしいご飯を炊き上げることのできる炊飯器100を得ることができる。また、赤外線温度センサ6は、内釜2の壁面の温度をほぼ正確に検知できるので、炊飯工程の各工程における温度制御をより正確に行うことができ、炊き上がりのばらつきを抑制することができる。
【0035】
なお、本実施の形態1で示した赤外線透過ユニット7は、後述する実施の形態3〜10と組み合わせて用いることができる。
【0036】
実施の形態2.
図3は、実施の形態2に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Aの近傍を示している。本実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付す。
【0037】
図3に示すように、コイルベース1cに設けられた開口部40Aは、赤外線透過板71Aの面積を包含する大きさ及び位置に設けられている。支持部材72Aの上面は、開口部40Aの外周から外側に離れるにしたがって下降する形状を有している。より詳しくは、支持部材72Aは、開口部40Aの外周から外側に離れるにしたがって外径が狭くなるようにテーパー状に突出する形状を有している。そして、支持部材72Aには、開口部40Aと対向する位置に赤外線透過板71Aが嵌挿され、これにより、赤外線透過板71と開口部40とは所定距離離れた位置に配置される。
【0038】
本実施の形態2では、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、支持部材72Aの上面をコイルベース1cの開口部40Aから外側に離れるにしたがって下降する構成とすることで、支持部材72Aの上部に埃等が蓄積するのを抑制することができる。したがって、支持部材72Aに蓄積された埃等によって支持部材72A内の温度が上昇しやすい環境となるのを抑制でき、赤外線温度センサ6の検知精度の低下を抑制できる。
【0039】
なお、図3では、支持部材72Aの上側と下側とが同じ角度で傾斜する構成例を図示しているが、開口部40Aと赤外線透過板71Aとが対応する位置に配置される構成であれば、支持部材72Aの上側と下側の傾斜角度を異ならせてもよい。また、支持部材72Aの下側は水平に突出し、下側以外の部分以外の上面が傾斜する構成としてもよく、このようにしても支持部材72Aへの埃の蓄積を抑制できる。
【0040】
なお、本実施の形態2で示した傾斜する支持部材72Aを有する赤外線透過ユニット7Aは、後述する実施の形態3〜10と組み合わせて用いることができる。
【0041】
実施の形態3.
図4は、実施の形態3に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Aの近傍を示している。本実施の形態3では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付す。
【0042】
図4に示すように、コイルベース1cには、開口部40Aの周囲にネジ61が切られている。また、支持部材72Aには、ネジ61と対応するネジ62が切られている。支持部材72Aを回転させてネジ61とネジ62とを螺合させることで、支持部材72Aをコイルベース1cの開口部40Aに取り付けることができ、また、支持部材72Aを逆に回転させることでコイルベース1cの開口部40Aから取り外すことも可能である。このように、支持部材72Aを介して赤外線透過板71Aをコイルベース1cに対して着脱可能な構成である。
【0043】
なお、ネジ61、ネジ62に限らず、支持部材72Aをコイルベース1cに対して着脱可能な他の構成を採用してもよい。例えば、コイルベース1cに設けた係止爪で、支持部材72Aの外周部を押さえ込む構成としてもよい。
【0044】
本実施の形態3では、実施の形態2と同様の効果が得られるとともに、赤外線透過板71Aが取り付けられた支持部材72Aをコイルベース1cに対して着脱可能に設けたので、赤外線透過ユニット7Aが汚れた場合には、使用者が赤外線透過ユニット7Aを取り外して容易に洗浄することが可能となる。このため、長期間使用された場合でも、赤外線透過ユニット7Aが汚れることによる赤外線温度センサ6の検知精度の低下を抑制できる。
【0045】
なお、支持部材72Aはコイルベース1cに対して固着された状態とし、赤外線透過板71Aのみを支持部材72Aに対して着脱可能な構成としてもよい。このようにすることで、赤外線透過板71Aについては取り外しての洗浄が可能となり、赤外線透過板71Aが汚れることによる赤外線温度センサ6の検知精度の低下を抑制できる。
【0046】
なお、本実施の形態3で示した着脱可能な赤外線透過ユニット7の構成は、前述の実施の形態1、2、又は後述する実施の形態4〜10と組み合わせて用いることができる。
【0047】
実施の形態4.
図5は、実施の形態4に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Bの近傍を示している。本実施の形態4では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付す。
【0048】
本実施の形態4の支持部材72Bは、赤外線透過板71Bよりも熱伝導率の高い材料で構成されている。
また、図5に示すように、炊飯器本体1の内部には、赤外線透過ユニット7Bに対して冷却風を送風可能な位置に、冷却ファン30が設けられている。冷却ファン30は、赤外線透過ユニット7Bに対して送風可能な構成であれば、遠心ファンや軸流ファンなど任意のものを採用することができる。
【0049】
制御装置8(図5には図示せず)は、炊飯工程において加熱を開始すると、冷却ファン30を駆動する。このようにすることで、冷却ファン30により赤外線透過ユニット7Bに対して冷却風が送風される。そして、支持部材72Bは、赤外線透過板71Bよりも熱伝導率の高い材料で構成されているので、冷却風によって支持部材72Bの表面がより早く冷却され、支持部材72Bから赤外線透過板71Bへと伝わる熱を低減でき、赤外線透過板71Bの温度上昇を抑制することができる。
【0050】
本実施の形態4では、実施の形態2と同様の効果が得られることに加え、支持部材72Bを赤外線透過板71Bよりも熱伝導率の大きな材料で構成するとともに冷却ファン30を設けたので、赤外線透過板71Bの温度上昇をより抑制することが可能となる。このため、赤外線透過板71Bが温度上昇することにより赤外線温度センサ6の検知精度が低下するのを抑制でき、より正確に内釜2の温度を検知することができる。内釜2の温度を正確に検知することで、正確に炊飯量を判定することが可能となり、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることができる炊飯器を提供することができる。
【0051】
なお、本実施の形態4で示した構成は、前述の実施の形態1〜3、又は後述する実施の形態6〜10と組み合わせて用いることができる。
【0052】
実施の形態5.
前述の実施の形態4は、支持部材72Bを赤外線透過板71Bよりも熱伝導率の大きな材料で構成するとともに、冷却ファン30により冷却風を供給することで、支持部材72Bから赤外線透過板71Bへ伝わる熱を低減して赤外線透過板71Bの温度上昇を抑制する構成であった。本実施の形態5では、冷却ファン30を設けず、支持部材から赤外線透過板へ伝わる熱を低減する構成例を説明する。本実施の形態5では、実施の形態4との相違点を中心に説明し、実施の形態4と同様の構成には同一の符号を付す。本実施の形態5では、赤外線透過板71、支持部材72という符号で説明する。
【0053】
ここで、釜加熱装置5により内釜2を加熱した場合の、内釜2の表面と赤外線透過板の温度変化の例を説明する。
図6は、釜加熱装置5により内釜2を加熱した場合の、内釜2の表面と赤外線透過板71の温度変化の一例を示すグラフである。図6において、X1は内釜2の表面温度を示し、Y1は支持部材72がコイルベース1cよりも熱伝導率の大きい材料で構成された場合における赤外線透過板71の温度を示し、Y2は支持部材72がコイルベース1cよりも熱伝導率の小さい材料で構成された場合における赤外線透過板71の温度を示している。なお、図6においては、実施の形態4で示した冷却ファン30が設けられていないことを前提としている。
【0054】
図6のY1に示すように、支持部材72をコイルベース1cよりも熱伝導率の大きい材料で構成した場合、赤外線透過板71は内釜2の表面温度よりも温度上昇が早い。このような構成であると、赤外線透過板71を通して赤外線を受光する赤外線温度センサ6は、内釜2の温度を正確に検知することができない。
一方、図6のY2に示すように、支持部材72をコイルベース1cよりも熱伝導率の小さい材料で構成した場合、赤外線透過板71は内釜2の表面温度よりも温度上昇が遅い。
【0055】
そこで、本実施の形態5では、支持部材72を、コイルベース1cよりも熱伝導率の小さい材料で構成する。このようにすることで、コイルベース1cに取り付けられた支持部材72に対してコイルベース1cから熱が伝わるのを抑制でき、図6のY2に示すように、内釜2の表面よりも赤外線透過板71の温度上昇を小さくすることができる。すなわち、支持部材72は、赤外線透過板71の断熱部材として機能し、赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。
【0056】
このように、本実施の形態5によっても、赤外線透過板71が温度上昇することにより赤外線温度センサ6の検知精度が低下するのを抑制でき、より正確に内釜2の温度を検知することができる。内釜2の温度を正確に検知することで、正確に炊飯量を判定することが可能となり、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることができる炊飯器を提供することができる。
【0057】
なお、本実施の形態5で示した構成は、前述の実施の形態1〜3、又は後述する実施の形態6〜10と組み合わせて用いることができる。
【0058】
実施の形態6.
図7は、実施の形態6に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7D、7Eの近傍を示している。本実施の形態6では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付す。
【0059】
図7に示すように、赤外線温度センサ6は、複数(図7の例では2個)の光検知部6a、6bを備える。光検知部6a、6bは、それぞれ、所定の受光範囲における赤外線を受光可能に構成されている。赤外線温度センサ6は、光検知部6a、6bがそれぞれ受光した赤外線量に応じた温度を検知し、温度情報として出力する。
【0060】
光検知部6aの視野角に対応して、コイルベース1cには開口部40Dが設けられているとともに、支持部材72D及び赤外線透過板71Dからなる赤外線透過ユニット7Dが設けられている。本実施の形態では図7に示すように、支持部材72Dの上部はコイルベース1cから離れるにしたがって下降するとともに下部はほぼ水平に延びる形状を有しているが、支持部材72Dの突出形状はこれに限るものではなく、光検知部6aの受光範囲との関係で適宜設定することができる。
また、光検知部6bの受光範囲に対応して、コイルベース1cに開口部40Eが設けられているとともに、支持部材72E及び赤外線透過板71Eからなる赤外線透過ユニット7Eが設けられている。本実施の形態では図7に示すように、支持部材72Eの上部はコイルベース1cから離れるにしたがって下降するとともに下部はコイルベース1cから離れるにしたがって上昇する形状を有しているが、支持部材72Eの突出形状はこれに限るものではなく、光検知部6bの受光範囲との関係で適宜設定することができる。
【0061】
本実施の形態6では、光検知部6aの受光範囲が内釜2の熱源となる釜加熱装置5から最も遠い場所を含むよう、光検知部6aの配置及び視野角と、開口部40Bの配置及び面積と、赤外線透過ユニット7Dの構成とが設定されている。また、光検知部6bの受光範囲が内釜2に設けられた水位線(図示せず)の近傍を含むよう、光検知部6bの配置及び視野角と、開口部40Cの配置及び面積と、赤外線透過ユニット7Eの構成とが設定されている。そして、制御装置8は、光検知部6aが検知した赤外線に基づく温度情報と、光検知部6bが検知した赤外線に基づく温度情報とを比較することによって、内釜2内の米と水の量(炊飯量)を判定する。
【0062】
本実施の形態6によれば、赤外線温度センサ6を、複数の光検知部6a、6bを備えた構成としたので、単一の赤外線温度センサ6により複数箇所の温度を同時に検知することができる。そして、検知した複数箇所の温度を比較して内釜2の炊飯量を判定することで、より正確に炊飯量の判定が行え、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることができる炊飯器を提供することが可能となる。
【0063】
なお、本実施の形態6では、2個の光検知部6a、6bを備えた例を示したが、3個以上の光検知部を設けて3箇所以上の温度を検知するようにしてもよい。より多くの箇所の温度を検知する構成とすることで、炊飯量の判定処理における誤差を低減でき、より正確に炊飯量を判定することができる。
【0064】
実施の形態7.
図8は、実施の形態7に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Aの近傍を示している。本実施の形態7では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付す。
【0065】
本実施の形態の赤外線温度センサ6には、赤外線温度センサ6を上下移動させる駆動装置(図示せず)が連結されている。この駆動装置は、例えば正逆回転可能なモータを備えており、制御装置8(図8には図示せず)により制御される。駆動装置の駆動により、赤外線温度センサ6と内釜2の側面との距離を一定に保ったまま、赤外線温度センサ6が上下方向に移動する。
【0066】
赤外線透過板71Aの面積及び配置は、赤外線温度センサ6の受光可能範囲を包含するように設定されている。
【0067】
制御装置8(図8には図示せず)は、炊飯工程において加熱を開始すると、図示しない駆動装置を制御して赤外線温度センサ6を初期位置(例えば下端位置)に移動させる。赤外線温度センサ6は、開口部40A及びこれに設けられた赤外線透過ユニット7Aを通して、内釜2から放射される赤外線を受光し、温度を検知する。制御装置8は、この初期位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。次に、制御装置8は駆動装置を制御して赤外線温度センサ6を移動させ、その位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。同様にして、赤外線温度センサ6を移動させ、制御装置8は複数箇所の温度を取得する。そして、制御装置8は、取得した複数箇所の温度の相関から、内釜2内の米と水の量(炊飯量)を判定する。
【0068】
また、炊飯工程を構成する各工程においては、制御装置8は、赤外線温度センサ6を上下方向に移動させることによって複数箇所の温度検知を行い、検知した複数の温度に基づいて内釜2の温度を判定する。また、制御装置8は、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、赤外線温度センサ6を上下方向に移動させ、その位置において温度検知を行ってもよく、このようにすることで、内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0069】
本実施の形態7によれば、赤外線温度センサ6を上下移動可能な構成としたので、単一の赤外線温度センサ6により複数箇所の温度を検知することができる。そして、検知した複数箇所の温度に基づいて炊飯量を判定するようにしたので、炊飯量の判定処理における誤差を低減でき、より正確に炊飯量を判定することができる。このため、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることのできる炊飯器を提供することが可能となる。また、複数箇所の温度に基づいて内釜2の温度を判断することで、温度検知誤差を低減でき、内釜2の温度をより正確に判断することができる。また、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、赤外線温度センサ6を上下方向に移動させて温度検知することによって、炊飯量にかかわらず内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0070】
実施の形態8.
図9は、実施の形態8に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Fの近傍を示している。本実施の形態8では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付す。
【0071】
赤外線温度センサ6は、実施の形態1で示したものと比較して視野角Bが大きく構成されている。
【0072】
コイルベース1cと赤外線温度センサ6との間には、スリット91を有する板状の検知範囲調整部材9が設けられている。スリット91は、赤外線温度センサ6の受光範囲を絞る目的で設けられた隙間である。赤外線温度センサ6は、内釜2から放射される赤外線を、スリット91を通して受光する。すなわち、赤外線温度センサ6は視野角Bを有するが、検知範囲調整部材9により絞られた検知範囲B1(B>B1)において温度検知を行うこととなる。検知範囲調整部材9にはモータ等の駆動装置(図示せず)が連結されている。この駆動装置の駆動により、検知範囲調整部材9及びこれに設けられたスリット91は、内釜2の略側面に対向して上下方向に移動する。
【0073】
コイルベース1cには、赤外線温度センサ6の視野角Bの範囲内に、複数の開口部40Fが設けられている。そして、複数の開口部40Fにそれぞれ対応する赤外線透過ユニット7Fが設けられている。赤外線透過ユニット7F及びこれを構成する赤外線透過板71Fと支持部材72Fの構成は、実施の形態2で説明したものと同様の構成である。開口部40Fは、内釜2の側面において温度を検知したい位置に対応して設けられている。すべての開口部40Fは、赤外線温度センサ6の視野角Bの範囲に入っている。
【0074】
制御装置8(図9には図示せず)は、炊飯工程において加熱を開始すると、図示しない駆動装置を制御して検知範囲調整部材9を初期位置(いずれかの開口部40Fにスリット91が対応する位置)に移動させる。赤外線温度センサ6は、開口部40F及びこれに設けられた赤外線透過板71Fと、検知範囲調整部材9のスリット91を通して、内釜2から放射される赤外線を受光し、温度を検知する。制御装置8は、この初期位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。次に、制御装置8は駆動装置を制御して、他の開口部40Fにスリット91が対応するよう検知範囲調整部材9を移動させ、その位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。3箇所以上の温度を検知する場合、すなわち3つ以上の開口部40Fを設けた場合には、制御装置8は、同様にして検知範囲調整部材9を移動させて赤外線温度センサ6の検知温度を取得する。そして、制御装置8は、取得した複数箇所の温度の相関から、内釜2内の米と水の量(炊飯量)を判定する。
【0075】
また、炊飯工程を構成する各工程においては、制御装置8は、検知範囲調整部材9を上下方向に移動させることによって複数箇所の温度検知を行い、検知した複数の温度に基づいて内釜2の温度を判定する。また、制御装置8は、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、検知範囲調整部材9を上下方向に移動させ、その位置において温度検知を行ってもよく、このようにすることで、内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0076】
本実施の形態8によれば、赤外線温度センサ6と赤外線透過ユニット7Fとの間にスリット91を有する検知範囲調整部材9を設けて赤外線温度センサ6の検知範囲を絞るようにし、検知範囲調整部材9を上下移動させて複数箇所の温度を検知するようにした。このため、単一の赤外線温度センサ6により複数箇所の温度を検知することができる。そして、検知した複数箇所の温度に基づいて炊飯量を判定するようにしたので、炊飯量の判定処理における誤差を低減でき、より正確に炊飯量を判定することができる。このため、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることのできる炊飯器を提供することが可能となる。また、複数箇所の温度に基づいて内釜2の温度を判断することで、温度検知誤差を低減でき、内釜2の温度をより正確に判断することができる。また、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、検知範囲調整部材9を上下方向に移動させ、その位置において温度検知することによって、炊飯量にかかわらず内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0077】
実施の形態9.
図10は、実施の形態9に係る炊飯器の要部断面模式図であり、赤外線温度センサ6及び赤外線透過ユニット7Aの近傍を示している。本実施の形態9では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付す。
【0078】
本実施の形態9の赤外線温度センサ6には、回動軸63を介して赤外線温度センサ6を上下方向に回動させる駆動装置(図示せず)が連結されている。この駆動装置は、例えば正逆回転可能なモータを備えており、制御装置8(図10には図示せず)により制御される。駆動装置の駆動により、図11に示すように、赤外線温度センサ6が上下方向に回動する。
【0079】
赤外線透過板71Aの面積は、赤外線温度センサ6の視野角Bよりも大きく構成されており、回動後の赤外線温度センサ6は赤外線透過板71Aを通して赤外線を受光可能になっている。言い替えると、赤外線温度センサ6は、赤外線透過板71Aを通して赤外線を受光できるよう、その回動範囲が定められている。
なお、赤外線透過板71Aの面積を赤外線温度センサ6の視野角Bよりも大きく構成するのではなく、実施の形態6で示したようにコイルベース1cに複数の開口部と赤外線透過ユニットを設けてもよい。そして、赤外線温度センサ6が、いずれかの赤外線透過ユニットの赤外線透過板を通して赤外線を受光できるように、赤外線温度センサ6を回動させる構成としてもよい。
【0080】
制御装置8(図10には図示せず)は、炊飯工程において加熱を開始すると、図示しない駆動装置を制御して赤外線温度センサ6を初期位置に回動させる。赤外線温度センサ6は、開口部40F及び赤外線透過ユニット7Aを通して、内釜2から放射される赤外線を受光し、温度を検知する。制御装置8は、この初期位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。次に、制御装置8は駆動装置を制御して赤外線温度センサ6を上下方向に回動させ、その位置において赤外線温度センサ6が検知する温度を取得する。同様にして、赤外線温度センサ6を上下方向に回動させ、制御装置8は複数箇所の温度を取得する。そして、制御装置8は、取得した複数箇所の温度の相関から、内釜2内の米と水の量(炊飯量)を判定する。
【0081】
また、炊飯工程を構成する各工程においては、制御装置8は、赤外線温度センサ6を上下方向に回動させることによって複数箇所の温度検知を行い、検知した複数の温度に基づいて内釜2の温度を判定する。また、制御装置8は、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、赤外線温度センサ6を上下方向に回動させ、その位置において温度検知を行ってもよく、このようにすることで、内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0082】
本実施の形態9によれば、赤外線温度センサ6を上下方向に回動可能に設けたので、単一の赤外線温度センサ6により複数箇所の温度を検知することができる。そして、検知した複数箇所の温度に基づいて炊飯量を判定するようにしたので、炊飯量の判定処理における誤差を低減でき、より正確に炊飯量を判定することができる。このため、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることのできる炊飯器を提供することが可能となる。また、複数箇所の温度に基づいて内釜2の温度を判断することで、温度検知誤差を低減でき、内釜2の温度をより正確に判断することができる。また、判定した炊飯量において最も内釜2の温度を適切に反映する位置の温度を検知できるよう、赤外線温度センサ6を上下方向に回動させ、その位置において温度検知することによって、炊飯量にかかわらず内釜2の温度をより正確に検知することができる。
【0083】
なお、上記実施の形態6〜実施の形態9で示した構成例は、赤外線温度センサ6の性能(視野角、感度)や、温度検知を行いたい範囲に応じて、互いに組み合わせて用いてもよい。
【0084】
実施の形態10.
図12は、実施の形態10に係る炊飯器の平面模式図であり、炊飯器本体1、内釜2、及び赤外線温度センサ6のみ記載している。本実施の形態10では、炊飯器本体1の形状と、内釜2及び赤外線温度センサ6の配置に着目して説明する。
【0085】
図12に示すように、炊飯器本体1は平面視ほぼ矩形の外郭を有している。そして、炊飯器本体1の内部には、平面視円形の内釜2が配置される。なお、図12では炊飯器本体1の四隅が直角に構成されている例を示しているが、四隅の形状はこれに限定されるものではなく、例えば丸角に構成されていてもよい。
【0086】
炊飯器本体1の四隅のうちの一箇所には、赤外線温度センサ6が配置されている。平面視矩形の炊飯器本体1の内部に平面視円形の内釜2を配置した場合、炊飯器本体1の四隅においては、内釜2との間に相対的に大きな距離を確保することができるため、この位置に赤外線温度センサ6を配置しているのである。図示しないが、赤外線温度センサ6に対応して、コイルベース1cに開口部が設けられるとともに赤外線透過ユニット7が設けられている。炊飯器本体1の対角線上においては、内釜2と炊飯器本体1との距離が相対的に大きいので、赤外線透過板71をより内釜2から離れた位置に配置することができる。このようにすることで、赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。なお、本実施の形態10は、実施の形態1〜9と組み合わせて用いることができる。
【0087】
本実施の形態10によれば、平面視ほぼ矩形の炊飯器本体1内に、平面視円形の内釜2を配置し、炊飯器本体1の四隅の一つに赤外線温度センサ6と赤外線透過板71を配置した。このため、赤外線透過板71と内釜2との間に相対的に長い距離を確保することができ、赤外線透過板71の温度上昇を抑制することができる。したがって、赤外線温度センサ6でより正確な釜の温度を検知することができる。釜の温度を正確に検知することで、正確に炊飯量を判定することが可能となり、炊飯量の多少にかかわらず、おいしいご飯に炊き上げることができる炊飯器を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
1 炊飯器本体、1a 内釜収納部、1b 上枠、1c コイルベース、1d フック、1e バネ、1f 外郭、1g 上面開口、2 内釜、2a 上面開口、3 蓋本体、3a フック、4 内蓋、4a 蒸気口、5 釜加熱装置、5a 底内コイル、5b 底外コイル、5c 側面加熱ヒータ、6 赤外線温度センサ、6a 光検知部、6b 光検知部、7 赤外線透過ユニット、8 制御装置、9 検知範囲調整部材、10 内蓋温度センサ、11 内蓋加熱装置、12 回動バネ、13 内蓋パッキン、14 蒸気筒、17 溝、18 表示装置、19 操作ボタン、20 ハンドル、21 ヒンジカバー、22 ヒンジ軸、30 冷却ファン、40 開口部、61 ネジ、62 ネジ、63 回動軸、71 赤外線透過板、72 支持部材、91 スリット、100 炊飯器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内釜と、
前記内釜を収納する内釜収納部を備えた炊飯器本体と、
前記炊飯器本体の上面開口を開閉する蓋本体と、
前記内釜収納部の壁部に形成された開口部に対向するように設けられる赤外線透過部材と、
前記内釜収納部の前記開口部に対し、外側に所定距離を隔てて前記赤外線透過部材を支持する支持部材と、
前記内釜から放射される赤外線を前記赤外線透過部材を通して受光し、この赤外線に基づいて温度を検知する赤外線温度センサと、
前記内釜を加熱する内釜加熱装置と、
前記赤外線温度センサが検知した温度に基づいて前記内釜加熱装置を制御する制御装置とを備えた
ことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記支持部材の上面は、前記内釜収納部の前記開口部から離れるにしたがって下降する傾斜面を有している
ことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
前記赤外線透過部材は、前記内釜収納部に着脱可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記支持部材は、前記赤外線透過部材よりも熱伝導率の大きい材料で構成されており、
前記炊飯器本体の内部に、前記支持部材に対して送風する送風装置を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記支持部材は、前記内釜収納部よりも熱伝導率の小さい材料で構成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項6】
前記赤外線温度センサは、複数の受光部を備えている
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項7】
前記赤外線温度センサは、前記内釜収納部との距離を一定に保ちながら上下方向に移動可能に設けられた
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項8】
前記赤外線透過部材と前記赤外線温度センサとの間に配置され、前記赤外線温度センサの温度検知範囲を規定するスリットを有する赤外線調整部材を備え、
前記スリットを上下移動させることにより、前記赤外線温度センサの温度検知範囲を変化させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項9】
前記赤外線温度センサは、上下方向に回動可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項10】
前記炊飯器本体は、平面視ほぼ矩形をなし、
前記赤外線透過部材及び前記赤外線温度センサは、矩形の前記炊飯器本体内部のいずれかの隅部に設けられている
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項1】
内釜と、
前記内釜を収納する内釜収納部を備えた炊飯器本体と、
前記炊飯器本体の上面開口を開閉する蓋本体と、
前記内釜収納部の壁部に形成された開口部に対向するように設けられる赤外線透過部材と、
前記内釜収納部の前記開口部に対し、外側に所定距離を隔てて前記赤外線透過部材を支持する支持部材と、
前記内釜から放射される赤外線を前記赤外線透過部材を通して受光し、この赤外線に基づいて温度を検知する赤外線温度センサと、
前記内釜を加熱する内釜加熱装置と、
前記赤外線温度センサが検知した温度に基づいて前記内釜加熱装置を制御する制御装置とを備えた
ことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記支持部材の上面は、前記内釜収納部の前記開口部から離れるにしたがって下降する傾斜面を有している
ことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
前記赤外線透過部材は、前記内釜収納部に着脱可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記支持部材は、前記赤外線透過部材よりも熱伝導率の大きい材料で構成されており、
前記炊飯器本体の内部に、前記支持部材に対して送風する送風装置を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記支持部材は、前記内釜収納部よりも熱伝導率の小さい材料で構成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項6】
前記赤外線温度センサは、複数の受光部を備えている
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項7】
前記赤外線温度センサは、前記内釜収納部との距離を一定に保ちながら上下方向に移動可能に設けられた
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項8】
前記赤外線透過部材と前記赤外線温度センサとの間に配置され、前記赤外線温度センサの温度検知範囲を規定するスリットを有する赤外線調整部材を備え、
前記スリットを上下移動させることにより、前記赤外線温度センサの温度検知範囲を変化させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項9】
前記赤外線温度センサは、上下方向に回動可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項10】
前記炊飯器本体は、平面視ほぼ矩形をなし、
前記赤外線透過部材及び前記赤外線温度センサは、矩形の前記炊飯器本体内部のいずれかの隅部に設けられている
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の炊飯器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−239630(P2012−239630A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112333(P2011−112333)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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