炊飯装置、炊飯方法、およびプログラム
【課題】嗜好の多様化や高度化にともなってより食味の優れた米飯に対する消費者のニーズが強くなり、マイクロコンピュータ制御の炊飯装置が普及している。なお、このような炊飯装置と洗米装置とが一体化された自動炊飯器も、業務用および家庭用ともに製品化され、販売されつつある。しかしながら、期待にあった米飯の炊き上がりが得られないことがあった。
【解決手段】米の含水率を測定する赤外線センサ2810と、米を測定の結果に基づいて炊飯する炊飯部2400とを備えた炊飯装置である。
【解決手段】米の含水率を測定する赤外線センサ2810と、米を測定の結果に基づいて炊飯する炊飯部2400とを備えた炊飯装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯装置、炊飯方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
嗜好の多様化や高度化にともなってより食味の優れた米飯に対する消費者のニーズが強くなり、マイクロコンピュータ制御の炊飯装置が普及している。
【0003】
ここで、そのような従来の炊飯装置の構成および動作について説明する。
【0004】
まず、下準備として一定の温度下で浸水することにより米に吸水させるための前炊きを行う。つぎに、フルパワーで沸騰するまで加熱し、炊飯すべき米の量に応じた加熱出力により沸騰維持する炊き上げを行う。そして、鍋底での焦げ付きが起こらない程度の温度で加熱を行い、米を糊化させるための追い炊きを行う。
【0005】
また、炊飯に先立って米から米糠を分離するための洗米(研米)は、米飯の食味を大きく左右するとともに手間のかかる作業でもあるため、食味向上や省力を図る洗米装置も、業務用のものを中心に販売されている。
【0006】
ここで、そのような従来の洗米装置の構成および動作について説明する。
【0007】
まず、(a)水を利用する有水洗米においては、水と米とをプロペラなどで攪拌することにより、(b)水を利用しない無水洗米においては、米表面をブラシなどで摩擦することにより、糠を米から分離させる。その後、吸引などにより炊飯後に糠臭の発生を引き起こす糠をなるべく除去する。
【0008】
なお、このような炊飯装置と洗米装置とが一体化された自動炊飯器も、業務用および家庭用ともに製品化され、販売されつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の炊飯装置、洗米装置、または自動炊飯器を利用した場合には、期待にあった米飯の炊き上がりが得られないことがあるという課題があった。
【0010】
前述のような従来の炊飯装置は、一連の炊飯工程における加熱温度や加熱時間の制御を、炊飯すべき米の状態には一切かかわらず一律に制御する。また、前述のような従来の洗米装置は、洗米工程における洗米時間などの制御を、洗米すべき米の状態には一切かかわらず一律に制御する。
【0011】
本発明者は、上述した期待にあった炊き上がりが得られない原因が、一連の炊飯工程や洗米工程において含水量など米の状態が考慮されていない点にあることに思い至った。
【0012】
また、前述のような従来の自動炊飯器は、従来の炊飯装置と洗米装置とが単に一体化されたものに過ぎず、一連の炊飯工程における加熱温度や加熱時間の制御と洗米工程における洗米時間などの制御とを、全く無関連に行う。
【0013】
本発明者は、上述した期待にあった炊き上がりが得られない原因が、洗米と炊飯とが関連付けられていない点にあることに思い至った。
【0014】
本発明は、上記従来のこのような課題を考慮し、より期待にあった炊き上がりが得られる炊飯装置、炊飯方法、およびプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第一の本発明は、米の含水率を測定する測定部と、
前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯する炊飯部とを備えた炊飯装置である。
【0016】
第二の本発明は、前記含水率の測定を行われる米は、洗米された米である第一の本発明の炊飯装置である。
【0017】
第三の本発明は、米の含水率を測定するステップと、
前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯するステップとを備えた炊飯方法である。
【0018】
第四の本発明は、第三の本発明の炊飯方法の、前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、より期待にあった炊き上がりの米飯が得られるという長所を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0021】
(実施の形態1)
はじめに、本発明にかかる実施の形態1における自動炊飯器のブロック図である図1を主として参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の構成について説明する。
【0022】
なお、本実施の形態の自動炊飯器と類似した構成を有する後述される本実施の形態2の自動炊飯器の全体構成が、本発明にかかる実施の形態2における自動炊飯器の概略断面図である図13に示されている(本実施の形態の自動炊飯器においては洗米部1200の下部に炊飯部1400が設けられているが、本実施の形態2の自動炊飯器においては洗米部2200の上部に炊飯部2400が設けられている)。
【0023】
本実施の形態の自動炊飯器は、貯米部1100から間欠給米によって送り込まれる米を駆動部1600を利用して無水洗米するための洗米部1200と、洗米された米を炊飯部1400に排出するための排出部1300と、排出されてくる米を炊飯するための、洗米部1200の下部に設けられた炊飯部1400と、後述される三つのモードの内ユーザによって選択されたモードにしたがって自動で設定された洗米条件に応じて洗米の制御を行うとともに、設定された洗米条件を加味して炊飯の制御を行うための制御部1500とを備えている。
【0024】
なお、排出部1300および駆動部1600を含む手段は本発明の搬送部に対応する。
【0025】
本実施の形態の自動炊飯器は、炊飯部1400が下部に設けられているため動力を特別に必要とせずに米の搬送を行え、業務用の仕様として優れている。
【0026】
つぎに、本発明にかかる実施の形態1における洗米部1200の略断面図である図2を主として参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の構成についてより詳しく説明する。
【0027】
貯米部1100(図1参照)は、洗米部1200の上部に設けられた米を貯蓄しておくための手段である。また、貯米部1100は、所定量の米を制御部1500の制御を受けて計量し洗米部1200に間欠給米によって送り込むための計量器(図示省略)を有している(なお、間欠給米を行うことにより、停電時などにおける米詰まりの発生が抑制される)。
【0028】
駆動部1600(図1参照)は、後に詳述されるように、制御部1500(図1参照)による回転の速度および回転の時間の制御を受けて駆動される、上下方向の縦回転軸1610(図2参照)を回転させるためのモータ(図示省略)を有する手段である。
【0029】
なお、このモータは、米糠を排出するためのファン(図示省略)を駆動することもできる手段である(洗米用モータと糠排出用モータとを兼用することにより、部材点数削減を図っているわけである)。
【0030】
洗米部1200は、駆動部1600(図1参照)の有するモータ(図示省略)によって回転される上下方向の縦回転軸1610(図2参照)に装着される洗米ドラム1210(図2参照)、および円筒状ブラシ(縦型円筒ブラシ)1212(図2参照)と洗米板1223(図2参照)との間に米1〜2粒が通過できる程度の距離D(図2参照)を有する隙間を隔てて洗米ドラム1210を配置される外周板1220(図2参照)を有する手段である。
【0031】
ここで、本発明にかかる実施の形態1における洗米ドラム1210および駆動部ナット1620の略斜視図である図3(駆動部ナット1620は洗米ドラム1210から取り外されている)、および本発明にかかる実施の形態1における外周板1220の略斜視図である図4をそれぞれ参照しながら、洗米ドラム1210および外周板1220の構成について詳細に説明する。
【0032】
洗米ドラム1210(図2および3参照)は、内周面に設けられた鼓形状の排米部1211(図2および3参照)、および外周面に設けられた無水洗米用ブラシ毛を全面植毛された脱着自在な円筒状ブラシ1212(図2および3参照)を有している。また、洗米ドラム1210は、駆動部ナット1620(図2および3参照)によって縦回転軸1610(図2参照)に装着されている。
【0033】
外周板1220(図2および4参照)は、米を矢印X1(図2参照)の方向から内部に送り込むための上部に設けられた開口部1221(図2および4参照)、および内周面に設けられた洗米板1223(図2および4参照)を通過して閉鎖空間1224(図2および4参照)に抜けてくる米糠などを糠溜め紙パック(図示省略)に排出するための排気筒1222(図2および4参照)を有している。
【0034】
なお、洗米板1223(図2および4参照)は、食品衛生基準に適合したステンレス鋼板で構成されており、上下の開放された円筒形状を有し、側面に米は通過できないが米糠などの微小粒子は通過できる直径1.6mm程度のパンチング穴(図示省略)を多数空けられている(なお、微粒子が壁面に付着してしまうことを抑制するために、適当な電場を設定してもよい)。
【0035】
ここまでで、洗米ドラム1210および外周板1220の構成についての詳細な説明を終える。
【0036】
排出部1300(図1および2参照)は、食品衛生基準に適合したステンレス鋼板で構成されており、排米時の排米残りを防止する斜面角度30°程度の略円錐形状を有し、縦回転軸1610(図2参照)に装着されて上下動を行うことができる手段である。より具体的に説明すると、排出部1300は、(1)矢印Y1〜Y3(図2参照)に沿って米を高速移動させる(回転による遠心力によって洗米ドラム1210の下部に押しやられて行き場を失った米は、重力に逆らって矢印Y1の方向に上昇する)洗米時には、弾性封止部1310に密着されて洗米板1223(図2および4参照)の下面を封止し、(2)矢印X2〜X3(図5参照)の方向に米を排出する排米時には、縦回転軸1610の押し下げにより弾性封止部1310から離脱されて洗米板1223の下面を開放するための手段である。なお、図5は、本発明にかかる実施の形態1における排出部1300の排米時の位置を説明するための説明図である。
【0037】
制御部1500(図1参照)は、(1)「新米モード」、「普通モード」、「古米モード」の三つのモードの内ユーザによって選択されたモードにしたがって「控えめ」、「普通」、「しっかり」の何れかの洗米条件を自動設定し、それに応じて駆動部1600(図1参照)を駆動して洗米部1200(図1参照)に無水洗米を行わせ、(2)炊飯部1400(図1参照)に選択されたモードに応じた炊飯を行わせるための手段である。つまり、制御部1500(図1参照)は、洗米および炊飯をともに制御する中央制御部を有しているといえる。
【0038】
ここで、本発明にかかる実施の形態1における洗米を行うための洗米テーブルの説明図である図6、および本発明にかかる実施の形態1における炊飯を行うための炊飯テーブルの説明図である図7をそれぞれ参照しながら、制御部1500(図1参照)の構成について詳細に説明する。
【0039】
(1)制御部1500(図1参照)は、洗米テーブル(図6参照)を見て、前述の三つのモードの内ユーザによって選択されたモードに応じた洗米条件を設定し、駆動部1600(図1参照)のモータ(図示省略)の回転の速度および回転の時間を決定するための手段である。
【0040】
「新米モード」における、洗米条件、回転の速度、回転の時間は、「標準モード」における標準値との比較において、順に「控えめ」、「遅い」、「短い」である。新米は、含水率が高いため洗米による砕米が起こりやすく、精米後の経過時間が短いため洗米によって除くべき表面組織の酸化部分が少ないから、上述のような洗米テーブルの内容が適切といえる。
【0041】
「古米モード」における、洗米条件、回転の速度、回転の時間は、順に「しっかり」、「遅い」、「長い」である。古米は、含水率が低いため洗米による砕米がやはり起こりやすく、精米後の経過時間が長いため洗米によって除くべき表面組織の酸化部分が多いから、上述のような洗米テーブルの内容が適切といえる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、上下方向の縦回転軸1610(図2および3参照)を利用するため、モータ(図示省略)の回転の速度および回転の時間を調節して米の総移動距離(矢印Y1〜Y3(図2参照)に沿うサイクルの周回回数)を加減することで、洗米条件(洗米の程度)を容易に変更することが可能である。
【0043】
ただし、洗米ドラム1210の内周面に設けられた鼓形状の排米部1211(図2および3参照)の上部傾斜角が鉛直線を基準にして14〜26°である場合における、矢印Y1〜Y3(図2参照)に沿うサイクルを米が周回するモータ(図示省略)の回転数は、600〜2000r/min程度であることを、本発明者は実験的に確認している(矢印Y2に沿って米が自由落下するためには、上述の傾斜角はある程度大きい方が望ましい)。
【0044】
(2)制御部1500(図1参照)は、炊飯テーブル(図7参照)を見て、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊き時間、追い炊きパワーを決定し、選択されたモードに応じた炊飯を炊飯部1400(図1参照)に行わせるための手段である。
【0045】
「新米モード」における、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊きパワー、追い炊き時間は、「標準モード」における標準値との比較において、順に「少ない」、「低い」、「短い」、「大きい」、「長い」、「大きい」、「長い」である。新米は、含水率が高いため吸水しやすくデンプン組織が膨潤、糊化しやすいから、上述のような炊飯テーブルの内容が適切といえる。
【0046】
「古米モード」における、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊きパワー、追い炊き時間は、順に「多い」、「高い」、「長い」、「小さい」、「長い」、「大きい」、「長い」である。古米は、含水率が低いため吸水しにくくデンプン組織が膨潤、糊化しにくいから、上述のような洗米テーブルの内容が適切といえる(追い炊きパワー、追い炊き時間が順に「大きい」、「長い」となっているのは、香ばしさを加えることにより、いわゆる古米臭を低減するためである)。
【0047】
ここまでで、制御部1500の構成についての詳細な説明を終える。
【0048】
炊飯部1400は、制御部1500からの制御に応じて、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊きパワー、追い炊き時間を調節し、炊飯を行うための手段である。また、炊飯部1400は、洗米部1200の下部に設けられているため、炊飯時に発生する熱や水蒸気が貯米部1100(図1参照)などに悪影響を及ぼさないように炊飯を行うことができる圧力鍋(図示省略)を使用している。
【0049】
つぎに、主として図1を参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の動作について説明する(以下では、ユーザによって「新米モード」が選択された場合について説明する)。なお、本実施の形態2〜3についても同様であるが、本実施の形態の自動炊飯器の動作について説明しながら、本発明の自動炊飯方法の一実施の形態についても述べる。
【0050】
制御部1500は、ユーザによって指定された所定量の米を貯米部1100に計量させる。そして、貯米部1100は、制御部1500の制御を受けて所定量の米を計量器で計量し、その計量した米を開口部1221(図2および4参照)を利用して矢印X1(図2参照)の方向から洗米部1200に落とし込むようにして送り込む(なお、一回の給米量はあらかじめ制御部1500で認識されており、このような複数回にわたる間欠給米は制御部2500の制御を受ける)。
【0051】
一方、制御部1500は、三つのモードの内ユーザによって選択されたモードが「新米モード」であることを認識し、洗米テーブル(図6参照)を見て、対応する洗米条件を「控えめ」に設定し、駆動部1600のモータ(図示省略)の回転の速度および回転の時間を順に、「遅い」、「短い」に決定する。そして、駆動部1600は、制御部1500の制御を受けて決定された回転の速度「遅い」および回転の時間「短い」にしたがってモータ(図示省略)を駆動する。
【0052】
洗米部1200は、駆動されるモータを利用して縦回転軸1610(図2参照)に装着された円筒状ブラシ1212(図2および3参照)を回転させ、送り込まれた所定量の米を矢印Y1〜Y3(図2参照)に沿うサイクルを周回させることにより洗米する。
【0053】
なお、円筒状ブラシ1212(図2および3参照)の回転による遠心力によって洗米ドラム1210(図2および3参照)の下部に押しやられて行き場を失った米は、重力に逆らって矢印Y1の方向に上昇し、洗米ドラム1210(図2および3参照)の上部に当接して矢印Y2、Y3の方向に落下することにより、上述のサイクルを周回する。また、米糠は、外周板1220(図2および4参照)の内周面に設けられた洗米板1223(図2および4参照)を通過して、閉鎖空間1224(図2および4参照)に抜け、排気筒1222(図2および4参照)を通って糠溜め紙パック(図示省略)に排出されていく。
【0054】
排出部1300は、縦回転軸1610(図5参照)が押し下げられることにより洗米板1223(図5参照)の下面を開放し、下部に設けられた炊飯部1400に洗米の終わった米を矢印X2〜X3(図5参照)の方向から落とし込むようにして排出する。なお、前述のことから明らかなように、米は、単に自由落下されるだけである。
【0055】
一方、制御部1500は、三つのモードの内ユーザによって選択されたモードが「新米モード」であることを認識しており、炊飯テーブル(図7参照)を見て、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊き時間、追い炊きパワーを順に、「少ない」、「低い」、「短い」、「大きい」、「長い」、「大きい」、「長い」に決定し、その旨の制御を炊飯部1400に対して行う。
【0056】
炊飯部1400は、制御部1500からの制御に応じて調節した水加減「少ない」、前炊き温度「低い」、前炊き時間「短い」、沸騰維持パワー「大きい」、沸騰維持時間「長い」、追い炊きパワー「大きい」、追い炊き時間「長い」にしたがって排出された米の炊飯を行う。なお、水を注入するタイミングはいろいろ考えられるが、炊きむらの原因となる鍋底部における米の偏在を回避するためにはあらかじめ水を張っておいた方がよい。
【0057】
(実施の形態2)
つぎに、本発明にかかる実施の形態2における自動炊飯器のブロック図である図8を主として参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の構成について説明する。
【0058】
なお、本実施の形態の自動炊飯器の全体構成が、本発明にかかる実施の形態2における自動炊飯器の概略断面図である図13に示されている。
【0059】
本実施の形態の自動炊飯器は、貯米部2100から送り込まれる米の含水率を測定するための測定部2700と、測定部2700による測定の結果に基づいた制御部2500の制御を受ける駆動部2600を利用して、送り込まれた米を無水洗米するための洗米部2200と、洗米された米を炊飯部2400にバッチ搬送するための搬送部2300と、搬送されてくる米の含水率を測定するための測定部2800と、測定部2800による測定の結果に基づいた制御部2500の制御を受けて、バッチ搬送されてきた米を炊飯するための、洗米部2200の上部に設けられた炊飯部2400とを備えている。
【0060】
本実施の形態の自動炊飯器は、炊飯部2400が上部に設けられているため米飯の注ぎ分けが容易であり、家庭用の仕様として優れている。
【0061】
つぎに、本発明にかかる実施の形態2における洗米部2200の略断面図である図9、および本発明にかかる実施の形態2における炊飯部2400の略斜視図である図10を主として参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の構成についてより詳しく説明する。
【0062】
貯米部2100(図8参照)は、洗米部2200の上部に設けられた米を貯蓄しておくための手段である。また、貯米部2100は、所定量の米を制御部2500の制御を受けて計量し洗米部2200(図8参照)に送り込むための計量器(図示省略)を有している。
【0063】
駆動部2600(図8参照)は、後に詳述されるように、制御部2500(図8参照)による回転の速度および回転の時間の制御を受けて駆動される、左右方向の横回転軸2610(図9参照)を回転させるためのモータ(図示省略)を有する手段である。
【0064】
なお、このモータは、サイクロン(図示省略)の流出口が吸引口に連結された搬送部2300(図8参照)の有するファン(図示省略)を駆動することもできる手段である(洗米用モータと米搬送・糠回収用モータとを兼用することにより、部材点数削減や騒音振動低減を図っているわけである)。
【0065】
洗米部2200(図8および9参照)は、矢印X1(図9参照)の方向から送り込まれる米を受け入れるためのホッパ2230(図9参照)と、駆動部2600(図8参照)の有するモータ(図示省略)によって回転される左右方向の横回転軸2610(図9参照)に装着される脱着自在な研磨体(横型円筒ブラシ)2210(図9参照)と、研磨体2210との間に米1〜2粒が通過できる程度の距離を有する隙間を隔てて配置されるラス網状の洗米体2220(図9参照)と、搬送部2300(図8参照)の有するファン(図示省略)の吐出口に連結された、洗米された米を矢印X2(図9参照)の方向から吐き出すためのイジェクタ2400(図9参照)とを有する手段である。
【0066】
なお、本実施の形態においては、左右方向の横回転軸2610(図9参照)を利用するため、研磨体2210(図9参照)を横方向に抜き差しして交換でき、メンテナンスが容易となって衛生上も望ましい。ただし、本実施の形態においては、米は洗米部2200(図8および9参照)を実質的に一度通過するだけで、上述した本実施の形態1におけるように米の総移動距離(矢印Y1〜Y3(図2参照)に沿うサイクルの周回回数)を加減することはほとんど不可能であるから、(a)ホッパ2230(図9参照)への米の投入量を加減したり、(b)イジェクタ2400(図9参照)からの排出量を加減したりして、洗米の程度を調節してもよい。
【0067】
搬送部2300(図8参照)は、前述したサイクロン(図示省略)の流出口が吸引口に連結され、イジェクタ2400(図9参照)が吐出口に連結されたファン(図示省略)を有しており、洗米された米を移送管2310(図10参照)を利用して炊飯部2400までエア(空気)圧送でバッチ搬送するための手段である。
【0068】
炊飯部2400は、近赤外線を利用する赤外線センサ2810(図9参照)による測定の結果に応じた炊飯を行うための制御部2500からの制御に応じて、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊きパワー、追い炊き時間を調節し、炊飯を行うための手段である。また、炊飯部2400(図8および10参照)は、移送管2310(図10参照)を利用して搬送されてくる洗米された米を矢印X3(図10参照)の方向から受け入れるためのハッチ2410を有している(図10には、ハッチ2410が半開きの状態が図示されている)。
【0069】
なお、ハッチ2410は、部材2211で蓋部2420(図10参照)に装着されており、米を受け入れるための開口部は開閉自在である(炊飯時などには開口部が閉じられるため、蒸気の大量流出などは発生しない)。
【0070】
測定部2700(図8参照)は、貯米部2100(図8参照)から送り込まれる米の含水率を測定するための赤外線センサ2710(図9参照)を有している。
【0071】
なお、赤外線センサ2710(図9参照)は、ホッパ2230(図9参照)付近に設置されており、矢印A(図9参照)の方向に赤外線を射出することにより前述の測定を行う手段である。
【0072】
測定部2800(図8参照)は、搬送部2300(図8参照)によって搬送されてくる洗米された米の含水率を測定するための赤外線センサ2810(図10参照)を有している。
【0073】
なお、赤外線センサ2810(図10参照)は、炊飯部2400の蓋部2420(図10参照)の上部に設置されており、矢印A(図10参照)の方向に赤外線を射出することにより前述の測定を行う手段である。
【0074】
制御部2500(図8参照)は、(1)赤外線センサ2710(図9参照)による測定の結果に応じて駆動部2600(図8参照)を駆動し、洗米部2200(図8参照)に無水洗米を行わせ、(2)赤外線センサ2810(図9参照)による測定の結果に応じた炊飯を炊飯部2400(図8参照)に行わせるための手段である。
【0075】
ここで、本発明にかかる実施の形態2における洗米を行うための洗米テーブルの説明図である図11、および本発明にかかる実施の形態2における炊飯を行うための炊飯テーブルの説明図である図12をそれぞれ参照しながら、制御部2500(図8参照)の構成について詳細に説明する。
【0076】
(1)制御部2500(図8参照)は、洗米テーブル(図11参照)を見て、貯米部2100(図8参照)から送り込まれる米の赤外線センサ2710(図9参照)による含水率の測定結果に応じて、駆動部2600(図8参照)のモータ(図示省略)の回転の速度および回転の時間を決定するための手段である。
【0077】
たとえば、含水率が標準値(あらかじめ調査を行うことによって調べられた標準的な値)よりも多い場合における、回転の速度、回転の時間は、含水率が標準値である場合との比較において、順に「遅い」、「短い」である。含水率が多い米は新米であると考えられるが、新米は、含水率が高いため洗米による砕米が起こりやすく、精米後の経過時間が短いため洗米によって除くべき表面組織の酸化部分が少ないから、上述のような洗米テーブルの内容が適切といえる(前述された本実施の形態1の場合と同様である)。
【0078】
(2)制御部2500(図8参照)は、炊飯テーブル(図12参照)を見て、搬送部2300(図8参照)によって搬送されてくる洗米された米の、赤外線センサ2810(図10参照)による含水率の測定結果に応じて、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊き時間、追い炊きパワーを決定するための手段である。
【0079】
たとえば、含水率が標準値よりも多い場合における、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊き時間、追い炊きパワーは、含水率が標準値である場合との比較において、順に「少ない」、「低い」、「短い」、「大きい」、「長い」、「大きい」、「長い」である。含水率が多い米は新米であると考えられるが、新米は、含水率が高いため吸水しやすくデンプン組織が膨潤、糊化しやすいから、上述のような炊飯テーブルの内容が適切といえる。
【0080】
つぎに、主として図8を参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の動作について説明する(以下では、洗米される前の米の含水率が多い場合について説明する)。
【0081】
制御部2500は、ユーザによって指定された所定量の米を貯米部2100に計量させる。そして、貯米部2100は、制御部2500の制御を受けて所定量の米を計量器で計量し、その計量した米をホッパ2230(図9参照)を利用して矢印X1(図9参照)の方向から洗米部2200に落とし込むようにして送り込む。
【0082】
一方、測定部2700は、貯米部2100(図8参照)から送り込まれる米の含水率を赤外線センサ2710(図9参照)を利用して米の含水率を測定し、その測定の結果を制御部2500に通報する。
【0083】
制御部2500は、通報されてくる赤外線センサ2710(図9参照)の測定の結果を見て含水率が標準値よりも多いことを認識し、洗米テーブル(図11参照)を見て、駆動部2600のモータ(図示省略)の回転の速度および回転の時間をその認識の結果に応じた「遅い」、「短い」に順に決定する。そして、駆動部2600は、制御部2500の制御を受けて決定された回転の速度「遅い」および回転の時間「短い」にしたがってモータ(図示省略)を駆動する。
【0084】
洗米部2200は、駆動されるモータを利用して横回転軸2610(図9参照)に装着された研磨体2210(図9参照)を回転させ、送り込まれた所定量の米を矢印Y1(図9参照)で示された螺旋軌道に沿って移動させることにより洗米する。
【0085】
搬送部2300(図8参照)は、駆動部2600のモータ(図示省略)によって回転されるファン(図示省略)を利用して、サイクロン(図示省略)側に米糠を回収しつつ、イジェクタ2400(図9参照)および移送管2310(図10参照)を経由して炊飯部2400まで洗米された米をバッチ搬送する(なお、一回のバッチ搬送で搬送すべき米量はあらかじめ制御部2500で認識されており、このような複数回にわたるバッチ搬送は制御部2500の制御を受ける)。
【0086】
洗米された米は、図13に示されているように、より上部にある炊飯部2400まで洗米部2200から移送管2310を通って持ち上げられるわけである。
【0087】
炊飯部2400は、ハッチ2410を開いてバッチ搬送されてくる洗米された米を、矢印X3(図10参照)の方向から受け入れてゆく。
【0088】
一方、測定部2800は、赤外線センサ2810(図10参照)を利用してバッチ搬送されてくる洗米された米の含水率を測定し、その測定の結果を制御部2500に通報する。
【0089】
制御部2500は、通報されてくる赤外線センサ2810(図10参照)の測定の結果を見て含水率が標準値であることを認識し、炊飯テーブル(図12参照)を見て、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊き時間、追い炊きパワーの全てをその認識の結果に応じた「標準」に決定する。
【0090】
なお、赤外線センサによる米の含水率は、糠が除去された状態で行った方が精度よく測定される。そのため、本実施の形態におけるように、赤外線センサ2710(図9参照)の測定結果によれば含水率が標準値よりも多く、赤外線センサ2810(図10参照)の測定結果によれば含水率が標準値であったとしても、不思議ではない。もちろん、以下で述べられるように、赤外線センサ2810(図10参照)による精度よい測定結果に基づいて炊飯を行った方が、炊き上がりの米飯の食味は優れたものとなる。
【0091】
炊飯部2400は、制御部2500からの制御に応じて水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊きパワー、追い炊き時間を全て「標準」に調節し、搬送されてきた米の炊飯を行う。
【0092】
(実施の形態3)
つぎに、本発明にかかる実施の形態3における洗米装置の略断面図である図14を主として参照しながら、本実施の形態の洗米装置の構成および動作について説明する。
【0093】
本実施の形態の洗米装置の構成および動作は、上述された本実施の形態1の自動炊飯器における洗米を行うための手段(図2参照)の構成および動作と類似している。ただし、本実施の形態の洗米装置は、米の含水率を測定するための赤外線センサを有する測定部3100を有する測定部と、洗米部1200とを備えており、洗米が測定の結果に基づいて行われる点を特徴としている。
【0094】
上述されたように、円筒状ブラシ1212と洗米板1223との間に米1〜2粒が通過できる程度の距離D(図2参照)を有する隙間を隔てて、洗米ドラム1210が配置されている。このため、その隙間の上端部に設けられた測定部3100は、矢印Y1の方向に上昇してくる米各粒ごとの含水率を精度よく測定することができる(赤外線センサが隙間やその隙間の下端部に設けられていても構わないが、赤外線の射出方向(本実施の形態においては矢印Y1と逆方向)が米の進行方向と相対することが望ましい)。
【0095】
以上においては、本実施の形態1〜3について詳細に説明した。
【0096】
なお、本発明の炊飯部は、上述した本実施の形態においては、洗米部の下部または上部にあったが、これに限らず、同じ高さにあってもよい。
【0097】
また、本発明の洗米条件は、上述した本実施の形態においては、「新米モード」、「普通モード」、「古米モード」の三つのモードの内ユーザによって選択されたモードに応じて設定される「控えめ」、「普通」、「しっかり」の何れかであった。しかし、これに限らず、本発明の洗米条件は、たとえば、米質が柔らかい銘柄米の魚沼産コシヒカリなどでは普通よりも控えめにするなど、米質や銘柄を考慮して行われてもよい。もちろん、選択可能なモードの数は、三つ以上でもよい(無数のモードがアナログ的に選択可能であってもよい)。
【0098】
また、本発明の自動炊飯器は、本発明の、測定部150を備えた自動炊飯器の構成図である図15に示されているような、洗米すべき米の含水量を測定するための測定部150を備え、洗米条件は測定の結果を加味して自動で設定されてもよい。
【0099】
また、本発明の洗米は、上述した本実施の形態においては、水を利用せずに行われた。しかし、これに限らず、本発明の洗米は、水を利用して行われてもよい。ただし、水を利用せずに行われる無水洗米は洗米時に汚濁処理水を発生させないため環境負荷がより小さく、水を利用して行われる洗米は糠をより確実に除去できるため食味が優れている。
【0100】
また、本発明の搬送部は、空気による圧送または吸引を利用して搬送を行ってもよい。たとえば炊飯部が洗米部の上部に設けられている場合には、そのような搬送によって洗米された米をバッチ搬送してもよいことは、いうまでもない。
【0101】
また、本発明の制御部は、上述した本実施の形態においては、洗米および炊飯をともに制御するための中央制御部を有していた。しかし、これに限らず、本発明の制御部は、たとえば、本発明の、制御部が洗米制御部241と炊飯制御部242とを有する自動炊飯器の構成図である図16に示されているように、洗米を制御するための洗米制御部241と炊飯を制御するための炊飯制御部242とを有し、洗米制御部241は設定された洗米条件に基づいて洗米の制御を行うとともにその設定された洗米条件を炊飯制御部242に通知し、炊飯制御部242は通知された洗米条件を加味して炊飯の制御を行ってもよい。
【0102】
要するに、本発明の自動炊飯器は、本発明の自動炊飯器の構成図である図17に示されているような、米を洗米するための洗米部310と、洗米された米を搬送するための搬送部320と、搬送された米を炊飯するための炊飯部330と、洗米および炊飯を制御するための制御部340とを備え、制御部340は、設定された洗米条件に基づいて洗米の制御を行い、炊飯の制御を行う際には設定された洗米条件を加味してその制御を行う自動炊飯器である。
【0103】
また、本発明の洗米装置は、上述した本実施の形態においては、(1)上下方向に配置された洗米板(外側円筒部)1223(図14参照)と、洗米板1223に対し距離D(図14参照)を有する所定の隙間を隔ててその内側に配置された円筒状ブラシ(縦型円筒ブラシ)1212(図14参照)とを有する洗米部1200(図14参照)と、(2)通過する米の含水量を測定するための赤外線センサを有する測定部3100(図14参照)とを備え、洗米板1223と円筒状ブラシ1212とは相対的に回転され、洗米される米はその回転が行われている間に隙間を通過してゆく洗米装置であった。
【0104】
しかし、これに限らず、本発明の洗米装置は、要するに、米の含水率を測定する測定部と、米を測定の結果に基づいて洗米する洗米部とを備えた洗米装置である。
【0105】
また、米の含水率を測定する測定部と、米を測定の結果に基づいて炊飯する炊飯部とを備えた炊飯装置も、本発明に含まれる。このような炊飯装置は、たとえば上述した本実施の形態2における炊飯部2400(図10参照)と類似した構成を有している(もちろん、赤外線センサ2810は、炊飯部2400の蓋部2420の上部ではなく下部などに設置されていてもよい)。
【0106】
なお、発明は、上述した本発明の自動炊飯器、洗米装置、および炊飯装置の全部または一部の手段(または、装置、素子、回路、部など)の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。もちろん、コンピュータは、CPUなどの純然たるハードウェアに限らず、ファームウェアやOS、さらに周辺機器を含むものであっても良い。
【0107】
また、本発明は、上述した本発明の自動炊飯方法、洗米方法、および炊飯方法の全部または一部のステップ(または、工程、動作、作用など)の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0108】
なお、本発明の一部の手段(または、装置、素子、回路、部など)、本発明の一部のステップ(または、工程、動作、作用など)は、それらの複数の手段またはステップの内の幾つかの手段またはステップを意味する、あるいは一つの手段またはステップの内の一部の機能または一部の動作を意味するものである。
【0109】
また、本発明の一部の装置(または、素子、回路、部など)は、それら複数の装置の内の幾つかの装置を意味する、あるいは一つの装置の内の一部の手段(または、素子、回路、部など)を意味する、あるいは一つの手段の内の一部の機能を意味するものである。
【0110】
また、本発明のプログラムを記録した、コンピュータに読みとり可能な記録媒体も発明に含まれる。また、本発明のプログラムの一利用形態は、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。また、本発明のプログラムの一利用形態は、伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。また、記録媒体としては、ROM等が含まれ、伝送媒体としては、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波等が含まれる。
【0111】
なお、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
【0112】
また、発明は、上述した本発明の自動炊飯器、洗米装置、および炊飯装置の全部または一部の手段の全部または一部の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムを担持した媒体であり、コンピュータにより読み取り可能かつ読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動して前記機能を実行する媒体である。
【0113】
また、発明は、上述した本発明の自動炊飯方法、洗米方法、および炊飯方法の全部または一部のステップの全部または一部の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムを担持した媒体であり、コンピュータにより読み取り可能かつ読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動して前記動作を実行する媒体である。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、より期待にあった炊き上がりの米飯が得られ、自動炊飯器などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明にかかる実施の形態1における自動炊飯器のブロック図である。
【図2】本発明にかかる実施の形態1における洗米部1200の略断面図である。
【図3】本発明にかかる実施の形態1における洗米ドラム1210および駆動部ナット1620の略斜視図である。
【図4】本発明にかかる実施の形態1における外周板1220の略斜視図である。
【図5】本発明にかかる実施の形態1における排出部1300の排米時の位置を説明するための説明図である。
【図6】本発明にかかる実施の形態1における洗米を行うための洗米テーブルの説明図である。
【図7】本発明にかかる実施の形態1における炊飯を行うための炊飯テーブルの説明図である。
【図8】本発明にかかる実施の形態2における自動炊飯器のブロック図である。
【図9】本発明にかかる実施の形態2における洗米部2200の略断面図である。
【図10】本発明にかかる実施の形態2における炊飯部2400の略斜視図である。
【図11】本発明にかかる実施の形態2における洗米を行うための洗米テーブルの説明図である。
【図12】本発明にかかる実施の形態2における炊飯を行うための炊飯テーブルの説明図である。
【図13】本発明にかかる実施の形態2における自動炊飯器の概略断面図である。
【図14】本発明にかかる実施の形態3における洗米装置の略断面図である。
【図15】本発明の、測定部150を備えた自動炊飯器の構成図である。
【図16】本発明の、制御部が洗米制御部241と炊飯制御部242とを有する自動炊飯器の構成図である。
【図17】本発明の自動炊飯器の構成図である。
【符号の説明】
【0116】
310 洗米部
320 搬送部
330 炊飯部
340 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯装置、炊飯方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
嗜好の多様化や高度化にともなってより食味の優れた米飯に対する消費者のニーズが強くなり、マイクロコンピュータ制御の炊飯装置が普及している。
【0003】
ここで、そのような従来の炊飯装置の構成および動作について説明する。
【0004】
まず、下準備として一定の温度下で浸水することにより米に吸水させるための前炊きを行う。つぎに、フルパワーで沸騰するまで加熱し、炊飯すべき米の量に応じた加熱出力により沸騰維持する炊き上げを行う。そして、鍋底での焦げ付きが起こらない程度の温度で加熱を行い、米を糊化させるための追い炊きを行う。
【0005】
また、炊飯に先立って米から米糠を分離するための洗米(研米)は、米飯の食味を大きく左右するとともに手間のかかる作業でもあるため、食味向上や省力を図る洗米装置も、業務用のものを中心に販売されている。
【0006】
ここで、そのような従来の洗米装置の構成および動作について説明する。
【0007】
まず、(a)水を利用する有水洗米においては、水と米とをプロペラなどで攪拌することにより、(b)水を利用しない無水洗米においては、米表面をブラシなどで摩擦することにより、糠を米から分離させる。その後、吸引などにより炊飯後に糠臭の発生を引き起こす糠をなるべく除去する。
【0008】
なお、このような炊飯装置と洗米装置とが一体化された自動炊飯器も、業務用および家庭用ともに製品化され、販売されつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の炊飯装置、洗米装置、または自動炊飯器を利用した場合には、期待にあった米飯の炊き上がりが得られないことがあるという課題があった。
【0010】
前述のような従来の炊飯装置は、一連の炊飯工程における加熱温度や加熱時間の制御を、炊飯すべき米の状態には一切かかわらず一律に制御する。また、前述のような従来の洗米装置は、洗米工程における洗米時間などの制御を、洗米すべき米の状態には一切かかわらず一律に制御する。
【0011】
本発明者は、上述した期待にあった炊き上がりが得られない原因が、一連の炊飯工程や洗米工程において含水量など米の状態が考慮されていない点にあることに思い至った。
【0012】
また、前述のような従来の自動炊飯器は、従来の炊飯装置と洗米装置とが単に一体化されたものに過ぎず、一連の炊飯工程における加熱温度や加熱時間の制御と洗米工程における洗米時間などの制御とを、全く無関連に行う。
【0013】
本発明者は、上述した期待にあった炊き上がりが得られない原因が、洗米と炊飯とが関連付けられていない点にあることに思い至った。
【0014】
本発明は、上記従来のこのような課題を考慮し、より期待にあった炊き上がりが得られる炊飯装置、炊飯方法、およびプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第一の本発明は、米の含水率を測定する測定部と、
前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯する炊飯部とを備えた炊飯装置である。
【0016】
第二の本発明は、前記含水率の測定を行われる米は、洗米された米である第一の本発明の炊飯装置である。
【0017】
第三の本発明は、米の含水率を測定するステップと、
前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯するステップとを備えた炊飯方法である。
【0018】
第四の本発明は、第三の本発明の炊飯方法の、前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、より期待にあった炊き上がりの米飯が得られるという長所を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0021】
(実施の形態1)
はじめに、本発明にかかる実施の形態1における自動炊飯器のブロック図である図1を主として参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の構成について説明する。
【0022】
なお、本実施の形態の自動炊飯器と類似した構成を有する後述される本実施の形態2の自動炊飯器の全体構成が、本発明にかかる実施の形態2における自動炊飯器の概略断面図である図13に示されている(本実施の形態の自動炊飯器においては洗米部1200の下部に炊飯部1400が設けられているが、本実施の形態2の自動炊飯器においては洗米部2200の上部に炊飯部2400が設けられている)。
【0023】
本実施の形態の自動炊飯器は、貯米部1100から間欠給米によって送り込まれる米を駆動部1600を利用して無水洗米するための洗米部1200と、洗米された米を炊飯部1400に排出するための排出部1300と、排出されてくる米を炊飯するための、洗米部1200の下部に設けられた炊飯部1400と、後述される三つのモードの内ユーザによって選択されたモードにしたがって自動で設定された洗米条件に応じて洗米の制御を行うとともに、設定された洗米条件を加味して炊飯の制御を行うための制御部1500とを備えている。
【0024】
なお、排出部1300および駆動部1600を含む手段は本発明の搬送部に対応する。
【0025】
本実施の形態の自動炊飯器は、炊飯部1400が下部に設けられているため動力を特別に必要とせずに米の搬送を行え、業務用の仕様として優れている。
【0026】
つぎに、本発明にかかる実施の形態1における洗米部1200の略断面図である図2を主として参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の構成についてより詳しく説明する。
【0027】
貯米部1100(図1参照)は、洗米部1200の上部に設けられた米を貯蓄しておくための手段である。また、貯米部1100は、所定量の米を制御部1500の制御を受けて計量し洗米部1200に間欠給米によって送り込むための計量器(図示省略)を有している(なお、間欠給米を行うことにより、停電時などにおける米詰まりの発生が抑制される)。
【0028】
駆動部1600(図1参照)は、後に詳述されるように、制御部1500(図1参照)による回転の速度および回転の時間の制御を受けて駆動される、上下方向の縦回転軸1610(図2参照)を回転させるためのモータ(図示省略)を有する手段である。
【0029】
なお、このモータは、米糠を排出するためのファン(図示省略)を駆動することもできる手段である(洗米用モータと糠排出用モータとを兼用することにより、部材点数削減を図っているわけである)。
【0030】
洗米部1200は、駆動部1600(図1参照)の有するモータ(図示省略)によって回転される上下方向の縦回転軸1610(図2参照)に装着される洗米ドラム1210(図2参照)、および円筒状ブラシ(縦型円筒ブラシ)1212(図2参照)と洗米板1223(図2参照)との間に米1〜2粒が通過できる程度の距離D(図2参照)を有する隙間を隔てて洗米ドラム1210を配置される外周板1220(図2参照)を有する手段である。
【0031】
ここで、本発明にかかる実施の形態1における洗米ドラム1210および駆動部ナット1620の略斜視図である図3(駆動部ナット1620は洗米ドラム1210から取り外されている)、および本発明にかかる実施の形態1における外周板1220の略斜視図である図4をそれぞれ参照しながら、洗米ドラム1210および外周板1220の構成について詳細に説明する。
【0032】
洗米ドラム1210(図2および3参照)は、内周面に設けられた鼓形状の排米部1211(図2および3参照)、および外周面に設けられた無水洗米用ブラシ毛を全面植毛された脱着自在な円筒状ブラシ1212(図2および3参照)を有している。また、洗米ドラム1210は、駆動部ナット1620(図2および3参照)によって縦回転軸1610(図2参照)に装着されている。
【0033】
外周板1220(図2および4参照)は、米を矢印X1(図2参照)の方向から内部に送り込むための上部に設けられた開口部1221(図2および4参照)、および内周面に設けられた洗米板1223(図2および4参照)を通過して閉鎖空間1224(図2および4参照)に抜けてくる米糠などを糠溜め紙パック(図示省略)に排出するための排気筒1222(図2および4参照)を有している。
【0034】
なお、洗米板1223(図2および4参照)は、食品衛生基準に適合したステンレス鋼板で構成されており、上下の開放された円筒形状を有し、側面に米は通過できないが米糠などの微小粒子は通過できる直径1.6mm程度のパンチング穴(図示省略)を多数空けられている(なお、微粒子が壁面に付着してしまうことを抑制するために、適当な電場を設定してもよい)。
【0035】
ここまでで、洗米ドラム1210および外周板1220の構成についての詳細な説明を終える。
【0036】
排出部1300(図1および2参照)は、食品衛生基準に適合したステンレス鋼板で構成されており、排米時の排米残りを防止する斜面角度30°程度の略円錐形状を有し、縦回転軸1610(図2参照)に装着されて上下動を行うことができる手段である。より具体的に説明すると、排出部1300は、(1)矢印Y1〜Y3(図2参照)に沿って米を高速移動させる(回転による遠心力によって洗米ドラム1210の下部に押しやられて行き場を失った米は、重力に逆らって矢印Y1の方向に上昇する)洗米時には、弾性封止部1310に密着されて洗米板1223(図2および4参照)の下面を封止し、(2)矢印X2〜X3(図5参照)の方向に米を排出する排米時には、縦回転軸1610の押し下げにより弾性封止部1310から離脱されて洗米板1223の下面を開放するための手段である。なお、図5は、本発明にかかる実施の形態1における排出部1300の排米時の位置を説明するための説明図である。
【0037】
制御部1500(図1参照)は、(1)「新米モード」、「普通モード」、「古米モード」の三つのモードの内ユーザによって選択されたモードにしたがって「控えめ」、「普通」、「しっかり」の何れかの洗米条件を自動設定し、それに応じて駆動部1600(図1参照)を駆動して洗米部1200(図1参照)に無水洗米を行わせ、(2)炊飯部1400(図1参照)に選択されたモードに応じた炊飯を行わせるための手段である。つまり、制御部1500(図1参照)は、洗米および炊飯をともに制御する中央制御部を有しているといえる。
【0038】
ここで、本発明にかかる実施の形態1における洗米を行うための洗米テーブルの説明図である図6、および本発明にかかる実施の形態1における炊飯を行うための炊飯テーブルの説明図である図7をそれぞれ参照しながら、制御部1500(図1参照)の構成について詳細に説明する。
【0039】
(1)制御部1500(図1参照)は、洗米テーブル(図6参照)を見て、前述の三つのモードの内ユーザによって選択されたモードに応じた洗米条件を設定し、駆動部1600(図1参照)のモータ(図示省略)の回転の速度および回転の時間を決定するための手段である。
【0040】
「新米モード」における、洗米条件、回転の速度、回転の時間は、「標準モード」における標準値との比較において、順に「控えめ」、「遅い」、「短い」である。新米は、含水率が高いため洗米による砕米が起こりやすく、精米後の経過時間が短いため洗米によって除くべき表面組織の酸化部分が少ないから、上述のような洗米テーブルの内容が適切といえる。
【0041】
「古米モード」における、洗米条件、回転の速度、回転の時間は、順に「しっかり」、「遅い」、「長い」である。古米は、含水率が低いため洗米による砕米がやはり起こりやすく、精米後の経過時間が長いため洗米によって除くべき表面組織の酸化部分が多いから、上述のような洗米テーブルの内容が適切といえる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、上下方向の縦回転軸1610(図2および3参照)を利用するため、モータ(図示省略)の回転の速度および回転の時間を調節して米の総移動距離(矢印Y1〜Y3(図2参照)に沿うサイクルの周回回数)を加減することで、洗米条件(洗米の程度)を容易に変更することが可能である。
【0043】
ただし、洗米ドラム1210の内周面に設けられた鼓形状の排米部1211(図2および3参照)の上部傾斜角が鉛直線を基準にして14〜26°である場合における、矢印Y1〜Y3(図2参照)に沿うサイクルを米が周回するモータ(図示省略)の回転数は、600〜2000r/min程度であることを、本発明者は実験的に確認している(矢印Y2に沿って米が自由落下するためには、上述の傾斜角はある程度大きい方が望ましい)。
【0044】
(2)制御部1500(図1参照)は、炊飯テーブル(図7参照)を見て、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊き時間、追い炊きパワーを決定し、選択されたモードに応じた炊飯を炊飯部1400(図1参照)に行わせるための手段である。
【0045】
「新米モード」における、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊きパワー、追い炊き時間は、「標準モード」における標準値との比較において、順に「少ない」、「低い」、「短い」、「大きい」、「長い」、「大きい」、「長い」である。新米は、含水率が高いため吸水しやすくデンプン組織が膨潤、糊化しやすいから、上述のような炊飯テーブルの内容が適切といえる。
【0046】
「古米モード」における、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊きパワー、追い炊き時間は、順に「多い」、「高い」、「長い」、「小さい」、「長い」、「大きい」、「長い」である。古米は、含水率が低いため吸水しにくくデンプン組織が膨潤、糊化しにくいから、上述のような洗米テーブルの内容が適切といえる(追い炊きパワー、追い炊き時間が順に「大きい」、「長い」となっているのは、香ばしさを加えることにより、いわゆる古米臭を低減するためである)。
【0047】
ここまでで、制御部1500の構成についての詳細な説明を終える。
【0048】
炊飯部1400は、制御部1500からの制御に応じて、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊きパワー、追い炊き時間を調節し、炊飯を行うための手段である。また、炊飯部1400は、洗米部1200の下部に設けられているため、炊飯時に発生する熱や水蒸気が貯米部1100(図1参照)などに悪影響を及ぼさないように炊飯を行うことができる圧力鍋(図示省略)を使用している。
【0049】
つぎに、主として図1を参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の動作について説明する(以下では、ユーザによって「新米モード」が選択された場合について説明する)。なお、本実施の形態2〜3についても同様であるが、本実施の形態の自動炊飯器の動作について説明しながら、本発明の自動炊飯方法の一実施の形態についても述べる。
【0050】
制御部1500は、ユーザによって指定された所定量の米を貯米部1100に計量させる。そして、貯米部1100は、制御部1500の制御を受けて所定量の米を計量器で計量し、その計量した米を開口部1221(図2および4参照)を利用して矢印X1(図2参照)の方向から洗米部1200に落とし込むようにして送り込む(なお、一回の給米量はあらかじめ制御部1500で認識されており、このような複数回にわたる間欠給米は制御部2500の制御を受ける)。
【0051】
一方、制御部1500は、三つのモードの内ユーザによって選択されたモードが「新米モード」であることを認識し、洗米テーブル(図6参照)を見て、対応する洗米条件を「控えめ」に設定し、駆動部1600のモータ(図示省略)の回転の速度および回転の時間を順に、「遅い」、「短い」に決定する。そして、駆動部1600は、制御部1500の制御を受けて決定された回転の速度「遅い」および回転の時間「短い」にしたがってモータ(図示省略)を駆動する。
【0052】
洗米部1200は、駆動されるモータを利用して縦回転軸1610(図2参照)に装着された円筒状ブラシ1212(図2および3参照)を回転させ、送り込まれた所定量の米を矢印Y1〜Y3(図2参照)に沿うサイクルを周回させることにより洗米する。
【0053】
なお、円筒状ブラシ1212(図2および3参照)の回転による遠心力によって洗米ドラム1210(図2および3参照)の下部に押しやられて行き場を失った米は、重力に逆らって矢印Y1の方向に上昇し、洗米ドラム1210(図2および3参照)の上部に当接して矢印Y2、Y3の方向に落下することにより、上述のサイクルを周回する。また、米糠は、外周板1220(図2および4参照)の内周面に設けられた洗米板1223(図2および4参照)を通過して、閉鎖空間1224(図2および4参照)に抜け、排気筒1222(図2および4参照)を通って糠溜め紙パック(図示省略)に排出されていく。
【0054】
排出部1300は、縦回転軸1610(図5参照)が押し下げられることにより洗米板1223(図5参照)の下面を開放し、下部に設けられた炊飯部1400に洗米の終わった米を矢印X2〜X3(図5参照)の方向から落とし込むようにして排出する。なお、前述のことから明らかなように、米は、単に自由落下されるだけである。
【0055】
一方、制御部1500は、三つのモードの内ユーザによって選択されたモードが「新米モード」であることを認識しており、炊飯テーブル(図7参照)を見て、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊き時間、追い炊きパワーを順に、「少ない」、「低い」、「短い」、「大きい」、「長い」、「大きい」、「長い」に決定し、その旨の制御を炊飯部1400に対して行う。
【0056】
炊飯部1400は、制御部1500からの制御に応じて調節した水加減「少ない」、前炊き温度「低い」、前炊き時間「短い」、沸騰維持パワー「大きい」、沸騰維持時間「長い」、追い炊きパワー「大きい」、追い炊き時間「長い」にしたがって排出された米の炊飯を行う。なお、水を注入するタイミングはいろいろ考えられるが、炊きむらの原因となる鍋底部における米の偏在を回避するためにはあらかじめ水を張っておいた方がよい。
【0057】
(実施の形態2)
つぎに、本発明にかかる実施の形態2における自動炊飯器のブロック図である図8を主として参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の構成について説明する。
【0058】
なお、本実施の形態の自動炊飯器の全体構成が、本発明にかかる実施の形態2における自動炊飯器の概略断面図である図13に示されている。
【0059】
本実施の形態の自動炊飯器は、貯米部2100から送り込まれる米の含水率を測定するための測定部2700と、測定部2700による測定の結果に基づいた制御部2500の制御を受ける駆動部2600を利用して、送り込まれた米を無水洗米するための洗米部2200と、洗米された米を炊飯部2400にバッチ搬送するための搬送部2300と、搬送されてくる米の含水率を測定するための測定部2800と、測定部2800による測定の結果に基づいた制御部2500の制御を受けて、バッチ搬送されてきた米を炊飯するための、洗米部2200の上部に設けられた炊飯部2400とを備えている。
【0060】
本実施の形態の自動炊飯器は、炊飯部2400が上部に設けられているため米飯の注ぎ分けが容易であり、家庭用の仕様として優れている。
【0061】
つぎに、本発明にかかる実施の形態2における洗米部2200の略断面図である図9、および本発明にかかる実施の形態2における炊飯部2400の略斜視図である図10を主として参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の構成についてより詳しく説明する。
【0062】
貯米部2100(図8参照)は、洗米部2200の上部に設けられた米を貯蓄しておくための手段である。また、貯米部2100は、所定量の米を制御部2500の制御を受けて計量し洗米部2200(図8参照)に送り込むための計量器(図示省略)を有している。
【0063】
駆動部2600(図8参照)は、後に詳述されるように、制御部2500(図8参照)による回転の速度および回転の時間の制御を受けて駆動される、左右方向の横回転軸2610(図9参照)を回転させるためのモータ(図示省略)を有する手段である。
【0064】
なお、このモータは、サイクロン(図示省略)の流出口が吸引口に連結された搬送部2300(図8参照)の有するファン(図示省略)を駆動することもできる手段である(洗米用モータと米搬送・糠回収用モータとを兼用することにより、部材点数削減や騒音振動低減を図っているわけである)。
【0065】
洗米部2200(図8および9参照)は、矢印X1(図9参照)の方向から送り込まれる米を受け入れるためのホッパ2230(図9参照)と、駆動部2600(図8参照)の有するモータ(図示省略)によって回転される左右方向の横回転軸2610(図9参照)に装着される脱着自在な研磨体(横型円筒ブラシ)2210(図9参照)と、研磨体2210との間に米1〜2粒が通過できる程度の距離を有する隙間を隔てて配置されるラス網状の洗米体2220(図9参照)と、搬送部2300(図8参照)の有するファン(図示省略)の吐出口に連結された、洗米された米を矢印X2(図9参照)の方向から吐き出すためのイジェクタ2400(図9参照)とを有する手段である。
【0066】
なお、本実施の形態においては、左右方向の横回転軸2610(図9参照)を利用するため、研磨体2210(図9参照)を横方向に抜き差しして交換でき、メンテナンスが容易となって衛生上も望ましい。ただし、本実施の形態においては、米は洗米部2200(図8および9参照)を実質的に一度通過するだけで、上述した本実施の形態1におけるように米の総移動距離(矢印Y1〜Y3(図2参照)に沿うサイクルの周回回数)を加減することはほとんど不可能であるから、(a)ホッパ2230(図9参照)への米の投入量を加減したり、(b)イジェクタ2400(図9参照)からの排出量を加減したりして、洗米の程度を調節してもよい。
【0067】
搬送部2300(図8参照)は、前述したサイクロン(図示省略)の流出口が吸引口に連結され、イジェクタ2400(図9参照)が吐出口に連結されたファン(図示省略)を有しており、洗米された米を移送管2310(図10参照)を利用して炊飯部2400までエア(空気)圧送でバッチ搬送するための手段である。
【0068】
炊飯部2400は、近赤外線を利用する赤外線センサ2810(図9参照)による測定の結果に応じた炊飯を行うための制御部2500からの制御に応じて、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊きパワー、追い炊き時間を調節し、炊飯を行うための手段である。また、炊飯部2400(図8および10参照)は、移送管2310(図10参照)を利用して搬送されてくる洗米された米を矢印X3(図10参照)の方向から受け入れるためのハッチ2410を有している(図10には、ハッチ2410が半開きの状態が図示されている)。
【0069】
なお、ハッチ2410は、部材2211で蓋部2420(図10参照)に装着されており、米を受け入れるための開口部は開閉自在である(炊飯時などには開口部が閉じられるため、蒸気の大量流出などは発生しない)。
【0070】
測定部2700(図8参照)は、貯米部2100(図8参照)から送り込まれる米の含水率を測定するための赤外線センサ2710(図9参照)を有している。
【0071】
なお、赤外線センサ2710(図9参照)は、ホッパ2230(図9参照)付近に設置されており、矢印A(図9参照)の方向に赤外線を射出することにより前述の測定を行う手段である。
【0072】
測定部2800(図8参照)は、搬送部2300(図8参照)によって搬送されてくる洗米された米の含水率を測定するための赤外線センサ2810(図10参照)を有している。
【0073】
なお、赤外線センサ2810(図10参照)は、炊飯部2400の蓋部2420(図10参照)の上部に設置されており、矢印A(図10参照)の方向に赤外線を射出することにより前述の測定を行う手段である。
【0074】
制御部2500(図8参照)は、(1)赤外線センサ2710(図9参照)による測定の結果に応じて駆動部2600(図8参照)を駆動し、洗米部2200(図8参照)に無水洗米を行わせ、(2)赤外線センサ2810(図9参照)による測定の結果に応じた炊飯を炊飯部2400(図8参照)に行わせるための手段である。
【0075】
ここで、本発明にかかる実施の形態2における洗米を行うための洗米テーブルの説明図である図11、および本発明にかかる実施の形態2における炊飯を行うための炊飯テーブルの説明図である図12をそれぞれ参照しながら、制御部2500(図8参照)の構成について詳細に説明する。
【0076】
(1)制御部2500(図8参照)は、洗米テーブル(図11参照)を見て、貯米部2100(図8参照)から送り込まれる米の赤外線センサ2710(図9参照)による含水率の測定結果に応じて、駆動部2600(図8参照)のモータ(図示省略)の回転の速度および回転の時間を決定するための手段である。
【0077】
たとえば、含水率が標準値(あらかじめ調査を行うことによって調べられた標準的な値)よりも多い場合における、回転の速度、回転の時間は、含水率が標準値である場合との比較において、順に「遅い」、「短い」である。含水率が多い米は新米であると考えられるが、新米は、含水率が高いため洗米による砕米が起こりやすく、精米後の経過時間が短いため洗米によって除くべき表面組織の酸化部分が少ないから、上述のような洗米テーブルの内容が適切といえる(前述された本実施の形態1の場合と同様である)。
【0078】
(2)制御部2500(図8参照)は、炊飯テーブル(図12参照)を見て、搬送部2300(図8参照)によって搬送されてくる洗米された米の、赤外線センサ2810(図10参照)による含水率の測定結果に応じて、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊き時間、追い炊きパワーを決定するための手段である。
【0079】
たとえば、含水率が標準値よりも多い場合における、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊き時間、追い炊きパワーは、含水率が標準値である場合との比較において、順に「少ない」、「低い」、「短い」、「大きい」、「長い」、「大きい」、「長い」である。含水率が多い米は新米であると考えられるが、新米は、含水率が高いため吸水しやすくデンプン組織が膨潤、糊化しやすいから、上述のような炊飯テーブルの内容が適切といえる。
【0080】
つぎに、主として図8を参照しながら、本実施の形態の自動炊飯器の動作について説明する(以下では、洗米される前の米の含水率が多い場合について説明する)。
【0081】
制御部2500は、ユーザによって指定された所定量の米を貯米部2100に計量させる。そして、貯米部2100は、制御部2500の制御を受けて所定量の米を計量器で計量し、その計量した米をホッパ2230(図9参照)を利用して矢印X1(図9参照)の方向から洗米部2200に落とし込むようにして送り込む。
【0082】
一方、測定部2700は、貯米部2100(図8参照)から送り込まれる米の含水率を赤外線センサ2710(図9参照)を利用して米の含水率を測定し、その測定の結果を制御部2500に通報する。
【0083】
制御部2500は、通報されてくる赤外線センサ2710(図9参照)の測定の結果を見て含水率が標準値よりも多いことを認識し、洗米テーブル(図11参照)を見て、駆動部2600のモータ(図示省略)の回転の速度および回転の時間をその認識の結果に応じた「遅い」、「短い」に順に決定する。そして、駆動部2600は、制御部2500の制御を受けて決定された回転の速度「遅い」および回転の時間「短い」にしたがってモータ(図示省略)を駆動する。
【0084】
洗米部2200は、駆動されるモータを利用して横回転軸2610(図9参照)に装着された研磨体2210(図9参照)を回転させ、送り込まれた所定量の米を矢印Y1(図9参照)で示された螺旋軌道に沿って移動させることにより洗米する。
【0085】
搬送部2300(図8参照)は、駆動部2600のモータ(図示省略)によって回転されるファン(図示省略)を利用して、サイクロン(図示省略)側に米糠を回収しつつ、イジェクタ2400(図9参照)および移送管2310(図10参照)を経由して炊飯部2400まで洗米された米をバッチ搬送する(なお、一回のバッチ搬送で搬送すべき米量はあらかじめ制御部2500で認識されており、このような複数回にわたるバッチ搬送は制御部2500の制御を受ける)。
【0086】
洗米された米は、図13に示されているように、より上部にある炊飯部2400まで洗米部2200から移送管2310を通って持ち上げられるわけである。
【0087】
炊飯部2400は、ハッチ2410を開いてバッチ搬送されてくる洗米された米を、矢印X3(図10参照)の方向から受け入れてゆく。
【0088】
一方、測定部2800は、赤外線センサ2810(図10参照)を利用してバッチ搬送されてくる洗米された米の含水率を測定し、その測定の結果を制御部2500に通報する。
【0089】
制御部2500は、通報されてくる赤外線センサ2810(図10参照)の測定の結果を見て含水率が標準値であることを認識し、炊飯テーブル(図12参照)を見て、水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊き時間、追い炊きパワーの全てをその認識の結果に応じた「標準」に決定する。
【0090】
なお、赤外線センサによる米の含水率は、糠が除去された状態で行った方が精度よく測定される。そのため、本実施の形態におけるように、赤外線センサ2710(図9参照)の測定結果によれば含水率が標準値よりも多く、赤外線センサ2810(図10参照)の測定結果によれば含水率が標準値であったとしても、不思議ではない。もちろん、以下で述べられるように、赤外線センサ2810(図10参照)による精度よい測定結果に基づいて炊飯を行った方が、炊き上がりの米飯の食味は優れたものとなる。
【0091】
炊飯部2400は、制御部2500からの制御に応じて水加減、前炊き温度、前炊き時間、沸騰維持パワー、沸騰維持時間、追い炊きパワー、追い炊き時間を全て「標準」に調節し、搬送されてきた米の炊飯を行う。
【0092】
(実施の形態3)
つぎに、本発明にかかる実施の形態3における洗米装置の略断面図である図14を主として参照しながら、本実施の形態の洗米装置の構成および動作について説明する。
【0093】
本実施の形態の洗米装置の構成および動作は、上述された本実施の形態1の自動炊飯器における洗米を行うための手段(図2参照)の構成および動作と類似している。ただし、本実施の形態の洗米装置は、米の含水率を測定するための赤外線センサを有する測定部3100を有する測定部と、洗米部1200とを備えており、洗米が測定の結果に基づいて行われる点を特徴としている。
【0094】
上述されたように、円筒状ブラシ1212と洗米板1223との間に米1〜2粒が通過できる程度の距離D(図2参照)を有する隙間を隔てて、洗米ドラム1210が配置されている。このため、その隙間の上端部に設けられた測定部3100は、矢印Y1の方向に上昇してくる米各粒ごとの含水率を精度よく測定することができる(赤外線センサが隙間やその隙間の下端部に設けられていても構わないが、赤外線の射出方向(本実施の形態においては矢印Y1と逆方向)が米の進行方向と相対することが望ましい)。
【0095】
以上においては、本実施の形態1〜3について詳細に説明した。
【0096】
なお、本発明の炊飯部は、上述した本実施の形態においては、洗米部の下部または上部にあったが、これに限らず、同じ高さにあってもよい。
【0097】
また、本発明の洗米条件は、上述した本実施の形態においては、「新米モード」、「普通モード」、「古米モード」の三つのモードの内ユーザによって選択されたモードに応じて設定される「控えめ」、「普通」、「しっかり」の何れかであった。しかし、これに限らず、本発明の洗米条件は、たとえば、米質が柔らかい銘柄米の魚沼産コシヒカリなどでは普通よりも控えめにするなど、米質や銘柄を考慮して行われてもよい。もちろん、選択可能なモードの数は、三つ以上でもよい(無数のモードがアナログ的に選択可能であってもよい)。
【0098】
また、本発明の自動炊飯器は、本発明の、測定部150を備えた自動炊飯器の構成図である図15に示されているような、洗米すべき米の含水量を測定するための測定部150を備え、洗米条件は測定の結果を加味して自動で設定されてもよい。
【0099】
また、本発明の洗米は、上述した本実施の形態においては、水を利用せずに行われた。しかし、これに限らず、本発明の洗米は、水を利用して行われてもよい。ただし、水を利用せずに行われる無水洗米は洗米時に汚濁処理水を発生させないため環境負荷がより小さく、水を利用して行われる洗米は糠をより確実に除去できるため食味が優れている。
【0100】
また、本発明の搬送部は、空気による圧送または吸引を利用して搬送を行ってもよい。たとえば炊飯部が洗米部の上部に設けられている場合には、そのような搬送によって洗米された米をバッチ搬送してもよいことは、いうまでもない。
【0101】
また、本発明の制御部は、上述した本実施の形態においては、洗米および炊飯をともに制御するための中央制御部を有していた。しかし、これに限らず、本発明の制御部は、たとえば、本発明の、制御部が洗米制御部241と炊飯制御部242とを有する自動炊飯器の構成図である図16に示されているように、洗米を制御するための洗米制御部241と炊飯を制御するための炊飯制御部242とを有し、洗米制御部241は設定された洗米条件に基づいて洗米の制御を行うとともにその設定された洗米条件を炊飯制御部242に通知し、炊飯制御部242は通知された洗米条件を加味して炊飯の制御を行ってもよい。
【0102】
要するに、本発明の自動炊飯器は、本発明の自動炊飯器の構成図である図17に示されているような、米を洗米するための洗米部310と、洗米された米を搬送するための搬送部320と、搬送された米を炊飯するための炊飯部330と、洗米および炊飯を制御するための制御部340とを備え、制御部340は、設定された洗米条件に基づいて洗米の制御を行い、炊飯の制御を行う際には設定された洗米条件を加味してその制御を行う自動炊飯器である。
【0103】
また、本発明の洗米装置は、上述した本実施の形態においては、(1)上下方向に配置された洗米板(外側円筒部)1223(図14参照)と、洗米板1223に対し距離D(図14参照)を有する所定の隙間を隔ててその内側に配置された円筒状ブラシ(縦型円筒ブラシ)1212(図14参照)とを有する洗米部1200(図14参照)と、(2)通過する米の含水量を測定するための赤外線センサを有する測定部3100(図14参照)とを備え、洗米板1223と円筒状ブラシ1212とは相対的に回転され、洗米される米はその回転が行われている間に隙間を通過してゆく洗米装置であった。
【0104】
しかし、これに限らず、本発明の洗米装置は、要するに、米の含水率を測定する測定部と、米を測定の結果に基づいて洗米する洗米部とを備えた洗米装置である。
【0105】
また、米の含水率を測定する測定部と、米を測定の結果に基づいて炊飯する炊飯部とを備えた炊飯装置も、本発明に含まれる。このような炊飯装置は、たとえば上述した本実施の形態2における炊飯部2400(図10参照)と類似した構成を有している(もちろん、赤外線センサ2810は、炊飯部2400の蓋部2420の上部ではなく下部などに設置されていてもよい)。
【0106】
なお、発明は、上述した本発明の自動炊飯器、洗米装置、および炊飯装置の全部または一部の手段(または、装置、素子、回路、部など)の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。もちろん、コンピュータは、CPUなどの純然たるハードウェアに限らず、ファームウェアやOS、さらに周辺機器を含むものであっても良い。
【0107】
また、本発明は、上述した本発明の自動炊飯方法、洗米方法、および炊飯方法の全部または一部のステップ(または、工程、動作、作用など)の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0108】
なお、本発明の一部の手段(または、装置、素子、回路、部など)、本発明の一部のステップ(または、工程、動作、作用など)は、それらの複数の手段またはステップの内の幾つかの手段またはステップを意味する、あるいは一つの手段またはステップの内の一部の機能または一部の動作を意味するものである。
【0109】
また、本発明の一部の装置(または、素子、回路、部など)は、それら複数の装置の内の幾つかの装置を意味する、あるいは一つの装置の内の一部の手段(または、素子、回路、部など)を意味する、あるいは一つの手段の内の一部の機能を意味するものである。
【0110】
また、本発明のプログラムを記録した、コンピュータに読みとり可能な記録媒体も発明に含まれる。また、本発明のプログラムの一利用形態は、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。また、本発明のプログラムの一利用形態は、伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。また、記録媒体としては、ROM等が含まれ、伝送媒体としては、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波等が含まれる。
【0111】
なお、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
【0112】
また、発明は、上述した本発明の自動炊飯器、洗米装置、および炊飯装置の全部または一部の手段の全部または一部の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムを担持した媒体であり、コンピュータにより読み取り可能かつ読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動して前記機能を実行する媒体である。
【0113】
また、発明は、上述した本発明の自動炊飯方法、洗米方法、および炊飯方法の全部または一部のステップの全部または一部の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムを担持した媒体であり、コンピュータにより読み取り可能かつ読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動して前記動作を実行する媒体である。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、より期待にあった炊き上がりの米飯が得られ、自動炊飯器などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明にかかる実施の形態1における自動炊飯器のブロック図である。
【図2】本発明にかかる実施の形態1における洗米部1200の略断面図である。
【図3】本発明にかかる実施の形態1における洗米ドラム1210および駆動部ナット1620の略斜視図である。
【図4】本発明にかかる実施の形態1における外周板1220の略斜視図である。
【図5】本発明にかかる実施の形態1における排出部1300の排米時の位置を説明するための説明図である。
【図6】本発明にかかる実施の形態1における洗米を行うための洗米テーブルの説明図である。
【図7】本発明にかかる実施の形態1における炊飯を行うための炊飯テーブルの説明図である。
【図8】本発明にかかる実施の形態2における自動炊飯器のブロック図である。
【図9】本発明にかかる実施の形態2における洗米部2200の略断面図である。
【図10】本発明にかかる実施の形態2における炊飯部2400の略斜視図である。
【図11】本発明にかかる実施の形態2における洗米を行うための洗米テーブルの説明図である。
【図12】本発明にかかる実施の形態2における炊飯を行うための炊飯テーブルの説明図である。
【図13】本発明にかかる実施の形態2における自動炊飯器の概略断面図である。
【図14】本発明にかかる実施の形態3における洗米装置の略断面図である。
【図15】本発明の、測定部150を備えた自動炊飯器の構成図である。
【図16】本発明の、制御部が洗米制御部241と炊飯制御部242とを有する自動炊飯器の構成図である。
【図17】本発明の自動炊飯器の構成図である。
【符号の説明】
【0116】
310 洗米部
320 搬送部
330 炊飯部
340 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
米の含水率を測定する測定部と、
前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯する炊飯部とを備えた炊飯装置。
【請求項2】
前記含水率の測定を行われる米は、洗米された米である請求項1記載の炊飯装置。
【請求項3】
米の含水率を測定するステップと、
前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯するステップとを備えた炊飯方法。
【請求項4】
請求項3記載の炊飯方法の、前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯するステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
米の含水率を測定する測定部と、
前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯する炊飯部とを備えた炊飯装置。
【請求項2】
前記含水率の測定を行われる米は、洗米された米である請求項1記載の炊飯装置。
【請求項3】
米の含水率を測定するステップと、
前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯するステップとを備えた炊飯方法。
【請求項4】
請求項3記載の炊飯方法の、前記米を前記測定の結果に基づいて炊飯するステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−130326(P2006−130326A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373478(P2005−373478)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【分割の表示】特願2001−341447(P2001−341447)の分割
【原出願日】平成13年11月7日(2001.11.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【分割の表示】特願2001−341447(P2001−341447)の分割
【原出願日】平成13年11月7日(2001.11.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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