説明

炎検知器

【課題】 水分子に基づく発光帯域を用いることで、炎を適正に検出する。
【解決手段】 監視区域から放射される赤外線を監視する炎検知器において、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域のいずれかあるいは双方を利用する範囲の赤外線の受光量に基づいて炎の存在を判別するものであり、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域双方の約10μmの波長を中心とする谷間をカットした範囲の赤外線を受光量に基づいて炎の存在を判別するものである。これにより、相対的に発熱物体からの影響を受けにくく、誤報を生じにくいという効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎から放射される赤外線を検知して炎を判別する炎検知器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炎からの放射光を検出する炎検知器として種々の方式が用いられている。例えば、炎に特有な二酸化炭素共鳴放射帯域を利用して約4.3μm付近の波長帯域の赤外線を検出する方式がある。しかし、この領域において熱源からのいわゆる黒体放射による赤外線など、誤報源が種々存在するので、赤外線の検出と同時に炎であることを特定するため、約4.3μmの出力に加えて共鳴放射帯域を外した領域の出力とを組み合わせてそれらの比較により判別する2波長式、さらに3波長式の検出方式が用いられている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−040189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような2波長式の炎検知器は、二酸化炭素共鳴放射帯域に対して波長を正確に選択する必要があり、照明装置に加え各種表示灯の中にはそれに近い波長の光を放射するものもある。したがって、本発明は、水分子に基づく発光帯域を用いることで、炎を適正に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の請求項1に係る炎検知器は、監視区域から放射される赤外線を監視する炎検知器において、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域のいずれかあるいは双方を利用する範囲の赤外線の受光量に基づいて炎の存在を判別することを特徴とするものである。
【0005】
また、この発明の請求項2に係る炎検知器は、監視区域から放射される赤外線を監視する炎検知器において、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域双方の約10μmの波長を中心とする谷間をカットした範囲の赤外線を受光量に基づいて炎の存在を判別することを特徴とするものである。
【0006】
また、この発明の請求項3に係る炎検知器は、約6.5μm以上約9.0μm未満の波長から約7.5μm以上約9.0μm以下の波長の2点間の波長帯域と、約11μm以上約15μm以下の波長から約11μmを超えて約20μm以下の波長の2点間の波長帯域との双方の受光量に基づいて炎の存在を判別することを特徴とするものである。
【0007】
また、この発明の請求項4に係る炎検知器は、赤外線を検出する受光素子の前面に、約7.5μm付近から約15μm付近までの波長帯域を通過させるバンドパスフィルタと、約10μm付近の波長を低減させるカットフィルタと、それぞれ配置されることを特徴とするものである。
【0008】
また、この発明の請求項5に係る炎検知器は、監視区域から放射される赤外線を監視する炎検知器において、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域のいずれかあるいは双方を利用する範囲の赤外線を受光する第1受光素子と、該第1受光素子よりも広範囲の波長帯域の赤外線を受光する第2受光素子と、を組み合わせて、該第1受光素子から得られる第1データと前記第2受光素子から得られる第2データとを比較して炎を判別することを特徴とするものである。
【0009】
また、この発明の請求項6に係る炎検知器は、監視区域から放射される赤外線を監視する炎検知器において、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域双方の約10μmの波長を中心とする谷間をカットした範囲の赤外線を受光する第1受光素子と、該第1受光素子よりも広範囲の波長帯域の赤外線を受光する第2受光素子と、を組み合わせて、前記第1受光素子から得られる第1データと前記第2受光素子から得られる第2データとを比較して炎を判別することを特徴とするものである。
【0010】
また、この発明の請求項7に係る炎検知器は、第1受光素子が約6.5μm以上約9.0μm未満の波長から約7.5μm以上約9.0μm以下の波長の2点間の波長帯域と、約11μm以上約15μm以下の波長から約11μmを越えて約20μm以下の波長の2点間の波長帯域との双方の赤外線を受光することを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明の請求項8に係る炎検知器は、第1受光素子は、赤外線素子の前面に、約7.5μm付近から約15μm付近までの波長帯域を通過させるバンドパスフィルタと、約10μm付近を低減させるカットフィルタと、それぞれ配置されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明による炎検知器は、約7.5μm付近および約15μm付近のいずれかあるいは双方の波長にピークを有する水分子発光帯域を利用することによって、相対的に発熱物体からの影響を受けにくく、それ以外の誤報源についても、二酸化炭素の共鳴放射帯域よりもさらに赤外側にあるので、誤報を生じにくいという効果がある。
【0013】
また、約7.5μm付近および約15μm付近のいずれかあるいは双方の波長にピークを有する水分子発光帯域を利用する第1受光素子と、その第1受光素子よりも広範囲の波長帯域を受光する第2受光素子と、を組み合わせて炎を判別するので、誤報を排除するとともに、炎検出の精度を高くすることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0015】
図1は炎検知器の概略構成図、図2は図1のフィルタおよびセンサの構成図であり、(a)から(c)に、第1の実施形態に加えてその変形例および他の変形例を示している。
【0016】
図において、この実施形態の炎検知器Fは、監視領域から放射される赤外線を窓材1を用いて内部に取り込み、取り込まれた赤外線はレンズ等による光学系2により集光され、フィルタ3によって予め定められた波長帯域のみがセンサ部4に導かれる。センサ部4は、焦電素子等の赤外線検出素子によって赤外線を電気信号に変換する。
【0017】
このセンサ部4によって生じた電気信号は、増幅器5で増幅された後、A/D変換器6でデジタル化され、データとしてマイコン等を用いた判断回路7に取り込まれ、判断回路7において炎か否か判断され、炎と判断された場合には警報器8に出力して、警報器8が火災警報動作を行う。この火災警報動作に加え、消火活動や避難誘導その他連動動作を行うことができる。
【0018】
この第1の実施形態における図2(a)に示されるフィルタ3の透過波長について図3に示す。このフィルタ3は、ゲルマニウム基板に異種の材料を多層に蒸着したものであり、8μmから9μmの波長帯域および11μmから12μmの波長帯域を透過させ、センサ部4にその特定された波長の赤外線の強度を電気信号に変換させることが可能である。このような積層により波長をカットする場合、図3のようにシャープにカットすることが可能である。
【0019】
また、第1の実施形態の変形例として、図2(b)に示すフィルタ3bおよびセンサ部4bを用いることができる。このフィルタ3bは、9μmから11μm付近の波長帯域を遮断するカットフィルタであり、また、センサ部4bは、8μmから12μmの波長帯域に感度を有する赤外線センサである人体検知センサである。この場合にも上記第1の実施形態と同様の波長の赤外線の強度を電気信号に変換することが可能である。
【0020】
このフィルタ3bには、図4に示す波長特性のように、シャープなものを用いることが好ましいが、図5に示すような同様の傾向を有するもの(シャープでないもの)であってもよい。同様に、センサ部4bについても詳細に示さないが、感度範囲がシャープなものでなく、その傾向を有するものでよい。
【0021】
さらに、第1の実施形態の他の変形例として、図2(c)に示すフィルタ3c、3dおよびセンサ部4を用いることができる。この例ではフィルタを組み合わせる場合であり、9μmから11μmの波長帯域を遮断するカットフィルタ3cと、8μmから12μmの波長帯域を透過させるバンドパスフィルタ3dとを組み合わせて、上記第1の実施形態と同様の波長の赤外線の強度を電気信号に変換するものである。このフィルタ3dの波長透過特性を図6に示す。また、図7に示すような同様の傾向を有するもの(シャープでないもの)であってもよい。
【0022】
このような第1の実施形態、変形例および他の変形例による波長選択の効果について、図8のメタノール火炎の発光スペクトルを参照しながら説明する。
【0023】
図8において、約4.4μmの波長をピークとする大きな発光が二酸化炭素の共鳴発光であり、それより小さめであるが、約7.5μmの波長をピークとする約6.5μmから約9μmの帯域にかけての発光が水分子による分子発光であり、約15μmの波長をピークとする約11μmから約20μmの帯域にかけての発光も水分子による分子発光である。この図8の水分子に基づく発光に基づいて、約10μmの波長を中心に約9μmから約11μmの波長帯域にかけて谷になっていることがわかる。
【0024】
また、図9に約400Kの発熱物体の発光スペクトルを示す。発熱物体から放射される赤外線は、プランクの法則に従い、約400Kの温度においては約7μm付近の波長をピークとする山形となる。したがって、単に8μmから12μmの波長帯域を検出するときに対して上記第1の実施形態で選択する波長帯域では、水分子による発光の谷にあたるので、炎からの赤外線の強度は変わらないが、相対的に発熱物体からの強度は少なくなる。また、発熱物体以外の誤報源についても、上記第1の実施形態で選択する水分子に基づく波長帯域は、二酸化炭素の共鳴放射帯域よりもさらに赤外側にあるので、照明装置や表示灯の隠れた発光帯に当たりにくく、誤報を生じにくい炎検知器とすることができる。
【0025】
また、大気中を通過する赤外線は、水蒸気および二酸化炭素による吸収の影響を受けやすく、これらの影響のない波長帯を選ぶ必要があり、その吸収の影響について、図10に水平距離300m、気温25度、水分含有量5.7ミリ、海抜0mにおける透過率を5μmから15μmの波長の範囲で示す。この結果から、8μm以下の波長および14μm以下の波長においては大きく吸収され、約8μmから約14μmまでの波長帯域内が好ましいことが分かる。
【0026】
さらに、詳細に説明しないが、第1の実施形態、変形例および他の変形例のセンサ部とともに、約8μmから約12μmまでの波長帯域を検出する第2のセンサ部を設け、これら2つの出力を比較することにより、発熱物体による誤報は完全に排除することが可能となり、光源による誤報とともに、炎検出の精度が高いものとすることができる。
【0027】
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。図11は炎検知器としての赤外線カメラ装置の概略構成図である。
【0028】
図において、赤外線カメラ装置Cは、監視領域において放射される赤外線をモニタする赤外線カメラ11と、赤外線カメラ11を旋回動作させる電動雲台12と、電動雲台12を制御する電動雲台制御手段13お、赤外線カメラ11から出力された映像および電動雲台制御手段13からの赤外線カメラ11の監視角度を保存して比較する比較手段14と、比較結果を解析する解析手段15と、解析結果および赤外線カメラ11の映像を表示する表示手段16と、により構成されている。
【0029】
また、赤外線カメラ11内には、赤外線を検出する撮像素子21に対して2種類のフィルタ22、23がカバーされている。したがって、表示手段16に表示される画像を半分にしたそれぞれにフィルタ22、23を介した画像が映出される。この半分づつの画像は、赤外線カメラ11が電動雲台12によって首振りすることによって、同一の監視領域を各フィルタ22、23を介して見ることができる。
【0030】
これらのフィルタ22、23について、一方のフィルタ22は、上記の第1の実施形態における図2に示されるような水分子の発光に基づく波長を選択するバンドパスフィルタであり、他方のフィルタ23は、フィルタ22よりも広い範囲の赤外線帯域を通過させるフィルタである。
【0031】
この赤外線カメラ装置Cによる表示手段16に表示される画像の一例を図12に示す。図12において(a)はフィルタ23を介して水銀灯Sを撮像した場合であり、(b)はその水銀灯Sをフィルタ22を介して撮像した場合である。また、(c)はフィルタ23を介してn−ヘプタンの炎Hを撮像した場合であり、(d)はその炎Hをフィルタ22を介して撮像した場合である。それぞれ(a)および(c)の画像から赤外線カメラ11が電動雲台12によって右側に移動したときに(b)および(d)の画像を得ることができる。
【0032】
このように、同一の部分の撮像データを、詳細に説明しないが、角度データと組み合わせて照合することにより、フィルタ23を介した撮像データとフィルタ22を介した撮像データを比較することによって、炎Hの場合には、双方において高温領域が検出される。これは、両フィルタ間の選択波長の違いから、上記第1の実施形態において説明したように、炎特有の波長における赤外線の透過量かそれほど変わらないが、発熱物体の赤外線透過量は、フィルタ22を介した場合に大きく低下することにあり、比較手段14において撮像データを対比させ、解析手段15において炎の存在を判別する。その結果を撮像データによる画像とは別にまたは同時に表示手段16に表示することができる。
【0033】
つぎに、第1の実験例として、第1の実施形態の変形例を用いて、n−ヘプタンを燃焼させて生じた火炎と高温物体としてホットプレートを加熱して測定した結果を図13の表に示す。ここで、センサ部4bは0mVから3mVを出力するものとし、フィルタ3bを用いることで、小さい炎や遠距離の炎でも1.2mVの出力を得ながら、高温の発熱物体の出力は0.6mVしか出力せず、熱源による影響が大幅に縮小されることが判明した。
【0034】
また、第2の実験例として、第2の実施形態を用いた実験例について説明する。第2の実施形態による赤外線カメラ装置Cを用いて、水銀灯Sおよびn−ヘプタンの炎を撮像した結果について、画像データは、撮像素子21の出力を256階調のADコンバータで取り込み、黒が0、白が256としてそれぞれの値を求める。水銀灯Sは、2KWで表面の保護ガラスが直径75cmのもので、その表面は約120度に加熱していた。また、n−ヘプタンの炎Hは、30cm四方の火皿において燃焼させた。その測定結果を図14の表に示す。フィルタ23を介した画像では、炎Hが130、水銀灯Sが130であるが、フィルタ22を介した画像においては、炎Hが105に対して水銀灯Sは50と大きく低下した。このように、両フィルタを装着して同一物に対する差分をとることで、発熱物体と炎とを明確に区別することができる。
【0035】
上記各実施形態において、フィルタとして、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域のいずれかあるいは双方を利用する範囲を透過させるもの、または、水分子発光帯域双方の約10μmの波長を中心とする谷間をカットする範囲の赤外線を透過させるものであればよく、具体的には、約6.5μm以上約9.0μm未満の波長から約7.5μm以上約9.0μm以下の波長の2点間の波長帯域と、約11μm以上約15μm以下の波長から約11μmを越えて約20μm以下の波長の2点間の波長帯域から選択して透過させればよい。
【0036】
以上のように、各実施形態において、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域のいずれかあるいは双方を利用する範囲の赤外線の受光量に基づいて炎の存在を判別するものである。また、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域双方の約10μmの波長を中心とする谷間をカットした範囲の赤外線を受光量に基づいて炎の存在を判別するものである。
【0037】
また、各実施形態において、赤外線を検出する受光素子の前面に、約7.5μm付近から約15μm付近までの波長帯域を通過させるバンドパスフィルタと、約10μm付近の波長を低減させるカットフィルタと、それぞれ配置されるものであり、そして、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域のいずれかあるいは双方を利用する範囲の赤外線を受光する第1受光素子と、該第1受光素子よりも広範囲の波長帯域の赤外線を受光する第2受光素子と、を組み合わせて、該第1受光素子から得られる第1データと前記第2受光素子から得られる第2データとを比較して炎を判別するものである。また、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域双方の約10μmの波長を中心とする谷間をカットした範囲の赤外線を受光する第1受光素子と、該第1受光素子よりも広範囲の波長帯域の赤外線を受光する第2受光素子と、を組み合わせて、前記第1受光素子から得られる第1データと前記第2の受光素子から得られる第2のデータとを比較して炎を判別するものである。
【0038】
これらのことによって、約7.5μm付近および約15μm付近のいずれかあるいは双方の波長にピークを有する水分子発光帯域を利用することによって、相対的に発熱物体からの影響を受けにくく、それ以外の誤報源についても、二酸化炭素の共鳴放射帯域よりもさらに赤外側にあるので、誤報を生じにくいという効果がある。
【0039】
また、約7.5μm付近および約15μm付近のいずれかあるいは双方の波長にピークを有する水分子発光帯域を利用する第1受光素子と、その第1受光素子よりも広範囲の波長帯域を受光する第2受光素子と、を組み合わせて炎を判別するので、誤報を排除するとともに、炎検出の精度を高くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す概略構成図。
【図2】図1のフィルタおよびセンサの構成図。
【図3】図2(a)のフィルタの透過波長を示す図。
【図4】図2(b)のフィルタの透過波長を示す図。
【図5】図4と同様のフィルタの透過波長を示す図。
【図6】図2(c)のフィルタの透過波長を示す図。
【図7】図6と同様のフィルタの透過波長を示す図。
【図8】メタノール火炎の発光スペクトルを示す図。
【図9】発熱物体の発光スペクトルを示す図。
【図10】大気中を通過する赤外線の透過率を示す図。
【図11】この発明の第2の実施形態を示す概略構成図。
【図12】図11の装置による画像の一例を示す図。
【図13】実験例1の結果を示す表。
【図14】実験例2の結果を示す表。
【符号の説明】
【0041】
3 フィルタ
4 センサ部
7 判断回路
14 比較手段
15 解析手段
21 撮像素子
22 フィルタ
23 フィルタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視区域から放射される赤外線を監視する炎検知器において、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域のいずれかあるいは双方を利用する範囲の赤外線の受光量に基づいて炎の存在を判別することを特徴とする炎検知器。
【請求項2】
監視区域から放射される赤外線を監視する炎検知器において、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域双方の約10μmの波長を中心とする谷間をカットした範囲の赤外線を受光量に基づいて炎の存在を判別することを特徴とする炎検知器。
【請求項3】
約6.5μm以上約9.0μm未満の波長から約7.5μm以上約9.0μm以下の波長の2点間の波長帯域と、約11μm以上約15μm以下の波長から約11μmを超えて約20μm以下の波長の2点間の波長帯域との双方の受光量に基づいて炎の存在を判別する請求項1または請求項2の炎検知器。
【請求項4】
赤外線を検出する受光素子の前面に、約7.5μm付近から約15μm付近までの波長帯域を通過させるバンドパスフィルタと、約10μm付近の波長を低減させるカットフィルタと、それぞれ配置される請求項1乃至3いずれかの炎検知器。
【請求項5】
監視区域から放射される赤外線を監視する炎検知器において、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域のいずれかあるいは双方を利用する範囲の赤外線を受光する第1受光素子と、該第1受光素子よりも広範囲の波長帯域の赤外線を受光する第2受光素子と、を組み合わせて、該第1受光素子から得られる第1データと前記第2受光素子から得られる第2データとを比較して炎を判別することを特徴とする炎検知器。
【請求項6】
監視区域から放射される赤外線を監視する炎検知器において、約7.5μm付近と約15μm付近の波長にピークを有する水分子発光帯域双方の約10μmの波長を中心とする谷間をカットした範囲の赤外線を受光する第1受光素子と、該第1受光素子よりも広範囲の波長帯域の赤外線を受光する第2受光素子と、を組み合わせて、前記第1受光素子から得られる第1データと前記第2受光素子から得られる第2データとを比較して炎を判別することを特徴とする炎検知器。
【請求項7】
第1受光素子が約6.5μm以上約9.0μm未満の波長から約7.5μm以上約9.0μm以下の波長の2点間の波長帯域と、約11μm以上約15μm以下の波長から約11μmを越えて約20μm以下の波長の2点間の波長帯域との双方の赤外線を受光する請求項5または請求項6の炎検知器。
【請求項8】
第1受光素子は、赤外線素子の前面に、約7.5μm付近から約15μm付近までの波長帯域を通過させるバンドパスフィルタと、約10μm付近を低減させるカットフィルタと、それぞれ配置されたものである請求項5乃至7いずれかの炎検知器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−72898(P2006−72898A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258342(P2004−258342)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】