炭酸塩燃料電池のカソード側のハードウェア
ペロブスカイト構造AMeO3で、Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、XをドープしたLiNiO2(XはMg、 CaおよびCoのうちの1つである)とのうちの1つを含む伝導性セラミックの薄膜コーティングを有する炭酸塩燃料電池のカソード側のハードウェアである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶融炭酸塩燃料電池に関し、特に、溶融炭酸塩燃料電池で使用されるカソード側ハードウェアに関する。
【0002】
本明細書に使用されるように、用語「カソード側ハードウェア」は、燃料電池、特に、溶融炭酸塩燃料電池のカソード側電流コレクタおよび/またはバイポーラプレートと定義される。腐食は溶融炭酸塩燃料電池の寿命を制限する因子である。広範囲の腐食が酸化ガス(または、液体)との界面で、すなわちカソード側のハードウェアでおこる。このハードウェアは通常ステンレス鋼を含むクロムから形成され、ハードウェアの腐食は金属の空孔を通して外へ向かうカチオン拡散によって支配される。溶融炭酸塩燃料電池の内部抵抗の25%はカソード側ハードウェア上に形成される酸化物の腐食層に起因するものであると見積もられる。
【0003】
特に、通常316Lステンレスで作られたカソード電流コレクタは、燃料電池の動作中に腐食され、かなり高い電気抵抗を有する多くの腐食酸化物の層がコレクタ表面上に形成される。さらに、形成された腐食層は時間とともに通常厚くなる。
【0004】
さらに、カソード側ハードウェア上の腐食層は、表面を通る電解質の損失と腐食クリープを引き起こす。電解質表面のクリープは、腐食層における表面粗さ、気孔率、気孔サイズによって支配される毛細力によって支配される。電解質腐食クリープは、形成されたスケールのスケール厚みと相組成によって支配される。ステンレス鋼で形成されたカソード側のハードウェアにおいて、スケール表面の大きな粗さとスケールの多孔性構造は、大きな電解質表面クリープを引き起こす。
【0005】
溶融炭酸塩燃料電池の電解質の損失は4万時間の寿命を達成するための重要な寿命制限因子であることが推算された。カソード側ハードウェアの分析によれば、電解質損失の65%がこのハードウェアに起因することを示している。電解質損失を45%に減少すると、約1.7年間の溶融炭酸塩燃料電池の寿命延長をもたらし得ることが推算されている。
【0006】
カソード側ハードウェアの腐食に対抗するために、カソード側ハードウェア上に保護の酸化物コーティングを供給して接触抵抗を小さくし電解質損失を少なくすることを実現することが提案されている。しかしながら、これらのコーティングは、一方ではコーティングが高い耐蝕性を有し、他方ではコーティングが高い電気伝導率を有しなければならない、という厳しい条件を満足しなければならない。また、コーティングは、溶融炭酸塩燃料電池のコーティング合金と環境との間のバリアを提供することができる安定した表面酸化物を供給することができなければならない。
【0007】
米国特許第5,643,690号公報は、カソード電流コレクタ上に被覆されたFe,NiおよびCrの層の燃料電池中での酸化によって形成された非化学量論的組成の複合体の酸化物層の形態におけるこの種類のコーティングを開示している。同様に日本特許第5―324460号公報は、NiO層(カソード電流コレクタ上に被覆されたまたはメッキされたNi層の酸化によって形成される)で被覆されたステンレス鋼のコレクタプレートを開示している。これらの場合で形成されたコーティングは多孔性であり、かなりの量の電解質を消費する。また、層の電気伝導率は、所望と同程度には高くないかもしれない。
【0008】
本願と同じ譲受人である米国特許出願公開第2002/0164522号は、ゾル−ゲル工程を用いてセラミック材料の伝導性の層として形成される別のコーティング層を開示している。この場合において伝導層に使用されている材料は、好ましくは、LiCoO2あるいはCoをドープしたLiFeO2であり、層の厚みは1〜5μmの範囲である。
【0009】
米国特許出願公開第2002/0164522号の前述の伝導性セラミック層は、満足できるカソード側ハードウェアの耐蝕性を提供することが判明した。しかしながら、その材料は高価であり、燃料電池の総合的な費用に加算される。また、更に高い伝導率が望まれている。その結果、燃料電池の設計者は、所望の耐蝕性を提供しかつより安価であり伝導率が更に高い他のコーティング材料を捜し求め続けている。
【特許文献1】米国特許第5,643,690号公報
【特許文献2】特開平5―324460号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0164522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、上記の不利益のないカソード側ハードウェアを提供することである。
【0011】
本発明の更なる目的は、高い耐蝕性と電気伝導率を有し低価格のカソード側ハードウェアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のおよび他の目的は、ペロブスカイト構造AMeO3で、Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、XがMg、CaおよびCoのうちの1つであり、XをドープしたLiNiO2とを含む緻密な伝導性セラミックコーティングの薄膜を有するカソード側ハードウェアを形成することによっておいて実現される。
【0013】
好ましくは、コーティングは、ゾル−ゲル工程を使用して実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本願発明の上記および他の特徴および態様は付随の図面と関連して以下の詳細な記述を読むことによりより明らかになるであろう。
【0015】
図1はカソード2とアノード3を持っている燃料電池を概略的に示す図である。カソード2とアノード3の間は、アルカリ炭酸塩電解質を含むマトリクス4である。アノード3に隣接して、波状の電流コレクタ3aとバイポーラ3bとがある。カソード2に隣接して、波状の電流コレクタ5aとバイポーラプレート5bを有するカソード側ハードウェア5がある。図示されるように、バイポーラプレート3bと5bとは同じである。
【0016】
本発明の原理に基づいて、図1の燃料電池1のカソード側ハードウェア5は、低い接触電圧損失のための低い電気抵抗率を得るために伝導性セラミックでコーティングされている。さらに本発明に基づいて、一般式AMeO3を有するペロブスカイト材料で、Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが遷移金属であるペロブスカイト構造と、カソード材料としての使用が以前に提案されているリチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)とが、カソード側ハードウェアのためのコーティング材料として本明細書で使用される。さらに本発明に基づいて、XをドープしたLiNiO2材料は、ここでXはMg、CaおよびCoのうちの1つである、カソード側ハードウェアのコーティング材料として使用され得る。遷移金属は、AMeO3におけるMeとして示され、限定されないが、Co,Fe,Cr,Mnおよびそれらの混合物である。ペロブスカイト材料は、限定されないが、LSC(LaxSrx-1CoO3および、特に、La0.8Sr0.2CoO3),LaMnO3、LaCoO3、LaCrO3およびLSCF(La0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)を含む。XをドープしたLiNiO2材料の例は、MgをドープしたLiNiO2、CaをドープしたLiNiO2およびCoをドープしたLiNiO2を含む。これらの材料は、アルカリ溶融炭酸塩中への低溶解度(例えば、リチウム化されたNiOでは2μg/cm2/h)と非常に高い電気伝導率(LSCでは600℃で600S/cm、リチウム化されたNiOでは650℃で33S/cm、MgをドープしたLiNiO2では26S/cm、およびCoをドープしたLiNiO2では650℃で15S/cm)を有する。
【0017】
これらの材料はさまざまなコーティング技術を使用してカソード側ハードウェア上にコーティングすることができる。本例示の場合において、薄膜ゾル−ゲルコーティングプロセスが使用された。このプロセスは、ゾルを形成するために適切な溶剤に必要な金属イオンを含む前駆体の溶解を含む。次に、ゾルはスプレーまたは浸漬によってハードウェア表面にコーティングされ続いてゲル化され、乾燥され、続いて緻密化と結晶化される。
【0018】
一般に、乾燥は室温と200℃の間の温度で実行される。通常、緻密化と再結晶プロセスは350℃以上の温度で実行される。金属基板の表面は、より良いコーティング接着のため表面の飛散物や酸化物を取り除くための脱脂および酸洗浄を必要とするかもしれない。100%のコーティング被覆率は、オーム接触抵抗の点から炭酸塩燃料電池の応用に対して必要ではないが、腐食保護の改善および電解質の低減に対する所望の利益を達成するためにはセラミックコーティングによって表面の95%を越える被覆率を有することが好ましい。その結果、結果として得られるカソード側ハードウェアは、必要な特性を提供するために要求される構造と相の組み合わせを持って提供され得る。
【0019】
ペロブスカイト材料、リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxが0.1〜1である)およびXをドープされたLiNiO2材料に対する前駆体は、酢酸塩、または、硝酸塩のような無機塩または水酸化物であり得る。溶液は水溶性基あるいは溶媒基であり得る。カソード側ハードウェアの基体あるいは基板部材はステンレス鋼であり得る。
【0020】
適切に処理パラメータを制御することによって、コーティング技術、熱処理(ゾル−ゲルの場合)、緻密化および均一で平滑な薄膜コーティングが得られる。本発明の緻密な酸化物コーティングされたカソード側ハードウェアの主要な耐蝕性は、意図的にコーティングされた緻密な酸化物層を通る輸送によって支配される。緻密な酸化物コーティングは、ハードウェアの下層の基体(例えば、ステンレス鋼基体)へ移動する炭酸塩イオンの攻撃をかなり遅らせる。
【0021】
特に、形成された酸化物層の主要な効果は、ハードウェア基体とガスおよび液体の接触に対して障壁となることである。一方、ハードウェア基体とカソード電極間の接触抵抗もまた、高い導電性を有する耐蝕性酸化物層により、被覆されていないハードウェア上に形成された腐食スケールを持つ場合と比較すると減少する。電気抵抗は、燃料電池テストから示されるように、クロム鉄鋼で形成された被覆していないハードウェア基体との比較して50%低下する。
【0022】
さらに、本発明のカソード側ハードウェアのペロブスカイト材料、リチウム化されたNiOおよびXをドープされたLiNiO2によるコーティングされた緻密で平滑な表面により、表面粗さと腐食はともに最小にされる。従って、電解質表面と腐食クリープもまた最小にされる。
【0023】
また、カソード側ハードウェアのコーティングは、好ましい接着力、よくマッチした熱膨張係数、有効な電気伝導度、および熱酸化/腐食に対する保護を示すことがわかった。コーティングに対する加速された熱サイクル試験によれば、コーティングは薄く、非常に接着性が高いことが示された。良い接着は、ハードウェアの基体とコーティングとの間の反応で結合した構造およびその薄膜の特性に起因する (引張応力はコーティング厚みに比例する)。また、燃料電池の過酷な温度および化学ポテンシャルの範囲にわたるバルク特性のマッチングが達成された。
【0024】
上記記載のように、本発明のコーティング(Li0.1NiO2、ペロブスカイト材料、およびXをドープしたLiNiO2)もまた、かなり高い伝導性(例えば、Li0.1NiO2に対して33S/cm、LSCに対して650S/cm、CoをドープしたLiNiO2対して650℃で15S/cm)を示し、更に重要なことは、米国特許出願2002/0164522号のLiCoO2コーティング(1S/cmの伝導率)と比較したとき、制御されたコーティング厚さを持つ緻密で平滑な膜であることである。
【0025】
以下は発明に関する実施例である。
【0026】
実施例1 リチウム化されたカソード側ハードウェア
(1)リチウム化されたNiOゾル−ゲルの調製
試薬グレードのLi酢酸塩とNi酢酸塩をカチオン源の化合物として使用して、名目上のLi:Ni組成が0.1:1(モル比)の出発溶液を調製した。次に、1MのNiOゾル−ゲルを得ることに基づいて、出発溶液に含まれるべきこれらの材料の適切な量が計算された。次に、カチオン源化合物の測定量が、沈降物のない出発溶液を形成するために200mlの蒸留水、300mlのエチレングリコールおよび1.5molのクエン酸とともに600mlのビーカー中で混合された。出発溶液は、出発溶液は約80℃のホットプレート上で加熱して粘性液体に変わるまで濃縮した。緑色で透明な溶液が結果として生じた。この溶液は少なくとも半年の間、密封されたガラスビーカー中に25℃で沈降物を生じずに変わらずにいられた。重合による溶液の粘性変化は、ブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。前駆体の粘性は、重合の結果として平均分子量の増加のため、加熱時間の増加と共にかなり増加する。
【0027】
(2)緻密で平滑なリチウム化されたNiO膜を有するカソード側ハードウェアの堆積と形成
浸漬コーティング技術は、波形のステンレス鋼(316L)シートあるいはカソード側基体として使用される基板上に前駆体の湿式の膜を形成するために使用された。膜厚は、前駆体の引き抜き速度と粘性を制御することによって達成された。通常、室温で125cP以下の粘性を有する前駆体は、ステンレス鋼などの平滑な基板を均一にぬらすことはできなかった。一方、基板が、室温で約1000cP以上の粘性を有する高粘性の前駆体は、基板が高温で加熱されない場合、不均一な膜となり膜にクラックを形成した。したがって、高品質の膜を得るためには溶液の粘性を制御することは重要である。前駆体溶液の粘性は、本実施例において室温で200〜275cPの範囲が使用された。1インチ/分の引き抜き速度を用いると、約600℃で焼成後に各コーティングに対して約0.5〜約1μmの範囲の厚みを有するち密な、リチウム化されたNiO酸化物膜が得られた。
【0028】
ゾルの濡れ性を増加しリチウム化された酸化ニッケル膜とステンレス鋼シート間の結合強度を増加するために、シートをまず酸処理し、続いて、グラファイト炉での加熱処理の間に形成される可能性のあるダストや炭素膜を除去するためにアセトンで超音波洗浄した。ゲル膜は、1インチ/分の基板引き抜き速度の浸漬コーティングによって、波形カソードの1.5インチ×1.5インチあるいは7インチ×7インチのいずれかに堆積させた。ゲル膜を有する基板は、ゲル膜堆積のすぐ後に、70℃に予熱された炉に移され、完全に結晶化し焼結するためにさらに3時間600℃を越えない温度まで加熱され、3時間保持された。
【0029】
600℃まで加熱後に、膜はカソード側ハードウェア基体上に、連続した平滑で緻密なままで残っていた。図2Aと2Bは、膜がコーティングされたハードウェアの破断面のSEM写真を異なる倍率で示したものである。これらの図から、実質的に一定の厚さ約1μmを有する薄いリチウム化されたNi酸化物膜が実現されることがわかった。
【0030】
(3)リチウム化されたNiO膜の特徴付け
ステンレス鋼(316L)基板上に堆積されたLi0.1NiO酸化物膜の相の進展が、Cu−Ka照射を用いるフィリップス回折計で実行されたX線回折分析によって研究された。結果が図4に示される。200℃で加熱処理された基板は、ピークが無く、無定形構造を示している。岩塩NiO構造の形成が350℃と同程度の低い温度で観測された。しかしながら、350℃で形成された第2相があり、NiCとして表示された。高温度では、NiCは酸化されてNiOを形成する。450℃で、結晶化が完全になされ、ブロードなピークはなく、ピーク強度は450℃以上で変化しない。200℃と350℃を除いて、全てのコーティングは単相であり、他の2次生成物も反応物も検出されなかった。
【0031】
明らかなように、リチウム化されたNiOは、NiO構造(岩塩構造)に適合し、そのパターンは、NiOのブラッグピークで索引するることができる。リチウムとニッケルイオンに対する優先位置はない。したがって、1つのカチオン結晶しかない。ニッケル(II)(r=0.83Å)のリチウム(I)(r=0.90Å)による部分的な置換は、イオン半径rがより小さく、格子を収縮する、ニッケル(III)(r=0.70Åの生成を暗示する。より高温の処理温度を用いると、相はNiO構造中により多くのLiの溶解を暗示する(より多くのNi(III)を生成する)、より大きい角度にシフトする。また、 ピークは温度上昇とともに狭くなり、結晶子サイズの成長を示している。
【0032】
実施例2 Lan0.8Sr0.2CoO3カソード側ハードウェア
(1)Lan0.8Sr0.2CoO3ゾル−ゲルの調製
試薬グレードのLa硝酸塩水和物とSr硝酸塩水和物とCo硝酸塩水和物を使用して、名目上のLa:Sr:Co組成が0.8:0.2:1(モル比)の出発溶液を調製した。次に、1MのLSCゾル−ゲルを得ることに基づいて出発溶液に含まれるべきこれらの材料の適切な量が計算された。次に、カチオン源化合物の測定量が、沈降物のない出発溶液を形成するために150mlの蒸留水、350mlのエチレングリコールとともに600mlのビーカー中で混合された。出発溶液は、約80℃のホットプレート上で加熱され、水および他の揮発性物質を排出し、金属カチオンを含むポリマーを有する粘性ポリマー前駆体を形成した。重合か工程を通して溶液中にカチオンが残ることが重要である。高分子前駆体に変換されるときの溶液の粘度変化は、ブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。
【0033】
(2)平滑で、ち密なLSC膜を有するカソード側ハードウェアの堆積と形成
LSC膜とステンレス鋼(316L)カソード側ハードウェアとの間のゾルの濡れ性を増加し結合強度を増加するために、ステンレス鋼は最初に酸処理され、続いて、グラファイト炉での加熱処理の間に形成される可能性のあるダストや炭素膜を除去するためにアセトンで超音波洗浄した。ゲル膜は、1インチ/分の基板引き抜き速度の浸漬コーティングによって、波状カソードの1.5インチ×1.5インチあるいは7インチ×7インチのいずれかに堆積した。ゲル膜は、ゲル膜堆積のすぐ後に、70℃に予熱された炉に移され、完全に結晶化し焼結するためにさらに3時間600℃を越えない温度まで加熱され、3時間保持された。
【0034】
600℃まで加熱後に、膜はカソード側ハードウェア基体上に、連続した平滑で緻密なままで残っていた。図3は、LSCでコーティングされたハードウェア表面の形態を示すSEM写真である。
【0035】
リチウム化されたNiOおよびLSCでコーティングされたカソード側ハードウェアシートの完全性に対する熱サイクルの影響が評価された。熱サイクル後の試験片の光学顕微鏡およびSEMによる試験によって、このコーティングが、ハードウェア基体あるいは基板と、熱応力で導入されるクラックまたは微少亀裂無しに、熱的に共存できるものであることが明らかになった。
【0036】
本発明に基づくリチウム化されたNiO導電性コーティングで被覆されたカソード側ハードウェアの代表的な実施例の切断面のSEM観察が被覆されていないカソード側ハードウェアと比較して図5A〜5Dに示される。図から明らかのように、本発明のリチウム化されたNiOコーティング(図5Aおよび5B)は、被覆されていないカソード側ハードウェア(図5Cおよび5D)と比較したとき、腐食スケールの厚さが減少している。さらに、腐食スケールは、ゾル−ゲルコーティングに関わらず同様の二重層構造を示している。しかしながら、コーティングされたハードウェアに関して、外側の酸化物のスケールは、内側のCrが豊富なスケールをよりよく保護するために、より緻密となり得る。その結果、コーティングされたシートのCrの豊富な内側のスケールは、総合的な腐食速度を低下させるために、より緻密でより保護的となっていた。
【0037】
図6Aは、本発明のリチウム化されたNiOおよびLSCコーティングを有する電流コレクタ(「CCC」)形態におけるカソード側ハードウェアカソードのセル外(out-of cell)の電気抵抗率を示す。図6Aは、また、コーティングされていないステンレス電流コレクタセルのセル外の電気抵抗率を示す。図から明らかのように、本発明のコーティングされたCCCはコーティングされていないCCCに匹敵するセル外の抵抗率を持っている。さらに図6Bから明らかのように、セル外(out-of cell)電流コレクタから本発明のコーティングされたCCCの電気抵抗率(金属から金属)もまた、電流コレクタからコーティングされていないステンレス鋼のCCCの電気抵抗率に匹敵する。
【0038】
図7と図8は、本発明のリチウム化されたNiOおよびLSCコーティングでそれぞれコーティングされたCCCを利用する燃料電池の抵抗寿命グラフを、コーティングしていないステンレス鋼CCCを利用する燃料電池と比較して示している。これらのグラフから理解されるように、改良された抵抗寿命が、本発明のコーティングを有するCCCを使用する燃料電池に対して実現されている。
【0039】
図9は、本発明のコーティングされたCCCの燃料電池試験後の腐食厚さをコーティングしていないCCCの燃料電池試験後の腐食厚さと比較して示している。本発明のコーティングされたCCCは、コーティングされていないCCCより測定可能な少ない腐食を示すことがわかる。
【0040】
最後に、図10は、本発明のコーティング膜でコーティングされたCCCを利用する溶融炭酸塩燃料電池における電解質の損失を、コーティングしていないCCCを用いる溶融炭酸塩燃料電池と比較して示している。図から明らかのように、電解質損失は本発明のコーティングを使用する燃料電池においてかなり少ない。
【0041】
実施例3 LSCF(Lan0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)カソード側ハードウェア
(1)LSCF(Lan0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)ゾル−ゲルの調製
分析グレードのLa酢酸塩、Sr酢酸塩、Co酢酸塩、Fe酢酸塩を使用して、名目上のLa:Sr:Co:Fe組成が0.8:0.2:0.8:0.2(モル比)の出発溶液を調製した。次に、1MのLSCFゾル−ゲルを得ることに基づいて、出発溶液に含まれるべきこれらの材料の適切な量が計算された。次に、カチオン源化合物の測定量が、出発溶液を形成するために2150mlの蒸留水、350mlのエチレングリコールとともに1000mlのビーカー中で混合された。出発溶液は、約65℃のホットプレート上で加熱され、48時間、65℃で撹拌されて、水および他の揮発材料を排出し、金属カチオンを含む粘性ポリマーを形成した。この粘性ポリマーの形成の間、この形成が発熱工程でなされるので、溶液を過熱しすぎないことが重要である。溶液の加熱を終了後、重合体の前駆体に転換されるときの溶液の粘性変化がブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。
【0042】
(2)平滑でち密なLSCF(Lan0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)膜を有するカソード側ハードウェアの堆積と形成
LSCF膜は、実施例2で上記説明したような浸漬コーティングを使用してカソード側ハードウェア上に堆積された。カソード側ハードウェア基体上に堆積されたLSCF膜は、連続する平滑で緻密な膜である。図11は、LSCFをコーティングしたカソード側ハードウェアの表面形態を示すSEM写真である。図3で示されたLSCをコーティングしたカソード側ハードウェアと同様に、図11で示されるSEMにより、LSCFコーティングが熱的にハードウェア基体あるいは基板と適合し、熱圧力によって導入されたクラックが検出されないことが明らかになった。
【0043】
実施例4 MgをドープしたLiNiO2カソード側ハードウェア
(1)MgをドープしたLiNiO2ゾル−ゲルの調製
試薬グレードのMg酢酸塩、Li酢酸塩(Li-(CH3COO))、水和化されたNi硝酸塩(Ni-(CH3COO)2)およびクエン酸を使用して、Mg:Lir:Ni:クエン酸組成物が0.1:0.9:1:2のモル比をもつ出発溶液を調製した。次に、1MのMgをドープしたLiNiO2ゾル−ゲルを得ることに基づいて出発溶液に含まれるべきこれらの材料の適切な量が計算された。次に、カチオン源化合物、すなわち、Mg酢酸塩、Li酢酸塩および水和化されたNi硝酸塩、の測定量が、400mlの蒸留水、2モルのクエン酸とともに1000mlのビーカー中で混合され、出発溶液は、約80℃に加熱され、磁性の撹拌子を用いて撹拌されて、沈降物のないきれいな出発溶液を形成した。水および他の揮発性物質を排出し、金属カチオンを含むポリマーを有する粘性ポリマー前駆体を形成した。重合か工程を通して溶液中にカチオンが残ることが重要である。高分子前駆体に変換されるときの溶液の粘度の変化は、ブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。溶液が所望の濃度に到達した後で、加熱を終了し、溶液の粘性が測定された。溶液が粘性溶液に転換するときの溶液の粘性変化はブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。これらの測定値は、溶液の粘性が重合の結果として平均分子量の増加のため、加熱時間の増加と共にかなり増加することを示した。こうして、この粘性溶液は少なくとも半年の間、密封されたガラスビーカー中に25℃で沈降物を生じず変わらずにいられた。
【0044】
(2)平滑でち密なMgをドープしたLiNiO2膜を有するカソード側ハードウェアの堆積と形成
MgをドープしたLiNiO2膜は、実施例2で上記説明したような浸漬コーティングを使用してカソード側ハードウェア上に堆積された。図12は、316Lカソード側ハードウェア上にMgをドープしたLiNiO2をコーティングしたときの表面形態を示すSEM写真である。図3および図11と同様に、カソード側ハードウェア上のMgをドープしたLiNiO2コーティングは、平滑で緻密であり、このコーティングはハードウェアまたは基板と熱的に適合するため熱圧力によって導入されるクラックが検出されないことが明らかになった。
【0045】
実施例5 CoをドープしたLiNiO2カソード側ハードウェア
(1)CoをドープしたLiNiO2ゾル−ゲルの調製
試薬グレードのCo酢酸塩、Li 酢酸塩(Li-(CH3COO))、水和化されたNi硝酸塩(Ni-(CH3COO)2)およびクエン酸を使用して、Co:Lir:Ni:クエン酸組成物が0.1:0.9:1:2のモル比をもつ出発溶液を調製した。次に、1MのCoをドープしたLiNiO2ゾル−ゲルを得ることに基づいて、出発溶液に含まれるべきこれらの材料の適切な量が計算された。次に、カチオン源化合物の測定量が、400mlの蒸留水、2モルのクエン酸とともに1000mlのビーカー中で混合され、出発溶液は、約80℃に加熱され、磁性の撹拌子を用いて撹拌されて、沈降物のないきれいな出発溶液を形成した。出発溶液は、約80℃に加熱されると水および他の揮発性物質を排出し、緑色の透明な粘性溶液を形成した。溶液が粘性溶液に変換されるときの溶液の粘度変化は、ブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。前の実施例のように、溶液の粘性は、重合の結果として平均分子量の増加のため、加熱時間の増加と共にかなり増加した。こうして、この粘性溶液は少なくとも半年の間、密封されたガラスビーカー中に25℃で沈降物を生じず変わらずにいられた。
【0046】
(2)平滑でち密なCoをドープしたLiNiO2膜を有するカソード側ハードウェアの堆積と形成
CoをドープしたLiNiO2膜は、実施例2で上記説明したような浸漬コーティングを使用してカソード側ハードウェア上に堆積された。図13は、316Lカソード側ハードウェア上にCoをドープしたLiNiO2をコーティングしたときの表面形態を示すSEM写真である。図3、図11、図12と同様に、カソード側ハードウェア基体上のCoをドープしたLiNiO2コーティングは、連続した平滑な緻密な膜であった。このコーティングに熱圧力によって導入されるクラックは検出されなかった。
【0047】
すべての場合において、上記に記載された構成が本発明の応用を示す多くの可能な特定の実施例を用いて単に例示的に説明していることが理解される。本発明の精神と範囲から逸脱しない範囲で、本発明の原理に基づく多くの変形された他の構成が容易に誘導される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアを含む燃料電池を概略的に示した図である。
【図2A】、
【図2B】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアの導電性のリチウム化されたNiOコーティングの異なる倍率のSEM顕微鏡写真を示す図である。
【図3】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアの導電性LSCコーティングSEM顕微鏡写真を示す図である。
【図4】ゾル−ゲル工程によって合成された図2Aと図2Bで示される種類のリチウム化されたNiOコーティングの加熱温度処理による相の進展を示す図である。
【図5A】、
【図5B】、
【図5C】、
【図5D】本発明に基づくリチウム化されたNiO導電性コーティングで被覆されたカソード側ハードウェアと被覆されていないカソード側ハードウェアの両方の浸漬侵食試験の影響を示す図である。
【図6A】、
【図6B】本発明に基づくリチウム化されたNiOコーティングおよびLSCで被覆されたカソード側ハードウェアと被覆されていないカソード側ハードウェアのセルからの電気抵抗と金属−金属間の電気抵抗を示す図である。
【図7】、
【図8】本発明のリチウム化されたNiOおよびLSC伝導性セラミックコーティングを有するカソード側ハードウェアを持つ溶融炭酸塩燃料電池の抵抗寿命試験のグラフを示す図である。
【図9】本発明の導電性セラミックコーティングを使用するカソード側ハードウェアの燃料電池試験後の腐食厚さを、被覆していないカソード側ハードウェアを使用する燃料電池試験後の腐食厚さと比較した図である。
【図10】本発明の導電性セラミックコーティングを有するカソード側ハードウェアを用いる溶融炭酸塩燃料電池試験におけるの損失を、被覆していないカソード側ハードウェアを使用する溶融炭酸塩燃料電池における損失と比較した図である。
【図11】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアの導電性LSCFコーティングのSEM顕微鏡写真を示す図である。
【図12】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアの導電性MgをドープしたliNiO2コーティングのSEM顕微鏡写真を示す図である。
【図13】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアの導電性CoをドープしたLiNiO2コーティングのSEM顕微鏡写真を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は溶融炭酸塩燃料電池に関し、特に、溶融炭酸塩燃料電池で使用されるカソード側ハードウェアに関する。
【0002】
本明細書に使用されるように、用語「カソード側ハードウェア」は、燃料電池、特に、溶融炭酸塩燃料電池のカソード側電流コレクタおよび/またはバイポーラプレートと定義される。腐食は溶融炭酸塩燃料電池の寿命を制限する因子である。広範囲の腐食が酸化ガス(または、液体)との界面で、すなわちカソード側のハードウェアでおこる。このハードウェアは通常ステンレス鋼を含むクロムから形成され、ハードウェアの腐食は金属の空孔を通して外へ向かうカチオン拡散によって支配される。溶融炭酸塩燃料電池の内部抵抗の25%はカソード側ハードウェア上に形成される酸化物の腐食層に起因するものであると見積もられる。
【0003】
特に、通常316Lステンレスで作られたカソード電流コレクタは、燃料電池の動作中に腐食され、かなり高い電気抵抗を有する多くの腐食酸化物の層がコレクタ表面上に形成される。さらに、形成された腐食層は時間とともに通常厚くなる。
【0004】
さらに、カソード側ハードウェア上の腐食層は、表面を通る電解質の損失と腐食クリープを引き起こす。電解質表面のクリープは、腐食層における表面粗さ、気孔率、気孔サイズによって支配される毛細力によって支配される。電解質腐食クリープは、形成されたスケールのスケール厚みと相組成によって支配される。ステンレス鋼で形成されたカソード側のハードウェアにおいて、スケール表面の大きな粗さとスケールの多孔性構造は、大きな電解質表面クリープを引き起こす。
【0005】
溶融炭酸塩燃料電池の電解質の損失は4万時間の寿命を達成するための重要な寿命制限因子であることが推算された。カソード側ハードウェアの分析によれば、電解質損失の65%がこのハードウェアに起因することを示している。電解質損失を45%に減少すると、約1.7年間の溶融炭酸塩燃料電池の寿命延長をもたらし得ることが推算されている。
【0006】
カソード側ハードウェアの腐食に対抗するために、カソード側ハードウェア上に保護の酸化物コーティングを供給して接触抵抗を小さくし電解質損失を少なくすることを実現することが提案されている。しかしながら、これらのコーティングは、一方ではコーティングが高い耐蝕性を有し、他方ではコーティングが高い電気伝導率を有しなければならない、という厳しい条件を満足しなければならない。また、コーティングは、溶融炭酸塩燃料電池のコーティング合金と環境との間のバリアを提供することができる安定した表面酸化物を供給することができなければならない。
【0007】
米国特許第5,643,690号公報は、カソード電流コレクタ上に被覆されたFe,NiおよびCrの層の燃料電池中での酸化によって形成された非化学量論的組成の複合体の酸化物層の形態におけるこの種類のコーティングを開示している。同様に日本特許第5―324460号公報は、NiO層(カソード電流コレクタ上に被覆されたまたはメッキされたNi層の酸化によって形成される)で被覆されたステンレス鋼のコレクタプレートを開示している。これらの場合で形成されたコーティングは多孔性であり、かなりの量の電解質を消費する。また、層の電気伝導率は、所望と同程度には高くないかもしれない。
【0008】
本願と同じ譲受人である米国特許出願公開第2002/0164522号は、ゾル−ゲル工程を用いてセラミック材料の伝導性の層として形成される別のコーティング層を開示している。この場合において伝導層に使用されている材料は、好ましくは、LiCoO2あるいはCoをドープしたLiFeO2であり、層の厚みは1〜5μmの範囲である。
【0009】
米国特許出願公開第2002/0164522号の前述の伝導性セラミック層は、満足できるカソード側ハードウェアの耐蝕性を提供することが判明した。しかしながら、その材料は高価であり、燃料電池の総合的な費用に加算される。また、更に高い伝導率が望まれている。その結果、燃料電池の設計者は、所望の耐蝕性を提供しかつより安価であり伝導率が更に高い他のコーティング材料を捜し求め続けている。
【特許文献1】米国特許第5,643,690号公報
【特許文献2】特開平5―324460号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0164522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、上記の不利益のないカソード側ハードウェアを提供することである。
【0011】
本発明の更なる目的は、高い耐蝕性と電気伝導率を有し低価格のカソード側ハードウェアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のおよび他の目的は、ペロブスカイト構造AMeO3で、Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、XがMg、CaおよびCoのうちの1つであり、XをドープしたLiNiO2とを含む緻密な伝導性セラミックコーティングの薄膜を有するカソード側ハードウェアを形成することによっておいて実現される。
【0013】
好ましくは、コーティングは、ゾル−ゲル工程を使用して実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本願発明の上記および他の特徴および態様は付随の図面と関連して以下の詳細な記述を読むことによりより明らかになるであろう。
【0015】
図1はカソード2とアノード3を持っている燃料電池を概略的に示す図である。カソード2とアノード3の間は、アルカリ炭酸塩電解質を含むマトリクス4である。アノード3に隣接して、波状の電流コレクタ3aとバイポーラ3bとがある。カソード2に隣接して、波状の電流コレクタ5aとバイポーラプレート5bを有するカソード側ハードウェア5がある。図示されるように、バイポーラプレート3bと5bとは同じである。
【0016】
本発明の原理に基づいて、図1の燃料電池1のカソード側ハードウェア5は、低い接触電圧損失のための低い電気抵抗率を得るために伝導性セラミックでコーティングされている。さらに本発明に基づいて、一般式AMeO3を有するペロブスカイト材料で、Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが遷移金属であるペロブスカイト構造と、カソード材料としての使用が以前に提案されているリチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)とが、カソード側ハードウェアのためのコーティング材料として本明細書で使用される。さらに本発明に基づいて、XをドープしたLiNiO2材料は、ここでXはMg、CaおよびCoのうちの1つである、カソード側ハードウェアのコーティング材料として使用され得る。遷移金属は、AMeO3におけるMeとして示され、限定されないが、Co,Fe,Cr,Mnおよびそれらの混合物である。ペロブスカイト材料は、限定されないが、LSC(LaxSrx-1CoO3および、特に、La0.8Sr0.2CoO3),LaMnO3、LaCoO3、LaCrO3およびLSCF(La0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)を含む。XをドープしたLiNiO2材料の例は、MgをドープしたLiNiO2、CaをドープしたLiNiO2およびCoをドープしたLiNiO2を含む。これらの材料は、アルカリ溶融炭酸塩中への低溶解度(例えば、リチウム化されたNiOでは2μg/cm2/h)と非常に高い電気伝導率(LSCでは600℃で600S/cm、リチウム化されたNiOでは650℃で33S/cm、MgをドープしたLiNiO2では26S/cm、およびCoをドープしたLiNiO2では650℃で15S/cm)を有する。
【0017】
これらの材料はさまざまなコーティング技術を使用してカソード側ハードウェア上にコーティングすることができる。本例示の場合において、薄膜ゾル−ゲルコーティングプロセスが使用された。このプロセスは、ゾルを形成するために適切な溶剤に必要な金属イオンを含む前駆体の溶解を含む。次に、ゾルはスプレーまたは浸漬によってハードウェア表面にコーティングされ続いてゲル化され、乾燥され、続いて緻密化と結晶化される。
【0018】
一般に、乾燥は室温と200℃の間の温度で実行される。通常、緻密化と再結晶プロセスは350℃以上の温度で実行される。金属基板の表面は、より良いコーティング接着のため表面の飛散物や酸化物を取り除くための脱脂および酸洗浄を必要とするかもしれない。100%のコーティング被覆率は、オーム接触抵抗の点から炭酸塩燃料電池の応用に対して必要ではないが、腐食保護の改善および電解質の低減に対する所望の利益を達成するためにはセラミックコーティングによって表面の95%を越える被覆率を有することが好ましい。その結果、結果として得られるカソード側ハードウェアは、必要な特性を提供するために要求される構造と相の組み合わせを持って提供され得る。
【0019】
ペロブスカイト材料、リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxが0.1〜1である)およびXをドープされたLiNiO2材料に対する前駆体は、酢酸塩、または、硝酸塩のような無機塩または水酸化物であり得る。溶液は水溶性基あるいは溶媒基であり得る。カソード側ハードウェアの基体あるいは基板部材はステンレス鋼であり得る。
【0020】
適切に処理パラメータを制御することによって、コーティング技術、熱処理(ゾル−ゲルの場合)、緻密化および均一で平滑な薄膜コーティングが得られる。本発明の緻密な酸化物コーティングされたカソード側ハードウェアの主要な耐蝕性は、意図的にコーティングされた緻密な酸化物層を通る輸送によって支配される。緻密な酸化物コーティングは、ハードウェアの下層の基体(例えば、ステンレス鋼基体)へ移動する炭酸塩イオンの攻撃をかなり遅らせる。
【0021】
特に、形成された酸化物層の主要な効果は、ハードウェア基体とガスおよび液体の接触に対して障壁となることである。一方、ハードウェア基体とカソード電極間の接触抵抗もまた、高い導電性を有する耐蝕性酸化物層により、被覆されていないハードウェア上に形成された腐食スケールを持つ場合と比較すると減少する。電気抵抗は、燃料電池テストから示されるように、クロム鉄鋼で形成された被覆していないハードウェア基体との比較して50%低下する。
【0022】
さらに、本発明のカソード側ハードウェアのペロブスカイト材料、リチウム化されたNiOおよびXをドープされたLiNiO2によるコーティングされた緻密で平滑な表面により、表面粗さと腐食はともに最小にされる。従って、電解質表面と腐食クリープもまた最小にされる。
【0023】
また、カソード側ハードウェアのコーティングは、好ましい接着力、よくマッチした熱膨張係数、有効な電気伝導度、および熱酸化/腐食に対する保護を示すことがわかった。コーティングに対する加速された熱サイクル試験によれば、コーティングは薄く、非常に接着性が高いことが示された。良い接着は、ハードウェアの基体とコーティングとの間の反応で結合した構造およびその薄膜の特性に起因する (引張応力はコーティング厚みに比例する)。また、燃料電池の過酷な温度および化学ポテンシャルの範囲にわたるバルク特性のマッチングが達成された。
【0024】
上記記載のように、本発明のコーティング(Li0.1NiO2、ペロブスカイト材料、およびXをドープしたLiNiO2)もまた、かなり高い伝導性(例えば、Li0.1NiO2に対して33S/cm、LSCに対して650S/cm、CoをドープしたLiNiO2対して650℃で15S/cm)を示し、更に重要なことは、米国特許出願2002/0164522号のLiCoO2コーティング(1S/cmの伝導率)と比較したとき、制御されたコーティング厚さを持つ緻密で平滑な膜であることである。
【0025】
以下は発明に関する実施例である。
【0026】
実施例1 リチウム化されたカソード側ハードウェア
(1)リチウム化されたNiOゾル−ゲルの調製
試薬グレードのLi酢酸塩とNi酢酸塩をカチオン源の化合物として使用して、名目上のLi:Ni組成が0.1:1(モル比)の出発溶液を調製した。次に、1MのNiOゾル−ゲルを得ることに基づいて、出発溶液に含まれるべきこれらの材料の適切な量が計算された。次に、カチオン源化合物の測定量が、沈降物のない出発溶液を形成するために200mlの蒸留水、300mlのエチレングリコールおよび1.5molのクエン酸とともに600mlのビーカー中で混合された。出発溶液は、出発溶液は約80℃のホットプレート上で加熱して粘性液体に変わるまで濃縮した。緑色で透明な溶液が結果として生じた。この溶液は少なくとも半年の間、密封されたガラスビーカー中に25℃で沈降物を生じずに変わらずにいられた。重合による溶液の粘性変化は、ブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。前駆体の粘性は、重合の結果として平均分子量の増加のため、加熱時間の増加と共にかなり増加する。
【0027】
(2)緻密で平滑なリチウム化されたNiO膜を有するカソード側ハードウェアの堆積と形成
浸漬コーティング技術は、波形のステンレス鋼(316L)シートあるいはカソード側基体として使用される基板上に前駆体の湿式の膜を形成するために使用された。膜厚は、前駆体の引き抜き速度と粘性を制御することによって達成された。通常、室温で125cP以下の粘性を有する前駆体は、ステンレス鋼などの平滑な基板を均一にぬらすことはできなかった。一方、基板が、室温で約1000cP以上の粘性を有する高粘性の前駆体は、基板が高温で加熱されない場合、不均一な膜となり膜にクラックを形成した。したがって、高品質の膜を得るためには溶液の粘性を制御することは重要である。前駆体溶液の粘性は、本実施例において室温で200〜275cPの範囲が使用された。1インチ/分の引き抜き速度を用いると、約600℃で焼成後に各コーティングに対して約0.5〜約1μmの範囲の厚みを有するち密な、リチウム化されたNiO酸化物膜が得られた。
【0028】
ゾルの濡れ性を増加しリチウム化された酸化ニッケル膜とステンレス鋼シート間の結合強度を増加するために、シートをまず酸処理し、続いて、グラファイト炉での加熱処理の間に形成される可能性のあるダストや炭素膜を除去するためにアセトンで超音波洗浄した。ゲル膜は、1インチ/分の基板引き抜き速度の浸漬コーティングによって、波形カソードの1.5インチ×1.5インチあるいは7インチ×7インチのいずれかに堆積させた。ゲル膜を有する基板は、ゲル膜堆積のすぐ後に、70℃に予熱された炉に移され、完全に結晶化し焼結するためにさらに3時間600℃を越えない温度まで加熱され、3時間保持された。
【0029】
600℃まで加熱後に、膜はカソード側ハードウェア基体上に、連続した平滑で緻密なままで残っていた。図2Aと2Bは、膜がコーティングされたハードウェアの破断面のSEM写真を異なる倍率で示したものである。これらの図から、実質的に一定の厚さ約1μmを有する薄いリチウム化されたNi酸化物膜が実現されることがわかった。
【0030】
(3)リチウム化されたNiO膜の特徴付け
ステンレス鋼(316L)基板上に堆積されたLi0.1NiO酸化物膜の相の進展が、Cu−Ka照射を用いるフィリップス回折計で実行されたX線回折分析によって研究された。結果が図4に示される。200℃で加熱処理された基板は、ピークが無く、無定形構造を示している。岩塩NiO構造の形成が350℃と同程度の低い温度で観測された。しかしながら、350℃で形成された第2相があり、NiCとして表示された。高温度では、NiCは酸化されてNiOを形成する。450℃で、結晶化が完全になされ、ブロードなピークはなく、ピーク強度は450℃以上で変化しない。200℃と350℃を除いて、全てのコーティングは単相であり、他の2次生成物も反応物も検出されなかった。
【0031】
明らかなように、リチウム化されたNiOは、NiO構造(岩塩構造)に適合し、そのパターンは、NiOのブラッグピークで索引するることができる。リチウムとニッケルイオンに対する優先位置はない。したがって、1つのカチオン結晶しかない。ニッケル(II)(r=0.83Å)のリチウム(I)(r=0.90Å)による部分的な置換は、イオン半径rがより小さく、格子を収縮する、ニッケル(III)(r=0.70Åの生成を暗示する。より高温の処理温度を用いると、相はNiO構造中により多くのLiの溶解を暗示する(より多くのNi(III)を生成する)、より大きい角度にシフトする。また、 ピークは温度上昇とともに狭くなり、結晶子サイズの成長を示している。
【0032】
実施例2 Lan0.8Sr0.2CoO3カソード側ハードウェア
(1)Lan0.8Sr0.2CoO3ゾル−ゲルの調製
試薬グレードのLa硝酸塩水和物とSr硝酸塩水和物とCo硝酸塩水和物を使用して、名目上のLa:Sr:Co組成が0.8:0.2:1(モル比)の出発溶液を調製した。次に、1MのLSCゾル−ゲルを得ることに基づいて出発溶液に含まれるべきこれらの材料の適切な量が計算された。次に、カチオン源化合物の測定量が、沈降物のない出発溶液を形成するために150mlの蒸留水、350mlのエチレングリコールとともに600mlのビーカー中で混合された。出発溶液は、約80℃のホットプレート上で加熱され、水および他の揮発性物質を排出し、金属カチオンを含むポリマーを有する粘性ポリマー前駆体を形成した。重合か工程を通して溶液中にカチオンが残ることが重要である。高分子前駆体に変換されるときの溶液の粘度変化は、ブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。
【0033】
(2)平滑で、ち密なLSC膜を有するカソード側ハードウェアの堆積と形成
LSC膜とステンレス鋼(316L)カソード側ハードウェアとの間のゾルの濡れ性を増加し結合強度を増加するために、ステンレス鋼は最初に酸処理され、続いて、グラファイト炉での加熱処理の間に形成される可能性のあるダストや炭素膜を除去するためにアセトンで超音波洗浄した。ゲル膜は、1インチ/分の基板引き抜き速度の浸漬コーティングによって、波状カソードの1.5インチ×1.5インチあるいは7インチ×7インチのいずれかに堆積した。ゲル膜は、ゲル膜堆積のすぐ後に、70℃に予熱された炉に移され、完全に結晶化し焼結するためにさらに3時間600℃を越えない温度まで加熱され、3時間保持された。
【0034】
600℃まで加熱後に、膜はカソード側ハードウェア基体上に、連続した平滑で緻密なままで残っていた。図3は、LSCでコーティングされたハードウェア表面の形態を示すSEM写真である。
【0035】
リチウム化されたNiOおよびLSCでコーティングされたカソード側ハードウェアシートの完全性に対する熱サイクルの影響が評価された。熱サイクル後の試験片の光学顕微鏡およびSEMによる試験によって、このコーティングが、ハードウェア基体あるいは基板と、熱応力で導入されるクラックまたは微少亀裂無しに、熱的に共存できるものであることが明らかになった。
【0036】
本発明に基づくリチウム化されたNiO導電性コーティングで被覆されたカソード側ハードウェアの代表的な実施例の切断面のSEM観察が被覆されていないカソード側ハードウェアと比較して図5A〜5Dに示される。図から明らかのように、本発明のリチウム化されたNiOコーティング(図5Aおよび5B)は、被覆されていないカソード側ハードウェア(図5Cおよび5D)と比較したとき、腐食スケールの厚さが減少している。さらに、腐食スケールは、ゾル−ゲルコーティングに関わらず同様の二重層構造を示している。しかしながら、コーティングされたハードウェアに関して、外側の酸化物のスケールは、内側のCrが豊富なスケールをよりよく保護するために、より緻密となり得る。その結果、コーティングされたシートのCrの豊富な内側のスケールは、総合的な腐食速度を低下させるために、より緻密でより保護的となっていた。
【0037】
図6Aは、本発明のリチウム化されたNiOおよびLSCコーティングを有する電流コレクタ(「CCC」)形態におけるカソード側ハードウェアカソードのセル外(out-of cell)の電気抵抗率を示す。図6Aは、また、コーティングされていないステンレス電流コレクタセルのセル外の電気抵抗率を示す。図から明らかのように、本発明のコーティングされたCCCはコーティングされていないCCCに匹敵するセル外の抵抗率を持っている。さらに図6Bから明らかのように、セル外(out-of cell)電流コレクタから本発明のコーティングされたCCCの電気抵抗率(金属から金属)もまた、電流コレクタからコーティングされていないステンレス鋼のCCCの電気抵抗率に匹敵する。
【0038】
図7と図8は、本発明のリチウム化されたNiOおよびLSCコーティングでそれぞれコーティングされたCCCを利用する燃料電池の抵抗寿命グラフを、コーティングしていないステンレス鋼CCCを利用する燃料電池と比較して示している。これらのグラフから理解されるように、改良された抵抗寿命が、本発明のコーティングを有するCCCを使用する燃料電池に対して実現されている。
【0039】
図9は、本発明のコーティングされたCCCの燃料電池試験後の腐食厚さをコーティングしていないCCCの燃料電池試験後の腐食厚さと比較して示している。本発明のコーティングされたCCCは、コーティングされていないCCCより測定可能な少ない腐食を示すことがわかる。
【0040】
最後に、図10は、本発明のコーティング膜でコーティングされたCCCを利用する溶融炭酸塩燃料電池における電解質の損失を、コーティングしていないCCCを用いる溶融炭酸塩燃料電池と比較して示している。図から明らかのように、電解質損失は本発明のコーティングを使用する燃料電池においてかなり少ない。
【0041】
実施例3 LSCF(Lan0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)カソード側ハードウェア
(1)LSCF(Lan0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)ゾル−ゲルの調製
分析グレードのLa酢酸塩、Sr酢酸塩、Co酢酸塩、Fe酢酸塩を使用して、名目上のLa:Sr:Co:Fe組成が0.8:0.2:0.8:0.2(モル比)の出発溶液を調製した。次に、1MのLSCFゾル−ゲルを得ることに基づいて、出発溶液に含まれるべきこれらの材料の適切な量が計算された。次に、カチオン源化合物の測定量が、出発溶液を形成するために2150mlの蒸留水、350mlのエチレングリコールとともに1000mlのビーカー中で混合された。出発溶液は、約65℃のホットプレート上で加熱され、48時間、65℃で撹拌されて、水および他の揮発材料を排出し、金属カチオンを含む粘性ポリマーを形成した。この粘性ポリマーの形成の間、この形成が発熱工程でなされるので、溶液を過熱しすぎないことが重要である。溶液の加熱を終了後、重合体の前駆体に転換されるときの溶液の粘性変化がブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。
【0042】
(2)平滑でち密なLSCF(Lan0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)膜を有するカソード側ハードウェアの堆積と形成
LSCF膜は、実施例2で上記説明したような浸漬コーティングを使用してカソード側ハードウェア上に堆積された。カソード側ハードウェア基体上に堆積されたLSCF膜は、連続する平滑で緻密な膜である。図11は、LSCFをコーティングしたカソード側ハードウェアの表面形態を示すSEM写真である。図3で示されたLSCをコーティングしたカソード側ハードウェアと同様に、図11で示されるSEMにより、LSCFコーティングが熱的にハードウェア基体あるいは基板と適合し、熱圧力によって導入されたクラックが検出されないことが明らかになった。
【0043】
実施例4 MgをドープしたLiNiO2カソード側ハードウェア
(1)MgをドープしたLiNiO2ゾル−ゲルの調製
試薬グレードのMg酢酸塩、Li酢酸塩(Li-(CH3COO))、水和化されたNi硝酸塩(Ni-(CH3COO)2)およびクエン酸を使用して、Mg:Lir:Ni:クエン酸組成物が0.1:0.9:1:2のモル比をもつ出発溶液を調製した。次に、1MのMgをドープしたLiNiO2ゾル−ゲルを得ることに基づいて出発溶液に含まれるべきこれらの材料の適切な量が計算された。次に、カチオン源化合物、すなわち、Mg酢酸塩、Li酢酸塩および水和化されたNi硝酸塩、の測定量が、400mlの蒸留水、2モルのクエン酸とともに1000mlのビーカー中で混合され、出発溶液は、約80℃に加熱され、磁性の撹拌子を用いて撹拌されて、沈降物のないきれいな出発溶液を形成した。水および他の揮発性物質を排出し、金属カチオンを含むポリマーを有する粘性ポリマー前駆体を形成した。重合か工程を通して溶液中にカチオンが残ることが重要である。高分子前駆体に変換されるときの溶液の粘度の変化は、ブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。溶液が所望の濃度に到達した後で、加熱を終了し、溶液の粘性が測定された。溶液が粘性溶液に転換するときの溶液の粘性変化はブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。これらの測定値は、溶液の粘性が重合の結果として平均分子量の増加のため、加熱時間の増加と共にかなり増加することを示した。こうして、この粘性溶液は少なくとも半年の間、密封されたガラスビーカー中に25℃で沈降物を生じず変わらずにいられた。
【0044】
(2)平滑でち密なMgをドープしたLiNiO2膜を有するカソード側ハードウェアの堆積と形成
MgをドープしたLiNiO2膜は、実施例2で上記説明したような浸漬コーティングを使用してカソード側ハードウェア上に堆積された。図12は、316Lカソード側ハードウェア上にMgをドープしたLiNiO2をコーティングしたときの表面形態を示すSEM写真である。図3および図11と同様に、カソード側ハードウェア上のMgをドープしたLiNiO2コーティングは、平滑で緻密であり、このコーティングはハードウェアまたは基板と熱的に適合するため熱圧力によって導入されるクラックが検出されないことが明らかになった。
【0045】
実施例5 CoをドープしたLiNiO2カソード側ハードウェア
(1)CoをドープしたLiNiO2ゾル−ゲルの調製
試薬グレードのCo酢酸塩、Li 酢酸塩(Li-(CH3COO))、水和化されたNi硝酸塩(Ni-(CH3COO)2)およびクエン酸を使用して、Co:Lir:Ni:クエン酸組成物が0.1:0.9:1:2のモル比をもつ出発溶液を調製した。次に、1MのCoをドープしたLiNiO2ゾル−ゲルを得ることに基づいて、出発溶液に含まれるべきこれらの材料の適切な量が計算された。次に、カチオン源化合物の測定量が、400mlの蒸留水、2モルのクエン酸とともに1000mlのビーカー中で混合され、出発溶液は、約80℃に加熱され、磁性の撹拌子を用いて撹拌されて、沈降物のないきれいな出発溶液を形成した。出発溶液は、約80℃に加熱されると水および他の揮発性物質を排出し、緑色の透明な粘性溶液を形成した。溶液が粘性溶液に変換されるときの溶液の粘度変化は、ブルックフィールド粘度計によって室温で測定された。前の実施例のように、溶液の粘性は、重合の結果として平均分子量の増加のため、加熱時間の増加と共にかなり増加した。こうして、この粘性溶液は少なくとも半年の間、密封されたガラスビーカー中に25℃で沈降物を生じず変わらずにいられた。
【0046】
(2)平滑でち密なCoをドープしたLiNiO2膜を有するカソード側ハードウェアの堆積と形成
CoをドープしたLiNiO2膜は、実施例2で上記説明したような浸漬コーティングを使用してカソード側ハードウェア上に堆積された。図13は、316Lカソード側ハードウェア上にCoをドープしたLiNiO2をコーティングしたときの表面形態を示すSEM写真である。図3、図11、図12と同様に、カソード側ハードウェア基体上のCoをドープしたLiNiO2コーティングは、連続した平滑な緻密な膜であった。このコーティングに熱圧力によって導入されるクラックは検出されなかった。
【0047】
すべての場合において、上記に記載された構成が本発明の応用を示す多くの可能な特定の実施例を用いて単に例示的に説明していることが理解される。本発明の精神と範囲から逸脱しない範囲で、本発明の原理に基づく多くの変形された他の構成が容易に誘導される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアを含む燃料電池を概略的に示した図である。
【図2A】、
【図2B】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアの導電性のリチウム化されたNiOコーティングの異なる倍率のSEM顕微鏡写真を示す図である。
【図3】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアの導電性LSCコーティングSEM顕微鏡写真を示す図である。
【図4】ゾル−ゲル工程によって合成された図2Aと図2Bで示される種類のリチウム化されたNiOコーティングの加熱温度処理による相の進展を示す図である。
【図5A】、
【図5B】、
【図5C】、
【図5D】本発明に基づくリチウム化されたNiO導電性コーティングで被覆されたカソード側ハードウェアと被覆されていないカソード側ハードウェアの両方の浸漬侵食試験の影響を示す図である。
【図6A】、
【図6B】本発明に基づくリチウム化されたNiOコーティングおよびLSCで被覆されたカソード側ハードウェアと被覆されていないカソード側ハードウェアのセルからの電気抵抗と金属−金属間の電気抵抗を示す図である。
【図7】、
【図8】本発明のリチウム化されたNiOおよびLSC伝導性セラミックコーティングを有するカソード側ハードウェアを持つ溶融炭酸塩燃料電池の抵抗寿命試験のグラフを示す図である。
【図9】本発明の導電性セラミックコーティングを使用するカソード側ハードウェアの燃料電池試験後の腐食厚さを、被覆していないカソード側ハードウェアを使用する燃料電池試験後の腐食厚さと比較した図である。
【図10】本発明の導電性セラミックコーティングを有するカソード側ハードウェアを用いる溶融炭酸塩燃料電池試験におけるの損失を、被覆していないカソード側ハードウェアを使用する溶融炭酸塩燃料電池における損失と比較した図である。
【図11】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアの導電性LSCFコーティングのSEM顕微鏡写真を示す図である。
【図12】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアの導電性MgをドープしたliNiO2コーティングのSEM顕微鏡写真を示す図である。
【図13】本発明の原理に基づくカソード側ハードウェアの導電性CoをドープしたLiNiO2コーティングのSEM顕微鏡写真を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、
リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、
XがMg、CaおよびCoのうちの1つであり、XをドープしたLiNiO2と、
のうちの1つを含む伝導性セラミックの薄膜コーティングを有することを特徴とする炭酸塩燃料電池のカソード電流コレクタ。
【請求項2】
前記薄膜コーティングがゾル−ゲル工程によって得られることを特徴とする請求項1に記載の炭酸塩燃料電池のカソード電流コレクタ。
【請求項3】
前記薄膜コーティングの厚さが0.5μmから5μmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の炭酸塩燃料電池のカソード電流コレクタ。
【請求項4】
前記ペロブスカイト構造AMeO3が、LSC(LaxSrx-1CoO3)、LaMnO3、LaCoO3、LaCrO3およびLSCF(La0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)のうちの1つであることを特徴とす
る請求項3に記載の炭酸塩燃料電池のカソード電流コレクタ。
【請求項5】
Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、
リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、
XがMg、CaおよびCoのうちの1つであり、XをドープしたLiNiO2と、
のうちの1つを含む伝導性セラミックの薄膜コーティングを有することを特徴とする炭酸塩燃料電池のカソード用バイポーラプレート。
【請求項6】
前記薄膜コーティングがゾル−ゲル工程によって得られることを特徴とする請求項5に記載の炭酸塩燃料電池のカソード用バイポーラプレート。
【請求項7】
前記薄膜コーティングの厚さが0.5μmから5μmの範囲であることを特徴とする請求項6に記載の炭酸塩燃料電池のカソード用バイポーラプレート。
【請求項8】
前記ペロブスカイト構造AMeO3が、LSC(LaxSrx-1CoO3)、LaMnO3、LaCoO3、LaCrO3およびLSCF(La0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)のうちの1つであることを特徴とする請求項7に記載の炭酸塩燃料電池のカソード用バイポーラプレート。
【請求項9】
カソードと、
アノードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置された炭酸塩電解質を貯蔵するためのマトリックスと、
前記カソードに隣接して配置されたカソード電流コレクタと、
前記カソード電流コレクタに隣接して配置されたバイポーラプレートと、
を有し、
前記カソード電流コレクタおよび前記バイポーラプレートのうちの少なくとも1つが、
Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、
リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、
XがMg、CaおよびCoのうちの1つであり、XをドープしたLiNiO2と、
のうちの1つを含む伝導性セラミックの薄膜コーティングを有することを特徴とする炭酸塩燃料電池。
【請求項10】
前記薄膜コーティングがゾル−ゲル工程によって得られることを特徴とする請求項9に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項11】
前記薄膜コーティングの厚さが0.5μmから5μmの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項12】
前記ペロブスカイト構造AMeO3が、LSC(LaxSrx-1CoO3)、LaMnO3、LaCoO3、LaCrO3およびLSCF(La0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)のうちの1つであることを特徴とする請求項11に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項13】
前記カソード電流コレクタおよび前記バイポーラプレートの両方が、
Aがランタンとランタンおよびストロンチウムの組み合わせのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、
リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、
XがMg、CaおよびCoのうちの1つであり、XがドープされたLiNiO2と、
のうちに1つを含む伝導性セラミックの薄膜コーティングを有することを特徴とする請求項9に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項14】
前記薄膜コーティングがゾル−ゲル工程によって得られることを特徴とする請求項13に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項15】
前記薄膜コーティングの厚さが0.5μmから5μmの範囲であることを特徴とする請求項14に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項16】
前記ペロブスカイト構造AMeO3が、LSC(LaxSrx-1CoO3)、LaMnO3、LaCoO3、LaCrO3およびLSCF(La0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)のうちの1つであることを特徴とする請求項15に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項17】
炭酸塩燃料電池のカソード電流コレクタまたはバイポーラプレートの製造方法であって、
室温で125cpから1000cpの範囲の粘度を有し、リチウムカチオンおよびNiカチオンを含む粘性溶液と、少なくともLaカチオンおよびMeが遷移金属であるMeカチオンを含む粘性溶液とのうちの1つの粘性溶液を準備する工程と、
前記粘性溶液に基板を浸漬し、前記基板を前記粘性溶液から引き上げて、前記基板上に前記粘性溶液のコーティングを形成する工程と、
前記粘性溶液から引き上げた後に前記コーティングされた基板を加熱する工程と、を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項18】
前記粘性溶液の粘度は室温で200cpから275cpの範囲であることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
前記粘性溶液から前記基板を引き上げる工程は、1インチ/分の速度で行われ、前記加熱する工程では、600℃の温度で3時間行うことを特徴とする請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記基板はステンレス鋼を含むことを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項21】
前記基板は波状にされていることを特徴とする請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
前記粘性溶液はリチウムカチオンとNiカチオンを含み、さらにMgカチオン、CoカチオンおよびCaカチオンのうちの1つを含むことを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項23】
前記粘性溶液はLaカチオンとMeカチオンとを含み、さらにSrカチオンを含むことを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項24】
前記Meは少なくともCo、Fe、CrおよびMnのうちの1つであることを特徴とする請求項23に記載の製造方法。
【請求項1】
Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、
リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、
XがMg、CaおよびCoのうちの1つであり、XをドープしたLiNiO2と、
のうちの1つを含む伝導性セラミックの薄膜コーティングを有することを特徴とする炭酸塩燃料電池のカソード電流コレクタ。
【請求項2】
前記薄膜コーティングがゾル−ゲル工程によって得られることを特徴とする請求項1に記載の炭酸塩燃料電池のカソード電流コレクタ。
【請求項3】
前記薄膜コーティングの厚さが0.5μmから5μmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の炭酸塩燃料電池のカソード電流コレクタ。
【請求項4】
前記ペロブスカイト構造AMeO3が、LSC(LaxSrx-1CoO3)、LaMnO3、LaCoO3、LaCrO3およびLSCF(La0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)のうちの1つであることを特徴とす
る請求項3に記載の炭酸塩燃料電池のカソード電流コレクタ。
【請求項5】
Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、
リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、
XがMg、CaおよびCoのうちの1つであり、XをドープしたLiNiO2と、
のうちの1つを含む伝導性セラミックの薄膜コーティングを有することを特徴とする炭酸塩燃料電池のカソード用バイポーラプレート。
【請求項6】
前記薄膜コーティングがゾル−ゲル工程によって得られることを特徴とする請求項5に記載の炭酸塩燃料電池のカソード用バイポーラプレート。
【請求項7】
前記薄膜コーティングの厚さが0.5μmから5μmの範囲であることを特徴とする請求項6に記載の炭酸塩燃料電池のカソード用バイポーラプレート。
【請求項8】
前記ペロブスカイト構造AMeO3が、LSC(LaxSrx-1CoO3)、LaMnO3、LaCoO3、LaCrO3およびLSCF(La0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)のうちの1つであることを特徴とする請求項7に記載の炭酸塩燃料電池のカソード用バイポーラプレート。
【請求項9】
カソードと、
アノードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置された炭酸塩電解質を貯蔵するためのマトリックスと、
前記カソードに隣接して配置されたカソード電流コレクタと、
前記カソード電流コレクタに隣接して配置されたバイポーラプレートと、
を有し、
前記カソード電流コレクタおよび前記バイポーラプレートのうちの少なくとも1つが、
Aがランタンと、ランタンおよびストロンチウムの組み合わせとのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、
リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、
XがMg、CaおよびCoのうちの1つであり、XをドープしたLiNiO2と、
のうちの1つを含む伝導性セラミックの薄膜コーティングを有することを特徴とする炭酸塩燃料電池。
【請求項10】
前記薄膜コーティングがゾル−ゲル工程によって得られることを特徴とする請求項9に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項11】
前記薄膜コーティングの厚さが0.5μmから5μmの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項12】
前記ペロブスカイト構造AMeO3が、LSC(LaxSrx-1CoO3)、LaMnO3、LaCoO3、LaCrO3およびLSCF(La0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)のうちの1つであることを特徴とする請求項11に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項13】
前記カソード電流コレクタおよび前記バイポーラプレートの両方が、
Aがランタンとランタンおよびストロンチウムの組み合わせのうちのすくなくとも1つであり、Meが1つ以上の遷移金属であるペロブスカイト構造AMeO3と、
リチウム化されたNiO(LixNiO、ここでxは0.1から1である)と、
XがMg、CaおよびCoのうちの1つであり、XがドープされたLiNiO2と、
のうちに1つを含む伝導性セラミックの薄膜コーティングを有することを特徴とする請求項9に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項14】
前記薄膜コーティングがゾル−ゲル工程によって得られることを特徴とする請求項13に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項15】
前記薄膜コーティングの厚さが0.5μmから5μmの範囲であることを特徴とする請求項14に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項16】
前記ペロブスカイト構造AMeO3が、LSC(LaxSrx-1CoO3)、LaMnO3、LaCoO3、LaCrO3およびLSCF(La0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3)のうちの1つであることを特徴とする請求項15に記載の炭酸塩燃料電池。
【請求項17】
炭酸塩燃料電池のカソード電流コレクタまたはバイポーラプレートの製造方法であって、
室温で125cpから1000cpの範囲の粘度を有し、リチウムカチオンおよびNiカチオンを含む粘性溶液と、少なくともLaカチオンおよびMeが遷移金属であるMeカチオンを含む粘性溶液とのうちの1つの粘性溶液を準備する工程と、
前記粘性溶液に基板を浸漬し、前記基板を前記粘性溶液から引き上げて、前記基板上に前記粘性溶液のコーティングを形成する工程と、
前記粘性溶液から引き上げた後に前記コーティングされた基板を加熱する工程と、を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項18】
前記粘性溶液の粘度は室温で200cpから275cpの範囲であることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
前記粘性溶液から前記基板を引き上げる工程は、1インチ/分の速度で行われ、前記加熱する工程では、600℃の温度で3時間行うことを特徴とする請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記基板はステンレス鋼を含むことを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項21】
前記基板は波状にされていることを特徴とする請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
前記粘性溶液はリチウムカチオンとNiカチオンを含み、さらにMgカチオン、CoカチオンおよびCaカチオンのうちの1つを含むことを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項23】
前記粘性溶液はLaカチオンとMeカチオンとを含み、さらにSrカチオンを含むことを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項24】
前記Meは少なくともCo、Fe、CrおよびMnのうちの1つであることを特徴とする請求項23に記載の製造方法。
【図1】
【図4】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図4】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−503058(P2008−503058A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516554(P2007−516554)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/020153
【国際公開番号】WO2006/001995
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(502197161)フュエルセル エナジー, インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】FUELCELL ENERGY, INC.
【住所又は居所原語表記】3 Great Pasture Road, Danbury, CT 06813, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/020153
【国際公開番号】WO2006/001995
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(502197161)フュエルセル エナジー, インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】FUELCELL ENERGY, INC.
【住所又は居所原語表記】3 Great Pasture Road, Danbury, CT 06813, U.S.A.
【Fターム(参考)】
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