説明

炭酸温水による美容方法および機器

【課題】 顔の美容法に関しては、さまざまな方法が行われているが、スキンケアーが中心であり、あくまでも現状維持や一時的な回復を期待するものであり、本質的な肌の改善にはなりえないものであった。
【解決手段】30℃以上で炭酸ガス濃度が500ppm以上の高濃度炭酸温水に好ましくは5分以上顔を浸けることにより、皮下の毛細血管の血流が良くなり肌の新陳代謝が活発になる。そして、毎日続けることで皮下の毛細血管が肌に向かって発達すると考えられ、恒久的な肌の改善につながる。この高濃度炭酸温水による顔浴を手軽に、そして水に顔を浸けられない人でも行えるように、口と鼻を塞がないゴーグルに似た形状の容器を顔に装着又は鼻呼吸ができる顔全体に高濃度炭酸泉がいきわたるお面形状の容器を装着しこれら中に高濃度炭酸温水を注入し、顔の表皮が高濃度炭酸温水に直接触れた状態を5分以上保て、仰向けになった状態でも使用できる方法と機器を提案するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度が30℃以上で炭酸ガスの含有濃度が500ppm以上になるようにした炭酸温水を顔に長時間接触させることによる顔の美容技術に関するものである。
【0002】
また、本発明は、高濃度の炭酸温水に美容液あるいは塩分や遊離硫化水素を溶解させた温水を顔表面に長時間接触させることによる顔の美容技術に関するものである。
【0003】
さらに、本発明は炭酸温水を顔表面に接触させる際、桶などに入れた炭酸温水に顔を浸けるのではなく、正面を向いた状態あるいは仰向けになった体勢できるようにした顔の美容技術に関するものである。
【背景技術】
【0004】
従来から、顔の美容に関しては、さまざまな方法が提案されてきた。たとえば、オイルによる顔のマーサージにより血行をよくすると共に栄養分を刷り込む方法である。
【0005】
あるいは、パックなどのように時間をかけて栄養や水分を肌からしみこませる方法がある。また、超音波やスチームなどにより毛穴を広げて毛穴の汚れを取り除く方法などもある。
【0006】
また、蒸しタオル美容法などのように、顔を保温することにより、やはり血行促進と水分補給を促す方法がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、これらの方法は一時的に血行を良くしたり、栄養や水分を補給することは出来るが、本質的な肌の改善になっているかどうかは疑問が残る。すなわち、摩擦や刺激により良くなった血行は、刺激がなくなるとすぐに元に戻り、外から刷り込んだ栄養分や水分は肌に留まることはなく効果はすぐに消えてしまう。
【0008】
本質的に肌の改善を行う為には、体が持つ本来の機能である新陳代謝を促進してやることが大切である。言い換えると本質的に血行を良くし、さらには毛細血管自体を肌に向かって発達させることが大切である。
【0009】
肌の老化は血管から運ばれてくる水分保持力の減少と栄養分の不足である。毛細血管を顔の皮膚表面に向かって発育させて、皮下の血流を増加させることにより、本質的な改善効果が期待できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
人は酸素を吸い炭酸ガスを吐き出しているが、これは吸った酸素が血液により細胞に運ばれて消費され、代わりに炭酸ガスを細胞から引き取って呼気により体外に排出している。
【0011】
炭酸ガスが高濃度で溶解した炭酸温水に肌を浸すと、炭酸ガスが皮膚から吸収され、吸収された炭酸ガスは毛細血管に入り、そして炭酸ガスが毛細血管内に増えると、体は炭酸ガスを早く排出しようとして、毛細血管を流れる血液量を増やすという報告がある。
【0012】
この毛細血管の血行促進により、肌への酸素・水分・栄養の補給が増加され肌本来の機能である新陳代謝が促進される。炭酸温水で肌を浸すのを止めるとすぐに血流量は元に戻るが、この炭酸温水浴を続けることにより、次第に毛細血管自体が皮膚に向かって発達すると報告されている。
【0013】
本発明は、この炭酸温水浴を顔に対して応用する物である。方法としては顔を温水に浸す方法があるが、息ができないのでスノーケルのような呼吸補助具が必要なことと、水泳が不得意で水に顔を浸けるのが怖い人にとってはなかなか馴染めない方法である。
【0014】
本発明においては、炭酸温水を収納できる容器を顔に装着し、その容器の中に炭酸温水を注入し、顔表面に炭酸温水が長時間接触する構造とした。そして、鼻と口の部分は逃がして呼吸に支障がない形状としたもの、または、鼻だけが外気と連通する形で顔全体をお面のように覆い、この中に炭酸泉を上下部から下部に流し込むようにしてお面の下部から装着容器への排出量を規制し、しかもお面の内側上部から空気を抜き、顔とお面の間に炭酸泉を充満させるようにした。これにより、顔を炭酸温水に浸けるのではなく、通常姿勢である前を向いた姿勢や仰向けの姿勢でも炭酸温水に顔を浸けているのと同じ状態を作ることが可能となった。
【0015】
ここで、炭酸温水が肌と接触している間だけ接触している部分の肌直下の毛細血管の血流が良くなるが、炭酸温水との接触を止めたとたん血流は元に戻る為、少なくとも5分以上望ましくは12分間連続的に炭酸温水に肌が接触していることが重要である。本発明の1つの方法であれば、口と鼻の部分は温水に浸かっていない為、口や鼻で呼吸をすることが可能であり、長時間続けることが可能である。
【0016】
また、高濃度炭酸温水による美容法は毎日続けることが大切である為、手軽にどこででもできるように、炭酸温水を入れた容器と顔に装着する装着容器と容器から炭酸温水を吸い上げて装着容器へ送水し装着容器から排出された温水を再び容器に戻す循環ユニットを好きな場所に運んで使用できる方法と機器も提案する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1および2は本発明における実施例の1つを示す。図1は側面から見た図で図2は正面から見た図である。装着容器1の両側にあるフック2にバンド3を取り付け、シール部材4が顔に密着するように装着容器1をバンド3で顔に押し付けるように固定する。
【0018】
装着容器1には炭酸温水の注入部9が設けられ、送水管路5が注入部9に接続されている。一方、装着容器1には3つの排出部8,12,13が設けられており、排出部8,12,13には排水管路7、14、15がそれぞれ接続されている。排水管路14は排出部13で排水管路15に合流し、排出部8に接続された排水管路7と排水管路15は合流部10で排水管路11に合流される。
【0019】
ここで、桶などの容器(図示せず)に入れられた炭酸温水はポンプ(図示せず)などにより吸い上げられて、送水管路5を介して注入部9に送られ、注入部9に設けられた注入口6から装着容器1と顔の間に注入される。ここで、注入口6は長穴であってもよいし、複数の穴で構成されていても良い。
【0020】
炭酸温水が装着容器1と顔の間に注入されると、注入された炭酸温水は排出部8と13から排水されると共に、装着容器1内の空気が排出部12から排気され装着容器内が炭酸温水で満たされてゆく。そして最終的には排出部12からも排水される状態になり、装着容器1内は炭酸温水で満たされ、顔の皮膚は常に炭酸温水に接触した状態となる。
【0021】
ここで、注入された炭酸温水が装着容器1と顔の間に溜まらずに全て排出部8と13から排出されないように、排出部8と13の内径を僅かに小さくしておくことにより装着容器1と顔の間に炭酸温水が満たされるようになる。
【0022】
この時、シール部材4は液体を通さない弾性体でできており、シール部材4により装着容器1内の炭酸温水が外にこぼれ出すのを防いでいる。したがって、注入された炭酸温水はすべて排水管路11を通って桶などの容器に戻される。
【0023】
ここで、前記シール部材4は液体を通さない弾性体、例えば低硬度の軟質発泡ポリウレタンや極低硬度のシリコンだけではなく、内部が空洞のビニールや弾性体などでできており、その中に気体や液体あるいはビンガム体(高粘度で液体と固体の中間体)を封入した物でも良い。
【0024】
あるいは内部が空洞のリング状のビニール容器や弾性体などでできており、一方からポンプなどで気体や液体を送り込み、少し断面積を縮小させた出口からその気体や液体を排出し、その排出された気体や液体を前記ポンプに戻して循環する構造でも良く、これらの構造によりシール部材4が弾力を持ち、顔の凹凸になじんで内部の炭酸温水を外に漏らさない構造であれば、特に構造や材質は制限しない。
【0025】
また、桶101などから炭酸温水を吸い上げるポンプを停止する機能と排水管路11を遮へいする機構を設け、装着容器1と顔の間が炭酸温水で満たされた後、ポンプを停止すると共に、排水管路11を遮へいすることにより装着容器1と顔の間に炭酸温水を留め置き、その状態を5〜10分保つ機構としても良い。
【0026】
さらに、桶101などに溜めた炭酸温水にグリセリンやムコ多糖類などの保水性物質および美容液として水溶性ビタミン類やアセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、長白参エキス、薩摩の山人参エキス、阿仙薬エキス、ウスベニアオイエキス、ローズマリーエキス、クエン酸、アスコルビン酸、マイオキシノール、マトリキシルエッセンス、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどのいずれか1つ以上を添加したり、岩塩や硫化水素を含む岩塩を僅かに溶かして、美容効果を増大させると更に好ましい。
【0027】
以下に本発明において使用する炭酸温水を生成する装置の例を説明する。
図3は 高濃度炭酸温水生成回路の模式図を示す。桶101に溜めたお湯をポンプ102により、吸い上げ管路103を介して吸い上げ、混合タンク104に設けられたノズル105により混合タンク104内の空間106に噴射する。
【0028】
また、炭酸ガスは炭酸ガスカートリッジ107から圧力調整器108で圧力を調整された後、混合タンク104に供給される。混合タンク104内の空間106は炭酸ガスで満たされており、混合タンク104内の底部にはノズル105により噴射された温水が貯留されるようになっている。
【0029】
混合タンク104の底部に溜まっている温水は、ノズル105により混合タンク104内の空間106に噴射されることにより空間106に満たされた炭酸ガスを吸収し、高濃度の炭酸温水となっている。そして、この溜まった高濃度炭酸温水は混合タンク104の底部に接続された戻り管路109により桶101に戻される。
【0030】
ここで、混合タンク104の底部に溜められた高濃度炭酸温水の水位はある所定の範囲に保たれている。この水位を保つ方法を以下に説明する。
混合タンク104には圧力調整器108により圧力を調整された炭酸ガスが開閉バルブ111を介して供給されている。また、混合タンク104の底部に接続されている戻り管路109にはオリフィスなどの流量調整部110が設けられている。さらに混合タンク4には水位を検知できるセンサー112、113、114、115が4つ設置されている。
【0031】
流量調整部110と炭酸ガスの圧力調整器108は、炭酸ガスの開閉バルブ111が開いて炭酸ガスが混合タンク104に供給されている時は、混合タンク104内の水位が徐々に下がり、また、炭酸ガスの開閉バルブ111が閉じて炭酸ガスの供給がなくなると、混合タンク104内の炭酸ガスがノズル105により噴射された温水に吸収され、水位が徐々に上がるようにそれぞれ調整されている。
【0032】
そして、センサー114が水位を検知すると炭酸ガスの開閉バルブ111を閉じて炭酸ガスの供給を止め、これにより混合タンク104内の炭酸ガスが温水に吸収されて水位が徐々に上昇する。そしてセンサー113が水位を検知すると開閉バルブ111が開いて炭酸ガスを混合タンク104内に供給する。これにより混合タンク104内の圧力が上がり、水位は徐々に下降する。そして再びセンサー114が水位を検知して開閉バルブ111を閉じ水位が上昇し始める。この繰り返しにより、混合タンク104内の水位は、センサー113と114の間に保たれる。
【0033】
図4は炭酸温水を生成する装置の外観を示す。装置本体120には炭酸ガスカートリッジ121が取り付けられている。この炭酸ガスカートリッジ121はねじ込み式で、工具を使わなくても容易に着脱が出来る構造となっている。装置本体の前面には炭酸温水を溜める桶101が装着されている。この桶101は図4に示すように、使用時には装置本体から取り外して使用するようになっている。吸い上げ管路103と戻り管路109は装置本体120から出た所で回転自在になっており、先端を桶のお湯に浸けたり逃がしたりすることが出来る。
【0034】
図3と5を用いて、炭酸温水を生成する装置使用時の動作を説明する。まず、図5のように桶101を装置本体120から外し、桶101に給湯器などからお湯を入れる。そして、図5のようにお湯を入れた桶101を装置本体120の前に置き、吸い上げ管路103と戻り管路109の先端を桶101内のお湯に浸ける。
【0035】
次に、装置本体上部にあるスイッチ116を押す。すると、混合タンク104に接続された排気管路117の途中に設けられた開閉バルブ118が開くと共にポンプ102が運転される。これにより、桶101内のお湯が吸い上げ管路103から吸い上げられ、ポンプ102を通って混合タンク104内にノズル105から噴射される。このとき、炭酸ガスの開閉バルブ111は閉じた状態にある。
【0036】
混合タンク内の空気は排気管路117を通り戻り管路109を通って桶101に放出される。そして、混合タンク104内の空気が完全に抜けて混合タンク104内がお湯で満たされたことをセンサー112が検知すると開閉バルブ118が閉じ、排気管路117からの排気が遮断されるとともに、炭酸ガスの開閉バルブ111が開き炭酸ガスが混合タンク104に供給される。これにより、混合タンク104内の水位は徐々に下がり、空間106は炭酸ガスだけになる。
【0037】
ノズル105から噴射されたお湯は混合タンク104内の空間106で炭酸ガスと接触して炭酸ガスを吸収して高濃度炭酸温水となり、混合タンク104の底部に貯留し、さらに混合タンク104内の炭酸ガスの圧力で戻り管路109を通って桶101に戻される。この循環により桶101内のお湯の炭酸ガス濃度が上がってゆく。
【0038】
所定の時間が経過すると、炭酸ガスの開閉バルブ111を閉じ、吸い上げ管路103から分岐した吸気管路123の先端に設けられた開閉バルブ124を開く。これにより、吸い上げ管路3に空気が入りポンプ102は桶のお湯を吸い上げなくなる。吸気管路から入った空気はポンプ102を通って混合タンク104内に送られ、混合タンク内の高濃度炭酸温水を全て戻り管路109に押し出す。
【0039】
混合タンク104内の水位がタンク下部まで下がるとセンサー115が水位を検知しポンプの運転を停止して動作を終了する。これら一連の動作により、桶101に入れたお湯は全て高濃度炭酸温水となり、装置本体内の高濃度炭酸温水もほとんど桶101に戻されて生成を完了する。
【0040】
炭酸温水生成装置本体120は必ずしも小さいとは言えないため、家庭においては装置本体120を居間のテーブルや寝室に設置しておくことは好ましくない。また、業務用途であっても装置本体120ごと持ち運ぶのも良い方法ではない。したがって、桶101の部分だけを分離して持ち運べることも重要用件である。
【0041】
混合タンク104内の水位を保つ方法として、炭酸ガスの開閉バルブ111の開閉ではなく、開閉バルブ111は開けたままにしておき、ポンプ102の回転数を変えたり、戻り管路109に電動式流量調整バルブや開閉バルブ(図示せず)などを設けて、混合タンク104への給水量や排水量を調整しても良い。
【0042】
また、炭酸ガスカートリッジ121の炭酸ガスが空になると、開閉バルブ111が開いても炭酸ガスの圧力によって混合タンク104内の高濃度炭酸水を押し出すことが出来なくなり、混合タンク104内の水位が下がらなくなる。その場合、開閉バルブ111が開いた後、ある時間以上経過してもセンサー114が水位を検知しない場合は、炭酸ガスが無くなったと判断して、ポンプ2の運転を停止して警告表示を行う。
【0043】
さらに、吸い上げ管路103が桶101内のお湯の面から出ている場合やポンプ102が動作しない場合、運転開始時においては混合タンク104にお湯が送られないため、いつまで経っても混合タンク104内の水位が上がらずセンサー112が水位を関知しない。その場合も、ある所定時間が経過してもセンサー112が水位を検知しない場合は異常としてポンプ102の運転を停止して警告表示を行う。
【0044】
また、運転途中に吸い上げ管路103が桶101のお湯の面から出されたり、ポンプ102が動作しなくなった場合も、混合タンク104にお湯が供給されなくなる為、開閉バルブ111が閉じても混合タンク104内の水位は上がらず、徐々に下がってセンサー115が水位を検知する。センサー115が水位を検知した場合、直ちにポンプ102を停止し警告表示を行う。
【0045】
図6は炭酸温水を生成する装置の別の実施例である。図3の実施例に対して、図6においては戻り管路109の途中に貯蔵部119を設けたものであり、貯蔵部119には岩塩や硫化水素を含む塩あるいは硫化水素水を入れ、戻り管路109を流れる高濃度炭酸温水に岩塩や硫化水素塩を含む岩塩を溶かし、桶101に溜められる高濃度炭酸温水に僅かな塩分や遊離硫化水素を含有させ、美容効果を増大させる実施例である。
【0046】
図7は炭酸温水を生成する装置のもう一つの実施例である。図3および図6では桶101に溜めたお湯を吸い上げ管路103で吸い上げたが、本実施例では給湯器(図示せず)などの一定の湯温のお湯を供給できる装置から直接お湯を給湯管路126を介してポンプ102に供給し、混合タンク104で生成された高濃度炭酸温水を桶101に溜めるものである。
【0047】
本発明においては、使用する炭酸温水は上記実施例で示した装置で作ることに限定しているわけではなく、市販の炭酸水をお湯でうすめて使用しても良いし、まったく別の方法で作った炭酸温水を使用してもかまわない。
さらに上記実施例では炭酸温水生成装置の桶が本体と分離できる構造となっているが、桶が本体と分離できない一体構造であってもかまわない。
また、炭酸ガスはカートリッジにより供給されているが、5リットル以上の炭酸ガスボンベから供給してもかまわない。
【0048】
図8に本発明のさらに別の実施例の模式図を示す。上記の実施例では出来上がった炭酸温水を顔に送水する方法を示したが、図8は単なるお湯を桶101に入れ、図3〜7で説明した炭酸温水生成装置と同様の装置で炭酸温水を生成しながら装着容器1に接続された送水管路5に炭酸温水を送水する実施例である。
【0049】
図9はお面型の装着容器130の断面形状を示す。炭酸泉を溜めておく装着容器130と顔とのシール形態は前記実施例図1や図2に示す物と同じであるが図1及び2においては鼻や口の部分を開放していたが本実施例においては2つの鼻の穴に柔らかい材質例えば軟質シリコンゴム成形品132や低硬度の発泡ポリウレタン成形品できたものであり内部に穴134が貫通した円錐状のものが装着容器130に液密に固着されている。
【0050】
このため装着容器130を顔に付けた場合、軽く鼻の穴に円錐形状部分131が収まるように押し込めば穴134を通して呼吸ができるので安心して5分や10分顔のお風呂気分を楽しめるのである。又、炭酸泉は送水管路5から装着容器130の上部に給水され排水管路7から桶101に戻り循環しながら常に炭酸濃度を高めながら顔の炭酸浴美容を行うことができる。この過程で装着容器130と顔の間の最初に溜まっている空気は上部にある排出部12から排水管路14を通って桶101内に排出されるように成っている。
【0051】
なお、装着容器1又は130に注入された炭酸温水は排水管路11を通って桶101に戻り、再び炭酸温水生成装置で高濃度炭酸温水にした後に、送水管路5を通って注入口6から装着容器1内部に注入されて循環される。また、吸い上げ管路103の先端にはフィルタ125が着脱自在に取り付けてあり、装置内部に髪の毛などの異物を吸い込まないようになされている。
【0052】
したがって、図3〜6に示した装置と異なる所は、混合タンク104で生成された高濃度炭酸温水が戻り管路109を通って桶101に戻るのではなく、戻り管路109が接続アダプタ16によって送水管路5に接続されており、混合タンク104で生成された高濃度炭酸温水が注入部9に設けられた注入口6を通じて装着容1又は130内部に送水されることである。
【0053】
ここで、戻り管路109と接続アダプタ16はねじ17などで着脱自在に構成されていても良いし、接続アダプタ16を用いずに両管路を1本の管路として分離できない構成としても良い。また、桶101と炭酸温水製造装置が分離できない一体構造となっていてもかまわない。
さらに、吸い上げ管路103先端に取り付けられたフィルタは図8にしか記載されていないが、図3〜6の実施例においても取り付けても良い。
【0054】
さらに、上記の装着容器1や炭酸温水を溜めておく桶、あるいは桶101や装置120にヒーターなどの加温装置を組込んで、炭酸温水の温度低下を防止したり、任意の温度に保つ機能を付加するとさらに良い。
【発明の効果】
【0055】
従来の美容方ではなかった顔浴を高濃度炭酸温水を使って行う事により、炭酸ガスが肌表面から皮下の毛細血管に入り、これにより毛細血管の血流を促し新陳代謝を活発にすることが出来る。新陳代謝が活発になると肌の細胞への水分や栄養の補給が活発になり、肌本来の美しさを取り戻すことが出来る。また、高濃度炭酸温水による顔浴を続けることにより毛細血管が肌に向かって発達し、恒久的に肌を若返らせることができる。
【0056】
本発明により手軽に高濃度炭酸温水による顔浴が出来るようになり、毎日続けることが可能になる。また、水に顔をつけることが出来ない人でも高濃度炭酸温水による顔浴を少なくとも5分以上連続して行う事ができるようになる。
【0057】
また、高濃度炭酸温水だけではなく、付加的にヒヤルロン酸ナトリウムやコンドロイチン硫酸ナトリウムなどの保水性物質、あるいは岩塩によるミネラル豊富な塩分や遊離硫化水素を混ぜることによりさらに効果を上げることが期待できる。
【0058】
本発明により、女性の永遠の願望である「いつまでも若々しくいたい」という願いを本質的な肌の改善として実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施例の側面図を示す
【図2】本発明の実施例の正面図を示す
【図3】炭酸温水生成回路の模式図を示す
【図4】炭酸温水生成装置の外観図を示す
【図5】炭酸温水生成装置のもう一つの外観図を示す
【図6】炭酸温水生成回路の別の模式図を示す
【図7】炭酸温水生成回路のもう一つの模式図を示す
【図8】本発明の別の実施例を示す
【図9】本発明における仮面形の実施例で鼻から呼吸できる形状の断面図を示す
【図10】図9の正面から見た形状とその使用の形態を示す
【符号の説明】
【0060】
1 装着容器 、 2 フック 、 3 バンド 、 4 送水部
5 送水管路 、 6 注入口 、 7 排水管路
8 排出部 、 9 注入部 、 10 合流部
11 排水管路 、 12 排出部 、 13 排出部
14 排水管路 、 15 排水管路 、 16 接続アダプタ
17 ねじ 、 101 桶 、 102 ポンプ
103 吸い上げ管路 、 104 混合タンク 、 105 ノズル
106 空間 、 107 炭酸ガスカートリッジ 、 108 圧力調整器
109 戻り管路 、 110 流量調整部
111 開閉バルブ 、 112 センサー 、 113 センサー
114 センサー 、 115 センサー 、 116 スイッチ
117 排気管路 、 118 開閉バルブ
119 貯蔵部 、 120 装置本体 、 121 炭酸ガスカートリッジ
123 吸気管路 、 124 開閉バルブ
125 フィルタ 、 126 給湯管路、 130 装着容器 、 132 軟質シリコンゴム成形品 、 134 穴 、 131 円錐形状部分、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔に液体を収容できる装着容器を付け、該装着容器に溶存炭酸ガス濃度が500ppm以上で湯温が30℃以上の炭酸温水を収容し、少なくとも3分以上炭酸温水を顔に接触させることを特徴とする炭酸温水による顔の美容方法
【請求項2】
前記炭酸温水は桶などの容器に溜められており、その溜められた炭酸温水をポンプなどで吸い上げて前記装着容器に送り、装着容器から排出される炭酸温水を再び前記桶などの容器に戻すことを特徴とする請求項1に記載の美容方法
【請求項3】
前記炭酸温水は桶などの容器に溜められたお湯を前記装着容器へ送水する途中で、炭酸ガス混合手段により前記お湯に炭酸ガスを溶解することにより生成した炭酸温水で、装着容器から排出された炭酸温水を再び前記桶などの容器に戻すことを特徴とする請求項1に記載の炭酸温水による顔の美容方法
【請求項4】
ヒータなどの加温機を用いて、前記炭酸温水の温度を任意の温度に保つか、任意の温度に加温することを特徴とする請求項1から3に記載の美容方法
【請求項5】
前記炭酸温水にグリセリンやムコ多糖類などの保水性物質および美容液として水溶性ビタミン類やアセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、長白参エキス、薩摩の山人参エキス、阿仙薬エキス、ウスベニアオイエキス、ローズマリーエキス、クエン酸、アスコルビン酸、マイオキシノール、マトリキシルエッセンス、コンドロイチンナトリウム、EGF(ヒトオリゴペプチド−1)、FGF(ヒトオリゴペプチド−13)、レチノイン酸、オールトランスレチノイン酸、アロエエキスなどのいずれか1つ以上を添加することを特徴とする請求項1から4に記載の美容方法
【請求項6】
前記炭酸温水に食塩や岩塩を溶解させることを特徴とする請求項1から4に記載の美容方法
【請求項7】
硫化水素塩を含む岩塩または硫化水素塩または硫化水素を用いて、前記炭酸温水に遊離硫化水素を溶解させることを特徴とする請求項1から4に記載の美容方法
【請求項8】
炭酸温水を溜めておく桶などの容器を有し、該炭酸温水を吸い上げるポンプを有し、顔に装着する装着容器を有し、該装着容器の顔に接触する部分に水漏れ防止用のシール部を有し、装着容器に炭酸温水を注入する注入部と炭酸温水を排出する排出部を有し、ポンプで吸い上げた炭酸温水を前記装着容器に送水する送水管路を有し、該送水管路は前記注入部に接続され、装着容器から排出された炭酸温水を桶などの容器に戻す戻し管路を有することを特徴とする炭酸温水による美容機器
【請求項9】
お湯を溜めておく容器を有し、該お湯を吸い上げるポンプを有し、炭酸ガスを供給するボンベを有し、炭酸ガスの圧力を調整する圧力調整器を有し、前記ポンプで吸い上げたお湯と炭酸ガスとを接触混合する混合タンクを有し、炭酸ガスの混合タンクへの供給を遮断する開閉弁を有し、顔に装着する装着容器を有し、該装着容器の顔に接触する部分に水漏れ防止用のシール部を有し、装着容器に炭酸温水を注入する注入部と炭酸温水を排出する排出部を有し、前記混合タンクで生成された炭酸温水を前記装着容器に送水する送水管路を有し、該送水管路は前記注入部に接続され、装着容器の排出部から排出された炭酸温水を桶などの容器に戻す戻し管路を有することを特徴とする炭酸温水による美容機器
【請求項10】
前記シール部が液体を通さない弾性体でできていることを特徴とする請求項8および9に記載の美容機器
【請求項11】
前記シール部が内部に気体や液体またはビンガム体(非常に粘度の高い液体と個体の中間体)を封入した物であるか、又は低硬度の発泡ポリウレタンや極低硬度シリコンゴムを用いることを特徴とする請求項8および9に記載の美容機器
【請求項12】
前記シール部が中空構造であり、ポンプなどで内部に気体を送り込み、該気体の出口が大気中に開放されており、出口の断面積を小さくすることによりシール部の内圧が大気圧よりも高くなるようにしたことを特徴とする請求項8および9に記載の美容機器
【請求項13】
前記シール部が中空構造であり、ポンプなどにより内部に気体や液体を送り込み、該気体や液体の出口の断面積を小さくすることによりシール部の内圧が大気圧よりも高くなるようにし、前記気体や液体を再びポンプに戻して循環させることを特徴とする請求項8および9に記載の美容機器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−132295(P2008−132295A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−24820(P2007−24820)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(000122483)
【出願人】(500235386)ヴィータ株式会社 (29)
【Fターム(参考)】