説明

無停電電源システム

【課題】 並列運転した複数台の無停電電源、または単機運転の無停電電源からなる無停電電源系統を2組備え、この2組の無停電電源系統の何れか一方から対応する負荷への給電を行う切換盤を複数台備えてなる無停電電源システムの動作特性を改善する。
【解決手段】 高速切換盤それぞれはサイリスタスイッチ2組とCT2個と切換制御回路2組とで構成し、2組の切換制御回路それぞれを形成する補助CT71,72,75、分流抵抗73,74、演算素子76,78、抵抗77、79、PT80、電力演算回路81、スイッチオフ判定回路82などにより、メンテナンス時のみならず、通常時の負荷への給電経路を切換える際にも、この切換制御回路により、双方の無停電電源系統から同時給電するラップ期間を制御することで、従来に比して、当該する負荷の両端電圧の擾乱を少なくできる無停電電源システムを具現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、並列運転した複数台の無停電電源、または単機運転の無停電電源からなる無停電電源系統を2組備え、この2組の無停電電源系統の何れか一方から対応する負荷への給電を行う切換盤を複数台備えてなる無停電電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、下記特許文献1の構成も含む、この種の無停電電源システムの従来例を示す回路構成図である。
【0003】
この図において、10は商用電力系統などと自家発電設備とからなる1系電力系統、11〜14は1系無停電電源装置を形成する無停電電源(以下、UPS11〜UPS14と称するとともに、これらを総称して1系UPSとも称する)、この1系電力系統と1系UPSとにより1系無停電電源系統を形成している。同様に、20は商用電力系統などと自家発電設備とからなる2系電力系統、21〜24は2系無停電電源装置を形成する無停電電源(以下、UPS21〜UPS24と称するとともに、これらを総称して2系UPSとも称する)、この2系電力系統と2系UPSとにより2系無停電電源系統を形成している。また、31はこの無停電電源システム全体の運転システムを司るシステム制御回路である。
【0004】
この1系無停電電源系統において、UPS11〜UPS14それぞれには1系電力系統10から直送給電を行うバイパス回路を備えているとともに、互いに並列運転する機能を備えている。同様に、2系無停電電源系統において、UPS21〜UPS24それぞれには2系電力系統20から直送給電を行うバイパス回路を備えているとともに、互いに並列運転する機能を備えている。
【0005】
また、高速切換盤40は高速スイッチとしてのサイリスタスイッチ41,42と切換指令回路43とから形成され、負荷A(100)への給電を、システム制御回路31から切換指令回路43への指令により、1系無停電電源系統、または2系無停電電源系統から行うための機能を有する。同様に、高速切換盤50は高速スイッチとしてのサイリスタスイッチ51,52と切換指令回路53とから形成され、負荷B(200)への給電を、システム制御回路31から切換指令回路53への指令により、1系無停電電源系統、または2系無停電電源系統から行うための機能を有する。
【0006】
なお、高速切換盤40,50の何れかにおいて、例えば、1系無停電電源系統から2系無停電電源系統に対応する負荷の給電切換えを、図示のサイリスタスイッチを用いて、高速に行わせることに備えて、前記無停電電源系統それぞれの出力電圧は互いに位相同期させている。
【0007】
また上述のために、図8に示した無停電電源システムにおける構成要素それぞれは、周知の技術を用いて形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−306643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この種の無停電電源システムにおいて、例えば、それぞれの負荷への給電を停止することなく、それぞれの無停電電源などのメンテナンスを行うためには、高速切換盤の何れかにおいて、例えば、1系無停電電源系統から2系無停電電源系統に対応する負荷の給電を切換えることが要求される。
【0010】
しかしながら、図8に示した従来の無停電電源システムでは、高速切換盤40,50の何れかにおいて、例えば、1系無停電電源系統から2系無停電電源系統に対応する負荷の給電切換えを、図8に示したサイリスタスイッチとしての図9(a)に示す1系スイッチと2系スイッチとを用いて行うと、双方のスイッチ間に、図9(a)に示すように僅かなオーバーラップ期間を設けているのみであるために、このときの負荷の両端電圧であるこの無停電電源システムの出力電圧には、図9(a)に示すように大きな擾乱が生ずることがあった。
【0011】
すなわち、この電圧の擾乱は、図10に示すように負荷分担電力が急変し、従って、図9(a)に示すように2系無停電電源系統からの出力電流が急増し、その結果、2系無停電電源系統の配線インピーダンスによる電圧低下が発生することに起因している。
【0012】
この発明の目的は、図9(b)に示すように負荷への給電経路を切換える際にも、無停電電源システムの出力電圧の擾乱をより軽減できる該システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この第1の発明は、並列運転した複数台の無停電電源、または単機運転の無停電電源からなる無停電電源系統を2組備え、この2組の無停電電源系統の何れか一方から対応する負荷への給電を行う切換盤を複数台備え、前記無停電電源系統それぞれの出力電圧は互いに位相同期させてなる無停電電源システムにおいて、
前記それぞれの切換盤により、一方の無停電電源系統から他方の無停電電源系統に対応する負荷の給電経路を切換える際に、先ず、双方の給電経路から当該する負荷に同時給電する状態にし、このときからの負荷電力と、前記一方の無停電電源系統の分担電力の変化と、前記双方の無停電電源系統間の横流成分とに基づいて、前記同時給電する期間を制御するラップ期間制御機能を備えたことを特徴とする。
【0014】
また第2の発明は、前記第1の発明の無停電電源システムにおいて、
前記ラップ期間制御機能は、前記同時給電中のそれぞれの無停電電源系統の出力電流を検出する電流検出手段と、この時の負荷電流を導出する電流導出手段と、前記負荷への出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電流と負荷電流と負荷電圧とに基づき負荷有効電力と横流有効電力と横流無効電力とを演算する電力演算回路と、前記負荷有効電力と横流有効電力と横流無効電力とに基づき前記同時給電する期間を終了させるスイッチオフ判定回路とから形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、無停電電源システムに前記ラップ期間制御機能を具備したことにより、メンテナンス時のみならず、通常時の負荷への給電経路を切換える際にも、従来に比して、負荷電圧の擾乱がより少ない無停電電源システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施例を示す無停電電源システムの回路構成図
【図2】図1の部分詳細回路構成図
【図3】図1の部分詳細回路構成図
【図4】図1の部分詳細フローチャート
【図5】図1の動作を説明する特性図
【図6】図1の動作を説明する特性図
【図7】図1の動作を説明する特性図
【図8】従来例を示す無停電電源システムの回路構成図
【図9】図8の動作を説明する波形図
【図10】図8の動作を説明する特性図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、この発明の実施例を示す無停電電源システムの回路構成図であり、図8に示した従来例構成と同一機能を有するものには同一符号を付している。
【0018】
すなわち図1において、1系UPS,2系UPSでは、従来と同様にUPS11〜UPS14およびUPS21〜UPS24は全て同一仕様,同一容量のUPSであり、1系UPS,2系UPSそれぞれの出力電圧は互いに位相同期させている。また、32はこの無停電電源システム全体の運転システムを司るシステム制御回路である。
【0019】
さらに、高速切換盤44はサイリスタスイッチ41,42と、CT(変流器)45,46と、切換制御回路47,48とから形成され、システム制御回路32から切換制御回路47および切換制御回路48への指令により、負荷A(100)への給電を1系無停電電源系統または2系無停電電源系統から行うための高速スイッチの機能を有する。同様に、高速切換盤54はサイリスタスイッチ51,52と、CT55,56と、切換制御回路57,58とから形成され、システム制御回路32から切換制御回路57および切換制御回路58への指令により、負荷B(200)への給電を1系無停電電源系統または2系無停電電源系統から行うための高速スイッチの機能を有する。なお、この図では、高速スイッチの1例としてのサイリスタスイッチ41,42,51,52を示しているが、サイリスタと並列に遮断器を接続したハイブリットでもよいし、IGBTとしてもよい。
【0020】
図2は、図1に示した無停電電源システムにおける高速切換盤44に係る詳細回路構成図である。
【0021】
この切換制御回路47,48それぞれには、補助CT71,72と分流抵抗73,74と補助CT75と演算素子76,78と抵抗77,79とPT(変圧器)80と、電力演算回路81と、スイッチオフ判定回路82とを備えている。
【0022】
ここで、切換制御回路47における補助CT72の二次側と、切換制御回路48における補助CT72の二次側とが接続線で互いに結ばれていることにより、CT45,CT46に流れる電流の加算値、すなわち、負荷Aに流れる負荷電流が得られることとなり、従って、分流抵抗73,74、補助CT75、演算素子76、抵抗77からなる回路構成により、演算素子76の出力には前記負荷電流に対応した電圧値を得ることができる。さらに、演算素子78の出力にはCT45またはCT46に流れる電流値、すなわち、1系UPSまたは2系UPSの出力電流に対応した電圧値を得ることができる。
【0023】
図3は、図2に示した切換制御回路47,48における電力演算回路81の詳細回路構成図である。
【0024】
この電力演算回路81には、図2に示したPT80により得られる負荷Aの両端電圧であるこの無停電電源システムの出力電圧と前記負荷電流とから負荷有効電力を演算する負荷電力演算器81aと、前記負荷電流の1/2値を導出する乗算演算器81bと、この負荷電流の1/2値と前記出力電流との差、すなわち、この条件での横流電流を求める減算演算器81cと、この横流電流と前記出力電圧とから横流有効電力および横流無効電力を演算する横流電力演算器81dとを備えている。
【0025】
上述のように、前記負荷電流の1/2値と前記出力電流との差をこの無停電電源システムにおける横流電流と定義しているのは、負荷への給電経路を切換える動作を開始し、双方の無停電電源系統の負荷分担電力がほぼ等しくなったとき、すなわち、切換先の前記出力電流が増加して前記負荷電流の1/2値になり、横流電流が零になったときに、この切換え動作を完了させることで、負荷電圧の擾乱がより少ない無停電電源システムを提供できるからである。
【0026】
なお、図2に示した回路構成では無停電電源系統の1相分を示しており、従って、無停電電源系統が三相出力の場合には、切換制御回路47,48における構成要素71〜80それぞれを3組備えるとともに、電力演算回路81では三相電力演算を行って、負荷有効電力(三相電力値)と横流有効電力(三相電力値)と横流無効電力(三相電力値)とを出力すればよい。さらに、高速切換盤54も図2と同様の回路構成である。
【0027】
以下に、高速切換盤44または高速切換盤44の何れかにおいて、例えば、一方の無停電電源系統から他方の無停電電源系統に対応する負荷の給電を切換えるときの動作について、これらの高速切換盤に備えるスイッチオフ判定回路82の動作を説明する図4のフローチャートを参照しつつ、説明する。
【0028】
図5は、図1に示した無停電電源システムにおいて、1例として、負荷Aが1系無停電電源系統から給電されている状態から、負荷Aの給電を2系無停電電源系統に切換えるときの動作を説明するための特性図であり、1系無停電電源系統の配線インピーダンスと2系無停電電源系統の配線インピーダンスとがほぼ等しいときの切換状態を示している。
【0029】
システム制御回路32から切換制御回路47および切換制御回路48への指令として、先ず、切換制御回路48ではスイッチオン指令を受信してサイリスタスイッチ42をオンさせるとともに、切換制御回路47ではスイッチオフ指令を受信して(図4、ステップS1、分岐Y)、このときの1系無停電電源系統の負担電力値を切換制御回路47の電力演算回路81からの出力値から求める(ステップS2)。
【0030】
なお、この負担電力値は電力演算回路81からの出力の負荷有効電力の1/2から、電力演算回路81からの出力の横流有効電力を減算演算することで得られる。
【0031】
次に、ステップS3では、ステップS2で得られた負担電力値の前回値との変化を監視し、図5に示すように、1系無停電電源系統の負担電力は減少状態に入っていることから(分岐Y)、ステップS4に移る。
【0032】
ステップS4では、ステップS2で得られた負担電力値が所定の判定値、例えば、電力演算回路81からの出力の負荷有効電力の1/2に、この負荷有効電力の10%を加えた値、すなわち、負荷有効電力の0.6倍程度に設定した判定値以下になっているときには(分岐Y)、ステップS7に移り、サイリスタスイッチ41をオフさせて、ステップS8で後述のタイマをリセットする。その結果、双方の無停電電源系統の負荷分担電力がほぼ等しくなったとき、図5に示すように、この切換え動作を完了させることで、負荷電圧の擾乱がより少なくすることができる。
【0033】
なお、ステップS4では、ステップS2で得られた負担電力値が前記判定値まで減少してないときは(分岐N)、後述のステップS5,S6に移る。
【0034】
図6は、図1に示した無停電電源システムにおいて、1例として、負荷Aが1系無停電電源系統から給電されている状態から、負荷Aの給電を2系無停電電源系統に切換えるときの動作を説明するための特性図であり、2系無停電電源系統の配線インピーダンスが2系無停電電源系統の配線インピーダンスより大きかったときの切換状態を示している。
【0035】
システム制御回路32から切換制御回路47および切換制御回路48への指令として、先ず、切換制御回路48ではスイッチオン指令を受信してサイリスタスイッチ42をオンさせるとともに、切換制御回路47ではスイッチオフ指令を受信して(ステップS1,分岐Y)、このときの1系無停電電源系統の負担電力値を切換制御回路47の電力演算回路81からの出力値から求める(ステップS2)。
【0036】
次に、ステップS3では、ステップS2で得られた負担電力値の前回値との変化を監視し、図6に示すように、1系無停電電源系統の負担電力は減少状態に入っていることから(分岐Y)、ステップS4に移る。
【0037】
ステップS4では、ステップS2で得られた負担電力値が前記判定値まで減少してないときは(分岐N)、後述のステップS5、S6での処理結果としてステップS7の処理が行われなければ(S5,分岐N、S6,分岐N)、ステップS2に戻る。
【0038】
上述のステップS2からステップS7の経路を繰り返している状態でのステップS3において、図6に示すように、上述の双方の無停電電源系統の配線インピーダンスの相違に起因して、分担電力値の変化が無くなると(分岐N)、ステップS9に移る。
【0039】
このステップS9では、この切換え動作を開始し、初めて、このステップS9に入った時には(分岐N)、ステップS10に移り、図6に示す安定時間(40ミリ秒程度)を計測するためのタイマを起動させ、また、前記タイマが既に計測動作を開始しているときには(分岐Y)、ステップS11に移る。
【0040】
ステップS11では、前記タイマが安定時間に達しているときには(分岐Y)、ステップS7に移り、サイリスタスイッチ41をオフさせて、ステップS8で前記タイマをリセットすることで、図6に示すように、この切換え動作を完了させ、このときの負荷電圧の擾乱もより少なくすることができる。
【0041】
なお、ステップS11で、前記タイマが安定時間に達していないときには(分岐N)、後述のステップS5、S6での処理結果としてステップS7の処理が行われなければ(S5,分岐N、S6,分岐N)、ステップS2に戻る。
【0042】
図7は、図1に示した無停電電源システムにおいて、1例として、負荷Aが1系無停電電源系統から給電されている状態から、負荷Aの給電を2系無停電電源系統に切換えるときの動作を説明するための特性図であり、切換時に、1系無停電電源系統から2系無停電電源系統に電力が注入された場合での切換状態を示している。
【0043】
システム制御回路32から切換制御回路47および切換制御回路48への指令として、先ず、切換制御回路48ではスイッチオン指令を受信してサイリスタスイッチ42をオンさせるとともに、切換制御回路47ではスイッチオフ指令を受信して(ステップS1,分岐Y)、このときの1系無停電電源系統の負担電力値を切換制御回路47の電力演算回路81からの出力値から求める(ステップS2)。
【0044】
次に、ステップS3では、ステップS2で得られた負担電力値の前回値との変化を監視し、図7に示すように、1系無停電電源系統の負担電力は増加状態に入っていることから(分岐Y)、ステップS4に移る。
【0045】
この増加状態は、何らかの要因により、1系無停電電源系統の出力電圧と2系無停電電源系統の出力電圧との間に位相差および電圧差電力が発生した状態にあり、1系無停電電源系統から2系無停電電源系統に有効電力が注入されていることに起因するものである。
【0046】
ステップS4では、ステップS2で得られた負担電力値が増加していることから(分岐N)、ステップS5に移り、この負担電力値が図7に示すように判定値を越えたとき、すなわち、このときの電力演算回路81からの横流有効電力値が、電力演算回路81からの負荷有効電力値を越えた状態、または、横流有効電力値がマイナスとなり、その絶対値が前記負荷有効電力値の10%に相当する値になると(分岐Y)、ステップS7に移り、サイリスタスイッチ41をオフさせて、ステップS8で前記タイマをリセットする。
【0047】
その結果、1系無停電電源系統と2系無停電電源系統とのラップ期間が長くなることに伴う、それぞれのUPS内部での中間直流電圧が上昇するなどの異常事態を回避することができる。
【0048】
なお切換状態を図示しないが、ステップS2〜S5の経路、または、ステップS2,S3,S9〜S11,S5の経路を経た後のステップS6では、このときの電力演算回路81からの横流無効電力値が所定の基準値、例えば、このときの負荷有効電力値の10%に相当する値を越えた状態になると(分岐Y)、ステップS7に移り、サイリスタスイッチ41をオフさせて、ステップS8で前記タイマをリセットする。
【0049】
この処理は、何らかの要因により、1系無停電電源系統の出力電圧と2系無停電電源系統の出力電圧との間に位相差および電圧差電力が発生した状態にあり、1系無停電電源系統と2系無停電電源系統との間で無効電力の授受が発生し、この状態が長くなることに伴う異常事態を回避するために行うものである。
【0050】
この発明の無停電電源システムによれば、CT45,46,55,56と切換制御回路47,48,57,58とを備えたことにより、メンテナンス時のみならず、通常時の負荷への給電経路を切換える際にも、従来に比して、負荷電圧の擾乱がより少ない無停電電源システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0051】
10…1系電力系統、11〜14…無停電電源、20…2系電力系統、21〜24…無停電電源、31,32…システム制御回路、40,44,50,54…高速切換盤、41,42,51,52…サイリスタスイッチ、43,53…切換指令回路、45,46,55,56…CT、47,48,57,58…切換制御回路、71,72…補助CT、73,74…分流抵抗、75…補助CT、76,78…演算素子、77,79…抵抗、80…PT、81…電力演算器、82…スイッチオフ判定回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列運転した複数台の無停電電源、または単機運転の無停電電源からなる無停電電源系統を2組備え、この2組の無停電電源系統の何れか一方から対応する負荷への給電を行う切換盤を複数台備え、前記無停電電源系統それぞれの出力電圧は互いに位相同期させてなる無停電電源システムにおいて、
前記それぞれの切換盤により、一方の無停電電源系統から他方の無停電電源系統に対応する負荷の給電経路を切換える際に、
先ず、双方の給電経路から当該する負荷に同時給電する状態にし、このときからの負荷電力と、前記一方の無停電電源系統の分担電力の変化と、前記双方の無停電電源系統間の横流成分とに基づいて、前記同時給電する期間を制御するラップ期間制御機能を備えたことを特徴とする無停電電源システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無停電電源システムにおいて、
前記ラップ期間制御機能は、
前記同時給電中のそれぞれの無停電電源系統の出力電流を検出する電流検出手段と、この時の負荷電流を導出する電流導出手段と、前記負荷への出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電流と負荷電流と負荷電圧とに基づき負荷有効電力と横流有効電力と横流無効電力とを演算する電力演算回路と、前記負荷有効電力と横流有効電力と横流無効電力とに基づき前記同時給電する期間を終了させるスイッチオフ判定回路とから形成したことを特徴とする無停電電源システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−273405(P2010−273405A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121210(P2009−121210)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】