説明

無機結合材及びそれを用いた耐火材組成物並びに耐火材

【課題】 それ自体で耐火性の吹付材となり、かつ、アルミナ、珪藻土、石膏、パーライトなどの無機粉粒体からなる骨材に対して十分なバインダー効果を発揮し、かつ発泡による断熱防音効果の良好な耐火物を得る。
【解決手段】 無機結合材として、リン酸アルミニウム水溶液にアルカリ又はアルカリ土類金属の炭酸塩を添加した混合物からなり、リン酸アルミニウム水溶液が、濃度5〜45重量%であり、リン酸アルミニウム100重量部に対し、アルカリ又はアルカリ土類金属の炭酸塩が濃度5〜120重量部の比率で混合し、かつ得られた混合物のPHが4〜7の範囲にある無機結合材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機結合材及びそれを用いた耐火材組成物並びに耐火材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リン酸アルミニウムは、各種耐火物製品、例えば、リンの存在の影響が問題とならない耐火煉瓦、耐火建材、耐火構造物の無機質骨材の結合材(バインダーともいう)として広く用いられている。例えば、特許文献1の「耐火材組成物」、特許文献2の「ケイ酸カルシウム装飾板およびその製造方法」あるいは、特許文献3の「石油ストーブの気化室内塗料および石油ストーブ」等にその使用例が見られる。
【0003】
【特許文献1】特表平08-507282号公報([要約]、[実施例]1〜4)
【特許文献2】特開平06-157168号公報([特許請求の範囲]、[0003]、[0004])
【特許文献3】特開平11-279436号公報([特許請求の範囲]、[0009]、[0010]、[0012])
【0004】
特許文献1には、半粒状耐火材と、メタケイ酸ナトリウム5水塩又は三塩基性リン酸ナトリウム12水塩のような化学的又は物理的に結合された水を一体的に含んだ無機結合材とこの無機結合材と反応して発熱するアルミニウムのような元素又は化合物とからなる耐火材組成物が記載されている。
【0005】
特許文献2には、ケイ酸カルシウム板を耐火軽量壁材として超高層ビルの内装下地材として用いているが、クロス貼り等の化粧被覆を省略し、かつ板材の物理的強度を高めるために、リン酸アルミニウムを添加混合して、ボードに成形焼成したり、ケイ酸カルシウム板を600℃で仮焼した後、リン酸アルミニウムを含浸させて施釉し、更に750℃で焼成することが記載されている。
【0006】
また、特許文献3には、特殊な用途であるが、石油ストーブの気化室内耐火塗料として、シリカ−アルミナ系フィラーとリン酸アルミニウムを主成分とするバインダーと水酸化物からなる硬化剤との混合物が提案されている。ここで、リン酸アルミニウムはモノ(オルソ)リン酸アルミニウムであり、硬化剤が水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムであるとされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の耐火材組成物は、メタケイ酸ナトリウムや三塩基性リン酸ナトリウム等の水和塩に対し、カプセル化したアルミニウム金属粉末を添加した粉末で、使用にあたって、撹拌の衝撃でカプセルを破砕し、水和物の水との反応で発熱させて、自然流動を起こさせる作用をする無機粉粒体からなる骨材のバインダーとする技術である。無機粉体は主としてシャモット(Al2O3主体)である。したがって、カプセル化に特別な技術が要求され、かつ高価な製品とならざるを得ない。用途も取錫のような治金用容器の内張り耐火物である。
【0008】
特許文献2のケイ酸カルシウム板は耐火軽量壁材としての物理的強度を高めるために、リン酸アルミニウムを添加混合して、ボードに成形焼成したり、ケイ酸カルシウム板を600℃で仮焼した後、リン酸アルミニウムを含浸させて施釉し、更に750℃で焼成することの記載であって、リン酸アルミニウムをそのまま利用し、リン酸アルミニウムによるケイ酸カルシウム板の強度増大効果以上の技術的な開示はなされていない。
【0009】
また、特許文献3の石油ストーブの気化室内耐火塗料は、シリカ−アルミナ系フィラーとリン酸アルミニウムを主成分とするバインダーと水酸化物からなる硬化剤との混合物であり、モノ(オルソ)リン酸アルミニウムに硬化剤として水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムが添加混合されたものである。
【0010】
したがって、これらの従来技術を見る限り、本発明の目的とする耐火、断熱、遮音、吸音、吸排湿性の良好な多孔質耐火物として、各種構築物に対して適合できるものではない。従来の主流は、モノリン酸アルミニウム水溶液10〜30%濃度のバインダーをアルミナ粉末又はアルミナバブル材との混合物に練り合わせ耐火断熱材としていた。この場合、焼成温度が600℃以上にならないと冷却後、空気中の水分を吸収し、ボロボロと崩れ易く固形化が難しい問題があった。本発明は、これらの目的に対して安価に提供できるもので、従来技術には見られない新規な無機結合材及びそれを用いた耐火材組成物並びに耐火材の開発を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記課題の解決手段として、以下に述べる構成が好適である。すなわち、まず、無機結合材としては、リン酸アルミニウム水溶液にアルカリ又はアルカリ土類金属の炭酸塩を添加した混合物からなる無機結合材である。無機バインダーとして従来からリン酸アルミニウムはケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、シリカゾル等とともに公知のバインダーであるが、本発明は、リン酸アルミニウムとアルカリ又はアルカリ土類の炭酸塩と併用したことを特徴とする。
【0012】
ここで、リン酸アルミニウム水溶液が、濃度5〜45重量%であり、リン酸アルミニウム100重量部に対し、アルカリ又はアルカリ土類金属の炭酸塩が濃度5〜120重量部の比率で混合し、かつ得られた混合物のPHが4〜7の範囲にある無機結合材とする。リン酸アルミニウム水溶液が、濃度5%以下であると、無機粉粒体に対し、十分なバインダー効果を発揮せず、45%以上では流動性を失って固化するため、好ましくない。
【0013】
リン酸アルミニウムは、モノリン酸アルミニウムを主成分とし、P/Alのモル比が2.5〜3.5の範囲のものが好ましい。
【0014】
リン酸アルミニウムと併用するアルカリ又はアルカリ土類金属の炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの複塩(トロナ)、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸マグネシウムの1種又は2種以上の混合物が好適である。そのほか、アルカリ金属のリチウム、アルカリ土類金属のストロンチウム、バリウムなどの炭酸塩も上記のものと同様に使用できる。
【0015】
このようなリン酸アルミニウムとアルカリ又はアルカリ土類金属の炭酸塩とを含有する成分組成の無機結合材を、無機粉体及び無機多孔質粉粒体からなる骨材に混合して耐火材組成物とする。無機結合材の混合割合は、無機粉体等の種類や要求される性能・用途によって異なるが、骨材100重量部に対し、概ね1〜60重量部、好ましくは2〜40重量部、更に好ましくは3〜20重量部である。
【0016】
骨材として用いる無機粉体は、アルミナ、珪藻土、石膏、カルシア、シリカ、シリカアルミナの1種又は2種以上の混合物であり、無機多孔質粉粒体は、パーライト、アルミナバブル材、バーミキュライト、シラスバルーン、フライアッシュから選ばれた1種又は2種以上の混合物を用いると、耐火材組成物として好ましいものとなる。得られる耐火材組成物は、そのまま粉粒体として用いるか、あるいは成形型中に充填、填圧して所定形状に成形して不燃成耐火とするか、あるいはこの成形物を焼成して耐火煉瓦その他の焼成成形物として用いる。また、これらの成形前耐火材組成物の水溶液又は懸濁液あるいは粉体を、そのまま吹付材として壁材、天井材の表面塗工に用いる。吹付のほか、塗布、含浸、浸漬などの手段で表面被覆する。
【0017】
吹付材は、また、有機質の可燃性材料の表面の被覆材としても用いることができる。例えば、紙、布地を貼った屋内製飾面の被覆、有機質の可燃性材料が紙、布地、草木、木材又はこれらの細断物あるいは籾穀等の表面を被覆して耐火材として断熱、保温材として利用する。
【発明の効果】
【0018】
モノリン酸アルミニウム水溶液に炭酸アルカリや炭酸アルカリ土金属塩を加えた水溶液からなる本発明の無機結合材は、いわゆる無機バインダーとして、アルミナ、珪藻土、石膏、カルシア、シリカ等の単体又はこれらの混合物に添加混合すると、これら無機骨材の結合力が高まる。これら原材料の混合過程あるいは焼成過程で炭酸塩から発生する炭酸ガスによって高強度多孔質の軽量成形物となる。これら炭酸塩は、リン酸アルミニウムのバインダー効果を高め、かつ発泡による断熱防音効果の良好な耐火物を作る。これらに骨材としてパーライト、アルミナバブル材、バーミキュライトなどの軽量骨材を用いると、更なる多孔性が付与でき、耐火断熱材として好ましい組成物が得られる。炭酸塩濃度が20%以上の水溶液は鉄の酸化防止に役立ち、フィラーに鉄鋼線、ステンレス鋼線の使用が可能となり、成形物の物理的強度アップに寄与することができる。
【0019】
本発明の無機結合材は、バインダーとしてそれのみかあるいは耐火骨材を混合して耐火組成物として塗料とし、これらを有機無機建築材に対して吹付け、塗布又は含浸させて使用することができる。例えば、各種内装材であるキッチン周りの下地材、壁、天井、畳、屋根の断熱下地材、または紙か木材の断熱材に含浸か塗布して使用すれば、適度の吸湿性のある内装材とすることができ、かつ耐火性が付与でき、火災時の延焼防止に効果がある。身近なものには、耐火性を利用して、灰皿の敷物の難燃化にも効果が期待される。その他、同様に溶接火花の受け皿帆布(紙のコヨリで編み、製造したもの)にも応用できる。
【0020】
特に、各種耐火物、例えば、築炉用耐火断熱材、煙突の耐火断熱材、ケーブル保護材、トンネルの耐火断熱保護材、鋼材の耐火被覆材、塩化ビニル管の耐火被覆材、埋込型枠補強材、ダクトの断熱材、湯道の耐火断熱材等、広範囲な用途に応用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、実施例によって、本発明の無機結合材組成物及びそれを用いた耐火材組成物並びに耐火材を具体的、かつ詳細に数値を示して説明する。
【実施例1】
【0022】
まず初めに、モノリン酸アルミニウム水溶液にアルカリ金属の炭酸塩として炭酸水素ナトリウムの添加による無機結合材のバインダー効果を、クラックの発生状態で観察し、表1に示す。条件は、モノリン酸アルミニウム水溶液濃度を変更して、それらの溶液100部に対して、石膏100部、パーライト10部を加えて、炭酸水素ナトリウム10部の混入の有無の試料をそれぞれ調製した。試料片の大きさは、タテ50mm×ヨコ50mm×厚さ50mmの立方体である。
【0023】
【表1】

【0024】
表1の結果から、モノリン酸アルミニウム溶液の濃度が10%、20%で焼成温度500〜200℃の範囲において、良好な結果が得られた。モノリン酸アルミニウム溶液の濃度50%100部に炭酸水素ナトリウム14部を混入すると、混練の途中から粘度が上昇し、粘着性の高いペースト状となった。これは、吸湿性を高める壁材や天井材など居住空間の建材などには好ましいものである。
【実施例2】
【0025】
モノ燐酸アルミニウムバインダーの強度試験を行った。試験片の作成条件は、モノ燐酸アルミニウム30%溶液100部に炭酸水素ナトリウム10部の比率で溶液を作り、石膏80部+アルミナ20部+パーライト100部の重量比混合物に練り混ぜて試験体を製作した。焼成温度は400℃である。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】

【0027】
石膏に30%のバインダーを加えた場合の圧縮、曲げ強度試験結果は、無垢の試料であると10倍位強度が上がっている。また、大気中での吸水率10%の値は珪藻土より大きく、耐火物としては好ましくない性能の場合もあるが、建築用壁材として、漆喰壁の材料に用いると好適であることがわかる。
【実施例3】
【0028】
リン酸アルミニウム水溶液に各種のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩を添加した混合物から得られた無機結合材の焼成温度と強度の関係を調べた。成分組成はモノリン酸アルミニウム溶液濃度20%の100部に対し、各種炭酸塩を15部混入したバインダーの100部を実施例1と同様の石膏100部、パーライト10部の骨材に加えてタテ50mm×ヨコ50mm×厚さ7mm板状試料片に成形した。試験結果は表3のとおりである。ここで、1000℃以上の焼成温度を適用すると、本発明の無機結合材の効果は僅少となる。強度はクラックの発生状況と手による耐折強度の目視感覚によった。
【0029】
【表3】

【0030】
炭酸アルカリの場合は、いずれも焼成温度の低温域まで強度が発現するが、炭酸アルカリ土類金属の場合は、400℃以下の低温では十分な強度が得られない結果となった。本発明の無機結合材を用いない場合は、低温焼成ではボロボロと崩れ易く固形化が難しいものであった。従来のモノリン酸アルミニウム水溶液10〜30%濃度のものをアルミナ粉末又はアルミナバブル材との混合物に練り合わせ耐火断熱材を作っていたが、この場合も焼成温度が600℃以上にならないと冷却後、空気中の水分を吸収し、ボロボロと崩れ易く問題があったが、この点をも本発明は解決している。
【実施例4】
【0031】
上記実施例3のモノリン酸アルミニウム水溶液にこれら炭酸塩を加えた無機結合材であると、低温でも焼結固形化するだけでなく、強酸性の水溶液が中和され、pH=4以下にはならず、したがって、植物繊維の劣化防止に役立つことが発見され、耐火、断熱材として繊維シートなどに吹付け被覆したものを活用できる。
ここでは、実施例3のモノリン酸アルミニウムに炭酸水素ナトリウムの添加の有(本発明)無(ブランク)によるバインダーをタテ300mm×ヨコ300mm×厚さ2mmの薄い木片表面に厚さ10mmに被覆したものの性状と耐火性能を比較した。耐火テストは電気炉で片面加熱内面温度600℃5分間テストによった。結果を表4に示す。
【0032】
【表4】

【0033】
また、鉄の酸化防止にも効果がある。これは耐火断熱材製造に常温から1800℃位まで幅の広い耐火物製造が可能になり、製造工程の短縮製造方法が簡単等、費用の低減が計られる。また、燃焼物と耐火材を有効に練り合わせ、燃えない物を建築、土木に使えば火災より財産を守ることができる。
【実施例5】
【0034】
上記の土木関係の施工例として、実施例2の耐火材組成物からなる吹付材の施工によるトンネルコンクリート打設面保護用吹付材に応用した例を図1の斜視図で示す。図1は、トンネル内壁の構造材であるダグタイル鋳鉄製型枠(タテ1500mm×ヨコ2000mm×厚さ200mm)1に同吹付材組成物をキャスタブル資材2として流し込み成形し、同時にトンネルの長手方向にジョイント金具穴3を複数個形成して、内装材セグメント4とする。本発明のキャスタブル資材2の中央をバーナであぶって表面温度1200℃近くになっても、目立つような亀裂は発生せず、かつ、裏面の温度は300℃以下であった。
【0035】
トンネル内装にあたっては、図2に示すように、内装材セグメント4円弧を上弦にしてアーチ状に接続し、トンネル長手方向にはジョイント金具穴3を利用して、ジョイント金具5を順次挿入しながら延長施工するのである。本発明の無機結合材からなるバインダーを用いた耐火物組成物は軽量耐火断熱板として、トンネルのコンクリート打設面の保護には好適なものである。
【実施例6】
【0036】
上記の建築関係の施工例として、実施例2の耐火材組成物からなる吹付材の施工による本発明の耐火材組成物をキャスタブル資材として、高層ビル等の非常電源用ガスタービンの煙突耐火断熱材とした。図3はその煙突7の断面図である。図3の断面図の詳細は、そのA部拡大図として、図4に示した。図4において、煙突7はステンレス鋼(SUS304)の内筒8(600mmφ、0.6mmt)と外装鋼の外筒9(720mmφ、2mmt)の間隙断熱材として、内筒にロックウールを約32mm厚さに巻き付けてロックウール層10とし、残る約25mmの間隙に同吹付材組成物をキャスタブル資材2による流し込み成形で、耐火断熱層11を形成した。
【0037】
実施例2の耐火材組成物は、モノ燐酸アルミニウム30%溶液100部に炭酸水素ナトリウム10部の比率で溶液を作り、石膏80部+アルミナ20部+パーライト100部の重量比混合物に練り混ぜたキャスタブル組成物である。ただし、炭酸水素ナトリウムに代えて、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの複塩からなる天然のトロナ岩石の粉末を用いたが、その物理特性は、ほぼ表2にみられるところであった。
【0038】
本発明の耐火材組成物は、このような煙突の断熱材としては最も好ましい使用例であって、軽量発泡多孔質が排煙の熱によって内外筒内で固化密着するので、施工も容易であり、安価な施工ができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の耐火材組成物をキャスタブル資材として、ダグタイル鋳鉄型枠に流し込み成形したトンネル内装セグメントの斜視図である。
【図2】トンネル内装セグメントによる施工状態を示す、部分斜視図である。
【図3】本発明の耐火材組成物をキャスタブル資材として、高層ビル等の非常電源用ガスタービンの煙突耐火断熱材とした煙突の断面図である。
【図4】図3のA部拡大図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ダグタイル鋳鉄型枠
2 キャスタブル資材
3 ジョイント金具穴
4 内装材セグメント
5 ジョイント金具
7 煙突
8 内筒
9 外筒
10 ロックウール層
11 耐火断熱層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸アルミニウム水溶液にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩を添加した混合物からなる無機結合材。
【請求項2】
リン酸アルミニウム水溶液濃度が5〜45重量%であり、リン酸アルミニウム100重量部に対し、アルカリ金属の炭酸塩が5〜120重量部の比率で混合し、かつ得られた混合物のPHが4〜7の範囲である請求項1記載の無機結合材。
【請求項3】
リン酸アルミニウムがモノリン酸アルミニウムを主成分とし、P/Alのモル比が2.5〜3.5である請求項1又は2記載の無機結合材。
【請求項4】
アルカリ又はアルカリ土類金属の炭酸塩が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの複塩、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸マグネシウムの1種又は2種以上の混合物である請求項1又は2記載の無機結合材。
【請求項5】
請求項1〜4記載の無機結合材を無機粉体及び無機多孔質粉粒体からなる骨材に混合してなる耐火材組成物。
【請求項6】
無機粉体がアルミナ、珪藻土、石膏、カルシア、シリカ、シリカアルミナの1種又は2種以上の混合物であり、無機多孔質粉粒体がパーライト、アルミナバブル材、バーミキュライト、シラスバルーン、フライアッシュから選ばれた1種又は2種以上の混合物である請求項5記載の耐火材組成物。
【請求項7】
請求項5又は6記載の耐火材組成物を所定形状に成形又は該成形物を焼成してなる耐火材。
【請求項8】
請求項1記載の結合材組成物あるいは請求項5又は6記載の耐火材組成物の水溶液又は懸濁液を吹付材として用いる耐火材。
【請求項9】
請求項8記載の吹付材を有機質の可燃性材料の表面の被覆材として用いる耐火材。
【請求項10】
有機質の可燃性材料が紙、布地、草木、木材又はこれらの細断物あるいは籾穀である請求項9記載の耐火材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−143533(P2006−143533A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336438(P2004−336438)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(503304360)コーキ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】