無線ネットワーク、中継ノード、コアノード、及び、中継方法

【課題】 中継経路全体で最小の伝搬損失となる経路を選定し、干渉に対して頑強な中継経路を設定可能な無線ネットワークを提供する。
【解決手段】 コアノードは中継経路設定パケットを放出し、各ノードは当該パケットの受信により当該パケットを放出したノードと自ノードとの間の伝搬損失を推定する(ステップS2)。同時に、当該パケットに含まれるメトリックを参照し、伝搬損失とメトリックとの和によって伝搬損失が最小となる中継先基地局を選定する(ステップS1〜S7)。ここで、メトリックはコアノードから当該中継経路パケットを放出したノードまでの合計の伝搬損失を表す。各基地局は上記の作業を自律的に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線ネットワーク、中継ノード、コアノード及びそれに用いる中継伝送方法並
びにそのプログラムに関し、特に複数のノードが無線によって結ばれたセルラーシステム
における中継経路設定方法並びに中継伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のセルラーシステムのセル構成を図20に示す。図20において、401はセルを
、402は基地局(ノード)を表しており、このセルラーシステムでは、図20に示すよ
うに、複数のセルを配することによってサービス可能領域が構成されている。
【0003】
各ノードは有線基幹網404と有線回線403とによって接続されており、音声やデー
タ等のサービス信号並びに各種制御信号がこれらの回線を介して伝達される。尚、各ノー
ドと有線基幹網とは、その中間に集線局等を階層的に設けて接続される場合もある。
【0004】
端末局405はノード402と通信を行い、有線基幹網404並びに有線回線403に
よって伝達された各種信号の送受信を行う。有線基幹網には無線基地局(ノード)のみな
らず、端末局405の位置情報の管理や課金処理等をつかさどるサーバ装置が設置されて
いる。
【0005】
携帯電話や加入者系固定無線アクセス(Fixed Wireless Access
)等のセルラーシステムの加入者数増大に応えるためには、セル半径を小さくし、1ノー
ドの処理負荷を減らす手法がとられる。このような極小セルによってシステムを構築する
場合、サービスエリアを確保するために、極めて多くのノードを配置することになる。
【0006】
また、高速データ伝送に対応するために多値変調等の高密度データ伝送方式を適用した
場合には、要求される受信品質を確保するために、1ノードが守備するエリアが必然的に
狭くなってしまい、この場合にもサービスエリアを確保するために、極めて多くのノード
を配置することになる。
【0007】
さらに、従来、セルラーシステムは準マイクロ波並びにマイクロ波帯で主に設計されて
きているが、周波数逼迫の危機によって準ミリ波、ミリ波帯を用いたセルラーシステムの
構築が期待されている。周波数が高くなると、電波の回折効果が薄れて直進性が顕著とな
り、見通し外の通話が困難になるため、各ノードが守備するエリアが必然的に狭くなって
しまう。すなわち、このような場合にも、極小セルによって通話エリアを確保せねばなら
ず、極めて多数のノードを設置することになる。
【0008】
多数の極小セルによってシステムを構築する場合、当該ノード群を基幹網へ接続するた
めの有線網の整備が不可欠である。しかしながら、極めて多数の地理的に偏在するノード
と基幹網とを接続するには、至るところに有線回線網を張り巡らす必要があるため、シス
テム全体のコストが上昇してしまう。そこで、ノード間を無線で結合し、中継伝送を行っ
てサービスエリアの拡大をはかる手法がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
セルラーシステムの容量は干渉によって制限を受けるため、中継経路の設定によって耐
干渉特性の程度が左右され、すなわち容量が変化する。中継経路中に含まれる中継ノード
の数を最小にするような伝送方法、いわゆる最小ホップ数伝送方法では中継ノード間の距
離や障害物による受信電力不足のために、中継経路全体で眺めた場合のスループットや回
線容量が必ずしも最大ではない。
【0010】
スループットの向上並びにシステム全体が高い回線容量を達成するためには中継経路の
設定方法が重要となるが、これまで、多数の極小セルが配されかつコアノードが有線基幹
網に接続される形態をとる無線中継伝送型セルラーシステムに特化し、かつセルラーシス
テムで問題となるセル間干渉問題に対処した中継経路設定法は存在していない。
【0011】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、中継経路全体で最小の伝搬損失となる
経路を選定することができ、干渉に対して頑強な中継経路を設定することができる無線ネ
ットワーク、中継ノード、コアノード及びそれに用いる中継伝送方法並びにそのプログラ
ムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による無線ネットワークは、有線網に接続されたコアノードと、前記コアノード
から送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットのう
ちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中継ノードのいず
れともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワークであって、
前記中継ノードが、自ノード宛の前記上りデータパケットを受信した時に当該上りデー
タパケットを他の一つの上り中継ノード及び前記コアノードのいずれかに中継しかつ自ノ
ード宛の前記下りデータパケットを受信した時に当該下りデータパケットを少なくとも一
つの下り中継ノードへ中継するようにし、
前記コアノードは、送信元ノード識別情報と上り中継先ノード情報と前記中継先ノード
を選定するための指針を与える量を示すメトリックとを含む経路設定パケットを送信し、
前記中継ノードは、前記経路設定パケットを受信した時の前記メトリックの更新に際し
て0〜1の値を持つ重み係数を用い、当該経路設定パケットに含まれているメトリックに
当該重み係数を乗算しかつ新たに加算するメトリックに1から当該重み係数を減算した値
を乗算して両者を加算した値を更新メトリックとして設定するようにしている。
【0013】
本発明による他の無線ネットワークは、有線網に接続されたコアノードと、前記コアノ
ードから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケット
のうちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中継ノードの
いずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワークであって
、前記コアノードと前記中継ノードとの間及び前記中継ノード間同士のいずれかで行われ
る中継伝送で使用される無線周波数帯と、前記コアノードと前記端末局との間及び前記中
継ノードと前記端末局との間のいずれかで行われるアクセス伝送で使用される無線周波数
帯とが異なり、前記中継伝送で使用される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用される
無線周波数帯より高い周波数帯であるようにしている。
【0014】
本発明による中継ノードは、有線網に接続されたコアノードから送信された下りデータ
パケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットのうちの少なくとも一方を中継
し、端末局との通信が可能な中継ノードであって、
アクセス伝送用のアンテナと、中継伝送用のアンテナと、アクセス伝送用の無線システ
ムと、中継伝送用の無線システムとを備え、
前記コアノードとの間で行われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、前記端末局と
の間で行われるアクセス伝送で使用される無線周波数帯とが異なり、前記中継伝送で使用
される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用される無線周波数帯より高い周波数帯であ
るようにしている。
【0015】
本発明による他の中継ノードは、有線網に接続されたコアノードから送信された下りデ
ータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットのうちの少なくとも一方を
中継し、端末局とデータパケットの送受信が可能な中継ノードであって、
自ノード宛の前記上りデータパケットを受信した時に当該上りデータパケットを他の一
つの上り中継ノード及び前記コアノードのいずれかに中継しかつ自ノード宛の前記下りデ
ータパケットを受信した時に当該下りデータパケットを少なくとも一つの下り中継ノード
へ中継するようにし、
前記コアノード及び他の中継ノードのいずれかから送信元ノード識別情報と上り中継先
ノード情報と前記中継先ノードを選定するための指針を与える量を示すメトリックとを含
む経路設定パケットを受信した時の前記メトリックの更新に際して0〜1の値を持つ重み
係数を用い、当該経路設定パケットに含まれているメトリックに当該重み係数を乗算しか
つ新たに加算するメトリックに1から当該重み係数を減算した値を乗算して両者を加算し
た値を更新メトリックとして設定するようにしている。
【0016】
本発明による別の中継ノードは、有線網に接続されたコアノードから送信された下りデ
ータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットのうちの少なくとも一方を
中継し、端末局とデータパケットの送受信が可能な中継ノードであって、
他のノードとの間で行われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、自ノードと前記端
末局との間で行われるアクセス伝送で使用される無線周波数帯とが異なり、前記中継伝送
で使用される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用される無線周波数帯より高い周波数
帯であるようにしている。
【0017】
本発明によるコアノードは、無線中継を行う中継ノードと端末局のいずれともデータパ
ケットの送受信が可能な、有線網に接続されたコアノードであって、
アクセス伝送用のアンテナと、中継伝送用のアンテナと、アクセス伝送用の無線システ
ムと、中継伝送用の無線システムと、有線基幹網に接続される信号分配機とを備え、
前記中継ノードとの間で行われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、前記端末局と
の間で行われるアクセス伝送で使用される無線周波数帯とが異なり、前記中継伝送で使用
される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用される無線周波数帯より高い周波数帯であ
るようにしている。
【0018】
本発明による他のコアノードは、有線網に接続され、自ノードから送信された下りデー
タパケット及び自ノードへ向けた上りデータパケットのうちの少なくとも一方が中継ノー
ドによって中継され、端末局とデータパケットの送受信が可能なコアノードであって、送
信元ノード識別情報と上り中継先ノード情報と中継先ノードを選定するための指針を与え
る量を示すメトリックとを含む経路設定パケットを前記中継ノードに送信するようにして
いる。
【0019】
本発明による別のコアノードは、有線網に接続され、自ノードから送信された下りデー
タパケット及び自ノードへ向けた上りデータパケットのうちの少なくとも一方が中継ノー
ドで中継され、端末局とデータパケットの送受信が可能なコアノードであって、自ノード
と前記中継ノードとの間で行われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、自ノードと前
記端末局との間で行われるアクセス伝送で使用される無線周波数帯とが異なり、前記中継
伝送で使用される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用される無線周波数帯より高い周
波数帯であるようにしている。
【0020】
本発明による第1の中継伝送方法は、有線網に接続されたコアノードと、前記コアノー
ドから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットの
うちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中継ノードのい
ずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワークの中継伝送
方法であって、
前記中継ノードが、自ノード宛の前記上りデータパケットを受信した時に当該上りデー
タパケットを他の一つの上り中継ノード及び前記コアノードのいずれかに中継しかつ自ノ
ード宛の前記下りデータパケットを受信した時に当該下りデータパケットを少なくとも一
つの下り中継ノードへ中継するステップを有し、
前記コアノードは、送信元ノード識別情報と上り中継先ノード情報と中継先ノードを選
定するための指針を与える量を示すメトリックとを含む経路設定パケットを送信し、
前記中継ノードは、前記経路設定パケットを受信した時の前記メトリックの更新に際し
て0〜1の値を持つ重み係数を用い、当該経路設定パケットに含まれているメトリックに
当該重み係数を乗算しかつ新たに加算するメトリックに1から当該重み係数を減算した値
を乗算して両者を加算した値を更新メトリックとして設定するようにしている。
【0021】
本発明による第2の中継伝送方法は、有線網に接続されたコアノードと、前記コアノー
ドから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットの
うちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中継ノードのい
ずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなるシステムの中継伝送方法であ
って、前記コアノードと前記中継ノードとの間及び前記中継ノード間同士のいずれかで行
われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、前記コアノードと前記端末局との間及び前
記中継ノードと前記端末局との間のいずれかで行われるアクセス伝送で使用される無線周
波数帯とが異なり、前記中継伝送で使用される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用さ
れる無線周波数帯より高い周波数帯であるようにしている。
【0022】
本発明による第3の中継伝送方法は、有線網に接続されたコアノードと、前記コアノー
ドから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットの
うちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中継ノードのい
ずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワークの中継伝送
方法であって、
送信元ノード識別情報と上り中継先ノード情報と中継先ノードを選定するための指針を
与える量を示すメトリックとを含む経路設定パケットの到着を検出するステップと、前記
経路設定パケットの到着を検出した時に当該経路設定パケットに含まれる前記上り中継先
ノード情報が自ノードを示しているか否かを判定するステップと、前記上り中継先ノード
情報が自ノードを示していると判定した時に当該経路設定パケットに含まれる前記送信元
ノード識別情報が示すノードを中継ノードリストに記録するステップと、前記上り中継先
ノード情報が自ノードを示していないと判定した時にその際に測定された伝搬損失を当該
経路設定パケットを放出したノードと自ノードとの間の伝搬損失Ln(nは当該経路設定
パケットの送信元ノードの固有な番号)とするステップと、当該経路設定パケットに含ま
れているメトリックMr,nを読取るステップと、前記伝搬損失Ln及び前記メトリック
Mr,nから更新メトリックMnを計算して保存するステップと、当該更新メトリックM
nと過去に受信した経路設定パケットに対応する更新メトリックとを比較して当該更新メ
トリックMnが最小か否かを判定するステップと、当該更新メトリックMnが最小と判定
した時に前記経路設定パケットのメトリックに入れる送信メトリックMに更新メトリック
Mnを設定しかつ現在到着した経路設定パケットの送信元ノード識別情報が示すノードを
前記上り中継先ノードとして登録するステップと、前記送信メトリックMを前記メトリッ
クとしかつ自ノードの識別情報を示す送信元ノード識別情報及び前記上り中継先ノード情
報を含ませた経路設定パケットを他の中継ノードに送信するステップとを備えている。
【0023】
本発明による第4の中継伝送方法は、有線網に接続されたコアノードと、前記コアノー
ドから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットの
うちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中継ノードのい
ずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワークの中継伝送
方法であって、
送信元ノード識別情報と上り中継先ノード情報と中継先ノードを選定するための指針を
与える量を示すメトリックとを含む経路設定パケットの到着を検出するステップと、前記
経路設定パケットの到着を検出した時に当該経路設定パケットに含まれる前記上り中継先
ノード情報が自ノードを示しているか否かを判定するステップと、前記上り中継先ノード
情報が自ノードを示していると判定した時に当該経路設定パケットに含まれる前記送信元
ノード識別情報が示すノードを中継ノードリストに記録するステップと、前記上り中継先
ノード情報が自ノードを示していないと判定した時にその際に測定された伝搬損失を当該
経路設定パケットを放出したノードと自ノードとの間の伝搬損失Ln(nは当該経路設定
パケットの送信元ノードの固有な番号)とするステップと、当該経路設定パケットに含ま
れているメトリックMr,nを読取るステップと、前記伝搬損失Ln及び前記メトリック
Mr,nから更新メトリックMnを計算して保存するステップと、今回受信した経路設定
パケットに含まれる送信元ノード識別情報が現在の上り中継先ノード情報と一致するか否
かを判定するステップと、前記送信元ノード識別情報が前記上り中継先ノード情報と一致
すると判定した時に保存している更新メトリックをすべて忘却するステップと、前記送信
元ノード識別情報が前記上り中継先ノード情報と一致しないと判定した時に過去に受信し
た経路設定パケットに対応する更新メトリックと今回得られた前記更新メトリックMnと
を比較するステップと、前記更新メトリックをすべて忘却した場合及び当該更新メトリッ
クMnが最小であると判定した場合のいずれかである時に前記経路設定パケットのメトリ
ックに入れる送信メトリックMを更新メトリックMnに設定しかつ現在到着した経路設定
パケットの送信元ノード識別情報が示すノードを前記上り中継先ノードとして登録するス
テップと、前記送信メトリックMを前記メトリックとしかつ自ノードの識別情報を示す送
信元ノード識別情報及び前記上り中継先ノード情報を含ませた経路設定パケットを他の中
継ノードに送信するステップとを備えている。
【0024】
本発明による第5の中継伝送方法は、有線網に接続されたコアノードと、前記コアノー
ドから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットの
うちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中継ノードのい
ずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワークの中継伝送
方法であって、
送信元ノード識別情報と上り中継先ノード情報と中継先ノードを選定するための指針を
与える量を示すメトリックとを含む経路設定パケットの到着を検出するステップと、前記
経路設定パケットの到着を検出した時に当該経路設定パケットに含まれる前記上り中継先
ノード情報が自ノードを示しているか否かを判定するステップと、前記上り中継先ノード
情報が自ノードを示していると判定した時に当該経路設定パケットに含まれる前記送信元
ノード識別情報が示すノードを中継ノードリストに記録するステップと、前記上り中継先
ノード情報が自ノードを示していないと判定した時にその際に測定された伝搬損失を当該
経路設定パケットを放出したノードと自ノードとの間の伝搬損失Ln(nは当該経路設定
パケットの送信元ノードの固有な番号)とするステップと、当該経路設定パケットに含ま
れているメトリックMr,nを読取るステップと、前記伝搬損失Ln及び前記メトリック
Mr,nから更新メトリックMnを計算して保存するステップと、当該更新メトリックM
nを含む過去に受信した全ての経路設定パケットに対応する更新メトリックを比較して最
も小さいメトリックである送信元ノードm(mはノードの固有な番号)を決定するステッ
プと、当該送信元ノードmが現在の上り中継先ノードと同一でかつn≠mであるかを判定
するステップと、当該送信元ノードmが現在の上り中継先ノードと同一でない場合及びn
=mの場合のいずれかである時に前記経路設定パケットのメトリックに入れる送信メトリ
ックMを更新メトリックMnに設定しかつ前記送信元ノードmを上り回線の中継先ノード
として登録するステップと、前記送信メトリックMを前記メトリックとしかつ自ノードの
識別情報を示す送信元ノード識別情報及び前記上り中継先ノード情報を含ませた経路設定
パケットを他の中継ノードに送信するステップとを備えている。
【0025】
本発明による第1の中継伝送方法のプログラムは、有線網に接続されたコアノードと、
前記コアノードから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデー
タパケットのうちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中
継ノードのいずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワー
クの中継伝送方法のプログラムであって、コンピュータに、前記中継ノードが、自ノード
宛の前記上りデータパケットを受信した時に当該上りデータパケットを他の一つの上り中
継ノード及び前記コアノードのいずれかに中継しかつ自ノード宛の前記下りデータパケッ
トを受信した時に当該下りデータパケットを少なくとも一つの下り中継ノードへ中継する
処理と、送信元ノード識別情報と上り中継先ノード情報と中継先ノードを選定するための
指針を与える量を示すメトリックとを含む前記コアノードからの経路設定パケットを受信
した時の前記メトリックの更新に際して0〜1の値を持つ重み係数を用い、当該経路設定
パケットに含まれているメトリックに当該重み係数を乗算しかつ新たに加算するメトリッ
クに1から当該重み係数を減算した値を乗算して両者を加算した値を更新メトリックとし
て設定する処理とを実行させている。
【0026】
本発明による第2の中継伝送方法のプログラムは、有線網に接続されたコアノードと、
前記コアノードから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデー
タパケットのうちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中
継ノードのいずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワー
クの中継伝送方法のプログラムであって、コンピュータに、送信元ノード識別情報と上り
中継先ノード情報と中継先ノードを選定するための指針を与える量を示すメトリックとを
含む経路設定パケットの到着を検出する処理と、前記経路設定パケットの到着を検出した
時に当該経路設定パケットに含まれる前記上り中継先ノード情報が自ノードを示している
か否かを判定する処理と、前記上り中継先ノード情報が自ノードを示していると判定した
時に当該経路設定パケットに含まれる前記送信元ノード識別情報が示すノードを中継ノー
ドリストに記録する処理と、前記上り中継先ノード情報が自ノードを示していないと判定
した時にその際に測定された伝搬損失を当該経路設定パケットを放出したノードと自ノー
ドとの間の伝搬損失Ln(nは当該経路設定パケットの送信元ノードの固有な番号)とす
る処理と、当該経路設定パケットに含まれているメトリックMr,nを読取る処理と、前
記伝搬損失Ln及び前記メトリックMr,nから更新メトリックMnを計算して保存する
処理と、当該更新メトリックMnと過去に受信した経路設定パケットに対応する更新メト
リックとを比較して当該更新メトリックMnが最小か否かを判定する処理と、当該更新メ
トリックMnが最小と判定した時に前記経路設定パケットのメトリックに入れる送信メト
リックMに更新メトリックMnを設定しかつ現在到着した経路設定パケットの送信元ノー
ド識別情報が示すノードを前記上り中継先ノードとして登録する処理と、前記送信メトリ
ックMを前記メトリックとしかつ自ノードの識別情報を示す送信元ノード識別情報及び前
記上り中継先ノード情報を含ませた経路設定パケットを他の中継ノードに送信する処理と
を実行させている。
【0027】
本発明による第3の中継伝送方法のプログラムは、有線網に接続されたコアノードと、
前記コアノードから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデー
タパケットのうちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中
継ノードのいずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワー
クの中継伝送方法のプログラムであって、コンピュータに、送信元ノード識別情報と上り
中継先ノード情報と中継先ノードを選定するための指針を与える量を示すメトリックとを
含む経路設定パケットの到着を検出する処理と、前記経路設定パケットの到着を検出した
時に当該経路設定パケットに含まれる前記上り中継先ノード情報が自ノードを示している
か否かを判定する処理と、前記上り中継先ノード情報が自ノードを示していると判定した
時に当該経路設定パケットに含まれる前記送信元ノード識別情報が示すノードを中継ノー
ドリストに記録する処理と、前記上り中継先ノード情報が自ノードを示していないと判定
した時にその際に測定された伝搬損失を当該経路設定パケットを放出したノードと自ノー
ドとの間の伝搬損失Ln(nは当該経路設定パケットの送信元ノードの固有な番号)とす
る処理と、当該経路設定パケットに含まれているメトリックMr,nを読取る処理と、前
記伝搬損失Ln及び前記メトリックMr,nから更新メトリックMnを計算して保存する
処理と、今回受信した経路設定パケットに含まれる送信元ノード識別情報が現在の上り中
継先ノード情報と一致するか否かを判定する処理と、前記送信元ノード識別情報が前記上
り中継先ノード情報と一致すると判定した時に保存している更新メトリックをすべて忘却
する処理と、前記送信元ノード識別情報が前記上り中継先ノード情報と一致しないと判定
した時に過去に受信した経路設定パケットに対応する更新メトリックと今回得られた前記
更新メトリックMnとを比較する処理と、前記更新メトリックをすべて忘却した場合及び
当該更新メトリックMnが最小であると判定した場合のいずれかである時に前記経路設定
パケットのメトリックに入れる送信メトリックMを更新メトリックMnに設定しかつ現在
到着した経路設定パケットの送信元ノード識別情報が示すノードを前記上り中継先ノード
として登録する処理と、前記送信メトリックMを前記メトリックとしかつ自ノードの識別
情報を示す送信元ノード識別情報及び前記上り中継先ノード情報を含ませた経路設定パケ
ットを他の中継ノードに送信する処理とを実行させている。
【0028】
本発明による第4の中継伝送方法のプログラムは、有線網に接続されたコアノードと、
前記コアノードから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデー
タパケットのうちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中
継ノードのいずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワー
クの中継伝送方法のプログラムであって、コンピュータに、送信元ノード識別情報と上り
中継先ノード情報と中継先ノードを選定するための指針を与える量を示すメトリックとを
含む経路設定パケットの到着を検出する処理と、前記経路設定パケットの到着を検出した
時に当該経路設定パケットに含まれる前記上り中継先ノード情報が自ノードを示している
か否かを判定する処理と、前記上り中継先ノード情報が自ノードを示していると判定した
時に当該経路設定パケットに含まれる前記送信元ノード識別情報が示すノードを中継ノー
ドリストに記録する処理と、前記上り中継先ノード情報が自ノードを示していないと判定
した時にその際に測定された伝搬損失を当該経路設定パケットを放出したノードと自ノー
ドとの間の伝搬損失Ln(nは当該経路設定パケットの送信元ノードの固有な番号)とす
る処理と、当該経路設定パケットに含まれているメトリックMr,nを読取る処理と、前
記伝搬損失Ln及び前記メトリックMr,nから更新メトリックMnを計算して保存する
処理と、当該更新メトリックMnを含む過去に受信した全ての経路設定パケットに対応す
る更新メトリックを比較して最も小さいメトリックである送信元ノードm(mはノードの
固有な番号)を決定する処理と、当該送信元ノードmが現在の上り中継先ノードと同一で
かつn≠mであるかを判定する処理と、当該送信元ノードmが現在の上り中継先ノードと
同一でない場合及びn=mの場合のいずれかである時に前記経路設定パケットのメトリッ
クに入れる送信メトリックMを更新メトリックMnに設定しかつ前記送信元ノードmを上
り回線の中継先ノードとして登録する処理と、前記送信メトリックMを前記メトリックと
しかつ自ノードの識別情報を示す送信元ノード識別情報及び前記上り中継先ノード情報を
含ませた経路設定パケットを他の中継ノードに送信する処理とを実行させている。
【0029】
すなわち、本発明の無線ネットワークは、面的に配されたノード群のうちコアノードを
定め、コアノードのみが基幹網と接続し、コアノード周辺のノードを無線回線によって結
合している。コアノード以外のノードはコアノードへ向けて上り回線データを中継、もし
くはコアノードから放出された下り回線データを中継する。
【0030】
これによって、ノード群と基幹網とを接続する際にはコアノードと基幹網のみとを有線
で接続すればよく、有線回線の敷布コストを削減することが可能となる。また、無線によ
ってノード群が結合されるため、容易にサービスエリアの拡大が可能となる。
【0031】
コアノードは中継経路設定パケットを放出する。中継ノードは中継経路設定パケットの
受信によって当該パケットを放出したノードと自ノードとの間の伝搬損失を推定する。同
時に、当該パケットに含まれるメトリックを参照して、伝搬損失とメトリックとの和によ
って伝搬損失が最小となる中継先基地局を選定する。ここで、メトリックはコアノードか
ら当該中継経路設定パケットを放出したノードまでの合計の伝搬損失を表す。
【0032】
各基地局は上記の作業を自律的に行う。よって、中継経路全体で最小の伝搬損失となる
中継先を選定することが可能となり、セルラーシステムで問題となる干渉に対して頑強な
中継経路を選定することが可能となる。
【0033】
メトリックとして伝搬損失を用いることで、トラフィックによって大きさが左右される
干渉電力に依存しない安定した中継経路を確保することが可能となる。また、周波数帯が
異なっても一般的に伝搬損失の差は小さいと考えられるため、上下回線で異なる周波数帯
を用いても適切な中継経路を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の無線ネットワークは、以下に述べるような構成及び動作とすることで、中継経
路全体で最小の伝搬損失となる経路を選定することができ、干渉に対して頑強な中継経路
を設定することができるという効果が得られる。
【0035】
また、本発明の他の無線ネットワークは、以下に述べるような構成及び動作とすること
で、より柔軟な経路設定が可能となり、ネットワーク設計者の期待する特徴を持つ経路の
生成が容易になるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
次に、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例に
よるセルラーシステムを模式的に示す図である。図1において、107は端末局を表し、
108はセルを表す。コアノード103と有線基幹網101とは有線回線102で接続さ
れ、中継ノード104〜106は無線中継によってコアノード103と接続される。
【0037】
各中継ノード並びにコアノードには指向性アンテンナが設置される場合があり、この指
向性アンテナは固定的に指向性が設定される場合と、適応的に指向性が設定される場合と
がある。指向性アンテナを設置することによって、周辺ノード並びに端末局へ与える干渉
を抑制し、システム全体で高い回線容量を達成することが可能となる。
【0038】
図1に表示した他の中継ノードに関しても、中継ノード104〜106の場合と同様に
、無線中継回線でコアノード103と接続される。無線中継回線の中継経路の設定(トリ
ガ)はコアノード103から放出される経路設定パケットがトリガとなって行われる。す
なわち、コアノード103が放出した経路設定パケットを受信した中継ノードは、その受
信した経路設定パケットを契機として、新たに経路設定パケットを他のノードに放出し、
さらにその経路設定パケットを契機として別の中継ノードが経路設定パケットを放出する
という動作が繰り返される。但し、経路設定パケットの送出に関しての詳細については後
述する。
【0039】
図2は経路設定パケットの構造の一例を示す図である。図2において、経路設定パケッ
トは送信元ノードID(識別情報)A02と、上り中継先ノードIDA03と、メトリッ
クA04と、その他A01とをそれぞれ伝送するためのフィールドからなる。尚、各要素
の配置順は図2に示す例と異なる場合もある。
【0040】
送信元ノードIDA02は経路設定パケットを放出したノードのID番号を表し、上り
中継先ノードIDA03は経路設定パケットを放出したノードが設定する上り回線の中継
先ノードのIDを表し、その他A01にはパケットの復調に必要なパイロット信号等の制
御信号やシステム情報等のデータ信号が含まれる。メトリックA04は各ノードが中継先
ノードを選定するための指針を与える量を表している。
【0041】
図3は本発明の一実施例における各中継ノードで実行される中継経路設定処理の一例を
示すフローチャートであり、図4は本発明の一実施例におけるコアノードで実行される経
路設定処理の一例を示すフローチャートである。これら図1〜図4を参照して本発明の一
実施例におけるメトリックA04の更新方法と当該メトリック量による中継先ノード選定
手順とコアノード103での経路設定処理とについてそれぞれ説明する。
【0042】
まず、経路設定パケットの放出はコアノード103によって行われ、コアノード103
より放出された中継経路設定パケットは、不特定の中継ノード104〜106で受信され
る。すなわち、経路設定パケットの放出はブロードキャストで行われる。この時、コアノ
ード103の上り中継先ノードは存在しないので、上り中継先ノードIDA03の内容は
何でもよい。
【0043】
コアノード103によって放出された経路設定パケットに含まれるメトリックは0に設
定する。経路設定パケットの放出間隔は定期的とする場合、ランダムな間隔とする場合、
有線基幹網101上のサーバ(図示せず)から指示を受けた場合等とする。
【0044】
中継ノード104〜106は経路設定パケットが到着したかどうかを調べ(図3ステッ
プS1)、経路設定パケットが到着していなければ、再びステップS1に戻る。中継ノー
ド104〜106では経路設定パケットの到着の検出にキャリアセンス等を用いる。中継
ノード104〜106は経路設定パケットの到着を検出すると、当該経路設定パケットに
含まれる上り中継先ノードIDを参照し、当該上り中継先ノードIDが自ノードIDと一
致するかどうかを判定する(図3ステップS8)。
【0045】
中継ノード104〜106は当該ノードIDが自ノードIDと一致すると、当該経路設
定パケットを放出したノードのID、すなわち当該経路設定パケットに含まれる送信元ノ
ードIDが示すノードを中継ノードリストに記録する(図3ステップS9)。
【0046】
中継ノードリストは下りの中継先ノードの番号を示すテーブルで、図7に示すように構
成されている。中継ノードリストは後述する下りデータパケット中継時の中継先ノードリ
ストとして活用される。中継ノードリストに含まれる各中継先ノードIDはある一定期間
が経過した後に忘却(消去)する場合がある。例えば、セル内に新たな中継ノードが追加
された場合や既設のノードが移動した場合、セル内に新たな建築物が建てられた場合等に
おいては、中継経路の再構築が必要であり、これに対処するために中継ノードリストに含
まれる各中継先ノードIDはある一定期間が経過した後に意図的に忘却させることもある

【0047】
中継ノード104〜106は当該ノードIDが自ノードIDと一致しないと判定すると
、その際に測定された伝搬損失を当該経路設定パケットを放出したノードと自ノードとの
間の伝搬損失Ln(nは当該経路設定パケットの送信元ノードの固有な番号)とする(図
3ステップS2)。伝搬損失の測定は一般的にパケットを受信した際にその内容とは無関
係に行われ、パケットの受信電力等が活用される。この伝搬損失の測定を容易にするため
、経路設定パケットの送信電力は固定とする場合がある。nはノード番号を表しており、
図2に示すように、経路設定パケットに含まれている送信元ノードIDによってノード番
号nは設定される。
【0048】
中継ノード104〜106は受信した経路設定パケットに含まれているメトリックMr
,nを読取る(図3ステップS3)。ここで、メトリックMr,nは設定された経路にお
ける伝搬損失の合計を表し、その設定された経路とは受信した経路設定パケットの送信元
ノードからコアノードに至る経路を指している。
【0049】
中継ノード104〜106はステップS2において測定した伝搬損失Ln並びにメトリ
ックMr,nから更新メトリックMnを設定する。ここで、更新メトリックMnは伝搬損
失LnとメトリックMr,nとの和で与えられる。中継ノード104〜106は上記の処
理で計算した更新メトリックMnを保存する(図3ステップS4)。但し、保存された更
新メトリックのうち、ある期間を超過した更新メトリックは忘却(消去)する場合がある
。例えば、セル内に新たな中継ノードが追加された場合や既設のノードが移動した場合、
セル内に新たな建築物が建てられた場合等においては、中継経路の再構築が必要であり、
これに対処するために中継ノードリストに含まれる各中継先ノードIDはある一定期間が
経過した後に意図的に忘却させることもある。
【0050】
また、保存されたメトリックは常に最新のものとする。すなわち、経路設定パケットの
送信元であるノードnに対する更新メトリックが過去に保存されている場合、ステップS
4において求められる新たな更新メトリックによって、その過去のメトリックが書換えら
れる。
【0051】
中継ノード104〜106は当該更新メトリックMnと過去に受信した経路設定パケッ
トに対応する更新メトリックとを比較し、今回新たに得られた更新メトリックMnが最小
でなければ(図3ステップS5)、ステップS1へ戻って新たな経路設定パケットの送信
を行わない。
【0052】
中継ノード104〜106は今回新たに得られた更新メトリックMnが最小であるなら
ば(図3ステップS5)、メトリックA04に入れる送信メトリックMに更新メトリック
Mnを設定し、かつ現在到着した経路設定パケットの送信元ノードIDが示すノードを上
り回線の中継先ノードとして登録する(図3ステップS6)。このように、上りの中継先
ノードは各ノードで1つだけである。
【0053】
中継ノード104〜106は上記の設定した送信メトリックMをメトリックとして設定
し、その他の図2に示す各項目に必要な情報を含ませて経路設定パケットを送信する(図
3ステップS7)。
【0054】
尚、各中継ノード104〜106では経路設定パケットの受信の際に、正確さを期すた
めに、受信応答信号を返送するようにしてもよい。経路設定パケットは不特定のノードへ
向けた制御パケットであるがゆえに、各中継ノード104〜106が経路設定パケットを
送信した後には複数のノードから受信応答信号を受ける場合がある。中継ノード104〜
106が経路設定パケットを送信の後に、全く受信応答信号の返答を受けなかった場合に
は当該経路設定パケットの再送を行う。
【0055】
一方、コアノード103は経路設定パケットが到着したかどうかを調べ(図4ステップ
S11)、経路設定パケットが到着していなければ、再びステップS11に戻る。コアノ
ード103でも経路設定パケットの到着の検出にキャリアセンス等を用いる。コアノード
103は経路設定パケットの到着を検出すると、当該経路設定パケットに含まれる上り中
継先ノードIDを参照し、当該上り中継先ノードIDが自ノードIDと一致するかどうか
を判定する(図4ステップS12)。
【0056】
コアノード103は当該ノードIDが自ノードIDと一致すると、当該経路設定パケッ
トを放出したノードのID、すなわち当該経路設定パケットに含まれる送信元ノードID
が示すノードを中継ノードリストに記録する(図4ステップS13)。この中継ノードリ
ストは中継ノード104〜106が持つものと同じ機能を有している。つまり、中継ノー
ドリストは下りの中継先ノードの番号を示すテーブルで、当該リストに含まれる各中継先
ノードIDはある一定期間が経過した後に忘却(消去)される可能性がある。以上の処理
によって、経路が設定される。
【0057】
次に、データパケットの中継伝送について説明する。図5は上りデータパケットの構造
の一例を示す図である。図5において、上りデータパケットは中継先ノードIDB02と
、中継元ノードIDB03と、送信元端末IDB04と、データB05と、その他B01
とをそれぞれ伝送するためのフィールドからなる。
【0058】
中継元ノードIDB03には上りデータパケットを送信した中継ノードのIDが設定さ
れる。端末が新たな上りデータパケットを送信する場合には、中継元ノードIDB03に
はノードID以外の新たな上りデータパケットである状態を意味する特別な情報を伝送す
る。
【0059】
その他B01は復調のためのパイロット信号や上下回線を識別する識別信号、並びにデ
ータパケットのID番号等の制御情報が含まれる。尚、図5に示す各構成要素の順序は異
なる場合もある。
【0060】
図6は上り回線のデータパケットの伝送処理の一例を示すフローチャートである。これ
ら図5及び図6を参照して、本発明の一実施例における上下回線のデータパケットの中継
伝送方法について説明する。まず、本発明の一実施例における各基地局で実行される上り
回線の中継伝送方法の一例について説明する。
【0061】
上りデータパケットは中継ノード104〜106を経由してコアノード103へと伝送
される。中継ノード104〜106は上りデータパケットの到着を検出する(図6ステッ
プS21)。ここで、データパケットの検出にはキャリアセンス等を用い、上り回線であ
るか否かの判定は、図5に示す上りデータパケットに含まれる制御情報によって行う。
【0062】
また、複数のノードが同一の端末からのデータパケットを中継する際に、1つのノード
に同一内容を有するデータパケットが複数の送信元ノードから受信される場合があり、こ
の場合には最も受信品質の高い上りデータパケットのみを選択するか、合成受信するか等
の方法を用いてデータパケットのデータ部分の復調を行う。
【0063】
中継ノード104〜106は上りデータパケットの到着を検出しなければ、再びステッ
プS11を実行する。また、中継ノード104〜106は上りデータパケットの到着を検
出すると、到着した上りデータパケットが中継途中のデータパケットなのか、あるいは端
末局107から新たに発せられたデータパケットであるのかの判定を行う(図6ステップ
S22)。
【0064】
ここで、中継ノード104〜106は中継途中のデータパケットであるか否かの判定を
行う際に当該上りデータパケットに含まれる中継元ノードIDB03を調べる。例えば、
中継元ノードIDB03が端末独自のIDを示している場合、それは新たな上りデータパ
ケットであると判定する。
【0065】
中継ノード104〜106は中継途中(新たな上りデータパケット以外)のデータパケ
ットであると判定すると、当該データパケットに含まれている中継先ノードIDB02を
調べ、自ノードのIDを示していなければ(図6ステップS23)、ステップS21へ戻
る。
【0066】
中継ノード104〜106は自ノードのIDを示していれば(図6ステップS23)、
中継元ノードIDB03を中継ノードリストに記録する(図6ステップS24)。中継ノ
ードリストの一例を図7に示す。
【0067】
中継ノードリストは後述する下りデータパケット中継時の中継先ノードリストとして活
用される。中継ノードリストに含まれる各中継先ノードIDB02はある一定期間が経過
した後に忘却する場合がある。中継ノードから上りデータパケットを受信しないノードに
おいては中継ノードリストは空となる。
【0068】
中継ノード104〜106は中継元ノードIDB03を中継ノードリストに記録した後
、データパケットの中継伝送を上述した中継経路設定処理において設定された上り中継先
ノードに向けて中継伝送し(図6ステップS25)、中継伝送の後、ステップS21へ戻
る。
【0069】
上りのデータパケットを伝送する際には、当該データパケットが中継ノードもしくは中
継先ノードにおいて一定の受信電力、もしくは一定の受信品質となるように当該データパ
ケットの送信電力を制御する場合がある。
【0070】
また、中継ノード104〜106はステップS22において、到着した上りデータパケ
ットが中継途中ではなく、新たに端末局107から発せられたと判定すると(図6ステッ
プS22)、中継先ノードに向けて当該データパケットの伝送を行う(図6ステップS2
5)。尚、図6中に示す上りデータパケット伝送時の中継ノードリストへの記録行為は上
述した中継経路設定パケット伝送時にも設定が行われるので、処理負荷を軽減させるため
等の理由によって、上りデータパケット伝送時には実施しない場合もある。
【0071】
コアノードにおける上りデータパケットの中継伝送は、図6に示す中継ノードにおける
方法とステップS25のみが異なる。コアノードでは上りデータパケットを、中継先ノー
ドに向けて中継伝送する代わりに、有線基幹網に向けて送信する。
【0072】
図8は下りデータパケットのデータ構造を示す図である。図8において、下りデータパ
ケットは中継先ノードIDC02と、中継元ノードIDC03と、送信先端末IDC04
と、データC05と、その他C01とをそれぞれ伝送するフィールドからなる。
【0073】
中継元ノードIDC03には下りデータパケットを送出したコアノード103もしくは
中継ノード104〜106のIDが設定される。複数の中継先ノードがある場合には、中
継先ノードIDC02も複数個用意される。また、中継先ノードIDC02は個別のノー
ドIDを示すばかりでなく、中継ノードリストに含まれる全てのノードを示す専用のID
も設定可能である。その他C01は復調のためのパイロット信号や上下回線の識別信号、
並びにパケットID番号等の制御情報が含まれる。尚、図8に示す各構成要素の順序は異
なる場合もある。
【0074】
図9は本発明の一実施例における下りデータパケット中継伝送処理の一例を示すフロー
チャートである。これら図8及び図9を用いて本発明の一実施例における下りデータパケ
ット中継伝送処理の一例について説明する。尚、図9に示す処理は各中継ノード104〜
106において実施される。
【0075】
中継ノード104〜106は下りデータパケットの到着を監視し、下りデータパケット
が新たに到着しなければ(図9ステップS31)、ステップS31へ戻る。下りデータパ
ケットの到着の検出はキャリアセンス等によって実施される。
【0076】
中継ノード104〜106は下りデータパケットが新たに到着すれば(図9ステップS
31)、下りデータパケットに含まれる中継先ノードIDを読取り、当該中継先ノードI
Dが自ノードのIDと一致しなければ(図9ステップS32)、ステップS31へ戻り、
当該受信データパケットの中継伝送を行わない。
【0077】
中継ノード104〜106は当該中継先ノードIDが自ノードのIDと一致すれば(図
9ステップS32)、上述した上りデータパケットの中継伝送時に作成した中継ノードリ
ストを参照し、当該中継ノードリストに含まれている一部もしくは全てのノードを選び出
し、データパケットの中継先のノードとして設定する(図9ステップS33)。
【0078】
全てのノードを設定する場合にはそれ専用の特別な識別番号を送信先端末IDC04と
して設定する。中継ノード104〜106は中継先ノードの設定の後、データパケットの
中継伝送を行う(図9ステップS34)。
【0079】
下りのデータパケットを伝送する際には、当該データパケットが中継先ノードもしくは
端末局において一定の受信電力、もしくは一定の受信品質となるように当該データパケッ
トの送信電力を制御する場合がある。
【0080】
コアノードにおける下りデータパケットの中継伝送は、図9に示す中継ノードにおける
方法と同一である。
【0081】
図10は本発明の一実施例における端末局107の受信動作の一例を示すフローチャー
トである。この図10を参照して本発明の一実施例における端末局107の受信動作の一
例について説明する。
【0082】
端末局107は下りデータパケットの到着の検出をキャリアセンス等によって行い、デ
ータパケットの到着を検出しなければ(図10ステップS41)、ステップS41へ戻る
。端末局107はデータパケットの到着を検出すれば(図10ステップS41)、図8に
示す下りデータパケットに含まれる送信先端末IDを読取り、当該送信先端末IDが自端
末のIDと一致しなければ(図10ステップS42)、ステップS41へ戻る。
【0083】
端末局107は当該送信先端末IDが自端末のIDと一致すれば(図10ステップS4
2)、当該データパケットに含まれるデータの受信処理を行い(図10ステップS43)
、ステップS41へ戻る。
【0084】
図11及び図12は本発明の一実施例による中継経路設定によって設定された中継経路
の一例を示す図である。図11はコアノードが1の場合に本発明の一実施例による中継経
路設定方法によって得られた中継経路の一例を示す図である。図11において、太点20
1はコアノードを、202,204,205等の細点は中継ノードを示しており、203
は中継経路を示している。202では下りの中継先が存在せず、当該中継ノードの中継ノ
ードリストは空の状態となる。
【0085】
図12は本発明の一実施例による中継経路設定方法と最小ホップ数中継方法とを行った
場合の中継経路の様子を模式的に示す図である。図12において、301は有線基幹網を
、302,303,304はコアノードが守備するセルを、309及び符号を付していな
い楕円形状はコアノード以外が守備するセルを表している。310,311,312はコ
アノードと有線基幹網301とを結ぶ有線回線を表す。
【0086】
本発明の一実施例による中継経路設定方法によって得られる中継経路の一例を、無線中
継回線として307,305、306に示す。また、比較のため、最小ホップ数中継、す
なわち最小数の中継ノードでの中継が行われた場合の無線中継回線の一例を308に示し
ている。
【0087】
本発明の一実施例による中継経路設定方法を用いると、中継経路全体で最小の伝搬損失
となる経路を選定することが可能となり、セルラーシステムで問題となる干渉に対して頑
強な中継経路を設定することが可能となる。
【0088】
一方、図12に示す最小ホップ数伝送の場合、中継局数は本発明の一実施例による経路
設定方法に比べて少ないが、しかしながら、中継経路全体でみた場合の合計伝搬損失が本
発明の一実施例のそれに比較して高くなるため、無線中継経路全体の信頼性は低い。本発
明の一実施例による中継伝送方法では信頼性の高い無線中継伝送経路を確保することが可
能となり、最小ホップ数伝送に比較して高いスループットの達成が可能となる。
【0089】
下り回線においては上りのパケット中継の際に形成した中継元ノード及び中継先ノード
の関係を活用し、上りで中継元ノードであったノードを中継先ノードとして選定する。
【0090】
メトリックとして伝搬損失を用いることで、トラフィックによって大きさが左右される
干渉電力に依存しない安定した中継経路を確保することが可能となる。また、周波数帯が
異なっても一般的に伝搬損失の差は小さいと考えられるため、上下回線で異なる周波数帯
を用いても適切な中継経路を得ることが可能となる。
【0091】
コアノードだけを基幹網と有線で接続すれば、他のノード群と基幹網との接続が自動的
に無線によって確保されるため、有線回線の敷布コストを削減することができる。また、
無線によってノード群が結合されるため、容易にサービスエリアの拡大が可能となる。さ
らに、各ノードが有線で縛られないために、ノード再配置が容易であるという特徴を有す
る。
【0092】
同一コアノード配下のノード間を端末が移動する際には、有線基幹網内に設置された移
動制御局等の指示を仰ぐ必要がないために、高速なハンドオーバが可能となる。
【0093】
図11に示す例から明らかなように、端末が放出した上りデータパケットが複数のノー
ドで受信されると、複数の中継経路を経由して同一の上りデータパケットが中継伝送され
ることになる。図11に示す例から、当該上りデータパケット中継においては、中継途中
のあるノードにおいて必ず中継経路が合流するため、当該ノードにおいてデータパケット
受信時に良好な品質を有するものを選択するか、もしくは同一上りデータパケットを合成
して復調することによって、ダイバーシチの効果を得ることが可能となる。
【0094】
本発明の一実施例が前提とするセルラーシステムでは、中継経路の上り回線の終点ノー
ド並びに下り回線の始点ノードはともにコアノードとなるため、中継ノードが終点ノード
や始点ノードとなる場合があるアドホックネットワーク等での経路設定に比べて、中継ノ
ードリストに要するメモリ量や経路設定法そのものの複雑さを軽減することができる。
【0095】
図13は本発明の他の実施例における各中継ノードで実行される中継経路設定処理の一
例を示すフローチャートである。本発明の他の実施例は図1に示す本発明の一実施例によ
るセルラーシステムと同様の構成となっており、その動作に使用する経路設定パケットの
構造も図2に示す本発明の一実施例による経路設定パケットの構造と同様となっている。
これら図1と図2と図13とを参照して本発明の他の実施例におけるメトリックA04の
更新方法並びに当該量による中継先ノード選定手順について説明する。
【0096】
経路設定パケットの放出はコアノード103によって行われ、コアノード103より放
出された中継経路設定パケットは、後述する方法によって不特定の中継ノード104〜1
06へと中継される。
【0097】
コアノード103によって放出された経路設定パケットに含まれるメトリックは0に設
定する。経路設定パケットの放出間隔は定期的とする場合、ランダムな間隔とする場合、
有線基幹網101上のサーバから指示を受けた場合等とする。
【0098】
まず、中継ノード104〜106は経路設定パケットが到着したかどうかを調べ(図1
3ステップS51)、経路設定パケットが到着していなければ、再びステップS51に戻
る。
【0099】
中継ノード104〜106では経路設定パケットの到着の検出にキャリアセンス等を用
いる。中継ノード104〜106は経路設定パケットの到着を検出すると(図13ステッ
プS51)、当該経路設定パケットに含まれる上り中継先ノードIDを参照し、当該上り
中継先ノードIDが自ノードIDと一致するかどうかを判定する(図13ステップS60
)。
【0100】
中継ノード104〜106は当該ノードIDが自ノードIDと一致すると、当該経路設
定パケットを放出したノードのID、すなわち当該経路設定パケットに含まれる送信元ノ
ードIDが示すノードを中継ノードリストに記録する(図13ステップS61)。
【0101】
中継ノードリストは下りの中継先ノードの番号を示すテーブルで、図7に示すように構
成されている。中継ノードリストは後述する下りデータパケット中継時の中継先ノードリ
ストとして活用される。中継ノードリストに含まれる各中継先ノードIDはある一定期間
が経過した後に忘却(消去)する場合がある。例えば、セル内に新たな中継ノードが追加
された場合や既設のノードが移動した場合、セル内に新たな建築物が建てられた場合等に
おいては、中継経路の再構築が必要であり、これに対処するために中継ノードリストに含
まれる各中継先ノードIDはある一定期間が経過した後に意図的に忘却させることもある

【0102】
中継ノード104〜106は当該ノードIDが自ノードIDと一致しないと判定すると
、次のステップへ進むと同時に、その際に測定された伝搬損失を当該経路設定パケットを
放出したノードと自ノードとの間の伝搬損失Ln(nは当該経路設定パケットの送信元ノ
ードの固有な番号)とする(図13ステップS52)。伝搬損失の測定は一般的にパケッ
トを受信した際にその内容とは無関係に行われ、パケットの受信電力等が活用される。こ
の伝搬損失の測定を容易にするため、経路設定パケットの送信電力は固定とする場合があ
る。nはノード番号を表しており、図2に示すように、経路設定パケットに含まれている
送信元ノードIDによってノード番号nは設定される。
【0103】
中継ノード104〜106は受信した経路設定パケットに含まれているメトリックMr
,nを読取る(図13ステップS53)。ここで、メトリックMr,nは設定された経路
における伝搬損失の合計を表し、その設定された経路とは受信した経路設定パケットの送
信元ノードからコアノードに至る経路を指している。
【0104】
中継ノード104〜106はステップS2において測定した伝搬損失Ln並びにメトリ
ックMr,nから更新メトリックMnを設定する。ここで、更新メトリックMnは伝搬損
失LnとメトリックMr,nとの和で与えられる。中継ノード104〜106は上記の処
理で計算した更新メトリックMnを保存する(図13ステップS54)。
【0105】
更新メトリックMnを設定した後、今回受信した経路設定パケットに含まれる送信元ノ
ードIDが現在の上り中継先ノードIDと一致すれば(図13ステップS55)、保存し
ている更新メトリックをすべて忘却した後(図13ステップS56)、メトリックA04
に入れる送信メトリックMを更新メトリックMnに設定し、かつ現在到着した経路設定パ
ケットの送信元ノードIDが示すノードを上り回線の中継先ノードとして登録する(図1
3ステップS58)。このように、上りの中継先ノードは各ノードで1つだけである。
【0106】
中継ノード104〜106は上記の設定した送信メトリックMをメトリックとして設定
し、その他の図2に示す各項目に必要な情報を含ませて経路設定パケットを送信する(図
13ステップS59)。
【0107】
また、今回受信した経路設定パケットに含まれる送信元ノードIDが現在の上り中継先
ノードIDと一致しなければ(図13ステップS55)、過去に受信した経路設定パケッ
トに対応する更新メトリックと今回新たに得られた更新メトリックMnとを比較する(図
13ステップS57)。
【0108】
当該更新メトリックMnが最小であるならば、メトリックA04に入れる送信メトリッ
クMを更新メトリックMnに設定し、かつ現在到着した経路設定パケットの送信元ノード
IDが示すノードを上り回線の中継先ノードとして登録する(図13ステップS58)。
このように、上りの中継先ノードは各ノードで1つだけである。
【0109】
中継ノード104〜106は上記の設定した送信メトリックMをメトリックとして設定
し、その他の図2に示す各項目に必要な情報を含ませて経路設定パケットを送信する(図
13ステップS59)。尚、上記の更新メトリックMnが最小でなければ、ステップS5
1へ戻る。
【0110】
各ノードにおいて保存された更新メトリック並びに中継ノードリストに含まれる中継先
ノードIDを忘却することによって、ノード間伝搬損失の変動もしくは中継ノードの追加
・削除等によって中経経路の変更が必要となった場合にも、中継経路の再構築が可能とな
る。
【0111】
また、中継ノードにおいて、現在の上り中継先ノードから放出された経路設定パケット
を受信した場合については、保存している過去に受信した経路設定パケットに対応する更
新メトリックをすべて忘却し、当該経路設定パケットに含まれるメトリックから計算され
た新たな更新メトリックを新たなメトリックとして経路設定パケットを放出して経路設定
の更新を促すことで、現在の中継経路の伝搬損失が変更した場合にも対応することが可能
となる。
【0112】
本発明の他の実施例が前提とするセルラーシステムでは、中継ノードがインフラとして
固定的に配備されるため、移動する端末が中継局を兼務するアドホックネットワークに比
べて、より安定した通信を行うことができる。また、本発明では中継経路の上り回線の終
点ノード並びに下り回線の始点ノードはともにコアノードとなるため、中継ノードが終点
ノードや始点ノードとなる場合があるアドホックネットワーク等での経路設定に比べて、
中継ノードリストに要するメモリ量や経路設定法そのものの複雑さを軽減することができ
る。
【0113】
上りデータパケットもしくは下りデータパケットの送信電力を制御することによって周
辺ノード、周辺端末局へ与える干渉を抑制することが可能となり、その結果、システム全
体の回線容量を向上させることが可能となる。
【0114】
本発明の無線ネットワークでは、コアノードと中継ノードとの間、あるいは中継ノード
間同士で行われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、コアノードと端末局との間、あ
るいは中継ノードと端末局との間で行われるアクセス伝送で使用される無線周波数帯とは
同一であってもよいし、異なっていてもよい。半固定的に配置されるコアノードや中継ノ
ード間の伝送には比較的、周波数資源に余裕があり、直進性の高い、例えば準ミリ波やミ
リ波帯等を使用し、移動する端末局とコアノードとの間や中継ノード間の伝送にはマイク
ロ波帯等の周波数帯を使用し、大容量の中継伝送を可能としつつ、見通し外通信可能なア
クセス伝送を提供することができる。
【0115】
これまで述べてきた実施例では、中継伝送及びアクセス伝送に電波を用いて通信するこ
とを前提としているが、電波の代わりに赤外線や光等を用いて通信することも可能である

【0116】
図14は本発明の一実施例及び他の実施例で用いられるノードの構成を示すブロック図
である。図14において、このノードには指向性アンテナ11〜1nが具備されている。
指向性アンテナ11〜1nは信号線21〜2nを通してアンテナ制御器1に接続され、ア
ンテナ制御器1によってそれぞれ指向方向の制御が可能となっている。信号線21〜2n
では送受信信号の伝達並びにアンテナ方向を指示する制御信号等の伝達が行われる。
【0117】
アンテナ制御器1は信号線30を介してトランシーバ2に接続され、信号線30上では
データ信号や制御信号の伝達が行われる。アンテナ制御器1は送受信アンテナの選択制御
あるいは合成制御等の処理を行い、トランシーバ2では受信したデータ信号の復調、送信
信号の変調等を統括して処理する。
【0118】
図14に示す構成では、一つのトランシーバ2に対して複数のアンテナを選択・使用す
るが、各アンテナに独立したトランシーバを使用することによって同時に複数の伝送を行
うことも可能である。また、複数の指向性アンテナ11〜1nを用いる代わりに、アレイ
アンテナ構成とし、各アンテナのウェイトを可変することによって等価的に指向性アンテ
ナを構成することも可能である。
【0119】
このように、指向性アンテナ11〜1nを使用することによって、中継伝送にミリ波等
の高周波数を用いる場合に大きい距離減衰を補完することができるので、大きな利得を得
ることができる。
【0120】
本発明は上述したような周囲のノードからのメトリックを基に適応的に経路を設定する
ネットワークであるので、経路として選択されたノードに対して指向性アンテナ11〜1
nの放射方向をあわせることによって、経路として選択されたノードに対して大きな利得
が得られるとともに、経路以外の近隣のノードへの干渉を低減することが可能となる。ま
た、経路設定パケットに関しては、近隣のノードに広く報知するために、無指向性アンテ
ナを使用することができる。
【0121】
図15は本発明の一実施例及び他の実施例で用いられる中継ノードの構成を示すブロッ
ク図である。図15においては、アクセス伝送と中継伝送とに異なる無線周波数帯を用い
る場合の中継ノード3の構成を示している。この場合、中継ノード3にはアクセス伝送用
と中継伝送用とにそれぞれ異なるアクセス伝送用アンテナ32及び中継用アンテナ31と
、アクセス用無線システム33及び中継用無線システム34とを設けている。
【0122】
アクセス用無線システム33及び中継用無線システム34には変復調器や符号・復号化
装置等が含まれており、アクセス用無線システム33と中継用無線システム34との間で
は信号のやりとりが可能である。中継用無線システム34は経路設定部36において上述
した本発明の一実施例及び本発明の他の実施例のいずれかの方法で設定された経路に基づ
いて中継伝送を行う。尚、経路設定部36においては記録媒体37に記録されたプログラ
ムを基に本発明の一実施例及び本発明の他の実施例のいずれかの方法で経路を設定する。
【0123】
まず、端末局から有線基幹網へ向けた上りトラヒックが伝送される様子について説明す
る。自ノードのセル内で発生した端末局からの上りトラヒックは、まずアクセス伝送用ア
ンテナ32で受信され、アクセス用無線システム33で処理された後、中継用無線システ
ム34に入力される。中継用無線システム34は上りトラヒックを上り中継先ノードに向
けて、アンテナ制御器35、中継用アンテナ31を用いて送信する。
【0124】
次に、他の中継ノードのセルで発生した端末局からのパケットを中継する場合の動作に
ついて説明する。すなわち、以下の説明はパケットを発生した端末局が所属する中継ノー
ドにおけるコアノードまでの経路の中に含まれる中継ノードの動作を示す。端末局からの
パケットを中継する場合、はじめに中継用アンテナ31にて上りデータパケットを受信す
る。受信された信号は中継用無線システム34に入力され、図6に示す動作が行われる。
パケットを中継することが決定されると、中継用無線システム34は上りトラヒックを上
り中継先ノードに向けて、アンテナ制御器35、中継用アンテナ31を用いて送信する。
【0125】
続いて、有線基幹網から端末局へ向けた下りトラヒックが伝送される様子について説明
する。下りトラヒックは、まず中継用アンテナ31で受信され、アンテナ制御器35を通
じて中継用無線システム34に入力される。中継用無線システム34は受信した下りトラ
ヒックが自ノードのセル内の端末局を宛先としていれば、アクセス用無線システム33に
入力し、そうでなければ、宛先から下り中継先ノードを判断し、アンテナ制御器35、中
継用アンテナ31を通して送信する。アクセス用無線システム33は下りトラヒックが入
力されると、アクセス伝送用アンテナ32を通じて端末局に対して送信する。
【0126】
図16は本発明の一実施例及び他の実施例で用いられるコアノードの構成を示すブロッ
ク図である。図16においてはアクセス伝送と中継伝送とに異なる無線周波数帯を用いる
場合のコアノード4の構成を示している。コアノード4は上記の中継ノード3と同様の構
成となっているが、有線基幹網40に有線で接続されている点で異なる。コアノード4内
の信号分配機46が有線基幹網40、アクセス用無線システム43、中継用無線システム
44にそれぞれ接続されている。
【0127】
中継用無線システム44は経路設定部48において上述した本発明の一実施例及び本発
明の他の実施例のいずれかの方法で設定された経路に基づいて中継伝送を行う。尚、経路
設定部48においては記録媒体49に記録されたプログラムを基に本発明の一実施例及び
本発明の他の実施例のいずれかの方法で経路を設定する。
【0128】
まず、端末局から有線基幹網40へ向けた上りトラヒックが伝送される様子について説
明する。セル内で発生した端末局からの上りトラヒックは、まずアクセス伝送用アンテナ
42で受信され、アクセス用無線システム43で処理された後、信号分配機46に入力さ
れる。信号分配機46は入力された上りトラヒックは有線基幹網40に送信する。
【0129】
次に、他の中継ノードのセルで発生した端末局からのパケットを中継する場合の動作に
ついて説明する。すなわち、以下の説明はパケットを発生した端末局が所属する中継ノー
ドからパケットが中継されてコアノードに至った場合の動作を示す。端末局からのパケッ
トを中継する場合、はじめに中継用アンテナ41にて上りデータパケットを受信する。受
信された信号は中継用無線システム44に入力され、上りパケットであることが確認され
ると、信号分配機46を通じて有線基幹網40に送信される。
【0130】
続いて、有線基幹網40から端末局へ向けた下りトラヒックが伝送される様子について
説明する。下りトラヒックは、まず有線基幹網40から信号分配機46に入力される。信
号分配機46は入力された下りトラヒックの宛先を判断し、自ノードのセル内の端末局を
宛先としていれば、アクセス用無線システム43に入力し、そうでなければ、中継用無線
システム44に入力する。下りトラヒックがアクセス用無線システム43に入力された場
合、アクセス伝送用アンテナ42を通じて端末局に対して送信する。
【0131】
本発明の一実施例ではメトリックである伝搬損失を更新する際、常に経路設定パケット
に含まれるメトリックMr,nに、測定した当該経路設定パケットを放出したノードと自
ノードとの間の伝搬損失Lnを加算し、新たな更新メトリックとしているが、受信したメ
トリックと測定した伝搬損失とにそれぞれ0〜1の値を持つ重み係数を乗算して更新メト
リックを生成することも可能である。すなわち、重み係数をαとして、新たな更新メトリ
ックを(Mr,n)×α+Ln×(1−α)とすることができる。αの値を0.5とすれ
ば、重みを付けない場合と等価であり、システム全体での送信電力を低減させる効果があ
る。αの値を0とすれば、コアノードからの伝搬損失の合計ではなく、直近のノードとの
間の伝搬損失のみを考慮することになり、各ノードにおける送信電力を低減させる効果が
ある。このように、メトリック更新の際に重み付けを行うことによって、経路の持つ特徴
を柔軟に変更することが可能である。
【0132】
また、本発明の一実施例ではメトリックとして伝搬損失のみを用いて説明しているが、
2種類のメトリックを使用することも可能である。すなわち、第一のメトリック、第二の
メトリックの2つを用意し、第一のメトリックが同一である場合、第二のメトリックで判
断することが可能である。例えば、第一のメトリックをホップ数の合計、第二のメトリッ
クを伝搬損失の合計として、第一のメトリックのホップ数が同一で最小であった場合、第
二のメトリックである伝搬損失が小さい方を上流経路として採用し、新たな経路設定パケ
ットを送信するとともに、上り中継先ノードを設定する。
【0133】
これによって、より詳細な経路設定が可能となり、ホップ数の増加によって発生する遅
延の増加を抑えつつ、伝搬損失の小さい経路を選択することによって干渉を抑制すること
が可能となる。
【0134】
このように、メトリックを2種類用いることによって、生成される経路の特徴を詳細に
規定することができ、設計者が期待するネットワークに近づけることが可能となる。
【0135】
また、2種類のメトリックを用いる場合、同じメトリックとして判断する際に、判断基
準に幅を持たせ、規定した範囲内に含まれるメトリックを同一のメトリックと判断するこ
とが可能である。すなわち、同程度と考えられる第一のメトリックを同一であるとみなし
、第二のメトリックに判断をゆだねることができる。例えば、第一のメトリックを伝搬損
失の合計、第二のメトリックをホップ数の合計として、伝搬損失を10dBずつの基準(
0〜10dB,10〜20dB,・・・)に分ける場合を以下に示す。
【0136】
第一のメトリックと第二のメトリックがそれぞれ、(81dB,3ホップ)=経路A、
(85dB,2ホップ)=経路B、(103dB,2ホップ)=経路Cという3つの経路
が存在したとする。この時、まず第一のメトリックを比較するが、経路Aと経路Bとでは
伝搬損失の大きさ自体は異なるものの、10dB単位の基準でみた時に同じ80〜90d
Bの基準値内に入るので、第一のメトリックは同一であるとみなす。経路Cは10dB単
位でみたとしても、経路A,Bより大きくなるので、選択されない。第一のメトリックが
同一であると判断された経路A,Bは第二のメトリックを比較し、経路Bのほうが小さい
ので、経路としては経路Bが選択される。
【0137】
このように、2種類のメトリックを用いる場合に、メトリックの大小を判断する際に幅
を持たせることによって、2つのメトリックを適度に使用することができ、より適切な経
路の生成が可能となる。
【0138】
上記のメトリックに重み係数を乗算する方法と2種類のメトリックを用いる方法とを組
合せると、例えば以下のような動作が考えられる。2種類のメトリックのうち、第一のメ
トリックをホップ数、第二のメトリックを上述した伝搬損失を基準として、メトリック更
新の際、第一のメトリックであるホップ数に関する重み係数α=0.5として、メトリッ
クの更新時には常に0.5(ホップ数は常に1増加するので、1×0.5=0.5を用い
る)を加算し、第二のメトリックである伝搬損失に関する重み係数β=0として、測定し
た伝搬損失そのものを更新メトリックとして用いる。
【0139】
すなわち、中継経路設定処理を示す図3あるいは図13において、ステップS3または
ステップS53にて読込むメトリックMr,nは、第一のメトリックであるコアノードか
らのホップ数の合計と、第二のメトリックである伝搬損失とを示しており、ステップS4
またはステップS54におけるメトリック更新は第一のメトリックと第二のメトリックと
でそれぞれ別個に行われて、更新メトリックMnが得られる。
【0140】
この結果から得られる第一の更新メトリックと、過去に受信した他のノードからの経路
設定パケットに対応する第一の更新メトリックとを比較し、新たに得られた第一の更新メ
トリックが最小、あるいは過去に受信した他のノードからの経路設定パケットに対応する
第一の更新メトリックの最小値と同じで、かつ第二の更新メトリックが該第一の更新メト
リックの最小値を持つ経路に対応する第二の更新メトリックよりも小さい場合、新たに送
信メトリックMを更新メトリックMnに設定し、かつ今回受信した設定パケットの送信元
ノードIDが示すノードを上り回線の中継先ノードとして登録する。
【0141】
すなわち、図3あるいは図13において、ステップS5またはステップS57でのメト
リック最小の判定の際に、上記のように、2種類のメトリックを使用する。図17はこの
動作を示すフローチャートであり、図17に示すステップS71〜S73が図3あるいは
図13におけるステップS5またはステップS47の代わりとなるものである。例えば、
第一のメトリック、第二のメトリックの組が(3ホップ,100dB)=経路A、(3ホ
ップ,91dB)=経路B、(4ホップ,85dB)=経路Cという3つの経路が存在し
たとすると、まず、第一のメトリックであるホップ数が大きい経路Cが除外され、その後
、第二のメトリックを比較して経路Bが選択されることになる。
【0142】
図18は本発明の別の実施例における各中継ノードで実行される中継経路設定処理の一
例を示すフローチャートである。本発明の別の実施例は図1に示す本発明の一実施例によ
るセルラーシステムと同様の構成となっており、その動作に使用する経路設定パケットの
構造も図2に示す本発明の一実施例による経路設定パケットの構造と同様となっている。
これら図1と図2と図18とを参照して本発明の他の実施例におけるメトリックA04の
更新方法並びに当該量による中継先ノード選定手順について説明する。
【0143】
経路設定パケットの放出はコアノード103によって行われ、コアノード103より放
出された中継経路設定パケットは、後述する方法によって不特定の中継ノード104〜1
06へと中継される。
【0144】
コアノード103によって放出された経路設定パケットに含まれるメトリックは0に設
定する。経路設定パケットの放出間隔は定期的とする場合、ランダムな間隔とする場合、
有線基幹網101上のサーバから指示を受けた場合等とする。
【0145】
まず、中継ノード104〜106は経路設定パケットが到着したかどうかを調べ(図1
8ステップS81)、経路設定パケットが到着していなければ、再びステップS81に戻
る。
【0146】
中継ノード104〜106では経路設定パケットの到着の検出にキャリアセンス等を用
いる。中継ノード104〜106は経路設定パケットの到着を検出すると(図18ステッ
プS81)、当該経路設定パケットに含まれる上り中継先ノードIDを参照し、当該上り
中継先ノードIDが自ノードIDと一致するかどうかを判定する(図18ステップS89
)。
【0147】
中継ノード104〜106は当該ノードIDが自ノードIDと一致すると、当該経路設
定パケットを放出したノードのID、すなわち当該経路設定パケットに含まれる送信元ノ
ードIDが示すノードを中継ノードリストに記録する(図18ステップS90)。
【0148】
中継ノードリストは下りの中継先ノードの番号を示すテーブルで、図7に示すように構
成されている。中継ノードリストは後述する下りデータパケット中継時の中継先ノードリ
ストとして活用される。中継ノードリストに含まれる各中継先ノードIDはある一定期間
が経過した後に忘却(消去)する場合がある。例えば、セル内に新たな中継ノードが追加
された場合や既設のノードが移動した場合、セル内に新たな建築物が建てられた場合等に
おいては、中継経路の再構築が必要であり、これに対処するために中継ノードリストに含
まれる各中継先ノードIDはある一定期間が経過した後に意図的に忘却させることもある

【0149】
中継ノード104〜106は当該ノードIDが自ノードIDと一致しないと判定すると
、次のステップへ進むと同時に、その際に測定された伝搬損失を当該経路設定パケットを
放出したノードと自ノードとの間の伝搬損失Ln(nは当該経路設定パケットの送信元ノ
ードの固有な番号)とする(図18ステップS82)。伝搬損失の測定は一般的にパケッ
トを受信した際にその内容とは無関係に行われ、パケットの受信電力等が活用される。こ
の伝搬損失の測定を容易にするため、経路設定パケットの送信電力は固定とする場合があ
る。nはノード番号を表しており、図2に示すように、経路設定パケットに含まれている
送信元ノードIDによってノード番号nは設定される。
【0150】
中継ノード104〜106は受信した経路設定パケットに含まれているメトリックMr
,nを読取る(図18ステップS83)。ここで、メトリックMr,nは伝搬損失の合計
を表している。
【0151】
中継ノード104〜106はステップS82において測定した伝搬損失Ln並びにメト
リックMr,nから更新メトリックMnを設定する。ここで、更新メトリックMnは伝搬
損失LnとメトリックMr,nとの和で与えられる。中継ノード104〜106は上記の
処理で計算した更新メトリックMnを保存する(図18ステップS84)。
【0152】
但し、保存された更新メトリックのうち、ある期間を超過した更新メトリックは忘却(
消去)する場合がある。また、保存されたメトリックは常に最新のものとする。すなわち
、経路設定パケットの送信元であるノードnに対する更新メトリックが過去に保存されて
いる場合、ステップS84において求められる新たな更新メトリックによってその過去の
メトリックを書換える。
【0153】
中継ノード104〜106は当該更新メトリックMnを含む過去に受信した全ての経路
設定パケットに対応する更新メトリックを比較し、最も小さいメトリックである送信元ノ
ードm(mはノードの固有な番号)を決定する(図18ステップS85)。送信元ノード
mが現在の上り中継先ノードと同一でかつn≠mであれば(図18ステップS86)、ス
テップS81へ戻って新たな経路設定パケットの送信を行わない。
【0154】
中継ノード104〜106は最小メトリックである送信元ノードmが現在の上り中継先
ノードと同一でないか、またはn=mであれば(図18ステップS86)、メトリックA
04に入れる送信メトリックMに更新メトリックMnを設定し、かつ送信元ノードmを上
り回線の中継先ノードとして登録する(図18ステップS87)。すなわち、上り回線の
中継先ノードが変わったか、もしくは上り回線の中継先ノードに変更はなくとも、同一の
上り回線の中継先ノードから経路設定パケットを受信した場合には、経路設定パケットを
送信する。
【0155】
中継ノード104〜106は上記の設定した送信メトリックMをメトリックとして設定
し、その他の図2に示す各項目に必要な情報を含ませて経路設定パケットを送信する(図
18ステップS88)。
【0156】
尚、各中継ノード104〜106では経路設定パケットの受信の際に、正確さを期すた
めに、受信応答信号を返送するようにしてもよい。経路設定パケットは不特定のノードへ
向けた制御パケットであるがゆえに、各中継ノード104〜106が経路設定パケットを
送信した後には複数のノードから受信応答信号を受ける場合がある。中継ノード104〜
106が経路設定パケットを送信の後に、全く受信応答信号の返答を受けなかった場合に
は当該経路設定パケットの再送を行う。
【0157】
図18において、ステップS85でのメトリック最小のノード検出の際に、上述したよ
うに、2種類のメトリックを使用することもできる。図19はこの動作を示すフローチャ
ートであり、図19に示すステップS91,S92が図18におけるステップステップS
85の代わりとなるものである。例えば、第一のメトリック、第二のメトリックの組が(
3ホップ,100dB)=経路A、(3ホップ,91dB)=経路B、(4ホップ,85
dB)=経路Cという3つの経路が存在したとすると、まず、第一のメトリックであるホ
ップ数が大きい経路Cが除外され、その後、第二のメトリックを比較して経路Bが選択さ
れることになる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の一実施例によるセルラーシステムを模式的に示す図である。
【図2】経路設定パケットの構造の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例における各中継ノードで実行される中継経路設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例におけるコアノードで実行される経路設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】上りデータパケットの構造の一例を示す図である。
【図6】上り回線のデータパケットの伝送処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】中継ノードリストを示す図である。
【図8】下りデータパケットのデータ構造を示す図である。
【図9】本発明の一実施例における下りデータパケット中継伝送処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施例における端末局の受信動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施例による中継経路設定方法を用いた場合の中継経路の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施例による中継経路設定方法と最小ホップ数中継経路設定方法とを比較するための図である。
【図13】本発明の他の実施例における各中継ノードで実行される中継経路設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施例及び他の実施例で用いられるノードの構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の一実施例及び他の実施例で用いられる中継ノードの構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の一実施例及び他の実施例で用いられるコアノードの構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の一実施例及び他の実施例における中継経路設定処理の一部での他の処理例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の別の実施例における各中継ノードで実行される中継経路設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明の別の実施例における中継経路設定処理の一部での他の処理例を示すフローチャートである。
【図20】従来のセルラーシステムを模式的に表す図である。
【符号の説明】
【0159】
1 アンテナ制御器
2 トランシーバ
3 中継ノード
4 コアノード
11〜1n 指向性アンテナ
31,41 中継用アンテナ
32,42 アクセス伝送用アンテナ
33,43 アクセス用無線システム
34,44 中継用無線システム
35,45 アンテナ制御器
36,48 経路設定部
37,49 記録媒体
40 有線基幹網
46 信号分配機
101,301 有線基幹網
102,310,311,
312 有線回線
103,201 コアノード
104〜106,202,
204,205 中継ノード
107 端末局
108 セル
203 中継経路
302,303,304 コアノードが守備するセル
309 コアノード以外が守備するセル
A02 送信元ノードID
A03 上り中継先ノードID
A04 メトリック
B02,C02 中継先ノードID
B03,C03 中継元ノードID
B04 送信元端末ID
B05,C05 データ
C04 送信先端末ID

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有線網に接続されたコアノードと、前記コアノードから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットのうちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中継ノードのいずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなる無線ネットワークであって、前記コアノードと前記中継ノードとの間及び前記中継ノード間同士のいずれかで行われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、前記コアノードと前記端末局との間及び前記中継ノードと前記端末局との間のいずれかで行われるアクセス伝送で使用される無線周波数帯とが異なり、前記中継伝送で使用される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用される無線周波数帯より高い周波数帯であって、
前記コアノード及び前記中継ノード各々は、複数の指向性アンテナを有し、
前記複数の指向性アンテナ各々は、その放射方向を可変自在とし、
各ノードは、当該ノードの近隣に存在するコアノード及び中継ノードのいずれかの方向へ向けて当該ノードの指向性アンテナの放射方向を制御するようにしたことを特徴とする無線ネットワーク。
【請求項2】
前記コアノード及び前記中継ノードのいずれかは、前記経路設定パケットを送信する際に無指向性アンテナを使用し、データパケットを中継する際に前記指向性アンテナを使用するようにしたことを特徴とする請求項1記載の無線ネットワーク。
【請求項3】
有線網に接続されたコアノードから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットのうちの少なくとも一方を中継し、端末局とデータパケットの送受信が可能な中継ノードであって、
他のノードとの間で行われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、自ノードと前記端末局との間で行われるアクセス伝送で使用される無線周波数帯とが異なり、前記中継伝送で使用される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用される無線周波数帯より高い周波数帯であり、
複数の指向性アンテナを含み、
前記複数の指向性アンテナ各々は、その放射方向を可変自在とし、
自ノードの近隣に存在するノードの方向へ向けて前記指向性アンテナの放射方向を制御するようにしたことを特徴とする中継ノード。
【請求項4】
前記経路設定パケットを送信する際に無指向性アンテナを使用し、データパケットを中継する際に前記指向性アンテナを使用するようにしたことを特徴とする請求項3記載の中継ノード。
【請求項5】
有線網に接続され、自ノードから送信された下りデータパケット及び自ノードへ向けた上りデータパケットのうちの少なくとも一方が中継ノードで中継され、端末局とデータパケットの送受信が可能なコアノードであって、自ノードと前記中継ノードとの間で行われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、自ノードと前記端末局との間で行われるアクセス伝送で使用される無線周波数帯とが異なり、前記中継伝送で使用される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用される無線周波数帯より高い周波数帯であるようにし、
複数の指向性アンテナを含み、前記複数の指向性アンテナ各々は、その放射方向を可変自在とし、自ノードの近隣に存在するノードの方向へ向けて前記指向性アンテナの放射方向を制御するようにしたことを特徴とするコアノード。
【請求項6】
有線網に接続され、自ノードから送信された下りデータパケット及び自ノードへ向けた上りデータパケットのうちの少なくとも一方が中継ノードで中継され、端末局とデータパケットの送受信が可能なコアノードであって、自ノードと前記中継ノードとの間で行われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、自ノードと前記端末局との間で行われるアクセス伝送で使用される無線周波数帯とが異なり、前記中継伝送で使用される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用される無線周波数帯より高い周波数帯であるようにし、
前記経路設定パケットを送信する際に無指向性アンテナを使用し、データパケットを中継する際に前記指向性アンテナを使用するようにしたことを特徴とするコアノード。
【請求項7】
有線網に接続されたコアノードと、前記コアノードから送信された下りデータパケット及び前記コアノードへ向けた上りデータパケットのうちの少なくとも一方を中継する中継ノードと、前記コアノード及び前記中継ノードのいずれともデータパケットの送受信が可能な端末局とからなるシステムの中継伝送方法であって、前記コアノードと前記中継ノードとの間及び前記中継ノード間同士のいずれかで行われる中継伝送で使用される無線周波数帯と、前記コアノードと前記端末局との間及び前記中継ノードと前記端末局との間のいずれかで行われるアクセス伝送で使用される無線周波数帯とが異なり、前記中継伝送で使用される無線周波数帯が前記アクセス伝送で使用される無線周波数帯より高い周波数帯であって、
前記コアノード及び前記中継ノード各々は、複数の指向性アンテナを有し、前記複数の指向性アンテナ各々は、その放射方向を可変自在とし、各ノードは、当該ノードの近隣に存在するコアノード及び中継ノードのいずれかの方向へ向けて当該ノードの指向性アンテナの放射方向を制御するようにしたことを特徴とする中継伝送方法。
【請求項8】
前記コアノード及び前記中継ノードのいずれかは、前記経路設定パケットを送信する際に無指向性アンテナを使用し、データパケットを中継する際に前記指向性アンテナを使用するようにしたことを特徴とする請求項7記載の中継伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−151148(P2007−151148A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351941(P2006−351941)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【分割の表示】特願2004−236256(P2004−236256)の分割
【原出願日】平成13年7月18日(2001.7.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】