説明

無線基地局装置及び制御情報検出方法

【課題】複数の基本周波数ブロックで構成されるシステム帯域で無線通信を行う場合においても、複数の基本周波数ブロックで送信された下り共有データチャネル信号に対するフィードバック制御情報を効率的に検出すること。
【解決手段】上りリンクで受信したACK/NACK信号と、複数の基本周波数ブロックのうち、移動端末装置に割り当てられた特定の基本周波数ブロック又は複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号に対するACK、NACKに対応づけられたACK/NACK候補レプリカとの相関値を検出する検出部(208、210)と、当該検出された相関値と、DTX判定用閾値とに基づいて特定の基本周波数ブロック又は複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号に対するフィードバック制御情報を判定するA/N・DTX判定部211とを具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代移動通信システムにおける無線基地局装置及び制御情報検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいては、周波数利用効率及びピークデータレートの向上などを目的として、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)やHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)を採用することにより、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)をベースとしたシステムの特徴を最大限に引き出すことが行われている。このUMTSネットワークについては、更なる周波数利用効率及びピークデータレートの向上、遅延の低減などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が検討されている(例えば、非特許文献1参照)。LTEではW−CDMAとは異なり、マルチアクセス方式として、下り回線(下りリンク)にOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)をベースとした方式を用い、上り回線(上りリンク)にSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)をベースとした方式を用いている。
【0003】
上りリンクで送信される信号は、図1に示すように、適切な無線リソースにマッピングされて移動端末装置から無線基地局装置に送信される。この場合において、ユーザデータ(UE(User Equipment)#1,UE#2)は、上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)に割り当てられる。また、制御情報は、ユーザデータと同時に送信する場合はPUSCHと時間多重され、制御情報のみを送信する場合は、上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)に割り当てられる。この上りリンクで送信される制御情報には、下りリンクの品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)や下りリンク共有データチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel))の信号に対する再送応答信号(ACK/NACK)などが含まれる。
【0004】
PUCCHにおいては、典型的にはCQIとACK/NACKを送信する場合で異なるサブフレーム構成が採られている(図2(A)、(B)参照)。PUCCHのサブフレーム構成は、1スロット(1/2サブフレーム)に7つのSC−FDMAシンボルを含む。また、1SC−FDMAシンボルは、12個の情報シンボル(サブキャリア)を含む。具体的に、CQIのサブフレーム構成(CQIフォーマット(PUCCHフォーマット2、2a、2b))では、図2(A)に示すように、スロット内の第2シンボル(#2)、第6シンボル(#6)に参照信号(RS:Reference Signal)が多重され、他のシンボル(第1シンボル(#1)、第3シンボル(#3)〜第5シンボル(#5)、第7シンボル(#7))に制御情報(CQI)が多重される。また、ACK/NACKのサブフレーム構成(ACK/NACKフォーマット(PUCCHフォーマット1、1a、1b))では、図2(B)に示すように、スロット内の第3シンボル(#3)〜第5シンボル(#5)に参照信号が多重され、他のシンボル(第1シンボル(#1)、第2シンボル(#2)、第6シンボル(#6)、第7シンボル(#7))に制御情報(ACK/NACK)が多重される。1サブフレームにおいては、前記スロットが2回繰り返されている。また、図1に示すように、PUCCHはシステム帯域の両端の無線リソースに多重され、1サブフレーム内の異なる周波数帯域を有する2スロット間で周波数ホッピング(Inter−slot FH)が適用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP, TR25.912 (V7.1.0), “Feasibility study for Evolved UTRA and UTRAN”, Sept. 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
第3世代のシステム(W−CMDA)は、概して5MHzの固定帯域を用いて、下り回線で最大2Mbps程度の伝送レートを実現できる。一方、LTEのシステムでは、1.4MHz〜20MHzの可変帯域を用いて、下り回線で最大300Mbps及び上り回線で75Mbps程度の伝送レートを実現できる。また、UMTSネットワークにおいては、更なる周波数利用効率及びピークデータレートの向上などを目的として、LTEの後継のシステムも検討されている(例えば、「LTEアドバンスト」又は「LTEエンハンスメント」と呼ぶこともある(以下、「LTE−A」という))。
【0007】
LTE−Aシステムでは、更なる周波数利用効率及びピークスループットなどの向上を目標とし、LTEシステムよりも広帯域な周波数の割当てが検討されている。また、LTE−A(例えば、Rel.10)システムでは、LTEシステムとの後方互換性(Backward compatibility)を持つことが一つの要求条件となっており、LTEシステムが使用可能な帯域幅を有する基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア(CC:Component carrier))を複数有するシステム帯域の構成を採用している。このため、LTE−Aシステムにおいては、複数の下りCCで送信された下り共有データチャネル(PDSCH、以下、適宜「データチャネル」という)に対するフィードバック制御情報を移動端末装置から送信し、無線基地局装置で検出する必要がある。このような複数の下りCCで送信されたデータチャネルに対するフィードバック制御情報の検出においては、無線基地局装置における負荷の軽減の観点から効率的に検出することが要請される。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、複数の基本周波数ブロックで構成されるシステム帯域で無線通信を行う場合においても、複数の基本周波数ブロックで送信された下り共有データチャネル信号に対するフィードバック制御情報を効率的に検出できる無線基地局装置及び制御情報検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の無線基地局装置は、複数の基本周波数ブロックで構成されるシステム帯域で無線通信を行う無線基地局装置であって、上りリンクで受信したACK/NACK信号と、前記複数の基本周波数ブロックのうち、移動端末装置に割り当てられた特定の基本周波数ブロック又は前記複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号を移動端末装置で誤りなく受信した状態を示すACK、誤りを検出した状態を示すNACKに対応づけられたACK/NACK候補レプリカとの相関値を検出する検出部と、前記検出された相関値と、DTX判定用閾値とに基づいて前記特定の基本周波数ブロック又は前記複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号に対するフィードバック制御情報を判定する判定部とを具備することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、上りリンクで受信した受信ACK/NACK信号から、特定の基本周波数ブロック又は複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号に対応づけられたACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてフィードバック制御情報(DTX及びACK/NACK情報)を検出できるので、複数の基本周波数ブロックで構成されるシステム帯域で無線通信を行う場合においても、複数の基本周波数ブロックで送信された下り共有データチャネル信号に対するフィードバック制御情報を効率的に検出することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の基本周波数ブロックで構成されるシステム帯域で無線通信を行う場合においても、複数の基本周波数ブロックで送信された下り共有データチャネル信号に対するフィードバック制御情報を効率的に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】上りリンクの信号をマッピングするチャネル構成を説明するための図である。
【図2】物理上り制御チャネルフォーマットを示す図である。
【図3】LTE(Rel.8)システムにおける再送応答信号のための無線リソースを説明するための模式図である。
【図4】LTE−Aシステムにおける再送応答信号のための無線リソースを説明するための模式図である。
【図5】第2の態様に係る制御情報検出方法の一例を説明するためのフロー図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る移動端末装置及び無線基地局装置を有する移動通信システムの構成を説明するための図である。
【図7】上記実施の形態に係る移動端末装置の概略構成を示す図である。
【図8】上記実施の形態に係る無線基地局装置の概略構成を示す図である。
【図9】上記実施の形態に係る無線基地局装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述したように、下りCCの下り共有データチャネル(PDSCH)の信号に対しては、そのフィードバック制御情報である再送応答信号(ACK/NACK)が上りリンク制御チャネル(PUCCH)で送信される。再送応答信号は、PDSCHが適切に受信されたことを示す肯定応答(ACK:Acknowledgement)又はPDSCHが適切に受信されなかったことを示す否定応答(NACK:Negative Acknowledgement)で表現される。
【0014】
無線基地局装置は、肯定応答(ACK)によりPDSCHの送信成功を、否定応答(NACK)によりPDSCHに誤りが検出されたことを検知できる。また、無線基地局装置は、上りリンクにおいて再送応答信号に割り当てた無線リソースでの受信電力が所定値以下である場合にDTX(Discontinuous Transmission)であると判定できる。DTXは、「ACKもNACKも移動端末装置から通知されなかった」という判定結果であり、これは移動端末装置が下りリンク制御チャネル(PDCCH)を受信できなかったこと、あるいは移動端末装置はACK/NACK信号を送信したが、劣悪な伝搬状況等により無線基地局装置がこれを検出できなかったことを意味する。前者の場合、移動端末装置は、自局宛にPDSCHが送信されたことを検知しないため、結果としてACKもNACKも送信しないことになる。一方、無線基地局装置は、ACKを受信すると次の新規データを送信するが、NACKや、応答がないDTX状態の場合は、送信したデータの再送を行うように再送制御を行なう。
【0015】
LTE(Rel.8)システムにおいて、移動端末装置は、PUCCHのための無線リソースを、上位レイヤからのRRCシグナリングによって設定されたパタメータと、下りリンク制御チャネル(PDCCH)の制御チャネル要素(CCE:Control Channel element)番号(以下、適宜「CCEインデックス」という)から求めることができる(図3参照)。例えば、PUCCHのための無線リソースには、OCC(Orthogonal Cover Code)、CS(Cyclic Shift)やRB(Resource Block)インデックスが含まれる。このように求めたPUCCHの無線リソースに対して、上述したフォーマットに従って制御情報(CQI、ACK/NACK)が多重され、無線基地局装置に送信される。
【0016】
LTE(Rel.8)システムにおいては、無線基地局装置におけるACK/NACK・DTXの検出法として、ACK/NACKとDTXとをそれぞれ独立して検出する分離検出法(以下、「Separate Detection」という)と、ACK/NACKとDTXとを一括的に検出する一括検出法(以下、「Joint Detection」という)とが知られている。
【0017】
Separate Detectionにおいては、まず、参照信号(RS)を用いて受信信号電力を測定し、この受信電力と予め定めたDTX判定用閾値とを比較してDTXを判定する。DTXでない場合には、参照信号(RS)によりチャネル推定を行い、周波数領域等化後に最大尤度検出(MLD:Maximum Likelihood Detection)により送信ACK/NACKを検出する。
【0018】
一方、Joint Detectionにおいては、まず、受信したACK/NACK信号と、予め用意しておいたACK/NACK候補レプリカとの相関を求める。そして、最も高い相関値とDTX判定用閾値とを比較してDTXを判定する。DTXでない場合には、最も高い相関値の算出に利用されたACK/NACK候補レプリカを送信ACK/NACKとして検出する。Joint Detectionにおいては、Separate Detectionと比べ、参照信号(RS)に加え、受信したACK/NACK信号も用いているため、DTXおよびACK/NACKの検出精度を高めることができる。以下、Joint Detectionにおける演算処理の一例を示す。
【0019】
Joint Detectionにおいて、l番目のOFDMシンボルのk番目のサブキャリアにおける受信信号は、(式1)により求められる。
(式1)

ここで、「√2S」は送信電力を示し、「h」はチャネル成分を示し、「η」は雑音成分を示す。また、「d(slot)(l)」は送信ACK/NACKシンボルを示し、「c(slot)(l,k)」は拡散符号を示す。
【0020】
(式1)により求めた受信信号に対して(式2)による演算処理を施すことにより受信ACK/NACKシンボル(r(−)(slot))が求められる。なお、rバーは、便宜上「r(−)」と示している。
(式2)

ここで、「NSCRB」は1リソースブロック(RB)当たりのサブキャリア数を示している。また、(式2)において、右辺の括弧[]内の演算処理はブロック逆拡散処理を示し、右辺全体の演算処理は巡回シフト分離処理を示している。
【0021】
(式2)により求めた受信ACK/NACK信号に対して(式3)による演算処理を施すことにより受信ACK/NACK信号との相関値が最大となるACK/NACK候補レプリカの送信電力(Power)が求められる。
(式3)

ここで、「d(∧)(1)」及び「d(∧)(2)」は、ACK/NACK候補レプリカを示している。なお、dハットは、便宜上「d(∧)」と示している。
【0022】
なお、ACK/NACK候補レプリカd(∧)(slot)は、(式4)により求められる。
(式4)

ここで、「d(〜)(slot)」は、各種の送信ACK/NACKに対応するACK/NACK候補ビットから求められるシンボルレプリカ(より具体的には、予め定められたACK/NACK候補ビットに符号化・変調(BPSK又はQPSK)を施して求められるシンボルレプリカ)である。なお、dティルダは、便宜上「d(〜)」と示している。
【0023】
Joint Detectionにおいては、(式3)で求めたACK/NACK候補レプリカの送信電力(Power)を(式5)に基づいて判定することにより送信ACK/NACK(d(−)(slot))を含むフィードバック制御情報(再送応答信号)を得る。なお、dバーは、便宜上「d(−)」と示している。
(式5)

ここで、「threshold」は予め定められたDTX判定用閾値を示す。すなわち、(式3)で求めたACK/NACK候補レプリカの送信電力(Power)が、DTX判定用閾値threshold以上であれば、受信ACK/NACK信号との相関値が最大となるACK/NACK候補レプリカd(∧)MAX(slot)が送信ACK/NACK(d(−)(slot))として検出される。一方、(式3)で求めたACK/NACK候補レプリカの送信電力(Power)が、DTX判定用閾値thresholdより小さければ、DTXと判定される。
【0024】
ところで、LTE−Aシステムでは、更なる周波数利用効率、ピークスループットなどの向上を目標とし、LTEよりも広帯域な周波数の割当てが検討されており、LTEシステムが使用可能な帯域幅を有する基本周波数ブロック(CC)を複数有するシステム帯域の構成を採用している。このため、複数の下りCCから送信されたPDSCHに対するフィードバック制御情報である再送応答信号も複数の下りCCから送信することが考えられる。
【0025】
しかしながら、LTE−Aシステムの上りリンクにおいては、無線アクセス方式として、SC−FDMAの適用が検討されている。このため、複数の下りCCで送信されたデータチャネル(PDSCH)に対する再送応答信号においても、上りシングルキャリア送信の特性を維持するために単一のCCのみから送信することが要請される。このような要請に対応するため、LTE−Aシステムにおいては、移動端末装置において、無線基地局装置から受信した複数のCC毎のPDSCHに基づいて、各CCの再送応答信号を生成し、ユーザ特有(UE−specific)のCCの上りリンク制御チャネル(PUCCH)にマッピングして送信することが検討されている。
【0026】
このため、LTE−Aシステムにおいては、複数の下りCCで送信されたPDSCHに対するフィードバック制御情報を送信する際のPUCCHフォーマットが検討されている(PUCCHフォーマット3)。ここで、PUCCHフォーマット3は、PDSCHと同様に、DFT(Discrete Fourier Transform)ベースのプリコーディングにより生成され、OCC(Orthogonal Cover Code)により異なる移動端末装置(UE)を多重することを特徴とする。このPUCCHフォーマット3における再送応答信号の無線リソースは、下りリンク制御チャネル(PDCCH)に設けられたARI(ACK/NACK Resource Indicator)のためのフィールド(以下、「ARIフィールド」という)を利用して移動端末装置で求めることが可能となっている。ここで、ARIとは、再送応答信号のための無線リソースを指定するための識別情報である。
【0027】
以下、LTE−Aシステムにおける再送応答信号の無線リソースの割り当て法について説明する。図4は、LTE−Aシステムにおける再送応答信号のための無線リソースを説明するための模式図である。なお、図4においては、4つのCC(CC#1〜CC#4)から送信帯域が構成される場合について示している。また、図4においては、CC#1が送信対象となる移動端末装置の第1の基本周波数ブロック(PCC:Primary Component Carrier)を構成し、CC#2〜CC#4が第2の基本周波数ブロック(SCC:Secondly Component Carrier)を構成する場合について示している。
【0028】
LTE−Aシステムにおいて、再送応答信号の無線リソースを割り当てる場合、まず、各移動端末装置に対して上位レイヤからのRRCシグナリングにより複数(例えば、4つ)の無線リソースが割り当てられる。また、SCCのPDSCHに対するPDCCHにおいては、TPCコマンドフィールド(2ビット)がARIフィールドに置換されている。ARIフィールドにおいては、RRCシグナリングにより割り当てられた複数の無線リソースのうち、移動端末装置が利用すべき1つの無線リソースが指定される。移動端末装置においては、RRCシグナリングにより割り当てられた複数の無線リソースの中から、ARIフィールドで指定された無線リソースを特定することで再送応答信号のための無線リソースを求めることができる。そして、このように求めた無線リソースに対して、受信した複数CC毎のPDSCHに基づく再送応答信号をマッピングして送信することが検討されている。
【0029】
このようなPUCCHフォーマット3に基づくフィードバック制御情報の検出を行う場合、無線基地局装置においては、ARIで指定された無線リソースだけでなく、PDCCHのCCEインデックスから求められる無線リソース(すなわち、LTE(Rel.8)システムにおけるPUCCHのための無線リソース)の復号を行う必要がある。移動端末装置に対するデータチャネル(PDSCH)がPCCのみに割り当てられた場合には、PDCCHのCCEインデックスから求められる無線リソースに対してフィードバック制御情報が多重されるためである。本発明者は、このように複数のCCで構成されるシステム帯域を用いて無線通信を行う移動通信システムにおいては、複数の無線リソースに多重されたフィードバック制御情報を効率的に検出する必要がある点に着目し、本発明をするに至ったものである。
【0030】
すなわち、本発明に係る制御情報検出方法においては、上りリンクで受信したACK/NACK信号と、複数CCのうち、移動端末装置に割り当てられた特定のCC又は複数のCC毎のPDSCHの正常受信状態を示すACK、異常受信状態を示すNACKに対応づけられたACK/NACK候補レプリカとの相関値を検出し、検出した相関値とDTX判定用閾値とを比較して特定のCC又は複数のCC毎のPDSCHに対するフィードバック制御情報を判定する。
【0031】
本発明の第1の態様に係る制御情報検出方法においては、予めフォーマット1用(LTE(Rel.8)用)のACK/NACK候補レプリカと、フォーマット3用のACK/NACK候補レプリカとを用意しておく。そして、移動端末装置から受信したACK/NACK信号と全てのACK/NACK候補レプリカ(フォーマット1及びフォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ)との相関値を求める。そして、最も高い相関値とDTX判定用閾値とを比較してDTXを判定する。ここで、DTX判定用閾値には、フォーマット毎の閾値を設定してもよいし、共通の閾値を設定してもよい。そして、DTXでない場合には、最も高い相関値の算出に利用されたACK/NACK候補レプリカを送信ACK/NACKとして検出する。
【0032】
フォーマット1用のACK/NACK候補レプリカを利用したJoint Detection(以下、適宜「フォーマット1に関するJoint Detection」という)におけるフィードバック制御情報の検出方法は、上述した(式1)〜(式5)を用いた演算処理により行われる。このため、その説明は省略する。
【0033】
ここで、フォーマット3用のACK/NACK候補レプリカを利用したJoint Detection(以下、適宜「フォーマット3に関するJoint Detection」という)におけるフィードバック制御情報の検出方法について説明する。フォーマット3に関するJoint Detectionにおいても、l番目のOFDMシンボルのk番目のサブキャリアにおける受信信号は、上述した(式1)により求められる。
【0034】
フォーマット3に関するJoint Detectionにおいては、(式1)により求めた受信信号に対して(式6)による演算処理を施すことによりブロック逆拡散後の受信ACK/NACKシンボル(r(−)(slot)(k))が求められる。
(式6)

ここで、(式6)の右辺全体の演算処理は、ブロック逆拡散処理を示している。
【0035】
(式6)により求めた受信ACK/NACK信号に対して(式7)による演算処理を施すことにより、受信ACK/NACK信号との相関値が最大となるACK/NACK候補レプリカの送信電力(Power)が求められる。
(式7)

ここで、「d(∧)(1)」及び「d(∧)(2)」は、ACK/NACK候補レプリカを示している。
【0036】
なお、フォーマット3に関するJoint DetectionにおけるACK/NACK候補レプリカd(∧)(slot)(k)は、(式8)により求められる。
(式8)

ここで、式(8)は、ACK/NACK候補レプリカ生成の際に必要となるDFT演算処理を示している。
【0037】
フォーマット3に関するJoint Detectionにおいては、(式7)で求めたACK/NACK候補レプリカの送信電力(Power)を(式9)に基づいて判定することにより送信ACK/NACK(d(−)(slot)(k))を含むフィードバック制御情報を得る。
(式9)

ここで、「threshold」は予め定められたDTX判定用閾値を示す。すなわち、(式7)で求めたACK/NACK候補レプリカの送信電力(Power)が、DTX判定用閾値threshold以上であれば、受信ACK/NACK信号との相関値が最大となるACK/NACK候補レプリカd(∧)MAX(slot)(k)が送信ACK/NACK(d(−)(slot)(k))として検出される。一方、(式7)で求めたACK/NACK候補レプリカの送信電力(Power)が、DTX判定用閾値thresholdより小さければ、DTXと判定される。
【0038】
第1の態様に係る制御情報検出方法においては、上りリンクで受信した受信ACK/NACK信号に対して、フォーマット1に関するJoint Detectionと、フォーマット3に関するJoint Detectionとを並行して行う。そして、双方の最も高い相関値のうち、より相関が高い相関値とDTX判定用閾値とを比較し、DTXを判定する。そして、DTXでない場合には、最も高い相関値の算出に利用されたACK/NACK候補レプリカを送信ACK/NACKとして検出する。
【0039】
第1の態様に係る制御情報検出方法によれば、上りリンクで受信した受信ACK/NACK信号から、予め定めたフォーマット1及びフォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出できるので、複数のCCで構成されるシステム帯域で無線通信を行う場合においても、複数のCCで送信されたPDSCHに対するフィードバック制御情報を効率的に検出することが可能となる。
【0040】
本発明の第2の態様に係る制御情報検出方法においては、上りリンクで受信した受信信号に対して、フォーマット1及びフォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値の一方(例えば、フォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値)を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出する。そして、必要に応じてフォーマット1及びフォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値の他方(例えば、フォーマット1用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値)を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出する。
【0041】
ここで、第2の態様に係る制御情報検出方法において、移動端末装置から送信されたフィードバック制御情報を検出する方法の一例について説明する。図5は、本発明の第2の態様に係る制御情報検出方法の一例を説明するためのフロー図である。ここでは、フォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出し、必要に応じてフォーマット1用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出する場合について示している。なお、これらの順序は逆であっても構わない。
【0042】
第2の態様に係る制御情報検出方法においては、まず、上りリンクで受信した受信信号と、フォーマット3用のACK/NACK候補レプリカとの相関を求め、最も高い相関値A1と、2番目に高い相関値A2とを算出する(ステップST501)。そして、相関値A1とDTX判定用閾値とを比較し、DTXを判定する(ステップST502)。
【0043】
ここで、DTXではない場合には(ステップST502;No)、相関値A1と相関値A2との電力値の差が所定値(ここでは、Xdb)より大きいか判定する(ステップST503)。相関値A1と相関値A2との電力値の差が所定値より大きい場合には(ステップST503;Yes)、相関値A1の算出に利用されたACK/NACK候補レプリカを送信ACK/NACKとして検出する(ステップST504)。そして、移動端末装置から送信されたフィードバック制御情報の検出を終了する。この場合には、フォーマット1用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いたDTX及び送信ACK/NACKの検出処理を行うことはない。
【0044】
一方、DTXである場合(ステップST502;Yes)、並びに、相関値A1と相関値A2との電力値の差が所定値以下である場合には(ステップST503;No)、上りリンクで受信した受信信号と、フォーマット1用のACK/NACK候補レプリカとの相関を求め、最も高い相関値B1を算出する(ステップST505)。そして、相関値B1とDTX判定用閾値とを比較し、DTXを判定する(ステップST506)。
【0045】
ここで、DTXである場合には(ステップST506;Yes)、移動端末装置からのフィードバック制御情報がDTXであることを検出する(ステップST507)。そして、移動端末装置から送信されたフィードバック制御情報の検出を終了する。
【0046】
これに対し、DTXではない場合には(ステップST506;No)、相関値A1と相関値B1との電力値の値が所定値(ここでは、Ydb)より大きいか判定する(ステップST508)。相関値A1と相関値B1との電力値の差が所定値より大きい場合には(ステップST508;Yes)、相関値A1の算出に利用されたACK/NACK候補レプリカを送信ACK/NACKとして検出する(ステップST504)。一方、相関値A1と相関値B1との電力値の差が所定値以下である場合には(ステップST508;No)、相関値B1の算出に利用されたACK/NACK候補レプリカを送信ACK/NACKとして検出する(ステップST509)。そして、移動端末装置から送信されたフィードバック制御情報の検出を終了する。
【0047】
第2の態様に係る制御情報検出方法によれば、上りリンクで受信した受信ACK/NACK信号から、予め定めたフォーマット1及びフォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出できるので、複数のCCで構成されるシステム帯域で無線通信を行う場合においても、複数のCCで送信されたPDSCHに対するフィードバック制御情報を効率的に検出することが可能となる。特に、先行して行う一方のフォーマット用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いた検出処理において、送信ACK/NACKを検出した場合には、他方のフォーマット用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いた検出処理を省略できるので、無線基地局装置における演算処理量を低減することが可能となる。
【0048】
以下、本発明に係る制御情報検出方法が適用される移動端末装置及び無線基地局装置等の構成について説明する。ここでは、LTE−A方式のシステム(LTE−Aシステム)に対応する無線基地局装置及び移動端末装置を用いる場合について説明する。
【0049】
まず、図6を参照しながら、本発明に係る制御情報検出方法が適用される移動端末装置及び無線基地局装置を有する移動通信システムについて説明する。図6は、本発明の一実施の形態に係る移動端末装置10及び無線基地局装置20を有する移動通信システム1の構成を説明するための図である。なお、図6に示す移動通信システム1は、例えば、LTEシステムが包含されるシステムである。また、この移動通信システム10は、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4Gと呼ばれても良い。
【0050】
図6に示すように、移動通信システム1は、無線基地局装置20と、この無線基地局装置20と通信する複数の移動端末装置10(10、10、10、・・・10、nはn>0の整数)とを含んで構成されている。無線基地局装置20は、コアネットワーク30と接続される。移動端末装置10は、セル40において無線基地局装置20と通信を行っている。なお、コアネットワーク30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0051】
移動通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMAが適用され、上りリンクについてはSC−FDMAが適用される。ここで、OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、端末毎に連続した帯域にデータをマッピングして通信を行うシングルキャリア伝送方式であり、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、マルチアクセスを実現する。
【0052】
ここで、LTEシステムにおける通信チャネルについて説明する。下りリンクについては、各移動端末装置10のトラヒックデータを伝送するPDSCH、並びに、各移動端末装置10にPDSCHにおけるリソースブロック(RB)の割り当て情報、データ変調方式・チャネル符号化率、再送関連情報等のL1/L2制御情報を通知するPDCCH等が用いられる。また、チャネル推定、受信品質測定等に用いられる参照信号がこれらのチャネルと共に送信される。
【0053】
上りリンクについては、各移動端末装置10のトラヒックデータを伝送するPUSCH、並びに、下り周波数スケジューリングのためのチャネル品質情報(CQI)報告、下り送信データに対するACK/NACK等のL1/L2制御情報を伝送するPUCCH等が用いられる。また、チャネル推定に用いられる復調用参照信号やチャネル品質測定に用いられるチャネル品質測定用参照信号がこれらのチャネルと共に送信される。
【0054】
図7は、本実施の形態に係る移動端末装置10の概略構成を示す図である。図7に示す移動端末装置10は、送信部と、受信部とを備えている。送信部は、第1ACK/NACK信号処理部100と、第2ACK/NACK信号処理部130と、参照信号処理部101と、ACK/NACK信号と参照信号とを時間多重する時間多重部102とを備えている。なお、送信部の機能ブロックにはユーザデータ(PUSCH)を送信する処理ブロックが図示されていないが、ユーザデータ(PUSCH)は時間多重部102にて多重される。
【0055】
第1ACK/NACK信号処理部100は、LTE(Rel.8)システムで規定されるPUCCHフォーマット1(1a、1b)によって再送応答信号を送信する際に必要となる処理を行う部分である。第2ACK/NACK信号処理部130は、LTE−Aシステムで規定されるPUCCHフォーマット3によって場合に再送応答信号を送信する際に必要となる処理を行う部分である。
【0056】
第1ACK/NACK信号処理部100は、CAZAC番号に対応するCAZAC符号系列を生成するCAZAC符号生成部1001と、ACK/NACKビット系列を誤り訂正符号化するチャネル符号化部1002と、データ変調するデータ変調部1003と、生成したCAZAC符号系列をデータ変調後の信号によりブロック変調するブロック変調部1004と、ブロック変調後の信号に対して巡回シフトを行う巡回シフト部1005と、巡回シフト後の信号にブロック拡散符号でブロック拡散する(直交符号を乗算する)ブロック拡散部1006と、ブロック拡散後の信号をサブキャリアにマッピングするサブキャリアマッピング部1007と、マッピング後の信号を逆高速フーリエ変換(IFFT)するIFFT部1008と、IFFT後の信号にCP(Cyclic Prefix)を付与するCP付与部1009とを有する。
【0057】
第2ACK/NACK信号処理部130は、ACK/NACKビット系列を誤り訂正符号化するチャネル符号化部1301と、ACK/NACKビット系列をデータ変調するデータ変調部1302と、データ変調後の信号にDFT(Discrete Fourier Transform)するDFT部1303と、DFT後の信号にブロック拡散符号でブロック拡散するブロック拡散部1304と、ブロック拡散後の信号をサブキャリアにマッピングするサブキャリアマッピング部1305と、マッピング後の信号をIFFTするIFFT部1306と、IFFT後の信号にCPを付与するCP付与部1307とを有する。
【0058】
参照信号処理部101は、CAZAC番号に対応するCAZAC符号系列を生成するCAZAC符号生成部1011と、CAZAC符号系列により構成される参照信号に対して巡回シフトを行う巡回シフト部1012と、巡回シフト後の信号にブロック拡散符号でブロック拡散するブロック拡散部1013と、ブロック拡散後の信号をサブキャリアにマッピングするサブキャリアマッピング部1014と、マッピング後の信号をIFFTするIFFT部1015と、IFFT後の信号にCPを付与するCP付与部1016とを有する。
【0059】
なお、上りリンクの参照信号には、SRS(Surrounding RS)とRSとが含まれる。SRSは、スケジューリング(及びタイミング制御)に必要な各移動端末装置10の上りリンクチャネルの状態を無線基地局装置20にて推定するための参照信号であり、PUSCH、PUCCHとは独立に第2スロットの最終SC−FDMAシンボルに多重される。一方、RSは、各スロットの第2シンボルと第6シンボルに多重される。
【0060】
移動端末装置10では、下り共有データチャネル(PDSCH)で受信した信号に対してACK/NACKを判定し、これに対応するACK/NACKビット系列を生成する。生成されたACK/NACKビット系列は、予め定められた符号化テーブルに基づいて符号化された後、第1ACK/NACK信号処理部100又は第2ACK/NACK信号処理部130に出力される。
【0061】
第1ACK/NACK信号処理部100のデータ変調部1003は、チャネル符号化部1002でチャネル符号化されたACK/NACKビット系列を極座標成分の信号に変調する。データ変調部1003は、データ変調後の信号をブロック変調部1004へ出力する。CAZAC符号生成部1001は、ユーザに割り当てられているCAZAC番号に対応するCAZAC符号系列を準備する。CAZAC符号生成部1001は、生成したCAZAC符号系列をブロック変調部1004へ出力する。ブロック変調部1004は、1SC−FDMAシンボルに対応する時間ブロック毎にCAZAC符号系列を、データ変調後の制御信号でブロック変調する。ブロック変調部1004は、ブロック変調後の信号を巡回シフト部1005に出力する。
【0062】
巡回シフト部1005は、時間領域の信号を所定の巡回シフト量だけ巡回シフトする。なお、巡回シフト量はユーザ毎に異なり、巡回シフト番号に対応づけられている。巡回シフト部1005は、巡回シフト後の信号をブロック拡散部1006に出力する。ブロック拡散部1006は、巡回シフト後の参照信号に直交符号(OCC:Orthogonal Cover Code)を乗算する(ブロック拡散する)。ブロック拡散部1006は、ブロック拡散後の信号をサブキャリアマッピング部1007に出力する。
【0063】
サブキャリアマッピング部1007は、ブロック拡散後の信号をリソースマッピング情報に基づき、サブキャリアにマッピングする。サブキャリアマッピング部1007は、マッピングされた信号をIFFT部1008に出力する。IFFT部1008は、マッピングされた信号をIFFTして時間領域の信号に変換する。IFFT部1008は、IFFT後の信号をCP付与部1009に出力する。CP付与部1009は、マッピング後の信号にCPを付与する。CP付与部1009は、CPを付与した信号を時間多重部102に出力する。
【0064】
第2ACK/NACK信号処理部130のデータ変調部1302は、チャネル符号化部1301でチャネル符号化されたACK/NACKビット系列を極座標成分の信号に変調する。データ変調部1302は、データ変調後の信号をDFT部1303へ出力する。DFT部1303は、データ変調後の信号にDFTして周波数領域の信号に変換する。DFT部1303は、DFT後の信号をブロック拡散部1304に出力する。ブロック拡散部1304は、DFT後の信号に直交符号(OCC)を乗算する。ブロック拡散部1304は、ブロック拡散後の信号をサブキャリアマッピング部1305に出力する。
【0065】
サブキャリアマッピング部1305は、ブロック拡散後の信号をリソースマッピング情報に基づき、サブキャリアにマッピングする。サブキャリアマッピング部1305は、マッピングされた信号をIFFT部1306に出力する。IFFT部1306は、マッピングされた信号をIFFTして時間領域の信号に変換する。IFFT部1306は、IFFT後の信号をCP付与部1307に出力する。CP付与部1307は、マッピング後の信号にCPを付与する。CP付与部1307は、CPを付与した信号を時間多重部102に出力する。
【0066】
参照信号処理部101のCAZAC符号生成部1011は、ユーザに割り当てられているCAZAC番号に対応するCAZAC符号系列を準備し、参照信号として用いる。CAZAC符号生成部1011は、参照信号を巡回シフト部1012に出力する。巡回シフト部1012は、時間領域の参照信号を所定の巡回シフト量だけシフトする。なお、巡回シフト量はユーザ毎に異なり、巡回シフト番号に対応づけられている。巡回シフト部1012は、巡回シフト後の参照信号をブロック拡散部1013に出力する。
【0067】
ブロック拡散部1013は、巡回シフト後の参照信号に直交符号(OCC)を乗算する。ここで、参照信号に用いるOCC(ブロック拡散符号番号)については、上位レイヤからRRCシグナリングなどで通知しても良く、データシンボルのCS(Cyclic Shift)に予め関連付けられたOCCを用いても良い。ブロック拡散部1013は、ブロック拡散後の信号をサブキャリアマッピング部1014に出力する。
【0068】
サブキャリアマッピング部1014は、周波数領域の信号をリソースマッピング情報に基づき、サブキャリアにマッピングする。サブキャリアマッピング部1014は、マッピングされた参照信号をIFFT部1015に出力する。IFFT部1015は、マッピングされた信号をIFFTして時間領域の参照信号に変換する。IFFT部1015は、IFFT後の参照信号をCP付与部1016に出力する。CP付与部1016は、直交符号乗算後の参照信号にCPを付与する。CP付与部1016は、CPを付与した参照信号を時間多重部102に出力する。
【0069】
時間多重部102では、第1ACK/NACK信号処理部100又は第2ACK/NACK信号処理部130からの上り制御信号と、参照信号処理部101からの参照信号とを時間多重して、上り制御チャネル信号を含む送信信号とする。このように生成された送信信号は、上りリンクにて無線基地局装置20に送信される。
【0070】
受信部は、OFDM信号を復調するOFDM信号復調部103と、下り制御信号を復号して再送応答信号のための無線リソースを判定する下り制御信号復号部104と、下りリンク信号によりACK/NACKを判定するACK/NACK判定部105と、ACK/NACK信号符号化部106とを有する。
【0071】
OFDM信号復調部103は、下りOFDM信号を受信し、復調する。すなわち、下りOFDM信号からCPを除去し、高速フーリエ変換し、BCH信号或いは下り制御信号が割り当てられたサブキャリアを取り出し、データ復調する。OFDM信号復調部103は、データ復調後の信号を下り制御信号復号部104に出力する。また、OFDM信号復調部103は、下りリンク信号をACK/NACK判定部105に出力する。
【0072】
下り制御信号復号部104は、データ復調後の信号を復号して、自装置に割り当てられた再送応答信号のための無線リソースを判定する。具体的には、下り制御信号復号部104は、データ復調後の信号を復号して、無線リソースとして、CAZAC番号、リソースマッピング情報(RBインデックス、ARIを含む)、巡回シフト番号、ブロック拡散符号番号を得る。下り制御信号復号部104は、これらの無線リソースをACK/NACK判定部105に出力する。
【0073】
ACK/NACK判定部105は、受信した下り共有チャネル(PDSCH)が誤りなく受信できたか否かを判定し、PDSCHが誤りなく受信できていればACK、誤りが検出されればNACK、PDSCHが検出されなければDTXの各状態を判定結果(ACK/NACKビット系列)としてACK/NACK信号符号化部106に出力する。無線基地局装置20との通信に複数CCが割り当てられている場合は、CC毎にPDSCHが誤りなく受信できたか否かを判定する。
【0074】
ACK/NACK信号符号化部106は、ACK/NACK判定部105による判定結果(ACK/NACKビット系列)を、予め定められた符号化テーブルに基づいて符号化する。そして、ACK/NACK信号符号化部106は、符号化したACK/NACKビット系列を送信部のチャネル符号化部1002又はチャネル符号化部1301に出力する。
【0075】
図8は、本実施の形態に係る無線基地局装置20の概略構成を示す図である。なお、図8は、上述した第1の態様に係る制御情報検出方法が適用される無線基地局装置20の構成を示している。図8に示す無線基地局装置20は、送信部と、受信部とを備えている。送信部は、上りリソース割り当て情報信号生成部201と、他の下りリンクチャネル信号と、上りリソース割り当て情報信号とを多重してOFDM信号を生成するOFDM信号生成部202とを有する。ここで、他の下りリンクチャネル信号は、データ、参照信号、制御信号などを含む。
【0076】
上りリソース割り当て情報信号生成部201は、CAZAC番号、リソースマッピング情報(RBインデックス、ARIを含む)、巡回シフト番号、ブロック拡散符号番号(OCC番号)を含む上りリソース割り当て情報信号を生成する。上りリソース割り当て情報信号生成部201は、生成した上りリソース割り当て情報信号をOFDM信号生成部202に出力する。
【0077】
OFDM信号生成部202は、他の下りリンクチャネル信号及び上りリソース割り当て情報信号を含む下りリンク信号をサブキャリアにマッピングし、逆高速フーリエ変換(IFFT)し、CPを付加することにより、下り送信信号を生成する。このように生成された下り送信信号は、下りリンクで移動端末装置10に送信される。
【0078】
受信部は、受信信号からCPを除去するCP除去部203と、受信信号を高速フーリエ変換(FFT)するFFT部204と、FFT後の信号をデマッピングするサブキャリアデマッピング部205と、サブキャリアデマッピング後の信号に対してブロック拡散符号(OCC)で逆拡散するブロック逆拡散部206と、逆拡散後に信号から巡回シフトを除去して対象とするユーザの信号を分離する巡回シフト分離部207と、ユーザ分離後のデマッピング後の信号とフォーマット1用のACK/NACK候補レプリカとの相関値を検出するFormat1用相関値検出部208とを有する。
【0079】
また、受信部は、サブキャリアデマッピング後の信号に対してブロック拡散符号(OCC)で逆拡散するブロック逆拡散部209と、逆拡散後の信号とフォーマット3用のACK/NACK候補レプリカとの相関値を検出するFormat3用相関値検出部210と、Format1用相関値検出部208及びFormat3用相関値検出部210からの相関値に基づいて送信ACK/NACK及びDTXを判定するA/N(ACK/NACK)・DTX判定部211とを有する。なお、受信部の機能ブロックにはユーザデータ(PUSCH)を受信する処理ブロックが図示されていないが、ユーザデータ(PUSCH)は図示しないデータ復調部及びデータ復号部により復調され、復号される。
【0080】
CP除去部203は、CPに相当する部分を除去して有効な信号部分を抽出する。CP除去部203は、CP除去後の信号をFFT部204に出力する。FFT部204は、受信信号をFFTして周波数領域の信号に変換する。FFT部204は、FFT後の信号をサブキャリアデマッピング部205に出力する。サブキャリアデマッピング部205は、リソースマッピング情報を用いて周波数領域の信号から上り制御チャネル信号であるACK/NACK信号を抽出する。サブキャリアデマッピング部205は、抽出されたACK/NACK信号をブロック逆拡散部206、209へ出力する。
【0081】
ブロック逆拡散部206、209では、ブロック拡散、すなわち直交符号(OCC)(ブロック拡散符号)を用いて直交多重された受信信号を、移動端末装置で用いた直交符号で逆拡散する。ブロック逆拡散部206は、逆拡散後の信号を巡回シフト分離部207へ出力する。ブロック逆拡散部209は、逆拡散後の信号をFormat3用相関値検出部210へ出力する。巡回シフト分離部207は、巡回シフトを用いて直交多重された制御信号を、巡回シフト番号を用いて分離する。移動端末装置10からの上り制御チャネル信号には、ユーザ毎に異なる巡回シフト量で巡回シフトが行われている。したがって、移動端末装置10で行われた巡回シフト量と同じ巡回シフト量だけ逆方向に巡回シフトを行うことにより、受信処理の対象とするユーザの制御信号を分離することができる。巡回シフト分離部207は、ユーザ分離後の信号をFormat1用相関値検出部208に出力する。
【0082】
Format1用相関値検出部208は、予め定められたフォーマット1用のACK/NACK候補レプリカを用いて、ユーザ分離後の信号(受信ACK/NACK信号)との相関を求め、最も高い相関値を検出する。より具体的には、ユーザに割り当てられた特定のCC(PCC)におけるPDCCHのCCEインデックスに関連付けられたリソースに対応する受信ACK/NACK信号と、フォーマット1用のACK/NACK候補レプリカとの相関値を求め、最も高い相関値を検出する。Format1用相関値検出部208は、検出した相関値をA/N・DTX判定部211に出力する。
【0083】
Format3用相関値検出部210は、予め定められたフォーマット3用のACK/NACK候補レプリカを用いて、ユーザ分離後の信号(受信ACK/NACK信号)との相関を求め、最も高い相関値を検出する。より具体的には、SCCにおけるPDCCHのARIで指定されたリソースに対する受信ACK/NACK信号と、フォーマット3用のACK/NACK候補レプリカとの相関値を求め、最も高い相関値を検出する。Format3用相関値検出部210は、検出した相関値をA/N・DTX判定部211に出力する。
【0084】
A/N・DTX判定部211は、Format1用相関値検出部208、Format3用相関値検出部210から出力された相関値を比較して、最も高い相関値を特定する。そして、この相関値と、予め定められたDTX判定用閾値とを比較して、DTX又は送信ACK/NACKを判定する。より具体的には、A/N・DTX判定部211は、最も高い相関値がDTX判定用閾値より小さい場合にはDTXと判定する。一方、最も高い相関値がDTX判定用閾値より大きい場合には最も高い相関値の算出に利用されたACK/NACK候補レプリカを送信ACK/NACKとして判定する。A/N・DTX判定部211は、判定したDTX又は送信ACK/NACKをACK/NACK情報として出力する。
【0085】
図8に示す無線基地局装置20において、サブキャリアデマッピング部205で抽出されたACK/NACK信号は、並行してブロック逆拡散部206、209で逆拡散される。ブロック逆拡散部206で逆拡散された信号は、巡回シフト分離部207でユーザ毎の信号に分離された後、Format1用相関値検出部208に出力される。一方、ブロック逆拡散部209で逆拡散された信号は、Format3用相関値検出部210に出力される。Format1用相関値検出部208、Format3用相関値検出部210では、受信ACK/NACK信号と最も相関が高い相関値が検出され、A/N・DTX判定部211に出力される。A/N・DTX判定部211では、これらの相関値に基づいて、DTX又は送信ACK/NACKが判定され、その判定結果がACK/NACK情報として出力される。
【0086】
このように本実施の形態に係る無線基地局装置20(第1の態様に係る制御情報検出方法が適用される無線基地局装置20)においては、上りリンクで受信した受信ACK/NACK信号から、予め定めたフォーマット1及びフォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出できるので、複数のCCで構成されるシステム帯域で無線通信を行う場合においても、複数のCCで送信されたPDSCHに対するフィードバック制御情報を効率的に検出することが可能となる。
【0087】
図9は、本実施の形態に係る無線基地局装置20の概略構成を示す図である。なお、図9は、上述した第2の態様に係る制御情報検出方法が適用される無線基地局装置20の構成を示している。ここでは、フォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出し、必要に応じてフォーマット1用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出する無線基地局装置20の構成について示しいている。
【0088】
なお、図9に示す無線基地局装置20において、図8に示す無線基地局装置20と共通する構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。図9に示す無線基地局装置20においては、ブロック逆拡散部212、Format3用相関値検出部213及びA/N・DTX判定部214を備える点において、図8に示す無線基地局装置20と相違する。
【0089】
ブロック逆拡散部212は、A/N・DTX判定部214からの信号(逆拡散指示信号)の受信を契機として、サブキャリアデマッピング部205からのACK/NACK信号を移動端末装置で用いた直交符号で逆拡散する点で、図8に示すブロック逆拡散部206と相違する。
【0090】
Format3用相関値検出部213は、予め定められたフォーマット3用のACK/NACK候補レプリカを用いて、ユーザ分離後の信号(受信ACK/NACK信号)と最も相関が高い相関値(上述した相関値A1)に加え、2番目に相関が高い相関値(上述した相関値A2)を検出する点で、図8に示すFormat3用相関値検出部210と相違する。
【0091】
A/N・DTX判定部214は、フォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出し、必要に応じてフォーマット1用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出する点で、図8に示すA/N・DTX判定部211と相違する。
【0092】
具体的には、Format3用相関値検出部213から出力された最も高い相関値と、予め定められたDTX判定用閾値とを比較してDTXを判定すると共に、最も高い相関値(上述した相関値A1)と2番目に高い相関値(上述した相関値A2)との差に基づいて送信ACK/NACKを判定する。DTXであると判定した場合、並びに、最も高い相関値と次に高い相関値との差が所定値以下である場合には、ブロック逆拡散部212に対して逆拡散指示信号を出力する。そして、Format1用相関値検出部208から出力された最も高い相関値(上述した相関値B1)と、予め定められたDTX判定用閾値とを比較してDTXを判定すると共に、Format3用相関値検出部213からの最も高い相関値とFormat1用相関値検出部208からの最も高い相関値との差に基づいて送信ACK/NACKを判定する。
【0093】
図9に示す無線基地局装置20において、サブキャリアデマッピング部205で抽出されたACK/NACK信号は、まず、ブロック逆拡散部209で逆拡散される。逆拡散された信号は、Format3用相関値検出部213に出力される。Format3用相関値検出部213では、受信ACK/NACK信号と最も相関が高い相関値と、2番目に相関が高い相関値とが検出され、A/N・DTX判定部214に出力される。A/N・DTX判定部214では、これらの相関値に基づいてDTX又は送信ACK/NACKが判定される。所定の場合(受信ACK/NACK信号と最も相関が高い相関値と、2番目に相関が高い相関値との差が所定値に達していない場合等)には、逆拡散指示信号がブロック逆拡散部212に出力される。これにより、サブキャリアデマッピング部205で抽出されたACK/NACK信号が、ブロック逆拡散部212で逆拡散される。逆拡散された信号は、巡回シフト分離部207でユーザ毎の信号に分離された後、Format1用相関値検出部208に出力される。Format1用相関値検出部208では、受信ACK/NACK信号と最も相関が高い相関値が検出され、A/N・DTX判定部214に出力される。A/N・DTX判定部214では、この相関値に基づいて、DTX又は送信ACK/NACKが判定され、その判定結果がACK/NACK情報として出力される。
【0094】
このように本実施の形態に係る無線基地局装置20(第2の態様に係る制御情報検出方法が適用される無線基地局装置20)においては、上りリンクで受信した受信ACK/NACK信号から、予め定めたフォーマット1及びフォーマット3用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いてDTX及び送信ACK/NACKを検出できるので、複数のCCで構成されるシステム帯域で無線通信を行う場合においても、複数のCCで送信されたPDSCHに対するフィードバック制御情報を効率的に検出することが可能となる。特に、先行して行う一方のフォーマット用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いた検出処理において、送信ACK/NACKを検出した場合には、他方のフォーマット用のACK/NACK候補レプリカ及びDTX判定用閾値を用いた検出処理を省略できるので、無線基地局装置における演算処理量を低減することが可能となる。
【0095】
本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明における処理部の数、処理手順については適宜変更して実施することが可能である。また、図に示される要素の各々は機能を示しており、各機能ブロックがハードウエアで実現されても良く、ソフトウエアで実現されてもよい。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【0096】
上記実施の形態においては、予めフォーマット1用のACK/NACK候補レプリカと、フォーマット3用のACK/NACK候補レプリカとを用意しておき、これらのACK/NACK候補レプリカと上りリンクで受信したACK/NACK信号との相関値を求め、この相関値に基づいてフィードバック制御情報を判定する態様を具体例に用いて本発明に係る制御情報検出方法について説明している。しかしながら、本発明に係る制御情報検出方法が適用される態様については、これに限定されるものでなく適宜変更が可能である。
【0097】
上述のフォーマット3に加え、ACK/NACKのビット数が比較的少ない場合にフォーマット1bの無線リソースを複数用いる方法が検討されている(以下、説明の便宜上「チャネルセレクション」という)。このチャネルセレクションにおいては、無線基地局装置と移動端末装置とで無線リソースの位置に関連づけたフィードバック制御情報(再送応答信号)を定めたマッピングテーブルを共有する。
【0098】
本発明に係る制御情報検出方法は、このようなチャネルセレクションにも適用可能である。すなわち、無線基地局装置で上述したマッピングテーブル内のフィードバック制御情報に対応するACK/NACK候補レプリカを用意しておき、移動端末装置から受信したACK/NACK信号との相関値を検出する。そして、検出した相関値とDTX判定用閾値とを比較して特定のCC又は複数のCC毎のPDSCHに対するフィードバック制御情報を判定することにより、複数CCで構成されるシステム帯域でチャネルセレクションを利用して無線通信を行う場合においても、複数CCで送信されたPDSCHに対するフィードバック制御情報を効率的に検出することが可能となる。
【符号の説明】
【0099】
1 移動通信システム
10 移動端末装置
20 無線基地局装置
30 コアネットワーク
40 セル
100 第1ACK/NACK信号処理部
101 参照信号処理部
102 時間多重部
103 OFDM信号復調部
104 下り制御信号復号部
105 ACK/NACK判定部
106 ACK/NACK信号符号化部
130 第2ACK/NACK信号処理部
201 上りリソース割り当て情報信号生成部
202 OFDM信号生成部
203 CP除去部
204 FFT部
205 サブキャリアデマッピング部
206、209、212 ブロック逆拡散部
207 巡回シフト分離部
208 Format1用相関値検出部
210、213 Format3用相関値検出部
211 A/N(ACK/NACK)・DTX判定部
1001、1011 CAZAC符号生成部
1002、1301 チャネル符号化部
1003、1302 データ変調部
1004 ブロック変調部
1005、1012 巡回シフト部
1006、1013、1304 ブロック拡散部
1007、1014、1305 サブキャリアマッピング部
1008、1015、1306 IFFT部
1009、1016、1307 CP付与部
1303 DFT部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基本周波数ブロックで構成されるシステム帯域で無線通信を行う無線基地局装置であって、
上りリンクで受信したACK/NACK信号と、前記複数の基本周波数ブロックのうち、移動端末装置に割り当てられた特定の基本周波数ブロック又は前記複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号を移動端末装置で誤りなく受信した状態を示すACK、誤りを検出した状態を示すNACKに対応づけられたACK/NACK候補レプリカとの相関値を検出する検出部と、前記検出された相関値と、DTX判定用閾値とに基づいて前記特定の基本周波数ブロック又は前記複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号に対するフィードバック制御情報を判定する判定部とを具備することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項2】
前記検出部は、上りリンクで受信したACK/NACK信号と、前記特定の基本周波数ブロックに対応づけられたACK/NACK候補レプリカとの相関値を検出する第1の相関値検出部と、上りリンクで受信したACK/NACK信号と、前記複数の基本周波数ブロックに対応づけられたACK/NACK候補レプリカとの相関値を検出する第2の相関値検出部とを有することを特徴とする請求項1記載の無線基地局装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記第1、第2の相関値検出部による相関値の検出を並行して行い、前記判定部は、前記第1、第2の相関値検出部により検出された相関値のうち、最も高い相関値と前記DTX判定用閾値とに基づいて前記特定の基本周波数ブロック又は前記複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号に対するフィードバック制御情報を判定することを特徴とする請求項2記載の無線基地局装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記最も高い相関値と前記DTX判定用閾値との比較結果によりフィードバック制御情報がDTXであるか否かを判定し、フィードバック制御情報がDTXでない場合に前記最も高い相関値の検出に利用されたACK/NACK候補レプリカをACK/NACK情報として検出することを特徴とする請求項3記載の無線基地局装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記第1、第2の相関値検出部の一方による相関値の検出を先行して行い、当該検出した相関値と前記DTX判定用閾値とに基づく前記判定部のフィードバック制御情報の判定結果に応じて前記第1、第2の相関値検出部の他方による相関値の検出を行うことを特徴とする請求項2記載の無線基地局装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記第1、第2の相関値検出部の一方により検出された相関値と前記DTX判定用閾値との比較結果によりフィードバック制御情報がDTXであるか否かを判定し、フィードバック制御情報がDTXでない場合であって、最も高い相関値と2番目に高い相関値との差が一定値以上の場合に最も高い相関値の検出に利用されたACK/NACK候補レプリカをACK/NACK情報として検出することを特徴とする請求項5記載の無線基地局装置。
【請求項7】
前記判定部は、フィードバック制御情報がDTXであった場合に、前記第1、第2の相関値検出部の他方により検出された相関値と前記DTX判定用閾値との比較結果によりフィードバック制御情報がDTXであるか否かを判定し、フィードバック制御情報がDTXでない場合に前記第1、第2の相関値検出部の一方により検出された最も高い相関値の検出に利用されたACK/NACK候補レプリカ又は前記第1、第2の相関値検出部の他方により検出された最も高い相関値の検出に利用されたACK/NACK候補レプリカをACK/NACK情報として検出することを特徴とする請求項6記載の無線基地局装置。
【請求項8】
複数の基本周波数ブロックで構成されるシステム帯域で無線通信を行う無線基地局装置における制御情報検出方法であって、
上りリンクで受信したACK/NACK信号と、前記複数の基本周波数ブロックのうち、移動端末装置に割り当てられた特定の基本周波数ブロック又は前記複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号を移動端末装置で誤りなく受信した状態を示すACK、誤りを検出した状態を示すNACKに対応づけられたACK/NACK候補レプリカとの相関値を検出するステップと、前記検出された相関値と、DTX判定用閾値とに基づいて前記特定の基本周波数ブロック又は前記複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号に対するフィードバック制御情報を判定するステップとを具備することを特徴とする制御情報検出方法。
【請求項9】
前記特定の基本周波数ブロックに対応づけられたACK/NACK候補レプリカを用いた相関値の検出と、前記複数の基本周波数ブロックに対応づけられたACK/NACK候補レプリカを用いた相関値の検出とを並行して行い、前記検出された相関値のうち、最も高い相関値と前記DTX判定用閾値とに基づいて前記特定の基本周波数ブロック又は前記複数の基本周波数ブロック毎の下り共有データチャネル信号に対するフィードバック制御情報を判定することを特徴とする請求項8記載の制御情報検出方法。
【請求項10】
前記特定の基本周波数ブロックに対応づけられたACK/NACK候補レプリカを用いた相関値と、前記複数の基本周波数ブロックに対応づけられたACK/NACK候補レプリカを用いた相関値の一方の検出を先行して行い、当該検出した相関値と前記DTX判定用閾値とに基づくフィードバック制御情報の判定結果に応じて前記特定の基本周波数ブロックに対応づけられたACK/NACK候補レプリカを用いた相関値と、前記複数の基本周波数ブロックに対応づけられたACK/NACK候補レプリカを用いた相関値の他方の検出を行い、当該検出した相関値と前記DTX判定用閾値とに基づいてフィードバック制御情報を判定することを特徴とする請求項8記載の制御情報検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−114835(P2012−114835A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264082(P2010−264082)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】