説明

無線基地局装置及び監視制御方法

【課題】増幅装置のカード構成・機能部の制約を伴うことなく、また、運用中の増幅装置に何ら影響(サービス中断など)を与えることなく、増幅装置の追加又は変更を行なって、保守監視制御を円滑に行なうことができるようにすること。
【解決手段】本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、増幅装置3と変復調装置1との間にセクタ毎に監視制御用のリンクを確立し、リンクを介してセクタ単位の監視制御を実施する。変復調装置1及びこれに接続される各セクタの増幅装置3にはそれぞれ通信を終端する送受信集約部1A,3Aが設けられ、各送受信集約部1A,3Aに集約された情報が各リンクに送受信集約部1A,3A間で送受信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変復調装置から光ファイバなどの伝送ラインを介して遠隔に設置された増幅装置を含む無線基地局装置及び監視制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線基地局装置の構成として、変復調装置(MDE:Modulation and Demodulation Equipment)から送信増幅装置(AMP:AMPlifier)と光張出し送受信装置(OF−TRX:Optical Feeder Transmitter and Receiver)とを遠隔設置し、MDEとAMP及びOF−TRXとを光ファイバで接続する構成がある。AMP部には、屋外受信増幅器(OARA:Open Air Receiver Amplifier)及び当該OARA部を監視制御する屋外受信増幅器監視制御装置(OARASC:Open Air Receiver Amplifier Supervisory Controller)が付随して設けられている。また、MDE部からみて監視制御対象となる外部装置には、OARA以外にも、電源設備、アンテナチルトの制御BOX、メンテナンスツールなどが含まれる。
【0003】
また、MDE部、AMP部、OF−TRX部はそれぞれ様々な機能部を有しており、これらの各機能部は、CPUを搭載してソフトウェア処理を実行する基板状のハードウェア装置で構成され、このハードウェア装置はカードと呼ばれる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図5には、機能部としてのカードA,B,C,Dを複数枚実装して成る増幅装置100の一例が示されている。この増幅装置100は、いわばAMP部がOF−TRX部を組み込んだ形態を成すもので、光ファイバケーブル102を介してMDE部104に接続されている。
【特許文献1】特開2008−17245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図6に示されるように、MDE部104に対して遠隔設置される複数の増幅装置100(以下、適宜、増幅装置A,Bと称する)が光ファイバケーブル102を介して1つのMDE部104に接続されている状態で、新たな増幅装置100(以下、適宜、増幅装置Cと称する)をMDE部104に対して光ファイバケーブル102を介して追加接続する場合、従来技術の下では、以下の問題が生じる。
【0006】
すなわち、従来のシステムにおいて、MDE部104は、事前に図6の上側の表枠に示されるような増幅装置A,Bのカード構成や機能部などの情報(増幅装置の関連情報)を予め認識しており、これらの情報を前提に増幅装置A,Bとの間で通信確立を行ない、当該カードA,B,C,Dの状態監視、制御を行なう。つまり、MDE部104には、増幅装置A,Bの種別、実装されるカードA,B,C,Dのスロット番号、実装されるカードA,B,C,Dの機能部(TRX−INF:MDE部との通信終端機能部、TRX:送受信機能部、T−PA:送信増幅部、LNA:低雑音増幅部、外部IF:外部装置類IF用カード(OARA、PC類、地気入出力用IFなど)など)、各機能部毎の障害項目などの情報が事前に投入されており、MDE部104と増幅装置A,Bとのリンク確立後にMDE部104が各カードA,B,C,Dの監視・制御を実施し、障害発生時には、機能部毎に適した制御が行なわれる。
【0007】
ところが、このようにMDE部104が増幅装置A,Bに対応した構造になっているこのシステムでは、予め認識しているデータに基づいてMDE部104が情報を増幅装置A,Bから取得するため、新たな増幅装置Cを追加(又は変更)する場合には、追加するその増幅装置Cもこの既存のシステム構成に適合する形態のもの、例えば、増幅装置A,Bと同一の製造メーカのものにする必要が生じたり、あるいは、増幅装置Cのカード構成(カード構造・冗長構成・スロット番号・機能部など)や機能部などにもある程度の制限を設ける(製造メーカに求めるカード構成などを制限する)など、何らかの制約が伴うだけでなく、増幅装置Cを使用できるようにMDE部104を再構成する必要もある。つまり、新規データ(情報更新)投入時にはそれを反映するための装置再開(リセット)を必要とするため、運用中の増幅装置A,Bのサービスを一時中断する必要が生じる。また、このような問題は、図7に示されるように増幅装置A,B,Cが異なる製造メーカのものである場合には、なおさら深刻である。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、増幅装置のカード構成・機能部の制約を伴うことなく、また、運用中の増幅装置に何ら影響(サービス中断など)を与えることなく、増幅装置の追加又は変更を行なって、監視制御を円滑に行なうことができる無線基地局装置及び監視制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の無線基地局装置は、増幅装置と変復調装置との間にセクタ毎に監視制御用のリンクを確立し、リンクを介してセクタ単位の監視制御を実施する無線基地局装置であって、前記変復調装置及びこれに接続される増幅装置には、それぞれ通信を終端する送受信集約部が設けられ、前記変復調装置の送受信集約部は、前記増幅装置の関連情報を、各リンクを介して取得すると共に、前記各リンクを介して増幅装置の監視制御を行うことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、変復調装置の送受信集約部は、各増幅装置の関連情報を、各リンクを介して取得するため、リンク同士が完全に独立し(他のリンクとの情報が独立する)、1つのリンクでの中断などの状態が他のリンクに影響を及ぼさない。また、リンク間での制約もない。したがって、増幅装置のカード構成・機能部の制約などを伴うことなく、また、運用中の増幅装置に何ら影響(サービス中断など)を与えることなく、増幅装置の追加又は変更を行なって、監視制御を円滑に行なうことが可能になる。
【0011】
本発明の無線基地局装置においては、前記変復調装置の各リンクに対応する送受信集約部はそれぞれ、当該リンクの切断時に、当該リンクに接続される増幅装置の情報をクリアすることが好ましい。この構成によれば、既存の或いは前の増幅装置の情報に影響されることなく、最新情報を更新でき、新たな増幅装置の迅速且つ簡単な接続が可能になる。
【0012】
本発明の無線基地局装置においては、前記変復調装置の送受信集約部は、その起動時のタイミングでリンク毎に増幅装置の関連情報を取得することが好ましい。この構成によれば、運用中のセクタに影響を与えず、増設セクタのサービスを迅速且つ簡単に行なうことができ、手間のかからない経済的な増設工事が可能になる。
【0013】
本発明の無線基地局装置においては、前記変復調装置の各リンクに対応する送受信集約部はそれぞれ、当該リンクに接続される増幅装置との通信確立後、その起動中に、前記増幅装置の関連情報を取得することが好ましい。
【0014】
本発明の無線基地局装置においては、各増幅装置と変復調装置との間は、全リンクで共通のインターフェースを介して監視制御信号が送受信されることが好ましい。
【0015】
本発明の無線基地局装置においては、各増幅装置は、前記変復調装置と伝送ラインを介して遠隔に設置されていることが好ましい。
【0016】
本発明の監視制御方法は、増幅装置と変復調装置との間にセクタ毎に監視制御用のリンクを確立し、リンクを介してセクタ単位の監視制御を実施する監視制御方法であって、前記変復調装置において通信を終端する送受信集約部が、前記増幅装置の関連情報を、各リンクを介して取得すると共に、前記各リンクを介して増幅装置の監視制御を行うことを特徴とする。
【0017】
この方法によれば、変復調装置の送受信集約部は、各増幅装置の関連情報を、各リンクを介して取得するため、リンク同士が完全に独立し(他のリンクとの情報が独立する)、1つのリンクでの中断などの状態が他のリンクに影響を及ぼさない。また、リンク間での制約もない。したがって、増幅装置のカード構成・機能部の制約などを伴うことなく、また、運用中の増幅装置に何ら影響(サービス中断など)を与えることなく、増幅装置の追加又は変更を行なって、監視制御を円滑に行なうことが可能になる。
【0018】
本発明の監視制御方法においては、前記変復調装置の各リンクに対応する送受信集約部においてそれぞれ、当該リンクの切断時に、当該リンクに接続される増幅装置の情報をクリアすることが好ましい。この方法によれば、既存の或いは前の増幅装置の情報に影響されることなく、最新情報を更新でき、新たな増幅装置の迅速且つ簡単な接続が可能になる。
【0019】
本発明の監視制御方法においては、前記変復調装置の送受信集約部で、その起動時のタイミングでリンク毎に増幅装置の関連情報を取得することが好ましい。この方法によれば、運用中のセクタに影響を与えず、増設セクタのサービスを迅速且つ簡単に行なうことができ、手間のかからない経済的な増設工事が可能になる。
【0020】
本発明の監視制御方法においては、前記変復調装置の各リンクに対応する送受信集約部においてそれぞれ、当該リンクに接続される増幅装置との通信確立後、その起動中に、前記増幅装置の関連情報を取得することが好ましい。
【0021】
本発明の監視制御方法においては、各増幅装置と変復調装置との間は、全リンクで共通のインターフェースを介して監視制御信号が送受信されることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、各増幅装置の関連情報を、各リンクを介して取得するため、リンク同士が完全に独立し(他のリンクとの情報が独立する)、1つのリンクでの中断などの状態が他のリンクに影響を及ぼさない。また、リンク間での制約もない。したがって、増幅装置のカード構成・機能部の制約などを伴うことなく、また、運用中の増幅装置に何ら影響(サービス中断など)を与えることなく、増幅装置の追加又は変更を行なって、監視制御を円滑に行なうことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る無線基地局装置を示す概念図である。この無線基地局装置は、MDE部1と、MDE部1から遠隔地に設置され且つMDE部1に伝送ラインである光ファイバケーブル2を介して接続される複数の増幅装置3(本実施の形態では、AMP部がOF−TRX部を組み込んだ形態を成す)とを含む。この場合、増幅装置3は、機能部としてのカードを複数枚実装して成り、また、増幅装置3とMDE部1との間にセクタ毎に監視制御用のリンクが確立され、リンクを介してセクタ単位の監視制御が実施されるようになっている。また、変復調装置1及びこれに接続される各セクタの増幅装置3にはそれぞれ、通信を終端する送受信集約部(TRX−INF)1A,3Aが設けられ、各送受信集約部1A,3Aに集約された情報が各リンクに送受信集約部1A,3A間で送受信されるようになっている。
【0024】
MDE部1は、監視制御部11と、図示しないベースバンド信号処理機能部、呼処理制御機能部及び伝送路インターフェース機能部とを備えている。監視制御部11は、増幅装置3の監視制御を実施する機能部である。
【0025】
図2は増幅装置3の機能部構成を示す図である。増幅装置3は、送受信に伴う変復調を行う送受信機能部(TRX)13と、送受信機能部(TRX)13で変調された送信信号を増幅する増幅部(T−PA)14と、送受信機能部(TRX)13に入出力する送受信信号を集約する送受信集約部(TRX−INF)3Aと、AMP部単位で持つ機能部で構成される共通部16とを備えている。AMP部単位で持つ機能部には、外部装置とのインターフェースを持つ機能部、外部装置類の監視制御を行う機能部、さらに実装次第ではファイル類を格納する共通部のカードを含むこともできる。
【0026】
増幅装置3は、送受信機能部(TRX)13、増幅部(T−PA)14及び送受信集約部(TRX−INF)3Aで1セクタに対応可能である。各セクタに対応して設けられる増幅装置3の送受信集約部(TRX−INF)3Aは、それぞれ光ファイバケーブル2を介してMDE部1の対応する送受信集約部(TRX−INF)1Aに接続される。
【0027】
増幅装置3にはOARA部17及びOARASC部18が付随して設けられている。OARA部17は、送信側と受信側とを選択的にアンテナに接続するデュプレクサ(DUP)19と、アンテナで受信された受信信号を増幅する低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)20とを備える。同図に示す例ではダイバーシチ受信用に2本のアンテナが設けられており、アンテナ毎にデュプレクサ(DUP)19と低雑音増幅器(LNA)20とが設けられている。OARASC部18は、OARA部17を監視制御して監視制御信号を共通部16経由でMDE部1へ送信する。本実施の形態では外部装置としてOARA部17を例示しているが、OARA以外にも、電源設備、アンテナチルトの制御BOX、メンテナンスツールなども外部装置の概念に含むことができる。
【0028】
図2には増幅装置の監視制御範囲を点線で示している。増幅装置3は、1セクタ(ここでは、セクタ#1)に対応した機能部が1つの監視制御範囲に設定されている。また、共通部16は1つの監視制御範囲として設定されている。MDE部1との間には監視制御用のリンク30−1を確立し、共通部16はこのリンクを利用してMDE部1との間で監視制御信号を送受信する。
【0029】
また、MDE部1及び増幅装置3(AMP部及びOF−TRX部)は、保守監視制御に関して共通のデータフォーマット及びシーケンスを定めた共通インターフェースをリンク単位で実装する。これにより、MDE部1及び増幅装置3のベンダが異なる場合であっても、リンク単位で共通インターフェースを実装することで監視制御に関する通信は可能になる。
【0030】
図3には、MDE部1の送受信集約部(TRX−INF機能部)1A及び増幅装置3の送受信集約部(TRX−INF機能部)3Aの状態遷移図が示されている。図3の(a)に示されるように、MDE部1の各リンクに対応する送受信集約部1Aはそれぞれ、当該リンクの切断時に当該リンクに接続される増幅装置3の関連情報(装置構成)をクリアして新たな増幅装置との通信確立に備えるアイドル状態S1と、当該リンクに接続される新たな増幅装置との通信の確立を完了するための起動中状態S2と、起動後状態S3とから成る3つの状態を有しており、当該リンクに接続される新たな増幅装置との通信確立後、その起動中に(つまり、状態S2と状態S3との間に)、新たな増幅装置の情報を取得する(新たな増幅装置の情報収集を完了する)ようになっている(つまり、MDE部1の送受信集約部は、その起動時のタイミングでリンク毎に増幅装置の情報を取得する)。なお、起動後状態S3の後、送受信集約部1Aは、機能部に応じた各種制御(異常処理を含む)、例えば自律制御や上位からの制御などを行なう。また、起動中にリンクが切断されると、アイドル状態S1に戻る。
【0031】
一方、増幅装置3の送受信集約部(TRX−INF機能部)3Aは、図3の(b)に示されるように、当該リンクの切断時に新たなリンク接続に備えて待機するアイドル状態S1と、起動後状態S3とから成る2つの状態を有しており、アイドル状態S1と起動後状態S3との間でMDE部1との通信を確立する。
【0032】
図4には、MDE部1の送受信集約部1A及び増幅装置3の送受信集約部3Aの動作シーケンスが示されている。先にも説明したように、MDE部1の送受信集約部1Aは、起動中状態S2に入ると、通信が確立された新たな増幅装置の送受信集約部3Aに対して装置構成情報の送出を促す(ステップ50)。これにより、増幅装置3の送受信集約部3Aは、当該増幅装置の装置構成情報をMDE部1の送受信集約部1Aに対して与える(ステップ52)。したがって、MDE部1の送受信集約部1Aが、増幅装置3の装置構成情報を取得する。
【0033】
その後、MDE部1の送受信集約部1Aは、通信が確立された新たな増幅装置の送受信集約部3Aに対してカードスロット情報の送出を促す(ステップ54)。これにより、増幅装置3の送受信集約部3Aは、当該装置のカードスロット情報をMDE部1の送受信集約部1Aに対して与える(ステップ56)。したがって、MDE部1の送受信集約部1Aが、増幅装置3のカードスロット情報を取得する。このカードスロット情報は、図4の右下側の表枠に記載される各種の情報要素を含み、これらの情報要素はその右側に記載される目的でMDE部1において利用される。
【0034】
このようにしてカードスロット情報が得られると、MDE部1の送受信集約部1Aは、カード状態、すなわち取得スロット番号のカード状態(実装/未実装/ACT(当該カードが正常動作可能(運用可能)な状態)/ALM(警告状態)/ERR(エラー状態)/BLK(当該カードからの信号出力は行わないが、信号の入力や内部処理は実施しても良い状態)を取得し(ステップ58)、増幅装置FAN状態(異常/正常)を取得する(ステップ60)とともに、MTアドレス設定(増幅装置側に接続するMT(メンテナンスツール)用のPCを接続可能とするためのIPアドレス設定)情報を得る(ステップ62)。
【0035】
このように、MDE部1Aが増幅装置3Aから、カードスロット情報及びカード状態を取得するので、MDE部1Aが増幅装置3Aにおいてどのカードにどの機能部が存在するのか、そのカードがどういう状態かなどを監視することができる。このような監視を行うことにより、MDE部1Aの自律の呼制御を可能とすることができる。
【0036】
なお、本実施の形態においては、増幅装置の関連情報が、図4の右上側の表枠に記載される各種の情報要素を含む装置構成情報、カードスロット情報、カード状態情報、増幅装置FAN状態情報、MTアドレス設定情報である場合について説明していているが、本発明はこれに限定されず、増幅装置に関連する情報をMDE部1の主導の下に各リンクを介して取得する場合に適用することができる。なお、上記情報要素はその右側に記載される目的でMDE部1において利用される。また、以上の関連情報は、全て、所定のテーブル(このテーブルは、アイドル状態S1でクリアされる)に書き込まれる。また、図4の右上側の表枠におけるOPS表示とは、オペレーション上で見える表示を意味する。
【0037】
このように、本実施の形態の無線基地局装置では、MDE部1及びこれに接続される各セクタの増幅装置3にそれぞれ通信を終端する送受信集約部1A,3Aを設け、各送受信集約部1A,3Aに集約された情報が各リンクに送受信集約部1A,3A間で送受信されるため、リンク同士が完全に独立し(他のリンクとの情報が独立する)、1つのリンクでの中断などの状態が他のリンクに影響を及ぼさない。また、リンク間での制約もない。したがって、増幅装置3のカード構成・機能部の制約等を伴うことなく、また、運用中の増幅装置3に何ら影響(サービス中断など)を与えることなく、増幅装置3の追加又は変更を行なって、監視制御を円滑に行なうことが可能になる。また、従来実施している制御等も容易に可能である(様々なタイプの装置との接続実施形態でも上位の実装変更をしない)。
【0038】
また、本実施の形態の無線基地局装置では、MDE部1の各リンクに対応する送受信集約部1Aがそれぞれ、当該リンクの切断時に、当該リンクに接続されていた増幅装置3の情報をクリアするようになっている。そのため、既存の或いは前の増幅装置3の情報に影響されることなく、最新情報を更新でき、新たな増幅装置3の迅速且つ簡単な接続が可能になる。
【0039】
また、本実施の形態の無線基地局装置では、MDE部1の送受信集約部1Aが、その起動時のタイミングでリンク毎に増幅装置3の情報を取得するようになっている。具体的には、MDE部1の各リンクに対応する送受信集約部1Aがそれぞれ、当該リンクに接続される増幅装置3との通信確立後、その起動中に、増幅装置3の情報を取得するようになっている。そのため、運用中のセクタに影響を与えず、増設セクタのサービスを迅速且つ簡単に行なうことができ、手間のかからない経済的な増設工事が可能になる。
【0040】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明における処理部の数、プロトコルスタック、増幅装置の関連情報の内容などについては適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、変復調装置により増幅装置の監視制御を行なう無線基地局装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線基地局装置を示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る無線基地局装置における増幅装置の機能部構成を示す図である。
【図3】(a)はMDE部の送受信集約部の状態遷移図であり、(b)は増幅装置の送受信集約部の状態遷移図である。
【図4】MDE部の送受信集約部及び増幅装置の送受信集約部の動作シーケンスを示す図である。
【図5】無線基地局装置を示す概念図である。
【図6】無線基地局装置の構成例を示す図及び増幅装置のカード構成例を示す図である。
【図7】無線基地局装置における増幅装置のカード構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 MDE部
1A 送受信集約部(TRX−INF機能部)
2 光ファイバケーブル
3 増幅装置
3A 送受信集約部(TRX−INF機能部)
11 監視制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増幅装置と変復調装置との間にセクタ毎に監視制御用のリンクを確立し、リンクを介してセクタ単位の監視制御を実施する無線基地局装置であって、前記変復調装置及びこれに接続される増幅装置には、それぞれ通信を終端する送受信集約部が設けられ、前記変復調装置の送受信集約部は、前記増幅装置の関連情報を、各リンクを介して取得すると共に、前記各リンクを介して増幅装置の監視制御を行うことを特徴とする無線基地局装置。
【請求項2】
前記変復調装置の各リンクに対応する送受信集約部はそれぞれ、当該リンクの切断時に、当該リンクに接続される増幅装置の情報をクリアすることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局装置。
【請求項3】
前記変復調装置の送受信集約部は、その起動時のタイミングでリンク毎に増幅装置の関連情報を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線基地局装置。
【請求項4】
前記変復調装置の各リンクに対応する送受信集約部はそれぞれ、当該リンクに接続される増幅装置との通信確立後、その起動中に、前記増幅装置の関連情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の無線基地局装置。
【請求項5】
各増幅装置と変復調装置との間は、全リンクで共通のインターフェースを介して監視制御信号が送受信されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線基地局装置。
【請求項6】
各増幅装置は、前記変復調装置と伝送ラインを介して遠隔に設置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の無線基地局装置。
【請求項7】
増幅装置と変復調装置との間にセクタ毎に監視制御用のリンクを確立し、リンクを介してセクタ単位の監視制御を実施する監視制御方法であって、前記変復調装置において通信を終端する送受信集約部が、前記増幅装置の関連情報を、各リンクを介して取得すると共に、前記各リンクを介して増幅装置の監視制御を行うことを特徴とする監視制御方法。
【請求項8】
前記変復調装置の各リンクに対応する送受信集約部においてそれぞれ、当該リンクの切断時に、当該リンクに接続される増幅装置の情報をクリアすることを特徴とする請求項7に記載の監視制御方法。
【請求項9】
前記変復調装置の送受信集約部において、その起動時のタイミングでリンク毎に増幅装置の関連情報を取得することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の監視制御方法。
【請求項10】
前記変復調装置の各リンクに対応する送受信集約部においてそれぞれ、当該リンクに接続される増幅装置との通信確立後、その起動中に、前記増幅装置の関連情報を取得することを特徴とする請求項9に記載の監視制御方法。
【請求項11】
各増幅装置と変復調装置との間は、全リンクで共通のインターフェースを介して監視制御信号が送受信されることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載の監視制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−57063(P2010−57063A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221761(P2008−221761)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】