説明

無線管理システム

【課題】 符号化された監視カメラの画像データを1画面単位でのフレーム落ちが少なく、リアルタイムでの長時間の連続伝送を可能とする無線管理システムを実現する。
【解決手段】 管理送受信部21から送信されるディジタル信号の電界強度を電界強度測定部162bで測定し、カメラ送受信部16からディジタル信号が送信された場合における、管理送受信部213で測定される電界強度を受信強度推定部141で推定し、ディジタル信号の電力と電界強度とカメラ送受信部から送信されるディジタル信号のビット誤り率との関係を示す誤り表を記憶部151に格納し、誤り表に基づいて、ディジタル信号のビット誤り率を所定値以下にするように多値数を制御部14で制御するようにして無線セキュリティカメラ装置1を実現した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラで撮像した監視画像を管理システムに無線伝送するに際し、監視画像の2次利用に障害を与えることなくセキュリティ性能を補償して符号化された監視画像を無線伝送する無線管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近になり、監視カメラで撮影した監視画像を管理装置に無線伝送し、監視画像を記録する一方、伝送された監視画像を分析して監視領域に異常があるか否かを判断し、異常がある場合には警報装置を稼動させる、監視センターに連絡するなどの無線式監視カメラ装置の活用がなされるようになってきた。
一方、監視画像を伝送するためには、符号化装置により符号化し情報量を圧縮して伝送する方がアナログ伝送するよりも小さな周波数帯域で、且つ高画質で伝送できるなど好ましい。その圧縮方式としてはいわゆるモーションJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)や、MPEG(moving picture experts group)などの符号化方式が用いられる。
無線式監視カメラ装置の無線伝送は、免許取得が不要な無線LANシステムを用いるのが便利である。
【0003】
特許文献1には、監視カメラのズーム、フォーカス制御と共に圧縮される監視画像の画素数や圧縮率などを管理装置側から無線制御出来るようにしたワイヤレス監視システムが開示されている。
特許文献2には、無線伝送路の状況を推定することにより送受信部で適当と判断される変調方式を選択し、その変調方式で通信を行う送受信装置が開示されている。
【特許文献1】特開平9−93179号公報
【特許文献2】特開2002−290246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているワイヤレス監視システムでは、圧縮画像データに1画面単位でのフレーム落ちが生じた後に、例えば画像の圧縮率を低下させるようにして監視画像を伝送するため、監視画像の伝送が途切れることがある。監視画像に途切れがあると監視画像データの2次利用を十分に行うことが出来なく、信頼性の高い無線式セキュリティシステムを実現することが出来ない。
さらに、伝送路の品質は環境に応じて変化する。監視装置側には、監視カメラから送信される監視画像は、常に高品質な画質を受信されなければならない。通常は、監視装置側で受信される監視画像の品質レベルは監視装置側でしか知ることはできなく、監視カメラ側では、装置の設置場所が適当であるかどうかを、その場所にいながらにして知ることは出来ない。監視装置側から監視画像の品質レベル情報が得られない場合は、監視カメラを所定の余裕度を有する望ましい位置に設置することは出来ない。
【0005】
また、特許文献2に開示される送受信装置は、送受信部で適当とした送信電力を選択して送受信を行う場合ではセキュリティ画像の伝送に適した送信電力が選択されない。即ち、送信電力の選択はパソコン(パーソナルコンピュータ)で用いられれるディジタルデータの送受信に適した電力に設定される。パソコンは、受信するデータに誤りがあるとその誤り部分のデータを再送要求する。最初に伝送されたデータの誤り部分を再送データで置換しデータ受信が行われる。しかし、符号化された監視画像データを連続して送信する場合では1フレーム分の画像データの一部に誤りデータが含まれると1フレーム単位でのフレーム落ちが生じてしまう。
汎用の無線LANシステムを用い、符号化された監視カメラの画像データを高品質で長時間連続して伝送する無線監視カメラ装置を実現することはできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、汎用の無線LANシステムを用い、符号化された監視カメラの画像データを1画面単位でのフレーム落ちが少なく、リアルタイムでの長時間連続伝送を可能とする無線管理システムを提供することを目的とする。
さらに、監視カメラ側で、監視装置側で受信される監視画像の品質レベルを容易に得ることができ、監視装置側に高品質な監視画像を送信可能な監視カメラの設置位置情報を使用者に提示することのできる無線管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明における第1の発明は、被写体を撮影して得られるディジタル撮像画像を無線送信する第1送信部及び無線信号を受信する第1受信部を有する無線カメラ装置と、前記無線カメラ装置から送信される前記ディジタル撮像画像を受信する第2受信部及び無線信号を送信する第2送信部を有する無線監視装置とからなる無線管理システムにおいて、前記無線カメラ装置は、前記第2送信部の送信電力を指定する送信電力指定信号を前記第1送信部から送信し、前記第2送信部から返信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で送信した送信信号を前記第1受信部で受信することにより、前記第1送信部から前記送信電力指定信号で指定される送信電力で前記ディジタル撮像画像を送信した場合に前記第2受信部で受信される画像受信電力を推定する受信電力推定部と、前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される前記ディジタル撮像画像のビット誤り率と前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される画像受信電力との関係を示す誤り表を格納する記憶部と、前記誤り表に基づいて、前記受信電力推定部で推定された画像受信電力で前記ディジタル撮像画像を受信する場合のビット誤り率と、所定品質の前記ディジタル撮像画像を受信するために必要なビット誤り率との関係から必要となる受信電力に対する不足分である不足受信電力を求める受信電力比較部と、前記第1送信部から前記ディジタル撮像画像を送信する場合の送信電力を前記送信電力指定信号で指定される送信電力に前記不足受信電力を加算した送信電力で送信させる送信電力変更命令部とを備え、前記無線監視装置は、前記第1送信部から送信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で無線信号を送信する前記第2送信部を備えることを特徴とする無線管理システムを提供する。
第2の発明は、被写体を撮影して得られるディジタル撮像画像を無線送信する第1送信部及び無線信号を受信する第1受信部を有する無線カメラ装置と、前記無線カメラ装置から送信される前記ディジタル撮像画像を受信する第2受信部及び無線信号を送信する第2送信部を有する無線監視装置とからなる無線管理システムにおいて、前記無線カメラ装置は、前記第2送信部の送信電力を指定する送信電力指定信号を前記第1送信部から送信し、前記第2送信部から返信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で送信した送信信号を前記第1受信部で受信することにより、前記第1送信部から前記送信電力指定信号で指定される送信電力で前記ディジタル撮像画像を送信した場合に前記第2受信部で受信される画像受信電力を推定する受信電力推定部と、前記第1送信部と前記第2受信部との間の距離をパラメータとし、前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される前記ディジタル撮像画像のビット誤り率と前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される画像受信電力との関係を示す誤り表を格納する記憶部と、前記誤り表に基づいて、前記受信電力推定部で推定された画像受信電力で前記ディジタル撮像画像を受信する場合のビット誤り率と、所定品質の前記ディジタル撮像画像を受信するために必要なビット誤り率との関係から必要となる受信電力に対する不足分である不足受信電力を求める受信電力比較部と、前記記憶部に格納される前記誤り表を基に、前記受信電力比較部で求められた前記不足受信電力を得るために必要な前記無線カメラ装置と前記無線監視装置との現状の距離に対して所定品質の前記ディジタル撮像画像を得るために必要な距離との差分に係る距離差を求め、前記距離差に係る情報を表示する補正距離表示部とを備え、前記無線監視装置は、前記第1送信部から送信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で無線信号を送信する前記第2送信部を備えることを特徴とする無線管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被写体を撮影して得られるディジタル撮像画像を無線送信する第1送信部及び無線信号を受信する第1受信部を有する無線カメラ装置と、前記無線カメラ装置から送信される前記ディジタル撮像画像を受信する第2受信部及び無線信号を送信する第2送信部を有する無線監視装置とからなる無線管理システムを構成するに際し、前記無線カメラ装置は、前記第2送信部の送信電力を指定する送信電力指定信号を前記第1送信部から送信し、前記第2送信部から返信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で送信した送信信号を前記第1受信部で受信することにより、前記第1送信部から前記送信電力指定信号で指定される送信電力で前記ディジタル撮像画像を送信した場合に前記第2受信部で受信される画像受信電力を推定する受信電力推定部と、前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される前記ディジタル撮像画像のビット誤り率と前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される画像受信電力との関係を示す誤り表を格納する記憶部と、前記誤り表に基づいて、前記受信電力推定部で推定された画像受信電力で前記ディジタル撮像画像を受信する場合のビット誤り率と、所定品質の前記ディジタル撮像画像を受信するために必要なビット誤り率との関係から必要となる受信電力に対する不足分である不足受信電力を求める受信電力比較部と、前記第1送信部から前記ディジタル撮像画像を送信する場合の送信電力を前記送信電力指定信号で指定される送信電力に前記不足受信電力を加算した送信電力で送信させる送信電力変更命令部とを備え、前記無線監視装置は、前記第1送信部から送信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で無線信号を送信する前記第2送信部を備えているので、前記無線監視装置の無線部は汎用の無線LANシステムを用い、符号化された無線カメラ装置のディジタル撮影画像を1画面単位でのフレーム落ちが少なく、リアルタイムでの長時間連続伝送を可能とする無線管理システムを実現できる。
また、前記記憶部に格納される、前記第1送信部と前記第2受信部との間の距離をパラメータとして記述される誤り表を基に、前記受信電力比較部で求められた前記不足受信電力を得るために必要な前記無線カメラ装置と前記無線監視装置との現状の距離に対して所定品質の前記ディジタル撮像画像を得るために必要な距離との差分に係る距離差を求め、前記距離差に係る情報を表示する補正距離表示部とを備える場合では、監視カメラ側で、監視装置側で受信される監視画像の品質レベルを容易に得ることができ、監視装置側に高品質な監視画像を送信可能な監視カメラの設置位置情報を使用者に提示することのできる無線管理システムを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明の無線管理システムの実施に係る無線セキュリティシステムについて図1〜図13を用いて説明する。
図1は、本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムの構成例を示すブロック図である。図2は、本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムの要部のCPUの機能を示す図である。図3は、本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムのカメラ側送受信部の構成例を示す図である。図4は、本発明の実施に係る、無線装置の監視側送受信部の構成例を示す図である。図5は、本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムの要部のメモリに格納されるテーブル例を示す図である。図6は、本発明の実施に係る、メモリに格納される受信電力及びビット誤り率の関係を示した図である。図7は、本発明の実施に係る、画像用送信電力を求める手順を示した図である。図8は、本発明の実施に係る、無線セキュリティカメラ装置の動作をフローチャートで示した図である。図9は、本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムの応用構成例を示すブロック図である。図10は、本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムのカメラ側送受信部の応用構成例を示す図である。図11は、本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムの要部のメモリに格納される応用テーブル例を示す図である。図12は、本発明の実施に係る、メモリに格納される通信距離及びビット誤り率の関係を示した図である。図13は、本発明の実施に係る、無線セキュリティカメラ装置の応用動作をフローチャートで示した図である。
【0010】
その無線セキュリティシステムは汎用の無線LANシステムを用い、符号化された監視カメラの画像データを1画面単位でのフレーム落ちが少なく、リアルタイムでの長時間連続伝送を可能とする無線管理システムを実現するという目的を、無線カメラ装置は、第2送信部の送信電力を指定する送信電力指定信号を第1送信部から送信し、前記第2送信部から返信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で送信した送信信号を第1受信部で受信することにより、前記第1送信部から前記送信電力指定信号で指定される送信電力で前記ディジタル撮像画像を送信した場合に第2受信部で受信される画像受信電力を推定する受信電力推定部と、前記第1送信部と前記第2受信部との間の距離をパラメータとし、前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される前記ディジタル撮像画像のビット誤り率と前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される画像受信電力との関係を示す誤り表を格納する記憶部と、前記誤り表に基づいて、前記受信電力推定部で推定された画像受信電力で前記ディジタル撮像画像を受信する場合のビット誤り率と、所定品質の前記ディジタル撮像画像を受信するために必要なビット誤り率との関係から必要となる受信電力に対する不足分である不足受信電力を求める受信電力比較部と、前記第1送信部から前記ディジタル撮像画像を送信する場合の送信電力を前記送信電力指定信号で指定される送信電力に前記不足受信電力を加算した送信電力で送信させる送信電力変更命令部とを備えるようにして実現した。
さらに、監視カメラ側で、監視装置側で受信される監視画像の品質レベルを容易に得ることができ、監視装置側に高品質な監視画像を送信可能な監視カメラの設置位置情報を使用者に提示することのできる無線セキュリティシステムを、前記記憶部に格納される前記誤り表を基に、前記受信電力比較部で求められた前記不足受信電力を得るために必要な前記無線カメラ装置と前記無線監視装置との現状の距離に対して所定品質の前記ディジタル撮像画像を得るために必要な距離との差分に係る距離差を求め、前記距離差に係る情報を表示する補正距離表示部とを備えるようにして実現した。
【0011】
無線セキュリティシステムの構成について述べる。
図1に示す無線セキュリティシステムは、撮像部11、A/D(Analog to Digital)変換部12、画像符号化部13、CPU(Central Processing Unit)14、メモリ15、カメラ側送受信部16、及び内部バス19よりなる無線セキュリティカメラ装置1と、監視側送受信部21を有する無線装置2と、有線LAN29と、有線LAN処理部31、CPU32、メモリ33、ディスプレイコントローラ34、画像復号化部35、ハードディスク36、解析部37、及び内部バス39よりなる監視装置3と、ディスプレイ41とより構成される。カメラ側送受信部16にはアンテナ18が接続される。監視側送受信部21にはアンテナ28が接続される。
図2に示すCPU14は、AP(Access Point)受信電力推定機能141、初期設定処理機能142、送信電力変更命令機能143、送信電力検出機能144、画像データ用受信電力比較機能145、及び外部からの誤り許容通知確認機能146を有する。
図3に示すカメラ側送受信部16は、MAC(Media Access Control)処理器161と、ベースバンド処理機能162aに加えて受信電力計測機能162b及び送信電力変更機能162cを有するベースバンド処理器162と、無線周波処理器163とより構成される。
図4に示す監視側送受信部21は、MAC処理器211と、ベースバンド処理機能212aを有するベースバンド処理器162と、無線周波処理器213とより構成される。
図5に示すRAM15には画像データ用受信電力比較用参照テーブル151及び非セキュリティモードマーク152の記憶領域がある。
【0012】
無線セキュリティカメラ装置の動作について述べる。
まず、無線セキュリティカメラ装置1は無線装置2の監視側送受信部21で受信される受信電力と受信信号のビット誤り率の関係を、伝送距離をパラメータとし、送信電力、受信電力、ビット誤り率の関係として得てメモリ15に記憶する。
【0013】
次に、CPU14は、無線装置2の監視側送受信部21に対してビーコンの送信を依頼する。カメラ側送受信部16は、監視側送受信部21から所定の送信電力で送信されるビーコンの受信電力を計測し、計測結果をCPU14に伝送する。CPU14は監視側送受信部21から送信されたビーコンの送信電力と受信電力の関係から、カメラ側送受信部16から所定の電力で送信される信号が監視側送受信部21で受信される受信電力を推定する。それは、空間伝送路を介して行われる送信側と受信側との間に、送受信の可逆性が存在することを利用している。
【0014】
監視側送受信部21で推定された受信電力を、メモリ15に記憶されている受信電力参照テーブルと比較し、監視側送受信部21で受信される信号のビット誤り率を推定する。推定された受信信号のビット誤り率を基に、セキュリティ目的の品質を確保して監視画像が送信可能であるか否かを検出する。送信可能であるとして検出された場合は撮像部11から出力され、画像符号化部13で符号化された符号化信号はカメラ側送受信部16から所定の電力で送信される。
推定された受信信号のビット誤り率により、セキュリティ目的の監視画像が送信可能でないとして検出された場合には、CPU14はカメラ側送受信部16から送信される電力を変更して、所定の受信信号のビット誤り率を確保する送信が可能かを検出する。送信可能な電力がある場合に、カメラ側送受信部16は送信電力を変更して符号化信号を監視側送受信部21に送信する。
【0015】
監視側送受信部21は送信された信号を受信して符号化信号を得、得られた符号化信号を監視装置3に有線LAN29を介して伝送する。監視装置3の画像復号化部35は、有線LAN処理部31を介して得られた符号化信号を復号化して監視画像を得る。ディスプレイコントローラ34は監視画像を所定のフォーマットの信号形式でディスプレイ41に送り、監視画像を表示させる。監視画像はハードディスク36に記録される。解析部37は、伝送された監視画像の動き解析やパターン認識などにより監視領域に異常が発生したか否かを判断する。異常発生時には監視領域の出口の扉をロックしたり、異常情報を警備センターや使用者に連絡する。受信信号のビット誤り率が所定値以下であれば、無線セキュリティカメラ装置1は送信された監視画像を基に上記の異常時に対応した動作を行うことができる。
【0016】
受信信号のビット誤り率が所定値を超え、誤りデータが受信される場合は符号化された監視画像を正常に復号化することはできない。有線LAN処理部31はカメラ側送受信部16にエラーデータの再送を要求する。しかし、再送要求は連続して送信されるフレーム単位の符号化画像の送信後に行われるため、誤りデータが再送されるまでには所定の時間を要する。リアルタイム性が失われる。異常時に対応した動作を行うことが出来なくなる。セキュリティ目的の監視画像の送信は所定の受信信号のビット誤り率以下で送信される必要がある。
監視側送受信部21において、セキュリティ目的の品質で画像が受信可能な送信電力を確保できない場合などは、無線セキュリティカメラ装置1の図示しない表示部に、無線装置2との通信条件の良い場所に移動するように移動要求を表示する。セキュリティ品質が確保できていないことの表示は、例えば警告ランプの点滅、あるいは警告音により通知する。通信条件が改善された後に監視側送受信部21の受信電力の計測を再度実行する。但し、使用者によりセキュリティ目的の監視画像を送信しなく、単に、撮像部で撮影された画像のみの送信を行えば良いとされる設定が図示しない操作部で行われた場合は、セキュリティ目的の監視を行っていないことを示す非セキュリティマークを表示しつつ撮影画像の送信を行う。セキュリティ目的でない画像は、例えば1分に数回のブロックノイズが生じたり、通信路の状況により時々画像がフリーズするなどの不安定な画像となる。被写体の確認程度は可能であるが、受信される画像を分析してセキュリティ面での異常であるとした検出を行うことは出来ない。
【0017】
次に、詳細に説明する。
図2を参照し、CPU14について述べる。
CPU14は無線セキュリティカメラ装置1の動作制御を行う回路部である。
まず、初期設定処理機能142は、無線セキュリティカメラ装置1の電源投入時などに、無線装置2の監視側送受信部21に対してビーコンの送信要求を発行する。そのビーコンは、例えばIEEE802.11(Institute of Electrical and Electronics Engineers 802.11 activities)に規定されるビーコンである。監視側送受信部21から送信されるビーコンは所定の送信電力で送信される。CPU14はカメラ側送受信部16で受信されたビーコンの受信電力の情報を得る。
AP受信電力推定機能141は、監視側送受信部21が所定の電力で送信する信号と、カメラ側送受信部16で受信される受信電力の関係から、カメラ側送受信部16に設定されている送信電力値で送信した場合の監視側送受信部21で受信される受信電力を推定する。
【0018】
画像データ用受信電力比較機能145は、推定された受信電力をメモリ15に記憶される受信電力参照テーブルと比較し、受信信号のビット誤り率を推定する。送信電力検出機能144は推定された受信信号のビット誤り率がセキュリティ目的監視画像を送信するのに適しているかを検出する。送信電力が不足であると判断された場合には、送信電力を増強可能であるかを検出する。増強可能である場合は、増強された送信電力で所定の受信信号のビット誤り率が得られるかを検出する。送信電力を増強して所望の受信信号のビット誤り率が得られる場合に、送信電力検出機能144は送信電力検出信号を生成する。送信電力検出信号が生成された場合に、送信電力変更命令機能143はカメラ側送受信部16に対して現在設定されている送信電力の変更を命令する。
送信電力検出機能144は、セキュリティ目的監視画像を送信するための送信電力が確保できないとして検出した場合にセキュリティ目的の監視画像を送信できないことを使用者に通知する。使用者により、セキュリティ目的の監視を行わずに、撮像部で撮影された画像のみの送信を行うとする設定がなされた場合には、外部からの誤り許容通知確認機能146は非セキュリティマークを撮影画像に多重表示させ、撮影された画像の送信を行わせる。
【0019】
図3を参照してカメラ側送受信部について述べる。
まず、送信処理について述べる。
同図に示すカメラ側送受信部16のMAC処理器161は、カメラ側送受信部16から送信される信号をIEEE802.11に準拠させて送信するためのMACヘッダを付加した送信用フレームデータを生成する。ベースバンド処理器162のベースバンド処理機能162aは送信用フレームデータを多値の信号点を定義する実数軸及び虚数軸で定義されるIQ平面への割り付けを行う。多値の信号点としては、例えば4つの信号点を定義するQPSK(quadrature phase shift keying)、16の信号点を定義する16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64の信号点を定義する64QAM、及び256の信号点を定義する256QAMなどがある。送信電力変更機能162cは、予め設定されている送信電力を、CPU14の送信電力変更命令機能143により変更命令が出された場合に、予め設定されている送信電力を命令された送信電力に変更させる機能である。ベースバンド処理機能162aは所定の多値数により信号点の割り付けを行う。次に、IFFT(Inverse fast Fourier transform;逆高速フーリエ変換)を行ってOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の送信用ベースバンド信号を生成する。無線周波処理器163は送信用ベースバンド信号を送信用高周波信号に周波数変換して高周波信号を生成する。高周波信号はアンテナ18から変更された送信電力で送信される。
【0020】
受信処理について述べる。
アンテナ18は無線装置2などから送信された高周波信号を取得する。無線周波処理器163は高周波信号を周波数変換してベースバンド信号を生成する。受信電力計測機能162bは生成されたベースバンド信号の信号レベルを基に、無線周波処理器163に入力される信号のレベル、即ち受信電力を計測する。受信電力は、CPU14からの要求に応じて計測された受信電力の情報をCPU14に伝送する。ベースバンド処理機能162aは無線周波処理器163で生成されたベースバンド信号のFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理を行い、フレームデータを得る。MAC処理器161はフレームデータから送信されたビーコン等に係る情報信号を得る。
【0021】
図4を参照して監視側送受信部21について述べる。監視側送受信部21は市場に供給されている無線LAN処理に変更を加えることなくそのまま用いる。
従って、監視側送受信部21は、カメラ側送受信部16に比して受信電力計測機能や送信電力を外部から強制的に指定された値に変更する送信電力変更機能を有していない。仮に受信電力計測機能を有している場合であっても、その機能は製造者の検査時に用いる機能であり、例えば監視装置3のCPU32は、有線LAN処理部31及び有線LAN29を介して受信される信号の受信電力情報を取得することができない。従って、上記のAP受信電力推定機能141が無線周波処理器213での受信電力を推定して得るようにしている。
【0022】
図5〜図7を参照して、メモリ15に格納されるデータについて述べる。
図5に示すメモリ15には、CPU14を実行させるコンピュータプログラム、及び演算中のデータが記憶させると共に、画像データ用受信電力比較用参照テーブル151や非セキュリティモードマークが記憶される。
【0023】
図6に示す伝送距離をパラメータとし、送信電力、受信電力に対するビット誤り率特性は、無線装置2の監視側送受信部21を予め測定して得られた特性である。同図に示す特性は通信距離が10m、3mの特性である。通信距離と送信電力の関係から受信電力が求められ、求められた受信電力に対応してビット誤り率が求められる。図に示す受信電力に対応したビット誤り率の関係を基にテーブルを作成し、そのテーブルを画像データ用受信電力比較用参照テーブル151としてメモリ15に格納する。なお、所定のビット誤り率に対するパソコン用データ、画像用データの要求レベルは通信距離が大きい場合はマルチパス歪の量も大きくなり、ビット誤り率も増加するので、通信距離の大きさに応じより大きな受信電力が必要とされる。
パソコン同士が通信をしながらデータ交換するのに必要なビット誤り率は10-9程度である。それは、パケット化されて送信されるデータのサイズが画像データを送信するよりも小さく、誤りデータが生じた場合に再送要求により誤りデータ部分のみを短時間に得ることができるからである。
画像データを送信する場合にはパケット化されるデータサイズも大きく、1フレームのデータが連続して送信される。そのフレーム画像データ中に誤りデータが含まれると画像が正常に復号化できなく、また誤りデータの再送信もフレームデータ送信後になされるため復号化画像を得るまでに所定の時間を必要とする。さらに、復号化画像はセキュリティ目的で分析されるため復号時間の遅延は許容できない。そこで、セキュリティ目的監視画像伝送のビット誤り率はパソコン同士の通信に比して例えば2桁ほど小さな10-11程度が必要となる。
【0024】
図7に示す画像用送信電力を求める手順は、CPU14の送信電力検出機能144及び画像データ用受信電界強度比較機能145でなされる送信電力設定の手順である。パソコン用データを送信するために設定された送信電力を、セキュリティ目的監視画像を送信するための送信電力に設定変更するための手順である。その手順はCPU14を実行させるためのプログラムソフトとしてメモリ15に蓄積される。
【0025】
まず、手順1でAP受信電力推定機能141より推定されて得られた受信電力よりカメラ側送受信部16と監視側送受信部21との間の通信距離を求める。手順2では求められた通信距離におけるパソコン用の要求レベルと画像用要求レベルとのレベル差を求める。手順3ではパソコン用送信電力として最適化された送信電力にレベル差を加算した電力を新たなセキュリティ目的監視画像用送信電力として求める。手順4で、送信電力変更命令機能143を介して、セキュリティ目的の監視画像送信用電力をカメラ側送受信部16に対して新たに設定させる。
【0026】
図8を参照して無線セキュリティカメラ装置設置時の信号の流れについて述べる。
まず、S(ステップ)71で、無線セキュリティカメラ装置1のCPU14は、カメラ側送受信部16を介して無線装置2にビーコンの送信を要求し、無線装置2から送信されたビーコンの受信電力を計測する。S72で計測された受信電力の情報を基に無線装置2での受信電力を推定する。S73で、推定された受信電力と画像データ用受信電力とを比較し、セキュリティ目的の監視画像を送信するために用いる画像送信用送信電力を求める。S74で、求められた送信電力で送信可能か否かを検出する。新たな送信電力で送信できないとして検出された場合はS75で、CPU14から画像データ送信不可信号を生成し、カメラ側送受信部16から無線装置2、及び監視側送受信部21を介して監視装置3に送信すると共に、無線セキュリティカメラ装置1の図示しない表示部に監視を目的としない撮影画像を送信するか否かの画面を表示する。S76で撮影画像を送信する送信方法が選択された場合は設置作業を終了させる。
【0027】
S77では、撮影画像を送信するが選択されない場合に、無線セキュリティカメラ装置を通信状態の良い場所に移動して設置させるための画面を表示する。S78で、所定時間待機し、所定時間経過後に再度S71からの処理を繰り返す。
S74で、セキュリティ目的の監視画像を送信するための最適な送信電力が存在するとして検出された場合には、S81でCPU14は送信電力変更要求情報を生成する。S82で、カメラ側送受信部16はCPU14からの送信電力変更命令を基にカメラ側送受信部16の送信電力を新たな送信電力に変更し、無線セキュリティカメラ装置1の設置作業を終了する。
【0028】
以上のように、本実施例で示した無線セキュリティシステムによれば、無線セキュリティカメラ装置1から2次信号の電力で送信した場合の監視装置側の監視側送受信部21で受信される受信電力を推定する受信電力推定機能部141と、通信距離をパラメータとした前記監視装置3で受信される受信電力とディジタル撮像画像のビット誤り率との関係を示す誤り表を格納する記憶部151と、前記誤り表に基づいて、前記受信電力推定部で推定された前記受信電力が前記監視装置3の側に送信するのに適しているかどうかを判定して、送信に適するように前記無線セキュリティカメラ装置の送信部から前記ディジタル撮像画像を出力させる制御部14と、を有する無線セキュリティカメラ装置1を備えるようにして、無線セキュリティシステムは汎用の無線LANシステムを用い、符号化された監視カメラの画像データを1画面単位でのフレーム落ちが少なく、リアルタイムでの長時間連続伝送を可能とする無線セキュリティシステムを実現した。
【0029】
≪応用例≫
無線セキュリティシステム応用例について述べる。
本応用例で示す無線セキュリティシステムは、セキュリティ目的の監視画像を送信するに際し、無線装置の側で十分な受信電力が得られない場合に、無線セキュリティカメラ装置に対して無線装置の側へ移動すべき距離情報を提示する機能を有す無線セキュリティシステムである。前述の無線セキュリティシステムと同一の機能部分については同一符号を付し、説明を省く。
【0030】
無線セキュリティシステム応用例の構成について述べる。
図9に示す無線セキュリティシステムは図1に示した無線セキュリティシステムに比し、無線セキュリティカメラ装置1の代わりに無線セキュリティカメラ装置1aが備えられている点で異なっている。セキュリティカメラ装置1aはセキュリティカメラ装置1に比し、警告ランプ部17が多く備えられている点、CPU14の代わりにCPU14aが、メモリ15の代わりにメモリ15aが備えられている点で異なっている。
図10に示すCPU14aは、図2に示したCPU14に比しセキュリティモード境界迄の距離通知機能147が多く備えられている。
図11に示すメモリ15aには、CPU14aを駆動するコンピュータプログラムが格納されており、図5に示したメモリ15に比し、セキュリティモード境界迄の距離参照テーブル153が多く備えられている。
【0031】
無線セキュリティシステム応用例の動作について述べる。
図9の無線セキュリティカメラ装置1aに設けられる警告ランプ部17は、無線装置の側へ移動すべき距離情報を示すランプである。図9に示す無線セキュリティカメラ装置1aのCPU14aは、セキュリティ目的監視画像を送信するのに必要な送信電力に対する不足電力、又は余裕のある送信電力を無線装置2までの距離に換算し、警告ランプ部17に表示させる。その表示は、例えば、セキュリティ目的の監視画像を送信可能な領域の境界までの位置に対し、例えば境界から3m外側にある場合には、その距離情報を警告ランプ部17に表示させる。例えば、警告ランプ部17が5秒消灯後に1秒間隔で3回点滅する表示を繰り返す場合は、3m無線装置側に移動すれば境界に達することを示す。そこで5m領域の中心方向に移動すると、セキュリティ目的の監視画像を送信するために2mの余裕を有する。警告ランプ部17は、5秒点灯後に1秒間隔で2回点滅する表示を繰り返し、領域の境界まで2mの余裕があることを表示する。無線セキュリティカメラ装置1aの設置者は、警告ランプ部17の表示を基に監視画像を送信可能な領域内に無線セキュリティカメラ装置1aを設置できる。
【0032】
図10〜図12を参照し、セキュリティモード境界迄の距離通知機能について述べる。
図10に示すCPU14aのセキュリティモード境界迄の距離通知機能147は、無線セキュリティカメラ装置1aがセキュリティ目的の監視画像を送信可能な領域内に位置させるための、領域の境界までの距離情報を求める。
図11に示すメモリ15aのセキュリティモード境界迄の距離参照テーブル153には、画像データ用受信電界強度比較用参照テーブル151を基に作成された距離参照テーブルが格納されている。
【0033】
図12は、無線セキュリティカメラ装置1aのカメラ側送受信部16から所定の送信電力で送信し、無線装置2の監視側送受信部21で受信される受信電力を、無線セキュリティカメラ装置1aと無線装置2との間の通信距離をパラメータとして求めた特性である。標準的な通信距離におけるビット誤り率は受信電力により与えられる。同図に示す特性の場合では、例えば送信電力を(1)10dBmとした場合に、(2)−77dBmの受信電力を与える距離は(3)7mであり、無線LAN処理部21を中心とする半径7mの領域がセキュリティ目的の監視画像を送信可能な領域となる。そして、AP受信電力推定機能141による推定電力が(4)−80dBmであるとして推定された場合には、無線LAN処理部21までの距離は(5)10mであると判定できるため、無線セキュリティカメラ装置1aは境界の外(6)3mの位置にいると判定される。CPU14aは、警告ランプ部17に、無線セキュリティカメラ装置1aがセキュリティモード境界の3m外側にあることを示す表示を行わせる。
【0034】
図13を参照して無線セキュリティシステム応用例の流れについて説明する。
S74で、セキュリティ目的の監視画像を送信するための最適な送信電力が存在するとして検出され、S81でCPU14が送信電力変更要求情報を生成すると共に、S92において、CPU14のセキュリティモード境界迄の距離通知機能147でセキュリティモード境界迄の距離データを生成し、生成された距離データを警告ランプ部17に表示させる。その後、S82での送信電力変更命令により無線LAN処理部の送信電力を変更する。S92での表示により、無線セキュリティカメラ装置1aが無線装置2の側に移動された場合には次のS71からのステップにおいて、変更した送信電力を元に戻した送信がなされるように設定される。
S74で、新たな送信電力で送信できないとして検出され、S75でCPU14から画像データ送信不可信号を生成し、S76で撮影画像を送信する送信方法が選択されない場合には、S91で外部蓄積装置用アクセスポイントまでの距離の短縮依頼、及びセキュリティモードまでの距離データを警告ランプ部で表示する。S78で、所定時間待機し、所定時間経過後に再度S71からの処理を繰り返す。無線セキュリティカメラ装置1aが表示された距離の分だけ無線装置2の側に移動された場合には、S74で求められた送信電力での送信が可能となる。
【0035】
以上、送信電力と受信電力の関係から通信距離を求め、セキュリティ目的監視画像を伝送するために必要とされる受信電力が得られるように通信距離を可変させる機能を有する無線セキュリティカメラ装置1aについて述べた。なお、通信距離が、例えば10mを超える場合には空間伝送路中で生じるマルチパス歪も増加する。所望のビット誤り率を得るために、より大きな受信電力が必要とされる。CPU14aには、計測された距離に対する受信電力の補正機能も併せ持たせる。
無線通信では、周囲環境の変化により予期しないレベルの受信電力の減衰が起きることがある。通信距離が長い場合には、より小さなビット誤り率を確保出来る位置に無線セキュリティカメラ装置を設置するのが好ましい。
そして、無線セキュリティカメラ装置1、1aは、監視側送受信部21で受信されている受信電力の情報を得ずして、所望の受信電力を得られる位置に設置できる。特に、有線LAN29に接続される監視装置3が遠隔地にある場合であっても、遠隔地における画像データの乱れを監視することなく所望の位置に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムの要部のCPUの機能を示す図である。
【図3】本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムのカメラ側送受信部の構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施に係る、無線装置の監視側送受信部の構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムの要部のメモリに格納されるテーブル例を示す図である。
【図6】本発明の実施に係る、メモリに格納される受信電力及びビット誤り率の関係を示した図である。
【図7】本発明の実施に係る、画像用送信電力を求める手順を示した図である。
【図8】本発明の実施に係る、無線セキュリティカメラ装置の動作をフローチャートで示した図である。
【図9】本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムの応用構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムのカメラ側送受信部の応用構成例を示す図である。
【図11】本発明の実施に係る、無線セキュリティシステムの要部のメモリに格納される応用テーブル例を示す図である。
【図12】本発明の実施に係る、メモリに格納される通信距離及びビット誤り率の関係を示した図である。
【図13】本発明の実施に係る、無線セキュリティカメラ装置の応用動作をフローチャートで示した図である。
【符号の説明】
【0037】
1 無線セキュリティカメラ装置
2 無線装置
3 監視装置
11 撮像部
12 A/D変換部
13 画像符号化部
14 CPU
15 メモリ
16 カメラ側送受信部
17 警告ランプ部
18 アンテナ
19 内部バス
21 監視側送受信部
28 アンテナ
29 有線LAN
31 有線LAN処理部
32 CPU
33 メモリ
34 ディスプレイコントローラ
35 画像復号化部
36 ハードディスク
37 解析部
39 内部バス
41 ディスプレイ
141 AP受信電力推定機能
142 初期設定処理機能
143 送信電力変更命令機能
144 送信電力検出機能
145 画像データ用受信電力比較機能
146 外部からの誤り許容通知確認機能
147 セキュリティモード境界迄の距離通知機能
151 画像データ用受信電力比較用参照テーブル
152 非セキュリティモードマーク
153 セキュリティモード境界迄の距離参照テーブル
161 MAC処理器
162 ベースバンド処理器
162a ベースバンド処理機能
162b 受信電力計測機能
162c 送信電力変更機能
163 無線周波処理器
211 MAC処理器
213 無線周波処理器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影して得られるディジタル撮像画像を無線送信する第1送信部及び無線信号を受信する第1受信部を有する無線カメラ装置と、前記無線カメラ装置から送信される前記ディジタル撮像画像を受信する第2受信部及び無線信号を送信する第2送信部を有する無線監視装置とからなる無線管理システムにおいて、
前記無線カメラ装置は、
前記第2送信部の送信電力を指定する送信電力指定信号を前記第1送信部から送信し、前記第2送信部から返信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で送信した送信信号を前記第1受信部で受信することにより、前記第1送信部から前記送信電力指定信号で指定される送信電力で前記ディジタル撮像画像を送信した場合に前記第2受信部で受信される画像受信電力を推定する受信電力推定部と、
前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される前記ディジタル撮像画像のビット誤り率と前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される画像受信電力との関係を示す誤り表を格納する記憶部と、
前記誤り表に基づいて、前記受信電力推定部で推定された画像受信電力で前記ディジタル撮像画像を受信する場合のビット誤り率と、所定品質の前記ディジタル撮像画像を受信するために必要なビット誤り率との関係から必要となる受信電力に対する不足分である不足受信電力を求める受信電力比較部と、
前記第1送信部から前記ディジタル撮像画像を送信する場合の送信電力を前記送信電力指定信号で指定される送信電力に前記不足受信電力を加算した送信電力で送信させる送信電力変更命令部とを備え、
前記無線監視装置は、
前記第1送信部から送信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で無線信号を送信する前記第2送信部を備える
ことを特徴とする無線管理システム。
【請求項2】
被写体を撮影して得られるディジタル撮像画像を無線送信する第1送信部及び無線信号を受信する第1受信部を有する無線カメラ装置と、前記無線カメラ装置から送信される前記ディジタル撮像画像を受信する第2受信部及び無線信号を送信する第2送信部を有する無線監視装置とからなる無線管理システムにおいて、
前記無線カメラ装置は、
前記第2送信部の送信電力を指定する送信電力指定信号を前記第1送信部から送信し、前記第2送信部から返信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で送信した送信信号を前記第1受信部で受信することにより、前記第1送信部から前記送信電力指定信号で指定される送信電力で前記ディジタル撮像画像を送信した場合に前記第2受信部で受信される画像受信電力を推定する受信電力推定部と、
前記第1送信部と前記第2受信部との間の距離をパラメータとし、前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される前記ディジタル撮像画像のビット誤り率と前記第1送信部から送信され前記第2受信部で受信される画像受信電力との関係を示す誤り表を格納する記憶部と、
前記誤り表に基づいて、前記受信電力推定部で推定された画像受信電力で前記ディジタル撮像画像を受信する場合のビット誤り率と、所定品質の前記ディジタル撮像画像を受信するために必要なビット誤り率との関係から必要となる受信電力に対する不足分である不足受信電力を求める受信電力比較部と、
前記記憶部に格納される前記誤り表を基に、前記受信電力比較部で求められた前記不足受信電力を得るために必要な前記無線カメラ装置と前記無線監視装置との現状の距離に対して所定品質の前記ディジタル撮像画像を得るために必要な距離との差分に係る距離差を求め、前記距離差に係る情報を表示する補正距離表示部とを備え、
前記無線監視装置は、
前記第1送信部から送信される前記送信電力指定信号により指定される送信電力で無線信号を送信する前記第2送信部を備える
ことを特徴とする無線管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−116654(P2007−116654A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80233(P2006−80233)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】