説明

無線装置

【課題】接続を許可するための認証処理を簡易にする技術を提供する。
【解決手段】受付部50は、他の撮像装置に接続可能な他の無線装置から、他の撮像装置が撮像を実行した際のパラメータとともに、接続要求を受信する。取得部52は、撮像装置が撮像を実行した際のパラメータを取得する。認証部54は、取得したパラメータと、受信したパラメータとをもとに、他の無線装置との接続を認証する。応答部56は、認証によって、他の無線装置の接続を許可した場合、他の無線装置へ接続許可を送信する。通信部30は、接続許可を送信すると、他の無線装置との通信を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、特に、画像データを通信する無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、さまざまな電子機器に対し、ネットワークへの接続が要請されつつある。特に、電子機器がデジタルカメラ等の撮像装置である場合、ネットワークに接続することにより、撮像した画像データの伝送が容易になる等の長所が得られる。しかしながら、ケーブルまたはファイバによってデジタルカメラが接続される場合、ケーブルを準備する手間が発生する。そこで、デジタルカメラのような携帯可能な小型電子機器においては無線接続方式が望まれる。また、無線接続を簡易に実現するために、アクセスポイントを必要としない、ピアツーピアのネットワークの構築が望まれる。
【0003】
しかしながら、その場合においても、通信の相手機器を安全かつ容易に認識することが要求される。これに対応するために、相手機器は、相手機器に対してデジタルカメラが通信を行う許可を得るためのバーコード情報を表示する。デジタルカメラは、相手機器に表示されたバーコード情報を撮像する。デジタルカメラは、バーコード情報を解析し、最終的に数値または文字情報として認識する。認識された情報は、相手機器に対するデータの送受信を行う許可を得るための認証パスワードとして相手機器へ送信される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−178187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通信機能を有したデジタルカメラ間の認証処理には、さらに簡易であることが望ましい。また、バーコード情報を生成するための機能は、デジタルカメラに搭載されていないことが多い。デジタルカメラにおける処理量の増加を抑制するために、デジタルカメラによって既に取得されている情報を有効に利用することが望ましい。しかしながら、その場合、安全性の低下の抑制も要求される。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、接続を許可するための認証処理を簡易にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、撮像装置に接続可能な無線装置であって、撮像装置が撮像を実行した際のパラメータを取得する取得部と、取得部において取得したパラメータとともに、他の無線装置へ接続要求を送信する要求部と、要求部からの接続要求を受信した他の無線装置が、パラメータを使用した認証によって接続を許可した場合、他の無線装置からの接続許可を受信する受付部と、受付部が接続許可を受信すると、他の無線装置との通信を実行する通信部と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様もまた、無線装置である。この装置は、撮像装置に接続可能な無線装置であって、他の撮像装置に接続可能な他の無線装置から、他の撮像装置が撮像を実行した際のパラメータとともに、接続要求を受信する受付部と、撮像装置が撮像を実行した際のパラメータを取得する取得部と、取得部において取得したパラメータと、受付部において受信したパラメータとをもとに、他の無線装置との接続を認証する認証部と、認証部における認証によって、他の無線装置の接続を許可した場合、他の無線装置へ接続許可を送信する応答部と、応答部が接続許可を送信すると、他の無線装置との通信を実行する通信部と、を備える。
【0009】
本発明のさらに別の態様もまた、無線装置である。この装置は、撮像装置に接続可能な無線装置であって、撮像装置が撮像した画像に関する画像情報を取得する取得部と、取得部において取得した画像情報とともに、他の無線装置へ接続要求を送信する要求部と、要求部からの接続要求を受信した他の無線装置が、画像情報を使用した認証によって接続を許可した場合、他の無線装置からの接続許可を受信する受付部と、受付部が接続許可を受信すると、他の無線装置との通信を実行する通信部と、を備える。
【0010】
本発明のさらに別の態様もまた、無線装置である。この装置は、撮像装置に接続可能な無線装置であって、他の撮像装置に接続可能な他の無線装置から、他の撮像装置が撮像した画像に関する画像情報とともに、接続要求を受信する受付部と、撮像装置が撮像した画像に関する画像情報を取得する取得部と、取得部において取得した画像情報と、受付部において受信した画像情報とをもとに、他の無線装置との接続を認証する認証部と、認証部における認証によって、他の無線装置の接続を許可した場合、他の無線装置へ接続許可を送信する応答部と、応答部が接続許可を送信すると、他の無線装置との通信を実行する通信部と、を備える。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、接続を許可するための認証処理を簡易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】図1の撮像装置の構成を示す図である。
【図3】図1の第1無線装置の構成を示す図である。
【図4】図1の第2無線装置の構成を示す図である。
【図5】図1の通信システムによる通信手順を示すシーケンス図である。
【図6】図3の第1無線装置による送信手順を示すフローチャートである。
【図7】図4の第2無線装置による受信手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、通信機能を搭載したふたつのデジタルカメラによって構成される通信システムに関する。ここでは、デジタルカメラのうちの一方(以下、「第1デジタルカメラ」という)が、デジタルカメラの他方(以下、「第2デジタルカメラ」という)に対して接続を要求し、第2デジタルカメラが第1デジタルカメラを認証する場合を想定する。認証がなされると、第1デジタルカメラは、画像データを第2デジタルカメラへ送信する。前述のごとく、認証処理を簡易に実行し、かつ安全性の低下を抑制するために、通信システムでは次の処理が実行される。
【0015】
接続処理を開始する前に、第1デジタルカメラと第2デジタルカメラとによって、同一の対象物が撮像される。例えば、室内において接続処理を実行しようとする場合、窓から見える同一の建造物が撮像される。第1デジタルカメラは、第2デジタルカメラへ、接続要求を送信する。その際、第1デジタルカメラは、撮像を実行したときのパラメータも送信する。パラメータとは、シャッタースピード値や絞り値である。第1デジタルカメラと第2デジタルカメラとによって、同一の対象物が撮像されているので、これらのパラメータは、近い値になっている。第2デジタルカメラは、受けつけたパラメータと自らのパラメータが近ければ、第1デジタルカメラに接続を許可する。その後、第2デジタルカメラは、第1デジタルカメラに接続の許可を通知し、第1デジタルカメラは、第2デジタルカメラに画像データを送信する。
【0016】
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、撮像装置10と総称される第1撮像装置10a、第2撮像装置10b、無線装置12と総称される第1無線装置12a、第2無線装置12bを含む。第1撮像装置10aと第1無線装置12aとの組合せが、前述の第1デジタルカメラに相当し、第2撮像装置10bと第2無線装置12bとの組合せが、前述の第2デジタルカメラに相当する。無線装置12は、撮像装置10に内蔵されていてもよく、図1のごとく、ケーブル等によって撮像装置10に接続されていてもよい。ここでは、一例として、後者の構成であるとする。
【0017】
第1撮像装置10aは、画像を撮像し、撮像した画像のデータを記憶する。以下では、画像そのもの、画像のデジタルデータを区別せずに「画像データ」という。また、画像データは、動画像であってもよく、静止画像であってもよいが、ここでは、説明を明瞭にするために後者を説明の対象とする。第1撮像装置10aは、画像データを第1無線装置12aへ出力する。
【0018】
第1無線装置12aは、第1撮像装置10aに接続可能であり、前述のごとく、ケーブルで第1撮像装置10aに接続されている。第1無線装置12aは、無線LAN等に対応した通信機能を有し、第2無線装置12bとの間で通信を実行する。一般的に、第1無線装置12aと第2無線装置12bとは同一の構成であるが、ここでは、説明を明瞭にするために、画像データの送信側を第1無線装置12aとし、画像データの受信側を第2無線装置12bとする。
【0019】
第1無線装置12aは、画像データをパケット信号に格納し、パケット信号を第2無線装置12bへ送信する。第2無線装置12bは、第1無線装置12aからのパケット信号を受信する。第2無線装置12bは、パケット信号から画像データを抽出し、画像データを第2撮像装置10bへ出力する。前述のごとく、第2無線装置12bと第2撮像装置10bとは、ケーブルにて接続されている。第2撮像装置10bは、第2無線装置12bから画像データを受けつけ、画像データを記憶する。また、第2撮像装置10bは、画像データを表示する。
【0020】
以上のように、第1無線装置12aと第2無線装置12bとを介して、第1撮像装置10aから第2撮像装置10bへ画像データが伝送される。ここで、通信システム100のセキュリティを向上させるために、通信に先立って、第1無線装置12aと第2無線装置12bとの間で認証処理がなされるべきである。ここでは、第1無線装置12aが接続を要求し、第2無線装置12bが接続を許可するものとする。また、認証処理におけるユーザの処理は簡易である方が望ましい。
【0021】
図2は、撮像装置10の構成を示す。撮像装置10は、撮像部20、モニタ22、記憶部24、制御部26、IF部28を含む。撮像部20は、動画像や静止画像を生成する。生成された動画像や静止画像が、前述の画像データに相当する。撮像部20は、画像データを生成する際、つまり撮像を実行する際、シャッタースピード値、絞り値、AFの距離値、AWB値のような、撮像時のパラメータを設定する。ここでは、特に、これらの値が自動的に設定されるものとする。なお、これらの値の設定には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。撮像部20は、画像データを制御部26へ出力するとともに、設定した値も制御部26へ出力する。
【0022】
記憶部24は、制御部26から、撮像部20において撮像した画像データを受けつける。記憶部24は、画像データを記憶する。画像データは、デジタルデータであるので、記憶部24は、ハードディスク等の記憶媒体である。また、記憶部24は、制御部26から、撮像部20が設定した値を受けつけ、設定した値も記憶する。記憶部24は、制御部26からの指示に応じて、画像データや設定した値を出力する。
【0023】
モニタ22は、制御部26からの指示に応じて、記憶部24において記憶された画像データを受けつけ、画像データを表示する。モニタ22は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイにて構成される。
【0024】
IF部28は、図示しない無線装置12を接続する。また、IF部28は、無線装置12との間で通信を実行する。例えば、IF部28は、制御部26を介して、記憶部24において記憶した画像データや設定した値を無線装置12へ出力する。また、IF部28は、無線装置12から、画像データを受けつけ、画像データを制御部26へ出力する。さらに、IF部28は、無線装置12からの指示を受けつけ、指示を制御部26へ出力する。IF部28は、制御部26からの指示を受けつけ、指示を無線装置12へ出力する。IF部28は、例えば、USBに対応する。
【0025】
制御部26は、撮像装置10の動作を制御する。制御部26は、撮像部20やIF部28からの画像データを受けつけ、記憶部24に画像データを記憶させる。また、制御部26は、記憶部24からの画像データを受けつけ、画像データをモニタ22に表示させたり、画像データをIF部28から出力させたりする。また、制御部26は、撮像部20から、設定した値を受けつけ、設定した値を記憶部24に記憶させる。さらに、制御部26は、記憶部24から、設定した値を受けつけ、設定した値をIF部28から出力させる。
【0026】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0027】
図3は、第1無線装置12aの構成を示す。第1無線装置12aは、通信部30、接続処理部32、IF部34、制御部36を含む。また、接続処理部32は、取得部40、要求部42、受付部44、許可部46を含む。前述のごとく、無線装置12は、第1無線装置12aの構成と、第2無線装置12bの構成とを含むが、ここでは、接続を要求するとともに、画像データを送信する機能を中心に説明する。
【0028】
通信部30は、無線LANの通信機能を実行する。通信部30は、接続処理部32またはIF部34から、所定の情報を受けつけ、所定の情報が格納されたパケット信号を生成する。通信部30は、パケット信号に対して、変調処理、DA変換処理、周波数変換処理、増幅処理等を実行し、その結果のパケット信号(以下、これも「パケット信号」という)をアンテナから図示しない第2無線装置12bへ送信する。また、通信部30は、図示しない第2無線装置12bからのパケット信号をアンテナで受信する。通信部30は、パケット信号に対して、周波数変換処理、AD変換処理、復調処理を実行し、復調結果としてのパケット信号を生成する。通信部30は、パケット信号から所定の情報を抽出する。通信部30は、所定の情報を接続処理部32またはIF部34へ出力する。
【0029】
IF部34は、図1の第1撮像装置10aのうち、IF部28を接続する。IF部34は、IF部28と同様にUSBに対応する。IF部34は、IF部28から画像データや情報を受けつけ、画像データを通信部30へ出力し、情報を接続処理部32へ出力する。また、IF部34は、IF部28へ画像データや情報を出力する。
【0030】
第1撮像装置10aから第2撮像装置10bへの接続をユーザが希望するとき、図2の制御部26は、ユーザからの接続要求の指示を受けつける。接続要求の指示を受けつけるために、図2の撮像装置10には、図示しないボタンが備えられる。IF部28は、接続要求の指示とともに、記憶部24に記憶された撮影時のパラメータを出力する。取得部40は、IF部34を介して、第1撮像装置10aが撮像を実行した際のパラメータを取得する。前述のごとく、パラメータとして、シャッタースピード値、絞り値、AFの距離値、AWB値等が例示されるが、取得部40は、これらのうちのひとつやこれらの任意の組合せを取得する。また、取得部40は、IF部34を介して、接続要求の指示を受けつける。取得部40は、接続要求の指示とともに、取得したパラメータを要求部42へ出力する。
【0031】
要求部42は、取得部40からのパラメータを受けつけると、図示しない第2無線装置12bに接続を要求するための信号(以下、「接続要求」という)を生成する。ここで、要求部42は、取得部40から受けつけたパラメータを接続要求に含める。要求部42は、接続要求を通信部30へ出力する。通信部30は、パラメータとともに接続要求が含まれたパケット信号を第2無線装置12bへ送信する。第2無線装置12bが、第1無線装置12aからのパケット信号を受信すると、接続要求に対して、パラメータを使用した認証を実行する。認証処理については、後述する。認証処理によって、第2無線装置12bが第1無線装置12aの接続を許可した場合、第2無線装置12bは、接続の許可を示した信号(以下、「接続許可」という)が含まれたパケット信号を第1無線装置12aへ送信する。
【0032】
通信部30は、第2無線装置12bからのパケット信号を受信し、接続許可を受付部44へ出力する。受付部44は、通信部30から、第2無線装置12bによる接続許可を受けつける。受付部44は、接続許可を受けつけると、第1無線装置12aと第2無線装置12bとの接続を認識し、許可部46へ通信開始を通知する。許可部46は、受付部44からの通知を受けつけると、通信部30に対して、第2無線装置12bとの通信を許可する。通信部30は、許可部46によって通信が許可されると、第2無線装置12bとの通信を実行する。具体的に説明すると、IF部34は、図示しない第1撮像装置10aからの画像データを受けつけ、通信部30へ出力する。通信部30は、画像データが含まれたパケット信号を第2無線装置12bへ送信する。
【0033】
ここで、取得部40は、第2無線装置12bでの認証処理に使用させるために、第1撮像装置10aが撮像を実行した際のパラメータを取得している。パラメータに加えて、取得部40は、第1撮像装置10aが撮像した画像に関する画像情報を取得してもよい。当該画像情報も、第2無線装置12bでの認証処理に使用される。画像情報の一例は、画像データに含まれたRGBの各色要素の構成比率である。具体的に説明すると、取得部40は、第1撮像装置10aから画像データを受けつける。また、取得部40は、画像データの画素ごとに、R成分の値、G成分の値、B成分の値を抽出する。取得部40は、画像データの全画素にわたって、R成分の値を積算する。なお、積算は、画像データの一部領域においてなされてもよい。G成分の積算値、B成分の積算値も同様に導出される。最終的に、取得部40は、R成分の積算値、G成分の積算値、B成分の積算値をもとに、RGBの各色要素の構成比率を導出する。
【0034】
なお、画像情報の別の一例が、画像データそのものやサムネイル画像データであってもよい。取得部40は、画像情報を要求部42へ出力する。要求部42は、画像情報が含まれた接続要求を生成する。その結果、接続要求には、パラメータと画像情報とが含まれることもありえる。第2無線装置12bは、画像情報も使用した認証処理を実行する。そのため、受付部44が接続許可を受けつけた場合、第2無線装置12bでは、画像情報も使用した認証によって接続が許可されている。制御部36は、第1無線装置12a全体の動作を制御する。
【0035】
図4は、第2無線装置12bの構成を示す。第2無線装置12bは、通信部30、接続処理部32、IF部34、制御部36を含む。また、接続処理部32は、受付部50、取得部52、認証部54、応答部56、許可部58を含む。前述のごとく、無線装置12は、第1無線装置12aの構成と、第2無線装置12bの構成とを含むが、ここでは、接続を許可するとともに、画像データを受信する機能を中心に説明する。
【0036】
通信部30、IF部34、制御部36は、図3と同様である。通信部30は、図示しない第1無線装置12aからのパケット信号を受信する。通信部30は、パケット信号から接続要求を抽出して、接続要求を受付部50へ出力する。受付部50は、通信部30からの接続要求を受けつける。前述のごとく、接続要求には、図示しない第1撮像装置10aが撮像を実行した際のパラメータが含まれている。なお、第1撮像装置10aと第1無線装置12aとは、ケーブル等によって接続可能である。受付部50は、認証部54へパラメータを出力する。また、受付部50は、第2無線装置12bに接続された第2無線装置12bからパラメータを取得することを取得部52に指示する。
【0037】
取得部52は、受付部50からの指示を受けつけると、IF部34を介して、第2撮像装置10bに対して、第2撮像装置10bが撮像を実行した際のパラメータの出力を要求する。その後、取得部52は、IF部34を介して、第2撮像装置10bから、パラメータを取得する。取得部52は、パラメータを認証部54へ出力する。
【0038】
認証部54は、取得部52において取得したパラメータと、受付部50において受けつけたパラメータとを入力する。認証部54は、ふたつのパラメータをもとに、第1無線装置12aに対する認証処理を実行する。具体的に説明すると、パラメータがシャッタースピード値である場合、認証部54は、ふたつのシャッタースピード値の差の絶対値を計算する。認証部54は、予め定めたしきい値と、差の絶対値とを比較する。差の絶対値がしきい値よりも小さければ、認証部54は、第1無線装置12aの接続を許可する。一方、差の絶対値がしきい値以上であれば、認証部54は、第1無線装置12aの接続を拒否する。また、パラメータとして、シャッタースピード値、絞り値のような複数の値を使用する場合、すべてがしきい値よりも小さければ、認証部54は、第1無線装置12aの接続を許可する。なお、すべてではなく、一部の値がしきい値よりも小さければ、認証部54は、第1無線装置12aの接続を許可してもよい。認証部54は、認証結果、つまり接続の許可か、接続の拒否を応答部56および許可部58へ出力する。
【0039】
応答部56は、認証部54からの認証結果を受けつける。認証結果が接続の許可である場合、応答部56は、第1無線装置12aの接続を許可するための信号(以下、「接続許可」という)を生成する。一方、認証結果が接続の拒否である場合、応答部56は、第1無線装置12aの接続を拒否するための信号(以下、「接続拒否」という)を生成する。応答部56は、接続許可あるいは接続拒否を通信部30へ出力する。通信部30は、接続許可あるいは接続拒否が含まれたパケット信号を第1無線装置12aへ送信する。
【0040】
許可部58は、認証部54からの認証結果を受けつける。認証結果が接続の許可である場合、許可部58は、通信部30に対して第1無線装置12aとの通信を許可する。一方、認証結果が接続の拒否である場合、許可部58は、通信部30に対して第1無線装置12aとの通信を禁止する。通信部30は、接続許可が含まれたパケット信号を送信した後、第1無線装置12aとの通信を実行する。つまり、通信部30は、第1撮像装置10aから、画像データが含まれたパケット信号を受信し、画像データをIF部34へ出力する。IF部34は、画像データを第2撮像装置10bへ出力する。
【0041】
前述のごとく、第1撮像装置10aからの接続要求において、パラメータに加えて、第1撮像装置10aが撮像した画像に関する画像情報が含まれている場合がある。その際、受付部50は、通信部30を介して、第1無線装置12aから、第1撮像装置10aが撮像した画像に関する画像情報も受けつける。画像情報は、例えば、画像データに含まれたRGBの各色要素の構成比率である。受付部50は、認証部54へ画像情報を出力する。また、受付部50は、第2無線装置12bに接続された第2無線装置12bから画像情報を取得することを取得部52に指示する。取得部52は、受付部50からの指示を受けつけると、IF部34を介して、第2撮像装置10bから画像データを受けつける。取得部52は、図3の取得部40と同様に、画像データから、RGBの各色要素の構成比率を導出する。つまり、取得部52は、第2撮像装置10bが撮像した画像に関する画像情報も取得する。取得部52は、画像情報を認証部54に出力する。
【0042】
認証部54は、第1無線装置12aとの接続を認証する際に、取得部52において取得した第2撮像装置10bでの画像情報と、受付部50において受信した第1撮像装置10aでの画像情報も反映させる。具体的に説明すると、認証部54は、第2撮像装置10bでの画像情報と第1撮像装置10aでの画像情報とのそれぞれから、赤色の構成比率を抽出し、差の絶対値を計算する。また、認証部54は、差の絶対値をしきい値と比較する。このような処理は、赤色の他に、緑色、青色に対してもなされる。すべての色に対して、差の絶対値がしきい値よりも小さければ、認証部54は、第1無線装置12aの接続を許可する。一方、いずれかの差の絶対値がしきい値以上であれば、認証部54は、第1無線装置12aの接続を拒否する。
【0043】
以上の構成による通信システム100の動作概要を説明する。図5は、通信システム100による通信手順を示すシーケンス図である。第1撮像装置10aおよび第2撮像装置10bは、撮像を実行する(S10、S12)。第1撮像装置10aは、第1無線装置12aへパラメータを出力する(S14)。第1無線装置12aは、パラメータが含まれた接続要求を生成する(S16)。第1無線装置12aは、第2無線装置12bへ接続要求を送信する(S18)。第2撮像装置10bは、第2無線装置12bへパラメータを出力する(S20)。第2無線装置12bは、パラメータをもとに認証する(S22)。第2無線装置12bは、接続許可を生成する(S24)。第2無線装置12bは、第1無線装置12aへ接続許可を送信する(S26)。第1撮像装置10aは、第1撮像装置10aへ画像データを出力し(S28)、第1無線装置12aは、第2無線装置12bへ画像データを送信し(S30)、第2無線装置12bは、第2撮像装置10bへ画像データを出力する(S32)。
【0044】
図6は、第1無線装置12aによる送信手順を示すフローチャートである。取得部40は、パラメータを取得する(S40)。要求部42は、通信部30を介して、パラメータが含まれた接続要求を送信する(S42)。受付部44が接続許可を受信すれば(S44のY)、通信部30は、画像データを送信する(S46)。受付部44が接続許可を受信しなければ(S44のN)、処理は終了される。
【0045】
図7は、第2無線装置12bによる受信手順を示すフローチャートである。受付部50は、通信部30を介して、接続要求を受信する(S50)。取得部52は、IF部34を介して、パラメータを取得する(S52)。認証部54において、差の絶対値がしきい値よりも小さければ(S54のY)、応答部56は、通信部30を介して、接続許可を送信する(S56)。通信部30は、画像データを受信する(S58)。一方、認証部54において、差の絶対値がしきい値よりも小さくなければ(S54のN)、処理は終了される。
【0046】
本発明の実施例によれば、撮像装置が撮像を実行した際のパラメータを認証に使用するので、接続のための認証処理を簡易にできる。また、パラメータとしてさまざまな値が使用可能であるので、認証精度の高いパラメータを使用できる。また、撮像装置での撮像とともにパラメータが生成されるので、認証処理のための情報を容易に取得できる。また、認証処理が簡易になされるので、ふたつの撮像装置間の画像データの伝送を簡易にできる。また、認証処理を実行するので、画像データの伝送における安全性を維持できる。
【0047】
また、パラメータが近ければ接続を許可するので、認証精度を向上できる。また、パラメータに加えて、画像情報を使用するので、認証精度をさらに向上できる。また、画像情報として、RGBの各色要素の構成比率を使用するので、撮像とともに画像情報を生成できる。また、画像情報が自動的に生成されるので、認証処理を簡易にできる。また、RGBの各色要素の構成比率を認証処理に使用するので、認証精度を向上できる。
【0048】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0049】
本発明の実施例において、第1撮像装置10aおよび第2撮像装置10bは、パラメータを認証処理に使用したり、パラメータと画像情報との組合せを認証処理に使用したりしている。しかしながらこれに限らず例えば、第1撮像装置10aおよび第2撮像装置10bは、画像情報だけを認証処理に使用してもよい。その際、前述の説明のうち、パラメータに関する処理は、省略される。本変形例によれば、撮像時に生成される画像情報を認証処理に使用するので、認証処理を簡易にできる。
【符号の説明】
【0050】
10 撮像装置、 12 無線装置、 20 撮像部、 22 モニタ、 24 記憶部、 26 制御部、 28 IF部、 30 通信部、 32 接続処理部、 34 IF部、 36 制御部、 40 取得部、 42 要求部、 44 受付部、 46 許可部、 50 受付部、 52 取得部、 54 認証部、 56 応答部、 58 許可部、 100 通信システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置に接続可能な無線装置であって、
撮像装置が撮像を実行した際のパラメータを取得する取得部と、
前記取得部において取得したパラメータとともに、他の無線装置へ接続要求を送信する要求部と、
前記要求部からの接続要求を受信した他の無線装置が、パラメータを使用した認証によって接続を許可した場合、他の無線装置からの接続許可を受信する受付部と、
前記受付部が接続許可を受信すると、他の無線装置との通信を実行する通信部と、
を備えることを特徴とする無線装置。
【請求項2】
前記取得部は、撮像装置が撮像した画像に関する画像情報も取得し、
前記要求部は、前記取得部において取得した画像情報も送信する要求部と、
前記受付部が接続許可を受信した場合、他の無線装置では、画像情報も使用した認証によって接続が許可されていることを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
撮像装置に接続可能な無線装置であって、
他の撮像装置に接続可能な他の無線装置から、他の撮像装置が撮像を実行した際のパラメータとともに、接続要求を受信する受付部と、
撮像装置が撮像を実行した際のパラメータを取得する取得部と、
前記取得部において取得したパラメータと、前記受付部において受信したパラメータとをもとに、他の無線装置との接続を認証する認証部と、
前記認証部における認証によって、他の無線装置の接続を許可した場合、他の無線装置へ接続許可を送信する応答部と、
前記応答部が接続許可を送信すると、他の無線装置との通信を実行する通信部と、
を備えることを特徴とする無線装置。
【請求項4】
前記受付部は、他の無線装置から、他の撮像装置が撮像した画像に関する画像情報も受信し、
前記取得部は、撮像装置が撮像した画像に関する画像情報も取得し、
前記認証部は、他の無線装置との接続を認証する際に、前記取得部において取得した画像情報と、前記受付部において受信した画像情報も反映させることを特徴とする請求項3に記載の無線装置。
【請求項5】
撮像装置に接続可能な無線装置であって、
撮像装置が撮像した画像に関する画像情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した画像情報とともに、他の無線装置へ接続要求を送信する要求部と、
前記要求部からの接続要求を受信した他の無線装置が、画像情報を使用した認証によって接続を許可した場合、他の無線装置からの接続許可を受信する受付部と、
前記受付部が接続許可を受信すると、他の無線装置との通信を実行する通信部と、
を備えることを特徴とする無線装置。
【請求項6】
撮像装置に接続可能な無線装置であって、
他の撮像装置に接続可能な他の無線装置から、他の撮像装置が撮像した画像に関する画像情報とともに、接続要求を受信する受付部と、
撮像装置が撮像した画像に関する画像情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した画像情報と、前記受付部において受信した画像情報とをもとに、他の無線装置との接続を認証する認証部と、
前記認証部における認証によって、他の無線装置の接続を許可した場合、他の無線装置へ接続許可を送信する応答部と、
前記応答部が接続許可を送信すると、他の無線装置との通信を実行する通信部と、
を備えることを特徴とする無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−154658(P2011−154658A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17435(P2010−17435)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】