説明

無線通信システム及び通信制御方法

【課題】端末装置が良好な通信品質で無線通信を行うことを可能とした無線通信システム及び通信制御方法を提供する。
【解決手段】MR200は、無線基地局300−1からネイバーリスト情報と、無線基地局300−1からの信号の受信電界強度の情報(信号強度情報)とを受信する。UE100は、ネイバーリスト情報に基づいて認識した無線基地局300−2からの信号の受信電界強度を測定する。更に、UE100は、MR200からの信号強度情報によって示される受信電界強度と、測定した受信電界強度とを比較し、受信電界強度が高い方に対応するMR200又は無線基地局300−2を接続先とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局と、端末装置と、前記無線基地局と先記端末装置との間の無線通信の中継を行う複数の中継装置とを有する無線通信システムと、当該無線通信システムにおける通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルルータ(MR)(例えば、特許文献1参照)は、無線基地局と端末装置との間の無線通信の中継を行う。具体的には、モバイルルータは、端末装置に対して、無線LAN方式のアクセスポイントとして機能し、無線基地局に対して、無線端末として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−153802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端末装置は、MRと無線基地局の双方に択一的に接続可能である。しかしながら、端末装置は、MRと無線基地局の何れに接続する方が良好な通信品質で無線通信が可能であるか否かを判断できない。
【0005】
そこで、本発明は、端末装置が良好な通信品質で無線通信を行うことを可能とした無線通信システム及び通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。本発明の特徴は、無線基地局(無線基地局300−1、無線基地局300−2)と、端末装置(端末装置100)と、前記無線基地局と前記端末装置との間の無線通信の中継を行う複数の中継装置(モバイルルータ200)とを有する無線通信システムであって、前記端末装置は、前記中継装置と前記無線基地局との間の無線通信における通信品質の情報と、前記端末装置と前記無線基地局との間の無線通信における通信品質の情報とに基づいて、前記中継装置と、前記無線基地局との何れかに接続することを要旨とする。
【0007】
このような無線通信システムでは、端末装置は、当該中継装置と無線基地局との間の無線通信における通信品質と、当該端末装置と無線基地局との間の無線通信における通信品質とに基づいて、中継装置と無線基地局との何れかを接続先とする。従って、端末装置は、中継装置と無線基地局との間の無線通信における通信品質を考慮した上で、通信状態が良好な中継装置及び無線基地局の何れかに接続できる。
【0008】
本発明の特徴は、前記端末装置は、前記中継装置と前記無線基地局とのうち、前記端末装置との間の前記通信品質が良好な方に接続することを要旨とする。
【0009】
本発明の特徴は、前記中継装置は、前記端末装置の接続先になり得る無線基地局の情報を、前記中継装置に通知することを要旨とする。
【0010】
本発明の特徴は、無線基地局と、端末装置と、前記無線基地局と前記端末装置との間の無線通信の中継を行う中継装置とを有する無線通信システムにおける通信制御方法であって、前記端末装置が、前記中継装置と前記無線基地局との間の無線通信における通信品質の情報と、前記端末装置と前記無線基地局との間の無線通信における通信品質の情報とに基づいて、前記中継装置と、前記無線基地局との何れかに接続するステップを含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の特徴によれば、端末装置が良好な通信品質で無線通信を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る端末装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るモバイルルータの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る無線基地局の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る上位ノードの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)無線通信システムの構成、(2)無線通信システムの動作、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0014】
(1)無線通信システムの構成
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム1の全体概略構成図である。無線通信システム1は、バス700の乗客であるユーザ600が所持する端末装置(UE)100及びモバイルルータ(MR)200と、無線基地局300−1及び無線基地局300−2と、コアネットワーク500とを含む。
【0015】
UE100とMR200との間の無線通信は、無線LAN方式により行われる。MR200及びUE100と無線基地局300−1及び無線基地局300−2との間の無線通信は、公衆無線通信方式であるLTE(Long Term Evolution)、EV−DO、HSPA(High Speed Packet Access)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等により行われる。
【0016】
図2は、UE100の構成を示す図である。図2に示すように、UE100は、無線通信部110、アンテナ112、無線通信部114、アンテナ116、制御部120及び記憶部130とを含む。
【0017】
無線通信部110は、例えば無線周波数(RF)回路やベースバンド(BB)回路等を用いて構成される。無線通信部110は、アンテナ112を介して、無線LAN方式によりMR200との間で無線通信を行うことができる。
【0018】
無線通信部114は、例えばRF回路やBB回路等を用いて構成される。無線通信部114は、アンテナ116を介して、公衆無線通信方式により、無線基地局300−1及び無線基地局300−2(以下、無線基地局300−1及び無線基地局300−2をまとめて、適宜「無線基地局300」と称する)との間で無線通信を行うことができる。
【0019】
制御部120は、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等を用いて構成される。制御部120は、UE100が具備する各種の機能を制御する。記憶部130は、例えばメモリを用いて構成され、UE100の制御等に用いられる各種の情報を記憶する。
【0020】
図3は、MR200の構成を示す図である。図3に示すように、MR200は、無線通信部210、アンテナ212、無線通信部214、アンテナ216、制御部220及び記憶部230を含む。
【0021】
無線通信部210は、例えばRF回路やBB回路等を用いて構成される。無線通信部210は、アンテナ212を介して、無線LAN方式によりUE100との間で無線通信を行うことができる。
【0022】
無線通信部214は、例えばRF回路やBB回路等を用いて構成される。無線通信部214は、アンテナ216を介して、公衆無線通信方式により、無線基地局300との間で無線通信を行うことができる。
【0023】
制御部220は、例えばCPU、DSP等を用いて構成される。制御部220は、MR200が具備する各種の機能を制御する。記憶部230は、例えばメモリを用いて構成され、MR200の制御等に用いられる各種の情報を記憶する。
【0024】
図4は、無線基地局300の構成を示す図である。図4に示すように、無線基地局300は、無線通信部310、アンテナ312、有線通信部314、制御部320及び記憶部330を含む。
【0025】
無線通信部310は、例えばRF回路やBB回路等を用いて構成される。無線通信部310は、アンテナ312を介して、公衆無線通信方式により、MR200やUE100との間で無線通信を行うことができる。
【0026】
有線通信部314は、コアネットワーク500を介して、他の無線基地局300との間で通信を行う。公衆無線通信方式にLTEが採用される場合、無線基地局300と他の無線基地局300との間には、論理的な通信経路であるX2インタフェースが確立される。
【0027】
制御部320は、例えばCPU、DSP等を用いて構成される。制御部320は、無線基地局300が具備する各種の機能を制御する。記憶部330は、例えばメモリを用いて構成され、無線基地局300の制御等に用いられる各種の情報を記憶する。
【0028】
次に、無線通信システム1の詳細な処理を説明する。
【0029】
ユーザ600が所持するUE100内の制御部120は、ユーザ600による図示しない操作部の操作に応じて、ユーザ600が所持するMR200内の制御部220との間で、呼接続処理を行う。呼接続処理において、UE100内の制御部120は、MR200に対応するESSID(Extended Service Set Identifier)を認識する。更に、UE100内の制御部120は、MR200に接続するための認証キーを記憶部130から読み出し、当該認証キーをMR200へ送信する。MR200内の制御部220は、認証キーを受信すると、当該認証キーに基づく認証を行い、UE100の接続を許可する。これにより、UE100とMR200との間で無線LAN方式による無線通信が可能となる。
【0030】
MR200の周辺の無線基地局(ここでは、無線基地局300−1及び無線基地局300−2)は、報知信号等を送信している。MR200内の制御部220は、無線基地局300−1及び無線基地局300−2からの報知信号等を受信する。MR200内の制御部220は、各報知信号等の受信電界強度(RSSI:Reserved Signal Strength Indication)、受信品質(SINR:Signal to Noise Interference Ratio)等の通信品質を測定する。MR200内の制御部220は、通信品質が良好な無線基地局(ここでは、無線基地局300−1)との間で呼接続処理を行う。これにより、MR200と無線基地局300−1との間で、公衆無線通信方式による無線通信が可能となる。
【0031】
UE100とMR200との間の呼接続処理と、MR200と無線基地局300−1との間の呼接続処理とにより、MR200は、UE100と無線基地局300−1との間の無線通信の中継を行うことができる。
【0032】
無線基地局300−1内の制御部320は、ネイバーリスト情報をMR200へ送信する。ネイバーリスト情報は、無線基地局300−1の周辺に存在する他の無線基地局の情報である。ネイバーリスト情報は、他の無線基地局の識別情報を含む。
【0033】
MR200内の制御部220は、ネイバーリスト情報を受信する。MR200内の制御部220は、無線基地局300−1からの信号の受信電界強度(RSSI)を測定する。更に、MR200内の制御部220は、ネイバーリスト情報と、無線基地局300−1からの信号の受信電界強度の情報(信号強度情報)とを、UE100へ送信する。
【0034】
UE100内の制御部120は、ネイバーリスト情報と信号強度情報とを受信する。UE100内の制御部120は、ネイバーリスト情報に基づいて、無線基地局300−1の周辺に存在する他の無線基地局(隣接基地局、ここでは無線基地局300−2)を認識する。UE100内の制御部120は、隣接基地局からの信号の受信電界強度(RSSI)を測定する。
【0035】
次に、UE100内の制御部120は、当該UE100の接続先を切り替える決定を行う。具体的には、UE100内の制御部120は、MR200からの信号強度情報によって示される信号の受信電界強度の値と、無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値とを比較する。
【0036】
更に、UE100内の制御部120は、MR200からの信号強度情報によって示される信号の受信電界強度の値が無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値より高い場合には、MR200への接続を維持する。一方、UE100内の制御部120は、MR200からの信号強度情報によって示される信号の受信電界強度の値が無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値より低い場合には、接続先をMR200から無線基地局300−2に切り替えることを決定する。
【0037】
なお、UE100の接続先がMR200である場合には、MR200と無線基地局300−1との間の無線通信における通信品質だけでなく、UE100とMR200との間の無線通信における通信品質についても考慮されることがより望ましい。このため、UE100内の制御部120は、MR200からの信号強度情報によって示される信号の受信電界強度から所定値を差し引いた値を算出し、当該算出値と、無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値とを比較してもよい。この場合、UE100内の制御部120は、算出値が無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値より高い場合には、MR200への接続を維持する。一方、UE100内の制御部120は、算出値が無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値より低い場合には、接続先をMR200から無線基地局300−2に切り替えることを決定する。
【0038】
接続先をMR200から無線基地局300−2に切り替える場合、UE100内の制御部120は、無線基地局300−2内の制御部320との間で、呼接続処理を行う。これにより、UE100と無線基地局300−2との間で、公衆無線通信方式による無線通信が可能となる。
【0039】
その後、UE100内の制御部120は、MR200へ切断要求情報を送信する。切断要求情報は、UE100がMR200に対して無線通信の終了を要求するための情報である。MR200内の制御部220は、切断要求情報を受信する。MR200内の制御部220は、切断要求情報に応じて、UE100との間の無線通信を終了する処理(切断処理)を行う。
【0040】
その後、MR200内の制御部120は、所定の周期で、無線基地局300−1からの信号の受信電界強度(RSSI)を測定する。更に、MR200内の制御部220は、測定の都度、無線基地局300−1からの信号の受信電界強度の情報(信号強度情報)とを、ブロードキャスト通信により送信する。
【0041】
UE100内の制御部120は、信号強度情報とを受信する。UE100内の制御部120は、現時点におけるUE100の接続先である無線基地局300−2からの信号の受信電界強度(RSSI)を測定する。
【0042】
次に、UE100内の制御部120は、当該UE100の接続先を切り替える決定を行う。具体的には、上述と同様、UE100内の制御部120は、MR200からの信号強度情報によって示される信号の受信電界強度の値と、無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値とを比較する。
【0043】
更に、UE100内の制御部120は、MR200からの信号強度情報によって示される信号の受信電界強度の値が無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値より低い場合には、無線基地局300−2への接続を維持する。一方、UE100内の制御部120は、MR200からの信号強度情報によって示される信号の受信電界強度の値が無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値より高い場合には、接続先を無線基地局300−2からMR200に切り替えることを決定する。
【0044】
なお、上述と同様、UE100内の制御部120は、MR200からの信号強度情報によって示される信号の受信電界強度から所定値を差し引いた値を算出し、当該算出値と、無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値とを比較してもよい。この場合、UE100内の制御部120は、算出値が無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値より低い合には、無線基地局300−2への接続を維持する。一方、UE100内の制御部120は、算出値が無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値より高い場合には、接続先を無線基地局300−2からMR200に切り替えることを決定する。
【0045】
接続先を無線基地局300−2からMR200に切り替える場合、UE100内の制御部120は、無線基地局300−2内の制御部320との間で、呼接続処理を行う。これにより、UE100とMR200との間で、無線LAN通信方式による無線通信が可能となる。
【0046】
その後、UE100内の制御部120は、無線基地局300−2へ切断要求情報を送信する。切断要求情報は、UE100が無線基地局300−2に対して無線通信の終了を要求するための情報である。無線基地局300−2内の制御部320は、切断要求情報を受信する。無線基地局300−2内の制御部320は、切断要求情報に応じて、UE100との間の無線通信を終了する処理(切断処理)を行う。
【0047】
(2)無線通信システムの動作
図6は、無線通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【0048】
ステップS200において、ユーザ600が所持するUE100は、ユーザ600が所持するMR200との間で、無線LAN方式による無線通信を行う。ステップS201において、MR200は、無線基地局300−1との間で、公衆無線通信方式による無線通信を行う。
【0049】
ステップS202において、無線基地局300−1は、ネイバーリスト情報を送信する。MR200は、ネイバーリスト情報を受信する。ステップS203において、MR200は、ネイバーリスト情報と、無線基地局300−1からの信号の受信電界強度の情報(信号強度情報)とを送信する。UE100は、ネイバーリスト情報と信号強度情報とを受信する。
【0050】
ステップS204において、UE100は、隣接基地局である無線基地局300−2からの信号の受信電界強度を測定する。
【0051】
ステップS205において、UE100は、MR200からの信号強度情報によって示される信号の受信電界強度の値と、無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値とに基づいて、UE100の接続先を決定する。
【0052】
接続先が無線基地局300−2と決定された場合、ステップS206において、UE100は、無線基地局300−2との間で、呼接続処理を行う。その後、ステップS207において、UE100と無線基地局300−2との間で、公衆無線通信方式による無線通信が行われる。
【0053】
ステップS208において、UE100は、切断要求情報を送信する。MR200は、切断要求情報を受信する。ステップS209において、MR200は、切断要求情報に応じて、UE100との間の無線通信を終了する処理(切断処理)を行う。
【0054】
その後、ステップS210において、MR200は、無線基地局300−1からの信号の受信電界強度の情報(信号強度情報)を、ブロードキャスト通信により送信する。UE100は、信号強度情報を受信する。なお、ここでの信号強度情報は、無線基地局300−1が測定したMR200の信号の信号強度の情報でもよい。
【0055】
ステップS211において、UE100は、無線基地局300−2からの信号の受信電界強度(RSSI)を測定する。
【0056】
ステップS212において、UE100は、MR200からの信号強度情報によって示される信号の受信電界強度の値と、無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値とに基づいて、UE100の接続先を決定する。
【0057】
接続先がMR200と決定された場合、ステップS213において、UE100は、MR200との間で、呼接続処理を行う。その後、ステップS214において、UE100とMR200との間で、無線LAN方式による無線通信が行われる。
【0058】
ステップS215において、UE100は、切断要求情報を送信する。無線基地局300−2は、切断要求情報を受信する。ステップS216において、無線基地局300−2は、切断要求情報に応じて、UE100との間の無線通信を終了する処理(切断処理)を行う。
【0059】
(3)作用・効果
本実施形態の無線通信システム1において、UE100と無線基地局300−1との間の無線通信を中継するMR200は、接続先である無線基地局300−1の周辺に存在する無線基地局300−2の情報であるネイバーリスト情報と、無線基地局300−1からの信号の受信電界強度の情報(信号強度情報)とをUE100へ送信する。
【0060】
UE100は、MR200からのネイバーリスト情報と、信号強度情報とを受信し、ネイバーリスト情報に基づいて認識した無線基地局300−2からの信号の受信電界強度を測定する。更に、UE100は、MR200からの信号強度情報によって示される受信電界強度と、測定した受信電界強度とを比較し、受信電界強度が高い方に対応するMR200又は無線基地局300−2を接続先とする。具体的には、無線基地局300−2からの信号の受信電界強度の値が、MR200からの信号強度情報によって示される受信電界強度の値よりも高い場合には、接続先をMR200から無線基地局300−2に切り替える。
【0061】
従って、UE100は、MR200と無線基地局300−2との何れかに接続すれば、良好な通信品質での無線通信が可能であるかを判断でき、通信品質が良好なMR200及び無線基地局300−2の何れかと無線通信を行うことができる。
【0062】
(4)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0063】
上述した実施形態では、図1に示すように、無線基地局300−1の周辺に無線基地局300−2のみが存在する場合について説明した。しかし、無線基地局300−1の周辺に2つ以上の無線基地局(隣接基地局)が存在する場合にも、同様に本発明を適用できる。
【0064】
この場合、UE100は、MR200からのネイバーリスト情報に基づいて、複数の隣接基地局からの信号の受信電界強度を測定する。更に、UE100は、MR200からの信号強度情報によって示される受信電界強度と、測定した各受信電界強度とを比較し、受信電界強度が高い方に対応するMR200又は隣接基地局を接続先に決定する。
【0065】
また、上述した実施形態は、中継装置がモバイルルータ(MR)の場合について説明したが、モバイルルータ以外の中継装置であって、UE100と無線基地局300との間の無線通信を中継する機能を有するものであれば、同様に、本発明を適用できる。
【0066】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0067】
1…無線通信システム、100…UE、110…無線通信部、112…アンテナ、114…無線通信部、116…アンテナ、120…制御部、130…記憶部、200、200−2…MR、210…無線通信部、212…アンテナ、214…無線通信部、216…アンテナ、220…制御部、230…記憶部、300−1、300−2…無線基地局、310…無線通信部、312…アンテナ、314…有線通信部、320…制御部、330…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局と、端末装置と、前記無線基地局と前記端末装置との間の無線通信の中継を行う中継装置とを有する無線通信システムであって、
前記端末装置は、前記中継装置と前記無線基地局との間の無線通信における通信品質の情報と、前記端末装置と前記無線基地局との間の無線通信における通信品質の情報とに基づいて、前記中継装置と、前記無線基地局との何れかに接続する無線通信システム。
【請求項2】
前記端末装置は、前記中継装置と前記無線基地局とのうち、前記端末装置との間の前記通信品質が良好な方に接続する請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記中継装置は、前記端末装置の接続先になり得る無線基地局の情報を、前記中継装置に通知する請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
無線基地局と、端末装置と、前記無線基地局と前記端末装置との間の無線通信の中継を行う中継装置とを有する無線通信システムにおける通信制御方法であって、
前記端末装置が、前記中継装置と前記無線基地局との間の無線通信における通信品質の情報と、前記端末装置と前記無線基地局との間の無線通信における通信品質の情報とに基づいて、前記中継装置と、前記無線基地局との何れかに接続するステップを含む通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−244610(P2012−244610A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116278(P2011−116278)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】