説明

無線通信システム

【課題】V偏波とH偏波の内の一方が通信異常の場合であっても通信が正常である装置間の回線品質の劣化防止を実現する。
【解決手段】V偏波用送信装置1の出力制御部15は、対向局のレベル検出部35からの出力レベル情報に基づいて送信部12,22に同時に出力制御値を出力することによりV偏波用送信装置1とH偏波用送信装置2の出力レベルを同時に制御する。また、対向局のV偏波用受信装置3からの出力レベル情報を正常に受信しているか監視し、H偏波用送信装置2の対向局との通信状態と比較して、V偏波用送信装置1が異常受信、且つH偏波用送信装置2が正常受信である状態が所定時間以上続いたら、H偏波用送信装置2の出力制御部25で出力レベルを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、特に、直交する垂直偏波及び水平偏波を利用して2ルートのマイクロ波通信回線を構成する無線通信システムにおける送信出力制御に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、相互に直交する垂直偏波(V偏波)及び水平偏波(H偏波)を利用して2ルートのマイクロ波通信回線を構成する場合、対向局の受信レベルを一定の値に保てるように送信出力を自動的に制御する送信出力制御方式(ATPC方式)が広く採用される。送信出力制御方式では、受信装置に受信レベルの閾値を設け、受信レベルがその閾値以下に低下した時に、その低下を補償するように対向局の送信出力を制御する。この時、異偏波干渉による信号劣化を防ぐため、V偏波とH偏波の送信出力を同時に制御するのが一般的である。
【0003】
また、汎用性、設計期間短縮などの理由から、V偏波用装置とH偏波用装置は別装置としている場合が多いため、どちらか一方の装置に送信出力制御部を持ち、送信出力制御部から両装置の送信出力を同時に制御する構成になっている。図3はこの種の無線通信システムの従来例を示すブロック図である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図3において、V偏波用送信装置10は、入力信号を変調部11で変調し、変調部11から出力された信号を送信部12で増幅する。また、H偏波用送信装置20は、入力信号を変調部21で変調し、変調部21から出力された信号を送信部22で増幅する。そして、送信部12と送信部22の出力信号を合成して送信用アンテナから送信する。
【0005】
この送信信号は、対向局のアンテナで受信され、V偏波とH偏波に分離され、受信部31,41で各々増幅された後、復調部32,42で復調される。V偏波用受信装置3のレベル検出部35は、受信部31と受信部41の受信レベルを各々検出し、受信部31及び受信部41の受信レベルの内のどちらか一方でも所定のレベルよりも低い場合、その低下を補償するために対向局の送信部12,22の出力レベルを上げるように出力レベル情報を変調部34に出力し、無線回線を使用してV偏波用送信装置10の復調部13を介して出力制御部15に送信する。
【0006】
V偏波用送信装置10の出力制御部15は、対向局のレベル検出部35から送信された出力レベル情報を受信すると、受信した出力レベル情報から出力制御値を算出して、送信部12,22に同時に出力制御値を出力し、入力された出力制御値に従って送信部12,22の出力レベルを制御することによって、V偏波用送信装置10とH偏波用送信装置20の出力レベルを同時に制御する。これにより、V偏波からH偏波への漏れ込み量とH偏波からV偏波への漏れ込み量を同じレベルに保つことができ、異偏波干渉を防止している。
【0007】
また、受信側のレベル検出部をV偏波用受信装置とH偏波用受信装置の両方に設け、出力制御部をV偏波用送信装置とH偏波用送信装置の両方に設けて、V,H偏波どちらかの受信電力が低下した場合には、V,H偏波の両方について同時に送信電力の制御を行う技術も公知である(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献2】特開平4−137934(第2頁、図1)
【特許文献2】特開2003−298546(第2頁、図7,8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した従来の送信出力制御方式では、対向局のレベル検出部で生成された出力レベル情報が受信できない場合、V偏波用送信装置、H偏波用送信装置共に送信出力制御ができなくなるという問題がある。そのため、例えば、V偏波側の通信状態の異常や機器故障が発生した場合に、正常に通信しているH偏波側の出力レベルも制御不可能となり、V偏波、H偏波共に回線品質が劣化することになる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、通信状態の異常や機器故障が発生しても回線品質の劣化を防止することができる無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の無線通信システムは、直交する垂直偏波及び水平偏波を利用して2ルートのマイクロ波通信回線を構成する無線通信システムにおいて、受信側無線通信装置の2ルート対応に、2ルートの受信レベルを検出し、2つの受信レベルの内のどちらか一方でも所定のレベルよりも低い場合には当該ルートの送信側無線通信装置に出力レベル情報を送信するレベル検出部を設け、送信側無線通信装置の前記2ルート対応に、前記レベル検出部から送信された出力レベル情報を受信し、受信した出力レベル情報から出力制御値を算出して、2ルートの送信部に同時に出力制御値を出力することによって、低下を補償するよう各出力レベルを同時に制御する出力制御部と、該出力制御部の一方を運用系、他方を予備系として切替え使用するように制御する2ルート対応の制御判定部を設けている。
【0012】
詳しくは、予備系の制御判定部は、レベル検出部から送信された出力レベル情報を正常に受信しているかを定期的に監視し、正常に受信しているか否かを示す通信状態フラグを運用系の制御判定部に送信し、運用系の制御判定部は、レベル検出部から送信された出力レベル情報を正常に受信しているかを定期的に監視しており、この監視結果と通信状態フラグの情報によって運用系と予備系の切替えを行う。
【0013】
また、基本形態としては予備系の制御判定部は、レベル検出部から送信された出力レベル情報を正常に受信しているかを定期的に監視し、正常に受信しているか否かを示す通信状態フラグを基本形態としては運用系の制御判定部に送信し、運用系の制御判定部は、レベル検出部から送信された出力レベル情報を正常に受信しているかを定期的に監視しており、この監視結果と前記通信状態フラグの情報によって運用系と予備系の切替えを行う。
【0014】
更に、運用系と予備系の切替えは、運用系で異常受信、且つ予備系で正常受信である状態が所定時間以上続いた場合に行なう。
【0015】
また、基本形態としては予備系の出力制御部が運用系として機能しているとき、基本形態としては運用系の制御判定部が通信状態フラグを正常に受信できない場合は、基本形態としては予備系の出力制御部を予備系に切り戻し、基本形態としては運用側の出力制御部が運用系として機能するようになる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、相互に直交するV偏波とH偏波を利用して2ルートのマイクロ波通信システムで実現している送信出力制御において、通信状態に応じて運用系と予備系の出力制御部を切り替えることによって、V偏波とH偏波の内のどちらか一方が通信異常の場合であっても、通信が正常である装置間の回線品質の劣化を防止することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[構成の説明]
図1は本発明の一実施例による無線通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、この無線通信システムは、送信側のV偏波用送信装置1とH偏波用送信装置2と、受信側のV偏波用受信装置3とH偏波用受信装置4から構成されている。ここで、「〜送信装置」、「〜受信装置」と記したが、実際にはいずれの装置も「〜送受信装置」であるところ、発明の説明上、それぞれ送信側、受信側として機能することから、そのようにネーミングしたまでである。
【0018】
送信側の無線通信装置(V偏波用送信装置1とH偏波用送信装置2)は、変調部11,21と、送信部12,22と、復調部13,23と、受信部14,24と、出力制御部15,25と、制御判定部16,26とから構成されている。受信側の無線通信装置(V偏波用受信装置3とH偏波用受信装置4)は、受信部31,41と、復調部32,42と、送信部33,43と、変調部34,44と、レベル検出部35,45から構成されている。
【0019】
送信側において、変調部11,21は入力端子から入力される信号を各々変調する。送信部12は変調部11の出力信号を増幅し、送信部22は変調部21の出力信号を増幅し、送信部12の出力信号と送信部22の出力信号は合成され、送信用アンテナを介して受信側の無線通信装置へ送信される。出力端子は、これらの無線通信装置が受信側として機能する場合に使用される。
【0020】
受信側において、受信部31,41は受信用アンテナを介して、V偏波とH偏波に分離された信号を各々受信し増幅する。復調部32は、受信部31で増幅された信号を復調して出力端子から出力する。復調部42は、受信部41で増幅された信号を復調して出力端子から出力する。入力端子は、これらの無線通信装置が送信側として機能する場合に使用される。
【0021】
V偏波用受信装置3のレベル検出部35は、受信部31と受信部41の受信レベルを各々検出し、受信部31と受信部41の受信レベルの内のどちらか一方でも所定のレベルよりも低い場合、その低下を補償するために対向局の送信部12,22の出力レベルを上げるように出力レベル情報を変調部34に出力し、無線回線を使用してV偏波用送信装置1の復調部13を介して出力制御部15と制御判定部16に送信する。
【0022】
H偏波用受信装置4のレベル検出部45は、受信部41と受信部31の受信レベルを各々検出し、受信部41と受信部31と受信レベルの内のどちらか一方でも所定のレベルよりも低い場合、その低下を補償するために対向局の送信部22,12の出力レベルを上げるように出力レベル情報を変調部44に出力し、無線回線を使用してH偏波用送信装置2の復調部23を介して出力制御部25と制御判定部26に送信する。
【0023】
V偏波用送信装置1の出力制御部15は、基本形態としては運用系として対向局のレベル検出部35から送信された出力レベル情報を受信し、受信した出力レベル情報から出力制御値を算出して、送信部12,22に同時に出力制御値を出力することによって、V偏波用送信装置1とH偏波用送信装置2の出力レベルを同時に制御する。
【0024】
H偏波用送信装置2の出力制御部25は、V偏波用送信装置1の出力制御部15の予備系として機能するが、対向局のレベル検出部45から送信された出力レベル情報を受信し、受信した出力レベル情報から出力制御値を算出して、送信部22,12に同時に出力制御値を出力することによって、H偏波用送信装置2とV偏波用送信装置1の出力レベルを同時に制御する機能を備えている。
【0025】
H偏波用送信装置2の制御判定部26は、対向局のH偏波用受信装置4から送信される出力レベル情報を正常に受信しているかを定期的に監視し、正常に受信しているか否かを示す通信状態フラグ51をV偏波用送信装置1の制御判定部16に送信している。
【0026】
V偏波用送信装置1の制御判定部16は、対向局のV偏波用受信装置3から送信される出力レベル情報を正常に受信しているかを定期的に監視しており、この監視結果とH偏波用送信装置2から送信されてくる通信状態フラグ51の情報によって、運用系と予備系の切替えを行う。
【0027】
すなわち、上記監視結果によりV偏波用送信装置1が出力レベル情報を異常受信し、且つ通信状態フラグ51によりH偏波用送信装置2が出力レベル情報を正常受信している状態が所定の時間以上続いているならば、出力制御部15を予備系、出力制御部25を運用系とする。制御判定部26に対する指示は制御判定部16が制御信号52を制御判定部26に送信して行なう。これ以降は、出力制御部25が出力制御部15に代わって、送信部22,12に同時に出力制御値を出力することによって、H偏波用送信装置2とV偏波用送信装置1の出力レベルを同時に制御するようになる。
[動作の説明]
次に、以上のように構成された無線通信システムの動作について、図2に示す出力制御部の選択決定表をも参照して詳細に説明する。図1において、V偏波用送信装置1は、入力信号を変調部11で変調し、変調部11から出力された信号を送信部12で増幅する。また、H偏波用送信装置2は、入力信号を変調部21で変調し、変調部21から出力された信号を送信部22で増幅する。
【0028】
そして、送信部12と送信部22の出力信号は合成されて送信用アンテナから送信される。この送信信号は、対向局の受信用アンテナで受信され、V偏波とH偏波に分離され、受信部31,41で各々増幅された後、復調部32,42で復調され、出力端子からそれぞれ出力される。
【0029】
V偏波用受信装置3のレベル検出部35は、受信部31と受信部41の受信レベルを各々検出し、受信部31及び受信部41の受信レベルのうちどちらか一方でも所定のレベルよりも低い場合、その低下を補償するために対向局の送信部12,22の出力レベルを上げるように出力レベル情報を変調部34に出力し、無線回線を使用してV偏波用送信装置1の復調部13を介して出力制御部15に送信する。また、H偏波用受信装置4のレベル検出部45は、V偏波用受信装置3のレベル検出部35と同様の処理を行い、出力レベル情報を変調部44に出力し、無線回線を使用してH偏波用送信装置2の復調部23を介して出力制御部25に送信する。
【0030】
いま、対向局との通信状態はV偏波,H偏波共に正常(図2の状態A)であるとする。運用系である出力制御部15は、対向局のレベル検出部35から送信された出力レベル情報を受信すると、受信した出力レベル情報から出力制御値を算出して、送信部12,22に同時に出力制御値を出力する。これにより、入力された出力制御値に従って送信部12,22の送信出力レベルを制御して、V偏波用送信装置1とH偏波用送信装置2の出力レベルを同時に制御する。この出力制御部15による制御は、対向局との通信状態がV偏波は正常であるが、H偏波が異常となっても(図2の状態B)変わることがない。
【0031】
H偏波用送信装置2の出力制御部25は、V偏波用送信装置1の出力制御部15の予備系であり、対向局のH偏波用受信装置4から送信される出力レベル情報を正常に受信しているか監視し、正常に受信しているか否かを示す通信状態フラグ51をV偏波用送信装置1の制御判定部16に送信している。通信状態フラグ51は、正常受信の場合は“1”、異常受信の場合は“0”としてもよい。
【0032】
V偏波用送信装置1の出力制御部15も同様に、対向局のV偏波用受信装置3から送信される出力レベル情報を正常に受信しているか監視しており、監視結果と、H偏波用送信装置2から送信される通信状態フラグ51とにより、V偏波用受信装置3から送信される出力レベル情報が異常受信、且つH偏波用受信装置4から送信される出力レベル情報が正常受信である状態がある一定時間以上続いたならば(図2の状態C)、V偏波用送信装置1の出力制御部15を予備系とし、制御信号52で指示することによりH偏波用送信装置2の出力制御部25を運用系に切り替える。この結果、H偏波用送信装置2の出力制御部25で出力制御値を算出して、送信部12,22に同時に出力制御値を出力するようになる。
【0033】
このように出力制御部を対向局との通信状態によって切り替えることによって、V偏波側のみ通信状態が悪い場合のH偏波側の回線品質の劣化防止を実現できる。
【0034】
また、予備であるH偏波用装置2の出力制御部25によって出力制御を行っている場合に、V偏波用受信装置3から送信される出力レベル情報が正常受信である状態がある一定時間以上続いたならば、H偏波側の通信状態に関わらず(図2の状態A、状態B)、H偏波用送信装置2の出力制御部25をV偏波用送信装置1の出力制御部15に切り戻し、V偏波用送信装置1の出力制御部15で出力制御値を算出して、送信部12,22に同時に出力制御値を出力する。
【0035】
また、V偏波用受信装置3から送信される出力レベル情報が異常受信、且つH偏波用受信装置4から送信される出力レベル情報が異常受信の場合(図2の状態D)は現状保持とし、出力制御部の切り替えは行わない。
【0036】
このようにV偏波用送信装置1の出力制御部15を運用系として、V偏波用受信装置3から送信される出力レベル情報が異常受信、且つH偏波用受信装置4から送信される出力レベル情報が正常受信である状態がある一定時間以上続いた場合のみ、出力制御部を切り替えることによって、不要な切り替えが生じないようにしている。
[他の実施の形態]
次に、H偏波用送信装置2が運用系として出力制御部25により出力制御を行っている場合に、V偏波用送信装置1の出力制御部15とH偏波用送信装置2の出力制御部25間の通信状態を監視し、通信状態フラグを正常に受信できない場合は、V偏波用送信装置1の出力制御部15を運用系とし、且つ制御信号52を使用してH偏波用送信装置2の出力制御部25を予備系にするように指示することによって、運用系をV偏波用送信装置1の出力制御部15に切り戻し、V偏波用送信装置1の出力制御部15で出力制御値を算出して、送信部12,22に同時に出力制御値を出力する。
【0037】
このように、送信装置間で通信状態が監視できない場合は、基本形態に戻す手段を備えておくことにより、予備側で動作し続けることがないようにする。これにより、基本形態としての運用系は、より高品質な部品で構成することによって通信品質を向上させることができるようになる。
【0038】
なお、ここでは基本形態として、V偏波用送信装置1の出力制御部15を運用系としているが、H偏波用送信装置2の出力制御部25を運用系、V偏波用送信装置1の出力制御部15を予備系としてもよい。また、通信状態の監視時間を利用者の任意設定としてもよい。
【0039】
また、基本形態を定めることなく、出力制御に関してV偏波用送信装置1とH偏波用送信装置2が対等に機能するようにしてもよい。この場合は、通信状態フラグ51及び制御信号52の出力方向は、図1に示すように固定的でなく、前者は予備系から運用系、後者は運用系から予備系へ向かうことになる。即ち、H偏波用送信装置2が運用系に切り替わった場合には、通信状態フラグ51は制御判定部16から制御判定部26へ、制御信号52は制御判定部26から制御判定部16へ出力される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の無線通信システムの一実施例を示すブロック図
【図2】図1の出力制御部の選択決定表を示す図
【図3】従来技術の無線通信システムの一例を示すブロック図
【符号の説明】
【0041】
1 V偏波用送信装置
2 H偏波用送信装置
3 V偏波用受信装置
4 H偏波用受信装置
11,21,34,44 変調部
12,22,33,43 送信部
13,23,32,42 復調部
14,24,31,41 受信部
15,25 出力制御部
16,26 制御判定部
35,45 レベル検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直交する垂直偏波及び水平偏波を利用して2ルートのマイクロ波通信回線を構成する無線通信システムにおいて、
受信側無線通信装置の前記2ルート対応に、前記2ルートの受信レベルを検出し、2つの受信レベルの内のどちらか一方でも所定のレベルよりも低い場合には当該ルートの送信側無線通信装置に出力レベル情報を送信するレベル検出部を設け、
送信側無線通信装置の前記2ルート対応に、前記レベル検出部から送信された出力レベル情報を受信し、受信した出力レベル情報から出力制御値を算出して、前記2ルートの送信部に同時に出力制御値を出力することによって、前記低下を補償するよう各出力レベルを同時に制御する出力制御部と、該出力制御部の一方を運用系、他方を予備系として切替え使用するように制御する前記2ルート対応の制御判定部を設けたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記予備系の制御判定部は、前記レベル検出部から送信された出力レベル情報を正常に受信しているかを定期的に監視し、正常に受信しているか否かを示す通信状態フラグを運用系の制御判定部に送信し、
前記運用系の制御判定部は、前記レベル検出部から送信された出力レベル情報を正常に受信しているかを定期的に監視しており、この監視結果と前記通信状態フラグの情報によって運用系と予備系の切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記基本形態としては予備系の制御判定部は、前記レベル検出部から送信された出力レベル情報を正常に受信しているかを定期的に監視し、正常に受信しているか否かを示す通信状態フラグを基本形態としては運用系の制御判定部に送信し、
前記運用系の制御判定部は、前記レベル検出部から送信された出力レベル情報を正常に受信しているかを定期的に監視しており、この監視結果と前記通信状態フラグの情報によって運用系と予備系の切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記運用系と予備系の切替えは、運用系で異常受信、且つ予備系で正常受信である状態が所定時間以上続いた場合に行なうことを特徴とする請求項2または請求項3記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記基本形態としては予備系の出力制御部が運用系として機能しているとき、基本形態としては運用系の制御判定部が前記通信状態フラグを正常に受信できない場合は、前記基本形態としては予備系の出力制御部を予備系に切り戻し、
前記基本形態としては運用側の出力制御部が運用系として機能するようになることを特徴とする請求項3または請求項4記載の無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−124361(P2009−124361A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295045(P2007−295045)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】