説明

無線通信端末、無線通信端末の情報受信報知方法、及び情報受信報知器

【課題】音発生・発光・振動とは異なる方法により、様々な使用環境において確実に使用者に情報受信を報知することのできる無線通信端末、その情報受信報知方法、及び情報受信報知器を提供すること。
【解決手段】この携帯電話は、無線により情報の送受信が可能であり、情報の受信を報知する報知手段12を有しており、その報知手段12が、携帯電話の本体2外部に設けられた報知部材6と、情報受信時に報知部材6の形状を変化させる変形手段7とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末、その情報受信報知方法、及び情報受信報知器に関わり、特に、電話を着信したりメールを受信したときに、それらの着信や受信を使用者に報知する手段を備えた携帯電話端末、その報知方法、及びその報知手段を有する報知器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信を行うための無線通信端末が普及している。特に、電話機としての機能を備えた携帯電話端末は、場所・時間を選ばず手軽に発着信が可能な便利さに加え、端末の高機能化、低価格化、通話エリアの広範囲化によりその普及の勢いは著しい。特に近年の携帯電話端末においては、電子メール等の各種情報の送受信機能を備えたものが主流となってきている。ここで、端末とは端末機器を意味する。
携帯電話端末は、電話を着信したりメール等の文字メッセージを受信(以下、電話の着信やメール等の情報の受信を総称して情報受信という。)したりした場合に、使用者にその情報受信を報知する報知手段を有している。従来の報知手段として、例えばアラーム音やメロディ音の音発生によって使用者の聴覚を刺激して情報受信を報知するもの、携帯電話の液晶表示部やその他の発光部を発光させることにより光や色の変化によって使用者の視覚を刺激して情報受信を報知するもの、バイブレータ等を用いて振動により使用者の触覚を刺激して情報受信を報知するものが提案されている(例えば特許文献1,2を参照)。また、携帯電話端末自体と別体とされた報知機器が報知手段を有し、振動等により使用者に情報受信を報知するものも提案されている(例えば特許文献3を参照)。
【特許文献1】特開2000−101685号公報
【特許文献2】特開2004−80390号公報
【特許文献3】特開平10−79980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記報知手段は、携帯電話端末の使用環境によっては充分な報知機能を果たせない場合がある。例えば、周囲の騒音が大きい場合は、音発生による報知が行われても使用者は情報受信に殆ど気づかない。携帯電話を衣服のポケットに入れている場合は、発光による報知が行われても使用者は情報受信に殆ど気づかない。その衣服が厚手のものの場合は、振動による報知が行われても使用者は情報受信に殆ど気づかない。また、携帯電話端末をカバン等の中に入れている場合は、音発生・発光・振動のいずれの報知によっても使用者は情報受信に殆ど気づかない。
一方、携帯電話端末と別体とされた報知機器を使用すれば、携帯電話端末自体が離れた場所にあってもその報知機器を身に付けることで使用者は情報受信に気付くことができる。しかし、報知機器は構造が複雑でコストがかかる上に、使用者が別途報知機器を持ち歩かなければならないので面倒であるという問題がある。
【0004】
本発明は、音発生・発光・振動とは異なる方法により、様々な使用環境において確実に使用者に情報受信を報知することのできる無線通信端末、その情報受信報知方法、及び情報受信報知器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明の無線通信端末は、無線により情報の送受信が可能であり、前記情報の受信を報知する報知手段を有する無線通信端末であって、前記報知手段が、前記無線通信端末の本体外部に設けられた報知部材と、情報受信時に前記報知部材の形状を変化させる変形手段とを有することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の無線通信端末において、前記報知部材を、複数の筒状部材又は複数の柱状部材によって構成し、前記報知部材が、前記変形手段により直線形状と非直線形状とに変形可能であることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の無線通信端末において、前記報知部材を、複数の異なる径の筒状部材によって構成し、前記筒状部材を互いに収納可能に連続的に配置し、前記筒状部材が前記変形手段により伸縮可能であることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の無線通信端末において、前記報知部材を、一端が前記本体に取り付けられたチューブ状部材と、前記チューブ状部材の他端側の内部に設けた放射部材によって構成し、前記変形手段により前記放射部材を前記チューブ状部材から突出させることを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載の無線通信端末において、前記変形手段として、前記報知部材内部に挿通された貫通部材と、前記貫通部材を巻き取るモータ、ソレノイド、又はゼンマイを有することを特徴とする。
請求項6記載の本発明の無線通信端末の情報受信報知方法は、無線により情報の送受信が可能な無線通信端末が前記情報を受信したときに受信を報知する無線通信端末の情報受信報知方法であって、前記無線通信端末の本体外部に設けられた報知部材の形状を変化させることにより前記情報の受信を報知することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の無線通信端末の情報受信報知方法において、前記情報を受信してから所定時間経過後に前記報知部材の形状を元の形状に復帰させることを特徴とする。
請求項8記載の本発明の情報受信報知器は、無線により情報の送受信が可能な無線通信端末が前記情報を受信したときに前記無線通信端末による前記情報の受信を報知する情報受信報知器であって、前記無線通信端末に取り付けるための取付部と、前記情報受信報知器の本体外部に設けられた報知部材と、前記情報の受信時に前記報知部材の形状を変化させる変形手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、変形部材の変形によって無線通信端末の使用者に情報の受信を報知するので、使用者の視覚と触覚との両方を刺激することにより様々な使用環境下で確実に情報の受信を報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態による無線通信端末は、報知手段が、無線通信端末の本体外部に設けられた報知部材と、情報受信時に報知部材の形状を変化させる変形手段とを有するものである。ここで、無線通信端末は例えば携帯電話端末等の無線通信端末機器を意味する。また、情報の受信は、電話の着信と電子メール等の文字メッセージの受信とを含む。本実施の形態によれば、無線通信端末の本体外部に報知部材が設けられ、その報知部材が情報の受信によって変形するので、使用者の視覚と触覚との両方を刺激して情報の受信を報知することができる。したがって、無線通信端末を使用する環境が騒音環境であっても、また、厚手の衣服のポケットに無線通信端末を入れている場合であっても、確実に使用者に情報の受信を報知することができる。報知のための機器を別途持ち歩く必要がないため余分なコストが必要なく、使用者が面倒を感じることもない。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による無線通信端末において、報知部材を、複数の筒状部材又は複数の柱状部材によって構成し、報知部材が、変形手段により直線形状と非直線形状とに変形可能なものである。本実施の形態によれば、情報の受信のない通常状態で報知部材が非直線形状となるように構成することにより、無線通信端末の携帯性を損なうことがない。一方、情報の受信の際に報知部材が直線形状となるように構成することにより、使用者がひと目で情報の受信を認識でき、無線通信端末の報知効果を向上させることができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態による無線通信端末において、報知部材を、複数の異なる径の筒状部材によって構成し、筒状部材を互いに収納可能に連続的に配置し、筒状部材が変形手段により伸縮可能なものである。本実施の形態によれば、例えばラジオのロッドアンテナのように伸縮可能に構成し、情報の受信のない通常状態で報知部材が縮小状態となるように構成することにより、無線通信端末の携帯性を損なうことがない。一方、情報の受信の際に報知部材が伸張状態となるように構成することにより、使用者がひと目で情報の受信を認識することができるので、無線通信端末の報知効果が向上する。
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態による無線通信端末において、報知部材を、一端が本体に取り付けられたチューブ状部材と、チューブ状部材の他端側の内部に設けた放射部材によって構成し、変形手段により放射部材をチューブ状部材から突出させるものである。本実施の形態によれば、例えば、携帯電話端末をカバンの中に入れておいた場合であっても、情報の受信により放射角度が変化する放射部材をカバンの外に出しておくことにより、使用者が確実に情報の受信を認識することができるので、無線通信端末の報知効果が向上する。
本発明の第5の実施の形態は、第1の実施の形態による無線通信端末において、変形手段として、報知部材内部に挿通された貫通部材と、貫通部材を巻き取るモータ、ソレノイド、又はゼンマイを有するものである。本実施の形態によれば、報知部材内部を貫通する貫通部材の伸縮により、簡単な構造で報知部材の様々な変形に対応することができる。したがって、報知部材の変形を簡単かつ低コストに行わせることができる。またモータを用いることにより、報知部材の変形動作や変形からの復帰動作を自動的に行わせることができる。ソレノイドを用いることにより、より簡単な構造でかつ省電力に報知部材の変形動作や変形からの復帰動作を自動的にしかも迅速に行わせることができる。ゼンマイを用いることにより、さらに簡単な構造として軽量化することができ、報知部材の変形動作を殆ど電力を消費せずに行わせることができる。
本発明の第6の実施の形態による無線通信端末の情報受信報知方法は、無線通信端末の本体外部に設けられた報知部材の形状を変化させることにより情報の受信を報知するものである。本実施の形態によれば、使用者の視覚と触覚との両方を刺激して情報の受信を報知することができる。したがって、無線通信端末を使用する環境が騒音環境であっても、また、厚手の衣服のポケットに無線通信端末を入れている場合であっても、確実に使用者に情報の受信を報知することができる。報知のための機器を別途持ち歩く必要がないために余分なコストが必要なく、使用者が面倒を感じることもない。
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態による無線通信端末の情報受信報知方法において、情報を受信してから所定時間経過後に報知部材の形状を元の形状に復帰させるものである。本実施の形態によれば、使用者がわざわざ報知部材の形状を元の状態に復帰させなくても自動的に復帰し、次の情報受信に備えるので、便利である。
本発明の第8の実施の形態による情報受信報知器は、無線通信端末に取り付けるための取付部と、情報受信報知器の本体外部に設けられた報知部材と、情報の受信時に報知部材の形状を変化させる変形手段とを有するものである。本実施の形態によれば、情報受信報知器が無線通信端末の本体外部に取り付け可能となっており、その報知部材が情報の受信によって変形するので、使用者の視覚と触覚とを同時に刺激して情報の受信を報知することができる。したがって、無線通信端末を使用する環境が騒音環境であっても、また、厚手の衣服のポケットに無線通信端末を入れている場合であっても、さらに報知のための機器を別途持ち歩かなくとも、確実に使用者に情報の受信を報知することができる。
【実施例1】
【0008】
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る無線通信端末の概略構成を示す外観斜視図、図2は同無線通信端末の要部構成図、図3は同無線通信端末の動作時の外観斜視図、図4は同無線通信端末の動作を示すフローチャートである。
無線通信端末としての携帯電話端末(以下、携帯電話という。)1は、本体2にアンテナ4と報知部材6とが設けられている。
本体2は、この携帯電話1の主要部品を内蔵し、かつ使用者が把持するための筐体を構成するもので、前面2aに表示部8、操作ボタン部10が配置されている。表示部8は、例えば液晶表示部材(LCD)により構成され、時刻、電話番号、文字メッセージ、デジタル写真画像等の文字や画像が表示可能になっている。操作ボタン部10は、使用者が電話をかけたり文字メッセージを入力するためのもので、通常0〜9までの数字ボタン、“#”ボタン、“*”ボタン、電源ボタン、通話ボタンに加え、各種の機能ボタンが配列されている。
本体2内部には、図示しないマイクやスピーカの他に各種電子部品を搭載した電子基板が収容されている。また、本体2内部には報知部材6とともに報知手段12を構成する変形手段7(図2参照)も収容されている。アンテナ4は、無線通信を行う際にその無線電波を送受信するためのものである。
【0009】
報知部材6は、上述の変形手段7とともに報知手段12を構成する。報知手段12は、この携帯電話1に音声情報としての電話がかかってきた場合(着信)や電子メール等の文字メッセージ情報を受信した場合に、それらの情報の受信を、視覚的及び触覚的に使用者を刺激することにより報知するものである。使用者は、報知手段12による報知によって、騒音環境下であっても携帯電話1が衣服のポケットやカバンの中にあっても、電話の着信や文字メッセージの受信等を即座に認識できるようになっている。
報知部材6は、図1に示すように複数の筒状部材6aが直列に連続配置されている。貫通部材としてのワイヤ14が複数の筒状部材6aを貫通し、その先端が報知部材6の先端部6bに固定されている。ワイヤ14の基端部分は図2に示すように本体2内部のモータ軸7aに係止され、モータ7dの回転により巻き上げ可能となっている。
【0010】
図2に示すように、本体2内部には変形手段7を構成する受信検知部7b、制御部7c、モータ7d、タイマ7eが収容されている。
受信検知部7bは、この携帯電話1への情報の受信を検知するもので、情報受信時に、制御部7cに対して検知信号を送出する。情報受信の際に受信検知部7bは図示しない第2制御部にも検知信号を送出する。そして、第2制御部は検知信号を受信した場合には、表示部8を発光させるとともに着信音を鳴らす。
制御部7cは、モータ7dの回転を制御するものである。モータ7dは、モータ軸7aに係止されたワイヤ14を巻き上げたり緩めたりすることにより、筒状部材6a内のワイヤを伸縮させる。受信検知部7bからの検知信号を受け取ると、制御部7cがモータをワイヤ14の巻き上げ方向(図2中矢印A方向)に回転させ、ワイヤ14を緊張させる。それにより報知部材6が変形し、各筒状部材6aが直線状に整列するようになっている(図3参照)。なお、図1はモータ7dがワイヤ弛緩方向(図2中矢印B方向)に回転してワイヤ14が緩んでいる状態(すなわち、情報受信していない状態)を示している。
モータ7dとしては、既知の種々のモータ(例えばパルスモータやブラシモータ等)が使用可能である。また、ワイヤ14の巻き上げを効率的に行うために、モータ軸7aにプーリを取り付けてプーリによりワイヤ14の巻き上げを行うこともできる。
タイマ7eは、情報受信から所定時間経過後に報知部材の変形を復帰させるものである。受信検知部7bからの検知信号が制御部7cに入力されると、タイマ7eがタイマカウントを開始し、予め設定した所定時間t1になると制御部7cにタイムアップ信号を送出する。タイムアップ信号を受け取ると、制御部7cはモータ7dをワイヤ弛緩方向Bに回転させ、報知部材6の変形を復帰させる。
【0011】
次に、この携帯電話1が電話を着信した場合の報知手順について、図4のフローチャートを用いて説明する。
携帯電話1の電源をオンにすると、タイマ7eのタイマカウント値t=0がセットされ(ステップ1)。携帯電話1は着信等の情報受信の待ち受け状態となり、受信検知部7bが情報受信を監視する(ステップ2)。なお、この状態ではワイヤ14は弛緩状態(伸びた状態)であり、報知部材6は非直線形状となっている。
他の電話機から携帯電話1に電話がかかってくると(すなわち、携帯電話1が着信すると)、タイマ7eがタイマカウントを開始する(ステップ3)。それとともに、受信検知部7bから検知信号を受け取った制御部7cがモータ7dをワイヤ巻き上げ方向Aに回転させる(ステップ4)。ワイヤ14がモータ軸7aに巻き上げられて緊張状態(縮んだ状態)となり、報知部材6は直線状に変形する。報知部材6が変形するので、使用者はその変形を視覚的にも触覚的にも認識でき、容易に情報受信を知ることができる。さらにこのとき、携帯電話1の表示部8も発光して着信音も鳴るので、使用者は聴覚的にも情報受信を知ることができる。
使用者が操作ボタン部10の通話ボタンを押して電話に出る(ステップ5)と、制御部7cはモータ7dをワイヤ弛緩方向Bに回転させる(ステップ6)。それにより、報知部材6が元の非直線形状に復帰する。そして、再びタイマ7eのタイマカウント値t=0がセットされる(ステップ1)。
一方、使用者が電話に出られない等の事情で通話ボタンを押さない場合(ステップ5)には、タイマ7eがタイマカウントを継続する。そして、タイマカウント値tが所定時間t1となる(ステップ7)と、タイマ7eからタイムアップ信号を受け取った制御部7cがモータ7dをワイヤ弛緩方向Bに回転させる(ステップ6)。それにより、報知部材6が元の非直線形状に復帰する。そして、再びタイマ7eのタイマカウント値t=0がセットされる(ステップ1)。
なお、上記説明においては、通話ボタンを押して電話に出ると報知部材6が非直線形状に復帰するが、通話終了時に通話終了ボタンを押すと報知部材6が非直線形状に復帰してもよい。
【実施例2】
【0012】
図5は、本発明の実施例2に係る情報受信報知器としての携帯電話アクセサリー20の要部概略構成を示す内部構成図である。この携帯電話アクセサリー20は、携帯電話1の情報受信を使用者に報知する報知機能を有しており、携帯電話アクセサリー本体22、報知部材6、取付部26を有して構成されている。
携帯電話アクセサリー本体22内部には変形手段7を構成する受信検知部7b、制御部7c、モータ7d、タイマ7eに、さらに電源7fが収容されている。モータ7dのモータ軸7aに係止されたワイヤ14は携帯電話アクセサリー本体22外部に設けられた報知部材6を貫通している。その他、この実施例2において実施例1と同一の符号を付したものは、実施例1における構成と同様の機能を発揮するものであるので説明を省略する。
電源7fは、この携帯電話アクセサリー20が携帯電話1の本体2と別体とされているため、受信検知部7b、制御部7c、モータ7d、タイマ7eを駆動するために必要となるものである。取付部26によって、この携帯電話アクセサリー20は携帯電話1の本体2に対して着脱可能に取り付けられるようになっている。
このように、変形手段7と報知部材6とを有する報知器(携帯電話アクセサリー20)を携帯電話1の本体2と別体とすることにより、変形により確実に情報受信を報知する報知機器を使用者の好みに応じて携帯電話1の本体2に取り付け取り外しできる。また、携帯電話1を買い換えた場合でも、この携帯電話アクセサリー20を新たな携帯電話に取り付けて継続使用できる。
【実施例3】
【0013】
実施例1は、変形手段7として制御部7cとモータ7dとを用い、制御部7cがモータ7dを回転駆動することによりワイヤ14を伸縮させて報知部材6の変形・復帰を行うが、本実施例3においては、図6に示すように変形手段9が受信検知部7b、ラッチ制御部9a、ゼンマイ部9b、タイマ7eにより構成されている。
ラッチ制御部9aは、ゼンマイ部の係止歯車9cと係止するラッチ9dを係合・解除させるものである。受信検知部7bからの検知信号を受け取ると、ラッチ9dと係止歯車9cとの係合を解除し、通話ボタンが押されるかタイマカウント値がt=t1になると、ラッチ9dと係止歯車9cとを係合させる。なお、ラッチ9dは、係止歯車9cと係合している状態でも、係止歯車9cのワイヤ弛緩方向(図6中矢印B方向)への回転を許容するようになっている。
ゼンマイ部9bは、巻き上げ軸9e、図示しないゼンマイ、係止歯車9cを有している。巻き上げ軸9eにはワイヤ14の一端が係止され、ゼンマイが常にワイヤ14を巻き上げる方向(図6中矢印A方向)に巻き上げ軸9eを付勢している。
待ち受け状態では、ラッチ9dは係止歯車9cと係合している。使用者が筒状部材6aを手で引っ張ると、巻き上げ軸9eはワイヤ弛緩方向Bに回転し、ワイヤ14が伸びて報知部材6が非直線形状となる。受信検知部7bが着信を検知すると、ラッチ9dと係止歯車9cとの係合が解除され、ゼンマイによってワイヤ14が巻き上げられてワイヤ14が縮み、報知部材6が直線形状へと変形する。
使用者が通話ボタンを押すか、着信時にカウント開始したタイマカウント値が所定時間t1になると、ラッチ9dが再び係止歯車9cと係合状態となる。この状態で使用者が再び筒状部材6aを引っ張ると、巻き上げ軸9eのワイヤ弛緩方向Bへの回転は許容されるが、ワイヤ巻き上げ方向Aへの回転はラッチ9dにより禁止され、報知部材6が再び非直線形状へと復帰する。
本実施例では、ワイヤ14の伸縮にゼンマイを用いているので、構造が非常に簡単となる。さらに、殆ど電力を必要としないので、省電力とすることができる。
【実施例4】
【0014】
図7は、本発明の実施例4に係る情報受信報知器の要部概略構成を示す内部構成図である。情報受信報知器としての携帯電話アクセサリー30は、携帯電話1の情報受信を使用者に報知する報知機能を有しており、携帯電話アクセサリー本体32、報知部材6、取付部36を有して構成されている。
携帯電話アクセサリー本体32内部には変形手段9を構成する受信検知部7b、ラッチ制御部9a、ゼンマイ部9b、タイマ7eに、さらに電源7fが収容されている。ゼンマイ部9bの巻き上げ軸に係止されたワイヤ14は携帯電話アクセサリー本体32外部に設けられた報知部材6を貫通している。
電源7fは、この携帯電話アクセサリー30が携帯電話1の本体2と別体とされているため、受信検知部7b、ラッチ制御部9a、タイマ7eを駆動するために必要となるものである。取付部36によって、この携帯電話アクセサリー30は携帯電話1の本体2に対して着脱可能に取り付けられるようになっている。
このように、変形手段9と報知部材6とを有する報知機器(携帯電話アクセサリー30)を携帯電話1の本体2と別体とすることにより、変形により確実に情報受信を報知する報知機器を使用者の好みに応じて携帯電話1の本体2に取り付け取り外しできる。また、携帯電話1を買い換えた場合でも、この携帯電話アクセサリー30を新たな携帯電話に取り付けて継続使用できる。
また、本実施例では、ワイヤ14の巻き上げにゼンマイを用いているので、構造が非常に簡単となる。さらに、殆ど電力を必要としないので、省電力とすることができる。
【実施例5】
【0015】
図8は、本発明の実施例5に係る無線通信端末の概略構成を示す外観斜視図である。無線通信端末としての携帯電話40の本体2、アンテナ4、表示部8、操作ボタン部10については実施例1と同様の構成であるので同一の符号を付して説明を省略する。
この携帯電話40は報知部材46を有している。報知部材46は図に示すように、複数の異なる径の筒状部材46a〜46eが隣接する筒状部材を収納可能に連続配置されている。すなわち、筒状部材46aが筒状部材46bを収納可能とされ、筒状部材46bが筒状部材46cを収納可能とされ、この報知部材46はラジオのロッドアンテナのように伸縮可能になっている。
図9は、携帯電話40の本体2の内部に収容された変形手段7の概略構成を示すブロック図である。この変形手段7は、実施例1と同様に受信検知部7b、制御部7c、モータ7d、タイマ7eを有し、報知部材46とともに報知手段48を構成する。モータ7dのモータ軸7aに係止されたワイヤ14は、報知部材46の各筒状部材46a〜46e内部を貫通してその先端が報知部材の先端部46fに固定されている。
この実施例4に係る報知手段48においては、待ち受け状態のときはワイヤ14が巻き上げられ(すなわちモータ軸7aが図10中矢印A方向に回転し)、図10に示すように報知部材46が短く縮められている。一方、情報受信の際は、ワイヤ14が緩められ(すなわちモータ軸7aが図9中矢印B方向に回転し)、図9に示すように報知部材46が長く伸ばされる。使用者により通話ボタンが押されるかタイムカウント値t=t1になると、再びワイヤ14が巻き上げられ(すなわちモータ軸7aが図9中矢印A方向に回転し)、報知部材46が元の短い形状に復帰する。このように報知部材46の伸縮変形によって情報の受信を報知するので、使用者は容易にかつ確実に情報受信を認識できる。また、待ち受け状態においては報知部材46は短く縮められているので、持ち運びの邪魔にならない。
【実施例6】
【0016】
実施例5においては、変形手段7に制御部7cとモータ7dとを用い、制御部7cがモータ7dを回転駆動することによりワイヤ14を伸縮させて報知部材46の変形・復帰を行うが、本実施例6においては、図11に示すように変形手段9が受信検知部7b、ラッチ制御部9a、ゼンマイ部9b、タイマ7eで構成されている。
ラッチ制御部9aは、ゼンマイ部の係止歯車9cと係止するラッチ9dを係合・解除させるものである。受信検知部7bからの検知信号を受け取ると、ラッチ9dと係止歯車9cとの係合を解除し、通話ボタンが押されるかタイマカウント値がt=t1になると、ラッチ9dと係止歯車9cとを係合させる。なお、ラッチ9dは、係止歯車9cと係合している状態でも、係止歯車9cのワイヤ巻き上げ方向(図11中矢印A方向)への回転を許容するようになっている。
ゼンマイ部9bは、巻き上げ軸9e、ゼンマイ9f、係止歯車9cを有している。巻き上げ軸9eにはワイヤ14の一端が係止され、ゼンマイ9fが常にワイヤ14を弛緩させる方向(図11中矢印B方向)に巻き上げ軸9eを付勢している。
待ち受け状態では、ラッチ9dは係止歯車9cと係合している。使用者が筒状部材46eを手で携帯電話40の本体2側に押し込むと巻き上げ軸9eはワイヤ巻き上げ方向Aに回転し、ワイヤ14が縮んで報知部材46が短くなる。受信検知部7bが着信を検知すると、ラッチ9dと係止歯車9cとの係合が解除され、ゼンマイによってワイヤ14が弛緩されてワイヤ14が伸び、報知部材46が長く伸びた形状へと変形する。
使用者が通話ボタンを押すか、着信時にカウント開始したタイマカウント値が所定時間t1となったら、ラッチ9dが再び係止歯車9cと係合状態となる。この状態で使用者が再び筒状部材46eを押し込むと、巻き上げ軸9eのワイヤ巻き上げ方向Aへの回転は許容されるが、ワイヤ弛緩方向Bへの回転はラッチ9dにより禁止され、報知部材46が再び短い形状へと復帰する。
ワイヤ14の伸縮にゼンマイを用いているので、構造が非常に簡単となる。さらに、殆ど電力を必要としないので、省電力とすることができる。
なお、実施例5,6においては、報知部材46及び変形手段9を携帯電話40の本体2に設けているが、実施例2,4の場合と同様に、報知部材46及び変形手段9を携帯電話40の本体2と別体として情報受信報知機能を有する機器(携帯電話アクセサリー)として構成してももちろんよい。
【実施例7】
【0017】
図12は、本発明の実施例7に係る無線通信端末の概略構成を示す外観斜視図である。無線通信端末としての携帯電話50の本体2、アンテナ4、表示部8、操作ボタン部10については実施例1と同様の構成であるので同一の符号を付して説明を省略する。
この携帯電話50は報知部材56を有している。報知部材56は図に示すように、一端57aが携帯電話50の本体2に取り付けられたチューブ状部材57の他端57b側から放射部材58が放射状に広がっている。
チューブ状部材57の内部をワイヤ14が貫通し、その先端部が放射部材58の放射中心部58aに固定されている。ワイヤ14を伸縮させることにより、放射部材58の放射角度を変化させるように開閉可能となっている(図14参照)。
図13は、携帯電話50の本体2の内部に収容された変形手段7の概略構成を示すブロック図である。この変形手段7は、実施例1と同様に、受信検知部7b、制御部7c、モータ7d、タイマ7eを有し、報知部材56とともに報知手段59を構成する。先端部が放射部材58に固定されたワイヤ14の基端部はモータ7dのモータ軸7aに係止されている。
この実施例7に係る報知手段59においては、待ち受け状態のときはワイヤ14が巻き上げられ(すなわちモータ軸7aが図14中矢印A方向に回転し)、図14に示すように放射部材58が閉じている。一方、情報受信の際は、ワイヤ14が緩められ(すなわちモータ軸7aが図13中矢印B方向に回転し)、図13に示すように放射部材58が開く。使用者により通話ボタンが押されるかタイムカウント値t=t1になると、再びワイヤ14が巻き上げられ(すなわちモータ軸7aが図14中矢印A方向に回転し)、放射部材58が閉じた形状に復帰する。このように放射部材58の開閉変形によって情報の受信を報知するので、使用者は容易にかつ確実に情報受信を認識することができる。例えば、携帯電話50をカバンの中に入れた状態であっても、この放射部材58をカバンから外に出すようにしていれば、着信等があった場合に使用者がすぐに気付くことができる。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、報知手段は携帯電話端末に一体の構成で実施してもよいし、携帯電話端末とは別体の構成で実施してもよく、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、携帯電話などの無線通信端末の他に、受信機能を備えて作動する各種装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係る無線通信端末の概略構成を示す外観斜視図
【図2】同無線通信端末の要部構成図
【図3】同無線通信端末の動作時の外観斜視図
【図4】同無線通信端末の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の実施例2に係る情報受信報知器としての携帯電話アクセサリーの要部概略構成を示す内部構成図
【図6】本発明の実施例3に係る携帯電話の本体内部に収容された変形手段の概略構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施例4に係る情報受信報知器の要部概略構成を示す内部構成図
【図8】本発明の実施例5に係る無線通信端末の概略構成を示す外観斜視図
【図9】図8に示す携帯電話本体内部に収容された変形手段の概略構成を示すブロック図であって、情報受信した状態を示す図
【図10】図8に示す携帯電話本体内部に収容された変形手段の概略構成を示すブロック図であって、待ち受け状態を示す図
【図11】本発明の実施例6に係る携帯電話の本体内部に収容された変形手段の概略構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施例7に係る無線通信端末の概略構成を示す外観斜視図
【図13】図12に示す携帯電話本体内部に収容された変形手段の概略構成を示すブロック図であって、情報受信した状態を示す図
【図14】図12に示す携帯電話本体内部に収容された変形手段の概略構成を示すブロック図であって、待ち受け状態を示す図
【符号の説明】
【0020】
1,40,50 携帯電話端末(無線通信端末)
2 携帯電話本体
2a 前面
4 アンテナ
6,46,56 報知部材
6a 筒状部材
6b 先端部
7,9 変形手段
7a モータ軸
7b 受信検知部
7c 制御部
7d モータ
7e タイマ
7f 電源
8 表示部
9a ラッチ制御部
9b ゼンマイ部
9c 係止歯車
9d ラッチ
9e 巻き上げ軸
9f ゼンマイ
10 操作ボタン部
12,48,59 報知手段
14 ワイヤ(貫通部材)
20,30 携帯電話アクセサリー(情報受信報知器)
22,32 携帯電話アクセサリー本体
26,36 取付部
46a〜46e 筒状部材
46f 報知部材の先端部
57 チューブ状部材
57a,57b チューブ状部材端
58 放射部材
58a 放射中心部
A ワイヤ巻き上げ方向
B ワイヤ弛緩方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線により情報の送受信が可能であり、前記情報の受信を報知する報知手段を有する無線通信端末であって、
前記報知手段が、前記無線通信端末の本体外部に設けられた報知部材と、
情報受信時に前記報知部材の形状を変化させる変形手段とを有することを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記報知部材を、複数の筒状部材又は複数の柱状部材によって構成し、前記報知部材が、前記変形手段により直線形状と非直線形状とに変形可能であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記報知部材を、複数の異なる径の筒状部材によって構成し、前記筒状部材を互いに収納可能に連続的に配置し、前記筒状部材が前記変形手段により伸縮可能であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記報知部材を、一端が前記本体に取り付けられたチューブ状部材と、前記チューブ状部材の他端側の内部に設けた放射部材によって構成し、前記変形手段により前記放射部材を前記チューブ状部材から突出させることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記変形手段として、前記報知部材内部に挿通された貫通部材と、前記貫通部材を巻き取るモータ、ソレノイド、又はゼンマイを有することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項6】
無線により情報の送受信が可能な無線通信端末が前記情報を受信したときに受信を報知する無線通信端末の情報受信報知方法であって、
前記無線通信端末の本体外部に設けられた報知部材の形状を変化させることにより前記情報の受信を報知することを特徴とする無線通信端末の情報受信報知方法。
【請求項7】
前記情報を受信してから所定時間経過後に前記報知部材の形状を元の形状に復帰させることを特徴とする請求項6に記載の無線通信端末の情報受信報知方法。
【請求項8】
無線により情報の送受信が可能な無線通信端末が前記情報を受信したときに前記無線通信端末による前記情報の受信を報知する情報受信報知器であって、
前記無線通信端末に取り付けるための取付部と、
前記情報受信報知器の本体外部に設けられた報知部材と、
前記情報の受信時に前記報知部材の形状を変化させる変形手段とを有することを特徴とする情報受信報知器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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