説明

無線通信端末、無線通信端末の無線通信制御方法および無線通信サーバ

【課題】複数の独立した通信が用いる周波数のそれぞれが互いに影響を及ぼさない無線通信端末を実現する。
【解決手段】通信モジュール12が使用可能な候補周波数が、通信モジュール14が使用する周波数から影響を及ぼされるか否かを判定する干渉確認部16と、影響を及ぼされないと判定された上記候補周波数で基地局2と無線通信を行うように通信モジュール12を制御する接続方式再構築管理部18と、を備えることを特徴とする携帯通信機1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末に関し、特に、複数の独立した通信が用いる周波数のそれぞれが互いに影響を及ぼさない無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末等の無線通信端末や基地局などが周囲の電波状況を確認し、その状況に応じて周波数や通信方式を変えて通信するコグニティブ無線が提案されている。コグニティブ無線では、例えば、携帯電話端末の通信品質が悪くなった場合、携帯電話端末が自動的に通信品質が良くなる周波数に切り替えて通信を行う。
【0003】
特許文献1には、BS/CSチャンネル選局時に設定する周波数の高調波が使用している無線通信用周波数帯域に対して妨害を与える場合、使用している無線通信用周波数帯域を切り替え、妨害を回避する無線通信装置内蔵テレビジョン受像機が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、使用可能な無線リンクを検出し、接続に使用する無線リンクを変化させて基地局と通信端末とが無線通信可能な無線通信システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−254021号公報(平成18年9月21日公開)
【特許文献2】特開2010−135947号公報(平成22年6月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来技術における無線通信端末は、切り替えた周波数が、他の通信で用いられている周波数に対し影響を及ぼすか否かを確認するが、切り替えた周波数が他の通信で用いられている周波数から影響を及ぼされるか否かを確認しないため、通信品質が低下する虞がある。
【0007】
図9に、従来技術における無線通信システムの概要と当該無線通信システムにおける処理の流れとを示す。図9(a)に示すように、コグニティブ無線を行う無線通信システム900は、携帯通信機90と、第1の通信機器91(例えば、基地局など)と、第2の通信機器92(例えば、ノートパソコンなど)とを備えている。携帯通信機90は、第1の通信機器91と周波数Aで通信を行っている(通信A)。また、携帯通信機90は、第2の通信機器92と周波数Bで通信を行っている(通信B)。このとき図9(b)に示すように、携帯通信機90が、通信Aの無線通信を周波数Aから周波数(B/3)に変更して通信を行う旨の周波数変更要求を受信する(S901)と、携帯通信機90は、周波数(B/3)が通信Bで使用する周波数(周波数B)に影響を及ぼすか否かを確認する(S902)。
【0008】
周波数(B/3)が周波数Bに影響を及ぼす場合(S903にてYes)、携帯通信機90は、通信Bの周波数を周波数(B/3)に影響を及ぼさない周波数に変更する。周波数(B/3)は周波数Bと倍波の関係となり、周波数Bに影響を及ぼしてしまう。そこで、例えば周波数Bを(B/9)に変更する(S904)。これにより、周波数(B/3)は周波数(B/9)と倍波の関係ではなくなるため、影響を及ぼさない。その後、携帯通信機90は、通信Aの周波数を周波数(B/3)に変更する(S905)。
【0009】
このように、通信Aの周波数を(B/3)に変更したため、周波数(B/3)は周波数(B/9)に影響を及ぼさない。しかし、周波数(B/9)は、周波数(B/3)と倍波の関係になるため、影響を及ぼす。そのため、通信Aには通信Bからの干渉が発生し、通信Aの通信品質は悪くなるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の独立した通信が用いる周波数のそれぞれが互いに影響を及ぼさない無線通信端末を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の無線通信端末は、第1の通信機器と無線通信を行う第1の通信手段と、第2の通信機器と無線通信を行う第2の通信手段と、上記第1の通信手段が使用中の周波数を第1の周波数とし、上記第2の通信手段が使用中の周波数を第2の周波数としたとき、上記第1の通信手段が上記第1の通信機器と無線通信するために使用可能な周波数であって、上記第1の周波数と異なる周波数である候補周波数が上記第2の周波数から影響を及ぼされるか否かを判定する干渉判定手段と、上記干渉判定手段によって、上記第2の周波数から影響を及ぼされないと判定された上記候補周波数で上記第1の通信機器と無線通信を行うように第1の通信手段を制御する再構築制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
第1の通信手段が、候補周波数に切り替えたとき、当該候補周波数は第2の周波数から影響を及ぼされる場合がある。このような場合、第1の通信機器と第1の通信手段との通信品質は、悪くなる場合がある。そのため、再度、第1の通信手段は、候補周波数からその他の周波数に切り替える必要がある。
【0013】
上記構成によれば、無線通信端末は、第1の通信手段において第1の周波数から候補周波数に変更をして通信を行う際、候補周波数が、第2の周波数から影響を及ぼされるか否かを判定する。無線通信端末は、候補周波数が第2の周波数から影響を及ぼされないと判定されたとき、第1の通信手段が候補周波数を用いて通信を行うように制御する。
【0014】
これにより、第1の通信手段が周波数を候補周波数に切り替える前に、第2の周波数から影響を及ぼされないと判定するため、第1の通信手段が周波数を候補周波数に切り替えた後の候補周波数は第2の周波数から影響を及ぼされない。そのため、第1の通信手段は、干渉を受けない。よって、第1の通信手段は、切り替え後すぐに良好な通信品質を得ることができる周波数に切り替えることができる。
【0015】
本発明の無線通信端末における上記干渉判定手段は、上記候補周波数が上記第2の周波数に影響を及ぼすか否かを更に判定し、上記再構築制御手段は、上記干渉判定手段によって、上記第2の周波数との間で互いに影響を及ぼさないと判定された上記候補周波数で上記第1の通信機器と無線通信を行うように第1の通信手段を制御することが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、無線通信端末は、第1の通信手段において第1の周波数から候補周波数に変更をして通信を行う際、更に、候補周波数が第2の周波数に影響を及ぼすか否かを判定する。無線通信端末は、候補周波数と第2の周波数とが互いに影響を及ぼさないと判定されたとき、第1の通信手段が候補周波数を用いて通信を行うように制御する。
【0017】
これにより、第1の通信手段が周波数を候補周波数に切り替える前に、第2の周波数と互いに影響を及ぼさないと判定するため、第1の通信手段が周波数を候補周波数に切り替えた後の候補周波数と第2の周波数とは互いに影響を及ぼさない。そのため、第1の通信手段は、干渉を受けない。よって、第1の通信手段は、更に通信品質のよい周波数に切り替えることができる。
【0018】
本発明の無線通信端末は、上記無線通信端末の周囲で使用されている無線通信の周波数である周辺周波数を検知する周辺周波数検知手段を更に備え、上記干渉判定手段は、上記候補周波数が上記周辺周波数検知手段によって検知された周辺周波数から影響を及ぼされるか否かを更に判定し、上記再構築制御手段は、上記干渉判定手段によって上記第2の周波数および上記周辺周波数の両方から影響を及ぼされないと判定された上記候補周波数で上記第1の通信機器と無線通信を行うよう第1の通信手段を制御することが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、上記無線通信端末は、当該無線通信端末の周辺で使用されている周辺周波数が、候補周波数に影響を及ぼすか否かを判定する。無線通信端末は、当該候補周波数のうち、周辺周波数から影響を及ぼされないと判定された周波数を用いて第1の通信手段が通信を行うように制御する。したがって、より迅速に通信品質のよい周波数に切り替えることが出来る。
【0020】
本発明の無線通信端末は、上記再構築制御手段が、上記干渉判定手段によって上記候補周波数が上記第2の周波数から影響を及ぼされると判定されたとき、上記第2の周波数を変更することによって、上記候補周波数が、上記第2の周波数から影響を及ぼされないようにしてもよい。
【0021】
上記構成によれば、上記候補周波数が第2の周波数から影響を及ぼされると判定されたとき、上記第2の通信手段が使用する第2の周波数を、上記候補周波数に影響を及ぼさない周波数に変更することができる。
【0022】
本発明に係る無線通信サーバは、第1の通信機器と上記無線通信端末とが無線通信するように該第1の通信機器を制御する無線通信サーバであって、上記無線通信端末から、上記第1の通信機器を介して、上記干渉判定手段によって他の周波数から影響を及ぼされないと判定された上記候補周波数が通知されるようになっており、当該候補周波数が複数通知されたとき、通知された当該複数の候補周波数の中から一つを選択し、選択された候補周波数で上記第1の通信機器と上記無線通信端末とが無線通信するよう上記第1の通信機器を制御することを特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、上記無線通信端末は、当該無線通信端末が使用可能な候補周波数を上記第1の通信機器を介して上記無線通信サーバに通知するようになっており、上記無線通信サーバは、通知された候補周波数から上記無線通信端末と上記第1の通信機器との間の通信で使用すべき周波数を選択することができるため、上記無線通信端末は上記第1の通信機器と、首尾よく他の通信から影響を及ぼされない周波数で無線通信を行うことができる。
【0024】
上記の課題を解決するために本発明における無線通信端末の無線通信制御方法は、第1の通信機器と無線通信を行う第1の通信手段と、第2の通信機器と無線通信を行う第2の通信手段と、を備えた無線通信端末の無線通信制御方法であって、上記第1の通信手段が使用中の周波数を第1の周波数とし、上記第2の通信手段が使用中の周波数を第2の周波数としたとき、上記第1の通信手段が上記第1の通信機器と無線通信するために使用可能な周波数であって、上記第1の周波数と異なる周波数である候補周波数が上記第2の周波数から影響を及ぼされるか否かを判定する干渉判定工程と、上記干渉判定工程において、上記第2の周波数から影響を及ぼされないと判定された上記候補周波数で上記第1の通信機器と無線通信を行うように第1の通信手段を制御する再構築制御工程と、を含むことを特徴としている。
【0025】
上記の方法によれば、本発明に係る無線通信端末と同等の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の無線通信端末は、第1の通信機器と無線通信を行う第1の通信手段と、第2の通信機器と無線通信を行う第2の通信手段と、上記第1の通信手段が使用中の周波数を第1の周波数とし、上記第2の通信手段が使用中の周波数を第2の周波数としたとき、上記第1の通信手段が上記第1の通信機器と無線通信するために使用可能な周波数であって、上記第1の周波数と異なる周波数である候補周波数が上記第2の周波数から影響を及ぼされるか否かを判定する干渉判定手段と、上記干渉判定手段によって、上記第2の周波数から影響を及ぼされないと判定された上記候補周波数で上記第1の通信機器と無線通信を行うように第1の通信手段を制御する再構築制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0027】
これにより、第1の通信手段が周波数を候補周波数に切り替える前に、第2の周波数から影響を及ぼされないと判定するため、第1の通信手段が周波数を候補周波数に切り替えた後の候補周波数は第2の周波数から影響を及ぼされない。そのため、第1の通信手段は、干渉を受けない。よって、第1の通信手段は、切り替え後すぐに良好な通信品質を得ることができる周波数に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る無線通信端末の概略を示したブロック図である。
【図2】本発明に係る無線通信システムの概略を示した図である。
【図3】実施形態1における無線通信端末の無線通信制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】実施形態2における無線通信端末の無線通信制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】本発明に係る無線通信システムの概略の他の例を示した図である。
【図6】実施形態3における無線通信端末の無線通信制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】実施形態4における無線通信端末の無線通信制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】実施形態5における無線通信端末の無線通信制御方法の処理の流れを示したフローチャートである。
【図9】(a)は、コグニティブ無線を行う無線通信システムの概略を示した図であり、(b)は、(a)の無線通信システムの通信処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】実施形態1における無線通信端末の無線通信制御方法の処理の流れの他の例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態(実施形態1)について、図1から図3を参照して説明すれば、以下のとおりである。
【0030】
(無線通信システム100の概略)
まず、図2を参照して本発明に係る無線通信システム100の概略を説明する。図2は、本発明の無線通信システム100のシステム構成を示す図である。図2に示すように、無線通信システム100は、携帯通信機(無線通信端末)1、基地局(第1の通信機器)2、ノートパソコン(第2の通信機器)3、およびサーバ(無線通信サーバ)4によって構成される。
【0031】
携帯通信機1は、無線通信を行うための機能を有しており、基地局2およびノートパソコン3のそれぞれと無線通信を行う。携帯通信機1と基地局2との通信は、例えば基地局2の通信範囲が広い3G通信(長距離通信)を用いる。また、携帯通信機1とノートパソコン3との通信は、例えばWi−Fi(登録商標)などのアドホック(端末間)通信(近距離通信)を用いる。なお、携帯通信機1と基地局2との通信方式および携帯通信機1とノートパソコン3との通信方式はこれに限定されない。
【0032】
また、基地局2は、サーバ4と通信を行う機能を有している。サーバ4は、基地局2と携帯通信機1とが無線通信するように基地局2を制御する。また、サーバ4は、基地局2に対し、基地局2と携帯通信機1とが無線通信するときに使用する周波数を通知する機能を有している。
【0033】
なお、携帯通信機1はルータの機能を有していてもよい。つまり、ノートパソコン3は、携帯通信機1を介して基地局2やその他の端末(図示しない)と通信を行う構成であってもよい。
【0034】
また、図2において、基地局2およびサーバ4は、一つである構成を例に説明を行うが、携帯通信機1と通信を行う基地局2は複数であってもよく、また、基地局2と通信を行うサーバ4は、複数であってもよい。
【0035】
(携帯通信機1の概略)
次に、図1を参照して、携帯通信機1の概略を説明する。図1は、本実施形態における携帯通信機1の概略を示すブロック図である。図1に示すように、携帯通信機1は、アンテナ11、通信モジュール(第1の通信手段)12、アンテナ13、通信モジュール(第2の通信手段)14、使用周波数検出部(周波数検出手段、周辺周波数検知手段、使用可能周波数検出手段)15、干渉確認部(干渉判定手段)16、干渉制御部(干渉判定手段)17、接続方式再構築管理部(再構築制御手段)18および接続方式再構築制御部(再構築制御手段)19を備えている。
【0036】
通信モジュール12は、アンテナ11を介し、基地局2と無線通信を行う。通信モジュール12は、接続方式再構築管理部18から受信したデータや指示などの情報を、アンテナ11を介して基地局2に送信する。また、通信モジュール12は、アンテナ11を介して基地局2から受信したデータや指示などの情報を接続方式再構築管理部18に送信する。
【0037】
ここで、通信モジュール12と基地局2との無線通信を通信Aと呼び、通信Aで使用中の周波数を周波数A(第1の周波数)と呼ぶ。なお、周波数Aは基地局2と無線通信を行うことが可能な周波数であればよく、本実施形態では、例えば2GHzとする。
【0038】
通信モジュール14は、アンテナ13を介し、ノートパソコン3と無線通信を行う。通信モジュール14は、接続方式再構築管理部18から受信したデータや指示などの情報を、アンテナ13を介してノートパソコン3に送信する。また、通信モジュール14は、アンテナ13を介してノートパソコン3から受信したデータや指示などの情報を接続方式再構築管理部18に送信する。
【0039】
ここで、通信モジュール14とノートパソコン3との無線通信を通信Bと呼び、通信Bで使用中の周波数を周波数B(第2の周波数)と呼ぶ。なお、周波数Bは、周波数Aとは異なる周波数である。また、周波数Bは、ノートパソコン3と無線通信を行うことが可能な周波数であればよく、本実施形態では、例えば2.4GHzとする。
【0040】
使用周波数検出部15は、携帯通信機1が通信のために使用している周波数(周波数Aおよび周波数B)を検出する。また、使用周波数検出部15は、携帯通信機1が通信のために使用している周波数とは異なる周波数であって、携帯通信機1が使用可能な周波数である周波数(候補周波数、周波数Cと呼ぶ)を検出する。携帯通信機1は周波数Cを複数検出してもよい。
【0041】
また、使用周波数検出部15は、接続方式再構築管理部18から周波数A、周波数Bおよび周波数Cを検出する指示(検出指示)を受信する。使用周波数検出部15は、検出指示を受け取ると周波数A、周波数Bおよび周波数Cを検出する。
【0042】
また、使用周波数検出部15は、携帯通信機1の周囲で使用されている無線通信の周波数である周波数(周辺周波数)を走査し、検知する。つまり、使用周波数検出部15は、携帯通信機1が使用していない周波数であって、携帯通信機1が検知可能な周波数を検知する。使用周波数検出部15は、周辺周波数を複数検知してもよい。
【0043】
また、使用周波数検出部15は、接続方式再構築管理部18から周辺周波数を検知する指示(検知指示)を受信する。使用周波数検出部15は、検知指示を受け取ると周辺周波数を検知する。
【0044】
使用周波数検出部15は、検出した周波数A、周波数Bおよび周波数Cを干渉確認部16へ送信する。また、使用周波数検出部15は、検知した周辺周波数を干渉確認部16へ送信する。
【0045】
干渉確認部16は、使用周波数検出部15から受信した周波数を用いて、異なる2つの周波数が互いに影響を及ぼす(干渉する)か否かを判定する(干渉判定工程)。例えば、干渉確認部16は、周波数Bが周波数Cの整数倍であるか否か(倍波の関係にあるか否か)を判定することによって周波数Cが周波数Bに影響を及ぼすか否かを判定するとともに、周波数Cが周波数Bの整数倍であるか否かを判定することによって周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされるか否かを判定する。周波数Bが2.4GHz、周波数Cが800MHzである場合、周波数Bは周波数Cの整数倍となるため、周波数Cは周波数Bに影響を及ぼすと判定できる。干渉確認部16は、このように判定した干渉判定結果を干渉制御部17へ通知する。
【0046】
干渉制御部17は、干渉確認部16から通知された干渉判定結果を用い、複数の周波数Cのうち、互いに影響を及ぼさない(干渉が確認されない)と判定された複数の周波数の中から、通信Aが使用可能な周波数であって、周波数Aと異なる周波数である周波数(候補周波数)を判別する。干渉制御部17は上記周波数を複数判別してもよい。干渉制御部17は、判別した周波数を接続方式再構築管理部18へ送信する。
【0047】
接続方式再構築管理部18は、接続方式再構築制御部19から受信したデータを通信モジュール12および通信モジュール14に送信する。また、接続方式再構築管理部18は、通信モジュール12がアンテナ11を介して基地局2から受信した情報を通信モジュール12から受信する。また、接続方式再構築管理部18は、通信モジュール14がアンテナ13を介してノートパソコン3から受信した情報を、通信モジュール14から受信する。
【0048】
また、接続方式再構築管理部18は、干渉制御部17から受信した周波数を、アンテナ11を介して送信するように、通信モジュール12に送信する。
【0049】
また、接続方式再構築管理部18は、検出指示および検知指示を使用周波数検出部15に通知する。また、接続方式再構築管理部18は、通信モジュール12を介して通知された周波数を接続方式再構築制御部19に通知する。また、接続方式再構築管理部18は、接続方式再構築制御部19からの指示にしたがい通信モジュール12を制御する(再構築制御工程)。
【0050】
接続方式再構築制御部19は、接続方式再構築管理部18から通知された周波数で、通信を行うように通信モジュール12を制御する指示(接続方式変更指示)を接続方式再構築管理部18に送信する。
【0051】
なお、携帯通信機1は、図1に示すように、携帯通信機1に内蔵されたアプリケーションを処理するアプリケーション処理部、通信を行う外部機器の認証を行う認証管理部、および通信を行う際の条件を設定する通信条件設定部等の機能を有しているが、本発明に直接関係しないため、その詳細な説明は省略する。
【0052】
(無線通信制御方法について)
次に、図3を参照して、携帯通信機1が周波数を変更して通信を行う無線通信制御方法について説明する。図3は、本実施形態における携帯通信機1の無線通信制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
図3に示すように、携帯通信機1は、通信Aおよび通信Bにて通信を行っている。通信モジュール12が、基地局2から通信Aの無線通信を周波数Aから他の周波数に変更して通信を行う旨の指示(周波数変更要求)を受信する(ステップS301、以下単にS301と呼ぶ)と、接続方式再構築管理部18は、検出指示を使用周波数検出部15に通知する。使用周波数検出部15は、検出指示を受信すると、携帯通信機1で使用可能な周波数(周波数C)を検出する(S302)。
【0054】
干渉確認部16は、使用周波数検出部15が検出した周波数Cが、通信Bで使用する周波数(周波数B)に影響を及ぼすか否かを確認(判定)する(S303)。周波数Cが周波数Bに影響を及ぼす場合(S304にてYes)、S302に戻り、周波数Cとは別の周波数であって、携帯通信機1で使用可能な周波数を再度検出する。
【0055】
周波数Cが周波数Bに影響を及ぼさない場合(S304にてNo)、干渉確認部16は、周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされるか否かを確認する(S305)。周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされる場合(S306にてYes)、S302に戻り、周波数Cとは別の周波数であって、携帯通信機1で使用可能な周波数を再度検出する。
【0056】
周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされない場合(S306にてNo)、接続方式再構築管理部18は、通信モジュール12を制御し、通信Aの周波数を周波数Cに変更する(S307)。
【0057】
なお、S302にて周波数Cが一つだけ検出されることを例に説明を行ったが、S302にて周波数Cは複数検出されてもよい。このとき、使用周波数検知部15は、複数の周波数Cを記憶し、記憶した複数の周波数CのそれぞれについてS303〜S306を実行する。これにより、通信Bで使用する周波数と互いに影響を及ぼさない周波数を複数の周波数Cの中から選出することができるため、周波数Cを一つだけ検出する場合と比べ、S302に戻るという処理を軽減することができる。
【0058】
通信モジュール12が、周波数Cが周波数Bに影響を及ぼさないことを確認した後に、周波数Cに切り替えたとき、周波数Cは周波数Bから影響を及ぼされる場合がある。このような場合、基地局2と通信モジュール12との通信品質は、悪くなる場合がある。そのため、再度、通信モジュール12は、周波数Cからその他の周波数に切り替える必要がある。
【0059】
しかし、本実施形態の構成によれば、携帯通信機1は、通信モジュール12において周波数Aから周波数Cに変更をして通信を行う際、周波数Cが周波数Bに影響を及ぼすか否かを判定する。更に携帯通信機1は、周波数Cが、周波数Bから影響を及ぼされるか否かを判定する。携帯通信機1は、周波数Cと周波数Bとが互いに影響を及ぼさないと判定されたとき、通信モジュール12が周波数Cを用いて通信を行うように制御する。
【0060】
これにより、通信モジュール12が周波数を周波数Cに切り替える前に、周波数Bと互いに影響を及ぼさないと判定するため、通信モジュール12は、切り替え後すぐに良好な通信品質を得ることができる周波数に切り替えることができる。
【0061】
また、周波数Cが周波数Bの整数倍であるときに、周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされると判定する。これにより、首尾よく周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされるか否かを判定することができる。
【0062】
また、使用周波数検出部15は、候補周波数(周波数C)を複数検出する。これにより、より迅速に通信品質のよい周波数に切り替えることが出来る。
【0063】
(無線通信制御方法の変形例)
なお、携帯通信機1は、必ずしも、通信Aで使用する周波数を、周波数Bとの間で互いに影響を及ぼさない周波数に制御するものでなくともよい。すなわち、一変形例において、携帯通信機1は、通信Aで使用する周波数を、単に、周波数Bから影響を及ぼされない周波数に制御するものであってもよい。
【0064】
このような変形例について、図10を参照して、説明する。図10は、本実施形態における携帯通信機1の無線通信制御方法の処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【0065】
図10に示すように、携帯通信機1は、通信Aおよび通信Bにて通信を行っている。通信モジュール12が、基地局2から通信Aの無線通信を周波数Aから他の周波数に変更して通信を行う旨の指示(周波数変更要求)を受信する(S1001)と、接続方式再構築管理部18は、検出指示を使用周波数検出部15に通知する。使用周波数検出部15は、検出指示を受信すると、携帯通信機1で使用可能な周波数を検出する(S1002)。干渉確認部16は、使用周波数検出部15が検出した周波数が、通信Bで使用する周波数から影響を及ぼされないか否かを確認(判定)する(S1003)。影響を及ぼされる場合(S1004にてYes)、S1002に戻り、別の周波数であって、携帯通信機1で使用可能な周波数を再度検出する。影響を及ぼされない場合(S1004にてNo)、接続方式再構築管理部18は、通信モジュール12を制御し、通信Aの周波数を使用可能な周波数に変更する(S1005)。
【0066】
このような構成によれば、携帯通信機1は、通信モジュール12において周波数Aから他の周波数に変更をして通信を行う際、他の周波数が、周波数Bから影響を及ぼされるか否かを判定する。携帯通信機1は、他の周波数が第2の周波数から影響を及ぼされないと判定されたとき、通信モジュール12が他の周波数を用いて通信を行うように制御する。
【0067】
これにより、通信モジュール12が周波数を他の周波数に切り替える前に、周波数Bから影響を及ぼされないと判定するため、通信モジュール12が周波数を他の周波数に切り替えた後の他の周波数は周波数Bから影響を及ぼされない。そのため、通信モジュール12は、干渉を受けない。よって、通信モジュール12は、切り替え後すぐに良好な通信品質を得ることができる周波数に切り替えることができる。
【0068】
〔実施形態2〕
実施形態1では、携帯通信機1と基地局2との無線通信で使用する周波数を、携帯通信機1が決定することを例に説明を行った。しかし、携帯通信機1が使用可能な周波数を検知する場合、当該携帯通信機1は狭い範囲の通信しか確認することができない。つまり、基地局2の周辺では、どのような周波数でどのような通信が行われているのかわからない。
【0069】
そのため、本実施形態においては、基地局2の周囲の周波数の状況を考慮し、サーバ4から基地局2を介して指定された周波数で携帯通信機1と基地局2との無線通信を行う方法について説明を行う。また、本実施形態においては、携帯通信機1の周辺で使用されている周波数に対し、携帯通信機1と基地局2とが使用する周波数に影響を及ぼすか否か、および影響を及ぼされるか否かを確認する。
【0070】
(無線通信制御方法について)
次に、図4を参照して、携帯通信機1が周波数を変更して通信を行う無線通信制御方法について説明する。図4は、本実施形態における携帯通信機1の無線通信制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【0071】
図4に示すように、携帯通信機1は、通信Aおよび通信Bにて通信を行っている。通信モジュール12が、基地局2から通信Aの無線通信を周波数Aから他の周波数に変更して通信を行う旨の指示(周波数変更要求)を受信する(S401)と、接続方式再構築管理部18は、検出指示を使用周波数検出部15に通知する。使用周波数検出部15は、検出指示を受信すると、携帯通信機1で使用可能な周波数(周波数C)を検出する(S402)。
【0072】
干渉確認部16は、使用周波数検出部15が検出した周波数Cが、通信Bで使用する周波数(周波数B)に影響を及ぼすか否かを確認(判定)する(S403)。周波数Cが周波数Bに影響を及ぼす場合(S404にてYes)、S402に戻り、周波数Cとは別の周波数であって、携帯通信機1で使用可能な周波数を再度検出する。
【0073】
周波数Cが周波数Bに影響を及ぼさない場合(S404にてNo)、干渉確認部16は、周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされるか否かを確認する(S405)。周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされる場合(S406にてYes)、S402に戻り、周波数Cとは別の周波数であって、携帯通信機1で使用可能な周波数を再度検出する。
【0074】
周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされない場合(S406にてNo)、接続方式再構築管理部18は、検知指示を使用周波数検出部15に通知する。使用周波数検出部15は、検知指示を受信すると、携帯通信機1が使用していない周波数であって、携帯通信機1が検知可能な周辺周波数を検知する(S407)。
【0075】
次に、干渉確認部16は、周波数Cが周辺周波数に影響を及ぼすか否かを確認する(S408)。周波数Cが周辺周波数に影響を及ぼす場合(S409にてYes)、S402に戻り、周波数Cとは別の周波数であって、携帯通信機1で使用可能な周波数を再度検出する。
【0076】
周波数Cが周辺周波数に影響を及ぼさない場合(S409にてNo)、干渉確認部16は、周波数Cが周辺周波数から影響を及ぼされるか否かを確認する(S410)。周波数Cが周辺周波数から影響を及ぼされる場合(S411にてYes)、S402に戻り、周波数Cとは別の周波数であって、携帯通信機1で使用可能な周波数を再度検出する。なお、S407にて周辺周波数が複数検知された場合、複数の周辺周波数のそれぞれについてS408〜S411を実行する。このとき、使用周波数検知部15は、複数の周辺周波数を記憶する。また、周辺周波数は、S407で検知せず、常時検知してもよい。
【0077】
また、S402にて周波数Cが複数検出された場合、使用周波数検知部15は、複数の周波数Cを記憶し、記憶した複数の周波数CのそれぞれについてS403〜S411を実行する。これにより、通信Bで使用する周波数および周辺周波数と互いに影響を及ぼさない周波数を複数の周波数Cの中から選出することができるため、周波数Cを一つだけ検出する場合と比べ、S402に戻るという処理を軽減することができる。また、周波数Cは、S402で検知せず、常時検出してもよい。
【0078】
周波数Cが周辺周波数から影響を及ぼされない場合(S411にてNo)、干渉制御部17は、周波数Cが、通信Aで使用可能な周波数であるか判別する。周波数Cが複数である場合、干渉制御部17は、複数の周波数Cの中から、通信Aで使用可能な周波数を複数判別する。干渉制御部17は、判別した周波数をリスト化し、接続方式再構築管理部18へ送信する(S412)。
【0079】
通信モジュール12は、接続方式再構築管理部18がS412で受信したリストを基地局2へ送信し、基地局2は当該リストをサーバ4へ送信する(S413)。その後、サーバ4は当該リストから、通信Aで使用する周波数を決定する。通信モジュール12は、サーバ4が決定した周波数を受信する(S414)。接続方式再構築制御部19は、S414で受信した周波数で通信Aを行うように、接続方式変更指示を接続方式再構築管理部18へ送信し、接続方式再構築管理部18は、接続方式変更指示に従い、通信モジュール12を制御し、通信Aの周波数をS414で受信した周波数に変更する(S415)。
【0080】
なお、本実施形態において、携帯通信機1は、複数の周波数Cの中から、通信Aで使用可能な周波数を複数判別した周波数をリスト化して、サーバ4に送信することについて説明を行ったが、通信Aで使用可能な周波数は、リスト化しなくてもよい。例えば、判別を行ったときに、逐次その周波数をサーバ4に送ってもよい。
【0081】
このように、基地局2が、携帯通信機1が使用可能な周波数(候補周波数)のうち、基地局2の周辺で使用されている周波数以外の周波数を指定することにより、携帯通信機1は、他の通信で用いられている周波数から影響をより及ぼされない周波数で通信を行うことができる。
【0082】
また、携帯通信機1は、周辺周波数が複数の周波数C(候補周波数)のそれぞれに影響を及ぼすか否かを判定し、複数の周波数Cのうち、周波数Bおよび周辺周波数の両方から影響を及ぼされないと判定された周波数を用いて通信モジュール12が通信を行うように制御する。したがって、より迅速に通信品質のよい周波数に切り替えることが出来る。
【0083】
〔実施形態3〕
実施形態1および2では、携帯通信機1が近距離通信を行う通信端末としてノートパソコン3を例に説明を行ったが、携帯通信機1が通信を行う通信端末はこれに限定されない。
【0084】
(無線通信システム200の概略)
まず、図5を参照して本実施形態に係る無線通信システム200の概略を説明する。図5は、本発明の無線通信システム200のシステム構成を示す図である。図5に示すように、無線通信システム200は、携帯通信機(無線通信端末)1、基地局(第1の通信機器)2、サーバ(無線通信サーバ)4、基地局(第2の通信機器)5および携帯通信機6によって構成される。
【0085】
基地局5は、携帯通信機1および無線通信を行うための機能を有した携帯通信機6のそれぞれと通信を行う。本実施形態において、基地局5は、例えば、Wi−Fiのアクセスポイント等のような近距離通信を行うものとする。なお、携帯通信機1と携帯通信機6とは基地局5を介してデータ通信を行うことができる。
【0086】
本実施形態においては、携帯通信機1の通信モジュール14と基地局5との無線通信を通信Bと呼び、通信Bで使用する周波数を周波数B(第2の周波数)と呼ぶ。なお、周波数Bは、周波数Aとは異なる周波数である。また、基地局5と携帯通信機6との無線通信を通信Dと呼ぶ。
【0087】
(無線通信制御方法について)
次に、図6を参照して、携帯通信機1が周波数を変更して通信を行う無線通信制御方法について説明する。図6は、本実施形態における携帯通信機1の無線通信制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【0088】
図6に示すように、携帯通信機1は、通信Aおよび通信Bにて通信を行っている。また、携帯通信機6は、通信Dにて通信を行っている。通信モジュール12が、基地局2から通信Aの無線通信を周波数Aから他の周波数に変更して通信を行う旨の指示(周波数変更要求)を受信する(S601)と、接続方式再構築管理部18は、検出指示を使用周波数検出部15に通知する。使用周波数検出部15は、検出指示を受信すると、携帯通信機1で使用可能な周波数(周波数C)を検出する(S602)。
【0089】
干渉確認部16は、使用周波数検出部15が検出した周波数Cが、通信Bで使用する周波数(周波数B)に影響を及ぼすか否かを確認する(S603)。周波数Cが周波数Bに影響を及ぼさない場合(S604にてNo)、干渉確認部16は、周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされるか否かを確認する(S605)。周波数Cが周波数Bに影響を及ぼす場合(S604にてYes)、または周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされる場合(S606にてYes)、使用周波数検出部15は、通信Bで使用可能な周波数(周波数D)を検出する(S607)。また、使用周波数検出部15は、携帯通信機1が使用していない周波数であって、携帯通信機1が検知可能な周辺周波数を検知する(S608)。
【0090】
次に、干渉確認部16は、周波数Dが周辺周波数に影響を及ぼすか否かを確認する(S609)。周波数Dが周辺周波数に影響を及ぼす場合(S610にてYes)、S607に戻り、周波数Dとは別の周波数であって、通信Bで使用可能な周波数を再度検出する。
【0091】
周波数Dが周辺周波数に影響を及ぼさない場合(S610にてNo)、干渉確認部16は、周波数Dが周辺周波数から影響を及ぼされるか否かを確認する(S611)。周波数Dが周辺周波数から影響を及ぼされる場合(S612にてYes)、S607に戻り、周波数Dとは別の周波数であって、通信Bで使用可能な周波数を再度検出する。なお、S608にて周辺周波数が複数検知された場合、複数の周辺周波数のそれぞれについてS609〜S612を実行する。このとき、使用周波数検知部15は、複数の周辺周波数を記憶する。また、周辺周波数は、S608で検知せず、常時検知してもよい。また、S607にて周波数Dが複数検出された場合、使用周波数検知部15は、複数の周波数Dを記憶し、記憶した複数の周波数DのそれぞれについてS608〜S612を実行する。これにより、通信Bで使用する周波数および周辺周波数と互いに影響を及ぼさない周波数を複数の周波数Dの中から選出することができるため、周波数Dを一つだけ検出する場合と比べ、処理を軽減することができる。また、周波数Dは、S607で検知せず、常時検出してもよい。
【0092】
周波数Dが周辺周波数から影響を及ぼされない場合(S612にてNo)、干渉制御部17は、周波数DにS603で用いた周波数CまたはS605で用いた周波数Cを加える(S613)。その後、接続方式再構築管理部18は、通信モジュール14を制御し、通信Bの周波数をS613で得た周波数に変更する(S614)。変更後、S603に戻り、干渉確認部16は、周波数Cが当該周波数に影響を及ぼすか否かを確認する。
【0093】
周波数Cが周波数Bから影響を及ぼされない場合(S606にてNo)、接続方式再構築管理部18は、検知指示を使用周波数検出部15に通知する。使用周波数検出部15は、検知指示を受信すると、携帯通信機1が使用していない周波数であって、携帯通信機1が検知可能な周辺周波数を検知する(S615)。
【0094】
次に、干渉確認部16は、周波数Cが周辺周波数に影響を及ぼすか否かを確認する(S616)。周波数Cが周辺周波数に影響を及ぼす場合(S617にてYes)、S602に戻り、周波数Cとは別の周波数であって、携帯通信機1で使用可能な周波数を再度検出する。
【0095】
周波数Cが周辺周波数に影響を及ぼさない場合(S617にてNo)、干渉確認部16は、周波数Cが周辺周波数から影響を及ぼされるか否かを確認する(S618)。周波数Cが周辺周波数から影響を及ぼされる場合(S619にてYes)、S602に戻り、周波数Cとは別の周波数であって、携帯通信機1で使用可能な周波数を再度検出する。なお、S615にて周辺周波数が複数検知された場合、複数の周辺周波数のそれぞれについてS616〜S619を実行する。このとき、使用周波数検知部15は、複数の周辺周波数を記憶する。また、周辺周波数は、S615で検知せず、常時検知してもよい。
【0096】
また、S602にて周波数Cが複数検出された場合、使用周波数検知部15は、複数の周波数Cを記憶し、記憶した複数の周波数CのそれぞれについてS603〜S619を実行する。これにより、通信Bで使用する周波数および周辺周波数と互いに影響を及ぼさない周波数を複数の周波数Cの中から選出することができるため、周波数Cを一つだけ検出する場合と比べ、S602に戻るという処理を軽減することができる。また、周波数Cは、S602で検知せず、常時検出してもよい。
【0097】
周波数Cが周辺周波数から影響を及ぼされない場合(S619にてNo)、干渉制御部17は、周波数Cが、通信Aで使用可能な周波数であるか判別する。周波数Cが複数である場合、干渉制御部17は、複数の周波数Cの中から、通信Aで使用可能な周波数を複数判別する。干渉制御部17は、判別した周波数をリスト化し、接続方式再構築管理部18へ送信する(S620)。
【0098】
通信モジュール12は、接続方式再構築管理部18がS620で受信したリストを基地局2へ送信し、基地局2は当該リストをサーバ4へ送信する(S621)。その後、サーバ4は当該リストから、通信Aで使用する周波数を決定する。通信モジュール12は、サーバ4が決定した周波数を受信する(S622)。接続方式再構築制御部19は、S622で受信した周波数で通信Aを行うように、接続方式変更指示を接続方式再構築管理部18へ送信し、接続方式再構築管理部18は、接続方式変更指示に従い、通信モジュール12を制御し、通信Aの周波数をS622で受信した周波数に変更する(S623)。
【0099】
このように、携帯通信機1は、周波数C(候補周波数)が周波数Bから影響を及ぼされると判定されたとき、通信モジュール14が使用する周波数Bを、周波数Cに影響を及ぼさない周波数に変更することができる。
【0100】
また、基地局2が現在使用している周波数とは別の周波数で通信を行うように指示をしたタイミングで、携帯通信機1は通信モジュール12を制御し、携帯通信機1と基地局2との間で使用している周波数を変更する。これにより、携帯通信機1との通信品質が悪くなったときに、基地局2から別の周波数で通信を行うよう指示を受け付けると、携帯通信機1は、基地局2と携帯通信機1との通信に使用する周波数をすぐに通信品質のよい周波数に切り替えることができる。
【0101】
〔実施形態4〕
実施形態1〜3では、基地局2からの周波数変更要求は、通信Aの無線通信を周波数Aから他の周波数に変更して通信を行う旨の指示であることについて説明を行ったが、周波数変更要求には、予め定められた周波数(候補周波数)に変更する旨の指示が含まれていてもよい。本実施形態では、無線通信システム100において、携帯通信機1が基地局2から予め定められた周波数に変更する周波数変更要求を受信したときの無線通信制御方法について説明を行う。
【0102】
(無線通信制御方法について)
図7を参照して、携帯通信機1が周波数を変更して通信を行う無線通信制御方法について説明する。図7は、本実施形態における携帯通信機1の無線通信制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【0103】
図7に示すように、携帯通信機1は、通信Aおよび通信Bにて通信を行っている。通信モジュール12が、基地局2から通信Aの無線通信を周波数Aから周波数α(候補周波数)に変更して通信を行う旨の周波数変更要求を受信する(S701)と、干渉確認部16は、周波数αが通信Bで使用する周波数(周波数B)に影響を及ぼすか否かを確認する(S702)。
【0104】
周波数αが周波数Bに影響を及ぼさない場合(S703にてNo)、干渉確認部16は、周波数αが周波数Bから影響を及ぼされるか否かを確認する(S704)。
【0105】
周波数αが周波数Bに影響を及ぼす場合(S703にてYes)、または周波数αが周波数Bから影響を及ぼされる場合(S705にてYes)、接続方式再構築管理部18は、通信モジュール14を制御し、通信Bの周波数を周波数αと互いに影響を及ぼさない周波数に変更する(S706)。
【0106】
周波数αが周波数Bから影響を及ぼされる場合(S705にてNo)、またはS706実行後、接続方式再構築管理部18は、通信モジュール12を制御し、通信Aの周波数を周波数αに変更する(S707)。
【0107】
なお、本実施形態において周波数αは予め定められた周波数であって、周波数Aとは異なる周波数である。
【0108】
このように、基地局2から指定された周波数αであっても、携帯通信機1は通信モジュール12を制御し、携帯通信機1と基地局2との間で使用している周波数を周波数αに変更することができる。
【0109】
また、携帯通信機1は、通信モジュール12が周波数を周波数αに切り替える前に、通信モジュール14が使用する周波数を、周波数αと互いに影響を及ぼさない周波数に切り替えることができる。
【0110】
〔実施形態5〕
実施形態4では、無線通信システム100において、予め定められた周波数に変更する周波数変更要求を受信したときの無線通信制御方法について説明を行ったが、予め定められた周波数に変更する周波数変更要求は、これに限定されない。例えば、無線通信システム200においても適用可能である。
【0111】
本実施形態では、無線通信システム200において、携帯通信機1が基地局2から予め定められた周波数に変更する周波数変更要求を受信したときの無線通信制御方法について説明を行う。
【0112】
(無線通信制御方法について)
図8を参照して、携帯通信機1が周波数を変更して通信を行う無線通信制御方法について説明する。図8は、本実施形態における携帯通信機1の無線通信制御方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【0113】
図8に示すように、携帯通信機1は、通信Aおよび通信Bにて通信を行っている。また、携帯通信機6は、通信Dにて通信を行っている。通信モジュール12が、基地局2から通信Aの無線通信を周波数Aから周波数α(候補周波数)に変更して通信を行う旨の周波数変更要求を受信する(S801)と、干渉確認部16は、周波数αが通信Bで使用する周波数(周波数B)に影響を及ぼすか否かを確認する(S802)。
【0114】
周波数αが周波数Bに影響を及ぼさない場合(S803にてNo)、干渉確認部16は、周波数αが周波数Bから影響を及ぼされるか否かを確認する(S804)。
【0115】
周波数αが周波数Bに影響を及ぼす場合(S803にてYes)、または周波数αが周波数Bから影響を及ぼされる場合(S805にてYes)、使用周波数検出部15は、通信Bで使用可能な周波数(周波数D)を検出する(S806)。また、使用周波数検出部15は、携帯通信機1が使用していない周波数であって、携帯通信機1が検知可能な周辺周波数を検知する(S807)。
【0116】
次に、干渉確認部16は、周波数Dが周辺周波数に影響を及ぼすか否かを確認する(S808)。周波数Dが周辺周波数に影響を及ぼす場合(S809にてYes)、S806に戻り、周波数Dとは別の周波数であって、通信Bで使用可能な周波数を再度検出する。
【0117】
周波数Dが周辺周波数に影響を及ぼさない場合(S809にてNo)、干渉確認部16は、周波数Dが周辺周波数から影響を及ぼされるか否かを確認する(S810)。周波数Dが周辺周波数から影響を及ぼされる場合(S811にてYes)、S806に戻り、周波数Dとは別の周波数であって、通信Bで使用可能な周波数を再度検出する。なお、S807にて周辺周波数が複数検知された場合、複数の周辺周波数のそれぞれについてS808〜S811を実行する。また、S806にて周波数Dが複数検出された場合、複数の周波数DのそれぞれについてS807〜S811を実行する。
【0118】
周波数Dが周辺周波数から影響を及ぼされない場合(S811にてNo)、干渉制御部17は、周波数Dに周波数αを加える(S812)。その後、接続方式再構築管理部18は、通信モジュール14を制御し、通信Bの周波数をS812で得た周波数に変更する(S813)。変更後、S802に戻り、干渉確認部16は、周波数αが当該周波数に影響を及ぼすか否かを確認する。
【0119】
周波数αが周波数Bから影響を及ぼされる場合(S805にてNo)、接続方式再構築管理部18は、通信モジュール12を制御し、通信Aの周波数を周波数αに変更する(S814)。
【0120】
以上のように、携帯通信機1は、当該携帯通信機1の周辺で使用されている複数の周辺周波数のそれぞれと周波数αとが互いに影響を及ぼすか否かを確認することができる。
【0121】
また、携帯通信機1は、使用周波数検出部15が検出した複数の使用可能周波数のそれぞれと、複数の周辺周波数のそれぞれとが互いに影響を及ぼすか否かを確認する。携帯通信機1は、当該複数の使用可能周波数のうち複数の周辺周波数のそれぞれと互いに影響を及ぼさないと確認された周波数を用いて通信モジュール14が通信を行うように制御する。したがって、基地局5と通信モジュール14とが通信を行う周波数のうち、より通信品質が高くなる周波数を選択することが出来る。
【0122】
また、携帯通信機1は、通信モジュール12が周波数を周波数αに切り替える前に、通信モジュール14が使用する周波数を、周波数αと互いに影響を及ぼさない周波数に切り替えることができる。したがって、基地局5と通信モジュール14とが通信を行う周波数のうち、より通信品質が高くなる周波数を首尾よく選択することが出来る。
【0123】
なお、上述した実施形態1〜5において、携帯通信機1と無線通信を行う機器が基地局2であることを例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。携帯通信機1と無線通信を行う機器(第一の通信機器)は、特に限定されず、例えば他の携帯通信機などであってもよい。
【0124】
〔プログラム及び記録媒体〕
また、上述した携帯通信機1の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0125】
すなわち、携帯通信機1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯通信機1の制御プログラム(認証プログラム)のプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯通信機1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0126】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0127】
また、携帯通信機1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(high data rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0128】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、複数の周波数で複数の通信を同時に行うことができる、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末、テレビジョン受像機、ルータ、およびサーバなどの無線通信端末および無線通信装置に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0130】
1 携帯通信機(無線通信端末)
11 アンテナ
12 通信モジュール(第1の通信手段)
13 アンテナ
14 通信モジュール(第2の通信手段)
15 使用周波数検出部(周波数検出手段、周辺周波数検知手段)
16 干渉確認部(干渉判定手段)
17 干渉制御部(干渉判定手段)
18 接続方式再構築管理部(再構築制御手段)
19 接続方式再構築制御部(再構築制御手段)
2 基地局(第1の通信機器)
3 ノートパソコン(第2の通信機器)
4 サーバ(無線通信サーバ)
5 基地局(第2の通信機器)
6 携帯通信機
100 無線通信システム
200 無線通信システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信機器と無線通信を行う第1の通信手段と、
第2の通信機器と無線通信を行う第2の通信手段と、
上記第1の通信手段が使用中の周波数を第1の周波数とし、上記第2の通信手段が使用中の周波数を第2の周波数としたとき、上記第1の通信手段が上記第1の通信機器と無線通信するために使用可能な周波数であって、上記第1の周波数と異なる周波数である候補周波数が上記第2の周波数から影響を及ぼされるか否かを判定する干渉判定手段と、
上記干渉判定手段によって、上記第2の周波数から影響を及ぼされないと判定された上記候補周波数で上記第1の通信機器と無線通信を行うように第1の通信手段を制御する再構築制御手段と、を備えることを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
上記干渉判定手段は、上記候補周波数が上記第2の周波数に影響を及ぼすか否かを更に判定し、
上記再構築制御手段は、上記干渉判定手段によって、上記第2の周波数との間で互いに影響を及ぼさないと判定された上記候補周波数で上記第1の通信機器と無線通信を行うように第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
上記無線通信端末の周囲で使用されている無線通信の周波数である周辺周波数を検知する周辺周波数検知手段を更に備え、
上記干渉判定手段は、上記候補周波数が上記周辺周波数検知手段によって検知された周辺周波数から影響を及ぼされるか否かを更に判定し、
上記再構築制御手段は、上記干渉判定手段によって上記第2の周波数および上記周辺周波数の両方から影響を及ぼされないと判定された上記候補周波数で上記第1の通信機器と無線通信を行うよう第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信端末。
【請求項4】
上記再構築制御手段が、上記干渉判定手段によって上記候補周波数が上記第2の周波数から影響を及ぼされると判定されたとき、上記第2の周波数を変更することによって、上記候補周波数が、上記第2の周波数から影響を及ぼされないようにすることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の無線通信端末。
【請求項5】
第1の通信機器と請求項1から4の何れか1項に記載の無線通信端末とが無線通信するように該第1の通信機器を制御する無線通信サーバであって、
上記無線通信端末から、上記第1の通信機器を介して、上記干渉判定手段によって他の周波数から影響を及ぼされないと判定された上記候補周波数が通知されるようになっており、
当該候補周波数が複数通知されたとき、通知された当該複数の候補周波数の中から一つを選択し、選択された候補周波数で上記第1の通信機器と上記無線通信端末とが無線通信するよう上記第1の通信機器を制御することを特徴とする無線通信サーバ。
【請求項6】
第1の通信機器と無線通信を行う第1の通信手段と、第2の通信機器と無線通信を行う第2の通信手段と、を備えた無線通信端末の無線通信制御方法であって、
上記第1の通信手段が使用中の周波数を第1の周波数とし、上記第2の通信手段が使用中の周波数を第2の周波数としたとき、上記第1の通信手段が上記第1の通信機器と無線通信するために使用可能な周波数であって、上記第1の周波数と異なる周波数である候補周波数が上記第2の周波数から影響を及ぼされるか否かを判定する干渉判定工程と、
上記干渉判定工程において、上記第2の周波数から影響を及ぼされないと判定された上記候補周波数で上記第1の通信機器と無線通信を行うように第1の通信手段を制御する再構築制御工程と、を含むことを特徴とする無線通信端末の無線通信制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−30919(P2013−30919A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164629(P2011−164629)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】