説明

無線通信装置、基地局、無線通信方法、および無線通信システム

【課題】無線通信装置、基地局、無線通信方法、および無線通信システムを提供する。
【解決手段】識別情報、および前記無線状況の測定情報を対応付けて記憶する記憶部、および、前記識別情報および前記無線状況の測定情報を対応付けて送信する送信部、有する基地局と、無線通信装置であって、前記基地局から識別情報と対応付けて送信される無線状況の測定に基づく情報を受信する受信部、および、前記受信部により受信された識別情報に前記無線通信装置が対応する場合、前記受信部により受信された前記情報を利用して通信を制御する制御部、を有する無線通信装置と、を備える、無線通信システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、基地局、無線通信方法、および無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(Third Generation Partnership Project)において4Gの無線通信システムの規格化が進められている。4Gによれば、リレーやキャリアアグリゲーションなどの技術を用いることにより、最大通信速度の向上やセルエッジでの品質向上を実現することができる。また、HeNodeB(Home eNodeB、フェムトセル基地局、携帯電話用小型基地局)やRHH(リモートラジオヘッド)など、eNodeB(マクロセル基地局)以外の基地局の導入によりカバレッジを向上させることも検討されている。
【0003】
このような無線通信システムにおいては、ユーザ端末が、無線通信の品質を評価するために、基地局から送信される無線信号に含まれるリファレンス信号をメジャメントする。より詳細には、ユーザ端末は、フェージングの影響を抑制するために、数回に分けて測定し、得られた値の平均を取ることによりメジャメント情報を取得する。そして、ユーザ端末は、必要に応じてメジャメント情報を基地局に報告する。なお、メジャメントに関する技術は例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
一方、3GPPでは、MTC(Machine Type Communications)に関する議論も進められている。MTCのアプリケーションとしては、水道系や電力系の情報を収集するMetering、ヘルスケア用途の機器情報を収集するHealthなど、多様なアプリケーションが検討されている。MTC端末は、これらのアプリケーションに特化した端末である。
【0005】
なお、MTC端末は、例えば、Low Mobility、Time Controlled、Online Small Data Transmission、およびTime Tolerantなどの特性を有する。すなわち、MTC端末は、移動が少なく、低頻度で基地局に接続して少量のデータ通信を行い、再びアイドルモードに戻る。また、データ通信にはある程度の遅延が許容される。また、MTC端末は、超低消費電力が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−62783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、メジャメント情報を得るための測定は上述したように複数回繰り返して行われるので、全てのMTC端末の各々がメジャメントを行うと、超低消費電力を達成することが困難になってしまうという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、MTC端末などの無線通信装置の低消費電力化を図ることが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、基地局、無線通信方法、および無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、無線通信装置であって、基地局から識別情報と対応付けて送信される無線状況の測定に基づく情報を受信する受信部と、前記受信部により受信された識別情報に前記無線通信装置が対応する場合、前記受信部により受信された前記情報を利用して通信を制御する制御部と、を備える無線通信装置が提供される。
【0010】
前記識別情報は位置情報であり、前記識別情報に対応する無線通信装置は、前記識別情報により特定される範囲内に存在する無線通信装置であってもよい。
【0011】
前記情報は、前記識別情報により特定される範囲内における無線状況の測定により得られた情報であってもよい。
【0012】
前記無線通信装置は、位置情報を保持する位置情報保持部と、無線状況を測定する測定部と、前記測定部により得られた無線状況の測定情報を、前記位置情報保持部により保持された位置情報と対応付けて前記基地局に送信する送信部とをさらに備え、前記制御部は、前記受信部により前記無線通信装置に対応する識別情報が受信されない場合に、前記測定部に無線状況を測定させてもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、識別情報、および前記無線状況の測定情報を対応付けて記憶する記憶部と、前記識別情報および前記無線状況の測定情報を対応付けて送信する送信部と、を備える基地局が提供される。
【0014】
前記識別情報は位置情報であり、前記識別情報には、前記識別情報により特定される範囲内に存在する無線通信装置が対応してもよい。
【0015】
前記記憶部は、前記識別情報および前記無線状況の測定情報に加え、前記無線状況の測定情報の取得時刻情報をさらに対応付けて記憶し、前記送信部は、前記識別情報および前記無線状況の測定情報を、取得時刻からの経過時間が所定範囲内である場合に送信してもよい。
【0016】
前記基地局は、前記識別情報に対応する少なくとも1の無線通信装置を無線状況の測定および測定情報の報告の依頼先として指定する制御部をさらに備え、前記記憶部は、前記依頼先として指定された前記無線通信装置から報告される無線状況の測定情報を記憶してもよい。
【0017】
前記制御部は、同一内容の無線状況の測定および測定情報の報告の依頼先として2以上の無線通信装置を指定し、前記2以上の無線通信装置から報告される測定情報を平均してもよい。
【0018】
前記制御部は、2以上の無線通信装置を異なる周波数帯の無線状況の測定および測定情報の報告の依頼先として指定し、前記2以上の無線通信装置から報告される各周波数帯の無線状況の測定情報を統合してもよい。
【0019】
前記送信部は、前記制御部により依頼先として指定された無線通信装置に、前記記憶部に記憶されている前記無線状況の測定情報の有効期限情報を送信してもよい。
【0020】
前記基地局は、前記無線状況の測定情報に基づき、前記複数の無線通信装置が基地局または周波数を変更すべきか否か、いずれの基地局または周波数に変更すべきかを判断する制御部をさらに備え、前記送信部は、前記複数の無線通信装置が基地局または周波数を変更すべきと前記制御部により判断された場合、前記制御部により変更先として判断された基地局または周波数を前記無線状況の測定情報として前記識別情報と対応付けて送信してもよい。
【0021】
前記送信部は、前記識別情報および前記無線状況の測定情報をBCCHによりブロードキャストしてもよい。
【0022】
前記送信部は、前記識別情報および前記無線状況の測定情報を間欠的に専用チャネルを用いて送信してもよい。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基地局から識別情報と対応付けて送信される無線状況の測定に基づく情報を無線通信装置が受信するステップと、受信された前記識別情報に前記無線通信装置が対応する場合、受信された前記情報を利用して通信を制御するステップと、を含む無線通信方法が提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、識別情報、および無線状況の測定情報を対応付けて記憶するステップと、前記識別情報および前記無線状況の測定情報を対応付けて送信するステップと、を含む無線通信方法が提供される。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、識別情報、および前記無線状況の測定情報を対応付けて記憶する記憶部、および、前記識別情報および前記無線状況の測定情報を対応付けて送信する送信部、を有する基地局と、無線通信装置であって、前記基地局から識別情報と対応付けて送信される無線状況の測定に基づく情報を受信する受信部、および、前記受信部により受信された識別情報に前記無線通信装置が対応する場合、前記受信部により受信された前記情報を利用して通信を制御する制御部、を有する無線通信装置と、を備える無線通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明によれば、MTC端末などの無線通信装置の低消費電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】無線通信システムの構成例を示した説明図である。
【図2】本発明の実施形態によるMTC端末の構成を示した機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態によるeNodeBの構成を示した説明図である。
【図4】メモリに記憶される情報の具体例を示した説明図である。
【図5】複数のMTC端末がメジャメント情報を共有する様子を示した説明図である。
【図6】本発明の実施形態によるeNodeBの動作を示したフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態によるMTC端末の動作を示したフローチャートである。
【図8】eNodeBがメジャメントの実行およびメジャメント情報の報告の依頼先を指定する具体例を示した説明図である。
【図9】メジャメント対象を複数のMTC端末に分散させる具体例を示した説明図である。
【図10】各MTC端末におけるメジャメント回数を減少させる具体例を示した説明図である。
【図11】メジャメント情報送信用のメジャメントチャネルの構成例を示した説明図である。
【図12】eNodeBが送信する情報の変形例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0029】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてMTC端末20A、20Bおよび20Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、MTC端末20A、20Bおよび20Cを特に区別する必要が無い場合には、単にMTC端末20と称する。
【0030】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.無線通信システムの概略
1−1.無線通信システムの構成
1−2.メジャメント
1−3.MTC端末
2.MTC端末およびeNodeBの構成
3.MTC端末およびeNodeBの動作
4.変形例
4−1.メジャメントを行うMTC端末の指定
4−2.eNodeBからのメジャメント情報の送信方法
4−3.eNodeBからの送信情報の変形例
5.まとめ
【0031】
<1.無線通信システムの概略>
現在、3GPPにおいて4Gの無線通信システムの規格化が進められている。本発明の実施形態は、一例としてこの4Gの無線通信システムに適用することができるので、まず、4Gの無線通信システムの概略を説明する。
【0032】
[1−1.無線通信システムの構成]
図1は、無線通信システム1の構成例を示した説明図である。図1に示したように、無線通信システム1は、eNodeB10と、MME(Mobility Management Entity)12、S−GW(Serving Gateway)14、およびPDN(Packet Data Network)−GW16を含むコアネットワークと、MTC端末20と、MTCサーバ30と、を備える。
【0033】
eNodeB10は、MTC端末20と通信する無線基地局である。図1においては1台のeNodeB10のみを示しているが、実際には多数のeNodeBがコアネットワークに接続される。また、図1においては記載を省略しているが、eNodeB10は、MTC端末20以外の無線通信装置、例えばユーザ端末(UE:User Equipment)とも通信する。本明細書では、無線通信装置の一例としてMTC端末20に重きをおいて説明するが、本発明はユーザ端末にも適用可能である。
【0034】
また、図1においては、基地局の一例としてeNodeB10を示しているが、本発明は他の基地局にも適用可能である。例えば、ユーザ端末(MTC端末20)およびeNodeB10間の通信を中継するリレーノード、および家庭用小型基地局であるHome eNodeBなどの基地局にも本発明を適用可能である。
【0035】
MME12は、データ通信用のセッションの設定、開放やハンドオーバーの制御を行う装置である。このMME12は、eNodeB10とX2と呼ばれるインタフェースを介して接続される。
【0036】
S−GW14は、ユーザデータのルーティング、転送などを行う装置である。PDN−GW16は、IPサービスネットワークとの接続点として機能し、IPサービスネットワークとの間でユーザデータを転送する。
【0037】
MTC端末20は、3GPPにおいて検討されているMTC用のアプリケーションに特化した端末であり、eNodeB10とアプリケーションに応じた無線通信を行う。また、MTC端末20は、コアネットワークを介してMTCサーバ30と双方向通信を行う。ユーザは、MTCサーバ30にアクセスすることにより所定のアプリケーションを実行する。ユーザは、基本的にはMTC端末20に直接アクセスすることはない。このようなMTC端末20については「1−3.MTC端末」において詳細に説明する。
【0038】
[1−2.メジャメント]
ここで、本発明の実施形態と関連性の高い4Gのメジャメントについて説明する。メジャメントは、無線通信の品質を評価するためにユーザ端末で行なわれる動作である。ユーザ端末は、eNodeBから送られてくる信号に含まれているリファレンス信号等を用いて受信品質を測定する。また、ユーザ端末は、フェージングなど影響を抑制するために、数回に分けてリファレンス信号を測定し、各測定により得られた値の平均をとることによりメジャメント情報を取得する。
【0039】
(メジャメントの対象および方法)
より詳細には、ユーザ端末は、eNodeBとの同期が取れた状態で、RSRP(Reference Signal Receive Power)やRSSI(Received Signal Strength Indicator)を測定する。RSRPは、eNodeBが送信するリファレンス信号の受信パワーであり、RSSIは、干渉源となるセルからの干渉を含んだ形で測定される受信パワーである。
【0040】
そして、ユーザ端末は、RSRPおよびRSSIに基づいてRSRQ(Rference Signal Received Quality)を求める。例えば、ユーザ端末は、RSRP/RSSIという数式によりRSRPを求めてもよい。ユーザ端末は、このRSRPに基づいてセルの再選択やハンドオーバーを決定する。
【0041】
ここで、最終的なメジャメント情報は、複数回にわたって繰り返しRSRPを測定し、各測定により得られたRSRPを平均することにより算出される。したがって、メジャメントには、相応の時間がかかり、ユーザ端末にとってはメジャメントに費やす電力が大きい。このため、ユーザ端末における電力消費を低減するために、無駄なメジャメントを抑制したいという要求がある。
【0042】
なお、ユーザ端末は、メジャメント情報を周期的に、または、Serving eNodeBと新しいeNodeBの品質の関係であるトリガー条件を満たした時にeNodeBに報告する。また、ユーザ端末は、idel時のメジャメント情報は、報告を行なわないで、端末の動作に反映させる。
【0043】
(メジャメントが行われるケース)
ユーザ端末におけるメジャメントは以下の場合に行われる。
・ユーザ端末の電源投入後、どのeNodeBに接続するかを決定したい場合(イニシャルアクセス)。
・接続中のeNodeBの品質を監視する場合(セルサーチの開始判断のため)。
・接続中のeNodeBの品質が低下した場合に、別の周波数や隣接セルのeNodeBの品質を得たい場合(ハンドオーバの判断のため)。
・Idleモード中に、pagingを受信しているeNodeBの品質を監視する場合。Idelモード中は、pagingチャネルを一定周期毎に受信している。pagingチャネルは、トラッキングエリア内の複数のeNodeBから同じ信号が送られているが、ユーザ端末が受信するのは、その中の一つのeNodeBからである(idle中のセルサーチの開始判断のため)
・Idleモード中に、pagingを受信しているeNodeBの品質が低下した場合に、新たにpagingチャネルを受信するためのeNodeBの候補を探す場合(paging受信用eNodeBの切り替えのため)
【0044】
(メジャメントのまとめ)
上述してきたメジャメントの要点を以下にまとめる。
・メジャメントが行われるケースは複数種類存在する。
・メジャメントはユーザ端末が行なう。
・メジャメント情報は、eNodeBに報告する場合と報告しない場合がある。eNodeBに報告する場合は、周期的に報告する場合と、あるトリガー条件で報告する場合がある。
・メジャメントは、平均値をとるために複数回行われるので、ユーザ端末の電力を消費する。
【0045】
[1−3.MTC端末]
MTC端末20は、上述したように、3GPPにおいて検討されているMTC用のアプリケーションに特化した端末である。以下に、MTC用のアプリケーションの一例を示す。
【0046】
1.Security
2.Trcking&Tracing
3.Payment
4.Health
5.Remote Maintenace/Control
6.Metering
7.Consumer Devices
【0047】
一例として、MTC端末20は上記「4.Health」に該当する心電図測定器であってもよい。この場合、ユーザがMTCサーバ30に心電図の測定結果の報告を要求するコマンドを入力すると、MTCサーバ30がMTC端末20に心電図の測定結果の報告を要求し、MTC端末20から心電図の測定結果がMTCサーバ30に報告される。
【0048】
他の例として、MTC端末20は上記「3.Payment」に該当する自動販売機であってもよい。この場合、ユーザがMTCサーバ30に販売状況の報告を要求するコマンドを入力すると、MTCサーバ30がMTC端末20に販売状況の報告を要求し、MTC端末20から販売状況がMTCサーバ30に報告される。
【0049】
このようなMTC端末20の特徴を以下に示す。なお、MTC端末20は以下の全ての特徴を有する必要はない。
【0050】
1.Low Mobility
2.Time Controlled
3.Time Tolerant
4.Packet Switched Only
5.Online Small Data Transmissions
6.Offline Small Data Transmission
7.Mobile Originated Only
8.Infrequent Mobile Terminated
9.MTC Monitoring
10.Offline Indication
11.Jamming Indication
12.Priority Alarm Message
13.Extra Low Power Consumption
14.Secure Connection
15.Location Specific Triger
16.Group based MTC Features
【0051】
以上をまとめると、MTC端末20は、移動が少なく、低頻度でeNodeBに接続して少量のデータ通信を行い、再びアイドルモードに戻る。また、データ通信にはある程度の遅延が許容される。また、MTC端末20は、超低消費電力(13.Extra Low Power Consumption)が求められる。
【0052】
ここで、将来的に存在するMTC端末20の数を予想する。現在、60億人を超える世界人口のうち、約27億人がセルラーを使用している。一方、世界に500兆程度の機械が存在する状況で、0.5億程度の機械がMTC端末20としてセルラーを使用している。
【0053】
すなわち、現時点ではMTC端末20は普及していないが、将来的には100兆オーダーのMTC端末20を世界のセルラーで収容する可能性がある。その結果、各eNodeB10に膨大な数のMTC端末20が収容されることになると予想される。
【0054】
(本発明の実施形態に至る経緯)
以上、「1−3.MTC端末」において説明したように、MTC端末20には超低消費電力が求められる。しかし、「1−2.メジャメント」において説明したユーザ端末によるメジャメントをMTC端末20にそのまま適用すると、超低消費電力を達成することが困難になってしまうという問題がある。
【0055】
また、「1−3.MTC端末」において説明したように、将来的には各eNodeB10に膨大な数のMTC端末20が収容されることが予想される。このため、eNodeBとMTC端末20間のシグナリングを少なくすることが望まれる。
【0056】
また、同一の場所であっても、他の移動物体やeNodeBによる干渉抑制制御などの外的要因によりメジャメント結果は変動するので、メジャメント情報の更新が必要である。
【0057】
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によれば、MTC端末20の消費電力の低減、MTC端末20とeNodeB10間のシグナリングの抑制、およびMTC端末20のメジャメント情報の更新を実現することができる。以下、このような本発明の実施形態によるeNodeB10およびMTC端末20について詳細に説明する。
【0058】
<2.MTC端末およびeNodeBの構成>
(MTC端末の構成)
図2は、本発明の実施形態によるMTC端末20の構成を示した機能ブロック図である。図2に示したように、MTC端末20は、無線通信部210と、位置情報保持部220と、メジャメント情報監視部230と、制御部240と、を備える。
【0059】
無線通信部210は、eNodeB10から制御信号、データ、およびメジャメント情報などを受信する受信部、eNodeB10へ制御信号、データ、およびメジャメント情報などを送信する送信部としての機能を有する。具体的には、無線通信部210は、変復調や信号のマッピング、デマッピング、インタリーブなどの無線信号処理とアンテナ信号処理を行う。なお、無線通信部210は、無線状況を測定する測定部としての機能も有する。
【0060】
位置情報保持部220は、MTC端末20の現在位置を示す位置情報を保持する。MTC端末20は、GPSを利用して位置情報を取得してもよいし、eNodeB10における推定により得られた位置情報を取得してもよい。
【0061】
メジャメント情報監視部230は、無線通信部210によりeNodeB10から受信される信号を監視し、MTC端末20に対応するメジャメント情報がeNodeB10から受信される信号から抽出する。
【0062】
具体的には、本発明の実施形態によるeNodeB10は、メジャメント情報を位置情報と対応付けてブロードキャストする。このため、メジャメント情報監視部230は、MTC端末20の現在位置がeNodeB10から送信される位置情報により特定される範囲内である場合、当該位置情報と対応付けられて送信されたメジャメント情報を抽出する。
【0063】
なお、eNodeB10から送信される位置情報はある地点を示す緯度経度情報であり、当該位置情報により特定される範囲は、位置情報の示す地点から所定距離以内である範囲であってもよい。または、eNodeB10から送信される位置情報はある範囲を示す情報であり、当該位置情報によって特定される範囲は、位置情報の示す範囲であってもよい。ここで、位置情報によって特定される範囲には複数のMTC端末20が存在することが想定されるので、eNodeB10から送信される位置情報には複数のMTC端末20が対応する。
【0064】
このように、本発明の実施形態においては、位置情報は特定のMTC端末20を識別するための識別情報として用いられるが、識別情報は位置情報に限定されない。例えば、複数のMTC端末20をグループ化して各グループにグループIDを付した場合、グループIDを識別情報として用いることも可能である。この場合、MTC端末20のメジャメント情報監視部230は、eNodeB10からメジャメント情報と対応付けて送信されるグループIDが、MTC端末20が属するグループのグループIDであるか否かに基づいてメジャメント情報を抽出する。
【0065】
制御部240は、MTC端末20の動作全般を制御する。例えば、制御部240は、メジャメントを行うか否かの判断、一連のメジャメントに関する処理、およびメジャメント情報に基づく通信制御などを行う。制御部240は、メジャメント情報監視部230によりMTC端末20に対応するメジャメント情報が抽出された場合、このメジャメント情報を利用することで、メジャメントの実行を回避する。また、制御部240は、メジャメントを行った場合、位置情報保持部220に保持されている位置情報と共にメジャメント情報をeNodeB10に送信する。
【0066】
なお、制御部240は、「1−2.メジャメント」において説明したユーザ端末によるメジャメント方法の一部を援用してもよい。例えば、制御部240は、RSRPおよびRSSIを測定し、RSRPおよびRSSIからRSRPを求めてもよい。
【0067】
(eNodeBの構成)
図3は、本発明の実施形態によるeNodeB10の構成を示した説明図である。図3に示したように、eNodeB10は、無線通信部110と、メモリ120と、時間管理部130と、メジャメント情報管理部140と、を備える。
【0068】
無線通信部110は、MTC端末20から制御信号、データ、およびメジャメント情報などを受信する受信部、MTC端末20へ制御信号、データ、およびメジャメント情報などを送信する送信部としての機能を有する。具体的には、無線通信部110は、変復調や信号のマッピング、デマッピング、インタリーブなどの無線信号処理とアンテナ信号処理を行う。
【0069】
メモリ120は、位置情報、メジャメント情報、およびメジャメント情報の取得時刻情報を対応付けて記憶する記憶部である。例えば、メモリ120は、あるMTC端末20から受信された、当該MTC端末20の位置情報および当該MTC端末20によって測定されたメジャメント情報を対応付けて保持する。ただし、メモリ120に保持されるメジャメント情報は、MTC端末20以外の無線通信装置における測定によって得られたメジャメント情報であってもよい。以下、図4を参照し、メモリ120に記憶される情報の具体例を説明する。
【0070】
図4は、メモリ120に記憶される情報の具体例を示した説明図である。図4に示したように、位置情報(Position N)と取得時刻情報(Time M)に対応付けて記憶されるメジャメント情報は、メジャメントを行ったMTC端末20が接続中のServing eNodeBの情報だけでなく、他のeNodeBの情報を含む。
【0071】
例えば、位置情報Position0と対応付けられているメジャメント情報は、Serving eNodeBに関するメジャメント情報0、他のeNodeBや周波数に関すメジャメント情報1および2を含む。なお、取得時刻情報(Time M)の示す取得時刻は、eNodeB10がMTC端末20からメジャメント情報を受信した時刻、メジャメント情報をメモリ120が記憶し時刻、またはMTC端末20がメジャメント情報を取得した時刻であってもよい。
【0072】
時間管理部130は、現在時刻や、メモリ120に記憶されている各取得時刻情報の示す時刻からの経過時間などを管理する。
【0073】
メジャメント情報管理部140(制御部)は、メモリ120に保持されているメジャメント情報の送信を管理する。例えば、メジャメント情報管理部140は、メモリ120に保持されているメジャメント情報および位置情報がBCCH(ブロードキャストチャネル)により送信されるよう制御する。
【0074】
かかる構成により、現在位置に対応するメジャメント情報を受信したMTC端末20は、このメジャメント情報を利用することで、メジャメントの実行を回避することができる。その結果、MTC端末20の低消費電力化を図ることができる。また、このMTC端末20がメジャメント情報をeNodeB10に送信しなくなるので、MTC端末20からeNodeB10へのメジャメント情報に関するシグナリングを抑制することが可能である。
【0075】
例えば、図5に示したように、MTC端末20Aがメジャメントを行ってメジャメント情報をeNodeB10に報告すると(ステップ1)、eNodeB10が、このメジャメント情報をブロードキャストする(ステップ2)。このため、MTC端末20Aの近傍に存在するMTC端末20Bおよび20Cは、ブロードキャストされるメジャメント情報を利用することにより、すなわち、MTC端末20Aとメジャメント情報を共有することにより、メジャメントの実行を回避することができる。その結果、MTC端末20Bおよび20Cの消費電力を低減することができる。また、MTC端末20Bおよび20CがeNodeB10にメジャメント情報を送信しなくなるので、MTC端末20からeNodeB10へのメジャメント情報に関するシグナリングを抑制することが可能である。
【0076】
なお、メジャメント情報管理部140は、各メジャメント情報に対応付けられている取得時刻情報に基づき、取得時刻からの経過時間が所定範囲外であるメジャメント情報は送信しなくてもよい。または、メジャメント情報管理部140は、取得時刻情報がメジャメント情報と共にBCCHにより送信されるよう制御してもよい。この場合、取得時刻が古いメジャメント情報を抽出したMTC端末20は、周囲のMTC端末を代表してメジャメントを行い、新たなメジャメント情報をeNodeB10に報告する。かかる構成により、このMTC端末20の周囲の全てのMTC端末によりメジャメントが行われてしまうことを防止できる。また、メジャメント情報が有効期限切れになってしまうことを防止することができる。
【0077】
<3.MTC端末およびeNodeBの動作>
以上、本発明の実施形態によるMTC端末20およびeNodeB10の構成を説明した。続いて、本発明の実施形態によるMTC端末20およびeNodeB10の動作を説明する。
【0078】
(eNodeBの動作)
図6は、本発明の実施形態によるeNodeB10の動作を示したフローチャートである。図6に示したように、eNodeB10は、メモリ120に保持されている位置情報およびメジャメント情報を対応付けてブロードキャストする(S310)。
【0079】
そして、eNodeB10は、MTC端末20から位置情報およびメジャメント情報を受信した場合(S320)、メモリ120に保持されている情報を、受信した位置情報およびメジャメント情報で更新する(S330)。例えば、eNodeB10は、受信した位置情報と所定範囲内の位置を示す位置情報をメモリ120から検索し、検索した位置情報と対応付けられているメジャメント情報を、受信したメジャメント情報に書き換える。
【0080】
(MTC端末の動作)
図7は、本発明の実施形態によるMTC端末20の動作を示したフローチャートである。図7に示したように、まず、MTC端末20は自身の位置情報を取得する(S410)。そして、MTC端末20は、メジャメント情報が必要となった場合(S420)、eNodeB10からメジャメント情報と共にブロードキャストされる位置情報に、S410において取得した位置情報の示す自身の現在地に近い位置情報が含まれるか否かを判断する(S430)。
【0081】
なお、メジャメント情報が必要となる場合としては、MTC端末20の電源投入後でどのeNodeB10に接続するかを決定する場合、接続中のeNodeB10の品質を監視する場合、および別の周波数や隣接セルの品質を得る場合などが挙げられる。
【0082】
S430においてMTC端末20に対応する位置情報がブロードキャスト信号に含まれると判断した場合、MTC端末20は、ブロードキャスト信号から上記位置情報と対応付けられているメジャメント情報を取得する(S440)。一方、MTC端末20に対応する位置情報がブロードキャスト信号に含まれていない場合、MTC端末20はメジャメントを実行し(S450)、メジャメント情報および現在位置を示す位置情報をeNodeB10に送信する(S460)。
【0083】
MTC端末20は、S440またはS460においてメジャメント情報を取得した後、取得したメジャメント情報を利用して通信を制御する(S470)。例えば、MTC端末20は、取得したメジャメント情報に基づき、現在利用中のeNodeB10または周波数より品質のよりeNodeB10または周波数が存在する場合には、ハンドオーバーまたは周波数変更などを制御する。
【0084】
以上説明したように、MTC端末20は、eNodeB10からブロードキャストされるメジャメント情報を利用することにより、メジャメントを行う回数を抑制できるので、低消費電力化を図ることができる。
【0085】
なお、上記の方法は、近傍に位置する複数のMTC端末20が同一のメジャメント情報を共有する方法である。ここで、位置が少しでも異なると実際の無線状況も変化するので、複数のMTC端末20が共有するメジャメント情報の精度は完璧にはならないであろう。しかし、MTC端末20は、低速度の通信を低頻度で行うことが想定されている。このため、使用される変調方式は、QPSK等のデータレートの低い変調方式になると考えられる。したがって、精度の低いメジャメント情報を使用しても実運用上の問題は限定的であるといえる。
【0086】
<4.変形例>
以上、本発明の実施形態の基本構成を説明した。続いて、本発明の実施形態の変形例を説明する。
【0087】
[4−1.メジャメントを行うMTC端末の指定]
上記では、MTC端末20がメジャメントを行うか否かを判断する例を説明したが、変形例として、メジャメントの実行およびメジャメント情報の報告の依頼先をeNodeB10が指定してもよい。以下、eNodeB10がメジャメントの実行およびメジャメント情報の報告の依頼先を指定する具体例を説明する。
【0088】
図8は、eNodeB10がメジャメントの実行およびメジャメント情報の報告の依頼先を指定する具体例を示した説明図である。図8に示したように、エリアA〜エリアDの各々に複数のMTC端末20が含まれる場合、eNodeB10のメジャメント情報管理部140は、各エリア内のMTC端末20にメジャメントの実行およびメジャメント情報の報告を依頼する。
【0089】
例えば、eNodeB10のメジャメント情報管理部140は、図8に示したように、エリアAに存在する複数のMTC端末20のうちでMTC20Pをメジャメントの実行およびメジャメント情報の報告の依頼先として指定する。かかる構成により、eNodeB10は、MTC20Pからメジャメント情報を報告されるので、このメジャメント情報をブロードキャストすることにより、エリアA内の複数のMTC端末20にMTC20Pのメジャメント情報を共有させることができる。
【0090】
また、eNodeB10のメジャメント情報管理部140は、同一エリア内に存在する複数のMTC端末20のうちで、2以上のMTC端末20をメジャメントの実行およびメジャメント情報の報告の依頼先として指定してもよい。
【0091】
例えば、エリアA内に1000台のMTC端末20が存在する場合、エリアA内の10台のMTC端末20にメジャメントの実行およびメジャメント情報の報告を依頼してもよい。エリア内の1のMTC端末20のみにメジャメントの実行およびメジャメント情報の報告を依頼する場合、このMTC端末20がメジャメントに失敗すると、エリア内の全てのMTC端末20がメジャメント情報を得られなくなってしまう。これに対し、上記のようにエリア内の2以上のMTC端末20をメジャメントの実行およびメジャメント情報の報告の依頼先として指定することにより、依頼先のMTC端末20がメジャメントに失敗した場合の悪影響を小さくすることができる。
【0092】
なお、eNodeB10は、各MTC端末20の位置情報を収集し、ほぼ同じ位置に存在するMTC端末20をグループ化することにより、上記のように各エリア内の1または2以上のMTC端末20をメジャメントの依頼先として指定することができる。
【0093】
(メジャメント対象の分散)
また、eNodeB10は、メジャメントを2以上のMTC端末20に依頼する場合、周波数帯などのメジャメント対象を2以上のMTC端末20に分散させ、2以上のMTC端末20から報告されるメジャメント情報を統合してもよい。以下、具体例を説明する。
【0094】
図9は、メジャメント対象を複数のMTC端末20に分散させる具体例を示した説明図である。図9に示したように、eNodeB10がエリアA内のMTC端末20Pおよび20Qにメジャメントを依頼する場合、eNodeB10は、周波数帯f1のメジャメントをMTC端末20Pに依頼し、周波数帯f2のメジャメントをMTC端末20Qに依頼してもよい。
【0095】
この場合、MTC端末20Pからは周波数帯f1に関するメジャメント情報が報告され、MTC端末20Qからは周波数帯f2に関するメジャメント情報が報告される。このため、eNodeB10は、MTC端末20Pおよび20Qから報告されるメジャメント情報を統合することにより最終的なメジャメント情報を取得する。
【0096】
かかる構成によれば、メジャメントによる負荷を2以上のMTC端末20に分散させることができるので、1のMTC端末20における消費電力を低減することが可能である。
【0097】
(メジャメント情報の平均化)
通常のメジャメント処理は、「1−2.メジャメント」において説明したように、1の端末において複数回にわたってメジャメントを行い、各メジャメントにより得られた値を平均化することによりメジャメント情報を取得するものである。このため、メジャメント処理が完了するまでに、複数回の測定を行うための時間を要する。
【0098】
そこで、eNodeB10は、メジャメントを2以上のMTC端末20に依頼する場合、各MTC端末20におけるメジャメント回数を減少し、各MTC端末20から報告されるメジャメント情報を平均化することにより最終的なメジャメント情報を取得してもよい。以下、具体例を説明する。
【0099】
図10は、各MTC端末20におけるメジャメント回数を減少させる具体例を示した説明図である。図10の上図に示したように、通常は、1のMTC端末20が複数回にわたってメジャメントを行い、各メジャメントにより得られた値を平均して最終的なメジャメント情報を算出する。
【0100】
これに対し、図10の下図に変形例として示したように、依頼先として指定された2以上のMTC端末20P〜20Qがメジャメントを行う回数を通常より少なくし、eNodeB10が、MTC端末20P〜20Qにより取得された値を平均して最終的なメジャメント情報を算出してもよい。
【0101】
かかる構成によれば、依頼先として指定されたMTC端末20におけるメジャメント回数が減少するので、eNodeB10が最終的なメジャメント情報を取得するまでに要する時間を削減することができる。また、各MTC端末20における消費電力を低減することも可能である。
【0102】
[4−2.eNodeBからのメジャメント情報の送信方法]
上記では、eNodeB10がメジャメント情報をBCCHによりブロードキャストする例を説明したが、本発明の実施形態はかかる例に限定されない。例えば、図11を参照して説明するように、eNodeB10は専用チャネルを用いてメジャメント情報を送信してもよい。
【0103】
図11は、メジャメント情報送信用のメジャメントチャネルの構成例を示した説明図である。eNodeB10は、図11に示したように、メジャメントチャネルをDRX(Discontinuas Reception)間隔で送信する。
【0104】
このメジャメントチャネルは、図11に示したように、PDCCHとPDSCHから構成される。PDSCHはメジャメント情報を含み、PDCCHは、PDSCHに含まれるメジャメント情報に対応する位置情報を含む。
【0105】
このため、MTC端末20は、メジャメントチャネルを間欠受信し、MTC端末20に対応する位置情報がPDCCHに含まれない場合にのみ、PDSCHからメジャメント情報を抽出することが可能となる。
【0106】
[4−3.eNodeBからの送信情報の変形例]
上記では、eNodeB10がメジャメント情報を送信する例を説明したが、本発明の実施形態はかかる例に限定されない。例えば、eNodeB10は、異なるeNodeB10や周波数に変更すべきMTC端末20に対し、メジャメント情報でなく、変更先のeNodeB10や周波数などを送信してもよい。
【0107】
具体的には、eNodeB10のメジャメント情報管理部140が、メモリ120に記憶されているメジャメント情報に基づき、異なるeNodeB10や周波数に変更すべきMTC端末20が存在する位置を判断する。例えば、eNodeB10のメジャメント情報管理部140は、ある位置情報にServing eNodeBのメジャメント情報より良好なメジャメント情報が対応付けられている場合、当該位置情報、および良好なメジャメント情報を提供するeNodeBまたは周波数帯を抽出する。
【0108】
そして、eNodeB10の無線通信部110は、図12に示したように、メジャメント情報管理部140により抽出された位置情報、およびeNodeBまたは周波数帯(Recommendation of Next eNodeB and Frequency)を送信する。この場合、MTC端末20は、MTC端末20に対応する位置情報が対応付けられているeNodeBまたは周波数帯を示す情報を抽出し、抽出したeNodeBまたは周波数帯に利用を変更する。かかる構成によれば、eNodeB10から送信される情報量を抑制することが可能である。
【0109】
<5.まとめ>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、現在位置に対応するメジャメント情報を受信したMTC端末20は、このメジャメント情報を利用することで、メジャメントの実行を回避することができる。その結果、MTC端末20の低消費電力化を図ることができる。また、このMTC端末20がメジャメント情報をeNodeB10に送信しなくなるので、MTC端末20からeNodeB10へのメジャメント情報に関するシグナリングを抑制し、通常の通信のスループット低下を避けることが可能である。
【0110】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0111】
例えば、本明細書のeNodeB10またはMTC端末20の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、eNodeB10またはMTC端末20の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0112】
また、eNodeB10またはMTC端末20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述したeNodeB10またはMTC端末20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0113】
10 eNodeB
12 MME
14 S−GW
16 PDN−GW
20 MTC端末
30 MTCサーバ
110、210 無線通信部
120 メモリ
130 時間管理部
140 メジャメント情報管理部
220 位置情報保持部
230 メジャメント情報監視部
240 制御部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置であって、
基地局から識別情報と対応付けて送信される無線状況の測定に基づく情報を受信する受信部と;
前記受信部により受信された識別情報に前記無線通信装置が対応する場合、前記受信部により受信された前記情報を利用して通信を制御する制御部と;
を備える、無線通信装置。
【請求項2】
前記識別情報は位置情報であり、前記識別情報に対応する無線通信装置は、前記識別情報により特定される範囲内に存在する無線通信装置である、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記情報は、前記識別情報により特定される範囲内における無線状況の測定により得られた情報である、請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
位置情報を保持する位置情報保持部と;
無線状況を測定する測定部と;
前記測定部により得られた無線状況の測定情報を、前記位置情報保持部により保持された位置情報と対応付けて前記基地局に送信する送信部と;
をさらに備え、
前記制御部は、前記受信部により前記無線通信装置に対応する識別情報が受信されない場合に、前記測定部に無線状況を測定させる、請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
識別情報、および前記無線状況の測定情報を対応付けて記憶する記憶部と;
前記識別情報および前記無線状況の測定情報を対応付けて送信する送信部と;
を備える、基地局。
【請求項6】
前記識別情報は位置情報であり、前記識別情報には、前記識別情報により特定される範囲内に存在する無線通信装置が対応する、請求項5に記載の基地局。
【請求項7】
前記記憶部は、前記識別情報および前記無線状況の測定情報に加え、前記無線状況の測定情報の取得時刻情報をさらに対応付けて記憶し、
前記送信部は、前記識別情報および前記無線状況の測定情報を、取得時刻からの経過時間が所定範囲内である場合に送信する、請求項6に記載の基地局。
【請求項8】
前記基地局は、
前記識別情報に対応する少なくとも1の無線通信装置を無線状況の測定および測定情報の報告の依頼先として指定する制御部をさらに備え、
前記記憶部は、前記依頼先として指定された前記無線通信装置から報告される無線状況の測定情報を記憶する、請求項6に記載の基地局。
【請求項9】
前記制御部は、同一内容の無線状況の測定および測定情報の報告の依頼先として2以上の無線通信装置を指定し、前記2以上の無線通信装置から報告される測定情報を平均する、請求項8に記載の基地局。
【請求項10】
前記制御部は、2以上の無線通信装置を異なる周波数帯の無線状況の測定および測定情報の報告の依頼先として指定し、前記2以上の無線通信装置から報告される各周波数帯の無線状況の測定情報を統合する、請求項8に記載の基地局。
【請求項11】
前記送信部は、前記制御部により依頼先として指定された無線通信装置に、前記記憶部に記憶されている前記無線状況の測定情報の有効期限情報を送信する、請求項8に記載の基地局。
【請求項12】
前記基地局は、前記無線状況の測定情報に基づき、前記複数の無線通信装置が基地局または周波数を変更すべきか否か、いずれの基地局または周波数に変更すべきかを判断する制御部をさらに備え、
前記送信部は、前記複数の無線通信装置が基地局または周波数を変更すべきと前記制御部により判断された場合、前記制御部により変更先として判断された基地局または周波数を前記無線状況の測定情報として前記識別情報と対応付けて送信する、請求項5に記載の基地局。
【請求項13】
前記送信部は、前記識別情報および前記無線状況の測定情報をBCCHによりブロードキャストする、請求項5に記載の基地局。
【請求項14】
前記送信部は、前記識別情報および前記無線状況の測定情報を間欠的に専用チャネルを用いて送信する、請求項5に記載の基地局。
【請求項15】
基地局から識別情報と対応付けて送信される無線状況の測定に基づく情報を無線通信装置が受信するステップと;
受信された前記識別情報に前記無線通信装置が対応する場合、受信された前記情報を利用して通信を制御するステップと;
を含む、無線通信方法。
【請求項16】
識別情報、および無線状況の測定情報を対応付けて記憶するステップと;
前記識別情報および前記無線状況の測定情報を対応付けて送信するステップと;
を含む、無線通信方法。
【請求項17】
識別情報、および前記無線状況の測定情報を対応付けて記憶する記憶部、および、
前記識別情報および前記無線状況の測定情報を対応付けて送信する送信部、
を有する基地局と;
無線通信装置であって、
前記基地局から識別情報と対応付けて送信される無線状況の測定に基づく情報を受信する受信部、および、
前記受信部により受信された識別情報に前記無線通信装置が対応する場合、前記受信部により受信された前記情報を利用して通信を制御する制御部、
を有する無線通信装置と;
を備える、無線通信システム。








【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−250092(P2011−250092A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120634(P2010−120634)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】