説明

無線通信装置、無線ネットワークシステム及びそれらに用いるデータリンク構築方法

【課題】 各種無線装置を通信ノード内に配設することなく、単一の無線装置にて見通し内通信、見通し外通信、空中移動体通信によるデータリンクを構築可能な無線通信装置を提供する。
【解決手段】 無線通信装置1)は、フェーズドアレイアンテナ(3)のビームを制御して無線伝送路に障害物がない場合に用いる見通し内通信を行う見通し内通信処理手段(21a)と、フェーズドアレイアンテナ(3)のビームを制御して前記無線伝送路に障害物がある場合に用いる見通し外通信を行う見通し外通信処理手段(21b)と、フェーズドアレイアンテナのビーム(3)を制御して飛翔体に搭載された通信ノードとの間の通信に用いる空中移動体通信を行う空中移動体通信処理手段(21c)とを有し、フェーズドアレイアンテナ(3)により見通し内通信と見通し外通信と空中移動体通信とを切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信装置、無線ネットワークシステム及びそれらに用いるデータリンク構築方法に関し、特に伝送遅延時間が大きい衛星通信を用いないで、広範囲に分布する通信ノード及び飛翔体に搭載された通信ノードを結ぶ立体的なメッシュネットワークにおけるデータリンクの構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したメッシュネットワークにおいては、無線伝送路に障害物がない場合に通信ノード間の無線通信に見通し内(LOS:Line of Sight)通信を用い(例えば、特許文献1,2参照)、無線伝送路に障害物がある場合に通信ノード間の無線通信に見通し外(OH:Over the Horizon)通信(対流圏散乱を用いた通信)を用いている(例えば、特許文献3,4参照)。
【0003】
また、上記のメッシュネットワークでは、飛翔体に搭載された通信ノードとの間の通信に空中移動体(AV:Aerial Vehicle)通信を用いている(例えば、特許文献5参照)。
【0004】
見通し内通信においては、伝搬歪を自動的に補正し、通信品質を改善する自動等化処理が行われ、見通し外通信においては、フェージングと伝搬歪とを自動的に補正し、通信品質を改善するダイバーシチ自動等化処理が行われ、空中移動体通信においては、移動する飛翔体を追尾して通信を維持する移動体追尾通信処理が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−257637号公報
【特許文献2】特開2002−135268号公報
【特許文献3】特開平05−292084号公報
【特許文献4】特開2002−164798号公報
【特許文献5】特許第3841526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した本発明に関連する立体的なメッシュネットワークでは、見通し内通信、見通し外通信、空中移動体通信にて個々の通信ノード間の無線通信を実現しているため、見通し内通信、見通し外通信、空中移動体通信各々の無線装置を各通信ノード内に配設しなければ、見通し内通信、見通し外通信、空中移動体通信によるデータリンクを構築することができないという課題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、各種無線装置を通信ノード内に配設することなく、単一の無線装置にて見通し内通信、見通し外通信、空中移動体通信によるデータリンクを構築することができる無線通信装置、無線ネットワークシステム及びそれらに用いるデータリンク構築方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による無線通信装置は、フェーズドアレイアンテナのビームを制御して無線伝送路に障害物がない場合に用いる見通し内通信を行う見通し内通信処理手段と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して前記無線伝送路に障害物がある場合に用いる見通し外通信を行う見通し外通信処理手段と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して飛翔体に搭載された通信ノードとの間の通信に用いる空中移動体通信を行う空中移動体通信処理手段とを有し、
前記フェーズドアレイアンテナにより前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とを切替えている。
【0009】
本発明による無線ネットワークシステムは、上記の無線通信装置を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明によるデータリンク構築方法は、
無線通信装置が、
フェーズドアレイアンテナのビームを制御して無線伝送路に障害物がない場合に用いる見通し内通信を行う見通し内通信処理と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して前記無線伝送路に障害物がある場合に用いる見通し外通信を行う見通し外通信処理と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して飛翔体に搭載された通信ノードとの間の通信に用いる空中移動体通信を行う空中移動体通信処理とを実行し、
前記フェーズドアレイアンテナにより前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とを切替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、各種無線装置を通信ノード内に配設することなく、単一の無線装置にて見通し内通信、見通し外通信、空中移動体通信によるデータリンクを構築することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態による無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による無線通信装置での通信方法を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による無線ネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による無線ネットワークシステムにおける通信方法の判断処理の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による無線通信装置における通信方法の判断処理の流れを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による無線ネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による無線ネットワークシステムの動作例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態による無線通信装置における通信方法の判断処理の流れを示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による無線通信装置における通信方法の判断例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態による無線通信装置における通信方法の判断例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態による無線ネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態による無線ネットワークシステムの動作例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態による無線ネットワークシステムのルーティング制御例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態による無線ネットワークシステムのルーティング制御例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、本発明による無線ネットワークシステムの概要について説明する。
【0014】
本発明による無線ネットワークシステムは、1台の円筒型のフェーズドアレイアンテナ及び無線装置にて、フェーズドアレイアンテナのマルチビームを利用して、無線伝送路に障害物がない場合に用いる見通し内(LOS:Line of Sight)通信、無線伝送路に障害物がある場合に用いる見通し外(OH:Over the Horizon)通信、飛翔体に搭載された通信ノードとの間の通信に用いる空中移動体(AV:Aerial Vehicle)通信のいずれにも対応した通信を行うことにより、各種無線装置を通信ノード内に配設することなく、単一の無線装置にて見通し内通信、見通し外通信、空中移動体通信によるデータリンクを構築することができる。
【0015】
また、背景技術に記載のメッシュネットワークにおける見通し内(LOS)通信、見通し外(OH)通信、空中移動体(AV)通信の各種無線通信では、それぞれに用いる周波数帯が異なっており、これらの無線通信によりデータリンクを構築する場合に広い周波数帯を占有することになる。
【0016】
これに対して、本発明では、一つの周波数帯において、時分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)、周波数分割多重(FDMA:Frequency Division Multiple Access)、空間分割多重(SDMA:Space Division Multiple Access)、符号分割多重(CDMA:Code Division Multiple Access)等の多元接続と組み合わせることで、見通し内通信、見通し外通信、空中移動体通信によるメッシュデータリンクを構築することができる。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態による無線通信装置の構成例を示すブロック図である。図1において、無線通信装置1は、信号処理部2と、フェーズドアレイ部(例えば、円筒型のフェーズドアレイアンテナ)3とを含んで構成されている。
【0018】
信号処理部2は、制御部(Multi−dimensional Processor)21と、マルチビーム化部(Multi−Beam forming)[TX(送信)]22と、マルチビーム化部(Multi−Beam forming)[RX(受信)]23と、乗算器24−1〜24−n,25−1〜25−nと、スイッチ(SW)26−1〜26−nと、マップ情報メモリ27とを含んで構成されている。
【0019】
制御部(Multi−dimensional Processor)21は、見通し内(LOS)通信処理21a、見通し外(OH)通信処理21b、空中移動体(AV)通信処理21c、通信方法判断処理21dを実行する。
【0020】
フェーズドアレイ部3は、アンテナ要素(Antenna Element)+送受信モジュール[TR(Transmit & Receive) Module]31〜3nを備えている。
【0021】
見通し内(LOS)通信処理21aにおいては、伝搬歪を自動的に補正し、通信品質を改善する自動等化処理が行われ、見通し外(OH)通信処理21bにおいては、フェージングと伝搬歪とを自動的に補正し、通信品質を改善するダイバーシチ自動等化処理が行われ、空中移動体(AV)通信処理21cにおいては、移動する飛翔体を追跡(追尾)して通信を維持する移動体追尾通信処理が行われている。
【0022】
見通し内(LOS)通信処理21a、見通し外(OH)通信処理21b、空中移動体(AV)通信処理21c各々に共通の処理としては、通信相手を自動的に走査し、各通信方法に応じたアンテナ利得及び送信電力の制御を行うアンテナマルチビーム処理と、メッシュネットワークの通信ノード間で情報共有を行うデータリンク処理と、マルチビームによる空間分割多重(SDMA)及びデータリンクによる時分割多重(TDMA)を統合した時空間信号処理とが行われる。
【0023】
図2は本発明の第1の実施の形態による無線通信装置での通信方法を示す図である。図2(a)は見通し外(OH)通信処理21bによる通信方法を示し、図2(b)は見通し内(LOS)通信処理21aによる通信方法を示し、図2(c)は空中移動体(AV)通信処理21cによる通信方法を示している。
【0024】
図2(a)において、見通し外(OH)通信の場合は、フェーズドアレイ部3から複数のマルチビームを対流圏に向けて照射し、空間ダイバーシチの通信を行う。
【0025】
図2(b)において、見通し内(LOS)通信の場合は、フェーズドアレイ部3からマルチビームを複数の方向にフォーミングすることにより、多方向通信を行う。
【0026】
図2(c)において、空中移動体(AV)通信の場合は、フェーズドアレイ部3からビームを飛翔体(空中移動体)に向けてステアリングすることで、空中線に駆動部を持たせずに、追尾(追跡)が可能となる。
【0027】
図3は本発明の第1の実施の形態による無線ネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。図3において、本発明の第1の実施の形態による無線ネットワークシステムは、それぞれフェーズドアレイアンテナ111,121,131,141,151,161,・・・,1N1を備えた通信ノード112,122,132,142,152,162,・・・,1N2から構成されている。
【0028】
フェーズドアレイアンテナ111,121,131,141,151,161,・・・,1N1は、それぞれ図1に示すフェーズドアレイ部3に相当し、通信ノード112,122,132,142,152,162,・・・,1N2は、それぞれ図1に示す信号処理部2に相当している。
【0029】
この場合、通信ノード112は、通信ノード132,142との間で見通し内(LOS)通信によりデータリンクを構成し、通信ノード112,152との間で見通し外(OH)通信によりデータリンクを構成し、通信ノード162,1N2との間で空中移動体(AV)通信によりデータリンクを構成している。
【0030】
図4は本発明の第1の実施の形態による無線ネットワークシステムにおける通信方法の判断処理の一例を示す図である。図4において、本実施の形態で通信方法を判断する場合、通信ノード112の信号処理部2の制御部21では、通信方法判断処理21dを実行することで、見通し内(LOS)通信処理21a、見通し外(OH)通信処理21b、空中移動体(AV)通信処理21cのうちのいずれを実行するかを判断する。
【0031】
通信ノード112は、無線伝送路に障害物がない通信ノード132との間にデータリンクを構築する場合、通信方法判断処理21dにおいて、通信ノード132の3次元位置情報を基にマップ情報メモリ27内の3次元地図情報を検索し、通信ノード112の3次元位置から通信ノード132の3次元位置までの地形情報を認識する。
【0032】
この場合は、通信方法判断処理21dにおいて、リンク先(通信ノード132)との間の無線伝送路における障害物の有無、リンク先(通信ノード132)の移動の有無等から見通し内(LOS)通信を用いると判断され、見通し内(LOS)通信処理21aが起動される。
【0033】
見通し内(LOS)通信処理21aの起動により、マルチビーム化部(TX)22と、マルチビーム化部(RX)23と、乗算器24−1〜24−n,25−1〜25−nと、スイッチ(SW)26−1〜26−nとが制御され、フェーズドアレイ部3(フェーズドアレイアンテナ111,131)を通して通信ノード132との間で見通し内(LOS)通信を用いてデータリンクが構築される。
【0034】
通信ノード112は、無線伝送路に障害物(図4では「山」)がある通信ノード122との間にデータリンクを構築する場合、通信方法判断処理21dにおいて、通信ノード122の3次元位置情報を基にマップ情報メモリ27内の3次元地図情報を検索し、通信ノード112の3次元位置から通信ノード122の3次元位置までの地形情報を認識する。
【0035】
この場合は、通信方法判断処理21dにおいて、リンク先(通信ノード122)との間の無線伝送路における障害物の有無、リンク先(通信ノード122)の移動の有無等から見通し外(OH)通信を用いると判断され、見通し外(OH)通信処理21bが起動される。
【0036】
見通し外(OH)通信処理21bの起動により、マルチビーム化部(TX)22と、マルチビーム化部(RX)23と、乗算器24−1〜24−n,25−1〜25−nと、スイッチ(SW)26−1〜26−nとが制御され、フェーズドアレイ部3(フェーズドアレイアンテナ111,121)を通して通信ノード122との間で見通し外(OH)通信を用いてデータリンクが構築される。
【0037】
通信ノード112は、上空を移動している飛翔体140に搭載された通信ノード142との間にデータリンクを構築する場合、通信方法判断処理21dにおいて、通信ノード142の3次元位置情報を基にマップ情報メモリ27内の3次元地図情報を検索し、通信ノード142の3次元位置を認識する。
【0038】
この場合は、通信方法判断処理21dにおいて、リンク先(通信ノード142)との間の無線伝送路における障害物の有無、リンク先(通信ノード142)の移動の有無等から空中移動体(AV)通信を用いると判断され、空中移動体(AV)通信処理21cが起動される。
【0039】
空中移動体(AV)通信処理21cの起動により、マルチビーム化部(TX)22と、マルチビーム化部(RX)23と、乗算器24−1〜24−n,25−1〜25−nと、スイッチ(SW)26−1〜26−nとが制御され、フェーズドアレイ部3(フェーズドアレイアンテナ111,141)を通して通信ノード142との間で空中移動体(AV)通信を用いてデータリンクが構築される。
【0040】
図5は本発明の第1の実施の形態による無線通信装置における通信方法の判断処理の流れを示す図である。図1と図3と図5とを参照して本発明の第1の実施の形態による無線通信装置における通信方法の判断処理の流れについて説明する。
【0041】
本実施の形態では、図3に示す通信ノード112,122,132,142,152,162,・・・,1N2各々に、GPS(Global Positioning System)等の位置検出手段を実装しており、この位置検出手段により自ノードの位置情報(緯度・経度・高度情報)を測定している。
【0042】
無線通信装置1の信号処理部2の制御部21は、対向する通信ノードとの間で、メッシュネットワークの迂回ルートを介して、又は別通信手段により、互いの位置情報を交換し、互いの位置情報を認識する(対向の位置確認)(図5ステップS1)。
【0043】
無線通信装置1の信号処理部2の制御部21は、対向する通信ノードとの間で互いの装置の情報[固定/移動体、片方向通信/双方向通信、通信量(大/小)、伝送遅延時間等]を交換し、対向する通信ノードの情報認識を行う(対向ノードの情報認識)(図5ステップS2)。
【0044】
無線通信装置1の信号処理部2の制御部21は、マップ情報メモリ27に蓄積した対向する通信ノードとの通信区間の地形マップ情報等から電波伝搬経路を検索し、適用すべき最適な通信方法[見通し内(LOS)通信、見通し外(OH)通信、空中移動体(AV)通信]、伝送速度(周波数帯)を決定する(地形及び電波伝搬経路による最適通信方法の決定)(図5ステップS3)。
【0045】
尚、本実施の形態では、対向する通信ノードとの通信区間の地形マップ情報等をマップ情報メモリ27に蓄積しているが、この地形マップ情報等は、判断を行う都度、メッシュネットワークを介してサーバ等から取得するようにしてもよい。
【0046】
無線通信装置1の信号処理部2の制御部21は、決定した通信方法に対応する通信処理[見通し内(LOS)通信処理21a、見通し外(OH)通信処理21b、空中移動体(AV)通信処理21c]を起動し、決定した通信方法に応じてフェーズドアレイアンテナへのビームを設定し、通信を開始する(通信の開始)(図5ステップS4)。
【0047】
このように、本実施の形態では、フェーズドアレイアンテナにより1台の通信ノード(無線通信装置)にて、見通し内(LOS)通信、見通し外(OH)通信、空中移動体(AV)通信を切替えて行う。
【0048】
つまり、本実施の形態では、フェーズドアレイアンテナのマルチビーム化手段(アンテナ要素+送受信モジュール31〜3n)により多方向リンクを構成し、位置検出手段により通信ノード(無線通信装置)112,122,132,142,152,162,・・・,1N2各々の3次元位置情報を認識し(リンク先との間の無線伝送路における障害物の有無、リンク先の移動の有無)、リンク先との最適な伝搬形態を判断する手段(通信方法判断処理21d)と、当該手段の判断結果に応じて見通し内(LOS)通信、見通し外(OH)通信、空中移動体(AV)通信を切替える手段(制御部21の処理)により1:N(Nは2以上の整数)の無線リンクを構成する。
【0049】
本実施の形態において、各通信ノード112,122,132,142,152,162,・・・,1N2は、GPS等からの3次元位置情報を把握し、リンク先との対向通信を、見通し内(LOS)通信、見通し外(OH)通信、空中移動体(AV)通信を識別判断し、フェーズドアレイアンテナのビームをステアリング制御し、無線リンクを自動構築する。
【0050】
これによって、本実施の形態では、各種無線装置を通信ノード内に配設することなく、単一の無線装置にて見通し内(LOS)通信、見通し外(OH)通信、空中移動体(AV)通信によるデータリンクを構築することができる。
【0051】
尚、飛翔体140側は、必ずしもフェーズドアレイアンテナ141を搭載できるわけではないので、地上に配置された無線通信装置(通信ノード112)により飛翔体140側に対してビームステアリングを行うことで、飛翔体140側の追跡(追尾)を行う。
【0052】
図6は本発明の第2の実施の形態による無線ネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。図6において、本発明の第2の実施の形態による無線ネットワークシステムは、通信ノード112,122,132,142,152,162,172,182,192,202,212,・・・,2N2各々で、フェーズドアレイアンテナのマルチビーム及び時間・空間・周波数・符号の分割多重[時分割多重(TDMA)、周波数分割多重(FDMA)、空間分割多重(SDMA)、符号分割多重(CDMA)等]の組み合わせにより、1:NまたはN:Nの無線リンクによりネットワーク化を行っている。
【0053】
尚、本実施の形態では、多方向通信と多元接続の種別割り当てにあたり、多方向通信間の干渉回避を行うためのアンテナパターンのナル制御手段[例えば、特許第2765377(特許文献6)に開示の方法]と併せて、その割り当ての判断を行う手段により種別割り当てを行う。
【0054】
通信ノード112は、通信ノード122との間で見通し内(LOS)通信により無線リンクを構築し、通信ノード212との間で見通し外(OH)通信により無線リンクを構築している。
【0055】
通信ノード122は、通信ノード112,172との間で見通し内(LOS)通信により無線リンクを構築し、通信ノード132との間で見通し外(OH)通信により無線リンクを構築している。
【0056】
通信ノード132は、通信ノード122,152との間で見通し外(OH)通信により無線リンクを構築し、通信ノード142,162との間で見通し内(LOS)通信により無線リンクを構築している。
【0057】
通信ノード142は、通信ノード132との間で見通し内(LOS)通信により無線リンクを構築し、通信ノード152との間で見通し外(OH)通信により無線リンクを構築している。
【0058】
通信ノード152は、通信ノード132,142との間で見通し外(OH)通信により無線リンクを構築し、通信ノード182との間で空中移動体(AV)通信により無線リンクを構築している。
【0059】
通信ノード162は、通信ノード132,172との間で見通し内(LOS)通信により無線リンクを構築し、通信ノード192との間で空中移動体(AV)通信により無線リンクを構築している。
【0060】
通信ノード172は、通信ノード122,162との間で見通し内(LOS)通信により無線リンクを構築し、通信ノード202との間で空中移動体(AV)通信により無線リンクを構築している。
【0061】
通信ノード182は、通信ノード152,192との間で空中移動体(AV)通信により無線リンクを構築し、通信ノード192は、通信ノード162,202との間で空中移動体(AV)通信により無線リンクを構築し、通信ノード202は、通信ノード172,192,212との間で空中移動体(AV)通信により無線リンクを構築している。
【0062】
通信ノード212は、通信ノード112,122との間で見通し外(OH)通信により無線リンクを構築し、通信ノード2N2との間で空中移動体(AV)通信により無線リンクを構築している。
【0063】
図7は本発明の第2の実施の形態による無線ネットワークシステムの動作例を示す図であり、図8は本発明の第2の実施の形態による無線通信装置における通信方法の判断処理の流れを示す図であり、図9及び図10は本発明の第2の実施の形態による無線通信装置における通信方法の判断例を示す図である。これら図7〜図10を参照して本発明の第2の実施の形態による無線通信装置における通信方法の判断処理の流れについて説明する。
【0064】
本実施の形態では、図7に示す通信ノード112〜162各々に、GPS等の位置検出手段を実装しており、この位置検出手段により自ノードの位置情報(緯度・経度・高度情報)を測定している。
【0065】
無線通信装置1の信号処理部2の制御部21は、対向する通信ノードとの間で、メッシュネットワークの迂回ルートを介して、又は別通信手段により、互いの位置情報を交換し、互いの位置情報を認識する(対向の位置確認)(図8ステップS11)。
【0066】
無線通信装置1の信号処理部2の制御部21は、対向する通信ノードとの間で互いの装置の情報[固定/移動体、片方向通信/双方向通信、通信量(大/小)、伝送遅延時間等]を交換し、対向する通信ノードの情報認識を行う(対向ノードの情報認識)(図8ステップS12)。
【0067】
無線通信装置1の信号処理部2の制御部21は、マップ情報メモリ27に蓄積した対向する通信ノードとの通信区間の地形マップ情報等から電波伝搬経路を検索し、適用すべき最適な通信方法[見通し内(LOS)通信、見通し外(OH)通信、空中移動体(AV)通信]、伝送速度(周波数帯)を決定する(地形及び電波伝搬経路による最適通信方法の決定)(図8ステップS13)。
【0068】
尚、本実施の形態では、対向する通信ノードとの通信区間の地形マップ情報等をマップ情報メモリ27に蓄積しているが、この地形マップ情報等は、判断を行う都度、サーバ等から取得するようにしてもよい。
【0069】
無線通信装置1の信号処理部2の制御部21は、複数の無線通信でネットワーク化する際、対向する通信ノード間において互いの電波干渉を回避するために、他の既存通信リンクに関する情報[既存通信の通信方法/出力レベル/通信方向(移動体の場合は予測移動方向)/通信量/伝送遅延時間等]を確認する(他の既存通信の情報認識確認)(図8ステップS14)。
【0070】
無線通信装置1の信号処理部2の制御部21は、上記の確認結果を基に、既存通信との干渉計算、新規回線の回線設計を行い、他の既存通信との干渉を回避するように多元接続手段(TDMA/FDMA/CDMA/SDMA等)を使い分けて通信を行うか、またはビームフォーミングにおいてNull(ナル)を形成し、干渉を受信しないように通信を行う(他既存通信との干渉計算及び回避)(図8ステップS15)。
【0071】
ここで、図9及び図10を参照して多元接続手段の使い分けについて述べる。無線通信装置1では、通信方向、周波数帯、送信出力から干渉計算を行い、使用周波数帯の最小化を優先する場合に以下のように多元接続手段を使い分ける。
【0072】
ネットワークにおいて、互いの回線の伝搬方向がなす角度が大きい場合は、空間分割多重(SDMA)を適用することができる。上記の空間分割多重(SDMA)でも干渉が生ずる場合は、干渉方向にアンテナ利得を急激に落としたNullを形成し、干渉を受信しないように制御する(Null制御による干渉回避)。
【0073】
一通信の送信出力が大きい場合、必要な伝送速度が小さい場合、使用可能な周波数帯がない(少ない)場合、対向する通信ノードが移動している場合は、それぞれ他通信との干渉を避けるために、時分割多重(TDMA)を使用する。
【0074】
同方向の通信がある場合、大きな伝送速度が必要な場合は、それぞれ周波数分割多重(FDMA)を使用する。
【0075】
同方向の通信が多い場合、必要な伝送速度が小さい場合は、それぞれ符号分割多重を使用する。
【0076】
無線通信装置1の信号処理部2の制御部21は、決定した通信方法に対応する通信処理[見通し内(LOS)通信処理21a、見通し外(OH)通信処理21b、空中移動体(AV)通信処理21c]を起動し、決定した通信方法に応じてフェーズドアレイアンテナへのビームを設定するとともに、上記の干渉回避をフェーズドアレイアンテナに適用して通信を開始する(通信の開始)(図8ステップS16)。
【0077】
このように、本実施の形態では、立体的なメッシュネットワーク化を行う際に、多元接続制御を組み合わせ、限られた周波数帯内で周波数再利用効率を高めて、メッシュネットワークのシームレスなリンクを実現している。
【0078】
図11は本発明の第3の実施の形態による無線ネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。図11において、本発明の第3の実施の形態による無線ネットワークシステムは、ネットワークルーティング制御を行うための外部制御装置301を設けた以外は、上述した本発明の第1及び第2の実施の形態と同様の構成及び動作となっている。また、外部制御装置301は、図11に示す無線ネットワークシステムのいずれかの通信ノードと連接されているものとし、当該ネットワークを介して、ルーティングに係わる各通信ノードにルーティング指示の信号が伝送されるものとする。
【0079】
本実施の形態では、外部制御装置301からのネットワークルーティング指示により、ネットワークの伝搬形態[見通し内(LOS)通信、見通し外(OH)通信、空中移動体(AV)通信]と、多元接続パラメータと、アンテナパターンのナル制御とにより、多方向通信間相互の干渉を回避するネットワーク化を行っている。
【0080】
図12は本発明の第3の実施の形態による無線ネットワークシステムの動作例を示す図である。図12を参照して本発明の第3の実施の形態による無線ネットワークシステムの動作について説明する。
【0081】
まず、通信を開始したい通信ノードが外部制御装置301に通信要求を送信する。この場合、通信要求パラメータとしては、送信元/宛先ノード:それぞれのノードID[IP(Internet Protocol)アドレスなど]、通信方法:同期通信のみ・非同期通信のみ・非同期通信許可等、必要伝送容量:固定容量・可変容量(最大、最低、平均)、最大遅延時間:送信元から宛先までのトータルでの遅延時間の許容値、通信優先度:QoS(Quality of Service)値等、信頼度:全無線区間トータルでのBER(ビット・エラー・レート/符号誤り率)・対傍受性・対妨害性がある。
【0082】
続いて、外部制御装置301が既存通信の情報から新規ルーティング経路を算出し、回線設計を実施する。この場合、経路計算要素としては、ノードの位置情報と地形情報・地域毎の周波数利用状況から各ノード間毎の通信方法を決定、遅延時間を最適化させる経路を決定、伝送容量を確保可能な経路・負荷の分散路・障害時の迂回路を選択、優先制御の優先度が近い通信が混在しないように経路を最適化、送信電力を最小化(省電力化)可能な経路・伝搬路を選択、回路設計結果よりBERを算出、通信方法・周波数・伝送路より対傍受性・対妨害性を評価、移動体ノードの場合に移動先でのハンドオーバがある。
【0083】
最後に、外部制御装置301は、上記のようにして算出したルーティング経路情報を無線通信装置及びルータ部に送信する。ここで、ルータ部とは、無線通信装置の通信インタフェースに連接され、ネットワークルーティングに必要な経路切替えを行うものとする。
【0084】
図13及び図14は本発明の第3の実施の形態による無線ネットワークシステムのルーティング制御例を示す図である。図13において、外部制御装置(例えば、ネットワーク管制制御装置等)301は、通信ノード112,122,132,142,152,162,172,182,192,202,212,・・・,2N2からなるメッシュネットワークにおいて、伝達すべきデータを伝送遅延が最小となるルーティングによりネットワーク経路(図13において、太線で示すルート)を制御している。また、当該リンクに障害が発生した場合は、他ルートへの迂回制御により確実な情報伝達を行う。
【0085】
図14に示すように、通信ノード122と通信ノード132との間で見通し外(OH)通信を行っている場合、見通し外(OH)通信の伝搬による電波が通信ノード162へ干渉することを回避させるため、通信ノード162のフェーズドアレイアンテナは通信ノード122からの見通し外(OH)通信の伝搬波に対してアンテナパターンのナル(Null)を形成させて通信ノード162に見通し外(OH)通信の干渉が生じないように制御を行う。
【0086】
当該ナル制御も、外部制御装置301がネットワークにおける干渉パターンを計算し、これを回避させるようにフェーズドアレイアンテナのビーム制御を行う。アンテナパターン401〜403は3本のビームが通信ノード162に対向する通信ノード192,172,132に向けられていることを示す。
【0087】
このように、本実施の形態では、外部制御装置301がネットワークにおける干渉パターンを計算し、これを回避させるようにフェーズドアレイアンテナのビーム制御を行うことで、見通し外(OH)通信の干渉が生じないように制御を行うことができる。
【0088】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下の記載に限定されない。
【0089】
[付記1]
無線通信装置が、
フェーズドアレイアンテナのビームを制御して無線伝送路に障害物がない場合に用いる見通し内通信を行う見通し内通信処理と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して前記無線伝送路に障害物がある場合に用いる見通し外通信を行う見通し外通信処理と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して飛翔体に搭載された通信ノードとの間の通信に用いる空中移動体通信を行う空中移動体通信処理とを実行し、
前記フェーズドアレイアンテナにより前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とを切替え、
前記無線通信装置が、対向するリンク先装置からの位置情報を基に前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とのうちのいずれを使用するかを判断する判断処理を実行し、
前記判断処理において使用すると判断した通信方法に対応する通信処理により前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御することを特徴とするデータリンク構築方法。
【0090】
[付記2]
前記判断処理において、前記位置情報を基に前記リンク先装置との間の無線伝送路における障害物の有無と前記リンク先装置の移動の有無とを検索し、その検索結果に応じて前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とのうちのいずれを使用するかを判断することを特徴とする付記1に記載のデータリンク構築方法。
【0091】
[付記3]
無線通信装置が、
フェーズドアレイアンテナのビームを制御して無線伝送路に障害物がない場合に用いる見通し内通信を行う見通し内通信処理と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して前記無線伝送路に障害物がある場合に用いる見通し外通信を行う見通し外通信処理と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して飛翔体に搭載された通信ノードとの間の通信に用いる空中移動体通信を行う空中移動体通信処理とを実行し、
前記フェーズドアレイアンテナにより前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とを切替え、
前記フェーズドアレイアンテナのマルチビームと分割多重方法との組み合わせにより1:N(Nは2以上の整数)またはN:Nの無線リンクによりネットワーク化を行うことを特徴とするデータリンク構築方法。
【0092】
[付記4]
無線通信装置が、
フェーズドアレイアンテナのビームを制御して無線伝送路に障害物がない場合に用いる見通し内通信を行う見通し内通信処理と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して前記無線伝送路に障害物がある場合に用いる見通し外通信を行う見通し外通信処理と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して飛翔体に搭載された通信ノードとの間の通信に用いる空中移動体通信を行う空中移動体通信処理とを実行し、
前記フェーズドアレイアンテナにより前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とを切替え、
前記無線通信装置が、対向するリンク先装置からの位置情報を基に前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とのうちのいずれを使用するかを判断する判断処理を実行し、
前記判断処理において使用すると判断した通信方法に対応する通信処理により前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御し、
前記フェーズドアレイアンテナのマルチビームと分割多重方法との組み合わせにより1:N(Nは2以上の整数)またはN:Nの無線リンクによりネットワーク化を行うことを特徴とするデータリンク構築方法。
【0093】
[付記5]
前記判断処理において、前記位置情報を基に前記リンク先装置との間の無線伝送路における障害物の有無と前記リンク先装置の移動の有無とを検索し、その検索結果に応じて前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とのうちのいずれを使用するかを判断することを特徴とする付記4に記載のデータリンク構築方法。
【0094】
[付記6]
前記分割多重方法は、少なくとも時分割多重方法、周波数分割多重方法、空間分割多重方法、符号分割多重方法を含むことを特徴とする付記3から付記5のいずれかに記載のデータリンク構築方法。
【0095】
[付記7]
多方向通信と前記分割多重方法の種別割り当てにあたり、多方向通信間の干渉回避を行うためのアンテナパターンのナル制御手段を含むことを特徴とする付記3から付記6のいずれかに記載のデータリンク構築方法。
【0096】
[付記8]
外部制御装置からのネットワークルーティング指示により前記通信方法と多元接続パラメータと前記アンテナパターンのナル制御とにより多方向通信間相互の干渉を回避するネットワーク化を行うことを特徴とする付記7記載のデータリンク構築方法。
【符号の説明】
【0097】
1 無線通信装置
2 信号処理部
3 フェーズドアレイ部
21 制御部
21a 見通し内(LOS)通信処理
21b 見通し外(OH)通信処理
21c 空中移動体(AV)通信処理
21d 通信方法判断処理
22 マルチビーム化部(TX)
23 マルチビーム化部(RX)
24−1〜24−n,
25−1〜25−n 乗算器
26−1〜26−n スイッチ
27 マップ情報メモリ
31〜3n アンテナ要素+送受信モジュール
111,121,131,
141,151,161,1N1 フェーズドアレイアンテナ
112,122,132,
142,152,162,
172,182,192,
1N2,202,212,2N2 通信ノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェーズドアレイアンテナのビームを制御して無線伝送路に障害物がない場合に用いる見通し内通信を行う見通し内通信処理手段と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して前記無線伝送路に障害物がある場合に用いる見通し外通信を行う見通し外通信処理手段と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して飛翔体に搭載された通信ノードとの間の通信に用いる空中移動体通信を行う空中移動体通信処理手段とを有し、
前記フェーズドアレイアンテナにより前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とを切替えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
対向するリンク先装置からの位置情報を基に前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とのうちのいずれを使用するかを判断する判断手段を含み、
前記判断手段で使用すると判断した通信方法に対応する通信処理手段により前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記位置情報を基に前記リンク先装置との間の無線伝送路における障害物の有無と前記リンク先装置の移動の有無とを検索し、その検索結果に応じて前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とのうちのいずれを使用するかを判断することを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記フェーズドアレイアンテナのマルチビームと分割多重方法との組み合わせにより1:N(Nは2以上の整数)またはN:Nの無線リンクによりネットワーク化を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記分割多重方法は、少なくとも時分割多重方法、周波数分割多重方法、空間分割多重方法、符号分割多重方法を含むことを特徴とする請求項4記載の無線通信装置。
【請求項6】
多方向通信と前記分割多重方法の種別割り当てにあたり、多方向通信間の干渉回避を行うためのアンテナパターンのナル制御手段を含むことを特徴とする請求項4または請求項5記載の無線通信装置。
【請求項7】
外部制御装置からのネットワークルーティング指示により前記通信方法と多元接続パラメータと前記アンテナパターンのナル制御とにより多方向通信間相互の干渉を回避するネットワーク化を行うことを特徴とする請求項6記載の無線通信装置。
【請求項8】
上記請求項1から請求項7のいずれか一つに記載に無線通信装置を含むことを特徴とする無線ネットワークシステム。
【請求項9】
無線通信装置が、
フェーズドアレイアンテナのビームを制御して無線伝送路に障害物がない場合に用いる見通し内通信を行う見通し内通信処理と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して前記無線伝送路に障害物がある場合に用いる見通し外通信を行う見通し外通信処理と、
前記フェーズドアレイアンテナのビームを制御して飛翔体に搭載された通信ノードとの間の通信に用いる空中移動体通信を行う空中移動体通信処理とを実行し、
前記フェーズドアレイアンテナにより前記見通し内通信と前記見通し外通信と前記空中移動体通信とを切替えることを特徴とするデータリンク構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−234140(P2011−234140A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102799(P2010−102799)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】