説明

無線CDMAトランシーバの位置を決定するシステムおよび方法

【課題】密集した都市および他の環境において、サテライトへの視線が何かで覆い隠されたとき、モバイル無線トランシーバの位置決めを速く、正確かつ安価なシステムで達成する。
【解決手段】正確な位置決めを達成するためにGPS位置決めと無線通信技術とを併合する。位置決めは少なくとも2つのGPSサテライトおよびサービング地上基地局のみからの信号を使用する。第1GPSサテライトから伝送された第1信号および第2GPSサテライトから伝送された第2信号をモバイル無線トランシーバで受信し、基地局へ伝送する。基地局は第1信号および第2信号およびモバイル無線トランシーバと基地局との通信伝搬時間より、モバイル無線トランシーバの位置を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムに関する。なお特に、本発明は符号分割多元接続システ
ムにおける無線送信機の位置を示すシステムおよび技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワークにおける位置技術の配置は統制力により押し進められ、キャリアはこれらの競争相手から申し出るサービスを差別することにより歳入を高めることを望む。加えて、1996年6月に米国連邦通信委員会(FCC)は高められたエマージェンシイ911(E−911)サービスの支持を命令した。命令のフェイズIはセクタおよびセル情報がPSAP(Public Safety Answering Point)機関へ戻されることを要求する。命令のフェイズIIはセルラートランシーバの位置がPSAPへ戻されることを要求する。FCC命令に従うため、合計77,000のサイトが2005年までに自動位置決め技術を装備される。
【0003】
自動位置決め能力を提供するため多くの技術が考慮されている。考慮されている1つの技術は複数のセルサイトからの信号の到達の時間差を測定することを含む。これらの信号は位置情報を引き出すため三角法で決められる。不運にも、この技術はセルサイトの高い集中および/または効果的にするためサイトの伝送パワーの増強を必要とする。これは典型的なCDMAシステムにおいて、各電話が最も近いセルサイトに到達するに十分な信号パワーのみで伝送するという事実による。三角法は少なくとも3つのサイトを必要とし、セルサイトの集中が増加されねばならず、または各無線ユニットの信号パワーが増強されねばならない。
【0004】
とにかく、各代替案は重大な欠点を有する。セルサイトの数の増加はあまりにもコストがかかる。信号パワーの増強は各無線ユニットの重量およびコストを増し、無線ユーザ間の妨害の見込みを増大する。加えて、三角法のアプローチはFCC命令により要求される精度を提供するか明らかでない。
【0005】
考慮されている他のアプローチはセルラー電話にGPS(全地球測位システム)機能を加えることを含む。このアプローチは無線ユニットに重大なコストおよび重量を加え、4つのサテライトと視線を必要とし、かなり時間がかかるが、それにも拘わらず位置決めサービスを支持するために最も的確なアプローチである。
【0006】
処理を速くするために、第3のアプローチは、無線ユニットがGPSキャリアをしばしば見るよう指示する促進情報を無線ユニットへ送る。可視サテライトからの信号の周波数領域において受信機により実行される探索を最少化するために、大部分のGPS受信機はGPSサテライト暦として知られるものを使用する。暦は粗い天文暦および完全な星座の時間モデルデータの15,000ビットブロックである。サテライトの位置に関係する暦の情報および日の現時間がおおよそ正確なだけである。暦無く、GPS受信機はサテライト信号を得るために最も広い可能な周波数探索を導入しなくてはならない。他のサテライトを獲得することを援助する付加的な情報を入手するため付加的な処理が必要とされる。
【0007】
信号取得処理は探索されることの必要な非常に多数の周波数ビンにより数分かかり得る。各周波数ビンは中心周波数と予め定義された幅を有する。暦の有効性はサテライトドプラーの不確実さを減少し、それ故探索されねばならないビンの数を減少する。
【0008】
サテライトの暦はGPSナビゲーションメッセージから引き出され得、またはデータまたは信号メッセージとしてダウン(順方向)リンクで受信機に送られる。この情報を受け取りしだい、受信機はその位置を決定するためGPS信号処理を実行する。このアプローチはかなり速いけれども、少なくとも4つのサテライトへの視線の要求に悩まされる。これは都市環境において問題になるであろう。
【0009】
それ故、セルラーを位置決めするための速く、正確かつ安価なシステムまたは技術の必要がある。
【発明の概要】
【0010】
技術における必要は無線トランシーバの位置を決定する本発明のシステムおよび方法により申し出られる。最も全般的なセンスにおいて、発明の方法は地上システムからのレンジング情報、無線ユニットからのタイミング情報、およびGPSサテライトからのレンジング情報を使用して位置を決定するハイブリッドアプローチである。情報は無線ユニットの位置が速くかつ信頼して決定されることを許容するように結合される。発明の方法は、第1GPSサテライトから伝送される第1信号、第2GPSサテライトから伝送される第2信号、および第3サテライトからの第3信号を無線ユニットで受信するステップを含む。無線ユニットはこれらGPS信号を十分に受信し、それらに応答して基地局へ第4の信号を伝送するように適用される。基地局は第4の信号を受信し、基地局および無線ユニット間のラウンドトリップ遅れにより第4信号に課せられたクロック偏倚を訂正し、無線ユニットの位置を計算するために偏倚されない第4信号を使用する。
【0011】
特別な実施例において、基地局は無線ユニットへ援助情報を送る。援助情報は第1、第2および第3サテライトにより伝送される信号を速やかに獲得するために無線ユニットにより使用される。援助信号は無線ユニットへサービスしている基地局トランシーバサブシステム(BTS)で収集された情報から引き出され、サテライト確認情報、ドプラーシフト情報、基地局および各サテライト間の距離を示す値、および各サテライトと連合された探索窓サイズを含み、探索窓サイズは無線ユニットおよび基地局間のラウンドトリップ遅れ、および各サテライトの仰角に基づいて計算される。
【0012】
第1、第2および第3サテライトにより伝送された信号の無線ユニットによる獲得により、無線ユニットは、無線ユニットおよび各サテライト間のレンジpm1、pm2、およびpm3をそれぞれ計算する。レンジ情報は測定がなされた時間としての情報と一緒に基地局へ戻し伝送される。CDMAの実施例において、無線ユニットが基地局へ第4信号を伝送する時間は基地局により知られる。第4信号の受取の遅れは無線ユニットおよび基地局間の距離を基地局に示す。加えて、遅れは無線ユニット絶対時間を訂正する手段を提供する。
【0013】
基地局制御器またはセルラーインフラストラクチュアと連合された幾つかの他の実在物のようなモバイル装置への外部の装置が、無線ユニットの位置を計算するため、その位置、無線ユニットに関する第1、第2および第3サテライトの位置、および無線ユニットと基地局との間の距離のような、サービング基地局に知られた情報を利用する。これは第1サテライトの周りの半径cp1の第1の球、第2サテライトの周りの半径cp2の第2の球、第3サテライトの周りの半径cp3の第3の球、および基地局の周りの半径cpbの第4の球の交点を見出すことにより達成され、ここにcは光速、p1は第1サテライトと無線ユニットとで連合される擬似レンジであり、p2は第2サテライトと無線ユニットとで連合される擬似レンジであり、p3は第3サテライトと無線ユニットとで連合される擬似レンジである。
【0014】
もし視線(多経路でない)が無線ユニットおよび基地局間に存在するなら、提案されたアプローチは2つのサテライトおよび1つの基地局のみからの測定を必要とすることに注目せよ。他の基地局からの付加的な情報は、もし利用可能なら、サテライトの数をさらに減少するため使用され得る。また、2次元位置のみ必要な状態において、2つのサテライトと1つの基地局のみが必要である。
【0015】
他の知られたGPSアプローチに対してこのアプローチの1つの重要な利点は無線ユニットが擬似レンジを決定できる速度である。サービング基地局がそれ自身GPS受信機を持ち、またサービング基地局位置に関して追跡されている全てのサテライトの擬似レンジを知るので、追跡されている各サテライトの探索窓中心および探索窓サイズを決定することが可能である。その情報は探索処理の速度を増すために無線ユニットへ送られる。
【0016】
即ち、各GPSサテライト上のクロックはサテライトによりレンジング信号の放送のタイミングを制御する。各かかるクロックはGPSシステム時間に同期される。無線ユニットは基地局および無線ユニット間の一方向遅れに対応している遅れでGPS時間にそのクロックを同期する。信号が特定のサテライトから伝送されたとき、無線ユニットが計算することを可能にするサテライトレンジング信号内にタイミング情報が埋め込まれる。信号が受信されたとき時間を記憶することにより、サテライトから無線ユニットへの距離(レンジ)が計算され得る。結果として、無線ユニットの位置の軌跡はサテライト位置を中心とし計算されたレンジに等しい半径の球である。もし測定が2つの他のサテライトのレンジングを使用して同時になされるなら、無線ユニットは3つの球の表面のどこかにあるであろう。3つの球は2点で交差するが、1つの点のみが正確な無線ユーザ位置である。候補位置は3つのサテライトを含んでいる面に関して他の1つのミラー像である。
【0017】
最良のモードにおいて、発明は時間の与えられた点で無線ユニットの位置を位置決めするため、3つの最良なサテライトを基地局で確認する。この情報は無線ユニットにより実行される探索操作を容易にするため無線ユニットへ送られる。
【0018】
一実施例において、無線ユニットは複数の作動モードを持ち得る:
(1)無線システムインフラストラクチュアおよびGPSサテライトの両方からの情報を使用するハイブリッドモード;
(2)スタンドアローン(標準または通常の)GPSモード;
(3)援助されたスタンドアローンGPSモード;
(4)逆にされた微分GPSモード;および
(5)援助されかつ逆にされた微分GPSモード。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】無線(CDMA)通信システムの基地局および無線ユニットの図解的実施例を示す図である。
【図2】例示的CDMAセルラー電話システムのブロック図である。
【図3】本発明の教示により構成された基地局の簡素化された図解的表現である。
【図4】本発明の無線CDMAトランシーバの位置を決定するシステムの無線ユニットのブロック図である。
【図5】本発明の無線ユニットの受信機、制御信号インターフェイス、デジタルIF、および無線復調回路の部分の図解的実施例のブロック図である。
【図6】無線ユニットの位置を決定する機能的モデルの図解である。
【図7】時間領域におけるサーチ窓サイズおよび中心の計算を示す。
【図8】ローカルクロックバイアスの訂正を図解する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下添付図面を参照して図解的な実施例が記述される。
【0021】
本発明は特定の応用のため図示した実施例を参照して記述されるが、発明がそれに限定されないことが理解されるであろう。当業者およびここに提供される教示にアクセスする者は本発明の範囲内で付加的な変形例、応用、および実施例、および本発明の重要な実用分野を認識するであろう。
【0022】
図1は無線(CDMA)通信システムの基地局10および無線ユニット20の図解的実施例を示す。通信システムはビルディング40および地表に基づく障害物50により取り囲まれる。基地局10および無線ユニット20は、60、70、80および90として4つが示される複数のGPS(全地球測位システム)サテライトを有するGPS環境に置かれる。かかるGPS環境はよく知られている。例えばHofmann-Wellenhof, B.,etal., GPS Theory and Practice, Second Edition, New York, NY: Springer-Verlag Wien, 1993 を参照されたい。この技術が本発明の範囲を逸脱することなく、アドバンスドモバイル電話システム(AMPS)、モバイル通信の全地球システム(GSM)等のような他の通信システムに適用されてもよいことが当業者に認識されるであろう。
【0023】
典型的なGPS応用において、少なくとも4つのサテライトがその位置を決定するためにGPS受信機のために必要とされる。対照的に、本発明は3つのGPSサテライトのみを使用し、無線ユニットからサービング(serving)基地局10へのラウンドトリップ遅れとサービング基地局10の知られた位置とを使用して無線ユニット20の位置を決定する方法および装置を提供する。直接の視線が利用できる場合に、2つのGPSサテライトのみ、ラウンドトリップ遅れ、およびサービング基地局10の知られた位置が無線ユニット20を位置決めするために必要とされる。
【0024】
図2はCDMAセルラー電話システム30のブロック図である。システム30は基地局制御器(BSC)14を有するモバイル交換センター(MSC)12を含む。公衆交換電話網(PSTN)16が電話線および他のネットワーク(示されない)からMSC12へ、およびMSC12からの呼びを送る。MSC12はPSTN16からの呼びを第1セル19と連合されたソース基地局10および第2セル21と連合されたターゲット基地局11へ、およびその逆へ送る。加えて、MSC12は基地局10、11間の呼びを送る。ソース基地局10は第1通信経路28を経て第1セル19内の第1無線ユニット20へ呼びを向ける。通信経路28は順方向リンク31および逆方向リンク32を有する2方向リンクである。典型的に、基地局10が無線ユニット20と音声通信を確立したとき、リンク28は通信量チャンネルを含む。各基地局10、11がたった1つのセルと連合されるけれども、基地局制御器はしばしば複数のセルの基地局を管理しまたは連合される。
【0025】
無線ユニット20が第1セル19から第2セル21に移動するとき、無線ユニット20は第2セルと連合された基地局と通信を始める。これは通常ターゲット基地局11へ“ハンドオフ”として引用される。“ソフト”ハンドオフにおいて、無線ユニット20はソース基地局10との第1通信リンク28に加えてターゲット基地局11と第2通信リンク34を確立する。無線ユニット20が第2セル21に接近し、第2セルとのリンクが確立された後、無線ユニットは第1通信リンク28をドロップしてもよい。
【0026】
ハードハンドオフにおいて、ソースおよびターゲット基地局の作動は典型的に十分に異なり、ソース基地局間の通信リンク34はターゲット基地局へのリンクが確立され得る前にドロップされねばならない。例えば、ソース基地局が第1周波数帯域を使用しているCDMAシステム内にあり、ターゲット基地局が第2周波数帯域を使用している第2CDMAシステム内にあるとき、大部分の無線ユニットは2つの異なる周波数帯域へ同時に同調する能力を持たないので、無線ユニットは両方の基地局と同時にリンクを維持することができないであろう。第1の無線ユニット20が第1のセル19から第2のセル21へ移動するとき、ソース基地局10へのリンク28はドロップされ、新しいリンクがターゲット基地局11と形成される。
【0027】
図3は本発明の教示により構成された基地局の簡素化された図解的表現である。図3に示された実施例によれば、基地局10は必須的に通常のものである。代わりの実施例において、基地局10は、以下に提供される記述から明らかになるように、基地局が無線ユニット20の位置を決定することを許容する付加的な機能を含む。通常の基地局10はCDMA信号を受信する受信CDMAアンテナ42およびCDMA信号を送信する送信CDMAアンテナ43を含む。アンテナ42により受信される信号は受信機44へ送られる。実際に、受信機44は当業者により認識されるように復調器、デインターリーバ、デコーダおよび他の回路を含む。受信された信号はレート検出器61が連合された適当なチャンネルに割当てられる。制御処理装置62はスピーチを検出するため検出された信号のレートを使用する。受信されたフレームにスピーチが検出されたなら、制御処理装置62はスイッチ63を経てボコーダ64へ受信されたフレームを切り換える。ボコーダ64は可変レート符号化信号を複合し、それに応答してデジタル化された出力信号を供給する。デジタル化されたデボコーデッド信号はデジタル-アナログ変換器65およびスピーカ(示されない)のような出力装置によりスピーチに変換される。
【0028】
マイクロホンまたは他の入力装置(示されない)からの入力スピーチはアナログ-デジタル変換器66によりデジタル化され、ボコーダエンコーダ68によりボコードされる。実際に送信機69は当業者により認識されるように変調器、インターリーバ、およびエンコーダを含む。送信機69の出力は送信アンテナ43へ供給される。
【0029】
通常の基地局10はまたGPSアンテナ76、受信機74、タイミングおよび周波数ユニット72を装備される。タイミングおよび周波数ユニットはGPS受信機のGPSエンジンから信号を受け、CDMAシステムの適当な作動のためタイミングおよび周波数基準を発生するためにそれらを使用する。従って、多くのかかるCDMAシステムにおいて、各セルサイトはGPS時間基準を使用し、そこから全ての時間の精確なCDMA伝送(パイロットシーケンス、フレームおよびウオルッシュ関数を含んでいる)が引き出される。かかる通常のタイミングおよび周波数ユニット、およびGPSエンジンはCDMAシステムに共通であり技術においてよく知られている。通常のタイミングおよび周波数ユニットは周波数パルスとタイミング情報を供給する。対照的に、本発明のタイミングおよび周波数ユニット72は好ましくはまた、サテライト捕捉において無線ユニット20を援助する(即ち、サテライトを捕捉するために必要な時間の量を減少する)ため仰角、擬似レンジ、サテライト確認(即ち、各サテライトと連合された擬似ノイズ(PN)オフセット)および各サテライトと連合されたドプラーシフトを出力する。この情報は典型的に通常のタイミングおよび周波数ユニット内で利用可能であるが、典型的に外部装置に必要ではなく供給もされない。タイミングおよび周波数ユニット72により供給される付加的な情
報は、好ましくは通常の基地局における周波数およびタイミング情報に関して通常なされるのと同じ方法でBSC14へ通信される。
【0030】
図4は本発明の一実施例による無線ユニット20のブロック図である。無線ユニット20は好ましくはGPS信号と同様に、CDMA伝送を受信するように適用された2方向アンテナ92を含む。本発明の代わりの実施例において、別々のアンテナがGPS信号、CDMA信号、および代わりのシステム信号のような他の信号を受信および送信するために使用されてもよい。アンテナ92は好ましくはデュープレクサ94へ供給する。デュープレクサ94は好ましくは受信機100へ供給し、送信機200により供給される。時間周波数サブシステム102は、当業者において認識されるように、受信機100、制御信号インターフェイス300、および送信機200のためのアナログおよびデジタル基準信号を供給する。CDMAパワー制御は利得制御回路104により供給される。本発明の実施例において、制御信号インターフェイス300はデジタル信号処理装置(DSP)である。代わりに、制御信号インターフェイス300は利得制御機能を実行することのできる他の回路であってもよい。制御信号インターフェイス300は無線ユニット20の制御信号を供給する。受信機100は無線周波数(RF)逓降変換および中間周波数(IF)逓降変換の第1段を提供する。デジタルIF特定用途集積回路(ASIC)400がベースバンド逓降変換、サンプリングおよびA/D変換のためにIFの第2段階を提供する。モバイル復調器ASIC500は、以下に十分に記述されるように擬似レンジを探知するためデジタルIF ASIC400からのデジタルベースバンドデータを探索および相関させる。
【0031】
任意の音声およびデータと一緒に擬似レンジがモバイル復調器500によりIF変調器400へ通過される。デジタルIF変調器400はモバイル復調器500から受信されたデータの第1段IF上昇変換を提供する。IF上昇変換の第2段およびこれらの信号のRF上昇変換は送信機回路200により提供される。これらの信号はそれから基地局10へ伝送され、以下に記述される発明の方法に従って処理される。無線ユニット20により受信された擬似レンジのような無線ユニット20およびBSC14間で通信されるべき位置情報が、好ましくは電話工業会により出版された工業標準TIA/EIA/IS−167により定義された短いメッセージサービス(SMS)のようなデータバースト型メッセージを経て無線ユニット20により基地局10へ通信されることが注目されるべきである。このようなメッセージは基地局10を通してBSC14へ伝送される。代わりに、新しく定義されたバースト型メッセージは無線ユニット20により基地局10へ伝送され得る。
【0032】
図5は本発明の無線ユニット20の受信機、制御信号インターフェイス、デジタルIF、および復調器回路の部分の図解的実施例のブロック図である。無線ユニット20の送信機部分は通常の無線ユニットの送信機部分と必須的に同一であるので、簡潔さのためここに議論されない。好ましい実施例において、受信機100はスイッチ106を経、デュープレクサ94を経てアンテナ92へ接続されたそれぞれ第1および第2経路103および105で実施される。2路通信装置およびGPS受信機間のより大きな集積が起り得ることは当業者により理解されるであろう。代わりに、適当なインターフェイスを有する2つの別々な受信機が本発明の目的を達成することが出来る。
【0033】
第1の経路103は受信されたCDMA信号を逓降変換し、通常のCDMA RF逓降変換された出力信号を供給する。第1経路103は低ノイズ増幅器108、第1帯域通過フィルタ112、第1混合器118および第2帯域通過フィルタ126を含む。第2経路105は図1のGPSサテライト60、70、80または90からのGPS信号を逓降変換する。第2経路105は第3帯域通過フィルタ114へ供給する第2低ノイズ増幅器110を含む。帯域通過フィルタ114の出力は第2混合器120の入力である。第2混合器120の出力は第4の帯域通過フィルタ128へ供給される。第1および第2混合器はそれぞれ第1および第2局部発振器122および124により供給される。第1および第2局部発振器122および124は二重フェイズロックドループ(PLL)116の制御の下で異なる周波数で作動する。二重PLLは、各局部発振器122および124が第1混合器118の場合受信されたCDMA信号を、第2混合器120の場合受信されたGPS信号を逓降変換するに効果的な基準周波数を維持することを保証する。第2および第4帯域通過フィルタ126および128の出力は通常の設計の第1のIF部分130に接続される。
【0034】
IF復調器130の出力はデジタルIF ASIC400の第2スイッチ402へ入力される。第1および第2スイッチ106および402は、受信された信号を通常のCDMA方法で処理する音声またはデータ出力へ向けるか、第3の混合器404、第5の帯域通過フィルタ406、自動利得制御回路408およびアナログ-デジタル変換器410によりGPS処理に向けるため、制御信号インターフェイス300の制御のもとで作動する。第3の混合器404への第2入力は局部発振器の出力である。混合器404は適用された信号をベースバンドに変換する。濾波され利得制御された信号はアナログ-デジタル変換器(“A/D”)410へ供給される。A/D410の出力はインフェーズ(I)成分の第1デジタル流および直角成分(Q)の第2デジタル流を含む。これらのデジタル化された信号はデジタル信号処理装置520へ供給され、それはGPS信号を処理し、位置決定のために必要とされる擬似レンジ情報を出力する。
【0035】
本発明の代わりの実施例において、2つの帯域通過フィルタ126、128からの出力はベースバンド特定用途集積回路(ASIC)へ供給され、それは帯域通過フィルタ126、128からのIF周波数信号出力をベースバンドにデジタル的に変換し、直角およびインフェーズベースバンド信号を表わすデジタル値の流れを出力する。これらの信号はそれから探索器に適用される。探索器は必須的にCDMA復調器に使用される通常の探索器と同一である。しかし、好ましくは使用される探索器は、基地局から伝送されたCDMA信号と連合されたPNコードか、またはGPSサテライトと連合されたPNコードの何れかを探索器が探索することを許容するようにプログラム可能である。探索器は基地局からのCDMA信号を受信しているときCDMAチャンネル間を弁別し、GPSモードにあるとき受信されたGPS信号が伝送されたGPSサテライトを決定する。加えて、一度GPS信号が捕捉されたなら、当業者により理解されるように、信号が受信されているサテライトと連合された擬似レンジを決定するため、探索器は必須的に通常の方法でPNコードと連合された時間オフセットを表示する。
【0036】
図5に示されたような二重変換処理、または代わりに単一変換およびIFサンプリング技術が必要とされるIおよびQサンプルを生成するために使用され得ることが当業者により理解されるであろう。さらに、図5に示された実施例の構成は本発明の作動に影響しない多くの方法で変えられてもよい。例えば、通常のプログラム可能な処理装置が図5に示されたDSPの代わりに使用されてもよい。メモリ510は、データがシステムを通して流れるレートがバッファーを必要としないようであるなら、必要とされないかもしれない。帯域通過フィルタ406および自動利得制御回路408はある状態の下で省略されてもよく、デジタル技術またはアナログ技術、あるいは代わりの他の方法を使用して実施され得る。図5に示された構成に対する多くの他のこのような変形が発明を変えることなくなされ得る。さらに、代わりの実施例がGPSおよび無線受信機間のハードウエアおよびソフトウエアリソースのより多いまたはより少ない役割を持つであろうことが注目されるべきである。
【0037】
図6は本発明を含む通信システムの構成要素のハイレベルブロック図である。発明の方法による作動において、BSC14は基地局10内の制御処理装置62(図3)からのGPS情報を要求する。この情報は、限定されないけれども、GPSトランシーバ74(図3)により現に観察されているサテライト、それらの仰角、ドプラーシフト、および特定時間における擬似レンジの全てを含む。視界にある全てのサテライトを常に追跡しているので、基地局10のGPS受信機が視界にある各サテライトの位置、周波数、およびPNオフセットの更新情報を有することに注目せよ。代わりに、基地局10が通路の幅および周りのビルディングの高さに関する記憶された情報を有するとするなら、基地局10は無線ユニット20により観察され得るこれらのサテライトのみのサブセットに対応しているデータを送ることができる。即ち、無線ユニットが1つまたはそれ以上のサテライトの塞がれた視界を有することを、基地局10が決定する能力を有するなら、そのとき基地局10は塞がれるこれらのサテライトに関する情報を送らないであろう。
【0038】
通常のGPS受信機は、サテライト信号が受信機の内部GPSクロックに関して受信される時間に注目することが注目されるべきである。しかし、受信機の内部GPSクロックは“真の”GPS時間に正確に同期されない。それ故、受信機はサテライト信号が受信される“真の”GPS時間における正確な点を知ることができない。後ほど、ナビゲーションアルゴリズムが第4サテライトを使用することによりこの誤差を訂正する。即ち、もし受信機内のクロックが各サテライトのクロックに正確に同期されるなら、通常のGPS受信機は受信機の位置を正確に決定するため3つのサテライトのみ必要とする。しかし、受信機のクロックがサテライトのクロックに正確に同期されないので、付加的な情報が必要とされる。この付加的な情報は第4のサテライトの信号が受信機により受信される時間を注目することにより提供される。4つの等式(即ち、4つのサテライトの各々と連合された1つの等式)、および解かれねばならない4つの未知数(即ち、受信機のx、y、z座標および受信機クロックの誤差)があることを注目することにより理解され得る。それ故、3次元解のため4つの異なるサテライトからの少なくとも4つの測定が通常のGPS受信機において必要とされる。
【0039】
対照的に、本システムはGPS時間に同期された地上基地局を利用する。一実施例において、この局はCDMA基地局である。CDMA基地局がGPS時間に同期されることは当業者により理解されるであろう。加えて、CDMAプロトコルを使用しているかかるCDMA基地局と通信する全ての無線ユニットがまた各無線ユニット20に1つしかないオフセットGPS時間に同期される。時間のオフセットは基地局のアンテナから無線ユニットのアンテナへ無線信号の伝播により起こされる一方向遅れに等しい。これは無線ユニットがGPS時間の基地局から指示を受けることによりそのクロックを同期することによる。しかし、指示が無線ユニットへ到達する時間に関しては、指示は信号が基地局から無線ユニットへ進行する間に遭遇される伝播遅れに等しい量だけ誤差がある。この伝播遅れは、信号が基地局および無線ユニット間のラウンドトリップを成すのにいかに長くかかるかを測定することにより決定され得る。一方向遅れはラウンドトリップ遅れの半分に等しい。ラウンドトリップ遅れを測定する多くの方法が当業者において利用可能である。
【0040】
加えて、基地局10および無線ユニット20間の距離が無線ユニット20の位置の決定を援助するために使用され得る。それ故、基地局10および無線ユニット20間の直接視線(LOS)の場合に、2つのサテライトレンジ測定と1つの基地局レンジ測定のみが必要である。サービング基地局と無線ユニットとの間に直接LOSがない場合、3つのサテライト測定および1つのラウンドトリップ遅れ測定が3次元位置を計算するために必要とされる。余分なサテライト測定が多経路により起こされる付加的な遅れにより導入される付加的な距離を訂正するために必要とされる。ラウンドトリップ遅れは無線ユニットにおけるクロック誤差を訂正するために使用される。
【0041】
ここに記述されるシステムは、無線ユニット20がCDMAネットワークの無線カバー領域内にある限り、およびCDMAネットワークの十分な質のサービスがある限り、妥当なCDMA無線ユニットの位置が無線位置関数(WPF)18(図6)を利用している任意の時間に決定されることを許容する。無線ユニッの位置を決定するプロセスは無線ユニット20、ネットワーク、または内部位置応用(ILA)17、外部位置応用(ELA)15、または緊急時サービス応用(ESA)13のような外部の実在物により開始されてもよい。これらの各構成要素13、15、17は位置情報を要求および/または受信可能であるハードウエアまたはソフトウエアのいずれであってもよい。一実施例において、ILA17は、操作者が無線ユニット20に関する位置情報を直接要求および受信することを許容するBSC14に接続された端子である。代わりに、ILA17はMSC12内の処理装置により実行されるソフトウエア応用である。
【0042】
WPF18は、好ましくは無線ユニットから、およびサテライトから(即ち、2つのサテライトからの擬似レンジ、無線ユニットから基地局への距離および時間訂正ファクター)受信された生のデータの受入れ、および無線ユニットの位置の計算を可能にする通常のプログラム可能な処理装置である。しかし、かかる受信された情報に基づいて無線ユニット20の位置を計算し、この位置決定を出力するため、必要とされる情報を受信可能な任意の装置が使用され得る。例えば、WPF18はASIC、ディスクリート論理回路、ステートマシン、または他のネットワーク装置(BSC14のような)内のソフトウエア応用として実施されてもよい。さらに、WPF18は基地局10、BSM14、またはMSC12の他の場所に置かれてもよい。好ましくは、WPF18はBSC14と通信にある専用処理装置により実行されるソフトウエア応用である。従って、基地局10、BSC14、およびMSC12は通常の構成要素で本発明を実行するために重大な変更を必要としない。代わりに、WPF18はBSC14内の処理装置により実行されるソフトウエア応用である。WPF18は、通常の勘定機能、管理機能、ホーム位置レジスタ/ビジター位置レジスタ機能、および通常のBSCに接続された処理装置により実行される他の付随的な機能により使用されるポートと同様に、好ましくは通信ポートを経てBSC14と通信する。
【0043】
位置を計算するために使用されるアルゴリズムは、Parkinson,B.W., and Spilker, J.J., Editors, Global Positioning System: Theory and Applications, Volume. I, American Institute of Aeronautics and Astronautics Inc., Washington DC,1996により提供される。加えて、Volume IIが微分GPS訂正をいかに実行するかを教示することが注目されるべきである。無線ユニットの位置を正確に計算するため、かかる訂正がWPF18により実行されねばならないことが当業者により理解されるであろう。
【0044】
本発明の一実施例によれば、サービスプロバイダーは能力、安全、サービスプロフィール等のような幾つかの状態に基づいて位置決めサービスを制限できる。位置サービスは以下のサービスの各々、または幾つかのサブセットを支持してもよい:
(1)位置決めのため無線ユニットに起こされた要求(WPF)。
(2)位置決めのためネットワークに起こされた要求(NRP)。
(3)サービス例毎に許される位置決め(PSI):無線ユニットは特定のサービスを引渡すためにユニットを位置決めする外部応用の一時的許可を与える。
(4)無線ユニット確認を伴う/伴わない位置決め(PWI/PWO):定義された地理的領域に全ての無線ユニットを位置決めするであろう。PWOが単にそれらの位置を与えるのに対して、PWIはこれらのユニットの同一性と位置を与える。
(5)閉じたグループ内の位置決め(PCG):位置決めの特別な権利が決定され得るグループの創設を許可する(団体管理)。
【表1】

【0045】
本発明の一実施例により、無線ユニット20が決定されるべきその無線ユニット20の位置の要求を起こすとき、無線ユニット20はMSC12へ位置要求を送る。MSC12は無線ユニット20が要求されたサービスの型を申込んだことを確保するために要求を正当と認める。それからMSC12は無線ユニット20の位置を見つけるためサービングBSC14に要求を送る。BSC14は位置援助情報についてサービング基地局10に尋ねる。サービング基地局10は視界にあるサテライトのリスト、それらのドプラーシフト、ドプラー変化のそれらの率、それらの擬似レンジ、それらの仰角、それらの信号対ノイズ比(SNR)、および無線ユニットとサービング基地局との間のラウンドトリップ遅れ(RTD)を送ることにより要求に応答する。基地局10内のGPS受信機74が視界にあるサテライトを連続的に追跡し、それ故これらのパラメタの更新された情報を持ち得ることに注目せよ。BSC14は、以下のような時間および周波数の両方において探索窓中心および探索窓サイズを計算するため(図7参照)、RTD、擬似レンジサテライト仰角、各サテライトのドプラーシフトおよびドプラーの変化率を使用するであろう。
【0046】
時間領域において、i番目の宇宙機(“SVi”)の探索窓の中心は、図7においてbのようにサービング基地局10とSViとの間の擬似レンジに等しい。SViの探索窓サイズはラウンドトリップ遅れ時間のcos(i)に等しく、ここにcos(i)は地球の中心および受信機を通る地球の半径に関してサテライトの仰角の余弦である。
【0047】
周波数領域において、SViの探索窓の中心はfo+fdiに等しく、ここにfoはGPS信号の搬送周波数に等しく、fdiはSViにより伝送された信号のドプラーシフトに等しい。SViの探索窓サイズは受信機周波数誤差および変化のドプラー率による周波数における不確実に等しい。BSC14は視界にあるサテライトを含んでいる情報、時間および周波数の両方における探索窓中心、サイズ、および無線ユニット20の位置を決定するに必要なサテライトの最少数を送る。
【0048】
一実施例によれば、無線ユニット20へのメッセージは無線ユニット20に戻ってくる信号をトリガーするであろう。メッセージはまた“活動時間”(受信機がGPS受信機周波数に戻るであろう未来における特別な時間)を持ち得る。応答において、無線ユニット20は活動時間に第1および第2スイッチ106および402を活性化し、それによりそれ自身をGPS周波数に戻す。デジタルIF ASIC400はそのPN発生器(示されない)をGPSモードへ変更し、全ての指定されたサテライトの探索を開始する。
【0049】
無線ユニット20が一度要求されたサテライトの最少数を獲得すると、それは無線ユニット20内のGPSクロックに基づいて擬似レンジを計算し、通信システム周波数に戻し、最も重要な3つのサテライトの測定された信号対ノイズ比、および最新のCDMAパイロット探索結果と一緒に擬似レンジ結果をBSC14へ送る。パイロット探索結果は、もしユニットが3つのサテライトを獲得出来ず、かつサービング基地局および無線ユニット20間に直接の視線経路がないなら必要である。それにもかかわらず、他の基地局のような他の装置からのラウンドトリップ遅れがパイロット探索情報のような利用可能な情報を使用して計算され得る限り、3つより少ないサテライトが使用され得る。パイロット探索情報に基づくラウンドトリップ遅れを決定する技術は技術においてよく知られている。
【0050】
BSC14は、サービング基地局10の位置、対応するラウンドトリップ遅れ測定値、(固定され、予め決定された基準原点に関して)考慮の下でサテライトの(宇宙における)位置、および微分GPS訂正とともに、無線ユニット20によりなされた擬似レンジ測定値を無線ユニット20の位置が計算されるWPF18へ送る。無線ユニット20から受信され、BSC14によりWPF18へ移された擬似レンジは無線ユニット20内のクロックに比例する。それ故、それらは誤差がある(即ち、サービングBTS10および無線ユニット20間のラウンドトリップ遅れにより偏倚された)。図8はWPF18がいかにして局部クロック偏倚を訂正するかを示す図である。図8において、1は基地局10から無線ユニット20およびその逆へ伝送される信号の受取において、擬似レンジ(ラウンドトリップ遅れの半分)を表わし、rm1、rm2、およびrm3はそれぞれ無線ユニットから第1、第2および第3の選択されたGPSサテライト60、70、および80への擬似レンジである。これらの測定値は無線ユニット20における局部クロックに関して取られる。しかし局部クロックは真のGPS時間から1だけオフセットされるので、訂正された擬似レンジは以下である:
【数1】

【0051】
WPF18は無線ユニット20の位置を計算するため、3つのサテライトの(宇宙における)位置、サービング基地局の位置、および対応しているRTD測定値の上記3つの等式を使用する。RTDを知ることは真のGPS時間に比例する無線ユニットの局部クロック偏倚を正確に知ることに等価であることに注目せよ。即ち、それは3つのサテライトからの3つのレンジ等式を解くのに十分である。
【0052】
また、無線ユニット20および基地局10間の距離が無線ユニット20および基地局10間のRTDから直接に決定され得るような、無線ユニット20および基地局10間の直接の視線結合があるなら、必要とされるサテライトの最少数は2つに減少できることに注目せよ。他のパイロット(サイト)についての情報が利用可能であるなら、この数はさらに減少できる。例えば、無線ユニット20が2つまたはそれ以上の基地局と通信にあり(例えば、ソフトハンドオフ)、無線ユニット20へのサイトの直接線を有することもないなら、1つ以上のラウンドトリップ遅れが計算され、それ故、2つのサテライトが無線ユニット20の位置を決定するに必要とされる全てである。即ち、計算は5つの等式に基づいてなされ得る(2つのサテライトと連合された2つの擬似レンジ測定値に関係する2つの等式、2つの基地局RTD測定値に関する2つの等式、および無線ユニット20内の局部クロックが真のGPS時間に同期されることを許容するサービング基地局へのRTDに関する1つの等式)。これはGPSサテライトが木の建造物により塞がれ、即ち陰にされるシナリオにおいて有用である。加えて、GPSサテライトを探索する時間が減少する。WPF18は計算された位置をBSC14へ送り、BSCはそれをMSC12に向け、あるいはそれを直接無線ユニット20へ送る。
【0053】
本発明は特定の応用のため特定の実施例を参照して記述された。当業者および本教示にアクセスする者は、その範囲内で付加的な変形応用および実施例を認識するであろう。それ故、添付請求の範囲により本発明の範囲内でかかる応用、変形および実施例の幾らかおよび全部をカバーすることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサテライトと、
第2のサテライトと、
第3のサテライトと、
第1の信号を伝送するため前記第1のサテライトに設置された第1の送信機と、
第2の信号を伝送するため前記第2のサテライトに設置された第2の送信機と、
第3の信号を伝送するため前記第3のサテライトに設置された第3の送信機と、
基地局と、
前記第1、第2および第3信号を受信し、それに応答して前記基地局へ第4の信号を伝送するように適用された前記基地局と無線通信にあるトランシーバと、
前記第4の信号を受信し、それに応答して前記無線トランシーバの位置を計算するため前記基地局に配置された手段とを含む、
モバイル無線トランシーバの位置を決定するシステム。
【請求項2】
前記第1、前記第2および前記第3サテライトが全地球測位システムサテライトである請求項1のシステム。
【請求項3】
前記基地局が符号分割多元接続基地局である請求項2のシステム。
【請求項4】
前記基地局が前記無線トランシーバへ援助情報を送る手段を含む請求項3のシステム。
【請求項5】
前記トランシーバが前記第1および前記第2信号を獲得するため前記援助情報を使用する手段を含む請求項4のシステム。
【請求項6】
前記援助情報がサテライト確認情報、ドプラーシフト情報、時間および周波数の両方における探索窓中心および幅、および前記基地局および前記サテライト間の第1組のレンジ情報を含む請求項5のシステム。
【請求項7】
前記第4信号が前記無線トランシーバおよび前記サテライト間の第2組のレンジ情報、および時間情報txを含む請求項6のシステム。
【請求項8】
前記第4の信号を受信し、それに応答して前記無線トランシーバの位置を計算するため前記基地局に配置された前記手段が、前記無線トランシーバおよび前記基地局間の距離を決定する手段を含む請求項7のシステム。
【請求項9】
前記無線トランシーバの位置を計算するため前記基地局に配置された前記手段が、前記無線トランシーバの位置の計算において前記基地局からの前記無線トランシーバの距離を利用する手段を含む請求項8のシステム。
【請求項10】
基地局と、
基地局に関して、それぞれ第1、第2および第3サテライトから伝送される信号のドプラーシフトを計算する手段と、
前記基地局に関して、それぞれ第1および第2サテライトの第1組の擬似レンジ2、3を計算する手段と、
サテライト確認情報、ドプラーシフト情報、および前記基地局および前記無線トランシーバ間の前記擬似レンジ情報を送る手段と、
前記基地局からの前記サテライト確認情報、ドプラーシフト情報、および前記擬似レンジ情報2、3を受信する前記無線トランシーバに配置された手段と、
時間txにおいて、それぞれ前記トランシーバと前記第1および第2サテライトとの間の第2組の擬似レンジ4、5を確認するため、前記基地局から受信された前記情報を利用する前記モバイル無線トランシーバに配置された手段と、
それぞれ前記トランシーバと前記第1および第2サテライトとの間の前記第2組の擬似レンジ4、5を時間情報txと一緒に前記基地局へ送る前記モバイル無線トランシーバに配置された手段と、
前記第2組の擬似レンジ4、5および時間情報txに応答して前記無線トランシーバの位置を計算する基地局に配置された手段とを含む、
モバイル無線トランシーバの位置を決定するシステム。
【請求項11】
前記第2組の擬似レンジ4、5および前記時間情報txに応答して前記無線トランシーバの位置を計算する基地局に配置された前記手段が、前記基地局からの前記無線トランシーバの距離を決定する手段を含む請求項10のシステム。
【請求項12】
前記無線トランシーバの位置を計算する基地局に配置された前記手段が、前記無線トランシーバの位置の計算において前記基地局からの前記無線トランシーバの距離を利用する手段を含む請求項11のシステム。
【請求項13】
2つの最適位置サテライトを確認するため基地局に配置された手段を含む請求項10のシステム。
【請求項14】
前記モバイル無線トランシーバを音声/データ通信をもたらす第1モードからその位置を位置決めする第2モードへ切り換える手段を含む請求項10のシステム。
【請求項15】
前記無線トランシーバの位置を計算するため基地局に配置された前記手段が、
それぞれ前記第1および第2サテライトと前記基地局との間の第3組の擬似レンジ4、5を計算するため前記第2組の擬似レンジ4、5を利用する手段と、
時間txにおける2つのサテライトの知られた位置、基地局の位置、第3組の擬似レンジ、および前記無線トランシーバの位置を確かめるためモバイル無線トランシーバから基地局へ伝送された信号の到達の時間の遅れ1を利用する手段とを含む請求項10のシステム。
【請求項16】
前記無線トランシーバの位置を計算する前記手段が、2つのサテライトの第1の周りの半径c4の第1の球、2つのサテライトの第2の周りの半径c5の第2の球、および前記基地局の周りの半径c1の第3の球の交点を見出す手段を含み、ここにcは光速である請求項15のシステム。
【請求項17】
前記無線トランシーバの位置を計算する前記手段が、2つのサテライトの第1の周りの半径c4の第1の球、2つのサテライトの第2の周りの半径c5の第2の球、および前記基地局の周りの半径c1の第3の球の交点を見出す手段を含み、ここにcは光速である請求項10のシステム。
【請求項18】
基地局と、
第1および第2全地球測位システムサテライトを確認するため基地局に配置された手段と、
基地局に関して、それぞれ前記第1および第2サテライトから伝送される信号のドプラーシフトを計算する手段と、
前記基地局に関して、それぞれ第1および第2サテライトの第1組の擬似レンジ2、3を計算する手段と、
前記基地局から前記無線トランシーバへサテライト確認情報、ドプラーシフト情報、およびの前記擬似レンジ情報を送る手段と、
前記基地局から前記サテライト確認情報、ドプラーシフト情報、および前記擬似レンジ情報2、3を受信する前記無線トランシーバに配置された手段と、
時間txにおいて、それぞれ前記トランシーバと前記第1および第2サテライトとの間の第2組の擬似レンジ4、5を確認するため、前記基地局から受信された前記情報を利用する前記モバイル無線トランシーバに配置された手段と、
それぞれ前記トランシーバと前記第1および第2サテライトとの間の前記第2組の擬似レンジ4、5を時間情報txと一緒に前記基地局へ送る前記モバイル無線トランシーバに配置された手段と、
前記第2組の擬似レンジ4、5および前記時間情報txに応答して前記無線トランシーバの位置を計算する基地局に配置された手段とを含み、前記計算手段が、
前記基地局からの前記無線トランシーバの距離を決定する手段と、
前記無線トランシーバの位置の計算において前記基地局からの前記無線トランシーバの距離を利用する手段とを含んでいる、
モバイル無線トランシーバの位置を決定するシステム。
【請求項19】
前記モバイル無線トランシーバを音声/データ通信をもたらす第1モードからその位置を位置決めする第2モードへ切り換える手段を含む請求項18のシステム。
【請求項20】
前記無線トランシーバの位置を計算するため基地局に配置された前記手段が、
それぞれ前記第1および第2サテライトと前記基地局との間の第3組の擬似レンジ4、5を計算するため前記第2組の擬似レンジ4、5を利用する手段と、
時間txにおける第1および第2のサテライトの知られた位置、基地局の位置、第3組の擬似レンジ、および前記無線トランシーバの位置を確かめるためモバイル無線トランシーバから基地局へ伝送された信号の到達の時間の遅れ1を利用する手段とを含む請求項18のシステム。
【請求項21】
前記無線トランシーバの位置を計算する前記手段が、2つのサテライトの第1の周りの半径c4の第1の球、2つのサテライトの第2の周りの半径c5の第2の球、および前記基地局の周りの半径c1の第3の球の交点を見出す手段を含み、ここにcは光速である請求項20のシステム。
【請求項22】
前記無線トランシーバの位置を計算する前記手段が、2つのサテライトの第1の周りの半径c4の第1の球、2つのサテライトの第2の周りの半径c5の第2の球、および前記基地局の周りの半径c1の第3の球の交点を見出す手段を含み、ここにcは光速である請求項18のシステム。
【請求項23】
第1GPSサテライトから伝送された第1信号、および第2GPSサテライトから伝送された第2信号を基地局で受信し、
前記第1および第2信号を前記基地局と無線通信にあるトランシーバで受信し、
かつそれに応答して前記基地局へ第3信号を伝送し、
前記基地局で前記第3信号を受信し、かつそれに応答して前記無線トランシーバの位置を計算するステップを含む、
モバイル無線トランシーバの位置を決定する方法。
【請求項24】
前記基地局から前記無線トランシーバへ援助情報を送るステップを含む請求項23の方法。
【請求項25】
前記トランシーバにおいて前記第1および前記第2信号を獲得するため前記援助情報を使用するステップを含む請求項24の方法。
【請求項26】
前記援助情報がサテライト確認情報、ドプラーシフト情報、および前記基地局および前記サテライト間の第1組のレンジ情報を含む請求項25の方法。
【請求項27】
前記第3信号が前記無線トランシーバおよび前記サテライト間の第2組のレンジ情報、および時間情報txを含む請求項26の方法。
【請求項28】
前記無線トランシーバおよび前記基地局間の距離を決定するステップをさらに含む請求項27の方法。
【請求項29】
前記無線トランシーバの位置を計算する前記ステップが、前記無線トランシーバの位置の計算に前記基地局からの前記無線トランシーバの距離を利用するステップを含む請求項28の方法。
【請求項30】
基地局に関して、それぞれ第1および第2サテライトから伝送される信号のドプラーシフトを計算し、
前記基地局に関して、それぞれ第1および第2サテライトの第1組の擬似レンジ2、3を計算し、
前記基地局から前記無線トランシーバへサテライト確認情報、ドプラーシフト情報、および前記擬似レンジ情報を送り、
前記トランシーバにおいて、前記サテライト確認情報、ドプラーシフト情報、および前記基地局からの前記擬似レンジ情報2、3を受信し、
時間txにおいて、それぞれ前記トランシーバと前記第1および第2サテライトとの間の第2組の擬似レンジ4、5を確認するため、前記基地局から受信された前記情報を利用し、
それぞれ前記トランシーバと前記第1および第2サテライトとの間の前記第2組の擬似レンジ4、5を時間情報txと一緒に前記基地局へ送り、
前記第2組の擬似レンジ4、5および前記時間情報txに応答して前記無線トランシーバの位置を計算するステップを含む、
モバイル無線トランシーバの位置を決定する方法。
【請求項31】
前記第2組の擬似レンジ4、5および前記時間情報txに応答して前記無線トランシーバの位置を計算する前記ステップが、前記基地局からの前記無線トランシーバの距離を決定するステップを含む請求項30の方法。
【請求項32】
前記無線トランシーバの位置を計算するステップが、前記無線トランシーバの位置の計算において前記無線トランシーバおよび前記基地局間の距離を利用するステップを含む請求項31の方法。
【請求項33】
2つの最適位置サテライトを確認するステップを含む請求項30の方法。
【請求項34】
前記モバイル無線トランシーバを音声/データ通信をもたらす第1モードからその位置を位置決めする第2モードへ切り換えるステップを含む請求項30の方法。
【請求項35】
前記無線トランシーバの位置を計算する前記ステップが、
それぞれ前記第1および第2サテライトと前記基地局との間の第3組の擬似レンジ4、5を計算するため前記第2組の擬似レンジ4、5を利用し、
時間txにおける2つのサテライトの知られた位置、基地局の位置、第3組の擬似レンジ、および前記無線トランシーバの位置を確かめるためモバイル無線トランシーバから基地局へ伝送された信号の到達の時間の遅れ1を利用するステップを含む請求項30の方法。
【請求項36】
前記無線トランシーバの位置を計算する前記ステップが、
2つのサテライトの第1の周りの半径c4の第1の球、2つのサテライトの第2の周りの半径c5の第2の球、および前記基地局の周りの半径c1の第3の球の交点を見出すステップを含み、ここにcは光速である請求項35の方法。
【請求項37】
前記無線トランシーバの位置を計算する前記ステップが、
2つのサテライトの第1の周りの半径c4の第1の球、2つのサテライトの第2の周りの半径c5の第2の球、および前記基地局の周りの半径c1の第3の球の交点を見出すステップを含み、ここにcは光速である請求項30の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−169687(P2010−169687A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−16792(P2010−16792)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【分割の表示】特願2000−537085(P2000−537085)の分割
【原出願日】平成11年3月16日(1999.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】