説明

焦点検出装置および撮像装置

【課題】像ズレ量をデフォーカス量に変換するための変換係数を簡単な演算で正確に求める。
【解決手段】光学系の射出瞳の互いに異なる複数の領域対を通る光束によって形成される像を受光する撮像素子212を備え、撮像素子212によって得られる信号に基づいて像のズレ量を検出し、複数の領域対のそれぞれに対応する像ズレ量と、一方の領域対に対応する像ズレ量をデフォーカス量に変換する変換係数とに基づいて、他方の領域対に対応する像ズレ量をデフォーカス量に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は焦点検出装置および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロレンズとその背後に配置された一対の受光部とからなる焦点検出画素を備えた撮像素子を光学系の予定焦点面に配置し、瞳分割位相差検出方式で光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】特開2005−148091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した一実施の形態では、光学系の射出窓情報、焦点検出位置情報、光電変換部の受光強度分布に基づいてケラレによる一対の領域を通る焦点検出光束の重心を演算し、重心間隔に基づいてデフォーカス量を算出している。
しかしながら、このような方法で重心間隔の精度を高めようとすると、光学系の膨大なデータと複雑な演算処理が必要になり、構成の異なる種々の光学系に対応するのは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明は、光学系の射出瞳の互いに異なる複数の領域対を通る光束によって形成される像を受光する受光手段と、受光手段によって得られる信号に基づいて像のズレ量を検出する像ズレ量検出手段と、複数の領域対のそれぞれに対応する像ズレ量と、一方の領域対に対応する像ズレ量をデフォーカス量に変換する変換係数とに基づいて、他方の領域対に対応する像ズレ量をデフォーカス量に変換する変換手段とを備える。
(2) 請求項2の焦点検出装置の複数の領域対は、対となる領域の重心間隔が互いに異なる。
(3) 請求項3の焦点検出装置は、変換手段によって、複数の領域対の内の重心間隔の短い領域対に対する変換係数と2つの像ズレ量の比とに基づいて、複数の領域対の内の重心間隔が長い方の領域対に対応する像ズレ量をデフォーカス量に変換するようにしたものである。
(4) 請求項4の焦点検出装置の複数の領域対は、光学系の絞り開口径の違いにより形成される。
(5) 請求項5の焦点検出装置は、変換手段によって、複数の領域対の内の絞り開口径が小さい方の方の領域対に対する変換係数と2つの像ズレ量の比とに基づいて、複数の領域対の内の絞り開口径が大きい方の領域対に対応する像ズレ量をデフォーカス量に変換するようにしたものである。
(6) 請求項6の焦点検出装置は、複数の領域対の並び方向は互いに異なり、受光手段によって、光学系の予定焦点面における前記光学系の光軸から偏った位置を通る光束を、光軸から放射方向に並ぶ対の光束として受光する第1受光部と、放射方向と直交する方向に並ぶ対の光束として受光する第2受光部とを有し、変換手段によって、複数の領域対の内の放射方向と直交する方向に並ぶ対の光束に対する変換係数と2つの像ズレ量の比とに基づいて、複数の領域対の内の放射方向に並ぶ対の領域に対応する像ズレ量をデフォーカス量に変換するようにしたものである。
(7) 請求項7の焦点検出装置は、受光手段が、マイクロレンズとその背後に配置された光電変換部とからなる画素の配列を有し、光学系の予定焦点面近傍に配置される。
(8) 請求項8の焦点検出装置は、受光手段が、光学系の予定焦点面に形成された像を再結像する一対の再結像レンズと、再結像された一対の像を受光する一対のイメージセンサと、一対の再結像レンズの開口形状を光学系の射出瞳面近傍に投影するために光学系の予定焦点面近傍に配置されたコンデンサーレンズとを有する。
(9) 請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の焦点検出装置を備える撮像装置であって、受光手段は、複数の領域対を通る光束による像を受光する焦点検出用画素と、光学系による像を受光する撮像用画素とを二次元状に配列して構成し、撮像用画素で得られた信号に基づく撮像画像を表示する表示手段と、撮像用画素で得られた信号に基づく撮像画像を記録する記録手段とを備える。
(10) 請求項10の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の焦点検出装置を備える撮像装置であって、光学系により結像された画像に応じた信号を出力する撮像用受光手段と、撮像用受光手段の出力信号に基づく撮像画像を表示する表示手段と、撮像用受光手段の出力信号に基づく撮像画像を記録する記録手段とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、光学系の膨大なデータと複雑な演算処理を必要とせず、像ズレ量をデフォーカス量に変換するための変換係数を簡単な演算で正確に求めることができる上に、構成の異なる種々の光学系にも容易に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本願発明の一実施の形態による撮像装置をデジタルスチルカメラに適用した例を説明する。図1は一実施の形態の構成を示す。一実施の形態のデジタルスチルカメラ201は交換レンズ202とカメラボディ203から構成され、交換レンズ202はマウント部204によりカメラボディ203に装着される。
【0008】
交換レンズ202はレンズ駆動制御装置206、ズーミング用レンズ208、レンズ209、フォーカシング用レンズ210、絞り211などを備えている。レンズ駆動制御装置206は、マイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から成り、フォーカシング用レンズ210と絞り211の駆動制御、絞り211、ズーミング用レンズ208およびフォーカシング用レンズ210の状態検出、後述するボディ駆動制御装置214に対するレンズ情報の送信とカメラ情報の受信などを行う。
【0009】
カメラボディ203は撮像素子212、ボディ駆動制御装置214、液晶表示素子駆動回路215、液晶表示素子216、接眼レンズ217、メモリカード219などを備えている。撮像素子212には後述する画素が二次元状に配列されており、交換レンズ202の予定結像面に配置されて交換レンズ202により結像される被写体像を撮像する。なお、詳細を後述するが撮像素子212の所定の焦点検出位置には焦点検出用画素が配列される。
【0010】
ボディ駆動制御装置214はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、撮像素子212からの画像信号の読み出し、画像信号の補正、交換レンズ202の焦点調節状態の検出、レンズ駆動制御装置206からのレンズ情報の受信とカメラ情報(デフォーカス量)の送信、ディジタルスチルカメラ全体の動作制御などを行う。ボディ駆動制御装置214とレンズ駆動制御装置206は、マウント部204の電気接点部213を介して通信を行い、各種情報の授受を行う。
【0011】
液晶表示素子駆動回路215は、電子ビューファインダー(EVF:電気的ビューファインダー)の液晶表示素子216を駆動する。撮影者は接眼レンズ217を介して液晶表示素子216に表示された像を観察することができる。メモリカード219はカメラボディ203に脱着可能であり、画像信号を格納記憶する可搬記憶媒体である。
【0012】
交換レンズ202を通過して撮像素子212上に形成された被写体像は、撮像素子212により光電変換され、その出力はボディ駆動制御装置214へ送られる。ボディ駆動制御装置214は、撮像素子212上の焦点検出画素の出力データに基づいて所定の焦点検出位置におけるデフォーカス量を算出し、このデフォーカス量をレンズ駆動制御装置206へ送る。また、ボディ駆動制御装置214は、撮像素子212の出力に基づいて生成した画像信号をメモリカード219に格納するとともに、画像信号を液晶表示素子駆動回路215へ送り、液晶表示素子216に画像を表示させる。
【0013】
カメラボディ203には不図示の操作部材(シャッターボタン、焦点検出位置の設定部材など)が設けられており、これらの操作部材からの操作状態信号をボディ駆動制御装置214が検出し、検出結果に応じた動作(撮像動作、焦点検出位置の設定動作、画像処理動作)の制御を行う。
【0014】
レンズ駆動制御装置206はレンズ情報をフォーカシング状態、ズーミング状態、絞り設定状態、絞り開放F値などに応じて変更する。具体的には、レンズ駆動制御装置206は、レンズ208、210の位置と絞り211の絞り位置をモニターし、モニター情報に応じてレンズ情報を演算したり、あるいは予め用意されたルックアップテーブルからモニター情報に応じたレンズ情報を選択する。レンズ駆動制御装置206は、受信したデフォーカス量に基づいてレンズ駆動量を算出し、このレンズ駆動量に基づいてフォーカシングレンズ210を不図示のモーター等の駆動源により合焦点へと駆動する。
【0015】
図2は撮像画面上の焦点検出位置、すなわち後述する焦点検出画素列が焦点検出の際に撮影画面上で被写体像をサンプリングする領域(焦点検出エリア)を示す。撮像画面100上の中央を挟んだ水平方向の左右に、焦点検出エリア101、102が配置される。長方形で示した焦点検出エリア101、102の長手方向に焦点検出画素が直線的に配列される。2つの焦点検出エリア101、102は、画面中央を中心とした所定半径の円周103上に位置される。
【0016】
図3は撮像素子212の詳細な構成を示す正面図であり、撮像素子212上のひとつの焦点検出エリア近傍を拡大した図である。撮像素子212は、撮像画素310、第1焦点検出画素311および第2焦点検出画素312から構成される。撮像画素310は、図4に示すようにマイクロレンズ10、光電変換部11、不図示の色フィルタから構成される。色フィルタは赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類からなり、それぞれの分光感度は図7に示すものとなっている。各色フィルタを備えた撮像画素310がベイヤー配列されている。
【0017】
第1焦点検出画素311は、図5に示すようにマイクロレンズ10、一対の光電変換部12,13から構成される。また、第2焦点検出画素312は、図6に示すようにマイクロレンズ10、一対の光電変換部14,15から構成される。第1焦点検出画素311と第2焦点検出画素312には光量をかせぐために色フィルタを設けておらず、その分光特性は光電変換を行うフォトダイオードの分光感度、赤外カットフィルタ(不図示)の分光特性を総合した分光特性(図8参照)となる。この分光特性は図7に示す緑画素、赤画素、青画素の分光特性を加算したような分光特性となり、その感度の光波長領域は緑画素、赤画素、青画素の感度の光波長領域を包括している。
【0018】
撮像画素310の光電変換部11は、マイクロレンズ10により、明るい交換レンズの射出瞳(例えばF1.0)を通過する光束をすべて受光するような形状に設計される。一方、第1焦点検出画素311の一対の光電変換部12、13は、マイクロレンズ10により、交換レンズの特定の射出瞳(例えばF2.8)を通過する光束をすべて受光するような形状に設計される。また、第2焦点検出画素312の一対の光電変換部14、15は、マイクロレンズ10により、第1焦点検出画素311の一対の光電変換部12、13より光電変換部の並び方向で暗いF値(F8)を通過する光束を受光するような形状に設計される。
【0019】
図3に示すように、二次元状に配置された撮像画素310にはRGBのベイヤー配列の色フィルタが備えられる。第1焦点検出画素311と第2焦点検出画素312は、撮像画素310のBとGが配置されるべき行に直線的にギャップなしで密に配置されている。第1焦点検出画素311と第2焦点検出画素312を撮像画素310のBとGが配置されるべき行に配置することによって、後述する画素補間により第1焦点検出画素311と第2焦点検出画素312の位置の画素信号を補正する場合に、多少誤差が生じても人間の眼には目立たなくすることができる。この理由は、人間の目には青より赤のほうが敏感であることと、緑画素の密度が青画素と赤画素より高いので、緑画素の1画素の欠陥に対する寄与が小さいためである。第1焦点検出画素311の配列と第2焦点検出画素312の配列は、焦点検出エリアの中央に平行して配列される。
【0020】
図9は撮像画素310の断面を示す。撮像画素310において、撮像用の光電変換部11の前方にマイクロレンズ10が配置され、マイクロレンズ10により光電変換部11が前方に投影される。光電変換部11は半導体回路基板29上に形成される。不図示の色フィルタはマイクロレンズ10と光電変換部11の中間に配置される。
【0021】
図10は第1焦点検出画素311および第2焦点検出画素312の断面を示す。第1焦点検出画素311(第2焦点検出画素312)において、焦点検出用の光電変換部12、13(14、15)の前方にマイクロレンズ10が配置され、マイクロレンズ10により光電変換部12、13(14、15)が前方に投影される。光電変換部12、13(14、15)は半導体回路基板29上に形成される。また、不図示のフィルタはマイクロレンズ10と光電変換部12、13(14、15)の中間に配置される。
【0022】
次に、図11によりマイクロレンズを用いた瞳分割方式による焦点検出方法について説明する。図11において、90は、交換レンズの予定結像面に配置されたマイクロレンズの前方dの距離に設定された射出瞳である。ここで、距離dは、マイクロレンズの曲率、屈折率、マイクロレンズと光電変換部の間の距離などに応じて決まる距離であって、以下では測距瞳距離と呼ぶ。なお、この測距瞳距離dは、交換レンズ群の射出瞳面の平均的な位置あるいはその近傍の位置に合わせるように設定される。
【0023】
91は交換レンズの光軸、50、60はマイクロレンズ、52と53および62と63は焦点検出画素の対の光電変換部、72,73、82,83は焦点検出光束である。また、92はマイクロレンズ50、60により投影された光電変換部52,62の領域(測距瞳と呼ぶ)、93はマイクロレンズ50、60により投影された光電変換部53,63の領域(測距瞳)である。
【0024】
なお、図11では、光軸91上にある焦点検出画素(マイクロレンズ50と一対の光電変換部52、53からなる)と、隣接する焦点検出画素(マイクロレンズ60と一対の光電変換部62、63からなる)を模式的に例示するが、その他の焦点検出用画素においても、一対の光電変換部はそれぞれ一対の測距瞳から各マイクロレンズに到来する光束を受光する。なお、焦点検出画素の配列方向は一対の測距瞳の並び方向と一致させる。
【0025】
マイクロレンズ50、60は光学系の予定結像面近傍に配置されており、光軸91上に配置されたマイクロレンズ50により、その背後に配置された一対の光電変換部52、53の形状がマイクロレンズ50、60から投影距離dだけ離間した射出瞳90上に投影され、その投影形状は測距瞳92,93を形成する。また、光軸91から離間して配置されたマイクロレンズ60により、その背後に配置された一対の光電変換部62、63の形状が投影距離dだけ離間した射出瞳90上に投影され、その投影形状は測距瞳92,93を形成する。すなわち、投影距離d0にある射出瞳90上で各焦点検出画素の光電変換部の投影形状(測距瞳92,93)が一致するように、各画素の投影方向が決定されている。
【0026】
光電変換部52は測距瞳92を通過し、マイクロレンズ50に向う焦点検出光束72によりマイクロレンズ50上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。光電変換部53は測距瞳93を通過し、マイクロレンズ50に向う焦点検出光束73によりマイクロレンズ50上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。光電変換部62は測距瞳92を通過し、マイクロレンズ60に向う焦点検出光束82によりマイクロレンズ60上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。光電変換部63は測距瞳93を通過し、マイクロレンズ60に向う焦点検出光束83によりマイクロレンズ60上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
【0027】
このような焦点検出用画素を直線状に多数配置し、各画素の一対の光電変換部の出力を測距瞳92および測距瞳93に対応した出力グループにまとめることによって、測距瞳92と測距瞳93を各々通過する焦点検出光束が焦点検出画素列上に形成する一対の像の強度分布に関する情報が得られる。この情報に対して後述する像ズレ検出演算処理(相関演算処理および位相差検出処理)を施すことによって、いわゆる瞳分割位相差検出方式で一対の像の像ズレ量が検出される。さらに、像ズレ量に一対の測距瞳の重心間隔に応じた変換演算を行うことによって、予定結像面に対する現在の結像面(予定結像面上のマイクロレンズアレイの位置に対応した焦点検出位置における結像面)の偏差(デフォーカス量)が算出される。
【0028】
なお、上記説明では測距瞳が絞り開口によって制限されていない状態として説明を行ったが、実際は測距瞳が絞り開口やそのほかの開口制限要素(レンズ外形、フードなど)によって制限された形状、大きさになる。
【0029】
図12および図13は、射出瞳面における光電変換部の投影関係を示す正面図である。図12において、第1焦点検出画素311(図5参照)から一対の光電変換部12、13をマイクロレンズにより射出瞳面90に投影した測距瞳922,933の外接円は、結像面から見た場合に所定の開口F値(測距瞳F値という。ここではF2.8)となる。破線で示す領域901は、絞り値F2.8よりも開口径が大きな絞り値、例えばF2に対応した領域を示し、測距瞳922,933を内部に包含する。
【0030】
測距瞳922、933の並び方向(図では水平方向)において、測距瞳922、933を通過する光束(焦点検出光束)の重心952,953の間隔G1は、測距瞳922、933を通過する光束(焦点検出光束)によって予定焦点面に形成される一対の像の像ズレ量(光軸と垂直な面内のズレ量)を光軸方向のズレ量(デフォーカス量)に変換する際の変換パラメータとなる。交換レンズの絞り値が測距瞳F値2.8より大きくなると、一対の焦点検出光束の重心間隔G1が変化する。また、焦点検出エリアの位置が画面周辺にある場合には、絞り以外の開口制限要素によって焦点検出光束が制限され、一対の焦点検出光束の重心間隔G1が変化する。
【0031】
一方、図13において、第2焦点検出画素312(図6参照)から一対の光電変換部14、15をマイクロレンズ10により射出瞳面90に投影した測距瞳924,935の外接円は、結像面から見た場合に所定の開口F値となる。この開口F値は、測距瞳の並び方向の測距瞳の幅に対応し、以下では測距瞳F値という。この一実施の形態ではF8とする。破線で示す領域901は、絞り値F2.8よりも開口径が大きな絞り値、例えばF2に対応した領域を示し、測距瞳924,935を内部に包含する。
【0032】
測距瞳924,935の並び方向(図では水平方向)において、測距瞳924、935を通過する光束(焦点検出光束)の重心952,953の間隔G2は、測距瞳924、935を通過する光束(焦点検出光束)によって予定焦点面に形成される一対の像の像ズレ量(光軸と垂直な面内のズレ量)を光軸方向のズレ量(デフォーカス量)に変換する際の変換パラメータとなる。交換レンズの絞り値が測距瞳F値8より小さい場合には、一対の焦点検出光束の重心間隔G2は一定である。また、測距瞳F値が大きいので、焦点検出エリアの位置が画面周辺にある場合でも絞り以外の開口制限要素によって焦点検出光束が制限されず、一対の焦点検出光束の重心間隔G2が変化しない。
【0033】
図14は、画面周辺の焦点検出位置における焦点検出画素の像信号の強度分布(光量)を縦軸、焦点検出画素の位置を横軸にとって示したものである。焦点検出光束にケラレが生じていない場合には、一対の像データ400,401は、図14(a)に示すように、同一の像データ波形が単に横にシフトしたものとなっている。焦点検出光束にケラレが発生すると、測距瞳を通る焦点検出光束の量が焦点検出位置および焦点検出位置内での位置偏差によって変化し、一対の像データ402,403は図14(b)のようになり、同一のデータを相対的にシフトしたものにはならない。
【0034】
図15は、図1に示すデジタルスチルカメラ(撮像装置)の動作を示すフローチャートである。ボディ駆動制御部214は、ステップ100でカメラの電源が投入されるとステップ110以下の動作を繰り返し実行する。ステップ110において、不図示の測光装置によって測光した被写界輝度に応じて自動的に決定された撮影絞り値、あるいは不図示の操作部材によってユーザーが手動で設定した撮影絞り値に応じた絞り制御情報をレンズ駆動制御装置206へ送り、絞り開口径を撮影絞り値に設定する。さらに、この絞り開口径にて撮像画素のデータを間引き読み出しし、電子ビューファインダーに表示させる。
【0035】
ステップ120では、絞り開口径が撮影絞り値に設定された状態で、選択された焦点検出エリアに対応する焦点検出画素列からデータを読み出す。なお、焦点検出エリアはユーザーが不図示の選択部材を操作して選択する。ステップ130で、焦点検出画素列から読み出した一対の像データに基づいて後述する像ズレ検出演算処理(相関演算処理)を行い、像ズレ量を演算し、さらにデフォーカス量を算出する。ステップ140で合焦近傍か否か、つまり算出されたデフォーカス量の絶対値が所定値以内か否かを判別する。
【0036】
合焦近傍でないと判別された場合はステップ150へ進み、デフォーカス量をレンズ駆動制御装置206へ送信し、交換レンズ202のフォーカシングレンズ210を合焦位置に駆動させ、ステップ110へ戻って上記動作を繰り返す。なお、焦点検出不能な場合もこのステップに分岐し、レンズ駆動制御装置206にスキャン駆動命令を送信し、交換レンズ202のフォーカシングレンズ210を無限から至近までの間でスキャン駆動させ、ステップ110へ戻って上記動作を繰り返す。
【0037】
一方、合焦近傍であると判別された場合はステップ160へ進み、不図示のレリーズボタンの操作によりシャッターレリーズがなされたか否かを判別し、なされていないと判別された場合はステップ110へ戻って上記動作を繰り返す。一方、シャッターレリーズがなされたと判定された場合はステップ170へ進み、レンズ駆動制御装置206へ絞り制御情報を送信し、交換レンズ202の絞り値を撮影絞り値にする。絞り制御が終了した時点で撮像素子212に撮像動作を行わせ、撮像素子212の撮像画素301およびすべての焦点検出画素311、312から画像データを読み出す。
【0038】
ステップ180において、焦点検出画素列の各画素位置の画素データを焦点検出画素のデータおよび周囲の撮像画素のデータに基づいて補間する。続くステップ190では、撮像画素のデータおよび補間されたデータからなる画像データをメモリーカード219に保存し、ステップ110へ戻って上記動作を繰り返す。
【0039】
図16は、図15のステップ130における像ズレ量演算処理の詳細を示すフローチャートである。ステップ200において、焦点検出エリア101における第1焦点検出画素列のデータおよび第2焦点検出画素列のデータ、焦点検出エリア102における第1焦点検出画素列のデータおよび第2焦点検出画素列のデータに対し、それぞれ焦点検出演算処理(相関演算処理)を行い、焦点検出エリア101の第1焦点検出画素列のデータに対応した像ズレ量x11、焦点検出エリア101の第2焦点検出画素列のデータに対応した像ズレ量x12、焦点検出エリア102の第1焦点検出画素列のデータに対応した像ズレ量x21、焦点検出エリア101の第2焦点検出画素列のデータに対応した像ズレ量x22を算出する。
【0040】
ここで、焦点検出演算処理(相関演算処理)について説明する。図17は、図16のステップ200における焦点検出演算処理の詳細を示すフローチャートである。ステップ300で焦点検出演算処理(相関演算処理)を開始し、ステップ310において、焦点検出画素列から出力される一対のデータ列(α1〜αM、β1〜β:Mはデータ数)に対し(1)式に示す高周波カットフィルタ処理を施し、第1データ列、第2データ列(A1〜AN、B1〜BN)を生成する。この高周波数カットフィルター処理により、データ列から相関処理に悪影響を及ぼすノイズ成分や高周波成分を除去することができる。なお、演算時間の短縮を図る場合や、すでに大きくデフォーカスしていて高周波成分が少ないことがわかっている場合には、ステップ310の処理を省略することもできる。
An=αn+2・αn+1+αn+2,
Bn=βn+2・βn+1+βn+2 ・・・(1)
(1)式において、n=1〜Nである。
【0041】
ステップ320では、データ列An、Bnに対し(2)式に示す相関演算を行い、相関量C(k)を演算する。
C(k)=Σ|An・Bn+1+k−Bn+k・An+1| ・・・(2)
(2)式において、Σ演算はnについて累積される。また、nのとる範囲はずらし量kに応じてAn、An+1、Bn+k、Bn+1+kのデータが存在する範囲に限定される。ずらし量kは整数であり、データ列のデータ間隔を単位とした相対的シフト量である。(2)式の相関演算により、2つのデータ列間にゲイン差がある場合(図14(b)参照)においても正確に像ズレ検出が可能になる。
【0042】
ステップ330において、上記(2)式の演算結果は、図18(a)に示すように、一対のデータの相関が高いシフト量(図18(a)ではk=kj=2)において相関量C(k)が極小(小さいほど相関度が高い)になる。(3)式〜(6)式に示す3点内挿の手法を用いて連続的な相関量に対する極小値C(k)を与えるシフト量xを求める。
x=kj+D/SLOP ・・・(3),
C(k)= C(kj)−|D| ・・・(4),
D={C(kj-1)−C(kj+1)}/2 ・・・(5),
SLOP=MAX{C(kj+1)−C(kj)),C(kj-1)−C(kj)} ・・・(6)
【0043】
(3)式で算出されたずらし量xの信頼性があるかどうかは、以下のようにして判定される。図18(b)に示すように、一対のデータの相関度が低い場合は、内挿された相関量の極小値C(x)の値が大きくなる。したがって、C(x)が所定の閾値以上の場合は算出されたずらし量の信頼性が低いと判定し、算出されたずらし量xをキャンセルする。あるいは、C(x)をデータのコントラストで規格化するために、コントラストに比例した値となるSLOPでC(x)を除した値が所定値以上の場合は、算出されたずらし量の信頼性が低いと判定し、算出されたずらし量xをキャンセルする。あるいはまた、コントラストに比例した値となるSLOPが所定値以下の場合は、被写体が低コントラストであり、算出されたずらし量の信頼性が低いと判定し、算出されたずらし量xをキャンセルする。
【0044】
図18(c)に示すように、一対のデータの相関度が低く、シフト範囲kmin〜kmaxの間で相関量C(k)の落ち込みがない場合は、極小値C(x)を求めることができず、このような場合は焦点検出不能と判定する。図17のステップ340で焦点検出演算処理(相関演算処理)を終了しリターンする。
【0045】
なお、ステップ320において次の(7)式または(8)式に示す相関演算を行い、相関量C(k)を演算してもよい。
C(k)=Σ|An/An+1−Bn+k/Bn+1+k| ・・・(7)
(7)式において、Σ演算はnについて累積される。また、nのとる範囲はずらし量kに応じてAn、An+1、Bn+k、Bn+1+kのデータが存在する範囲に限定される。
C(k)=Σ|An−Bn+k| ・・・(8)
(8)式において、Σ演算はnについて累積される。また、nのとる範囲はずらし量kに応じてAn、Bn+kのデータが存在する範囲に限定される。
【0046】
ふたたび図16へ戻って説明を続ける。ステップ210において、4つの像ズレ量x11、x12、x21、x22に基づいて、図12に示す第1焦点検出画素に対応した測距瞳922,933の重心間隔G1を補正し、補正重心間隔G1’とする。
【0047】
ここで、測距瞳の重心間隔、像ズレ量、デフォーカス量の関係を説明する。図19および図20は、射出瞳面における一対の光電変換部投影関係を示す正面図である。図12および図13において、第1焦点検出画素311(図5参照)に対応する測距瞳922、933、および第2焦点検出画素312(図6参照)に対応する測距瞳924、935は、交換レンズの絞り開口に対応する領域901によりけられていない状態であった。図19および図20では、第1焦点検出画素311(図5参照)に対応する測距瞳922、933、および第2焦点検出画素312(図6参照)に対応する測距瞳924、935が、絞りF値が大きな交換レンズの絞り開口に対応する領域902によりけられた状態を示している。
【0048】
図19において、測距瞳922,933の外接円より領域902が小さくなっており(領域902の大きさに対応する絞り値が第1焦点検出画素の測距瞳F値より大きい)、領域902によって制限された測距瞳922,933を通過する光束(焦点検出光束)の重心962,963の間隔はG1’となる。
【0049】
図20において、領域902によって制限された測距瞳924,935を通過する光束(焦点検出光束)の重心954,955の間隔G2は、領域902の大きさに対応する絞り値が第2焦点検出画素の測距瞳F値より小さな場合には測距瞳924,935がけられていない場合と比べて変化しない。
【0050】
図21は画面周辺における測距瞳のケラレを説明する図である。図19および図20では、単純に射出瞳面90における絞り開口径が小さくなったことによって測距瞳にケラレが生じた場合であるが、絞り開口径が小さくなる以外にも測距瞳にケラレが生じる場合がある。図21に示すように、焦点検出エリアの位置が予定焦点面P0に設定された画面周辺のSにある場合、射出瞳面90にある絞り開口径によって測距瞳92,93にケラレが生じていないが、射出瞳面90より遠方にある面99に存在する開口制限要素98によって測距瞳92にケラレが生じる。
【0051】
図22および図23は、図21に示す状態における射出瞳面の投影関係を示す正面図である。図22および図23においては、図12および図13に示す状態に開口制限要素98に対応した領域903を付け加えた状態を示している。図22において、測距瞳922が領域903によりけられており、領域903によって制限された測距瞳922を通過する光束(焦点検出光束)の重心972は、けられていない場合の重心952より中心によっている。一方、測距瞳933は領域903によりけられず、測距瞳922を通過する光束(焦点検出光束)の重心953の位置は変化しない。したがって、測距瞳重心972と953の間隔はケラレが生じていない場合の重心間隔G1より狭い重心間隔G1’となる。
【0052】
図23において、測距瞳F値が大きいため領域903によって測距瞳924,935にはケラレが生じない。したがって、測距瞳924,935を通過する光束(焦点検出光束)の重心954,955の間隔G2は変化しない。
【0053】
図24は測距瞳重心間隔と像ズレ量の関係を示す図である。予定焦点面P0の前方にある射出瞳面90において、測距瞳重心間隔G1’である一対の焦点検出光束が、予定焦点面P0の前方d0にある面P3に合焦している場合、予定焦点面P0における像ズレ量はx1となる。一方、射出瞳面90において、測距瞳重心間隔G2である一対の焦点検出光束が、予定焦点面P0の前方d0にある面P3に合焦している場合、予定焦点面P0における像ズレ量はx2となる。
【0054】
図25は像ズレ量からデフォーカス量への変換を説明するための図である。図において、402,403は測距瞳の重心、P0は予定焦点面、P1は予定焦点面P0を基準として射出瞳面90と反対方向に離れた面、P2は予定焦点面P0を基準として射出瞳面90方向に寄った面である。面P1が合焦面であった場合は、測距瞳の重心402,403を通る光線の予定焦点面でのズレ量はxP1となる。なお、ズレ量は、重心403を通る光線の位置を基準として紙面の上方向を+とする。面P2が合焦面であった場合は、測距瞳の重心402,403を通る光線の予定焦点面でのズレ量はxP2となる。
【0055】
面P1,P2の予定焦点面P0に対するデフォーカス量はdP1、dP2となる。ここでは、デフォーカス量は予定焦点面P0を基準として射出瞳面90方向を+とする。一般に、像ズレ量x、重心間隔G、測距瞳距離dとすると、デフォーカス量Dは次式で求められる。
D=x・d/(G+x) ・・・(9)
【0056】
ふたたび図16に戻り、ステップ210の説明を続ける。重心間隔G2については設計値あるいは測定値により予め定めて記憶されている。ケラレが発生した場合の重心間隔G1’については、交換レンズの種類やフォーカシング状態、ズーミング状態、フードの有無などの条件によって複雑に変化するため、測定値や設計値を記憶しておいあたり、計算で求めることは実用的には不可能である。そこで、4つの像ズレ量x11、x12、x21、x22および重心間隔G2より演算により求める。
【0057】
図24に示すように、同一の焦点検出エリアにおいては2つの像ズレ量x11、x12およびx21、x22は、同一のデフォーカス量(焦点検出エリア101のデフォーカス量D1、焦点検出エリア102のデフォーカス量D2)となるはずである。また、2つの焦点検出エリアの位置は画面上で光軸を中心とした同心円上にあるので、2つの焦点検出エリアにおける焦点検出光束のケラレも同一の状態で発生する。
【0058】
(9)式により、像ズレ量x11、x12およびx21、x22からデフォーカス量D1、D2を求めると以下の式になる。
D1=x11・d/(G1’+x11)=x12・d/(G2+x12) ・・(10)
D2=x21・d/(G1’+x21)=x22・d/(G2+x22) ・・(11)
(10)式、(11)式を変形して重心間隔G1’を求める。ここでは、便宜的に(10)式から求めた重心間隔G1’をG11’とし、(11)式から求めた重心間隔G1’をG12’とする。
G11’=(G2+x12)・x11/x12−x11 ・・・(12)
G12’=(G2+x22)・x21/x22−x21 ・・・(13)
【0059】
(12)式および(13)式で求めた重心間隔を平均するとともに、前回の焦点検出の際求めた重心間隔G10’と加重加算平均して今回の重心間隔G1’を求める。
G1’=k1・(G11’+G12’)/2+k2・G10’,
k1+k2=1 ・・・(14)
なお、初回の焦点検出の場合は前回の重心間隔がないので、G10’としてケラレがない場合の重心間隔G1を使用したり、G1’として(G11’+G12’)/2を採用する。また、どちらかの焦点検出エリアにおいて一方または両方の像ズレ量が検出できなかった場合には、(G11’+G12’)/2の代わりにG11’あるいはG12’を採用する。さらに、両方の焦点検出エリアにおいて一方または両方の像ズレ量が検出できなかった場合には、G1’としてG10’を採用する。係数k1の値と係数k2の値の比に応じて平均化作用の強弱をコントロールすることができる。
【0060】
ステップ220において、(14)式で求めた補正重心間隔G1’に基づいて、選択された焦点検出エリアのデフォーカス量DEFを算出する。焦点検出エリア101が選択されている場合は、
DEF=x11・d/(G1’+x11) ・・・(15)
焦点検出エリア102が選択されている場合は、
DEF=x21・d/(G1’+x21) ・・・(16)
ステップ230でリターンする。
【0061】
なお、(12)式および(13)式において、像ズレ量x11、x12、x21、x22が重心間隔G1’、G2に比較して小さい場合には、以下の簡略式を使用することができる。
G11’=G2・x11/x12 ・・・(17)
G12’=G2・x21/x22 ・・・(18)
【0062】
以上説明したように、重心間隔が変化した測距瞳を通過する一対の焦点検出光束により形成される一対の像の像ズレ量と、重心間隔が変化しない測距瞳を通過する一対の焦点検出光束により形成される一対の像の像ズレ量との比に基づいて、変化した重心間隔を求める。
【0063】
《発明の一実施の形態の変形例》
この変形例では、瞳分割はマイクロレンズとその背後配置された受光部によって行われる。1つのマイクロレンズには1つの受光部が備えられる。図5、図6に示す焦点検出画素は1画素に一対の光電変換部を備えているが、1画素に一対の受光部の内の一方のみを備えるようにしても焦点検出を行うことができる。例えば図5、図6に示す焦点検出画素の代わりに、図26(a)、(b)に示す焦点検出画素313,314を交互に、また図27(a)、(b)に示す焦点検出画素315,316を交互に配列することによって、図5、図6に示す焦点検出画素と同様にして焦点検出が可能となる。
【0064】
図26(a)に示す焦点検出画素313は、図5に示す光電変換部13に対応したひとつの光電変換部16を備え、図26(b)に示す焦点検出画素314は、図5に示す光電変換部12に対応したひとつの光電変換部17を備える。また、図27(a)に示す焦点検出画素315は、図6に示す光電変換部15に対応したひとつの光電変換部18を備え、図27(b)に示す焦点検出画素316は、図6に示す光電変換部14に対応したひとつの光電変換部19を備える。
【0065】
図28は、第1焦点検出画素として図26に示す焦点検出画素313、314を採用し、第2焦点検出画素として図27に示す焦点検出画素315、316を採用して配置した撮像素子212Aを示す。図28において、焦点検出画素313,314および焦点検出画素315,316による像の検出ピッチは1画素おきとなる。このような構成の撮像素子212Aでは、1画素に一対の光電変換部を詰め込む場合に比較して、撮像素子の構成がシンプルになり、製造が容易となり、コスト低減が図れる。
【0066】
《発明の第1の実施の形態の変形例》
この変形例では、瞳分割を再結像型瞳分割方式によって行う。図29は再結像型瞳分割方式の構成を示す。焦点検出エリアの配置は図2に示す配置と同じであり、1つの焦点検出エリアに対し異なる測距瞳を備えた2つの再結像型瞳分割方式の構成が適用される。再結像光学系は、開口部370、470を有する視野マスク371、コンデンサーレンズ372、2対の絞り開口部373,374、473,474を有する絞りマスク375、2対の再結像レンズ376,377、476,477からなり、イメージセンサ379は2対の受光部380,381、480,481からなる。視野マスク371は撮影光学系の予定焦点面またはその近傍に配置される。開口部370、470が図2の片方の焦点検出エリアの位置に配置される。
【0067】
コンデンサレンズ372は、視野マスク開口部370に対応した部分と、視野マスク開口部470に対応した部分からなり、1対の絞り開口部373,374は、コンデンサーレンズ372により撮影光学系の射出瞳近傍の面90の光軸に対して対称な1対の領域331、332に投影されており、1対の絞り開口部473,474は、コンデンサーレンズ372により撮影光学系の射出瞳近傍の面90の光軸に対して対称な1対の領域341、342に投影されている。一対の領域331,332および一対の領域341、342は、測距瞳を形成している。測距瞳341,342の並び方向の幅(測距瞳F値)は、測距瞳331,332の並び方向の幅(測距瞳F値)よりも小さく設定されており、マイクロレンズ型の瞳分割方式の測距瞳の関係(図12、図13)と同じ関係になっている。
【0068】
1対の領域331、332を通る光束は、視野マスク371の開口370付近でまず一次像を形成する。視野マスク371の開口部370に形成された一次像は、コンデンサーレンズ372、1対の絞り開口部373,374を通り、1対の再結像レンズ376,377によりイメージセンサ379の受光部380,381上に1対の二次像として再結像される。また、1対の領域341、342を通る光束は、視野マスク371の開口470付近でまず一次像を形成する。視野マスク371の開口部470に形成された一次像は、コンデンサーレンズ372、1対の絞り開口部473,474を通り、1対の再結像レンズ476,477によりイメージセンサ379の受光部480,481上に1対の二次像として再結像される。
【0069】
これらの2対の二次像の光強度分布は、受光部380,381、480,481により電気的な画像データに変換される。画像データに対し像ズレ演算処理を施すことによって、一方の焦点検出エリアに対し2つの像ズレ量が算出される。上記と同じ構成がもう一方の焦点検出エリアに対応して配置されている。以上のような構成において、2箇所の焦点検出エリアに対し、測距瞳F値の異なる像ズレ量をそれぞれ検出されることになる。この4つの像ズレ量に対し(12)式〜(16)式を適用することが可能になる。
【0070】
図29においては、開口部370と開口部470を近接させた構成をとっているが、射出瞳面から予定焦点面の間でハーフミラーなどにより光路を分割し、それぞれの光路に開口部370を有した焦点検出光学系と開口部470を有した焦点検出光学系を配置することによって、焦点検出位置を完全に一致させることもできる。
【0071】
《発明の第2の実施の形態》
この第2の実施の形態では、ケラレによって生ずる測距瞳の重心間隔の変化を、測距瞳の並び方向が直交する測距瞳を通る焦点検出光束に基づいて求められた2つの像ズレ量の比によって求める。なお、瞳分割はマイクロレンズとその背後配置された一対の受光部によって行われる。撮像装置の構成は図1と同一である。
【0072】
図30は、撮像画面上における焦点検出位置、すなわち後述する焦点検出画素列が焦点検出の際に画面上で像をサンプリングする領域(焦点検出エリア、焦点検出位置)の例を示す。画面100上の中央105を挟んだ水平方向の左右に焦点検出エリア103、104が配置される。焦点検出エリア103は、像ズレ方向が水平方向、すなわち測距瞳の並び方向が画面中心105から放射方向の焦点検出エリア103aと、像ズレ検出方向が垂直方向、すなわち測距瞳の並び方向が画面中心105に対して円周方向の焦点検出エリア103bとからなる。焦点検出エリア104は、像ズレ方向が水平方向、すなわち測距瞳の並び方向が画面中心105から放射方向の焦点検出エリア104aと、像ズレ検出方向が垂直方向、すなわち測距瞳の並び方向が画面中心105に対して円周方向の焦点検出エリア104bとからなる。2つの焦点検出エリア103、104は、画面中央105を中心とした所定半径の円周103上に位置する。
【0073】
図31は、変形例の撮像素子212Bの詳細な構成を示す正面図であり、撮像素子上のひとつの焦点検出エリア近傍を拡大した図である。撮像素子212Bは撮像画素310、像ズレ方向が水平方向、すなわち測距瞳の並び方向が画面中心105から放射方向の焦点検出エリアに対応した焦点検出画素321、像ズレ検出方向が垂直方向、すなわち測距瞳の並び方向が画面中心105に対して円周方向の焦点検出エリアに対応した焦点検出画素322から構成される。焦点検出画素321,322の基本的な構造および瞳分割の原理は、上述した第1実施形態で説明した焦点検出画素311と同一である。焦点検出画素321は水平方向に1画素おきに配置される。また、焦点検出画素322は垂直方向に1画素おきに配置される。
【0074】
図32および図33は、射出瞳面における一対の光電変換部の投影関係を示す正面図である。図32において、焦点検出画素321から一対の光電変換部をマイクロレンズにより射出瞳面90に投影した測距瞳922,933の外接円は、結像面から見た場合に所定の開口F値(測距瞳F値と呼ぶ。ここではF2.8)となる。破線で示す領域901は、絞り値F2.8よりも開口径が大きな絞り値(例えばF2)に対応した領域を示し、測距瞳922,933を内部に包含する。測距瞳922,933の並び方向(図では水平方向)における測距瞳922、933を通過する光束(焦点検出光束)の重心952,953の間隔はG1となる。
【0075】
図33において、焦点検出画素322から一対の光電変換部をマイクロレンズにより射出瞳面90に投影した測距瞳822,833の外接円は、結像面から見た場合に所定の開口F値(測距瞳F値と呼ぶ。ここではF2.8)となる。破線で示す領域901は、絞り値F2.8よりも開口径が大きな絞り値(例えばF2)に対応した領域を示し、測距瞳922,933を内部に包含する。測距瞳822,823の並び方向(図では垂直方向)における測距瞳822、833を通過する光束(焦点検出光束)の重心852,853の間隔はG2(=G1)となる。
【0076】
図34および図35は、図21の状態における射出瞳面の投影関係を示す正面図である。図34および図35において、図32および図33の状態に開口制限要素98に対応した領域903を付け加えた状態を示している。図34において、測距瞳922が領域903によりけられており、領域903によって制限された測距瞳922を通過する光束(焦点検出光束)の重心972はけられていない場合の重心952より中心によっている。一方、測距瞳933は領域903によりけられず、測距瞳922を通過する光束(焦点検出光束)の重心953の位置は変化しない。したがって、測距瞳重心972と953の間隔は、ケラレが生じていない場合の重心間隔G1より狭い重心間隔G1’となる。
【0077】
図35において、ケラレが測距瞳822,823に対称的に発生しているので、領域903によって測距瞳822,823の重心位置852,853は変化せず、したがって測距瞳822,823を通過する光束(焦点検出光束)の重心954,955の間隔G2は変化しない。
【0078】
以上の構成により、図30に示した2つの焦点検出エリア103,104のそれぞれに対して、ケラレにより測距瞳重心間隔が変化する焦点検出系の像ズレ量と、ケラレにより測距瞳重心間隔が変化しない焦点検出系の像ズレ量とが求められる。この4つの像ズレ量に対して(12)式〜(16)式を適用することにより、重心間隔の変化を補正したデータによりデフォーカス量検出が可能になる。
【0079】
第2実施形態においては、同一の焦点検出エリアにおいて直交する2方向において像ズレ検出が可能になるというメリットがある。
【0080】
《発明の第2の実施の形態の変形例》
この変形例では、瞳分割がマイクロレンズとその背後配置された受光部によって行われる。1つのマイクロレンズには1つの受光部が備えられる。図26に示した焦点検出画素を図31の焦点検出画素の配列に適用することによって、同様にして重心間隔の変化を補正したデータによりデフォーカス量検出が可能になる。
【0081】
《発明の第2の実施の形態の他の変形例》
この変形例では、瞳分割が再結像型瞳分割方式によって行われる。図36は再結像型瞳分割方式の構成を示す。焦点検出エリアの配置は図2に示す配置と同じであるが、1つの焦点検出エリアに対し測距瞳の並び方向が異なる測距瞳を備えた2つの再結像型瞳分割方式の構成が適用される。再結像光学系は開口部370、570を有する視野マスク371、コンデンサーレンズ372、2対の絞り開口部373,374、573,574を有する絞りマスク375、2対の再結像レンズ376,377、576,577からなり、イメージセンサ379は2対の受光部380,381、580,581からなる。視野マスク371は撮影光学系の予定焦点面またはその近傍に配置される。
【0082】
開口部370、570が図2に示す片方の焦点検出エリアの位置に配置されており、開口部370は図30の焦点検出領域103a(または104a)、開口部570は図30に示す焦点検出領域103b(または104b)に対応している。1対の絞り開口部373,374は、コンデンサーレンズ372により撮影光学系の射出瞳近傍の面90の光軸に対して対称な1対の領域331、332に投影されており、1対の絞り開口部573,574は、コンデンサーレンズ372により撮影光学系の射出瞳近傍の面90の光軸に対して対称な1対の領域351、352に投影されている。一対の領域331,332および一対の領域351、352は測距瞳を形成している。測距瞳331,332の並び方向と測距瞳331,332の並び方向は直交しており、図32および図33に示した測距瞳の関係と同じ関係になっている。
【0083】
1対の領域331、332を通る光束は、視野マスク371の開口370付近でまず一次像を形成する。視野マスク371の開口部370に形成された一次像は、コンデンサーレンズ372、1対の絞り開口部373,374を通り、1対の再結像レンズ376,377によりイメージセンサ379の受光部380,381上に1対の二次像として再結像される。1対の領域351、352を通る光束は、視野マスク371の開口570付近でまず一次像を形成する。視野マスク371の開口部570に形成された一次像は、コンデンサーレンズ372、1対の絞り開口部573,574を通り、1対の再結像レンズ576,577によりイメージセンサ379の受光部580,581上に1対の二次像として再結像される。これらの2対の二次像の光強度分布は、受光部380,381、580,581により電気的な画像データに変換される。画像データに対し像ズレ演算処理を施すことによって、一方の焦点検出エリアに対し2つの像ズレ量が算出される。上記と同じ構成がもう一方の焦点検出エリアに対応して配置されている。
【0084】
以上のような構成において、2箇所の焦点検出エリアに対し、ケラレにより測距瞳重心間隔が変化する焦点検出系の像ズレ量と、ケラレにより測距瞳重心間隔が変化しない焦点検出系の像ズレ量とが求められる。この4つの像ズレ量に対し(12)式〜(16)式を適用することによって、重心間隔の変化を補正したデータによりデフォーカス量検出が可能になる。
【0085】
《発明の第3の実施の形態》
撮影光学系の絞りを変化させて測距瞳F値が変化した測距瞳を通る焦点検出光束に基づいて求められた2つの像ズレ量の比により、ケラレによって生ずる測距瞳の重心間隔の変化を求めるようにした第3の実施の形態を説明する。この実施の形態では、瞳分割がマイクロレンズとその背後配置された一対の受光部によって行われる。なお、この一実施の形態では、撮像装置の構成は図1に示す構成と同様であり、焦点検出位置の配置は図2に示す配置と同様である。
【0086】
図37は撮像素子212Cの詳細な構成を示す正面図である。この撮像素子212Cは、図3に示す構成から焦点検出画素312を省略したものである。射出瞳面における測距瞳の関係は図12に示す関係と同様である。
【0087】
図38および図39は、図21の状態における射出瞳面における測距瞳関係を示す正面図である。図38および図39においては、図12の状態に開口制限要素98に対応した領域903を付け加えた状態を示している。図38において、測距瞳922が領域903によりけられており、領域903によって制限された測距瞳922を通過する光束(焦点検出光束)の重心972はけられていない場合の重心952より中心によっている。一方、測距瞳933は領域903によりけられず、測距瞳922を通過する光束(焦点検出光束)の重心953の位置は変化しない。したがって、測距瞳重心972と953の間隔はケラレが生じていない場合の重心間隔G1より狭い重心間隔G1’となる。
【0088】
図39において、領域903によるケラレの影響がなくなるよう撮影光学系の絞り径を絞って(絞り値を大きくして)おり、その範囲を破線801で示している。領域801によって制限された測距瞳922,933を通過する光束(焦点検出光束)の重心982,983はけられていない場合の重心952,953より中心によっている。重心982,983の間隔G3は、絞り以外の開口制限要素でけられが発生しないので、予め測定または演算により求めて記憶しておくことができる。
【0089】
以上の構成により図2に示す2つの焦点検出エリア103,104のそれぞれに対して、光学系の絞り開口を絞らない状態(図38の測距瞳の状態)での像ズレ量と、光学系の絞り開口を絞った状態(図39の測距瞳の状態)での像ズレ量とが求められる。この4つの像ズレ量に対し(12)式〜(16)式を適用することによって、重心間隔の変化を補正したデータによりデフォーカス量検出が可能になる。
【0090】
図40は、第3の実施の形態における図15のステップ120〜130の処理を示すフローチャートである。ステップ400において、絞り開口径が撮影絞り値に設定された状態で焦点検出エリア101,102における焦点検出画素列のデータを読出し、これらのデータに各々焦点検出演算処理(相関演算処理)を行い、焦点検出エリア101および102における像ズレ量x11、x21を算出する。ステップ410では、絞り開口径を、予め記憶されているケラレがなくなる交換レンズの絞り径まで絞り込んだ状態で焦点検出エリア101,102における焦点検出画素列のデータを読出し、これらのデータに各々焦点検出演算処理(相関演算処理)を行い、焦点検出エリア101および102における像ズレ量x12、x22を算出する。
【0091】
ステップ420において、4つの像ズレ量に(12)式〜(14)式を適用することによって、絞り開口径が撮影絞り値に設定された状態での測距瞳重心間隔G1’を算出する。なお、(12)式、(13)式において、重心間隔G2の代わりに、絞りを所定値に絞り込んだ状態における重心間隔G3を用いる。ステップ430で補正重心間隔G1’に基づいて(15)式または(16)式により選択された焦点検出エリアのデフォーカス量DEFを算出する。その後、ステップ440でリターンする。
【0092】
この第3の実施の形態によれば、一つの焦点検出エリアにおいて複数の焦点検出画素配列を必要としないというメリットがある。
【0093】
《発明の第3の実施の形態の変形例》
この変形例では、瞳分割がマイクロレンズとその背後配置された受光部によって行われる。1つのマイクロレンズには1つの受光部が備えられる。図26に示す焦点検出画素を図37の焦点検出画素の配列に適用することによって、図41に示す撮像素子212Dを構成することができる。このような構成においても、絞り開口径を変化させることによって測距重心間隔の変化を補正したデータを求め、これらのデータに基づいてデフォーカス量検出が可能になる。
【0094】
《発明の第3の実施の形態の他の変形例》
この変形例では、瞳分割が再結像型瞳分割方式によって行われる。再結像光学系の構成は、図29において開口部370に対応する焦点検出光学系のみが存在する構成となる。このような構成においても、撮影光学系の絞り開口径を異ならせて求められた4つの像ズレ量に対して(12)式〜(16)式を適用することによって、重心間隔の変化を補正したデータによりデフォーカス量検出が可能になる。
【0095】
《その他の変形例》
上述した撮像素子では撮像画素がベイヤー配列の色フィルタを備えた例を示したが、色フィルタの構成や配列はこれに限定されることはなく、例えば補色フィルタ(緑:G、イエロー:Ye、マゼンタ:Mg,シアン:Cy)を採用してもよい。焦点検出画素はシアンとマゼンタ(出力誤差が比較的目立たない青成分を含む)が配置されるべき画素位置に配置される。
【0096】
上述した撮像素子では焦点検出画素に色フィルタを設けない例を示したが、撮像画素と同色の色フィルタの内、一つのフィルタ(たとえば緑フィルタ)を備えるようにした場合でも、本発明を適用することができる。
【0097】
上述した撮像素子では、撮像画素の一部に撮像画素の代わりに焦点検出画素を用いる例を示したが、全画素を焦点検出画素で構成してもよい。
【0098】
図1に示す撮像装置(カメラ)では、撮像素子を焦点検出用と撮像用とに兼用する例を示したが、焦点検出用撮像素子と撮像用撮像素子とを別個に設け、撮影光束を分割してそれぞれの撮像素子に撮影光束を導く構成とし、焦点検出と撮像を行うようにしてもよい。
【0099】
図15に示すフローチャートでは、補正した画像データをメモリーカードに保存する例を示したが、補正した画像データを電子ビューファインダーやボディの背面に設けられた不図示の背面モニター画面に表示するようにしてもよい。
【0100】
上述した撮像素子はCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサとして形成することができる。また、撮像装置は交換レンズをカメラボディに装着する構成のデジタルスチルカメラやフィルムスチルカメラに限定されず、レンズ一体型のデジタルスチルカメラやフィルムスチルカメラやビデオカメラにも適用できる。また、携帯電話などに内蔵される小型カメラモジュールや、監視カメラなどにも適用できる。あるいは、カメラ以外の焦点検出装置や測距装置やステレオ測距装置にも適用できる。
【0101】
上述したように、一実施の形態によれば、光学系の膨大なデータと複雑な演算処理を必要とせず、像ズレ量をデフォーカス量に変換するための変換係数を簡単な演算で正確に求めることができる上に、構成の異なる種々の光学系にも容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】一実施の形態の構成を示す図
【図2】撮像画面上の焦点検出位置を示す図
【図3】撮像素子の詳細な構成を示す正面図
【図4】撮像画素の構成を示す図
【図5】第1焦点検出画素の構成を示す図
【図6】第2焦点検出画素の構成を示す図
【図7】緑画素、赤画素および青画素の分光特性を示す図
【図8】焦点検出画素の分光特性を示す図
【図9】撮像画素の断面図
【図10】焦点検出画素の断面図
【図11】マイクロレンズを用いた瞳分割方式による焦点検出方法について説明するための図
【図12】射出瞳面における第1焦点検出画素の光電変換部の投影関係を示す正面図
【図13】射出瞳面における第2焦点検出画素の光電変換部の投影関係を示す正面図
【図14】画面周辺の焦点検出位置における焦点検出画素の像信号の強度分布(光量)を縦軸、焦点検出画素の位置を横軸にとって示した図
【図15】図1に示すデジタルスチルカメラ(撮像装置)の動作を示すフローチャート
【図16】図15のステップ130における像ズレ量演算処理の詳細を示すフローチャート
【図17】図16のステップ200における焦点検出演算処理の詳細を示すフローチャート
【図18】相関演算処理を説明する図
【図19】射出瞳面における第1焦点検出画素の一対の光電変換部投影関係を示す正面図
【図20】射出瞳面における第2焦点検出画素の一対の光電変換部投影関係を示す正面図
【図21】画面周辺における測距瞳のケラレを説明する図
【図22】第1焦点検出画素の図21に示す状態における射出瞳面の投影関係を示す正面図
【図23】第2焦点検出画素の図21に示す状態における射出瞳面の投影関係を示す正面図
【図24】測距瞳重心間隔と像ズレ量の関係を示す図
【図25】像ズレ量からデフォーカス量への変換を説明するための図
【図26】第1焦点検出画素の変形例の構成を示す図
【図27】第2焦点検出画素の変形例の構成を示す図
【図28】変形例の撮像素子の詳細な構成を示す正面図
【図29】再結像型瞳分割方式の構成を示す図
【図30】撮像画面上における焦点検出位置を示す図
【図31】変形例の撮像素子の詳細な構成を示す正面図
【図32】射出瞳面における一対の光電変換部の投影関係を示す正面図
【図33】射出瞳面における一対の光電変換部の投影関係を示す正面図
【図34】図21の状態における射出瞳面の投影関係を示す正面図
【図35】図21の状態における射出瞳面の投影関係を示す正面図
【図36】再結像型瞳分割方式の構成を示す図
【図37】変形例の撮像素子詳細な構成を示す正面図
【図38】図21の状態における射出瞳面における測距瞳関係を示す正面図
【図39】図21の状態における射出瞳面における測距瞳関係を示す正面図
【図40】第3の実施の形態における図15のステップ120〜130の処理を示すフローチャート
【図41】変形例の撮像素子の詳細な構成を示す図
【符号の説明】
【0103】
212、212A、212B、212C、212D 撮像素子
214 ボディ駆動制御装置
216 液晶表示素子
219 メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系の射出瞳の互いに異なる複数の領域対を通る光束によって形成される像を受光する受光手段と、
前記受光手段によって得られる信号に基づいて前記像のズレ量を検出する像ズレ量検出手段と、
前記複数の領域対のそれぞれに対応する前記像ズレ量と、一方の前記領域対に対応する前記像ズレ量をデフォーカス量に変換する変換係数とに基づいて、他方の前記領域対に対応する前記像ズレ量をデフォーカス量に変換する変換手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の焦点検出装置において、
前記複数の領域対は、対となる領域の重心間隔が互いに異なることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の焦点検出装置において、
前記変換手段は、前記複数の領域対の内の重心間隔の短い前記領域対に対する変換係数と2つの前記像ズレ量の比とに基づいて、前記複数の領域対の内の重心間隔が長い方の領域対に対応する像ズレ量をデフォーカス量に変換することを特徴とする焦点検出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の焦点検出装置において、
前記複数の領域対は、前記光学系の絞り開口径の違いにより形成されることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の焦点検出装置において、
前記変換手段は、前記複数の領域対の内の絞り開口径が小さい方の方の領域対に対する変換係数と2つの前記像ズレ量の比とに基づいて、前記複数の領域対の内の絞り開口径が大きい方の領域対に対応する像ズレ量をデフォーカス量に変換することを特徴とする焦点検出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の焦点検出装置において、
前記複数の領域対の並び方向は互いに異なり、
前記受光手段は、前記光学系の予定焦点面における前記光学系の光軸から偏った位置を通る光束を、前記光軸から放射方向に並ぶ対の光束として受光する第1受光部と、前記放射方向と直交する方向に並ぶ対の光束として受光する第2受光部とを有し、
前記変換手段は、前記複数の領域対の内の前記放射方向と直交する方向に並ぶ対の光束に対する変換係数と2つの前記像ズレ量の比とに基づいて、前記複数の領域対の内の前記放射方向に並ぶ対の領域に対応する像ズレ量をデフォーカス量に変換することを特徴とする焦点検出装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、
前記受光手段は、マイクロレンズとその背後に配置された光電変換部とからなる画素の配列を有し、前記光学系の予定焦点面近傍に配置されることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、
前記受光手段は、前記光学系の予定焦点面に形成された像を再結像する一対の再結像レンズと、再結像された一対の像を受光する一対のイメージセンサと、一対の再結像レンズの開口形状を前記光学系の射出瞳面近傍に投影するために前記光学系の予定焦点面近傍に配置されたコンデンサーレンズとを有することを特徴とする焦点検出装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の焦点検出装置を備える撮像装置であって、
前記受光手段は、前記複数の領域対を通る光束による像を受光する焦点検出用画素と、前記光学系による像を受光する撮像用画素とを二次元状に配列して構成し、
前記撮像用画素で得られた信号に基づく撮像画像を表示する表示手段と、
前記撮像用画素で得られた信号に基づく撮像画像を記録する記録手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の焦点検出装置を備える撮像装置であって、
前記光学系により結像された画像に応じた信号を出力する撮像用受光手段と、
前記撮像用受光手段の出力信号に基づく撮像画像を表示する表示手段と、
前記撮像用受光手段の出力信号に基づく撮像画像を記録する記録手段とを備えることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2008−83456(P2008−83456A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264144(P2006−264144)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】