説明

照合装置および照合方法

【課題】 照合に要する時間を短くできる照合装置および照合方法を提供する。
【解決手段】 読取部2は、カード10から読み出したカード情報10bを読出し部3を介して管理部4に出力する。管理部4は、新しく読み取られたカード情報10bに高い優先順位を与え、その優先順位が与えられたカード情報10bを記憶部5に格納する。指紋スキャナ6は、入力指紋情報を生成部7を介して選択部8に与える。選択部8は、入力指紋情報を受け付けると、その入力指紋情報を照合部9に出力し、また、記憶部5が格納している複数の登録指紋情報10a1を優先順位が高い順に選択していく。照合部9は、入力指紋情報を受け付けると、その入力指紋情報を、選択部8が選択した順に登録指紋情報10a1と照合して、複数の登録指紋情報10a1の中に入力指紋情報と同じ登録指紋情報10a1があるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照合装置および照合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードリーダ装置と上位装置(例えば、サーバ等の制御装置)とを備えたシステムが知られている。このカードリーダ装置は、ID番号等の固有情報を、その固有情報が記録されたカードから読み取り、その後、その読み取った固有情報を、通信網を介して上位装置に通知する。
【0003】
また、指紋照合装置が設けられたカードリーダ装置も知られている。具体的には、カードの真正の所有者の指紋情報がカードに記録され、指紋照合装置が、カードに記録された指紋情報と、そのカードの利用者の指から読み取った指紋情報とを照合して、カードの利用者がそのカードの真正の所有者であるか否かを確認する。
【0004】
指紋照合装置が設けられたカードリーダ装置(以下「指紋照合機能付きカードリーダ装置」と称する。)は、以下の点で優れている。
【0005】
カードを利用するシステムと指紋照合装置との整合性が良い。また、個人情報である指紋情報を通信網に流さずに、個人を認証することができる。また、カードに指紋が記録されるため、指紋照合データベースを有するセンターマシンを設置、運用および管理する負担を省くことができる。
【0006】
しかしながら、指紋照合機能付きカードリーダ装置が使用されると、使用者は、カードに記録された指紋情報を指紋照合機能付きカードリーダ装置に読み込ませる作業と、自分の指紋を指紋照合機能付きカードリーダ装置に読み込ませる作業の両方を行わなければならない。このため、カードリーダ装置の操作時間が増える。
【0007】
また、使用者は、指紋照合機能付きカードリーダ装置を使用するたびに、指紋照合機能付きカードリーダ装置にカードをセットしなければならず、また、使用者は、指紋照合機能付きカードリーダ装置がそのカードから指紋情報および固有情報のすべてを読み取るまで待たなければならなかった。
【0008】
カードをセットする操作は、それの操作が行われない場合に比べて煩雑である。また、カードからの情報の読出しは、読出し方式および情報の容量によっては時間がかかる可能性がある。
【0009】
このため、使用者が頻繁に交代しながら指紋照合機能付きカードリーダ装置を操作する場合、各使用者は指紋照合機能付きカードリーダ装置を迅速に操作できない。このため、作業効率が悪化する。
【0010】
例えば、店舗または事務所などで、特定の複数の使用者が、頻繁に交代しながら1台の指紋照合機能付きカードリーダ装置を操作して仕事を進める場合、カード操作に要する時間が仕事の効率を悪化させる。
【0011】
なお、カードの利用者がそのカードの真正の所有者であるか否かを確認するために指紋照合を用いて本人確認を行う技術は、既に数多く提案されている。しかしながら、それらの多くは、クレジットカードまたはATMキャッシュカードのように、不特定多数の利用者が低頻度で指紋照合機能付きカードリーダ装置を使うことを想定している。このため、操作の高速化の工夫は必要なかった。
【0012】
特許文献1(特開2003−346099号公報)には、カード操作に要する時間を短くすることが可能な指紋照合付きカードリーダ装置が記載されている。
【0013】
具体的には、この指紋照合付きカードリーダ装置は、IDカードに記録された指紋情報およびID番号とを読み取り、その読み取った指紋情報およびID番号を関連づけてメモリに格納する。指紋照合付きカードリーダ装置は、IDカードまたはテンキーからID番号を受け付けると、そのID番号に関連づけられた指紋情報をメモリから読み出す。その後、指紋照合付きカードリーダ装置は、その読み出した指紋情報と、IDカードの利用者の指紋とを照合する。
【0014】
この指紋照合付きカードリーダ装置によれば、IDカードに記録された指紋情報およびID番号がメモリに格納され、IDカードの利用者の指紋は、メモリに格納された指紋情報と照合される。このため、指紋情報がメモリに格納されていれば、IDカードの利用者は、IDカードを使用しなくても、ID番号と自分の指紋とを入力することによって、指紋照合を受けることが可能になる。
【特許文献1】特開2003−346099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1に記載の指紋照合付きカードリーダ装置では、カードの利用者は、メモリに格納された指紋情報を特定するための作業(ID番号入力作業)と、自分の指紋を読み込ませる作業を行わなければならない。このため、照合に要する時間が長くなるという問題が生じる。
【0016】
この問題は、指紋照合装置に限らず、カード等の携帯記録媒体に記録された登録識別情報およびID番号を関連づけてメモリに一旦格納し、その後、ユーザからID番号を受け付け、その受け付けたID番号に関連する登録識別情報と、ユーザから受け付けた入力識別情報と、を照合する照合装置でも発生する。
【0017】
本発明の目的は、照合に要する時間を短くすることが可能な照合装置および照合方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の照合装置は、携帯記録媒体に記録されている登録識別情報を読み取る読取部と、前記読取部が前記登録識別情報を読み取るたびに、その読み取られた登録識別情報を逐次格納していく格納部と、ユーザから入力識別情報を受け付ける受付部と、前記受付部が前記入力識別情報を受け付けると、該入力識別情報を前記格納部が格納している複数の登録識別情報と照合して、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かを判定する照合判定部とを含む。
【0019】
また、本発明の照合方法は、携帯記録媒体に記録されている登録識別情報と、ユーザから入力された入力識別情報と、を照合し、前記登録識別情報を格納する格納部を有する照合装置が行う照合方法であって、前記携帯記録媒体に記録されている登録識別情報を読み取る読取ステップと、前記登録識別情報が読み取られるたびに、その読み取られた登録識別情報を前記格納部に逐次格納していく格納ステップと、前記ユーザから前記入力識別情報を受け付ける受付ステップと、前記入力識別情報が受け付けられると、該入力識別情報を、前記格納部に格納されている複数の登録識別情報と照合して、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かを判定する照合判定ステップとを含む。
【0020】
上記の発明によれば、登録識別情報が携帯記録媒体から読み取られるたびに、その読み取られた登録識別情報が格納部に逐次格納されていく。そして、ユーザから入力識別情報が受け付けられると、その入力識別情報が、格納部が格納している複数の登録識別情報と照合され、その複数の登録識別情報の中にその入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かが判定される。
【0021】
このため、登録識別情報が格納部に格納されれば、その後、ユーザが携帯記録媒体を使用しなくても、かつ、ユーザが格納部に格納された登録識別情報を特定するための作業を行わなくても、複数の登録識別情報の中に入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かが判定される。したがって、カード等の携帯記録媒体に記録された登録識別情報と、ユーザから受け付けた入力識別情報と、を照合する照合装置において、照合に要する時間を短くすることが可能になる。
【0022】
また、前記携帯記録媒体に記録されている登録識別情報および固有情報が読み取られ、前記格納部は、前記登録識別情報および前記固有情報が読み取られるたびに、その読み取られた登録識別情報および固有情報を関連づけて逐次格納していき、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報がある場合、その登録識別情報と関連づけて前記格納部に格納されている固有情報が出力されることが望ましい。
【0023】
上記の発明によれば、照合に要する時間が短くなるため、固有情報を短時間で出力することが可能になる。
【0024】
また、前記登録識別情報に優先順位が付与され、その優先順位が付いた登録識別情報が前記格納部に逐次格納され、前記入力識別情報が受け付けられると、前記格納部が格納している複数の登録識別情報が前記優先順位が高い順に選択されていき、前記入力識別情報が、前記選択部が選択した順に前記登録識別情報と照合されて、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かが判定されることが望ましい。
【0025】
上記の発明によれば、登録識別情報が、その優先順位に応じた順に、入力識別情報と照合される。このため、優先順位が適宜設定されれば、入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かの判定を迅速に行うことが可能になる。
【0026】
また、新たに読み取られた登録識別情報に最も高い優先順位を付けられることが望ましい。
【0027】
上記の発明によれば、照合に利用される可能性が高い登録識別情報に最も高い優先順位を付けることが可能になる。このため、入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かの判定を迅速に行うことが可能になる。
【0028】
また、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報があると判定されると、その登録識別情報における判定回数に応じて、その登録識別情報の優先順位を決定することが望ましい。
【0029】
上記の発明によれば、照合に利用される頻度が高い登録識別情報の優先順位を上げることが可能になる。このため、入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かの判定を迅速に行うことが可能になる。
【0030】
また、新たな登録識別情報が読み取られた際に、その読み取られた登録識別情報を格納する容量が前記格納部にない場合、前記格納部から最も優先順位の低い登録識別情報を削除し、その後、その読み取った登録識別情報を前記格納部に格納することが望ましい。
【0031】
上記の発明によれば、優先順位の高い登録識別情報が格納部に残るため、限られた格納部の容量を有効に使用することが可能になる。
【0032】
また、前記携帯記録媒体は、カード型記録媒体であることが望ましい。
【0033】
前記格納部は、揮発性メモリであることが望ましい。
【0034】
上記の発明によれば、揮発性メモリの電源が切られると、揮発性メモリに格納されていた登録識別情報は消去される。このため、登録識別情報の漏洩が生じる可能性を少なくすることが可能になる。
【0035】
また、前記揮発性メモリは、RAMであることが望ましい。
【0036】
また、前記登録識別情報は登録指紋情報であり、前記入力識別情報は入力指紋情報であることが望ましい。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、登録識別情報が格納部に格納されれば、その後、ユーザが携帯記録媒体を使用しなくても、かつ、ユーザが格納部に格納された登録識別情報を特定するための作業を行わなくても、複数の登録識別情報の中に入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かが判定される。したがって、カード等の携帯記録媒体に記録された登録識別情報と、ユーザから受け付けた入力識別情報と、を照合する照合装置において、照合に要する時間を短くすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0039】
図1は、本発明の一実施例の照合装置、具体的には、指紋照合付き情報読取装置を示したブロック図である。
【0040】
図1において、指紋照合付き情報読取装置1は、少なくとも、カード読取部2、カード情報読出し部3、カード情報一時記憶管理部4、カード情報一時記憶部5、指紋スキャナ6、指紋照合情報生成部7、カード情報選択部8、および、指紋照合部9を含む。
【0041】
指紋照合付き情報読取装置1は、独立した筐体を有してもよいし、さらに大きな装置の一部に組み込まれてもよい。
【0042】
カード型記録媒体(以下「カード」と称する。)10は、携帯記録媒体の一例である。カード10は情報記録部10aを含む。情報記録部10aには、カード情報10bが記録されている。カード情報10bは、登録識別情報10a1と固有情報10a2とを含む。なお、暗号化された登録識別情報10a1と暗号化された固有情報10a2とが、情報記録部10aに記録されていることが望ましい。
【0043】
登録識別情報10a1は、カード10の真正の所有者を識別するための識別情報である。本実施例では、登録識別情報10a1として、カード10の真正の所有者の指紋情報(登録指紋情報10a1)が用いられる。
【0044】
固有情報10a2は、カード10固有の情報である。本実施例では、固有情報10a2として、カード番号10a21と個人別情報(例えば、ID番号)10a22が用いられる。
【0045】
図2は、カード情報10bの一例を示した説明図である。図2において、カード情報10bは、登録指紋情報10a1、カード番号10a21および個人別情報10a22とを含む。登録指紋情報10a1は、カード番号10a21および個人別情報10a22と関連づけられている。
【0046】
カード10は、例えば、磁気カード、接触型ICカードまたは非接触型ICカードである。なお、カード10の記録方式は、登録識別情報10a1と固有情報10a2を記録できれば、その方式を問わない。
【0047】
本実施例では、カード10が携帯記録媒体の一例として用いられているが、携帯記録媒体は、指紋照合付き情報読取装置1から独立していて、かつ、ユーザが常時携行することが可能な記録媒体であれば、必ずしもその形態は、カードの形態である必要もない。
【0048】
カード読取部(以下「読取部」と称する。)2は、カード10の種類(記録方式)に応じたインタフェースハードウェアである。読取部2は、カード10に記録されているカード情報10bを読み取る。また、読取部2は、カード書込み機能を備えていてもよい。
【0049】
カード情報読出し部(以下「読出し部」と称する。)3は、読取部2を制御して、カード10からカード情報10bを読み出す。
【0050】
また、読出し部3は、カード情報10bが暗号化されている場合、その暗号化されているカード情報10bを復号化する。また、読出し部3は、例えば、カード10に特定の認証情報が記録されているか否かを確認して、カード10を認証してもよい。
【0051】
カード情報一時記憶管理部(以下「管理部」と称する。)4は、読取部2が読み取ったカード情報10bを、カード情報一時記憶部(以下「記憶部」と称する。)5に格納する。
【0052】
例えば、管理部4は、読出し部3が読取部2を介して登録指紋情報10a1を読み取るたびに、その読み取られた登録指紋情報10a1を記憶部5に逐次格納していく。
【0053】
具体的には、管理部4は、読出し部3が読取部2を介して登録指紋情報10a1および固有情報10a2を読み取るたびに、その読み取られた登録指紋情報10a1および固有情報10a2を関連づけて記憶部5に逐次格納していく。
【0054】
なお、管理部4は、読出し部3が読取部2を介して読み取った登録指紋情報10a1(カード情報10b)に優先順位を付け、その優先順位が付いた登録指紋情報10a1(カード情報10b)を記憶部5に逐次格納していく。
【0055】
例えば、管理部4は、読出し部3が読取部2を介して新たに読み取った登録指紋情報10a1(カード情報10b)に、最も高い優先順位を付ける。
【0056】
また、管理部4は、記憶部5に格納された複数の登録指紋情報10a1の中に指紋スキャナ6が受け付けた入力指紋情報と同じ登録指紋情報10a1があると指紋照合部9が判定すると、その判定回数に応じて登録指紋情報10a1の優先順位、換言するとその登録指紋情報10a1を含むカード情報10bの優先順位を決定する。
【0057】
また、管理部4は、新たなカード情報10bを記憶部5に格納する際、記憶部5に空き領域(空き容量)があれば、その空き領域に新たなカード情報10bを格納し、また、記憶部5に空き領域が無ければ、記憶部5に格納されているカード情報10bのうち最も優先順位の低いカード情報10bを記憶部5から削除して、その代わりに新たなカード情報10bを記憶部5に格納する。
【0058】
図3は、記憶部5の一例を示した説明図である。なお、図3において、図2に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0059】
図3において、記憶部5は、カード情報10bごとに、登録指紋情報10a1と、カード番号10a21と、個人別情報10a22と、優先順位10a3と、照合回数10a4とを関連づけて格納する。
【0060】
記憶部5は、揮発性もしくは不揮発性のメモリである。記憶部5は、読出し部3が読取部2を介して登録指紋情報10a1(カード情報10b)を読み取るたびに、その読み取られた登録指紋情報10a1(カード情報10b)を逐次格納していく。記憶部5は、複数のカード情報10bを記憶できる容量を持つ。なお、記憶部5は、指紋照合付き情報読取装置1にて利用される全てのカード10のカード情報10bを記憶するだけの記憶容量を持たない。
【0061】
例えば、RAM等の揮発性の記憶素子(メモリ)が記憶部5として用いられた場合には、記憶部5の電源が切られることによって、記憶部5に格納されているすべてのカード情報10bが消える。このため、揮発性の記憶素子が記憶部5として用いられると、カード情報10bのセキュリティが向上する。また、揮発性の記憶素子は、通常、高速処理を行うことが可能である。このため、揮発性の記憶素子が記憶部5として用いられると、高速処理が可能になる。
【0062】
指紋スキャナ6は、受付部として用いられ、ユーザから入力識別情報を受け付ける。本実施例では、入力識別情報として、ユーザの指紋情報(入力指紋情報)を受け付ける。
【0063】
指紋スキャナ6は、生体指紋画像を読み取る。各種の指紋スキャン方式が提案および実用化されているが、指紋スキャナ6に使用される方式は、特に制限はなく、生体指紋画像を読み取れるものであれば何でもよい。
【0064】
指紋照合情報生成部(以下「生成部」と称する。)7は、指紋スキャナ6にて得られた指紋画像(入力指紋情報)を照合に利用できる形態に変換する。生成部7は、その変換した入力指紋情報を、カード情報選択部(以下「選択部」と称する)8に出力する。
【0065】
選択部8は、入力指紋情報を受け付けると、その受け付けた入力指紋情報を指紋照合部(以下「照合部」と称する。)9に出力する。また、選択部8は、入力指紋情報を受け付けると、記憶部5が格納している複数の登録指紋情報10a1を優先順位が高い順に選択していく。
【0066】
照合部9は、入力指紋情報を受け付けると、その入力指紋情報を、選択部8が選択した順に登録指紋情報10a1と照合して、複数の登録指紋情報10a1の中に入力指紋情報と同じ登録指紋情報10a1があるか否かを判定する。
【0067】
照合部9は、複数の登録指紋情報10a1の中に入力指紋情報と同じ登録指紋情報10a1がある場合、その旨を選択部8に通知する。選択部8は、その通知を受け付けると、その登録指紋情報10a1と関連づけて記憶部5に格納されている固有情報10a2を読み出し、その読み出した固有情報10a2を、上位装置(例えば、サーバ等の制御装置)に通知する。
【0068】
照合部9の指紋照合方式としては、画像そのものを付き合わせる方式、指紋の特徴点を用いる方式、画像の空間周波数を用いる方式など様々あるが、いずれを用いても構わない。
【0069】
なお、選択部8と照合部9とは照合判定部11に含まれる。このため、照合判定部11は、指紋スキャナ6が入力指紋情報を受け付けると、その入力指紋情報を記憶部5が格納している複数の登録指紋情報と照合して、その複数の登録指紋情報の中にその入力指紋情報と同じ登録指紋情報があるか否かを判定する。また、照合判定部11は、複数の登録指紋情報の中に入力指紋情報と同じ登録指紋情報がある場合、その登録指紋情報と関連づけて記憶部5に格納されている固有情報を出力する。
【0070】
図4は、指紋照合付き情報読取装置1の外観を示した模式図である。なお、図4において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0071】
次に、動作の概要を説明する。
【0072】
ユーザがカード10を読取部2にセットすると、読取部2は、カード10からカード情報10bを読み出し、その読み出したカード情報10bを読出し部3に出力する。読出し部3は、カード情報10bを受け付けると、そのカード情報10bを管理部4に出力する。
【0073】
管理部4は、新しく読み取られたカード情報10bに高い優先順位を与え、また、指紋照合の一致した回数に応じた優先順位をカード情報10bに与える。管理部4は、その優先順位が与えられたカード情報10bを記憶部5に格納する。
【0074】
次に、ユーザが指紋スキャナ6に自分の指紋を読み込ませると、指紋スキャナ6はその読み込んだ指紋を示す入力指紋情報を生成部7に出力する。生成部7は、その入力指紋情報を照合用に変換し、その変換した入力指紋情報を選択部8に与える。
【0075】
選択部8は、入力指紋情報を受け付けると、その入力指紋情報を照合部9に出力し、さらに、記憶部5が格納している複数の登録指紋情報10a1を優先順位が高い順に選択していく。
【0076】
照合部9は、入力指紋情報を受け付けると、その入力指紋情報を、選択部8が選択した順に登録指紋情報10a1と照合して、複数の登録指紋情報10a1の中に入力指紋情報と同じ登録指紋情報10a1があるか否かを判定する。
【0077】
照合部9は、複数の登録指紋情報10a1の中に入力指紋情報と同じ登録指紋情報10a1がある場合、その旨を選択部8に通知する。
【0078】
選択部8は、その通知を受け付けると、その登録指紋情報10a1と関連づけて記憶部5に格納されている固有情報10a2を読み出し、その読み出した固有情報10a2を、上位装置に通知する。
【0079】
本実施例によれば、CPUにおけるキャッシュメモリのように、指紋照合付き情報読取装置1内に、複数のカード情報10bを格納可能な記憶部5が設けられ、カード10がセットされるごとに、そのカードのカード情報10bが記憶部5に記憶される。
【0080】
入力指紋情報は、記憶されている複数のカード情報10bの登録指紋情報と照合される。入力指紋情報に一致する登録指紋情報があると、カード10の有無に関わらず、記憶部5に格納されているカード情報10bがカード10からの情報として用いられる。
【0081】
このため、カード10の再セットおよびカード情報10bの読み出しの手間と時間を省くことができる。
【0082】
また、入力指紋情報が受け付けられると、入力指紋情報は記憶部5に格納された複数の登録指紋情報と照合されるため、ユーザは、入力指紋情報と照合するための登録指紋情報を特定するという煩わしい作業をする必要がない。
【0083】
また、複数のカード情報には、その新しさおよび照合一致の回数に応じて優先度が与えられるため、記憶部を有効に活用することが可能になり、また、照合時間を短縮することが可能になる。
【0084】
次に、動作を説明する。
【0085】
ユーザは、カード10を読取部2にセットして読取部2にカード10のカード情報10bを読み込ませると共に、自分の指紋を指紋スキャナ6に読み込ませることにより、指紋照合付き情報読取装置1にカード10のカード情報10bを与えて、ログインなどの操作を行うものとする。
【0086】
図5は、読出し部3の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図5を参照して、読出し部3の動作を説明する。
【0087】
ステップ51において、ユーザは、自分のカード10を読取部2にセットする。
【0088】
読取部2はカード10を検知すると、カード検知信号を読出し部3に出力する。読出し部3は、そのカード検知信号を受け付けると、ステップ52を実行する。
【0089】
ステップ52では、読出し部3は、読取部2に、カード10からカード情報10b(図2参照)を読み込ませる。読取部2は、そのカード情報10bを読出し部3に出力する。読出し部3は、読取部2からカード情報10bを受け付けると、ステップ53を実行する。
【0090】
ステップ53では、読出し部3は、その受け付けたカード情報10bが暗号化されている場合、そのカード情報10bを復号化する。読出し部3は、ステップ53を終了すると、ステップ54を実行する。
【0091】
なお、カード情報10bが暗号化されていない場合、読出し部3は、ステップ52終了後に、ステップ53をスキップして、ステップ54を実行する。
【0092】
ステップ54では、読出し部3は、そのカード情報10bを管理部4に出力する。読出し部3は、ステップ54を終了すると、待機状態となる。
【0093】
図6は、管理部4の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図6を参照して、管理部4の動作を説明する。
【0094】
ステップ61では、管理部4は、読出し部3からカード情報10bを受け付ける。管理部4は、ステップ61を終了すると、ステップ62を実行する。
【0095】
ステップ62では、管理部4は記憶部5がカード情報10bを確認しているか否かを確認する。カード情報10bが既に記憶部5に格納されていれば、管理部4は、新たに得たカード情報10bと一致するカード情報10bが記憶部5に格納されているか否かを確認する。図7は、ステップ62を説明するための説明図である。なお、図7において、図2および図3に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0096】
新たに得たカード情報10bと一致するカード情報10bが記憶部5に格納されていると、管理部4はステップ63を実行し、また、新たに得たカード情報10bと一致するカード情報10bが記憶部5に格納されていないと、管理部4はステップ65を実行する。
【0097】
ステップ63では、管理部4は、新たに得たカード情報10bと一致するカード情報10bよりも優先順位の高いカード情報の優先順位を全てひとつずつ下げる。管理部4は、ステップ63を終了すると、ステップ64を実行する。
【0098】
ステップ64では、管理部4は、新たに得たカード情報10bと一致するカード情報10bの優先順位を最高にする。
【0099】
図8は、ステップ63およびステップ64を説明するための説明図である。なお、図8において、図3に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0100】
図8では、カード情報10b1が新たに得たカード情報10bと一致する場合の動作を示している。この場合、カード情報10b1の優先順位が最高順位となり、カード情報10b2およびカード情報10b3の優先順位が1つ下がる。
【0101】
一方、ステップ65では、管理部4は、記憶部5に一時記憶してある全てのカード情報10bの優先順位を一つずつ下げる。管理部4は、ステップ65を終了すると、ステップ66を実行する。
【0102】
ステップ66では、管理部4は、新たに得たカード情報10bの優先順位を最高にする。これは、直後に指紋照合が行われる可能性が高いからである。管理部4は、ステップ66を終了すると、ステップ67を実行する。
【0103】
ステップ67では、管理部4は、記憶部5に、新たに得たカード情報10bを格納するための空き領域(空き容量)があるか否か確認する。
【0104】
記憶部5にその空き領域があると、管理部4はステップ68を実行し、記憶部5にその空き領域がないと、管理部4はステップ69を実行する。
【0105】
ステップ68では、管理部4は、新たに得たカード情報10b(優先順位が最高に設定されている)をその空き領域に格納する。管理部4は、ステップ68を終了すると、待機状態となる。
【0106】
図9は、ステップ65、ステップ66、ステップ67およびステップ68を説明するための説明図である。なお、図9において、図3に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0107】
図9では、新たに得たカード情報10b4の優先順位が最高順位となり、カード情報10b4からカード情報10b10の優先順位が1つ下がる。
【0108】
一方、ステップ69では、管理部4は、記憶部5に格納されているカード情報10bのうち最も優先順位の低いカード情報10bを記憶部5から削除して、空き領域を設ける。管理部4は、ステップ69を終了すると、ステップ68を実行する。
【0109】
図10は、ステップ65、ステップ66、ステップ67、ステップ69およびステップ68を説明するための説明図である。なお、図10において、図3に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0110】
図10では、最も優先順位が低いカード情報10b11が削除され、新たに得たカード情報10b12の優先順位の最高順位となり、カード情報10b13からカード情報10b21の優先順位が1つ下がる。
【0111】
この後、指紋照合が行われることなく、新たなカード情報10bが読み込まれた場合には、再び上記と同じように、そのカード10から読み取ったカード情報10bが最も高い優先順位となるように、そのカード情報10bが記憶部5に格納される。
【0112】
図11は、生成部7の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図11を参照して、生成部7の動作を説明する。
【0113】
ステップ111において、ユーザは、自分の指を指紋スキャナ6に置く。
【0114】
指紋スキャナ6は指を検知すると、指検知信号を生成部7に出力する。生成部7は、その指検知信号を受け付けると、ステップ112を実行する。
【0115】
ステップ112では、生成部7は、指紋スキャナ6に指紋を読み取らせる。指紋スキャナ6は、その読み取った指紋を示す指紋画像(入力指紋情報)を生成部7に出力する。生成部7は、指紋スキャナ6から指紋画像を受け付けると、ステップ113を実行する。
【0116】
ステップ113では、生成部7は、その指紋画像を照合に利用できる形態(指紋照合情報)に変換する。なお、指紋照合情報は、入力指紋情報を示す。生成部7は、ステップ113を終了すると、ステップ114を実行する。
【0117】
ステップ114では、生成部7は、その指紋照合情報を選択部8に出力する。生成部7は、ステップ114を終了すると、待機状態となる。
【0118】
なお、ステップ111からステップ114までの処理は、カード情報10bが記憶部5に格納される処理と独立して並行に行われてもよいし、カード情報10bの格納処理が済んだあとに順次行われてもよい。
【0119】
図12は、選択部8の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図12を参照して、選択部8の動作を説明する。
【0120】
ステップ121では、選択部8は、生成部7から指紋照合情報を受け取る。選択部8は、ステップ121を終了すると、ステップ122を実行する。
【0121】
ステップ122では、選択部8は、記憶部5に格納されているカード情報10bの中から、まだ選択していないカード情報10bの中で最も優先順位の高いカード情報10bを選択する。選択部8は、ステップ122を終了すると、ステップ123を実行する。
【0122】
ステップ123では、選択部8は、受け付けた指紋照合情報を照合部9に出力し、照合部9に指紋照合を実行させる。
【0123】
照合部9は、指紋照合情報を受け付けると、その指紋照合情報を、選択部8が選択したカード情報10b内の登録指紋情報10a1と照合する。照合部9は、その照合結果を選択部8に通知する。選択部8は、その照合結果を受け付けると、ステップ124を実行する。
【0124】
ステップ124では、選択部8は、その照合結果が一致を示さない場合、ステップ125を実行し、また、その照合結果が一致を示す場合、ステップ126を実行する。
【0125】
ステップ125では、選択部8は、指紋照合情報が、記憶部5に格納されているすべてのカード情報10bと照合されたか否かを判断する。
【0126】
選択部8は、指紋照合情報が、記憶部5に格納されているすべてのカード情報10bと照合されていない場合には、ステップ122を実行し、また、指紋照合情報が、記憶部5に格納されているすべてのカード情報10bと照合された場合には、待機状態となる。
【0127】
一方、ステップ126では、選択部8は、現在選択しているカード情報10bを管理部4に通知する。管理部4は、その通知に基づいて、カード情報10bの優先順位を変更する。例えば、管理部4は、照合回数が多いものほど優先順位が高くなるように、各カード情報10bの優先順位を変更する。選択部8は、ステップ126を終了すると、ステップ127を実行する。
【0128】
ステップ127では、選択部8は、現在選択しているカード情報10bから、固有情報10a2を読み出し、その読み出した固有情報10a2を上位装置(例えば、サーバ等の制御装置)に通知する。
【0129】
図13は、ステップ126を説明するための説明図である。なお、図13において、図10に示したものと同一のものには同一符号を付してある。また、図13では、指紋照合情報がカード情報10b12と一致した場合の優先順位変更動作を示している。
【0130】
この場合、管理部4は、カード情報10b12の照合回数を「1」に変更し、その後、照合回数が多いものほど優先順位が高くなるように、カード情報10b13の優先順位を「1」に変更し、カード情報10b14の優先順位を「2」に変更し、カード情報10b15の優先順位を「3」に変更し、カード情報10b12の優先順位を「4」に変更する。
【0131】
なお、カード情報の優先順位が照合一致回数に応じて決定される場合、照合一致したカード情報の優先順位を最上位に設定するようにしてもよい。いずれにしても、照合一致回数が優先順位を決める根拠となるため、次回以降に照合を行う際には、より一致する可能性の高い候補(登録指紋情報)が先に選ばれることになる。
【0132】
本実施例によれば、照合装置(例えば、指紋認証機能付き情報記録カード読取装置)が、ユーザによって複数のあまり多くないカードが短期的に入れ替えられながら、繰り返し使用される場合、ユーザがカードを改めてセットする手間を省き、カード情報を改めてカードから読み出す時間を省くことが可能になる。このため、作業効率の向上が図れる。
【0133】
また、記憶部5として揮発性のメモリが使用されれば、記憶部5の電源を切ると同時に記憶部5に格納されていたカード情報が消去されるため、カード情報のセキュリティを向上することが可能になる。
【0134】
また、本実施例では、登録指紋情報がカード10から読み取られるたびに、その読み取られた登録指紋情報が記憶部5に逐次格納されていく。そして、ユーザから入力指紋情報が受け付けられると、その入力指紋情報が、記憶部5が格納している複数の登録指紋情報と照合され、その複数の登録指紋情報の中にその入力指紋情報と同じ登録指紋情報があるか否かが判定される。
【0135】
このため、登録指紋情報が記憶部5に格納されれば、その後、ユーザがカード10を使用しなくても、かつ、ユーザが記憶部5に格納された登録指紋情報を特定するための作業を行わなくても、複数の登録指紋情報の中に入力指紋情報と同じ登録指紋情報があるか否かが判定される。
【0136】
したがって、カード等の携帯記録媒体に記録された登録指紋情報と、ユーザから受け付けた入力指紋情報と、を照合する照合装置において、照合に要する時間を短くすることが可能になる。
【0137】
また、本実施例では、読取部2は、カード10に記録されている登録指紋情報および固有情報を読み取る。また、記憶部5は、読取部2が登録指紋情報および固有情報を読み取るたびに、その読み取られた登録指紋情報および固有情報を関連づけて逐次格納していく。また、判定照合部11は、複数の登録指紋情報の中に入力指紋情報と同じ登録指紋情報がある場合、その登録指紋情報と関連づけて記憶部5に格納されている固有情報を出力する。この場合、照合に要する時間が短くなるため、固有情報を短時間で出力することが可能になる
また、本実施例では、管理部4は、読取部2が読み取った登録指紋情報に優先順位を付け、その優先順位が付いた登録指紋情報を記憶部5に逐次格納していく。選択部8は、記憶部5が格納している複数の登録指紋情報を優先順位が高い順に選択していく。照合部9は、指紋スキャナ6が入力指紋情報を受け付けると、その入力指紋情報を、選択部8が選択した順に登録指紋情報と照合して、複数の登録指紋情報の中に入力指紋情報と同じ登録指紋情報があるか否かを判定する。
【0138】
この場合、登録指紋情報が、その優先順位に応じた順に、入力指紋情報と照合される。このため、優先順位が適宜設定されれば、入力指紋情報と同じ登録指紋情報があるか否かの判定を迅速に行うことが可能になる。
【0139】
また、本実施例では、管理部4は、読取部2が新たに読み取った登録指紋情報に、最も高い優先順位を付ける。この場合、照合に利用される可能性が高い登録指紋情報に最も高い優先順位を付けることが可能になる。このため、入力指紋情報と同じ登録指紋情報があるか否かの判定を迅速に行うことが可能になる。
【0140】
また、本実施例では、管理部4は、照合部9が複数の登録指紋情報の中に入力指紋情報と同じ登録指紋情報があると判定すると、その登録指紋情報におけるその判定回数に応じて、その登録指紋情報の優先順位を決定する。この場合、照合に利用される頻度が高い登録指紋情報の優先順位を上げることが可能になる。このため、入力指紋情報と同じ登録指紋情報があるか否かの判定を迅速に行うことが可能になる。
【0141】
また、本実施例では、管理部4は、読取部2が新たに登録指紋情報を読み取った際に、その読み取った登録指紋情報を格納する容量が記憶部5にない場合、記憶部5から最も優先順位の低い登録指紋情報を削除し、その後、その読み取った登録指紋情報を記憶部5に格納する。この場合、優先順位の高い登録指紋情報が格納部に残るため、限られた格納部の容量を有効に使用することが可能になる。
【0142】
以上説明した実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0143】
例えば、識別情報は、指紋情報に限らず適宜変更可能である。例えば、識別情報は、パスワードでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の一実施例の指紋照合付き情報読取装置を示したブロック図である。
【図2】カード情報の一例を示した説明図である。
【図3】記憶部5の一例を示した説明図である。
【図4】指紋照合付き情報読取装置の外観を示した模式図である。
【図5】読出し部3の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】管理部4の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】管理部4の動作を説明するための説明図である。
【図8】管理部4の動作を説明するための説明図である。
【図9】管理部4の動作を説明するための説明図である。
【図10】管理部4の動作を説明するための説明図である。
【図11】生成部7の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】選択部8の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】選択部8の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0145】
1 指紋照合付き情報読取装置
2 カード読取部
3 カード情報読出し部
4 カード情報一時記憶管理部
5 カード情報一時記憶部
6 指紋スキャナ
7 指紋照合情報生成部
8 カード情報選択部
9 指紋照合部
10 カード
10a 情報記録部
10a1 登録識別情報(登録指紋情報)
10a2 固有情報
10b カード情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯記録媒体に記録されている登録識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部が前記登録識別情報を読み取るたびに、その読み取られた登録識別情報を逐次格納していく格納部と、
ユーザから入力識別情報を受け付ける受付部と、
前記受付部が前記入力識別情報を受け付けると、該入力識別情報を前記格納部が格納している複数の登録識別情報と照合して、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かを判定する照合判定部と、を含む照合装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照合装置において、
前記読取部は、前記携帯記録媒体に記録されている登録識別情報および固有情報を読み取り、
前記格納部は、前記読取部が前記登録識別情報および前記固有情報を読み取るたびに、その読み取られた登録識別情報および固有情報を関連づけて逐次格納していき、
前記判定照合部は、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報がある場合、その登録識別情報と関連づけて前記格納部に格納されている固有情報を出力する、照合装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の照合装置において、
前記読取部が読み取った登録識別情報に優先順位を付け、その優先順位が付いた登録識別情報を前記格納部に逐次格納していく格納管理部を含み、
前記照合判定部は、
前記受付部が前記入力識別情報を受け付けると、前記格納部が格納している複数の登録識別情報を前記優先順位が高い順に選択していく選択部と、
前記入力識別情報を、前記選択部が選択した順に前記登録識別情報と照合して、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かを判定する照合部と、を含む照合装置。
【請求項4】
請求項3に記載の照合装置において、
前記格納管理部は、前記読取部が新たに読み取った登録識別情報に、最も高い優先順位を付ける、照合装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の照合装置において、
前記格納管理部は、前記照合部が前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報があると判定すると、その登録識別情報におけるその判定回数に応じて、その登録識別情報の優先順位を決定する、照合装置。
【請求項6】
請求項3ないし5のいずれか1項に記載の照合装置において、
前記格納管理部は、前記読取部が新たに前記登録識別情報を読み取った際に、その読み取った登録識別情報を格納する容量が前記格納部にない場合、前記格納部から最も優先順位の低い登録識別情報を削除し、その後、その読み取った登録識別情報を前記格納部に格納する、照合装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の照合装置において、
前記携帯記録媒体は、カード型記録媒体である、照合装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の照合装置において、
前記格納部は、揮発性メモリである、照合装置。
【請求項9】
請求項8に記載の照合装置において、
前記揮発性メモリは、RAMである、照合装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の照合装置において、
前記登録識別情報は、登録指紋情報であり、前記入力識別情報は、入力指紋情報である、照合装置。
【請求項11】
携帯記録媒体に記録されている登録識別情報と、ユーザから入力された入力識別情報と、を照合し、前記登録識別情報を格納する格納部を有する照合装置が行う照合方法であって、
前記携帯記録媒体に記録されている登録識別情報を読み取る読取ステップと、
前記登録識別情報が読み取られるたびに、その読み取られた登録識別情報を前記格納部に逐次格納していく格納ステップと、
前記ユーザから前記入力識別情報を受け付ける受付ステップと、
前記入力識別情報が受け付けられると、該入力識別情報を、前記格納部に格納されている複数の登録識別情報と照合して、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かを判定する照合判定ステップと、を含む照合方法。
【請求項12】
請求項11に記載の照合方法において、
前記読取ステップは、前記携帯記録媒体に記録されている登録識別情報および固有情報を読み取ることを含み、
前記格納ステップは、前記登録識別情報および前記固有情報が読み取られるたびに、前記格納部に、その読み取られた登録識別情報および固有情報を関連づけて逐次格納していくことを含み、
前記判定照合ステップは、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報がある場合、その登録識別情報と関連づけて前記格納部に格納されている固有情報を出力することを含む、照合方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の照合方法において、
前記登録識別情報に優先順位を付ける付与ステップをさらに含み、
前記格納ステップは、前記優先順位が付いた登録識別情報を前記格納部に逐次格納していくことを含み、
前記照合判定ステップは、
前記入力識別情報が受け付けられると、前記格納部が格納している複数の登録識別情報を前記優先順位が高い順に選択していく選択ステップと、
前記入力識別情報を、前記選択ステップで選択された順に前記登録識別情報と照合して、前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報があるか否かを判定する照合ステップとを含む、照合方法。
【請求項14】
請求項13に記載の照合方法において、
前記付与ステップは、前記読取ステップで新たに読み取られた登録識別情報に、最も高い優先順位を付けることを含む、照合方法。
【請求項15】
請求項13または14に記載の照合方法において、
前記付与ステップは、前記照合ステップで前記複数の登録識別情報の中に前記入力識別情報と同じ登録識別情報があると判定されると、その登録識別情報におけるその判定回数に応じて、その登録識別情報の優先順位を決定することを含む、照合方法。
【請求項16】
請求項13ないし15のいずれか1項に記載の照合方法において、
前記格納ステップは、前記読取ステップで新たに前記登録識別情報を読み取られた際に、その読み取った登録識別情報を格納する容量が前記格納部にない場合、前記格納部から最も優先順位の低い登録識別情報を削除し、その後、その読み取った登録識別情報を前記格納部に格納することを含む、照合方法。
【請求項17】
請求項11ないし16のいずれか1項に記載の照合方法において、
前記携帯記録媒体は、カード型記録媒体である、照合方法。
【請求項18】
請求項11ないし17のいずれか1項に記載の照合方法において、
前記格納部は、揮発性メモリである、照合方法。
【請求項19】
請求項8に記載の照合方法において、
前記揮発性メモリは、RAMである、照合方法。
【請求項20】
請求項11ないし19のいずれか1項に記載の照合方法において、
前記登録識別情報は、登録指紋情報であり、前記入力識別情報は、入力指紋情報である、照合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−139464(P2006−139464A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−327610(P2004−327610)
【出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】