説明

照明システム

【課題】照明システムにおいて、警報器の警報音を検知可能な領域を広くし、さらに、光により警報が報知される領域の設定自由度を高くする。
【解決手段】照明システム1は、警報器の警報音を含む周囲音を集音するマイク21が設けられたリモコン2と、光源31を有する照明器具とを備える。リモコン2は、使用者により携帯可能である。光源31は、警報を使用者に報知するため、マイク21の出力に基づいて点灯制御される。上記構成において、リモコン2は、警報音を集音するマイク21を有すると共に、使用者により携帯可能であるため、警報器の警報音を検知可能な範囲を広くすることができる。また、マイク21と、警報を使用者に報知するため点灯制御される光源31とは、それぞれ別の機器に設けられているので、光により警報が報知される領域の設定自由度を高くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報器の警報音を集音するマイクの出力に基づいて照明器具の光源が点灯制御される照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、照明器具が警報器の警報音に基づいて点灯制御される装置やシステムが知られている。例えば、電池と、火災報知器のベルの周波数を感知するセンサを内装した感知器と、感知器の作動で自動開閉する自動スイッチを介して電池に接続された照明器具とを有する消火器ボックスが知られている(例えば、特許文献1参照)。この消火器ボックスによれば、光により、警報の発生を報知できると共に、消火器の設置場所を表示できる。
【0003】
また、センサアラームが監視エリア内の異常を検知するとスピーカにより警報音を発し、警報装置のマイクがその警報音を受音すると、この装置の制御部が照明器具の点灯、消灯、点滅制御等を行なう警報システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。このシステムにおいて、照明器具の点灯制御は、警報装置の制御部から送出される制御信号に基づいて行なわれる。このシステムによれば、センサアラームの警報音による威嚇に加え、光による威嚇が可能となる。
【0004】
また、警報音ではなく、人間の音声に応じて発光体が点灯制御されるライトが知られている(例えば、特許文献3参照)。このライトは、人間の音声で所定の音を受信するマイクロホンと、電源から発光体への供電をオン・オフするスイッチング素子と、マイクロホンの出力に基づいてスイッチング素子をオン・オフする制御回路とを備える。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、消火器ボックスの設置位置が、このボックスの大きさや、消火器を含めたその重量等のために限定されるので、警報音を感知可能な領域が限定される。さらに、感知器と照明器具とが1台の消火器ボックスに設けられているので、照明器具の光により警報が報知される領域が、感知器により警報音を感知可能な領域内やその領域周辺に限定される虞がある。また、特許文献2では、警報装置の大きさや重量等やその設置可能な位置を示す情報が開示されていない。このため、監視エリアすなわち警報装置により警報音を検知できる領域の位置や広さ等を特定することは難しい。また、特許文献3に記載の技術では、警報音に応じて照明器具を点灯制御することはできない。
【特許文献1】特開平8−266663号公報
【特許文献2】特開2006−163883号公報
【特許文献3】特開平7−326478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の従来の問題を解決するためになされたものであり、警報器の警報音を検知可能な領域を広くすることができ、さらに、光により警報が報知される領域の設定自由度を高くすることができる照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、光源を有する照明器具と、警報器の警報音を含む周囲音を集音するマイクと、を備え、警報を使用者に報知するため、前記マイクの出力に基づいて前記光源が点灯制御される照明システムにおいて、使用者により携帯可能であり、無線信号を用いて前記照明器具を遠隔制御するリモートコントローラを備え、前記マイクは、前記リモートコントローラに搭載され、前記リモートコントローラは、前記マイクの出力を解析し、該マイクにより集音された周囲音の中に警報音が含まれているか否かを判断する解析部と、前記周囲音の中に警報音が含まれていると前記解析部により判断された場合に該解析部から送出される信号に基づき、警報情報を無線信号に重畳し、該無線信号を前記照明器具に送信する送信部と、を有し、前記照明器具は、前記リモートコントローラの送信部により送信された警報情報を受信する受信部と、前記受信部により受信された警報情報に基づき、警報を使用者に報知するため前記光源を点灯制御する点灯制御部と、を有するものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の照明システムにおいて、前記リモートコントローラは、他のリモートコントローラの送信部から送信された警報情報を受信する受信部を有し、前記リモートコントローラの送信部は、該リモートコントローラの受信部により受信された警報情報を前記照明器具に送信し、前記照明器具は、該照明器具の受信部により受信された警報情報を他の照明器具に送信する送信部を有し、前記照明器具の受信部は、他の照明器具の送信部から送信された警報情報を受信するものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の照明システムにおいて、外部端末と通信回線を介して接続された通信機器を備え、前記通信機器は、前記リモートコントローラの送信部から送信された警報情報を受信する受信部と、前記受信部により受信された警報情報を前記通信回線を介して前記外部端末に送信する送信部と、を有するものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の照明システムにおいて、前記照明器具を含む家電機器と電気的に接続され、且つ、外部端末と通信回線を介して接続され、該家電機器を一括制御するホームサーバをさらに備え、前記リモートコントローラと照明器具の両方または一方は、人を検知する人感センサを有し、前記リモートコントローラと照明器具の両方または一方の送信部は、前記警報情報及び前記人感センサからの出力に応じた人検知情報を無線信号に重畳し、該無線信号を前記ホームサーバに送信し、前記ホームサーバは、前記リモートコントローラと照明器具の両方または一方の送信部から送信された警報情報及び人検知情報を受信する受信部と、前記受信部により受信された警報情報及び人検知情報を前記通信回線を介して前記外部端末に送信する送信部と、前記受信部により受信された警報情報及び人検知情報に基づき、使用者に避難経路を認知させるように前記家電機器を連動制御するため該家電機器に制御信号を送信する家電制御部と、を有することを特徴とするものである。
【0011】
請求項5の発明は、前記リモートコントローラは、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の照明システムにおいて、前記マイクにより集音された周囲音の中に警報音が含まれているか否かを前記解析部が判断する際に、該解析部により参照され、該判断の基となる判断基準を記憶する記憶部を有し、前記記憶部は、前記判断基準を変更可能に記憶しているものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載の照明システムにおいて、前記リモートコントローラの記憶部により記憶される判断基準には、警報器から警報内容別に発音される警報音の種類を判別するための判別パラメータが含まれ、前記リモートコントローラの解析部は、前記マイクの出力を解析し、該マイクにより集音された周囲音の中に含まれる警報音の種類を前記判別パラメータを参照して判別し、該判別の結果に応じた信号を該リモートコントローラの送信部に送出し、前記リモートコントローラの送信部は、前記判別の結果に応じた前記解析部からの信号に基づき、警報音の種類を示す警報音種類情報を前記警報情報に重畳して前記照明器具とホームサーバの両方または一方に送信し、前記照明器具の点灯制御部とホームサーバの家電制御部の両方または一方は、警報器からの警報内容を使用者に通知するため、前記警報音種類情報に基づいて前記光源と家電機器の両方または一方を制御するものである。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システムにおいて、前記リモートコントローラは、発光部と、前記マイクにより集音された周囲音の中に警報音が含まれていると前記解析部により判断された場合に該解析部から送出される信号に基づき、前記発光部を発光制御する発光制御部と、前記発光部及び発光制御部に電力を供給する電池と、を有するものである。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の照明システムにおいて、前記照明器具は、スピーカと、該照明器具の受信部により受信された警報情報に基づき、警報を使用者に報知するために前記スピーカから音を発するか否かを制御する発音制御部と、を有するものである。
【0015】
請求項9の発明は、請求項4乃至請求項8のいずれか一項に記載の照明システムにおいて、前記ホームサーバは、スピーカと、該ホームサーバの受信部により受信された警報情報に基づき、警報を使用者に報知するために前記スピーカから音を発するか否かを制御する発音制御部と、を有するものである。
【0016】
請求項10の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の照明システムにおいて、前記リモートコントローラは、周囲の光から警報器の警報用閃光を分光する分光フィルタ部と、前記分光フィルタ部により分光された警報用閃光を受光する受光部と、を有し、前記リモートコントローラの送信部は、前記受光部の出力に基づき、前記警報情報を前記照明器具に送信するものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、リモートコントローラは、警報音を集音するマイクを有すると共に、使用者により携帯可能であるため、警報器の警報音を検知可能な範囲を広くすることができる。また、上記のマイクと、マイクの出力に基づき警報を使用者に報知するため点灯制御される光源とは、それぞれ別の機器に設けられているので、光により警報が報知される領域の設定自由度を高くすることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、リモートコントローラ間及び照明器具間で警報情報が無線信号により伝送されるので、使用者が警報音を聞くことができない場所に居たとしても、その使用者の近傍に照明器具が配置されていた場合、その使用者に警報を報知できる。
【0019】
請求項3の発明によれば、使用者が建物外に居たとしても、その使用者が外部端末を携帯していた場合、その使用者に警報を報知できる。
【0020】
請求項4の発明によれば、使用者が建物外に居たとしても、その使用者が外部端末を携帯していた場合、建物内に他の使用者が居るか否かをその使用者に通知することができる。また、建物内に他の使用者が居た場合、その使用者を避難誘導することができ、その使用者の安全を確保することができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、警報器やその周辺環境に応じて判断基準を変更することができるので、誤報や報知漏れを防止できる。
【0022】
請求項6の発明によれば、警報器から警報内容別に発音される警報音の種類に応じて、照明器具の光源が点灯制御され及び/又は家電機器が制御されるので、使用者が警報内容を認知することができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、警報器から警報音が発せられたとき、リモートコントローラの発光部は電池により発光されるので、停電が発生した場合においても、使用者は明るさを確保することができる。
【0024】
請求項8の発明によれば、照明器具のスピーカがリモートコントローラからの警報情報に基づいて音を発するので、音を用いて警報をより確実に使用者に報知できる。
【0025】
請求項9の発明によれば、ホームサーバのスピーカがリモートコントローラからの警報情報に基づいて音を発するので、音を用いて警報をより確実に使用者に報知できる。
【0026】
請求項10の発明によれば、警報器が警報を閃光により報知した場合であっても、リモートコントローラは警報情報を生成することができるので、この警報情報に応じて照明器具の光源を点灯制御することにより、警報をより確実に使用者に報知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の各種実施形態に係る照明システムについて図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1及び図2は、第1の実施形態に係る照明システムの構成を示す。この照明システム1は、リモートコントローラ(以下、リモコンと称す)2により遠隔制御される照明器具3を備え、住居などの建物内に設けられる。照明器具3には、商用電源から電力が供給される。上記の遠隔制御は無線信号を用いて行われる。
【0028】
リモコン2は、周囲音を集音するマイク21を搭載している。この周囲音には、火災報知器10等の警報器から発せられる警報音が含まれる。さらに、リモコン2は、マイク21の出力を解析し、マイク21により集音された周囲音の中に警報音が含まれているか否かを判断する解析部22と、この判断の基となる判断基準を記憶する記憶部23と、解析部22から送出される信号に基づき、照明器具3との間の通信制御を行なう通信制御部24と、通信制御部24により制御され、警報情報を照明器具に送信する送信部25と、マイク21及び上記各部に電力を供給する電池26とを有する。
【0029】
また、リモコン2は、使用者により携帯可能に形成されている。このリモコン2の大きさや重さは、使用者が携帯可能な程度である。また、その形状は、例えば使用者がこのリモコン2を把持して携帯し易いものである。このため、使用者はリモコン2を自由に持ち運び、自由な場所に載置又は設置することができる。以下、リモコン2の各部の構成を詳細に説明する。
【0030】
解析部22は、CPUを搭載したマイクロコンピュータ(以下、マイクロコンピュータという)により構成される。このマイクロコンピュータは、周囲音に応じてマイク21から送出される電圧信号又は電流信号を受信し、この信号を解析することにより、周囲音の中に警報音が含まれているか否かを判断する。この判断の際、解析部22は、記憶部23にアクセスし、記憶部23に記憶されている判断基準を参照し、この判断基準を基に上記の判断を行なう。解析部22は、周囲音の中に警報音が含まれていると判断した場合、警報情報を使用者に報知するために照明器具3の光源31を点灯制御することを目的として、警報が発せられていることを示す警報情報を生成すると共に、その送信を指示する指示信号を通信制御部24に送出する。
【0031】
記憶部23は、RAM又はROM等のメモリにより構成される。このメモリは、マイク21により集音された周囲音の中に警報音が含まれているか否かを解析部22が判断する際に、その判断の基となる判断基準を記憶している。この判断基準は、音量や音の周波数、又は音の鳴る周期等に基づいて設定されている。例えば、音量により周囲音中の警報音の有無が判断される場合、「周囲音の音量が85dB以上となったとき、警報音が鳴っているとみなす」という判断基準が設定されている。また、音の周波数により判断される場合、「周囲音の周波数成分のうち500〜1000Hzの周波数成分が所定の閾値を超えたとき、警報音が発せられているとみなす」という判断基準が設定されている。また、音の鳴る周期により判断される場合、「周囲音の中に毎秒3〜5回の周期で発せられる音があるとき、警報音とみなす」という判断基準が設定されている。判断基準は、1つの基準、例えば音量に関する基準から成るものであっても、複数の基準、例えば音量、音の周波数及び音の鳴る周期に関する基準から成るものであってもよい。
【0032】
また、記憶部23は、上記の判断基準を変更可能に記憶している。この変更は、例えば、使用者による判断基準の再設定により行なわれる。この再設定は、例えば、リモコン2に設けられたボタン等の操作部(図示せず)や、リモコン2に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部機器を使用者が操作することにより行なわれる。上記のように判断基準は変更可能であるため、警報器やその周辺環境に応じて判断基準を変更することができるので、誤報や報知漏れを防止できる。
【0033】
通信制御部24は、マイクロコンピュータにより構成される。このマイクロコンピュータは、解析部22から送出された上記の指示信号に基づき、警報情報を照明器具3に送信させるように送信部25を制御する。送信部25は、例えば赤外線又は特定小電力電波を用いた無線信号の送信が可能な送信回路(以下、第1送信回路という)により構成されている。この第1送信回路は、通信制御部24により制御されて無線信号に警報情報を重畳し、この無線信号を照明器具3に送信する。警報情報が重畳された無線信号は、例えば、警報報知用の所定の信号であっても、照明器具3に光源31の点灯及び消灯を繰り返すように指示する信号や、光源31の調光制御を指示する信号であってもよい。なお、通信制御部24を構成するマイクロコンピュータは、解析部22を構成するものと同一であってもよい。
【0034】
一方、照明器具3は、光源31と、リモコン2の送信部25により送信された警報情報を受信する受信部32と、リモコン2間との通信制御を行なう通信制御部33と、受信部32により受信され、通信制御部33から入力された警報情報に基づき、警報を使用者に報知するため光源31を点灯制御する点灯制御部34とを有する。以下、リモコン2及び照明器具3の上記各部の構成を詳細に説明する。以下、照明器具3の各部の構成を詳細に説明する。
【0035】
光源31は、例えばランプにより構成される。受信部32は、例えば赤外線又は特定小電力電波から成る無線信号の受信が可能な受信回路(以下、第1受信回路という)により構成されている。この第1受信回路は、リモコン2の送信部25により警報情報が重畳されて送信された無線信号を受信する。さらに、第1受信回路は、受信した無線信号から警報情報を抽出して通信制御部33に送出する。
【0036】
通信制御部33は、マイクロコンピュータにより構成される。このマイクロコンピュータは、受信部32により送出された警報情報を点灯制御部34に転送する。点灯制御部34は、マイクロコンピュータと、このマイクロコンピュータにより制御され、光源31を点灯させる点灯回路とにより構成される。このマイクロコンピュータは、通信制御部33により転送された警報情報に基づいて点灯回路を制御し、光源31に点灯及び消灯を繰り返させたり、光源31を調光制御することによりその光量を増減させたりする。このような光源31の点灯制御により、警報が使用者に報知される。
【0037】
ここで、警報器が警報音を発した場合における照明システム1の警報報知動作の一例を説明する。本例においては、建物内に警報器として例えば火災報知器10が既設されており、この火災報知器10が火災を検知し、火災を報知する警報音を発したとする。
【0038】
まず、リモコン2の解析部22が、記憶部23にアクセスすると共に、記憶部23に記憶されている判断基準に基づき、マイク21により集音された周囲音の中に警報音が含まれていると判断する。この判断結果に基づき、解析部22は、警報情報を生成すると共に、その送信を指示する指示信号を通信制御部24に送出する。通信制御部24は、送信部25を制御することにより、解析部22からの指示信号に基づき、警報情報が重畳された無線信号を照明器具3に送信する。
【0039】
次に、照明器具3の受信部32が、リモコン2から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号から警報情報を抽出して通信制御部33に送出する。通信制御部33は、この警報情報を点灯制御部34に転送する。点灯制御部34は、通信制御部33からの警報情報に基づき、警報を使用者に報知するため光源31を点灯又は点滅させたり、光源31の光量を増減させたりする。このようにして、警報を使用者に報知するため、リモコン2のマイク21の出力に基づいて照明器具3の光源31が点灯制御される。
【0040】
上記構成においては、リモコン2が、警報音を集音するマイク21を有すると共に、使用者により携帯可能であるため、火災報知器10の警報音を検知可能な範囲を広くすることができる。また、マイク21はリモコン2に搭載されており、警報を使用者に報知するため点灯制御される光源31は照明器具3に搭載されており、マイク21と光源31とは、それぞれ別の機器に設けられているので、光により警報が報知される領域の設定自由度を高くすることができる。また、照明器具3は、部屋等の天井の中央に設置されるものであるため、部屋や廊下の隅等に設置されている警報器よりも確実に警報を使用者に報知できる。
【0041】
(第2の実施形態)
図3及び図4は、第2の実施形態に係る照明システム1の構成を示す。第1の実施形態と同一の部材には、同一の符号を付す(以下、同様)。本実施形態に係る照明システム1の構成は、第1の実施形態と比べ、リモコン2が、他のリモコン2の送信部25から送信された警報情報を受信する受信部27をさらに有し、また、照明器具3が、その受信部32により受信された警報情報を他の照明器具3に送信する送信部35をさらに有する点で相違がある。この相違する部分の構成に基づき、照明システム1においては、リモコン2間と、照明器具3間とで警報情報が授受される。以下、リモコン2及び照明器具3の構成を詳細に説明する。
【0042】
リモコン2の受信部27は、上記の第1受信回路により構成されている。この第1受信回路は、他のリモコン2の送信部25により警報情報が重畳されて送信された無線信号を受信する。さらに、上記の受信回路は、受信した無線信号から警報情報を抽出して通信制御部24に送出する。
【0043】
リモコン2の通信制御部24は、受信部27により送出された警報情報を照明器具3又はさらに他のリモコン2に送信するように送信部25を制御する。送信部25は、通信制御部24により制御されて無線信号に上記の警報情報を重畳し、この無線信号を照明器具3又はさらに他のリモコン2に送信する。
【0044】
照明器具3の送信部35は、例えばRF信号や赤外線又は特定小電力電波を用いた無線信号の送信、若しくは電力線等の有線を介した電気信号の送信が可能な送信回路(以下、第2送信回路という)により構成されている。この第2送信回路は、通信制御部33により制御されて無線信号、RF信号又は電気信号(以下、無線信号等という)に警報情報を重畳し、この無線信号等を他の照明器具3に送信する。
【0045】
照明器具3の受信部32は、例えばRF信号や赤外線又は特定小電力電波から成る無線信号の受信、若しくは電力線等の有線を介した電気信号の受信が可能な受信回路(以下、第2受信回路という)により構成されている。この第2受信回路は、第1の実施形態と同様にリモコン2の送信部25から送信された無線信号を受信すると共に、他の照明器具3の送信部35により警報情報が重畳されて送信された無線信号等を受信する。さらに、第2受信回路は、受信した無線信号等から警報情報を抽出して通信制御部33に送出する。
【0046】
ここで、警報器が警報音を発した場合における照明システム1の警報報知動作の一例を説明する。本例においては、警報器である火災報知器10が火災を検知し、火災を報知する警報音を発したとする。また、2台のリモコン2をそれぞれリモコン2A、2Bと称し、3台の照明器具3をそれぞれ、照明器具3A、3B、3Cと称する。さらに、リモコン2Aのマイク21が警報音を集音したとする。
【0047】
まず、リモコン2Aの通信制御部24が、警報情報の重畳された無線信号を、送信部25を制御することにより、第1の実施形態と同様に照明器具3Aに送信する(矢印(A)で示す)。さらに、この通信制御部24が、上記の無線信号をリモコン2Bに送信する(矢印(B)で示す)。このようにして、リモコン2間で警報情報の授受が行なわれる。
【0048】
照明器具3Aの受信部32は、リモコン2から送信された無線信号を受信し、この無線信号から警報情報を抽出して通信制御部33に送出する。通信制御部33は、この警報情報を点灯制御部34に転送すると共に、この警報情報を照明器具3Bに送信するように送信部35を制御する。送信部35は、通信制御部33により制御されて無線信号等に上記の警報情報を重畳し、この無線信号等を照明器具3Bに送信する(矢印(C)で示す)。このようにして、照明器具3間で警報情報の授受が行なわれる。照明器具3Aの点灯制御部34は、警報情報に基づいて光源31を点灯制御する。この点灯制御により、照明器具3A近傍の使用者に警報が報知される。
【0049】
照明器具3Bの受信部32は、照明器具3Aから送信された無線信号等を受信し、この無線信号等から警報情報を抽出して通信制御部33に送出する。通信制御部33は、この警報情報を点灯制御部34に転送する。点灯制御部34は、警報情報に基づいて光源31を点灯制御する。この点灯制御により、照明器具3B近傍の使用者に警報が報知される。
【0050】
リモコン2Bの受信部27は、リモコン2Aから送信された無線信号を受信し、受信した無線信号から警報情報を抽出して通信制御部24に送出する。通信制御部24は、送信部25を制御し、この警報情報を照明器具3Cに送信する(矢印(D)で示す)。
【0051】
照明器具3Cの受信部32は、リモコン2Bから送信された無線信号を受信する。照明器具3A,3Bと同様に、照明器具3Cの点灯制御部34は、無線信号に重畳されている警報情報に基づいて光源31を点灯制御する。この点灯制御により、照明器具3C近傍の使用者に警報が報知される。
【0052】
本実施形態においては、第1の実施形態による効果を得ることができると共に、リモコン2間及び照明器具3間で警報情報が無線信号により伝送されるので、使用者が警報音を聞くことができない場所に居たとしても、その使用者の近傍に照明器具3が配置されていた場合、その使用者に警報を報知できる。また、照明器具は一般に建物内の部屋や廊下等の様々な場所に設置されるものであるため、この照明器具を本発明の照明器具3に置換し、リモコン2を建物内に設けるだけで照明システム1を構築することができる。このため、照明システム1に伴って建物内の景観が損なわれることを防止できる。
【0053】
(第3の実施形態)
図5及び図6は、第3の実施形態に係る照明システム1の構成を示す。この構成は、第1及び第2の実施形態と比べ、照明システム1が、携帯電話機11等の外部端末と電気通信回線12を介して接続された通信機器4をさらに備える点で異なる。この通信機器4は、リモコン2との間で警報情報を授受し、この警報情報を外部端末に送信する。通信機器4は、例えば、電話機又はパーソナルコンピュータにより構成される。この通信機器4には、商用電源から電力が供給されている。以下、通信機器4の構成を詳細に説明する。
【0054】
通信機器4は、リモコン2の送信部25により送信された警報情報を受信する受信部41と、受信部41により受信された警報情報を電気通信回線12を介して携帯電話機11に送信する送信部42と、受信部41及び送信部42を制御することにより、リモコン2との間及び携帯電話機11との間の通信制御を行なう通信制御部43とを有する。
【0055】
受信部41は、上記の第1受信回路により構成されている。この第1受信回路は、リモコン2の送信部25により警報情報が重畳されて送信された無線信号を受信する。さらに、第1受信回路は、受信した無線信号から警報情報を抽出して通信制御部43に送出する。
【0056】
通信制御部43は、マイクロコンピュータにより構成される。このマイクロコンピュータは、受信部41から送出された警報情報に基づき、警報情報の携帯電話機11への送信を指示する指示信号を送信部42に送信する。この指示信号には、警報情報の送信先として予め設定されている携帯電話機11のアドレスを示す情報が含まれている。
【0057】
送信部42は、例えばインターネット等の電気通信回線12を介してメールを携帯電話機11に送信可能な送信回路(以下、第3送信回路という)により構成されている。この第3送信回路は、上記の指示信号を通信制御部43から受信し、この指示信号に基づいてメールに警報情報を重畳し、このメールを携帯電話機11に送信する。
【0058】
本実施形態においては、第1及び第2の実施形態による効果を得ることができると共に、警報器が警報音を発したとき、通信機器4が、警報情報を重畳したメールを携帯電話機11に送信するので、使用者が建物外に居たとしても、その使用者が携帯電話機11を携帯していた場合、その使用者に警報を報知できる。
【0059】
図7は、照明システム1の変形例の構成を示す。この照明システム1の構成は、上記第3の実施形態と比べ、照明器具3と通信機器4との間で警報情報の授受が行なわれる点で異なる。以下、照明器具3及び通信機器4の構成を詳細に説明する。
【0060】
照明器具3の通信制御部33は、送信部35を制御することにより、リモコン2からの警報情報を通信機器4に送信する。このとき、警報情報は、送信部35により電気信号に重畳され、電力線等の有線を介して通信機器4に送信される。
【0061】
通信機器4の受信部41は、例えば電力線等の有線を介した電気信号の受信が可能な受信回路により構成されている。この受信回路は、照明器具3の送信部35により警報情報が重畳されて送信された電気信号を受信する。さらに、上記の受信回路は、受信した電気信号から警報情報を抽出して通信制御部43に送出する。通信制御部43は、受信部41からの警報情報に基づき、送信部42により警報情報をメールを用いて携帯電話機11に送信する。本変形例においても、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
(第4の実施形態)
図8及び図9は、第4の実施形態に係る照明システム1の構成を示す。この構成は、第1乃至第3の実施形態と比べ、照明システム1が、照明器具3を含む家電機器と電気的に接続され、家電機器を一括制御するホームサーバ5をさらに備える点で異なる。また、リモコン2及び照明器具3がそれぞれ、人を検知する人感センサ28、36をさらに有し、人検知情報をホームサーバ5に送信する点で異なる。ホームサーバ5は、リモコン2及び照明器具3からの人検知情報に応じて、家電機器を連動制御する。また、ホームサーバ5は、携帯電話機11等の外部端末と通信回線12を介して接続されており、人検知情報を外部端末に送信する。このホームサーバ5には、商用電源から電力が供給されている。以下、リモコン2、照明器具3及びホームサーバ5の構成を詳細に説明する。
【0063】
リモコン2の人感センサ28は検知出力を通信制御部24に送出する。通信制御部24は、人感センサ28からの検知出力に応じた人検知情報を生成し、自身の位置を示す位置情報とこの人検知情報をホームサーバ5に送信するように送信部25を制御する。送信部25は、人検知情報及び位置情報を無線信号に重畳し、この無線信号をホームサーバ5に送信する。また、送信部25は、マイク21が警報音を集音した場合、警報情報を無線信号に重畳してホームサーバ5に送信する。
【0064】
照明器具3の人感センサ36は検知出力を通信制御部33に送出する。通信制御部33は、人感センサ36からの検知出力に応じた人検知情報を生成し、自身の位置を示す位置情報とこの人検知情報をホームサーバ5に送信するように送信部35を制御する。送信部35は、通信制御部33により制御されて無線信号等に人検知情報及び位置情報を重畳し、この無線信号等をホームサーバ5に送信する。また、送信部35は、受信部32がリモコン2からの警報情報を受信した場合、警報情報を無線信号等に重畳してホームサーバ5に送信する。点灯制御部34は、人感センサ36及びリモコン2の人感センサ28の検知出力に応じて光源31を点灯制御してもよい。
【0065】
ホームサーバ5は、リモコン2の送信部25又は照明器具3の送信部35から送信された警報情報、人検知情報及び位置情報を受信する受信部51と、受信部51により受信された警報情報、位置情報及び人検知情報に基づき、照明器具3等の家電機器を連動制御するため家電機器に制御信号を送信する家電制御部52とを有する。
【0066】
さらに、ホームサーバ5は、家電制御部52からの信号に基づき、警報情報及び人検知情報を電気通信回線12を介して携帯電話機11等の外部端末に送信すると共に、家電制御部52からの制御信号を家電機器に送信する送信部53と、受信部51及び送信部53を制御することにより、リモコン2との間、照明器具3を含む家電機器との間及び携帯電話機11との間の通信制御を行なう通信制御部54とを有する。
【0067】
受信部51は、上記の第2受信回路により構成されている。この第2受信回路は、リモコン2の送信部25又は照明器具3の送信部35から送信された無線信号等を受信する。さらに、上記の受信回路は、受信した無線信号等から警報情報、位置情報及び人検知情報を抽出して通信制御部54に送出する。
【0068】
家電制御部52は、マイクロコンピュータにより構成される。このマイクロコンピュータは、通信制御部54から転送された警報情報、位置情報及び人検知情報に基づいて、使用者に避難経路を認知させるように家電機器を制御するための制御信号を通信制御部54に送出する。
【0069】
通信制御部54は、マイクロコンピュータにより構成される。このマイクロコンピュータは、受信部51から送出された警報情報に基づき、警報情報及び人検知情報の携帯電話機11への送信を指示する指示信号を送信部53に送信する。この指示信号には、警報情報の送信先として予め設定されている携帯電話機11のアドレスを示す情報が含まれている。また、通信制御部54は、家電制御部52からの制御信号を送信部53に転送する。なお、通信制御部54を構成するマイクロコンピュータは、家電制御部52を構成するものと同一であってもよい。
【0070】
送信部53は、上記の第2及び第3送信回路により構成されている。第2送信回路は、通信制御部54により転送された家電制御部52からの制御信号を無線信号に変換し、この無線信号を制御対象の家電機器に送信する。第3送信回路は、上記の指示信号を通信制御部43から受信し、この指示信号に基づいてメールに警報情報及び人検知情報を重畳し、このメールを携帯電話機11に送信する。例えば、警報情報及び人検知情報は、テキスト情報としてメールに含まれる。
【0071】
ここで、照明システム1の動作の一例を説明する。まず、平常時における照明システム1の動作を説明する。照明器具3において、点灯制御部34は、人感センサ36の検知出力に応じて光源31を点灯制御する。照明器具の通信制御部33及びリモコン2の通信制御部24は、人感センサ36、28からの検知出力に応じて、人検知情報及び自身の位置情報を送信部35、25からホームサーバ5に送信する。人検知情報及び位置情報は、建物内に人が居ることと、建物内におけるその人の位置とを示している。ホームサーバ5において、受信部51は、照明器具3又はリモコン2からの人検知情報及び位置情報を受信する。家電制御部52は、人検知情報及び位置情報を記憶する。
【0072】
次に、火災報知器10が警報音を発した場合における照明システム1の警報報知動作を説明する。照明器具3の光源31が警報を報知するため点灯制御される動作については第1及び第2の実施形態に記載の通りである。
【0073】
ホームサーバ5において、受信部51は、リモコン2又は照明器具3から警報情報を受信する。家電制御部52は、受信部51による警報情報の受信をトリガとし、通信制御部54及び送信部53を介して、使用者に避難経路を認知させるように家電機器を制御する。この家電制御部52による家電機器制御は、家電制御部52が記憶している人検知情報及び位置情報に応じて実行される。例えば、家電制御部52は、人が居る位置に応じて、避難経路となる部屋や廊下等に配置された照明器具3を特定し、その照明器具3を警報報知用のパターンで点滅するように点灯制御する。このようにして、照明システム1の使用者が避難誘導される。
【0074】
また、家電制御部52は、受信部51による警報情報の受信をトリガとし、通信制御部54及び送信部53を介して、人検知情報及び警報情報を携帯電話機11に送信する。人検知情報及び警報情報はメールを媒体として携帯電話機11に伝送される。このようにして、宅外の使用者に、警報が報知されると共に、建物内に人が居るか否かが通知される。
【0075】
本実施形態においては、第1乃至第3の実施形態による効果を得ることができると共に、警報器が警報音を発したとき、ホームサーバ5が、人検知情報を重畳したメールを携帯電話機11に送信するので、使用者が建物外に居たとしても、その使用者が携帯電話機11を携帯していた場合、建物内に他の使用者が居るか否かをその使用者に通知することができる。また、ホームサーバ5は、人検知情報に応じて、使用者に避難経路を認知させるように家電機器を連動制御するので、建物内に他の使用者が居た場合、その使用者を避難誘導することができる。このため、その使用者の安全を確保することができる。
【0076】
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態に係る照明システム1におけるリモコン2の記憶部23に格納されている制御テーブルTを示す。本実施形態に係る照明システム1は、第4の実施形態と比べ、警報器から警報内容別に発音される警報音の種類が判別され、警報音の種類に応じて家電機器が制御される点で異なる。上記の制御テーブルTには、警報音の種類を判別するための判別パラメータが収められている。この判別パラメータは、周囲音の中に警報音が含まれているか否かを解析部22が判断する際に、その判断の基となる判断基準としての役割も果たす。以下、照明システム1の構成を詳細に説明する。
【0077】
上記の制御テーブルTにおいては、一例として、警報音の音量と、その周波数と、警報音が鳴る周期との組み合わせ別に、警報内容と、照明器具3の点灯パターンと、外部端末への通報の要否とが設定されている。例えば、音量が「70dB以上」であり、周波数が「2000Hz」であり、且つ、鳴る周期が「毎秒5回」である音は、「火災警報」用の警報音として登録されている。さらに、この警報音は、照明器具3の火災報知用の点灯パターンとして「点滅パターン1」と対応付けされ、さらに、この警報音が鳴った場合には、外部端末への通報の必要「あり」と登録されている。記憶部23は、第1の実施形態における判断基準の変更方法と同様の方法により、制御テーブルTの内容を変更可能に記憶している。また、制御テーブルTは、使用者によるホームサーバ5の操作部(図示せず)の操作に基づくホームサーバ5とリモコン2との間の通信により変更可能であってもよい。
【0078】
リモコン2の解析部22は、マイク21からの出力に基づき、その出力を解析し、マイク21により集音された周囲音の中に警報音が含まれているか否かを判断すると共に、周囲音に含まれる警報音の種類を記憶部23の制御テーブルTを参照して判別する。また、解析部22は、警報音の種類すなわち警報内容を使用者に報知するために照明器具3やその他の家電機器を制御することを目的とし、上記の判別の結果に応じて、警報内容と、照明器具3の点灯パターンと、外部端末への通報の必要の有無とを示す警報音種類情報を生成する。さらに、解析部22は、警報音種類情報を警報情報に重畳し、この警報情報の送信を指示する指示信号を通信制御部24に送出する。通信制御部24は、解析部22からの指示信号に基づき、警報情報を照明器具3に送信させるように送信部25を制御する。送信部25は、通信制御部24により制御されて無線信号に警報情報を重畳し、この無線信号を照明器具3及びホームサーバ5に送信する。
【0079】
照明器具3の点灯制御部34は、受信部32及び通信制御部33を介して得た、リモコン2からの警報音種類情報に基づき、この警報音種類情報において示される点灯パターンで光源31を点灯制御する。さらに、ホームサーバ5の家電制御部52は、受信部51及び通信制御部54を介して得た、リモコン2からの警報音種類情報に基づき、家電機器を制御する。例えば、家電制御部52は、警報音種類情報に基づき、外部端末への通報や制御対象の家電機器の選択を行なう。
【0080】
本実施形態においては、第4の実施形態による効果を得ることができると共に、警報器から警報内容別に発せられる警報音の種類に応じて、照明器具3の光源31が点灯制御されると共に、家電機器が制御されるので、使用者が警報内容を認知することができる。このため、使用者は警報内容に応じて対応することができる。
【0081】
(第6の実施形態)
図11(a)(b)は、第6の実施形態に係る照明システム1のリモコン2及びホームサーバ5の構成を示す。本実施形態に係る照明システム1の構成は、第4及び第5の実施形態と比べ、リモコン2が、周囲音の中に警報音が含まれる場合に発光する発光部29aをさらに有し、ホームサーバ5が、警報情報に基づいて発光する発光部55aをさらに有する点で異なる。以下、リモコン2及びホームサーバ5の構成を詳細に説明する。
【0082】
リモコン2は、液晶素子、LED、有機EL等の発光素子により構成される発光部29aと、発光部29aを発光制御する発光制御部29bとを有する。発光制御部29bは、マイクロコンピュータにより構成されている。このマイクロコンピュータは、マイク21により集音された周囲音の中に警報音が含まれていると解析部22により判断された場合に解析部22から送出される信号に基づき、発光部29aを発光制御する。発光部29a及び発光制御部29bには、電池26から電力が供給される。
【0083】
ホームサーバ5は、リモコン2の発光部29aと同様の構成を有する発光部55aと、発光部55aを発光制御する発光制御部55bと、これらを含むホームサーバ5の各部に電力を供給する二次電池56とを有する。発光制御部55bは、マイクロコンピュータにより構成されている。このマイクロコンピュータは、通信制御部54が受信部51により受信し、且つ、通信制御部54から自身に送出された警報情報に基づき、発光部55aを発光制御する。
【0084】
本実施形態においては、第4及び第5の実施形態による効果を得ることができると共に、警報器から警報音が発せられたとき、リモコン2及びホームサーバ5の発光部29a、55aは、電池26及び二次電池56により発光されるので、停電が発生した場合においても、使用者は明るさを確保することができる。このため、使用者は安全に避難することができる。
【0085】
(第7の実施形態)
図12(a)(b)は、第7の実施形態に係る照明システム1の照明器具3及びホームサーバ5の構成を示す。本実施形態に係る照明システム1の構成は、第4乃至第6の実施形態と比べ、照明器具3及びホームサーバ5が、それぞれ、警報情報に基づいて音を発するスピーカ37a、57aをさらに有する点で異なる。以下、照明器具3及びホームサーバ5の構成を詳細に説明する。
【0086】
照明器具3は、スピーカ37aと、このスピーカ37aから音を発するか否かを制御する発音制御部37bとを有する。発音制御部37bは、マイクロコンピュータにより構成されている。このマイクロコンピュータは、受信部32により受信され、且つ、通信制御部33から送出された警報情報に応じて、スピーカ37aから音を発するようにスピーカ37aを制御する。この制御によりスピーカ37aから「火災が発生しました。避難してください」等の音が発せられ、警報が使用者に報知される。
【0087】
ホームサーバ5は、スピーカ57aと、このスピーカ57aから音を発するか否かを制御する発音制御部57bとを有する。発音制御部57bは、マイクロコンピュータにより構成されている。このマイクロコンピュータは、受信部51により受信され、且つ、通信制御部54から送出された警報情報に応じて、スピーカ57aから音を発するようにスピーカ57aを制御する。この発音制御によっても、照明器具3と同様に、警報が使用者に報知される。
【0088】
本実施形態においては、第4乃至第6の実施形態による効果を得ることができると共に、照明器具3及びホームサーバ5のスピーカ37a、57aがリモコン2からの警報情報に基づいて音を発するので、この音を用いて警報をより確実に使用者に報知できる。
【0089】
(第8の実施形態)
図13は、第8の実施形態に係る照明システム1のリモコン2の構成を示す。本実施形態に係る照明システム1は、第1乃至第7の実施形態と比べ、リモコン2が、さらに、警報器からの警報用閃光に基づいて警報情報を照明器具3に送信する点で異なる。
【0090】
リモコン2は、周囲の光から警報器の警報用閃光を分光する分光フィルタ部61aと、この分光フィルタ部61aにより分光された警報用閃光を受光する受光部61bとを有する。分光フィルタ部61aは分光フィルタにより構成されている。受光部61bは、この分光フィルタにより分光された光を受光する受光素子により構成されている。
【0091】
解析部22は、受光部61bからの出力に基づき、警報情報を生成すると共に、その送信を指示する指示信号を通信制御部24に送出する。通信制御部24は、解析部22から送出された上記の指示信号に基づき、警報情報を照明器具3に送信させるように送信部25を制御する。送信部25は、通信制御部24により制御されて無線信号に警報情報を重畳し、この無線信号を照明器具3に送信する。無線信号の送信先は、照明器具3に限定されず、通信機器4又はホームサーバ5であってもよい。
【0092】
本実施形態においては、第1乃至第7の実施形態による効果を得ることができると共に、警報器が警報を閃光により報知した場合であっても、リモコン2は警報情報を生成することができるので、この警報情報に応じて照明器具3の光源31を点灯制御することにより、警報をより確実に使用者に報知できる。
【0093】
なお、分光フィルタ部61aの分光フィルタは、警報内容別に光色が異なる警報用閃光の種類に対応してそれぞれの光色の閃光を透過させるため、複数個設けられていても構わない。分光フィルタが複数個在る場合、これらに対応し、それぞれの分光フィルタを透過した光を受光できるように受光素子が受光部61bに複数個設けられる。分光フィルタと受光素子とは一つの対を成す。受光部61bは、警報用閃光の種類に応じた信号を送出する。解析部22は、この信号に応じて警報音種類情報を生成し、この警報音種類情報を警報情報に重畳する。第5の実施形態と同様に、この警報情報に基づいて、警報内容別の家電機器制御が行なわれる。
【0094】
本発明は、上記第1乃至第8の実施形態の構成に限られず、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、第5の実施形態において、制御テーブルTは、ホームサーバ5に記憶されていても構わない。また、第6の実施形態において、発光部及び発光制御部は、リモコン2及びホームサーバ5のうちいずれか一方にのみ設けられていてもよい。また、第7の実施形態において、スピーカ及び発音制御部は、照明器具3及びホームサーバ5のうちいずれか一方にのみ設けられていても構わない。また、スピーカ37a、57aは、例えば、火災報知器10等の警報器が設置されている部屋以外の場所に在る照明器具3やホームサーバ5にのみ設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明システムの構成図。
【図2】上記照明システムの電気的構成図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る照明システムの構成図。
【図4】上記照明システムの電気的構成図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る照明システムの構成図。
【図6】上記照明システムの電気的構成図。
【図7】上記照明システムの変形例の電気的構成図。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る照明システムの構成図。
【図9】上記照明システムの電気的構成図。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る照明システムにおけるリモコンの記憶部に格納されている制御テーブルを示す図。
【図11】(a)は本発明の第6の実施形態に係る照明システムにおけるリモコンの電気的構成図、(b)は同照明システムにおけるホームサーバの電気的構成図。
【図12】(a)は本発明の第7の実施形態に係る照明システムにおける照明器具の電気的構成図、(b)は同照明システムにおけるホームサーバの電気的構成図。
【図13】本発明の第8の実施形態に係る照明システムにおけるリモコンの電気的構成図。
【符号の説明】
【0096】
1 照明システム
10 火災報知器(警報器)
11 携帯電話機(外部端末)
12 電気通信回線(通信回線)
2 リモコン
21 マイク
22 解析部
23 記憶部
25 送信部
26 電池
27 受信部
28 人感センサ
29a 発光部
29b 発光制御部
61a 分光フィルタ部
61b 受光部
3 照明器具
31 光源
32 受信部
34 点灯制御部
35 送信部
36 人感センサ
37a スピーカ
37b 発音制御部
4 通信機器
41 受信部
42 送信部
5 ホームサーバ
51 受信部
52 家電制御部
53 送信部
55a 発光部
55b 発光制御部
57a スピーカ
57b 発音制御部
T 制御テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を有する照明器具と、警報器の警報音を含む周囲音を集音するマイクと、を備え、警報を使用者に報知するため、前記マイクの出力に基づいて前記光源が点灯制御される照明システムにおいて、
使用者により携帯可能であり、無線信号を用いて前記照明器具を遠隔制御するリモートコントローラを備え、
前記マイクは、前記リモートコントローラに搭載され、
前記リモートコントローラは、
前記マイクの出力を解析し、該マイクにより集音された周囲音の中に警報音が含まれているか否かを判断する解析部と、
前記周囲音の中に警報音が含まれていると前記解析部により判断された場合に該解析部から送出される信号に基づき、警報情報を無線信号に重畳し、該無線信号を前記照明器具に送信する送信部と、を有し、
前記照明器具は、
前記リモートコントローラの送信部により送信された警報情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信された警報情報に基づき、警報を使用者に報知するため前記光源を点灯制御する点灯制御部と、を有することを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記リモートコントローラは、他のリモートコントローラの送信部から送信された警報情報を受信する受信部を有し、
前記リモートコントローラの送信部は、該リモートコントローラの受信部により受信された警報情報を前記照明器具に送信し、
前記照明器具は、該照明器具の受信部により受信された警報情報を他の照明器具に送信する送信部を有し、
前記照明器具の受信部は、他の照明器具の送信部から送信された警報情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
外部端末と通信回線を介して接続された通信機器を備え、
前記通信機器は、
前記リモートコントローラの送信部から送信された警報情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信された警報情報を前記通信回線を介して前記外部端末に送信する送信部と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記照明器具を含む家電機器と電気的に接続され、且つ、外部端末と通信回線を介して接続され、該家電機器を一括制御するホームサーバをさらに備え、
前記リモートコントローラと照明器具の両方または一方は、人を検知する人感センサを有し、
前記リモートコントローラと照明器具の両方または一方の送信部は、前記警報情報及び前記人感センサからの出力に応じた人検知情報を無線信号に重畳し、該無線信号を前記ホームサーバに送信し、
前記ホームサーバは、
前記リモートコントローラと照明器具の両方または一方の送信部から送信された警報情報及び人検知情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信された警報情報及び人検知情報を前記通信回線を介して前記外部端末に送信する送信部と、
前記受信部により受信された警報情報及び人検知情報に基づき、使用者に避難経路を認知させるように前記家電機器を連動制御するため該家電機器に制御信号を送信する家電制御部と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記リモートコントローラは、
前記マイクにより集音された周囲音の中に警報音が含まれているか否かを前記解析部が判断する際に、該解析部により参照され、該判断の基となる判断基準を記憶する記憶部を有し、
前記記憶部は、前記判断基準を変更可能に記憶していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項6】
前記リモートコントローラの記憶部により記憶される判断基準には、警報器から警報内容別に発音される警報音の種類を判別するための判別パラメータが含まれ、
前記リモートコントローラの解析部は、前記マイクの出力を解析し、該マイクにより集音された周囲音の中に含まれる警報音の種類を前記判別パラメータを参照して判別し、該判別の結果に応じた信号を該リモートコントローラの送信部に送出し、
前記リモートコントローラの送信部は、前記判別の結果に応じた前記解析部からの信号に基づき、警報音の種類を示す警報音種類情報を前記警報情報に重畳して前記照明器具とホームサーバの両方または一方に送信し、
前記照明器具の点灯制御部とホームサーバの家電制御部の両方または一方は、警報器からの警報内容を使用者に通知するため、前記警報音種類情報に基づいて前記光源と家電機器の両方または一方を制御することを特徴とする請求項5に記載の照明システム。
【請求項7】
前記リモートコントローラは、
発光部と、
前記マイクにより集音された周囲音の中に警報音が含まれていると前記解析部により判断された場合に該解析部から送出される信号に基づき、前記発光部を発光制御する発光制御部と、
前記発光部及び発光制御部に電力を供給する電池と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記照明器具は、
スピーカと、
該照明器具の受信部により受信された警報情報に基づき、警報を使用者に報知するために前記スピーカから音を発するか否かを制御する発音制御部と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項9】
前記ホームサーバは、
スピーカと、
該ホームサーバの受信部により受信された警報情報に基づき、警報を使用者に報知するために前記スピーカから音を発するか否かを制御する発音制御部と、を有することを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項10】
前記リモートコントローラは、
周囲の光から警報器の警報用閃光を分光する分光フィルタ部と、
前記分光フィルタ部により分光された警報用閃光を受光する受光部と、を有し、
前記リモートコントローラの送信部は、前記受光部の出力に基づき、前記警報情報を前記照明器具に送信することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−204393(P2008−204393A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42833(P2007−42833)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】