照明装置
【課題】光を外部に取り出す効率を向上させ、薄型化することができる照明装置を提供する。
【解決手段】青色発光素子が凸型の表面形状の透明樹脂で包含された発光構造体11と、発光構造体11が二次元配置された基板12と、青色発光素子の青色光を拡散する拡散板13と、基板12と離間して配置され、青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シート14とを備える。
【解決手段】青色発光素子が凸型の表面形状の透明樹脂で包含された発光構造体11と、発光構造体11が二次元配置された基板12と、青色発光素子の青色光を拡散する拡散板13と、基板12と離間して配置され、青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シート14とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置に用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイでは、液晶パネルを背後から前面にわたり照射するバックライト光源が用いられる。近年では、液晶ディスプレイの大型化、薄型化、軽量化、長寿命化等に伴い、また、点滅制御による動画特性改善の観点から、基板上に複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を配設して面発光を行う発光装置が注目されている。このような発光装置では、白色光を取り出すために、主に次のような2つの手法が用いられている。
【0003】
第1の手法は、R、G、Bの3色の光をそれぞれ発するLEDを配設して、これらを同時点灯することにより、3色の光を合成させて白色光を得るものである。そして、第2の手法は、例えば青色LEDを蛍光体含有樹脂により包囲し、青色光を白色光に色変換するというものである。この青色LEDを蛍光体含有樹脂により包囲した構造体は、“白色LED”と呼ばれている。
【0004】
しかしながら、第1の手法は、R、G、Bの3色のLEDが必要になるためコストが高い。また、上記第2の手法では、LEDの微小面積に対して蛍光体をポッティングするため、蛍光体含有をむらなく均一に形成するのが困難である。
【0005】
このため近年、第2の手法に代わる第3の手法として、蛍光体含有樹脂をシート基材で挟み込んだものや、蛍光体含有樹脂をシート形状に加工した蛍光体含有シートを用いて、青色LEDにより色変換する手法が注目を集めいている(例えば、特許文献1、2参照。)。また、蛍光体含有樹脂を2枚のガラス板で挟み込むといった構造も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
このように青色LEDと蛍光体含有樹脂とが接触せずに配置された構造は“リモート蛍光体構造”と呼ばれる。また、この“リモート蛍光体構造”は、液晶ディスプレイ用バックライトとしてだけではなく、照明用光源として用いることも可能である。照明用光源の場合、蛍光体含有樹脂は、上記の通り平面のシート形状であるだけでなく、カップ型形状等の立体的な形状を持っていてもよい。
【0007】
一般に、光源の最大かつ恒久的な課題は、発光効率の向上である。LEDを用いたバックライト光源や照明用光源の場合、(1)青色LED素子自体の効率(電子や正孔を光に変換する量子効率)を向上させること、(2)蛍光体の発光効率(LEDから発生した光の波長変換効率)を向上させること、(3)LEDや蛍光体から放出される光を光源内部のいずれかの部位において、できるだけ損失させずに外部に取り出す効率を向上させることが望ましい。
【0008】
さて、LEDを蛍光体含有樹脂により包囲した“白色LED”の場合、LEDチップと蛍光体が互いに接触あるいは近接しているために、LED発光時に同時に放出される熱が蛍光体に伝わりやすく、蛍光体の温度が上昇する。蛍光体温度が上昇すると、蛍光体波長変換効率は低下する。この現象は、“温度消光”と呼ばれる。図17に、Y3AlO12:Ce(YAG)蛍光体における蛍光体温度消光の測定データを示す。
【0009】
一方、上記特許文献1、2等に示す第3の手法を用いた“リモート蛍光体構造”の場合、LEDと蛍光体含有樹脂が接触せずに配置されているため、LED発光時に同時に放出される熱が蛍光体に伝わりにくく、蛍光体が温度上昇しにくい。このため、蛍光体波長変換効率の低下は、“白色LED”よりも小さい。これは、“リモート蛍光体構造”の利点一つである。先行技術である特許文献1、2は、この利点を適用することが可能なため、非常に望ましい技術といえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−283438号公報
【特許文献2】特開2010−171342号公報
【特許文献3】特開2007−23267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1〜3に記載された所謂“リモート蛍光体構造”は、上述(3)における光を外部に取り出す効率が不十分であった。また、“リモート蛍光体構造”は、LEDと蛍光体含有構造体とが離間しているため、装置の薄型化が困難であった。
【0012】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、光を外部に取り出す効率を向上させ、薄型化することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した課題を解決するために、本発明に係る照明装置は、青色発光素子が凸型の表面形状の透明樹脂で包含された発光構造体と、前記発光構造体が二次元配置された基板と、前記基板と離間して配置され、前記青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シートとを備える。
【0014】
また、本発明に係る表示装置は、前述の照明装置が、画像表示パネルに配置されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、透明樹脂の凸型の表面形状により、透明樹脂の全反射による青色光の光閉じ込めを緩和し、青色光を外部に取り出す効率を向上させることができる。さらに、透明樹脂の凸型の表面形状による光放射分布のブロード化、及び粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シートによる光散乱効果により、基板と蛍光体シートとの離間距離を小さくすることができ、所謂“リモート蛍光体構造”の装置を薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係る照明装置を示す概略断面図である。
【図2】発光構造体の構成例を示す概略断面図である。
【図3】蛍光体シートの構成例を示す図である。
【図4】青色LEDパッケージ(r/a=∞)の放射角度分布を示すグラフである。
【図5】青色LEDパッケージ(r/a=2.78)の放射角度分布を示すグラフである。
【図6】青色LEDパッケージ(r/a=1.46)の放射角度分布を示すグラフである。
【図7】白色LEDパッケージ(r/a=∞)の放射角度分布を示すグラフである。
【図8】実施例の照明装置の構成を示す概略断面図である。
【図9】参照例の照明装置の構成を示す概略断面図である
【図10】比較例の照明装置の構成を示す概略断面図である
【図11】LED投入電流−輝度特性を示すグラフである。
【図12】参照例の照明装置において、基板と拡散板との距離を(A)37mm、(B)34mm、(C)29mm、(D)24mmとしたときの画像である。
【図13】比較例の照明装置において、基板と拡散板との距離を(A)37mm、(B)34mm、(C)29mm、(D)24mmとしたときの画像である。
【図14】参照例の照明装置の蛍光体シートを配置した場合における照明装置の発光面の相対輝度を示すグラフである。
【図15】参照例の照明装置の蛍光体シートを配置しなかった場合における照明装置の発光面の相対輝度を示すグラフである。
【図16】参照例の照明装置の蛍光体シートを配置した場合及び蛍光体シートを配置しなかった場合におけるLEDパターンの輝度むら(%)を示すグラフである。
【図17】Y3AlO12:Ce(YAG)蛍光体における蛍光体温度消光の測定データを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.照明装置の構成例
2.実施例
【0018】
<1.照明装置の構成例>
図1は、本発明の一実施の形態に係る照明装置を示す概略断面図である。図1に示すように、照明装置は、青色発光素子が凸型の表面形状の透明樹脂で包含された発光構造体11と、発光構造体11が二次元配置された基板12と、青色発光素子の青色光を拡散する拡散板13と、基板12と離間して配置され、青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シート14と、光学フィルム15とを備える。
【0019】
基板12と蛍光体シート14とは約10〜50mm程度離間して配置され、照明装置は、所謂“リモート蛍光体構造”を構成する。基板12と蛍光体シート14との間隙は、複数の支持柱や反射板によって保持され、基板12と蛍光体シート14とがなす空間を支持柱や反射板が四方で囲むように設けられている。
【0020】
発光構造体11は、青色発光素子として例えばInGaN系の青色LED(Light Emitting Diode)チップを有する、所謂“LEDパッケージ”を構成する。
【0021】
図2は、発光構造体11の構成例を示す概略断面図である。この発光構造体11は、基材111と、青色発光素子である青色LEDチップ112と、透明樹脂113とを備える。基材111の端部には、透明樹脂113が凸型の表面形状となるように側壁が設けられている。
【0022】
透明樹脂111の凸型断面はレンズ形状であり、その曲面は、基材111上の青色LEDチップ112搭載面の幅の半値(基材111の中心から内壁までの距離)aと、曲率半径rとの比r/aが4.0以下であることが好ましく、より好ましくは、1.7以下である。r/aが4.0以下であることにより、透明樹脂113の全反射による青色光の光閉じ込めを緩和し、青色光を外部に取り出す効率を向上させることができる。また、ブロードな光放射分布が得られるため、所謂“リモート蛍光体構造”を薄型化することができる。
【0023】
また、基材111端部の内壁の高さbは、青色LEDチップ112の厚み以上であり、透明樹脂113の高さdは、内壁の高さbより大きい。なお、基材111端部の側壁は形成されていなくても構わないが、その場合、透明樹脂形成方法として最も普及しているポッティング法を用いる場合は、r/aを1.7以下とすることが困難となり、金型を用いた透明樹脂成型を行う等の方法が必要となる。
【0024】
照明装置を構成する基板12は、フェノール、エポキシ、ポリイミド、ポリエステル、ビスマレイミドトリアジン、アリル化ポリフェニレンオキサイドなどの樹脂を利用したガラス布基材から構成される。基板12上には、所定ピッチで等間隔に発光構造体11が、蛍光体シート14の全面に対応して二次元に配置される。また、必要に応じて、基板12上の発光構造体11の搭載面に反射処理を施してもよい。
【0025】
拡散板13は、発光構造体11からの放射光を光源の形状が見えなくなる程度に広範囲に拡散するものである。拡散板13としては、全光線透過率が20%以上80%以下のものが用いられる。
【0026】
蛍光体シート14は、青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有する。蛍光体の粉末は、平均粒径が数μm〜数十μmのものを用いる。これにより蛍光体シート14の光散乱効果を向上させることができる。
【0027】
図3(A)及び図3(B)は、蛍光体シート14の構成例を示す図である。図3(A)に示す蛍光体シート14は、蛍光体を含有する蛍光体層141が、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)などからなる一対の透明基材142a,142bに挟持されている。また、これらは、その両面から封止フィルム143a、143bでラミネートされている。これにより蛍光体層141への水分の侵入をより防止することができる。
【0028】
図3(A)に示す単層型の発光体シート14は、透明基材142a上に蛍光体層141を形成し、その上に別の透明基材142bを積層することにより製造することができる。そして、蛍光体シート14を封止フィルム143a、143bで挟み、全体を熱圧着することにより、蛍光体シート14を製造することができる。
【0029】
また、図3(B)に示すように、透明セパレータ144を介して蛍光体毎に蛍光体層141a、141bを設ける構成としてもよい。これにより、複数の蛍光体を用いる場合、意図しない反応を抑制することができ、蛍光体シートの寿命を長くすることができる。
【0030】
蛍光体層141は、粉末状の蛍光体を含有する樹脂組成物を成膜したものである。蛍光体としては、硫化物系蛍光体、酸化物系蛍光体又はそれらの混合系蛍光体が用いられる。
【0031】
硫化物系蛍光体としては、青色励起光の照射により波長620〜660nmの赤色蛍光ピークを有する硫化物系蛍光体、好ましくはCaS:Eu、SrS:Euや、青色励起光の照射により波長530〜550nmの緑色蛍光ピークを有する硫化物系蛍光体、好ましくはSrGa2S4:Euを挙げることができる。なお、蛍光体材料の記載において、「:」の前は母体を示し、後は付活剤を示す。
【0032】
酸化物系蛍光体としては、青色励起光の照射により波長590〜620nmの赤色蛍光を発する酸化物系蛍光体、好ましくは(BaSr)3SiO5:Eu、(BaSr)2SiO4:Eu等を挙げることができる。
【0033】
なお、硫化物系蛍光体及び酸化物蛍光体以外の蛍光体以外も、下記の樹脂組成物との組み合わせにおいては使用可能であり、例えば、(YGd)2(AlGa)5O12:Ce、サイアロン蛍光体等を挙げることができる。
【0034】
図3(A)に示す単層型の発光体シート14において、蛍光体として上記の蛍光体の混合物を使用する場合、蛍光体シートを白色で発光させるために、青色励起光の照射により波長620〜660nmの赤色蛍光を発する硫化物系蛍光体または青色励起光の照射により波長590〜620nmの赤色蛍光を発する酸化物系蛍光体と、青色励起光の照射により波長530〜550nmの緑色蛍光を発する硫化物系蛍光体との混合蛍光体を使用することが好ましい。特に好ましい組み合わせは、赤色蛍光を発するCaS:Eu又は(BaSr)3SiO5:Euと、緑色蛍光を発するSrGa2S4:Euとの混合蛍光体である。
【0035】
また、図3(B)に示す2層型の発光体シート14において、蛍光体として上記の蛍光体を使用する場合、青色励起光の照射により波長620〜660nmの赤色蛍光を発する硫化物系蛍光体または青色励起光の照射により波長590〜620nmの赤色蛍光を発する酸化物系蛍光体を含有する蛍光体層と、青色励起光の照射により波長530〜550nmの緑色蛍光を発する硫化物系蛍光体を含有する蛍光体層とを用いることが好ましい。特に好ましい組み合わせは、赤色蛍光を発するCaS:Eu又は(BaSr)3SiO5:Euを含有する蛍光体層と、緑色蛍光を発するSrGa2S4:Euを含有する蛍光体層である。
【0036】
蛍光体層を形成する樹脂組成物には、ポリオレフィン共重合体成分及び光硬化性(メタ)アクリル樹脂成分のいずれかから選択された樹脂成分を含むことが好ましい。
【0037】
ポリオレフィン共重合体としては、スチレン系共重合体又はその水添物を挙げることができる。このようなスチレン系共重合体又はその水添物としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体又はその水添物、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体又はその水添物を好ましく挙げることができる。これらの中でも透明性やガスバリア性の点から、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の水添物を特に好ましく使用することができる。このようなポリオレフィン共重合体成分を含有させることにより、優れた耐光性と低い吸水性を得ることができる。
【0038】
光硬化型アクリレート樹脂成分としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、これらの中でも、光硬化後の耐熱性の観点から、ウレタン(メタ)アクリレートを好ましく使用することができる。このような光硬化型(メタ)アクリレート樹脂成分を含有させることにより優れた耐光性と低い吸水性を得ることができる。
【0039】
また、樹脂成分として、ポリオレフィン共重合体成分を用いる場合、無水マレイン酸成分を含有させることが好ましい。無水マレイン酸成分を含有させると、樹脂組成物中に侵入した水分を無水マレイン酸成分の遊離したカルボキシル基により捕捉させ、その結果、水分による蛍光体の変質を防止することが可能になる。また、ポリオレフィン共重合体成分と無水マレイン酸成分とを含有することにより、蛍光体シート14の光拡散効果を向上させることができる。
【0040】
この(c)無水マレイン酸成分は、ポリオレフィン共重合体成分に別個の独立した成分として添加(外添)してもよく、ポリオレフィン共重合体成分にグラフト重合させるように添加(内添)してもよい。内添した場合、成膜用樹脂組成物は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン共重合体を含有することになる。なお、内添に比べ、外添の方が、成膜用樹脂組成物の黄変をより抑制することができる点から、好ましい。
【0041】
また、樹脂組成物には、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、他の光透過性樹脂、着色顔料、溶媒等を配合することができる。
【0042】
照明装置を構成する光学フィルム15は、例えば液晶表示装置の視認性を向上させるための反射型偏光フィルム、レンズフィルム、拡散フィルムなどで構成される。ここで、レンズフィルムは、一方の面に微小なレンズが配列形成された光学フィルムであり、拡散光の正面方向の指向性を高めて輝度を高めるためのものである。
【0043】
このような構成の照明装置によれば、発光構造体11の透明樹脂113の凸型の表面形状により、透明樹脂113の全反射による青色光の光閉じ込めを緩和し、青色光を外部に取り出す効率を向上させることができる。さらに、発光構造体11による光放射分布のブロード化、及び蛍光体シート14による光散乱効果により、基板と蛍光体シートとの離間距離を小さくすることができ、所謂“リモート蛍光体構造”の装置を薄型化することができる。また、本実施の形態における照明装置を、例えば液晶表示装置の表示画面となる液晶パネルに配置することにより、液晶表示装置を薄型化することができる。
【0044】
なお、本発明は、前述の実施の形態にのみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々更新を加え得ることは勿論である。例えば、前述の実施の形態では、照明装置を表示装置用のバックライト光源に適用した例を示したが、照明用光源に適用してもよい。照明用光源に適用する場合、光学フィルム15は不要であり、また、蛍光体含有樹脂は、平面のシート形状であるだけでなく、カップ型形状等の立体的な形状を持っていてもよい。
【実施例】
【0045】
<2.実施例>
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0046】
<LEDパッケージの凸型表面形状の評価>
図2に示す発光構造体と同じ構造の青色LEDパッケージ及び白色LEDパッケージを用いて凸型表面形状を評価した。両パッケージとも基材111の中心から内壁までの距離aは2.15mm、内壁の高さbは0.85mmであった。透明樹脂113としてメチルシリコーン樹脂を用い、白色LEDパッケージにはメチルシリコーン樹脂にYAG蛍光体を含有させた。YAG蛍光体の含有量は、各白色LEDパッケージの色度が概ね(x,y)=(0.338,0.400)となるように調整した。各LEDパッケージの凸型表面形状の評価は、積分球による全光束量測定器を用い、発光強度として全放射量(単位W)を測定した。
【0047】
表1に青色LEDパッケージの樹脂形状に対する相対発光強度の測定結果を示す。また、表2に白色LEDパッケージの樹脂形状に対する相対発光強度の測定結果を示す。樹脂形状は、基材上に接触する透明樹脂の幅の半値aと曲率半径rとの比r/aで示した。相対発光強度は、LEDチップを透明樹脂で包含していない状態、すなわちLEDチップ剥き出しの状態の強度に対する相対値として示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
また、図4〜図7に、青色LEDパッケージ(r/a=∞、2.78、1.46)、及び白色LEDパッケージ(r/a=∞)の放射角度分布を示す。図4(A)、(B)に示すr/aが∞の青色LEDパッケージ及び図7(A)、(B)に示すr/aが∞の白色LEDパッケージは、垂直方向(0°)及び水平方向(90°)共にほぼ同じ光度(cd:カンデラ)であり、放射角度分布もほぼ同様な広がりを示した。
【0051】
また、図4(A)、(B)〜図6(A)、(B)に示すように、青色LEDパッケージは、r/aが∞、2.78、1.46と小さくなるにつれて、水平方向(90°)の光度が大きくなり、放射角度分布の広がりが大きくなった。
【0052】
また、表1に示すように、青色LEDパッケージは、r/aが小さくなるほど(透明樹脂が凸になるほど)、相対発光強度が向上した。例えば、r/aが4.0以下の青色LEDパッケージは、r/aが∞のフラット(平坦)な青色LEDパッケージよりも相対発光強度が高かった。また、r/aが1.7以下の青色LEDパッケージは、相対発光強度が1.2以上であった。一方、表2に示すように、白色LEDパッケージは、r/aが小さくなるほど(透明樹脂が凸になるほど)、相対発光強度が減少した。
【0053】
このように、透明樹脂の表面形状を凸型にすることにより、LEDパッケージから放射される光の広がりが大きくし、相対発光強度を向上させる効果は、青色LEDパッケージ特有の現象といえる。青色LEDパッケージは、透明樹脂内の蛍光体の反射がないため、透明樹脂の表面形状を凸型にすることにより、光を外部に取り出す効率を向上させることができる。
【0054】
<LEDパッケージの構造による評価>
図8〜図10に示す実施例、参照例、及び比較例の照明装置をそれぞれ作製し、照明装置の明るさを評価した。なお、図1に示す照明装置と同様な構成には同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0055】
[実施例の照明装置の構成]
図8に示す実施例の照明装置は、図1と同様に、青色発光素子が凸型の表面形状の透明樹脂で包含された発光構造体11と、発光構造体11が二次元配置された基板12と、青色発光素子の青色光を拡散する拡散板13と、青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有し、基板12と離間して配置された蛍光体シート14とを備える。
【0056】
発光構造体11として、r/aが1.46の凸型の表面形状の透明樹脂で包含された青色LEDパッケージを用いた。透明樹脂としてメチルシリコーン樹脂を用いた。この青色LEDパッケージを基板12上に40個(8×5)、30mm×30mmのピッチで配置した。拡散板13としては、1.5mm厚、A4サイズ、全光線透過率が65%のものを用いた。基板12と拡散板13との距離を12mmとし、拡散板13上に蛍光体シートを配置した。
【0057】
蛍光体シート14は、次のように作成した。まず、トルエン100質量部と、水添スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック(水添SEBS)共重合体(セプトン9527、クラレ(株))40質量部と、無水マレイン酸0.5質量部とを均一に混合し、得られた混合物に、平均粒径6μmのSrGa2S4:Eu(硫化物蛍光体)2質量部を均一に分散させることにより、緑色蛍光体シート形成用樹脂組成物を調整した。
【0058】
上記の平均粒径6μmのSrGa2S4:Eu(硫化物蛍光体)に代えて、平均粒径9μmのCaS:Eu(硫化物蛍光体)を使用する以外は、上記と同様の操作を行い、赤色蛍光体シート形成用樹脂組成物を調整した。
【0059】
次に、25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(T11、東レ(株))に、緑色蛍光体シート形成用樹脂組成物を乾燥厚さが27μmとなるように塗布し、及び乾燥処理(100℃、5分)を行って、緑色蛍光体樹脂層を形成した。
【0060】
次に、緑色蛍光体樹脂層上に、厚さ38μmの透明セパレータ(ポリエチレンテレフタレートフィルム、A4300、東洋紡(株))を積層し、該透明セパレータ上に、赤色蛍光体シート形成用樹脂組成物を乾燥厚さが27μmとなるように塗布し、及び乾燥処理(100℃、5分)を行って、赤色蛍光体樹脂層を形成した。
【0061】
次に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(T11、東レ(株))を積層し、熱圧着(100℃、0.2MPa)し、図3(b)に相当する蛍光体シートを作成した。
【0062】
[参照例の照明装置の構成]
図9に示す参照例の照明装置は、発光構造体11として、r/aが∞のフラットな表面形状の透明樹脂で包含された青色LEDパッケージを用いた以外、図8に示す実施例の照明装置の構成と同様とした。
【0063】
[比較例の照明装置の構成]
図10に示す比較例の照明装置は、発光構造体11として、r/aが∞のフラットな表面形状の透明樹脂で包含された白色LEDパッケージを用い、蛍光体シート14を配置しなかった以外、図8に示す実施例の照明装置の構成と同様とした。白色LEDパッケージには、メチルシリコーン樹脂にYAG蛍光体を含有させた透明樹脂を用いた。
【0064】
[装置構成による輝度評価]
図11に、実施例、参照例、及び比較例のLED投入電流−輝度特性を示す。投入電流Ifが75mAのとき、実施例は比較例に対して輝度を26%向上させることができた。また、投入電流Ifが150mAのとき、実施例は比較例に対して輝度を33%向上させることができた。また、実施例は、フラットな表面形状の透明樹脂で包含された青色LEDパッケージを用いた参照例に対しても輝度を向上させることができた。投入電流Ifが75mAのときよりも150mAのときの方が輝度向上の比率が大きい原因は、比較例の投入電流Ifの増大に伴う白色LEDパッケージの発熱による発光体効率損失が、青色LEDパッケージと蛍光体シートとが離間して配置された実施例の“リモート蛍光体構造”よりも大きいからである。
【0065】
<照明装置の薄型化の評価>
次に、図9に示す参照例の照明装置、及び図10に示す比較例の照明装置を用い、基板12と拡散板13との距離に対する輝度むらについて評価した。LEDは、基板12上に32mm×32mmのピッチで配置した。
【0066】
図12及び図13は、それぞれ参照例及び比較例の照明装置において、基板12と拡散板13との距離を(A)37mm、(B)34mm、(C)29mm、(D)24mmとしたときの画像である。
【0067】
図12に示す基板12と拡散板13との距離が(C)29mmの場合、輝度むらは小さいが、図13に示す基板12と拡散板13との距離が(C)29mmの場合、輝度むらが大きかった。すなわち、青色LEDパッケージと蛍光体シートとを用いた照明装置は、蛍光体を含有した白色LEDパッケージを用いた照明装置よりも、薄型化できることが分かった。
【0068】
また、図14及び図15は、それぞれ参照例の照明装置の蛍光体シート14を配置した場合、及び蛍光体シート14を配置しなかった場合における照明装置の発光面の相対輝度を示すグラフである。また、図16は、参照例の照明装置の蛍光体シート14を配置した場合及び蛍光体シート14を配置しなかった場合におけるLEDパターンの輝度むら(%)を示すグラフである。なお、相対輝度は、輝度が一番明るい部分を1としたとき値である。また、LEDパターンの輝度むら(%)は、次式のように最大強度(Top強度)と最低強度(Bottom強度)から計算した。
輝度むら(%)=(Top強度−Bottom強度)/平均強度
【0069】
図14〜図16より、発光面の輝度むらと2%以下とする場合、蛍光体シート14が配置されていない照明装置では、基板12と拡散板13との距離(光学厚)を34mm以上に設定しなければならないが、蛍光体シート14が配置されている照明装置では、基板12と拡散板13との距離(光学厚)を24mmに設定してもよく、本実施例における蛍光体シートの光散乱効果が大きいことが分かった。
【0070】
以上の結果より、透明樹脂の凸型の表面形状により、青色光を外部に取り出す効率を向上させることができることが分かった。また、透明樹脂の凸型の表面形状による光放射分布のブロード化、及び粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シートによる光散乱効果により、基板と蛍光体シートとの離間距離を小さくすることができ、所謂“リモート蛍光体構造”の装置を薄型化できることが分かった。
【符号の説明】
【0071】
11 発光構造体、 12 基板、 13 拡散板、 14 蛍光体シート、 15 光学フィルム、 111 基材、 112 LEDチップ、 113 透明樹脂、 141 蛍光体層、 142 透明基材、 143 封止フィルム
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置に用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイでは、液晶パネルを背後から前面にわたり照射するバックライト光源が用いられる。近年では、液晶ディスプレイの大型化、薄型化、軽量化、長寿命化等に伴い、また、点滅制御による動画特性改善の観点から、基板上に複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を配設して面発光を行う発光装置が注目されている。このような発光装置では、白色光を取り出すために、主に次のような2つの手法が用いられている。
【0003】
第1の手法は、R、G、Bの3色の光をそれぞれ発するLEDを配設して、これらを同時点灯することにより、3色の光を合成させて白色光を得るものである。そして、第2の手法は、例えば青色LEDを蛍光体含有樹脂により包囲し、青色光を白色光に色変換するというものである。この青色LEDを蛍光体含有樹脂により包囲した構造体は、“白色LED”と呼ばれている。
【0004】
しかしながら、第1の手法は、R、G、Bの3色のLEDが必要になるためコストが高い。また、上記第2の手法では、LEDの微小面積に対して蛍光体をポッティングするため、蛍光体含有をむらなく均一に形成するのが困難である。
【0005】
このため近年、第2の手法に代わる第3の手法として、蛍光体含有樹脂をシート基材で挟み込んだものや、蛍光体含有樹脂をシート形状に加工した蛍光体含有シートを用いて、青色LEDにより色変換する手法が注目を集めいている(例えば、特許文献1、2参照。)。また、蛍光体含有樹脂を2枚のガラス板で挟み込むといった構造も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
このように青色LEDと蛍光体含有樹脂とが接触せずに配置された構造は“リモート蛍光体構造”と呼ばれる。また、この“リモート蛍光体構造”は、液晶ディスプレイ用バックライトとしてだけではなく、照明用光源として用いることも可能である。照明用光源の場合、蛍光体含有樹脂は、上記の通り平面のシート形状であるだけでなく、カップ型形状等の立体的な形状を持っていてもよい。
【0007】
一般に、光源の最大かつ恒久的な課題は、発光効率の向上である。LEDを用いたバックライト光源や照明用光源の場合、(1)青色LED素子自体の効率(電子や正孔を光に変換する量子効率)を向上させること、(2)蛍光体の発光効率(LEDから発生した光の波長変換効率)を向上させること、(3)LEDや蛍光体から放出される光を光源内部のいずれかの部位において、できるだけ損失させずに外部に取り出す効率を向上させることが望ましい。
【0008】
さて、LEDを蛍光体含有樹脂により包囲した“白色LED”の場合、LEDチップと蛍光体が互いに接触あるいは近接しているために、LED発光時に同時に放出される熱が蛍光体に伝わりやすく、蛍光体の温度が上昇する。蛍光体温度が上昇すると、蛍光体波長変換効率は低下する。この現象は、“温度消光”と呼ばれる。図17に、Y3AlO12:Ce(YAG)蛍光体における蛍光体温度消光の測定データを示す。
【0009】
一方、上記特許文献1、2等に示す第3の手法を用いた“リモート蛍光体構造”の場合、LEDと蛍光体含有樹脂が接触せずに配置されているため、LED発光時に同時に放出される熱が蛍光体に伝わりにくく、蛍光体が温度上昇しにくい。このため、蛍光体波長変換効率の低下は、“白色LED”よりも小さい。これは、“リモート蛍光体構造”の利点一つである。先行技術である特許文献1、2は、この利点を適用することが可能なため、非常に望ましい技術といえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−283438号公報
【特許文献2】特開2010−171342号公報
【特許文献3】特開2007−23267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1〜3に記載された所謂“リモート蛍光体構造”は、上述(3)における光を外部に取り出す効率が不十分であった。また、“リモート蛍光体構造”は、LEDと蛍光体含有構造体とが離間しているため、装置の薄型化が困難であった。
【0012】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、光を外部に取り出す効率を向上させ、薄型化することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した課題を解決するために、本発明に係る照明装置は、青色発光素子が凸型の表面形状の透明樹脂で包含された発光構造体と、前記発光構造体が二次元配置された基板と、前記基板と離間して配置され、前記青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シートとを備える。
【0014】
また、本発明に係る表示装置は、前述の照明装置が、画像表示パネルに配置されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、透明樹脂の凸型の表面形状により、透明樹脂の全反射による青色光の光閉じ込めを緩和し、青色光を外部に取り出す効率を向上させることができる。さらに、透明樹脂の凸型の表面形状による光放射分布のブロード化、及び粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シートによる光散乱効果により、基板と蛍光体シートとの離間距離を小さくすることができ、所謂“リモート蛍光体構造”の装置を薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係る照明装置を示す概略断面図である。
【図2】発光構造体の構成例を示す概略断面図である。
【図3】蛍光体シートの構成例を示す図である。
【図4】青色LEDパッケージ(r/a=∞)の放射角度分布を示すグラフである。
【図5】青色LEDパッケージ(r/a=2.78)の放射角度分布を示すグラフである。
【図6】青色LEDパッケージ(r/a=1.46)の放射角度分布を示すグラフである。
【図7】白色LEDパッケージ(r/a=∞)の放射角度分布を示すグラフである。
【図8】実施例の照明装置の構成を示す概略断面図である。
【図9】参照例の照明装置の構成を示す概略断面図である
【図10】比較例の照明装置の構成を示す概略断面図である
【図11】LED投入電流−輝度特性を示すグラフである。
【図12】参照例の照明装置において、基板と拡散板との距離を(A)37mm、(B)34mm、(C)29mm、(D)24mmとしたときの画像である。
【図13】比較例の照明装置において、基板と拡散板との距離を(A)37mm、(B)34mm、(C)29mm、(D)24mmとしたときの画像である。
【図14】参照例の照明装置の蛍光体シートを配置した場合における照明装置の発光面の相対輝度を示すグラフである。
【図15】参照例の照明装置の蛍光体シートを配置しなかった場合における照明装置の発光面の相対輝度を示すグラフである。
【図16】参照例の照明装置の蛍光体シートを配置した場合及び蛍光体シートを配置しなかった場合におけるLEDパターンの輝度むら(%)を示すグラフである。
【図17】Y3AlO12:Ce(YAG)蛍光体における蛍光体温度消光の測定データを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.照明装置の構成例
2.実施例
【0018】
<1.照明装置の構成例>
図1は、本発明の一実施の形態に係る照明装置を示す概略断面図である。図1に示すように、照明装置は、青色発光素子が凸型の表面形状の透明樹脂で包含された発光構造体11と、発光構造体11が二次元配置された基板12と、青色発光素子の青色光を拡散する拡散板13と、基板12と離間して配置され、青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シート14と、光学フィルム15とを備える。
【0019】
基板12と蛍光体シート14とは約10〜50mm程度離間して配置され、照明装置は、所謂“リモート蛍光体構造”を構成する。基板12と蛍光体シート14との間隙は、複数の支持柱や反射板によって保持され、基板12と蛍光体シート14とがなす空間を支持柱や反射板が四方で囲むように設けられている。
【0020】
発光構造体11は、青色発光素子として例えばInGaN系の青色LED(Light Emitting Diode)チップを有する、所謂“LEDパッケージ”を構成する。
【0021】
図2は、発光構造体11の構成例を示す概略断面図である。この発光構造体11は、基材111と、青色発光素子である青色LEDチップ112と、透明樹脂113とを備える。基材111の端部には、透明樹脂113が凸型の表面形状となるように側壁が設けられている。
【0022】
透明樹脂111の凸型断面はレンズ形状であり、その曲面は、基材111上の青色LEDチップ112搭載面の幅の半値(基材111の中心から内壁までの距離)aと、曲率半径rとの比r/aが4.0以下であることが好ましく、より好ましくは、1.7以下である。r/aが4.0以下であることにより、透明樹脂113の全反射による青色光の光閉じ込めを緩和し、青色光を外部に取り出す効率を向上させることができる。また、ブロードな光放射分布が得られるため、所謂“リモート蛍光体構造”を薄型化することができる。
【0023】
また、基材111端部の内壁の高さbは、青色LEDチップ112の厚み以上であり、透明樹脂113の高さdは、内壁の高さbより大きい。なお、基材111端部の側壁は形成されていなくても構わないが、その場合、透明樹脂形成方法として最も普及しているポッティング法を用いる場合は、r/aを1.7以下とすることが困難となり、金型を用いた透明樹脂成型を行う等の方法が必要となる。
【0024】
照明装置を構成する基板12は、フェノール、エポキシ、ポリイミド、ポリエステル、ビスマレイミドトリアジン、アリル化ポリフェニレンオキサイドなどの樹脂を利用したガラス布基材から構成される。基板12上には、所定ピッチで等間隔に発光構造体11が、蛍光体シート14の全面に対応して二次元に配置される。また、必要に応じて、基板12上の発光構造体11の搭載面に反射処理を施してもよい。
【0025】
拡散板13は、発光構造体11からの放射光を光源の形状が見えなくなる程度に広範囲に拡散するものである。拡散板13としては、全光線透過率が20%以上80%以下のものが用いられる。
【0026】
蛍光体シート14は、青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有する。蛍光体の粉末は、平均粒径が数μm〜数十μmのものを用いる。これにより蛍光体シート14の光散乱効果を向上させることができる。
【0027】
図3(A)及び図3(B)は、蛍光体シート14の構成例を示す図である。図3(A)に示す蛍光体シート14は、蛍光体を含有する蛍光体層141が、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)などからなる一対の透明基材142a,142bに挟持されている。また、これらは、その両面から封止フィルム143a、143bでラミネートされている。これにより蛍光体層141への水分の侵入をより防止することができる。
【0028】
図3(A)に示す単層型の発光体シート14は、透明基材142a上に蛍光体層141を形成し、その上に別の透明基材142bを積層することにより製造することができる。そして、蛍光体シート14を封止フィルム143a、143bで挟み、全体を熱圧着することにより、蛍光体シート14を製造することができる。
【0029】
また、図3(B)に示すように、透明セパレータ144を介して蛍光体毎に蛍光体層141a、141bを設ける構成としてもよい。これにより、複数の蛍光体を用いる場合、意図しない反応を抑制することができ、蛍光体シートの寿命を長くすることができる。
【0030】
蛍光体層141は、粉末状の蛍光体を含有する樹脂組成物を成膜したものである。蛍光体としては、硫化物系蛍光体、酸化物系蛍光体又はそれらの混合系蛍光体が用いられる。
【0031】
硫化物系蛍光体としては、青色励起光の照射により波長620〜660nmの赤色蛍光ピークを有する硫化物系蛍光体、好ましくはCaS:Eu、SrS:Euや、青色励起光の照射により波長530〜550nmの緑色蛍光ピークを有する硫化物系蛍光体、好ましくはSrGa2S4:Euを挙げることができる。なお、蛍光体材料の記載において、「:」の前は母体を示し、後は付活剤を示す。
【0032】
酸化物系蛍光体としては、青色励起光の照射により波長590〜620nmの赤色蛍光を発する酸化物系蛍光体、好ましくは(BaSr)3SiO5:Eu、(BaSr)2SiO4:Eu等を挙げることができる。
【0033】
なお、硫化物系蛍光体及び酸化物蛍光体以外の蛍光体以外も、下記の樹脂組成物との組み合わせにおいては使用可能であり、例えば、(YGd)2(AlGa)5O12:Ce、サイアロン蛍光体等を挙げることができる。
【0034】
図3(A)に示す単層型の発光体シート14において、蛍光体として上記の蛍光体の混合物を使用する場合、蛍光体シートを白色で発光させるために、青色励起光の照射により波長620〜660nmの赤色蛍光を発する硫化物系蛍光体または青色励起光の照射により波長590〜620nmの赤色蛍光を発する酸化物系蛍光体と、青色励起光の照射により波長530〜550nmの緑色蛍光を発する硫化物系蛍光体との混合蛍光体を使用することが好ましい。特に好ましい組み合わせは、赤色蛍光を発するCaS:Eu又は(BaSr)3SiO5:Euと、緑色蛍光を発するSrGa2S4:Euとの混合蛍光体である。
【0035】
また、図3(B)に示す2層型の発光体シート14において、蛍光体として上記の蛍光体を使用する場合、青色励起光の照射により波長620〜660nmの赤色蛍光を発する硫化物系蛍光体または青色励起光の照射により波長590〜620nmの赤色蛍光を発する酸化物系蛍光体を含有する蛍光体層と、青色励起光の照射により波長530〜550nmの緑色蛍光を発する硫化物系蛍光体を含有する蛍光体層とを用いることが好ましい。特に好ましい組み合わせは、赤色蛍光を発するCaS:Eu又は(BaSr)3SiO5:Euを含有する蛍光体層と、緑色蛍光を発するSrGa2S4:Euを含有する蛍光体層である。
【0036】
蛍光体層を形成する樹脂組成物には、ポリオレフィン共重合体成分及び光硬化性(メタ)アクリル樹脂成分のいずれかから選択された樹脂成分を含むことが好ましい。
【0037】
ポリオレフィン共重合体としては、スチレン系共重合体又はその水添物を挙げることができる。このようなスチレン系共重合体又はその水添物としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体又はその水添物、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体又はその水添物を好ましく挙げることができる。これらの中でも透明性やガスバリア性の点から、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の水添物を特に好ましく使用することができる。このようなポリオレフィン共重合体成分を含有させることにより、優れた耐光性と低い吸水性を得ることができる。
【0038】
光硬化型アクリレート樹脂成分としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、これらの中でも、光硬化後の耐熱性の観点から、ウレタン(メタ)アクリレートを好ましく使用することができる。このような光硬化型(メタ)アクリレート樹脂成分を含有させることにより優れた耐光性と低い吸水性を得ることができる。
【0039】
また、樹脂成分として、ポリオレフィン共重合体成分を用いる場合、無水マレイン酸成分を含有させることが好ましい。無水マレイン酸成分を含有させると、樹脂組成物中に侵入した水分を無水マレイン酸成分の遊離したカルボキシル基により捕捉させ、その結果、水分による蛍光体の変質を防止することが可能になる。また、ポリオレフィン共重合体成分と無水マレイン酸成分とを含有することにより、蛍光体シート14の光拡散効果を向上させることができる。
【0040】
この(c)無水マレイン酸成分は、ポリオレフィン共重合体成分に別個の独立した成分として添加(外添)してもよく、ポリオレフィン共重合体成分にグラフト重合させるように添加(内添)してもよい。内添した場合、成膜用樹脂組成物は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン共重合体を含有することになる。なお、内添に比べ、外添の方が、成膜用樹脂組成物の黄変をより抑制することができる点から、好ましい。
【0041】
また、樹脂組成物には、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、他の光透過性樹脂、着色顔料、溶媒等を配合することができる。
【0042】
照明装置を構成する光学フィルム15は、例えば液晶表示装置の視認性を向上させるための反射型偏光フィルム、レンズフィルム、拡散フィルムなどで構成される。ここで、レンズフィルムは、一方の面に微小なレンズが配列形成された光学フィルムであり、拡散光の正面方向の指向性を高めて輝度を高めるためのものである。
【0043】
このような構成の照明装置によれば、発光構造体11の透明樹脂113の凸型の表面形状により、透明樹脂113の全反射による青色光の光閉じ込めを緩和し、青色光を外部に取り出す効率を向上させることができる。さらに、発光構造体11による光放射分布のブロード化、及び蛍光体シート14による光散乱効果により、基板と蛍光体シートとの離間距離を小さくすることができ、所謂“リモート蛍光体構造”の装置を薄型化することができる。また、本実施の形態における照明装置を、例えば液晶表示装置の表示画面となる液晶パネルに配置することにより、液晶表示装置を薄型化することができる。
【0044】
なお、本発明は、前述の実施の形態にのみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々更新を加え得ることは勿論である。例えば、前述の実施の形態では、照明装置を表示装置用のバックライト光源に適用した例を示したが、照明用光源に適用してもよい。照明用光源に適用する場合、光学フィルム15は不要であり、また、蛍光体含有樹脂は、平面のシート形状であるだけでなく、カップ型形状等の立体的な形状を持っていてもよい。
【実施例】
【0045】
<2.実施例>
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0046】
<LEDパッケージの凸型表面形状の評価>
図2に示す発光構造体と同じ構造の青色LEDパッケージ及び白色LEDパッケージを用いて凸型表面形状を評価した。両パッケージとも基材111の中心から内壁までの距離aは2.15mm、内壁の高さbは0.85mmであった。透明樹脂113としてメチルシリコーン樹脂を用い、白色LEDパッケージにはメチルシリコーン樹脂にYAG蛍光体を含有させた。YAG蛍光体の含有量は、各白色LEDパッケージの色度が概ね(x,y)=(0.338,0.400)となるように調整した。各LEDパッケージの凸型表面形状の評価は、積分球による全光束量測定器を用い、発光強度として全放射量(単位W)を測定した。
【0047】
表1に青色LEDパッケージの樹脂形状に対する相対発光強度の測定結果を示す。また、表2に白色LEDパッケージの樹脂形状に対する相対発光強度の測定結果を示す。樹脂形状は、基材上に接触する透明樹脂の幅の半値aと曲率半径rとの比r/aで示した。相対発光強度は、LEDチップを透明樹脂で包含していない状態、すなわちLEDチップ剥き出しの状態の強度に対する相対値として示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
また、図4〜図7に、青色LEDパッケージ(r/a=∞、2.78、1.46)、及び白色LEDパッケージ(r/a=∞)の放射角度分布を示す。図4(A)、(B)に示すr/aが∞の青色LEDパッケージ及び図7(A)、(B)に示すr/aが∞の白色LEDパッケージは、垂直方向(0°)及び水平方向(90°)共にほぼ同じ光度(cd:カンデラ)であり、放射角度分布もほぼ同様な広がりを示した。
【0051】
また、図4(A)、(B)〜図6(A)、(B)に示すように、青色LEDパッケージは、r/aが∞、2.78、1.46と小さくなるにつれて、水平方向(90°)の光度が大きくなり、放射角度分布の広がりが大きくなった。
【0052】
また、表1に示すように、青色LEDパッケージは、r/aが小さくなるほど(透明樹脂が凸になるほど)、相対発光強度が向上した。例えば、r/aが4.0以下の青色LEDパッケージは、r/aが∞のフラット(平坦)な青色LEDパッケージよりも相対発光強度が高かった。また、r/aが1.7以下の青色LEDパッケージは、相対発光強度が1.2以上であった。一方、表2に示すように、白色LEDパッケージは、r/aが小さくなるほど(透明樹脂が凸になるほど)、相対発光強度が減少した。
【0053】
このように、透明樹脂の表面形状を凸型にすることにより、LEDパッケージから放射される光の広がりが大きくし、相対発光強度を向上させる効果は、青色LEDパッケージ特有の現象といえる。青色LEDパッケージは、透明樹脂内の蛍光体の反射がないため、透明樹脂の表面形状を凸型にすることにより、光を外部に取り出す効率を向上させることができる。
【0054】
<LEDパッケージの構造による評価>
図8〜図10に示す実施例、参照例、及び比較例の照明装置をそれぞれ作製し、照明装置の明るさを評価した。なお、図1に示す照明装置と同様な構成には同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0055】
[実施例の照明装置の構成]
図8に示す実施例の照明装置は、図1と同様に、青色発光素子が凸型の表面形状の透明樹脂で包含された発光構造体11と、発光構造体11が二次元配置された基板12と、青色発光素子の青色光を拡散する拡散板13と、青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有し、基板12と離間して配置された蛍光体シート14とを備える。
【0056】
発光構造体11として、r/aが1.46の凸型の表面形状の透明樹脂で包含された青色LEDパッケージを用いた。透明樹脂としてメチルシリコーン樹脂を用いた。この青色LEDパッケージを基板12上に40個(8×5)、30mm×30mmのピッチで配置した。拡散板13としては、1.5mm厚、A4サイズ、全光線透過率が65%のものを用いた。基板12と拡散板13との距離を12mmとし、拡散板13上に蛍光体シートを配置した。
【0057】
蛍光体シート14は、次のように作成した。まず、トルエン100質量部と、水添スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック(水添SEBS)共重合体(セプトン9527、クラレ(株))40質量部と、無水マレイン酸0.5質量部とを均一に混合し、得られた混合物に、平均粒径6μmのSrGa2S4:Eu(硫化物蛍光体)2質量部を均一に分散させることにより、緑色蛍光体シート形成用樹脂組成物を調整した。
【0058】
上記の平均粒径6μmのSrGa2S4:Eu(硫化物蛍光体)に代えて、平均粒径9μmのCaS:Eu(硫化物蛍光体)を使用する以外は、上記と同様の操作を行い、赤色蛍光体シート形成用樹脂組成物を調整した。
【0059】
次に、25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(T11、東レ(株))に、緑色蛍光体シート形成用樹脂組成物を乾燥厚さが27μmとなるように塗布し、及び乾燥処理(100℃、5分)を行って、緑色蛍光体樹脂層を形成した。
【0060】
次に、緑色蛍光体樹脂層上に、厚さ38μmの透明セパレータ(ポリエチレンテレフタレートフィルム、A4300、東洋紡(株))を積層し、該透明セパレータ上に、赤色蛍光体シート形成用樹脂組成物を乾燥厚さが27μmとなるように塗布し、及び乾燥処理(100℃、5分)を行って、赤色蛍光体樹脂層を形成した。
【0061】
次に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(T11、東レ(株))を積層し、熱圧着(100℃、0.2MPa)し、図3(b)に相当する蛍光体シートを作成した。
【0062】
[参照例の照明装置の構成]
図9に示す参照例の照明装置は、発光構造体11として、r/aが∞のフラットな表面形状の透明樹脂で包含された青色LEDパッケージを用いた以外、図8に示す実施例の照明装置の構成と同様とした。
【0063】
[比較例の照明装置の構成]
図10に示す比較例の照明装置は、発光構造体11として、r/aが∞のフラットな表面形状の透明樹脂で包含された白色LEDパッケージを用い、蛍光体シート14を配置しなかった以外、図8に示す実施例の照明装置の構成と同様とした。白色LEDパッケージには、メチルシリコーン樹脂にYAG蛍光体を含有させた透明樹脂を用いた。
【0064】
[装置構成による輝度評価]
図11に、実施例、参照例、及び比較例のLED投入電流−輝度特性を示す。投入電流Ifが75mAのとき、実施例は比較例に対して輝度を26%向上させることができた。また、投入電流Ifが150mAのとき、実施例は比較例に対して輝度を33%向上させることができた。また、実施例は、フラットな表面形状の透明樹脂で包含された青色LEDパッケージを用いた参照例に対しても輝度を向上させることができた。投入電流Ifが75mAのときよりも150mAのときの方が輝度向上の比率が大きい原因は、比較例の投入電流Ifの増大に伴う白色LEDパッケージの発熱による発光体効率損失が、青色LEDパッケージと蛍光体シートとが離間して配置された実施例の“リモート蛍光体構造”よりも大きいからである。
【0065】
<照明装置の薄型化の評価>
次に、図9に示す参照例の照明装置、及び図10に示す比較例の照明装置を用い、基板12と拡散板13との距離に対する輝度むらについて評価した。LEDは、基板12上に32mm×32mmのピッチで配置した。
【0066】
図12及び図13は、それぞれ参照例及び比較例の照明装置において、基板12と拡散板13との距離を(A)37mm、(B)34mm、(C)29mm、(D)24mmとしたときの画像である。
【0067】
図12に示す基板12と拡散板13との距離が(C)29mmの場合、輝度むらは小さいが、図13に示す基板12と拡散板13との距離が(C)29mmの場合、輝度むらが大きかった。すなわち、青色LEDパッケージと蛍光体シートとを用いた照明装置は、蛍光体を含有した白色LEDパッケージを用いた照明装置よりも、薄型化できることが分かった。
【0068】
また、図14及び図15は、それぞれ参照例の照明装置の蛍光体シート14を配置した場合、及び蛍光体シート14を配置しなかった場合における照明装置の発光面の相対輝度を示すグラフである。また、図16は、参照例の照明装置の蛍光体シート14を配置した場合及び蛍光体シート14を配置しなかった場合におけるLEDパターンの輝度むら(%)を示すグラフである。なお、相対輝度は、輝度が一番明るい部分を1としたとき値である。また、LEDパターンの輝度むら(%)は、次式のように最大強度(Top強度)と最低強度(Bottom強度)から計算した。
輝度むら(%)=(Top強度−Bottom強度)/平均強度
【0069】
図14〜図16より、発光面の輝度むらと2%以下とする場合、蛍光体シート14が配置されていない照明装置では、基板12と拡散板13との距離(光学厚)を34mm以上に設定しなければならないが、蛍光体シート14が配置されている照明装置では、基板12と拡散板13との距離(光学厚)を24mmに設定してもよく、本実施例における蛍光体シートの光散乱効果が大きいことが分かった。
【0070】
以上の結果より、透明樹脂の凸型の表面形状により、青色光を外部に取り出す効率を向上させることができることが分かった。また、透明樹脂の凸型の表面形状による光放射分布のブロード化、及び粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シートによる光散乱効果により、基板と蛍光体シートとの離間距離を小さくすることができ、所謂“リモート蛍光体構造”の装置を薄型化できることが分かった。
【符号の説明】
【0071】
11 発光構造体、 12 基板、 13 拡散板、 14 蛍光体シート、 15 光学フィルム、 111 基材、 112 LEDチップ、 113 透明樹脂、 141 蛍光体層、 142 透明基材、 143 封止フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
青色発光素子が凸型の表面形状の透明樹脂で包含された発光構造体と、
前記発光構造体が二次元配置された基板と、
前記基板と離間して配置され、前記青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シートと
を備える照明装置。
【請求項2】
前記発光構造体は、前記青色発光素子が基材上に搭載されており、
前記基材上に接触する透明樹脂の幅の半値aと曲率半径rとの比r/aが、4.0以下である請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記発光構造体は、前記青色発光素子が基材上に搭載されており、
前記基材上に接触する透明樹脂の幅の半値aと曲率半径rとの比r/aが、1.7以下である請求項1記載の照明装置。
【請求項4】
前記蛍光体シートは、硫化物系蛍光体、酸化物系蛍光体又はそれらの混合系蛍光体からなる群から選択された少なくとも蛍光体の1種と、ポリオレフィン共重合体成分及び光硬化性(メタ)アクリル樹脂成分のいずれかから選択された樹脂成分を含む樹脂組成物が成膜された蛍光体層を有する請求項1乃至3に記載のいずれか1項記載の照明装置。
【請求項5】
前記樹脂成分として、ポリオレフィン共重合体成分を選択するとともに、更に無水マレイン酸成分とを含有した樹脂組成物が成膜された蛍光体層を有する請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記蛍光体シートは、前記蛍光体層が一対の透明基材に挟持され、両面から封止フィルムでラミネートされてなる請求項4に記載の照明装置。
【請求項7】
前記基板と前記蛍光体シートとの間に拡散板を備える請求項1乃至6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の照明装置が、画像表示パネルに配置された表示装置。
【請求項1】
青色発光素子が凸型の表面形状の透明樹脂で包含された発光構造体と、
前記発光構造体が二次元配置された基板と、
前記基板と離間して配置され、前記青色発光素子の青色光から白色光を得る粉末状の蛍光体を含有する蛍光体シートと
を備える照明装置。
【請求項2】
前記発光構造体は、前記青色発光素子が基材上に搭載されており、
前記基材上に接触する透明樹脂の幅の半値aと曲率半径rとの比r/aが、4.0以下である請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記発光構造体は、前記青色発光素子が基材上に搭載されており、
前記基材上に接触する透明樹脂の幅の半値aと曲率半径rとの比r/aが、1.7以下である請求項1記載の照明装置。
【請求項4】
前記蛍光体シートは、硫化物系蛍光体、酸化物系蛍光体又はそれらの混合系蛍光体からなる群から選択された少なくとも蛍光体の1種と、ポリオレフィン共重合体成分及び光硬化性(メタ)アクリル樹脂成分のいずれかから選択された樹脂成分を含む樹脂組成物が成膜された蛍光体層を有する請求項1乃至3に記載のいずれか1項記載の照明装置。
【請求項5】
前記樹脂成分として、ポリオレフィン共重合体成分を選択するとともに、更に無水マレイン酸成分とを含有した樹脂組成物が成膜された蛍光体層を有する請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記蛍光体シートは、前記蛍光体層が一対の透明基材に挟持され、両面から封止フィルムでラミネートされてなる請求項4に記載の照明装置。
【請求項7】
前記基板と前記蛍光体シートとの間に拡散板を備える請求項1乃至6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の照明装置が、画像表示パネルに配置された表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−16692(P2013−16692A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149291(P2011−149291)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000108410)デクセリアルズ株式会社 (595)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000108410)デクセリアルズ株式会社 (595)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]