説明

熱交換器および空気調和機

【課題】凝縮能力と蒸発能力の両方を十分に発揮し得る熱交換器を提供する。
【解決手段】複数の扁平管33は、その配列方向に主熱交換部34と補助熱交換部35とに区分され、凝縮器として機能する場合は冷媒が主熱交換部34から補助熱交換部35の順に通過し、蒸発器として機能する場合は冷媒が補助熱交換部35から主熱交換部34の順に通過するように構成される。凝縮器として機能する場合の冷媒の凝縮温度と熱交換前の空気の温度との温度差ΔTに対する補助熱交換部35からヘッダ集合管31,32へ流出した冷媒の過冷却度SCの過冷却割合Xに基づいて、複数の扁平管33の全体の伝熱面積に対する補助熱交換部35の扁平管33の伝熱面積の補助熱交割合Yが設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のヘッダ集合管と、各ヘッダ集合管に接続する複数の扁平管とを備え、扁平管内を流れる冷媒を空気と熱交換させる熱交換器およびそれを備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一対のヘッダと、各ヘッダに接続される複数の扁平管とを備えた熱交換器が知られており、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1の熱交換器は、冷暖可能な空気調和機に用いられている。この熱交換器は、凝縮器として機能する場合、各扁平管を流れる冷媒が空気と熱交換して凝縮し、蒸発器として機能する場合、各扁平管を流れる冷媒が空気と熱交換して蒸発する。
【0003】
また、特許文献2に開示されている熱交換器は、一対のヘッダと、各ヘッダに接続される複数の扁平管とを備えて、凝縮器として機能する。この熱交換器には、凝縮用の主熱交換部と過冷却用の補助熱交換部とが形成されている。そして、この熱交換器へ流入した冷媒は、主熱交換部を通過する間に凝縮して実質的に液単相状態となり、その後に補助熱交換部へ流入してさらに冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−94841号公報
【特許文献2】特開2010−25447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献2の熱交換器を特許文献1のように冷暖可能な空気調和機に用いると、熱交換器は凝縮器として機能する場合と蒸発器として機能する場合とに切り換わる。この場合、全体に対する補助熱交換部の割合を単に設定すると、凝縮能力および蒸発能力を十分に発揮させることができないという問題があった。
【0006】
つまり、補助熱交換部の割合が低すぎると、例えば図7(E)〜(G)に示す状態のように、補助熱交換部だけでなく主熱交換部にまで過冷却領域(液領域)が及んでしまう。そうなると、主熱交換部における液冷媒の存在によって冷媒の偏流が生じてしまう。そのため、凝縮能力が著しく低下してしまう。一方、補助熱交換部の割合が高すぎると、主熱交換部の割合が減少するため、特に蒸発器として機能する場合において空気との温度差を大きくとれる蒸発領域が実質的に減少して、その結果、蒸発能力が低下してしまう。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の扁平管が主熱交換部と補助熱交換部とに区分された熱交換器において、凝縮能力と蒸発能力の両方を十分に発揮させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、管軸と直交する方向に配列された複数の扁平管(33)と、該各扁平管(33)の両端に接続された第1ヘッダ集合管(31)および第2ヘッダ集合管(32)とを備え、冷媒が可逆に循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されて冷媒を空気と熱交換させる熱交換器を対象としている。
【0009】
そして、上記複数の扁平管(33)は、その配列方向に主熱交換部(34)と補助熱交換部(35)とに区分され、凝縮器として機能する場合は冷媒が上記主熱交換部(34)から上記補助熱交換部(35)の順に通過し、蒸発器として機能する場合は冷媒が上記補助熱交換部(35)から上記主熱交換部(34)の順に通過するように構成されている。
【0010】
さらに、本発明の熱交換器は、凝縮器として機能する場合の冷媒の凝縮温度と熱交換前の空気の温度との温度差ΔTに対する上記補助熱交換部(35)から上記ヘッダ集合管(31,32)へ流出した冷媒の過冷却度SCの割合Xに基づいて、上記複数の扁平管(33)の全体の伝熱面積に対する上記補助熱交換部(35)の扁平管(33)の伝熱面積の割合Yが設定されている。
【0011】
上記第1の発明の熱交換器では、複数の扁平管(33)の全体の伝熱面積に対する補助熱交換部(35)の扁平管(33)の伝熱面積の割合Yが、割合X(過冷却度SC/温度差ΔT)に基づいて設定される。そのため、熱交換器が凝縮器として機能する場合、例えば図7(D)に示す状態のように、主熱交換部(34)の全体がガス領域(凝縮領域)となり、補助熱交換部(35)の全体が液領域(過冷却領域)となるような、割合Yが設定される。
【0012】
なお、ここで言う「ガス領域」とは、ガス単相の冷媒だけでなく気液二相の冷媒も含む概念であり、図7および図8における「ガス」の記載についてもガス単相だけでなく気液二相の冷媒も含む意味である。以降、説明において記載する「ガス領域」についても同様である。
【0013】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記割合Yは、上記割合Xを変数とする切片がゼロの二次関数で求められる。
【0014】
上記第2の発明では、例えば図4に示すように、割合Y(縦軸の補助熱交割合)が割合X(横軸の過冷却度SC/温度差ΔT)を変数とする所定の二次関数で導出される。
【0015】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記主熱交換部(34)および補助熱交換部(35)では、上記扁平管(33)の配列方向に、互いに複数且つ同数の熱交換領域(34a〜34c,35a〜35c)に区分されている。そして、上記第1ヘッダ集合管(31)には、その内部空間を上記扁平管(33)の配列方向に仕切ることによって、上記主熱交換部(34)の全ての熱交換領域(34a〜34c)に対応した単一の連通空間(61)と、上記補助熱交換部(35)の各熱交換領域(35a〜35c)に対応した該熱交換領域(35a〜35c)と同数の連通空間(62a〜62c)とが形成されている。また、上記第2ヘッダ集合管(32)には、その内部空間を上記扁平管(33)の配列方向に仕切ることによって、互いに隣り合う上記主熱交換部(34)の熱交換領域(34a)と上記補助熱交換部(35)の熱交換領域(35c)を除く上記両熱交換部(34,35)の各熱交換領域(34b,34c,35a,35b)に対応した該熱交換領域(34b,34c,35a,35b)と同数の連通空間(71a,71b,71d,71e)が形成されると共に、上記互いに隣り合う上記主熱交換部(34)の熱交換領域(34a)と上記補助熱交換部(35)の熱交換領域(35c)に共通に対応した単一の連通空間(71c)が形成されている。さらに、上記第2ヘッダ集合管(32)には、上記互いに隣り合う上記主熱交換部(34)の熱交換領域(34a)と上記補助熱交換部(35)の熱交換領域(35c)に共通に対応した単一の連通空間(71c)を除く上記主熱交換部(34)の各連通空間(71d,71e)と上記補助熱交換部(35)の各連通空間(71a,71b)とが各一で対となり、該対となる連通空間同士を接続する連通管(72,73)が設けられている。
【0016】
上記第3の発明の熱交換器では、凝縮器として機能する場合、冷媒回路から第1ヘッダ集合管(31)に流入したガス冷媒が、主熱交換部(34)の各熱交換領域(34a〜34c)へ分流して通過し、その後、第2ヘッダ集合管(32)および連通管(72,73)で折り返して補助熱交換部(35)の各熱交換領域(35a〜35c)へ流れて通過し、冷媒回路へ流出する。また、第3の発明の熱交換器では、蒸発器として機能する場合、冷媒回路から第1ヘッダ集合管(31)に流入した液冷媒が、補助熱交換器(23)の各熱交換領域(35a〜35c)を通過し、その後、第2ヘッダ集合管(32)および連通管(72,73)で折り返して主熱交換部(34)の各熱交換領域(34a〜34c)を通過し、冷媒回路へ流出する。つまり、本発明の熱交換器は、凝縮器として機能する場合も蒸発器として機能する場合も、主熱交換部(34)と補助熱交換部(35)を1回ずつ通過する。
【0017】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記補助熱交換部(35)では、上記各熱交換領域(35a〜35c)の扁平管(33)の総流路断面積が互いに同一である。
【0018】
上記第4の発明では、補助熱交換部(35)における各熱交換領域(35a〜35c)の扁平管(33)の総流路断面積が互いに同一であるため、各熱交換領域(35a〜35c)の冷媒の圧力損失が同等となる。例えば、補助熱交換部(35)において各扁平管(33)の流路断面積が互いに同一である場合は、補助熱交換部(35)における各熱交換領域(35a〜35c)の扁平管(33)の本数を互いに同一とすることで、各熱交換領域(35a〜35c)の扁平管(33)の総流路断面積が互いに同一となる。
【0019】
第5の発明は、空気調和機(10)を対象とし、上記第1乃至第4の何れか一つの発明の熱交換器(23)が設けられた冷媒回路(20)を備え、上記冷媒回路(20)において冷媒を可逆に循環させて冷凍サイクルを行うものである。
【0020】
上記第5の発明では、上記第1乃至第4の何れか一つの発明の熱交換器(23)が冷媒回路(20)に接続される。熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、冷媒が主熱交換部(34)の扁平管(33)を通過した後に補助熱交換部(35)の扁平管(33)を通過し、その通過の際に冷媒は空気と熱交換して凝縮する。熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合、冷媒が補助熱交換器(23)の扁平管(33)を通過した後に主熱交換部(34)の扁平管(33)を通過し、その通過の際に冷媒は空気と熱交換して蒸発する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、過冷却度SC/温度差ΔTに基づいて、複数の扁平管(33)の全体の伝熱面積に対する上記補助熱交換部(35)の扁平管(33)の伝熱面積の割合が設定される。そのため、熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、図7(D)に示す状態のように、主熱交換部(34)の全体がガス領域(凝縮領域)となり、補助熱交換部(35)の全体が液領域(過冷却領域)となる。これによって、必要な過冷却度SCを保持して最高の凝縮能力を発揮させる一方、できるだけ高い蒸発能力を発揮させ得る熱交換器を提供することができる。つまり、凝縮能力および蒸発能力の両方を最適化し得る熱交換器を提供できる。
【0022】
第3の発明によれば、主熱交換部(34)の複数の熱交換領域(34a〜34c)が扁平管(33)の配列方向における片側へ集合して配列され、補助熱交換部(35)の複数の熱交換領域(35a〜35c)が反対側の片側へ集合して配列されている。これにより、互いに冷媒温度の異なる主熱交換部(34)の熱交換領域(34a〜34c)と補助熱交換部(35)の熱交換領域(35a〜35c)とが隣接する箇所を最少の1箇所に抑えることができる。そのため、互いに隣接する主熱交換部(34)の扁平管(33)と補助熱交換部(35)の扁平管(33)との間で熱が移動することによる熱ロスを最大限に抑制することができる。その結果、熱交換器(23)の熱交換効率の低下を大幅に抑制することができる。
【0023】
第4の発明によれば、補助熱交換部(35)における各熱交換領域(35a〜35c)の扁平管(33)の総流路断面積を互いに同一としたため、各熱交換領域(35a〜35c)の冷媒の圧力損失が同等となる。ここで、熱交換器(23)全体の扁平管(33)の伝熱面積(本数)に対する補助熱交換部(35)全体の扁平管(33)の伝熱面積(本数)の割合Yは、図4に示すように35%以下と低い。そのため、熱交換器(23)全体の圧力損失は、主熱交換部(34)の圧力損失よりも補助熱交換部(35)の圧力損失が支配的となる。そのため、熱交換器(23)の冷媒の流量は、概ね補助熱交換部(35)の圧力損失に応じた流量となる。そして、本発明の補助熱交換部(35)では、上述したように各熱交換領域(35a〜35c)の圧力損失が互いに同等であるため、各熱交換領域(35a〜35c)の冷媒の流量も同等となる。これに伴い、主熱交換部(34)では、各熱交換領域(34a〜34c)の冷媒の流量も同等となる。
【0024】
これにより、例えば、主熱交換部(34)において、風速が大きい熱交換領域(34a〜34c)では風速が小さい熱交換領域(34a〜34c)よりも扁平管(33)の伝熱面積(本数)を少なくして、各熱交換領域(34a〜34c)の熱負荷を均一にすることが容易に成し得る。上述したように主熱交換部(34)の冷媒流量は補助熱交換部(35)の圧力損失に支配されることから、扁平管(33)の伝熱面積(本数)を少なくした主熱交換部(34)の熱交換領域(34a〜34c)における冷媒流量は減少するがその減少量はごく僅かとなる。したがって、主熱交換部(34)において各熱交換領域(34a〜34c)の冷媒流量は概ね同等のまま維持される。このように、風速分布に応じて主熱交換部(34)の各熱交換領域(34a〜34c)の熱負荷を均一にする際、各熱交換領域(34a〜34c)の冷媒流量のバランスをそれ程崩すことなく(各熱交換領域(34a〜34c)の冷媒流量にそれ程影響を及ぼすことなく)成し得るので、熱負荷を均一にする設計が容易となる。
【0025】
第5の発明によれば、冷房能力および暖房能力の両方を十分に稼げる空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、実施形態に係る空気調和機の冷媒回路図である。
【図2】図2は、実施形態に係る室外熱交換器の正面を示す一部断面図である。
【図3】図3は、図2のIII−III断面の一部を示す熱交換器の断面図である。
【図4】図4は、過冷却度SC/温度差ΔTと補助熱交割合の関係を示すグラフである。
【図5】図5は、補助熱交割合と凝縮能力の関係を示すグラフである。
【図6】図6は、過冷却度SCと凝縮能力の関係を示すグラフである。
【図7】図7(A)〜(G)は、室外熱交換器におけるガス領域と液領域の状態を示す模式図である。
【図8】図8は、実施形態の変形例に係る室外熱交換器の概略構成を示す正面図である。
【図9】図9は、実施形態の変形例に係る室外熱交換器の正面を示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0028】
本実施形態の熱交換器は、空気調和機(10)に設けられた室外熱交換器(23)である。
【0029】
〈空気調和機の構成〉
空気調和機(10)について、図1を参照しながら説明する。
【0030】
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)および室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されている。空気調和機(10)では、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)によって、冷媒回路(20)が形成されている。
【0031】
冷媒回路(20)には、圧縮機(21)と、四方切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが設けられている。圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)、および膨張弁(24)は、室外ユニット(11)に収容されている。室外ユニット(11)には、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給するための室外ファン(15)が設けられている。一方、室内熱交換器(25)は、室内ユニット(12)に収容されている。室内ユニット(12)には、室内熱交換器(25)へ室内空気を供給するための室内ファン(16)が設けられている。
【0032】
冷媒回路(20)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(20)において、圧縮機(21)は、その吐出側が四方切換弁(22)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(22)の第2のポートに、それぞれ接続されている。また、冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが配置されている。
【0033】
圧縮機(21)は、スクロール型またはロータリ型の全密閉型圧縮機である。四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に破線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に実線で示す状態)とに切り換わる。膨張弁(24)は、いわゆる電子膨張弁である。
【0034】
室外熱交換器(23)は、冷媒を室外空気と熱交換させる。室外熱交換器(23)については後述する。一方、室内熱交換器(25)は、冷媒を室内空気と熱交換させる。室内熱交換器(25)は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
【0035】
〈空気調和機の運転動作〉
空気調和機(10)は、冷房運転と暖房運転を選択的に行う。
【0036】
冷房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第1状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室外熱交換器(23)、膨張弁(24)、室内熱交換器(25)の順に冷媒が循環し、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(25)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)では、圧縮機(21)から流入したガス冷媒が室外空気へ放熱して凝縮し、凝縮後の冷媒が膨張弁(24)へ向けて流出してゆく。
【0037】
暖房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第2状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室内熱交換器(25)、膨張弁(24)、室外熱交換器(23)の順に冷媒が循環し、室内熱交換器(25)が凝縮器として機能し、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)には、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が流入する。室外熱交換器(23)へ流入した冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発し、その後に圧縮機(21)へ向けて流出してゆく。
【0038】
〈室外熱交換器の構成〉
室外熱交換器(23)について、図2〜4を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明に示す扁平管(33)の本数は、何れも単なる一例である。
【0039】
図2および図3に示すように、室外熱交換器(23)は、一つの第1ヘッダ集合管(31)と、一つの第2ヘッダ集合管(32)と、複数の扁平管(33)と、多数のフィン(36)とを備えている。第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、扁平管(33)およびフィン(36)は、何れもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
【0040】
第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)は、何れも両端が閉塞された細長い中空円筒状に形成されている。図2では、室外熱交換器(23)の左端に第1ヘッダ集合管(31)が立設され、室外熱交換器(23)の右端に第2ヘッダ集合管(32)が立設されている。つまり、第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)は、それぞれの軸方向が上下方向となる状態で設置されている。
【0041】
図3にも示すように、扁平管(33)は、その断面形状が扁平な長円形あるいは角の丸い矩形となった伝熱管である。室外熱交換器(23)において、複数の扁平管(33)は、その伸長方向が左右方向となり、それぞれの平坦な側面が対向する状態で配置されている。また、複数の扁平管(33)は、互いに一定の間隔をおいて上下に並んで配置され、それぞれの伸長方向が実質的に平行になっている。つまり、複数の扁平管(33)は、管軸と直交する方向に配列されている。図2に示すように、各扁平管(33)は、その一端が第1ヘッダ集合管(31)に挿入され、その他端が第2ヘッダ集合管(32)に挿入されている。
【0042】
図3に示すように、各扁平管(33)には、複数の流体通路(33a)が形成されている。各流体通路(33a)は、扁平管(33)の伸長方向に延びる通路である。各扁平管(33)において、複数の流体通路(33a)は、扁平管(33)の伸長方向と直交する幅方向に一列に並んでいる。各扁平管(33)に形成された複数の流体通路(33a)は、それぞれの一端が第1ヘッダ集合管(31)の内部空間に連通し、それぞれの他端が第2ヘッダ集合管(32)の内部空間に連通している。室外熱交換器(23)へ供給された冷媒は、扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる間に空気と熱交換する。
【0043】
図3に示すように、フィン(36)は、金属板をプレス加工することによって形成された縦長の板状フィンである。フィン(36)には、フィン(36)の前縁(即ち、風上側の縁部)からフィン(36)の幅方向に延びる細長い切欠き部(45)が、多数形成されている。フィン(36)では、多数の切欠き部(45)が、フィン(36)の長手方向(上下方向)に一定の間隔で形成されている。切欠き部(45)の風下寄りの部分は、管挿入部(46)を構成している。管挿入部(46)は、上下方向の幅が扁平管(33)の厚さと実質的に等しく、長さが扁平管(33)の幅と実質的に等しい。扁平管(33)は、フィン(36)の管挿入部(46)に挿入され、管挿入部(46)の周縁部とロウ付けによって接合される。また、フィン(36)には、伝熱を促進するためのルーバー(40)が形成されている。そして、複数のフィン(36)は、扁平管(33)の伸長方向に配列されることで、隣り合う扁平管(33)の間を空気が流れる複数の通風路(37)に区画している。
【0044】
図2に示すように、室外熱交換器(23)の扁平管(33)は、上下に二つの熱交換部(34,35)に区分されている。具体的に、室外熱交換器(23)において、複数の扁平管(33)は、その配列方向(上下方向)に上側の主熱交換部(34)と下側の補助熱交換部(35)とに区分されている。補助熱交換部(35)は、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する際、冷媒を過冷却する役割を担っている。
【0045】
第1ヘッダ集合管(31)の内部空間は、1つの仕切板(39)によって、上下に2つの連通空間(31a,31b)に仕切られている。具体的に、第1ヘッダ集合管(31)の内部空間は、主熱交換部(34)の扁平管(33)に対応した(連通した)単一の上側連通空間(31a)と、補助熱交換部(35)の扁平管(33)に対応した(連通した)単一の下側連通空間(31b)とに仕切られている。つまり、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(31)の仕切板(39)の位置が、主熱交換部(34)と補助熱交換部(35)の境界部(55)となっている。一方、第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、仕切られておらず、主熱交換部(34)および補助熱交換部(35)の全ての扁平管(33)に共通に対応した(連通した)単一の連通空間(32a)である。
【0046】
図2に示すように、室外熱交換器(23)には、ガス側接続管(51)と液側接続管(52)とが設けられている。ガス側接続管(51)および液側接続管(52)は、第1ヘッダ集合管(31)に取り付けられている。
【0047】
ガス側接続管(51)は、比較的大径の配管で構成されている。ガス側接続管(51)の一端は、室外熱交換器(23)と四方切換弁(22)の第3のポートを繋ぐ配管と接続されている。ガス側接続管(51)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)における上側連通空間(31a)の上端寄りの部分に開口している。
【0048】
液側接続管(52)は、比較的小径の配管で構成されている。液側接続管(52)の一端は、室外熱交換器(23)と膨張弁(24)を繋ぐ配管と接続されている。液側接続管(52)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)における下側連通空間(31b)の下端寄りの部分に開口している。
【0049】
室外熱交換器(23)は、凝縮器として機能する場合、ガス側接続管(51)から第1ヘッダ集合管(31)に流入した冷媒(ガス冷媒)が、主熱交換部(34)、補助熱交換部(35)の順に通過して凝縮するように構成されている。つまり、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、第1ヘッダ集合管(31)の上側連通空間(31a)に流入した冷媒は、主熱交換部(34)の扁平管(33)を通過する間に凝縮して実質的に液単相状態となり、その後に補助熱交換部(35)の扁平管(33)へ流入してさらに冷却(過冷却)される。
【0050】
また、室外熱交換器(23)は、蒸発器として機能する場合、液側接続管(52)から第1ヘッダ集合管(31)の下側連通空間(31b)に流入した冷媒(液冷媒)が、補助熱交換部(35)、主熱交換部(34)の順に通過して蒸発するように構成されている。
【0051】
このように、本実施形態の室外熱交換器(23)は、凝縮器として機能する場合も蒸発器として機能する場合も、冷媒が第2ヘッダ集合管(32)を介して主熱交換部(34)と補助熱交換部(35)の間を折り返して流れる箇所は1箇所である。
【0052】
〈補助熱交換部の割合〉
本実施形態の室外熱交換器(23)は、複数の扁平管(33)の全体の伝熱面積に対する補助熱交換部(35)の扁平管(33)の伝熱面積の割合(以下、補助熱交割合Yともいう。)が所定の範囲に設定されている。ここで言う扁平管(33)の伝熱面積は、冷媒が流通する流体通路(33a)の表面積である。
【0053】
補助熱交割合Yは、温度差ΔTに対する過冷却度SCの割合(過冷却度SC/温度差ΔT、以下、過冷却割合Xともいう。)に基づいて設定される。温度差ΔTは、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)において、冷媒の凝縮温度と熱交換前の空気の温度との温度差である。冷媒の凝縮温度は、室外熱交換器(27)における冷媒の凝縮飽和温度である。熱交換前の空気の温度は、室外熱交換器(23)へ流入する空気の温度である。冷媒の過冷却度SCは、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)において補助熱交換部(35)から第1ヘッダ集合管(31)へ流出した冷媒の過冷却度である。この過冷却度SCは、上述した冷媒の凝縮温度(凝縮飽和温度)から室外熱交換器(23)から流出した冷媒(液冷媒)の温度を差し引いた値である。上述した冷媒の凝縮温度、熱交換前の空気の温度、過冷却度SCは、室外熱交換器(23)を設計するに当たって予め設定される条件値である。
【0054】
図4に示すように、補助熱交割合Y(図4の縦軸)は、過冷却割合X(過冷却度SC/温度差ΔT、図4の横軸)が20%〜80%の範囲で、0%よりも高く且つ35%以下に設定される。0%よりも高い値というのは、図4に示す●の曲線(温度差ΔT=5℃の曲線)において過冷却割合X=20%から導かれ、35%以下は、図4に示す□の曲線(温度差ΔT=20℃の曲線)において過冷却割合X=80%から導かれる。
【0055】
ここで、上述した過冷却割合Xの範囲の下限値20%および上限値80%は、空気調和機(10)における冷媒回路(20)のCOP(成績係数)を考慮して一般に用いられる数値である。
【0056】
言い換えると、補助熱交割合Yは、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、主熱交換部(34)および補助熱交換部(35)のうち補助熱交換部(35)のみに液冷媒が存在し且つその液冷媒で補助熱交換部(35)が概ね満たされた状態(図7(D)の状態)となるように、上述した所定の範囲に設定される。つまり、図7(D)は主熱交換部(34)には過冷却領域(液領域)は存在せず、補助熱交換部(35)の全体が過冷却領域(液領域)となる状態である。さらに、言い換えると、補助熱交割合Yは、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する際の凝縮能力と蒸発器として機能する際の蒸発能力とを十分に発揮させるように、上述した所定の範囲に設定される。
【0057】
より具体的に、補助熱交割合Yは、図4に示すように、過冷却割合Xを変数とする切片がゼロの二次関数で求められる。この二次関数は、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、過冷却割合Xに応じて、室外熱交換器(23)が図7(D)に示す状態となる補助熱交割合Yの値がプロットされることで導出される。この二次関数は、図4に示すように、温度差ΔTの値によって異なるものが用いられる。ここで、温度差ΔT=15℃,20℃は主として夏期に行う定格運転の場合を示し、温度差ΔT=5℃,10℃は主として中間期に行う部分負荷運転の場合を示す。
【0058】
図5は、過冷却割合X(過冷却度SC/温度差ΔT)=50%で固定した条件下で、補助熱交割合Y(横軸)と凝縮能力(縦軸)の関係を示す。凝縮能力は、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)において冷媒と空気の熱交換量である。図5によれば、温度差ΔTに関係なく、補助熱交割合Yが低すぎても高すぎても凝縮能力が低下することが分かる。つまり、室外熱交換器(23)では、凝縮能力が最高となる最適な補助熱交割合Yが存在する。
【0059】
具体的に、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)において、補助熱交割合Yが高くなると、全体における主熱交換部(34)の割合が低くなるため、冷媒が空気と熱交換して凝縮する領域が減少し凝縮能力が低下する。一方、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合について考えると、補助熱交割合Yが高くなって主熱交換部(34)の割合が低くなると、冷媒が空気と熱交換して蒸発する領域が減少するため、蒸発能力が低下する。つまり、主熱交換部(34)は冷媒と空気の温度差を大きくとれる部分であるため、主熱交換部(34)の割合が減少すると、凝縮能力および蒸発能力の何れもが低下してしまう。
【0060】
また、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)において、補助熱交割合Yが低くなると、全体における主熱交換部(34)の割合は高くなるが、過冷却領域(液領域)が主熱交換部(34)の一部にまで及んでしまう。つまり、補助熱交割合Yが低くなると、図7の(E)〜(G)に示すように、補助熱交換部(35)の領域だけでなく、主熱交換部(34)における補助熱交換部(35)の直近の領域が過冷却領域(液領域)となる。そうすると、主熱交換部(34)では液冷媒の存在によって冷媒の偏流が生じてしまう。これによって、第2ヘッダ集合管(32)において主熱交換部(34)に対応する部分に液冷媒が溜まってしまい、冷媒流れが阻害される。その結果、室外熱交換器(23)における冷媒循環量が減少し、凝縮能力が低下してしまう。一方、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合について考えると、補助熱交割合Yが低くなって主熱交換部(34)の割合が高くなると、冷媒が空気と熱交換して蒸発する領域が増大するため、蒸発能力が高くなる。
【0061】
このように、室外熱交換器(23)において、補助熱交割合Yが低くなりすぎると、蒸発能力は高くなるが、上述したように液冷媒が主熱交換部(34)にまであふれてしまうため凝縮能力は著しく低下する。また、室外熱交換器(23)において、補助熱交割合Yが高くなりすぎると、凝縮能力および蒸発能力は低下する。このことから、凝縮能力が最高となる最適な補助熱交割合Y(図5に示す各曲線のピーク点)が存在することが分かる。そして、この最適な補助熱交割合Yを採ることで、凝縮能力を最高としつつ、できるだけ高い蒸発能力を稼ぐことができる。
【0062】
また、図5によれば、温度差ΔTが高くなるほど、凝縮能力が最高となる補助熱交割合Yの値は高くなることも分かる。
【0063】
図6は、温度差ΔTを固定した条件下で、過冷却度SC(横軸)と凝縮能力(縦軸)の関係を示す。図6によれば、過冷却度SCが高くなると、即ち過冷却割合X(過冷却度SC/温度差ΔT)が高くなると、凝縮能力が少しずつ低下していくが、過冷却割合Xが所定値になると急激に凝縮能力が低下することが分かる。
【0064】
具体的に、過冷却度SC(過冷却割合X)が比較的低く、凝縮能力が100%発揮されている場合(図6に示す「A」)、室外熱交換器(23)は図7(A)に示す状態となる。つまり、室外熱交換器(23)において、補助熱交換部(35)の一部が過冷却領域(液領域)となり、それ以外の主熱交換部(34)の全体と補助熱交換部(35)の残りの部分が凝縮領域(ガス領域)となる。そして、過冷却度SCが高くなると(図6に示す「B」、「C」)、室外熱交換器(23)は図7(B)および(C)に示す状態となる。つまり、過冷却度SCが高くなると、補助熱交換部(35)における過冷却領域(液領域)が増大する。このように、過冷却領域(液領域)が増大すると、その増大した分だけ凝縮領域(ガス領域)が減少するため、凝縮能力が低下する。図7(A)〜(C)に示す状態は、補助熱交換部(35)の領域が無駄に設けられていることとなる。
【0065】
さらに、過冷却度SCが高くなると(図6に示す「D」)、室外熱交換器(23)は図7(D)に示す状態となる。この状態は、上述したように、主熱交換部(34)の全体が凝縮領域(ガス領域)となり、補助熱交換部(35)の全体が過冷却領域(液領域)となる。図7の(A)から(D)までは、補助熱交換部(35)において過冷却領域(液領域)が増大し、その増大した分だけ凝縮領域(ガス領域)が減少するので、凝縮能力が少しずつ低下する。
【0066】
さらに、図6において、過冷却度SCが高くなると、温度差ΔT=7℃の場合は「D」から「F」へ、温度差ΔT=14℃の場合は「D」から「E」へ凝縮能力が急激に低下する。この図6の「E」および「F」の場合、室外熱交換器(23)は図7(E)および(F)に示す状態となる。この状態は、上述したように、補助熱交換部(35)の全体と主熱交換部(34)の一部が過冷却領域(液領域)となり、主熱交換部(34)の残りの部分が凝縮領域(ガス領域)となる。この状態では、凝縮領域(ガス領域)が減少しただけではなく、上述したように主熱交換部(34)において冷媒の偏流が生じるため、凝縮能力が著しく低下する。
【0067】
そして、温度差ΔT=14℃の場合、さらに過冷却度SCが高くなると(図6に示す「F」、「G」)、室外熱交換器(23)は図7(F)および(G)に示す状態となる。この状態では、主熱交換部(34)における過冷却領域(液領域)がさらに増大し凝縮領域(ガス領域)が減少するため、凝縮能力がさらに低下する。
【0068】
以上より、図7(A)〜(C)に示す状態は、補助熱交換部(35)の領域が無駄に設けられているため、主熱交換部(34)の領域が必要以上に少なくなっている。そうすると、蒸発能力が無駄に削減されることとなるので、補助熱交換部(35)の領域(補助熱交割合Y)を必要以上にとることは蒸発能力を無駄に低下させる結果となる。そこで、単に補助熱交換部(35)の領域(補助熱交割合Y)を減少させると、図7(E)〜(G)に示す状態のように、補助熱交換部(35)の領域が不足して過冷却領域(液領域)が主熱交換部(34)にまで及んでしまう。そうなると、上述したように凝縮能力が著しく低下する。つまり、この場合、蒸発能力は高くなるものの、凝縮能力を著しく低下させることとなる。このことから、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合は、図7(D)に示す状態のように、主熱交換部(34)の全体がガス領域となり補助熱交換部(35)の全体が過冷却領域(液領域)となるのが最適となる。つまり、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合は図7(D)に示す状態となるように、補助熱交割合Yを設定することで、凝縮能力および蒸発能力を最適に発揮させることができる。なお、図6に示す「A」〜「G」は、それぞれ図7の(A)〜(G)に対応している。
【0069】
以上の観点から、過冷却割合Xが20%〜80%の範囲において、過冷却割合Xに応じて室外熱交換器(23)が図7(D)に示す状態となる補助熱交割合Y(0%よりも高く且つ35%以下)を導出したのが図4に示す各曲線(二次曲線)となる。
【0070】
また、本実施形態の室外熱交換器(23)は、複数の扁平管(33)が互いに同一の伝熱面積を有する場合、補助熱交割合Yは本数で規定してもよい。つまり、室外熱交換器(23)において、複数の扁平管(33)の全体本数に対する補助熱交換部(35)の扁平管(33)の本数の割合が、0%よりも高く且つ35%以下に設定される。
【0071】
−実施形態の効果−
本実施形態の室外熱交換器(23)は、過冷却割合X(過冷却度SC/温度差ΔT)に基づいて、複数の扁平管(33)の全体の伝熱面積に対する上記補助熱交換部(35)の扁平管(33)の伝熱面積の補助熱交割合Yが設定される。
【0072】
そのため、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、図7(D)に示す状態のように、主熱交換部(34)の全体がガス領域(凝縮領域)となり、補助熱交換部(35)の全体が液領域(過冷却領域)となる。これによって、必要な過冷却度SCを保持して最高の凝縮能力を発揮させる一方、できるだけ高い蒸発能力を確保し得る室外熱交換器(23)を提供することができる。つまり、凝縮能力および蒸発能力の両方を最適化し得る室外熱交換器(23)を提供できる。
【0073】
これによって、冷房能力および暖房能力の両方を十分に稼げる空気調和機(10)を提供することができる。
【0074】
−実施形態の変形例−
本変形例は、図8および図9に示すように、上記実施形態の室外熱交換器(23)の構成を変更したものである。ここでは、上記実施形態の室外熱交換器(23)と異なる部分について説明する。
【0075】
図8に示すように、本変形例の室外熱交換器(23)において、主熱交換部(34)および補助熱交換部(35)は、それぞれ上下に三つずつの熱交換領域(34a〜34c,35a〜35c)に区分されている。具体的に、主熱交換部(34)には、下から上に向かって順に、第1主熱交換領域(34a)と、第2主熱交換領域(34b)と、第3主熱交換領域(34c)とが形成されている。補助熱交換部(35)には、下から上に向かって順に、第1補助熱交換領域(35a)と、第2補助熱交換領域(35b)と、第3補助熱交換領域(35c)とが形成されている。このように、本変形例の主熱交換部(34)および補助熱交換部(35)では、扁平管(33)の配列方向(上下方向)に、互いに複数且つ同数の熱交換領域(34a〜34c,35a〜35c)に区分されている。なお、各熱交換部(34,35)に形成される熱交換領域(34a〜34c,35a〜35c)の数は、二つであってもよいし、四つ以上であってもよい。
【0076】
また、補助熱交換部(35)では、各補助熱交換領域(35a〜35c)の扁平管(33)の本数が互いに同一(本変形例では、三本)となっている。つまり、本変形例の補助熱交換部(35)では、各補助熱交換領域(35a〜35c)の扁平管(33)の総流路断面積(即ち、各補助熱交換領域(35a〜35c)における流体通路(33a)の通路断面積の合計)が互いに同一となっている。なお、本変形例に係る各扁平管(33)も、上記実施形態と同様、互いに同一の流路断面積を有している。
【0077】
第1ヘッダ集合管(31)および第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、複数の仕切板(39)によって上下に仕切られている。
【0078】
具体的に、第1ヘッダ集合管(31)の内部空間は、主熱交換部(34)に対応したガス冷媒の主連通空間(61)と、補助熱交換部(35)に対応した液冷媒の補助連通空間(62)とに仕切られている。なお、ここで言う液冷媒とは、液単相状態の冷媒または気液二相状態の冷媒を意味する。主連通空間(61)は、全ての主熱交換領域(34a〜34c)に共通に対応した単一の空間である。つまり、主連通空間(61)は、全ての主熱交換領域(34a〜34c)の扁平管(33)と連通している。補助連通空間(62)は、更に仕切板(39)によって、各補助熱交換領域(35a〜35c)に対応した該補助熱交換領域(35a〜35c)と同数(三つ)の連通空間(62a〜62c)に上下に仕切られている。つまり、補助連通空間(62)では、第1補助熱交換領域(35a)の扁平管(33)と連通する第1連通空間(62a)と、第2補助熱交換領域(35b)の扁平管(33)と連通する第2連通空間(62b)と、第3補助熱交換領域(35c)の扁平管(33)と連通する第3連通空間(62c)とが形成されている。
【0079】
第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、上下に五つの連通空間(71a〜71e)に仕切られている。具体的に、第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、主熱交換部(34)において最下に位置する第1主熱交換領域(34a)と補助熱交換部(35)において最上に位置する第3補助熱交換領域(35c)を除く各主熱交換領域(34b,34c)および各補助熱交換領域(35a,35b)に対応した四つの連通空間(71a,71b,71d,71e)と、第1主熱交換領域(34a)および第3補助熱交換領域(35c)に共通に対応した単一の連通空間(71c)とに仕切られている。つまり、第2ヘッダ集合管(32)の内部空間では、第1補助熱交換領域(35a)の扁平管(33)と連通する第1連通空間(71a)と、第2補助熱交換領域(35b)の扁平管(33)と連通する第2連通空間(71b)と、第3補助熱交換領域(35c)および第1主熱交換領域(34a)の双方の扁平管(33)と連通する第3連通空間(71c)と、第2主熱交換領域(34b)の扁平管(33)と連通する第4連通空間(71d)と、第3主熱交換領域(34c)の扁平管(33)と連通する第5連通空間(71e)とが形成されている。第1主熱交換領域(34a)と第3補助熱交換領域(35c)は、両熱交換部(34,35)において互いに隣り合う熱交換領域である。
【0080】
第2ヘッダ集合管(32)では、第4連通空間(71d)および第5連通空間(71e)と、第1連通空間(71a)および第2連通空間(71b)とが、各一で対となっている。具体的に、第1連通空間(71a)と第5連通空間(71e)が対となり、第2連通空間(71b)と第4連通空間(71d)が対となっている。そして、第2ヘッダ集合管(32)には、第2連通空間(71b)と第4連通空間(71d)とを接続する第1連通管(72)と、第1連通空間(71a)と第5連通空間(71e)とを接続する第2連通管(73)とが設けられている。つまり、本変形例の室外熱交換器(23)では、第1主熱交換領域(34a)と第3補助熱交換領域(35c)が対となり、第2主熱交換領域(34b)と第2補助熱交換領域(35b)が対となり、第3主熱交換領域(34c)と第1補助熱交換領域(35a)が対となっている。
【0081】
そして、図9に示すように、室外熱交換器(23)では、第2ヘッダ集合管(32)における上側二つの仕切板(39)のそれぞれの側方に位置する部分が、主熱交換領域(34a〜34c)同士の境界部(53)となっている。また、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(31)における下側二つの仕切板(39)と第2ヘッダ集合管(32)における下側二つの仕切板(39)との間の部分が、補助熱交換領域(35a〜35c)同士の境界部(54)となっている。また、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(31)における最上の仕切板(39)の側方に位置する部分が、第1主熱交換領域(34a)と第3補助熱交換領域(35c)の境界部(55)、即ち主熱交換部(34)の主熱交換領域(34a)と補助熱交換部(35)の補助熱交換領域(35c)の境界部(55)となっている。
【0082】
図8に示すように、第1ヘッダ集合管(31)には、ガス側接続管(51)と液側接続管(52)とが設けられている。液側接続管(52)は、一つの分流器(52d)と、三本の細径管(52a〜52c)とを備えている。分流器(52d)の下端部には、室外熱交換器(23)と膨張弁(24)を繋ぐ配管が接続されている。分流器(52d)の上端部には、各細径管(52a〜52c)の一端が接続されている。分流器(52d)の内部では、その下端部に接続された配管と、各細径管(52a〜52c)とが連通している。各細径管(52a〜52c)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)の補助連通空間(62)に接続され、対応する連通空間(62a〜62c)に連通している。
【0083】
図9にも示すように、各細径管(52a〜52c)は、対応する連通空間(62a〜62c)の下端寄りの部分に開口している。つまり、第1細径管(52a)は第1連通空間(62a)の下端寄りの部分に開口し、第2細径管(52b)は第2連通空間(62b)の下端寄りの部分に開口し、第3細径管(52c)は第3連通空間(62c)の下端寄りの部分に開口している。なお、各細径管(52a〜52c)の長さは、各補助熱交換領域(35a〜35c)へ流入する冷媒の流量の差がなるべく小さくなるように、個別に設定されている。
【0084】
ガス側接続管(51)は、上記実施形態と同様、比較的大径の一つの配管で構成されている。ガス側接続管(51)の一端は、室外熱交換器(23)と四方切換弁(22)の第3のポートを繋ぐ配管と接続されている。ガス側接続管(51)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)における主連通空間(61)の上端寄りの部分に開口している。
【0085】
本変形例の室外熱交換器(23)は、凝縮器として機能する場合、ガス側接続管(51)から第1ヘッダ集合管(31)に流入した冷媒(ガス冷媒)が、主熱交換部(34)の各主熱交換領域(34a〜34c)、補助熱交換部(35)の各補助熱交換領域(35a〜35c)の順に通過して凝縮するように構成されている。つまり、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、第1ヘッダ集合管(31)の主連通空間(61)に流入した冷媒は、各主熱交換領域(34a〜34c)の扁平管(33)を通過する間に凝縮して実質的に液単相状態となる。その後、第4連通空間(71d)および第5連通空間(71e)の冷媒は、連通管(72,73)、第1連通空間(71a)および第2連通空間(71b)を介して第1補助熱交換領域(35a)および第2補助熱交換領域(35b)へ流入する。一方、第1主熱交換領域(34a)を通過した冷媒は、第3連通空間(71c)を介して第3補助熱交換領域(35c)へ流入する。そして、各補助熱交換領域(35a〜35c)の扁平管(33)では冷媒がさらに冷却(過冷却)されて、補助連通空間(62)から液側接続管(52)を介して冷媒回路(20)へ流出する。
【0086】
また、室外熱交換器(23)は、蒸発器として機能する場合、液側接続管(52)から第1ヘッダ集合管(31)の補助連通空間(62)に流入した冷媒(液冷媒)が、補助熱交換部(35)の各補助熱交換領域(35a〜35c)、主熱交換部(34)の各主熱交換領域(34a〜34c)の順に通過して蒸発するように構成されている。
【0087】
そして、本変形例の室外熱交換器(23)においても、上記実施形態と同様、過冷却割合X(過冷却度SC/温度差ΔT)が20%〜80%の範囲で、補助熱交割合Yが0%よりも高く且つ35%以下に設定される。つまり、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、図8に示すように、主熱交換部(34)の全体(即ち、三つの主熱交換領域(34a〜34c)の全体)がガス領域となり、補助熱交換部(35)の全体(即ち、三つの補助熱交換領域(35a〜35c)の全体)が液量域(過冷却領域)となるように、補助熱交割合Yが設定される。こうすることで、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0088】
また、本変形例の室外熱交換器(23)では、順に冷媒が流通する主熱交換領域(34a〜34c)および補助熱交換領域(35a〜35c)の対を複数有し、複数の主熱交換領域(34a〜34c)が上下に並ぶ主熱交換部(34)と、複数の補助熱交換領域(35a〜35c)が上下に並ぶ補助熱交換部(35)とに区分されている。つまり、本変形例の室外熱交換器(23)では、複数の主熱交換領域(34a〜34c)が上下方向における片側(上側)へ集合して配列され、複数の補助熱交換領域(35a〜35c)が反対側の片側(下側)へ集合して配列されている。これにより、主熱交換領域と補助熱交換領域が互いに隣接する箇所を最少の1箇所に抑えることができる。つまり、本変形例の室外熱交換器(23)において、主熱交換領域(34a〜34c)と補助熱交換領域(35a〜35c)とが隣接する箇所は、主熱交換部(34)において最下に位置する第1主熱交換領域(34a)と補助熱交換部(35)において最上に位置する第3補助熱交換領域(35c)とが隣接する箇所のみである。
【0089】
そして、主熱交換領域(34a〜34c)を流通する冷媒の温度は、補助熱交換領域(35a〜35c)を流通する冷媒の温度よりも高い。そのため、互いに隣接する主熱交換領域の扁平管(33)と補助熱交換領域の扁平管(33)との間では、その隣接間のフィン(36)を通じて互いの冷媒同士が熱交換してしまい、その分冷媒と空気との間で交換する熱量が減少する。いわゆる熱ロスが生じる。その結果、室外熱交換器(23)の熱交換効率が低下してしまう。このような冷媒の熱ロスは、主熱交換領域と補助熱交換領域が互いに隣接する箇所が多いほど増大する。そのため、主熱交換領域と補助熱交換領域が互いに隣接する箇所が少ないほど、熱交換効率の低下を抑制することができる。この点、本変形例の室外熱交換器(23)によれば、主熱交換領域(34a〜34c)と補助熱交換領域(35a〜35c)との隣接箇所が最少の1箇所になるため、冷媒の熱ロスを最大限に抑制でき熱交換効率の低下を大幅に抑制することができる。
【0090】
また、本変形例の補助熱交換部(35)では、各補助熱交換領域(35a〜35c)の扁平管(33)の本数を同一(三本ずつ)にしているため、各補助熱交換領域(35a〜35c)の冷媒の圧力損失が同等となる。
【0091】
ここで、室外熱交換器(23)全体の扁平管(33)の本数に対する補助熱交換部(35)全体の扁平管(33)の本数の割合(補助熱交割合Y)は35%以下と低い。そのため、室外熱交換器(23)全体の冷媒の圧力損失(以下、単に圧力損失とも言う。)は、主熱交換部(34)の圧力損失よりも補助熱交換部(35)の圧力損失が支配的となる。この支配的度は、補助熱交割合Yが低くなるほど大きくなる。そのため、室外熱交換器(23)の冷媒の流量は、概ね補助熱交換部(35)の圧力損失に応じた流量となる。そして、補助熱交換部(35)では、上述したように各補助熱交換領域(35a〜35c)の圧力損失が互いに同等であることから、各補助熱交換領域(35a〜35c)の冷媒の流量も同等となり、これに伴い、各主熱交換領域(34a〜34c)34c)の冷媒の流量も同等となる。
【0092】
この構成により、例えば、主熱交換部(34)において、風速が大きい主熱交換領域では風速が小さい主熱交換領域よりも扁平管(33)の本数を少なくして、各主熱交換領域(34a〜34c)の熱負荷を均一にすることが容易に成し得る。上述のように主熱交換部(34)の冷媒流量は補助熱交換部(35)の圧力損失に支配されるため、扁平管(33)の本数を少なくした主熱交換領域の冷媒流量は減少するがその減少量はごく僅かとなる。したがって、各主熱交換領域(34a〜34c)の冷媒流量は概ね同等のまま維持される。このように、風速分布に応じて各主熱交換領域(34a〜34c)の熱負荷を均一にする際、各主熱交換領域(34a〜34c)の冷媒流量のバランスを殆ど崩すことなく(各主熱交換領域(34a〜34c)の冷媒流量に殆ど影響を及ぼすことなく)成し得るので、熱負荷を均一にする設計が容易となる。
【0093】
また、本変形例の室外熱交換器(23)では、液側接続管(52)の各細径管(52a〜52c)によって各補助熱交換領域(35a〜35c)の冷媒流量が調整される。本変形例では、上述したように各補助熱交換領域(35a〜35c)の圧力損失が同等であるため、三本共に管内径や管長がほぼ同仕様の細径管(52a〜52c)を用いることで、各補助熱交換領域(35a〜35c)の冷媒流量を同等にすることができる。これにより、細径管(52a〜52c)の設計が容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上説明したように、本発明は、複数の扁平管がヘッダ集合管に接続された熱交換器およびそれを備えた空気調和機について有用である。
【符号の説明】
【0095】
10 空気調和機
20 冷媒回路
23 室外熱交換器(熱交換器)
31 第1ヘッダ集合管
32 第2ヘッダ集合管
33 扁平管
34 主熱交換部
35 補助熱交換部
34a,34b,34c 主熱交換領域(熱交換領域)
35a,35b,35c 補助熱交換領域(熱交換領域)
61 主連通空間(連通空間)
62a,62b,62c 連通空間
71a,71b,71c,71d,71e 連通空間
72,73 連通管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管軸と直交する方向に配列された複数の扁平管(33)と、該各扁平管(33)の両端に接続された第1ヘッダ集合管(31)および第2ヘッダ集合管(32)とを備え、冷媒が可逆に循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されて冷媒を空気と熱交換させる熱交換器であって、
上記複数の扁平管(33)は、その配列方向に主熱交換部(34)と補助熱交換部(35)とに区分され、凝縮器として機能する場合は冷媒が上記主熱交換部(34)から上記補助熱交換部(35)の順に通過し、蒸発器として機能する場合は冷媒が上記補助熱交換部(35)から上記主熱交換部(34)の順に通過するように構成され、
凝縮器として機能する場合の冷媒の凝縮温度と熱交換前の空気の温度との温度差ΔTに対する上記補助熱交換部(35)から上記ヘッダ集合管(31,32)へ流出した冷媒の過冷却度SCの割合Xに基づいて、上記複数の扁平管(33)の全体の伝熱面積に対する上記補助熱交換部(35)の扁平管(33)の伝熱面積の割合Yが設定されている
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
請求項1において、
上記割合Yは、上記割合Xを変数とする切片がゼロの二次関数で求められる
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記主熱交換部(34)および補助熱交換部(35)では、上記扁平管(33)の配列方向に、互いに複数且つ同数の熱交換領域(34a〜34c,35a〜35c)に区分され、
上記第1ヘッダ集合管(31)には、その内部空間を上記扁平管(33)の配列方向に仕切ることによって、上記主熱交換部(34)の全ての熱交換領域(34a〜34c)に対応した単一の連通空間(61)と、上記補助熱交換部(35)の各熱交換領域(35a〜35c)に対応した該熱交換領域(35a〜35c)と同数の連通空間(62a〜62c)とが形成され、
上記第2ヘッダ集合管(32)には、その内部空間を上記扁平管(33)の配列方向に仕切ることによって、互いに隣り合う上記主熱交換部(34)の熱交換領域(34a)と上記補助熱交換部(35)の熱交換領域(35c)を除く上記両熱交換部(34,35)の各熱交換領域(34b,34c,35a,35b)に対応した該熱交換領域(34b,34c,35a,35b)と同数の連通空間(71a,71b,71d,71e)が形成されると共に、上記互いに隣り合う上記主熱交換部(34)の熱交換領域(34a)と上記補助熱交換部(35)の熱交換領域(35c)に共通に対応した単一の連通空間(71c)が形成され、
上記第2ヘッダ集合管(32)には、上記互いに隣り合う上記主熱交換部(34)の熱交換領域(34a)と上記補助熱交換部(35)の熱交換領域(35c)に共通に対応した単一の連通空間(71c)を除く上記主熱交換部(34)の各連通空間(71d,71e)と上記補助熱交換部(35)の各連通空間(71a,71b)とが各一で対となり、該対となる連通空間同士を接続する連通管(72,73)が設けられている
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項4】
請求項3において、
上記補助熱交換部(35)では、上記各熱交換領域(35a〜35c)の扁平管(33)の総流路断面積が互いに同一である
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一つに記載の熱交換器(23)が設けられた冷媒回路(20)を備え、
上記冷媒回路(20)において冷媒を可逆に循環させて冷凍サイクルを行う
ことを特徴とする空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−83420(P2013−83420A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−280392(P2011−280392)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】