熱交換器及び冷凍サイクル装置
【課題】扁平管を用いた熱交換器のパス形態を最適化し、十分に冷媒パスのバランスの良い熱交換器を提供する。
【解決手段】前面上部側に配置された補助熱交換器11bと主熱交換器11d、11e及び前面下部側に配置された補助熱交換器11cには、一端部がU字状に折り曲げられた扁平管1aが使用され、さらに、その扁平管1aの互いに隣接する片側の他端部にU字形状の段間Uベンド8が設けられ、前面下部側及び背面側に配置された主熱交換器11h、11i・11f、11gには、扁平管1aが使用され、その扁平管1aの一端部に内部中央に仕切板を有するヘッダ7が設けられ、他端部に中空構造のヘッダ14が設けられ、さらに、ヘッダ7に仕切板13を境に冷媒入出用の2本の管接続口16、17が設けられている。
【解決手段】前面上部側に配置された補助熱交換器11bと主熱交換器11d、11e及び前面下部側に配置された補助熱交換器11cには、一端部がU字状に折り曲げられた扁平管1aが使用され、さらに、その扁平管1aの互いに隣接する片側の他端部にU字形状の段間Uベンド8が設けられ、前面下部側及び背面側に配置された主熱交換器11h、11i・11f、11gには、扁平管1aが使用され、その扁平管1aの一端部に内部中央に仕切板を有するヘッダ7が設けられ、他端部に中空構造のヘッダ14が設けられ、さらに、ヘッダ7に仕切板13を境に冷媒入出用の2本の管接続口16、17が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフィンチューブ型の熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の熱交換器として、扁平管の両端部に設けられたヘッダ内にセパレータを取り付け、冷媒が複数の扁平管にパラレルに流れるようにし、セパレータにより冷媒流速を変化させ、熱交換器の性能の向上を図ったものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−239598号公報(第6−7頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の熱交換器では、空気調和機用として、冷媒の乾きを局所的に制御することが困難であり、ルームエアコンのように熱交換器の折り曲げ形態を用いる場合にはヘッダが干渉し熱交換器そのものを小さくしなければならないという課題がある。
【0005】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、扁平管を用いた熱交換器のパス形態を最適化し、十分に冷媒パスのバランスの良い熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る熱交換器は、ケーシング内の前面上部側、前面下部側及び背面側に、それぞれ流体の流れ方向に重ねられた補助熱交換器と主熱交換器を配置して構成される熱交換器であって、補助熱交換器と主熱交換器は、流体の流れ方向と直交する方向に積層された板状フィン、及び板状フィンの積層方向に挿入され、その板状フィンの長手方向に複数設けられた伝熱管を有し、前面上部側に配置された補助熱交換器と主熱交換器、及び前面下部側に配置された補助熱交換器には、伝熱管として一端部がU字状に折り曲げられた扁平管が使用され、さらに、その扁平管の互いに隣接する片側の他端部にU字形状の連結管が設けられ、前面下部側及び背面側に配置された主熱交換器には、伝熱管として扁平管が使用され、その扁平管の一端部に内部中央に仕切板を有する第1ヘッダが設けられ、他端部に中空構造の第2ヘッダが設けられ、さらに、第1ヘッダに仕切板を境に冷媒入出用の2本の管接続口が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前面上部側に配置された補助熱交換器と主熱交換器、及び前面下部側に配置された補助熱交換器には、伝熱管として一端部がU字状に折り曲げられた扁平管が使用され、さらに、その扁平管の互いに隣接する片側の他端部の接続にU字形状の連結管が設けられている。また、前面下部側及び背面側に配置された主熱交換器には、伝熱管として扁平管が使用され、その扁平管の一端部に内部中央に仕切板を有する第1ヘッダが設けられ、他端部に中空構造の第2ヘッダが設けられ、さらに、第1ヘッダに仕切板を境に冷媒入出用の2本の管接続口が設けられている。これにより、熱交換器の流体の流れ方向での干渉がなくなり、熱交換器を小さくすることなく小スペース化を図れる。また、ヘッダ間の干渉を排除できるため、伝熱面積を増加させ、冷媒の乾きを抑えることができ、熱交換性能を向上させることができる。また、前面下部側及び背面側に配置された主熱交換器には、第1及び第2ヘッダを備えているので、液冷媒の流量のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る熱交換器の構成を示す側面図。
【図2】実施の形態1に用いられる扁平管の断面図。
【図3】図1の側面図において裏面から見た熱交換器の一部を拡大して示す扁平管のヘアピンの平面図。
【図4】図3に示すヘアピンの側面図。
【図5】図1に示す扁平管と円形の冷媒配管を結合するジョイント管の外観図及び断面図。
【図6】図1に示すバルジ3方管の構成を示す側面図。
【図7】前面下部側の主熱交換器及び背面側の2列目に設置された主熱交換器を示す一方のヘッダの正面図及び断面図。
【図8】図7に示す主熱交換器の他方のヘッダの正面図及び断面図。
【図9】前面下部側の主熱交換器及び背面側の2列目に設置された主熱交換器の全体を示す平面図。
【図10】背面側の3列目に設置された主熱交換器の全体を示す平面図。
【図11】実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る熱交換器の構成を示す側面図である。
図1において、本実施の形態の熱交換器は、例えば室内の壁に取り付けられる室内機ユニット100に搭載されている。室内機ユニット100は、ケーシング101の上部に室内空気を取り込むためのエアコングリル102が設けられ、ケーシング101の前面下部に吹き出し口104を開閉するためのルーバー105が設けられている。そして、ケーシング101内には、前面上部側、前面下部側及び背面側に、それぞれ流体である空気流の方向に重ねられた補助熱交換器と主熱交換器を配置して構成される熱交換器、貫流送風機103等が設けられている。貫流送風機103は、エアコングリル102から室内の空気を吸引し、前述の各熱交換器を通過する冷却風あるいは温風を吹き出し口104から室内に送り込む。
【0010】
前面上部側には、空気流の上流側から補助熱交換器11bと主熱交換器11d、11eが順次に設置されている。前面上部側には、空気流の上流側から補助熱交換器11cと主熱交換器11h、11iが順次に設置されている。さらに、背面側には、前記と同様に空気流の上流側から補助熱交換器11aと主熱交換器11f、11gが順次に設置されている。
【0011】
背面側の補助熱交換器11aは、空気流の方向と直交する方向に間隙を有して積層された板状フィン2と、板状フィン2に積層方向に挿入された例えば2本のU字形状の円管1bと、各円管1bの互いに隣接する片側の各端部を連結するU字形状の連結円管1c(実線)とにより構成されている。
【0012】
前面上部側の補助熱交換器11bと前面下部側の補助熱交換器11cは、前記と同様に空気流の方向と直交する方向に間隙を有して積層された板状フィン2と、板状フィン2に積層方向に挿入され板状フィン2の長手方向に配列され、ヘアピン5(破線)によりU字形状に折り曲げられた例えば4本の扁平管1aと、各扁平管1aの隣接する片側の各端部をそれぞれ連結するU字形状の連結管である段間Uベンド8(実線)とを備えている。
【0013】
前面上部側の主熱交換器11d,11eは、空気流の方向と直交する方向に積層された板状フィン2と、板状フィン2に積層方向に挿入され板状フィン2の長手方向に配列され、ヘアピン5(破線)によりU字形状に折り曲げられた例えば4本の扁平管1aを備えている。3列目の主熱交換器11eは、2列目の主熱交換器11dに対し板状フィン2の長手方向にずれて、双方の扁平管1aが千鳥状に配置されている。
【0014】
また、補助熱交換器11bと主熱交換器11d、11eの各扁平管1aのうち右斜め上側の2つの扁平管1aを1本目としたときに、主熱交換器11d、11eの1本目と4本目の扁平管1aの外側の各端部が列間Uベンド4により連結されていると共に、双方の2本目と3本目の各扁平管1aの片側端部が列間Uベンド4により連結されている。さらに、補助熱交換器11bの3本目の扁平管1aの片側端部と2列目の主熱交換器11dの1本目と2本目の各扁平管1aの片側端部とがバルジ3方管3により連結されていると共に、補助熱交換器11bの4本目の扁平管1aの片側端部と2列目の主熱交換器11dの3本目と4本目の各扁平管1aの片側端部とがバルジ3方管3により連結されている。
【0015】
また、3列目の主熱交換器11eの1本目と2本目の各扁平管1aの片側端部がバルジ3方管3により連結されていると共に、3本目と4本目の各扁平管1aの片側端部がバルジ3方管3により連結されている。これら2つのバルジ3方管3は、冷媒配管25、26を介して3方管6に接続されている。さらに、その3方管6は再熱弁10に冷媒配管を介して接続され、再熱弁10は分配器9と接続されている。
【0016】
前面下部側の主熱交換器11h、11iと背面側の主熱交換器11f、11gは、空気流の方向と直交する方向に間隙を有して積層された板状のフィン2と、板状フィン2に積層方向に挿入され板状フィン2の長手方向に配列された例えば8本の扁平管1aと、各扁平管1aの両端部に接続されたヘッダ7、14(第1及び第2ヘッダ)を備えている。片側のヘッダ7には、後述する仕切板13が設けられている。
【0017】
前面下部側の3列目の主熱交換器11iは、2列目の主熱交換器11hの扁平管1aと千鳥状に配列されるように配置されている。また、背面側の3列目の主熱交換器11gは、2列目の主熱交換器11fの扁平管1aと千鳥状に配列されるように配置されている。前面下部側の2列目の主熱交換器11hと背面側の2列目の主熱交換器11fの各ヘッダ7は、前述の分配器9に冷媒配管28、29を介して接続されている。
【0018】
主熱交換器11f、11g・11d、11e・11h、11iの板状フィン2の積層方向のピッチFpはFp=0.0012m、フィン厚みFtはFt=0.0001mで、空気流の方向のフィン幅LはL=0.0127mである。また、長手方向に配列された扁平管1aの中心間の距離DpはDp=0.01425m である。主熱交換器11f、11g・11d、11e・11h、11iは、空気流の方向にそれぞれ2列に配置され、列毎にフィンが分割されている。
【0019】
背面側の補助熱交換器11aは、板状フィン2の積層方向のピッチFpはFp=0.0013m、フィン厚みFtはFt=0.0001mで、空気流の方向のフィン幅LはL=0.0127mである。また、板状フィン2の長手方向に配列された円管1bの中心間の距離DpはDp=0.0204mである。円管1bは、フィン前縁部までフィンカラーと円管1bが機械拡管により、圧接されて合わされている。
【0020】
また、前面上部側の補助熱交換器11bと前面下部側の補助熱交換器11cは、板状フィン2の積層方向のピッチFpはFp=0.0012m、フィン厚みFtはFt=0.0001mで、空気流の方向のフィン幅LはL=0.0127mである。また、板状フィン2の長手方向に配列された扁平間1aの中心間の距離DpはDp=0.01425m である。
【0021】
前述した扁平管1a及び円管1bは、アルミニウム合金製を押し出し加工により成形され、板状フィン2は、アルミニウム合金製の板材にて成形されている。このように、熱交換器全てを同じ材質とすることで、腐食の耐力が向上する。また、主熱交換器11f、11g・11d、11e・11h、11iにおいて扁平管1aを千鳥状に配列することで、扁平管1aの前縁側(風上側)の熱伝達率が向上し、熱交換器の性能は向上する。
【0022】
また、主熱交換器11f、11g・11d、11e・11h、11iをそれぞれ2列にして板状フィン2を分割することで、熱交換器の配置がケーシング101内において様々に対応でき、空気流の下流側に位置する3列目の主熱交換器11g、11e、11iの板状フィン2における前縁効果(空気境界層の分断効果)による熱伝達率の向上も期待できる。
【0023】
次に、扁平管1a、ヘアピン5、ジョイント管12、バルジ3方管3の構成について説明する。
【0024】
図2は実施の形態1に用いられる扁平管の断面図である。
扁平管1aは、例えば、長軸方向の長さa1が11mm、短軸方向の長さa2が4mmであり、扁平管1aの内面には、軸心方向に延びる溝a3が設けられている。これは、伝熱促進を図るためである。
【0025】
図3は図1の側面図において裏面から見た熱交換器の一部を拡大して示す扁平管のヘアピンの平面図、図4は図3に示すヘアピンの側面図である。
ヘアピン5は、前面上部側及び前面下部側に配置された補助熱交換器11b、11cと前面上部側に配置された主熱交換器11d、11eの各扁平管1aをU字状に折り曲げたものである。これにより、冷媒配管を用いずに冷媒流路を構成できるため、各熱交換器のフィン積層方向の幅を小スペース化できる。
【0026】
図5は図1に示す扁平管と円形の冷媒配管を結合するジョイント管の外観図及び断面図である。
ジョイント管12は、扁平管1a(図2参照)と結合する扁平管部2aと、例えば径φ6の冷媒配管と結合する円管部12bとで構成されている。ジョイント管12から扁平管1aに冷媒が流れる際、冷媒は扁平管1a内に形成された4つの穴に分流される。
【0027】
隣接する扁平管1aの各端部を段間Uベンド8により連結する際には、その扁平管1aの各端部にそれぞれジョイント管12を結合し、両方のジョイント管12を段間Uベンド8で結合する。また、主熱交換器11d、11eの扁平管1aの各端部を列間Uベンド4により連結する際には、その扁平管1aの各端部にそれぞれジョイント管12を結合し、両方のジョイント管12を列間Uベンド4で結合する。
【0028】
図6は図1に示すバルジ3方管の構成を示す側面図である。
バルジ3方管3は、U字状に折り曲げられた扁平形状のU字管3aと、U字管3aの片側の管から直角に延びる扁平形状の水平管3bとで構成されている。そのバルジ3方管3を用いて3つの扁平管1aを連結する際には、バルジ3方管3のU字管3aと板状フィン2の長手方向に配列された2つの扁平管1aの各端部を結合し、バルジ3方管3の水平管3bと前述のジョイント管12を結合し、さらに、そのジョイント管12に冷媒配管24の一端部を結合すると共に、その冷媒配管24の他端部に結合したもう一つのジョイント管12を介して3つ目の扁平管1aと接続する。
【0029】
次に、前面下部側の主熱交換器11h、11iと背面側の主熱交換器11f、11gの構成について説明する。
図7は前面下部側の主熱交換器及び背面側の2列目に設置された主熱交換器を示す一方のヘッダの正面図及び断面図、図8は図7に示す主熱交換器の他方のヘッダの正面図及び断面図、図9は前面下部側の主熱交換器及び背面側の2列目に設置された主熱交換器の全体を示す平面図、図10は背面側の3列目に設置された主熱交換器の全体を示す平面図である。
【0030】
前面下部側の主熱交換器11h、11i及び背面側の主熱交換器11fの各ヘッダ7は、図7に示すように、扁平管1aの配列方向に延びる長方形状の箱体より構成され、その内部には冷媒の流入と流出を分離する仕切板13が設けられている。その仕切板13により、ヘッダ7に接続された例えば8本の扁平管1aが4本ずつ分けられている。また、ヘッダ7の一側面には、仕切板13を境に冷媒入口とする管接続口16と冷媒出口とする管接続口17が設けられている。
【0031】
もう一方のヘッダ14は、前述のヘッダ7と同様に長方形状の箱体より構成され、ヘッダ7に接続された8本の扁平管1aが接続されている。そのヘッダ14の内部は中空構造となっている。背面側の主熱交換器11gは、図10に示すように、冷媒出口とする管接続口17の位置がヘッダ7の仕切板13の近くに取り付けられているだけで、その他は前述した主熱交換器11h等と同様である。
【0032】
前面下部側の主熱交換器11hの管接続口16は、前述したように冷媒配管28を介して分配器9と接続され、管接続口17は、円管の列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11iの管接続口16と接続されている。また、背面側の主熱交換器11fの管接続口16は、冷媒配管29を介して分配器9と接続され、管接続口17は、円管の列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11gの管接続口16と接続されている。
【0033】
前記のように構成された熱交換器において、蒸発器として用いたときの冷媒の流れについて図1を用いて説明する。
本実施の形態の熱交換器を蒸発器として用いた場合、冷媒は、背面側の補助熱交換器11aの円管1bを通って冷媒配管21に流入し、3方管6により2方へ分流される。3方管6からの一方の冷媒は、前面上部側の補助熱交換器11bに重力方向から流入し、6本目の扁平管1aから冷媒配管24を介して2列目の主熱交換器11d上の一方のバルジ3方管3へ流れる。
【0034】
3方管6からのもう一方の冷媒は、前面下部側の補助熱交換器11cに重力方向の下方から流入し、扁平管1aを通って前面上部側の補助熱交換器11bに重力方向の下方から流入し、7段目の扁平管1aから流出して2列目の主熱交換器11d上の他方のバルジ3方管3へ流れる。
【0035】
主熱交換器11d上の一方のバルジ3方管3へ流れた冷媒は、1本目の扁平管1aから列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11eに重力方向から流入すると共に、4本目の扁平管1aから列間Uベンド4を介して同じ主熱交換器11eの4本目の扁平管1aに流入する。また、主熱交換器11d上の他方のバルジ3方管3へ流れた冷媒は、5本目の扁平管1aから列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11eの5本目の扁平管1aに流入すると共に、8本目の扁平管1aから列間Uベンド4を介して同じ主熱交換器11eの8本目の扁平管1aに流入する。
【0036】
3列目の主熱交換器11eの1本目と4本目の扁平管1aに流入したそれぞれの冷媒は、バルジ3方管3により合流し、冷媒配管25を介して3方管6へ流れる。また、同じ主熱交換器11eの5本目と8本目の扁平管1aに流入したそれぞれの冷媒は、バルジ3方管3により合流し、冷媒配管26を介して前記の3方管6へ流れ、先の冷媒と合流する。その3方管6からの冷媒は、冷媒配管27を介して再熱弁10に流れ、冷媒の流れ方向が重力方向に対し垂直に設置された分配器9に流入して2方へ分配される。
【0037】
分配器9から流出した一方の冷媒は、冷媒配管28を通って前面下部側の主熱交換器11hのヘッダ7に流入すると共に、もう一方の冷媒は、冷媒配管29を通って背面側の主熱交換器11fのヘッダ7に流入する。前面下部側の主熱交換器11hのヘッダ7に流入した冷媒は、図7に示す矢印15のように、ヘッダ7内の仕切板13により4本の扁平管1aに流入し、対向配置された中空構造のヘッダ14にて重力方向の反対方向に流れ、残りの4本の扁平管1aを通過してヘッダ7に戻る(図8参照)。そして、その冷媒は、図9に示す矢印15のように、列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11iに流入し、ヘッダ7内の仕切板13により4本の扁平管1aに流入し、対向配置された中空構造のヘッダ14にて重力方向に流れ、残りの4本の扁平管1aを通過してヘッダ7に戻り冷媒出口の管接続口17に至る。
【0038】
背面側の主熱交換器11fのヘッダ7に流入した冷媒は、図9に示す矢印15のように、ヘッダ7内の仕切板13により4本の扁平管1aに流入し、対向配置された中空構造のヘッダ14にて重力方向の反対方向に流れ、残りの4本の扁平管1aを通過してヘッダ7に戻る。そして、その冷媒は、図10に示す矢印15のように、列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11gに流入し、ヘッダ7内の仕切板13により4本の扁平管1aに流入し、対向配置された中空構造のヘッダ14にて重力方向に流れ、残りの4本の扁平管1aを通過してヘッダ7に戻り冷媒出口の管接続口17に至る。
【0039】
なお、本実施の形態の熱交換器を凝縮器として用いた場合は、冷媒は反対方向へと流れ、管接続口16が設置される背面側および前面下部側の3列目の主熱交換器11g、11iでは、過熱状態および飽和状態となり、背面側および前面下部側の2列目の主熱交換器11f、11h、前面上部側の主熱交換器11d、11eは飽和状態となり3つの背面補助熱交換器11a、11b、11cでは過冷却状態となる。
【0040】
以上のように本実施の形態においては、以下の効果が得られている。
(1)両側にヘッダ7、14を有する主熱交換器11d、11e・11h,11i・11f、11gにおいては、ヘッダ7に設けられた仕切板13により、ヘッダ間の扁平管1aに流入する冷媒を半分で行うことができ、液冷媒の流量のばらつきを抑えることができる。また、扁平管1aの分岐本数(4本)を全体の本数(8本)の半分とすることにより、製造上での管理を容易にすることができる。
【0041】
(2)背面側の3列目の主熱交換器11gにおいては、重力方向と反対方向と比べて風速が小さく、熱負荷が小さい。冷媒出口の位置を極力重力方向に対し上方に設置することにより、重力方向の上方での冷媒循環量を大きく、下方での冷媒循環量を小さくでき、冷媒の乾きのバランスを取ることができる。
【0042】
(3)前面上部側の主熱交換器11d、11eでは、バルジ3方管3と列間Uベンド4、段間Uベンド8とジョイント管12を用いて配管しており、前面下部側と背面側の主熱交換器11h、11i・11f、11gにヘッダ7、14を用いた構成としているので空気流の方向での干渉がなくなり、小スペース化を図れる。
【0043】
(4)蒸発器として用いる場合、冷媒の乾き度の大きい再熱弁10より下流側においては、管内圧損が大きく、多パス化が必要となるため、ヘッダ7、14を用いて冷媒を扁平管1aにパラレルに流すことにより配管スペースを小さくすることができる。また、ヘッダ7内に仕切板13を用いてヘッダ室を小さくしているため、ヘッダ7内の液冷媒の挙動を小さくでき、前面下部側と背面側の3列目の熱交換器11i、11g内の冷媒分配を向上させることができる。
【0044】
(5)前面上部側の主熱交換器11d、11eにおいて、パス数が小さく乾き度の低い上流側熱交では、ジョイント管12と3方管6を用いて冷媒を分配するため、前面下部側と背面側の主熱交換器11h,11i・11f、11gの折り曲げ熱交形態によるヘッダ7、14の干渉を抑えることができる。
【0045】
(6)前面上部側と前面下部側の補助熱交換器11b、11cには扁平管1aを用いており、背面側の補助熱交換器11aには円管1bを用いているが、暖房時に出口として用いられる背面側の補助熱交換器11aの管内断面積を大きくすることにより、冷媒量変化に伴う過冷却度の変動を抑えることができる。また、背面側の風速は前面側に比べて小さいため、背面側に熱交換能力の小さい円管を用いることで温度効率の均一化を図れる。
【0046】
(7)前面下部側と背面側の主熱交換器11h、11i・11f、11gにおいて、2列目と3列目のヘッダ間をUベンド4で連結しているが、液冷媒の変動と風速分布に起因する熱付加に合わせてUベンド4の位置を変更することができるため、冷媒の分配特性を適正にすることができる。
【0047】
実施の形態2.
図11は実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。
図に示す冷媒回路は、圧縮機33、凝縮熱交換器34、絞り装置35、蒸発熱交換器36、送風機37、送風機用モーター38等により構成されている。前述した実施に形態1による熱交換器を凝縮熱交換器34又は蒸発熱交換器36、もしくは両方に用いることにより、エネルギ効率の高い冷凍サイクル装置を実現することができる。
【0048】
ここで、エネルギ効率は、次式で構成される。
暖房エネルギ効率=室内熱交換器(凝縮器)能力/全入力
冷房エネルギ効率=室内熱交換器(蒸発器)能力/全入力
【0049】
なお、実施の形態1で述べた熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置については、HCFC(R22)やHFC(R116、R125、R134a、R14、R143a、R152a、R227ea、R23、R236ea、R236fa、R245ca、R245fa、R32、R41、RC318などや、これら冷媒の数種の混合冷媒R407A、R407B、R407C、R407D、R407E、R410A、R410B、R404A、R507A、R508A、R508Bなど)、HC(ブタン、イソブタン、エタン、プロパン、プロピレンなどや、これら冷媒の数種混合冷媒)、自然冷媒(空気、炭酸ガス、アンモニアなどや、これら冷媒の数種の混合冷媒)、HF01234yf等の低GWP冷媒、また、これら冷媒の数種の混合冷媒など、どんな種類の冷媒を用いても、その効果を達成することができる。
【0050】
また、作動流体として、空気と冷媒の例を示したが、他の気体、液体、気液混合流体を用いても、同様の効果を奏する。
【0051】
また、伝熱管(扁平管1a、円管1b)と板状フィン2は、異なった材料を用いていることが多いが、伝熱管1a、1bと板状フィン2に銅、伝熱管1a、1bと板状フィン2にアルミなど、同じ材料を用いることで、板状フィン2と伝熱管1a、1bのロウ付けが可能となり、フィン部と伝熱管1a、1bの接触熱伝達率が飛躍的に向上し、熱交換能力が大幅に向上する。また、リサイクル性も向上させることができる。
【0052】
また、伝熱管1a、1bと板状フィン2を密着させる方法として、例えば、炉中ロウ付けを行う場合、板状フィン2に親水材を塗布するのに後処理で行うことで、前処理の場合のロウ付け中の親水材の焼け落ちを防ぐことができる。
【0053】
また、前述の実施の形態1で述べた熱交換器を室外機で用いた場合においても同様な効果を奏することができる。
【0054】
なお、実施の形態1で述べた熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置については、鉱油系、アルキルベンゼン油系、エステル油系、エーテル油系、フッ素油系など、冷媒と油が溶ける溶けないにかかわらず、どんな冷凍機油についても、その効果を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の活用例として、熱交換性能を向上し、省エネルギ性能を向上することが必要なヒートポンプ装置に使用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1a 扁平管、1b 円管、1c 連結円管、2 板状フィン、3 バルジ3方管、4 列間Uベンド、5 ヘアピン、6 3方管、7 仕切板を有するヘッダ、8 段間Uベンド、9 分配器、10 再熱弁、11a、11b、11c 補助熱交換器、11d、11e・11f、11g・11h、11i 主熱交換器、12 ジョイント管、13 仕切板、14 中空構造のヘッダ、15 冷媒流れ、16 冷媒入口とする管接続口、17 冷媒出口とする管接続口、21−29 冷媒配管、33 圧縮機、34 凝縮熱交換器、35 絞り装置、36 蒸発熱交換器、37 送風機、38 送風機用モーター、100 室内機ユニット、101 ケーシング、102 エアコングリル、103 貫流送風機、104 吹き出し口、105 ルーバー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフィンチューブ型の熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の熱交換器として、扁平管の両端部に設けられたヘッダ内にセパレータを取り付け、冷媒が複数の扁平管にパラレルに流れるようにし、セパレータにより冷媒流速を変化させ、熱交換器の性能の向上を図ったものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−239598号公報(第6−7頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の熱交換器では、空気調和機用として、冷媒の乾きを局所的に制御することが困難であり、ルームエアコンのように熱交換器の折り曲げ形態を用いる場合にはヘッダが干渉し熱交換器そのものを小さくしなければならないという課題がある。
【0005】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、扁平管を用いた熱交換器のパス形態を最適化し、十分に冷媒パスのバランスの良い熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る熱交換器は、ケーシング内の前面上部側、前面下部側及び背面側に、それぞれ流体の流れ方向に重ねられた補助熱交換器と主熱交換器を配置して構成される熱交換器であって、補助熱交換器と主熱交換器は、流体の流れ方向と直交する方向に積層された板状フィン、及び板状フィンの積層方向に挿入され、その板状フィンの長手方向に複数設けられた伝熱管を有し、前面上部側に配置された補助熱交換器と主熱交換器、及び前面下部側に配置された補助熱交換器には、伝熱管として一端部がU字状に折り曲げられた扁平管が使用され、さらに、その扁平管の互いに隣接する片側の他端部にU字形状の連結管が設けられ、前面下部側及び背面側に配置された主熱交換器には、伝熱管として扁平管が使用され、その扁平管の一端部に内部中央に仕切板を有する第1ヘッダが設けられ、他端部に中空構造の第2ヘッダが設けられ、さらに、第1ヘッダに仕切板を境に冷媒入出用の2本の管接続口が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前面上部側に配置された補助熱交換器と主熱交換器、及び前面下部側に配置された補助熱交換器には、伝熱管として一端部がU字状に折り曲げられた扁平管が使用され、さらに、その扁平管の互いに隣接する片側の他端部の接続にU字形状の連結管が設けられている。また、前面下部側及び背面側に配置された主熱交換器には、伝熱管として扁平管が使用され、その扁平管の一端部に内部中央に仕切板を有する第1ヘッダが設けられ、他端部に中空構造の第2ヘッダが設けられ、さらに、第1ヘッダに仕切板を境に冷媒入出用の2本の管接続口が設けられている。これにより、熱交換器の流体の流れ方向での干渉がなくなり、熱交換器を小さくすることなく小スペース化を図れる。また、ヘッダ間の干渉を排除できるため、伝熱面積を増加させ、冷媒の乾きを抑えることができ、熱交換性能を向上させることができる。また、前面下部側及び背面側に配置された主熱交換器には、第1及び第2ヘッダを備えているので、液冷媒の流量のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る熱交換器の構成を示す側面図。
【図2】実施の形態1に用いられる扁平管の断面図。
【図3】図1の側面図において裏面から見た熱交換器の一部を拡大して示す扁平管のヘアピンの平面図。
【図4】図3に示すヘアピンの側面図。
【図5】図1に示す扁平管と円形の冷媒配管を結合するジョイント管の外観図及び断面図。
【図6】図1に示すバルジ3方管の構成を示す側面図。
【図7】前面下部側の主熱交換器及び背面側の2列目に設置された主熱交換器を示す一方のヘッダの正面図及び断面図。
【図8】図7に示す主熱交換器の他方のヘッダの正面図及び断面図。
【図9】前面下部側の主熱交換器及び背面側の2列目に設置された主熱交換器の全体を示す平面図。
【図10】背面側の3列目に設置された主熱交換器の全体を示す平面図。
【図11】実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る熱交換器の構成を示す側面図である。
図1において、本実施の形態の熱交換器は、例えば室内の壁に取り付けられる室内機ユニット100に搭載されている。室内機ユニット100は、ケーシング101の上部に室内空気を取り込むためのエアコングリル102が設けられ、ケーシング101の前面下部に吹き出し口104を開閉するためのルーバー105が設けられている。そして、ケーシング101内には、前面上部側、前面下部側及び背面側に、それぞれ流体である空気流の方向に重ねられた補助熱交換器と主熱交換器を配置して構成される熱交換器、貫流送風機103等が設けられている。貫流送風機103は、エアコングリル102から室内の空気を吸引し、前述の各熱交換器を通過する冷却風あるいは温風を吹き出し口104から室内に送り込む。
【0010】
前面上部側には、空気流の上流側から補助熱交換器11bと主熱交換器11d、11eが順次に設置されている。前面上部側には、空気流の上流側から補助熱交換器11cと主熱交換器11h、11iが順次に設置されている。さらに、背面側には、前記と同様に空気流の上流側から補助熱交換器11aと主熱交換器11f、11gが順次に設置されている。
【0011】
背面側の補助熱交換器11aは、空気流の方向と直交する方向に間隙を有して積層された板状フィン2と、板状フィン2に積層方向に挿入された例えば2本のU字形状の円管1bと、各円管1bの互いに隣接する片側の各端部を連結するU字形状の連結円管1c(実線)とにより構成されている。
【0012】
前面上部側の補助熱交換器11bと前面下部側の補助熱交換器11cは、前記と同様に空気流の方向と直交する方向に間隙を有して積層された板状フィン2と、板状フィン2に積層方向に挿入され板状フィン2の長手方向に配列され、ヘアピン5(破線)によりU字形状に折り曲げられた例えば4本の扁平管1aと、各扁平管1aの隣接する片側の各端部をそれぞれ連結するU字形状の連結管である段間Uベンド8(実線)とを備えている。
【0013】
前面上部側の主熱交換器11d,11eは、空気流の方向と直交する方向に積層された板状フィン2と、板状フィン2に積層方向に挿入され板状フィン2の長手方向に配列され、ヘアピン5(破線)によりU字形状に折り曲げられた例えば4本の扁平管1aを備えている。3列目の主熱交換器11eは、2列目の主熱交換器11dに対し板状フィン2の長手方向にずれて、双方の扁平管1aが千鳥状に配置されている。
【0014】
また、補助熱交換器11bと主熱交換器11d、11eの各扁平管1aのうち右斜め上側の2つの扁平管1aを1本目としたときに、主熱交換器11d、11eの1本目と4本目の扁平管1aの外側の各端部が列間Uベンド4により連結されていると共に、双方の2本目と3本目の各扁平管1aの片側端部が列間Uベンド4により連結されている。さらに、補助熱交換器11bの3本目の扁平管1aの片側端部と2列目の主熱交換器11dの1本目と2本目の各扁平管1aの片側端部とがバルジ3方管3により連結されていると共に、補助熱交換器11bの4本目の扁平管1aの片側端部と2列目の主熱交換器11dの3本目と4本目の各扁平管1aの片側端部とがバルジ3方管3により連結されている。
【0015】
また、3列目の主熱交換器11eの1本目と2本目の各扁平管1aの片側端部がバルジ3方管3により連結されていると共に、3本目と4本目の各扁平管1aの片側端部がバルジ3方管3により連結されている。これら2つのバルジ3方管3は、冷媒配管25、26を介して3方管6に接続されている。さらに、その3方管6は再熱弁10に冷媒配管を介して接続され、再熱弁10は分配器9と接続されている。
【0016】
前面下部側の主熱交換器11h、11iと背面側の主熱交換器11f、11gは、空気流の方向と直交する方向に間隙を有して積層された板状のフィン2と、板状フィン2に積層方向に挿入され板状フィン2の長手方向に配列された例えば8本の扁平管1aと、各扁平管1aの両端部に接続されたヘッダ7、14(第1及び第2ヘッダ)を備えている。片側のヘッダ7には、後述する仕切板13が設けられている。
【0017】
前面下部側の3列目の主熱交換器11iは、2列目の主熱交換器11hの扁平管1aと千鳥状に配列されるように配置されている。また、背面側の3列目の主熱交換器11gは、2列目の主熱交換器11fの扁平管1aと千鳥状に配列されるように配置されている。前面下部側の2列目の主熱交換器11hと背面側の2列目の主熱交換器11fの各ヘッダ7は、前述の分配器9に冷媒配管28、29を介して接続されている。
【0018】
主熱交換器11f、11g・11d、11e・11h、11iの板状フィン2の積層方向のピッチFpはFp=0.0012m、フィン厚みFtはFt=0.0001mで、空気流の方向のフィン幅LはL=0.0127mである。また、長手方向に配列された扁平管1aの中心間の距離DpはDp=0.01425m である。主熱交換器11f、11g・11d、11e・11h、11iは、空気流の方向にそれぞれ2列に配置され、列毎にフィンが分割されている。
【0019】
背面側の補助熱交換器11aは、板状フィン2の積層方向のピッチFpはFp=0.0013m、フィン厚みFtはFt=0.0001mで、空気流の方向のフィン幅LはL=0.0127mである。また、板状フィン2の長手方向に配列された円管1bの中心間の距離DpはDp=0.0204mである。円管1bは、フィン前縁部までフィンカラーと円管1bが機械拡管により、圧接されて合わされている。
【0020】
また、前面上部側の補助熱交換器11bと前面下部側の補助熱交換器11cは、板状フィン2の積層方向のピッチFpはFp=0.0012m、フィン厚みFtはFt=0.0001mで、空気流の方向のフィン幅LはL=0.0127mである。また、板状フィン2の長手方向に配列された扁平間1aの中心間の距離DpはDp=0.01425m である。
【0021】
前述した扁平管1a及び円管1bは、アルミニウム合金製を押し出し加工により成形され、板状フィン2は、アルミニウム合金製の板材にて成形されている。このように、熱交換器全てを同じ材質とすることで、腐食の耐力が向上する。また、主熱交換器11f、11g・11d、11e・11h、11iにおいて扁平管1aを千鳥状に配列することで、扁平管1aの前縁側(風上側)の熱伝達率が向上し、熱交換器の性能は向上する。
【0022】
また、主熱交換器11f、11g・11d、11e・11h、11iをそれぞれ2列にして板状フィン2を分割することで、熱交換器の配置がケーシング101内において様々に対応でき、空気流の下流側に位置する3列目の主熱交換器11g、11e、11iの板状フィン2における前縁効果(空気境界層の分断効果)による熱伝達率の向上も期待できる。
【0023】
次に、扁平管1a、ヘアピン5、ジョイント管12、バルジ3方管3の構成について説明する。
【0024】
図2は実施の形態1に用いられる扁平管の断面図である。
扁平管1aは、例えば、長軸方向の長さa1が11mm、短軸方向の長さa2が4mmであり、扁平管1aの内面には、軸心方向に延びる溝a3が設けられている。これは、伝熱促進を図るためである。
【0025】
図3は図1の側面図において裏面から見た熱交換器の一部を拡大して示す扁平管のヘアピンの平面図、図4は図3に示すヘアピンの側面図である。
ヘアピン5は、前面上部側及び前面下部側に配置された補助熱交換器11b、11cと前面上部側に配置された主熱交換器11d、11eの各扁平管1aをU字状に折り曲げたものである。これにより、冷媒配管を用いずに冷媒流路を構成できるため、各熱交換器のフィン積層方向の幅を小スペース化できる。
【0026】
図5は図1に示す扁平管と円形の冷媒配管を結合するジョイント管の外観図及び断面図である。
ジョイント管12は、扁平管1a(図2参照)と結合する扁平管部2aと、例えば径φ6の冷媒配管と結合する円管部12bとで構成されている。ジョイント管12から扁平管1aに冷媒が流れる際、冷媒は扁平管1a内に形成された4つの穴に分流される。
【0027】
隣接する扁平管1aの各端部を段間Uベンド8により連結する際には、その扁平管1aの各端部にそれぞれジョイント管12を結合し、両方のジョイント管12を段間Uベンド8で結合する。また、主熱交換器11d、11eの扁平管1aの各端部を列間Uベンド4により連結する際には、その扁平管1aの各端部にそれぞれジョイント管12を結合し、両方のジョイント管12を列間Uベンド4で結合する。
【0028】
図6は図1に示すバルジ3方管の構成を示す側面図である。
バルジ3方管3は、U字状に折り曲げられた扁平形状のU字管3aと、U字管3aの片側の管から直角に延びる扁平形状の水平管3bとで構成されている。そのバルジ3方管3を用いて3つの扁平管1aを連結する際には、バルジ3方管3のU字管3aと板状フィン2の長手方向に配列された2つの扁平管1aの各端部を結合し、バルジ3方管3の水平管3bと前述のジョイント管12を結合し、さらに、そのジョイント管12に冷媒配管24の一端部を結合すると共に、その冷媒配管24の他端部に結合したもう一つのジョイント管12を介して3つ目の扁平管1aと接続する。
【0029】
次に、前面下部側の主熱交換器11h、11iと背面側の主熱交換器11f、11gの構成について説明する。
図7は前面下部側の主熱交換器及び背面側の2列目に設置された主熱交換器を示す一方のヘッダの正面図及び断面図、図8は図7に示す主熱交換器の他方のヘッダの正面図及び断面図、図9は前面下部側の主熱交換器及び背面側の2列目に設置された主熱交換器の全体を示す平面図、図10は背面側の3列目に設置された主熱交換器の全体を示す平面図である。
【0030】
前面下部側の主熱交換器11h、11i及び背面側の主熱交換器11fの各ヘッダ7は、図7に示すように、扁平管1aの配列方向に延びる長方形状の箱体より構成され、その内部には冷媒の流入と流出を分離する仕切板13が設けられている。その仕切板13により、ヘッダ7に接続された例えば8本の扁平管1aが4本ずつ分けられている。また、ヘッダ7の一側面には、仕切板13を境に冷媒入口とする管接続口16と冷媒出口とする管接続口17が設けられている。
【0031】
もう一方のヘッダ14は、前述のヘッダ7と同様に長方形状の箱体より構成され、ヘッダ7に接続された8本の扁平管1aが接続されている。そのヘッダ14の内部は中空構造となっている。背面側の主熱交換器11gは、図10に示すように、冷媒出口とする管接続口17の位置がヘッダ7の仕切板13の近くに取り付けられているだけで、その他は前述した主熱交換器11h等と同様である。
【0032】
前面下部側の主熱交換器11hの管接続口16は、前述したように冷媒配管28を介して分配器9と接続され、管接続口17は、円管の列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11iの管接続口16と接続されている。また、背面側の主熱交換器11fの管接続口16は、冷媒配管29を介して分配器9と接続され、管接続口17は、円管の列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11gの管接続口16と接続されている。
【0033】
前記のように構成された熱交換器において、蒸発器として用いたときの冷媒の流れについて図1を用いて説明する。
本実施の形態の熱交換器を蒸発器として用いた場合、冷媒は、背面側の補助熱交換器11aの円管1bを通って冷媒配管21に流入し、3方管6により2方へ分流される。3方管6からの一方の冷媒は、前面上部側の補助熱交換器11bに重力方向から流入し、6本目の扁平管1aから冷媒配管24を介して2列目の主熱交換器11d上の一方のバルジ3方管3へ流れる。
【0034】
3方管6からのもう一方の冷媒は、前面下部側の補助熱交換器11cに重力方向の下方から流入し、扁平管1aを通って前面上部側の補助熱交換器11bに重力方向の下方から流入し、7段目の扁平管1aから流出して2列目の主熱交換器11d上の他方のバルジ3方管3へ流れる。
【0035】
主熱交換器11d上の一方のバルジ3方管3へ流れた冷媒は、1本目の扁平管1aから列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11eに重力方向から流入すると共に、4本目の扁平管1aから列間Uベンド4を介して同じ主熱交換器11eの4本目の扁平管1aに流入する。また、主熱交換器11d上の他方のバルジ3方管3へ流れた冷媒は、5本目の扁平管1aから列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11eの5本目の扁平管1aに流入すると共に、8本目の扁平管1aから列間Uベンド4を介して同じ主熱交換器11eの8本目の扁平管1aに流入する。
【0036】
3列目の主熱交換器11eの1本目と4本目の扁平管1aに流入したそれぞれの冷媒は、バルジ3方管3により合流し、冷媒配管25を介して3方管6へ流れる。また、同じ主熱交換器11eの5本目と8本目の扁平管1aに流入したそれぞれの冷媒は、バルジ3方管3により合流し、冷媒配管26を介して前記の3方管6へ流れ、先の冷媒と合流する。その3方管6からの冷媒は、冷媒配管27を介して再熱弁10に流れ、冷媒の流れ方向が重力方向に対し垂直に設置された分配器9に流入して2方へ分配される。
【0037】
分配器9から流出した一方の冷媒は、冷媒配管28を通って前面下部側の主熱交換器11hのヘッダ7に流入すると共に、もう一方の冷媒は、冷媒配管29を通って背面側の主熱交換器11fのヘッダ7に流入する。前面下部側の主熱交換器11hのヘッダ7に流入した冷媒は、図7に示す矢印15のように、ヘッダ7内の仕切板13により4本の扁平管1aに流入し、対向配置された中空構造のヘッダ14にて重力方向の反対方向に流れ、残りの4本の扁平管1aを通過してヘッダ7に戻る(図8参照)。そして、その冷媒は、図9に示す矢印15のように、列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11iに流入し、ヘッダ7内の仕切板13により4本の扁平管1aに流入し、対向配置された中空構造のヘッダ14にて重力方向に流れ、残りの4本の扁平管1aを通過してヘッダ7に戻り冷媒出口の管接続口17に至る。
【0038】
背面側の主熱交換器11fのヘッダ7に流入した冷媒は、図9に示す矢印15のように、ヘッダ7内の仕切板13により4本の扁平管1aに流入し、対向配置された中空構造のヘッダ14にて重力方向の反対方向に流れ、残りの4本の扁平管1aを通過してヘッダ7に戻る。そして、その冷媒は、図10に示す矢印15のように、列間Uベンド4を介して3列目の主熱交換器11gに流入し、ヘッダ7内の仕切板13により4本の扁平管1aに流入し、対向配置された中空構造のヘッダ14にて重力方向に流れ、残りの4本の扁平管1aを通過してヘッダ7に戻り冷媒出口の管接続口17に至る。
【0039】
なお、本実施の形態の熱交換器を凝縮器として用いた場合は、冷媒は反対方向へと流れ、管接続口16が設置される背面側および前面下部側の3列目の主熱交換器11g、11iでは、過熱状態および飽和状態となり、背面側および前面下部側の2列目の主熱交換器11f、11h、前面上部側の主熱交換器11d、11eは飽和状態となり3つの背面補助熱交換器11a、11b、11cでは過冷却状態となる。
【0040】
以上のように本実施の形態においては、以下の効果が得られている。
(1)両側にヘッダ7、14を有する主熱交換器11d、11e・11h,11i・11f、11gにおいては、ヘッダ7に設けられた仕切板13により、ヘッダ間の扁平管1aに流入する冷媒を半分で行うことができ、液冷媒の流量のばらつきを抑えることができる。また、扁平管1aの分岐本数(4本)を全体の本数(8本)の半分とすることにより、製造上での管理を容易にすることができる。
【0041】
(2)背面側の3列目の主熱交換器11gにおいては、重力方向と反対方向と比べて風速が小さく、熱負荷が小さい。冷媒出口の位置を極力重力方向に対し上方に設置することにより、重力方向の上方での冷媒循環量を大きく、下方での冷媒循環量を小さくでき、冷媒の乾きのバランスを取ることができる。
【0042】
(3)前面上部側の主熱交換器11d、11eでは、バルジ3方管3と列間Uベンド4、段間Uベンド8とジョイント管12を用いて配管しており、前面下部側と背面側の主熱交換器11h、11i・11f、11gにヘッダ7、14を用いた構成としているので空気流の方向での干渉がなくなり、小スペース化を図れる。
【0043】
(4)蒸発器として用いる場合、冷媒の乾き度の大きい再熱弁10より下流側においては、管内圧損が大きく、多パス化が必要となるため、ヘッダ7、14を用いて冷媒を扁平管1aにパラレルに流すことにより配管スペースを小さくすることができる。また、ヘッダ7内に仕切板13を用いてヘッダ室を小さくしているため、ヘッダ7内の液冷媒の挙動を小さくでき、前面下部側と背面側の3列目の熱交換器11i、11g内の冷媒分配を向上させることができる。
【0044】
(5)前面上部側の主熱交換器11d、11eにおいて、パス数が小さく乾き度の低い上流側熱交では、ジョイント管12と3方管6を用いて冷媒を分配するため、前面下部側と背面側の主熱交換器11h,11i・11f、11gの折り曲げ熱交形態によるヘッダ7、14の干渉を抑えることができる。
【0045】
(6)前面上部側と前面下部側の補助熱交換器11b、11cには扁平管1aを用いており、背面側の補助熱交換器11aには円管1bを用いているが、暖房時に出口として用いられる背面側の補助熱交換器11aの管内断面積を大きくすることにより、冷媒量変化に伴う過冷却度の変動を抑えることができる。また、背面側の風速は前面側に比べて小さいため、背面側に熱交換能力の小さい円管を用いることで温度効率の均一化を図れる。
【0046】
(7)前面下部側と背面側の主熱交換器11h、11i・11f、11gにおいて、2列目と3列目のヘッダ間をUベンド4で連結しているが、液冷媒の変動と風速分布に起因する熱付加に合わせてUベンド4の位置を変更することができるため、冷媒の分配特性を適正にすることができる。
【0047】
実施の形態2.
図11は実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。
図に示す冷媒回路は、圧縮機33、凝縮熱交換器34、絞り装置35、蒸発熱交換器36、送風機37、送風機用モーター38等により構成されている。前述した実施に形態1による熱交換器を凝縮熱交換器34又は蒸発熱交換器36、もしくは両方に用いることにより、エネルギ効率の高い冷凍サイクル装置を実現することができる。
【0048】
ここで、エネルギ効率は、次式で構成される。
暖房エネルギ効率=室内熱交換器(凝縮器)能力/全入力
冷房エネルギ効率=室内熱交換器(蒸発器)能力/全入力
【0049】
なお、実施の形態1で述べた熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置については、HCFC(R22)やHFC(R116、R125、R134a、R14、R143a、R152a、R227ea、R23、R236ea、R236fa、R245ca、R245fa、R32、R41、RC318などや、これら冷媒の数種の混合冷媒R407A、R407B、R407C、R407D、R407E、R410A、R410B、R404A、R507A、R508A、R508Bなど)、HC(ブタン、イソブタン、エタン、プロパン、プロピレンなどや、これら冷媒の数種混合冷媒)、自然冷媒(空気、炭酸ガス、アンモニアなどや、これら冷媒の数種の混合冷媒)、HF01234yf等の低GWP冷媒、また、これら冷媒の数種の混合冷媒など、どんな種類の冷媒を用いても、その効果を達成することができる。
【0050】
また、作動流体として、空気と冷媒の例を示したが、他の気体、液体、気液混合流体を用いても、同様の効果を奏する。
【0051】
また、伝熱管(扁平管1a、円管1b)と板状フィン2は、異なった材料を用いていることが多いが、伝熱管1a、1bと板状フィン2に銅、伝熱管1a、1bと板状フィン2にアルミなど、同じ材料を用いることで、板状フィン2と伝熱管1a、1bのロウ付けが可能となり、フィン部と伝熱管1a、1bの接触熱伝達率が飛躍的に向上し、熱交換能力が大幅に向上する。また、リサイクル性も向上させることができる。
【0052】
また、伝熱管1a、1bと板状フィン2を密着させる方法として、例えば、炉中ロウ付けを行う場合、板状フィン2に親水材を塗布するのに後処理で行うことで、前処理の場合のロウ付け中の親水材の焼け落ちを防ぐことができる。
【0053】
また、前述の実施の形態1で述べた熱交換器を室外機で用いた場合においても同様な効果を奏することができる。
【0054】
なお、実施の形態1で述べた熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置については、鉱油系、アルキルベンゼン油系、エステル油系、エーテル油系、フッ素油系など、冷媒と油が溶ける溶けないにかかわらず、どんな冷凍機油についても、その効果を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の活用例として、熱交換性能を向上し、省エネルギ性能を向上することが必要なヒートポンプ装置に使用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1a 扁平管、1b 円管、1c 連結円管、2 板状フィン、3 バルジ3方管、4 列間Uベンド、5 ヘアピン、6 3方管、7 仕切板を有するヘッダ、8 段間Uベンド、9 分配器、10 再熱弁、11a、11b、11c 補助熱交換器、11d、11e・11f、11g・11h、11i 主熱交換器、12 ジョイント管、13 仕切板、14 中空構造のヘッダ、15 冷媒流れ、16 冷媒入口とする管接続口、17 冷媒出口とする管接続口、21−29 冷媒配管、33 圧縮機、34 凝縮熱交換器、35 絞り装置、36 蒸発熱交換器、37 送風機、38 送風機用モーター、100 室内機ユニット、101 ケーシング、102 エアコングリル、103 貫流送風機、104 吹き出し口、105 ルーバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング内の前面上部側、前面下部側及び背面側に、それぞれ流体の流れ方向に重ねられた補助熱交換器と主熱交換器を配置して構成される熱交換器であって、
前記補助熱交換器と前記主熱交換器は、流体の流れ方向と直交する方向に積層された板状フィン、及び前記板状フィンの積層方向に挿入され、その板状フィンの長手方向に複数設けられた伝熱管を有し、
前面上部側に配置された前記補助熱交換器と前記主熱交換器、及び前面下部側に配置された前記補助熱交換器には、前記伝熱管として一端部がU字状に折り曲げられた扁平管が使用され、さらに、その扁平管の互いに隣接する片側の他端部にU字形状の連結管が設けられ、
前面下部側及び背面側に配置された前記主熱交換器には、前記伝熱管として扁平管が使用され、その扁平管の一端部に内部中央に仕切板を有する第1ヘッダが設けられ、他端部に中空構造の第2ヘッダが設けられ、さらに、前記第1ヘッダに仕切板を境に冷媒入出用の2本の管接続口が設けられていることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
背面側に配置された前記補助熱交換器には、前記伝熱管として円管が使用されていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
前記主熱交換器は、流体の上流側に設置された補助熱交換器を1列目として2列目と3列目に配置され、
前面下部側及び背面側に配置された2列目と3列目の主熱交換器のヘッダ間の接続にUベンド管が使用されていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換器。
【請求項4】
前面下部側及び背面側に配置された主熱交換器において、蒸発器として使用したときに、冷媒が2列目の主熱交換器の第2ヘッダ内で重力方向の反対方向に流れるように、かつ3列目の主熱交換器の第2ヘッダ内で重力方向に流れるように、双方の第1ヘッダに設けられた2本の管接続口のうち何れか一方にそれぞれ冷媒配管を接続したことを特徴とする請求項3記載の熱交換器。
【請求項5】
背面側に配置された3列目の主熱交換器の第1ヘッダに設けられた2本の管接続口のうち何れか一方を冷媒流出用として仕切板の近傍に設けたことを特徴とする請求項4記載の熱交換器。
【請求項6】
2列目と3列目の主熱交換器のうち3列目の主熱交換器が前記板状フィンの長手方向にずれて、双方の前記扁平管が千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の熱交換器。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の熱交換器を用いたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項1】
ケーシング内の前面上部側、前面下部側及び背面側に、それぞれ流体の流れ方向に重ねられた補助熱交換器と主熱交換器を配置して構成される熱交換器であって、
前記補助熱交換器と前記主熱交換器は、流体の流れ方向と直交する方向に積層された板状フィン、及び前記板状フィンの積層方向に挿入され、その板状フィンの長手方向に複数設けられた伝熱管を有し、
前面上部側に配置された前記補助熱交換器と前記主熱交換器、及び前面下部側に配置された前記補助熱交換器には、前記伝熱管として一端部がU字状に折り曲げられた扁平管が使用され、さらに、その扁平管の互いに隣接する片側の他端部にU字形状の連結管が設けられ、
前面下部側及び背面側に配置された前記主熱交換器には、前記伝熱管として扁平管が使用され、その扁平管の一端部に内部中央に仕切板を有する第1ヘッダが設けられ、他端部に中空構造の第2ヘッダが設けられ、さらに、前記第1ヘッダに仕切板を境に冷媒入出用の2本の管接続口が設けられていることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
背面側に配置された前記補助熱交換器には、前記伝熱管として円管が使用されていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
前記主熱交換器は、流体の上流側に設置された補助熱交換器を1列目として2列目と3列目に配置され、
前面下部側及び背面側に配置された2列目と3列目の主熱交換器のヘッダ間の接続にUベンド管が使用されていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換器。
【請求項4】
前面下部側及び背面側に配置された主熱交換器において、蒸発器として使用したときに、冷媒が2列目の主熱交換器の第2ヘッダ内で重力方向の反対方向に流れるように、かつ3列目の主熱交換器の第2ヘッダ内で重力方向に流れるように、双方の第1ヘッダに設けられた2本の管接続口のうち何れか一方にそれぞれ冷媒配管を接続したことを特徴とする請求項3記載の熱交換器。
【請求項5】
背面側に配置された3列目の主熱交換器の第1ヘッダに設けられた2本の管接続口のうち何れか一方を冷媒流出用として仕切板の近傍に設けたことを特徴とする請求項4記載の熱交換器。
【請求項6】
2列目と3列目の主熱交換器のうち3列目の主熱交換器が前記板状フィンの長手方向にずれて、双方の前記扁平管が千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の熱交換器。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の熱交換器を用いたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−225531(P2012−225531A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91085(P2011−91085)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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