熱処理装置、熱処理方法、記憶媒体
【課題】塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板と、基板を冷却する冷却プレートとを備えた熱処理装置において、基板を連続的に処理するときに、冷却後の基板の温度を安定させて、基板に形成された膜の品質を安定させること。また、熱処理装置の小型化、軽量化を図ること。
【解決手段】予め実験を行って、基板の冷却時に、加熱処理後の基板の温度と冷却プレートの温度とがバランスして達する冷却プレートの温度を調べておく。そして一枚目の基板の熱処理を行う前に、冷却プレートを熱板の上方に移動させて、その温度まで加熱した後基板の熱処理を開始する。
【解決手段】予め実験を行って、基板の冷却時に、加熱処理後の基板の温度と冷却プレートの温度とがバランスして達する冷却プレートの温度を調べておく。そして一枚目の基板の熱処理を行う前に、冷却プレートを熱板の上方に移動させて、その温度まで加熱した後基板の熱処理を開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布液が塗布された例えば半導体ウェハ等の基板を加熱処理する熱板部と、加熱処理後の基板を搬送する冷却プレートとを備えた熱処理装置及び熱処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ(以下ウェハという)やLCD(液晶ディスプレイ)用のガラス基板等の基板に対してレジストパターンを形成する装置として、基板に対してレジストを塗布し、露光後の基板を現像する塗布、現像装置が用いられている。この装置内には、ベーク装置などと呼ばれている熱処理装置が組み込まれており、例えばレジスト液を塗布した基板を加熱する装置にあっては、レジスト液中の溶剤を乾燥させる役割を果たし、また化学増幅型レジストを用いた露光後の基板を加熱する装置にあっては、レジスト中の酸を拡散させる役割を果たしている。
【0003】
この熱処理装置100の構成の一例を図18に示した。熱処理装置100には、冷却プレート104と熱処理部105とが設置されており、各々ウェハの昇降機構106、107を備えている。冷却プレート104は図示しない駆動機構によって、図に示した位置(ホーム位置)と熱板108の上方位置との間を移動可能となっている。
【0004】
図示しない搬送機構により搬送口109から熱処理装置100内へ搬送された基板例えばウェハWは、冷却プレート104によって熱板108の上方位置に移動して、熱板108上へ載置される。次いでウェハWは、この熱板108上で所定の熱処理を施された後、冷却プレート104によってホーム位置に戻され、図示しないウェハWの搬送機構によってウェハWが熱処理装置100内から搬出されるまでの時間例えば30秒冷却される。
【0005】
従来の熱処理装置100においては、冷却プレート104上に載置されたウェハを冷却するにあたり、冷却プレート104の内部または下部に例えばペルチェ素子や冷却水の通流する冷却配管などの冷却機構を設けていたため、熱処理装置100が大がかりとなり、メンテナンス作業も繁雑である。そこで本発明者らは、上述のような冷却機構を設けずに、冷却プレートだけでウェハWを冷却することを検討している。
【0006】
一方、近年の高スループット化により、ウェハW一枚当たりの熱処理に要する時間を短縮する必要性が高まっている。ウェハWの加熱時間は、例えばレジスト液からの溶剤の乾燥等のプロセスに必要な時間であり、短縮できないことから、ウェハWの冷却時間を更に短縮することが求められている。しかし、上述のような冷却機構を設けない場合、ウェハWを冷却した後の冷却プレート104は十分に冷却されず、連続処理されるウェハWの枚数の増加と共に温度が徐々に上昇する。このため、冷却プレート104のウェハWを冷却する能力が不足して、ウェハWの温度は処理枚数の増加と共に徐々に上昇する。冷却プレート104の温度とウェハWの温度とは、ウェハWを連続的に熱処理していくにつれて一定となるが、それまでには数枚から数十枚のウェハWの熱処理を行っており、それらのウェハWにおいては冷却状態に差が生じるため、結果としてウェハW間におけるレジスト膜の膜厚やパターンのばらつき等の原因となる。
【0007】
また、冷却機構を設けた場合であっても、冷却能力が低い場合には同様の問題があり、例えばペルチェ素子の数を増やしたり、冷却水の循環ポンプやチラーを大型化したりするなど、冷却プレート104を冷却する冷却能力を高める必要がある。
【0008】
特許文献1には、基板の連続処理において、初めに処理容器内に搬入される数枚の基板において処理容器内の温度が低下するといった弊害を抑制するため、基板を処理容器内に搬入したときのヒーター出力を増加させる技術が記載されている。この特許文献1に記載の技術を上述の冷却プレート104に適用した場合、冷却プレート104を冷却するための冷却機構が必要であり、その冷却機構には高い冷却能力が要求されることになる。
【0009】
【特許文献1】特開2003−347305((0006)、(0027))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板に対して熱処理を行う熱板部と冷却プレートとを備えた熱処理装置を用いて基板に対して連続処理を行うにあたり、熱処理後の冷却温度を基板間において揃えることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の熱処理装置は、
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置において、
前記冷却プレートを加熱するための加熱手段と、
前記冷却プレートの温度を検出する温度検出手段と、
連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、を揃えるために、連続処理の開始前に前記温度検出手段の温度検出値が設定温度となるように加熱手段からの受熱量を制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
前記連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、の温度差が10℃以内に収まることを特徴とする。
【0012】
前記加熱手段は熱板部であり、制御信号は熱板部上における冷却プレートの滞在時間を調整するために駆動機構を制御する信号であることを特徴とする。
前記加熱手段は冷却プレートに設けられ、制御信号は加熱手段の発熱量を制御するための信号であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の熱処理装置は、
冷却プレートを強制冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする。
前記制御部は、熱板部による基板の熱処理温度が先の基板よりも次の基板の方が低い場合に、冷却プレートから先の基板を搬出した後、次の基板を受け取るまでの間に当該冷却プレートを冷却手段により冷却するように制御信号を出力することを特徴とする。
前記冷却手段は、気体の吹きつけにより冷却プレートを冷却するものであることを特徴とする。
【0014】
本発明の熱処理方法は、
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置を用いて熱処理を行う方法において、
連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、を揃えるために、連続処理の開始前に冷却プレートを加熱手段により加熱する工程を行うことを特徴とする。
【0015】
前記冷却プレートを加熱手段により加熱する工程は、冷却プレートを加熱手段である熱板部の上方に位置させて加熱する工程であることを特徴とする。
前記冷却プレートを加熱手段により加熱する工程は、冷却プレートを当該冷却プレートに設けられた加熱手段により加熱する工程であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の熱処理方法は、
冷却プレートを強制冷却する工程を含むことを特徴とする。
前記冷却プレートを強制冷却する工程は、熱板部による基板の熱処理温度が先の基板よりも次の基板の方が低い場合に、冷却プレートから先の基板を搬出した後、次の基板を受け取るまでの間に行うことを特徴とする。
前記冷却プレートを強制冷却する工程は、気体の吹きつけにより冷却プレートを冷却する工程であることを特徴とする。
【0017】
本発明の記憶媒体は、
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体において、
前記コンピュータプログラムは、前記熱処理方法を実施するようにステップが組まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、冷却プレートを備えた熱処理装置を用いて基板に対して連続的に熱処理を行うにあたり、連続処理を行う前に、冷却プレートを、連続処理時の冷却プレートにおける吸熱、放熱のバランスに基づいて安定化する時の基板の冷却温度あるいはその近傍の温度に加熱しておくことにより、熱処理後の冷却温度を基板間において揃えることができ、このため熱処理のばらつきを抑えることができる。また、冷却プレートを冷却するための冷却機構例えばペルチェ素子や冷却配管などを無くすもしくは簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明に係る加熱方法を実施する熱処理装置2の一例として、例えば塗布液としてレジスト液が表面に塗布された基板である半導体ウェハ(以下ウェハと略す)Wを加熱処理して、当該ウェハW表面にレジスト膜を形成する熱処理装置2について図1〜図3を用いて説明する。
【0020】
熱処理装置2は処理容器である筐体20を備えており、この筐体20は床板22によって上方領域20Aと下方領域20Bとに区画されている。この上方領域20Aの側壁にはウェハWの搬送口21が形成されており、この搬送口21側を手前側とすると、手前側には冷却プレート33が設置され、奥側には熱板部4が設置されている。上方領域20Aは冷却プレート33及び熱板部4によってウェハWの搬送、熱処理及び冷却が行われる領域であり、下方領域20Bは冷却プレート33及び熱板部4の可動部と排気ファン87とが収納される領域である。床板22には冷却プレート33が手前側(ホーム位置)と奥側(熱板53の上方位置)との間を図中X方向に移動するための開口部31aが設けられている。
【0021】
ホーム位置の冷却プレート33の上方には、冷却ガス吐出口60が設けられており、筐体20の天壁を貫いて冷却ガス供給路61とバルブ62とを介して、N2ガスなどが貯留された冷却ガス源63に接続されている。この冷却ガス吐出口60は、ホーム位置の冷却プレート33全体を均等に冷却するように、複数箇所例えば5箇所に設けられている。この冷却ガス吐出口60、冷却ガス供給路61、バルブ62及び冷却ガス源63は冷却手段を構成している。
【0022】
ここで冷却プレート33について図4を参照して説明する。冷却プレート33は、L字型に屈曲した連結ブラケット31を介して台座39に接続されており、後述する熱板53及び熱処理装置2の外に設けられた図示しない搬送機構との間でウェハWの受け渡しを行う役割と、熱処理後のウェハWを冷却する役割と、を有している。台座39にはレールブラケット27、冷却プレート33の移動機構例えばボールネジ機構37及びモーター37aが設けられており、冷却プレート33はこのボールネジ機構37によって図中X方向に伸長したガイドレール23に沿って前記開口部31a内をX方向に移動自在に構成されている。
【0023】
冷却プレート33は、例えばアルミニウムからなる例えば4mm程度の厚さの概略円形の板であり、ウェハWと略同じ大きさの直径を有している。冷却プレート33には熱板53及び図示しない搬送機構との間でウェハWを受け渡すために、切り欠き34及びスリット36a、36bが形成されている。また冷却プレート33には、ウェハWの周方向に沿って等間隔となるように、例えば3箇所に温度検出部32aが埋設されており、ウェハWの温度を温度検出器32bによって検出し、後述の制御部10に伝達するように構成されている。温度検出部32aと温度検出器32bとは温度検出手段を構成している。
【0024】
冷却プレート33との間でウェハWを受け渡す搬送機構40は、例えば図5に示すように水平な馬蹄形状の搬送アーム41と搬送アーム41を支持する搬送基体42とを有している。搬送アームには4つの突片44が設けられ、突片44上にウェハWが保持される。冷却プレート33の外周の切り欠き34は、夫々搬送アーム41の突片44と対応する位置に設けられており、搬送アーム41が冷却プレート33に対し上方から覆い被さるように下降することで搬送アーム41が冷却プレート33の下方側に通過し、搬送アーム41上のウェハWが冷却プレート33上に載置される。
【0025】
次に熱板部4について説明する。熱板部4は図1に示すようにガス吐出部85と排気室86との間に設けられている。床板22には支柱51によって支持された熱板サポート部材5が埋め込まれており、熱板サポート部材5の上部には、ウェハWの裏面を支持する突起部55が形成され、加熱手段をなす熱板53が設けられている。熱板53の下面には、同心円状に形成されたリング状のヒータ53aと図示しない感温センサとが設けられており、後述の制御部10からの出力に基づき、図示しない電力供給部を介してヒータ53aの発熱量が制御される。
【0026】
熱板サポート部材5及び熱板53には中央部に複数の孔54が穿孔されており、駆動機構26に接続されている支持ピン26aによって熱板53と冷却プレート33との間でウェハWの受け渡しができるように構成されている。
熱板サポート部材5の上方には天板83が設けられており、熱板53と天板83との間を手前側から奥側へ通流するガスの流れを整流するように、支持部84によって排気室86の上面に固定されている。
熱板部4の奥側には、複数の排気孔86aが形成された排気室86が設けられており、上方領域20Aの雰囲気は、これら排気室86を介して筐体20の外部へ排出される。
【0027】
排気室86の幅方向中央部における手前側及び奥側には、開口部86b及び86cがそれぞれ形成されており、開口部86cは、排気ファン87の収容された筐体88に接続されている。筐体88には、排気管89の一端側が接続されており、この排気管89の他端側は、筐体20の壁面を貫いて筐体20の外に設けられた例えば図示しない工場排気路に接続されている。下方領域20Bの雰囲気は、排気室86を介して排気ファン87によって筐体20の外部へ排出される。
【0028】
このような気流を形成することによって、上方領域20AにおいてウェハW上に塗布されたレジスト液の溶剤の蒸気などと、下方領域20Bにおいて冷却プレート33または熱板部4の可動部から発生したパーティクルなどとは、排気ファン87によって吸引され、筐体20の外部へ排気される。
【0029】
前述のガス吐出部85のY方向中央部にはガス供給路24が接続されており、このガス供給路24は筐体20の壁面を貫いて筐体20の外に設けられたガス供給源57aに接続されている。ガス供給源57aにはクリーンなパージ用ガス例えばN2ガスなどの不活性ガスが貯留されており、ガス供給路24及びガス吐出部85の幅方向に沿って配列された複数の小孔からなるガス吐出口85aを介して、加熱された熱板53やウェハWを冷却することができる。このパージ用ガスは、排気室86を介して排気ファン87によって筐体20の外部に排出される。
【0030】
図3に示すとおり、制御部10は、例えばコンピュータからなり、ウェハWの加熱温度と冷却プレート33の安定化温度とをレシピ毎に対応付けたテーブルとプログラムとが格納されている。このプログラムは、各レシピ(レシピ番号)に対応したウェハW及び冷却プレート33の温度調整、ウェハWの受け渡し及びウェハWの熱処理などを実施するように、熱処理装置2の各部への命令が組まれている。そして当該プログラムが制御部10に読み出されることにより、制御部10は後述する熱処理装置2を制御するように信号を出力する。尚このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスクまたはメモリーカードなどの記憶媒体に格納されている。
【0031】
次に熱処理装置2を用いた本発明の実施の形態である熱処理方法について図6及び図7を参照して説明する。この説明は熱処理装置2の電源を投入して最初のウェハWを処理する場合を例に取っており、熱板53の表面は、ヒータ53aにより予め設定されたウェハWの熱処理温度t2例えば110℃に加熱され、冷却プレート33の初期の温度T1は室温である23℃になっている。
【0032】
先ず、冷却プレート33は図1に示すホーム位置(X方向左端)から図8に示す熱板53の上方位置(X方向右端)に移動する(ステップS1)。冷却プレート33は、この熱板53の上方位置において熱板53からの熱を受熱し、受熱量として冷却プレート33が設定温度T2例えば60℃となるまで待機し、その後再度ホーム位置に戻る(ステップS2)。この設定温度T2は、熱板53で冷却プレート33が加熱処理される温度であり、冷却プレート33がウェハWを受け取った際に受熱し、蓄熱して上昇する温度と自然放熱により下降する温度とが連続処理サイクルでほぼ安定する温度である。
【0033】
一方、既述の搬送機構40により、表面にレジスト液が塗布され、初期の温度t1が例えば室温である23℃である一枚目のウェハWは、搬送口21を介して筐体20内に搬入され、既述のように冷却プレート33上に載置される(ステップS3)。そして搬送機構40は筐体20内から退去する。
【0034】
ステップS2において冷却プレート33がホーム位置に戻るタイミングは、連続処理を行う一枚目のウェハWが冷却プレート33上に載置される直前となるように設定される。従って実際には、冷却プレート33は、例えば塗布、現像装置の電源投入時に熱板53上に移動して、設定温度T2に昇温した時点でホーム位置に待機し、一枚目のウェハWが搬入される少し前に、若干冷えた分の熱を補うために再度熱板53上に移動して、設定温度T2に達した後にホーム位置に戻り、一枚目のウェハWが載置されるように制御される構成としても良い。
【0035】
次に冷却プレート33が熱板53の上方位置に移動すると、支持ピン26aが上昇し、冷却プレート33に載置されたウェハWの裏面を支持する。そして冷却プレート33がホーム位置に後退すると共に支持ピン26aが下降し、熱板53の突起部55上にウェハWが載置される。次いでウェハWは、熱処理温度t2例えば110℃に加熱されて、予め設定された時間例えば60秒間保持され、加熱処理が行われる(ステップS4)。
【0036】
次いで、支持ピン26aが上昇してウェハWを支持する。続いて冷却プレート33がホーム位置から再び熱板53上へ移動して、ウェハWは温度が例えば50℃となった冷却プレート33上に載置されると共に、その熱が冷却プレート33に伝熱される(ステップS5)。
【0037】
次いで冷却プレート33がホーム位置に戻される。そして既述の搬送機構40が一定間隔で当該ウェハWを受け取りにくるが、そのときまでの時間例えば30秒間冷却プレート33によってウェハWが冷却されて、冷却プレート33の温度及びウェハWの温度はいずれも例えば60℃になる。
【0038】
その後搬送機構40は搬送口21より筐体20内に進入して、冷却プレート33上のウェハWを受け取り、筐体20の外へ搬送する(ステップS6)。然る後、搬送機構40によって後続(この例では2枚目)のウェハWがこの筐体20内に搬送されて、ステップS3からステップS6が繰り返される。
【0039】
後述のように、搬送機構40は2枚のアームを備えていて、冷却プレート33から熱処理済みのウェハWを受け取り、その直後に処理前のウェハWを冷却プレート33に引き渡し、スケジュール搬送によりウェハWの搬送間隔が一定となっている。そして、冷却プレート33は、以後の連続処理において、図7に示すように、ウェハWから吸収する熱量と、ウェハWや周囲へ放出する熱量とがバランスする。このため、ウェハWが搬出された直後(ステップS6)における冷却プレート33の温度は、各ウェハWの処理毎に例えば60℃に安定化する。また、ウェハWは、熱板部4や冷却プレート33から吸収する熱量及び冷却時に放出する熱量がウェハW間においてほぼ一定となるため、冷却後(ステップS6)におけるウェハWの温度が例えば60℃に安定化する。
【0040】
以上のように、一ロット(一単位)である所定の枚数のウェハWに対して連続処理が行われた後、次のロットのウェハWの連続処理が行われる。
次に、連続的にウェハWに対して加熱処理を施した後、ウェハWの熱処理温度t2を変更して引き続き熱処理を行う場合について説明する。
【0041】
まず、ウェハWの熱処理温度t2を変更する際に、制御部10内の記憶部から次のロットに適用されるレシピに応じた冷却プレート33の設定温度T2を読み出し、冷却プレート33の温度検出手段によって検出された温度検出値が設定温度T2となるまで、冷却プレート33を加熱または冷却する。ウェハWの熱処理温度t2をそれまでの温度より高く設定する場合、後述の実験例において示す通り、冷却プレート33の安定化する温度が上昇するため、冷却プレート33を熱板53の上方に位置させて温度検出値が設定温度T2となるまで加熱する。一方、熱処理温度t2をそれまでの温度よりも低く設定する場合、冷却プレート33の安定化する温度が下がるので、スループットの低下を避けるために冷却プレート33を冷却する必要がある。この例について図9に基づいて説明する。
【0042】
冷却プレート33は、図9の左端に示すホーム位置において、それまでのウェハWの熱処理により、高い初期温度T3例えば80℃を示している。その後ステップS1において、冷却プレート33は、冷却ガス源63からバルブ62、冷却ガス供給路61及び冷却ガス吐出口60を介して例えばN2ガスなどの冷却ガスが吹き付けられ、温度検出値が設定温度T2例えば60℃となるまで冷却される。
次いで既述の通り、ウェハWの加熱処理及び冷却が行われて、その後二枚目以降のウェハWの連続的な熱処理が行われる。
【0043】
以上の方法によって、ステップS1において冷却プレート33を高い初期温度T3から設定温度T2に速やかに下げることができるため、熱処理装置2の稼働時間を減らすことなく熱処理を行うことができる。
【0044】
尚、一ロットの連続処理が終わり、冷却プレート33の温度を上述の方法によってウェハWの熱処理温度t2を変更した後、次のロットのウェハWが筐体20内に搬入されるまでに冷却プレート33の温度が下がるほど時間が空いた場合、既述の塗布、現像装置の電源投入時と同様に熱板53上に移動して、冷えた分の熱を補うようにしても良い。
【0045】
本発明の熱処理装置2によれば、ウェハWに対して連続的に熱処理するにあたり、連続処理を行う前に、冷却プレート33を予め熱板53によって加熱して、冷却プレート33の温度を、連続処理時の冷却プレート33における吸熱、放熱のバランスに基づいて安定化する設定温度T2に調整しているため、筐体20内から搬出される時(ステップS6)におけるウェハWの温度が連続処理時のウェハW間において安定化する。従って、加熱処理のウェハW間のばらつきを抑えることができ、例えばレジスト膜の膜厚やパターンの線幅のばらつきが低減される。
【0046】
そしてこの実施の形態では、冷却プレート33内に冷却配管やペルチェ素子などの冷却機構を設けずに済む。その理由は次の通りである。即ち、加熱後のウェハWを冷却プレート33により冷却し、その冷却時間を短縮しようとすると、冷却能力を高くしておかないとウェハWからの吸熱に対して放熱が追いつかなくなり、結果として連続処理開始後、何枚かのウェハWを処理するまで、冷却温度(ウェハWが冷却プレート33によって冷却される温度)が順次高くなってしまう。一方本発明者は、冷却温度が従来より高くなっても例えば加熱温度の半分程度まで冷却できれば、ウェハWの処理の仕上がり、例えばパターンの線幅には影響を及ぼさないことを把握している。これに対しロット中のウェハW間で冷却温度にばらつきがあるとウェハWの仕上がりにばらつきが生じて歩留まりの低下を招くことから、冷却温度そのものよりもウェハW間の冷却温度を揃えるという考え方に立って、連続処理される全てのウェハW間で冷却温度が揃う温度を予め把握し、その温度に予め冷却プレート33を昇温させておくという手法を採用している。このため大きな冷却能力を必要とせず、この実施の形態のように冷却プレート33に冷却機構を設けないという設計を採用できる。従って、装置の小型化、軽量化を図ることができ、更に冷却水の漏出などによる電気系事故やウェハWのパーティクル発生などの品質トラブルを抑えることができる。
【0047】
上述の実施の形態では、ロットの先頭のウェハWと二枚目のウェハWとが同じ温度に冷却されるように冷却プレート33の温度を予め合わせ込んでいるが、本発明では「同じ温度」であることに限られるものではない。即ち本発明は冷却プレート33を加熱することにより、冷却能力の低い冷却プレート33であってもロットの先頭のウェハWと次のウェハWとの間において、ウェハWの冷却温度の開きを小さくすることで加熱処理のウェハW間の不均一さを抑え、これにより歩留まりを向上させようとするものである。言い換えれば、「同じ温度」に着目すると、ウェハWを同じ条件で連続処理するときに「同じ温度」に到達するまでのウェハWの処理枚数を少なくしようとすることでもある。そうすることによって、一枚目のウェハWと二枚目のウェハWとの間で冷却温度が同じではないにせよ、互いに近い温度(揃った温度)となり、冷却能力を高くしなくても、例えば冷却機構を設けなくても、加熱処理の仕上がりの状態をロットの先頭から揃えることができ、従って例えば一枚目のウェハWの冷却温度に比べて二枚目のウェハWのの冷却温度が例えば10℃高い場合であっても効果が得られる。
【0048】
冷却プレート33を加熱する方法として、この例ではウェハWの冷却を行う前に、熱板53を加熱手段として利用し、熱板53の上方に冷却プレート33を移動させて熱板53の熱を受けるようにしたが、このような方法に限られず、例えば冷却プレート33内に加熱手段をなすヒーター等を埋設しても構わない。この例を図10及び図11を参照して説明する。
【0049】
図10中の冷却プレート33内には、加熱手段をなすリング状のヒーター35が例えば五重に埋設されており、各々のヒーター35は電源35aに接続されて、冷却プレート33を加熱できるように構成されている。尚、図10には既述の温度検出部32a及び温度検出器32bは省略してある。
【0050】
既述の熱処理装置2の電源投入時において、熱板53の表面は、ヒータ53aにより予め設定された熱処理温度t2例えば110℃に加熱されている。また、冷却プレート33は図11に示した通り、予め設定温度T4例えば55℃に保持されている。
この例では既述のステップS1及びステップS2を行なわずに、搬送機構40からウェハWを受け取る(ステップS3)。その後、上述の例と同様にウェハWの連続処理の加熱処理と冷却とが行われる。
【0051】
以上のように、冷却プレート33内にヒーター35を埋設することにより、冷却プレート33の温度を設定温度T2に調整する時間(既述のステップS1からステップS2までの時間)を短縮することができる。更に、搬出される時のウェハWの温度をより均一に揃えるように、冷却プレート33の温度を精度高く調整することができるので、ウェハW間において温度の差が生じ難い。尚、冷却プレート33をヒーター35によって加熱して温度調整するのは、ロットの一枚目から例えば四枚目のウェハWまでとして、その後はヒーター35への加熱制御出力をオフにするようにしても良い。
【0052】
また、上述の例では、ロットの切替時に冷却プレート33を冷却する方法として、冷却ガス吐出口60、冷却ガス供給路61、バルブ62及び冷却ガス源63を冷却手段として利用して、冷却ガスを冷却プレート33に吹き付けて冷却するようにしたが、以下の構成としても良い。
【0053】
図12は冷却プレート33の一例を示しており、既述の台座39は上部室39aと下部室39bとから構成されている。上部室39aは、Y方向の両側面が開口した角筒体からなり、その内部には鉛直方向に例えばアルミニウムよりなるフィン38がY方向に沿って例えば10枚設けられている。フィン38は、上部室39aの天壁及び連結ブラケット31を介して、冷却プレート33の熱を速やかに放出する役割を持っている。下部室39bには既述の通りボールネジ機構37、モーター37a及びレールブラケット27が設けられている。
【0054】
この上部室39aには、その開口部の一方に冷却手段であるファン28が接続され、図示しない電源からの電力によってファン28を駆動して上部室39a内に送風することができる構成となっている。上部室39a内に送風することにより、フィン38が冷却されるため、上部室39aの天壁及び連結ブラケット31を介して、冷却プレート33を速やかに冷却することができる。
【0055】
(実験例)
次に、ウェハWの熱処理温度t2によって、冷却プレート33が安定化する温度がどのように変化するか確かめるために行った実験について説明する。
実験には既述の熱処理装置2を使用し、以下のプロセス条件において実験を行った。尚、各々の条件において、ウェハW25枚に対して熱処理を連続的に行った。また、既述の熱処理装置2の電源投入時(ステップS1からステップS2)における冷却プレート33の加熱を行わなかった。
プロセス条件
冷却プレート33の温度T1 :23℃
ウェハWの温度t1 :23℃
ウェハWの熱処理温度t2 :別記
ウェハWの熱処理時間 :60秒
ウェハWの冷却時間 :30秒
実験例1
ウェハWの熱処理温度t2を90℃とした。
実験例2
ウェハWの熱処理温度t2を110℃とした。
実験例3
ウェハWの熱処理温度t2を130℃とした。
実験例4
ウェハWの熱処理温度t2を150℃とした。
実験例5
ウェハWの熱処理温度t2を170℃とした。
【0056】
実験結果
実験例2において、ウェハWに温度測定用の端子を接続して、ウェハWの温度が110℃に達した時(ステップS4)、ウェハWの冷却開始時(ステップS5)及びウェハWを筐体20内から搬出する時(ステップS6)において、冷却プレート33及びウェハWの温度を測定して図13に示した。
【0057】
また、各実験例におけるウェハWの熱処理温度t2と冷却プレート33の安定化する温度とを表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
図13から、ウェハWを連続的に熱処理することによって、既述の通り、ウェハWを筐体20内から搬出する時(ステップS6)の冷却プレート33の温度は、徐々に安定化して60℃に近づいていくことが分かった。このことから、ウェハWの連続処理を行う場合、一枚目のウェハWの熱処理を行う前に、冷却プレート33の設定温度T2を、60℃に設定すれば良いことが分かった。
また、冷却プレート33の安定化する温度は表1に示した通り、ウェハWの熱処理温度t2が高くなるほど、冷却プレート33の安定化する温度(ウェハWの冷却温度)が高くなることがわかった。
【0060】
尚、ウェハWの熱処理温度t2について、90℃から130℃までと、130℃から170℃までとは、例えば前者はレジスト液中の溶剤を乾燥させるプロセスに用いられる温度領域であり、例えば後者は露光後のウェハWの熱処理を行うプロセスに用いられる温度領域である。このため、各プロセスにおいてウェハWの熱処理温度t2を変更する際に変える必要のある冷却プレート33の温度T3と設定温度T2との温度差は、最大20℃程度であることがわかった。
【0061】
続いて既述した熱処理装置2を塗布、現像装置に適用した場合の一実施の形態について説明する。図14は、レジストパターン形成装置の平面図を示し、図15は同概略斜視図、図16は同概略側面図、図17はこのレジストパターン形成装置に設けられた搬送領域R1周辺の構造を示した斜視図である。この装置は、基板であるウェハWが例えば13枚密閉収納されたキャリア90を搬入出するためのキャリアブロックS1と、複数個例えば5個の単位ブロックB1〜B5を縦に配列して構成された処理ブロックS2と、インターフェイスブロックS3と、露光装置S4と、を備えている。
【0062】
前記キャリアブロックS1には、前記キャリア90の載置台91と、壁面に設けられる開閉部92と、開閉部92を介してキャリア90からウェハWを取り出すためのトランスファーアームCとが設けられている。
【0063】
前記キャリアブロックS1の奥側には、筐体93にて周囲を囲まれる処理ブロックS2が接続されている。処理ブロックS2は、この例では、下方側から下段側の2段が現像処理を行うための第1及び第2の単位ブロック(DEV層)B1、B2、レジスト膜の上層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うための第3の単位ブロック(TCT層)B3、レジスト液の塗布処理を行うための第4の単位ブロック(COT層)B4、レジスト膜の下層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うための第5の単位ブロック(BCT層)B5として割り当てられている。
【0064】
これら各単位ブロックB1〜B5は、ウェハWに対して薬液を塗布するための液処理ユニットと、前記液処理ユニットにて行われる処理の前処理及び後処理を行うための各種加熱・冷却系の処理ユニットと、これらの装置の加熱・冷却系の処理ユニットとの間でウェハWの受け渡しを行うための専用の搬送手段であるメインアームA1〜A5と、を備えている。尚、既述の搬送機構40はこれらメインアームA1〜A5を示している。
【0065】
各層B1〜B5は略同様の構成であるため、図14に示すCOT層B4を例にして以下に説明すると、ウェハWの搬送領域R1の両側にはウェハWにレジストの塗布処理を行うための複数個の塗布部を備えた塗布ユニット94と加熱・冷却系のユニットを多段化した4個の棚ユニットU1,U2,U3,U4とが設けられており、各棚ユニットのU1〜U4は塗布ユニット94にて行なわれる処理の前処理及び後処理を行うための各種ユニットを複数段、例えば2段に積層した構成とされている。
【0066】
上述の前処理及び後処理を行うための各種ユニットの中には、例えばレジスト液の塗布前にウェハWを所定の温度に調整するための冷却ユニット(COL)、レジスト液の塗布後にウェハWの加熱処理を行うための例えばプリベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(CHP)95、ウェハWのエッジ部のみを選択的に露光するための周縁露光装置(WEE)等が含まれている。この例では図1〜図13で説明した熱処理装置2はこの加熱ユニット95に相当する。また冷却ユニット(COL)や加熱ユニット(CHP)95等の各処理ユニットは、夫々処理容器96内に収納されており、棚ユニットU1〜U4は、前記処理容器96が2段に積層されて構成され、各処理容器96の搬送領域R1に臨む面にはウェハWを搬入出する搬送口97が形成されている。この例では加熱ユニット(CHP)95は棚ユニットU3として積層され、また棚ユニットU4に含まれている。
【0067】
A4は、独立して駆動可能な2本のアームを備えたメインアームであり進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、Y方向に移動自在に構成されている。なお図15中201,202は搬送アームであり、203は搬送基体である。204は搬送基体203を回転させる回転機構であり、205はYレール207に沿って移動自在且つ昇降レール208に沿って昇降自在に構成された台部である。また206は棚ユニットU1〜U4を支持する台部である。
【0068】
また搬送領域R1のキャリアブロックS1と隣接する領域は、第1のウェハW受け渡し領域R2となっていて、この領域R2には、図14及び図16に示すように、トランスファーアームCとメインアームA4とがアクセスできる位置に棚ユニットU5が設けられると共に、この棚ユニットU5に対してウェハWの受け渡しを行うための第1の基板受け渡し手段をなす第1の受け渡しアームD1を備えている。
【0069】
前記棚ユニットU5は、図16に示すように、各単位ブロックB1〜B5のメインアームA1〜A5との間でウェハWの受け渡しを行うように、この例では各単位ブロックB1〜B5は、1個以上例えば2個の第1の受け渡しステージTRS1〜TRS5を備えている。
【0070】
さらに搬送領域R1のインターフェイスブロックS3と隣接する領域は、第2のウェハW受け渡し領域R3となっていて、この領域R3には、図14に示すように、メインアームA4がアクセスできる位置に棚ユニットU6が設けられると共に、この棚ユニットU6に対してウェハWの受け渡しを行うための第2の基板受け渡し手段をなす第2の受け渡しアームD2を備えている。
【0071】
前記棚ユニットU6は、図16に示すように、各単位ブロックB1〜B5のメインアームA1〜A5との間でウェハWの受け渡しを行うように、第2の受け渡しステージTRS6〜TRS10を備えている。
【0072】
他の単位ブロックについて、DEV層B1、B2は同様に構成され、ウェハWに対して現像処理を行うための複数個の現像部を備えた現像ユニットが設けられ、棚ユニットU1〜U4には、露光後のウェハWを加熱処理するポストエクスポージャーベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(PEB)や、この加熱ユニット(PEB)における処理の後にウェハWを所定温度に調整するための冷却ユニット(COL)、現像処理後のウェハWを水分を飛ばすために加熱処理するポストベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(POST)を備えている以外はCOT層B4と同様に構成されている。なおDEV層B1、B2に設けられたこれらの加熱ユニットはCOT層B4に設けられた加熱ユニット95と例えば同じ構成を有し、処理温度及び処理時間のみが異なるものとする。
またTCT層B3は、レジスト液を塗布する前にウェハWに反射防止膜用の薬液を塗布するための反射防止膜形成ユニットが設けられている。
【0073】
一方、処理ブロックS2における棚ユニットU6の奥側には、インターフェイスブロックS3を介して露光装置S4が接続されている。インターフェイスブロックS3には、処理ブロックS2の棚ユニットU6と露光装置S4とに対してウェハWの受け渡しを行うためのインターフェイスアームBを備えており、第1〜第4の単位ブロックB1〜B4の第2の受け渡しステージTRS6〜TRS9に対してウェハWの受け渡しを行うように構成されている。
【0074】
ここでこのレジストパターン形成装置におけるウェハWの流れについて、レジスト膜の上下に夫々反射防止膜を形成する場合を例にして説明する。先ず外部からキャリア90がキャリアブロックS1に搬入され、トランスファーアームCにより開閉部92を介してこのキャリア90内からウェハWが取り出される。ウェハWは、トランスファーアームCから、先ず第2の単位ブロックB2の棚ユニットU5の第1の受け渡しステージTRS2に受け渡され、次いでウェハWはBCT層B5にウェハWを受け渡すために、第1の受け渡しアームD1により第1の受け渡し部TRS5を介してBCT層B5のメインアームA5に受け渡される。そしてBCT層B5では、メインアームA5により、冷却ユニット(COL)→第1の反射防止膜形成ユニット→加熱ユニット(CHP)→棚ユニットU6の第2の受け渡しステージTRS10の順序で搬送されて、第1の反射防止膜が形成される。
【0075】
続いて第2の受け渡しステージTRS10のウェハWは第2の受け渡しアームD2により、COT層B4にウェハWを受け渡すために第2の受け渡しステージTRS9に搬送され、次いで当該COT層B4のメインアームA4に受け渡される。そしてCOT層B4では、メインアームA4により、冷却ユニット(COL)→塗布ユニット94→加熱ユニット(CHP)95→第1の受け渡しステージTRS4の順序で搬送されて、第1の反射防止膜の上にレジスト膜が形成される。
【0076】
次いで受け渡しステージTRS4のウェハWは第1の受け渡しアームD1によ
り、TCT層B3にウェハWを受け渡すために第1の受け渡しステージTRS3に搬送され、当該TCT層B3のメインアームA3に受け渡される。そしてTCT層B3では、メインアームA3により、冷却ユニット(COL)→第2の反射防止膜形成ユニット→加熱ユニット(CHP)→周縁露光装置(WEE)→棚ユニットU6の第2の受け渡しステージTRS8の順序で搬送されて、レジスト膜の上に第2の反射防止膜が形成される。
【0077】
続いて第2の受け渡しステージTRS8のウェハWはインターフェイスアームBにより露光装置S4に搬送され、ここで所定の露光処理が行われる。露光処理後のウェハWは、インターフェイスアームBにより、DEV層B1(DEV層B2)に渡されるために、棚ユニットU6の第2の受け渡しステージTRS6(TRS7)に搬送され、このステージTRS6(TRS7)上のウェハWは、DEV層B1(DEV層B2)のメインアームA1(メインアームA2)に受け取られ、当該DEV層B1(B2)にて、先ず加熱ユニット(PEB)→冷却ユニット(COL)→現像ユニット→加熱ユニット(POST)の順序で搬送され、所定の現像処理が行われる。こうして現像処理が行われたウェハWは、トランスファーアームCにウェハWを受け渡すために、第1の受け渡しステージTRS1(TRS2)に搬送され、トランスファーアームCにより、キャリアブロックS1に載置されている元のキャリア90に戻される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の熱処理装置の一例を示す縦断側面図である。
【図2】前記熱処理装置の横断平面図である。
【図3】前記熱処理装置の制御部10を示した図である。
【図4】前記熱処理装置に設けられた冷却プレート33の一例を示した図である。
【図5】前記温調機構との間でウェハWを受け渡す搬送機構40の説明図である。
【図6】本発明の熱処理方法における冷却プレート33及びウェハWの温度の推移の一例を示した図である。
【図7】前記熱処理方法における冷却プレート33の温度の推移の一例を示した図である。
【図8】前記熱処理方法における冷却プレート33の動作を示す図である。
【図9】前記熱処理方法における冷却プレート33の温度の推移の一例を示した図である。
【図10】前記冷却プレート33の一例を示した図である。
【図11】前記熱処理方法における冷却プレート33の温度の推移の一例を示した図である。
【図12】前記冷却プレート33の一例を示した図である。
【図13】本発明における実験実験の結果を示す図である。
【図14】熱処置装置が適用された塗布、現像装置の平面図である。
【図15】前記塗布、現像装置を示す斜視図である。
【図16】前記塗布、現像装置を示す側部断面図である。
【図17】前記塗布、現像装置における塗布ユニットと棚ユニットと搬送手段とを示す斜視図である。
【図18】従来の熱処理装置を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
2 熱処理装置
4 熱板部
32a 温度検出部
32b 温度検出器
33 冷却プレート
35 ヒーター
53 熱板
60 ガス吐出口
t2 熱処理温度
T2 設定温度
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布液が塗布された例えば半導体ウェハ等の基板を加熱処理する熱板部と、加熱処理後の基板を搬送する冷却プレートとを備えた熱処理装置及び熱処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ(以下ウェハという)やLCD(液晶ディスプレイ)用のガラス基板等の基板に対してレジストパターンを形成する装置として、基板に対してレジストを塗布し、露光後の基板を現像する塗布、現像装置が用いられている。この装置内には、ベーク装置などと呼ばれている熱処理装置が組み込まれており、例えばレジスト液を塗布した基板を加熱する装置にあっては、レジスト液中の溶剤を乾燥させる役割を果たし、また化学増幅型レジストを用いた露光後の基板を加熱する装置にあっては、レジスト中の酸を拡散させる役割を果たしている。
【0003】
この熱処理装置100の構成の一例を図18に示した。熱処理装置100には、冷却プレート104と熱処理部105とが設置されており、各々ウェハの昇降機構106、107を備えている。冷却プレート104は図示しない駆動機構によって、図に示した位置(ホーム位置)と熱板108の上方位置との間を移動可能となっている。
【0004】
図示しない搬送機構により搬送口109から熱処理装置100内へ搬送された基板例えばウェハWは、冷却プレート104によって熱板108の上方位置に移動して、熱板108上へ載置される。次いでウェハWは、この熱板108上で所定の熱処理を施された後、冷却プレート104によってホーム位置に戻され、図示しないウェハWの搬送機構によってウェハWが熱処理装置100内から搬出されるまでの時間例えば30秒冷却される。
【0005】
従来の熱処理装置100においては、冷却プレート104上に載置されたウェハを冷却するにあたり、冷却プレート104の内部または下部に例えばペルチェ素子や冷却水の通流する冷却配管などの冷却機構を設けていたため、熱処理装置100が大がかりとなり、メンテナンス作業も繁雑である。そこで本発明者らは、上述のような冷却機構を設けずに、冷却プレートだけでウェハWを冷却することを検討している。
【0006】
一方、近年の高スループット化により、ウェハW一枚当たりの熱処理に要する時間を短縮する必要性が高まっている。ウェハWの加熱時間は、例えばレジスト液からの溶剤の乾燥等のプロセスに必要な時間であり、短縮できないことから、ウェハWの冷却時間を更に短縮することが求められている。しかし、上述のような冷却機構を設けない場合、ウェハWを冷却した後の冷却プレート104は十分に冷却されず、連続処理されるウェハWの枚数の増加と共に温度が徐々に上昇する。このため、冷却プレート104のウェハWを冷却する能力が不足して、ウェハWの温度は処理枚数の増加と共に徐々に上昇する。冷却プレート104の温度とウェハWの温度とは、ウェハWを連続的に熱処理していくにつれて一定となるが、それまでには数枚から数十枚のウェハWの熱処理を行っており、それらのウェハWにおいては冷却状態に差が生じるため、結果としてウェハW間におけるレジスト膜の膜厚やパターンのばらつき等の原因となる。
【0007】
また、冷却機構を設けた場合であっても、冷却能力が低い場合には同様の問題があり、例えばペルチェ素子の数を増やしたり、冷却水の循環ポンプやチラーを大型化したりするなど、冷却プレート104を冷却する冷却能力を高める必要がある。
【0008】
特許文献1には、基板の連続処理において、初めに処理容器内に搬入される数枚の基板において処理容器内の温度が低下するといった弊害を抑制するため、基板を処理容器内に搬入したときのヒーター出力を増加させる技術が記載されている。この特許文献1に記載の技術を上述の冷却プレート104に適用した場合、冷却プレート104を冷却するための冷却機構が必要であり、その冷却機構には高い冷却能力が要求されることになる。
【0009】
【特許文献1】特開2003−347305((0006)、(0027))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板に対して熱処理を行う熱板部と冷却プレートとを備えた熱処理装置を用いて基板に対して連続処理を行うにあたり、熱処理後の冷却温度を基板間において揃えることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の熱処理装置は、
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置において、
前記冷却プレートを加熱するための加熱手段と、
前記冷却プレートの温度を検出する温度検出手段と、
連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、を揃えるために、連続処理の開始前に前記温度検出手段の温度検出値が設定温度となるように加熱手段からの受熱量を制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
前記連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、の温度差が10℃以内に収まることを特徴とする。
【0012】
前記加熱手段は熱板部であり、制御信号は熱板部上における冷却プレートの滞在時間を調整するために駆動機構を制御する信号であることを特徴とする。
前記加熱手段は冷却プレートに設けられ、制御信号は加熱手段の発熱量を制御するための信号であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の熱処理装置は、
冷却プレートを強制冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする。
前記制御部は、熱板部による基板の熱処理温度が先の基板よりも次の基板の方が低い場合に、冷却プレートから先の基板を搬出した後、次の基板を受け取るまでの間に当該冷却プレートを冷却手段により冷却するように制御信号を出力することを特徴とする。
前記冷却手段は、気体の吹きつけにより冷却プレートを冷却するものであることを特徴とする。
【0014】
本発明の熱処理方法は、
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置を用いて熱処理を行う方法において、
連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、を揃えるために、連続処理の開始前に冷却プレートを加熱手段により加熱する工程を行うことを特徴とする。
【0015】
前記冷却プレートを加熱手段により加熱する工程は、冷却プレートを加熱手段である熱板部の上方に位置させて加熱する工程であることを特徴とする。
前記冷却プレートを加熱手段により加熱する工程は、冷却プレートを当該冷却プレートに設けられた加熱手段により加熱する工程であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の熱処理方法は、
冷却プレートを強制冷却する工程を含むことを特徴とする。
前記冷却プレートを強制冷却する工程は、熱板部による基板の熱処理温度が先の基板よりも次の基板の方が低い場合に、冷却プレートから先の基板を搬出した後、次の基板を受け取るまでの間に行うことを特徴とする。
前記冷却プレートを強制冷却する工程は、気体の吹きつけにより冷却プレートを冷却する工程であることを特徴とする。
【0017】
本発明の記憶媒体は、
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体において、
前記コンピュータプログラムは、前記熱処理方法を実施するようにステップが組まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、冷却プレートを備えた熱処理装置を用いて基板に対して連続的に熱処理を行うにあたり、連続処理を行う前に、冷却プレートを、連続処理時の冷却プレートにおける吸熱、放熱のバランスに基づいて安定化する時の基板の冷却温度あるいはその近傍の温度に加熱しておくことにより、熱処理後の冷却温度を基板間において揃えることができ、このため熱処理のばらつきを抑えることができる。また、冷却プレートを冷却するための冷却機構例えばペルチェ素子や冷却配管などを無くすもしくは簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明に係る加熱方法を実施する熱処理装置2の一例として、例えば塗布液としてレジスト液が表面に塗布された基板である半導体ウェハ(以下ウェハと略す)Wを加熱処理して、当該ウェハW表面にレジスト膜を形成する熱処理装置2について図1〜図3を用いて説明する。
【0020】
熱処理装置2は処理容器である筐体20を備えており、この筐体20は床板22によって上方領域20Aと下方領域20Bとに区画されている。この上方領域20Aの側壁にはウェハWの搬送口21が形成されており、この搬送口21側を手前側とすると、手前側には冷却プレート33が設置され、奥側には熱板部4が設置されている。上方領域20Aは冷却プレート33及び熱板部4によってウェハWの搬送、熱処理及び冷却が行われる領域であり、下方領域20Bは冷却プレート33及び熱板部4の可動部と排気ファン87とが収納される領域である。床板22には冷却プレート33が手前側(ホーム位置)と奥側(熱板53の上方位置)との間を図中X方向に移動するための開口部31aが設けられている。
【0021】
ホーム位置の冷却プレート33の上方には、冷却ガス吐出口60が設けられており、筐体20の天壁を貫いて冷却ガス供給路61とバルブ62とを介して、N2ガスなどが貯留された冷却ガス源63に接続されている。この冷却ガス吐出口60は、ホーム位置の冷却プレート33全体を均等に冷却するように、複数箇所例えば5箇所に設けられている。この冷却ガス吐出口60、冷却ガス供給路61、バルブ62及び冷却ガス源63は冷却手段を構成している。
【0022】
ここで冷却プレート33について図4を参照して説明する。冷却プレート33は、L字型に屈曲した連結ブラケット31を介して台座39に接続されており、後述する熱板53及び熱処理装置2の外に設けられた図示しない搬送機構との間でウェハWの受け渡しを行う役割と、熱処理後のウェハWを冷却する役割と、を有している。台座39にはレールブラケット27、冷却プレート33の移動機構例えばボールネジ機構37及びモーター37aが設けられており、冷却プレート33はこのボールネジ機構37によって図中X方向に伸長したガイドレール23に沿って前記開口部31a内をX方向に移動自在に構成されている。
【0023】
冷却プレート33は、例えばアルミニウムからなる例えば4mm程度の厚さの概略円形の板であり、ウェハWと略同じ大きさの直径を有している。冷却プレート33には熱板53及び図示しない搬送機構との間でウェハWを受け渡すために、切り欠き34及びスリット36a、36bが形成されている。また冷却プレート33には、ウェハWの周方向に沿って等間隔となるように、例えば3箇所に温度検出部32aが埋設されており、ウェハWの温度を温度検出器32bによって検出し、後述の制御部10に伝達するように構成されている。温度検出部32aと温度検出器32bとは温度検出手段を構成している。
【0024】
冷却プレート33との間でウェハWを受け渡す搬送機構40は、例えば図5に示すように水平な馬蹄形状の搬送アーム41と搬送アーム41を支持する搬送基体42とを有している。搬送アームには4つの突片44が設けられ、突片44上にウェハWが保持される。冷却プレート33の外周の切り欠き34は、夫々搬送アーム41の突片44と対応する位置に設けられており、搬送アーム41が冷却プレート33に対し上方から覆い被さるように下降することで搬送アーム41が冷却プレート33の下方側に通過し、搬送アーム41上のウェハWが冷却プレート33上に載置される。
【0025】
次に熱板部4について説明する。熱板部4は図1に示すようにガス吐出部85と排気室86との間に設けられている。床板22には支柱51によって支持された熱板サポート部材5が埋め込まれており、熱板サポート部材5の上部には、ウェハWの裏面を支持する突起部55が形成され、加熱手段をなす熱板53が設けられている。熱板53の下面には、同心円状に形成されたリング状のヒータ53aと図示しない感温センサとが設けられており、後述の制御部10からの出力に基づき、図示しない電力供給部を介してヒータ53aの発熱量が制御される。
【0026】
熱板サポート部材5及び熱板53には中央部に複数の孔54が穿孔されており、駆動機構26に接続されている支持ピン26aによって熱板53と冷却プレート33との間でウェハWの受け渡しができるように構成されている。
熱板サポート部材5の上方には天板83が設けられており、熱板53と天板83との間を手前側から奥側へ通流するガスの流れを整流するように、支持部84によって排気室86の上面に固定されている。
熱板部4の奥側には、複数の排気孔86aが形成された排気室86が設けられており、上方領域20Aの雰囲気は、これら排気室86を介して筐体20の外部へ排出される。
【0027】
排気室86の幅方向中央部における手前側及び奥側には、開口部86b及び86cがそれぞれ形成されており、開口部86cは、排気ファン87の収容された筐体88に接続されている。筐体88には、排気管89の一端側が接続されており、この排気管89の他端側は、筐体20の壁面を貫いて筐体20の外に設けられた例えば図示しない工場排気路に接続されている。下方領域20Bの雰囲気は、排気室86を介して排気ファン87によって筐体20の外部へ排出される。
【0028】
このような気流を形成することによって、上方領域20AにおいてウェハW上に塗布されたレジスト液の溶剤の蒸気などと、下方領域20Bにおいて冷却プレート33または熱板部4の可動部から発生したパーティクルなどとは、排気ファン87によって吸引され、筐体20の外部へ排気される。
【0029】
前述のガス吐出部85のY方向中央部にはガス供給路24が接続されており、このガス供給路24は筐体20の壁面を貫いて筐体20の外に設けられたガス供給源57aに接続されている。ガス供給源57aにはクリーンなパージ用ガス例えばN2ガスなどの不活性ガスが貯留されており、ガス供給路24及びガス吐出部85の幅方向に沿って配列された複数の小孔からなるガス吐出口85aを介して、加熱された熱板53やウェハWを冷却することができる。このパージ用ガスは、排気室86を介して排気ファン87によって筐体20の外部に排出される。
【0030】
図3に示すとおり、制御部10は、例えばコンピュータからなり、ウェハWの加熱温度と冷却プレート33の安定化温度とをレシピ毎に対応付けたテーブルとプログラムとが格納されている。このプログラムは、各レシピ(レシピ番号)に対応したウェハW及び冷却プレート33の温度調整、ウェハWの受け渡し及びウェハWの熱処理などを実施するように、熱処理装置2の各部への命令が組まれている。そして当該プログラムが制御部10に読み出されることにより、制御部10は後述する熱処理装置2を制御するように信号を出力する。尚このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスクまたはメモリーカードなどの記憶媒体に格納されている。
【0031】
次に熱処理装置2を用いた本発明の実施の形態である熱処理方法について図6及び図7を参照して説明する。この説明は熱処理装置2の電源を投入して最初のウェハWを処理する場合を例に取っており、熱板53の表面は、ヒータ53aにより予め設定されたウェハWの熱処理温度t2例えば110℃に加熱され、冷却プレート33の初期の温度T1は室温である23℃になっている。
【0032】
先ず、冷却プレート33は図1に示すホーム位置(X方向左端)から図8に示す熱板53の上方位置(X方向右端)に移動する(ステップS1)。冷却プレート33は、この熱板53の上方位置において熱板53からの熱を受熱し、受熱量として冷却プレート33が設定温度T2例えば60℃となるまで待機し、その後再度ホーム位置に戻る(ステップS2)。この設定温度T2は、熱板53で冷却プレート33が加熱処理される温度であり、冷却プレート33がウェハWを受け取った際に受熱し、蓄熱して上昇する温度と自然放熱により下降する温度とが連続処理サイクルでほぼ安定する温度である。
【0033】
一方、既述の搬送機構40により、表面にレジスト液が塗布され、初期の温度t1が例えば室温である23℃である一枚目のウェハWは、搬送口21を介して筐体20内に搬入され、既述のように冷却プレート33上に載置される(ステップS3)。そして搬送機構40は筐体20内から退去する。
【0034】
ステップS2において冷却プレート33がホーム位置に戻るタイミングは、連続処理を行う一枚目のウェハWが冷却プレート33上に載置される直前となるように設定される。従って実際には、冷却プレート33は、例えば塗布、現像装置の電源投入時に熱板53上に移動して、設定温度T2に昇温した時点でホーム位置に待機し、一枚目のウェハWが搬入される少し前に、若干冷えた分の熱を補うために再度熱板53上に移動して、設定温度T2に達した後にホーム位置に戻り、一枚目のウェハWが載置されるように制御される構成としても良い。
【0035】
次に冷却プレート33が熱板53の上方位置に移動すると、支持ピン26aが上昇し、冷却プレート33に載置されたウェハWの裏面を支持する。そして冷却プレート33がホーム位置に後退すると共に支持ピン26aが下降し、熱板53の突起部55上にウェハWが載置される。次いでウェハWは、熱処理温度t2例えば110℃に加熱されて、予め設定された時間例えば60秒間保持され、加熱処理が行われる(ステップS4)。
【0036】
次いで、支持ピン26aが上昇してウェハWを支持する。続いて冷却プレート33がホーム位置から再び熱板53上へ移動して、ウェハWは温度が例えば50℃となった冷却プレート33上に載置されると共に、その熱が冷却プレート33に伝熱される(ステップS5)。
【0037】
次いで冷却プレート33がホーム位置に戻される。そして既述の搬送機構40が一定間隔で当該ウェハWを受け取りにくるが、そのときまでの時間例えば30秒間冷却プレート33によってウェハWが冷却されて、冷却プレート33の温度及びウェハWの温度はいずれも例えば60℃になる。
【0038】
その後搬送機構40は搬送口21より筐体20内に進入して、冷却プレート33上のウェハWを受け取り、筐体20の外へ搬送する(ステップS6)。然る後、搬送機構40によって後続(この例では2枚目)のウェハWがこの筐体20内に搬送されて、ステップS3からステップS6が繰り返される。
【0039】
後述のように、搬送機構40は2枚のアームを備えていて、冷却プレート33から熱処理済みのウェハWを受け取り、その直後に処理前のウェハWを冷却プレート33に引き渡し、スケジュール搬送によりウェハWの搬送間隔が一定となっている。そして、冷却プレート33は、以後の連続処理において、図7に示すように、ウェハWから吸収する熱量と、ウェハWや周囲へ放出する熱量とがバランスする。このため、ウェハWが搬出された直後(ステップS6)における冷却プレート33の温度は、各ウェハWの処理毎に例えば60℃に安定化する。また、ウェハWは、熱板部4や冷却プレート33から吸収する熱量及び冷却時に放出する熱量がウェハW間においてほぼ一定となるため、冷却後(ステップS6)におけるウェハWの温度が例えば60℃に安定化する。
【0040】
以上のように、一ロット(一単位)である所定の枚数のウェハWに対して連続処理が行われた後、次のロットのウェハWの連続処理が行われる。
次に、連続的にウェハWに対して加熱処理を施した後、ウェハWの熱処理温度t2を変更して引き続き熱処理を行う場合について説明する。
【0041】
まず、ウェハWの熱処理温度t2を変更する際に、制御部10内の記憶部から次のロットに適用されるレシピに応じた冷却プレート33の設定温度T2を読み出し、冷却プレート33の温度検出手段によって検出された温度検出値が設定温度T2となるまで、冷却プレート33を加熱または冷却する。ウェハWの熱処理温度t2をそれまでの温度より高く設定する場合、後述の実験例において示す通り、冷却プレート33の安定化する温度が上昇するため、冷却プレート33を熱板53の上方に位置させて温度検出値が設定温度T2となるまで加熱する。一方、熱処理温度t2をそれまでの温度よりも低く設定する場合、冷却プレート33の安定化する温度が下がるので、スループットの低下を避けるために冷却プレート33を冷却する必要がある。この例について図9に基づいて説明する。
【0042】
冷却プレート33は、図9の左端に示すホーム位置において、それまでのウェハWの熱処理により、高い初期温度T3例えば80℃を示している。その後ステップS1において、冷却プレート33は、冷却ガス源63からバルブ62、冷却ガス供給路61及び冷却ガス吐出口60を介して例えばN2ガスなどの冷却ガスが吹き付けられ、温度検出値が設定温度T2例えば60℃となるまで冷却される。
次いで既述の通り、ウェハWの加熱処理及び冷却が行われて、その後二枚目以降のウェハWの連続的な熱処理が行われる。
【0043】
以上の方法によって、ステップS1において冷却プレート33を高い初期温度T3から設定温度T2に速やかに下げることができるため、熱処理装置2の稼働時間を減らすことなく熱処理を行うことができる。
【0044】
尚、一ロットの連続処理が終わり、冷却プレート33の温度を上述の方法によってウェハWの熱処理温度t2を変更した後、次のロットのウェハWが筐体20内に搬入されるまでに冷却プレート33の温度が下がるほど時間が空いた場合、既述の塗布、現像装置の電源投入時と同様に熱板53上に移動して、冷えた分の熱を補うようにしても良い。
【0045】
本発明の熱処理装置2によれば、ウェハWに対して連続的に熱処理するにあたり、連続処理を行う前に、冷却プレート33を予め熱板53によって加熱して、冷却プレート33の温度を、連続処理時の冷却プレート33における吸熱、放熱のバランスに基づいて安定化する設定温度T2に調整しているため、筐体20内から搬出される時(ステップS6)におけるウェハWの温度が連続処理時のウェハW間において安定化する。従って、加熱処理のウェハW間のばらつきを抑えることができ、例えばレジスト膜の膜厚やパターンの線幅のばらつきが低減される。
【0046】
そしてこの実施の形態では、冷却プレート33内に冷却配管やペルチェ素子などの冷却機構を設けずに済む。その理由は次の通りである。即ち、加熱後のウェハWを冷却プレート33により冷却し、その冷却時間を短縮しようとすると、冷却能力を高くしておかないとウェハWからの吸熱に対して放熱が追いつかなくなり、結果として連続処理開始後、何枚かのウェハWを処理するまで、冷却温度(ウェハWが冷却プレート33によって冷却される温度)が順次高くなってしまう。一方本発明者は、冷却温度が従来より高くなっても例えば加熱温度の半分程度まで冷却できれば、ウェハWの処理の仕上がり、例えばパターンの線幅には影響を及ぼさないことを把握している。これに対しロット中のウェハW間で冷却温度にばらつきがあるとウェハWの仕上がりにばらつきが生じて歩留まりの低下を招くことから、冷却温度そのものよりもウェハW間の冷却温度を揃えるという考え方に立って、連続処理される全てのウェハW間で冷却温度が揃う温度を予め把握し、その温度に予め冷却プレート33を昇温させておくという手法を採用している。このため大きな冷却能力を必要とせず、この実施の形態のように冷却プレート33に冷却機構を設けないという設計を採用できる。従って、装置の小型化、軽量化を図ることができ、更に冷却水の漏出などによる電気系事故やウェハWのパーティクル発生などの品質トラブルを抑えることができる。
【0047】
上述の実施の形態では、ロットの先頭のウェハWと二枚目のウェハWとが同じ温度に冷却されるように冷却プレート33の温度を予め合わせ込んでいるが、本発明では「同じ温度」であることに限られるものではない。即ち本発明は冷却プレート33を加熱することにより、冷却能力の低い冷却プレート33であってもロットの先頭のウェハWと次のウェハWとの間において、ウェハWの冷却温度の開きを小さくすることで加熱処理のウェハW間の不均一さを抑え、これにより歩留まりを向上させようとするものである。言い換えれば、「同じ温度」に着目すると、ウェハWを同じ条件で連続処理するときに「同じ温度」に到達するまでのウェハWの処理枚数を少なくしようとすることでもある。そうすることによって、一枚目のウェハWと二枚目のウェハWとの間で冷却温度が同じではないにせよ、互いに近い温度(揃った温度)となり、冷却能力を高くしなくても、例えば冷却機構を設けなくても、加熱処理の仕上がりの状態をロットの先頭から揃えることができ、従って例えば一枚目のウェハWの冷却温度に比べて二枚目のウェハWのの冷却温度が例えば10℃高い場合であっても効果が得られる。
【0048】
冷却プレート33を加熱する方法として、この例ではウェハWの冷却を行う前に、熱板53を加熱手段として利用し、熱板53の上方に冷却プレート33を移動させて熱板53の熱を受けるようにしたが、このような方法に限られず、例えば冷却プレート33内に加熱手段をなすヒーター等を埋設しても構わない。この例を図10及び図11を参照して説明する。
【0049】
図10中の冷却プレート33内には、加熱手段をなすリング状のヒーター35が例えば五重に埋設されており、各々のヒーター35は電源35aに接続されて、冷却プレート33を加熱できるように構成されている。尚、図10には既述の温度検出部32a及び温度検出器32bは省略してある。
【0050】
既述の熱処理装置2の電源投入時において、熱板53の表面は、ヒータ53aにより予め設定された熱処理温度t2例えば110℃に加熱されている。また、冷却プレート33は図11に示した通り、予め設定温度T4例えば55℃に保持されている。
この例では既述のステップS1及びステップS2を行なわずに、搬送機構40からウェハWを受け取る(ステップS3)。その後、上述の例と同様にウェハWの連続処理の加熱処理と冷却とが行われる。
【0051】
以上のように、冷却プレート33内にヒーター35を埋設することにより、冷却プレート33の温度を設定温度T2に調整する時間(既述のステップS1からステップS2までの時間)を短縮することができる。更に、搬出される時のウェハWの温度をより均一に揃えるように、冷却プレート33の温度を精度高く調整することができるので、ウェハW間において温度の差が生じ難い。尚、冷却プレート33をヒーター35によって加熱して温度調整するのは、ロットの一枚目から例えば四枚目のウェハWまでとして、その後はヒーター35への加熱制御出力をオフにするようにしても良い。
【0052】
また、上述の例では、ロットの切替時に冷却プレート33を冷却する方法として、冷却ガス吐出口60、冷却ガス供給路61、バルブ62及び冷却ガス源63を冷却手段として利用して、冷却ガスを冷却プレート33に吹き付けて冷却するようにしたが、以下の構成としても良い。
【0053】
図12は冷却プレート33の一例を示しており、既述の台座39は上部室39aと下部室39bとから構成されている。上部室39aは、Y方向の両側面が開口した角筒体からなり、その内部には鉛直方向に例えばアルミニウムよりなるフィン38がY方向に沿って例えば10枚設けられている。フィン38は、上部室39aの天壁及び連結ブラケット31を介して、冷却プレート33の熱を速やかに放出する役割を持っている。下部室39bには既述の通りボールネジ機構37、モーター37a及びレールブラケット27が設けられている。
【0054】
この上部室39aには、その開口部の一方に冷却手段であるファン28が接続され、図示しない電源からの電力によってファン28を駆動して上部室39a内に送風することができる構成となっている。上部室39a内に送風することにより、フィン38が冷却されるため、上部室39aの天壁及び連結ブラケット31を介して、冷却プレート33を速やかに冷却することができる。
【0055】
(実験例)
次に、ウェハWの熱処理温度t2によって、冷却プレート33が安定化する温度がどのように変化するか確かめるために行った実験について説明する。
実験には既述の熱処理装置2を使用し、以下のプロセス条件において実験を行った。尚、各々の条件において、ウェハW25枚に対して熱処理を連続的に行った。また、既述の熱処理装置2の電源投入時(ステップS1からステップS2)における冷却プレート33の加熱を行わなかった。
プロセス条件
冷却プレート33の温度T1 :23℃
ウェハWの温度t1 :23℃
ウェハWの熱処理温度t2 :別記
ウェハWの熱処理時間 :60秒
ウェハWの冷却時間 :30秒
実験例1
ウェハWの熱処理温度t2を90℃とした。
実験例2
ウェハWの熱処理温度t2を110℃とした。
実験例3
ウェハWの熱処理温度t2を130℃とした。
実験例4
ウェハWの熱処理温度t2を150℃とした。
実験例5
ウェハWの熱処理温度t2を170℃とした。
【0056】
実験結果
実験例2において、ウェハWに温度測定用の端子を接続して、ウェハWの温度が110℃に達した時(ステップS4)、ウェハWの冷却開始時(ステップS5)及びウェハWを筐体20内から搬出する時(ステップS6)において、冷却プレート33及びウェハWの温度を測定して図13に示した。
【0057】
また、各実験例におけるウェハWの熱処理温度t2と冷却プレート33の安定化する温度とを表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
図13から、ウェハWを連続的に熱処理することによって、既述の通り、ウェハWを筐体20内から搬出する時(ステップS6)の冷却プレート33の温度は、徐々に安定化して60℃に近づいていくことが分かった。このことから、ウェハWの連続処理を行う場合、一枚目のウェハWの熱処理を行う前に、冷却プレート33の設定温度T2を、60℃に設定すれば良いことが分かった。
また、冷却プレート33の安定化する温度は表1に示した通り、ウェハWの熱処理温度t2が高くなるほど、冷却プレート33の安定化する温度(ウェハWの冷却温度)が高くなることがわかった。
【0060】
尚、ウェハWの熱処理温度t2について、90℃から130℃までと、130℃から170℃までとは、例えば前者はレジスト液中の溶剤を乾燥させるプロセスに用いられる温度領域であり、例えば後者は露光後のウェハWの熱処理を行うプロセスに用いられる温度領域である。このため、各プロセスにおいてウェハWの熱処理温度t2を変更する際に変える必要のある冷却プレート33の温度T3と設定温度T2との温度差は、最大20℃程度であることがわかった。
【0061】
続いて既述した熱処理装置2を塗布、現像装置に適用した場合の一実施の形態について説明する。図14は、レジストパターン形成装置の平面図を示し、図15は同概略斜視図、図16は同概略側面図、図17はこのレジストパターン形成装置に設けられた搬送領域R1周辺の構造を示した斜視図である。この装置は、基板であるウェハWが例えば13枚密閉収納されたキャリア90を搬入出するためのキャリアブロックS1と、複数個例えば5個の単位ブロックB1〜B5を縦に配列して構成された処理ブロックS2と、インターフェイスブロックS3と、露光装置S4と、を備えている。
【0062】
前記キャリアブロックS1には、前記キャリア90の載置台91と、壁面に設けられる開閉部92と、開閉部92を介してキャリア90からウェハWを取り出すためのトランスファーアームCとが設けられている。
【0063】
前記キャリアブロックS1の奥側には、筐体93にて周囲を囲まれる処理ブロックS2が接続されている。処理ブロックS2は、この例では、下方側から下段側の2段が現像処理を行うための第1及び第2の単位ブロック(DEV層)B1、B2、レジスト膜の上層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うための第3の単位ブロック(TCT層)B3、レジスト液の塗布処理を行うための第4の単位ブロック(COT層)B4、レジスト膜の下層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うための第5の単位ブロック(BCT層)B5として割り当てられている。
【0064】
これら各単位ブロックB1〜B5は、ウェハWに対して薬液を塗布するための液処理ユニットと、前記液処理ユニットにて行われる処理の前処理及び後処理を行うための各種加熱・冷却系の処理ユニットと、これらの装置の加熱・冷却系の処理ユニットとの間でウェハWの受け渡しを行うための専用の搬送手段であるメインアームA1〜A5と、を備えている。尚、既述の搬送機構40はこれらメインアームA1〜A5を示している。
【0065】
各層B1〜B5は略同様の構成であるため、図14に示すCOT層B4を例にして以下に説明すると、ウェハWの搬送領域R1の両側にはウェハWにレジストの塗布処理を行うための複数個の塗布部を備えた塗布ユニット94と加熱・冷却系のユニットを多段化した4個の棚ユニットU1,U2,U3,U4とが設けられており、各棚ユニットのU1〜U4は塗布ユニット94にて行なわれる処理の前処理及び後処理を行うための各種ユニットを複数段、例えば2段に積層した構成とされている。
【0066】
上述の前処理及び後処理を行うための各種ユニットの中には、例えばレジスト液の塗布前にウェハWを所定の温度に調整するための冷却ユニット(COL)、レジスト液の塗布後にウェハWの加熱処理を行うための例えばプリベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(CHP)95、ウェハWのエッジ部のみを選択的に露光するための周縁露光装置(WEE)等が含まれている。この例では図1〜図13で説明した熱処理装置2はこの加熱ユニット95に相当する。また冷却ユニット(COL)や加熱ユニット(CHP)95等の各処理ユニットは、夫々処理容器96内に収納されており、棚ユニットU1〜U4は、前記処理容器96が2段に積層されて構成され、各処理容器96の搬送領域R1に臨む面にはウェハWを搬入出する搬送口97が形成されている。この例では加熱ユニット(CHP)95は棚ユニットU3として積層され、また棚ユニットU4に含まれている。
【0067】
A4は、独立して駆動可能な2本のアームを備えたメインアームであり進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、Y方向に移動自在に構成されている。なお図15中201,202は搬送アームであり、203は搬送基体である。204は搬送基体203を回転させる回転機構であり、205はYレール207に沿って移動自在且つ昇降レール208に沿って昇降自在に構成された台部である。また206は棚ユニットU1〜U4を支持する台部である。
【0068】
また搬送領域R1のキャリアブロックS1と隣接する領域は、第1のウェハW受け渡し領域R2となっていて、この領域R2には、図14及び図16に示すように、トランスファーアームCとメインアームA4とがアクセスできる位置に棚ユニットU5が設けられると共に、この棚ユニットU5に対してウェハWの受け渡しを行うための第1の基板受け渡し手段をなす第1の受け渡しアームD1を備えている。
【0069】
前記棚ユニットU5は、図16に示すように、各単位ブロックB1〜B5のメインアームA1〜A5との間でウェハWの受け渡しを行うように、この例では各単位ブロックB1〜B5は、1個以上例えば2個の第1の受け渡しステージTRS1〜TRS5を備えている。
【0070】
さらに搬送領域R1のインターフェイスブロックS3と隣接する領域は、第2のウェハW受け渡し領域R3となっていて、この領域R3には、図14に示すように、メインアームA4がアクセスできる位置に棚ユニットU6が設けられると共に、この棚ユニットU6に対してウェハWの受け渡しを行うための第2の基板受け渡し手段をなす第2の受け渡しアームD2を備えている。
【0071】
前記棚ユニットU6は、図16に示すように、各単位ブロックB1〜B5のメインアームA1〜A5との間でウェハWの受け渡しを行うように、第2の受け渡しステージTRS6〜TRS10を備えている。
【0072】
他の単位ブロックについて、DEV層B1、B2は同様に構成され、ウェハWに対して現像処理を行うための複数個の現像部を備えた現像ユニットが設けられ、棚ユニットU1〜U4には、露光後のウェハWを加熱処理するポストエクスポージャーベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(PEB)や、この加熱ユニット(PEB)における処理の後にウェハWを所定温度に調整するための冷却ユニット(COL)、現像処理後のウェハWを水分を飛ばすために加熱処理するポストベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(POST)を備えている以外はCOT層B4と同様に構成されている。なおDEV層B1、B2に設けられたこれらの加熱ユニットはCOT層B4に設けられた加熱ユニット95と例えば同じ構成を有し、処理温度及び処理時間のみが異なるものとする。
またTCT層B3は、レジスト液を塗布する前にウェハWに反射防止膜用の薬液を塗布するための反射防止膜形成ユニットが設けられている。
【0073】
一方、処理ブロックS2における棚ユニットU6の奥側には、インターフェイスブロックS3を介して露光装置S4が接続されている。インターフェイスブロックS3には、処理ブロックS2の棚ユニットU6と露光装置S4とに対してウェハWの受け渡しを行うためのインターフェイスアームBを備えており、第1〜第4の単位ブロックB1〜B4の第2の受け渡しステージTRS6〜TRS9に対してウェハWの受け渡しを行うように構成されている。
【0074】
ここでこのレジストパターン形成装置におけるウェハWの流れについて、レジスト膜の上下に夫々反射防止膜を形成する場合を例にして説明する。先ず外部からキャリア90がキャリアブロックS1に搬入され、トランスファーアームCにより開閉部92を介してこのキャリア90内からウェハWが取り出される。ウェハWは、トランスファーアームCから、先ず第2の単位ブロックB2の棚ユニットU5の第1の受け渡しステージTRS2に受け渡され、次いでウェハWはBCT層B5にウェハWを受け渡すために、第1の受け渡しアームD1により第1の受け渡し部TRS5を介してBCT層B5のメインアームA5に受け渡される。そしてBCT層B5では、メインアームA5により、冷却ユニット(COL)→第1の反射防止膜形成ユニット→加熱ユニット(CHP)→棚ユニットU6の第2の受け渡しステージTRS10の順序で搬送されて、第1の反射防止膜が形成される。
【0075】
続いて第2の受け渡しステージTRS10のウェハWは第2の受け渡しアームD2により、COT層B4にウェハWを受け渡すために第2の受け渡しステージTRS9に搬送され、次いで当該COT層B4のメインアームA4に受け渡される。そしてCOT層B4では、メインアームA4により、冷却ユニット(COL)→塗布ユニット94→加熱ユニット(CHP)95→第1の受け渡しステージTRS4の順序で搬送されて、第1の反射防止膜の上にレジスト膜が形成される。
【0076】
次いで受け渡しステージTRS4のウェハWは第1の受け渡しアームD1によ
り、TCT層B3にウェハWを受け渡すために第1の受け渡しステージTRS3に搬送され、当該TCT層B3のメインアームA3に受け渡される。そしてTCT層B3では、メインアームA3により、冷却ユニット(COL)→第2の反射防止膜形成ユニット→加熱ユニット(CHP)→周縁露光装置(WEE)→棚ユニットU6の第2の受け渡しステージTRS8の順序で搬送されて、レジスト膜の上に第2の反射防止膜が形成される。
【0077】
続いて第2の受け渡しステージTRS8のウェハWはインターフェイスアームBにより露光装置S4に搬送され、ここで所定の露光処理が行われる。露光処理後のウェハWは、インターフェイスアームBにより、DEV層B1(DEV層B2)に渡されるために、棚ユニットU6の第2の受け渡しステージTRS6(TRS7)に搬送され、このステージTRS6(TRS7)上のウェハWは、DEV層B1(DEV層B2)のメインアームA1(メインアームA2)に受け取られ、当該DEV層B1(B2)にて、先ず加熱ユニット(PEB)→冷却ユニット(COL)→現像ユニット→加熱ユニット(POST)の順序で搬送され、所定の現像処理が行われる。こうして現像処理が行われたウェハWは、トランスファーアームCにウェハWを受け渡すために、第1の受け渡しステージTRS1(TRS2)に搬送され、トランスファーアームCにより、キャリアブロックS1に載置されている元のキャリア90に戻される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の熱処理装置の一例を示す縦断側面図である。
【図2】前記熱処理装置の横断平面図である。
【図3】前記熱処理装置の制御部10を示した図である。
【図4】前記熱処理装置に設けられた冷却プレート33の一例を示した図である。
【図5】前記温調機構との間でウェハWを受け渡す搬送機構40の説明図である。
【図6】本発明の熱処理方法における冷却プレート33及びウェハWの温度の推移の一例を示した図である。
【図7】前記熱処理方法における冷却プレート33の温度の推移の一例を示した図である。
【図8】前記熱処理方法における冷却プレート33の動作を示す図である。
【図9】前記熱処理方法における冷却プレート33の温度の推移の一例を示した図である。
【図10】前記冷却プレート33の一例を示した図である。
【図11】前記熱処理方法における冷却プレート33の温度の推移の一例を示した図である。
【図12】前記冷却プレート33の一例を示した図である。
【図13】本発明における実験実験の結果を示す図である。
【図14】熱処置装置が適用された塗布、現像装置の平面図である。
【図15】前記塗布、現像装置を示す斜視図である。
【図16】前記塗布、現像装置を示す側部断面図である。
【図17】前記塗布、現像装置における塗布ユニットと棚ユニットと搬送手段とを示す斜視図である。
【図18】従来の熱処理装置を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
2 熱処理装置
4 熱板部
32a 温度検出部
32b 温度検出器
33 冷却プレート
35 ヒーター
53 熱板
60 ガス吐出口
t2 熱処理温度
T2 設定温度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置において、
前記冷却プレートを加熱するための加熱手段と、
前記冷却プレートの温度を検出する温度検出手段と、
連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、を揃えるために、連続処理の開始前に前記温度検出手段の温度検出値が設定温度となるように加熱手段からの受熱量を制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、の温度差が10℃以内に収まることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
【請求項3】
加熱手段は熱板部であり、制御信号は熱板部上における冷却プレートの滞在時間を調整するために駆動機構を制御する信号であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置。
【請求項4】
加熱手段は冷却プレートに設けられ、制御信号は加熱手段の発熱量を制御するための信号であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置。
【請求項5】
冷却プレートを強制冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の熱処理装置。
【請求項6】
制御部は、熱板部による基板の熱処理温度が先の基板よりも次の基板の方が低い場合に、冷却プレートから先の基板を搬出した後、次の基板を受け取るまでの間に当該冷却プレートを冷却手段により冷却するように制御信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の熱処理装置。
【請求項7】
冷却手段は、気体の吹きつけにより冷却プレートを冷却するものであることを特徴とする請求項5または6に記載の熱処理装置。
【請求項8】
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置を用いて熱処理を行う方法において、
連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、を揃えるために、連続処理の開始前に冷却プレートを加熱手段により加熱する工程を行うことを特徴とする熱処理方法。
【請求項9】
1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、の温度差が10℃以内に収まることを特徴とする請求項8に記載の熱処理方法。
【請求項10】
前記冷却プレートを加熱手段により加熱する工程は、冷却プレートを加熱手段である熱板部の上方に位置させて加熱する工程であることを特徴とする請求項8または9に記載の熱処理方法。
【請求項11】
前記冷却プレートを加熱手段により加熱する工程は、冷却プレートを当該冷却プレートに設けられた加熱手段により加熱する工程であることを特徴とする請求項8または9に記載の熱処理方法。
【請求項12】
冷却プレートを強制冷却する工程を含むことを特徴とする請求項8ないし11のいずれか一つに記載の熱処理方法。
【請求項13】
冷却プレートを強制冷却する工程は、熱板部による基板の熱処理温度が先の基板よりも次の基板の方が低い場合に、冷却プレートから先の基板を搬出した後、次の基板を受け取るまでの間に行うことを特徴とする請求項12に記載の熱処理方法。
【請求項14】
冷却プレートを強制冷却する工程は、気体の吹きつけにより冷却プレートを冷却する工程であることを特徴とする請求項12または13に記載の熱処理方法。
【請求項15】
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体において、
前記コンピュータプログラムは、請求項8ないし14のいずれか一つに記載の熱処理方法を実施するようにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。
【請求項1】
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置において、
前記冷却プレートを加熱するための加熱手段と、
前記冷却プレートの温度を検出する温度検出手段と、
連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、を揃えるために、連続処理の開始前に前記温度検出手段の温度検出値が設定温度となるように加熱手段からの受熱量を制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、の温度差が10℃以内に収まることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
【請求項3】
加熱手段は熱板部であり、制御信号は熱板部上における冷却プレートの滞在時間を調整するために駆動機構を制御する信号であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置。
【請求項4】
加熱手段は冷却プレートに設けられ、制御信号は加熱手段の発熱量を制御するための信号であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置。
【請求項5】
冷却プレートを強制冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の熱処理装置。
【請求項6】
制御部は、熱板部による基板の熱処理温度が先の基板よりも次の基板の方が低い場合に、冷却プレートから先の基板を搬出した後、次の基板を受け取るまでの間に当該冷却プレートを冷却手段により冷却するように制御信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の熱処理装置。
【請求項7】
冷却手段は、気体の吹きつけにより冷却プレートを冷却するものであることを特徴とする請求項5または6に記載の熱処理装置。
【請求項8】
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置を用いて熱処理を行う方法において、
連続処理開始後の1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、を揃えるために、連続処理の開始前に冷却プレートを加熱手段により加熱する工程を行うことを特徴とする熱処理方法。
【請求項9】
1番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、2番目の基板を熱板部から受け取る直前の冷却プレートの表面温度と、の温度差が10℃以内に収まることを特徴とする請求項8に記載の熱処理方法。
【請求項10】
前記冷却プレートを加熱手段により加熱する工程は、冷却プレートを加熱手段である熱板部の上方に位置させて加熱する工程であることを特徴とする請求項8または9に記載の熱処理方法。
【請求項11】
前記冷却プレートを加熱手段により加熱する工程は、冷却プレートを当該冷却プレートに設けられた加熱手段により加熱する工程であることを特徴とする請求項8または9に記載の熱処理方法。
【請求項12】
冷却プレートを強制冷却する工程を含むことを特徴とする請求項8ないし11のいずれか一つに記載の熱処理方法。
【請求項13】
冷却プレートを強制冷却する工程は、熱板部による基板の熱処理温度が先の基板よりも次の基板の方が低い場合に、冷却プレートから先の基板を搬出した後、次の基板を受け取るまでの間に行うことを特徴とする請求項12に記載の熱処理方法。
【請求項14】
冷却プレートを強制冷却する工程は、気体の吹きつけにより冷却プレートを冷却する工程であることを特徴とする請求項12または13に記載の熱処理方法。
【請求項15】
塗布液が塗布された基板を加熱処理する熱板部と基板を冷却する冷却プレートとが設けられ、
冷却プレートは、外部の搬送機構との間で基板の受け渡しが行われるホーム位置と、前記熱板部との間で基板の受け渡しが行われる熱板部の上方位置と、の間を駆動機構により移動する熱処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体において、
前記コンピュータプログラムは、請求項8ないし14のいずれか一つに記載の熱処理方法を実施するようにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−294753(P2007−294753A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122455(P2006−122455)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]