説明

熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物、及びこれを用いたカラーフィルター

【課題】接着強度、透明性、皮膜強度、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性が良好で、更に長期保存が可能な熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物、および前記組成物を利用して製造された、平坦性、密着性及び膜強度に優れる保護膜を含むカラーフィルターを提供する。
【解決手段】熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物は、側鎖にエポキシ環の構造を有する1種または2種の(メタ)アクリレートと末端水酸基を有する(メタ)アクリレートの共重合による自己硬化性の共重合体及び有機溶剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物に関し、更に詳細には側鎖にエポキシ環の構造を有する1種または2種の(メタ)アクリレートと末端水酸基を有する(メタ)アクリレートの共重合による自己硬化性の共重合体及び有機溶剤を含む熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物と、これを利用して製造された保護膜を含むカラーフィルターと、このカラーフィルターを含む液晶表示装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶表示装置用カラーフィルターの表面には、平坦性の良化と保護を目的とした保護膜が付与されている。このような表面保護膜は、光学的な透明性と充分な皮膜強度を示さなければならず、更に、前記保護膜上に透明伝導膜を形成する工程に耐えるのに充分な耐熱性を示さなければならない。
【0003】
一方、最近開発された垂直配向型の液晶表示装置用保護膜には、透明性、皮膜強度、耐熱性以外にも、エッチングに耐えられる耐酸性が必要であり、レジストの剥離工程に耐えられる耐アルカリ性もまた要求される。
【0004】
カラーフィルター保護膜の形成材料と形成方法に関しては、従来より広く知られている。すなわち、特許文献1にはグリシジルメタクリレートを主成分とするものが開示され、特許文献2にはポリイミドを主成分とするものが開示され、特許文献3にはメラミン樹脂とエポキシ樹脂の混合物を主成分とするものが開示されている。
【0005】
更に、エポキシ樹脂を利用し、接着強度、耐熱性、耐薬品性、耐水性などを有するカラーフィルター用保護膜組成物を調製するための信頼性の高い技術が公知されている。すなわち、特許文献4には、グリシジルメタクリレートポリマーにフェノール系の硬化剤を添加した硬化性の樹脂組成物が開示されている。更に、特許文献5には、エポキシ樹脂、硬化剤及び有機溶媒からなる透明なフィルム用樹脂組成物が開示されているが、前記硬化剤としてスチレン無水マレイン酸共重合物ポリマーとアミン類との反応物を利用している。
【0006】
一般的に、エポキシ樹脂は硬化剤との反応が速いため、使用時に主剤と硬化剤を混合する、いわゆる二液型で利用する場合が多く、一液化が難しいと知られている。すなわち、二液型は取扱いが複雑であり、工業的な生産に利用するのに不適であるという問題点がある。
【0007】
しかし、前述した従来の公知技術では、透明性、皮膜強度、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性を全て満足しながら、同時にエポキシ樹脂の一液化も可能な場合はなかった。ここに、特許文献6は、多官能カルボン酸化合物をビニルエーテルなどで保護することにより保存安定性を図る技術を開示しているが、このような保護基化は製造が複雑であるため価格に及ぼす影響を避けることができない。更に、ビニルエーテル化合物の使用は人体に有害であるため、工業的に使用することができるのかは疑問である。
【特許文献1】特開平1−134306号公報
【特許文献2】特開昭62−163016号公報
【特許文献3】特開昭63−131103号公報
【特許文献4】特開平08−050289号公報
【特許文献5】特開平08−201617号公報
【特許文献6】特開2001−091732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、接着強度、透明性、皮膜強度、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性が良好で、更に長期保存が可能な熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、前記組成物を利用して製造された、平坦性、密着性及び膜強度に優れる保護膜を含むカラーフィルターを提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、前記カラーフィルターを含む液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような目的を達成するための本発明の一態様は、側鎖にエポキシ環の構造を有する1種または2種の(メタ)アクリレートと末端水酸基を有する(メタ)アクリレートの共重合による自己硬化性の共重合体及び有機溶剤を含む熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物に関する。
【0012】
前記のような目的を達成するための本発明の他の態様は、前記組成物を利用して製造された保護膜を含むカラーフィルターに関する。
【0013】
前記のような目的を達成するための本発明の更に他の態様は、前記カラーフィルターを含む液晶表示装置に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物は、従来の熱硬化性のカラーフィルター用組成物に比べて長期間の保存が可能であり、これを利用して製造されたカラーフィルター用保護膜の平坦性、耐化学性、密着性、透過度及び膜強度もまた優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0016】
本発明による熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物は、(i)下記一般式(1)または一般式(2)で示される構成単位の1種以上と、下記一般式(3)で示される構成単位とを含む自己硬化性の共重合体;及び(ii)有機溶剤、を含む。
【0017】

式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、lは20mol%〜85mol%を表し、p は0または2〜9の整数を表し、qはpが0である場合には0であり、pが2〜9である場合には1である。
【0018】

式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、mは20mol%〜85mol%を表す。
【0019】

式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、nは5mol%〜45mol%を表し、r は2〜9の整数を表す。
【0020】
本発明の保護膜組成物を構成する自己硬化性の共重合体は、前記一般式(1)または一般式(2)で示される構成単位の1種以上と、前記一般式(3)で示される構成単位との間に熱架橋反応がなされて熱硬化性を有するようになる。
【0021】
一方、前記自己硬化性の共重合体の構成単位中、前記一般式(1)で示される構成単位の割合(式中、lは20mol%〜85mol%)と前記一般式(2)で示される構成単位の割合(式中、m は20mol%〜85mol%)の合計、すなわちl+m は、20mol%〜85mol%の範囲が好ましい。その理由としては、l+mの割合が低すぎたり、高すぎる場合には本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物の特徴である熱硬化性を示さず、耐熱性及び耐酸性、耐アルカリ性などの耐薬品性も低下するためである。
【0022】
前記自己硬化性の共重合体は、ランダム共重合体、架橋共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体など、任意の形態であってもよい。
【0023】
本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物は、前記自己硬化性の共重合体を構成する構成単位として、更に、下記一般式(4)で示される構成単位を含むことができる。

【0024】
式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、sは10mol%〜30mol%を表し、Rはそれぞれ独立して下記一般式(5)で示される化合物から選択される1種である。

式中、tは4〜12の整数を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。
【0025】
前記自己硬化性の共重合体が、更に前記一般式(4)で示される構成単位を含むことにより、透明性と有機溶剤の可溶性を向上させることができる。
【0026】
一方、前記一般式(4)で示される構成単位の成分比sは、接着強度、透明性、皮膜強度、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性、及び長期保存の可能性を損なわない範囲において10mol%〜30mol%の範囲であることが好ましい。
【0027】
更に、前記自己硬化性の共重合体は、前記一般式(1)または(2)で示される構成単位の1種以上、前記一般式(3)で示される構成単位、及び前記一般式(4)で示される構成単位以外に、本発明の保護膜組成物に必要な物性を損なわない範囲内で更に他の共重合成分を含むことができる。
【0028】
本発明の自己硬化性の共重合体に追加可能な共重合成分の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの不飽和の有機酸及びそれらの無水物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミドなどのアクリルアミド類、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレンなどのスチレン類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアミド、N−ビニルイミダゾールなどを挙げることができる。
【0029】
追加で使用される共重合体の成分は、本発明の保護膜組成物を構成する自己硬化性の共重合体の接着性と、本発明の保護膜組成物を利用して製造された保護膜の物性とを低下させないため、15mol%未満であることが好ましい。
【0030】
一方、前記自己硬化性の共重合体の分子量は、特に限定されるものではないが、重量平均分子量で3,000〜1,000,000の範囲が好ましい。その理由としては、分子量が低すぎれば充分な硬化性を得ることができず、分子量が高すぎれば溶剤の可溶性が低下したり、塗布性が低下したりするためである。
【0031】
本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物の必須成分である有機溶剤は、特に限定されるものではないが、前記共重合体を溶解することができるものが好ましい。使用可能な有機溶剤の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのエチレングリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類、プロピレングリコールなどのプロピレングリコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのプロピレングリコールエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールエーテルアセテート類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ(solvent naphtha)などの石油類、酢酸エチル、酢酸ブチル、オレイン酸エチルなどのエステル類、及びそれらの混合物からなる群から選択された1種以上を挙げることができる。
【0032】
一方、前記自己硬化性の共重合体は、従来公知されている方法を利用して特別な制限なしに合成することができ、本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物を構成する有機溶剤のような有機溶剤中で、ラジカル重合開始剤を使用して合成することが好ましい。
【0033】
すなわち、前記自己硬化性の共重合体の調製に使用する有機溶剤において、特に限定はないが、好ましくは前述した本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物の必須成分として使用される有機溶剤のような有機溶剤を使用する。一方、重合に使用される有機溶剤の量は、有機溶剤と自己硬化性の共重合体の溶液中で、自己硬化性の共重合体の濃度が5〜50重量%になるように調節することが好ましい。更に好ましくは10〜30重量%である。前記溶液中で、自己硬化性の共重合体の濃度が5重量%未満である場合には、重合速度が遅いため反応せずに残るモノマーが問題となり、50重量%を超える場合には、粘度が高すぎて取扱いが難しく、反応速度の調節もまた困難になるなどの問題がある。
【0034】
前記自己硬化性の共重合体の重合に使用する重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤、レドックス系開始剤など、公知のものを使用することができるが、取扱いの容易性、反応速度と分子量の調節を容易にするという側面で過酸化物系、アゾ系などのラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
【0035】
本発明に使用可能な過酸化物系の重合開始剤の例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、イソブチルパーオキサイド、過酸化ラウロイル、琥珀酸パーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、オクタノイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカルボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカルボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカルボネート、ビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、(α,α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、パーオキシネオデカン酸クミルエステル、パーオキシネオデカン酸オクチルエステル、パーオキシネオデカン酸ヘキシルエステル、パーオキシネオデカン酸−tert−ブチルエステル、パーオキシピバリン酸−tert−ヘキシルエステル、パーオキシピバリン酸−tert−ブチルエステル、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、パーオキシ−2−エチルヘキサン酸−tert−ヘキシルエステル、パーオキシ−2−エチルヘキサン酸−tert−ブチルエステル、パーオキシ−2−エチルヘキサン酸−tert−ブチルエステル、パーオキシ−3−メチルプロピオン酸−tert−ブチルエステル、パーオキシラウリン酸−tert−ブチルエステル、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカルボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、過酢酸−tert−ブチルエステル、過安息香酸−tert−ヘキシルエステル、過安息香酸−tert−ブチルエステルなどを挙げることができる。更に、前述した過酸化物系の重合開始剤に還元剤を添加してレドックス系開始剤として使用してもよい。
【0036】
本発明に使用可能なアゾ系の重合開始剤の例としては、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノ−プロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(1,1−ビス(2−ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロピオンアミド)二水塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ−吉草酸、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチルエステル(ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート))(和光純薬工業(株)製;V−601)、シアノ−2−プロピルアゾホルムアミドなどを挙げることができる。
【0037】
更に、前述した過酸化物系の重合開始剤、アゾ系の重合開始剤以外に、前記自己硬化性の共重合体の重合段階において好ましい分子量の範囲を達成するため、連鎖移動剤、連鎖禁止剤、重合促進剤などの公知の分子量調節剤を添加してもよい。その例として、メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸エステル、チオグリコール、チオグリセリン、ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマーなどを挙げることができる。
【0038】
一方、重合後、構成成分の溶解性の補助、レベリング性及び乾燥速度の調整などの目的で、前記重合に使用される有機溶剤以外に、他の溶剤を添加することもできる。
【0039】
更に、合成された共重合体は、精製、保存、溶剤の変更などの目的で、固体として抽出することができ、これを用いて熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物を構成することもできる。抽出方法に制限はないが、スプレー乾燥、フィルム乾燥、貧溶媒への滴下、再沈などを挙げることができる。
【0040】
更に、本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物の耐エッチング性、耐アルカリ性などを向上させたり、流動性を調整したりするため、前記自己硬化性の共重合体以外に、更に他の重合体を添加することができる。添加するポリマーに特に制限はないが、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、置換式エポキシなどのエポキシ樹脂類、ポリ(メタ)アクリレート、ナイロン、ポリエステル、ポリイミド、シリコンポリマーなどを挙げることができる。添加するポリマーの量は、前記自己硬化性の共重合体100重量部に対して50重量部以下であることが好ましい。
【0041】
更に、本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物には、熱硬化反応の触媒としてアミン化合物、リン化合物、ホウ素化合物、アンチモン化合物、カルボン酸化合物、有機スルホン酸化合物などを添加することができる。熱硬化反応触媒の添加量は、保存安定性の観点で自己硬化性のポリマー100重量部に対して10重量部以下が好ましい。
【0042】
さらに、本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物には、その他の成分として酸化防止剤、赤外線安定剤、可塑剤、レベリング剤、カップリング剤、フィラーなど、従来公知されているものを必要に応じて配合することができる。
【0043】
一方、カラーフィルター用保護膜の製造のため、本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物をスクリーン印刷、カーテンコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング(dip coating)、フローコーティング(flow coating)、ロールコーティング(roll coating)、スリットコーティング(slit coating)などの方法で基板上に塗布する。塗布膜の厚さは、乾燥後0.5〜5.0μmの範囲、好ましくは0.7〜2.5μmの範囲である。膜厚さが0.5μm未満と薄すぎれば段差部に対して充分な平坦化の性能を得ることができず、膜厚さが5.0μm超過と厚すぎれば透過率の低下をもたらすだけではなく、乾燥及び硬化に時間がかかり、生産性が低下するようになる。
【0044】
本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物が塗布された基板は、乾燥-熱硬化工程により溶剤が揮発され、架橋反応により硬化して強固な膜を形成する。乾燥工程と熱硬化工程は同時に、または個別的に行うことができるが、非常に急激に加熱する場合、発泡や亀裂などが生じ得るため、乾燥工程と熱硬化工程を個別的に行うことが好ましい。
【0045】
乾燥工程に使用される装置は特に限定されるものではないが、温風乾燥機、遠赤外線乾燥機、ホットプレートなど、任意のものを使用することができる。乾燥温度は50〜150℃の範囲が好ましく、乾燥時間は乾燥機の容量、風速、温度及び膜厚さに応じて変わるが、1〜10分の範囲が好ましい。
【0046】
熱硬化工程に使用される装置は特に限定されるものではないが、温風オーブン、遠赤外線オーブン、ホットプレートなど、任意のものを使用することができる。熱処理温度は150〜250℃の範囲が好ましく、熱処理温度が150℃未満である場合には硬化反応が充分進行しない問題点があり、熱処理温度が250℃を超過する場合には高分子化合物の解重合反応や炭化反応が生じ、得られた膜の性能が低下する問題点がある。
【0047】
一方、前述した方法により製造された保護膜を含むカラーフィルターは、液晶表示装置に使用することができる。
【0048】
以下、実施例及び比較例を通して本発明を更に詳細に説明するが、下記の実施例は説明のためのもので、本発明を限定するためのものではない。
【0049】
<合成例1>
還流冷却器と攪拌機を備えた500mlフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート297gを仕込んだ後、攪拌しながら反応温度を80℃まで上昇させた。反応温度を80℃に維持し、攪拌しながら前記フラスコの内部に2−ヒドロキシエチルアクリレート56g、メタクリル酸グリシジル78g、及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製;V−601)6.8gの混合物を1〜1.5時間滴下、投入した。前記混合物を全て滴下した後、反応温度を80℃に維持し、攪拌しながら4〜5時間反応させて透明な高分子溶液(A)を得た。この溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(Gel Permission Chromatography:以下、「GPC」という。)法で測定した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は32,000であった。
【0050】
<合成例2>
還流冷却器と攪拌機を備えた500mlフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート290gを仕込んだ後、攪拌しながら反応温度を80℃まで上昇させた。反応温度を80℃に維持し、攪拌しながら前記フラスコの内部に2−ヒドロキシエチルメタクリレート14g、メタクリル酸グリシジル34g、ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成工業(株)製;FA−513M)78g、及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製;V−601)6.8g の混合物を1〜1.5時間滴下、投入した。前記混合物を全て滴下した後、反応温度を80℃に維持し、攪拌しながら4〜5時間反応させて透明な高分子溶液(B)を得た。この溶液をGPC法で測定した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は32000であった。
【0051】
<合成例3>
還流冷却器と攪拌機を備えた500mlフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート290gを仕込んだ後、攪拌しながら反応温度を80℃まで上昇させた。反応温度を80℃に維持し、攪拌しながら前記フラスコの内部に2−ヒドロキシエチルメタクリレート28g、メタクリル酸グリシジル18g、ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成工業(株)製;FA−513M)78g、及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製;V−601)6.8g の混合物を1〜1.5時間滴下、投入した。前記混合物を全て滴下した後、反応温度を80℃に維持し、攪拌しながら4〜5時間反応させて透明な高分子溶液(C)を得た。この溶液をGPC法で測定した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は32000であった。
【0052】
<合成例4>
還流冷却器と攪拌機を備えた500mlフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート290gを仕込んだ後、攪拌しながら反応温度を80℃まで上昇させた。反応温度を80℃に維持し、攪拌しながら前記フラスコの内部に2−ヒドロキシエチルメタクリレート28g、メタクリル酸グリシジル18g、スチレン60g、及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製;V−601)6.8gの混合物を1〜1.5時間滴下、投入した。前記混合物を全て滴下した後、反応温度を80℃に維持し、攪拌しながら4〜5時間反応させて透明な高分子溶液(D)を得た。この溶液をGPC法で測定した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は21000であった。
【0053】
<比較合成例1>
還流冷却器と攪拌機を備えた500mlフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート390.0gを仕込んだ後、攪拌しながら反応温度を80℃まで上昇させた。反応温度を80℃に維持し、攪拌しながら前記フラスコの内部にメタクリル酸グリシジル79g、ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成工業(株)製;FA−513M)30g、スチレン12g、及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製;V−601)8.5gの混合物を1〜1.5時間滴下、投入した。前記混合物を全て滴下した後、反応温度を80℃に維持し、攪拌しながら3時間反応させて透明な高分子溶液(E)を得た。この溶液をGPC法で測定した結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は17000であった。
【0054】
<製造例1>
前記合成例1で得られた高分子溶液(A)40gに、エポキシ樹脂(JER製;EP−154)3.5g、シランカップリング剤(Chisso社製;S−510)1.4g、界面活性剤(住友3M社製;frorard FC−430)0.12g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート31gを添加し、充分攪拌、溶解させた後、ろ過して目的とする熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(F)を得た。
【0055】
<製造例2>
高分子溶液(A)の代わりに、前記合成例2で得られた高分子溶液(B)40gを使用した以外は、前記製造例1と同様な方法で実施して目的とする熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(G)を得た。
【0056】
<製造例3>
高分子溶液(A)の代わりに、前記合成例3で得られた高分子溶液(C)40gを使用した以外は、前記製造例1と同様な方法で実施して目的とする熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(H)を得た。
【0057】
<製造例4>
高分子溶液(A)の代わりに、前記合成例4で得られた高分子溶液(D)40gを使用した以外は、前記製造例1と同様な方法で実施して目的とする熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(I)を得た。
【0058】
<比較製造例1>
前記比較合成例1で得られた高分子溶液(E)40gに、エポキシ樹脂(JER製;EP−154)3.5g、シランカップリング剤(Chisso社製;S−510)1.4g、トリメリット酸無水物(Trimellitic Anhydride)(Aldrich社)3.1g、界面活性剤(住友3M社製;frorard FC−430)0.12g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート31gを添加し、充分攪拌、溶解させた後、ろ過して目的とする熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(J)を得た。
【0059】
<実施例1>
前記製造例1で製造された熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(F)を、スピンコーターを利用してガラス基板(コーニング社製;1737番、板厚さ0.7mm)及びRGBパターンのあるダミー(dummy)カラーフィルターにそれぞれ塗布し、温度80℃の乾燥機中で3分間乾燥した後、更に220℃の温度で50分間硬化させて膜厚さ1.5μmの透明な保護膜及びカラーフィルターを得た。
【0060】
<実施例2>
熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(F)の代わりに、前記製造例2で製造された熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(G)を使用した以外は、実施例1と同様な方法により膜厚さ1.5μmの透明な保護膜及びカラーフィルターを得た。
【0061】
<実施例3>
熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(F)の代わりに、前記製造例3で製造された熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(H)を使用した以外は、実施例1と同様な方法により膜厚さ1.5μmの透明な保護膜及びカラーフィルターを得た。
【0062】
<実施例4>
熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(F)の代わりに、前記製造例4で製造された熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(I)を使用した以外は、実施例1と同様な方法により膜厚さ1.5μmの透明な保護膜及びカラーフィルターを得た。
【0063】
<比較例1>
熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(F)の代わりに、前記比較製造例1で製造された熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物(J)を使用した以外は、実施例1と同様な方法により膜厚さ1.5μmの透明な保護膜及びカラーフィルターを得た。
【0064】
==物性評価==
前記実施例1〜4及び比較例1を通して得られたガラス基板及びカラーフィルターに対して、下記に記載された方法により平坦性、密着性及び膜強度を評価し、前記製造例1〜4及び比較製造例1を通して得られた熱硬化性組成物に対する保管安定性を評価し、その結果を表1に記載した。
【0065】
1)平坦性の評価
平坦性の評価のため、ダミー(dummy)カラーフィルターの赤画素と緑画素の中心部分の高さの差(画素間の段差)を求めた。その後、前記実施例1〜4及び比較例1の 保護膜が塗布されたカラーフィルターの赤画素と緑画素の中心部分の高さの差を求めた。下記式(1)により、保護膜塗布前の画素間の段差(d1)と保護膜塗布後の画素間の段差(d2)の割合Rを求め、下記の基準に従って本発明により製造された保護膜組成物の平坦性を1〜5の5段階で評価した。
R=d/d ……(1)
前記式で求められたRがR>0.4であるとき1、0.4≧R≧0.3であるとき2、0.3>R≧0.2であるとき3、0.2>R≧0.1であるとき4、R<0.1であるとき5とした。但し、1は平坦化の性能が低いことを表し、5は平坦化の性能が高いことを表す。
【0066】
2)密着性及び耐化学性の試験
前記実施例1〜4及び比較例1により得られたカラーフィルター保護膜上に、碁盤目の形状で100個のクロスカット(cross−cut)を入れ、セロハンテープを利用してピール試験(クロスカット試験)を行った後、残っている基盤目の個数を数えて得られたカラーフィルター保護膜の密着性を評価した。
【0067】
更に、得られたカラーフィルター保護膜を40℃のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、10%水酸化カリウム水溶液及びエッチャント(エッチング液ともいう)(CYANTEX CORPORATIONのLCE−12K)のそれぞれに30分間沈積した後、更に前述した密着性の試験方法と同様な方法でピール試験を実施し、残っている基盤目の個数が100である場合には合格とし、基盤目の個数が100未満である場合には不合格とすることにより、それぞれの溶液に対する耐化学性を評価した。
【0068】
3)膜強度の評価
前記実施例1〜4及び比較例1で製造された透明な保護膜をStaedtler社製作の鉛筆6種(1H〜6H)で引っ掻きし、基板の損傷程度に応じて膜強度を1Hから6Hまで評価した。
【0069】
4)保管安定性の評価
前記製造例1〜4及び比較製造例1で得られた熱硬化性組成物の粘度を最初に測定し、これらのそれぞれを10mlバイアル瓶に盛り、40℃のインキュベーターに保管しながら毎3日ごとに粘度を測定した。12日後、総5回の粘度測定の結果、粘度増加量が10%を超える区画の番号をそれぞれ0、3、6、9、12の数字で表示した。但し、3以下は不良として表示した。
【0070】

【0071】
前記表1から明らかのように、本発明の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物により製造されたカラーフィルター用保護膜の平坦性、密着性、耐化学性、透過度及び膜強度が優れていることが分かる。さらに、本発明により製造された組成物の保管安定性は、従来の熱硬化性のカラーフィルター用組成物に比べて長期間持続されることが分かる。
【0072】
これまで記述してきたように、本発明は、熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物を提供するものである。本発明に係る熱硬化性一液型のカラーフィルター用保護膜組成物は、従来のカラーフィルター用の熱硬化型組成物よりも長い期間にわたり保管することができる。さらに、本発明に係る熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物を用いて製造したカラーフィルター用保護膜は、優れた平坦性、耐化学性、密着性、透過度、および膜強度をもっている。
【0073】
なお詳しい説明の目的のため本発明の最良の実施形態が開示されたが、当業者にとって、特許請求の範囲に記述した本発明の範囲および趣旨を離れることなく容易に様々な改変、追加および置換ができることは、明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)下記一般式(1)または一般式(2)で示される構成単位の1種以上と、下記一般式(3)で示される構成単位とを含む自己硬化性の共重合体と、
(ii)有機溶剤、
を含む、熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物。

式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、lは20mol%〜85mol%を表し、pは0または2〜9の整数を表し、qはpが0である場合には0であり、pが2〜9である場合には1である。

式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、mは20mol%〜85mol%を表す。

式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、nは5mol%〜45mol%を表し、r は2〜9の整数を表す。
【請求項2】
前記自己硬化性の共重合体が、更に下記一般式(4)で示される構成単位を含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物。

式中、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、sは10mol%〜30mol%を表し、Rはそれぞれ独立して下記一般式(5)で示される化合物から選択される1種である。

式中、tは4〜12の整数を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。
【請求項3】
前記l+mが20mol%〜85mol%の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物。
【請求項4】
前記自己硬化性の共重合体の重量平均分子量が3000〜1000000の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物。
【請求項5】
前記熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物が、更にビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、置換式エポキシを含むエポキシ樹脂類、ポリ(メタ)アクリレート、ナイロン、ポリエステル、ポリイミド、及びシリコンポリマーを含む重合体から選択される1種以上の重合体を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物。
【請求項6】
前記自己硬化性の共重合体の構成単位として、更に(メタ)アクリル酸、マレイン酸を含む不飽和の有機酸及びそれらの無水物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを含む(メタ)アクリレート、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミドを含むアクリルアミド類、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレンを含むスチレン類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアミド及びN−ビニルイミダゾールからなる群から選択された1種以上を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物。
【請求項7】
前記有機溶剤が、エチレングリコール、ジエチレングリコールを含むエチレングリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルを含むグリコールエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを含むグリコールエーテルアセテート類、プロピレングリコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルを含むプロピレングリコールエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを含むプロピレングリコールエーテルアセテート類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドを含むアミド類、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノンを含むケトン類、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ(solvent naphtha)を含む石油類、酢酸エチル、酢酸ブチル、オレイン酸エチルを含むエステル類、及びそれらの混合物からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物。
【請求項8】
請求項1または2に記載の熱硬化性の一液型カラーフィルター用保護膜組成物を利用して製造された保護膜を含むカラーフィルター。
【請求項9】
請求項8に記載のカラーフィルターを含む液晶表示装置。


【公開番号】特開2006−113547(P2006−113547A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221146(P2005−221146)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(505122313)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】Cheil Industries Inc.
【Fターム(参考)】