説明

燃焼器,燃焼器の燃料供給方法及び燃焼器の燃料ノズル改造方法

【課題】
本発明の目的は、燃料流量によらず燃料と空気の更なる混合促進を図ることである。
【解決手段】
本発明は、ガス燃料が噴出する燃料ノズルと、該燃料ノズルからの燃料と空気が燃焼室に噴出する空気ノズルを設けた空気ノズルプレートとを備え、前記燃料ノズルから噴出された燃料噴流を衝突させるとともに、前記空気ノズルに流入する空気流の乱れを生じさせる障害物を、前記空気ノズル内部に設けたことを特徴とする。
【効果】
本発明によれば、燃料流量によらず燃料と空気の更なる混合促進を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼器,燃焼器の燃料供給方法及び燃焼器の燃料ノズル改造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービン燃焼器には、拡散燃焼方式,予混合燃焼方式がある。拡散燃焼方式は、起動から定格負荷条件までのターンダウン比が大きく、広範囲の燃焼安定性を確保するため、燃焼室に燃料を直接噴射する。一方、予混合燃焼方式は、窒素酸化物(NOx)を低減するための燃焼方式である。しかし、予混合燃焼方式は、予混合器内に火炎が入り込んで構造物を焼損する逆火現象が発生するという課題があった。
【0003】
この課題に対して、燃焼室の上流側に燃料ノズルと空気ノズルプレートを配置し、燃料と空気を同軸流として燃焼室に供給する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−148734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
環境に対する規制や社会的要求が日増しに強くなっており、特許文献1の構造を用いる燃焼器においても、さらなる低NOx化が課題であった。
【0006】
また、特許文献1の燃焼器構造では、運動量を持った燃料噴流が空気ノズル内部に噴出される。そのため、特に燃料流量の多い条件では、燃料ノズル出口に形成される空気流の乱れ領域を貫通してしまい、燃料と空気の混合が不十分となる課題があった。
【0007】
本発明の目的は、燃料流量によらず燃料と空気の更なる混合促進を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ガス燃料が噴出する燃料ノズルと、該燃料ノズルからの燃料と空気が燃焼室に噴出する空気ノズルを設けた空気ノズルプレートとを備え、前記燃料ノズルから噴出された燃料噴流を衝突させるとともに、前記空気ノズルに流入する空気流の乱れを生じさせる障害物を、前記空気ノズル内部に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、燃料流量によらず燃料と空気の更なる混合促進を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明について、以下の実施例で説明する。
【実施例1】
【0011】
図31は、本実施例によるガスタービン燃焼器の全体断面図を示す。圧縮機5で圧縮された空気10は、デフューザ7を通って燃焼器100に流入し、外筒2と燃焼器ライナ3の間を通過する。その空気10の一部は、燃焼器ライナ3の冷却空気11として燃焼室1に流入する。また、その空気10の残りは空気流12として空気ノズル21を通り燃焼室1に流入する。燃焼室1と燃料ノズル22との間には、空気ノズル21を設けた空気ノズルプレート20が配置されている。
【0012】
燃料供給系統15および燃料供給系統16は、制御弁14aを備えた燃料供給系統14から分割されている。また、燃料供給系統15は制御弁15a、燃料供給系統16は制御弁16aを備えており、個別に制御を行うことができる。また、それぞれの制御弁の下流には、遮断弁15b,16bが備えられている。
【0013】
図に示すように、本実施例の燃焼器は複数本の燃料ノズル22を備える。燃料ノズル22は、複数個の燃料ノズルに燃料を分配する燃料ヘッダー23に接続されている。燃料ヘッダー23の内部は複数の部屋に分かれており、燃料ノズルを群分けしている。燃料供給系統15,16から供給される燃料は、燃料ヘッダー23の部屋に流入し、それぞれの燃料ノズル群に供給される。各燃料供給系統は制御弁を備えているため、複数本ある燃料ノズル22のうちの一部を一纏めにして制御することが可能である。燃料ノズル22から噴出された燃料は空気流12とともに同軸流として燃焼室1に流入し、均質で安定な火炎を形成する。発生した高温燃焼ガスはタービン6に入り仕事をして排気される。
【0014】
図1から図4に、燃料ノズル22と空気ノズル21の詳細を示す。図2は軸方向下流の燃焼室1から上流方向を見た図である。図1は図2中のA−A断面、図3はB−B断面、図4はC−C断面である。
【0015】
図1において、燃料ノズル22の燃料噴孔から噴出した燃料噴流29は、燃料ノズル22の軸方向に流れる。また、空気ノズルプレート20の上流側における空気流12は、燃料ノズル22の外周側に沿って空気ノズル21に流入する。空気ノズル21は、空気ノズルプレート20に設けられた円柱形状の中空部によって構成される。空気ノズル21という非常に狭い空間に流入した空気流12は、燃料噴流29の外周側に、環状の層を形成する。このように、燃料ノズル22から噴出する燃料噴流29の外周側を環状の空気流12が包み込みながら、燃料と空気が空気ノズル21の内部を流れるように、燃料ノズル22及び空気ノズル21が配置される。
【0016】
また、燃料ノズル22の燃料噴孔よりも燃料ノズル軸方向下流側であり、空気ノズル内部には障害物24が配置されている。そのため、燃料噴流29は障害物24に衝突し、燃料ノズル22の中心軸に対して垂直方向に分散する。即ち、円板形状の障害物24に衝突した燃料噴流29は、円板平面の半径方向に分散する。本実施例において、「軸方向」は燃料ノズル22の中心軸に沿った方向であり、「半径方向」は障害物の円板平面に対する半径方向とする。
【0017】
また、障害物24は空気流12の流れも阻害しており、障害物縁の下流領域44では非常に大きな速度差が発生する。その速度差に起因して、障害物24は空気流12の流れに強い乱れ26を発生させる。
【0018】
この時、燃料噴流29が半径方向外側に広く分散するため、半径方向の速度成分は小さくなり、障害物24の縁から半径方向外側には大きく広がらないと考えられる。そのため、燃料噴流29は乱れが発生する領域44に容易に取り込まれ、空気との混合が行われる。
【0019】
ここで、図29を用いて比較例を説明する。比較例は、燃料ノズル下流側に障害物を設けず、燃料ノズル先端にリブを設けた場合を示す。比較例においても、燃料ノズル先端のリブにより、燃料ノズル先端より下流側に空気流の乱れ26を発生させることはできる。しかし、燃料噴流29は運動量を有し空気流の乱れ26に対抗するため、燃料と空気の混合は限定的となる。特に部分負荷条件で局所的に燃空比が高くなる場合や、水素又は一酸化炭素を多く含み体積あたりのカロリーが低い燃料を使用する場合、乱れ26の発生領域を燃料噴流が貫通し、燃料と空気の混合が不十分となる。
【0020】
従って本実施例は、燃料噴流29を一度障害物に衝突させることで、燃料流量にかかわらず、燃料噴流29が持っている運動量を大きく減衰させることができる。また、空気ノズル内部に、空気ノズルに流入する空気流の乱れを生じさせる障害物を設けることにより、燃料と空気の混合を図ることが可能である。そして、障害物の下流側に生じる空気流の乱れ26へ、運動量が減衰した燃料を効率的に送りこみ、燃料と空気の混合を更に促進させることが可能である。
【0021】
このように、比較例と比べ、速度差の大きい空気流の乱れ26に燃料を供給することができるため、より一層の混合促進効果が得られる。また、障害物代表長さ32は、燃料噴流を受け止めるだけの大きさ、つまり燃料噴孔径31よりも同等以上の大きさにすることが効果的である。なお、燃料噴孔径31は、燃料ノズル22において燃料が流れる中空部の断面積を示す。
【0022】
本実施例は、メタンを主成分とする天然ガス以外にも、製鉄所などから鉄鋼の精製過程で発生するCOG(Coke Oven Gas)や石炭ガス化ガスなどのように、水素や一酸化炭素を多く含むガス燃料に適用可能である。これらの燃料を使用する場合は、比較例に対する混合促進効果はより大きくなる。本実施例では、この他にも燃料中に窒素や二酸化炭素を多量に含み、体積あたりのカロリーの低い燃料でも有効である。
【0023】
このように、本実施例ではガス燃料を使用する。ガス燃料は、液体燃料に比べ、粘度・密度が低いため慣性力が小さい。そのため、障害物にぶつかったガス燃料は空気ノズル21の内壁にぶつかることなく、障害物の下流側へ流れる。即ち、障害物にぶつかったガス燃料は空気ノズル21の内壁にぶつからず下流側へ流れるため、ガス燃料が流れる領域は障害物の外縁に沿った非常に狭い部分となる。
【0024】
そして、障害物が空気ノズル内部に配置されているため、障害物の外縁に沿った下流側に空気流の乱れが発生する。本実施例では、空気流の乱れ26とガス燃料が流れる領域、それぞれの大きさがほぼ等しくなるため、効率的にガス燃料と空気の混合を促進することが可能である。
【0025】
図1に示すように、燃料ノズル22の先端も空気ノズル21の内部にある場合、障害物代表長さ32を燃料ノズル先端部における外径33より大きくし、燃料ノズル周囲を流れる空気流12が障害物に直接ぶつかるようにすることが効果的である。この障害物代表長さ32は、障害物が円形状の場合、障害物の直径を表す。また、障害物が正方形の場合、障害物代表長さ32は一辺の長さを示す。障害物代表長さ32を燃料ノズル先端部における外径33より大きくすることで、障害物24の下流側により強い乱れ26を発生させることが可能である。なお、燃料ノズル先端部の外径33は、燃料が流れる中空部の断面積に加え、燃料ノズル配管の肉厚部における断面積も加えた外径を示す。
【0026】
一方で、図19に示すように、燃料ノズル22の先端が空気ノズル21の外部にある場合、燃料ノズル先端部の外径33と比べ、障害物代表長さ32が小さくても良い。燃料ノズル22の先端が空気ノズル21の入口面積を狭めないため、空気流12が障害物24に直接ぶつかり、障害物24の下流に強い乱れ26を発生させることができる。
【0027】
図2,図3に示すように、障害物24を支持するとともに、空気ノズル21と障害物24をつなぐため、支持部材25が設けられている。本実施例の障害物24の形状は円形平板であり、障害物24の下流に乱れ26が環状に広く分布し、燃料と空気を均一に混合させることができる。
【0028】
図4に示すように支持部材25の断面は矩形である。そして、支持部材自体も乱流発生体となって、乱れ26を発生させ、空気と燃料の混合を補助する。ただし、圧力損失増加の要因となるため、強度に問題ない程度の太さに抑えることが望ましい。
【0029】
図5から図7に本実施例の製作例を示す。図5に示すように空気ノズルプレート20は、2つに分割された20−1と20−2を張り合わせて製作する。また、図6に示すように、障害物24と支持部材25は一体部品として作成する。図7に示すように、空気ノズルプレート20−1は溝27を設け、溝27に支持部材25をはめ込めるようにする。このような構成とすることで、障害物24を空気ノズル中心に正確に配置することができ、障害物24の面を流れに対し垂直に相対させることができる。本製作方法では空気ノズルと障害物の位置関係を正確に管理しやすいため、各空気ノズルへの空気流入量を一定にすることができる。そのため、燃焼室1の内部における燃空比に空間的なばらつきが生じることを抑制し、NOxを低下させることが可能である。また、図6のように障害物24と支持部材25の一体部品をプレス加工により大量生産することで、コストを低減することが可能である。
【0030】
図8,図9に他の製作例を示す。本製作例では、前述の製作例と同様に障害物24と支持部材25は一体部品とする。但し、空気ノズルプレート20を1枚の板で構成するため、空気ノズルプレート20に対して、上流側から溝27を深く掘り込む。そして、図8のように障害物24と支持部材25の一体部品は、溝27に挿入し固定する。本製作例では、空気ノズルプレートを分割する必要がないという効果を有する。
【0031】
図10は支持部材25の断面形状のバリエーションを示す。図10(a)は断面形状が三角形となっており、頂点が上流側を向くように配置する。三角形の支持部材は矩形の支持部材同様に支持部材下流に剥離流45が発生し、空気流に乱れを誘発する。矩形に比べて上流側の流れがスムーズとなるため、圧力損失を若干低減できる。
【0032】
図10(b)の支持部材25の断面は、ひし形である。矩形形状や三角形状に比べて、下流にできる剥離流45が小さくなり、圧力損失を低減できるため、ノズル全体における圧力損失を低減できる。
【0033】
図10(c)の支持部材25の断面は円形であり、下流にできる剥離流45が最も小さく、圧力損失を大きく抑制することができる。
【0034】
図11には障害物24の支持方法のバリエーションを示す。これまでに説明してきた支持方法は2点で支持を行っていたが、本バリエーションでは3点で支持を行う。そして、図11(b)に示すように、障害物24と支持部材25を一体部品とする。図11(b)の支持部材は3点支持されるため、図5から図9で示した制作方法で空気ノズル21に取り付ける場合、障害物24の平面を燃料ノズル軸方向に対して垂直に配置することが容易である。
【0035】
図12にも同様に障害物24の支持方法のバリエーションを示す。本バリエーションではさらに支持点数が増加し、4点で支持している。3点支持の場合と同様に、障害物24の平面を燃料ノズル軸方向に対して垂直に配置することが容易であり、強度も増加する。
【0036】
図13は、障害物形状のバリエーションを示す。本バリエーションでは障害物24は三角形状である。本形状では、障害物24の下流に生じる剥離流による乱れの発生とともに、角部54が空気の通過する領域に突起しているため、障害物24の角部54から下流に向けて縦渦41が発生する。この縦渦41は、さらなる乱れを発生させ、燃料と空気の混合を促進することができる。ただし、縦渦は一般的に寿命が長く減衰しにくいという特性を有する。そのため、火炎面から遠い位置に配置された空気ノズルに、三角形状の障害物24を適用することが望ましい。
【0037】
図14(a)は、図13と同様に障害物の形状のバリエーションを示したものである。本バリエーションの障害物24は四角形となっており、図13のバリエーションに比べて角部54が多いため、縦渦の発生位置を多くすることができる。また、角部54の角度が小さいため発生する縦渦は弱くなることが考えられる。そのため、空気ノズルを出るまでに縦渦を減衰させることができれば、空気ノズル内に満遍なく乱れを発生させることができる。
【0038】
また、角部の多い多角形や星形など空気の通過する流路に対し突起物を有する形状でも同様な効果が得られる。例えば図14(b)にあげるような障害物24の形状が考えられる。
【0039】
以上説明したような燃料ノズル,空気ノズル、および障害物を1つの組合せとし、これらを複数備えたガスタービン燃焼器では、非常に短い距離で燃料と空気を混合させ、なおかつ燃焼室1に燃料と空気を満遍なく均質に供給することができる。そのため、NOxの排出量が非常に少ない燃焼を実現することができる。また、燃料流量の多少によって燃料と空気の混合状態が大きく左右されず、安定した混合性能を有している。従って、燃空比の高いとき、又はカロリーの低い燃料を使用したときに燃料流量が増加しても、混合特性の悪化を抑制できる。また、燃空比の高いとき、又はカロリーの低い燃料を使用したときは、燃料の噴出速度が速くなり、燃料が障害物に衝突した際に広範囲に分散する。そのため、空気流との境界面積が確保されると共に混合が十分に行われ、NOx排出量を低減することができる。
【0040】
なお、本発明は、非常に短い距離で二つの流体を混合させることができるため、ガスタービン燃焼器に用いるだけでなく、2つの流体を短い距離で混合させる混合器やその他の燃焼器として用いることが可能である。
【0041】
また、特許文献1に示す既存の燃焼器において、本実施例の空気孔プレートと交換することにより、燃焼器を改造することも可能である。
【実施例2】
【0042】
実施例2を図15に示す。図16は、燃料ノズル先端部と障害物の拡大図である。本実施例は実施例1に対し、障害物形状を変更している。障害物24が空気ノズル21の内部かつ燃料ノズルの下流側に配置される点は、実施例1と同様である。そして、その障害物24の上流側の面が円錐状に掘り込まれており、窪み56を有する。このような形状にすると、燃料噴流29が障害物24と衝突することで噴出方向と逆方向成分の速度ベクトルを付与することでき、燃料流の渦43が発生する。また、燃料ノズル22から噴出した燃料噴流は、障害物24の窪み56に沿って大きく凹むため、燃料噴流の凹みに空気が流入することで空気側にも渦42が発生する。これらの渦がお互いに干渉し強めあう結果、強い乱れとなって空気と燃料が攪拌される。そして、燃料噴流29は渦成分をもったまま、障害物24の縁から発生する強い乱れ発生領域に取り込まれて、さらに空気と燃料の混合が行われる。
【0043】
このように本実施例は、障害物上流側で第一段階の混合が行われ、乱れ成分を予め付与することができる。また、障害物下流側で第二段階の混合が行われ、さらなる混合促進効果を得られる。
【0044】
実施例1と同様に、本実施例の燃料ノズル・空気ノズルを多数配置したガスタービン燃焼器を構成することにより、非常に短い距離で燃料と空気を混合させ、なおかつ燃焼室1に燃料と空気を満遍なく均質に供給することができるため、NOxの排出量が非常に少ない燃焼を実現することができる。
【実施例3】
【0045】
実施例3を図18に示す。本実施例は、実施例1に対し空気ノズルの形状および燃料ノズルの形状を変更したものである。実施例1と同様に、障害物24は空気ノズル21の内部に配置され、かつ燃料ノズル22の下流に配置されており、燃料噴流29が障害物24に衝突する位置関係となっている。
【0046】
図17は、実施例1において、燃料ノズル22の中心軸が空気ノズル21および障害物24の中心軸から大きくずれた場合を示している(Y方向下側に偏芯)。このような場合、空気ノズル21に流入する空気流12の流れに偏りが生じる。空気流12は、流路が大きく開いている方へより多く流入するため、Y方向上側により多くの空気が流入する。その結果、Y方向上側における燃料ノズル22の先端に大きな剥離流45が生じる。
【0047】
一方、燃料ノズル22から噴出された燃料噴流29はより流れやすい方へ流れていくため、強い剥離流45とは逆方向(Y方向下側)へより多く流れていく。その結果、障害物24の下流で燃料の分布に偏りが生じ、空気ノズル21の出口においても燃料の分布に偏りが残る恐れがある。偏りが残ったまま燃焼すると局所的に火炎温度の高い領域が発生し、その結果、NOxが増加してしまう。
【0048】
そこで、本実施例では空気ノズル21の入口にテーパ部50を設けるとともに、燃料ノズル22の先端にも先細りのテーパ部51を設けている。このような構成とすることで、障害物24に到達するまでの空気流12の流れがスムーズとなり、燃料ノズル22の先端には図17の剥離流45が発生しない。その結果、燃料ノズル22と空気ノズル21および障害物24の中心軸がずれた場合でも、燃料分布の偏りを最小限に抑えることができる。従って、燃料分布の偏りに起因するNOx排出量の増加を抑制することができる。
【0049】
燃料ノズルと空気ノズルおよび障害物の中心軸を合わせるためには、製作時に加工精度を管理する必要がある。しかし、本実施例では中心軸のズレによるNOxの排出量増加を極力抑えることが出来る。また、各部材の加工精度を下げても、燃料と空気の混合性能を維持し、NOxを抑えることが可能なため、コストを削減することが可能である。
【実施例4】
【0050】
実施例4を図19に示す。本実施例は実施例1における燃料ノズル,空気ノズルの形状および燃料ノズルの先端位置に変更を施しており、特にカロリーが低く流量が多くなる燃料に有効である。
【0051】
燃料流量が多くなると燃料ノズル内部における流速が早くなり、圧力損失が増加する。そのため、燃料の元圧を高くし、バルブの仕様を変更する必要が生じるなど、プラント全体のコストが増加する恐れがある。コスト増加を回避するためには、燃料ノズルの内径を大きくし、ノズル内流速を遅くする必要がある。しかし、図1の構成では、燃料ノズル22を太くすると空気ノズル21の流路を大きく閉塞する。その結果、空気流側の圧力損失が増加し、ガスタービン全体の効率が低下する。
【0052】
また、図29に示す比較例の燃料ノズルと空気ノズルの組合せにおいては、燃料ノズル先端に設けたリブ52によって空気流に乱れを起こし、燃料と空気の混合を促している。しかし、空気ノズルの閉塞を回避するために燃料ノズル22の先端を空気ノズル21の入口より上流側に配置すると、リブ周囲は広い空間に面し周囲の空気流速が遅くなる。そのため、リブ52から発生する乱れ26が弱くなり、混合促進効果は損なわれてしまう。
【0053】
一方、本実施例では空気ノズル21の入口部にテーパ部50を設けるとともに、燃料ノズル22の先端が空気ノズル21の入口よりも上流に配置されている。このテーパ部50は、空気ノズル21の入口部において、空気流路断面積が入口部から下流側へ次第に減少するように、空気ノズルプレート20に設けられている。そのため、燃料ノズル22を太くしても空気ノズル流路を大きく閉塞することはない。
【0054】
また、障害物24は空気ノズル21の内部に配置されており、障害物24の周囲を通過する空気の流速は早く、障害物24の下流に強い乱れ26が発生する。そのため、燃料と空気の混合を促進することができる。
【0055】
そして、燃料噴流29は一度障害物24に衝突し運動量を大きく失う。そのため、燃料流量の増加によって混合促進効果が大きく制限されることはない。以上のように、本実施例は水素リッチ燃料などのカロリーが低く流量が増加する燃料において、燃料および空気の圧力損失の増加を抑えつつ、燃料と空気の混合を図ることができる。
【0056】
本実施例では、空気ノズル入口にテーパ部50を設けている。但し、燃焼器全体における圧力損失に余裕があり、燃料ノズル先端と空気ノズル入口の間の流路面積が十分に確保されていれば、テーパを設けなくても問題ない。
【0057】
本実施例は、特に水素リッチ燃料に有効である。水素リッチ燃料は、非常に燃焼速度が速く、逆火の恐れが非常に高い燃料である。そのため、ガスタービンに水素リッチ燃料を用いる場合、予混合燃焼器では予混合距離が長く逆火の恐れがあるため、拡散燃焼器が使用されている。拡散燃焼器においてNOxの排出量を抑制するために、窒素や水蒸気を燃焼室内に噴霧し火炎温度を低下させる必要があり、プラント全体としての効率は低下してしまう問題がある。
【0058】
本実施例の構成では、非常に短い距離で燃料と空気を混合することができるため、逆火のリスクは小さい。また、窒素や水蒸気を燃焼室に噴霧することなくNOxの排出量も抑制することができるため、信頼性が高くかつプラント全体の効率も高く運用することができる。
【実施例5】
【0059】
実施例5を図20に示す。本実施例は、実施例1において障害物の形状に変更を施している。本実施例では障害物24を細長い板とし、障害物自体が支持機能を有している。実施例1と同様に、障害物24は空気ノズル21の内部に配置され、かつ燃料ノズル22の下流に配置されており、燃料噴流29が障害物24に衝突する位置関係となっている。障害物24は燃料噴流29を受け止めて運動量を減衰させる機能を有するために、障害物代表長さ32は少なくとも燃料ノズル22の噴孔径31よりも太くすることが好ましい。本実施例における障害物代表長さ32は、板幅に相当する。
【0060】
障害物24の下流には、空気流の乱れ26が発生し燃料と空気の混合を促進する。このように障害物24の形状を簡略化することでコスト低減を図ることができる。
【0061】
図21(a),(b)は障害物24における他のバリエーションを示した図である。本案では図20とは違い、角部53を有する。図22の角部拡大図に示すように、角部53では、障害物24に衝突して流れ方向を変えた空気流46とそのまま角部53をすり抜ける空気流47が交差し、流れ方向の異なる空気流が多数衝突するため、強い乱れが発生すると考えられる。障害物に衝突した燃料噴流は、前述の空気流の乱れへ流入してくるため燃料と空気の混合が行われる。また、角部が多くなればなるほど障害物下流における燃料の分布も均一化され、燃料と空気の混合に有利である。
【実施例6】
【0062】
実施例6を図23から図25に示す。図23はD−D断面における断面図、図24は正面図およびF−F矢視図、図25はE−E断面図である。本実施例は実施例1と同様に、障害物24は空気ノズル21の内部に配置され、かつ燃料ノズル22の下流に配置されており、燃料噴流29が障害物24に衝突する位置関係となっている。実施例1において、障害物24は支持部材25によって空気ノズル21に固定されていた。しかし、本実施例では図25に示すように、支持部材25によって燃料ノズル22に固定されている点が相違する。
【0063】
本実施例のメリットとして、支持部材25が空気ノズル21の流路を塞がないため、空気流側の圧力損失増加を抑制することができる。また、障害物24が燃料ノズル22に固定されているため、障害物24と燃料ノズル22の中心軸(芯)を合わせやすい。
【0064】
図30は、本実施例の加工例を示す。図29に示す比較例の燃料ノズルでは燃料噴流の内部流路57が燃料ノズル先端まで貫通している。本加工例では図30のように、燃料噴流の内部流路57を燃料ノズル先端部59まで貫通させない。そして、領域58のうち支持部分となる一部を残して削ることにより、燃料ノズル先端の下流に障害物を配置した構成を得ることができる。燃料ノズル先端部59が障害物の役割を果たし、燃料ノズル22の内部を流れる燃料流48は燃料ノズル先端で一度衝突し、周囲に広く拡散する。このような製作方法を取ることで燃料ノズルと障害物,支持部材を一体で製作することができる。また、燃料ノズルと障害物の芯合わせなど加工の精度を出しやすくし、部品点数を減らすことができる。
【0065】
そして、特許文献1に示す既存の燃焼器において、本実施例の燃料ノズルと交換することにより、燃焼器を改造することも可能である。具体的には、第1に、燃料ノズルから噴出された燃料噴流を衝突させると共に、空気ノズルに流入する空気流の乱れを生じさせる障害物を設けた障害物付き燃料ノズル(図23の燃料ノズル22に相当)を既存の燃料ノズルと交換する。第2に、障害物が空気ノズル内部に位置するように、燃料ノズルと空気ノズルプレートとの位置関係を調整する。このような手順により、既存の燃焼器においても容易に改造を行い、燃料流量によらず燃料と空気の更なる混合促進を図ることができる。
【実施例7】
【0066】
実施例7を図26に示す。図26は空気ノズルおよび障害物の正面図を示したものである。本実施例は実施例6と同様に、燃料ノズルの下流に障害物24を設置し、その障害物は空気ノズル内部に配置されている。また、障害物24は支持部材によって燃料ノズルに固定されている。実施例6では障害物は円形平板であったのに対し、本実施例の障害物24は円形平板から切り込み55を多数設けた点が異なる。
【0067】
本実施例では、実施例6と同様に燃料ノズルから噴出された燃料噴流は障害物24に衝突し、障害物24の半径方向外側に広がる。一方、図22に示した現象と同様に、切り込み55をすり抜ける空気流と障害物24に衝突し流れ方向を変えて流入してくる空気が出会うため、向きが大きく異なる流れの境界面で渦が発生し、強い乱れを発生する。そこへ燃料も流入してくるため、燃料と空気を急速に混合させることができる。
【0068】
本実施例に示す障害物24の形状は、空気ノズル側に障害物を固定する場合でも有効である。また、図13や図14に示した形状は、燃料ノズルに障害物を固定する場合でも同様に有効である。
【実施例8】
【0069】
実施例8を図27,図28に示す。図27は空気ノズル,燃料ノズル,障害物を示した断面図、図28は空気ノズル21を燃焼室側から見た正面図である。本実施例は実施例1と同様に、燃料ノズルの下流に障害物を配置しており、燃料噴流を障害物に衝突させるような位置関係を有している。一方で、実施例1とは異なり、本実施例では空気ノズル21にテーパ部50を設け、空気ノズル21の入口断面に、障害物24の上流壁面が接するように、障害物24を配置している。即ち、障害物24は、空気ノズル21の空気流路断面積が最も大きい入口断面に配置される。空気ノズル21にテーパ部50を設けることにより、空気ノズル21の入口断面における開口面積が増大する。そのため、障害物代表長さ32を大きくしても空気流路の開口面積を十分確保でき、空気流側の圧力損失の増加を防ぐことができる。また、障害物24を大きくすることによって燃料と空気の境界面積を増加させることができる。この効果によって燃料と空気の混合を促進させることができる。
【0070】
本実施例を図8,図9の方法で製作した場合、溝27を浅くすることができるため、障害物および支持部材を空気ノズルプレートに取り付けやすいといったメリットがある。
【0071】
なお、空気ノズル入口に限らずテーパ部50の範囲であれば、空気ノズル21の断面流路は広い。そのため、テーパ部50が設けられた空気ノズルの区間に、障害物24を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施例1における燃料ノズル,空気ノズルおよび障害物とその位置関係ならびに空気流,燃料噴流の流れを示した断面図である。
【図2】実施例1の空気ノズルを空気ノズル下流から見た正面図である。
【図3】実施例1における燃料ノズル,空気ノズル,障害物,支持部材とその位置関係ならびに空気流,燃料噴流の流れを示した断面図である。
【図4】実施例1における空気ノズルおよび支持部材の断面図である。
【図5】実施例1における空気ノズルおよび空気ノズルプレート,障害物,支持部材の構成例を示した断面図である。
【図6】実施例1における障害物と支持部材の構成例を示した図である。
【図7】実施例1における空気ノズルプレートおよび溝加工の例を示した断面図および正面図である。
【図8】実施例1における空気ノズルおよび空気ノズルプレート,障害物,支持部材の構成例を示した断面図である。
【図9】実施例1における空気ノズルプレートおよび溝加工の例を示した断面図および後方図である。
【図10】実施例1における支持部材の断面形状の例を示した断面図である。
【図11】実施例1における障害物の支持方法例および障害物と支持部材の構成例を示した図である。
【図12】実施例1における障害物の支持方法例を示した図である。
【図13】実施例1における障害物の形状のバリエーションを示した図および縦渦の発生を示した図である。
【図14】実施例1における障害物の形状のバリエーションを示した図である。
【図15】実施例2における燃料ノズル,空気ノズルおよび障害物とその位置関係ならびに空気流,燃料噴流の流れを示した断面図である。
【図16】実施例2における燃料ノズル先端部および障害物の拡大図である。
【図17】燃料ノズルと空気ノズルの中心軸がずれた場合における、燃料ノズル,空気ノズルおよび障害物とその位置関係の例ならびに空気流,燃料噴流の流れを示した断面図である。
【図18】実施例3における燃料ノズル,空気ノズルおよび障害物とその位置関係ならびに空気流,燃料噴流の流れを示した断面図である。
【図19】実施例4における燃料ノズル,空気ノズルおよび障害物とその位置関係ならびに空気流,燃料噴流の流れを示した断面図である。
【図20】実施例5における空気ノズルおよび障害物を示した正面図である。
【図21】実施例5における空気ノズルおよび障害物の例を示した正面図である。
【図22】実施例5における障害物の角部をすり抜ける空気流の流れを示した拡大図である。
【図23】実施例6における燃料ノズル,空気ノズルおよび障害物とその位置関係ならびに空気流,燃料噴流の流れを示した断面図である。
【図24】実施例6における空気ノズルと障害物の正面図及び、空気ノズル,支持部材,燃料ノズルを示した断面図である。
【図25】実施例6における燃料ノズル,空気ノズルおよび障害物,支持部材とその位置関係ならびに空気流,燃料噴流の流れを示した断面図である。
【図26】実施例7における空気ノズルおよび障害物の正面図である。
【図27】実施例8における燃料ノズル,空気ノズルおよび障害物とその位置関係ならびに空気流,燃料噴流の流れを示した断面図である。
【図28】実施例8における空気ノズルおよび障害物,支持部材の正面図である。
【図29】比較例の燃料ノズルと空気ノズルおよび空気流と燃料噴流の流れの例を示した断面図である。
【図30】実施例6における燃料ノズルおよび障害物,支持部材の加工方法例である。
【図31】ガスタービン燃焼器の全体を表す概略図である。
【符号の説明】
【0073】
1 燃焼室
2 外筒
3 燃焼器ライナ
4 トランジションピース
5 圧縮機
6 タービン
7 デフューザ
8 エンドカバー
10 空気
11 冷却空気
12 空気流
14,15,16 燃料供給系統
14a,15a,16a 制御弁
14b,15b,16b 遮断弁
20 空気ノズルプレート
21 空気ノズル
22 燃料ノズル
23 燃料ヘッダー
24 障害物
25 支持部材
26 乱れ(渦)
27 溝
29 燃料噴流
31 燃料噴孔径
32 障害物代表長さ(直径,幅)
33 燃料ノズル先端部の外径
41 縦渦
45 剥離流
48 燃料流
50,51 テーパ部
52 リブ
53,54 角部
55 切り込み
56 窪み
57 燃料噴流の内部流路
59 燃料ノズル先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス燃料が噴出する燃料ノズルと、該燃料ノズルからの燃料と空気が燃焼室に噴出する空気ノズルを設けた空気ノズルプレートとを備え、
前記燃料ノズルから噴出された燃料噴流を衝突させるとともに、前記空気ノズルに流入する空気流の乱れを生じさせる障害物を、前記空気ノズル内部に設けたことを特徴とする燃焼器。
【請求項2】
請求項1記載の燃焼器において、前記障害物の大きさが前記燃料ノズルの噴孔径よりも大きいことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【請求項3】
請求項1記載の燃焼器において、前記障害物が前記空気ノズルに固定されていることを特徴とする燃焼器。
【請求項4】
請求項1記載の燃焼器において、前記障害物が前記燃料ノズルに固定されていることを特徴とする燃焼器。
【請求項5】
請求項1記載の燃焼器において、前記障害物に燃料噴流が衝突する面に窪みを有することを特徴とする燃焼器。
【請求項6】
請求項1記載の燃焼器において、前記燃料ノズルの先端および前記空気ノズル入口にテーパを設けたことを特徴とする燃焼器。
【請求項7】
請求項1記載の燃焼器において、前記障害物が角部を有することを特徴とする燃焼器。
【請求項8】
請求項1記載の燃焼器において、前記障害物に切り欠きを設けたことを特徴とする燃焼器。
【請求項9】
請求項1記載の燃焼器において、前記空気ノズル入口にテーパ部を設け、前記テーパ部を設けた空気ノズルの区間に、前記障害物を設けることを特徴とする燃焼器。
【請求項10】
ガス燃料が噴出する燃料ノズルと、該燃料ノズルからの燃料と空気が燃焼室に噴出する空気ノズルを設けた空気ノズルプレートとを備え、
前記燃料ノズルから噴出された燃料が、前記燃料ノズルの下流側に配置された障害物に衝突し、前記障害物の半径方向外側に拡散する第一の工程と、
前記空気ノズルに流入した空気が、前記障害物の外縁に衝突し、前記障害物の下流側に空気流の乱れを生じさせる第二の工程と、
第二の工程で生じた空気流の乱れに燃料を供給する第三の工程とを備えたことを特徴とする燃焼器の燃料供給方法。
【請求項11】
ガス燃料が噴出する燃料ノズルと、該燃料ノズルからの燃料と空気が燃焼室に噴出する空気ノズルを設けた空気ノズルプレートとを備えた燃焼器の燃料ノズル改造方法であって、
前記燃料ノズルから噴出された燃料噴流を衝突させるとともに、前記空気ノズルに流入する空気流の乱れを生じさせる障害物を設けた障害物付き燃料ノズルを、既存の前記燃料ノズルと交換すると共に、
前記障害物が前記空気ノズル内部に位置するように、前記障害物付き燃料ノズルを設けたことを特徴とする燃焼器の燃料ノズル改造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2010−60189(P2010−60189A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225433(P2008−225433)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】