説明

物体の捉えられた画像から基準フレームに対する物体の位置を三角測量にもとづいて決定する方法、タッチシステムおよびタッチシステムの較正方法と媒体

【課題】 三角測量を使用して物体位置の決定を容易にするための、カメラのオ
フセットを計算する新規な方法を提供すること。
【解決手段】 タッチ・システムは、基準フレーム、および基準フレーム内で重
なり合う視界を有する少なくとも2個のカメラを有する。基準フレームに対する
物体の位置は、物体の捉えられた画像から三角測量にもとづいて決定される。少
なくとも2個のカメラのそれぞれを使用して、基準フレーム内の少なくとも1つ
の場所において物体の画像を収集することと、各場所に対して、各画像内の物体
の位置は角度φにより表されており、この角度は基準フレームを超えて拡がる視
界の限界と画像内の物体と交差するカメラから延びる直線との間に形成される角
度に等しいように、各画像内の物体の位置を決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的には目標の取得に関し、特に、三角測量を使用して物体の位置
の決定を容易にするためにカメラのオフセットを計算する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチ・システムは、当該分野において公知であり、接触表面を有するタッチ
・スクリーンを通常有し、利用者の入力を生成するために、接触表面上でポイン
タを使用して接触が行われる。接触表面とポインタとの接触が検出され、接触が
行われた接触表面の領域によって対応する出力を生成するために使用される。
【0003】
「カメラベースのタッチ・システム」と題する、2001年7月5日に出願さ
れ、本発明の譲受人に譲渡された、国際PCT特許出願公開明細書第02/03
316号に、カメラベースのタッチ・システムが開示されている。このタッチ・
システムは、マスター・コントローラに結合されたタッチ・スクリーンと、マス
ター・コントローラに結合されたコンピュータを有する。コンピュータは、1つ
または複数のアプリケーション・プログラムを実行し、タッチ・スクリーン上に
提示されるディスプレイ出力を供給する。タッチ・スクリーン、マスター・コン
トローラ、コンピュータおよびプロジェクタによりシステムが形成されており、
利用者がタッチ・スクリーンに接触すると、コンピュータにより書き込みあるい
は描画として記録されるように、あるいは、コンピュータにより実行されるアプ
リケーション・プログラムの実行を制御するために使用できる。
【0004】
タッチ・スクリーンは、矩形のベゼルあるいはフレームにより縁取られた矩形
の平坦な薄板の形式の接触表面を有する。2次元のディジタル信号処理プロセサ
(DSP)ベースのCMOSディジタル・カメラが、タッチ・スクリーンのそれ
ぞれの隅に隣接して搭載されている。各ディジタル・カメラの視界が接触表面の
指定された端縁を含むように、各ディジタル・カメラはタッチ・スクリーンに向
けられている。この方法で、全部の接触表面がディジタル・カメラの視界の中と
される。接触表面に接近したポインタが少なくとも2個のディジタル・カメラの
視界の中に現れるように、ディジタル・カメラの視界はさらに重なり合っている
。これは、接触表面に対するこのようなポインタの位置を、三角測量を使用して
計算することを可能にする。
【0005】
タッチ・システムの動作中は、各ディジタル・カメラは、その視界の中の接触
表面の画像を所望のフレーム・レートで捉える。捉えられた画像内にポインタが
存在するか否かを決定するために、取得された画像はディジタル・カメラにより
処理される。取得された画像内にポインタが有れば、取得された画像内のポイン
タの中線あるいは先端部を決定するために、取得された画像は画像を取得したデ
ィジタル・カメラによりさらに処理される。ポインタの中線あるいは先端部は、
数によって表される。このポインタ情報はディジタル・カメラによりポインタ情
報パケット(以下、PIP:Pointer Information Packetと称する)に変換され
、PIPはマスター・コントローラに送信されるために待ち行列に入れられる。
【0006】
マスター・コントローラは、ディジタル・カメラに対してPIPをポーリング
する。マスター・コントローラがPIPを受信すると、マスター・コントローラ
はポインタの中線あるいは先端部を表す数をディジタル・カメラの分解能で除算
する。次にマスター・コントローラは、この結果をディジタル・カメラの視界(
以下、FOV:Field of Viewと称する)により乗算し、次に一定の誤差修正較
正角度δを減算し、角度φを得る。計算された角度φは、PIPを生成したディ
ジタル・カメラの視界内に包含されるタッチ・スクリーンの指定された周縁と、
画像内のポインタと交差するディジタル・カメラの光軸から延びている直線との
間に形成された角度であると推定される。
【0007】
上述のように、ディジタル・カメラの照準は、ポインタがタッチ・スクリーン
に接近したときに、少なくとも2個のディジタル・カメラにより取得された画像
内にポインタが捉えられることを保証する。結果として、ポインタがタッチ・ス
クリーンに接近したときに、少なくとも2つのPIPがマスター・コントローラ
により受信され、したがって、マスター・コントローラによって2つの角度が計
算される。2つの角度が利用できるので、マスター・コントローラは、取得され
た画像内でポインタと交差する、PIPを生成したディジタル・カメラの光軸か
ら延びている直線の交点を決定する。三角測量を使用して、直交座標内のタッチ
・スクリーンに対するポインタの位置が計算される。ついで、マスター・コント
ローラは、このポインタ位置データをパーソナル・コンピュータに送信する。こ
の方法で、パーソナル・コンピュータに送信されたポインタ位置データは、書き
込みあるいは描画として記録されることが可能であり、あるいは、コンピュータ
により実行されるアプリケーション・プログラムの実行を制御するために使用す
ることができる。さらに、接触表面上に提示された情報がポインタの動きを反映
するように、コンピュータはディスプレイ出力を更新する。
【0008】
上述のように、各ディジタル・カメラは、タッチ・スクリーンの隅に隣接して
搭載され、各ディジタル・カメラの視界が接触表面の指定された周縁を含むよう
にされる。理想的には、マスター・コントローラにより計算された角度がタッチ
・スクリーンに対応する基準フレームにもとづくように、各ディジタル・カメラ
の視界の限界は、タッチ・スクリーンの指定された周縁を超えて既知の量だけ僅
かに拡がっている。しかし実際には、機械的公差、光学的効果、およびディジタ
ル・カメラの配置によって、ディジタル・カメラの視界は、タッチ・スクリーン
の指定された周縁に対して未知の量だけ角度がオフセットしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したタッチ・システムにおいては、ディジタル・カメラの角度オフセット
を考慮するために、角度の計算の中で、一定の誤差修正較正角度δが計算された
角度から減算される。当然ながら、この較正は複数のディジタル・カメラの角度
オフセットは既知であり等しいと仮定している。残念ながら、各ディジタル・カ
メラの角度オフセットは通常異なる。さらに、各ディジタル・カメラの角度オフ
セットは、タッチ・システムの出荷や設置などの際に変化する恐れがある。結果
として、ディジタル・カメラの角度オフセットは、一定の誤差修正較正角度によ
っては、通常正しくは補償されない。ディジタル・カメラの実際の角度オフセッ
トが既知でない限り、接触表面に対するポインタの位置を計算された角度にもと
づいて三角測量を使用して計算するとき、計算された位置が実際の位置とは大幅
に異なる恐れがある。問題を複雑にすることは、1対のディジタル・カメラの画
像データがポインタの位置を三角測量するために使用されるとき、1対のディジ
タル・カメラによっては、ポインタの計算された位置が大幅に変化する恐れがあ
る。このことが、タッチ・スクリーンに対するポインタの位置を正確に計算する
ことを難しくすることは、十分理解されよう。タッチ・スクリーン上の接触がコ
ンピュータ機能を起動するために使用できるように、タッチ・スクリーンがコン
ピュータ・ディスプレイに写像される対話型のシステムにおいては、タッチ・ス
クリーン上にポインタの接触位置を正確に決定することが非常に重要である。
【0010】
したがって本発明の目的は、三角測量を使用して物体位置の決定を容易にする
ための、カメラのオフセットを計算する新規な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一つの態様によれば、物体が捉えられた画像から基準フレームに対す
る物体の位置を三角測量にもとづいて決定する方法であって、
前記捉えられた画像は前記基準フレーム内に重なり合う視界を有する少なくと
も2個のカメラにより撮られ、少なくとも1個の前記カメラは視界の限界が前記
基準フレームの境界を超えて拡がることをもたらすオフセット角度を有するもの
とし、
前記少なくとも2個のカメラのそれぞれを使用して、前記基準フレーム内の少
なくとも1つの場所における前記物体の画像を捉えるステップと、
各場所に対して、
各画像内の前記物体の前記位置を決定するステップと、
各画像に対して前記決定された位置を前記基準フレームの座標系に対応する座
標系に配置するステップと、
各場所における前記物体の少なくとも1つの前記位置と前記少なくとも1個の
カメラの前記オフセット角度を決定するために、前記決定された位置を処理する
ステップと、を有する方法が提供される。
【0012】
この場合、各画像内の前記物体の前記決定された位置は角度φにより表され、
前記角度は、前記基準フレームの境界を超えて拡がる前記視界の前記限界と、前
記画像内の前記物体と交差する前記カメラから延びる直線との間に形成される角
度に等しいこととしてもよい。
【0013】
また、前記処理の間に、前記角度のそれぞれは前記基準フレーム座標系内の直
交座標(xi、yi)の位置に変換されることとしてもよい。
【0014】
また、捉えられた画像が矩形の基準フレームの隅にあるカメラにより取得され
る方法であって、前記カメラのそれぞれは前記基準フレームに対して視界のオフ
セットを有し、前記処理の間に前記角度φのそれぞれは角度ωに変換され、前記
角度ωは、
ω=α−δ
により表され、ここで、
δは前記カメラのオフセットであり、
αは、前記カメラ・オフセットを除外し、かつ前記基準フレーム座標系の前記
y軸を基準とする前記角度φと等しく、前記角度ωのそれぞれは次式に適合され

【0015】
【数2】

【0016】
ここで、
camおよびycamは、前記カメラの前記直交座標の座標であり、
iおよびyiは前記物体の前記直交座標の座標、したがって前記直交座標の位
置(xi、yi)および前記カメラ・オフセットを得る、捉えられた画像が矩形の
基準フレームの隅にあるカメラにより取得されることとしてもよい。
【0017】
また、前記適合は、線形化技法を使用して実行されることとしてもよい。
【0018】
さらに、前記線形化技法は、ムーア・ペンローズ疑似逆方法であるとしてもよ
い。
【0019】
本発明の他の態様によれば、物体の捉えられた画像から基準フレームに対する
物体の位置を三角測量にもとづいて決定する方法であって、
前記捉えられた画像は前記基準フレーム内の重なり合う視界を有する少なくと
も2個のカメラにより撮られ、前記少なくとも2個のカメラのそれぞれの視界の
限界は前記基準フレームの境界を包含しており、前記カメラの少なくとも1個は
オフセットしていて前記カメラの視界の限界が前記境界を超えて拡がるものとし

各画像内の物体の位置を決定するステップであって、各画像内の物体の位置は
角度により表されており、前記角度は前記基準フレームの境界を含む視界の限界
と前記画像内の物体と交差するカメラから延びる直線との間に形成される角度に
等しい、各画像内の物体の位置を決定するステップと、
前記少なくとも1個のカメラの前記オフセット角度を決定するステップと、
前記角度を較正するために、前記少なくとも1個のカメラにより撮られた前記
画像内の物体の位置を表す前記角度から前記オフセット角度を減算するステップ
と、
三角測量を使用して前記基準フレームに対する前記物体の位置を計算するため
に、前記較正された角度を使用するステップを有する方法が提供される。
【0020】
この場合、前記少なくとも2個のカメラのそれぞれはオフセットしており、前
記少なくとも2個のカメラのそれぞれに対する前記オフセット角度は、前記角度
を較正するために決定し使用されることとしてもよい。
【0021】
本発明のさらに他の態様によれば、重なり合う視界を有する少なくとも2個の
カメラと前記カメラの画像データを処理するプロセッサとを備え、基準フレーム
に対して重なり合う視界内の物体の位置は各カメラにより取得された画像内に捉
えられた物体の位置データを三角測量することにより決定されるタッチ・システ
ムを較正する方法であって、
各カメラの前記オフセット角度を前記基準フレームに対して決定するステップ
と、
前記物体位置データを較正するために、前記オフセット角度を使用するステッ
プと、
前記基準フレームに対する前記物体の前記位置を決定するために、三角測量の
間に前記較正された物体の位置データを使用するステップを有する方法が提供さ
れる。
【0022】
本発明のさらに他の態様によれば、基準フレームならびに前記基準フレーム内
で重なり合う視界を有する少なくとも2個のカメラを備え、前記基準フレームに
対する物体の位置は前記物体の捉えられた画像から三角測量にもとづいて決定さ
れ、オフセット角度を定めるために前記少なくとも2個のカメラの前記視界は前
記基準フレームの座標系に対して回転されるタッチ・システムを較正する方法で
あって、
前記少なくとも2個のカメラのそれぞれを使用して、前記基準フレーム内の少
なくとも1つの場所において前記物体の画像を捉えるステップと、
各場所に対して、
各画像内の前記物体の前記位置を決定するステップであって、各画像内の前記
物体の位置は角度φにより表され、前記角度は前記基準フレームを超えて拡がる
前記視界の限界と前記画像内の前記物体と交差する前記カメラから延びる直線と
の間に形成される角度に等しいとするステップと、
各画像に対して決定された前記角度ならびに基準フレームに設けられた座標系
に対する前記少なくとも2個のカメラの位置にもとづいて、前記少なくとも2個
のカメラの前記オフセット角度を数学的に計算するステップを有する方法が提供
される。
【0023】
この場合、各カメラの前記オフセット角度は、最小自乗法を使用して計算され
ることとしてもよい。
【0024】
本発明のさらに他の態様によれば、タッチシステムであって、
接触表面を取り囲む全体として矩形の基準フレームであり、1つの隅が前記接
触表面に設けられる座標系の原点を定める、基準フレームと、
前記基準フレームのそれぞれの隅に隣接するカメラであり、各カメラは前記接
触表面に向けられていて前記カメラの視界内の前記接触表面の画像を捉え、前記
カメラの視界は前記基準フレーム内で重なり合い、前記カメラの視界は前記基準
フレームに対してオフセットしているカメラと、
前記捉えられた画像を処理し、画像内に物体が現れたときに物体の位置データ
を生成するプロセッサであり、前記プロセッサは前記物体の位置データを使用し
て矩形の座標における前記原点に対する前記物体の位置を三角測量にもとづいて
決定し、前記プロセッサはさらに前記カメラのオフセット角度を決定するために
較正ルーチンを実行し、前記位置決定に先だって前記物体の位置データを調整す
るために前記オフセット角度を使用するプロセッサと、により、前記捉えられた
画像を処理し画像内に物体が現れるときに物体の位置データを生成するプロセッ
サを有するタッチ・システムが提供される。
【0025】
本発明のさらに他の態様によれば、複数のカメラのオフセット角度を決定する
コンピュータ・プログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な媒体であっ
て、
前記コンピュータ・プログラムは、
基準直交座標系の全体にわたる異なる位置の複数のカメラにより生成された物
体の位置データにもとづいてカメラのオフセット角度を決定し、各カメラにより
生成された前記物体の位置データは前記カメラの前記視界内の少なくとも1つの
場所における前記それぞれのカメラの視界内の物体の位置を表すものであり、
各カメラにより生成された前記物体の位置データを前記直交座標系に関連づけ
るコンピュータ・プログラムコードと、
前記関連づけられた物体の位置データと前記座標系に対する前記カメラの位置
にもとづいて、各カメラの前記オフセット角度を数学的に計算するコンピュータ
・プログラムコードを有するコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。
【0026】
上記のように構成される本発明においては、実際のディジタル・カメラのオフ
セットは実時間で計算されるので、ディジタル・カメラの視界はタッチ・スクリ
ーンの座標系に対応する座標系に基準づけることが可能であるという点で、本発
明は利点がある。この方法では、一対のディジタル・カメラの視界内の物体の位
置が三角測量を使用して計算される場合、物体の計算された位置はタッチ・スク
リーンに対する物体の実際の位置と非常に高精度で一致する。さらに、ディジタ
ル・カメラのオフセットはタッチ・システムの設置後に実行される較正ルーチン
で高精度で数学的に計算されるので、製造時におけるディジタル・カメラの高精
度搭載の必要性は緩和される。ディジタル・カメラの搭載に対する機械的公差を
緩和しうるので、本タッチ・システムは、高い分解能を保証しつつ、より速く、
かつ低コストで製造することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、PCT特許出願公開明細書第02/03316号に説明された形式の
タッチ・システムを示し、全体として参照番号50により識別される。
【0028】
図からわかるように、タッチ・システム50は、ディジタル信号処理プロセッ
サ(DSP)ベースのマスター・コントローラ54と結合したタッチ・スクリー
ン52を有する。マスター・コントローラ54は、さらにコンピュータ56に結
合されている。コンピュータ56は、1つまたは複数のアプリケーション・プロ
グラムを実行し、プロジェクタ58を介してタッチ・スクリーン52に提示され
るディスプレイ出力を供給する。利用者がタッチ・スクリーン52に接触すると
、コンピュータ56により書き込みあるいは描画として記録されるように、ある
いは、コンピュータ56により実行されるアプリケーション・プログラムの実行
を制御するために使用できるように、タッチ・スクリーン52、マスター・コン
トローラ54、コンピュータ56およびプロジェクタ58は、システムを形成し
ている。
【0029】
コンピュータ56が実行するアプリケーション・プログラムは、複数のカメラ
のオフセット角度を決定するコンピュータ・プログラムを格納するコンピュータ
56が読み取り可能な媒体であって、コンピュータ・プログラムは、基準直交座
標系の全体にわたる異なる位置の複数のカメラにより生成された物体の位置デー
タにもとづいてカメラのオフセット角度を決定し、各カメラにより生成された物
体の位置データは前記カメラの前記視界内の少なくとも1つの場所における前記
それぞれのカメラの視界内の物体の位置を表すものであり、各カメラにより生成
された前記物体の位置データを前記直交座標系に関連づけるコンピュータ・プロ
グラムコードと、関連づけられた物体の位置データと座標系に対するカメラの位
置にもとづいて、各カメラの前記オフセット角度を数学的に計算するコンピュー
タ・プログラムコードを有するコンピュータ56が読み取り可能な媒体により提
供されるものであり、本発明は媒体をも含む。
【0030】
図2は、タッチ・スクリーン52の構成を詳細に示す図である。図2からわか
るように、タッチ・スクリーン52は、矩形のフレーム62により縁取りされた
接触表面60を有する。接触表面60は、受動性材料の矩形の平坦な薄板である
。ディジタル信号処理プロセッサが組み込まれたCMOSディジタル・カメラD
camは、タッチ・スクリーン52のそれぞれの隅に隣接してマウントされてい
る。各ディジタル・カメラDCcamは、その視界が接触表面60の指定された周
縁を含むように、接触表面60に向けられている。図2に示す指定では、ディジ
タル・カメラDC0およびDC3の視界は接触表面60の下部の水平な端縁60
aを包含し、ディジタル・カメラDC1およびDC2の視界は接触表面60の上部
の水平な端縁60bを包含している。
【0031】
機械的公差、光学的効果、および接触表面60に対するディジタル・カメラの
配置によって、各ディジタル・カメラDCcamの視界は、視界が含む接触表面6
0の指定された周縁に対して、通常は角度がオフセットしている。各ディジタル
・カメラの角度のオフセットは、角度δcamにより示されている。
【0032】
タッチ・システム50の動作中は、各ディジタル・カメラDCcamは、その視
界の中の接触表面60の画像を所望のフレーム・レートで取得する。捉えられた
画像内にポインタがあるかどうかを決定するために、取得された画像はディジタ
ル・カメラDCcamにより処理される。取得された画像内にポインタが有れば、
捉えられた画像内のポインタの中線あるいは先端部を決定するために、捉えられ
た画像は画像を取得したディジタル・カメラによりさらに処理される。ポインタ
の中線あるいは先端部は、数によって表される。このポインタ情報はディジタル
・カメラDCcamによりポインタ情報パケット(PIP)に変換され、PIPは
マスター・コントローラ54に送信されるために待ち行列に入れられる。上述の
画像処理に関する詳細は、PCT特許出願公開明細書第02/03316号に説
明されている。
【0033】
マスター・コントローラ54は、ディジタル・カメラに対してPIPをポーリ
ングする。マスター・コントローラ54がPIPを受信すると、マスター・コン
トローラは、次式を使用して角度φcamを計算するために、ポインタの中線ある
いは先端部を表す数とディジタル・カメラの視界を使用する。
【0034】
【数3】

【0035】
ここで、
xは、ポインタの中線あるいは先端部を表す数であり、
aは、ディジタル・カメラから距離をおいたディジタル・カメラの視界(FO
V)により囲まれた全長である。
【0036】
計算された角度φcamは、PIPを生成したディジタル・カメラの接触表面6
0の指定された周縁を超えて延びている視界の限界と、画像内のポインタと交差
するディジタル・カメラの光軸から延びている直線との間に形成された角度に等
しい。視界の限界は、視界内の接触表面60の指定された周縁(すなわち、この
場合にはx軸)を超えて既知の量だけ延びていることが望ましい。しかし、ほと
んどすべての場合に、各ディジタル・カメラDCの角度のオフセットは異なり、
かつ未知である。
【0037】
ポインタが接触表面60に接近すると、少なくとも2つのディジタル・カメラ
により取得された画像にポインタは収集される。結果として、少なくとも2つの
PIPがマスター・コントローラ54により受信され、したがって、マスター・
コントローラ54により2つの角度φcamが計算される。2つの角度φcamが利用
できるので、マスター・コントローラ54は、取得された画像内でポインタと交
差する、PIPを生成したディジタル・カメラの光軸から延びている直線の交点
を決定することができる。直交座標内のタッチ・スクリーンに対するポインタの
位置は、ディジタル・カメラDCcamの視界の限界が接触表面60の指定された
周縁を超えて延びている量が既知であれば、三角測量を使用して正確に計算する
ことが可能である。しかし、角度φcamが接触表面の指定された周縁に対して偏
っている量は未知であるから、この方法でポインタの位置を計算すると、接触表
面60に対するポインタの実際の位置を正確には決定しない。結果として、接触
表面60に対するポインタの実際の位置が決定されるように、ディジタル・カメ
ラDCcamの角度のオフセットδcamを考慮するために、タッチ・システム50の
較正が必要である。
【0038】
タッチ・システム50を較正するためには、計算された角度φcamのそれぞれ
を接触表面60上の矩形の位置(xi,yi)に変換することが必要である。接触
表面60上の座標(xl、yi)と角度φcamの間には、この変換の実行を可能
にする関係が存在する。タッチ・スクリーン座標系の原点がディジタル・カメラ
DC0にあり、タッチ・スクリーンの水平および垂直の寸法がそれぞれBxおよび
yであるとすれば、次式が適用される。
【0039】
【数4】

【0040】
各角度φcamをタッチ・スクリーン座標系に対応する共通の基準フレームに関
係づけ、すべての4個のディジタル・カメラDCcamに適用する単一の数式を創
り出すためには、上の数式においていくつかの定義を変えることが必要である。
最初に、次式により定義される1組の角度βcamを導入する。
【0041】
【数5】

【0042】
角度βcamは、タッチ・スクリーンの指定された周縁、この場合には水平な端
縁62aおよび62b、を基準とする角度φcamである。次に、タッチ・スクリ
ーン座標系のy軸を基準とし、次のように角度βcamと関連する1組の角度αcam
を導入する。
【0043】
【数6】

【0044】
最後に、角度αcamに関連する角度ωcamの第3の組を次のように導入する。
【0045】
【数7】

【0046】
角度αcamを数式(0.7)から(0.10)に述べた定義で置換し、角度βc
amを数式(0.6)に述べた定義で置換すれば、角度ωcamを次式のように表現
することができる。
【0047】
【数8】

【0048】
数式(0.12)から(0.15)は、角度φcamをタッチ・スクリーン座標
系に対応する基準フレームに代入することを可能にすることが、理解されよう。
さらに、角度αcamは次式で表現することができる。
【0049】
【数9】

【0050】
角度αcamを角度ωcamに関して表現すれば、次式を得る。
【0051】
【数10】

【0052】
したがって、接触表面60上の少なくとも1つのポインタ接触点に対応する角
度φcamが得られれば、数式(0.17)は、タッチ・スクリーンに接近してい
るポインタの直交座標(xi、yi)を可能にする方法で角度ωcamを適合させる
方法と、ディジタル・カメラDCcamのオフセット角度δcamを計算する方法を提
供する。これは、接触表面上の所与の接触に対して、角度ωcamは数式(0.1
2)から(0.15)を使用して計算可能であり、タッチ・スクリーン座標系に
対してディジタル・カメラDCcamの座標(xcam、ycam)は既知であり、ポイ
ンタ座標(xi、yi)は各ディジタル・カメラに対して同一である、という事実
に依存している。しかし、数式(0.17)は座標(xi、yi)において非線形
であるので、角度ωcamを適合させるためには線形化技法を使用することが必要
である。
【0053】
したがって本発明によれば、タッチ・システム50の較正の間に、ポインタは
複数の接触点において接触表面60に接触するように使用される。接触表面60
上の各接触点(xi、yi)に対して、各接触点は各ディジタル・カメラDCcam
の視界内にあると仮定して、角度ω0からω3が計算される。数式(0.17)を
使用して、連立方程式が作られる。この連立方程式から、各接触点(xi、yi
の座標、および各ディジタル・カメラDCcamのオフセット角度δcamが、非線形
最小二乗法技法を使用して決定できる。較正の間に使用された接触点の数によっ
て、この連立方程式は優決定、あるいは劣決定である。
【0054】
この連立方程式が優決定であるか劣決定であるかにかかわらず、この連立方程
式の処理を統一するために、特異値分割(以下、SVD:Singular Value Decom
positionと称する)にもとづくムーア・ペンローズ疑似逆方法(Moore-Penrose
pseudo-inverse method)が最小2乗解を決定するために使用される。
【0055】
マトリックスは常に次の方法で分解し得ることは、十分理解されよう。
【0056】
【数11】

【0057】
マトリックスAは、任意の形状を有することができる。マトリックスUおよび
Vは直交行列であり、次式を意味する。
【0058】
【数12】

【0059】
対角行列Sは、マトリックスAの固有値の2乗に関連するマトリックスAの特
異値により完全に構成される。特異値分割の重要性(SVD)は、特異値分割を
使用してマトリックスAの逆が常に計算できるという事実にある。さらに、不完
全に決定された問題(poorly determined problem)が生じたときに、この反転
を制御することが可能である。解が
【0060】
【数13】

【0061】
となるであろう連立1次方程式
【0062】
【数14】

【0063】
を考える。
【0064】
マトリックスUおよびVは共に直交行列であるから、SVDはマトリックスA
の逆を次式により表すことを可能にする。
【0065】
【数15】

【0066】
不完全に決定された状態において、いくつかの特異値は非常に小さいであろう
、その結果マトリックスS-1が形成されるとき大きい値が生じ、それは望ましく
ない。この場合に、最小の特異値の逆は零に設定される。これは、解の不完全に
決定された部分を除外する効果を有する。最小2乗問題に対して、これは強力な
道具である。最小2乗問題に対する通常の標準方程式法は、優決定の場合には、
【0067】
【数16】

【0068】
を解くことにもとづいており、劣決定の場合には、
【0069】
【数17】

【0070】
を解くことにもとづいている。結果として、連立方程式に対する解は、劣決定あ
るいは優決定のどの場合にも、1つの方法を使用して決定することが可能である

【0071】
ディジタル・カメラDCcamに対するオフセット角度δcamが判れば、オフ
セット角度δcamは、マスター・コントローラ54によりメモリに格納される。
タッチ・システム50の動作の間、マスター・コントローラ54が角度φcam
計算する時、結果を調整するために、ディジタル・カメラの実際のオフセット角
度φcamが使用される。したがって、接触表面60に対するポインタの位置を決
定するために、計算された角度φcamを使用してマスター・コントローラ54に
より三角測量が実行される場合、計算された位置は接触表面60に対するポイン
タの実際の位置を正確に反映する。これは、角度φcamがタッチ・スクリーンの
指定された周縁、したがって、タッチ・スクリーン座標系を基準としている事実
に依存している。
【0072】
タッチ・システム50は画像をタッチ・スクリーンに投射するためのプロジェ
クタを有すると説明したが、これは必要ではないことを当業者は十分理解するで
あろう。タッチ・スクリーンは透明でも半透明でもよく、また、ディスプレイ装
置上に提示されるディスプレイがタッチ・スクリーンを介して見えるように、デ
ィスプレイ装置の上に置かれてもよい。さらに、タッチ・スクリーンは、フレー
ムにより縁取りされた矩形の薄板である必要はない。実際には、タッチ・スクリ
ーンは2個以上のカメラの重なる視界内の実質的に任意の表面であってよい。
【0073】
角度ωcamを数式(0.17)に適合させるためにムーア・ペンローズ疑似逆
方法が使用されたが他の数学的線形化技法が使用できることを、当業者は十分理
解するであろう。たとえば、2次のニュートン最小自乗法あるいはガウス・ニュ
ートン最小自乗法を使用して、角度ωcamを数式(0.17)に適合させること
ができる。
【0074】
タッチ・システム50は、タッチ・スクリーンのそれぞれの隅に隣接して1個
ずつ位置する4個のディジタル・カメラを有するものとして示されたが、異なる
数のカメラを有するタッチ・システムにも、較正方法は適用できる。たとえば、
図3は、2個のみのディジタル信号処理プロセッサベースのディジタル・カメラ
DCcamを有するタッチ・スクリーン52'を示す。ディジタル・カメラに対する
ディジタル・カメラ・オフセットδを決定するためには、タッチ・スクリーンに
対する座標系を定義することが最初に必要である。この例においては、ディジタ
ル・カメラDC'1が座標系の原点にあるとし、x軸は右方を指し、y軸は下方
を指している。垂直のタッチ・スクリーン次元Byが除外されるように、この条
件が使用される。
【0075】
図3から、角度φcamは次式により定義されることが判る。
【0076】
【数18】

【0077】
ここで、Bxは、ディジタル・カメラDC'1とDC'2の間の水平距離である。こ
れらの数式をxおよびyに対して解くことにより、初期の推定値は次式となる。
【0078】
【数19】

【0079】
ここで必要な情報は、まさに変数Bxに対する項を含む計画行列の要素である。
これらを、適切な関数の勾配として表現すると次式を得る。
【0080】
【数20】

【0081】
これが意味することのすべては、Bxの変化に対応して計画行列に特別の列があ
ることである。
【0082】
この場合には、角度ωcamおよびオフセット角度δcamを注意深く定めることが
必要である。この場合、角度ωcamは次式で表現される。
【0083】
【数21】

【0084】
さらに、オフセット角度の最終値に180度を加え、符号を反転することによっ
て、オフセット角度δcamの正確な方向が得られる。

本連立方程式は劣決定であるから、最小二乗法最小ノルム解(least squares
minimum-norm solution)が使用される。8つの測定から決定されるべき11個
の未知数が存在する。訂正ベクトル
【外1】
【0085】

【0086】
は、次式により得られる。
【0087】
【数22】

【0088】
タッチ・スクリーン52'の隅に位置する2個のディジタル・カメラを有する
ことに加えて、ディジタル・カメラDC'camは、タッチ・スクリーンに対して図
4に示す構成で位置してもよい。この例においては、対角線の距離dがディジタ
ル・カメラを分離している。ディジタル・カメラDC'1が(xc,0)に位置し
、ディジタル・カメラDC'2が(0,yc)に位置していれば、距離dは次式に
より与えられる。
【0089】
【数23】

【0090】
角度φcamは、次式により定義される。
【0091】
【数24】

【0092】
(xi,yi)に対して解くと、次式を得る。
【0093】
【数25】

【0094】
角度φcamに対する一般式は次式で与えられるが、上記の数式は良い初期推定値
である。
【0095】
【数26】

【0096】
ここで、カメラ・オフセット角度δcamが導入される。
【0097】
単一の点を使用して、較正解を得ることは可能である。次式のように角度φca
mに対する定義方程式を記述することにより、これは実現される。
【0098】
【数27】

【0099】
角度φcamが既知であると仮定すれば、解(xi,yi)は連立方程式の根として
処理できる。2つの変数に対するニュートンの方法は、次式である。
【0100】
【数28】

【0101】
本システムは、基準フレーム内の表面に対する一対のカメラの重なる視界の中
の直交座標内の物体の位置を正確に決定できるように、カメラ・オフセットが直
交基準フレーム(Cartesian reference frame)に関連して決定されることを可
能にすることが十分理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明によるタッチ・システムの略図である。
【図2】図1に示すタッチ・システムの一部を形成するタッチ・スクリーンの正面図であり、カメラのオフセット角度を示している。
【図3】タッチ・スクリーンの他の実施例の正面図である。
【図4】タッチ・スクリーンのさらに他の実施例の正面図である。
【符号の説明】
【0103】
50 タッチ・システム
52 タッチ・スクリーン
54 マスター・コントローラ
56 コンピュータ
58 プロジェクタ
60 接触表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が捉えられた画像から基準フレームに対する物体の位置
を三角測量にもとづいて決定する方法であって、
前記捉えられた画像は前記基準フレーム内に重なり合う視界を有する少なくと
も2個のカメラにより撮られ、少なくとも1個の前記カメラは視界の限界が前記
基準フレームの境界を超えて拡がることをもたらすオフセット角度を有するもの
とし、
前記少なくとも2個のカメラのそれぞれを使用して、前記基準フレーム内の少
なくとも1つの場所における前記物体の画像を捉えるステップと、
各場所に対して、
各画像内の前記物体の前記位置を決定するステップと、
各画像に対して前記決定された位置を前記基準フレームの座標系に対応する座
標系に配置するステップと、
各場所における前記物体の少なくとも1つの前記位置と前記少なくとも1個の
カメラの前記オフセット角度を決定するために、前記決定された位置を処理する
ステップと、を有する物体の捉えられた画像から基準フレームに対する物体の位
置を三角測量にもとづいて決定する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
各画像内の前記物体の前記決定された位置は角度φにより表され、前記角度は
、前記基準フレームの境界を超えて拡がる前記視界の前記限界と、前記画像内の
前記物体と交差する前記カメラから延びる直線との間に形成される角度に等しい
方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、
前記処理の間に、前記角度のそれぞれは前記基準フレーム座標系内の直交座標
(xi、yi)の位置に変換される方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、
捉えられた画像が矩形の基準フレームの隅にあるカメラにより取得される方法
であって、前記カメラのそれぞれは前記基準フレームに対して視界のオフセット
を有し、前記処理の間に前記角度φのそれぞれは角度ωに変換され、前記角度ω
は、
ω=α−δ
により表され、ここで、
δは前記カメラのオフセットであり、
αは、前記カメラ・オフセットを除外し、かつ前記基準フレーム座標系の前記
y軸を基準とする前記角度φと等しく、前記角度ωのそれぞれは次式に適合され

【数1】

ここで、
camおよびycamは、前記カメラの前記直交座標の座標であり、
iおよびyiは前記物体の前記直交座標の座標、したがって前記直交座標の位
置(xi、yi)および前記カメラ・オフセットを得る、捉えられた画像が矩形の
基準フレームの隅にあるカメラにより取得される方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、
前記適合は、線形化技法を使用して実行される方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法において、
前記線形化技法は、ムーア・ペンローズ疑似逆方法である方法。
【請求項7】
物体の捉えられた画像から基準フレームに対する物体の位置
を三角測量にもとづいて決定する方法であって、
前記捉えられた画像は前記基準フレーム内の重なり合う視界を有する少なくと
も2個のカメラにより撮られ、前記少なくとも2個のカメラのそれぞれの視界の
限界は前記基準フレームの境界を包含しており、前記カメラの少なくとも1個は
オフセットしていて前記カメラの視界の限界が前記境界を超えて拡がるものとし

各画像内の物体の位置を決定するステップであって、各画像内の物体の位置は
角度により表されており、前記角度は前記基準フレームの境界を含む視界の限界
と前記画像内の物体と交差するカメラから延びる直線との間に形成される角度に
等しい、各画像内の物体の位置を決定するステップと、
前記少なくとも1個のカメラの前記オフセット角度を決定するステップと、
前記角度を較正するために、前記少なくとも1個のカメラにより撮られた前記
画像内の物体の位置を表す前記角度から前記オフセット角度を減算するステップ
と、
三角測量を使用して前記基準フレームに対する前記物体の位置を計算するため
に、前記較正された角度を使用するステップを有する物体の捉えられた画像から
基準フレームに対する物体の位置を三角測量にもとづいて決定する方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
前記少なくとも2個のカメラのそれぞれはオフセットしており、前記少なくと
も2個のカメラのそれぞれに対する前記オフセット角度は、前記角度を較正する
ために決定し使用される方法。
【請求項9】
重なり合う視界を有する少なくとも2個のカメラと前記カメ
ラの画像データを処理するプロセッサとを備え、基準フレームに対して重なり合
う視界内の物体の位置は各カメラにより取得された画像内に捉えられた物体の位
置データを三角測量することにより決定されるタッチ・システムを較正する方法
であって、
各カメラの前記オフセット角度を前記基準フレームに対して決定するステップ
と、
前記物体位置データを較正するために、前記オフセット角度を使用するステッ
プと、
前記基準フレームに対する前記物体の前記位置を決定するために、三角測量の
間に前記較正された物体の位置データを使用するステップを有するタッチ・シス
テムを較正する方法。
【請求項10】
基準フレームならびに前記基準フレーム内で重なり合う視
界を有する少なくとも2個のカメラを備え、前記基準フレームに対する物体の位
置は前記物体の捉えられた画像から三角測量にもとづいて決定され、オフセット
角度を定めるために前記少なくとも2個のカメラの前記視界は前記基準フレーム
の座標系に対して回転されるタッチ・システムを較正する方法であって、
前記少なくとも2個のカメラのそれぞれを使用して、前記基準フレーム内の少
なくとも1つの場所において前記物体の画像を捉えるステップと、
各場所に対して、
各画像内の前記物体の前記位置を決定するステップであって、各画像内の前記
物体の位置は角度φにより表され、前記角度は前記基準フレームを超えて拡がる
前記視界の限界と前記画像内の前記物体と交差する前記カメラから延びる直線と
の間に形成される角度に等しいとするステップと、
各画像に対して決定された前記角度ならびに基準フレームに設けられた座標系
に対する前記少なくとも2個のカメラの位置にもとづいて、前記少なくとも2個
のカメラの前記オフセット角度を数学的に計算するステップを有するタッチ・シ
ステムを較正する方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、
各カメラの前記オフセット角度は、最小自乗法を使用して計算される方法。
【請求項12】
タッチシステムであって、
接触表面を取り囲む全体として矩形の基準フレームであり、1つの隅が前記接
触表面に設けられる座標系の原点を定める、基準フレームと、
前記基準フレームのそれぞれの隅に隣接するカメラであり、各カメラは前記接
触表面に向けられていて前記カメラの視界内の前記接触表面の画像を捉え、前記
カメラの視界は前記基準フレーム内で重なり合い、前記カメラの視界は前記基準
フレームに対してオフセットしているカメラと、
前記捉えられた画像を処理し、画像内に物体が現れたときに物体の位置データ
を生成するプロセッサであり、前記プロセッサは前記物体の位置データを使用し
て矩形の座標における前記原点に対する前記物体の位置を三角測量にもとづいて
決定し、前記プロセッサはさらに前記カメラのオフセット角度を決定するために
較正ルーチンを実行し、前記位置決定に先だって前記物体の位置データを調整す
るために前記オフセット角度を使用するプロセッサと、により、前記捉えられた
画像を処理し画像内に物体が現れるときに物体の位置データを生成するプロセッ
サを有するタッチ・システム。
【請求項13】
複数のカメラのオフセット角度を決定するコンピュータ・
プログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な媒体であって、
前記コンピュータ・プログラムは、
基準直交座標系の全体にわたる異なる位置の複数のカメラにより生成された物
体の位置データにもとづいてカメラのオフセット角度を決定し、各カメラにより
生成された前記物体の位置データは前記カメラの前記視界内の少なくとも1つの
場所における前記それぞれのカメラの視界内の物体の位置を表すものであり、
各カメラにより生成された前記物体の位置データを前記直交座標系に関連づけ
るコンピュータ・プログラムコードと、
前記関連づけられた物体の位置データと前記座標系に対する前記カメラの位置
にもとづいて、各カメラの前記オフセット角度を数学的に計算するコンピュータ
・プログラムコードを有するコンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−309804(P2008−309804A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239379(P2008−239379)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【分割の表示】特願2002−161283(P2002−161283)の分割
【原出願日】平成14年6月3日(2002.6.3)
【出願人】(592221263)スマート テクノロジーズ ユーエルシー (15)
【氏名又は名称原語表記】SMART TECHNOLOGIES ULC
【Fターム(参考)】