物品の搬送位置補正装置と補正方法、及び同装置を用いた物品の仕分け設備
【課題】物品Bがメイン搬送路1上で位置ずれを起こしても、その位置ずれを送出ローラ43で積極的に補正することができる、物品の搬送位置補正装置4と補正方法、及び同装置を用いた物品の仕分け設備10を提供すること。
【解決課題】物品Bをローラコンベヤの搬送下流側へ送り出す送出ローラ43と、送出ローラ43を駆動回転させる駆動手段と、送出ローラ43よりも搬送上流側において物品Bを検出する検出手段45と、検出手段45により検出した物品Bの実際の搬送位置と予め設定された正規の搬送位置とを比較し、両者が位置ずれしているとき、送出ローラ43の回転速度を増減速させて該物品Bの送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくし或いは小さくする制御手段46とを設けた。
【解決課題】物品Bをローラコンベヤの搬送下流側へ送り出す送出ローラ43と、送出ローラ43を駆動回転させる駆動手段と、送出ローラ43よりも搬送上流側において物品Bを検出する検出手段45と、検出手段45により検出した物品Bの実際の搬送位置と予め設定された正規の搬送位置とを比較し、両者が位置ずれしているとき、送出ローラ43の回転速度を増減速させて該物品Bの送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくし或いは小さくする制御手段46とを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラコンベヤにより搬送される物品の搬送位置を補正する物品の搬送位置補正装置と補正方法、及び同装置を用いた物品の仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の仕分け設備として、物品を搬送するメイン搬送路と、メイン搬送路の側部に接続された分岐搬送路と、送出ローラの向きを切り替えることによってメイン搬送路の搬送上流側から搬送されてきた物品を、必要に応じてメイン搬送路の搬送下流側または分岐搬送路へ選択的に送り出して仕分けする仕分け装置と、を備えたものが提案されている(例えば、下記特許文献1、2参照)。
【0003】
この物品の仕分け設備においては、図18に示すように、メイン搬送路100上の複数の物品B(B1・B2・B3…)を連続的に仕分けする場合、物品同士の間隔を小さくする程、仕分け設備の搬送能力や仕分け能力を大きくすることができる。しかし、先行する物品B1が、仕分け装置300の最下流側の送出ローラ310を完全に通過するまでは、後続の物品B2について仕分け作業を行うことができない。したがって、前後の物品B1・B2の間には少なくとも、仕分け作業に最小限必要な間隔D(以下、単に「仕分け必要間隔D」という。)として、最下流側の送出ローラ310と最上流側の送出ローラ320との間隔d1とこれら送出ローラの切替え作動時間を稼ぐための間隔d2とを合わせた間隔を確保しなければならない。
【0004】
そのため、従来では、メイン搬送路100の搬送上流側に切出し装置400を設け、この切出し装置400によって、複数の物品Bを所定の間隔Cを保ってメイン搬送路100上へ供給するようにしている。そして、所定の間隔Cを保って切り出した各物品Bの搬送位置を追跡管理し、その追跡データに基づいて各物品Bの仕分け作業を行うようにしている。
【特許文献1】特開2000−264413号公報
【特許文献2】特開平9−240819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の仕分け設備は、例えばそのメイン搬送路がローラコンベヤで構成されている場合、各物品が搬送ローラ上で滑って位置ずれを起こすことがあり、各物品の実際の搬送位置とその追跡データに基づく正規の搬送位置とが位置ずれし、前後の物品同士の間隔が上記仕分け必要間隔Dよりも小さくなるおそれがあった。そのため、従来では、物品同士の間隔Cを、物品の最大ずれ量を見込んで大きく設定せざるを得ず、搬送能力や仕分け能力の低下を招く難点があった。また、物品の位置ずれは、物品の形状や重量等のばらつきによって、切出し装置400による物品の切出し時にも発生した。
【0006】
本発明は、従来の仕分け設備に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、搬送中の物品の位置ずれを補正することができる物品の搬送位置補正装置と補正方法、及び同装置を用いた物品の仕分け設備を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路に配設され、該ローラコンベヤの搬送上流側から搬送されてきた物品の搬送位置を補正する搬送位置補正装置であって、
前記物品を前記ローラコンベヤの搬送下流側へ送り出す送出ローラと、前記送出ローラを駆動回転させる駆動手段と、前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品を検出する検出手段と、前記検出手段により検出した物品の実際の搬送位置と予め設定された該物品の正規の搬送位置とを比較し、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送上流側へ位置ずれしているときは、前記駆動手段へ増速信号を出力して前記送出ローラの回転速度を増速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくし、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送下流側へ位置ずれしているときは、前記駆動手段へ減速信号を出力して前記送出ローラの回転速度を減速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくする制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路に配設され、該ローラコンベヤの搬送上流側から搬送されてきた物品の搬送位置を補正する搬送位置補正装置であって、
前記物品を前記ローラコンベヤの搬送下流側へ送り出す送出ローラと、前記送出ローラを駆動回転させる駆動手段と、前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品を検出する検出手段と、前記検出手段により検出した一の物品の搬送位置と該一の物品の後続の他の物品の搬送位置とに基づいて該一の物品と該他の物品との物品間隔を算出し、該物品間隔が予め設定された設定間隔よりも小さいとき、前記送出ローラの回転速度を増速させて該一の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくするか、または、前記送出ローラの回転速度を減速させて該他の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくする制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路において、該ローラコンベヤの搬送路内に駆動回転可能に設けられた送出ローラで前記物品を送り出して該物品の搬送位置を補正する方法であって、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品の実際の搬送位置を検出し、該物品の実際の搬送位置と予め設定された該物品の正規の搬送位置とを比較し、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送上流側へ位置ずれしているときは、前記送出ローラの回転速度を増速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくし、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送下流側へ位置ずれしているときは、前記送出ローラの回転速度を減速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくすることを特徴としている。
【0010】
また、本発明は、前記位置ずれのずれ量を算出し、該ずれ量に応じて、前記送出ローラの回転速度を増減速させる時間を調節することによって、該物品の実際の搬送位置を該物品の正規の搬送位置に合わせることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路において、該ローラコンベヤの搬送路内に駆動回転可能に設けられた送出ローラで前記物品を送り出して該物品の搬送位置を補正する方法であって、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、一の物品の搬送位置と該一の物品の後続の他の物品の搬送位置とを検出し、該一の物品の搬送位置と該他の物品の搬送位置とに基づいて該一の物品と該他の物品との物品間隔を算出し、該物品間隔が予め設定された設定間隔よりも小さいとき、前記送出ローラの回転速度を増速させて該一の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくするか、または、前記送出ローラの回転速度を減速させて該他の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくすることを特徴としている。
【0012】
また、本発明は、前記物品間隔と前記設定間隔とのずれ量を算出し、該ずれ量に応じて、前記送出ローラの回転速度を増減速させる時間を調節することによって前記物品間隔を前記設定間隔に合わせることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記物品の重心が前記送出ローラ上を通過するとき、該送出ローラの増減速を開始させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤから成るメイン搬送路と、前記メイン搬送路の側部に接続された分岐搬送路と、前記メイン搬送路上に配設され、該メイン搬送路の搬送上流側から搬送されてきた物品を必要に応じて該メイン搬送路の搬送下流側または前記分岐搬送路へ仕分けする仕分け装置と、を含む仕分け設備であって、
前記仕分け装置よりも前記メイン搬送路の搬送上流側に、請求項1または請求項2記載の搬送位置補正装置を一または複数設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、物品がメイン搬送路上で位置ずれを起こしても、送出ローラによってその位置ずれを積極的に補正することができる。したがって、物品の位置ずれによって、物品同士の実際の間隔が、例えば仕分け必要間隔よりも小さくなったとしても、送出ローラによって、物品同士の間隔を設定間隔に戻すことができ、前後の物品について正常な仕分け作業等を行うことができる。したがって、従来のように、物品同士の設定間隔を想定される最大ずれ量を見込んで大きめに設定する必要もなく、物品の搬送能力や仕分け能力等の低下を招くことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示すように、本実施形態の物品の仕分け設備10は主として、複数の物品B(B1・B2・B3…)を搬送するメイン搬送路1と、メイン搬送路1の側部に接続された分岐搬送路2と、メイン搬送路1上に配設され、メイン搬送路1の搬送上流側から搬送されてきた物品Bを必要に応じてメイン搬送路1の搬送下流側または分岐搬送路2へ仕分けする仕分け装置3と、仕分け装置3よりもメイン搬送路1の搬送上流側において、物品Bの搬送位置を補正する搬送位置補正装置4と、から構成されている。以下、各構成部について、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0017】
メイン搬送路1は、図2に示すように、駆動回転可能な多数の搬送ローラ14で物品を搬送するベルト駆動式ローラコンベヤ12から構成されている。ローラコンベヤ12は、物品の搬送方向に沿って延びる一対のフレーム13間に多数の棒状の搬送ローラ14が搬送方向に沿って並列状態に軸支されて構成されている。そして、図5に示すように、片側のフレーム13に軸支された複数のプーリ15に掛け渡され、不図示の駆動手段により駆動走行する駆動ベルト16が、各搬送ローラ14と接触することによって、各搬送ローラ14が一斉に回転駆動される。こうして、ベルト駆動式ローラコンベヤ12から成るメイン搬送路1に沿って物品Bが搬送される。
【0018】
分岐搬送路2は、フリーローラコンベヤ21から構成されている。図2に示すように、フリーローラコンベヤ21は、物品の搬送方向に沿って延びる一対のフレーム22間に、フレーム22に沿って配設された複数の支持部材23を介して多数の円盤状の搬送ローラ24が軸支されて構成されている。これら搬送ローラ24が従動回転することによって、分岐搬送路2に沿って物品Bが搬送される。また、図2中、符号17で指示するものは、メイン搬送路1と分岐搬送路2との接続部分を除き、メイン搬送路1及び分岐搬送路2に沿って設けられた、物品Bを案内するためのガイドである。
【0019】
仕分け装置3は、図2に示すように、メイン搬送路1の分岐搬送路2との分岐部11に配設され、各物品Bに対応する仕分け指示に従って、複数の仕分ローラ31の向きを切り替えることによって物品Bを仕分けする。
【0020】
即ち、本実施形態の仕分け装置3は、物品Bを分岐搬送路2へ送り出すとき、各仕分ローラ31をメイン搬送路1の搬送面よりも大きく突出させ、各仕分ローラ31を旋回させて分岐搬送路2の方向へ向け、各仕分ローラ31を駆動回転させる。この状態の仕分ローラ31上に物品Bを進入させることによって、物品Bを仕分ローラ31で分岐搬送路2へ送り出す。なお、各仕分ローラ31は、物品Bを分岐搬送路2へ送り出すときに、駆動回転し、分岐搬送路2へ向き、メイン搬送路1の搬送面よりも突出した状態にありさえすればよく、各仕分ローラ31の回転動作、旋回動作、及び上下動作の各動作の作動順序は適宜変更し得る。また、仕分ローラ6の駆動回転は、間欠的であっても連続的であってもよい。
【0021】
そして、物品Bをメイン搬送路1の搬送下流側へそのまま搬送するときは、各仕分ローラ31を下降させてメイン搬送路1の搬送面よりも小さく(2ミリ程度)突出させ、各仕分ローラ31を旋回させてメイン搬送路1の搬送下流側へ向け、各仕分ローラ31を駆動回転させる。この状態の仕分ローラ31上に物品Bを進入させることによって、物品Bを仕分ローラ31でメイン搬送路1の搬送下流側へ送り出す。なお、各仕分ローラ31は、物品Bをメイン搬送路1の搬送下流側へ送り出すときに、駆動回転し、メイン搬送路1の搬送下流側へ向き、メイン搬送路1の搬送面よりも突出した状態にありさえすればよく、各仕分ローラ31の回転動作、旋回動作、及び上下動作の各動作の作動順序は適宜変更し得る。また、仕分ローラ31の駆動回転は、間欠的であっても連続的であってもよい。
【0022】
搬送位置補正装置4は、図1に示すように、上記仕分け装置3よりもメイン搬送路1の搬送上流側に配設され、物品Bの搬送位置をメイン搬送路1上で補正する。搬送位置補正装置4は、図1、図3〜図5に示すように、メイン搬送路1を構成するローラコンベヤ12のフレーム13の下方にボルト止めされた取付枠41と、取付枠41に固定された支持枠42と、支持枠42に配設された複数の送出ローラ43と、送出ローラ43を駆動回転させる駆動手段44と、メイン搬送路1上の物品Bを検出する検出手段45と、物品Bの実際の搬送位置に基づいて送出ローラ43の回転速度等を制御する制御手段46と、を備えている。
【0023】
取付枠41は、左右一対の側板411と、一対の側板411同士をそれらの前部(メイン搬送路1の搬送上流側)で連結する前部横架材412と、一対の側板411同士をそれらの後部(メイン搬送路1の搬送下流側)で連結する後部横架材413と、から構成されている。そして、支持枠42は、取付枠41の前部横架材412及び後部横架材413上に固定された左右一対の側板421と、一対の側板421の中程部の間に架設された計3つの横架材422と、から構成されている。
【0024】
送出ローラ43は、図3に示すように、メイン搬送路1の搬送方向及び幅方向にそれぞれ所定間隔をあけて計18個、配設されている。即ち、メイン搬送路1の幅方向に並ぶ計6つの送出ローラ43が、メイン搬送路1の搬送方向に計3列、配設されている。各送出ローラ43は、図5に示すように、略コ字形状のブラケット431によって、そのローラ軸を水平に保って軸支されている。そして、各送出ローラ43の外周面には、溝部432が形成されている。また、送出ローラ43は、これら送出ローラ43によって形成される送出搬送面が、メイン搬送路1のローラコンベヤ12の搬送面から2ミリ程度、突出する高さ位置に配設されている。
【0025】
駆動手段44は、図5に示すように、上記支持枠42の横架材422の下方に軸支され、計6つの溝付プーリ441を備えた駆動軸442と、溝付プーリ441と各送出ローラ43の溝部432との間に掛けられた駆動ベルト443と、駆動軸442の端部に設けられた駆動プーリ444と、支持枠42に軸支された複数の支持プーリ445間に架け渡され、モータ446によって駆動走行する駆動ベルト447と、から構成されている。モータ446によって駆動走行する駆動ベルト447が駆動プーリ444と接触することによって、各駆動軸442が回転駆動され、各送出ローラ43が一斉に回転駆動される。
【0026】
検出手段45は、図1に示すように、送出ローラ43よりもメイン搬送路1の搬送上流側に配設されている。検出手段45は、投光部と受光部を備え、メイン搬送路1の搬送上流側から搬送されてくる物品Bを検出する。
【0027】
制御手段46は、検出手段45により検出した物品Bの実際の搬送位置と、予め設定された物品Bの正規の搬送位置とを比較し、両搬送位置のずれ量を算出する。そして、そのずれ量に応じて駆動手段44へ増減速信号を出力し、モータ446を制御して送出ローラ43の回転速度等を調節する。なお、本実施形態では、メイン搬送路1の搬送上流側に切出し装置5が配設されており、この切出し装置5によって、複数の物品B(B1・B2・B3…)を所定の間隔Cを保ってメイン搬送路1上へ供給し、その後、各物品Bの搬送位置を追跡管理するようにしている。制御手段46は、各物品Bの追跡データに基づく正規の搬送位置と、検出手段45により検出した各物品Bの実際の搬送位置とを比較する。
【0028】
次に、図6〜図11を参照しながら、本実施形態の仕分け設備10の搬送位置補正装置4による物品の搬送位置補正方法について説明する。
【0029】
本実施形態の搬送位置補正装置4は、例えば物品Bがメイン搬送路1のローラコンベヤ12上で滑って位置ずれを起こしたとき、この位置ずれを送出ローラ43で積極的に補正する。
【0030】
即ち、図6に示すように、物品B2の実際の搬送位置がその正規の搬送位置Rよりもメイン搬送路1の搬送上流側へ位置ずれした場合(遅れ異常の場合)、図7に示すように、検出手段45が物品B2の実際の搬送位置を検出した後、制御手段46が物品B2の実際の搬送位置と正規の搬送位置Rとを比較し、そのずれ量Z1を算出する。そして、制御手段46は、算出したずれ量Z1に応じて、送出ローラ43の回転速度を増速させ、物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも大きくする。
【0031】
こうして、図8に示すように、増速させた送出ローラ43によって物品B2を、通常の送り量よりも、ずれ量Z1に相当する進め量G1だけ大きく送り出し、物品B2が最下流側の送出ローラ43を通過するまでの間に、物品B2の実際の搬送位置をその正規の搬送位置Rに合わせるのである。正規の搬送位置Rに位置合わせされた物品B2は、その後、仕分け装置3へ搬送され、仕分け装置3で仕分け作業が行われる。
【0032】
この送出ローラ43による物品Bの送り量は、送出ローラ43の回転速度と時間との積によって決まる。制御手段46は、ずれ量Z1に相当する進め量G1を得るために、送出ローラ43の回転速度を適宜調節する。なお、ずれ量Z1に相当する進め量G1を得るために、送出ローラ43の回転速度の調節に代えて、または送出ローラ43の回転速度の調節とともに、送出ローラ43の回転速度を増速させる時間を適宜調節するようにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、図9に示すように、各物品Bの重心Wが最上流側の送出ローラ43上を通過する時点から、送出ローラ43の増速を開始させるようにしている。このことで、送出ローラ43による送出力Fを物品Bに対してより確実に伝えることができ、送出ローラ43と物品Bとの間の滑りを抑制し、より正確な位置補正を行うことが可能となる。
【0034】
このように本実施形態の搬送位置補正装置4によれば、物品Bがメイン搬送路1のローラコンベヤ12上で滑って、遅れ異常の位置ずれを起こしても、その位置ずれを送出ローラ43で積極的に補正することができる。したがって、図7に示すように、物品同士の設定間隔Cを仕分け必要間隔Dとほぼ同じに設定した場合において、物品B2にずれ量Z1の位置ずれが発生し、物品B2とその後続の物品B3との実際の間隔が「C−Z1」となり、仕分け必要間隔Dより小さくなったとしても、図8に示すように、ずれ量Z1に相当する進め量G1によって、物品B2と物品B3との実際の間隔を設定間隔Cに戻すことができ、後続の物品B3について正常な仕分け作業を行うことができる。したがって、従来のように、物品同士の設定間隔を、想定される最大ずれ量を見込んで大きめに設定する必要もなく、仕分け設備等の搬送能力や仕分け能力の低下を招くこともない。
【0035】
一方、図10に示すように、物品B2の実際の搬送位置がその正規の搬送位置Rよりもメイン搬送路1の搬送下流側へ位置ずれした場合(進み異常の場合)、検出手段45が物品B2の実際の搬送位置を検出した後、制御手段46が物品B2の実際の搬送位置と正規の搬送位置Rとを比較し、そのずれ量Z2を算出する。そして、制御手段46は、算出したずれ量Z2に応じて送出ローラ43の回転速度を減速させ、物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも小さくする。
【0036】
こうして、図11に示すように、減速させた送出ローラ43によって物品B2を、通常の送り量よりも、ずれ量Z2に相当する遅らせ量G2だけ小さく送り出し、物品B2が最下流側の送出ローラ43を通過するまでの間に、物品B2の実際の搬送位置をその正規の搬送位置Rに合わせるのである。正規の搬送位置Rに位置合わせされた物品B2は、その後、仕分け装置3へ搬送され、仕分け装置3で正常に仕分け作業が行われる。
【0037】
この場合においても、制御手段46は、ずれ量Z2に相当する遅らせ量G2を得るために、送出ローラ43の回転速度を適宜調節するが、送出ローラ43の回転速度の調節に代えて、または送出ローラ43の回転速度の調節とともに、送出ローラ43の回転速度を減速させる時間を適宜調節してもよい。また、物品Bの重心Wが最上流側の送出ローラ43上を通過する時点から、送出ローラ43の減速を開始させるようにしている。
【0038】
このように本実施形態の搬送位置補正装置4によれば、例えば切出し装置5による物品の切出し異常等によって、物品B2が進み異常の位置ずれを起こしても、その位置ずれを送出ローラ43で積極的に補正することができる。したがって、図10に示すように、物品同士の設定間隔Cを仕分け必要間隔Dとほぼ同じに設定した場合において、物品B2にずれ量Z2の位置ずれが発生し、物品B2とその前方の物品B1との実際の間隔が「C−Z2」となり、仕分け必要間隔Dより小さくなったとしても、図11に示すように、ずれ量Z2に相当する遅らせ量G2によって、物品B2と物品B1との実際の間隔を設定間隔Cに戻すことができ、物品B2について正常な仕分け作業を行うことができる。したがって、従来のように、物品同士の設定間隔を、想定される最大ずれ量を見込んで大きめに設定する必要もなく、仕分け設備等の搬送能力や仕分け能力の低下を招くこともない。
【0039】
以上、本実施形態の仕分け設備10の搬送位置補正装置4とその補正方法について説明したが、本発明はその他の形態でも実施することができる。
【0040】
例えば、図12に示す、物品の仕分け設備20のように、メイン搬送路1に沿って複数の分岐搬送路2と複数の仕分け装置3を配設し、仕分け装置3同士の間に、複数の搬送位置補正装置4を設けるようにしてもよい。このことで、例えば、物品の位置ずれを複数の搬送位置補正装置4で分担して補正することも可能となり、分岐搬送路2同士の距離が大きい設備レイアウトの場合であっても、物品の搬送位置を確実に補正することができ、仕分け装置3で正常な仕分け作業を行うことができる。
【0041】
また、図13〜図17に示す、物品の仕分け設備30のように構成してもよい。仕分け設備30は主として、複数の物品B(B1・B2・B3…)を搬送するメイン搬送路1と、メイン搬送路1の側部に接続された分岐搬送路2と、メイン搬送路1上に配設され、メイン搬送路1の搬送上流側から搬送されてきた物品Bを必要に応じてメイン搬送路1の搬送下流側または分岐搬送路2へ仕分けする仕分け装置3と、仕分け装置3よりもメイン搬送路1の搬送上流側において、物品Bの搬送位置を補正する搬送位置補正装置40とを備えている。これら構成部のうち、メイン搬送路1、分岐搬送路2、及び仕分け装置3は、上述した仕分け設備10と同様に構成されている。そして、仕分け装置3による物品Bの仕分け作業についても上述した仕分け設備10と同様に行われる。
【0042】
搬送位置補正装置40は、メイン搬送路1を構成するローラコンベヤ12にボルト止めされた取付枠41と、取付枠41に固定された支持枠42と、支持枠42に配設された複数の送出ローラ43と、送出ローラ43を駆動回転させる駆動手段44と、メイン搬送路1上の物品Bを検出する検出手段47と、前後の物品Bの各搬送位置に基づいて送出ローラ43の回転速度等を制御する制御手段48と、を備えている。これら構成部のうち、取付枠41、支持枠42、送出ローラ43、及び駆動手段44は、上述した搬送位置補正装置4と同様に構成されている。
【0043】
検出手段47は、図13に示すように、送出ローラ43よりもメイン搬送路1の搬送上流側に配設されている。検出手段47は、投光部と受光部を備え、メイン搬送路1の搬送上流側から搬送されてくる複数の物品Bの搬送位置を順次検出する。
【0044】
制御手段48は、検出手段47により順次検出した一の物品Bの搬送位置とその後続の他の物品Bの搬送位置とに基づいて実際の物品間隔を算出し、この実際の物品間隔と予め設定された設定間隔とのずれ量を算出する。そして、そのずれ量に応じて駆動手段44へ増減速信号を出力し、モータを制御して送出ローラ43の回転速度等を調節する。本実施例では、メイン搬送路1の搬送上流側に切出し装置5を配設し、この切出し装置5によって、複数の物品Bを所定の間隔Cを保ってメイン搬送路1上へ供給するようにしている。制御手段48は、この切出し装置5による設定間隔Cと実際の物品間隔とを比較する。
【0045】
例えば、図13に示すように、物品B2が遅れ異常の位置ずれを起こした場合、図14に示すように、制御手段48は、一の物品B2とその後続の他の物品B3との間の実際の物品間隔と、設定間隔Cとを比較し、そのずれ量Z3を算出する。そして、制御手段48は、実際の物品間隔「C−Z3」が設定間隔Cよりも小さいとき、そのずれ量Z3に応じて、送出ローラ43の回転速度を増速させて前方の物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも大きくする。
【0046】
こうして、図15に示すように、増速させた送出ローラ43によって物品B2を、通常の送り量よりも、ずれ量Z3に相当する進め量G3だけ大きく送り出し、物品B2が送出ローラ43を通過するまでの間に、物品B2と物品B3との実際の物品間隔を「C−Z3+G3」とし、設定間隔Cに合わせるのである。制御手段48は、ずれ量Z3に相当する進め量G3を得るために、送出ローラ43の回転速度を適宜調節するが、送出ローラ43の回転速度の調節に代えて、または送出ローラ43の回転速度の調節とともに、送出ローラ43の回転速度を増減速させる時間を適宜調節することもできる。また、物品Bの重心Wが最上流側の送出ローラ43上を通過する時点から、送出ローラ43の増減速を開始させるようにしている。
【0047】
なお、図13に示すように、物品B2が遅れ異常の位置ずれを起こした場合において、検出手段47が一の物品B1とその後続の他の物品B2を検出した段階で、制御手段48は、物品B1と物品B2との実際の物品間隔が「C+Z3」であることを算出し、この実際の物品間隔が設定間隔Cよりも大きく、そのずれ量が「Z3」であることを算出することもできる。したがって、検出手段47が物品B2を検出した段階で、そのずれ量Z3に応じて、送出ローラ43の回転速度を増速させて他の物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも大きくするようにしてもよい。
【0048】
また、図16に示すように、物品B2が進み異常の位置ずれを起こした場合、制御手段48は、一の物品B1とその後続の他の物品B2との間の実際の物品間隔と、設定間隔Cとを比較し、そのずれ量Z4を算出する。そして、制御手段48は、実際の物品間隔「C−Z4」が設定間隔Cよりも小さいとき、そのずれ量Z4に応じて、送出ローラ43の回転速度を減速させて後続の他の物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも小さくする。
【0049】
こうして、図17に示すように、減速させた送出ローラ43によって他の物品B2を、通常の送り量よりも、ずれ量Z4に相当する遅らせ量G4だけ小さく送り出し、物品B2が送出ローラ43を通過するまでの間に、物品B1と物品B2との実際の物品間隔を「C−Z4+G4」とし、設定間隔Cに合わせるのである。この場合でも、制御手段48は、ずれ量Z4に相当する遅らせ量G4を得るために、送出ローラ43の回転速度を適宜調節するが、送出ローラ43の回転速度の調節に代えて、または送出ローラ43の回転速度の調節とともに、送出ローラ43の回転速度を減速させる時間を適宜調節することもできる。また、物品Bの重心Wが最上流側の送出ローラ43上を通過する時点から、送出ローラ43の減速を開始させるようにしている。
【0050】
なお、物品B2が遅れ異常の位置ずれを起こした場合において、検出手段47が一の物品B2とその後続の他の物品B3を検出した段階で、制御手段48は、物品B2と物品B3との実際の物品間隔が「C+Z4」であることを算出し、この実際の物品間隔が設定間隔Cよりも大きく、そのずれ量が「Z4」であることを算出することもできる。したがって、検出手段47が物品B3を検出した段階で、そのずれ量Z4に応じて、送出ローラ43の回転速度を減速させて一の物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも小さくするようにしてもよい。
【0051】
このように搬送位置補正装置40によれば、物品Bがメイン搬送路1上で遅れ異常または進み異常の位置ずれを起こし、実際の物品間隔が予め設定された設定間隔Cよりも小さくなったとしても、送出ローラ43によって実際の物品間隔を積極的に設定間隔Cに戻すことができる。したがって、従来のように、物品同士の設定間隔を、想定される最大ずれ量を見込んで大きめに設定する必要もなく、仕分け設備の搬送能力や仕分け能力の低下を招くことがない。
【0052】
また、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得る。例えば、上記実施形態の物品の仕分け設備では、仕分ローラの向きを切り替えて物品を仕分ける方式の仕分け装置を採用しているが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、必要に応じて案内板を搬送路上で揺動させて物品を仕分けるダイバータ方式の仕分け装置を採用してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、搬送位置補正装置を、仕分け装置の搬送上流側に配設しているが、例えば、物品に貼付されたバーコードを読み取るためのバーコード読取り装置の搬送上流側に、搬送位置補正装置を配設し、読み取り作業に最小限必要な間隔を物品同士の間に確保するようにしてもよい。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施形態の物品の仕分け設備の概略平面図である。
【図2】本実施形態の物品の仕分け設備の部分平面図である。
【図3】本実施形態の物品の仕分け設備の搬送位置補正装置の平面図である。
【図4】本実施形態の物品の仕分け設備の搬送位置補正装置の側面図である。
【図5】図4中のS−S線断面図である。
【図6】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図7】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図8】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図9】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図10】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図11】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図12】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の概略平面図である。
【図13】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図14】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図15】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図16】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図17】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図18】従来の物品の仕分け設備を説明する概略平面図である。
【符号の説明】
【0055】
10、20、30 物品の仕分け設備
1 メイン搬送路
12 ローラコンベヤ
14 搬送ローラ
2 分岐搬送路
3 仕分け装置
31 仕分ローラ
4、40 搬送位置補正装置
43 送出ローラ
44 駆動手段
45、47 検出手段
46、48 制御手段
B、B1〜B4 物品
C 設定間隔
R 物品の正規の搬送位置
Z1〜Z4 ずれ量
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラコンベヤにより搬送される物品の搬送位置を補正する物品の搬送位置補正装置と補正方法、及び同装置を用いた物品の仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の仕分け設備として、物品を搬送するメイン搬送路と、メイン搬送路の側部に接続された分岐搬送路と、送出ローラの向きを切り替えることによってメイン搬送路の搬送上流側から搬送されてきた物品を、必要に応じてメイン搬送路の搬送下流側または分岐搬送路へ選択的に送り出して仕分けする仕分け装置と、を備えたものが提案されている(例えば、下記特許文献1、2参照)。
【0003】
この物品の仕分け設備においては、図18に示すように、メイン搬送路100上の複数の物品B(B1・B2・B3…)を連続的に仕分けする場合、物品同士の間隔を小さくする程、仕分け設備の搬送能力や仕分け能力を大きくすることができる。しかし、先行する物品B1が、仕分け装置300の最下流側の送出ローラ310を完全に通過するまでは、後続の物品B2について仕分け作業を行うことができない。したがって、前後の物品B1・B2の間には少なくとも、仕分け作業に最小限必要な間隔D(以下、単に「仕分け必要間隔D」という。)として、最下流側の送出ローラ310と最上流側の送出ローラ320との間隔d1とこれら送出ローラの切替え作動時間を稼ぐための間隔d2とを合わせた間隔を確保しなければならない。
【0004】
そのため、従来では、メイン搬送路100の搬送上流側に切出し装置400を設け、この切出し装置400によって、複数の物品Bを所定の間隔Cを保ってメイン搬送路100上へ供給するようにしている。そして、所定の間隔Cを保って切り出した各物品Bの搬送位置を追跡管理し、その追跡データに基づいて各物品Bの仕分け作業を行うようにしている。
【特許文献1】特開2000−264413号公報
【特許文献2】特開平9−240819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の仕分け設備は、例えばそのメイン搬送路がローラコンベヤで構成されている場合、各物品が搬送ローラ上で滑って位置ずれを起こすことがあり、各物品の実際の搬送位置とその追跡データに基づく正規の搬送位置とが位置ずれし、前後の物品同士の間隔が上記仕分け必要間隔Dよりも小さくなるおそれがあった。そのため、従来では、物品同士の間隔Cを、物品の最大ずれ量を見込んで大きく設定せざるを得ず、搬送能力や仕分け能力の低下を招く難点があった。また、物品の位置ずれは、物品の形状や重量等のばらつきによって、切出し装置400による物品の切出し時にも発生した。
【0006】
本発明は、従来の仕分け設備に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、搬送中の物品の位置ずれを補正することができる物品の搬送位置補正装置と補正方法、及び同装置を用いた物品の仕分け設備を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路に配設され、該ローラコンベヤの搬送上流側から搬送されてきた物品の搬送位置を補正する搬送位置補正装置であって、
前記物品を前記ローラコンベヤの搬送下流側へ送り出す送出ローラと、前記送出ローラを駆動回転させる駆動手段と、前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品を検出する検出手段と、前記検出手段により検出した物品の実際の搬送位置と予め設定された該物品の正規の搬送位置とを比較し、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送上流側へ位置ずれしているときは、前記駆動手段へ増速信号を出力して前記送出ローラの回転速度を増速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくし、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送下流側へ位置ずれしているときは、前記駆動手段へ減速信号を出力して前記送出ローラの回転速度を減速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくする制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路に配設され、該ローラコンベヤの搬送上流側から搬送されてきた物品の搬送位置を補正する搬送位置補正装置であって、
前記物品を前記ローラコンベヤの搬送下流側へ送り出す送出ローラと、前記送出ローラを駆動回転させる駆動手段と、前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品を検出する検出手段と、前記検出手段により検出した一の物品の搬送位置と該一の物品の後続の他の物品の搬送位置とに基づいて該一の物品と該他の物品との物品間隔を算出し、該物品間隔が予め設定された設定間隔よりも小さいとき、前記送出ローラの回転速度を増速させて該一の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくするか、または、前記送出ローラの回転速度を減速させて該他の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくする制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路において、該ローラコンベヤの搬送路内に駆動回転可能に設けられた送出ローラで前記物品を送り出して該物品の搬送位置を補正する方法であって、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品の実際の搬送位置を検出し、該物品の実際の搬送位置と予め設定された該物品の正規の搬送位置とを比較し、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送上流側へ位置ずれしているときは、前記送出ローラの回転速度を増速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくし、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送下流側へ位置ずれしているときは、前記送出ローラの回転速度を減速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくすることを特徴としている。
【0010】
また、本発明は、前記位置ずれのずれ量を算出し、該ずれ量に応じて、前記送出ローラの回転速度を増減速させる時間を調節することによって、該物品の実際の搬送位置を該物品の正規の搬送位置に合わせることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路において、該ローラコンベヤの搬送路内に駆動回転可能に設けられた送出ローラで前記物品を送り出して該物品の搬送位置を補正する方法であって、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、一の物品の搬送位置と該一の物品の後続の他の物品の搬送位置とを検出し、該一の物品の搬送位置と該他の物品の搬送位置とに基づいて該一の物品と該他の物品との物品間隔を算出し、該物品間隔が予め設定された設定間隔よりも小さいとき、前記送出ローラの回転速度を増速させて該一の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくするか、または、前記送出ローラの回転速度を減速させて該他の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくすることを特徴としている。
【0012】
また、本発明は、前記物品間隔と前記設定間隔とのずれ量を算出し、該ずれ量に応じて、前記送出ローラの回転速度を増減速させる時間を調節することによって前記物品間隔を前記設定間隔に合わせることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記物品の重心が前記送出ローラ上を通過するとき、該送出ローラの増減速を開始させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤから成るメイン搬送路と、前記メイン搬送路の側部に接続された分岐搬送路と、前記メイン搬送路上に配設され、該メイン搬送路の搬送上流側から搬送されてきた物品を必要に応じて該メイン搬送路の搬送下流側または前記分岐搬送路へ仕分けする仕分け装置と、を含む仕分け設備であって、
前記仕分け装置よりも前記メイン搬送路の搬送上流側に、請求項1または請求項2記載の搬送位置補正装置を一または複数設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、物品がメイン搬送路上で位置ずれを起こしても、送出ローラによってその位置ずれを積極的に補正することができる。したがって、物品の位置ずれによって、物品同士の実際の間隔が、例えば仕分け必要間隔よりも小さくなったとしても、送出ローラによって、物品同士の間隔を設定間隔に戻すことができ、前後の物品について正常な仕分け作業等を行うことができる。したがって、従来のように、物品同士の設定間隔を想定される最大ずれ量を見込んで大きめに設定する必要もなく、物品の搬送能力や仕分け能力等の低下を招くことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示すように、本実施形態の物品の仕分け設備10は主として、複数の物品B(B1・B2・B3…)を搬送するメイン搬送路1と、メイン搬送路1の側部に接続された分岐搬送路2と、メイン搬送路1上に配設され、メイン搬送路1の搬送上流側から搬送されてきた物品Bを必要に応じてメイン搬送路1の搬送下流側または分岐搬送路2へ仕分けする仕分け装置3と、仕分け装置3よりもメイン搬送路1の搬送上流側において、物品Bの搬送位置を補正する搬送位置補正装置4と、から構成されている。以下、各構成部について、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0017】
メイン搬送路1は、図2に示すように、駆動回転可能な多数の搬送ローラ14で物品を搬送するベルト駆動式ローラコンベヤ12から構成されている。ローラコンベヤ12は、物品の搬送方向に沿って延びる一対のフレーム13間に多数の棒状の搬送ローラ14が搬送方向に沿って並列状態に軸支されて構成されている。そして、図5に示すように、片側のフレーム13に軸支された複数のプーリ15に掛け渡され、不図示の駆動手段により駆動走行する駆動ベルト16が、各搬送ローラ14と接触することによって、各搬送ローラ14が一斉に回転駆動される。こうして、ベルト駆動式ローラコンベヤ12から成るメイン搬送路1に沿って物品Bが搬送される。
【0018】
分岐搬送路2は、フリーローラコンベヤ21から構成されている。図2に示すように、フリーローラコンベヤ21は、物品の搬送方向に沿って延びる一対のフレーム22間に、フレーム22に沿って配設された複数の支持部材23を介して多数の円盤状の搬送ローラ24が軸支されて構成されている。これら搬送ローラ24が従動回転することによって、分岐搬送路2に沿って物品Bが搬送される。また、図2中、符号17で指示するものは、メイン搬送路1と分岐搬送路2との接続部分を除き、メイン搬送路1及び分岐搬送路2に沿って設けられた、物品Bを案内するためのガイドである。
【0019】
仕分け装置3は、図2に示すように、メイン搬送路1の分岐搬送路2との分岐部11に配設され、各物品Bに対応する仕分け指示に従って、複数の仕分ローラ31の向きを切り替えることによって物品Bを仕分けする。
【0020】
即ち、本実施形態の仕分け装置3は、物品Bを分岐搬送路2へ送り出すとき、各仕分ローラ31をメイン搬送路1の搬送面よりも大きく突出させ、各仕分ローラ31を旋回させて分岐搬送路2の方向へ向け、各仕分ローラ31を駆動回転させる。この状態の仕分ローラ31上に物品Bを進入させることによって、物品Bを仕分ローラ31で分岐搬送路2へ送り出す。なお、各仕分ローラ31は、物品Bを分岐搬送路2へ送り出すときに、駆動回転し、分岐搬送路2へ向き、メイン搬送路1の搬送面よりも突出した状態にありさえすればよく、各仕分ローラ31の回転動作、旋回動作、及び上下動作の各動作の作動順序は適宜変更し得る。また、仕分ローラ6の駆動回転は、間欠的であっても連続的であってもよい。
【0021】
そして、物品Bをメイン搬送路1の搬送下流側へそのまま搬送するときは、各仕分ローラ31を下降させてメイン搬送路1の搬送面よりも小さく(2ミリ程度)突出させ、各仕分ローラ31を旋回させてメイン搬送路1の搬送下流側へ向け、各仕分ローラ31を駆動回転させる。この状態の仕分ローラ31上に物品Bを進入させることによって、物品Bを仕分ローラ31でメイン搬送路1の搬送下流側へ送り出す。なお、各仕分ローラ31は、物品Bをメイン搬送路1の搬送下流側へ送り出すときに、駆動回転し、メイン搬送路1の搬送下流側へ向き、メイン搬送路1の搬送面よりも突出した状態にありさえすればよく、各仕分ローラ31の回転動作、旋回動作、及び上下動作の各動作の作動順序は適宜変更し得る。また、仕分ローラ31の駆動回転は、間欠的であっても連続的であってもよい。
【0022】
搬送位置補正装置4は、図1に示すように、上記仕分け装置3よりもメイン搬送路1の搬送上流側に配設され、物品Bの搬送位置をメイン搬送路1上で補正する。搬送位置補正装置4は、図1、図3〜図5に示すように、メイン搬送路1を構成するローラコンベヤ12のフレーム13の下方にボルト止めされた取付枠41と、取付枠41に固定された支持枠42と、支持枠42に配設された複数の送出ローラ43と、送出ローラ43を駆動回転させる駆動手段44と、メイン搬送路1上の物品Bを検出する検出手段45と、物品Bの実際の搬送位置に基づいて送出ローラ43の回転速度等を制御する制御手段46と、を備えている。
【0023】
取付枠41は、左右一対の側板411と、一対の側板411同士をそれらの前部(メイン搬送路1の搬送上流側)で連結する前部横架材412と、一対の側板411同士をそれらの後部(メイン搬送路1の搬送下流側)で連結する後部横架材413と、から構成されている。そして、支持枠42は、取付枠41の前部横架材412及び後部横架材413上に固定された左右一対の側板421と、一対の側板421の中程部の間に架設された計3つの横架材422と、から構成されている。
【0024】
送出ローラ43は、図3に示すように、メイン搬送路1の搬送方向及び幅方向にそれぞれ所定間隔をあけて計18個、配設されている。即ち、メイン搬送路1の幅方向に並ぶ計6つの送出ローラ43が、メイン搬送路1の搬送方向に計3列、配設されている。各送出ローラ43は、図5に示すように、略コ字形状のブラケット431によって、そのローラ軸を水平に保って軸支されている。そして、各送出ローラ43の外周面には、溝部432が形成されている。また、送出ローラ43は、これら送出ローラ43によって形成される送出搬送面が、メイン搬送路1のローラコンベヤ12の搬送面から2ミリ程度、突出する高さ位置に配設されている。
【0025】
駆動手段44は、図5に示すように、上記支持枠42の横架材422の下方に軸支され、計6つの溝付プーリ441を備えた駆動軸442と、溝付プーリ441と各送出ローラ43の溝部432との間に掛けられた駆動ベルト443と、駆動軸442の端部に設けられた駆動プーリ444と、支持枠42に軸支された複数の支持プーリ445間に架け渡され、モータ446によって駆動走行する駆動ベルト447と、から構成されている。モータ446によって駆動走行する駆動ベルト447が駆動プーリ444と接触することによって、各駆動軸442が回転駆動され、各送出ローラ43が一斉に回転駆動される。
【0026】
検出手段45は、図1に示すように、送出ローラ43よりもメイン搬送路1の搬送上流側に配設されている。検出手段45は、投光部と受光部を備え、メイン搬送路1の搬送上流側から搬送されてくる物品Bを検出する。
【0027】
制御手段46は、検出手段45により検出した物品Bの実際の搬送位置と、予め設定された物品Bの正規の搬送位置とを比較し、両搬送位置のずれ量を算出する。そして、そのずれ量に応じて駆動手段44へ増減速信号を出力し、モータ446を制御して送出ローラ43の回転速度等を調節する。なお、本実施形態では、メイン搬送路1の搬送上流側に切出し装置5が配設されており、この切出し装置5によって、複数の物品B(B1・B2・B3…)を所定の間隔Cを保ってメイン搬送路1上へ供給し、その後、各物品Bの搬送位置を追跡管理するようにしている。制御手段46は、各物品Bの追跡データに基づく正規の搬送位置と、検出手段45により検出した各物品Bの実際の搬送位置とを比較する。
【0028】
次に、図6〜図11を参照しながら、本実施形態の仕分け設備10の搬送位置補正装置4による物品の搬送位置補正方法について説明する。
【0029】
本実施形態の搬送位置補正装置4は、例えば物品Bがメイン搬送路1のローラコンベヤ12上で滑って位置ずれを起こしたとき、この位置ずれを送出ローラ43で積極的に補正する。
【0030】
即ち、図6に示すように、物品B2の実際の搬送位置がその正規の搬送位置Rよりもメイン搬送路1の搬送上流側へ位置ずれした場合(遅れ異常の場合)、図7に示すように、検出手段45が物品B2の実際の搬送位置を検出した後、制御手段46が物品B2の実際の搬送位置と正規の搬送位置Rとを比較し、そのずれ量Z1を算出する。そして、制御手段46は、算出したずれ量Z1に応じて、送出ローラ43の回転速度を増速させ、物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも大きくする。
【0031】
こうして、図8に示すように、増速させた送出ローラ43によって物品B2を、通常の送り量よりも、ずれ量Z1に相当する進め量G1だけ大きく送り出し、物品B2が最下流側の送出ローラ43を通過するまでの間に、物品B2の実際の搬送位置をその正規の搬送位置Rに合わせるのである。正規の搬送位置Rに位置合わせされた物品B2は、その後、仕分け装置3へ搬送され、仕分け装置3で仕分け作業が行われる。
【0032】
この送出ローラ43による物品Bの送り量は、送出ローラ43の回転速度と時間との積によって決まる。制御手段46は、ずれ量Z1に相当する進め量G1を得るために、送出ローラ43の回転速度を適宜調節する。なお、ずれ量Z1に相当する進め量G1を得るために、送出ローラ43の回転速度の調節に代えて、または送出ローラ43の回転速度の調節とともに、送出ローラ43の回転速度を増速させる時間を適宜調節するようにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、図9に示すように、各物品Bの重心Wが最上流側の送出ローラ43上を通過する時点から、送出ローラ43の増速を開始させるようにしている。このことで、送出ローラ43による送出力Fを物品Bに対してより確実に伝えることができ、送出ローラ43と物品Bとの間の滑りを抑制し、より正確な位置補正を行うことが可能となる。
【0034】
このように本実施形態の搬送位置補正装置4によれば、物品Bがメイン搬送路1のローラコンベヤ12上で滑って、遅れ異常の位置ずれを起こしても、その位置ずれを送出ローラ43で積極的に補正することができる。したがって、図7に示すように、物品同士の設定間隔Cを仕分け必要間隔Dとほぼ同じに設定した場合において、物品B2にずれ量Z1の位置ずれが発生し、物品B2とその後続の物品B3との実際の間隔が「C−Z1」となり、仕分け必要間隔Dより小さくなったとしても、図8に示すように、ずれ量Z1に相当する進め量G1によって、物品B2と物品B3との実際の間隔を設定間隔Cに戻すことができ、後続の物品B3について正常な仕分け作業を行うことができる。したがって、従来のように、物品同士の設定間隔を、想定される最大ずれ量を見込んで大きめに設定する必要もなく、仕分け設備等の搬送能力や仕分け能力の低下を招くこともない。
【0035】
一方、図10に示すように、物品B2の実際の搬送位置がその正規の搬送位置Rよりもメイン搬送路1の搬送下流側へ位置ずれした場合(進み異常の場合)、検出手段45が物品B2の実際の搬送位置を検出した後、制御手段46が物品B2の実際の搬送位置と正規の搬送位置Rとを比較し、そのずれ量Z2を算出する。そして、制御手段46は、算出したずれ量Z2に応じて送出ローラ43の回転速度を減速させ、物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも小さくする。
【0036】
こうして、図11に示すように、減速させた送出ローラ43によって物品B2を、通常の送り量よりも、ずれ量Z2に相当する遅らせ量G2だけ小さく送り出し、物品B2が最下流側の送出ローラ43を通過するまでの間に、物品B2の実際の搬送位置をその正規の搬送位置Rに合わせるのである。正規の搬送位置Rに位置合わせされた物品B2は、その後、仕分け装置3へ搬送され、仕分け装置3で正常に仕分け作業が行われる。
【0037】
この場合においても、制御手段46は、ずれ量Z2に相当する遅らせ量G2を得るために、送出ローラ43の回転速度を適宜調節するが、送出ローラ43の回転速度の調節に代えて、または送出ローラ43の回転速度の調節とともに、送出ローラ43の回転速度を減速させる時間を適宜調節してもよい。また、物品Bの重心Wが最上流側の送出ローラ43上を通過する時点から、送出ローラ43の減速を開始させるようにしている。
【0038】
このように本実施形態の搬送位置補正装置4によれば、例えば切出し装置5による物品の切出し異常等によって、物品B2が進み異常の位置ずれを起こしても、その位置ずれを送出ローラ43で積極的に補正することができる。したがって、図10に示すように、物品同士の設定間隔Cを仕分け必要間隔Dとほぼ同じに設定した場合において、物品B2にずれ量Z2の位置ずれが発生し、物品B2とその前方の物品B1との実際の間隔が「C−Z2」となり、仕分け必要間隔Dより小さくなったとしても、図11に示すように、ずれ量Z2に相当する遅らせ量G2によって、物品B2と物品B1との実際の間隔を設定間隔Cに戻すことができ、物品B2について正常な仕分け作業を行うことができる。したがって、従来のように、物品同士の設定間隔を、想定される最大ずれ量を見込んで大きめに設定する必要もなく、仕分け設備等の搬送能力や仕分け能力の低下を招くこともない。
【0039】
以上、本実施形態の仕分け設備10の搬送位置補正装置4とその補正方法について説明したが、本発明はその他の形態でも実施することができる。
【0040】
例えば、図12に示す、物品の仕分け設備20のように、メイン搬送路1に沿って複数の分岐搬送路2と複数の仕分け装置3を配設し、仕分け装置3同士の間に、複数の搬送位置補正装置4を設けるようにしてもよい。このことで、例えば、物品の位置ずれを複数の搬送位置補正装置4で分担して補正することも可能となり、分岐搬送路2同士の距離が大きい設備レイアウトの場合であっても、物品の搬送位置を確実に補正することができ、仕分け装置3で正常な仕分け作業を行うことができる。
【0041】
また、図13〜図17に示す、物品の仕分け設備30のように構成してもよい。仕分け設備30は主として、複数の物品B(B1・B2・B3…)を搬送するメイン搬送路1と、メイン搬送路1の側部に接続された分岐搬送路2と、メイン搬送路1上に配設され、メイン搬送路1の搬送上流側から搬送されてきた物品Bを必要に応じてメイン搬送路1の搬送下流側または分岐搬送路2へ仕分けする仕分け装置3と、仕分け装置3よりもメイン搬送路1の搬送上流側において、物品Bの搬送位置を補正する搬送位置補正装置40とを備えている。これら構成部のうち、メイン搬送路1、分岐搬送路2、及び仕分け装置3は、上述した仕分け設備10と同様に構成されている。そして、仕分け装置3による物品Bの仕分け作業についても上述した仕分け設備10と同様に行われる。
【0042】
搬送位置補正装置40は、メイン搬送路1を構成するローラコンベヤ12にボルト止めされた取付枠41と、取付枠41に固定された支持枠42と、支持枠42に配設された複数の送出ローラ43と、送出ローラ43を駆動回転させる駆動手段44と、メイン搬送路1上の物品Bを検出する検出手段47と、前後の物品Bの各搬送位置に基づいて送出ローラ43の回転速度等を制御する制御手段48と、を備えている。これら構成部のうち、取付枠41、支持枠42、送出ローラ43、及び駆動手段44は、上述した搬送位置補正装置4と同様に構成されている。
【0043】
検出手段47は、図13に示すように、送出ローラ43よりもメイン搬送路1の搬送上流側に配設されている。検出手段47は、投光部と受光部を備え、メイン搬送路1の搬送上流側から搬送されてくる複数の物品Bの搬送位置を順次検出する。
【0044】
制御手段48は、検出手段47により順次検出した一の物品Bの搬送位置とその後続の他の物品Bの搬送位置とに基づいて実際の物品間隔を算出し、この実際の物品間隔と予め設定された設定間隔とのずれ量を算出する。そして、そのずれ量に応じて駆動手段44へ増減速信号を出力し、モータを制御して送出ローラ43の回転速度等を調節する。本実施例では、メイン搬送路1の搬送上流側に切出し装置5を配設し、この切出し装置5によって、複数の物品Bを所定の間隔Cを保ってメイン搬送路1上へ供給するようにしている。制御手段48は、この切出し装置5による設定間隔Cと実際の物品間隔とを比較する。
【0045】
例えば、図13に示すように、物品B2が遅れ異常の位置ずれを起こした場合、図14に示すように、制御手段48は、一の物品B2とその後続の他の物品B3との間の実際の物品間隔と、設定間隔Cとを比較し、そのずれ量Z3を算出する。そして、制御手段48は、実際の物品間隔「C−Z3」が設定間隔Cよりも小さいとき、そのずれ量Z3に応じて、送出ローラ43の回転速度を増速させて前方の物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも大きくする。
【0046】
こうして、図15に示すように、増速させた送出ローラ43によって物品B2を、通常の送り量よりも、ずれ量Z3に相当する進め量G3だけ大きく送り出し、物品B2が送出ローラ43を通過するまでの間に、物品B2と物品B3との実際の物品間隔を「C−Z3+G3」とし、設定間隔Cに合わせるのである。制御手段48は、ずれ量Z3に相当する進め量G3を得るために、送出ローラ43の回転速度を適宜調節するが、送出ローラ43の回転速度の調節に代えて、または送出ローラ43の回転速度の調節とともに、送出ローラ43の回転速度を増減速させる時間を適宜調節することもできる。また、物品Bの重心Wが最上流側の送出ローラ43上を通過する時点から、送出ローラ43の増減速を開始させるようにしている。
【0047】
なお、図13に示すように、物品B2が遅れ異常の位置ずれを起こした場合において、検出手段47が一の物品B1とその後続の他の物品B2を検出した段階で、制御手段48は、物品B1と物品B2との実際の物品間隔が「C+Z3」であることを算出し、この実際の物品間隔が設定間隔Cよりも大きく、そのずれ量が「Z3」であることを算出することもできる。したがって、検出手段47が物品B2を検出した段階で、そのずれ量Z3に応じて、送出ローラ43の回転速度を増速させて他の物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも大きくするようにしてもよい。
【0048】
また、図16に示すように、物品B2が進み異常の位置ずれを起こした場合、制御手段48は、一の物品B1とその後続の他の物品B2との間の実際の物品間隔と、設定間隔Cとを比較し、そのずれ量Z4を算出する。そして、制御手段48は、実際の物品間隔「C−Z4」が設定間隔Cよりも小さいとき、そのずれ量Z4に応じて、送出ローラ43の回転速度を減速させて後続の他の物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも小さくする。
【0049】
こうして、図17に示すように、減速させた送出ローラ43によって他の物品B2を、通常の送り量よりも、ずれ量Z4に相当する遅らせ量G4だけ小さく送り出し、物品B2が送出ローラ43を通過するまでの間に、物品B1と物品B2との実際の物品間隔を「C−Z4+G4」とし、設定間隔Cに合わせるのである。この場合でも、制御手段48は、ずれ量Z4に相当する遅らせ量G4を得るために、送出ローラ43の回転速度を適宜調節するが、送出ローラ43の回転速度の調節に代えて、または送出ローラ43の回転速度の調節とともに、送出ローラ43の回転速度を減速させる時間を適宜調節することもできる。また、物品Bの重心Wが最上流側の送出ローラ43上を通過する時点から、送出ローラ43の減速を開始させるようにしている。
【0050】
なお、物品B2が遅れ異常の位置ずれを起こした場合において、検出手段47が一の物品B2とその後続の他の物品B3を検出した段階で、制御手段48は、物品B2と物品B3との実際の物品間隔が「C+Z4」であることを算出し、この実際の物品間隔が設定間隔Cよりも大きく、そのずれ量が「Z4」であることを算出することもできる。したがって、検出手段47が物品B3を検出した段階で、そのずれ量Z4に応じて、送出ローラ43の回転速度を減速させて一の物品B2の送出ローラ43による送出速度をローラコンベヤ12による搬送速度よりも小さくするようにしてもよい。
【0051】
このように搬送位置補正装置40によれば、物品Bがメイン搬送路1上で遅れ異常または進み異常の位置ずれを起こし、実際の物品間隔が予め設定された設定間隔Cよりも小さくなったとしても、送出ローラ43によって実際の物品間隔を積極的に設定間隔Cに戻すことができる。したがって、従来のように、物品同士の設定間隔を、想定される最大ずれ量を見込んで大きめに設定する必要もなく、仕分け設備の搬送能力や仕分け能力の低下を招くことがない。
【0052】
また、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得る。例えば、上記実施形態の物品の仕分け設備では、仕分ローラの向きを切り替えて物品を仕分ける方式の仕分け装置を採用しているが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、必要に応じて案内板を搬送路上で揺動させて物品を仕分けるダイバータ方式の仕分け装置を採用してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、搬送位置補正装置を、仕分け装置の搬送上流側に配設しているが、例えば、物品に貼付されたバーコードを読み取るためのバーコード読取り装置の搬送上流側に、搬送位置補正装置を配設し、読み取り作業に最小限必要な間隔を物品同士の間に確保するようにしてもよい。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施形態の物品の仕分け設備の概略平面図である。
【図2】本実施形態の物品の仕分け設備の部分平面図である。
【図3】本実施形態の物品の仕分け設備の搬送位置補正装置の平面図である。
【図4】本実施形態の物品の仕分け設備の搬送位置補正装置の側面図である。
【図5】図4中のS−S線断面図である。
【図6】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図7】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図8】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図9】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図10】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図11】本実施形態の物品の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図12】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の概略平面図である。
【図13】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図14】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図15】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図16】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図17】本発明に係る実施変形例の物品の仕分け設備の搬送位置補正方法を説明する概略平面図である。
【図18】従来の物品の仕分け設備を説明する概略平面図である。
【符号の説明】
【0055】
10、20、30 物品の仕分け設備
1 メイン搬送路
12 ローラコンベヤ
14 搬送ローラ
2 分岐搬送路
3 仕分け装置
31 仕分ローラ
4、40 搬送位置補正装置
43 送出ローラ
44 駆動手段
45、47 検出手段
46、48 制御手段
B、B1〜B4 物品
C 設定間隔
R 物品の正規の搬送位置
Z1〜Z4 ずれ量
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路に配設され、該ローラコンベヤの搬送上流側から搬送されてきた物品の搬送位置を補正する搬送位置補正装置であって、
前記物品を前記ローラコンベヤの搬送下流側へ送り出す送出ローラと、
前記送出ローラを駆動回転させる駆動手段と、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した物品の実際の搬送位置と、予め設定された該物品の正規の搬送位置とを比較し、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送上流側へ位置ずれしているときは、前記駆動手段へ増速信号を出力して前記送出ローラの回転速度を増速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくし、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送下流側へ位置ずれしているときは、前記駆動手段へ減速信号を出力して前記送出ローラの回転速度を減速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくする制御手段と、
を備えたことを特徴とする物品の搬送位置補正装置。
【請求項2】
駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路に配設され、該ローラコンベヤの搬送上流側から搬送されてきた物品の搬送位置を補正する搬送位置補正装置であって、
前記物品を前記ローラコンベヤの搬送下流側へ送り出す送出ローラと、
前記送出ローラを駆動回転させる駆動手段と、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した一の物品の搬送位置と該一の物品の後続の他の物品の搬送位置とに基づいて該一の物品と該他の物品との物品間隔を算出し、
該物品間隔が予め設定された設定間隔よりも小さいとき、前記送出ローラの回転速度を増速させて該一の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくするか、または、前記送出ローラの回転速度を減速させて該他の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくする制御手段と、
を備えたことを特徴とする物品の搬送位置補正装置。
【請求項3】
駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路において、該ローラコンベヤの搬送路内に駆動回転可能に設けられた送出ローラで前記物品を送り出して該物品の搬送位置を補正する方法であって、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品の実際の搬送位置を検出し、
該物品の実際の搬送位置と予め設定された該物品の正規の搬送位置とを比較し、
該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送上流側へ位置ずれしているときは、前記送出ローラの回転速度を増速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくし、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送下流側へ位置ずれしているときは、前記送出ローラの回転速度を減速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくすることを特徴とした物品の搬送位置補正方法。
【請求項4】
請求項3記載の物品の搬送位置補正方法において、
前記位置ずれのずれ量を算出し、
該ずれ量に応じて、前記送出ローラの回転速度を増減速させる時間を調節することによって、該物品の実際の搬送位置を該物品の正規の搬送位置に合わせることを特徴とした物品の搬送位置補正方法。
【請求項5】
駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路において、該ローラコンベヤの搬送路内に駆動回転可能に設けられた送出ローラで前記物品を送り出して該物品の搬送位置を補正する方法であって、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、一の物品の搬送位置と該一の物品の後続の他の物品の搬送位置とを検出し、
該一の物品の搬送位置と該他の物品の搬送位置とに基づいて該一の物品と該他の物品との物品間隔を算出し、
該物品間隔が予め設定された設定間隔よりも小さいとき、前記送出ローラの回転速度を増速させて該一の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくするか、または、前記送出ローラの回転速度を減速させて該他の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくすることを特徴とした物品の搬送位置補正方法。
【請求項6】
請求項5記載の物品の搬送位置補正方法において、
前記物品間隔と前記設定間隔とのずれ量を算出し、
該ずれ量に応じて、前記送出ローラの回転速度を増減速させる時間を調節することによって前記物品間隔を前記設定間隔に合わせることを特徴とした物品の搬送位置補正方法。
【請求項7】
請求項3〜請求項6のいずれかに記載の物品の搬送位置補正方法において、
前記物品の重心が前記送出ローラ上を通過するとき、該送出ローラの増減速を開始させることを特徴とした物品の搬送位置補正方法。
【請求項8】
駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤから成るメイン搬送路と、前記メイン搬送路の側部に接続された分岐搬送路と、前記メイン搬送路上に配設され、該メイン搬送路の搬送上流側から搬送されてきた物品を必要に応じて該メイン搬送路の搬送下流側または前記分岐搬送路へ仕分けする仕分け装置と、を含む仕分け設備であって、
前記仕分け装置よりも前記メイン搬送路の搬送上流側に、請求項1または請求項2記載の搬送位置補正装置を一または複数設けたことを特徴とする物品の仕分け設備。
【請求項1】
駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路に配設され、該ローラコンベヤの搬送上流側から搬送されてきた物品の搬送位置を補正する搬送位置補正装置であって、
前記物品を前記ローラコンベヤの搬送下流側へ送り出す送出ローラと、
前記送出ローラを駆動回転させる駆動手段と、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した物品の実際の搬送位置と、予め設定された該物品の正規の搬送位置とを比較し、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送上流側へ位置ずれしているときは、前記駆動手段へ増速信号を出力して前記送出ローラの回転速度を増速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくし、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送下流側へ位置ずれしているときは、前記駆動手段へ減速信号を出力して前記送出ローラの回転速度を減速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくする制御手段と、
を備えたことを特徴とする物品の搬送位置補正装置。
【請求項2】
駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路に配設され、該ローラコンベヤの搬送上流側から搬送されてきた物品の搬送位置を補正する搬送位置補正装置であって、
前記物品を前記ローラコンベヤの搬送下流側へ送り出す送出ローラと、
前記送出ローラを駆動回転させる駆動手段と、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した一の物品の搬送位置と該一の物品の後続の他の物品の搬送位置とに基づいて該一の物品と該他の物品との物品間隔を算出し、
該物品間隔が予め設定された設定間隔よりも小さいとき、前記送出ローラの回転速度を増速させて該一の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくするか、または、前記送出ローラの回転速度を減速させて該他の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくする制御手段と、
を備えたことを特徴とする物品の搬送位置補正装置。
【請求項3】
駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路において、該ローラコンベヤの搬送路内に駆動回転可能に設けられた送出ローラで前記物品を送り出して該物品の搬送位置を補正する方法であって、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、前記物品の実際の搬送位置を検出し、
該物品の実際の搬送位置と予め設定された該物品の正規の搬送位置とを比較し、
該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送上流側へ位置ずれしているときは、前記送出ローラの回転速度を増速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくし、該物品の実際の搬送位置が正規の搬送位置よりも搬送下流側へ位置ずれしているときは、前記送出ローラの回転速度を減速させて該物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくすることを特徴とした物品の搬送位置補正方法。
【請求項4】
請求項3記載の物品の搬送位置補正方法において、
前記位置ずれのずれ量を算出し、
該ずれ量に応じて、前記送出ローラの回転速度を増減速させる時間を調節することによって、該物品の実際の搬送位置を該物品の正規の搬送位置に合わせることを特徴とした物品の搬送位置補正方法。
【請求項5】
駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤの搬送路において、該ローラコンベヤの搬送路内に駆動回転可能に設けられた送出ローラで前記物品を送り出して該物品の搬送位置を補正する方法であって、
前記送出ローラよりも前記ローラコンベヤの搬送上流側において、一の物品の搬送位置と該一の物品の後続の他の物品の搬送位置とを検出し、
該一の物品の搬送位置と該他の物品の搬送位置とに基づいて該一の物品と該他の物品との物品間隔を算出し、
該物品間隔が予め設定された設定間隔よりも小さいとき、前記送出ローラの回転速度を増速させて該一の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも大きくするか、または、前記送出ローラの回転速度を減速させて該他の物品の送出ローラによる送出速度を前記ローラコンベヤによる搬送速度よりも小さくすることを特徴とした物品の搬送位置補正方法。
【請求項6】
請求項5記載の物品の搬送位置補正方法において、
前記物品間隔と前記設定間隔とのずれ量を算出し、
該ずれ量に応じて、前記送出ローラの回転速度を増減速させる時間を調節することによって前記物品間隔を前記設定間隔に合わせることを特徴とした物品の搬送位置補正方法。
【請求項7】
請求項3〜請求項6のいずれかに記載の物品の搬送位置補正方法において、
前記物品の重心が前記送出ローラ上を通過するとき、該送出ローラの増減速を開始させることを特徴とした物品の搬送位置補正方法。
【請求項8】
駆動回転可能な搬送ローラで物品を搬送するローラコンベヤから成るメイン搬送路と、前記メイン搬送路の側部に接続された分岐搬送路と、前記メイン搬送路上に配設され、該メイン搬送路の搬送上流側から搬送されてきた物品を必要に応じて該メイン搬送路の搬送下流側または前記分岐搬送路へ仕分けする仕分け装置と、を含む仕分け設備であって、
前記仕分け装置よりも前記メイン搬送路の搬送上流側に、請求項1または請求項2記載の搬送位置補正装置を一または複数設けたことを特徴とする物品の仕分け設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−24017(P2010−24017A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189825(P2008−189825)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
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