説明

物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法

【課題】物品又は製品の良好な包装を危うくする弱い横方向溶着を除去することができる包装方法を提供する。
【解決手段】縦方向(F)において横方向溶着装置(18)に関して下流に位置している他の横方向溶着装置(20)のモータ(36)及びオシレータ(42)を駆動せしめ、これにより、ひとつの物品(2)とこの物品(2)に続く他の物品(3)との間の間隔の一部分で前記フィルム(16)を溶着すると共に分離する段階と、前記縦方向(F)において前記横方向溶着装置(20)に関して上流に位置している前記横方向溶着装置(18)のモータ(36)及びオシレータ(40)を駆動せしめ、これにより、前記物品(3)とこの物品(3)に続く他の物品(4)との間の間隔の一部分で前記フィルム(16)を溶着すると共に分離する段階とを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品をプラスチック材料から作られているフィルムにより包装する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、例えば本、雑誌又は新聞紙のような編集製品は、個々に又は他の同様な製品又は付属品と一緒に透明なフィルムにより包装され、これらのフィルムはポリエチレン、PVC又は同種の材料から作られている。これは、編集製品を外的損傷から保護するため、及び、いかなる場合でも、これらの編集製品が最終消費者により購入されるまでの保管及びその後の輸送中における適切な保存を保証するためである。
【0003】
包装は、包装品を形成するフィルムが最良の可能な方法で製品に接触するように行わなければならない。これは、製品をできる限り保護するため、及び製品を購入者に快い審美的な形で提供するためである。
【0004】
物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する公知の機械は、通常、包装しようとする物品又は製品をコンベヤベルトに供給するフィーダを包含する。コンベヤベルトが、それから、製品を包装ステーションへ送り、包装ステーションにはフィルムが製品をラッピングするために供給される。
【0005】
そして、縦方向溶着装置が、最初に、フィルムをコンベヤベルトの長手方向の前進方向に閉じることを行い、これにより、コンベヤベルト上に整列している複数の製品を包む管状の包装覆いを形成する。最後に、横方向溶着装置が、各包装覆いを横方向に閉じることを行うと共に、最終的に包装された製品を分離することを行い、これにより配布の準備をする。
【0006】
幾つかの公知の型式の包装機械は2つの連続する横方向溶着ステーションを包含し、これらの横方向溶着ステーションは交互に駆動されて、包装品の形成作業を促進せしめる。この包装機械により行われる公知の包装方法に基づいて、コンベヤベルトの前進方向に関して上流に位置している横方向溶着ステーションが最初に駆動されて、2つの隣接する製品が一時的に存在している包装品を作る。その後、下流に位置している横方向溶着ステーションが駆動されて、2つの製品を互いに分離し、これにより、最終的な包装品を形成する。この型式の包装方法の幾つかの段階が、添付図面の図1に例示的な目的のために示されている。
【0007】
しかしながら、この特定の包装方法により発生する欠点のひとつとして、次のことがある。すなわち、第1の横方向溶着が行われているときに、2つの製品を一時的に包んでフィルムの縦方向溶着がすでに先に行われている管状の包装覆いが引っ込むことである。
【0008】
コンベヤベルトの前進方向に関してのコンベヤベルトの引っ込み状態は、添付図面の図2に示した矢印により示されている。このような引っ込み状態は、包装覆いの横方向溶着(特に、第1の加熱溶着に関しては、Aでもって示されている)の弱さをもたらし、また、フィルムを作っている材料の過剰な伸張をもたらし、その結果、不十分な抵抗を有する包装品を形成せしめる。
【0009】
更に、ひとつの包装品に存在する2つの製品が互いに密接してもたらされ、すなわち、コンベヤベルト上における2つの連続する製品間の予め定めた距離又はピッチDを減少せしめることが起ったり、また、下流に位置している溶着ステーションにより行われる中間の横方向溶着が弱く生じてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、特に2つの横方向溶着ステーションを備えている包装機械を使用して、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法であって、公知の方法の問題を解決して、物品又は製品の良好な包装を危うくする弱い横方向溶着を除去することができる方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法であって、最少の変更でもって伝統的な包装機械に適用することができる方法を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法であって、特別に簡単及び機能的であり、かつコストを減少させしめることができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のこれらの目的は、請求項1に記載されている、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法により達成される。
【0014】
本発明の他の特徴は、次の請求項2−7に記載されている。
【0015】
本発明による、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法の特徴及び利点は、添付図面を参照する、下記の例示的かつ非限定的な説明からよりいっそう明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
特に図3A及び図4Aを参照するに、これらの図は符号10により総括的に示されている包装機械を概略的に示し、この包装機械によって本発明による、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法が実施される。
【0017】
包装しようとする物品は、最初の物品からその下流に位置する順番に番号1−7が付けられている。これらの物品1−7は、複数のプッシャーを備えてモータ14により駆動されるコンベヤベルト12(一部分のみが図示されている)上に供給される。このコンベヤベルト12は、矢印Fにより示されている方向へ動く。適当なロール及びカクンタロール機構(図示せず)が複数の物品を互いに間隔を置くようにし、これにより、一定の間隔又はピッチが各隣接する2つの物品間に存在する。
【0018】
包装しようとする物品1−7をラッピングするために用いられるプラスチック材料のフィルム16が、それから、コンベヤベルト12の前進方向Fへ供給される。このフィルム16は、最初に縦方向に、すなわち、矢印Fの方向に溶着され、これにより、コンベヤベルト12に沿って整列した複数の物品1−7をラッピングする管状の包装覆いを形成する。このようにラッピングされた物品1−7は、それから、横方向溶着ステーションに到達する。この横方向溶着ステーションは、第1の横方向溶着装置18と、この第1の横方向溶着装置18に関して矢印Fの方向において下流に位置している第2の横方向溶着装置20とを備えている。
【0019】
2つの横方向溶着18及び20の各々はそれぞれの対向するトロリー22及び24に公知の方法で設けられている。トロリー22及び24はレール26に沿って動くことができ、レール26はコンベヤベルト12に関して同軸であると共にコンベヤベルト12の下に配置されている。アンビル28,30が各トロリー22,24に設けられ、これらのアンビル28,30はフィルム16の溶着及び切断の作業中各装置18,20の溶着ヘッド32,34の作動を逆にすることができる。
【0020】
モータ36,38及び関連するオシレータ40,42が、2つの横方向溶着装置18及び20の各々と関連させられている。モータ36及び38の機能は、装置18,20及びそれらの関連するトロリー22,24の動きを可能にすることにあり、これにより、溶着ヘッド32及び34がフィルム16の横方向溶着作業中2つの隣接する物品1−7間のスペースに正確に一致して位置させられる。他方、カム機構の形に作られているオシレータ40及び42は、物品1−7が位置させられている平面に関して、装置18,20及びそれ故それらの溶着ヘッド32,34及びアニビル28,30を昇降させることを可能にする。
【0021】
本発明によれば、特に図3Aを参照するに、フィルム16の横方向溶着作業中、コンベヤベルト12の前進方向Fにおいて溶着装置18に関して下流に位置している溶着装置20が最初に駆動され、これにより、閉じ段階中物品2に関しての、溶着作用により生じるフィルム16の相対的滑りが、この物品2に先行している、すでに包装されている物品1の良好な溶着を危うくすることはない。
【0022】
下流の溶着装置20の駆動に続いて、この溶着装置20に関して上流の溶着装置19が、それから、駆動され(図4A)、これにより、物品2の閉じ作業中に正面部がすでに溶着されている物品3の背面部の閉じを行う。この方法によれば、単一の横方向溶着ステーションを備えている包装機械の場合のように、それぞれの物品が独立して包装され、単一処理した物品をラッピングするフィルム16の一部分の位置の変化はない。
【0023】
更に、図3B及び図4Bに示されているように、横方向溶着のとき、現在溶着作業中の溶着装置18,20のモータ36,38の回転率は、コンベヤベルト12の平面に関してのフィルム16の起り得る縦方向動きを補償するために増大される。同じように、溶着装置18,20に関連するオシレータ40,42の回転率も、これらのオシレータ40,42が作動を始めるや否や増大される(図3C及び図4C)。
【0024】
本発明による横方向溶着方法に基づき、及び上述した速度増大を除いて、溶着装置18,20のモータ36及び38の回転率は、コンベヤベルト12を前方へ動かすモータ14の回転率の半分に定められる。
【0025】
包装しようとする物品1−7の長さに依存して、及び包装ピッチに関連して、トロリー22,24の移動度及びそれ故横方向溶着装置18,20の総移動範囲を変えることを最終的にすることができる。
【0026】
どんな場合においても、各溶着装置18,20のモータ36,38を別々に駆動せしめることができ、これにより、包装機械10を、包装機械がひとつのみの溶着ステーションを備えている場合と同じように、用いることができる。
【0027】
したがって、本発明による、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法は、上述した目的を達成することを分かることができるよう。なぜなら、溶着作業中のフィルムの動きはすでに全体又は部分的に包装されている物品に影響することはなく、ただなおも包装しようとする物品に影響する可能性があるにすぎず、したがって、均質の包装品を特に強力な横方向溶着でもって得るために、必要な変更を包装機械に行うことができる。
【0028】
以上述べた本発明による、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法は、多くの変更及び変形をすることができるものであり、これらの変更及び変形のすべてが同一の本発明の概念に含まれるものである。また、細部は技術的に等価な要素に変えることができる。実際に、使用される材料及びその大きさは、技術的要求にしたがって代えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】2つの横方向溶着ステーションを備えている包装機械を使用して、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する伝統的な方法の幾つかの段階を示す概要図である。
【図2】図1に示した横方向溶着段階のひとつを詳細に示す概略図である。
【図3A】2つの横方向溶着ステーションを備えている包装機械を示す概要図であって、この包装機械において、本発明による、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法の第1の段階が実施されている状態を示す。
【図3B】図3Aに示した第1の包装段階と特別に関連する2つの横方向溶着ステーションと関連するモータの速度曲線を示す図である。
【図3C】図3Aに示した第1の包装段階と特別に関連する2つの横方向溶着ステーションと関連するオシレータの速度曲線を示す図である。
【図4A】2つの横方向溶着ステーションを備えている包装機械を示す概要図であって、この包装機械において、本発明による、物品をプラスチック材料のフィルムにより包装する方法の第2の段階が実施されている状態を示す。
【図4B】図4Aに示した第2の包装段階と特別に関連する2つの横方向溶着ステーションと関連するモータの速度曲線を示す図である。
【図4C】図4Aに示した第2の包装段階と特別に関連する2つの横方向溶着ステーションと関連するオシレータの速度曲線を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向(F)に沿って連続して位置している2つの横方向溶着装置(18,20)を備えている包装機械(10)を用いて、物品(1−7)をプラスチック材料から作られているフィルム(16)により包装する方法において、
複数のプッシャーを備えて、モータ(14)により駆動されて縦方向(F)へ動くコンベヤベルト(12)上に複数の物品(1−7)を供給する段階と、
これらの複数の物品(1−7)を適当な機構により引き離し、これにより、前記物品(1−7)の各々とこの物品に続く他の物品との間を一定の間隔又はピッチとする段階と、
包装しようとする前記物品(1−7)をラッピングするために用いられるフィルム(16)を、前記コンベヤベルト(12)の前進方向(F)へ供給する段階と、
前記フィルム(16)を前記コンベヤベルト(12)の前進方向(F)において縦方向に溶着し、これにより、前記コンベヤベルト(12)に沿って整列している複数の前記物品(1−7)を包む管状の包装覆いを形成する段階と、
前記縦方向(F)において横方向溶着装置(18)に関して下流に位置している他の横方向溶着装置(20)のモータ(36)及びオシレータ(42)を駆動せしめ、これにより、ひとつの物品(2)とこの物品(2)に続く他の物品(3)との間の間隔の一部分で前記フィルム(16)を溶着すると共に分離する段階と、
前記縦方向(F)において前記横方向溶着装置(20)に関して上流に位置している前記横方向溶着装置(18)のモータ(36)及びオシレータ(40)を駆動せしめ、これにより、前記物品(3)とこの物品(3)に続く他の物品(4)との間の間隔の一部分で前記フィルム(16)を溶着すると共に分離する段階と、
を包含することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記横方向溶着装置(18,20)の各々のモータ(36,38)及びオシレータ(40,42)の回転率が、前記コンベヤベルト(12)を前方へ動かすモータ(14)の回転率に関連して変化可能であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、前記モータ(36,38)の回転率が前記モータ(14)の回転率の半分に定められていることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、前記モータ(36,38)の回転率は、前記横方向溶着装置(18,20)の各々が溶着作業中であるときに、増大させられ、これにより、前記コンベヤベルト(12)の平面に関しての、前記フィルム(16)の起り得る縦方向動きを補償するようにしたことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項2記載の方法において、前記オシレータ(40,42)の回転率は、前記横方向溶着装置(18,20)が溶着作業中であるときに、増大させられることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記横方向溶着装置(18,20)の各々が前記コンベヤベルト(12)に関して前記縦方向(F)へ移動することができることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、前記横方向溶着装置(18,20)の各々の移動度が、包装しようとする物品(1−7)の長さ、及びこれらの物品(1−7)間の間隔、すなわち包装ピッチに関連して変化可能であることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2008−44674(P2008−44674A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−186197(P2007−186197)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(591047073)シトマ ソシエタ ペル アチオニ (9)
【住所又は居所原語表記】VIA VIGNOLESE 1927 − SPILAMBERTO,MODENA,ITALY
【Fターム(参考)】