説明

物品仕分け装置

【課題】設備全体の大型化をすることなく、仕分け済み物品を円滑に搬出することができ、仕分け後の物品搬出作業を低価格に自動化して、仕分け工程から搬出工程までの省力化と自動化を実現することができる物品仕分け装置を提供することである。
【解決手段】底部開放により垂下された開閉底板22、23が遮蔽板45と共同して、ストックボックス20の下方と搬出コンベア21の搬送面上方の間に形成されるマット積載空間の側面を遮蔽する。搬出コンベア21は各ストックボックス20に対し共通に配置されており、夫々のストックボックス20から投下された収容マットが載置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手作業で仕分けるには手間のかかる重量物等の仕分け物品を、複数の仕分け位置に区画された仕分けステーションに搬送して仕分け作業を自動化する物品仕分け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の重量物として、例えばレンタルマットやレンタルカーペット等のダストコントロール製品がある。レンタル用ダストコントロール製品のクリーニング再生処理工場においては、クリーニング処理の前に、代理店あるいは顧客から回収して汚れた状態にあるダストコントロール製品を品種別に仕分ける必要がある。この仕分け作業は重量物で且つ汚れた物品を取り扱うため、搬送コンベアを用いたり、また、例えば、特許文献1に開示されているように、自走式物品キャリアを用いたりして、複数の仕分け位置に区画された仕分けステーションに搬送して仕分け作業の省力化ないし自動化を行っている。
【0003】
図10は従来の自走式物品キャリアによる仕分け装置の立体構成を示す。図11は図10の仕分け装置の平面構成を示す。搬送コンベアや物品キャリア等の物品搬送手段を仕分けステーションに対して平面配置すると、物品搬送手段からの移し替え用にハンドリング装置が必要になるため、図9の仕分け装置の場合、仕分け物品をコンベア103により揚送して物品キャリア102に投入して、物品キャリア102を所定の仕分けステーションまで移動させて投入物品を各回収ボックス台車101に投下して移し替える立体配置構成を備える。
【0004】
回収ボックス台車101を縦列状に並べた仕分けステーションにおいて、各回収ボックス台車101の位置が仕分け位置の1区画に対応する。この仕分けステーションの上方に軌道レール100を閉ループ状に敷設している。物品キャリア102は軌道レール100に沿って走行自在に配備されている。物品キャリア102には、軌道レール100の投入位置に配設されたコンベア103により仕分け物品が投入される。物品キャリア102は物品投入時に記憶したソート先の仕分け位置まで走行し、底部から搬送物品を回収ボックス台車101に投下して移し替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−18132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記仕分け装置の仕分け機能は仕分け物品の投入用コンベア3のライン数と回収ボックス台車101の配置数で決まるため、仕分け品種もしくは洗浄カテゴリーグループ数が多くなればなるほど回収ボックス台車101を多数使用して、仕分けステーションに密集配置する必要がある。
しかしながら、多数の回収ボックス台車101を使用すると、台車の回収・設置による運搬作業が増えてしまい、また、台車の回収・設置を行なう間、当該台車への物品キャリアよりの投入物品の落下は行えなくなるため、省力化が妨げられていた。
【0007】
そこで、より省力化を進めるには、仕分け後の物品搬出作業も自動化する必要がある。例えば、仕分けステーションに各仕分け位置毎に仕分け済み物品を搬出用コンべアを介して搬出作業場まで輸送することにより、仕分け後の物品搬出作業を自動化できる。この場合、仕分け効率の観点からは、各仕分け位置毎に仕分け済み物品を一旦貯留ないし蓄積した後に搬出用コンべアに移し替える移替手段を別途設ける必要がある。
【0008】
前記移替手段として、例えばコンテナバッグを使用することができる。図12は物品キャリア105から一旦、物品106が移し替えられるコンテナバッグ104を搬出用コンベア111の上方に配置した物品収容・搬出機構例を示す。コンテナバッグ104は上部が開口され、且つ下部が締結紐109により開閉される、織布製筒状袋体である。コンテナバッグ104の上部は開口状態を保ったまま枠フレーム114の上部115に固定されている。コンテナバッグ104の裾部には、締結紐109が複数の穴108に対して縫付状に巻き付けられており、締結紐109は巻取装置110に巻取可能に連結されている。締結紐109を巻取装置110に巻取ることにより、コンテナバッグ104の下部は絞られて閉塞され、コンテナバッグ104は内部にダストコントロール製品等の物品の収容が可能な有底バッグ状態になる。締結紐109の巻取を解除すると、収容物品106の自重作用を受けて、図12の破線で示すように、コンテナバッグ104の下部は全面開放され、収容物品106の下方放出が可能になる。コンテナバッグ104の下部には搬出用コンベア111の搬送面が対向し、コンテナバッグ104より落下した収容物品106はコンベア搬送面上に載置される。コンベア搬送面の両側には載置物品107の脱落を防ぐための遮蔽板113を配置している。搬出用コンベア111は駆動モータ112により駆動され、載置物品107を所定方向に向けて搬送する。
【0009】
物品キャリア105やコンテナバッグ104の位置が高くなると立体設備上の大型化を招来するため、図12に示すように、コンテナバッグ104の下部を絞った絞り部分104Aとコンベア搬送面の間を許容収容分の物品が搬送面に載置可能な空間だけを持たせて、コンテナバッグ104とコンベア111の相対位置関係を最小限に設定する必要がある。しかしながら、前記最小限の設定状態においては、コンテナバッグ104の下部開放により、収容物品106を放出したとき、破線で示すように、バッグ底部の綴じ代分が該開放により下方に垂れ下がって、載置物品107の上部物品を覆ってしまう不都合を生じた。つまり、搬出用コンベア111による搬送時においては、コンテナバッグ104下部の垂れ下りで覆われた上部物品の進行が阻害されるため、荷崩れや脱落を生じる。
【0010】
コンテナバッグ104下部の垂れ下りの不都合を回避するには、載置物品107の上部物品を覆わないように、コンテナバッグ104の位置を高くすればよい。図13は図12においてコンテナバッグ104の位置を高くしたときの物品収容・搬出機構図である。
しかし、コンテナバッグ104の位置を載置物品107の上部物品を覆わないように上方に移行させるに伴い、枠フレーム114Aの長さHも長くなる。従って、物品キャリアの走行位置も高くなるため、軌道レールの設置高さを大きくしなければならず設備の大型化を誘発し、また設備コストのコストアップを生ずる。
更に、搬出用コンべアと移替手段との間は余分に大きい開放空間になってしまうため、仕分け済み物品をコンテナバッグから搬出用コンべアに放出して移し替える際に、仕分け済み物品が正常に搬送面に載置されずに、はみ出たり、垂れさがったりして、正常な物品搬送が阻害されるおそれがあり、前記開放空間を塞ぐために遮蔽版113Aも大きくする必要を生じた。
【0011】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、設備全体の大型化をすることなく、仕分け済み物品を円滑に搬出することができ、仕分け後の物品搬出作業を低価格に自動化して、仕分け工程から搬出工程までの省力化と自動化を実現することができる物品仕分け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の形態は、仕分け物品を、複数の仕分け位置に区画された仕分けステーションに搬送して所定の仕分け位置に一旦移載し、前記仕分け位置に堆積した仕分け物品を搬出位置に移送して回収する仕分け装置において、複数の物品収容体が夫々、各仕分け位置にて前記仕分け物品の前記移載が可能な状態で配設され、前記物品収容体の底部が両開きの開閉底板により開閉自在に構成され、前記底部の下方に配置された搬送面を有し、前記搬送面上の物品を前記搬出位置側に搬送する搬送手段を備え、前記物品収容体に前記移載して収容した仕分け物品の前記回収を行うとき、前記開閉底板を下方に向けて開放して、垂下された前記開閉底板により前記搬送面の側方を遮蔽し、前記物品収容体の収容物品を前記搬送面上に投下する物品仕分け装置である。
【0013】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、前記搬送面の側方を遮蔽する遮蔽板が搬送方向に沿って配置され、前記開放により垂下された前記開閉底板が前記遮蔽板と共同して、前記物品収容体と前記搬送面の間の物品積載空間の側面を遮蔽する物品仕分け装置である。
【0014】
本発明の第3の形態は、第1又は第2の形態において、前記複数の物品収容体が列状に配置され、前記搬送手段は、各物品収容体に対し共通に配置され、夫々の物品収容体から投下された収容物品が載置されるコンベアからなる物品仕分け装置である。
【0015】
本発明の第4の形態は、第1、第2又は第3の形態において、前記開閉底板は船底状に前記底部を閉塞して、前記仕分け物品を収容し、開放時に前記開閉底板は鉛直方向に垂下されて前記搬送面の側方を遮蔽する物品仕分け装置である。
【0016】
本発明の第5の形態は、第1〜第4のいずれかの形態において、前記仕分け物品の投入位置を起点として前記仕分けステーションに沿って敷設された軌道レールに沿って移動する物品キャリアを介して前記仕分け物品を前記仕分け位置に搬送し、前記軌道レールを閉ループ状に配設して、前記閉ループにおいて複数台の前記物品キャリアを循環走行させ、夫々の物品キャリアによる仕分け物品の搬送・移載を繰り返し可能にした物品仕分け装置である。
【0017】
本発明の第6の形態は、第5の形態において、前記物品キャリアは、収容物品を下方に放出させる物品放出機構を備えた物品収容部と、前記投入位置にて仕分け物品が前記物品収容部に投入されたときソート先の仕分け位置を記憶して、前記ソート先まで移動し、前記物品放出機構の駆動により収容物品を前記ソート先の前記物品収容体に向け放出するソート処理手段とを有する物品仕分け装置である。
【0018】
本発明の第7の形態は、第1〜第6の形態のいずれかにおいて、前記仕分け物品は、種々の品種からなるカーペット、マット、払拭体等のダストコントロール製品である物品仕分け装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の形態によれば、前記仕分け物品を前記物品収容体に前記移載した後、前記物品収容体の収容物品の前記回収を行うとき、前記開閉底板を下方に向けて開放して、垂下された前記開閉底板により前記搬送面の側方を遮蔽し、前記物品収容体の収容物品(仕分け済み物品)を前記搬送面上に投下するので、前記搬送面側部と前記物品収容体の底部との間の開放空間が前記開閉底板により遮蔽されて、仕分け済み物品がはみ出たり、垂れさがったりすることなく、前記搬送面に投下、載置され、仕分け済み物品の搬出作業を安定且つ円滑に行うことができる。しかも、前記開閉底板は前記底部を閉塞して仕分け済み物品の収容(集積ないし堆積)体を構成し、且つ前記開放により前記開放空間を遮蔽する搬送ガイド体を構成することができるため、コンテナバッグ使用時のバッグ底部の綴じ代分等による収容無駄が生じることなく、仕分け物品の搬送系の位置を高くしたりせずに済み、設備コストのコストアップを招来せず、低価格に仕分け装置を形成することができる。従って、本形態に係る物品仕分け装置によれば、仕分け後の物品搬出作業を低価格に自動化して、仕分け工程から搬出工程までの省力化と自動化を実現することができる。
【0020】
前記物品収容体には、収容効率のよい箱型収容体を使用することができる。前記搬送手段には、無端ベルトコンベアやローラコンベア等の搬送装置を使用することができる。前記仕分けステーションへの仕分け物品の搬送には、レール軌道自走式物品キャリアや搬送ベルト等を使用することができる。
【0021】
前記開閉底板の板面積が小さい場合には、前記物品収容体と前記搬送面の間の物品積載空間の側面を十分に遮蔽しきれず、前記物品収容体の収容量が大ききときには、投下物品が前記搬送面から脱落するおそれを生ずる。そこで、本発明の第2の形態によれば、前記開放により垂下された前記開閉底板が、搬送方向に沿って配置された前記遮蔽板と共同して前記物品積載空間の側面を遮蔽するので、前記開閉底板の板面積が小さくても前記遮蔽板と共に前記物品積載空間の側面を遮蔽して、前記物品収容体の収容量を低減することなく、許容量の大きい前記物品積載空間を形成でき、仕分け物品搬送効率を向上させることができる。
【0022】
本発明の第3の形態によれば、前記複数の物品収容体が列状に配置され、前記搬送手段は、各物品収容体に対し共通に配置され、夫々の物品収容体から投下された収容物品が載置されるコンベアからなるので、前記物品収容体を列状に密集配置しても、前記開閉底板の遮蔽作用により、前記コンベアの搬送面に投下された物品が前記コンベア上より脱落したりすることなく正常に載置され、仕分け済み物品の搬出作業を安定且つ円滑に行って多様な仕分け品種に対応でき、しかも前記コンベアの共用化により構成の簡単化とコストダウンを実現することができる。
【0023】
本発明の第4の形態によれば、前記開閉底板は船底状に前記底部を閉塞して、前記仕分け物品を収容し、開放時に前記開閉底板は鉛直方向に垂下されて前記搬送面の側方を遮蔽するので、収容物品は、前記開放により前記底部の中央部から下方に放出され、しかも鉛直方向に垂下した前記開閉底板の内面により前記搬送面からの脱落を防止することができ、仕分け済み物品の搬出作業を安定且つ円滑に行うことができる。
【0024】
本発明の第5の形態によれば、前記仕分け物品の投入位置を起点として前記仕分けステーションに沿って敷設された軌道レールに沿って移動する物品キャリアを介して前記仕分け物品を前記仕分け位置に搬送し、前記軌道レールを閉ループ状に配設して、前記閉ループにおいて複数台の前記物品キャリアを循環走行させ、夫々の物品キャリアによる仕分け物品の搬送・移載を繰り返し可能にしたので、前記物品キャリアの循環走行により高効率に前記仕分け物品の搬送を行って、仕分け工程から搬出工程までの高速自動化を実現することができる。
【0025】
本発明の第6の形態によれば、前記ソート処理手段により、仕分け物品が前記物品収容部に投入されたときソート先の仕分け位置を記憶して、前記ソート先まで移動し、収容物品を前記ソート先の前記物品収容体に向け放出するので、前記物品キャリアによる前記仕分け物品の自動仕分け搬送を行って、仕分け工程から搬出工程までの省力化をより促進させることができる。
【0026】
本発明の第7の形態によれば、仕分け物品は、種々の品種からなるカーペット、マット、払拭体等のダストコントロール製品であるので、比較的重量物であるダストコントロール製品の仕分け・搬出作業を人手を要さずに能率的且つ安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態である2層式物品仕分け装置の平面レイアウト図である。
【図2】前記2層式物品仕分け装置の上下段軌道閉ループを側面視した状態を示す側面図である。
【図3】前記2層式物品仕分け装置に用いる物品キャリア及びストックボックスの正面図である。
【図4】前記2層式物品仕分け装置における通信制御システムを示すブロック図である。
【図5】前記2層式物品仕分け装置の上キャリアにおける自走処理手順を示すフローチャートである。
【図6】前記2層式物品仕分け装置の下キャリアにおける自走処理手順を示すフローチャートである。
【図7】前記2層式物品仕分け装置のソート物品回収処理手順を示すフローチャートである。
【図8】前記2層式物品仕分け装置における上下キャリアの移動制御を説明するための図である。
【図9】本発明の別の本実施形態に係る1層式物品仕分け装置の平面レイアウト図である。
【図10】自走式物品キャリアを用いた、従来の仕分け装置の側面図である。
【図11】図10の仕分け装置の平面構成図である。
【図12】コンテナバッグ104を物品の移替手段に用いた物品収容・搬出機構図である。
【図13】図12においてコンテナバッグ104の位置を高くしたときの物品収容・搬出機構図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一実施形態に係る物品仕分け装置を図面を参照して以下に説明する。本実施形態に係る物品仕分け装置は軌道閉ループを2層状に構成した2層式仕分け装置である。
図1は本実施形態に係る物品仕分け装置の平面レイアウトを示す。図2は上下段軌道閉ループを側面視した状態を示す。
【0029】
本実施形態に係る物品仕分け装置は、代理店等から回収したダストコントロール製品P(マット)を仕分けるための仕分けステーションを共通化して多層状に敷設した、上段側の軌道レール2及び下段側の軌道レール32を備える。上段側の軌道レール2及び下段側の軌道レール32は夫々、異なる投入位置を備え、且つ長円形の上段軌道閉ループと下段軌道閉ループを構成している。上段側の軌道レール2及び下段側の軌道レール32には夫々、走行・停止可能な自走駆動装置を搭載した自走式物品キャリアである上キャリア1、下キャリア31がモノレールに沿って走行自在に配備されている。上段側の軌道レール2及び下段側の軌道レール32の夫々において、10台前後の上キャリア1、下キャリア31が配備されている。
【0030】
軌道レール2及び軌道レール32の直線部分の下方には、仕分け用のマットを一旦、停留してストックするストックボックス(物品収容体)20を7台、縦列状に並べ、更にその下方に搬出コンベア21を配置した仕分けステーションSSが配設されている。ストックボックス20の位置が仕分け位置の1区画に対応して決められている。ストックボックス20はダストコントロール製品Pの品種数もしくは洗浄カテゴリーグループ数に応じて20〜50個収容することができる。
【0031】
軌道レール2及び軌道レール32のコーナー部近くには、ダストコントロール製品Pの仕分け物品を上キャリア1、下キャリア31に投入するための投入位置が設定されている。この物品投入経路は、各軌道レールに対して傾斜配置され、上段側2及び下段側の軌道レール32の投入位置に夫々、基準床面位置から仕分け物品を揚送するコンベア3、33が配設されている。コンベア3、33の各終端は短尺水平搬送ベルト3A、33Aからなる。下側のコンベア33が軌道レール32内側に臨めるように、軌道レール2は長手方向に軌道レール32より少し短縮されている。上段軌道閉ループと下段軌道閉ループの夫々は、複数台の物品キャリアを、前記投入位置を起点として共通仕分けステーションに移動させ、再び投入位置に戻る循環走行可能な2層式軌道閉ループを形成している。
【0032】
図3は物品キャリア1、31、ストックボックス20及び搬出コンベア21の配置を示す。各ストックボックス20は物品キャリア1、31の直下に高架支柱49に横フレーム46を介して固定配置されている。ストックボックス20は上部開放型のボックス形状を有し、底部には開閉底板22、23が設けられている。搬出コンベア21の搬送面は縦列に並んだストックボックス20の底部に沿って、各ストックボックス20に対し共通に配設され、コンベア終端は、本実施形態の物品仕分け装置の設置エリアAの外に延出している。搬出コンベア21は駆動軸受44に軸支された駆動軸を駆動モータ43により回転させて、設置エリアAの外に向けて、載置マットを搬出させる。搬出コンベア21により搬出されたマットはコンベア終端で回収される。また、搬出コンベア21の終端に別の搬送コンベアを連結し、他の工程に運搬するようにしてもよい。
【0033】
物品キャリア1、31は、バケット状の物品収容部からなり、物品収容部の底部は駆動モータからなる底部開閉機構5により外側に観音開き状に開閉自在にされた底板4、34からなる。2点鎖線に示すように、底板4の開放状態において物品キャリア1、31の収容物品が下方のストックボックス20に放出される。物品キャリア1、31は外側支持部6a、7aを介して自走駆動支持部6b、7bに連結されている。軌道レール2、32は、夫々、上側の案内用軌道レール2A、32Aと、下側の駆動用軌道レール2B、32Bからなる。自走駆動支持部6bの上部側には軌道レール2Aに案内される、一対のフリーローラ8が回動自在に設けられている。自走駆動支持部7bの上部側には軌道レール32Aに案内される、一対のフリーローラ38が回動自在に設けられている。自走駆動支持部6b、7bの下部側には軌道レール2B、32B上に駆動ローラ11、41が回動自在に載置されている。駆動ローラ11、41が脱輪しないように、下部側にも軌道レール2B、32Bに案内される、一対のフリーローラ9,39が回動自在に設けられている。駆動ローラ11、41は夫々、駆動モータ10、40の駆動軸に取着され、モータ駆動される。
【0034】
図1に示すように、仕分けステーションSSは上段軌道閉ループ及び下段軌道閉ループの内周側に配置されている。図3に示した駆動機構によって、物品キャリア1、31は、上段軌道閉ループ及び下段軌道閉ループの軌道レール2、32の内側に片持ち支持されている。従って、両持ち支持構造に比べて軌道レールをモノレールで構成して軌道閉ループの構成を簡素化でき、2層式軌道閉ループの物品仕分け装置の低コスト化を実現することができる。
【0035】
ストックボックス20の底側は、観音開き状に開閉する開閉底板22、23が船底状に閉塞された状態で、下向きに突出した底部を形成する。ストックボックス20の一側面の両端に、開閉底板24、25の夫々の端部に一体的に取着した揺動部材24、25の各揺動中心24A、25Aが配置され、揺動部材24、25は揺動中心24A、25Aを中心に回動自在に設けられている。揺動部材24、25の自由端には駆動ワイヤ27の両端が係着されており、駆動ワイヤ27の中央はソレノイド26の駆動端に引っ掛けられている。ソレノイド26の駆動端は鉛直方向に進退自在に配置されている。ソレノイド26の駆動端を前進させて延ばすことにより、揺動部材24、25は引き上げられて船底状に底部を閉塞する。ソレノイド26の駆動端を後退させて収縮させると、揺動部材24、25は下向きに回動して底部を開放する。開放時には開閉底板22、23は鉛直方向に垂下される。
【0036】
搬出コンベア21の搬送面両側には、横フレーム46の支持枠47に固定された遮蔽板45が搬送方向に沿って配置されている。遮蔽板45の高さは、ソレノイド26の開放動作により鉛直方向に垂下された閉底板22、23の端部が重合する位置に設定されている。なお、図2においては手前側の遮蔽板45を取り外した状態で図示している。
【0037】
底部開放により垂下された開閉底板22、23が遮蔽板45と共同して、ストックボックス20の下方と搬出コンベア21の搬送面上方の間に形成されるマット積載空間の側面を遮蔽する。従って、開閉底板22、23の板面積が小さくても遮蔽板45と共にマット積載空間の側面を遮蔽できるため、ストックボックス20の収容量を低減することなく、許容量の大きいマット積載空間を形成でき、仕分け物品搬送効率を向上させることができる。
【0038】
しかも、開閉底板22、23の開成により前記マット積載空間が形成されるので、前記マット積載空間をストックボックス20の許容収容枚数のマットをコンベア搬送面に載置可能な空間に設定することが可能になる。従って、図12及び図13で示したコンテナバッグ104を用いる場合と比較して、ストックボックス20と搬出コンベア21の相対位置関係を大きくする必要もなく、物品キャリアやストックボックス20の位置を高くせずに立体設備上の小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0039】
搬出コンベア21は各ストックボックス20に対し共通に配置されており、夫々のストックボックス20から投下された収容マットが載置されるので、ストックボックス20を列状に密集配置しても、開閉底板22、23の遮蔽作用により、コンベア搬送面に投下されたマットがコンベア上より脱落したりすることなく正常に載置され、仕分け済みマットの搬出作業を安定且つ円滑に行え、また、多様な仕分け品種に対応でき、しかも搬出コンベア21の共用化により構成の簡単化とコストダウンを実現することができる。
【0040】
開閉底板22、23は船底状に各ストックボックス20の底部を閉塞して、仕分けマットを収容し、開放時には鉛直方向に垂下されて搬出コンベア21の搬送面の側方を遮蔽するので、収容マットは、開閉底板22、23の開放動作により底部中央部から下方に放出され、しかも鉛直方向に垂下した開閉底板の内面により搬送面からの脱落を防止することができ、仕分け済みマットの搬出作業を安定且つ円滑に行うことができる。
【0041】
図4は本実施形態に係る物品仕分け装置における通信制御システムを示す。ダストコントロール製品には、個体識別符号や品種等のデータを書き込んだIDチップ51が例えばマット材に埋設するなどして取着されている。IDチップとしてRFIDタグを使用することができる。コンベア3、33の近傍には、IDチップ51の記憶データを読み取る読取装置を含む仕分制御装置50が設置されている。仕分制御装置50は、ダストコントロール製品から読み取った個体識別符号に基づくソート先の情報を発信する発信装置を備え、該発信装置は各物品キャリア1、31と非接触で通信可能に構成されている。なお、コンベア3、33の始端には物品重量を計測する計測装置13が配置されている。計測装置13による計測重量値は仕分制御装置50に送信され、仕分制御装置50から個体識別符号に対応する重量データとして物品キャリアに伝送される。
【0042】
物品キャリア1、31の制御部52はマイクロプロセッサ53及びデータ記憶メモリ54を有し、マイクロプロセッサ53は底部開閉機構5及び駆動モータ10を含むキャリア駆動部55に駆動制御信号を出力する。データ記憶メモリ54はダストコントロール製品から読み取った個体識別符号に基づくソート先の情報、計測装置13による計測重量値データ等を記憶する。制御部52は、軌道レール2、32で形成される設置エリアAの範囲を少なくとも通信可能領域として、他の物品キャリア56と送受信可能な通信手段を備える。後述の図8に示すように、この通信手段はフォトカプラからなる投受光センサにより構成されている。上キャリア1の投光センサUS及び下キャリア31の受光センサLSは夫々、物品収容部の外側面に設置されている。上キャリア1の投光センサUSから後述の進入禁止信号が下キャリア31の受光センサLSに光出力される。また、上キャリア1の物品収容部の底部には、下キャリア31の存在を検知するために反射型光学センサPS1、PS2が設置されている。なお、各ストックボックス20には仕分け位置情報を記憶したソート先用IDチップ(図示せず)が装着されている。このソート先用IDチップは制御部52と送受信可能であり、移動中のキャリアに台車の停留情報を送信する。
【0043】
物品キャリア1、31が夫々の軌道閉ループ内で自走して、前記投入位置にて仕分け物品が前記物品収容部に投入されたとき、ソート先の仕分け位置をデータ記憶メモリ54に記憶し、前記ソート先まで移動して停止した後、底部開閉機構5を駆動して投入物品を下方に放出するソート処理手段が制御部52により構成されている。
本実施形態においては、物品キャリアをソート先で一旦停止させてから物品を鉛直落下させて物品放出を行うが、一旦停止させずに走行しながら、あるいは減速制御しながら物品放出を行うようにしてもよい。走行放出の場合には、例えば、物品キャリアの前端がソート先に到達又は近接したとき底部開閉機構5を駆動して底部を開放し、放物線を描きながらソート先に向けて放出物品を放出させる。また、減速制御の場合には、例えば、物品キャリアの前端がソート先に到達する直前に走行速度を減速させると同時に底部を開放し、減速制御によって走行放出の場合よりも小さい放物線を描きながら放出物品をソート先に向けて放出させる。走行放出又は減速制御方式によれば、物品キャリアの停止に伴う走行時間ロスを解消することができる。
【0044】
図5は、マット製品の仕分け処理における、上キャリアの前記ソート処理手段のキャリア自走処理制御を示す。図6は、同マット製品の仕分け処理における、下キャリアの前記ソート処理手段のキャリア自走処理制御を示す。図8は上下キャリア相互の通信制御例を示すキャリア動作の模式図である。
上キャリア1、下キャリア31は、図1の矢印に示すように、夫々、上段側の軌道レール2、下段側の軌道レール32に沿って反時計回りに周回する。まず、空のキャリアが駆動モータ10の駆動により前進駆動を行って、マット投入位置に到達すると停止する(ステップS1〜S3、S20〜S22)。このキャリア停止は仕分制御装置50から出力された停止信号の受信により行われる。
【0045】
コンベア3、33を通じて仕分け対象のマットを受け入れた後、物品キャリアは前進走行を再開する(ステップS4、S5、S23、S24)。物品収容部にマット投入を受け入れたとき、投入マットの個体識別符号に基づくソート先の情報が仕分制御装置50から発信され、ソートデータとしてデータ記憶メモリ54に記憶される。ついで、物品キャリアは記憶したソート先のストックボックス20のいずれかを目指して自走していく。物品キャリアは自走しながら、所望のストックボックス20から仕分け位置停留情報を受信したとき、その位置で停止し、物品収容部の投入マットを放出してソート先のストックボックス20に移し替える(ステップS6、S26)。マット放出した後は、記憶データがクリアされ(ステップS9、S10、S27、S28)、物品キャリアは再び前進駆動されて軌道閉ループ内を循環走行して、マット投入・放出が繰り返し実行され、マット仕分けの連続且つ大量処理が実行される。
【0046】
上記のソート先移動行程において、図5及び図6の制御フローでは省略しているが、前記上段軌道閉ループ内及び前記下段軌道閉ループ内の物品キャリアが同一のソート先に同時に移動しても、上段軌道閉ループと下段軌道閉ループの物品キャリア同士が干渉し合わないように、上段軌道閉ループの物品キャリアがソート先で停止、待機し、下段軌道閉ループ側の物品放出の優先処理が実行される。この優先処理は両物品キャリア間の相互通信により確認される。優先処理の完了後、下段軌道閉ループ内の物品キャリアが移動すると、上段軌道閉ループの物品キャリアによる物品放出が行われる。従って、前記上段軌道閉ループ内及び前記下段軌道閉ループ内の物品キャリアが同一のソート先に同時に移動しても、物品キャリア同士が干渉し合わず、円滑にソート処理を実行することができる。
【0047】
なお、図2に示すように、下段軌道閉ループ内の下キャリア31Aが停止中に、それと同じソート先を記憶した上段軌道閉ループ内の上キャリア1Aが進行した場合には、そのソート先まで移動後下キャリア31Aの存在確認の信号出力を行う。下キャリア31Aの存在確認がされた場合は、上キャリア1Aはソート位置で停止する。上キャリア1Aは、下キャリア31Aがソート処理を終えて移動し、当該確認信号が解除されるまで待機し、解除後に物品放出の動作に移る。即ち、上キャリア1のマット放出に際しては、下キャリア31の存在確認が行われる。図8の(8A)に示すように、上キャリア1の物品収容部の底部に設けた反射型光学センサPS1、PS2により下キャリア31の存在を検知しないときは、正常放出が可能と判断して、破線で示すように底板4が下方に開かれてソート先のストックボックス20に向けて収容マットが投下される。図8の(8B)に示すように、反射型光学センサPS1、PS2のいずれかにより下キャリア31の存在を検知したときは、センサオフになるまで待機停止し(ステップS7)、センサオフにより正常放出が可能と判断してから、収容マットを投下する(ステップS7、S9)。反射型光学センサPS1、PS2は下キャリア31の進行方向の前後に分かれて設置され、停止中の下キャリア31の存在だけでなく、図8の(8B)に示すように、ソート先の上を通過する下キャリア31の存在も検知する。
【0048】
上段軌道閉ループ内の上キャリア1がソート先に移動してマット放出を行う場合には、下段軌道閉ループ内の下キャリア31の走行が上キャリア1による正常なマット放出を阻害しないように、制御部52は物品キャリア31向けに進入禁止信号を発信する(ステップS8)。つまり、図8の(8A)に示すように、上キャリア1が先にソート位置に到達している場合には、物品収容部の外側面に設置された投光センサUSから下キャリア31の受光センサLSに向けて進入禁止信号が光出力される。勿論、図8の(8B)に示すように、上キャリア1がソート位置に到達する前に、下キャリア31がソート位置に停止ないし通過中の場合には、下キャリア31の受光センサLSに進入禁止信号を送信しても受光できないため、上述のように、上キャリア1は待機停止状態になる。この進入禁止信号の送出タイミングはソート先に停止するとき、あるいはその停止直前に開始されるようにしてよい。上キャリア1がソート先に停止して、マット放出を行っているとき、当該ソート位置に接近してくる、下段軌道閉ループ内で移動中の下キャリア31は進入禁止信号を受けて一旦停止する(ステップS25、S29)。従って、上段軌道閉ループ内の上キャリア1がソート先で停止ないし停止直前まで接近している場合には、進入禁止信号を送信して、下段軌道閉ループ内の下キャリア31が当該ソート先に進入することを禁止するので、2層式仕分け装置において、下段軌道閉ループ内の物品キャリアが誤って進入することを防止して、安全且つ効率的に物品キャリアを流通走行させてソート処理を円滑に行うことができる。なお、マット放出を完了すると、記憶データがクリアされると共に、進入禁止信号の発信が解除されるので(ステップS10)、進入禁止信号を受けて停止中の下キャリア31は前進走行を再開できる(ステップS25)。
【0049】
上記実施形態においては、上下段軌道閉ループ内の物品キャリア1、31を円滑に流通走行させて、仕分け作業能率を約2倍に向上させることができる。しかも、軌道レール2、32は図1に示すように、重畳的に多層配置されているので、長手方向に大きい方の軌道レール32の設置エリアで床占有面積Aが確定され、単一軌道レールの使用時と同様の占有スペースで済み、大幅に処理能力をアップした物品仕分け装置を安価に実現することができる。
【0050】
仕分制御装置50の制御下における仕分け済みマットの回収処理を以下に説明する。図7は本実施形態におけるマット回収処理手順を示すフローチャートである。
仕分制御装置50は、仕分けマットの個体識別符号を読み取り(ステップS30)、読み取った個体識別符号に基づくソート先を決定して(ステップS31)、上述のようにマット投入時にソート先情報を物品キャリア1、31に与える(ステップS4、S23)。ついで、計測装置13によって読み取った計測重量値データ等を記憶すると共に(ステップS32)、マット仕分け枚数をカウントして計数値を記憶する(ステップS33)。
【0051】
上記枚数カウントの際、ソート先のストックボックス20の収容可能状態を確認する(ステップS34)。ストックボックス20の収容可能状態は、既にストックボックス20別に、つまりソート先別に記憶している移送マット枚数を確認して行う。収容可能状態の確認処理(ステップS34)においては、予め許容される範囲内でのソート先満杯条件が設定されている。従って、許容範囲内に達しているときは、ソート先満杯条件を超えるものとして、許容範囲内を超える物品移載が禁じられ、ソート物品の枚数調整、つまり以降の追加マット数が限定、修正記憶される(ステップS34、S42)。許容範囲内に達していず、ソート先満杯条件を超えるものではない場合には、物品キャリアへのマット投入が許可されて、ソート先のストックボックス20への収容が行われる(ステップS34、S35、S40、S41)。ソート先のストックボックス20への物品収容は、ソート先満杯条件の成立まで繰り返される(ステップS32〜S35、S40、S41)。
なお、ソート先満杯条件はストックボックス20の許容収容量に基づき設定され、適正負荷(合計重量値)を上限値として設定される。従って、ソート先のストックボックス20に収容されるソート物品は種別同一のものに限られず、異種サイズや異なる重量のものでも、同じソート先に搬送されて収容可能になっている。
【0052】
ソート先のストックボックス20への物品収容の繰り返しにより、ソート先満杯条件が成立したとき(ステップS35)、ストックボックス20の収容マットの回収を優先処理するために、当該ソート先におけるマット投下が起きないように、物品キャリアに対する規制処理を行う(ステップS36)。この規制処理が行われた後は、当該ソート先における物品キャリアからの新たな移載は実行されない。物品キャリアに対する規制処理を開始した後、当該ソート先のストックボックス20のソレノイド26に開放駆動信号を送信する(ステップS37)。ソレノイド26の駆動により、図3に示した揺動部材24、25の開動作によってストックボックス20の底部が開放される(ステップS37)。ストックボックス20の開放により、収容マットは搬出ベルト21上に投下される。搬出ベルト21のベルト下側には重量検知センサ(図示せず)が配置されており、投下マットの重量を重量検知センサで検知したとき、投下完了信号を仕分制御装置50に送信する。投下完了信号の受信により開放処理の終了と判断して、当該ソート先のストックボックス20のソレノイド26に閉塞駆動信号を送信すると共に、物品キャリアに対する規制処理を解除する(ステップS38、S39)。以上のようにして、ソート先満杯条件の管理下において、ストックボックス20の収容満杯に応じて適宜、回収処理が実行される。上述のように、ソート先満杯条件は収容負荷を基準にして適正に設定されているので、いずれのソート先においても適正負荷まで収容して回収することとなり、効率的に収容・回収を繰り返し実行することができる。当該ソート先のマット回収処理を終えた後は、ソート先情報を物品キャリア1、31に与えて(ステップS4、S23)マット仕分け処理が継続される。なお、マット回収のタイミングはストックボックス20内で所定枚数以上に達したとき随時行うようにしてもよい。
【0053】
本発明は上記の2層式等の多層型物品仕分け装置に限らず、1層式物品仕分け装置においても適用することができる。
図9は本発明の別の本実施形態に係る1層式物品仕分け装置の平面レイアウト図である。図9は自走式物品キャリアによる仕分け装置の立体軌道構成において、軌道レール60を循環移動する物品キャリア61に仕分け物品をコンベア62により揚送して投入する。軌道閉ループを形成する軌道レール60の高架下には、上記実施形態と同様に、仕分け物品を一旦、停留してストックするストックボックス(物品収容体)63を縦列状に並べ、更にその下方に搬出コンベア64を配置した仕分けステーションが配設されている。ストックボックス63にはストックボックス20と同様に、底部に開閉底板を設け、収容物品の回収時に開閉底板を下方に向けて開放して、垂下された開閉底板により、搬出コンベア64の搬送面の側方を遮蔽し、ストックボックス63の収容物品を搬送面上に投下するようにする。即ち、搬送面側部とストックボックス63の底部との間の開放空間が前記開閉底板により遮蔽されて、1層式仕分け装置においても、仕分け済み物品がはみ出たり、垂れさがったりすることなく、前記搬送面に投下、載置され、仕分け済み物品の搬出作業を安定且つ円滑に行うことができる。
【0054】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によれば、一旦、仕分け物品を蓄積する物品収容体の底部開放機構により、設備全体の大型化をすることなく、堆積した仕分け済み物品を円滑に搬出することができ、仕分け後の物品搬出作業を低価格に自動化して、仕分け工程から搬出工程までの省力化と自動化を実現することができる物品仕分け装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 上キャリア
1A 上キャリア
2 軌道レール
2A 軌道レール
2B 軌道レール
3 コンベア
4 底板
5 底部開閉機構
6a 外側支持部
6b 自走駆動支持部
7a 外側支持部
7b 自走駆動支持部
8 フリーローラ
9 フリーローラ
10 駆動モータ
11 駆動ローラ
12 駆動軸
13 計測装置
14 計測装置
20 ストックボックス
21 搬出コンベア
22 開閉底板
23 開閉底板
24 揺動部材
24A 揺動中心
25 揺動部材
25A 揺動中心
26 ソレノイド
27 駆動ワイヤ
31 下キャリア
31A 下キャリア
32 軌道レール
32A 軌道レール
32B 軌道レール
33 コンベア
34 底板
38 フリーローラ
39 フリーローラ
40 駆動モータ
41 駆動ローラ
43 駆動モータ
44 駆動軸受
45 遮蔽板
46 横フレーム
47 支持枠
48 マット
49 高架支柱
50 仕分制御装置
51 IDチップ
52 制御部
53 マイクロプロセッサ
54 データ記憶メモリ
55 キャリア駆動部
56 他の物品キャリア
60 軌道レール
61 物品キャリア
62 コンベア
63 ストックボックス
64 搬出コンベア
100 軌道レール
101 回収ボックス台車
102 物品キャリア
103 コンベア
104 コンテナバッグ
104A 絞り部分
105 物品キャリア
106 物品
107 物品
108 穴
109 締結紐
110 巻取装置
111 コンベア
112 駆動モータ
113 遮蔽板
113A 遮蔽版
114 枠フレーム
114A 枠フレーム
115 上部
A 設置エリア
P ダストコントロール製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分け物品を、複数の仕分け位置に区画された仕分けステーションに搬送して所定の仕分け位置に一旦移載し、前記仕分け位置に堆積した仕分け物品を搬出位置に移送して回収する仕分け装置において、複数の物品収容体が夫々、各仕分け位置にて前記仕分け物品の前記移載が可能な状態で配設され、前記物品収容体の底部が両開きの開閉底板により開閉自在に構成され、前記底部の下方に配置された搬送面を有し、前記搬送面上の物品を前記搬出位置側に搬送する搬送手段を備え、前記物品収容体に前記移載して収容した仕分け物品の前記回収を行うとき、前記開閉底板を下方に向けて開放して、垂下された前記開閉底板により前記搬送面の側方を遮蔽し、前記物品収容体の収容物品を前記搬送面上に投下することを特徴とする物品仕分け装置。
【請求項2】
前記搬送面の側方を遮蔽する遮蔽板が搬送方向に沿って配置され、前記開放により垂下された前記開閉底板が前記遮蔽板と共同して、前記物品収容体と前記搬送面の間の物品積載空間の側面を遮蔽する請求項1に記載の物品仕分け装置。
【請求項3】
前記複数の物品収容体が列状に配置され、前記搬送手段は、各物品収容体に対し共通に配置され、夫々の物品収容体から投下された収容物品が載置されるコンベアからなる請求項1又は2に記載の物品仕分け装置。
【請求項4】
前記開閉底板は船底状に前記底部を閉塞して前記仕分け物品を収容し、開放時に前記開閉底板は鉛直方向に垂下されて前記搬送面の側方を遮蔽する請求項1、2又は3に記載の物品仕分け装置。
【請求項5】
前記仕分け物品の投入位置を起点として前記仕分けステーションに沿って敷設された軌道レールに沿って移動する物品キャリアを介して前記仕分け物品を前記仕分け位置に搬送し、前記軌道レールを閉ループ状に配設して、前記閉ループにおいて複数台の前記物品キャリアを循環走行させ、夫々の物品キャリアによる仕分け物品の搬送・移載を繰り返し可能にした請求項1〜4のいずれかに記載の物品仕分け装置。
【請求項6】
前記物品キャリアは、収容物品を下方に放出させる物品放出機構を備えた物品収容部と、前記投入位置にて仕分け物品が前記物品収容部に投入されたときソート先の仕分け位置を記憶して、前記ソート先まで移動し、前記物品放出機構の駆動により収容物品を前記ソート先の前記物品収容体に向け放出するソート処理手段とを有する請求項5に記載の物品仕分け装置。
【請求項7】
前記仕分け物品は、種々の品種からなるカーペット、マット、払拭体等のダストコントロール製品である請求項1〜6のいずれかに記載の物品仕分け装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−280459(P2010−280459A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133670(P2009−133670)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)
【Fターム(参考)】