説明

物品仕分装置

【課題】高価なCPUを必要とせず、作業者負担が小さく、バッテリの消耗が少なく、動作が速く、通信可能範囲の制限のない物品仕分装置を提供する。
【解決手段】仕分けする物品を搭載したカート110と、複数の区画に区分けされた配分棚140と、カートから配分棚への仕分けを管理する管理PC180とを有する物品仕分装置において、カートが自己を特定するIDを含むカート識別信号を発信する送信機を有し、配分棚が各区画毎にカートから発信されたカート識別信号を受信する受信機を有し、管理PCが各受信機の受信内容からどのカートが配分棚のどの区画近傍に位置しているかを判別するカート位置判別手段を有していることによって前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット、コンビニエンスストアの配送センターなどで扱われる大量の商品を仕向先(店舗)毎に仕分ける物品仕分装置に関するものであり、さらに詳しくは、カートに商品を積んで固定棚(移動しない段ボール、コンテナボックスなど)に指示された商品を指示された個数投入するいわゆる種まき方式の物品仕分装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの各店舗に商品を配送する配送センターなどにおいては、各店舗からの注文に応じて各種の商品を受注個数ずつ分配する仕分け作業が行われているが、近年においては、この仕分け作業を物品仕分装置を用いて行うことが多くなっている。
【0003】
物品仕分装置の一例として、複数の載置秤と、作業内容を表示する表示部と、制御データ及び商品仕分けデータを予め入力したホストコンピュータと、データの送受信を行う無線送受信機と、商品分配位置を確認するための位置確認装置と、商品情報を読み込むためのスキャナと、ホストコンピュータからのデータあるいは予め入力した制御データに基づいて各種動作制御を行う制御部とを備えたピッキング台車を使用する物品仕分装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、物品仕分装置の別の例として、仕分けする物品を搭載したカートと、複数の区分に区画され、当該区画に物品投入を指定されたカートが近接しているときだけ当該区画の開閉扉(遮蔽器)が開く物品仕分棚とを備えるものであって、カートが搭載した物品の総重量を測定する電子秤と、当該区画に投入する物品の個数を表示するタッチパネルディスプレイと、物品投入を指定された区画の前に来ると、当該区画の開閉扉を開かせ、当該区画に投入する個数をタッチパネルディスプレイに表示させ、電子秤で測定した物品の総重量の変化から当該区画へ物品を指定された個数だけ投入したか否かを監視し、投入した物品と個数を誤ったときは警報を発するカートコンピュータとを備えた物品仕分装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3530015号公報
【特許文献2】特開2008−189459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に開示された物品仕分装置は、棚側に受信機能がなく、目的の投入間口への到着判定をカート側で行うため、比較的高価なCPUを必要とするという課題がある。また、移動中カートの安全操作と同時にカート表示器を監視、警告音を検知する必要があり、作業者負担が大きいという課題がある。
【0007】
また、特許文献2に開示された物品仕分装置は、カート側に送受信機能が必要であり、高価な装置となるという課題がある。また、バッテリ駆動の場合、消費電力の増加につながり、バッテリが早期に消耗するという課題がある。
【0008】
さらに、上述した従来の物品仕分装置は、(1)カートで信号を受信し、位置を認識、(2)上位(または棚)に到着を送信、(3)棚側ランプ(遮蔽器)を作動というプロセスを経るため、動作に時間が掛かるという課題がある。
【0009】
その上、通信可能範囲しか作動できず、読み落としが発生するという課題がある。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、高価なCPUを必要とせず、作業者負担が小さく、バッテリの消耗が少なく、動作が速く、通信可能範囲の制限のない物品仕分装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
まず、本請求項1に係る発明は、仕分けする物品を搭載したカートと、複数の区画に区分けされた配分棚と、前記カートから配分棚への仕分けを管理する管理PCとを有する物品仕分装置において、前記カートが自己を特定する移動IDを含むカート識別信号を発信する送信機を有し、前記配分棚が各区画毎にカートから発信されたカート識別信号を受信する受信機を有し、前記管理PCが各受信機の受信内容からどのカートが配分棚のどの区画近傍に位置しているかを判別するカート位置判別手段を有していることによって、前記課題を解決したものである。
【0012】
そして、本請求項2に係る発明は、請求項1に係る物品仕分装置において、前記配分棚の各区画が投入指示表示手段を有し、前記管理PCが仕分けすべき物品を搭載したカートが近接した配分棚の区画の投入指示表示手段に対して投入指示表示指令を発する投入指示手段を有していることによって、前記課題をさらに解決したものである。
【0013】
また、本請求項3に係る発明は、請求項2に係る物品仕分装置において、前記投入指示表示手段が投入すべき区画を指示する表示器及び/又は遮蔽器とからなることによって、前記課題をさらに解決したものである。
【0014】
また、本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに係る物品仕分装置において、前記送信機及び受信機が赤外線送信機及び赤外線受信機であることによって、前記課題をさらに解決したものである。
【0015】
また、本請求項5に係る発明は、請求項4に係る物品仕分装置において、前記赤外線送信機がカートの特定の方向にのみ赤外線を送信する送信側遮光手段を有し及び/又は赤外線受信機が特定の方向からの赤外線のみを受信する受信側遮光手段を有していることによって、前記課題をさらに解決したものである。
【0016】
また、本請求項6に係る発明は、請求項4又は請求項5に係る物品仕分装置において、前記赤外線送信機が赤外線の到達範囲を設定する送信エリア制御手段を有していることによって、前記課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【0017】
本請求項1に係る発明によれば、仕分けする物品を搭載したカートと、複数の区画に区分けされた配分棚と、カートから配分棚への仕分けを管理する管理PCとを有する物品仕分装置において、カートが自己を特定する移動IDを含むカート識別信号を発信する送信機を有し、配分棚が各区画毎にカートから発信されたカート識別信号を受信する受信機を有し、管理PCが各受信機の受信内容からどのカートが配分棚のどの区画近傍に位置しているかを判別するカート位置判別手段を有していることによって、カート側に受信機能や判断機能を搭載する必要がないため、安価で高速処理が実現できる。
【0018】
そして、本請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る物品仕分装置において、配分棚の各区画が投入指示表示手段を有し、管理PCが仕分けすべき物品を搭載したカートが近接した配分棚の区画の投入指示表示手段に対して投入指示表示指令を発する投入指示手段を有していることによって、カートから配分棚に仕分けする投入指示が確実に作業者に伝わるため、仕分けミスのない品質の高い仕分けが実現できる。
【0019】
また、本請求項3に係る発明によれば、請求項2に係る物品仕分装置において、投入指示表示手段が投入すべき区画を指示する表示器及び/又は遮蔽器とからなることによって、物品を投入すべき区画と投入すべき物品の数が作業者に的確かつ確実に伝わるため、作業者の作業負担の軽減と迅速な仕分けが実現できる。
【0020】
また、本請求項4に係る発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに係る物品仕分装置において、送信機及び受信機が赤外線送信機及び赤外線受信機であることによって、データの伝送時に電磁ノイズの影響を受けないので、安定して信頼性の高い仕分けが実現できる。
【0021】
また、本請求項5に係る発明によれば、請求項4に係る物品仕分装置において、赤外線送信機がカートの特定の方向にのみ赤外線を送信する送信側遮光手段を有し及び/又は赤外線受信機が特定の方向からの赤外線のみを受信する受信側遮光手段を有していることによって、赤外線の送受信に指向性を持たせることができるため、複数のカートが1つの配分棚に接近した場合においても互いに干渉することなく正確な仕分けが実現できる。
【0022】
また、本請求項6に係る発明によれば、請求項4又は請求項5に係る物品仕分装置において、赤外線送信機が赤外線の到達範囲を設定する送信エリア制御手段を有していることによって、赤外線の到達範囲を必要最小限に設定できるため、対象外のカートが発する赤外線を受信して誤った仕分けがなされることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1の物品仕分装置の外観を示す全体斜視図。
【図2】実施例1の物品仕分装置のデータ授受の概要を示す概念図。
【図3】実施例1の物品仕分装置の管理PCで行われるデータ処理のフローチャート。
【図4】実施例2の物品仕分装置のデータ授受の概要を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の物品仕分装置は、仕分けする物品を搭載したカートと、複数の区画に区分けされた配分棚と、カートから配分棚への仕分けを管理する管理PCとを備え、カートが自己を特定する移動IDを含むカート識別信号を発信する送信機を有し、配分棚が各区画毎にカートから発信されたカート識別信号を受信する受信機を有し、管理PCが各受信機の受信内容からどのカートが配分棚のどの区画近傍に位置しているかを判別するカート位置判別手段を有しているものであって、高価なCPUを必要とせず、作業者負担が小さく、バッテリの消耗が少なく、動作が速く、通信可能範囲の制限のない物品仕分装置を提供するものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【0025】
例えば、カートに搭載される送信機に具備されるバッテリは、メモリー効果がなく頻繁な充放電使用に適した一般に正極にリチウム金属酸化物、負極に炭素材を用いるリチウムイオン電池や、長時間に亘り大きな電流を安定して放電可能な放電特性を示す一般に正極に水酸化ニッケル、負極に水素を高密度に吸蔵・放出できる水素吸蔵合金を用いるニッケル水素電池や、安価な鉛蓄電池などの充放電可能な二次電池であっても、あるいは、水酸化カリウムという電流の流れやすいアルカリ水溶液を電解液にしているアルカリ電池やオキシライド電池などの長時間放電可能な一次電池であっても何ら構わない。
【実施例1】
【0026】
まず、本発明の一実施例である実施例1の物品仕分装置について、図1乃至図3に基づいて説明する。
【0027】
ここで、図1は、実施例1の物品仕分装置100の外観を示す全体斜視図であり、図2は、実施例1の物品仕分装置100のデータ授受の概要を示す概念図であり、図3は、本実施例の物品仕分装置の管理PCで行われるデータ処理のフローチャートである。
【0028】
実施例1の物品仕分装置100は、図1に示すように、仕分けする物品を搭載したカート110と、複数の区画に区分けされた配分棚140と、カート110から配分棚140への仕分けを管理する管理PC180とを有している。
【0029】
そして、カート110は、自己を特定するIDを含むカート識別信号を発信する赤外線送信機112を有している。一方、配分棚140は、図示はされていないが、各区画毎にカート110から発信されたカート識別信号を受信する赤外線受信機を有している。
【0030】
ここで、図2に符号Xで示すように、各カート110に搭載された赤外線送信機112は、左右の放射角度αが45度以上、前方方向の到達距離が5m程度の到達範囲、すなわち指向特性を有している。したがって、この到達範囲内に存在する配分棚140の区画に設置された赤外線受信機141(No.3)によって、カート110に設置された赤外線送信機112から発信されたカート識別信号が受信される。
【0031】
(送信エリア制御手段について)
なお、赤外線送信機112に赤外線の到達範囲を設定する送信エリア制御手段を持たせることにより、例えば、図2に符号Yに示すように左右の放射角度αをより小さくし、前方方向の到達距離をより長くすることもできる。このようにすることにより、配分棚の区画の間隔、すなわち間口が狭い場合であっても誤認識することなく正確なカートの位置認識が可能になる。逆に、配分棚の間口が広い場合には、符号Xで示したようにブロードな指向特性にすることにより、読み飛ばしを抑制することができる。送信エリア制御手段により赤外線の到達範囲を設定する方法は特に限定されるわけではないが、もともと指向特性の異なる赤外線発光素子を具備して適宜切り替えたり、赤外線発光素子への印加電圧を変えたりすることによって達成することができる。
【0032】
(カート位置判別手段について)
次に、本発明の最も特徴的な技術的事項であるカート位置判別手段について説明する。カート識別信号は、例えば、「0123」のようにカート110を特定するID、すなわち移動IDを含んでいる。一方、各赤外線受信機141は、例えば、「6789」のような位置を特定するID、すなわち固定IDを有している。そして、各赤外線受信機141は、自己の固定ID(例えば、「6789」)と受信したカート110の移動ID(例えば、「0123」)をLAN回線やZigbee無線を介して管理PC180に送信する。管理PC180には、各赤外線受信機141の固定IDをマッピングした地図データ182が記憶されており、カート識別信号を受信した赤外線受信機141の固定IDと受信されたカート110の移動IDとを減算した値と、地図データ182とを対比することによって、どのカートがどこの配分棚140のどの区画の近傍に位置しているかが特定される。
【0033】
すなわち、図2に示すように、配分棚の区画1、2、3、4・・・に設置された赤外線受信機141に対して固定IDが6787、6788、6789、6790・・・と付与されている場合、カート110が配分棚の区画3付近を通過した場合、区画3の赤外線受信機141(No.3)は、自己の固定ID6789と受信したカート110からの移動ID0123とを管理PC180に送信する。そして、管理PC180によって、固定ID6789と移動ID0123の減算が行われ、演算データ6666が得られる。よって、地図データ182の固定IDを参照すると、配分棚の区画1、2、3、4・・・に対して演算データとして、6787、6788、6666、6790・・・が得られる。その結果、区画3近傍に移動ID0123を有するカート110が存在することが認識される。
【0034】
そこで、管理PC180が、予め記憶されている仕分けデータ184に基づいて、例えば、仕分けすべき物品Bを搭載したカート110(No.2)が近接した配分棚140の区画3に設置された表示器である投入指示表示手段142に対して投入指示表示命令を発する。
【0035】
投入指示表示手段142は、投入すべき区画を指示する投入ランプ143とその区画に投入すべき物品の数を表示する投入数表示器144とから構成されている。さらに投入ランプ143は、完了ボタンを兼ねた構造になっている。作業者は、投入ランプ143が点灯している区画を確認するとそこの投入数表示器144に表示されている投入数を確認してカート110から指示された配分棚140の区画に物品を投入する。本実施例の場合、区画3に対して、カート110(No.2)から物品Bが12個投入される。指示された数の物品を投入し終わったら、完了ボタンを兼ねている投入ランプ143を押すことによって、管理PC180に所定の仕分けが終わったことを伝える。その結果、投入指示表示手段142の表示が消える。
【0036】
(仕分けフローについて)
以上の仕分けの流れを図3に示したフローチャートに従って説明する。
【0037】
まず、作業者の指示により仕分けフローをスタートさせる(S0)。
【0038】
そして、配分棚の各区画に設置されている赤外線受信機から管理PCに送られてくる信号から上述したカート位置判別手段によってカートが到着したことが認識される(S1)。
【0039】
次に、管理PCに予め記憶されている配分棚の地図データとカートが到着した位置とを照合する。この時、カートが到着した最も近い配分棚だけでなく近傍の配分棚についても照合する。こうすることにより目的の区画と直接通信できない場合であっても、近傍の配分棚の判定で読み飛ばしが減少する(S2)。
【0040】
次に、照合された配分棚への仕分けが未処理であるか判断される(S3)。
【0041】
そして、未処理であるとき投入すべき区画とカートとの照合が行われる(S4)。
【0042】
そして、目的の組、すなわち投入すべき区画とカートとが対応しているかどうかが判断され(S5)、目的の組であると配分棚の投入ランプを点灯させる(S6)。
【0043】
そして、投入数表示器に表示された数に従って、作業者による投入作業が行われ、所定数の投入が完了したら、完了ボタンを押し処理済みとする(S7)。
【0044】
そして、全ての配分棚への投入が完了したかどうかが判断されて(S8)、全部完了していれば、フローを終了させる(S9)。
【0045】
以上の実施例1では、カート110と配分棚140に取り付ける送受信機として赤外線送受信機を用いているが、送受信機は赤外線送受信機に限られることはなく、例えば、超音波、電波でも実現可能である。
【0046】
また、表示器として用いている投入指示表示手段142の投入ランプ143に変えて各区画毎に遮蔽器を設けて投入すべき区画の遮蔽器を開けることによって投入すべき区画を指示することも可能である。この場合、うっかり間違った区画に物品を投入してしまういわゆるポカミスを防止することができる。さらに、投入ランプ143と遮蔽器を併用することにより、投入区画を作業者に対して視覚で訴えることによる作業効率の向上と遮蔽器で物理的に誤投入を阻止することによる仕分け品質の向上との相乗効果を実現することができる。さらに、レーザポインタや音を表示器の手段として、単独であるいは他の手段と併用して用いることもできる。
【0047】
また、同じ通路に2台のカート110が進入してきたときには、投入ランプ143の表示方法を例えば片方は点灯、他方は点滅のように変えたり、カート110の番号を表示することによって2台のカートに対して別々の投入指示を与えることができる。
【0048】
また、通路が片側通行の場合には、カート110の赤外線送信機112の指向性を対応する配分棚140に向けるように赤外線送信機112を設置することにより、読み取りエラーを減少させることができる。
【0049】
以上のように、本発明の実施例1の物品仕分装置100によれば、カート110に自己を特定する移動IDを発信する赤外線送信機112を備え、配分棚140の各区分毎にカート110から発信された移動IDを受信する赤外線受信機141を備え、赤外線受信機141が受信した移動IDと予め各赤外線受信機141毎に付与されている固定IDと管理PC180に記憶されている地図データ182とからカート110の位置を判断するという新規な手法を採用したことにより、カート110側に受信機能や判断機能を搭載していないため、安価で高速処理が実現できる。
【0050】
しかも、カート110側のエネルギー消費が少ないので、カート110の稼働率を向上させることができる。
【実施例2】
【0051】
次に、本発明の別の実施態様である実施例2の物品仕分装置について、図4に基づいて説明する。ここで、図4は実施例2の物品仕分装置のデータ授受の概要を示す概念図である。
【0052】
実施例2の物品仕分装置は、配分棚の各区分に取り付けた赤外線受信機141の前面に特定の方向からの赤外線のみを受信する受信側遮光手段としての所定の角度に配向したブラインドからなる遮光板190が設置されている。そのため、図4に示すように、区画3に対して、真正面に位置するカート110aからの移動ID0123は、赤外線受信機141(No.3)では受信できないのに対して、特定の方向に位置するカート110bからの移動ID0456のみが受信できる。
【0053】
したがって、配分棚に対してカートが双方向通行するときに目的のカート以外からの赤外線を誤って受信して仕分けミスが発生することを効果的に防止することができる。なお、受信側遮光手段としては、遮光板190に代えて特定方向の偏波のみを受信する偏光板を用いることもできる。
【0054】
また、実施例2においては、配分棚の各区分に取り付けた赤外線受信機141の前面に特定の方向からの赤外線のみを受信する受信側遮光手段を設置しているが、各カートに取り付けた赤外線送信機112の前面に特定の方向にのみ赤外線を送信する送信側遮光手段を設置しても上記と同様の効果を奏することができる。
【0055】
以上のように、本発明の実施例2の物品仕分装置によれば、赤外線送信機112がカート110の特定の方向にのみ赤外線を送信する送信側遮光手段を有し及び/又は赤外線受信機141が特定の方向からの赤外線のみを受信する受信側遮光手段を有していることによって、赤外線の送受信に指向性を持たせることができるため、複数のカートが1つの配分棚に接近した場合においても互いに干渉することなく正確な仕分けが実現できる。
【符号の説明】
【0056】
100 ・・・ 物品仕分装置
110 ・・・ カート
112 ・・・ 赤外線送信機
140 ・・・ 配分棚
141 ・・・ 赤外線受信機
142 ・・・ 投入指示表示手段
143 ・・・ 投入ランプ(完了ボタン)
144 ・・・ 投入数表示器
180 ・・・ 管理PC
182 ・・・ 地図データ
184 ・・・ 仕分けデータ
190 ・・・ 遮光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分けする物品を搭載したカートと、複数の区画に区分けされた配分棚と、前記カートから配分棚への仕分けを管理する管理PCとを有する物品仕分装置において、
前記カートが自己を特定する移動IDを含むカート識別信号を発信する送信機を有し、
前記配分棚が各区画毎にカートから発信されたカート識別信号を受信する受信機を有し、
前記管理PCが各受信機の受信内容からどのカートが配分棚のどの区画近傍に位置しているかを判別するカート位置判別手段を有していることを特徴とする物品仕分装置。
【請求項2】
前記配分棚の各区画が投入指示表示手段を有し、
前記管理PCが仕分けすべき物品を搭載したカートが近接した配分棚の区画の投入指示表示手段に対して投入指示表示指令を発する投入指示手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の物品仕分装置。
【請求項3】
前記投入指示表示手段が投入すべき区画を指示する表示器及び/又は遮蔽器とからなることを特徴とする請求項2に記載の物品仕分装置。
【請求項4】
前記送信機及び受信機が赤外線送信機及び赤外線受信機であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の物品仕分装置。
【請求項5】
前記赤外線送信機がカートの特定の方向にのみ赤外線を送信する送信側遮光手段を有し及び/又は赤外線受信機が特定の方向からの赤外線のみを受信する受信側遮光手段を有していることを特徴とする請求項4に記載の物品仕分装置。
【請求項6】
前記赤外線送信機が赤外線の到達範囲を設定する送信エリア制御手段を有していることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の物品仕分装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−131988(P2011−131988A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292869(P2009−292869)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】