説明

物品収受装置

【課題】郵便物や宅配物の収受、ないし取り出しにかかわる動作を統合的に制御し、利用者の利便性を高める。
【解決手段】電気錠により施錠可能な複数の物品収容ボックス111〜114、複数の郵便受211、211…を有し、郵便受211、211には、郵便物の有無を表示するLED2131、物品収容ボックス内の宅配荷物の有無を表示するLED2132を設ける。宅配ボックス100の制御回路は、少なくとも郵便受211の開錠操作が行なわれた時、LED2131で該郵便受211内の郵便物の有無を表示させるとともに、該郵便受に対応づけられた宛先で物品収容ボックスに配達された宅配荷物が収容されている場合には、LED2132で当該物品収容ボックスに宅配荷物が存在することを表示させる。該物品収容ボックスの距離が比較的小さい場合は該物品収容ボックスを開錠する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅配荷物および郵便物の集受に用いられる物品収受装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンションなどの集合住宅などには、宅配物集合保管装置、いわゆる宅配ボックスが設置されることがある。宅配ボックスは、特定の居住者宛ての宅配荷物を受け取る、あるいは特定の居住者が発送する宅配荷物を集荷するための施錠可能、かつ物理的な鍵やIDカードを用いた鍵により開錠可能な物品収納ボックスを複数有するロッカーに類似した物品収納装置である。
【0003】
近年では、複数の物品収納ボックスに対する宅配荷物などの出し入れを、タッチパネルなどによる操作表示部の操作を介して制御する制御回路を用いて管理する宅配ボックスが知られている。
【0004】
多くの場合、このような宅配ボックスの物品収納ボックスの受容口の扉はオートロックなどにより画成されたマンションの居住者空間の外側に開口し、取り出し口の扉は居住者空間の内側に配置される。
【0005】
また、集合住宅などには、宅配ボックスが設置されていなくても、郵便受は必ず配置される。オートロック化されたマンションなどでは、各居室ごとの郵便受を多数配列した集合型の郵便ポストが用いられており、その受容口は、通常、オートロックにより画成されたマンションの居住者空間の外側に開口し、取り出し口は居住者空間の内側に配置される。
【0006】
さらに、物品収受、という共通性から、上記の宅配ボックスを、郵便ポストとともに配置する場合の構成として下記特許文献1に示されるような構成が既に知られている。
【特許文献1】特開2004−248742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
郵便ポストは、たとえば集合住宅では各居住者にそれぞれ1つづつ割り当てられるのに対して、宅配ボックスの物品収納ボックスは、各居住者にそれぞれ1つづつ行き渡るような数は配置されないのが普通である。そして、宅配物などの物品が収容される時に、たとえば宅配業者などの操作に応じて初めて特定の居住者の識別(ID)情報に割り当てられる。そして、居住者は、IDカードのような鍵を用いて宅配ボックスのコンソールを制御し、自分宛ての荷物が収容されているボックスを開錠する。
【0008】
一般に、宅配ボックスを各居住者毎に割り当てないのは、一番小さい物品収納ボックスであっても更衣室などで用いられるロッカー程度の大きさであり、また、通常は、ゴルフバッグ程度の大きさのものを収容するかなり大きなサイズのものまで、いくつかの異なるサイズの物品収納ボックスを配置しなればならず、各所帯分の物品収納ボックスを用意するには極めて大きな配置スペースが必要となってしまうためである。
【0009】
また、郵便ポストの取り出し口には、簡単なダイヤル式の施錠機構などが設けられるものの、多くの郵便ポストでは、これらの施錠機構は電子制御手段などが介在しない、該当居住者の手動操作によってその施錠および開錠が制御される。
【0010】
一方、宅配ボックスは、IDカードなどによる認証を経て初めて自分宛てに届いた宅配物を収容した物品収納ボックスを開錠できるようにセキュリティ制御を行う制御回路が設けられるのが普通である。これは、たとえば、居住者固有の物品収納ボックスを割り当てない方式においては、居住者が宅配業者が自分宛に宅配物を収容していったボックスを開けることができなければならないことから当然である。
【0011】
上記のように、郵便ポストは特定の居住者固有に割り当てられるのに対して、宅配ボックスの物品収納ボックスは居住者への固有割り当てではない、また、宅配ボックスは施錠機構が電子制御手段によってセキュリティ制御されるのに対して、郵便ポストの取り出し口はこのような制御手段によって制御されない、という特徴がある。
【0012】
そこで、郵便ポストおよび宅配ボックスの各物品収受装置を特許文献1のように併設する構成においては、宅配ボックスの電子制御手段を利用(共用)して、宅配ボックスと郵便ポストを制御する、たとえば郵便物や宅配物の収受、郵便物や宅配物の表示、ないし取り出しにかかわる動作を制御できれば便利であると考えられる。特に、郵便物や宅配物の取り出しにかかわる動作を連動制御できれば非常に便利である。
【0013】
しかしながら、従来、提案されている構成は、特許文献1にみられるように、宅配ボックスを、郵便ポストとともに単に並置するだけのものが多く、上記のように宅配ボックスと郵便ポストを並置した場合に郵便物や宅配物の収受、ないし取り出しにかかわる動作を制御するための便利な構成はほとんど提案されていないのが現状である。
【0014】
本発明の課題は、上記の問題を解決し、宅配ボックスと郵便ポストを並置して成る物品収受装置において、宅配ボックスの物品収容ボックスを制御する制御回路を用いて郵便物や宅配物の収受、ないし取り出しにかかわる動作を統合的に制御し、利用者の利便性を高めるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以上の課題を解決するため、本発明においては、宅配荷物および郵便物の集受に用いられる物品収受装置において、配達された宅配荷物を収容するとともに電気錠により施錠可能な複数の物品収容ボックスと、配達された郵便物を収容し、その取り出し口を施錠可能であるとともに、前記物品収容ボックス内の宅配荷物の有無を表示する表示手段を有し、特定の宛先に対応づけられて設けられた複数の郵便受と、少なくとも、配達された宅配荷物が収容された物品収容ボックスを特定の宛先と関連づけて記憶するとともに前記物品収容ボックスの施錠および開錠を制御する制御回路と、を含み、前記制御回路は、前記郵便受の開錠操作が行なわれた時、該郵便受に対応づけられた宛先と、配達された宅配荷物が収容された物品収容ボックスと関連づけて記憶している宛先が一致した場合に、前記表示手段で該物品収容ボックスに宅配荷物が存在することを表示させる構成を採用した。
【0016】
あるいはさらに、前記制御回路は、前記郵便受の開錠操作が行なわれた時、該郵便受に対応づけられた宛先と、配達された宅配荷物が収容された物品収容ボックスと関連づけて記憶している宛先が一致し、かつ、該郵便受から該物品収容ボックスの距離が比較的小さい場合、該物品収容ボックスを開錠する構成を採用した。
【0017】
あるいはさらに、前記郵便受は該郵便受の内部に収容している郵便物の有無を表示する郵便物有無表示手段を有し、前記郵便受の開錠操作が行なわれた時、前記郵便物有無表示手段で前記郵便受内の郵便物の有無を表示させる構成を採用した。
【発明の効果】
【0018】
上記構成によれば、複数の郵便受から成る郵便ポスト、複数の物品収容ボックスから成る宅配ボックスを並置して成る物品収受装置において、郵便受に対応づけられた宛先で物品収容ボックスに宅配荷物が着荷している場合、郵便受に設けた前記表示手段で該物品収容ボックスに宅配荷物が存在することを表示させることができるから、物品収受装置が設置されたマンションなどの集合住宅において、郵便ポストをチェックするだけで同時に宅配ボックスの側の着荷状態を直ちに確認できる。すなわち、本発明によれば、宅配ボックスの物品収容ボックスを制御する制御回路を利用し、郵便物や宅配物の収受、ないし取り出しにかかわる動作を統合的に制御し、利用者の利便性を大きく高めることができる。
【0019】
あるいは郵便受に対応づけられた宛先で物品収容ボックスに宅配荷物が着荷しており、かつ、該郵便受から該物品収容ボックスの距離が比較的小さい場合、該物品収容ボックスを開錠することにより、それ以上の開錠操作や認証操作を行う必要なく、容易に着荷している宅配荷物の取り出しを行うことができる。また、着荷している物品収容ボックスが比較的遠い場合には、宅配物が存在する該当の物品収容ボックスは自動開錠されないので、保安上の問題を生じることがない。
【0020】
また、郵便受に郵便物有無表示手段を設けることにより、郵便受の開錠操作が行なわれた時、前記郵便物有無表示手段で郵便受内の郵便物の有無を表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例として、宅配ボックスと郵便ポストを併設して成る物品収受装置に関する実施例を示す。
【実施例1】
【0022】
<宅配ボックスの構成>
図1および図2は、本発明を採用した宅配ボックス100と、郵便ポスト200を併設して成る物品収受装置を表側、および裏側からそれぞれ示している。
【0023】
図1に示した宅配ボックス100および郵便ポスト200の表側は、オートロックにより画成されたマンションのような集合住宅(以下、同等の住宅を「マンション」の用語により言及する)の居住者空間の外側に向けて配置され、図2に示した宅配ボックス100および郵便ポスト200の裏側は、居住者空間の内側に向けて配置される。
【0024】
<宅配ボックスの構成>
本実施例の宅配ボックス100は、宅配荷物などの集受に用いられる物品収容ボックスを複数設けて成るものである。図1の宅配ボックス100には、通常の宅配荷物などの集受に用いる2種類の容量の物品収容ボックス111〜114を設けてある。ここでは不図示であるが、物品収容ボックス111〜114の扉表面(裏面も同様)には、ボックスを特定するためボックス番号をステッカーなどを貼付することによって表示してある。
【0025】
図1、図2の宅配ボックス100では、宅配ボックス100の機能を制御するためのコンソール130、および宅配荷物の集受に用いられる隔室としての複数(ここでは4つ)の物品収容ボックス111〜114が配置されている。
【0026】
まず、図1を参照して表側(居住者空間の外側)から、宅配ボックス100の構成を説明する。
【0027】
本実施例では、最上段および最下段の物品収容ボックス111、114が中型サイズ、物品収容ボックス112、113が小型サイズとなっており、コンソール130は物品収容ボックス111と112の間に配置してある。もちろん、物品収容ボックスの数やサイズなどの組合せは上記に限定されることなく任意である。
【0028】
宅配ボックス100の物品収容ボックス111〜114はコンソール130と接続された後述の制御回路(図4)を介して制御される電気錠により施錠可能であり、全体としてロッカーに類する箱体で、たとえば金属板などの材料から構成されている。また、物品収容ボックス111〜114内部には、当該のボックスに宅配荷物が収容されているか否かを検出するフォトインタラプタなどの光学センサから成る荷物センサー(後述の312)が設けられている。
【0029】
コンソール130の中央には、主要部をタッチパネルなどを用いた入力表示素子から構成した操作表示部131を配置してある。この操作表示部131により、たとえばメニューを表示し、そのメニューを操作するといった操作方式によって、宅配ボックス100の機能を制御することができる。
【0030】
コンソール130の操作表示部131の周囲には、音声ガイダンスや警報音の発生のために用いられる不図示のスピーカー、宅配ボックス100を操作する人物や近傍の様子を撮影するための防犯カメラ133、宅配荷物の集受に関する書類(レシートなど)を印刷するための感熱プリンターなどからなるプリンター134、ICカードリーダーなどからなる鍵センサー135を配設してある。
【0031】
このうち、鍵センサー135は、マンションの居住者、あるいは特定の宅配業者などが保有するIDカードの情報を読み取るために用いられる。IDカードはたとえばICカードなどから構成され、マンションの居住者、あるいは特定の宅配業者を識別する識別情報が記録される。
【0032】
物品収容ボックス111〜114は、宅配ボックス100が設置されるマンションの居住者などに対して各々割り当てられる。物品収容ボックス111〜114の収容容積は一定でなくてもよく、図示のように異なるサイズとなっていてもかまわない。物品収容ボックス111〜114は施錠可能な扉とその扉を開閉するための取手111a〜114aをそれぞれ有している。
【0033】
一方、宅配ボックス100の裏側(居住者空間の内側)は、図2に示すように構成されている。本実施例では裏側にも取手111b〜114bをそれぞれ有する扉が設けられ、こちら側からも荷物の出し入れができるようになっている。
【0034】
表側のコンソール130と対応する位置には、コンソール140が配置される。コンソール140は操作表示部141と、ICカードリーダーなどからなる鍵センサー135を少なくとも有する。また、コンソール140は音声ガイダンスや警報音の発生のために用いられる不図示のスピーカーを有する(以下の制御例で使用方法を例示する)。
【0035】
<郵便ポストの構成>
図1および図2において、郵便ポスト200は郵便受211、211…を複数、縦方向に配列したもので、各々の郵便受211はマンション居住者にそれぞれ割り当てられる。ここでは、図示を簡略にするため、1列、9所帯分の郵便受211を配置した構成を示しているが、より多くの郵便受211を郵便ポスト200に配列し、また、より多数列の郵便受211を配置してもよい。
【0036】
図3(a)〜(d)に郵便受211の1つの構成を詳細に示す。郵便受211は金属板などから構成され、本実施例では、図3(a)に示すように主に大判の郵便物や新聞などの印刷物を受容するための受容口2111と、主に定型郵便物などの配達を受容するための受容口2112を表側(図の右側:図3(b)、(c)においても同様)の表面に配置してある。
【0037】
郵便受211の内部は、仕切り板2114で2つに区切られており、各受容口2111、2112から受容した郵便物や印刷物が混ざらないように構成してある。居住者空間側(図の左側:図3(b)、(c)においても同様)には、扉2113を右ヒンジで開閉自在に設けてある。
【0038】
図3(b)、(c)は、それぞれ、主に定型郵便物用の受容口2112、主に新聞などの印刷物用の受容口2111の後の部分の断面構造を示している。
【0039】
図3(b)は受容口2112の後部のほぼ中央の断面で、受容口2112の後部のコンパートメント内部の構造を示している。図3(b)において符号2115は奥側の側壁に沿って配置された扉2113を施錠するための電気錠である。また、符号2116は、フォトインタラプタなどの光学センサから成る郵便物センサーである。
【0040】
扉2113の表面には、2つのLED2131、LED2132が配置されている。LED2131、LED2132の配置位置は、図3(d)の背面図に示すように、たとえば扉2113の左端部近傍とする。後述するように、LED2131は、郵便受211内部の郵便物の有無を、また、LED2132は宅配ボックス100側の宅配物の有無を表示するために用いられる。
【0041】
なお、郵便受211内部の郵便物の有無を検出するためのLED2131は本発明の実施に関しては必ずしも必要なく、たとえば、郵便受211内部を視認できるような小窓を扉2113に設けるだけでも利用者に内部の郵便物の有無を確認させることができ、ほぼ同じ目的を達することができる。
【0042】
また、図3(b)において、符号2117は受容口2112に設けたシャッターで、受容口2112の上縁に回動自在に支持されている。シャッター2117は、主に風雨や塵埃の進入防止、あるいは覗き見防止のために公知の郵便受に設けられているものと同じである。
【0043】
図3(c)は受容口2111の後部のほぼ中央の断面で、受容口2111の後部のコンパートメント内部の構造を示している。また、符号2119は、フォトインタラプタなどの光学センサから成る郵便物センサーである。
【0044】
電気錠2115、郵便物センサー2116、2119、LED2131、2132は後述の制御回路によって制御される。
【0045】
なお、郵便物センサー2116、2119は必ずしも設けなくてもよい。その場合の制御例については実施例2において後述する。
【0046】
<制御回路>
図4は、宅配ボックス100の制御システムの構成を示している。図4においては、以上で説明した各構成部材については同一の参照符号を用いており、各部材の機能については以下では必要な場合を除き、重ねて説明しない。
【0047】
制御回路300の部分は、宅配ボックス100のコンソール130、140(図1および図2)の間の空間などに配置される。
【0048】
制御回路300は、CPU301、ROM302、RAM303と各部との入出力を行うための入出力回路304、305、306から構成される。
【0049】
宅配ボックス100全体の制御は、CPU301により行なわれる。CPU301が実行する制御手順は、CPU301のプログラムなどとしてROM302に格納され、CPU301はRAM303をワークエリアとしてROM302に格納された制御プログラムを実行することにより宅配ボックス100全体の制御を行う。
【0050】
ROM302には、後述の制御プログラムのほか、郵便受211と、その郵便受211を使用する居住者の対応関係を示す情報をデータテーブル化して格納しておく。この郵便受211と居住者の対応関係を示すデータテーブルは、RAM303上に置いてもよいが、その場合、データテーブルの格納領域は停電時なども保持できるようにバックアップするものとする。
【0051】
入出力回路304には、宅配ボックス表面側のコンソール130の操作表示部131、プリンター134、鍵センサー135、裏面側の宅配ボックス表面側のコンソール140の操作表示部141、鍵センサー145が接続されている。
【0052】
さらに、入出力回路304には、各物品収容ボックス111〜114の表側の扉の電気錠310、裏側の扉の電気錠311、フォトインタラプタなどから成る荷物センサー312が接続されている。
【0053】
入出力回路305には、郵便ポスト200の各郵便受211の受容口2112側の郵便物センサー2116、受容口2111側の郵便物センサー2119、電気錠2115、およびLED2131、2132が接続されている。
【0054】
上述のように、郵便ポスト200は複数の郵便受211を有し、ここでは複数の郵便受211の電子回路を集合的に1ブロックで図示しているが、当然ながら、CPU301は入出力回路305を介して郵便受211の各々を特定して信号入出力を行えるものとする。たとえば、電気錠2115の1つを開錠する場合は、利用者の操作に応じて特定された郵便受211の電気錠2115を開錠する。
【0055】
入出力回路306には、通信部313が接続されている。通信部313は、マンションの情報システム600と通信できるよう構成されている。この情報システム600は、マンションのインターフォン、電子ロックなどの制御システムで、たとえば宅配物や郵便物の有無を示す信号をマンションの各居室のインターフォンに対して送信することにより、宅配物や郵便物の有無に応じてインターフォンのコンソールに配置されたLEDやLCDパネルの対応する表示を行わせることができる。情報システム600と入出力回路306の間のインターフェースは、複数の制御信号線などから構成できる。
【0056】
また、通信部313は、インターネットの通信回線400を経由して管理センター500の通信部501と通信することができる。通信部313、501はたとえば、ダイヤルアップ接続、あるいは光ファイバやADSLなどのネットワーク接続方式を用いて通信回線400と接続するネットワークインターフェースを有する。
【0057】
管理センター500の通信部501には、管理センターサーバ502が接続されている。管理センターサーバ502は、操作部504、表示部503を有するたとえばパーソナルコンピュータなどから成るサーバコンピュータで、管理センター500のオペレータ505は、操作部504、表示部503を介して制御部300と通信し、宅配ボックス100、郵便ポスト200の現在の状態をモニタしたり、郵便受211や物品収容ボックス111〜114の強制開錠などの遠隔制御も行うことができる。
【0058】
次に上記構成における各部の動作につき説明する。以下では、宅配ボックス100および郵便ポスト200の使用方法およびそれぞれの動作を説明する。
【0059】
<宅配ボックスの動作>
宅配ボックス100の物品収容ボックス111〜114に対して宅配業者が宅配荷物(配達物)を収容する場合、次のような動作を行う。この収容操作および制御については、従来の宅配ボックスと同様であるから簡単に説明する。
【0060】
宅配業者は、表側のコンソール130の操作表示部131を操作しながら収容作業を進める。ここでは宅配業者は収容(着荷)モードを選択する。
【0061】
未収容の物品収容ボックス111〜114は開錠状態であり、宅配業者は特定の所帯宛の宅配荷物を未収容の物品収容ボックス111〜114のうちいずれかのボックスに収容する。このとき、物品収容ボックス111〜114のいずれのボックスにも収容を許すようにしてもよいが、操作表示部131で空いているボックスを表示して、そのボックスに荷物を収容するように宅配業者に指示を与えてもよい。宅配業者に物品収容ボックス111〜114のボックスを選択させる場合には、操作表示部131で荷物を収容するボックスの番号などを入力させるか、CPU301が各ボックス111〜114の荷物センサー312を監視することなどにより実際に荷物が収容されたボックスを特定する。
【0062】
物品収容ボックス111〜114のうちいずれかのボックスに宅配荷物を収容し、その扉を閉成すると、電気錠310、311をロックし、宛先の居住者が開錠するまで開かないよう、その物品収容ボックスの表裏の扉を制御する。なお、このとき、該当の物品収容ボックスの扉が閉成されたにもかかわらず荷物センサー312により物品を検出できていない場合にはエラー処理(ブザー音による警報や、操作表示部131での表示)を行うようにしてもよい。
【0063】
以上までのいずれかのタイミングにおいて、業者は宛先の居住者を識別する部屋番号や氏名などの識別情報、さらに業者を識別する情報(識別番号や業者名など)をコンソール130の操作表示部131を介して入力する。
【0064】
収容操作が完全に終了すると、プリンター134で宅配業者に対してレシートを発行する。なお、収容操作を特定の業者のみに限定したいなどの場合には、収容操作を許容する特別なID情報を記録した宅配業者IDカードなどを配布し、鍵センサー135に提示させ、認証が正しく行なえた場合にのみ収容操作を許容するような制御を行ってもよい。
【0065】
宅配ボックス100の物品収容ボックス111〜114に荷物が収容されると、CPU301は、RAM303などの特定領域に宛先の居住者の識別情報に関連づけて荷物が収容されているボックスの識別情報(ボックス番号など)を記憶する。また、通信部313を介して、情報システム600に通知を行ない、該当の居住者のインターフォンの着荷LEDなどを点灯させ、居住者に着荷を報知する。
【0066】
さらに本実施例では、同時に、CPU301はROM302(あるいはRAM303)のデータテーブルから、配達宛先の居住者に対応づけられた郵便受211を特定できるから、該当の郵便受211のLED2132を消灯から点灯に切り換え、宅配ボックスに着荷があることを表示する。
【0067】
このように、本実施例によれば、宅配ボックスに着荷がある場合、その旨を配達宛先の居住者に対応づけられた郵便受211のLED2132で表示できるから、郵便受211(多くの場合、居住者はほぼ毎日、かなり頻繁に郵便受211の状態はチェックするのが普通である)の取り出し口である扉2113のLED2132を見るだけで、着荷の有無を確認できる。
【0068】
居住者に対しては、あらかじめ居住者ごとに固有のIDを記録したIDカードを配布しておく。居住者は、裏側、ないし表側のいずれかのコンソール140、ないし130を用いて宅配された配達物の取り出しを行う。居住者はコンソール140、ないし130の操作表示部141ないし131を介して取り出しモードを指示する。CPU301はIDカードを鍵センサー145ないし135に提示する(あるいは他の暗証番号を入力させる)認証を居住者に要求し、この認証が成功すると、CPU301は該当の物品収容ボックスの居住者が操作しているコンソール140、ないし130の側の電気錠311(裏側)、または310(表側)を開錠する。
【0069】
以上のようにして、居住者は宅配された配達物を取り出すことができる。
【0070】
<郵便ポストの動作>
本実施例では、郵便ポスト200の郵便受211の後部の扉2113を電気錠で施錠でき、また、LED2131により当該郵便受211の配達物の有無を、また、LED2132により、当該郵便受211の居住者宛ての配達物が宅配ボックス100の物品収容ボックス(111〜114のいずれか)に配達されていないか否かを表示することができる。
【0071】
まず、郵便受211への配達の場合の動作を説明する。
【0072】
配達員が郵便物を郵便受211の受容口2112あるいは2111にポストすると、CPU301は郵便物センサー2116、2119を介して収受した郵便物を検出する。郵便受211に関しては、当然ながら、裏側の扉2113は、通常の状態では、閉成時は電気錠2115でロックしておく。
【0073】
CPU301は、郵便物センサー2116あるいは2119を介して収受した郵便物を検出すると、LED2131を消灯から点灯状態に切り換え、郵便物が郵便受211に収容されていることを表示する。
【0074】
郵便物の取り出しは、IDカードを裏側のコンソール140の鍵センサー145に提示して行う認証が成功した場合のみ、電気錠2115を開錠することにより行うが、この取り出し制御は図5(a)、(b)に示すようにして行うことができる。
【0075】
図5(a)のステップS10では、居住者が裏側のコンソール140の鍵センサー145に提示して認証を行ない、その認証が成功したか否かを判定する。
【0076】
認証が成功すると、ステップS11に進み、ROM302(あるいはRAM303)のデータテーブルを参照し、認証を成功させた居住者に対応する郵便受211を特定し、その郵便受211に郵便物が存在するか否かを判定する。ここで、該当の郵便受211に郵便物が存在する場合にはステップS12に進み、存在しない場合にはステップS13に進む。
【0077】
郵便受211に郵便物が存在する場合にはステップS12において、LED2131を点灯(点灯状態を維持)させ、郵便物ありを表示する。ただしここで、さらにスピーカで音声案内を行うなどして郵便物ありを居住者に報知してもよい。
【0078】
さらにステップS14では、該当の居住者宛ての宅配荷物が宅配ボックス100の物品収容ボックス111〜114に存在するか否かを判定する。この判定は、操作中の郵便受211に対応する宛先(居住者)と、現在、宅配物を収容している物品収容ボックス111〜114に関してRAM303に記憶している、当該宅配物の宛先が一致しているかを検査することにより行う。ここで宅配荷物が存在しない場合にはステップS16に、宅配荷物が存在する場合にはステップS15に移行する。
【0079】
宅配荷物が存在しない場合にはステップS16において、LED2132を消灯(消灯状態を維持)させ、宅配物なしを表示するとともに、操作表示部141で同様に郵便物なしを表示し、あるいはさらにスピーカで音声案内を行うなどして郵便物なしを居住者に報知し、ステップS18に移行する。
【0080】
宅配荷物が存在する場合にはステップS15において、LED2132を点灯(点灯状態を維持)させ、宅配物ありを表示する。ただしここで、さらにスピーカで音声案内を行うなどして郵便物ありを居住者に報知してもよい。この処理の後、ステップS17に移行する。
【0081】
ステップS17では、図5(b)に示した宅配ボックス連動制御を行う。ここでは、ステップS25において、宅配物が存在する該当の物品収容ボックス(111〜114)が、該当の郵便受211に物理的に近い位置に存在するか否かを判定する。
【0082】
この判定は、たとえば、宅配物が存在する該当の物品収容ボックス(111〜114)と該当の郵便受211の距離が比較的小さい、たとえば特定の閾値(たとえば1〜数メートル)より小さいか否か、などを判定することによって行う。このためには、ROM302にあらかじめ、特定の郵便受211と、全ての物品収容ボックス(111〜114)の距離をデータテーブル化して格納しておき、このデータテーブルを参照して該当の距離を求め、それを上記の閾値と比較することなどによって行うことができる。
【0083】
あるいは、この判定において行う距離の比較は、郵便受211ないし物品収容ボックス(111〜114)が離れている段の数や列の数を単位として行なってもよい。たとえば、図1ないし図2の例では郵便受211と物品収容ボックス(111〜114)は1列づつしか設けられていないが、これらを複数列づつ設ける場合には、郵便受211から物品収容ボックス(111〜114)がたとえば2〜複数列よりも少ない列数の範囲内にあるか否かを判定する。段数を単位とする場合では、同様に郵便受211から物品収容ボックス(111〜114)がたとえば2〜複数段よりも少ない段数の範囲内にあるか否かを判定すればよい。
【0084】
ステップS25が肯定された、すなわち、宅配物が存在する該当の物品収容ボックス(111〜114)が、該当の郵便受211に物理的に近い位置に存在する場合には、ステップS26において、該当の物品収容ボックス(111〜114)の電気錠311を開錠して、その物品収容ボックスの扉をポップアップさせる(少し開く)。
【0085】
ステップS25が否定、すなわち、宅配物が存在する該当の物品収容ボックス(111〜114)が、該当の郵便受211に物理的に近い位置に存在しない場合には、図5(b)の宅配ボックス連動制御を終了し、原ルーチンに復帰する。なお、このように物品収容ボックス(111〜114)の自動開錠を行わない場合には、スピーカを用いて音声案内を行うことにより、「宅配荷物があります」、「物品収容ボックスが遠いので自動開錠はいたしません」、あるいはさらに「コンソール140で着荷操作を行なってお荷物をお受け取りください」といった報知を行うようにしてもよい。
【0086】
このようにして、着荷している物品収容ボックス(111〜114)が操作中の郵便受211に近い場合のみ、自動的にその物品収容ボックスの扉を開くことができる。本実施例によれば、着荷している物品収容ボックスがあまり遠い場合には、宅配物が存在する該当の物品収容ボックスは自動開錠されないので、保安上の問題を生じない。
【0087】
図5(b)のステップS26の後、処理はステップS18に復帰し、該当の郵便受211の電気錠2115を開錠する。
【0088】
ステップS19では、居住者による郵便物の取り出しが行なわれ、郵便物を取り出すと居住者はステップS20において郵便受211の扉2113を閉じる。電気錠2115は、この閉成動作によって施錠される。
【0089】
一方、ステップS11で郵便物なしの場合は、ステップS13において、LED2131を消灯(消灯状態を維持)させ、郵便物なしを表示するとともに、操作表示部141で同様に郵便物なしを表示し、あるいはさらにスピーカで音声案内を行うなどして郵便物なしを居住者に報知する。
【0090】
続いて、ステップS21では、ステップS14同様に該当の居住者宛ての宅配荷物が宅配ボックス100の物品収容ボックス111〜114に存在するか否かを判定する。宅配荷物が存在しない場合にはステップS23に、宅配荷物が存在する場合にはステップS22に移行する。
【0091】
宅配荷物が存在しない場合にはステップS13において、LED2132を消灯(消灯状態を維持)させ、宅配物なしを表示するとともに、操作表示部141で同様に郵便物なしを表示し、あるいはさらにスピーカで音声案内を行うなどして郵便物なしを居住者に報知し、処理を終了する。
【0092】
宅配荷物が存在する場合にはステップS22において、LED2132を点灯(点灯状態を維持)させ、宅配物ありを表示する。ただしここで、さらにスピーカで音声案内を行うなどして郵便物ありを居住者に報知してもよい。この処理の後、ステップS24に移行する。
【0093】
ステップS24では、上述した図5(b)に示した宅配ボックス連動制御を行ない、処理を終了する。これにより、郵便受211を開かない場合でも、着荷している物品収容ボックス(111〜114)が操作中の郵便受211に近い場合のみ、自動的にその物品収容ボックスの扉を開くことができ、着荷している物品収容ボックスが比較的遠い場合には、宅配物が存在する該当の物品収容ボックスは自動開錠されないので、保安上の問題を生じることがない。
【0094】
以上のようにして、本実施例によれば、典型的な居住者の行動として毎日1回(以上)チェックすることが多い郵便受211において、その郵便受211に郵便物が配達されていれば、その旨をLED2131で表示でき、この表示を介して居住者は確実に郵便物が配達されていることを認識することができる。
【0095】
また、典型的な居住者の行動として毎日1回(以上)チェックすることが多い郵便受211に対応づけられた居住者宛ての宅配物が宅配ボックス100の物品収容ボックスに存在すれば、その旨をLED2132で表示でき、居住者は確実に宅配物が配達されていることを認識することができる。
【0096】
さらに、郵便物が配達されている場合でも配達されていない場合でも、着荷している物品収容ボックス(111〜114)が操作中の郵便受211に近い場合のみ、自動的にその物品収容ボックスの扉を開くことができる。このように、郵便受に対応づけられた宛先で物品収容ボックスに宅配荷物が着荷しており、かつ、該郵便受から該物品収容ボックスの距離が比較的小さい場合、該物品収容ボックスを開錠することにより、それ以上の開錠操作や認証操作を行う必要なく、容易に着荷している宅配荷物の取り出しを行うことができる。
【0097】
すなわち、本実施例では、郵便受211が居住者、すなわち特定の宛先に割り当てられている、という点を利用し、郵便受211を開錠するための認証操作(ステップS10)を物品収容ボックスを開錠する操作としても兼用でき、操作が容易になる、という利点がある。そして、この物品収容ボックスの自動開錠は、郵便受211と該当の物品収容ボックスの距離が近い場合にのみ行うようにすれば、一定の保安性も満足できる、という利点がある。
【0098】
さらに、着荷している物品収容ボックスが比較的遠い場合には、宅配物が存在する該当の物品収容ボックスは自動開錠されないので、保安上の問題を生じることがない。
【0099】
なお、郵便物取り出しの際、郵便受211の扉2113は、以上ではIDカードを用いた認証を経て、宅配ボックス100のCPU301により開錠するものとしたが、郵便受211のダイヤルキーや平板キーなどを用いた施錠機構により手動で施錠/開錠する場合でも、上記のLED2131、2132による表示は行うことができる。この場合には、ステップS10の認証処理をダイヤルキーや平板キーなどを用いた施錠機構により手動での開錠操作の検出に置き換えればよい。また、この場合、少なくとも扉2113の施錠機構の開錠状態、あるいは扉2113の開放状態を検出できるセンサー機構を設けておけば、これらの開錠/開放状態に応じて上記の物品収容ボックスが郵便受211に近い場合のみ宅配ボックス100の物品収容ボックスの扉を開放する自動開錠を行うこともできる。
【0100】
<郵便受に関する変形例>
以上では、郵便受211は2つの受容口2111、2112を設けて、ちらし、印刷物と、定型郵便物で使い分けるものとしたが、上記構成は受容口が1つのみの場合でも同様に実施できる。また、郵便受211のためのLED2131を1つのみ設けた構成を示したが、2つの受容口2111、2112に対応する隔室ごとに郵便物の有無を表示するLEDを設けてもよい。
【実施例2】
【0101】
本実施例では、実施例1に示した郵便受の構成、およびそれに係る制御に関する変形例を示す。
【0102】
実施例1では、郵便受211内部の郵便物の有無を検出するための郵便物センサー2116、および2119と、郵便物の有無を表示するためのLED2131を設けている。これらの郵便物センサー2116、2119は、主として郵便物の有無を表示するためのLED2131を制御するためのものであって、前述のように郵便受211内部を視認できるような小窓を扉2113に設けるだけでも同様の目的をほぼ達成することができるため、省略してしまってもよい。
【0103】
そして、LED2132、すなわち、郵便受211に対応づけられた居住者宛ての宅配物が宅配ボックス100の物品収容ボックスに存在するか否かを表示するための表示手段を郵便受211に設けるだけでも下記のような制御を行うことができ、大きな効果を期待できる。
【0104】
図6に、郵便物センサー2116、2119、LED2131を省略し、LED2132のみを設けた場合に実施できる制御手順の一例を示す。図6のフローチャートでは、図5と同一ないし相当するステップには同一符号を付し、図5において説明済みの部分に関しては詳細な説明を省略するものとする。
【0105】
図5と比較して明らかなように、図6の制御は郵便受211に郵便物が存在するか否かを検出する図5のステップS11と、これに応じて行うLED2131の点灯制御であるステップS12、S13および郵便物が存在しない場合に分岐して実行するステップS13より後の処理を除去したものである。その他のステップはいずれも実施例1で説明した通りである。
【0106】
図6に示したように本実施例では、ステップS10で認証が行われると、郵便受211に郵便物が存在するか否かにかかわらず、ステップS14以降の制御を行う。すなわち、ステップS18で郵便受211の電気錠2115を開錠するに先立って、ステップS14で該当の居住者宛ての宅配荷物が宅配ボックス100の物品収容ボックス111〜114に存在するか否かを判定し、宅配荷物の有無に応じてLED2132の点灯/消灯制御を行ない(ステップS15、S16)、特に宅配荷物がある場合にはステップS17で図5(b)に示した宅配ボックス連動制御を行う。
【0107】
ステップS18、S19、S20は実施例1と同様の郵便受211の電気錠2115の開錠、郵便物の取り出し、施錠であるが、当然ながら本実施例では郵便物の有無を検出していないから、該郵便受211は空である場合もあり、その場合は、ステップS19では郵便物の取り出しは行われない。
【0108】
以上に示したように、郵便物センサー2116、および2119と、郵便物の有無を表示するためのLED2131を省略した構成においても、典型的な居住者の行動として毎日1回(以上)チェックすることが多い郵便受211に対応づけられた居住者宛ての宅配物が宅配ボックス100の物品収容ボックスに存在すれば、その旨をLED2132で表示でき、居住者は確実に宅配物が配達されていることを認識することができる。
【0109】
さらに、郵便物が配達されている場合でも配達されていない場合でも、着荷している物品収容ボックス(111〜114)が操作中の郵便受211に近い場合のみ、自動的にその物品収容ボックスの扉を開くことができる。このように、郵便受に対応づけられた宛先で物品収容ボックスに宅配荷物が着荷しており、かつ、該郵便受から該物品収容ボックスの距離が比較的小さい場合、該物品収容ボックスを開錠することにより、それ以上の開錠操作や認証操作を行う必要なく、容易に着荷している宅配荷物の取り出しを行うことができる。
【0110】
本実施例では、郵便受211が居住者、すなわち特定の宛先に割り当てられている、という点を利用し、郵便受211を開錠するための認証操作(ステップS10)を物品収容ボックスを開錠する操作としても兼用でき、操作が容易になる、という利点がある。そして、この物品収容ボックスの自動開錠は、郵便受211と該当の物品収容ボックスの距離が近い場合にのみ行うようにすれば、一定の保安性も満足できる、という利点がある。
【0111】
さらに、着荷している物品収容ボックスが比較的遠い場合には、宅配物が存在する該当の物品収容ボックスは自動開錠されないので、保安上の問題を生じることがない。
【0112】
なお、本実施例においても、ステップS10の認証処理をダイヤルキーや平板キーなどを用いた施錠機構により手動での開錠操作の検出に置き換えることができるのは実施例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明を採用した宅配ボックスおよび郵便ポストを併設して成る物品収受装置の表側の構成を示した正面図である。
【図2】図1の物品収受装置の裏側の構成を示した背面図である。
【図3】図1の物品収受装置の郵便ポストの郵便受の構成を示した図で、(a)は斜視図、(b)および(c)は断面図、(d)は背面図である。
【図4】図1の物品収受装置の制御回路の構成を示したブロック図である。
【図5】図1の物品収受装置における配達物取り出し制御を示したフローチャート図である。
【図6】図1の物品収受装置における配達物取り出し制御を示した異なるフローチャート図である。
【符号の説明】
【0114】
100 宅配ボックス
111〜114 物品収容ボックス
130、140 コンソール
131、141 操作表示部
133 防犯カメラ
134 プリンター
135、145 鍵センサー
200 郵便ポスト
211 郵便受
300 制御回路
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304、305、306 入出力回路
310、311、2115 電気錠
312 荷物センサー
313 通信部
400 通信回線
500 管理センター
501 通信部
502 管理センターサーバ
503 表示部
504 操作部
600 情報システム
2111、2112 受容口
2113 扉
2114 仕切り板
2116、2119 郵便物センサー
2117、2121 シャッター
2131、2132 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅配荷物および郵便物の集受に用いられる物品収受装置において、
配達された宅配荷物を収容するとともに電気錠により施錠可能な複数の物品収容ボックスと、
配達された郵便物を収容し、その取り出し口を施錠可能であるとともに、前記物品収容ボックス内の宅配荷物の有無を表示する表示手段を有し、特定の宛先に対応づけられて設けられた複数の郵便受と、
少なくとも、配達された宅配荷物が収容された物品収容ボックスを特定の宛先と関連づけて記憶するとともに前記物品収容ボックスの施錠および開錠を制御する制御回路と、
を含み、
前記制御回路は、前記郵便受の開錠操作が行なわれた時、該郵便受に対応づけられた宛先と、配達された宅配荷物が収容された物品収容ボックスと関連づけて記憶している宛先が一致した場合に、前記表示手段で該物品収容ボックスに宅配荷物が存在することを表示させることを特徴とする物品収受装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物品収受装置であって、前記制御回路は、前記郵便受の開錠操作が行なわれた時、該郵便受に対応づけられた宛先と、配達された宅配荷物が収容された物品収容ボックスと関連づけて記憶している宛先が一致し、かつ、該郵便受から該物品収容ボックスの距離が比較的小さい場合、該物品収容ボックスを開錠することを特徴とする物品収受装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の物品収受装置であって、前記郵便受は該郵便受の内部に収容している郵便物の有無を表示する郵便物有無表示手段を有し、前記郵便受の開錠操作が行なわれた時、前記郵便物有無表示手段で前記郵便受内の郵便物の有無を表示させることを特徴とする物品収受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−273739(P2009−273739A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129047(P2008−129047)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(501377139)日本宅配システム株式會社 (35)
【Fターム(参考)】