物品管理システム及びこれに用いる無線タグ及び無線タグ通信装置
【課題】複数の無線タグ通信装置でそれぞれ所望の無線タグを探索した場合に、無線タグの発光手段の発光パターンにより、探索対象の無線タグを確実に把握できる物品管理システム、無線タグ、無線タグ通信装置を提供する。
【解決手段】情報の送受信を行うタグアンテナと、タグアンテナに接続される無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な発光手段を備えた無線タグと、無線タグと情報の送受信を行うための装置アンテナを備えた複数の無線タグ通信装置とを有する物品管理システムであって、無線タグ通信装置は、装置アンテナを介して発光手段に発光を指示するための発光指示情報を送信する発光指示情報送信手段を備え、無線タグは、発光指示情報送信手段より送信された発光指示情報を第一タグアンテナを介して受信した場合に、第一発光手段を無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光させる制御を行う第一制御手段を有する。
【解決手段】情報の送受信を行うタグアンテナと、タグアンテナに接続される無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な発光手段を備えた無線タグと、無線タグと情報の送受信を行うための装置アンテナを備えた複数の無線タグ通信装置とを有する物品管理システムであって、無線タグ通信装置は、装置アンテナを介して発光手段に発光を指示するための発光指示情報を送信する発光指示情報送信手段を備え、無線タグは、発光指示情報送信手段より送信された発光指示情報を第一タグアンテナを介して受信した場合に、第一発光手段を無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光させる制御を行う第一制御手段を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光手段を有する無線タグに対して複数の無線タグ通信装置から発光指示を行った場合に、発光指示を行なった無線タグ通信装置ごとに、前記発光手段が異なる態様で発光することを特徴とする物品管理システム及びこれに用いる無線タグ及び無線タグ通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うタグアンテナを備えた無線タグ回路素子を有する無線タグと、無線タグ通信装置との間で非接触で情報の読み取りや書き込みを行うRadio Frequency Identification(以下、RFIDとする)システムが知られている。このRFIDシステムは様々な分野において実用化されている。
【0003】
例えば、物流分野においては、各商店や卸先に商品を配送する場合に、倉庫・物流センタで各種商品を集めるピッキング作業が行なわれる。このピッキング作業は、卸先に対応する商品一覧をもとに商品を探し出し、必要数量を集める。下記特許文献1に記載の発光素子付き非接触型無線IDタグは、上記のような物流センタに保管される商品に備えられる。
【0004】
具体的には、無線タグ通信装置でピッキング対象の物品に備えられた無線タグに対応するタグIDを指定して応答要求コマンドを送信し、該当するタグIDを有する無線タグが応答要求コマンドを受信したら、無線タグの発光素子が発光する。そのため、ピッキング対象の物品がどこに保管されているかを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−306062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数人が一度に商品の探索を行なうと、複数の無線タグの発光素子が同様に発光するので、どの無線タグ通信装置で探索したものが発光しているのか区別がつかなかった。
【0007】
本発明は、複数の無線タグ通信装置でそれぞれ所望の無線タグを探索した場合に、無線タグの発光手段の発光パターンにより、探索対象の無線タグを確実に把握できる物品管理システム及びこれに用いる無線タグ及び無線タグ通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1発明の物品管理システムは、情報の送受信を行う第一タグアンテナと、前記第一タグアンテナに接続される第一無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を備えた無線タグと、前記無線タグと情報の送受信を行うための装置アンテナを備えた複数の無線タグ通信装置とを有する物品管理システムであって、前記無線タグ通信装置は、前記装置アンテナを介して前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を送信する発光指示情報送信手段を備え、前記無線タグは、前記発光指示情報送信手段より送信された前記発光指示情報を前記第一タグアンテナを介して受信した場合に、前記第一発光手段を前記無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光させる制御を行う第一制御手段を有することを特徴とする。
【0009】
第2発明の物品管理システムは、上記第1発明において、前記無線タグ通信装置は、前記装置アンテナを介して前記無線タグ通信装置に固有の装置識別情報を送信する装置識別情報送信手段を備え、前記第一制御手段は、前記装置識別情報送信手段により送信された前記装置識別情報と、前記発光指示情報を前記第一タグアンテナを介して受信した場合に、記憶手段に記憶された前記装置識別情報に関連付けられた前記装置識別情報ごとに異なる発光パターンで前記第一発光手段を発光させる制御を行うことを特徴とする。
【0010】
第3発明の物品管理システムは、上記第1又は第2発明において、前記無線タグは、各発光パターンごとの発光情報を格納できる複数のバッファと、前記第一タグアンテナを介して前記発光指示情報を受信した場合に、記憶手段に記憶された前記発光パターンと関連付けられたバッファに、前記発光パターンに対する発光情報を格納するバッファ格納手段とを備え、前記第一制御手段は、前記バッファ格納手段により格納された前記発光情報に基づいて、前記第一発光手段に発光させる制御を行うことを特徴とする。
【0011】
第4発明の物品管理システムは、上記第3発明において、前記第一制御手段は、複数のバッファに格納された前記発光情報に基づいて、所定の順番で前記第一発光手段を発光させる制御を行うことを特徴とする。
【0012】
第5発明の物品管理システムは、上記第1ないし第4発明において、前記無線タグは管理対象の物品に備えられ、情報の送受信を行う第二タグアンテナと、前記第二タグアンテナに接続される第二無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第二発光手段を備えると共に、前記物品を保管する保管物品に備えられる場所タグを有し、前記場所タグは、前記第二タグアンテナより前記発光指示情報を受信した場合に、前記無線タグの第一発光手段と同じ発光パターンで前記第二発光手段を発光させる制御を行う第二制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
第6発明の無線タグ通信装置は、上記第1ないし第5発明において、前記無線タグ通信装置は前記発光指示情報に基づいて、前記無線タグの第一発光手段が発光する発光パターンを識別するための識別部を有することを特徴とする。
【0014】
第7発明の無線タグは、前記請求項1に記載の物品管理システムに用いる無線タグであって、複数の無線タグ通信装置と情報の送受信を行う第一タグアンテナと、前記第一タグアンテナに接続される第一無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を有し、前記第一タグアンテナより前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を受信した場合に、前記第一発光手段を前記無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光させる制御を行う第一制御手段を有することを特徴とする。
【0015】
第8発明の無線タグ通信装置は、前記請求項1に記載の物品管理システムに用いる無線タグ通信装置であって、複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を備えた無線タグと情報の送受信を行うための装置アンテナと、前記装置アンテナを介して前記無線タグの前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を送信する発光指示情報送信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明の物品管理システムによれば、複数の無線タグ通信装置の発光指示情報に基づき、前記無線タグの第一発光手段が異なる発光パターンで発光する。これにより、複数のユーザが使用するそれぞれの無線タグ通信装置で発光指示情報を送信しても、探索対象の無線タグを確実に把握できる。
【0017】
請求項2に係る発明の物品管理システムによれば、前記発光パターンが前記無線タグ通信装置の装置識別情報ごとに関連付けられているので、確実に無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光することができる。
【0018】
請求項3に係る発明の物品管理システムによれば、各発光パターンごとの発光情報を格納できるバッファを有しているので、ある発光パターンに基づいて発光手段を発光させている間に、別の発光指示情報を受信した場合であっても、並行して、別の発光パターンで発光手段を発光させることができる。
【0019】
請求項4に係る発明の物品管理システムによれば、所定の順番で異なる発光パターンで発光手段が発光するので目立ちやすい。そのため、ユーザは探索対象の無線タグをより確実に見つけ出すことができる。
【0020】
請求項5に係る発明の物品管理システムによれば、管理対象の物品に無線タグが備えられ、前記物品が保管される保管物品に場所タグが備えられており、無線タグと場所タグが同様の発光パターンで発光するので、前記保管物品に探索対象の物品が保管されていることを容易に把握できる。
【0021】
請求項6に係る発明の無線タグによれば、識別部と探索対象の物品の発光手段の発光パターンを比較することにより、より確実に探索対象の無線タグを把握することができる。
【0022】
請求項7に係る発明の無線タグによれば、複数の無線タグ通信装置の発光指示情報に基づき、前記無線タグの第一発光手段が異なる発光パターンで発光する。これにより、複数のユーザが使用するそれぞれの無線タグ通信装置で発光指示情報を送信しても、探索対象の無線タグを確実に把握できる。
【0023】
請求項8に係る発明の無線タグ通信装置によれば、複数の無線タグ通信装置ごとに発光指示情報を送信する。これにより、前記無線タグの第一発光手段が異なる発光パターンで発光する。複数のユーザが使用するそれぞれの無線タグ通信装置で発光指示情報を送信しても、探索対象の無線タグを確実に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態の物品管理システムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
【図2】図1の無線タグの発光手段を拡大した平面図である。
【図3】物品管理システムに用いられる無線タグ通信装置の構成を表すブロック図である。
【図4】物品タグに備えられた無線タグ回路部の構成を表すブロック図である。
【図5】物品タグのメモリ部に記憶される記憶内容の一例を示す図である。
【図6】物品タグのメモリ部に記憶される記憶内容の別例を示す図である。
【図7】無線タグ通信装置の制御部によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図8】無線タグの制御部によって実行される制御手順の一例を表すフローチャートである。
【図9】無線タグの制御部によって実行される発光処理の制御手順の一例を表すフローチャートである。
【図10】無線タグの制御部によって実行される制御手順の別例を表すフローチャートである。
【図11】無線タグの制御部によって実行される発光処理の制御手順の別例を表すフローチャートである。
【図12】本実施形態の物品管理システムの全体構成の別例を表すシステム構成図である。
【図13】場所タグの制御部によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の無線タグ管理システム400について示す。また、図2は無線タグ200の発光手段260の拡大図である。例えば、図示しない収納棚に書籍Mが収納されており、前記各書籍Mの背表紙にはその書籍を識別するための無線タグ200が貼り付けられている。
【0026】
図1の物品管理システム400の概略を説明する。管理対象である書籍Mに、発光ダイオードや有機Electro Luminescence(以下、有機ELとする)などの発光手段260が備えられた無線タグ200が貼り付けられている。本実施形態では複数のユーザが、それぞれ無線タグ通信装置100を携帯して、所望とする書籍Mを探索するものとする。
【0027】
例えば、3人のユーザがそれぞれ前記無線タグ通信装置100A,100B,100Cを携帯して、同じ書籍M1を探索するものとする。各ユーザは探索対象の書籍M1に設けられた無線タグ200のタグIDをテンキーなどの入力手段170により入力して、前記無線タグ通信装置100A,100B,100Cでそれぞれ読み取りを行なう。
【0028】
すると、対応するそれぞれの無線タグ200の発光手段260が、無線タグ通信装置100A,100B,100Cごとに、異なる態様で発光する。具体的には、無線タグ通信装置100Aから発光指示コマンドを受信した書籍M1に貼り付けられた無線タグ200は、発光手段260の発光素子10が赤色に発光する(図2参照)。
【0029】
同様に、無線タグ通信装置100Bから発光指示コマンドを受信した場合、発光手段260の発光素子20は青色に発光する。そして、無線タグ通信装置100Cから発光指示コマンドを受信した場合、発光手段260の発光素子30は緑色に発光する。なお、図1及び図2では、前記各発光素子の発光の様子をわかりやすいように、前記発光素子10が赤色で発光している様子を斜線で、前記発光素子20が青色で発光している様子を横縞で、前記発光素子30が緑色で発光している様子を灰色で示している。
【0030】
また、無線タグ通信装置100は識別部190を有している。前記識別部190は、探索対象の前記無線タグ200が発光する発光素子10,20,30の発光色と同じ色の識別シールが貼られている。例えば、無線タグ通信装置100Aの識別部190として赤色のシールが貼られ、無線タグ通信装置100Bの識別部190として青色のシールが貼られ、無線タグ通信装置100Cの識別部190として緑色のシールが貼られる。なお、図1において、識別部190の色も上述の発光素子10,20,30と同様に表している。
【0031】
無線タグ通信装置100の識別部190の色と、同じ色で発光している発光手段260を備えた無線タグ200を見つけることで、ユーザは確実に探索対象の書籍を把握することができる。以下、各構成について順を追って説明する。
【0032】
まず、無線タグ通信装置100について、図3を参照して説明する。前記無線タグ通信装置100は、装置アンテナ152を介して無線タグ200との無線通信を行なう。そして、前記装置アンテナ152を介して無線タグ200から読み出された信号を処理する高周波回路112、制御部154、記憶手段としてのRAM156及びROM155を有している。また、これらは、電気的にバスで接続されている。
【0033】
前記高周波回路112は、無線タグ200を動作させるための信号を発生させる。また、無線タグ200との通信を行うために、前記制御部154からの指示に基づいて無線タグ200への送信命令を発生し、前記信号を変調して質問波として送信すると共に、無線タグ200において変調された応答波を受信、復調して前記制御部154に伝える。
【0034】
前記制御部154は、前記RAM156の一時記憶機能を利用するのと並行して、前記ROM155にあらかじめ記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより無線タグ通信装置100全体の制御を行なう。また、無線タグ通信装置100は、操作者からの指示や情報が入力される入力手段170、情報やメッセージを表示する表示手段160を備える。
【0035】
次に、図1を用いて、無線タグ通信装置100に備えられる識別部190について説明する。前記識別部190は、前記無線タグ通信装置100が探索対象の無線タグ200に発光指示コマンドを送信した場合に、無線タグ200の発光手段260が発光する発光パターンを確認するために設けられる。本実施形態では、上述のように、無線タグ通信装置100の本体部101に、その無線タグ通信装置100から発光指示コマンドを送信して無線タグ200の発光手段260が発光するときの発光色に対応した色のシールを貼って識別部190としている。
【0036】
なお、前記識別部190は前記表示手段160であってもよい。すなわち、前記無線タグ通信装置100の表示手段160の表示画面に、発光手段260の発光態様の画像を表示させてもよい。また、無線タグ通信装置100の本体部101を前記発光手段260の発光色に対応させた色彩に着色して、本体部101を識別部としてもよい。これにより、複数の無線タグ通信装置100から同時に発光指示コマンドが無線タグ200に送信され、複数の無線タグ200の発光手段260が発光しても、ユーザは自分が携帯する無線タグ通信装置100の識別部190と、発光手段260の発光パターンを比較することで、確実に、探索対象の無線タグ200を把握することができる。
【0037】
図4を参照して、前記無線タグ200の機能的構成を説明する。無線タグ200はアンテナ210を有し、前記アンテナ210に接続された無線タグ回路部250を有する。前記無線タグ回路部250は、前記アンテナ210により受信された応答要求コマンドを含む信号を含む質問波を整流する整流部252と、この整流部252により整流された質問波のエネルギーを蓄積して発光手段260の駆動電源とするための電源部253を有する。なお、前記アンテナ210が請求項1に記載の第一タグアンテナ、前記無線タグ回路部250が請求項1に記載の第一無線タグ回路部、前記発光手段260が請求項1に記載の第一発光手段である。
【0038】
前記整流部252は、前記アンテナ210から受信した信号から無線タグ回路部250の動作のための直流電圧を生成する。前記整流部252で生成された直流電圧は、無線通信を行うための電力として制御部257へ供給される。
【0039】
さらに、前記整流部252は、前記直流電圧を発光手段260が発光を行うのに必要な電力として電源部253へ供給する。また、前記電源部253は、発光手段260へ発光を行なうのに必要な所定の電圧以上に昇圧して直流電圧を生成する図示しない倍圧整流回路を有しており、昇圧された直流電圧は、発光手段260に供給される。
【0040】
また、前記無線タグ回路部250は所定の情報信号を記憶し得るメモリ部255、計時機能を備えたタイマ258を有する。そして、前記タグアンテナ210に接続された変復調部256と、上記メモリ部255、クロック抽出部254、及び変復調部256等を介し上記無線タグ回路部250の作動を制御するための上記制御部257とを備えている。
【0041】
前記変復調部256は、前記アンテナ210により受信された上記無線タグ通信装置100のアンテナからの質問波の復調を行う。また、上記制御部257からの返信信号を変調し、タグIDなどを含む信号を前記アンテナ210より応答波として送信する。
【0042】
クロック抽出部254は受信した信号からクロック成分を抽出し、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部257に供給する。
【0043】
制御部257は、上記変復調部256により復調された受信信号を解析し、上記メモリ部255において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部256により上記アンテナ210から返信する制御等の基本的な制御を実行する。前記制御部257は、上記変復調部256により復調された受信信号を解析した場合に、発光指示コマンドを受信すると、前記発光指示コマンドに応じて、発光手段260の発光を行なう。
【0044】
また、第一バッファ271、第二バッファ272、第三バッファ273は、高速で情報の記憶、読み出しを行なうことができる揮発性の記憶領域である。前記各バッファには、各発光パターンに対応する発光情報を格納でき、前記発光手段260の発光素子の数に応じて設けられている。本実施形態では、無線タグ通信装置100A,100B,100Cの数に応じて、3つのバッファが設けられている。各バッファには、発光パターンに対する発光情報として、発光間隔を現す数値を格納できる。数値が0であれば、発光しない(消灯を続ける)ことを表すものとする。なお、発光間隔は請求項に記載の発光情報に相当する。前記発光情報は発光手段の発光パターンに関する情報であって、例えば、発光色、輝度などに関する情報、各発光パターンを発光するための実行コマンドであってもよい。
【0045】
本実施形態では前記第一バッファ271には発光素子10を発光させる発光間隔を表す数値が格納され、前記第二バッファ272には発光素子20を発光させる発光間隔を表す数値が格納され、前記第三バッファ273には発光素子30を発光させる発光間隔を表す数値が格納される。各発光パターンの詳細については後述する。
【0046】
前記発光手段260は、例えば、発光色、発光時間、発光間隔、輝度などの発光態様を変化させた複数の発光パターンによる発光を行なう。発光時間、発光間隔はタイマ258によってカウントして、所定時間発光、消灯させる制御などが行われる。また、セグメント表示などを行なってもよい。前記発光手段260として、各種の発光素子が用いられ、例えば、発光ダイオード、有機ELなどが用いられる。なお、有機EL素子の場合は、面全体が発光するため、薄くても視認性の高い発光素子を実現できる。
【0047】
本実施形態では、発光手段260は、この物品管理システム400で用いられる無線タグ通信装置100Aと無線タグ通信装置100Bと無線タグ通信装置100Cからの発光指示コマンドに対応した3種類の発光パターンで前記発光手段260を発光可能である。具体的には、前記発光手段260として、それぞれ異なる態様で発光可能な3つの発光素子10,20,30が備えられる。
【0048】
次に、図5において、無線タグ200のメモリ部255に記憶されるテーブルを示す。本実施形態では、図1のように3つの無線タグ通信装置100A、100B、100Cから発光指示コマンドを受信した場合に、どの無線タグ通信装置100から発光指示コマンドを受信したかによって、発光手段260の発光パターンが異なる。なお、発光指示コマンドとは請求項に記載の発光指示情報に相当する。
【0049】
図5のテーブルでは、前記無線タグ通信装置100を識別するための装置IDと発光情報である発光間隔を受信した場合に、前記発光間隔を格納すべきバッファが、装置IDと関連付けられて記憶されている。例えば、前記無線タグ通信装置100Aから送信される装置ID「A」に対して、発光間隔0.5(s)の格納先のバッファである第一バッファ271が関連付けられている。また、装置ID「B」に対して、発光間隔1.0(s)の格納先バッファである第二バッファ272、さらに、装置ID「C」に対して、発光間隔2.0(s)の格納先バッファである第三バッファ273とが関連付けて記憶されている。
【0050】
なお、各バッファに格納された発光間隔の発光を実行する発光素子番号は、第一バッファ271は発光素子10、第二バッファ272は発光素子20、第三バッファ273は発光素子30とあらかじめ決められている。
【0051】
図6において、前記無線タグ200のメモリ部255に記憶される別のテーブル例を示す。装置IDに関連付けて、発光素子番号と、その発光素子に対する発光間隔が記憶されている。
【0052】
具体的には、装置ID「A」の場合は、発光素子10が発光間隔0.5(s)、装置ID「B」の場合は、発光素子20が発光間隔1.0(s)、装置ID「C」の場合は、発光素子30が発光間隔2.0(s)で発光させるものとして関連付けて記憶されている。
【0053】
次に、本実施形態の無線タグ200を用いた前記物品管理システム400において、無線タグ通信装置100と前記無線タグ200の動作について順を追って説明する。
【0054】
図7を用いて、図3の前記無線タグ通信装置100の制御部154によって実行される制御手順を説明する。この例では、無線タグ通信装置100の動作モードとして、タグ探索動作モードが選択されるとこのフローが開始される。なお、無線タグ通信装置100A、100B、100Cの動作は同様であるので、無線タグ通信装置100として、以下に説明する。
【0055】
まず、ステップS110において、キーボタンなどの入力手段170によって、図1に示すように、検索対象の書籍M1に備えられる無線タグ200のタグIDを指定する操作情報を取得する。
【0056】
ステップS120において、高周波回路153に制御信号を出力して、前記特定のタグIDを指定して制御部157のROM155に記録されたデータを読み出すタグ読み取り信号を送信する。前記タグ読み取り信号として、所定の変調を行った応答要求コマンドが、装置アンテナ152を介して通信領域内に存在する無線タグ200に送信される。
【0057】
ステップS130では、前記応答要求コマンドに対応して前記タグIDに対応する無線タグ200から応答波を受信したか否かを判定する。この際、ステップS120において特定のタグIDを指定してタグ読取信号を送信しているため、そのタグIDを持つ無線タグ200のみが応答する。ここで、所定のタグIDを受信した場合には、判定が満たされてステップS140に進む。一方、所定のタグIDを所定時間待機しても受信しない場合は、ステップS150へ進む。
【0058】
ステップS140では、前記タグIDを指定して前記無線タグ200の発光手段260に発光を指示するための発光指示コマンドと、自己を識別するための装置ID、発光手段260の発光間隔を表す値を送信する。なお、前記装置IDが請求項2に記載の装置識別情報であり、前記ステップS140が請求項に記載の発光指示情報送信手段と、装置識別情報送信手段である。
【0059】
ステップS150では、前記表示手段160に探索結果に対応して記憶手段に記憶された表示画面を表示させる。例えば、指定したタグIDに対応する無線タグ200から応答信号を受信している場合には、「探索対象の物品が見つかりました」などの表示を行う。一方、指定したタグIDに対応する無線タグ200から応答信号を受信していない場合には、「検索対象の物品が見つかりませんでした」などの表示を行う。
【0060】
ステップS160では、入力手段170によって停止操作情報が入力されたか否かが判断される。停止操作情報が入力された場合には、ステップS180へ進む。一方、停止操作情報が入力されない場合は、ステップS170へ進む。
【0061】
ステップS180は搬送波の送信を停止させて、このフローを終了する。また、ステップS170では搬送波の送信を継続させて、ステップS120に戻り以降の処理に進む。
【0062】
続いて、無線タグ200の動作について説明する。図8は、無線タグ200の制御部257によって実行される制御手順を表すフローチャートである。まず、前記無線タグ通信装置100からコマンドを受信すると、このフローが開始される。
【0063】
ステップS205では、前記アンテナ210から受信した信号が、タグID応答要求コマンドであるかどうかが判断される。前記信号がタグID応答要求コマンドである場合には、ステップS210へ進む。一方、前記信号がタグID応答要求コマンドでない場合には、ループ待機する。
【0064】
ステップS210は、無線タグ通信装置からのタグID応答要求コマンドに対して、IC回路部251のメモリ部250に記憶されたタグIDを応答して、ステップS220へ進む。
【0065】
ステップS220では、前記無線タグ通信装置100から発光指示コマンド、装置ID、発光間隔を受信したか否かが判断される。所定時間待機して発光指示コマンド、前記装置ID、前記発光間隔を受信しない場合は、このフローを終了する。一方、前記発光指示コマンドと前記装置IDと前記発光間隔を受信した場合には、ステップS230の処理へ進む。
【0066】
ステップS230では、前記発光指示コマンドに含まれたタグIDが無線タグ200のメモリ部255内に保存されているタグIDと一致するかどうかが判断される。タグIDが一致する場合には、ステップS240へ進む。一方、タグIDが一致しない場合には、このフローを終了する。
【0067】
ステップS240ではメモリ部250に記憶されている図5のテーブルを参照する。
【0068】
ステップS250は、装置IDに関連付けられたバッファに、対応する発光間隔を格納する。
【0069】
ステップS260で、後述する発光処理1を行なって、このフローを終了する。
【0070】
続いて、図9を用いて、無線タグ200の制御部257によって実行される前記発光処理1の詳細フローについて説明する。
【0071】
ステップS305で、タイマ258に制御信号を出力して計時動作を開始する。
【0072】
ステップS310で、タイマ値(s)に第一バッファ271に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT1として設定する。
【0073】
ステップS315で、タイマ値(s)に第二バッファ272に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT2として設定する。
【0074】
ステップS320で、タイマ値(s)に第三バッファ273に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT3として設定する。
【0075】
ステップS325は、ループ始端であって、無線タグ通信装置100から供給される電界が途絶えるまで後述するステップS375までの処理を繰り返す。
【0076】
ステップS330は、タイマ値(s)がT1以上であるか否かを判断する。前記タイマ値(s)がT1以上である場合には、ステップS335の処理へ進む。一方、前記タイマ値(s)がTIより小さい場合には、ステップS345の処理へ進む。
【0077】
ステップS335は、発光素子10の発光状態を反転させる。すなわち、発光素子10が消灯している場合には、発光素子10を点灯させる。また、発光素子10が点灯している場合には、発光素子10を消灯させる。
【0078】
ステップS340は、タイマ値(s)に第一バッファ271に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT1として設定する。
【0079】
ステップS345は、タイマ値(s)がT2以上であるか否かを判断する。前記タイマ値(s)がT2以上である場合には、ステップS350の処理へ進む。一方、前記タイマ値(s)がT2より小さい場合には、ステップS360の処理へ進む。
【0080】
ステップS350は、発光素子20の発光状態を反転させる。すなわち、発光素子20が消灯している場合には、発光素子20を点灯させる。また、発光素子20が点灯している場合には、発光素子20を消灯させる。
【0081】
ステップS355は、タイマ値(s)に第二バッファ272に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT2として設定する。
【0082】
ステップS360は、タイマ値(s)がT3以上であるか否かを判断する。前記タイマ値(s)がT3以上である場合には、ステップS365の処理へ進む。一方、前記タイマ値(s)がT3より小さい場合には、ステップS375の処理へ進む。
【0083】
ステップS365は、発光素子30の発光状態を反転させる。すなわち、発光素子30が消灯している場合には、発光素子30を点灯させる。また、発光素子30が点灯している場合には、発光素子30を消灯させる。
【0084】
ステップS370は、タイマ値(s)に第三バッファ273に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT3として設定する。
【0085】
ステップS375は、ループ終端であって、無線タグ通信装置100から供給される電界が途絶えると処理を終了する。なお、上述のステップS260が請求項に記載の第一制御手段である。また、ステップS250が請求項3に記載のバッファ格納手段である。
【0086】
本実施形態では、上述のように、装置IDごとの発光パターンに関する発光情報を格納するための複数のバッファが設けられている。そのため、1つの無線タグ通信装置から受信した発光指示コマンドを実行中でも、他の無線タグ通信装置から発光指示コマンドを受信した場合には、並行して他の発光パターンで発光手段260を発光させることができる。本実施形態では上述のように、発光指示コマンドと装置IDと発光間隔を無線タグ通信装置100から受信するので、発光間隔を後から変更することができる。なお、装置IDと発光指示コマンドを受信するようにして、あらかじめ装置IDに関連付けて記憶手段に記憶された発光間隔をバッファに格納して、それに従って発光するようにしてもよい。
【0087】
これにより、例えば、図1のように、1つの無線タグ200に対して、同時に異なる無線タグ通信装置100A,100B,100Cから発光指示コマンドを送信しても、それぞれの無線タグ通信装置100A,100B,100Cに対応した発光間隔で同時に発光手段260の発光素子10,20,30が発光するので、別々のユーザが探索対象の書籍M1を素早くスムーズに確認することができる。
【0088】
また、本実施形態とは別に、発光指示コマンドが格納された格納順にバッファを参照して発光指示コマンドを実行するようにしたり、バッファの実行順位が定められていて、その順番に実行されてもよい。
【0089】
<バッファを使用しない場合>
続いて、無線タグ200の他の動作について説明する。図10は、無線タグ200の制御部257によって実行される制御手順を表すフローチャートである。図8と同じ符号のステップは同様の処理を行うものとして、その説明を省略する。
【0090】
図10は、図8とステップS205、ステップS210、ステップS230の処理が同じであり、ステップS420と前記ステップS230の次にステップS440の発光処理2が異なる。
【0091】
ステップS420では、発光指示コマンドと装置IDを取得したか否かが判断される。発光指示コマンドと装置IDを取得した場合は、ステップ230へ進む。一方、装置ID又は発光指示コマンドを取得していない場合には、このフローを終了する。
【0092】
ステップS440では、後述する発光処理2を行なってこのフローを終了する。
【0093】
図11は、前記発光処理2の詳細を表すフローである。まず、ステップS505で、メモリ部255(図4参照)に記憶された図6のテーブルを参照して、受信した装置IDに対応する発光素子番号と発光間隔を取得する。
【0094】
ステップS510で、タイマ258に制御信号を出力して計時動作を開始する。
【0095】
ステップS515で、タイマ値(s)に装置IDに対応する発光間隔(s)を加算した値をT0として設定する。
【0096】
ステップS520は、ループ始端であって、無線タグ通信装置100から供給される電界が途絶えるまで後述するステップS540までの処理を繰り返す。
【0097】
ステップS525は、タイマ値(s)がT0以上であるか否かを判断する。前記タイマ値(s)がT0以上である場合には、ステップS530の処理へ進む。一方、前記タイマ値(s)がT3より小さい場合には、ステップS540の処理へ進む。
【0098】
ステップS530は、ステップS505で取得した装置IDに対応付けられた発光素子の発光状態を反転させる。すなわち、その発光素子が消灯している場合には、発光素子を点灯させる。また、その発光素子が点灯している場合には、発光素子を消灯させる。
【0099】
ステップS535は、タイマ値(s)に装置IDに関連付けられた発光間隔(s)を加算した値をT0として設定する。
【0100】
ステップS540は、ループ終端であって、無線タグ通信装置100から供給される電界が途絶えると処理を終了する。なお、上述のステップS530が請求項に記載の第一制御手段である。この例では、前記無線タグ通信装置100から受信した装置IDに基づいて、図6のテーブルを参照して、前記装置IDと関連付けられた発光素子番号と発光間隔に従って、確実に発光手段260を発光させることができる。
【0101】
なお、この例における前記無線タグ通信装置100の制御部154の制御手順としては、図7において、ステップS140でタグIDを指定して、発光指示コマンド、装置IDを送信する点が異なる。それ以外の制御手順は同様であるので、説明を省略する。
【0102】
<場所タグがある場合>
続いて、図12を用いて、別の物品管理システム401を説明する。前記物品管理システム401では、前記書籍Mを収納する収納棚Sの視認しやすい場所に場所タグ200Aが設けられている。また、このような収納棚Sが、図示しないが複数並んでいるものとする。ここで、場所タグ200Aの場所タグIDと、収納棚Sに収納される書籍Mに貼り付けられた無線タグ200のタグIDは、その一部が一致しているものとする。なお、書籍Mが請求項に記載の管理対象の物品であり、前記収納棚Sが請求項に記載の保管物品である。
【0103】
例えば、図12の物品管理システム401では、3人のユーザがそれぞれ別の書籍Mを探索しているものとする。無線タグ通信装置100Aを携帯するユーザは書籍M1を探しており、無線タグ通信装置100Aで読み取り動作を行うことで、書籍M1に貼り付けられた無線タグ200の発光素子10が赤色に発光し、それと共に、収納棚Sに貼り付けられた場所タグ200Aの発光素子10が赤色に発光する。
【0104】
同様に、無線タグ通信装置100Cを携帯するユーザは書籍M3を探しており、無線タグ通信装置100Cで読み取り動作を行うことで、書籍M3に貼り付けられた無線タグ200の発光素子30が緑色に発光し、それと共に、収納棚Sに貼り付けられた場所タグ200Aの発光素子30も緑色に発光する。
【0105】
一方、無線タグ通信装置100Bを携帯するユーザはこの収納棚Sには収納されていない書籍を探しており、無線タグ通信装置100Cで読み取り動作を行っても、前記場所タグ200Aの発光素子20は発光しない。以下、各構成について、説明する。
【0106】
場所タグ200Aの機能的構成は上述した物品タグ200と同様であり、以下、制御部の動作の説明では図4と同じ符号を用いて説明する。なお、図4の前記アンテナ210が請求項5に記載の第二タグアンテナ、前記無線タグ回路部250が請求項5に記載の第二無線タグ回路部、前記発光手段260が請求項5に記載の第二発光手段に相当する。
【0107】
本実施形態の場所タグ200Aを用いた前記物品管理システム401において、図13を用いて前記場所タグ200Aの動作について説明する。ここでは、場所タグ200Aの制御部257は、図10と同様の動作を行うものとして、同じ符号の処理の説明は省略する。図10と異なるのは、ステップS230の代わりにステップS630が追加された点である。
【0108】
ステップS630では、前記タグID応答コマンドに含まれたタグIDと、場所タグ200Aのメモリ部255内に保存されている場所タグIDとを比較して、所定の桁数においてIDが一致するかどうかが判断される。例えば、タグIDのうち最初の4桁が一致するか否かを判断する場合、前記タグIDが「ID0001×××」、場所タグ200Aの場所タグIDが「ID0001△△△」である場合には一致すると判断される。一致していると判断された場合には、ステップS440へ進む。一方、タグIDが一致しない場合には、このフローを終了する。なお、図13のステップS440が請求項に記載の第二制御手段である。
【0109】
なお、この例における前記無線タグ通信装置100の制御部154の制御手順としては、図7において、ステップS140でタグIDを指定して、発光指示コマンド、装置IDを送信する点が異なる。それ以外の制御手順は同様であるので、説明を省略する。
【0110】
以上のように、本実施形態では、物品に貼られた無線タグ200と、前記物品が収納された棚に貼り付けられる場所タグ200Aが同じ発光パターンで発光する。例えば、複数の収納棚Sにたくさんの書籍Mが収納されており、一目でどの書籍Mの無線タグ200の発光手段260が発光しているのか分かりにくいような場合でも、まず、収納棚Sの視認しやすい場所に貼られている場所タグ200Aの発光手段260Aの発光状態を確認することで、探索対象の書籍Mがその収納棚Sのどこかに収納されていることがわかるため、書籍Mを探しやすい。
【0111】
また、先に収納棚Sに設けられた場所タグ200Aの発光の有無を確認してから、書籍Mを探すようにすれば、場所タグ200Aの発光手段260が発光しなければ、その収納棚Sには探索対象の書籍Mが収納されていないことがわかるため、すぐに、他の収納棚Sの探索を開始することができ、利便性が向上する。
【0112】
なお、上述した実施形態以外に、物品管理システム400、401で使用される複数の無線タグ通信装置100A、100B、100Cのそれぞれが、もともと別の発光パターンになるように定められた発光指示コマンドを送信するようにしてもよい。また、無線タグ通信装置は3つ使用する場合を説明したが、無線タグ通信装置の数は2つ以上の複数であればよい。
【0113】
さらに、前記場所タグ200Aの発光手段260Aは、前記無線タグ200の発光手段260と同様の発光パターンで発光する場合を説明したが、前記無線タグ200の発光手段260の発光に応じて、前記場所タグ200Aの発光手段260が報知のために単に発光してもよい。
【0114】
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0115】
100,100A,100B,100C 無線タグ通信装置
200 無線タグ
200A 場所タグ
260,260A 発光手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光手段を有する無線タグに対して複数の無線タグ通信装置から発光指示を行った場合に、発光指示を行なった無線タグ通信装置ごとに、前記発光手段が異なる態様で発光することを特徴とする物品管理システム及びこれに用いる無線タグ及び無線タグ通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うタグアンテナを備えた無線タグ回路素子を有する無線タグと、無線タグ通信装置との間で非接触で情報の読み取りや書き込みを行うRadio Frequency Identification(以下、RFIDとする)システムが知られている。このRFIDシステムは様々な分野において実用化されている。
【0003】
例えば、物流分野においては、各商店や卸先に商品を配送する場合に、倉庫・物流センタで各種商品を集めるピッキング作業が行なわれる。このピッキング作業は、卸先に対応する商品一覧をもとに商品を探し出し、必要数量を集める。下記特許文献1に記載の発光素子付き非接触型無線IDタグは、上記のような物流センタに保管される商品に備えられる。
【0004】
具体的には、無線タグ通信装置でピッキング対象の物品に備えられた無線タグに対応するタグIDを指定して応答要求コマンドを送信し、該当するタグIDを有する無線タグが応答要求コマンドを受信したら、無線タグの発光素子が発光する。そのため、ピッキング対象の物品がどこに保管されているかを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−306062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数人が一度に商品の探索を行なうと、複数の無線タグの発光素子が同様に発光するので、どの無線タグ通信装置で探索したものが発光しているのか区別がつかなかった。
【0007】
本発明は、複数の無線タグ通信装置でそれぞれ所望の無線タグを探索した場合に、無線タグの発光手段の発光パターンにより、探索対象の無線タグを確実に把握できる物品管理システム及びこれに用いる無線タグ及び無線タグ通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1発明の物品管理システムは、情報の送受信を行う第一タグアンテナと、前記第一タグアンテナに接続される第一無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を備えた無線タグと、前記無線タグと情報の送受信を行うための装置アンテナを備えた複数の無線タグ通信装置とを有する物品管理システムであって、前記無線タグ通信装置は、前記装置アンテナを介して前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を送信する発光指示情報送信手段を備え、前記無線タグは、前記発光指示情報送信手段より送信された前記発光指示情報を前記第一タグアンテナを介して受信した場合に、前記第一発光手段を前記無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光させる制御を行う第一制御手段を有することを特徴とする。
【0009】
第2発明の物品管理システムは、上記第1発明において、前記無線タグ通信装置は、前記装置アンテナを介して前記無線タグ通信装置に固有の装置識別情報を送信する装置識別情報送信手段を備え、前記第一制御手段は、前記装置識別情報送信手段により送信された前記装置識別情報と、前記発光指示情報を前記第一タグアンテナを介して受信した場合に、記憶手段に記憶された前記装置識別情報に関連付けられた前記装置識別情報ごとに異なる発光パターンで前記第一発光手段を発光させる制御を行うことを特徴とする。
【0010】
第3発明の物品管理システムは、上記第1又は第2発明において、前記無線タグは、各発光パターンごとの発光情報を格納できる複数のバッファと、前記第一タグアンテナを介して前記発光指示情報を受信した場合に、記憶手段に記憶された前記発光パターンと関連付けられたバッファに、前記発光パターンに対する発光情報を格納するバッファ格納手段とを備え、前記第一制御手段は、前記バッファ格納手段により格納された前記発光情報に基づいて、前記第一発光手段に発光させる制御を行うことを特徴とする。
【0011】
第4発明の物品管理システムは、上記第3発明において、前記第一制御手段は、複数のバッファに格納された前記発光情報に基づいて、所定の順番で前記第一発光手段を発光させる制御を行うことを特徴とする。
【0012】
第5発明の物品管理システムは、上記第1ないし第4発明において、前記無線タグは管理対象の物品に備えられ、情報の送受信を行う第二タグアンテナと、前記第二タグアンテナに接続される第二無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第二発光手段を備えると共に、前記物品を保管する保管物品に備えられる場所タグを有し、前記場所タグは、前記第二タグアンテナより前記発光指示情報を受信した場合に、前記無線タグの第一発光手段と同じ発光パターンで前記第二発光手段を発光させる制御を行う第二制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
第6発明の無線タグ通信装置は、上記第1ないし第5発明において、前記無線タグ通信装置は前記発光指示情報に基づいて、前記無線タグの第一発光手段が発光する発光パターンを識別するための識別部を有することを特徴とする。
【0014】
第7発明の無線タグは、前記請求項1に記載の物品管理システムに用いる無線タグであって、複数の無線タグ通信装置と情報の送受信を行う第一タグアンテナと、前記第一タグアンテナに接続される第一無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を有し、前記第一タグアンテナより前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を受信した場合に、前記第一発光手段を前記無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光させる制御を行う第一制御手段を有することを特徴とする。
【0015】
第8発明の無線タグ通信装置は、前記請求項1に記載の物品管理システムに用いる無線タグ通信装置であって、複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を備えた無線タグと情報の送受信を行うための装置アンテナと、前記装置アンテナを介して前記無線タグの前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を送信する発光指示情報送信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明の物品管理システムによれば、複数の無線タグ通信装置の発光指示情報に基づき、前記無線タグの第一発光手段が異なる発光パターンで発光する。これにより、複数のユーザが使用するそれぞれの無線タグ通信装置で発光指示情報を送信しても、探索対象の無線タグを確実に把握できる。
【0017】
請求項2に係る発明の物品管理システムによれば、前記発光パターンが前記無線タグ通信装置の装置識別情報ごとに関連付けられているので、確実に無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光することができる。
【0018】
請求項3に係る発明の物品管理システムによれば、各発光パターンごとの発光情報を格納できるバッファを有しているので、ある発光パターンに基づいて発光手段を発光させている間に、別の発光指示情報を受信した場合であっても、並行して、別の発光パターンで発光手段を発光させることができる。
【0019】
請求項4に係る発明の物品管理システムによれば、所定の順番で異なる発光パターンで発光手段が発光するので目立ちやすい。そのため、ユーザは探索対象の無線タグをより確実に見つけ出すことができる。
【0020】
請求項5に係る発明の物品管理システムによれば、管理対象の物品に無線タグが備えられ、前記物品が保管される保管物品に場所タグが備えられており、無線タグと場所タグが同様の発光パターンで発光するので、前記保管物品に探索対象の物品が保管されていることを容易に把握できる。
【0021】
請求項6に係る発明の無線タグによれば、識別部と探索対象の物品の発光手段の発光パターンを比較することにより、より確実に探索対象の無線タグを把握することができる。
【0022】
請求項7に係る発明の無線タグによれば、複数の無線タグ通信装置の発光指示情報に基づき、前記無線タグの第一発光手段が異なる発光パターンで発光する。これにより、複数のユーザが使用するそれぞれの無線タグ通信装置で発光指示情報を送信しても、探索対象の無線タグを確実に把握できる。
【0023】
請求項8に係る発明の無線タグ通信装置によれば、複数の無線タグ通信装置ごとに発光指示情報を送信する。これにより、前記無線タグの第一発光手段が異なる発光パターンで発光する。複数のユーザが使用するそれぞれの無線タグ通信装置で発光指示情報を送信しても、探索対象の無線タグを確実に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態の物品管理システムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
【図2】図1の無線タグの発光手段を拡大した平面図である。
【図3】物品管理システムに用いられる無線タグ通信装置の構成を表すブロック図である。
【図4】物品タグに備えられた無線タグ回路部の構成を表すブロック図である。
【図5】物品タグのメモリ部に記憶される記憶内容の一例を示す図である。
【図6】物品タグのメモリ部に記憶される記憶内容の別例を示す図である。
【図7】無線タグ通信装置の制御部によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図8】無線タグの制御部によって実行される制御手順の一例を表すフローチャートである。
【図9】無線タグの制御部によって実行される発光処理の制御手順の一例を表すフローチャートである。
【図10】無線タグの制御部によって実行される制御手順の別例を表すフローチャートである。
【図11】無線タグの制御部によって実行される発光処理の制御手順の別例を表すフローチャートである。
【図12】本実施形態の物品管理システムの全体構成の別例を表すシステム構成図である。
【図13】場所タグの制御部によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の無線タグ管理システム400について示す。また、図2は無線タグ200の発光手段260の拡大図である。例えば、図示しない収納棚に書籍Mが収納されており、前記各書籍Mの背表紙にはその書籍を識別するための無線タグ200が貼り付けられている。
【0026】
図1の物品管理システム400の概略を説明する。管理対象である書籍Mに、発光ダイオードや有機Electro Luminescence(以下、有機ELとする)などの発光手段260が備えられた無線タグ200が貼り付けられている。本実施形態では複数のユーザが、それぞれ無線タグ通信装置100を携帯して、所望とする書籍Mを探索するものとする。
【0027】
例えば、3人のユーザがそれぞれ前記無線タグ通信装置100A,100B,100Cを携帯して、同じ書籍M1を探索するものとする。各ユーザは探索対象の書籍M1に設けられた無線タグ200のタグIDをテンキーなどの入力手段170により入力して、前記無線タグ通信装置100A,100B,100Cでそれぞれ読み取りを行なう。
【0028】
すると、対応するそれぞれの無線タグ200の発光手段260が、無線タグ通信装置100A,100B,100Cごとに、異なる態様で発光する。具体的には、無線タグ通信装置100Aから発光指示コマンドを受信した書籍M1に貼り付けられた無線タグ200は、発光手段260の発光素子10が赤色に発光する(図2参照)。
【0029】
同様に、無線タグ通信装置100Bから発光指示コマンドを受信した場合、発光手段260の発光素子20は青色に発光する。そして、無線タグ通信装置100Cから発光指示コマンドを受信した場合、発光手段260の発光素子30は緑色に発光する。なお、図1及び図2では、前記各発光素子の発光の様子をわかりやすいように、前記発光素子10が赤色で発光している様子を斜線で、前記発光素子20が青色で発光している様子を横縞で、前記発光素子30が緑色で発光している様子を灰色で示している。
【0030】
また、無線タグ通信装置100は識別部190を有している。前記識別部190は、探索対象の前記無線タグ200が発光する発光素子10,20,30の発光色と同じ色の識別シールが貼られている。例えば、無線タグ通信装置100Aの識別部190として赤色のシールが貼られ、無線タグ通信装置100Bの識別部190として青色のシールが貼られ、無線タグ通信装置100Cの識別部190として緑色のシールが貼られる。なお、図1において、識別部190の色も上述の発光素子10,20,30と同様に表している。
【0031】
無線タグ通信装置100の識別部190の色と、同じ色で発光している発光手段260を備えた無線タグ200を見つけることで、ユーザは確実に探索対象の書籍を把握することができる。以下、各構成について順を追って説明する。
【0032】
まず、無線タグ通信装置100について、図3を参照して説明する。前記無線タグ通信装置100は、装置アンテナ152を介して無線タグ200との無線通信を行なう。そして、前記装置アンテナ152を介して無線タグ200から読み出された信号を処理する高周波回路112、制御部154、記憶手段としてのRAM156及びROM155を有している。また、これらは、電気的にバスで接続されている。
【0033】
前記高周波回路112は、無線タグ200を動作させるための信号を発生させる。また、無線タグ200との通信を行うために、前記制御部154からの指示に基づいて無線タグ200への送信命令を発生し、前記信号を変調して質問波として送信すると共に、無線タグ200において変調された応答波を受信、復調して前記制御部154に伝える。
【0034】
前記制御部154は、前記RAM156の一時記憶機能を利用するのと並行して、前記ROM155にあらかじめ記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより無線タグ通信装置100全体の制御を行なう。また、無線タグ通信装置100は、操作者からの指示や情報が入力される入力手段170、情報やメッセージを表示する表示手段160を備える。
【0035】
次に、図1を用いて、無線タグ通信装置100に備えられる識別部190について説明する。前記識別部190は、前記無線タグ通信装置100が探索対象の無線タグ200に発光指示コマンドを送信した場合に、無線タグ200の発光手段260が発光する発光パターンを確認するために設けられる。本実施形態では、上述のように、無線タグ通信装置100の本体部101に、その無線タグ通信装置100から発光指示コマンドを送信して無線タグ200の発光手段260が発光するときの発光色に対応した色のシールを貼って識別部190としている。
【0036】
なお、前記識別部190は前記表示手段160であってもよい。すなわち、前記無線タグ通信装置100の表示手段160の表示画面に、発光手段260の発光態様の画像を表示させてもよい。また、無線タグ通信装置100の本体部101を前記発光手段260の発光色に対応させた色彩に着色して、本体部101を識別部としてもよい。これにより、複数の無線タグ通信装置100から同時に発光指示コマンドが無線タグ200に送信され、複数の無線タグ200の発光手段260が発光しても、ユーザは自分が携帯する無線タグ通信装置100の識別部190と、発光手段260の発光パターンを比較することで、確実に、探索対象の無線タグ200を把握することができる。
【0037】
図4を参照して、前記無線タグ200の機能的構成を説明する。無線タグ200はアンテナ210を有し、前記アンテナ210に接続された無線タグ回路部250を有する。前記無線タグ回路部250は、前記アンテナ210により受信された応答要求コマンドを含む信号を含む質問波を整流する整流部252と、この整流部252により整流された質問波のエネルギーを蓄積して発光手段260の駆動電源とするための電源部253を有する。なお、前記アンテナ210が請求項1に記載の第一タグアンテナ、前記無線タグ回路部250が請求項1に記載の第一無線タグ回路部、前記発光手段260が請求項1に記載の第一発光手段である。
【0038】
前記整流部252は、前記アンテナ210から受信した信号から無線タグ回路部250の動作のための直流電圧を生成する。前記整流部252で生成された直流電圧は、無線通信を行うための電力として制御部257へ供給される。
【0039】
さらに、前記整流部252は、前記直流電圧を発光手段260が発光を行うのに必要な電力として電源部253へ供給する。また、前記電源部253は、発光手段260へ発光を行なうのに必要な所定の電圧以上に昇圧して直流電圧を生成する図示しない倍圧整流回路を有しており、昇圧された直流電圧は、発光手段260に供給される。
【0040】
また、前記無線タグ回路部250は所定の情報信号を記憶し得るメモリ部255、計時機能を備えたタイマ258を有する。そして、前記タグアンテナ210に接続された変復調部256と、上記メモリ部255、クロック抽出部254、及び変復調部256等を介し上記無線タグ回路部250の作動を制御するための上記制御部257とを備えている。
【0041】
前記変復調部256は、前記アンテナ210により受信された上記無線タグ通信装置100のアンテナからの質問波の復調を行う。また、上記制御部257からの返信信号を変調し、タグIDなどを含む信号を前記アンテナ210より応答波として送信する。
【0042】
クロック抽出部254は受信した信号からクロック成分を抽出し、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部257に供給する。
【0043】
制御部257は、上記変復調部256により復調された受信信号を解析し、上記メモリ部255において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部256により上記アンテナ210から返信する制御等の基本的な制御を実行する。前記制御部257は、上記変復調部256により復調された受信信号を解析した場合に、発光指示コマンドを受信すると、前記発光指示コマンドに応じて、発光手段260の発光を行なう。
【0044】
また、第一バッファ271、第二バッファ272、第三バッファ273は、高速で情報の記憶、読み出しを行なうことができる揮発性の記憶領域である。前記各バッファには、各発光パターンに対応する発光情報を格納でき、前記発光手段260の発光素子の数に応じて設けられている。本実施形態では、無線タグ通信装置100A,100B,100Cの数に応じて、3つのバッファが設けられている。各バッファには、発光パターンに対する発光情報として、発光間隔を現す数値を格納できる。数値が0であれば、発光しない(消灯を続ける)ことを表すものとする。なお、発光間隔は請求項に記載の発光情報に相当する。前記発光情報は発光手段の発光パターンに関する情報であって、例えば、発光色、輝度などに関する情報、各発光パターンを発光するための実行コマンドであってもよい。
【0045】
本実施形態では前記第一バッファ271には発光素子10を発光させる発光間隔を表す数値が格納され、前記第二バッファ272には発光素子20を発光させる発光間隔を表す数値が格納され、前記第三バッファ273には発光素子30を発光させる発光間隔を表す数値が格納される。各発光パターンの詳細については後述する。
【0046】
前記発光手段260は、例えば、発光色、発光時間、発光間隔、輝度などの発光態様を変化させた複数の発光パターンによる発光を行なう。発光時間、発光間隔はタイマ258によってカウントして、所定時間発光、消灯させる制御などが行われる。また、セグメント表示などを行なってもよい。前記発光手段260として、各種の発光素子が用いられ、例えば、発光ダイオード、有機ELなどが用いられる。なお、有機EL素子の場合は、面全体が発光するため、薄くても視認性の高い発光素子を実現できる。
【0047】
本実施形態では、発光手段260は、この物品管理システム400で用いられる無線タグ通信装置100Aと無線タグ通信装置100Bと無線タグ通信装置100Cからの発光指示コマンドに対応した3種類の発光パターンで前記発光手段260を発光可能である。具体的には、前記発光手段260として、それぞれ異なる態様で発光可能な3つの発光素子10,20,30が備えられる。
【0048】
次に、図5において、無線タグ200のメモリ部255に記憶されるテーブルを示す。本実施形態では、図1のように3つの無線タグ通信装置100A、100B、100Cから発光指示コマンドを受信した場合に、どの無線タグ通信装置100から発光指示コマンドを受信したかによって、発光手段260の発光パターンが異なる。なお、発光指示コマンドとは請求項に記載の発光指示情報に相当する。
【0049】
図5のテーブルでは、前記無線タグ通信装置100を識別するための装置IDと発光情報である発光間隔を受信した場合に、前記発光間隔を格納すべきバッファが、装置IDと関連付けられて記憶されている。例えば、前記無線タグ通信装置100Aから送信される装置ID「A」に対して、発光間隔0.5(s)の格納先のバッファである第一バッファ271が関連付けられている。また、装置ID「B」に対して、発光間隔1.0(s)の格納先バッファである第二バッファ272、さらに、装置ID「C」に対して、発光間隔2.0(s)の格納先バッファである第三バッファ273とが関連付けて記憶されている。
【0050】
なお、各バッファに格納された発光間隔の発光を実行する発光素子番号は、第一バッファ271は発光素子10、第二バッファ272は発光素子20、第三バッファ273は発光素子30とあらかじめ決められている。
【0051】
図6において、前記無線タグ200のメモリ部255に記憶される別のテーブル例を示す。装置IDに関連付けて、発光素子番号と、その発光素子に対する発光間隔が記憶されている。
【0052】
具体的には、装置ID「A」の場合は、発光素子10が発光間隔0.5(s)、装置ID「B」の場合は、発光素子20が発光間隔1.0(s)、装置ID「C」の場合は、発光素子30が発光間隔2.0(s)で発光させるものとして関連付けて記憶されている。
【0053】
次に、本実施形態の無線タグ200を用いた前記物品管理システム400において、無線タグ通信装置100と前記無線タグ200の動作について順を追って説明する。
【0054】
図7を用いて、図3の前記無線タグ通信装置100の制御部154によって実行される制御手順を説明する。この例では、無線タグ通信装置100の動作モードとして、タグ探索動作モードが選択されるとこのフローが開始される。なお、無線タグ通信装置100A、100B、100Cの動作は同様であるので、無線タグ通信装置100として、以下に説明する。
【0055】
まず、ステップS110において、キーボタンなどの入力手段170によって、図1に示すように、検索対象の書籍M1に備えられる無線タグ200のタグIDを指定する操作情報を取得する。
【0056】
ステップS120において、高周波回路153に制御信号を出力して、前記特定のタグIDを指定して制御部157のROM155に記録されたデータを読み出すタグ読み取り信号を送信する。前記タグ読み取り信号として、所定の変調を行った応答要求コマンドが、装置アンテナ152を介して通信領域内に存在する無線タグ200に送信される。
【0057】
ステップS130では、前記応答要求コマンドに対応して前記タグIDに対応する無線タグ200から応答波を受信したか否かを判定する。この際、ステップS120において特定のタグIDを指定してタグ読取信号を送信しているため、そのタグIDを持つ無線タグ200のみが応答する。ここで、所定のタグIDを受信した場合には、判定が満たされてステップS140に進む。一方、所定のタグIDを所定時間待機しても受信しない場合は、ステップS150へ進む。
【0058】
ステップS140では、前記タグIDを指定して前記無線タグ200の発光手段260に発光を指示するための発光指示コマンドと、自己を識別するための装置ID、発光手段260の発光間隔を表す値を送信する。なお、前記装置IDが請求項2に記載の装置識別情報であり、前記ステップS140が請求項に記載の発光指示情報送信手段と、装置識別情報送信手段である。
【0059】
ステップS150では、前記表示手段160に探索結果に対応して記憶手段に記憶された表示画面を表示させる。例えば、指定したタグIDに対応する無線タグ200から応答信号を受信している場合には、「探索対象の物品が見つかりました」などの表示を行う。一方、指定したタグIDに対応する無線タグ200から応答信号を受信していない場合には、「検索対象の物品が見つかりませんでした」などの表示を行う。
【0060】
ステップS160では、入力手段170によって停止操作情報が入力されたか否かが判断される。停止操作情報が入力された場合には、ステップS180へ進む。一方、停止操作情報が入力されない場合は、ステップS170へ進む。
【0061】
ステップS180は搬送波の送信を停止させて、このフローを終了する。また、ステップS170では搬送波の送信を継続させて、ステップS120に戻り以降の処理に進む。
【0062】
続いて、無線タグ200の動作について説明する。図8は、無線タグ200の制御部257によって実行される制御手順を表すフローチャートである。まず、前記無線タグ通信装置100からコマンドを受信すると、このフローが開始される。
【0063】
ステップS205では、前記アンテナ210から受信した信号が、タグID応答要求コマンドであるかどうかが判断される。前記信号がタグID応答要求コマンドである場合には、ステップS210へ進む。一方、前記信号がタグID応答要求コマンドでない場合には、ループ待機する。
【0064】
ステップS210は、無線タグ通信装置からのタグID応答要求コマンドに対して、IC回路部251のメモリ部250に記憶されたタグIDを応答して、ステップS220へ進む。
【0065】
ステップS220では、前記無線タグ通信装置100から発光指示コマンド、装置ID、発光間隔を受信したか否かが判断される。所定時間待機して発光指示コマンド、前記装置ID、前記発光間隔を受信しない場合は、このフローを終了する。一方、前記発光指示コマンドと前記装置IDと前記発光間隔を受信した場合には、ステップS230の処理へ進む。
【0066】
ステップS230では、前記発光指示コマンドに含まれたタグIDが無線タグ200のメモリ部255内に保存されているタグIDと一致するかどうかが判断される。タグIDが一致する場合には、ステップS240へ進む。一方、タグIDが一致しない場合には、このフローを終了する。
【0067】
ステップS240ではメモリ部250に記憶されている図5のテーブルを参照する。
【0068】
ステップS250は、装置IDに関連付けられたバッファに、対応する発光間隔を格納する。
【0069】
ステップS260で、後述する発光処理1を行なって、このフローを終了する。
【0070】
続いて、図9を用いて、無線タグ200の制御部257によって実行される前記発光処理1の詳細フローについて説明する。
【0071】
ステップS305で、タイマ258に制御信号を出力して計時動作を開始する。
【0072】
ステップS310で、タイマ値(s)に第一バッファ271に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT1として設定する。
【0073】
ステップS315で、タイマ値(s)に第二バッファ272に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT2として設定する。
【0074】
ステップS320で、タイマ値(s)に第三バッファ273に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT3として設定する。
【0075】
ステップS325は、ループ始端であって、無線タグ通信装置100から供給される電界が途絶えるまで後述するステップS375までの処理を繰り返す。
【0076】
ステップS330は、タイマ値(s)がT1以上であるか否かを判断する。前記タイマ値(s)がT1以上である場合には、ステップS335の処理へ進む。一方、前記タイマ値(s)がTIより小さい場合には、ステップS345の処理へ進む。
【0077】
ステップS335は、発光素子10の発光状態を反転させる。すなわち、発光素子10が消灯している場合には、発光素子10を点灯させる。また、発光素子10が点灯している場合には、発光素子10を消灯させる。
【0078】
ステップS340は、タイマ値(s)に第一バッファ271に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT1として設定する。
【0079】
ステップS345は、タイマ値(s)がT2以上であるか否かを判断する。前記タイマ値(s)がT2以上である場合には、ステップS350の処理へ進む。一方、前記タイマ値(s)がT2より小さい場合には、ステップS360の処理へ進む。
【0080】
ステップS350は、発光素子20の発光状態を反転させる。すなわち、発光素子20が消灯している場合には、発光素子20を点灯させる。また、発光素子20が点灯している場合には、発光素子20を消灯させる。
【0081】
ステップS355は、タイマ値(s)に第二バッファ272に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT2として設定する。
【0082】
ステップS360は、タイマ値(s)がT3以上であるか否かを判断する。前記タイマ値(s)がT3以上である場合には、ステップS365の処理へ進む。一方、前記タイマ値(s)がT3より小さい場合には、ステップS375の処理へ進む。
【0083】
ステップS365は、発光素子30の発光状態を反転させる。すなわち、発光素子30が消灯している場合には、発光素子30を点灯させる。また、発光素子30が点灯している場合には、発光素子30を消灯させる。
【0084】
ステップS370は、タイマ値(s)に第三バッファ273に格納されている発光間隔(s)を加算した値をT3として設定する。
【0085】
ステップS375は、ループ終端であって、無線タグ通信装置100から供給される電界が途絶えると処理を終了する。なお、上述のステップS260が請求項に記載の第一制御手段である。また、ステップS250が請求項3に記載のバッファ格納手段である。
【0086】
本実施形態では、上述のように、装置IDごとの発光パターンに関する発光情報を格納するための複数のバッファが設けられている。そのため、1つの無線タグ通信装置から受信した発光指示コマンドを実行中でも、他の無線タグ通信装置から発光指示コマンドを受信した場合には、並行して他の発光パターンで発光手段260を発光させることができる。本実施形態では上述のように、発光指示コマンドと装置IDと発光間隔を無線タグ通信装置100から受信するので、発光間隔を後から変更することができる。なお、装置IDと発光指示コマンドを受信するようにして、あらかじめ装置IDに関連付けて記憶手段に記憶された発光間隔をバッファに格納して、それに従って発光するようにしてもよい。
【0087】
これにより、例えば、図1のように、1つの無線タグ200に対して、同時に異なる無線タグ通信装置100A,100B,100Cから発光指示コマンドを送信しても、それぞれの無線タグ通信装置100A,100B,100Cに対応した発光間隔で同時に発光手段260の発光素子10,20,30が発光するので、別々のユーザが探索対象の書籍M1を素早くスムーズに確認することができる。
【0088】
また、本実施形態とは別に、発光指示コマンドが格納された格納順にバッファを参照して発光指示コマンドを実行するようにしたり、バッファの実行順位が定められていて、その順番に実行されてもよい。
【0089】
<バッファを使用しない場合>
続いて、無線タグ200の他の動作について説明する。図10は、無線タグ200の制御部257によって実行される制御手順を表すフローチャートである。図8と同じ符号のステップは同様の処理を行うものとして、その説明を省略する。
【0090】
図10は、図8とステップS205、ステップS210、ステップS230の処理が同じであり、ステップS420と前記ステップS230の次にステップS440の発光処理2が異なる。
【0091】
ステップS420では、発光指示コマンドと装置IDを取得したか否かが判断される。発光指示コマンドと装置IDを取得した場合は、ステップ230へ進む。一方、装置ID又は発光指示コマンドを取得していない場合には、このフローを終了する。
【0092】
ステップS440では、後述する発光処理2を行なってこのフローを終了する。
【0093】
図11は、前記発光処理2の詳細を表すフローである。まず、ステップS505で、メモリ部255(図4参照)に記憶された図6のテーブルを参照して、受信した装置IDに対応する発光素子番号と発光間隔を取得する。
【0094】
ステップS510で、タイマ258に制御信号を出力して計時動作を開始する。
【0095】
ステップS515で、タイマ値(s)に装置IDに対応する発光間隔(s)を加算した値をT0として設定する。
【0096】
ステップS520は、ループ始端であって、無線タグ通信装置100から供給される電界が途絶えるまで後述するステップS540までの処理を繰り返す。
【0097】
ステップS525は、タイマ値(s)がT0以上であるか否かを判断する。前記タイマ値(s)がT0以上である場合には、ステップS530の処理へ進む。一方、前記タイマ値(s)がT3より小さい場合には、ステップS540の処理へ進む。
【0098】
ステップS530は、ステップS505で取得した装置IDに対応付けられた発光素子の発光状態を反転させる。すなわち、その発光素子が消灯している場合には、発光素子を点灯させる。また、その発光素子が点灯している場合には、発光素子を消灯させる。
【0099】
ステップS535は、タイマ値(s)に装置IDに関連付けられた発光間隔(s)を加算した値をT0として設定する。
【0100】
ステップS540は、ループ終端であって、無線タグ通信装置100から供給される電界が途絶えると処理を終了する。なお、上述のステップS530が請求項に記載の第一制御手段である。この例では、前記無線タグ通信装置100から受信した装置IDに基づいて、図6のテーブルを参照して、前記装置IDと関連付けられた発光素子番号と発光間隔に従って、確実に発光手段260を発光させることができる。
【0101】
なお、この例における前記無線タグ通信装置100の制御部154の制御手順としては、図7において、ステップS140でタグIDを指定して、発光指示コマンド、装置IDを送信する点が異なる。それ以外の制御手順は同様であるので、説明を省略する。
【0102】
<場所タグがある場合>
続いて、図12を用いて、別の物品管理システム401を説明する。前記物品管理システム401では、前記書籍Mを収納する収納棚Sの視認しやすい場所に場所タグ200Aが設けられている。また、このような収納棚Sが、図示しないが複数並んでいるものとする。ここで、場所タグ200Aの場所タグIDと、収納棚Sに収納される書籍Mに貼り付けられた無線タグ200のタグIDは、その一部が一致しているものとする。なお、書籍Mが請求項に記載の管理対象の物品であり、前記収納棚Sが請求項に記載の保管物品である。
【0103】
例えば、図12の物品管理システム401では、3人のユーザがそれぞれ別の書籍Mを探索しているものとする。無線タグ通信装置100Aを携帯するユーザは書籍M1を探しており、無線タグ通信装置100Aで読み取り動作を行うことで、書籍M1に貼り付けられた無線タグ200の発光素子10が赤色に発光し、それと共に、収納棚Sに貼り付けられた場所タグ200Aの発光素子10が赤色に発光する。
【0104】
同様に、無線タグ通信装置100Cを携帯するユーザは書籍M3を探しており、無線タグ通信装置100Cで読み取り動作を行うことで、書籍M3に貼り付けられた無線タグ200の発光素子30が緑色に発光し、それと共に、収納棚Sに貼り付けられた場所タグ200Aの発光素子30も緑色に発光する。
【0105】
一方、無線タグ通信装置100Bを携帯するユーザはこの収納棚Sには収納されていない書籍を探しており、無線タグ通信装置100Cで読み取り動作を行っても、前記場所タグ200Aの発光素子20は発光しない。以下、各構成について、説明する。
【0106】
場所タグ200Aの機能的構成は上述した物品タグ200と同様であり、以下、制御部の動作の説明では図4と同じ符号を用いて説明する。なお、図4の前記アンテナ210が請求項5に記載の第二タグアンテナ、前記無線タグ回路部250が請求項5に記載の第二無線タグ回路部、前記発光手段260が請求項5に記載の第二発光手段に相当する。
【0107】
本実施形態の場所タグ200Aを用いた前記物品管理システム401において、図13を用いて前記場所タグ200Aの動作について説明する。ここでは、場所タグ200Aの制御部257は、図10と同様の動作を行うものとして、同じ符号の処理の説明は省略する。図10と異なるのは、ステップS230の代わりにステップS630が追加された点である。
【0108】
ステップS630では、前記タグID応答コマンドに含まれたタグIDと、場所タグ200Aのメモリ部255内に保存されている場所タグIDとを比較して、所定の桁数においてIDが一致するかどうかが判断される。例えば、タグIDのうち最初の4桁が一致するか否かを判断する場合、前記タグIDが「ID0001×××」、場所タグ200Aの場所タグIDが「ID0001△△△」である場合には一致すると判断される。一致していると判断された場合には、ステップS440へ進む。一方、タグIDが一致しない場合には、このフローを終了する。なお、図13のステップS440が請求項に記載の第二制御手段である。
【0109】
なお、この例における前記無線タグ通信装置100の制御部154の制御手順としては、図7において、ステップS140でタグIDを指定して、発光指示コマンド、装置IDを送信する点が異なる。それ以外の制御手順は同様であるので、説明を省略する。
【0110】
以上のように、本実施形態では、物品に貼られた無線タグ200と、前記物品が収納された棚に貼り付けられる場所タグ200Aが同じ発光パターンで発光する。例えば、複数の収納棚Sにたくさんの書籍Mが収納されており、一目でどの書籍Mの無線タグ200の発光手段260が発光しているのか分かりにくいような場合でも、まず、収納棚Sの視認しやすい場所に貼られている場所タグ200Aの発光手段260Aの発光状態を確認することで、探索対象の書籍Mがその収納棚Sのどこかに収納されていることがわかるため、書籍Mを探しやすい。
【0111】
また、先に収納棚Sに設けられた場所タグ200Aの発光の有無を確認してから、書籍Mを探すようにすれば、場所タグ200Aの発光手段260が発光しなければ、その収納棚Sには探索対象の書籍Mが収納されていないことがわかるため、すぐに、他の収納棚Sの探索を開始することができ、利便性が向上する。
【0112】
なお、上述した実施形態以外に、物品管理システム400、401で使用される複数の無線タグ通信装置100A、100B、100Cのそれぞれが、もともと別の発光パターンになるように定められた発光指示コマンドを送信するようにしてもよい。また、無線タグ通信装置は3つ使用する場合を説明したが、無線タグ通信装置の数は2つ以上の複数であればよい。
【0113】
さらに、前記場所タグ200Aの発光手段260Aは、前記無線タグ200の発光手段260と同様の発光パターンで発光する場合を説明したが、前記無線タグ200の発光手段260の発光に応じて、前記場所タグ200Aの発光手段260が報知のために単に発光してもよい。
【0114】
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0115】
100,100A,100B,100C 無線タグ通信装置
200 無線タグ
200A 場所タグ
260,260A 発光手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の送受信を行う第一タグアンテナと、前記第一タグアンテナに接続される第一無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を備えた無線タグと、
前記無線タグと情報の送受信を行うための装置アンテナを備えた複数の無線タグ通信装置とを有する物品管理システムであって、
前記無線タグ通信装置は、前記装置アンテナを介して前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を送信する発光指示情報送信手段を備え、
前記無線タグは、前記発光指示情報送信手段より送信された前記発光指示情報を前記第一タグアンテナを介して受信した場合に、前記第一発光手段を前記無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光させる制御を行う第一制御手段を有することを特徴とする物品管理システム。
【請求項2】
前記無線タグ通信装置は、前記装置アンテナを介して前記無線タグ通信装置に固有の装置識別情報を送信する装置識別情報送信手段を備え、
前記第一制御手段は、前記装置識別情報送信手段により送信された前記装置識別情報と、前記発光指示情報を前記第一タグアンテナを介して受信した場合に、記憶手段に記憶された前記装置識別情報に関連付けられた前記装置識別情報ごとに異なる発光パターンで前記第一発光手段を発光させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項3】
前記無線タグは、各発光パターンごとの発光情報を格納できる複数のバッファと、
前記第一タグアンテナを介して前記発光指示情報を受信した場合に、記憶手段に記憶された前記発光パターンと関連付けられたバッファに、前記発光パターンに対する発光情報を格納するバッファ格納手段とを備え、
前記第一制御手段は、前記バッファ格納手段により格納された前記発光情報に基づいて、前記第一発光手段に発光させる制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の物品管理システム。
【請求項4】
前記第一制御手段は、複数のバッファに格納された前記発光情報に基づいて、所定の順番で前記第一発光手段を発光させる制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の物品管理システム。
【請求項5】
前記無線タグは管理対象の物品に備えられ、
情報の送受信を行う第二タグアンテナと、前記第二タグアンテナに接続される第二無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第二発光手段を備えると共に、前記物品を保管する保管物品に備えられる場所タグを有し、
前記場所タグは、前記第二タグアンテナより前記発光指示情報を受信した場合に、前記無線タグの第一発光手段と同じ発光パターンで前記第二発光手段を発光させる制御を行う第二制御手段とを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の物品管理システム。
【請求項6】
前記無線タグ通信装置は前記発光指示情報に基づいて、前記無線タグの第一発光手段が発光する発光パターンを識別するための識別部を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の物品管理システム。
【請求項7】
前記請求項1に記載の物品管理システムに用いる無線タグであって、
複数の無線タグ通信装置と情報の送受信を行う第一タグアンテナと、前記第一タグアンテナに接続される第一無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を有し、前記第一タグアンテナより前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を受信した場合に、前記第一発光手段を前記無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光させる制御を行う第一制御手段を有することを特徴とする無線タグ。
【請求項8】
前記請求項1に記載の物品管理システムに用いる無線タグ通信装置であって、
複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を備えた無線タグと情報の送受信を行うための装置アンテナと、
前記装置アンテナを介して前記無線タグの前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を送信する発光指示情報送信手段とを有することを特徴とする無線タグ通信装置。
【請求項1】
情報の送受信を行う第一タグアンテナと、前記第一タグアンテナに接続される第一無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を備えた無線タグと、
前記無線タグと情報の送受信を行うための装置アンテナを備えた複数の無線タグ通信装置とを有する物品管理システムであって、
前記無線タグ通信装置は、前記装置アンテナを介して前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を送信する発光指示情報送信手段を備え、
前記無線タグは、前記発光指示情報送信手段より送信された前記発光指示情報を前記第一タグアンテナを介して受信した場合に、前記第一発光手段を前記無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光させる制御を行う第一制御手段を有することを特徴とする物品管理システム。
【請求項2】
前記無線タグ通信装置は、前記装置アンテナを介して前記無線タグ通信装置に固有の装置識別情報を送信する装置識別情報送信手段を備え、
前記第一制御手段は、前記装置識別情報送信手段により送信された前記装置識別情報と、前記発光指示情報を前記第一タグアンテナを介して受信した場合に、記憶手段に記憶された前記装置識別情報に関連付けられた前記装置識別情報ごとに異なる発光パターンで前記第一発光手段を発光させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項3】
前記無線タグは、各発光パターンごとの発光情報を格納できる複数のバッファと、
前記第一タグアンテナを介して前記発光指示情報を受信した場合に、記憶手段に記憶された前記発光パターンと関連付けられたバッファに、前記発光パターンに対する発光情報を格納するバッファ格納手段とを備え、
前記第一制御手段は、前記バッファ格納手段により格納された前記発光情報に基づいて、前記第一発光手段に発光させる制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の物品管理システム。
【請求項4】
前記第一制御手段は、複数のバッファに格納された前記発光情報に基づいて、所定の順番で前記第一発光手段を発光させる制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の物品管理システム。
【請求項5】
前記無線タグは管理対象の物品に備えられ、
情報の送受信を行う第二タグアンテナと、前記第二タグアンテナに接続される第二無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第二発光手段を備えると共に、前記物品を保管する保管物品に備えられる場所タグを有し、
前記場所タグは、前記第二タグアンテナより前記発光指示情報を受信した場合に、前記無線タグの第一発光手段と同じ発光パターンで前記第二発光手段を発光させる制御を行う第二制御手段とを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の物品管理システム。
【請求項6】
前記無線タグ通信装置は前記発光指示情報に基づいて、前記無線タグの第一発光手段が発光する発光パターンを識別するための識別部を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の物品管理システム。
【請求項7】
前記請求項1に記載の物品管理システムに用いる無線タグであって、
複数の無線タグ通信装置と情報の送受信を行う第一タグアンテナと、前記第一タグアンテナに接続される第一無線タグ回路部と、複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を有し、前記第一タグアンテナより前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を受信した場合に、前記第一発光手段を前記無線タグ通信装置ごとに異なる発光パターンで発光させる制御を行う第一制御手段を有することを特徴とする無線タグ。
【請求項8】
前記請求項1に記載の物品管理システムに用いる無線タグ通信装置であって、
複数の発光パターンで発光可能な第一発光手段を備えた無線タグと情報の送受信を行うための装置アンテナと、
前記装置アンテナを介して前記無線タグの前記第一発光手段に発光を指示するための発光指示情報を送信する発光指示情報送信手段とを有することを特徴とする無線タグ通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−76333(P2011−76333A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226545(P2009−226545)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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