説明

特定場所混雑情報提供システム、サーバー、GPS機能付き携帯電話機、基地局、方法及びプログラム

【課題】手軽でリアルタイムに特定の場所における混み具合を知ることを可能にする。
【解決手段】特定場所混雑情報提供システムに、GPS機能付き携帯電話機102の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加する電話番号情報・位置情報付加部102Aと、基地局101でGPS機能付き携帯電話機からの上り信号を識別し電話番号情報及び位置情報を抽出する電話番号情報・位置情報抽出部101Aと、指定された位置情報に属する位置範囲を特定の場所名に変換する場所名・位置範囲変換部105と、混雑情報要求のあった特定の場所名に対してGPS機能付き携帯電話機の対象数を基に混雑度レベルの指標を算出する混雑度指標算出部106と、特定の場所を指定して混雑情報要求があると特定の場所名と混雑度レベルの指標を提示する特定場所情報提供部105とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特定の場所の混み具合の情報を提供する特定場所混雑情報提供システムに関する。特に、本発明は、GPS(全地球測位システム)機能付き携帯電話機で取得される位置情報を利用しテーマパーク、娯楽施設等の特定の場所の混み具合を監視する特定場所混雑情報提供システム、方法、サーバー及びコンピュータで実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路における交通渋滞情報は、テレビジョン、ラジオでの道路交通情報、道路上又は高速道路におけるゲート上での道路情報表示盤、道路交通情報センターへの電話問合せ、VICS(道路交通情報通信システム)受信機能を有するカーナビゲーション等で知ることができる。
しかしながら、テーマパーク、娯楽施設等の特定の場所における混み具合を知る手段が、直接特定の場所に電話問い合わせをすることぐらいしかなく、手軽に且つリアルタイムに知る手段がないという問題がある。このような問題に関連して、以下のような従来技術が在る。
【0003】
従来、遊園地、イベント会場、美術館などといった特定のエリア内で携帯通信端末装置に対して、エリア内の混雑状況に応じた種々な情報を提供するため、基地局装置を介して携帯端末装置から送信された位置情報に基づいて、管理サーバーが、エリア内における携帯端末装置の位置的な集中度を算出部で算出し、これに基づく混雑情報を基地局装置を介して当該エリア内の携帯端末装置へ無線配信し、携帯通信端末装置で受信した混雑情報を携帯者に画面に表示して提示する。更に、管理サーバーが、携帯端末装置からの要求に応じて、当該携帯端末装置の位置を基準としてエリア内の混雑個所を回避したルートを算出部で算出し、このルート情報を、基地局装置を介して、エリア内の携帯通信端末装置へ無線配信し、携帯端末装置が、受信したルート情報を画面表示する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、エリアをカバーする基地局装置を介して携帯端末装置から送信された位置情報に基づいて、エリア内における携帯端末装置の位置的な集中度を算出しているが、エリアをカバーする基地局装置が必要であり、手軽に混み具合を知ることができないという問題がある。
また、従来、個々の利用者に応じた的確な混雑情報を即時に正確に提供することを可能にする混雑情報配信システムを提供するため、複数の人に所有されるGPS携帯端末は、それぞれの加入者の存在位置を示す位置情報を取得し、携帯電話通信ネットワークを含む所定の通信回線を介して、管理センタに向けて位置情報を送信し、管理センタでは、通信回線を介して位置情報を受信し、端末加入者情報及び受信された位置情報をリンクさせたデータベースを作成し、保持しておき、そして、利用者からの所定の検索条件を伴う混雑情報要求に基づいて、データベースの中から検索条件に該当する特定の混雑情報を検索して利用者に配信するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、上記特許文献2では、GPS携帯端末により存在位置を示す位置情報が取得され、通信回線を介して、管理センタに向けて、加入者による位置情報の送信が要求されるが、正確な混雑情報を得るために混雑情報を利用しない加入者にも位置情報の送信を要求し、加入者にとって煩雑であり、負担となり、手軽に混み具合を知ることができないという問題がある。
【0006】
従来、ゾーンに変更追加が発生したとしても、設備の配置を不要とし、車両に限らずあらゆる場合に混雑状況を含む各種情報を得ることのできる移動体誘導システムを提供するため、ユーザーが利用し、自身の現在位置を測位検出可能な通信機能を有する移動体通信端末と、前記移動体通信端末より位置情報および端末情報を取得して前記移動体通信端末を管理する管理装置とを備えた移動体誘導システムであり、領域設定手段は、任意の形状大きさの少なくとも一つの特定領域を地理上に設定して監視可能なものであり、算出手段は、移動体通信端末の位置情報および端末情報を取得し、前記領域設定手段にて設定された特定領域内の前記移動体通信端末の数を算出し、判定手段は、前記移動体通信端末の数と、予め設定された特定の閾値とに基づいて、前記特定領域内の混雑状況を判定し、通知手段は、前記判定手段にて判定された前記混雑状況に基づいて、適切な情報を前記移動体通信端末又は特定の告知手段に対して通知するものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
しかしながら、上記特許文献3では、移動体通信端末の位置情報および端末情報を取得し特定領域内の前記移動体通信端末の数を算出するが、移動体通信端末から管理装置への位置情報、端末装置の送信が必要であり、特定領域内で混雑度を算出するために、混雑度の通知を必要としないユーザーからも移動体通信端末の位置情報および端末情報を取得しなけらばならず、ユーザーにとって煩雑で負担となり、手軽に混み具合を知ることができないという問題がある。
【0008】
【特許文献1】特開2002−189827号公報
【特許文献2】特開2004−80439号公報
【特許文献3】特開2003−288663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて、混雑度情報を利用するユーザにとって煩雑でなく、負担とならずに、手軽でリアルタイムに特定の場所における混み具合を知ることが可能になる特定場所混雑情報提供システム、サーバー、GPS機能付き携帯電話機、基地局、方法及びコンピュータで実行するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記問題点を解決するために、特定の場所の混み具合の情報を提供する特定場所混雑情報提供システムにおいて、GPS機能付き携帯電話機の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加する電話番号情報・位置情報付加部と、前記GPS機能付き携帯電話機と無線回線で接続した基地局で前記GPS機能付き携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号であることを識別し電話番号情報及び位置情報を抽出する電話番号情報・位置情報抽出部と、複数の特定の場所名に対して経度、緯度で示される位置範囲をそれぞれ保持し、指定された位置情報に属する位置範囲を特定の場所名に変換する場所名・位置範囲変換部と、複数の特定の場所名毎に収容人数を基に混雑度レベルの指標を保持し、混雑情報要求のあった特定の場所名に対してGPS機能付き携帯電話機の対象数が示された場合、混雑度レベルの指標を算出する混雑度指標算出部と、前記電話番号情報・位置情報抽出部が電話番号情報及び位置情報を抽出するのを監視し、抽出した電話番号情報及び位置情報を、抽出した日付時刻情報と共に取得し保持し、取得した位置情報を前記場所名・位置範囲変換部を介して変換させて特定の場所名を保持し、GPS機能付き携帯電話機から特定の場所名を指定して混雑情報要求があると特定の場所名の位置範囲に存在するGPS機能付き携帯電話機の対象数を算出し、特定の場所名と算出した対象数を基に、前記混雑度指標算出部を介して、混雑度レベルの指標を取得し前記GPS機能付き携帯電話機から提示する特定場所情報提供部とを備えることを特徴とする特定場所混雑情報提供システムを提供する。
【0011】
さらに、前記電話番号情報・位置情報付加部は、前記GPS機能付き携帯電話機がPDC方式である場合には音声発呼時にSETUP信号、CONNECTACK信号の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し、音声着呼時にALERT信号、CONNECT信号の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し、メール送信時にメールヘッダの上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し、メール受信時にメール転送の要求信号の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し、インターネット接続時にアクセスポイントの電話番号の信号の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加する。
【0012】
さらに、前記特定場所提供部は、前記混雑度レベルの指標と共に、収容人数、GPS機能付き携帯電話機の対象数を提示する。
さらに、前記特定場所情報提供部は、GPS機能を備えない携帯電話機に対して、特定の場所を指定して混雑情報要求があった場合混雑情報レベルの提示を行う。
さらに、前記特定場所情報提供部は、特定の場所名を指定した混雑情報要求に対して対象数の算出を行う場合、取得した位置情報が特定の場所名の位置範囲に属するようになった場合には特定の場所名と共に、特定の場所名の位置範囲での最初の更新日付時刻情報を保持し、特定の場所に対して混雑情報要求があった日付時刻よりも一定時間前の最初の更新日付時刻が保持されている場合最初の更新日付時刻が混雑情報要求があった日付時刻よりも一定時間前である対象を外して特定の場所名の位置範囲に存在する対象数を算出する。
【0013】
さらに、前記混雑度指標算出部は特定の場所名毎に入場者が平均的に滞在する平均時間を保持し、前記特定場所情報提供部は、特定の場所名を指定した混雑情報要求に対して対象数の算出を行う場合、前記混雑度指標算出部から滞在時間を取得し、前記一定時間前を取得した前記滞在時間前とする。
さらに、前記電話番号情報・位置情報付加部は、GPS機能付き携帯電話機の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時に加え、待ち受け時の位置登録時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し、
前記電話番号情報・位置情報抽出部は、前記携帯電話機と無線回線で接続した基地局で前記携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時に加え、待ち受け時の位置登録時の上り信号を識別し抽出する。
さらに、前記特定場所情報提供部は、混雑度レベルの指標を前記GPS機能付き携帯電話機に提示する際に課金を行う。
【0014】
さらに、本発明は、特定の場所の混み具合の情報を提供するサーバーにおいて、複数の特定の場所名に対して経度、緯度で示される位置範囲をそれぞれ保持し、指定された位置情報に属する位置範囲を特定の場所名に変換する場所名・位置範囲変換サーバーと、複数の特定の場所名毎に収容人数を基に混雑度レベルの指標を保持し、混雑情報要求のあった特定の場所名に対してGPS機能付き携帯電話機の対象数が示された場合、混雑度レベルの指標を算出する混雑度指標サーバーと、前記GPS機能付き携帯電話機の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報が付加され、前記GPS機能付き携帯電話機と無線回線で接続した基地局で前記GPS機能付き携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号であることが識別され電話番号情報及び位置情報が抽出されるのを監視し、抽出した電話番号情報及び位置情報を、抽出した日付時刻情報と共に取得し保持し、取得した位置情報を前記場所名・位置範囲変換サーバーを介して変換させて特定の場所名を保持し、GPS機能付き携帯電話機から特定の場所名を指定して混雑情報要求があると特定の場所名の位置範囲に存在する前記GPS機能付き携帯電話機の対象数を算出し、特定の場所名と算出した対象数を基に、前記混雑度指標サーバーを介して、混雑度レベルの指標を取得し前記GPS機能付き携帯電話機から提示するメインサーバーとを備えることを特徴とするサーバーを提供する。
【0015】
さらに、本発明は、GPS機能を備えたGPS機能付き携帯電話機において、音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し基地局を経由して、特定の場所の混雑レベル情報を形成するためのサーバーに送信する電話番号情報・位置情報付加部と、前記サーバーに混雑レベル情報を要求する特定の場所名を入力する表示及び決定選択表示を行い、前記サーバーから前記基地局を経由して取得した特定の場所の混雑レベル情報を表示する表示部とを備えることを特徴とするGPS機能付き携帯電話機を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、携帯電話機と無線回線で送受信を行う基地局において、GPS機能付き携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号であることを識別し電話番号情報及び位置情報を抽出する電話番号情報・位置情報抽出部と、抽出した電話番号情報及び位置情報を特定の場所の混雑レベル情報、且つ、前記GPS機能付き携帯電話機からの特定の場所の混雑レベル情報の要求を、特定の場所の混雑レベル情報を形成するためのサーバーに送信し、前記サーバーから特定の場所の混雑レベル情報を受信した前記GPS機能付き携帯電話機に通知するための送受信部とを備えることを特徴とする基地局を提供する。
【0017】
さらに、本発明は、特定の場所の混み具合の情報を提供する特定場所混雑情報提供方法において、GPS機能付き携帯電話機の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加する工程と、前記GPS機能付き携帯電話機と無線回線で接続した基地局で前記GPS機能付き携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号であることを識別し電話番号情報及び位置情報を抽出する工程と、電話番号情報及び位置情報を抽出するのを監視し、抽出した電話番号情報及び位置情報を、抽出した日付時刻情報と共に取得し保持する工程と、複数の特定の場所名に対して経度、緯度で示される位置範囲をそれぞれ保持し、取得した位置情報に属する位置範囲を特定の場所名に変換し、変換した特定の場所名を、抽出した電話番号情報及び位置情報、抽出した日付時刻情報と共に保持する工程と、GPS機能付き携帯電話機から特定の場所名を指定して混雑情報要求があると特定の場所名の位置範囲に存在するGPS機能付き携帯電話機の対象数を算出する工程と、複数の特定の場所名毎に収容人数を基に混雑度レベルの指標を保持し、混雑情報要求のあった特定の場所名に対してGPS機能付き携帯電話機の対象数が示された場合、混雑度レベルの指標を算出し前記GPS機能付き携帯電話機に提示する工程とを備えることを特徴とする特定場所混雑情報提供方法を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、特定の場所の混み具合の情報を提供する特定場所混雑情報提供をコンピュータで実行するプログラムにおいて、GPS機能付き携帯電話機の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加する手順と、前記GPS機能付き携帯電話機と無線回線で接続した基地局で前記GPS機能付き携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号であることを識別し電話番号情報及び位置情報を抽出する手順と、複数の特定の場所名に対して経度、緯度で示される位置範囲をそれぞれ保持し、指定された位置情報に属する位置範囲を特定の場所名に変換する手順と、複数の特定の場所名毎に収容人数を基に混雑度レベルの指標を保持し、要求のあった特定の場所名に対してGPS機能付き携帯電話機の数が示された場合、混雑度レベルの指標を算出する手順と、電話番号情報及び位置情報を抽出するのを監視し、抽出した電話番号情報及び位置情報を、抽出した日付時刻情報と共に取得し保持し、取得した位置情報を変換させて特定の場所名を保持し、GPS機能付き携帯電話機から特定の場所名を指定して混雑情報要求があると特定の場所名の位置範囲に存在するGPS機能付き携帯電話機の対象数を算出し、特定の場所名と算出した対象数を基に混雑度レベルの指標を取得し前記GPS機能付き携帯電話機に提示する手順とを備えることを特徴とする、特定場所混雑情報提供をコンピュータで実行するプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、複数のGPS機能付き携帯電話機は自局の電話番号情報及びGPS衛星を利用して取得された位置情報を、音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時に基地局を介してメインサーバーに送信し、サーバーではGPS機能付き携帯電話機の位置を把握し任意の特定場所の位置範囲内に存在するGPS機能付き携帯電話機の数を監視し、特定の場所の混み具合を知りたいユーザが携帯電話機からサーバーに対して対象とする特定の場所を指定することで、必要な特定の場所の混み具合情報を知ることが可能となる。
【0020】
GPS機能付き携帯電話機がかなり普及しており、新規設備導入することなく、本発明の構築を容易に実現することが可能である。
特に、電話番号情報及び位置情報をGPS機能付き携帯電話機から送信するタイミングが音声発呼、着呼、メール受信、送信、インターネット接続時とすることで新たな通信手段を必要とせず、十分な情報量を得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るGPS(全地球測位システム)機能付き携帯電話機及びサーバーで構成される概略ネットワークを示す図である。
本図に示すように、複数の基地局101の各々エリア200には複数の携帯電話機102が在り、携帯電話機102の各々は通話機能、通信機能を有し、基地局101と無線回線で接続される。
【0022】
複数の基地局101の各々には後述する電話番号情報・位置情報抽出部101A、送受信部101Bが設けられる。
さらに、複数の携帯電話機102の各々は、GPS機能を有し、人工衛星である複数のGPS衛星103に衛星回線で接続され、GPS衛星103からの電波を基にして携帯電話機101の位置情報を緯度、経度として提供される。
【0023】
複数の携帯電話機102の各々には電話番号情報・位置情報付加部102Aが設けられ、電話番号情報・位置情報付加部102Aは、音声着信時、音声発信時、メール受信時、メール送信時、インターネット接続時に、電話番号情報と、GPS衛星103から受信した位置情報を基地局101への上りデータ中に付加して送信するのに使用される。
前述の基地局101の電話番号情報・位置情報抽出部101Aは、携帯電話機102から受信した音声着信時、音声発信時、メール受信時、メール送信時、インターネット接続時の上り信号であることを識別し、いずれか1つの上り信号に該当する場合には、受信した上り信号から電話番号情報・位置情報付加部102Aにより付加された電話番号情報及び位置情報を抽出する。
【0024】
複数の基地局101には、それぞれ送受信部101Bを経由して、メインサーバー104が接続され、メインサーバー104は、GPS機能付き携帯電話機102からの電話番号情報及び位置情報、混雑情報要求を受信し情報に応じた制御を以下のように実行する。
メインサーバー104には電話番号情報・位置情報監視部104Aが設けられ、電話番号情報・位置情報監視部104Aは基地局101の電話番号情報・位置情報抽出部101Aが携帯電話機102から受信した電話番号情報及び位置情報を抽出するのを監視し、抽出した電話番号情報及び位置情報を、抽出した日付時刻情報と共に取得する。
【0025】
さらに、メインサーバー104にはデータベース104Dが設けられ、データベース104Dは電話番号情報・位置情報監視部104Aが電話番号情報・位置情報抽出部101Aから取得したGPS機能付きの携帯電話機102の電話番号情報及び位置情報と共に、抽出した日付時刻情報を最新の日付時刻として保持し、さらに、GPS機能付き携帯電話機102の位置情報を後述する場所名・位置範囲変換サーバー105に指定して、指定した位置情報が属する位置範囲に対する特定の場所を保持し、特定の場所における音声着信時、音声発信時、メール受信時、メール送信時、インターネット接続時の最初の更新日付時刻情報を保持する。
【0026】
さらに、メインサーバー104には混雑度情報提供部104Bが設けられ、混雑度情報提供部104BはURL(Uniform Resource Locator)アドレスを有し、インターネット接続が可能である各GPS機能付きの携帯電話機102、GPS機能を備えていない携帯電話機からメインサーバー104にアクセスされ、混雑情報要求が行われると、この要求を受け付け、混雑情報の提供を行う。
【0027】
この場合、GPS機能付きの携帯電話機102、GPS機能を備えていない携帯電話機がメインサーバー104のアクセス先を知っていることが前提となるが、Webサイトを検索することによりメインサーバー104のアクセス先を知ることが可能である。
さらに、メインサーバー104には対象数算出部104Cが設けられ、対象数算出部104Cは、混雑度情報提供部104Bに対して特定の場所名を指定して混雑情報要求があると、データベース104Dから特定の場所の位置範囲に存在するGPS機能付き携帯電話機の対象数を集計し入場数を算出し、メインサーバー104は算出した対象数である入場数を基に後述する混雑度指標サーバー106から混雑度レベルを取得する。
【0028】
メインサーバー104には場所名・位置範囲変換サーバー105が接続され、場所名・位置範囲変換サーバー105はデータベース105Aを有し、データベース105Aは複数の特定の場所名に対して経度、緯度で示される位置範囲をそれぞれ保持し、メインサーバー104から位置情報を指定されるとデータベース105Aで指定された位置情報が属する位置範囲を特定の場所名に変換され、変換された特定の場所名をメインサーバー104に提供する。
【0029】
メインサーバー104には混雑度指標サーバー106が接続され、混雑度指標サーバー106はデータベース106Aを有し、データベース106Aは複数の特定の場所名の収容人数を基に混雑度レベルの指標をそれぞれ保持し、メインサーバー104から特定の場所名の位置範囲に存在するGPS機能付きの携帯電話機102の対象数が示されると、この対象数を基に指定された特定の場所名の混雑度レベルを算出し、算出した混雑レベルをメインサーバー104に提供する。
【0030】
なお、メインサーバー104、場所名・位置範囲変換サーバー105、混雑度指標サーバー106はコンピュータで実行されるプログラムで形成される。
図2は図1におけるメインサーバー104のデータベース104Dに保持されるデータを説明する図である。
本図に示すように、データベース104Dには受信した携帯電話機の電話番号毎に位置情報、最新の更新日付時刻情報、特定の場所の位置範囲での最初の更新日付時刻情報が保持される。
【0031】
一例として、電話番号「09011111111」、位置情報「139.523E(東経)、35.376N(北緯)」、最新の更新日付時刻情報「2004.05.10 11:45」のデータが保持される。
さらに、特定の場所の位置範囲での最初の更新日付時刻情報「2004.05.10 11:30」のデータが保持される。
【0032】
さらに、場所名・位置範囲変換サーバー105から取得した特定の場所名「東京ディズニーランド」のデータが保持され、特定の場所の位置範囲での最初の更新日付時刻情報「2004.05.10.11:30」のデータが保持される。
データベース104Dにデータを保持する際には、電話番号を検索し同じ電話番号の情報が存在する場合には位置情報が今回取得した情報に更新される。
【0033】
今回取得した位置情報が特定の場所名の位置範囲に属するようになった場合には特定の場所名、特定の場所名の位置範囲での最初の更新日付時刻情報が保持され、一方、今回取得した位置情報が特定の場所名の位置範囲に属しなくなった場合には保持している特定の場所、最初の更新日付時刻情報が削除される。
さらに、電話番号の検索で同じ電話番号が存在しない場合新規に位置情報、最新の更新時刻情報が追加され保持される。この場合新規に取得した位置情報が特定の場所名の位置範囲に属する場合には特定の場所名が追加され保持されるが、特定の場所名の位置範囲での最初の更新日付時刻情報には何も情報が無いことになる。
【0034】
図3はメインサーバー104の混雑度情報提供部104Bの動作例を説明する図である。本図(a)に示すように、GPS機能付き携帯電話機102、GPS機能を備えない携帯電話機からメインサーバー104にアクセスすると、混雑度情報提供部104BはGPS機能付き携帯電話機102、GPS機能を備えない携帯電話機にページ情報を取得させ表示させ、取得させたページ情報の中に、混雑レベル情報を要求する特定の場所名を入力する表示及び決定選択表示を表示部(図示しない)に行う。
【0035】
ユーザは混雑状況を知りたい特定の場所名を入力し、決定選択することで入力した特定の場所名情報が無線回線でGPS機能付き携帯電話機102、GPS機能を備えない携帯電話機から基地局101を介してメインサーバー104の混雑度情報提供部104Bに送信される。
本図(b)に示すように、混雑度情報提供部104Bは混雑レベル情報を、要求があったGPS機能付き携帯電話機102、GPS機能を備えない携帯電話機に送信し、GPS機能付き携帯電話機102、GPS機能を備えない携帯電話機の表示上に混雑レベルを表示部(図示しない)に表示させ、ユーザが混雑状況を確認することを可能にする。
【0036】
図4は図1における場所名・位置範囲変換サーバー105のデータベース105Aに保持される、特定の場所名に対する位置範囲のデータを説明する図である。
本図(a)、(b)に示すように、データベース105Aには特定の場所名毎の位置範囲情報が保持され、一例として、位置情報が属する位置(東経、北緯)「(139.523°E、35.376°N)、(139.523°E、35.375°N)、(139.525°E、35.376°N)、(139.525°E、35.375°N)」で囲まれる位置範囲が特定の場所名「東京ディズニーランド」に変換される。なお、データベース105Aは随時情報の修正、追加、削除が可能である。
【0037】
図5は図1における混雑度指標サーバー106のデータベース106Aに保持されるデータを説明する図である。
本図に示すように、データベース106Aには特定の場所名毎の収容人数情報、収容人数に対してGPS機能付きの携帯電話機102が存在する対象数である入場者数に応じた混雑度レベルが保持される。混雑度レベルの表記としては、例えば、「大」、「中」、「小」の3つの混雑度レベルの指標としてもよい。また、もっと細かなレベルとしてもよい。
【0038】
一例として、特定の場所名「東京ディズニーランド」、収容人数「5万人」、GPS機能付きの携帯電話機102が存在する対象数である入場者数が1万人未満であれば混雑度レベルを「小」、この対象数である入場者数が1万人以上3万人以上であれば混雑度レベルを「中」、この対象数である入場者数が3万人以上であれば混雑度レベルを「大」とするような情報が保持される。
【0039】
さらに、データベース106Aには特定の場所名毎に入場者が平均的に滞在する平均時間が保持される。
なお、データベース106Aは随時情報の修正、追加、削除が可能である。
図6は図1におけるGPS機能付きの携帯電話機102の電話番号情報・位置情報付加部102Aの動作を説明するフローチャートである。
【0040】
本図に示すように、ステップ201において、電話番号情報・位置情報付加部102Aは、携帯電話機102に音声着信が有るか否かを判断し、音声着信が無い場合にはステップ203に進む。
ステップ202において、音声着信が有る場合には、電話番号情報・位置情報付加部102Aは音声着信動作実行時に基地局101への上りデータの中に電話番号情報及び位置情報を付加し処理を終了する。
【0041】
上記付加では、例えば、PDC(Personal Digital Cellular)での通信ネットワークシステムで言えば、着信動作時の上り信号であり、呼出メッセージであるALERT信号、応答メッセージであるCONNECT信号に付加することで、基地局101へ情報送信が可能になる。
ステップ203において、電話番号情報・位置情報付加部102Aは、携帯電話機102に音声発信が有るか否かを判断し、音声発信が無い場合にはステップ205に進む。
【0042】
ステップ204において、音声発信が有る場合には、電話番号情報・位置情報付加部102Aは音声発信動作実行時に基地局101への上りデータの中に電話番号情報及び位置情報を付加し処理を終了する。
上記付加では、例えば、PDCでの通信ネットワークシステムで言えば、発信動作時の上り信号であり、呼設定メッセージであるSETUP信号、応答確認メッセージであるCONNECTACK信号に付加することで、基地局101へ情報送信が可能になる。
【0043】
ステップ205において、電話番号情報・位置情報付加部102Aは、携帯電話機102にメール受信が有るか否かを判断し、メール受信が無い場合にはステップ207に進む。
ステップ206において、メール受信が有る場合には、電話番号情報・位置情報付加部102Aはメール受信動作実行時に基地局101への上りデータの中に電話番号情報及び位置情報を付加し処理を終了する。
【0044】
上記付加では、例えば、SMTPサーバーのスプールに保存されているメール転送の要求信号に付加することで、基地局101へ情報送信が可能になる。
ステップ207において、電話番号情報・位置情報付加部102Aは、携帯電話機102にメール発信が有るか否かを判断し、メール発信が無い場合にはステップ209に進む。
【0045】
ステップ208において、メール発信が有る場合には、電話番号情報・位置情報付加部102Aはメール発信動作実行時に基地局101への上りデータの中に電話番号情報及び位置情報を付加し処理を終了する。
上記付加では、例えば、メールヘッダに付加することで、基地局101へ情報送信が可能になる。
【0046】
ステップ209において、電話番号情報・位置情報付加部102Aは、携帯電話機102にインターネット接続が有るか否かを判断し、インターネット接続が無い場合には処理を終了する。
ステップ210において、インターネット接続が有る場合には、電話番号情報・位置情報付加部102Aはインターネット接続動作実行時に基地局101への上りデータの中に電話番号情報及び位置情報を付加し処理を終了する。
【0047】
上記付加では、例えば、アクセスポイントの電話番号の信号に付加することで、基地局101へ情報送信が可能になる。
この場合、GPS機能付き携帯電話機102からの自局電話番号情報及び緯度経度情報からなる位置情報の送信は、ユーザの混雑情報提供を希望する又は希望しないに拘わらず、既存の通信ネットワークシステムとして通常動作として送信される情報とする。
【0048】
このようにして、GPS機能付きの携帯電話機102が電話番号情報及び位置情報を送信するタイミングは、音声発呼時、音声着呼時、メール受信時、メール送信時、インターネット接続時とすることにより、既存の通信ネットワークシステムに対して新たな通信手段を必要とせず、つまり、新たに電話番号情報及び位置情報のみを定期的に送信する通信手段などを準備する必要が無くなり、既存の通信ネットワークシステムを使用することが可能になる。
【0049】
さらに、電話番号情報・位置情報付加部102Aを設けることにより、音声発呼、音声着呼、メール受信、メール発信、インターネット接続動作は、一般ユーザの使用状況から見ても、かなりのアクセス頻度があることが想定できるので、十分な情報量を得ることが可能である。
図7は図1におけるメインサーバー104、場所名・位置範囲変換サーバー105、混雑度指標サーバー106の一連の動作を説明するフローチャートである。
【0050】
本図に示すように、ステップ211において、メインサーバー104の電話番号情報・位置情報監視部104Aは基地局101の電話番号情報・位置情報抽出部101Aを監視し基地局101がGPS機能付き携帯電話機102から電話番号情報及び位置情報を受信し電話番号情報・位置情報抽出部101Aにより抽出したか否かを監視し、電話番号情報及び位置情報を取得しない場合ステップ216に進む。
【0051】
ステップ212において、データベース104Dでは、取得した電話番号情報及び位置情報、取得した日付時刻情報を保持する。
ステップ213において、メインサーバー104から場所名・位置範囲変換サーバー105に位置情報を指定する。
ステップ214において、場所名・位置範囲変換サーバー105では、データベース105Aを介して、指定された位置情報に属する位置範囲を特定の場所名に変換する。
【0052】
ステップ215において、データベース104Dでは、場所名・位置範囲変換サーバー105から取得した場所名を保持し、処理を終了する。
ステップ216において、混雑度情報提供部104Bではメインサーバー104に対して特定の場所名の混雑情報要求が有るか否かを判断する。混雑状況を知りたいユーザによりURLアドレスを介してGPS機能付き携帯電話機102を使用してメインサーバー104にアクセスし、図3に示すように、取得したページ情報から特定の場所名を指定して混雑情報要求が行われる。混雑情報要求が行われない場合には処理を終了する。前述のように、GPS機能を備えていない携帯電話機でも既存の通信ネットワークシステムにてインターネット接続可能な携帯電話機であれば使用可能である。
【0053】
ステップ217において、対象数算出部104Cでは、データベース104Dを介して特定の場所の位置範囲内に存在する対象数が算出される。
ステップ218において、メインサーバー104から混雑度指標サーバー106へ特定の場所名と算出した対象数を渡す。
ステップ219において、混雑度指標サーバー106では、データベース106Aを介して特定の場所と特定の場所の対象数を基に特定の場所の混雑度レベルが求められる。
【0054】
ステップ220において、混雑度情報提供部104Bでは、混雑度指標サーバー106から取得した混雑度レベルを要求したユーザに通知する。ユーザのGPS機能付き携帯電話機102には取得したページ情報中に混雑度レベルが表示され、処理を終了する。
上記通知では、メインサーバー104は混雑度レベル情報以外に収容人数、又は、おおよその入場者数情報として算出したGPS機能付き携帯電話機102の対象数である人数情報を通知することが可能である。
【0055】
このように、メインサーバー104で管理する混雑度レベルの情報は、GPS機能付き携帯電話機102から自局の電話番号情報及び緯度経度情報からなる位置情報を基にデータベース化しているが、この情報は前述のように、GPS機能付き携帯電話機102が音声発呼時、着信時、メール受信時、メール送信時、インターネット接続時のタイミングで送信される情報とするので、ユーザから見た時に特別の課金が発生するものではない。
【0056】
一方、メインサーバー104、場所名・位置範囲変換サーバー105、混雑度指標サーバー106を構成する本発明の特定場所混雑情報提供システムにおけるビジネスモデルでは、ユーザに混雑情報を提供する代償として、会員登録制での月額一定料金徴収、又は混雑情報取得時に発生する接続料金(送受信した情報量〔パケット)に対しての課金料金)を課すことにより利益を生むことになる。
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、GPS機能付き携帯電話機が電話番号情報及び位置情報を音声発呼、音声着呼、メール受信時、メール送信時、インターネット接続時に送信するようにしたので、既存の通信ネットワークシステムを使用し、ユーザに負担をかけず、メインサーバーは電話番号情報及び位置情報を把握でき、任意の特定の場所名の位置範囲内に存在するGPS機能付き携帯電話機を監視することが可能になった。特定の場所名の混み具合を知りたいユーザは携帯電話機からメインサーバーに対して対象の特定の場所名を指定することで、必要な特定の場所名の混み具合情報を手軽に知ることが可能になる。また、GPS機能付き携帯電話機がかなり普及しており、新規設備導入することなく、本発明のシステム構築は容易に行うことが可能になる。また、混雑情報は、GPS機能付き携帯電話機のみではなく、インターネット接続ができる携帯電話機であればGPS機能を備えていなくても混雑情報を利用でき、利用範囲が拡大する。
【0058】
データベース104D、データベース105A、データベース106Aをそれぞれ別のサーバーにて管理することで情報の更新がし易くなる。
さらに、サーバーを複数用意することで処理能力を上げることが可能になる。
【実施例1】
【0059】
図8は図7の動作の変形例でメインサーバー104、場所名・位置範囲変換サーバー105、混雑度指標サーバー106の一連の動作を説明するフローチャートである。
本図に示すように、図7と比較して、ステップ227、ステップ228、ステップ229が追加される。
ステップ227において、メインサーバー104では、データベース104Dに、特定の場所に対して混雑情報要求があった日付時刻よりも一定時間前の最初の更新日付時刻が保持されているか否かの判断を行う。保持されていない場合にはステップ229に進む。
【0060】
ステップ228において、保持されている場合には、対象数算出部104Cでは、データベース104Dを介して、最初の更新日付時刻が混雑情報要求があった日付時刻よりも一定時間前である対象を外して特定の場所名の位置範囲に存在する対象数が算出され、ステップ230に進む。
ステップ229において、対象数算出部104Cでは、データベース104Dを介して特定の場所の位置範囲内に存在する対象数が算出され、ステップ230に進む。
【0061】
ここでの「一定時間前」の情報は、メインサーバー104にて持っている情報で随時情報の修正が可能である。「一定時間前」としては、特定の場所名での滞在時間が用いられ、例えば、図5に示すように、特定の場所名が「東京ディズニーランド」である場合には、「一定時間前」は「5時間前」を意味する。
このように、メインサーバー104に混雑情報要求があった場合に、混雑情報要求があった日付時刻と最新の更新日付時刻を比較し、古くなった電話番号情報及び位置情報を外して対象数算出部104Cでは算出するチェックを追加したので、より精度の高い混雑度レベルを確保することが可能になる。
【実施例2】
【0062】
図9は図6の変形例であり、GPS機能付きの携帯電話機102の電話番号情報・位置情報付加部102Aの動作で待ち受け時に位置登録があった場合の追加動作を説明するフローチャートである。
本図に示すように、図6と比較して、ステップ239でインターネット接続が無い場合、ステップ241において、待ち受け時の位置登録が有るか否かを判断する。位置登録が無い場合には処理を終了する。
【0063】
ステップ242において、位置登録がある場合には、電話番号情報・位置情報付加部102Aは位置登録動作実行時に基地局101への上りデータの中に電話番号情報及び位置情報を付加し処理を終了する。
上記付加では、例えば、位置登録要求信号に付加することで、基地局101へ情報送信が可能になる。
【0064】
GPS機能付き携帯電話機102は待ち受け時に登録エリアを移動する毎にネットワークに位置を登録する必要があるが、このように、待ち受け時にネットワークへの位置の登録時に電話番号情報及びGPSからの位置情報を付加するようにしてもよい。待ち受け時に特定の場所名の位置範囲内でネットワークに位置登録が行われると、メインサーバー104のデータベース104Dに電話番号、GPSからの位置情報、更新日付時刻情報が保持される。GPS機能付き携帯電話機102が特定の場所名の位置範囲で音声発呼、音声着呼、メール受信、メール送信、インターネット接続のいずれも無い場合ネットワークへの位置登録時にデータベース104Dへの電話番号情報及びGPSからの位置情報を保持することが可能になる。このため、より精度の高い混雑度レベルを確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】発明に係るGPS(全地球測位システム)機能付き携帯電話機及びサーバーで構成される概略ネットワークを示す図である。
【図2】図1におけるメインサーバー104のデータベース104Dに保持されるデータを説明する図である。
【図3】メインサーバー104の混雑度情報提供部104Bの動作例を説明する図である。
【図4】図1における場所名・位置範囲変換サーバー105のデータベース105Aに保持される、特定の場所名に対する位置範囲のデータを説明する図である。
【図5】図1における混雑度指標サーバー106のデータベース106Aに保持されるデータを説明する図である。
【図6】図1におけるGPS機能付きの携帯電話機102の電話番号情報・位置情報付加部102Aの動作を説明するフローチャートである。
【図7】図1におけるメインサーバー104、電話番号情報・位置情報監視部104A、場所名・位置範囲変換サーバー105、混雑度指標サーバー106の一連の動作を説明するフローチャートである。
【図8】図7の動作の変形例でメインサーバー104、場所名・位置範囲変換サーバー105、混雑度指標サーバー106の一連の動作を説明するフローチャートである。
【図9】図6の変形例であり、GPS機能付きの携帯電話機102の電話番号情報・位置情報付加部102Aの動作で待ち受け時に位置登録があった場合の追加動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
101…基地局
101A…電話番号情報・位置情報抽出部
101B…送受信部
102…携帯電話機
102A…電話番号情報・位置情報付加部
103…GPS衛星
104…メインサーバー
104A…電話番号情報・位置情報監視部
104B…混雑情報提供部
104C…対象数算出部
104D…データベース
105…場所名・位置範囲変換サーバー
105A…データベース
106…混雑度指標サーバー
106A…データベース
200…エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の場所の混み具合の情報を提供する特定場所混雑情報提供システムにおいて、
GPS機能付き携帯電話機の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加する電話番号情報・位置情報付加部と、
前記GPS機能付き携帯電話機と無線回線で接続した基地局で前記GPS機能付き携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号であることを識別し電話番号情報及び位置情報を抽出する電話番号情報・位置情報抽出部と、
複数の特定の場所名に対して経度、緯度で示される位置範囲をそれぞれ保持し、指定された位置情報に属する位置範囲を特定の場所名に変換する場所名・位置範囲変換部と、
複数の特定の場所名毎に収容人数を基に混雑度レベルの指標を保持し、混雑情報要求のあった特定の場所名に対してGPS機能付き携帯電話機の対象数が示された場合、混雑度レベルの指標を算出する混雑度指標算出部と、
前記電話番号情報・位置情報抽出部が電話番号情報及び位置情報を抽出するのを監視し、抽出した電話番号情報及び位置情報を、抽出した日付時刻情報と共に取得し保持し、取得した位置情報を前記場所名・位置範囲変換部を介して変換させて特定の場所名を保持し、GPS機能付き携帯電話機から特定の場所名を指定して混雑情報要求があると特定の場所名の位置範囲に存在するGPS機能付き携帯電話機の対象数を算出し、特定の場所名と算出した対象数を基に、前記混雑度指標算出部を介して、混雑度レベルの指標を取得し前記GPS機能付き携帯電話機に提示する特定場所情報提供部とを備えることを特徴とする特定場所混雑情報提供システム。
【請求項2】
前記電話番号情報・位置情報付加部は、前記GPS機能付き携帯電話機がPDC方式である場合には音声発呼時にSETUP信号、CONNECTACK信号の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し、音声着呼時にALERT信号、CONNECT信号の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し、メール送信時にメールヘッダの上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し、メール受信時にメール転送の要求信号の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し、インターネット接続時にアクセスポイントの電話番号の信号の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加することを特徴とする、請求項1に記載の特定場所混雑情報提供システム。
【請求項3】
前記特定場所提供部は、前記混雑度レベルの指標と共に、収容人数、GPS機能付き携帯電話機の対象数を提示することを特徴とする、請求項1に記載の特定場所混雑情報提供システム。
【請求項4】
前記特定場所情報提供部は、GPS機能を備えない携帯電話機に対して、特定の場所を指定して混雑情報要求があった場合混雑情報レベルの提示を行うことを特徴とする、請求項1に記載の特定場所混雑情報提供システム。
【請求項5】
前記特定場所情報提供部は、特定の場所名を指定した混雑情報要求に対して対象数の算出を行う場合、取得した位置情報が特定の場所名の位置範囲に属するようになった場合には特定の場所名と共に、特定の場所名の位置範囲での最初の更新日付時刻情報を保持し、特定の場所に対して混雑情報要求があった日付時刻よりも一定時間前の最初の更新日付時刻が保持されている場合最初の更新日付時刻が混雑情報要求があった日付時刻よりも一定時間前である対象を外して特定の場所名の位置範囲に存在する対象数を算出することを特徴とする、請求項1に記載の特定場所混雑情報提供システム。
【請求項6】
前記混雑度指標算出部は特定の場所名毎に入場者が平均的に滞在する平均時間を保持し、前記特定場所情報提供部は、特定の場所名を指定した混雑情報要求に対して対象数の算出を行う場合、前記混雑度指標算出部から滞在時間を取得し、前記一定時間前を取得した前記滞在時間前とすることを特徴とする、請求項5に記載の特定場所混雑情報提供システム。
【請求項7】
前記電話番号情報・位置情報付加部は、GPS機能付き携帯電話機の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時に加え、待ち受け時の位置登録時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し、
前記電話番号情報・位置情報抽出部は、前記携帯電話機と無線回線で接続した基地局で前記携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時に加え、待ち受け時の位置登録時の上り信号を識別し抽出することを特徴とする、請求項1に記載の特定場所混雑情報提供システム。
【請求項8】
前記特定場所情報提供部は、混雑度レベルの指標を前記GPS機能付き携帯電話機に提示する際に課金を行うことを特徴とする、請求項1に記載の特定場所混雑情報提供システム。
【請求項9】
特定の場所の混み具合の情報を提供するサーバーにおいて、
複数の特定の場所名に対して経度、緯度で示される位置範囲をそれぞれ保持し、指定された位置情報に属する位置範囲を特定の場所名に変換する場所名・位置範囲変換サーバーと、
複数の特定の場所名毎に収容人数を基に混雑度レベルの指標を保持し、混雑情報要求のあった特定の場所名に対してGPS機能付き携帯電話機の対象数が示された場合、混雑度レベルの指標を算出する混雑度指標サーバーと、
前記GPS機能付き携帯電話機の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報が付加され、前記GPS機能付き携帯電話機と無線回線で接続した基地局で前記GPS機能付き携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号であることが識別され電話番号情報及び位置情報が抽出されるのを監視し、抽出した電話番号情報及び位置情報を、抽出した日付時刻情報と共に取得し保持し、取得した位置情報を前記場所名・位置範囲変換サーバーを介して変換させて特定の場所名を保持し、GPS機能付き携帯電話機から特定の場所名を指定して混雑情報要求があると特定の場所名の位置範囲に存在する前記GPS機能付き携帯電話機の対象数を算出し、特定の場所名と算出した対象数を基に、前記混雑度指標サーバーを介して、混雑度レベルの指標を取得し前記GPS機能付き携帯電話機に提示するメインサーバーとを備えることを特徴とするサーバー。
【請求項10】
GPS機能を備えたGPS機能付き携帯電話機において、
音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加し基地局を経由して、特定の場所の混雑レベル情報を形成するためのサーバーに送信する電話番号情報・位置情報付加部と、
前記サーバーに混雑レベル情報を要求する特定の場所名を入力する表示及び決定選択表示を行い、前記サーバーから前記基地局を経由して取得した特定の場所の混雑レベル情報を表示する表示部とを備えることを特徴とするGPS機能付き携帯電話機。
【請求項11】
携帯電話機と無線回線で送受信を行う基地局において、
GPS機能付き携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号であることを識別し電話番号情報及び位置情報を抽出する電話番号情報・位置情報抽出部と、
抽出した電話番号情報及び位置情報を特定の場所の混雑レベル情報、且つ、前記GPS機能付き携帯電話機からの特定の場所の混雑レベル情報の要求を、特定の場所の混雑レベル情報を形成するためのサーバーに送信し、前記サーバーから特定の場所の混雑レベル情報を受信した前記GPS機能付き携帯電話機に通知するための送受信部とを備えることを特徴とする基地局。
【請求項12】
特定の場所の混み具合の情報を提供する特定場所混雑情報提供方法において、
GPS機能付き携帯電話機の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加する工程と、
前記GPS機能付き携帯電話機と無線回線で接続した基地局で前記GPS機能付き携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号であることを識別し電話番号情報及び位置情報を抽出する工程と、
電話番号情報及び位置情報を抽出するのを監視し、抽出した電話番号情報及び位置情報を、抽出した日付時刻情報と共に取得し保持する工程と、
複数の特定の場所名に対して経度、緯度で示される位置範囲をそれぞれ保持し、取得した位置情報に属する位置範囲を特定の場所名に変換し、変換した特定の場所名を、抽出した電話番号情報及び位置情報、抽出した日付時刻情報と共に保持する工程と、
GPS機能付き携帯電話機から特定の場所名を指定して混雑情報要求があると特定の場所名の位置範囲に存在するGPS機能付き携帯電話機の対象数を算出する工程と、
複数の特定の場所名毎に収容人数を基に混雑度レベルの指標を保持し、混雑情報要求のあった特定の場所名に対してGPS機能付き携帯電話機の対象数が示された場合、混雑度レベルの指標を算出し前記機能付き携帯電話機に提示する工程とを備えることを特徴とする特定場所混雑情報提供方法。
【請求項13】
特定の場所の混み具合の情報を提供する特定場所混雑情報提供をコンピュータで実行するプログラムにおいて、
GPS機能付き携帯電話機の音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号に電話番号情報及び位置情報を付加する手順と、
前記GPS機能付き携帯電話機と無線回線で接続した基地局で前記GPS機能付き携帯電話機からの上り信号が音声発呼時、音声着呼時、メール送信時、メール受信時、インターネット接続時の上り信号であることを識別し電話番号情報及び位置情報を抽出する手順と、
複数の特定の場所名に対して経度、緯度で示される位置範囲をそれぞれ保持し、指定された位置情報に属する位置範囲を特定の場所名に変換する手順と、
複数の特定の場所名毎に収容人数を基に混雑度レベルの指標を保持し、要求のあった特定の場所名に対してGPS機能付き携帯電話機の数が示された場合、混雑度レベルの指標を算出する手順と、
電話番号情報及び位置情報を抽出するのを監視し、抽出した電話番号情報及び位置情報を、抽出した日付時刻情報と共に取得し保持し、取得した位置情報を変換させて特定の場所名を保持し、GPS機能付き携帯電話機から特定の場所名を指定して混雑情報要求があると特定の場所名の位置範囲に存在するGPS機能付き携帯電話機の対象数を算出し、特定の場所名と算出した対象数を基に混雑度レベルの指標を取得し前記機能付き携帯電話機に提示する手順とを備えることを特徴とする、特定場所混雑情報提供をコンピュータで実行するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−157502(P2006−157502A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345435(P2004−345435)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】