説明

特異的α2アドレナリン作動剤としての4−(フェニルメチルおよび置換フェニルメチル)−イミダゾール−2−チオン

式1:


式1
[式中、記号は明細書中に定義する通りである]
で示される化合物は、α2アドレナリン受容体作動剤である。いくつかの本発明化合物は、α2Aアドレナリン受容体よりもα2Bおよび/またはα2Cアドレナリン受容体に特異的または選択的である。さらに、いくつかの本発明化合物は、心臓血管および/または鎮静作用を有さないかまたは最小限に有するにすぎない。式1で示される化合物は、α2アドレナリン受容体作動剤による処置に応答する疾患の処置および/または症状の緩和のために、ヒトを含む哺乳動物の処置剤として有用である。顕著な心臓血管および/または鎮静作用を有さない式1で示される化合物は、副作用は最小限に止めて痛みおよび他の病態を処置するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−(フェニルメチルおよび4−置換フェニルメチル)イミダゾール−2−チオン、およびα2アドレナリン受容体の作動剤、好ましくは特異的または選択的作動剤としてのそれらの使用に関する。本発明はとりわけ、上記化合物、上記化合物を活性成分として含有するα2アドレナリン受容体を調節するための医薬組成物に関し、特に、上記化合物および医薬組成物を、慢性痛、異痛、筋痙縮、下痢、神経障害性の痛み、および他の疾患および状態を緩和するために使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトのアドレナリン受容体は、αアドレナリン受容体およびβアドレナリン受容体の2つの広いクラスに分類されている内在性膜タンパク質である。両タイプとも、カテコールアミン類、ノルエピネフリンおよびエピネフリンが結合したときの末梢交感神経系の作用を仲介している。
【0003】
ノルエピネフリンはアドレナリン作動性の神経末端により産生され、一方、エピネフリンは副腎髄質により産生される。これらの化合物に対するアドレナリン受容体の結合親和性は分類の1つの基礎となっている:α受容体は、エピネフリンよりも強く、そして合成化合物のイソプロテレノールよりもはるかに強く、ノルエピネフリンと結合する傾向がある。これらのホルモンの好ましい結合親和性は、β受容体については逆になる。多くの組織において、α受容体の活性化によって誘導される平滑筋収縮などの機能的応答は、β受容体の結合によって誘導される応答に対抗している。
【0004】
後に、α受容体とβ受容体との機能的な差異が、様々な動物源および組織源に由来するこれらの受容体を薬理学的に特徴付けることによってさらに強調され、精緻化された。その結果、αアドレナリン受容体およびβアドレナリン受容体は、α1、α2、β1およびβ2のサブタイプにさらに分けられた。
【0005】
α1受容体とα2受容体との機能的な違いが認識されており、これらの2つのサブタイプの間で選択的な結合を示す化合物が開発されている。例えば、国際特許出願公開WO92/0073では、アドレナリン受容体のα1サブタイプに対して選択的に結合するテラゾシンのR(+)エナンチオマーの選択的な能力が報告された。この化合物のα1/α2選択性は有意義であるとして開示された。これは、α2受容体の作動性刺激は、エピネフリンおよびノルエピネフリンの分泌を阻害すると言われており、一方、α2受容体の拮抗作用はこれらのホルモンの分泌を増大させると言われていたからである。従って、フェノキシベンザミンおよびフェントラミンなどの非選択的α−アドレナリン作動性遮断薬の使用は、それらのα2アドレナリン受容体によって仲介される、増大した血漿カテコールアミン濃度誘導および付随する生理学的結果(増大した心拍数および平滑筋収縮)の故に制限されると言われていた。
【0006】
α−アドレナリン受容体の更なる一般的な背景については、α1/α2のサブクラス分類の基礎、分子生物学、シグナル伝達、作動剤の構造−活性相関、受容体の機能、およびα−アドレナリン受容体親和性を示す化合物に関する治療的適用が調べられた、Robert R. Ruffolo, Jr.、α-Adrenoreceptors:Molecular Biology, Biochemistry and Pharmacology (Progress in Basic and Clinical Pharmacology series、Karger、1991)が注目される。
【0007】
動物組織に由来する様々なα受容体サブタイプのクローニング、配列決定および発現により、α1アドレナリン受容体は、α1A、α1Bおよびα1Dのサブクラスに分類された。同様に、α2アドレナリン受容体もまた、α2A、α2Bおよびα2Cの受容体に分類されている。それぞれのα2受容体サブタイプはそれぞれ独自の薬理学的特異性および組織特異性を示すようである。これらのサブタイプの1つまたは複数に対してある程度の特異性を有する化合物は、ある特定の適応症に対して、α2受容体の汎作動剤(薬物クロニジンなど)または汎拮抗剤よりも特異的な治療剤であり得る。
【0008】
緑内障、高血圧、性的機能障害およびうつ病の処置などの他の適応症の中で、α2アドレナリン受容体作動剤活性を有するいくつかの化合物が鎮痛薬として知られている。しかし、そのような活性を有する多くの化合物は、α2アドレナリン受容体により調節される異常を処置するときに望ましい活性および特異性をもたらさない。例えば、痛みの処置において効果的な薬剤であると見出されている多くの化合物は、全身的に効果的な用量で低血圧および鎮静を生じさせるなどの望ましくない副作用を有することが多くの場合に見出されている。このような望ましくない副作用を生じさせることなく痛みを和らげる新しい薬物が求められている。さらに、痛みに対する活性、特に、慢性的な神経障害性の痛みおよび内臓痛などの慢性痛に対する活性を示す薬剤が求められている。
【0009】
PCT公開WO03/099795(2003年12月4日公開)には、4−(置換シクロアルキルメチル)イミダゾール−2−チオン、4−(置換シクロアルケニルメチル)イミダゾール−2−チオンおよび関連化合物、並びにα2Bおよび/またはα2Cアドレナリン受容体の特異的または選択的作動剤としてのそれらの使用が記載されている。
【0010】
PCT公開WO02/36162(2002年5月10日公開)には、シクロアルケニル−メチル−イミダゾール、縮合環−メチル−イミダゾール、および下記構造を有するイミダゾールチオンが、眼血管新生の処置のためのα2Bまたはα2C選択的作動剤として記載されている:
【化1】

【0011】
英国特許第1499485号(1978年2月1日公開)には、ある種のチオカルバミド誘導体が記載されている。これらのいくつかは、高血圧、うつ病または痛みなどの状態の処置において有用であると言われている。
【0012】
PCT公開WO01/00586(2001年1月4日公開)およびWO99/28300(1999年6月10日公開)には、α2Bおよび/またはα2Cアドレナリン受容体の作動剤として作用するある種のイミダゾール誘導体が記載されている。米国特許第6313172号には、痛みの処置に使用するフェニルメチル−チオウレア誘導体が開示されている。
【0013】
米国特許第4798843号には、(フェニル)−イミダゾール−2−チオンおよび置換(フェニル)−イミダゾール−2−チオンが記載されている。
米国特許第6124330号および第6486187号には、角化疾患、例えば乾癬に対して活性なイミダゾール誘導体が記載されている。
【0014】
日本国特許第06067368号には、N−フェニル−イミダゾール−チオンが開示されている。日本国特許第2002097310号および第2002097312号にもイミダゾール誘導体が開示されている。
【0015】
米国特許第6545182号および第6313172号には、顕著な心血管作用または鎮静作用を持たない、慢性痛および異痛の緩和に有用なフェニルメチル(2−ヒドロキシ)エチルチオウレアが記載されている。米国特許第6534542号には、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルメチルおよびシクロアルケニルメチル(2−ヒドロキシ)エチルチオウレア、並びにα2Bアドレナリン受容体の特異的または選択的作動剤としてのそれらの使用が記載されている。
【発明の開示】
【0016】
(発明の概要)
本発明は、式1:
【化2】

式1
[式中、
R1は、独立して、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、(CH2)nCN、(CH2)n-OR2、(CH2)n-NR4R5であり;
nは、1、2および3から選択される整数であり;
R2は、独立して、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、C(O)R4、炭素環式アリール、またはN、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子1〜3個を有する複素環式アリールであり;
pは、0、1、2、3、4および5から選択される整数であり;
R3は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、2〜4個の炭素原子を有するアルケニル、2〜4個の炭素原子を有するアルキニル、F、Cl、Br、I、N3、NO2、(CH2)q-OR2、(CH2)q-NR5R6、(CH2)q-CN、C(O)R4、C(O)OR4、(CH2)q-SO2R4、炭素環式アリール、またはN、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子1〜3個を有する複素環式アリールから成る群から独立に選択され;
qは、0、1、2および3から選択される整数であり;
R4は、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、炭素環式アリール、またはN、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子1〜3個を有する複素環式アリールであり;
R5およびR6は、独立して、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、C(O)R4、またはベンジルである]
で示され、但し、式:
【化3】

で示される化合物ではない化合物に関する。
【0017】
第二の局面において、本発明は、1つまたはそれ以上の式1の化合物を活性成分として含有する医薬組成物に関し、該組成物は、α2アドレナリン受容体作動剤による処置に応答する疾患の処置および/または症状の緩和のために、ヒトを含む哺乳動物において処置剤として使用する。本発明の化合物を含有する組成物は、慢性痛および/または異痛症の緩和に主に使用するが、それに限定されない。いくつかの本発明化合物は、α2Aアドレナリン受容体よりα2Bおよび/またはα2Cアドレナリン受容体に特異的または選択的であるという明らかな有利な特性を有する。さらに、いくつかの本発明のα2作動剤化合物は、心臓血管および/または鎮静作用を有さないかまたは最小限に有するにすぎない。
【0018】
(発明の詳細な説明)
本発明化合物の一般的説明は、本特許出願の概要の項で式1を参照して行った。そのような式で示される化合物のいくつかは、トランス(E)およびシス(Z)異性体形で存在しうることが当業者に明らかである。さらに、いくつかの本発明化合物は、1個またはそれ以上の不斉中心を有し、従って、該化合物は鏡像異性体形およびジアステレオ異性体形で存在しうる。特に指定しなければ、本発明は、全てのトランス(E)およびシス(Z)異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体およびラセミ混合物を包含する。いくつかの本発明化合物は、医薬的に許容される酸または塩基との塩を形成し、従って、そのような式1の化合物の医薬的に許容される塩も本発明に含まれる。
【0019】
本発明のイミダゾール−2−チオン化合物は互変異性変換を受けることができ、下記の互変異性式で示すことができる。式1の全ての互変異性体は本発明に含まれる。
【化4】

【0020】
式1に関して通例、本発明の好ましい化合物においてはR1がH、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、またはCH2OR2である。より好ましくはR1の一方がHで他方が1〜4個の炭素原子を有するアルキルである。より一層好ましくは、R1の一方がメチルで他方がHである。
【0021】
値pは好ましくは2または0であり、pが0であるとき本発明化合物の該芳香環部分に置換基R3が存在しない。pが2である好ましい本発明化合物においては、該置換基は好ましくは、ハロゲンF、Cl、BrおよびI、および1〜4個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキルから独立に選択する。より一層好ましくは、pが2であるとき、該置換基をF、ClおよびCF3から独立に選択する。あるいはR3は好ましくはCH2OHで、C(R1)2基に対してメタ位に存在する。
好ましい本発明化合物においては、2個のR3置換基が、フェニル環上でC(R1)2部分に対してオルト位およびメタ位に存在する。
【0022】
最も好ましい本発明化合物の構造式を、α2A、α2Bおよびα2Cアドレナリン受容体作動剤としての活性を測定するアッセイにおけるそれらの活性と共に、表1に示す。
【0023】
【表1】

【0024】
(本発明化合物を得る一般法)
反応式AおよびBは、4-(置換フェニルメチル)-イミダゾール-2-チオンを得る一般法を示す。
【0025】
反応式Aは、式2のケトンを使用し、これは、販売元から得ることができるか、または化学文献および特許文献において既知の方法によるか、もしくは有機合成化学者に容易に明らかな既知の方法の改変法によって得られる。記号R1は、式1に関して定義した通りである。式2の化合物を、4-ヨード-1-トリフェニルメチル(トリチル)-1H-イミダゾールのグリニャール試薬と反応させて(参考として本明細書中に組み込まれるCliffら, Synthesis (1994) 681を参照されたい)、式3のトリチル保護ヒドロキシイミダゾール化合物を得る。架橋ヒドロキシル成分の脱酸素を、当分野で既知のいくつかの方法で行うことができる。例えばトリエチルシラン中でトリフルオロ酢酸で処理し、次に、トリチル基を酸性脱保護して、式4の化合物および(脱離経路による)ビニル性物質の混合物を得る。該ビニル性物質の還元によっても式4のイミダゾールが生成する。式4のイミダゾールを、炭酸水素ナトリウムおよび水の存在下にフェニルクロロチオノホルメートと反応させ、次に、塩基、例えばトリエチルアミンで処理して、式1の4-(置換フェニルメチル)-イミダゾール-2-チオンを得る。
【0026】
【化5】

【0027】
反応式Bは、式5のアルデヒド出発物質を使用し、これは、販売元から入手することができるか、または化学文献および特許文献における既知の方法によって、もしくは有機合成化学者に容易に明らかな既知の方法の改変法によって製造することができる。式5のアルデヒドを、トシルメチルイソシアニド(TosMIC)およびシアン化ナトリウムと反応させ、次に、過剰のアンモニアの存在下で加熱して、式6のイミダゾール化合物を得る。式6のイミダゾール化合物を、前記のようにフェニルクロロチオノホルメートと反応させて、式1の化合物を得る。
【0028】
【化6】

【0029】
(生物学的活性、投与様式)
本発明のイミダゾール−2−チオン化合物はα2アドレナリン受容体作動剤である。α2受容体における本発明化合物の活性は、Receptor Selection and Amplification Technology(RSAT)アッセイと称するアッセイにおいて示され、該アッセイは、Messier他(1995)、Pharmacol. Toxicol. 76:308〜311頁(参考として本明細書中に組み込まれる)に記載されており、以下にも説明する。このアッセイに関しては、Conklin他(1993)、Nature、363:274〜6(参考として本明細書中に組み込まれる)にも記載されている。
【0030】
Receptor Selection and Amplification Technology (RSAT) アッセイ
RSATアッセイでは、コンフルエント細胞の混合集団における受容体含有細胞の選択的な増殖をもたらす、接触阻害の受容体仲介による低下が測定される。細胞数の増大が、96ウエル形式でその活性を容易に測定することができるβ−ガラクトシダーゼなどの適切なトランスフェクションされたマーカー遺伝子を用いて評価される。Gタンパク質Gqを活性化する受容体により、この応答が誘発される。α2受容体は、通常Giと共役するが、Gq/i5と呼ばれるGi受容体認識ドメインを有するハイブリッド型Gqタンパク質と同時に発現したときにRSAT応答を活性化する。
【0031】
NIH−3T3細胞を15cmディッシュに2x106細胞の密度で置床し、10%ウシ血清が補充されたダルベッコ改変イーグル培地中で維持する。1日後、細胞を、p-SV-β-ガラクトシダーゼをコードする哺乳動物発現プラスミド(5〜10μg)、受容体をコードする哺乳動物発現プラスミド(1〜2μg)およびGタンパク質をコードする哺乳動物発現プラスミド(1〜2μg)でリン酸カルシウム沈殿によって同時トランスフェクションする。40μgのサケ精子DNAもまた、トランスフェクション混合物に含めることができる。新鮮な培地を翌日および1〜2日後に加え、細胞を集め、50アッセイ分の各量で凍結する。
【0032】
細胞を解凍して、100μlを、96ウエルディッシュにおいて三連で様々な濃度の薬物100μl量に加える。インキュベーションを37℃で72〜96時間続ける。リン酸塩緩衝化生理的食塩水で洗浄した後、β−ガラクトシダーゼの酵素活性を、200μlの発色性基質(リン酸塩緩衝化生理的食塩水において3.5mMのo−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシドおよび0.5%のノニデットP−40からなる)を加え、30℃で一晩インキュベーションして、光学密度を420nmで測定することによって測定する。吸光度は酵素活性の尺度であり、これは細胞数に依存し、そして受容体により仲介される細胞増殖を反映している。効力または内活性を、それぞれの受容体サブタイプに対する標準的な完全作動剤の最大作用に対する薬物の最大作用の比として計算する。UK14304とも呼ばれるブリモニジン(化学構造は下記の通り)を、α2A受容体、α2B受容体およびα2C受容体に対する標準的な作動剤として使用する。
【化7】

【0033】
本発明により処置し得る疾患は下記病態の神経変性状態を包含するが、それに限定されない:
黄斑/網膜変性
非滲出性加齢黄斑変性症(ARMD)、滲出性加齢黄斑変性症(ARMD)、脈絡膜新血管形成、糖尿病性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、類嚢胞黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫、近視性網膜変性、
【0034】
ブドウ膜炎/網膜炎/脈絡膜炎/他の炎症性疾患
急性多発性斑状網膜色素上皮症、ベーチェット病、Birdshot Retinochoroidopathy、感染症(梅毒、ライム病、結核、トキソプラズマ症)、中間部ブドウ膜炎(扁平部炎)、多病巣性脈絡膜炎、多発性消失性白点症候群(MEWDS)、眼サルコイドーシス、後部強膜炎、匍行性脈絡膜炎、網膜下線維症およびブドウ膜炎症候群、原田症候群、Punctate Inner Choroidopathy、急性後部多発性斑状網膜色素上皮症、急性網膜色素上皮炎、Acute Macular Neuroretinopathy、
【0035】
血管疾患/滲出性疾患
糖尿病性網膜症、網膜動脈閉塞性疾患、網膜中心静脈閉塞症、播種性血管内凝固、網膜静脈分枝閉塞症、高血圧眼底変化、虚血性眼症候群、網膜動脈毛細血管瘤、コーツ病、傍中心窩毛細血管拡張症、半網膜静脈閉塞症、乳頭静脈炎、網膜中心動脈閉塞症、網膜動脈分枝閉塞症、頸動脈疾患(CAD)、Frosted Branch Angiitis、鎌状赤血球網膜症および他の異常血色素症、網膜色素線条、家族性滲出性硝子体網膜症、イールズ病、
【0036】
外傷性/外科的/環境的
交感性眼炎、ブドウ膜炎網膜疾患、網膜剥離、外傷、レーザー、PDT、光凝固、術中の血流低下、放射線網膜症、骨髄移植網膜症、
増殖性疾患
増殖性硝子網膜症および網膜上膜、
【0037】
感染性疾患
眼ヒストプラズマ症、眼トキソカリア症、推定眼ヒストプラズマ症候群(POHS)、眼内炎、トキソプラズマ症、HIV感染に関連する網膜疾患、HIV感染に関連する脈絡膜疾患、HIV感染に関連するブドウ膜炎疾患、ウイルス性網膜炎、急性網膜壊死、進行性網膜外層壊死、真菌性網膜疾患、眼梅毒、眼結核、広汎性片眼性亜急性神経網膜炎、蝿蛆症、
【0038】
遺伝性疾患
網膜色素変性症、網膜ジストロフィーを伴う全身性疾患、先天性固定夜盲症、錐体ジストロフィー、スタルガルト病および黄色斑眼底、ベスト病、網膜色素上皮のパターンジストロフィー、X連鎖網膜分離症、Sorsby眼底ジストロフィー、良性同心性黄斑症、Bietti's Crystalline Dystrophy、弾性線維性仮性黄色腫、
【0039】
網膜裂傷/裂孔
網膜剥離、黄斑円孔、巨大網膜裂傷
腫瘍
腫瘍に関連する網膜疾患、RPEの先天性肥大、後部ブドウ膜黒色腫、脈絡膜血管腫、脈絡膜骨腫、脈絡膜転移、網膜および網膜色素上皮の複合過誤腫、網膜芽腫、眼底の血管増殖性腫瘍、網膜星細胞腫、眼内リンパ腫。
【0040】
本発明のいくつかの例示化合物を用いたRSATアッセイの結果を、該例示化合物の化学式と共に上記表1に示す。NAは10μMよりも低い濃度で「不活性」であることを意味する。
【0041】
通例、α作動剤は、ストレスの多い時期に通常関連する交感神経過敏状態を緩和し得る。そのような状態は、下記神経学的状態を包含する:1)片頭痛および他の頭痛に特徴的な、刺激(例えば頭蓋内圧、光および音)に対する感受性の亢進;2)過敏性腸症候群および他の胃腸障害(例えば機能性消化不良)に特徴的な、結腸刺激に対する感受性の亢進;3)乾癬および他の皮膚科学的症状に関連する掻痒感;4)筋緊張および痙縮;5)線維筋痛のような状態に特徴的な、通常は無害な刺激(例えば軽く触れること)に対する感受性および自発痛;6)高血圧、頻脈、心虚血および末梢血管収縮に関与する種々の心血管疾患;7)肥満およびインスリン抵抗性を包含する代謝障害;8)行動障害、例えば薬物およびアルコール依存、強迫性障害、トゥレット症候群、注意欠陥障害、不安およびうつ病;9)免疫系の機能変化、例えば自己免疫疾患(紅斑性狼瘡およびドライアイ疾患を包含する);10)慢性炎症性疾患、例えばクローン病および胃炎;11)発汗(発汗過多)および震え;並びに12)性的機能不全。
【0042】
α2B/2C作動剤を包含するα作動剤は、以下の状態の処置にも有用である:緑内障、高眼圧、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、ALS、統合失調症、虚血性神経損傷、例えば卒中または脊髄損傷、次のような場合に起こる網膜損傷:緑内障、黄斑変性、糖尿病性網膜症、網膜ジストロフィー、レーバー視神経症、他の視神経症、神神経炎(しばしば多発性硬化症に関連する)、網膜静脈閉塞症、並びに光線力学療法およびLASIXのような処置。また、慢性痛状態、例えば癌の痛み、術後疼痛、異痛、神経障害性の痛み、CRPSまたは灼熱痛、内臓痛にも有用である。
【0043】
ある化合物がα2A受容体よりもα2Bまたはα2C受容体に対してより活性で、好ましくは少なくとも10倍活性である場合に、その化合物はα2A受容体よりもα2Bおよび/またはα2Cアドレナリン受容体に選択的な作動剤であると見なす。いくつかの本発明化合物は、3つのα受容体すべての作動剤(汎作動剤)であり、他の本発明化合物は、α2B受容体に選択的または特異的である。
【0044】
すなわち、本発明のイミダゾール−2−チオン化合物は、α2Bおよび/またはα2Cアドレナリン受容体作動剤による処置に応答し得る神経学的状態の病態および疾患を処置するのに有用である。そのような状態および疾患は、痛み、例えば慢性痛(内臓、炎症、関連または神経障害に由来するものであり得るが、それらに限定されない)、神経障害性の痛み、角膜痛、緑内障、高眼圧の低下、虚血性神経障害および他の神経変性疾患、下痢および鼻閉を包含するが、それらに限定されない。慢性痛は、以下のような状態(それらに限定されない)の結果として、またはそれに付随して起こるものであり得る:関節炎(慢性関節リウマチを包含する)、脊椎炎、痛風性関節炎、骨関節炎、若年性関節炎、および自己免疫疾患、例えば紅斑性狼瘡(これに限定されない)。内臓痛は、癌によって起こる痛み、または癌の処置、例えば化学療法もしくは放射線療法に付随する痛みを包含し得るが、それに限定されない。更に、本発明の化合物は、筋痙縮、例えば過活動排尿、尿分泌増加、禁断症候群、神経変性疾患、例えば視神経症、脊髄虚血および卒中、記憶および認知欠損、注意欠陥障害、精神病、例えば躁病、不安、うつ病、高血圧、うっ血性不全、心虚血および鼻閉、慢性胃腸炎、クローン病、胃炎、過敏性腸疾患(IBD)、機能性消化不良および潰瘍性大腸炎の処置にも有用である。
【0045】
本発明の化合物の活性は、該化合物を哺乳動物に投与しても鎮静または顕著な心血管作用(例えば血圧または心拍数の変化)をもたらさないので非常に有利である。
【0046】
本発明化合物は、他のα受容体作動剤に関して一般に認められる鎮静および心血管機能低下などの望ましくない副作用が最小限で、特に慢性痛モデルにおいて非常に効果的な鎮痛薬として作用し、使用しうる。
【0047】
本発明化合物は薬学的に効果的な投薬量で投与することができる。そのような投薬量は通常、所望する処置効果を達成するために必要な最小用量である。慢性痛の処置において、この量は、概ね、痛みによって生じる不快感を許容できるレベルに低下させるために必要な量であり得る。通例、そのような用量は1〜1000mg/日の範囲内であり得、より好ましくは10〜500mg/日の範囲内であり得る。しかし、任意の特定の場合に投与される化合物の実際の量は、痛みの重篤度、患者の年齢および体重、患者の全体的な身体状態、痛みの原因、投与経路などの関連する状況を考慮に入れて医師によって決定され得る。
【0048】
本発明の化合物は、哺乳動物(特にヒト)における痛みの処置において有用である。好ましくは、患者に化合物を、錠剤、液剤、カプセル、粉末剤などの任意の受容可能な形態で経口投与し得る。しかし、特に患者に悪心がある場合には、他の経路が望ましいか、または必要になり得る。そのような他の経路としては、限定されないが、経皮的、非経口的、皮下、鼻内、くも膜下、筋肉内、静脈内および直腸内の送達様式を挙げることができる。さらに、配合物を、所与の期間にわたって活性な化合物の放出を遅らせるために、または処置期間中の所与の時間で放出される薬物の量を慎重に制御するために設計することができる。
【0049】
本発明の別の態様は、式1の化合物およびこれらの化合物の薬学的に受容可能な塩と、薬学的に受容可能な賦形剤とを含む医薬組成物に関する。そのような賦形剤はキャリアまたは希釈剤であり得る:賦形剤は通常、活性な化合物と混合されるか、あるいは活性な化合物の希釈または封入を可能にする。希釈剤である場合、該キャリアは、固体、半固体または液体の物質であり得、活性な化合物に対する賦形剤またはビヒクルとして作用する。配合物はまた、湿潤化剤、乳化剤、保存剤、甘味剤および/または矯味矯臭剤を含むことができる。眼用形式または注入形式で使用されるような場合、配合物は通常、配合物の浸透圧に影響を及ぼす1つまたは複数の塩を含有し得る。
【0050】
別の局面において、本発明は、式1の化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩の1種またはそれ以上を、それを必要とする哺乳動物に投与することによって痛み(特に、慢性痛)を処置する方法に関する。上記に示されているように、化合物は通常、所望する送達様式に合う形態に製剤化し得る。
【0051】
慢性痛(ガン、関節炎および多くの神経障害性外傷に由来する痛みなど)と、急性痛(組織の切開、つねる、突くまたは圧迫などの即時的な物理的刺激によって生じる痛みなど)とは、異なる神経線維および神経受容体によって、または慢性的な刺激を受けたときのこれらの神経の機能の再編成もしくは変化によって、大きな程度で仲介される異なる神経学的現象であることが知られている。急性痛の感覚は、機械的、熱的および化学的な刺激に対する高い閾値を通常の場合には有するC線維と呼ばれる求心性の神経線維によって主に、極めて迅速に伝達される。慢性痛の機構は完全には解明されていないが、急性の組織傷害は、痛み応答を誘発させるために必要な刺激の大きさを局所的に低下させることを含む二次的な徴候を、最初の刺激を受けてから数分後または数時間後の内に生じさせ得る。この現象は、典型的には最初の刺激部位に由来する領域(しかし、そのような部位よりも大きい領域)において生じ、痛覚過敏と呼ばれている。この二次的な応答は、機械的刺激または熱的刺激に対して非常に高まった感受性を生じさせ得る。
【0052】
A求心性線維(Aβ線維およびAδ線維)は、C線維よりも低い閾値で刺激され得るが、慢性痛の感覚に関与しているようである。例えば、正常な条件のもとでは、これらの線維の低い閾値の刺激(軽くなでるまたはくすぐるなど)は痛みを伴わない。しかし、ある種の状態、例えば神経傷害後の状態、または帯状疱疹として知られているヘルペスウイルス媒介症状のある状態では、そのような軽い接触または衣類の擦れさえも非常な痛みを伴い得る。このような状態は異痛と呼ばれ、少なくとも部分的にはAβ求心性神経によって仲介されているようである。C線維もまた慢性痛の感覚に関与し得るが、もしそうであるならば、ニューロンの長時間にわたる持続した興奮が、慢性痛の感覚を生じさせる何らかの種類の変化を生じさせるようである。
【0053】
「急性痛」とは、切り傷、圧迫、火傷などの傷害によって、またはトウガラシの活性成分であるカプサイシンにさらされたときに経験する刺激などの化学的刺激によってもたらされる、即時的で、通常の場合には高い閾値の痛みを意味する。
【0054】
「慢性痛」とは、限定されないが、神経障害性の痛み、内臓痛(クローン病および過敏性腸症候群(IBS)によってもたらされる痛みを含む)および関連痛などの、急性痛以外の痛みを意味する。
【0055】
一態様は、請求項1に記載の化合物を処置有効用量で含有する医薬組成物を投与することによって、α2Bまたはα2Cアドレナリン受容体の活性化を必要とする哺乳動物において該活性化を行う方法である。
【0056】
他の一態様は、該医薬組成物を哺乳動物に投与して痛みを緩和する方法である。
他の一態様は、該医薬組成物を哺乳動物に投与して慢性痛を緩和する方法である。
他の一態様は、該医薬組成物を哺乳動物に投与して異痛を緩和する方法である。
他の一態様は、該医薬組成物を経口投与する方法である。
他の一態様は、該医薬組成物を腹腔内投与する方法である。
【0057】
他の一態様は、該組成物を哺乳動物に投与して、慢性痛、内臓痛、神経障害性の痛み、角膜痛、緑内障、高眼圧、虚血性神経障害、神経変性疾患、下痢、鼻閉、筋痙縮、尿分泌増加、禁断症候群、神経変性疾患、視神経症、脊髄虚血、卒中、記憶および認知欠損、注意欠陥障害、精神病、躁病、不安、うつ病、高血圧、うっ血性心不全、心虚血、関節炎、脊椎炎、痛風性関節炎、骨関節炎、若年性関節炎、自己免疫疾患、紅斑性狼瘡、慢性胃腸炎、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群(IBS)、機能性消化不良および潰瘍性大腸炎から成る群から選択する状態を処置する方法である。
【0058】
他の一態様は、前記組成物を哺乳動物に投与して緑内障を処置する方法である。
他の一態様は、前記組成物を哺乳動物に投与して神経障害または神経変性疾患を処置する方法である。
他の一態様は、前記組成物を哺乳動物に投与して筋痙縮を処置する方法である。
【0059】
本発明化合物の生物学的活性を裏付けるために、下記インビボアッセイを行いうる。
鎮静活性
鎮静を試験するために、6匹のオスSprague-Dawleyラットに、3mg/kgまでの試験化合物を生理的食塩水またはDMSOのビヒクルで腹腔内注射(i.p.)によって与える。鎮静は、薬物投与の30分後に、下記のように運動能力をモニターすることによって評価する。
【0060】
Sprague-Dawleyラットを体重測定して、1ml/kg体重の適切な濃度(すなわち、3mg/kgの最終用量については3mg/ml)の薬物溶液を腹腔内に注射する。通例、試験化合物を約10〜50%のDMSO中に配合する。結果を、1ml/kgの生理的食塩水または10〜50%のDMSOを注射したコントロールと比較する。ラットの活動を、薬物溶液を注射した30分後に評価する。ラットを暗い蓋付きチャンバーに入れ、デジコム(digicom)アナライザー(Omnitech Electronic)により、それらの調査用行動を5分間にわたって定量化する。この装置では、ラットがX方向およびY方向の32本の光電ビームのアレイを遮る各時間が記録される。
【0061】
本発明の化合物1および3を、このアッセイにおいて1mg/kgまでの用量で腹腔内投与して試験したところ、鎮静作用は認められなかった。他の本発明化合物によるこの試験の結果も、本発明化合物に顕著な鎮静作用がないことを示すものと期待される。
【0062】
心血管系に対する作用
心血管系に対する化合物の作用を試験するために、通例6匹のカニクイザルに対して、500μg/kgの試験化合物を静脈内注射(i.v.)により与える。あるいは3mg/kgを経口胃管投与する。動物の血圧および心拍数に対する化合物の作用を、薬物投与の30分後から6時間後までいくつかの時間間隔で測定する。薬物投与の30分前に得られたベースライン測定値からのピーク変化を、サルにおける使用のための改造された血圧計パッドを使用して記録する。
【0063】
詳しくは、通例、サルを体重測定し(約4kg)、10〜50%のDMSOに配合した試験化合物の5mg/ml溶液の適量(0.1ml/kg)を動物の腕の橈側皮静脈内に注射する。心血管の測定を、0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間後および6時間後にBP100S自動血圧計(Nippon Colin、日本)を用いて行う。
この試験の結果は、本発明化合物が心血管系に対する検出可能な作用を全くもたらさないか、または殆どもたらさないことを示すと期待される。
【0064】
急性痛の緩和
急性痛に対する感受性を測定するためのモデルでは、典型的には、熱刺激を急性的に加える。そのような刺激は、影響を受けた領域をその刺激から離すプログラムされた逃避メカニズムを引き起こす。適切な刺激は、高い閾値の熱受容体およびC線維後根神経節ニューロン(痛みシグナルを脊髄に伝達する)の活性化を伴うと考えられる。
【0065】
逃避応答は、刺激された神経受容体からの求心性インプットを受け取り、「逃避」の神経筋応答を生じさせる脊髄ニューロンによってもっぱら生じるように「接続」され得るか、または脊椎上で、すなわち、脳のレベルで処理され得る。侵害反射を測定するために一般に使用されている方法では、熱刺激後の齧歯類の脚の引込または舌なめを定量化する。Dirig,D.M.他、J. Neurosci. Methods、76:183〜191(1997)、およびHargreaves, K. 他、Pain、32:77〜88(1988)を参照のこと(これらは参考として本明細書中に組み込まれる)。
【0066】
この後者のモデルの変型において、オスのSprague-Dawleyラットを、Hargreaves他の文献に記載されるように組み立てられた市販の熱刺激装置上に置くことによって試験した。この装置は、ガラスプレートを含む箱からなる。侵害受容的な刺激が、可動性の焦点調節した映写用電球によって与えられ、これにより、刺激を試験動物の一方または両方の後肢のかかとに加えることができる。タイマーを光源とともに作動させ、そして応答潜時(これは、刺激の適用から、後肢の突然の引込までの間の時間として定義される)を、タイマーおよび光を切るフォトダイオード運動センサーアレイの使用によって記録する。刺激の強さは、光源に対する電流を調節することにより制御することができる。加熱は、組織の損傷を防止するために20秒後に自動的に停止される。
【0067】
通例、グループあたり4匹の試験動物を体重測定し(約0.3kg)、そして約10〜50%のジメチルスルホキシド(DMSO)ビヒクルに配合した試験化合物の1ml/kgを腹腔内(i.p.)に注射する。動物には通例、3つの化合物を0.1mg/kgおよび1mg/kgの量で投与する。ラットは、試験する前の約15分間、試験チャンバーに慣れさせる。脚の引込潜時を、薬物投与の30分後、60分後および120分後に測定する。右脚および左脚を1分間ずらして試験し、それぞれの脚に対する応答潜時を平均化する。刺激強度は、45℃〜50℃の温度を各ラットの後肢に与えるのに十分である。
【0068】
慢性痛の緩和
慢性痛(特に末梢神経障害)のモデル(KimおよびChung, 1992, Pain 150, pp 355-363に従うChungモデル)では、実験動物の片側のL5(および必要な場合にはL6)脊髄神経を手術により結紮する。手術から回復したラットは体重が増え、正常なラットと類似する全体的活動レベルを示す。しかし、これらのラットは、後肢がわずかに外反し、足指が束ねられているという脚の異常を発症する。より重要なことには、手術による影響を受けた側の後肢は、手術後約1週間以内に、低い閾値の機械的刺激(例えばヒトにおいてはかすかな接触感覚を生じさせる刺激)からの痛みに対して感じやすくなっているようである。正常な場合には痛みにならない接触に対するこの感受性は「触覚異痛」と呼ばれており、少なくとも2ヶ月間にわたって続く。応答には、影響を受けた後肢を上げて刺激から逃避すること、脚をなめること、および脚を空中に長く保持することが含まれる。これらの応答はどれも、通常、コントロール群では認められない。
【0069】
ラットを手術前に麻酔する。手術部位を剃毛し、ベタジンまたはノバカイン(Novacaine)のいずれかで処置する。切開を胸椎XIIIから下に仙骨まで行う。筋肉組織をL4〜S2のレベルで脊椎(左側)から離す。L6脊椎を探し出して、横突起を、小さい骨鉗子を用いて注意して除き、L4〜L6の脊髄神経を露出させる。L5およびL6の脊髄神経を隔離して、6−0絹糸できつく結紮する。脊髄神経の結紮を行わないことを除いて、同じ手順をコントロールとして右側で行う。
【0070】
完全な止血を確認して、傷を縫合する。少量の抗生物質軟膏を切開領域に塗布して、ラットを、調節された熱温度ランプのもとでの回復用のプラスチックケージに移す。手術後少なくとも7日目の実験当日に、通例、試験群あたり6匹のラットに試験薬物を腹腔内(i.p.)注射または経口胃管投与によって投与する。i.p.注射の場合、化合物をdH2Oに配合し、1ml/kg体重の容量で、18ゲージ、3インチの強制経口投与針を用いて与える。針は食道から胃へとゆっくり挿入する。
【0071】
触覚異痛は、剛性が段階的に異なる一連の細い毛であるvon Frey毛を使用して薬物投与の前およびその30分後に測定する。ラットを金網目底のプラスチックケージに入れ、約30分間慣れさす。von Frey毛を、わずかに屈曲させるに十分な力で、ラットの後肢の足裏中央領域に網目を通して直角に当て、6秒〜8秒保つ。加える力は、0.41〜15.1グラムの範囲と計算されている。脚を素早く引っ込めた場合、それは陽性の応答であると見なされる。正常な動物はこの範囲の刺激には応答しないが、手術により結紮された脚は1〜2グラム毛に応答して引っ込める。50%の脚引込閾値を、Dixon,W. J.、Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 20:441〜462(1980)(参考として本明細書中に組み込まれる)の方法を使用して求める。投与後の閾値を投与前の閾値と比較して、触覚感受性の軽減率を15.1グラムの正常な閾値に基づいて計算する。
【0072】
マウススルプロストンモデルは、5μlの体積の50%DMSO中の200ngスルプロストン(プロスタグランジンE2受容体作動剤)でマウスをクモ膜下処置することによって、慢性痛、異痛を誘発することのできるもう一つのモデルである。このモデルにおいて、スルプロストンの最終投与の15分後からの35分間にわたり、塗装用ブラシで横腹を擦った際の痛み応答を8回測定する。Minamiら、57 Pain 217−223(1994)(参考として本明細書中に組み込まれる)。スルプロストン処置のみでは、16ポイントスケールにおける12〜13のスコアがもたらされる。
【0073】
このモデルの変形において、300μg/kgスルプロストンまたは30μg/kgフェニレフリンの腹腔内注射によって、異痛を誘発することができる。別法として、例えば5μlの体積で、dH2O中の100ngN−メチル−D−アスパルテート(NMDA)または30ngフェニレフリン(PE)をクモ膜下注射することによって異痛を誘発することもできる。
いずれのモデルにおいても、化合物をdH2O中に配合し、腹腔内(IP)投与の場合は1ml/kg体重の体積で投与する。
本発明化合物は痛みを緩和する鎮痛剤として有用であると考えられる。
【0074】
(特定実施態様、実験)
実施例A
方法A4-[1-(2,3-ジクロロ-フェニル)-エチル]-1,3-ジヒドロ-イミダゾール-2-チオンの製造手順(化合物1)
【化8】

【0075】
室温(rt)におけるジクロロメタン(44mL)中の4-ヨード-1-トリチルイミダゾール(参照により本明細書に組み入れられるCliffら、Synthesis(1994)681参照)(4.4g、10.1mmol)の混合物を、エチルマグネシウムブロミド(3.40mL、10.2mmol、エーテル中3M)で処理し、90分間反応させた。ジクロロメタン(10mL)中の2-ジクロロアセトフェノン(Lancasterから商業的に入手可能)(中間体A1)(1.0g、5.02mmol)の溶液を、シリンジによって20℃で添加し、16時間撹拌した。混合物を、塩化アンモニウムの飽和溶液(50mL)で鎮め、ジクロロメタン:CH2Cl2で希釈した。有機物質を水性ワークアップにおいて分離し、次に、CH2Cl2で抽出した。2%MeOH:CH2Cl2を使用するシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって残渣を精製して、1-(2,3-ジクロロ-フェニル)-1-(1-トリチル-1H-イミダゾル-4-イル)-エタノール(中間体A2)3.8gを固形物として得た。
【0076】
トリフルオロ酢酸(TFA)(5mL)およびトリエチルシラン(TES)(8.0mL、50mmol)中の、1-(2,3-ジクロロ-フェニル)-1-(1-トリチル-1H-イミダゾル-4-イル)-エタノール(中間体A2、約5.02mmol)を、室温で18時間反応させた。混合物を減圧蒸発させた。混合物を、酢酸エチルと1M NaOH溶液との間に分配した。水性層を酢酸エチルで抽出し、溜めた層を水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。残渣を濾過し、濾液をシリカゲル上に濃縮した。2%NH3-MeOH:CH2Cl2を使用するシリカゲルからの溶離によって物質を精製して、4-[1-(2,3-ジクロロ-フェニル)-ビニル]-1H-イミダゾール(中間体A3)および4-[1-(2,3-ジクロロ-フェニル)-エチル]-1H-イミダゾール(中間体A4)の4:1混合物0.77gを得た。
【0077】
メタノールおよび酢酸エチル中の4-[1-(2,3-ジクロロ-フェニル)-ビニル]-1H-イミダゾール(中間体A3)および4-[1-(2,3-ジクロロ-フェニル)-エチル]-1H-イミダゾール(中間体A4)の4:1混合物(0.77g)を、50psiのH2下に室温で16時間にわたってPtO2(180mg)の作用によって還元した。混合物をセライトで濾過し、溶媒を減圧除去した。残渣は中間体A3および中間体A4の1:1混合物であり、これをさらに精製せずに次の段階に使用した。
【0078】
テトラヒドロフラン(THF)(10mL)および水(10mL)中の4-[1-(2,3-ジクロロ-フェニル)-エチル]-1H-イミダゾール(中間体A4)および4-[1-(2,3-ジクロロ-フェニル)-ビニル]-1H-イミダゾール(中間体A3)の1:1混合物(0.77g、3.2mmol)を、NaHCO3(1.64g、19.5mmol)で室温において10分間処理した。フェニルクロロチオノホルメート(1.1mL、7.95mmol)を添加し、撹拌を5時間継続した。混合物を水で希釈し、ヘキサン:酢酸エチル(3x)で抽出した。有機部分を合し、MgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を真空除去した。残渣をMeOH(20mL)に溶解し、トリエチルアミン(NEt3)(1mL)で室温において18時間処理した。混合物をシリカゲル上に濃縮した。1〜2%MeOH:CH2Cl2を使用するシリカゲルからの溶離によって物質を精製した。固形物をCHCl3:ヘキサンでトリチュレートし、ガラスフリット上に集めて、白色固形物4-[1-(2,3-ジクロロ-フェニル)-エチル]-1,3-ジヒドロ-イミダゾール-2-チオン(化合物1)40mgを得た。
【0079】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ11.9 (br s, 1H), 11.8 (br s, 1H), 7.52 (dd, J = 1.2, 7.8 Hz, 1H), 7.32 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 1.6, 7.8 Hz, 1H), 6.62 (br s, 1H), 4.34 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 1.43 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
【0080】
実施例A-2(化合物2)
方法Aにおいて、2-フルオロアセトフェノン(Lancasterから商業的に入手可能)を使用し、段階4において、PtO2の代わりに10%Pd/C触媒を使用して、4-[1-(2,3-ジフルオロ-フェニル)-エチル]-1,3-ジヒドロ-イミダゾール-2-チオン(化合物2)を得た。
1H NMR (300 MHz, メタノール-d4): δ7.19-7.06 (m, 2H), 6.98-6.92 (m, 1H), 6.64 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.33 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 1.55 (d, J = 7.5 Hz, 3H).
【0081】
実施例B
方法B4-[1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-1,3-ジヒドロ-イミダゾール-2-チオンの製造手順(化合物3)
【化9】

【0082】
2-フルオロ-3-トリフルオロメチルアセトフェノン(中間体B1)(Lancasterから商業的に入手可能)を、方法Aの適切な工程段階(前記反応式に示す)に付して、1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-1-(1-トリチル-1H-イミダゾル-4-イル)-エタノール(中間体B2)を得た。
【0083】
酢酸(13mL)および水(3mL)中の1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-1-(1-トリチル-1H-イミダゾル-4-イル)-エタノール(中間体B2)(4.7mmol)を、100℃に1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、2M NaOHで塩基性にした。化合物を酢酸エチルで抽出し、溶液をシリカゲル上に濃縮した。生成物を3〜5%NH3-MeOH:CH2Cl2で溶離して、1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-1-(1H-イミダゾル-4-イル)-エタノール(中間体B3)1.1g(85%)を得た。
【0084】
1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-1-(1H-イミダゾル-4-イル)-エタノール(中間体B3)(1.0g、3.65mmol)を、方法Aのように、TFAおよびTESで55℃において28時間処理して、4-[1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-ビニル]-1H-イミダゾール(中間体B4)および少量の4-[1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-1H-イミダゾール(中間体B5)の混合物を、遊離塩基として得た。
【0085】
メタノールおよび酢酸エチル中の、4-[1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-ビニル]-1H-イミダゾール(中間体A4)および中間体B5(約0.80g、3.1mmol)を、40psiのH2下に室温で16時間にわたって10%Pd/C(130mg)の作用によって還元した。混合物をセライトで濾過し、溶媒を減圧除去した。5%NH3-MeOH:CH2Cl2を使用するシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって、残渣を精製した。イミダゾール中間体B5(約0.77g)化合物を、0.9当量のフマル酸(310mg)で処理した。この物質をTHF/ヘキサンでトリチュレートして、4-[1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-1H-イミダゾールフマル酸塩(中間体B5)約1gを得た。
【0086】
4-[1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-1H-イミダゾールフマル酸塩(中間体B5)(約1g)を、方法Aにおける適切な工程段階に付して、純粋4-[1-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-1,3-ジヒドロ-イミダゾール-2-チオン(化合物3)136mgを得た。
1H NMR (300 MHz, メタノール-d4) δ7.59 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 7.30 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 4.40 (q, J = 7.5 Hz, 1H), 1.56 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
【0087】
実施例C
方法C4-(1-フェニル-エチル)-1,3-ジヒドロ-イミダゾール-2-チオンの製造手順(化合物4)
【化10】

【0088】
中間体C2の製造は、参照により本明細書に組み入れられるHorne, D. A.;Yakushijin, K.;Buechi, G., Heterocycles, 1994, 39, 139による手順に従って行った。EtOH(15mL)中の2-フェニル-プロピオンアルデヒド(中間体C1)(0.75g、4.57mmol)の溶液を、トシルメチルイソシアニド(TosMIC)(1.4g、7.18mmol)およびNaCN(約10mg、触媒)で処理した。得られた混合物を室温で20分間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をMeOH中の約7M NH3(45mL)に溶解させ、再密閉可能な試験管に移した。この混合物を再密閉可能な試験管において90〜100℃で12時間加熱した。次に、混合物を濃縮し、5%MeOH(NH3で飽和):CH2Cl2を使用するSiO2上でのクロマトグラフィーによって精製して、5-(1-フェニル-エチル)-1H-イミダゾール(中間体C2)0.4g(31%)を琥珀色油状物として得た。
【0089】
THF(6mL)および水(6mL)中の5-(1-フェニル-エチル)-1H-イミダゾール(中間体C2)(0.20g、1.16mmol)の溶液を、NaHCO3(0.98g)で室温において10分間(10sm)処理した。フェニルクロロチオノホルメート(0.40mL、約3.0mmol)を添加し、撹拌を3時間継続した。混合物を水(10mL)で希釈し、エーテル(3x15mL)で抽出した。有機部分を合し、MgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を除去した。残渣をMeOH(8mL)に溶解し、NEt3(1mL)で16時間処理した。溶媒を真空除去し、50%CH2Cl2:ヘキサンを使用してガラスフリット上で生成物を洗浄して、4-(1-フェニル-エチル)-1,3-ジヒドロ-イミダゾール-2-チオン(化合物4)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6 w/TMS): δ11.9 (s, 1H), 11.7 (s, 1H), 7.32-7.21 (m, 5H), 6.55 (s, 1H), 3.89 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 1.46 (d, J = 6.9 Hz, 3H).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、
R1は、独立して、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、(CH2)nCN、(CH2)n-OR2、(CH2)n-NR4R5であり;
nは、1、2および3から選択される整数であり;
R2は、独立して、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、C(O)R4、炭素環式アリール、またはN、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子1〜3個を有する複素環式アリールであり;
pは、0、1、2、3、4および5から選択される整数であり;
R3は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、2〜4個の炭素原子を有するアルケニル、2〜4個の炭素原子を有するアルキニル、F、Cl、Br、I、N3、NO2、(CH2)q-OR2、(CH2)q-NR5R6、(CH2)q-CN、C(O)R4、C(O)OR4、(CH2)q-SO2R4、炭素環式アリール、またはN、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子1〜3個を有する複素環式アリールから成る群から独立に選択され;
qは、0、1、2および3から選択される整数であり;
R4は、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、炭素環式アリール、またはN、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子1〜3個を有する複素環式アリールであり;
R5およびR6は、独立して、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、C(O)R4、またはベンジルである]
で示され、但し、式:
【化2】

で示される化合物ではない化合物。
【請求項2】
下記の式で示される請求項1に記載の化合物:
【化3】

【請求項3】
下記の式で示される請求項2に記載の化合物:
【化4】

【請求項4】
R3が、F、ClおよびCF3から独立に選択される請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
R3が、F、ClおよびCF3から独立に選択される請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
pが0である請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
pが2である請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
下記の式で示される化合物:
【化5】

[式中、R3は、H、F、ClおよびCF3から独立に選択される]。
【請求項9】
下記の式で示される請求項8に記載の化合物:
【化6】

【請求項10】
下記の式で示される請求項8に記載の化合物:
【化7】

【請求項11】
下記の式で示される請求項8に記載の化合物:
【化8】

【請求項12】
下記の式で示される請求項8に記載の化合物:
【化9】

【請求項13】
下記の疾患を処置するために、処置有効用量の請求項1に記載の化合物を含有する医薬組成物を哺乳動物に投与することを含んで成る方法:
慢性痛、内臓痛、神経障害性の痛み、角膜痛、緑内障、高眼圧、虚血性神経障害、神経変性疾患、下痢、鼻閉、筋痙縮、尿分泌増加、禁断症候群、神経変性疾患、視神経症、脊髄虚血、卒中、記憶および認知欠損、注意欠陥障害、精神病、躁病、不安、鬱病、高血圧、鬱血性心不全、心虚血、関節炎、脊椎炎、痛風性関節炎、骨関節炎、若年性関節炎、自己免疫疾患、紅斑性狼瘡、慢性胃腸炎、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群(IBS)、機能性消化不良、潰瘍性大腸炎またはそれらの組合せ。
【請求項14】
痛みを処置するために、医薬組成物を哺乳動物に投与する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
神経障害性の痛みを処置するために、医薬組成物を哺乳動物に投与する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
内臓痛を処置するために、医薬組成物を哺乳動物に投与する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
医薬組成物を経口投与する請求項13に記載の方法。
【請求項18】
医薬組成物を腹腔内投与する請求項13に記載の方法。
【請求項19】
緑内障を処置するために、組成物を哺乳動物に投与する請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2008−514601(P2008−514601A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533510(P2007−533510)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/031790
【国際公開番号】WO2006/036480
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】