状態遷移表の表示方法及び表示装置
【課題】状態遷移表を見通しよく、内容の把握しやすい構成とすることを目的とする。
【解決手段】複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとを有する状態遷移表を作成して表示させる場合において、各状態項目を行項目と列項目の両方に分散して配置する。または、状態項目とイベント項目の両方を行項目もしくは列項目のどちらかに集約して配置する。
【解決手段】複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとを有する状態遷移表を作成して表示させる場合において、各状態項目を行項目と列項目の両方に分散して配置する。または、状態項目とイベント項目の両方を行項目もしくは列項目のどちらかに集約して配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベントの発生に応じて状態が遷移する状態遷移表の表示方法、及び表示装置に関し、特に、階層化された状態を持つ階層化状態遷移モデルを表現する状態遷移表の表示方法及びその表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベントの発生に応じて状態が遷移する状態遷移モデルを表現するために用いられていた状態遷移表は、それぞれの状態に対して一律に各イベントへの対応付けのみが記述されるものであった。このため、状態に条件分岐があってもその関係は表示動作に反映されていない。
【0003】
従って、階層状態を持つ状態遷移モデルを表現するためには、図20のように一つの状態遷移表内に下位の層まで含んだ全ての状態を収めることで対応していた。この例では、とりうる状態として「ON」と「OFF」の状態項目からなる状態1の階層と、「true」または「false」のどちらか一方の状態をとる状態2の階層と、「0>」または「else」の状態をとる状態3の階層が列項目として表示されている。
イベント項目であるE1とE2は行項目として配置されており、状態1〜状態3の条件の組み合わせにおいてイベントE1、またはE2が起きた時に生じる事象がa1〜a8及びb1〜b2として処理情報セルに表されている。
また、階層毎に1つの状態遷移表を割り当て、作成することによっても表現される。図21は、図20と同一の内容を状態の階層毎に1つの状態遷移表として表したものである。
この表現方法では、列項目に表示される状態1〜状態3の条件分岐毎に表を移動する。例えば、状態1, 2, 3がそれぞれ「ON」,「true」,「>0」をとる時のイベントE1に対する処理情報は、表0と表0.1と表0.1.1によりa1であることが表現される。
【0004】
このように状態は行項目、イベントは列項目というように、項目は行や列毎に固定して配列されるものでもあった。
【特許文献1】特開2001−325020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の状態遷移表では、階層化状態遷移モデルの全体を一つの表で表現した場合、最下位の階層まで展開されたすべての状態と、発生するすべてのイベントをひとつひとつ網羅的に対応させるものとなる。このような表示処理においては、階層やイベントの数が増えると表が大きくなり過ぎるため、全体の把握がしにくくなり、特に上位階層における状態遷移を把握することが困難になるという問題があった。
【0006】
また、特定の条件においてのみ生じるイベント、つまり限られた状態の階層においてのみ有効となるイベントについても、全ての状態ひとつひとつに対応する処理情報を定義する必要がある。このため、このような無効なイベントにも処理情報を定義する必要があり、作成時に余分な作業量を伴ってしまう。
【0007】
また、このような冗長な処理情報の定義に対しても、これに変更があった際には同様の変更をその他複数の定義に反映する必要があり、修正漏れによる不具合の原因となる。
【0008】
また、全てのイベントに対する処理情報が含まれているために、イベントに対して状態が有効であるか否か明確でない、さらには実装時の論理条件を明確にしにくいことがある。
【0009】
また、状態の各階層ごとに別個の状態遷移表を用いて表現する場合には、一つの階層内で遷移が完結する場合には把握しやすいものの、ある階層から別の階層へ遷移する時には複数の状態遷移表の間を移動することになり、把握しにくくなってしまう。
【0010】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、状態遷移表の構成を見通しがよいものとし、状態遷移の内容を把握しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明では、複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとを有する状態遷移表において、状態項目及びイベント項目のうち少なくとも1方の項目を行項目と列項目の両方に分散して配置する。または、状態項目とイベント項目の両方を行項目もしくは列項目のどちらかに集約して配置する。
【0012】
また、本発明は、複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとをもつ状態遷移表において、行項目から列項目または列項目から行項目に移動させる項目を選択する段階と、選択した項目の移動先を選択する段階と、移動先の上層の階層項目の構成に従って、前記選択した項目の移動後の構成を決定する段階と、前記選択した項目の構成に従って、移動先の下層の階層項目の構成を決定する段階と、移動元の上層の階層項目の構成に従って、選択した項目を移動させた後の下層の項目の構成を決定する段階と、決定した項目構成に従って、処理情報セルを配置する段階を有する。
【0013】
上記段階に加えて本発明では、イベント及び状態を行項目または列項目に集約し、ツリー表現する段階を有する。
【0014】
また、本発明は、任意の項目を選択する段階と、選択した項目よりも下層の項目を表示または非表示とする段階と、非表示とした項目に対応する処理情報定義セルの内容を1つのセルに集約表示する段階を有する。
【0015】
さらに、本発明は、イベントと状態をそれぞれ行項目または列項目に分けて構成した表に対し、1つの状態階層をイベント側の項目に移動する段階と、移動した状態に対応する処理を連続したセルに表示する段階を有する。
【0016】
また、本発明では、表示切替時に発生する処理情報定義セルの冗長定義を自動的に補完する機能と、イベントに対応する状態または状態に対応するイベントを追加した際に、例外条件を自動的に追加する機能を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、複数の状態項目と、複数のイベント項目とそれぞれの項目に対応する処理情報定義セルとを持つ状態遷移表において、各状態項目を行項目と列項目とに分散して配置、または状態項目とイベント項目の両方を列項目または行項目に集約して配置するようにしたので、表現の自由度が向上し、目的に応じて把握しやすい構成を選択できるようになる。
【0018】
また、複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとを持つ状態遷移表において、任意の状態項目またはイベント項目を列項目または行項目に移動し、行項目と列項目とを任意の組み合わせの表示に切り替え可能としたので、同一内容の状態遷移表に対して、目的に応じて把握しやすい構成を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態の例を、図1〜図19を参照して説明する。
【0020】
図1は本実施の形態の例における状態遷移表を表示する装置の概略構成図を示したものである。図1に示した状態遷移表表示装置1は、例えばパーソナルコンピュータ装置とその周辺機器とで構成させた例であり、図1は機能的な構成を示してある。
状態遷移表表示装置1は、データの制御を行う制御部1aと、作成された状態遷移表を表示する表示部1nと、状態遷移表の作成に必要となるテキスト入力を受け付けるキー入力部1kと、状態遷移表の項目選択等のポインティング入力を行うポインティング部1mと、制御部1aから表示部1nへの出力や入力部1kとポインティング部1mから制御部1aへの入力を制御する入出力制御部1hによって構成される。
【0021】
状態項目保持部1dとイベント項目保持部1eは、それぞれ状態遷移表における状態項目とイベント項目のデータを受付け、格納する。また、行項目保持部1fと列項目保持部1gでは状態遷移表における行項目と列項目のデータを受け付け、格納するとともに、これら状態項目及びイベント項目と行項目及び列項目との間の対応が互いに関連付けられている。表示作成部1cにおいて、これらデータをデータファイル部1bより読み出し、状態遷移表を作成すると、入出力制御部1hを通じて表示部1nに送られることで状態遷移表が表示される。
【0022】
また、キー入力部1k、ポインティング部1mにより状態遷移表にデータを追加または削除したり、変更を行う時には、データファイル部1bにおいてデータの更新や各項目同士の対応が変更される。そしてこのデータに基づき表示作成部1cにて状態遷移表の再構築が行われると表示部1nに反映される。
【0023】
図2は、背景技術の欄で説明した図20の状態遷移表を、上述した図1例の表示装置を用い、本実施の形態による表示処理にて表したものである。この状態遷移表は、列項目から行項目に移動させる項目を選択する段階と、選択した項目の移動先を選択する段階と、移動先の階層項目の上層の構成に従って、前記選択した項目の移動後の構成を決定する段階と、移動元の階層項目の上層の構成に従って、選択した項目を移動させた後に残った下層の項目の構成を決定する段階と、決定した項目構成に従って、処理情報セルを配置する段階とによって表示される。
【0024】
以下、本実施の形態における表示処理の流れを説明する。
まず最初に移動させたい項目を選び選択する。図3は、図20の状態遷移表において、状態2の項目を選択したものである。
そして次に選んだ項目の移動先を選択する。図4は、状態2の項目の移動先としてイベントの階層(この図の場合は1階層のみ)の直下を選択したものである。
【0025】
本実施の形態では、このようにして移動させる項目及び移動先を決めた後、移動先の上層の階層項目に従って、移動させる項目の移動後の構成を決定する。図5は、移動させる項目である状態2が取りうる値の「true」と「false」の両方を、イベントE1とE2の直下の階層それぞれに配置する構成としたものである。これにより行項目が決定されることになる。
【0026】
ところが、移動させる列項目を移動させた後、その下層の階層である状態3の項目は状態1の項目に直接ぶらさがった状態となる。つまり、ONとOFFの項目それぞれに「>0」と「else」の条件が2つずつ表記され重複した状態となってしまう。
このため、本実施の形態では、移動元の階層項目の上層の構成に従って、選択した項目を移動させた後に残った下層の項目の構成を決定する段階を踏むことにより、図6のように重複を整理し、見通しを良くすることができる。また、これにより列項目が決定される。
【0027】
こうして決定された行項目及び列項目の構成に従って処理情報定義セルを配置したものが図7である。ここで、イベントE2は状態1の条件によってのみ情報処理定義の値が決まっている。このように、イベントE2は状態1に対してのみ有効であるという定義の場合、状態2に対する定義は未定義とすることができる。このため本発明では図2のようにこれを「−」表示として統一する。
【0028】
このように、本実施の形態では、状態項目を行項目と列項目とに自由に分散して配置できるようにしたことで、上記のような重複した項目や未定義とできる項目を発見して統一し、冗長な表現を減らすことができる。またこのことにより表全体のセル数も減り、見通し良く、把握しやすい状態遷移表を作成することができる。
【0029】
以下に本発明の変形例を示す。
【0030】
[第1の変形例]
図8は、イベント及び状態を行項目に集約し、ツリー表現したものである。この場合は、列項目から行項目に移動させる項目を選択する段階と、選択した項目の移動先を選択する段階と、移動先の階層項目の上層の構成に従って、前記選択した項目の移動後の構成を決定する段階と、決定した項目構成に従って、処理情報セルを配置する段階とを、状態1〜状態3の階層項目それぞれに対して実施することで表示される。こうしたツリー表現は、処理実施のための理論条件式と一致するため、理論条件式を明確に表現しやすい。
ここで、イベントE2は状態1に対してのみ有効であるという場合、状態2及び状態3に対する処理は未定義とすることができる。このため、本実施例においても、これを「−」表示として統一し、イベントE2の状態2と状態3に対する冗長な定義を排除し、作業量を削減することができる。
【0031】
また、このような冗長な処理の定義をなくすことにより、変更があった際の修正漏れを防止でき、さらにイベントに対して無効な状態を定義しないため、有効か否かを明確に表現することができる。
【0032】
ところで、状態遷移表を実際に作成する際においては、イベントに対応する状態、または状態に対応するイベントを後から追加することがある。特に膨大な量の情報を処理する際には、このような追加されたイベントや状態、それに対する処理情報が新たに定義されているかどうか見落としてしまうことも懸念される。
【0033】
しかし、本実施の形態では、イベントに対応する状態、又は状態に対応するイベントを追加した際には、図9のように例外条件を自動的に追加するようにしてある。ここでは、イベント「E3」追加時に状態2の「true」に対する処理を定義した際に、その例外条件である「false」を自動的に追加し、処理の定義を促している。このようにすることで、処理の定義漏れを防ぐことができる。
【0034】
[第2の変形例]
図11は、イベントE1において状態1が「ON」である項目より下層の項目を非表示としたものである。この場合は、図10のように非表示に切り替えたい項目の真上層の項目を選択する。つまり、選択した項目より下層の項目を非表示とできる。
特に本実施の形態では、状態1より下の階層が非表示となっていることを明示するために、状態1の項目名の先頭に「+」記号を付加している。また、非表示とされた下層の状態2、状態3の処理情報セルの内容が複数の定義を持つことを明示するために「・・・」表示として表している。
【0035】
このように本実施の形態では、利用者が任意の階層の状態を選択し、当該状態階層より下層の階層の非表示を切り替えることで、利用者が着目する階層以下の情報を非表示とする。このため、利用者の用途に合わせて上層の状態遷移を把握しやすくすることができる。
また、全体を表す1つの状態遷移表に対して、用途に応じて表示を切り替えるため、状態の階層ごとに別個の状態遷移表を用いて表現する方法に比べ、階層間の状態遷移を把握しやすい。
【0036】
また、図12のように非表示とした項目に対応する処理情報セルの内容を1つのセルに集約表示することによっても、上位階層における状態遷移を把握しやすくなる。集約表示は全ての処理を表示することと、予め定義した主要な処理のみをサマリ表示することとを選択することにより、用途に適した表示が可能となる。
【0037】
ところで、図12において状態3の階層に着目するためにこれを列項目に移動させた時には、イベントE2に対する冗長定義(「b1」と「b2」がそれぞれ2箇所に定義される)が発生する。このような時には、冗長定義を自動的に補完するようにすると作業量が減り、使い勝手がよい。図13は処理情報定義セルを自動的に補完した状態を表している。
【0038】
[第3の変形例]
図14は、図1の状態遷移図の1つの状態階層をイベント側の項目に移動させたものである。従来の表示方法である図2において、状態2が「true」の場合のイベント「E1」に対する処理情報はa1,a2とa5,a6であり、状態1の階層項目である「ON」と「OFF」の条件のために離れたセルに表示されている。これに対し本実施の形態では、状態2の階層項目を行項目に移したために、状態2の各項目において生じる処理情報が連続したセルに表示される。
【0039】
このように、本実施の形態では、イベントと状態をそれぞれ行項目または列項目に分けて構成した表に対して、1つの状態階層をイベント側の項目に移すことで、移動させた状態項目に対応する処理情報を連続したセルに表示させることも可能である。これにより、利用者は自らが着目する状態階層に対応した処理情報の把握が容易になる。
【0040】
以下、上記状態遷移表の表示処理の適用例について説明する。
【0041】
本適用例では、自動車用ナビゲーションシステムにおける、経路設定画面の振る舞いを規定する状態遷移表をとりあげる。
【0042】
図15は、自動車用ナビゲーションシステムにおける経路設定画面である。本画面は目的地を設定するための目的地設定ボタン2、経路探索を開始するための経路探索ボタン3により構成される。本画面の仕様として、「自動車走行中は操作できない」、「目的地設定後でなければ経路探索ボタンは押下できない」の2つが規定されている
【0043】
次に図16は、図15に示す画面の振る舞いを規定した状態遷移表である。ここでは、3つの状態変数「走行状態」と「目的地設定状態」と「経路探索ボタン状態」を持ち、4つのイベント「走行開始」と「走行停止」と「目的地設定」と「経路探索」に対して動作を行う設計としている。この表は従来の表示方法によるものであり、状態を列項目に、イベントを行項目に配置している。
【0044】
この従来方法による状態遷移表において本発明を適用し、状態項目のうち「走行状態」以外を行項目に移動させたものが図17である。ここで、走行状態はシステム状態であり、各画面で共通である。つまり本発明によって、各画面共通の状態を列項目、画面固有の状態を行項目として分散して配置し、共通部分と固有部分とを明確に分けて表現することができる。
そしてこれにより、走行中及び停止中に表示される各画面の状態遷移が、列ごとに表現されることになり可読性が向上する。
【0045】
また、新しい画面の状態遷移表を作成する際に、列項目は流用し、行項目だけを新規作成するといった運用により、作製工数の低減や、共通項目の定義漏れを防止することができる。
【0046】
図18は、図16の状態遷移表において、全ての状態項目を行項目に移動させツリー表現したものである。これに対して、一部を非表示とし着目する部分だけを表示させてもよい。例えば図18では、有り得ない状態における処理情報も「――」として全て表示されており、これらの状態を非表示とすることで図19のように可読性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施の形態の例による状態遷移表表示装置の構成図である。
【図2】本実施の形態の例を用いて、状態項目を行項目と列項目とに分散させて配置させた状態遷移表の説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態の例により、状態2の階層項目を選択した状態を示す説明図である
【図4】本発明の一実施の形態の例により、選択した項目を移動させる先を選択した状態を表す説明図である
【図5】本発明の一実施の形態の例により、移動先の上層の階層項目に従って、移動させる項目の移動後の構成を決定した状態を表す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態の例により、選択した項目を移動させた後に残った下層の項目の構成を決定した状態を表す図である。
【図7】本発明の一実施の形態の例により、決定された行項目及び列項目の構成に従って処理情報定義セルを配置した状態を表す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態の例により、イベント及び状態を行項目に集約し、ツリー表現した状態遷移表を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態の例により、例外条件が自動的に追加された状態を表す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態の例により、状態1の「ON」以下の項目を非表示に切り替える時に選択する項目を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態の例により、状態1の「ON」以下の下層の項目を非表示とした状態を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態の例により、非表示とした項目に対応する処理情報セルの内容を1つのセルに集約表示した状態を示す説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態の例により、冗長な処理情報定義を自動的に補完した状態を表す説明図である。
【図14】図1の状態遷移表の1つの状態階層をイベント側の項目に移動させた状態を表す説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態の例を適用した、自動車用ナビゲーションシステムにおける経路設定画面を表す説明図である。
【図16】図14に示す画面の振る舞いを規定した状態遷移表を表す説明図である。
【図17】図15の状態項目のうち「走行状態」以外を行項目に移動させることによって表示される状態遷移表を表す説明図である。
【図18】図15の状態遷移表において、全ての状態項目を行項目に移動させツリー表現することで表示される状態遷移表を表す説明図である。
【図19】図17の状態遷移表において、一部の項目を非表示とし、着目する項目だけを表示させた状態遷移表を表す説明図である。
【図20】項目が行や列毎に固定して配列される従来の状態遷移表を示す説明図である。
【図21】状態の各階層ごとに別個の状態遷移表を用いる従来の表現方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1・・・状態遷移表表示装置、1a・・・制御部、1b・・・データファイル部、1c・・・表示作成部、1d・・・状態項目保持部、1e・・・イベント項目保持部、1f・・・行項目保持部、1g・・・列項目保持部、1h・・・入出力制御部、1k・・・キー入力部、1m・・・ポインティング部、1n・・・表示部、2・・・目的地設定ボタン、3・・・経路探索ボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベントの発生に応じて状態が遷移する状態遷移表の表示方法、及び表示装置に関し、特に、階層化された状態を持つ階層化状態遷移モデルを表現する状態遷移表の表示方法及びその表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベントの発生に応じて状態が遷移する状態遷移モデルを表現するために用いられていた状態遷移表は、それぞれの状態に対して一律に各イベントへの対応付けのみが記述されるものであった。このため、状態に条件分岐があってもその関係は表示動作に反映されていない。
【0003】
従って、階層状態を持つ状態遷移モデルを表現するためには、図20のように一つの状態遷移表内に下位の層まで含んだ全ての状態を収めることで対応していた。この例では、とりうる状態として「ON」と「OFF」の状態項目からなる状態1の階層と、「true」または「false」のどちらか一方の状態をとる状態2の階層と、「0>」または「else」の状態をとる状態3の階層が列項目として表示されている。
イベント項目であるE1とE2は行項目として配置されており、状態1〜状態3の条件の組み合わせにおいてイベントE1、またはE2が起きた時に生じる事象がa1〜a8及びb1〜b2として処理情報セルに表されている。
また、階層毎に1つの状態遷移表を割り当て、作成することによっても表現される。図21は、図20と同一の内容を状態の階層毎に1つの状態遷移表として表したものである。
この表現方法では、列項目に表示される状態1〜状態3の条件分岐毎に表を移動する。例えば、状態1, 2, 3がそれぞれ「ON」,「true」,「>0」をとる時のイベントE1に対する処理情報は、表0と表0.1と表0.1.1によりa1であることが表現される。
【0004】
このように状態は行項目、イベントは列項目というように、項目は行や列毎に固定して配列されるものでもあった。
【特許文献1】特開2001−325020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の状態遷移表では、階層化状態遷移モデルの全体を一つの表で表現した場合、最下位の階層まで展開されたすべての状態と、発生するすべてのイベントをひとつひとつ網羅的に対応させるものとなる。このような表示処理においては、階層やイベントの数が増えると表が大きくなり過ぎるため、全体の把握がしにくくなり、特に上位階層における状態遷移を把握することが困難になるという問題があった。
【0006】
また、特定の条件においてのみ生じるイベント、つまり限られた状態の階層においてのみ有効となるイベントについても、全ての状態ひとつひとつに対応する処理情報を定義する必要がある。このため、このような無効なイベントにも処理情報を定義する必要があり、作成時に余分な作業量を伴ってしまう。
【0007】
また、このような冗長な処理情報の定義に対しても、これに変更があった際には同様の変更をその他複数の定義に反映する必要があり、修正漏れによる不具合の原因となる。
【0008】
また、全てのイベントに対する処理情報が含まれているために、イベントに対して状態が有効であるか否か明確でない、さらには実装時の論理条件を明確にしにくいことがある。
【0009】
また、状態の各階層ごとに別個の状態遷移表を用いて表現する場合には、一つの階層内で遷移が完結する場合には把握しやすいものの、ある階層から別の階層へ遷移する時には複数の状態遷移表の間を移動することになり、把握しにくくなってしまう。
【0010】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、状態遷移表の構成を見通しがよいものとし、状態遷移の内容を把握しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明では、複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとを有する状態遷移表において、状態項目及びイベント項目のうち少なくとも1方の項目を行項目と列項目の両方に分散して配置する。または、状態項目とイベント項目の両方を行項目もしくは列項目のどちらかに集約して配置する。
【0012】
また、本発明は、複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとをもつ状態遷移表において、行項目から列項目または列項目から行項目に移動させる項目を選択する段階と、選択した項目の移動先を選択する段階と、移動先の上層の階層項目の構成に従って、前記選択した項目の移動後の構成を決定する段階と、前記選択した項目の構成に従って、移動先の下層の階層項目の構成を決定する段階と、移動元の上層の階層項目の構成に従って、選択した項目を移動させた後の下層の項目の構成を決定する段階と、決定した項目構成に従って、処理情報セルを配置する段階を有する。
【0013】
上記段階に加えて本発明では、イベント及び状態を行項目または列項目に集約し、ツリー表現する段階を有する。
【0014】
また、本発明は、任意の項目を選択する段階と、選択した項目よりも下層の項目を表示または非表示とする段階と、非表示とした項目に対応する処理情報定義セルの内容を1つのセルに集約表示する段階を有する。
【0015】
さらに、本発明は、イベントと状態をそれぞれ行項目または列項目に分けて構成した表に対し、1つの状態階層をイベント側の項目に移動する段階と、移動した状態に対応する処理を連続したセルに表示する段階を有する。
【0016】
また、本発明では、表示切替時に発生する処理情報定義セルの冗長定義を自動的に補完する機能と、イベントに対応する状態または状態に対応するイベントを追加した際に、例外条件を自動的に追加する機能を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、複数の状態項目と、複数のイベント項目とそれぞれの項目に対応する処理情報定義セルとを持つ状態遷移表において、各状態項目を行項目と列項目とに分散して配置、または状態項目とイベント項目の両方を列項目または行項目に集約して配置するようにしたので、表現の自由度が向上し、目的に応じて把握しやすい構成を選択できるようになる。
【0018】
また、複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとを持つ状態遷移表において、任意の状態項目またはイベント項目を列項目または行項目に移動し、行項目と列項目とを任意の組み合わせの表示に切り替え可能としたので、同一内容の状態遷移表に対して、目的に応じて把握しやすい構成を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態の例を、図1〜図19を参照して説明する。
【0020】
図1は本実施の形態の例における状態遷移表を表示する装置の概略構成図を示したものである。図1に示した状態遷移表表示装置1は、例えばパーソナルコンピュータ装置とその周辺機器とで構成させた例であり、図1は機能的な構成を示してある。
状態遷移表表示装置1は、データの制御を行う制御部1aと、作成された状態遷移表を表示する表示部1nと、状態遷移表の作成に必要となるテキスト入力を受け付けるキー入力部1kと、状態遷移表の項目選択等のポインティング入力を行うポインティング部1mと、制御部1aから表示部1nへの出力や入力部1kとポインティング部1mから制御部1aへの入力を制御する入出力制御部1hによって構成される。
【0021】
状態項目保持部1dとイベント項目保持部1eは、それぞれ状態遷移表における状態項目とイベント項目のデータを受付け、格納する。また、行項目保持部1fと列項目保持部1gでは状態遷移表における行項目と列項目のデータを受け付け、格納するとともに、これら状態項目及びイベント項目と行項目及び列項目との間の対応が互いに関連付けられている。表示作成部1cにおいて、これらデータをデータファイル部1bより読み出し、状態遷移表を作成すると、入出力制御部1hを通じて表示部1nに送られることで状態遷移表が表示される。
【0022】
また、キー入力部1k、ポインティング部1mにより状態遷移表にデータを追加または削除したり、変更を行う時には、データファイル部1bにおいてデータの更新や各項目同士の対応が変更される。そしてこのデータに基づき表示作成部1cにて状態遷移表の再構築が行われると表示部1nに反映される。
【0023】
図2は、背景技術の欄で説明した図20の状態遷移表を、上述した図1例の表示装置を用い、本実施の形態による表示処理にて表したものである。この状態遷移表は、列項目から行項目に移動させる項目を選択する段階と、選択した項目の移動先を選択する段階と、移動先の階層項目の上層の構成に従って、前記選択した項目の移動後の構成を決定する段階と、移動元の階層項目の上層の構成に従って、選択した項目を移動させた後に残った下層の項目の構成を決定する段階と、決定した項目構成に従って、処理情報セルを配置する段階とによって表示される。
【0024】
以下、本実施の形態における表示処理の流れを説明する。
まず最初に移動させたい項目を選び選択する。図3は、図20の状態遷移表において、状態2の項目を選択したものである。
そして次に選んだ項目の移動先を選択する。図4は、状態2の項目の移動先としてイベントの階層(この図の場合は1階層のみ)の直下を選択したものである。
【0025】
本実施の形態では、このようにして移動させる項目及び移動先を決めた後、移動先の上層の階層項目に従って、移動させる項目の移動後の構成を決定する。図5は、移動させる項目である状態2が取りうる値の「true」と「false」の両方を、イベントE1とE2の直下の階層それぞれに配置する構成としたものである。これにより行項目が決定されることになる。
【0026】
ところが、移動させる列項目を移動させた後、その下層の階層である状態3の項目は状態1の項目に直接ぶらさがった状態となる。つまり、ONとOFFの項目それぞれに「>0」と「else」の条件が2つずつ表記され重複した状態となってしまう。
このため、本実施の形態では、移動元の階層項目の上層の構成に従って、選択した項目を移動させた後に残った下層の項目の構成を決定する段階を踏むことにより、図6のように重複を整理し、見通しを良くすることができる。また、これにより列項目が決定される。
【0027】
こうして決定された行項目及び列項目の構成に従って処理情報定義セルを配置したものが図7である。ここで、イベントE2は状態1の条件によってのみ情報処理定義の値が決まっている。このように、イベントE2は状態1に対してのみ有効であるという定義の場合、状態2に対する定義は未定義とすることができる。このため本発明では図2のようにこれを「−」表示として統一する。
【0028】
このように、本実施の形態では、状態項目を行項目と列項目とに自由に分散して配置できるようにしたことで、上記のような重複した項目や未定義とできる項目を発見して統一し、冗長な表現を減らすことができる。またこのことにより表全体のセル数も減り、見通し良く、把握しやすい状態遷移表を作成することができる。
【0029】
以下に本発明の変形例を示す。
【0030】
[第1の変形例]
図8は、イベント及び状態を行項目に集約し、ツリー表現したものである。この場合は、列項目から行項目に移動させる項目を選択する段階と、選択した項目の移動先を選択する段階と、移動先の階層項目の上層の構成に従って、前記選択した項目の移動後の構成を決定する段階と、決定した項目構成に従って、処理情報セルを配置する段階とを、状態1〜状態3の階層項目それぞれに対して実施することで表示される。こうしたツリー表現は、処理実施のための理論条件式と一致するため、理論条件式を明確に表現しやすい。
ここで、イベントE2は状態1に対してのみ有効であるという場合、状態2及び状態3に対する処理は未定義とすることができる。このため、本実施例においても、これを「−」表示として統一し、イベントE2の状態2と状態3に対する冗長な定義を排除し、作業量を削減することができる。
【0031】
また、このような冗長な処理の定義をなくすことにより、変更があった際の修正漏れを防止でき、さらにイベントに対して無効な状態を定義しないため、有効か否かを明確に表現することができる。
【0032】
ところで、状態遷移表を実際に作成する際においては、イベントに対応する状態、または状態に対応するイベントを後から追加することがある。特に膨大な量の情報を処理する際には、このような追加されたイベントや状態、それに対する処理情報が新たに定義されているかどうか見落としてしまうことも懸念される。
【0033】
しかし、本実施の形態では、イベントに対応する状態、又は状態に対応するイベントを追加した際には、図9のように例外条件を自動的に追加するようにしてある。ここでは、イベント「E3」追加時に状態2の「true」に対する処理を定義した際に、その例外条件である「false」を自動的に追加し、処理の定義を促している。このようにすることで、処理の定義漏れを防ぐことができる。
【0034】
[第2の変形例]
図11は、イベントE1において状態1が「ON」である項目より下層の項目を非表示としたものである。この場合は、図10のように非表示に切り替えたい項目の真上層の項目を選択する。つまり、選択した項目より下層の項目を非表示とできる。
特に本実施の形態では、状態1より下の階層が非表示となっていることを明示するために、状態1の項目名の先頭に「+」記号を付加している。また、非表示とされた下層の状態2、状態3の処理情報セルの内容が複数の定義を持つことを明示するために「・・・」表示として表している。
【0035】
このように本実施の形態では、利用者が任意の階層の状態を選択し、当該状態階層より下層の階層の非表示を切り替えることで、利用者が着目する階層以下の情報を非表示とする。このため、利用者の用途に合わせて上層の状態遷移を把握しやすくすることができる。
また、全体を表す1つの状態遷移表に対して、用途に応じて表示を切り替えるため、状態の階層ごとに別個の状態遷移表を用いて表現する方法に比べ、階層間の状態遷移を把握しやすい。
【0036】
また、図12のように非表示とした項目に対応する処理情報セルの内容を1つのセルに集約表示することによっても、上位階層における状態遷移を把握しやすくなる。集約表示は全ての処理を表示することと、予め定義した主要な処理のみをサマリ表示することとを選択することにより、用途に適した表示が可能となる。
【0037】
ところで、図12において状態3の階層に着目するためにこれを列項目に移動させた時には、イベントE2に対する冗長定義(「b1」と「b2」がそれぞれ2箇所に定義される)が発生する。このような時には、冗長定義を自動的に補完するようにすると作業量が減り、使い勝手がよい。図13は処理情報定義セルを自動的に補完した状態を表している。
【0038】
[第3の変形例]
図14は、図1の状態遷移図の1つの状態階層をイベント側の項目に移動させたものである。従来の表示方法である図2において、状態2が「true」の場合のイベント「E1」に対する処理情報はa1,a2とa5,a6であり、状態1の階層項目である「ON」と「OFF」の条件のために離れたセルに表示されている。これに対し本実施の形態では、状態2の階層項目を行項目に移したために、状態2の各項目において生じる処理情報が連続したセルに表示される。
【0039】
このように、本実施の形態では、イベントと状態をそれぞれ行項目または列項目に分けて構成した表に対して、1つの状態階層をイベント側の項目に移すことで、移動させた状態項目に対応する処理情報を連続したセルに表示させることも可能である。これにより、利用者は自らが着目する状態階層に対応した処理情報の把握が容易になる。
【0040】
以下、上記状態遷移表の表示処理の適用例について説明する。
【0041】
本適用例では、自動車用ナビゲーションシステムにおける、経路設定画面の振る舞いを規定する状態遷移表をとりあげる。
【0042】
図15は、自動車用ナビゲーションシステムにおける経路設定画面である。本画面は目的地を設定するための目的地設定ボタン2、経路探索を開始するための経路探索ボタン3により構成される。本画面の仕様として、「自動車走行中は操作できない」、「目的地設定後でなければ経路探索ボタンは押下できない」の2つが規定されている
【0043】
次に図16は、図15に示す画面の振る舞いを規定した状態遷移表である。ここでは、3つの状態変数「走行状態」と「目的地設定状態」と「経路探索ボタン状態」を持ち、4つのイベント「走行開始」と「走行停止」と「目的地設定」と「経路探索」に対して動作を行う設計としている。この表は従来の表示方法によるものであり、状態を列項目に、イベントを行項目に配置している。
【0044】
この従来方法による状態遷移表において本発明を適用し、状態項目のうち「走行状態」以外を行項目に移動させたものが図17である。ここで、走行状態はシステム状態であり、各画面で共通である。つまり本発明によって、各画面共通の状態を列項目、画面固有の状態を行項目として分散して配置し、共通部分と固有部分とを明確に分けて表現することができる。
そしてこれにより、走行中及び停止中に表示される各画面の状態遷移が、列ごとに表現されることになり可読性が向上する。
【0045】
また、新しい画面の状態遷移表を作成する際に、列項目は流用し、行項目だけを新規作成するといった運用により、作製工数の低減や、共通項目の定義漏れを防止することができる。
【0046】
図18は、図16の状態遷移表において、全ての状態項目を行項目に移動させツリー表現したものである。これに対して、一部を非表示とし着目する部分だけを表示させてもよい。例えば図18では、有り得ない状態における処理情報も「――」として全て表示されており、これらの状態を非表示とすることで図19のように可読性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施の形態の例による状態遷移表表示装置の構成図である。
【図2】本実施の形態の例を用いて、状態項目を行項目と列項目とに分散させて配置させた状態遷移表の説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態の例により、状態2の階層項目を選択した状態を示す説明図である
【図4】本発明の一実施の形態の例により、選択した項目を移動させる先を選択した状態を表す説明図である
【図5】本発明の一実施の形態の例により、移動先の上層の階層項目に従って、移動させる項目の移動後の構成を決定した状態を表す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態の例により、選択した項目を移動させた後に残った下層の項目の構成を決定した状態を表す図である。
【図7】本発明の一実施の形態の例により、決定された行項目及び列項目の構成に従って処理情報定義セルを配置した状態を表す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態の例により、イベント及び状態を行項目に集約し、ツリー表現した状態遷移表を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態の例により、例外条件が自動的に追加された状態を表す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態の例により、状態1の「ON」以下の項目を非表示に切り替える時に選択する項目を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態の例により、状態1の「ON」以下の下層の項目を非表示とした状態を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態の例により、非表示とした項目に対応する処理情報セルの内容を1つのセルに集約表示した状態を示す説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態の例により、冗長な処理情報定義を自動的に補完した状態を表す説明図である。
【図14】図1の状態遷移表の1つの状態階層をイベント側の項目に移動させた状態を表す説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態の例を適用した、自動車用ナビゲーションシステムにおける経路設定画面を表す説明図である。
【図16】図14に示す画面の振る舞いを規定した状態遷移表を表す説明図である。
【図17】図15の状態項目のうち「走行状態」以外を行項目に移動させることによって表示される状態遷移表を表す説明図である。
【図18】図15の状態遷移表において、全ての状態項目を行項目に移動させツリー表現することで表示される状態遷移表を表す説明図である。
【図19】図17の状態遷移表において、一部の項目を非表示とし、着目する項目だけを表示させた状態遷移表を表す説明図である。
【図20】項目が行や列毎に固定して配列される従来の状態遷移表を示す説明図である。
【図21】状態の各階層ごとに別個の状態遷移表を用いる従来の表現方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1・・・状態遷移表表示装置、1a・・・制御部、1b・・・データファイル部、1c・・・表示作成部、1d・・・状態項目保持部、1e・・・イベント項目保持部、1f・・・行項目保持部、1g・・・列項目保持部、1h・・・入出力制御部、1k・・・キー入力部、1m・・・ポインティング部、1n・・・表示部、2・・・目的地設定ボタン、3・・・経路探索ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとをもつ状態遷移表の表示方法であって、
行項目から列項目または列項目から行項目に移動させる項目を選択する段階と、選択した項目の移動先を選択する段階と、
前記移動先の上層の階層項目の構成に従って、前記選択した項目の移動後の構成を決定する段階と、
前記選択した項目の構成に従って、前記移動先の下層の階層項目の構成を決定する段階と、
前記移動させた項目の移動元の上層の階層項目の構成に従って、前記選択した項目を移動させた後の下層の項目の構成を決定する段階と、
前記決定した項目構成に従って、処理情報セルを配置する段階と
によって状態遷移表を作成し、
前記作成された状態遷移表を表示する
状態遷移表の表示方法。
【請求項2】
前記イベント項目及び状態項目を行項目または列項目のいずれか一方に集約することでツリー表現した状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示する請求項1に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項3】
任意の項目を選択し、前記選択した項目より下層の項目を表示または非表示とする段階によって状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示する請求項2に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項4】
前記非表示とした項目に対応する処理情報定義セルの内容を1つのセルに集約表示する段階によって状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示する請求項3に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項5】
イベントと状態をそれぞれ行項目または列項目に分けて構成した状態遷移表において、1つの状態階層をイベント側の階層に移動させ、前記移動した状態項目に対応する処理情報を連続したセルに表示する請求項1に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項6】
前記状態項目を行項目から列項目または列項目から行項目に移動させた時に発生する未定義項目に対する処理情報セルの重複定義を自動的に補完する段階によって状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示する請求項1に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項7】
前記状態遷移表に対して、イベントに対応する状態または状態に対応するイベントを追加すると、例外条件を自動的に追加する段階によって状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示する請求項1〜6のいずれか1項に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項8】
複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとをもつ状態遷移表の表示装置であって、
行項目から列項目または列項目から行項目に移動させる項目を選択し、前記選択した項目の移動先を選択し、
前記移動先の上層の階層項目の構成に従って、前記選択した項目の移動後の構成を決定し、
前記選択した項目の構成に従って、前記移動先の下層の階層項目の構成を決定し、
前記移動させた項目の移動元の上層の階層項目の構成に従って、前記選択した項目を移動させた後の下層の項目の構成を決定し、
前記決定した項目構成に従って、処理情報セルを配置して状態遷移表を作成する状態遷移表作成処理部と、
前記状態遷移表作成処理部で作成された状態遷移表を表示させる表示処理部とを備えた
表示装置。
【請求項9】
前記状態遷移表作成処理部は、任意の項目を選択し、前記選択した項目より下層の項目を表示または非表示とする状態遷移表を作成する請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記状態遷移表作成処理部は、前記非表示とした項目に対応する処理情報定義セルの内容を1つのセルに集約表示して状態遷移表を作成する請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記状態遷移表作成処理部は、状態項目を行項目から列項目、または列項目から行項目に移動させた時に発生する未定義項目に対する処理情報セルの重複定義を自動的に補完して状態遷移表を作成する請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記状態遷移表作成処理部は、前記状態遷移表に対して、イベントに対応する状態または状態に対応するイベントを追加すると、例外条件を自動的に追加して状態遷移表を作成する請求項11に記載の表示装置。
【請求項1】
複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとをもつ状態遷移表の表示方法であって、
行項目から列項目または列項目から行項目に移動させる項目を選択する段階と、選択した項目の移動先を選択する段階と、
前記移動先の上層の階層項目の構成に従って、前記選択した項目の移動後の構成を決定する段階と、
前記選択した項目の構成に従って、前記移動先の下層の階層項目の構成を決定する段階と、
前記移動させた項目の移動元の上層の階層項目の構成に従って、前記選択した項目を移動させた後の下層の項目の構成を決定する段階と、
前記決定した項目構成に従って、処理情報セルを配置する段階と
によって状態遷移表を作成し、
前記作成された状態遷移表を表示する
状態遷移表の表示方法。
【請求項2】
前記イベント項目及び状態項目を行項目または列項目のいずれか一方に集約することでツリー表現した状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示する請求項1に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項3】
任意の項目を選択し、前記選択した項目より下層の項目を表示または非表示とする段階によって状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示する請求項2に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項4】
前記非表示とした項目に対応する処理情報定義セルの内容を1つのセルに集約表示する段階によって状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示する請求項3に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項5】
イベントと状態をそれぞれ行項目または列項目に分けて構成した状態遷移表において、1つの状態階層をイベント側の階層に移動させ、前記移動した状態項目に対応する処理情報を連続したセルに表示する請求項1に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項6】
前記状態項目を行項目から列項目または列項目から行項目に移動させた時に発生する未定義項目に対する処理情報セルの重複定義を自動的に補完する段階によって状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示する請求項1に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項7】
前記状態遷移表に対して、イベントに対応する状態または状態に対応するイベントを追加すると、例外条件を自動的に追加する段階によって状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示する請求項1〜6のいずれか1項に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項8】
複数の状態項目と、複数のイベント項目と、それぞれの項目に対応する処理情報定義セルとをもつ状態遷移表の表示装置であって、
行項目から列項目または列項目から行項目に移動させる項目を選択し、前記選択した項目の移動先を選択し、
前記移動先の上層の階層項目の構成に従って、前記選択した項目の移動後の構成を決定し、
前記選択した項目の構成に従って、前記移動先の下層の階層項目の構成を決定し、
前記移動させた項目の移動元の上層の階層項目の構成に従って、前記選択した項目を移動させた後の下層の項目の構成を決定し、
前記決定した項目構成に従って、処理情報セルを配置して状態遷移表を作成する状態遷移表作成処理部と、
前記状態遷移表作成処理部で作成された状態遷移表を表示させる表示処理部とを備えた
表示装置。
【請求項9】
前記状態遷移表作成処理部は、任意の項目を選択し、前記選択した項目より下層の項目を表示または非表示とする状態遷移表を作成する請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記状態遷移表作成処理部は、前記非表示とした項目に対応する処理情報定義セルの内容を1つのセルに集約表示して状態遷移表を作成する請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記状態遷移表作成処理部は、状態項目を行項目から列項目、または列項目から行項目に移動させた時に発生する未定義項目に対する処理情報セルの重複定義を自動的に補完して状態遷移表を作成する請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記状態遷移表作成処理部は、前記状態遷移表に対して、イベントに対応する状態または状態に対応するイベントを追加すると、例外条件を自動的に追加して状態遷移表を作成する請求項11に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−134721(P2010−134721A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310271(P2008−310271)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】
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