説明

独立電源装置

【課題】従来の独立電源装置では、発電量を表示するために発光体を段階的に点灯する表示装置を用いているため、表示を確認できる方向に制約があり、わずかな発電量の変化を表現するためには点灯する発光体数を増加させ表示回路も複雑という課題があった。
【解決手段】光を感知して羽根車15が回転するラジオメーター3を用いることで、周囲の広い範囲から発電量を確認することができ、光の強さに応じて羽根車15の回転が無段階に変化するため簡単な構成のまま発電量のわずかな変化を容易に表現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光や風力などの自然エネルギーを利用して発電した電力を蓄電池に充電して、外部負荷に電力を供給する独立電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池モジュールによる発電電力がどの程度であるのか、使用者が認識するために大型の独立電源装置では、実際に太陽電池モジュールの出力電圧や蓄電池の電圧を計測しこれらの値を専用の回路で演算して発電量として表示器に表示する手段が設けられているものがある。(例えば特許文献1参照)また、携帯用電源など小型の独立電源装置では、構造の簡素化を図るべく受光量を検出する専用の太陽電池の検出信号にもとづいて発電量を表示する手段が設けられているものがある。(例えば特許文献2参照)以下、特許文献2の独立電源装置について図5を参照しながら説明する。
【0003】
太陽電池モジュール101の受光面102(図中矢印Pは入射光を示す)と同一面に受光量検出用セル103が設けられており、受光量検出用セル103の検出信号にもとづいて発電量を段階的に表示するLEDによる表示部104が備えられ内部には表示駆動回路105が備えられている。この構成によって太陽電池モジュール101に使用する機器を接続する前に簡単に現在の発電量を目視確認することができる。
【特許文献1】特開2006−25481号公報
【特許文献2】特開2002−62321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の独立電源装置では、発電量を表示するために発光体であるLEDを点灯させている。発電量を段階的に表示するためにLEDを複数個備えているが、LEDの数が少ないとわずかな発電量変化を表現できないためLED数を相当数増やさなければならない。LED数を増加すると発光動作の制御が複雑になり消費電力も増加するため、回路の複雑化や受光量検出用セルの大型化などが必要となり、簡単な構成ではなくなるという課題がある。また、LEDは輝度が高いことは知られているが、その反面、指向性の強い配光特性を有しているため、点灯を目視確認できる方向が狭い範囲に限られる。その結果、周囲の広い範囲から発電量を目視確認することができないという課題がある。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、光を感知して羽根車が回転するラジオメーターを用いて発電量を表現する構成としたことで、光の強さに応じて羽根車の回転が無段階に変化するため簡単な構成のまま、わずかな発電量変化を表現することができる。また、透明なガラスドームの中で羽根車が回転して発電量を表現するため、周囲の広い範囲から発電量を目視確認できるという独立電源装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の独立電源装置は、上記目的を達成するために、太陽電池モジュールを用いた独立電源装置において、光エネルギーを運動エネルギーに変換して動作するソーラーエンジンを備えたことを特徴としたものである。この手段により、発電に用いる太陽電池モジュールや別に設けた太陽電池セルからの電気出力を使用することなく、光の強さの変化を運動量に直接変換して動作させることで発電量を表現でき、光の強さに応じて動作が無段階に変化するため、簡単な構成のままわずかな発電量変化を表現できる。
【0007】
また、ソーラーエンジンが、ガラスドームの中に羽根車を有し光を感知すると前記羽根車が回転するラジオメーターであることにより、透明なガラスドームの中で羽根車が回転する動作であるため、機構が簡単となると同時に、周囲のすべての方向から同じように羽根車の回転が見えるため羽根車を目視確認できる方向に制約がなくなり、広い範囲から発電量を目視確認することができる。
【0008】
また、ラジオメーターが、太陽電池モジュールの受光面が向けられた方向からの光を感知するようにしたことにより、同じ方向からの光を感知することによって時刻による太陽の位置と太陽電池モジュールの設置方向の関係で変化する発電量の変化をラジオメーターが感知できる。
【0009】
また、太陽電池モジュールの受光面の向きを自在に可変できる保持部材を設け、前記保持部材にラジオメーターが取り付けられていることにより、太陽電池モジュールの受光面の向きを変更すれば合わせてラジオメーターの向きも変更される。
【0010】
また、風を受けて回転する風車を備えることにより、風車の回転によって周辺の風の強さを表現できる。
【0011】
また、風車の回転軸が垂直方向に配置されている垂直軸風車であることにより、風の向きに関わらず周辺の風の強さを表現できる。
【0012】
また、ラジオメーターの回転軸と、風車の回転軸が同軸上に配置されたことにより、周囲のどの方向から見てもラジオメーターと風車が互いの影となって確認しづらくなることがなくなる。
【0013】
また、ラジオメーターの回転方向と、風車の回転方向が反対方向であることにより、離れた位置からでもラジオメーターと風車のどちらが回転しているか視認しやすくなり、回転方向によって日射と風の状況を正確に判断することができる。
【0014】
また、風車に発電機が接続され風力発電機として機能することにより、風が吹いた時に風の強さを表現するだけでなく風力エネルギーを電気エネルギーに変換できる。
【0015】
また、風力発電機の出力が照明に接続されており、風車が回転して発電した電力を用いて前記照明が点灯することにより、風から得られた電気エネルギーを照明として利用できる。
【0016】
また、周囲の照度を検知する照度検知手段と、風車の回転を検知する回転検知手段と、照明手段を備え、夜間に前記風車が回転したときに前記照明手段を点灯させることにより、風を受けて風車が回っている様子を夜間でも周囲から広く確認することができる。
【0017】
また、照明手段が点光源の発光体であり、風車に取り付けられていることにより、点光源が風の強さに応じて回転移動するため、風の強さを夜間でも周囲に広く認識させることができる。
【0018】
また、照度検知手段として、太陽電池モジュールの発電によって発生する出力電圧を検知する電圧検知手段とすることにより、別途に照度検知手段を設ける必要がなく、部品構成と回路を簡単にできる。
【0019】
また、回転検知手段として、風力発電機の発電によって発生する出力電圧を検知する電圧検知手段とすることにより、別途に回転検知手段を設ける必要がなく、部品構成と回路を簡単にできる。
【0020】
また、ラジオメーターのガラスドームの周囲に耐衝撃性のある防護手段を設けることにより、台風など強風時に飛散物の衝突によって破損する被害を抑止できる。
【0021】
また、ラジオメーターと風車が共通の取付け部材に取り付けられ、前記取付け部材を介して独立電源装置に固定されていることにより、台風など強風時にラジオメーターと風車を一体化した状態で簡単に取り外せるため、風車の過回転や飛散物の衝突によって破損する被害を抑止できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、光を感知して羽根車が回転するラジオメーターを用いて発電量を表現する構成としたことで、光が強い、すなわち、太陽光発電量が多くなる程、羽根車の回転速度が早くなり、光の強さに応じて羽根車の回転が無段階に変化するため、太陽光発電量を羽根車の回転速度、すなわち羽根車の回転状態で表現でき、簡単な構成のまま、わずかな発電量変化を表現することができる。また、透明なガラスドームの中で羽根車が回転して発電量を表現するため、周囲の広い範囲から発電量を目視認識、目視確認できるという独独立電源装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の請求項1記載の独立電源装置は、太陽電池モジュールを用いた独立電源装置において、光エネルギーを運動エネルギーに変換して動作するソーラーエンジンを備えたことを特徴としたものであり、発電に用いる太陽電池モジュールや別に設けた太陽電池セルからの電気出力を使用することなく、光の強さの変化を運動量に直接変換して動作させることで発電量を表現でき、光が強い程太陽光発電量が多くなるが、光の強さに応じて動作が無段階に変化するため、簡単な構成のままわずかな発電量変化を表現でき、太陽光発電状態を認識できるという作用を有する。
【0024】
本発明の請求項2記載の独立電源装置は、請求項1記載の独立電源装置において、ソーラーエンジンが、ガラスドームの中に羽根車を有し光を感知すると前記羽根車が回転するラジオメーターであることを特徴としたものであり、透明なガラスドームの中で羽根車が回転する動作であるため、機構が簡単となると同時に、周囲のすべての方向から同じように羽根車の回転が見えるため羽根車を目視確認できる方向に制約がなくなり、広い範囲から発電量を目視確認することができるという作用を有する。
【0025】
本発明の請求項3記載の独立電源装置は、請求項2記載の独立電源装置において、ラジオメーターが、太陽電池モジュールの受光面が向けられた方向からの光を感知するようにしたことを特徴としたものであり、同じ方向からの光を感知することによって時刻による太陽の位置と太陽電池モジュールの設置方向の関係で変化する発電量の変化をラジオメーターが感知できるという作用を有する。
【0026】
本発明の請求項4記載の独立電源装置は、請求項3記載の独立電源装置において、太陽電池モジュールの受光面の向きを自在に可変できる保持部材を設け、前記保持部材にラジオメーターが取り付けられていることを特徴としたものであり、太陽電池モジュールの受光面の向きを変更すれば合わせてラジオメーターの向きも変更されるという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項5記載の独立電源装置は、請求項1から4いずれか記載の独立電源装置において、風を受けて回転する風車を備えることを特徴としたものであり、風車の回転によって周辺の風の強さを表現できるという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項6記載の独立電源装置は、請求項5記載の独立電源装置において、風車の回転軸が垂直方向に配置されている垂直軸風車であることを特徴としたものであり、風の向きに関わらず周辺の風の強さを表現できるという作用を有する。
【0029】
本発明の請求項7記載の独立電源装置は、請求項6記載の独立電源装置において、ラジオメーターの回転軸と、風車の回転軸が同軸上に配置されたことを特徴としたものであり、周囲のどの方向から見てもラジオメーターと風車が互いの影となって確認しづらくなることがなくなるという作用を有する。
【0030】
本発明の請求項8記載の独立電源装置は、請求項6または7記載の独立電源装置において、ラジオメーターの回転方向と、風車の回転方向が反対方向であることを特徴としたものであり、離れた位置からでもラジオメーターと風車のどちらが回転しているか視認しやすくなり、回転方向によって日射と風の状況を正確に判断することができるという作用を有する。
【0031】
本発明の請求項9記載の独立電源装置は、請求項5から8いずれか記載の独立電源装置において、風車に発電機が接続され風力発電機として機能することを特徴としたものであり、風が吹いた時に風の強さを表現するだけでなく風力エネルギーを電気エネルギーに変換できるという作用を有する。
【0032】
本発明の請求項10記載の独立電源装置は、請求項9記載の独立電源装置において、風力発電機の出力が照明に接続されており、風車が回転して発電した電力を用いて前記照明が点灯することを特徴としたものであり、風から得られた電気エネルギーを照明として利用できるという作用を有する。
【0033】
本発明の請求項11記載の独立電源装置は、請求項5から9いずれか記載の独立電源装置において、周囲の照度を検知する照度検知手段と、風車の回転を検知する回転検知手段と、照明手段を備え、夜間に前記風車が回転したときに前記照明手段を点灯させることを特徴としたものであり、風を受けて風車が回っている様子を夜間でも周囲から広く確認することができるという作用を有する。
【0034】
本発明の請求項12記載の独立電源装置は、請求項10または11いずれか記載の独立電源装置において、照明手段が点光源の発光体であり、風車に取り付けられていることを特徴としたものであり、点光源が風の強さに応じて回転移動するため、風の強さを夜間でも周囲に広く認識させることができるという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項13記載の独立電源装置は、請求項11または12記載の独立電源装置において、照度検知手段として、太陽電池モジュールの発電によって発生する出力電圧を検知する電圧検知手段とすることを特徴としたものであり、別途に照度検知手段を設ける必要がなく、部品構成と回路を簡単にできるという作用を有する。
【0036】
本発明の請求項14記載の独立電源装置は、請求項11または13記載の独立電源装置において、回転検知手段として、風力発電機の発電によって発生する出力電圧を検知する電圧検知手段とすることを特徴としたものであり、別途に回転検知手段を設ける必要がなく、部品構成と回路を簡単にできるという作用を有する。
【0037】
本発明の請求項15記載の独立電源装置は、請求項2から14いずれか記載の独立電源装置において、ラジオメーターのガラスドームの周囲に耐衝撃性のある防護手段を設けることを特徴としたものであり、台風など強風時に飛散物の衝突によって破損する被害を抑止できるという作用を有する。
【0038】
本発明の請求項16記載の独立電源装置は、請求項5から15いずれか記載の独立電源装置において、ラジオメーターと風車が共通の取付け部材に取り付けられ、前記取付け部材を介して独立電源装置に固定されていることを特徴としたものであり、台風など強風時にラジオメーターと風車を一体化した状態で簡単に取り外せるため、風車の過回転や飛散物の衝突によって破損する被害を抑止できるという作用を有する。
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0040】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の全体側面図、図2は同ラジオメーターの斜視図、図3は同太陽電池モジュール部分の斜視図である。全体構成として図1に示すように、独立電源装置1は太陽電池モジュール2と、ラジオメーター3と、垂直軸風車であるサボニウス形の風車4と、風車4の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機5と、発電した電力を蓄電する蓄電池7および充電回路6と、蓄電した電力を用いて点灯する照明装置8および点灯回路9を備えている。
【0041】
太陽電池モジュール2とラジオメーター3は共通の保持フレーム10に取り付けられポール11最上部に固定されている。風車4と発電機5は2本のポール11に挟み込まれるように、照明装置8は点灯したとき風車4を照らし出すようにポール11の風車4の側面に相対する位置に埋め込まれるように配置されており、例えば直管蛍光灯を使用している。蓄電池7と充電回路6と点灯回路9は下部の本体ユニット12内部に収納されている。ポール11は強風を受けても転倒しないように基礎台13を介して地面に堅牢に設置されている。点灯回路9は太陽電池モジュール2の出力電圧信号と発電機5の出力電圧信号を検知して、周辺が暗く風が吹いて風車4が回転しているときに照明装置8が点灯するように制御している。
【0042】
図2に示すようにラジオメーター3は球状のガラスドーム14の中に光を感知して回転する羽根車15が備えられ、光がないと停止しているが、光を感知すると回転し始め、さらに光が強くなると、羽根車15の回転速度が増加し、光の強さに応じて羽根車15の回転速度が無段階に変化するため、光が強い、すなわち、太陽光発電量が多くなる程、羽根車15の回転速度が早くなり、したがって、太陽光発電量を羽根車15の回転速度、すなわち羽根車15の回転状態で表現でき、目視により太陽光発電量の状態が認識でき、簡単な構成のまま、わずかな発電量変化を表現でき、目視認識できることとなる。
【0043】
ガラスドーム14の中は半真空状態になっており、羽根車15の材質は例えば雲母であり片面を黒く塗ってある。光を受けると黒く塗った黒い面16は光の吸収が大きいため、より暖められ黒い面16に接触した気体分子にも大きな運動量を与え、気体分子の運動の反作用によって羽根車15は回転する力を得て回転する。
【0044】
図3に示すようにラジオメーター3は太陽電池モジュール2の受光面が向けられた方向からの光を感知するために、太陽電池モジュール2の受光面17と同一面に形成された保持フレーム10の平面部18に開けられた穴19からラジオメーター3のガラスドーム14を半分突出して配置されている。さらに保持フレーム10の上端には遮光板20が設けられており、太陽電池モジュール2の受光面17以外の方向からの光がラジオメーター3に入射しないようにしている。ただし、ラジオメーター3の羽根車15の回転が地上から視認できるように下方側に遮光板20は延長されず開放されている。保持フレーム10は角度調整用ロッド21によって垂直軸まわりと水平軸回りに自在に角度を変更できる構造になっており、ポール11を地面に設置した後からも太陽電池モジュール2の受光面17の方向を自由に変更することが可能である。保持フレーム10は例えばステンレスなど錆や腐食に強い材質を用いており、屋外で長期間使用することができる。
【0045】
また、ラジオメーター3の周囲にはネット状の防護カバー22が取り付けられ、台風などの強風時に飛散物の衝突によってラジオメーター3のガラスドーム14が破損することを抑止している。防護カバー22の材質は、例えばステンレスなどの堅牢で高い剛性を有する金属の線材を編込んでネット状に形成、弾力性を持たせたものを使用している。
【0046】
上記構成において、天候や時刻によって日射条件が変化すると太陽電池モジュール2による発電量が変化するとき、太陽電池モジュール2が受光するのと同じ光をラジオメーター3が受光しており、その光の強さに応じて羽根車15の回転速度が変化する。光が弱いと回転は遅く、光が強いと回転は速くなる。この羽根車15の回転を目視することで太陽電池モジュール2の発電量を確認することが可能となる。
【0047】
光を感知して羽根車15が回転するラジオメーター3を用いて発電量を表現する構成によって、光の強さに応じて羽根車の回転が無段階に変化するため簡単な構成のまま、わずかな発電量変化を表現することができる。また、透明なガラスドームの中で羽根車が回転して発電量を表現するため、周囲の広い範囲から発電量を目視確認できるという効果が得られる。
【0048】
また風車4の回転を目視することで周辺の風の強さや風力発電の状態を確認するが、夜間で暗い状況においては風車4が見えにくいため、確認することが難しい。本実施例では夜間、風が吹いているときに照明装置8によって風車4が照らし出される構成であるため、風車4の回転を目視で容易に確認することが可能となる。
【0049】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2の全体斜視図である。なお、実施の形態1と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。風車4とラジオメーター3は共通の風車フレーム23に回転軸が同軸上に配置されるように取り付けられ、本体ユニット12に回転軸が垂直方向となるように固定されており、風車4が風を受けて回転する方向とラジオメーター3が光を感知して回転する方向は反対方向となっている。風車フレーム23は本体ユニット12にボルト24を用いて結合されており本体ユニット12から容易に着脱できる構造である。風車フレーム23を外すと風車4とラジオメーター3は一体となった状態で持ち運ぶことが可能である。本体ユニット12には建物などの壁面または地面に立てた柱などに設置、固定するためのフランジ25が備えられており、強風を受けても脱落などしないように頑強に設置して使用できるようになっている。
【0050】
発電機の出力は風車4のブレード26端部に配置された点光源の発光体27に接続されており、風が吹いて発電機5が回転して発電すると、その電力に応じて自動的に発光体27が点灯する。発光体27は例えばLEDを用いている。LEDは低い消費電力で高い輝度が出せる発光体であり、離れた場所からでも視認性がよいのが特徴であるが、その反面、光の指向性が強く点灯を確認できる方向が狭い範囲に限られるという制約がある。しかしながら、本実施例において発光体27は風車4のブレード26に取り付けられており風車4が回転すると発光体27はブレード26と一緒に回転するため、周囲360度どの方向からも容易に点灯を確認することが可能になる。
【0051】
上記構成において、ラジオメーター3の回転を目視することで太陽電池モジュール2の発電量を確認することができる。このとき同時に風が吹いて風車4が回転していてもラジオメーター3の回転方向と風車4の回転方向が異なるため、その回転方向を事前に認識していれば遠く離れた場所からでもどちらが回転しているのかを容易に確認、日射と風の状況を正確に判断することが可能になる。また、夜間においても風車4が回転しているときには発光体27が点灯する構成であるため、風車4の回転を目視で容易に確認することができる。さらに、台風など強風時には、ラジオメーター3と風車4を一体化した状態で簡単に取り外せるため、風車4の過回転や飛散物の衝突によるラジオメーター3のガラスドーム14の破損を抑止できる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、公園や公共施設における屋外での照明やカメラなどの電源装置として使用する用途として有用である。また、住宅の庭などにおける防犯用センサ・アラームや温度湿度など気象モニタリング装置の電源供給の用途などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1の全体側面図
【図2】本発明の実施の形態1のラジオメーター斜視図
【図3】本発明の実施の形態1の太陽電池モジュール部分斜視図
【図4】本発明の実施の形態2の全体斜視図
【図5】従来の発明の太陽電池モジュールを示す斜視図
【符号の説明】
【0054】
1 独立電源装置
2 太陽電池モジュール
3 ラジオメーター
4 風車
5 発電機
6 充電回路
7 蓄電池
8 照明装置
9 点灯回路
10 保持フレーム
11 ポール
12 本体ユニット
13 基礎台
14 ガラスドーム
15 羽根車
16 黒い面
17 受光面
18 平面部
19 穴
20 遮光板
21 角度調整用ロッド
22 防護カバー
23 風車フレーム
24 ボルト
25 フランジ
26 ブレード
27 発光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールを用いた独立電源装置において、光エネルギーを運動エネルギーに変換して動作するソーラーエンジンを備えたことを特徴とする独立電源装置。
【請求項2】
ソーラーエンジンが、ガラスドームの中に羽根車を有し光を感知すると前記羽根車が回転するラジオメーターであることを特徴とする請求項1記載の独立電源装置。
【請求項3】
ラジオメーターが、太陽電池モジュールの受光面が向けられた方向からの光を感知するようにしたことを特徴とする請求項2記載の独立電源装置。
【請求項4】
太陽電池モジュールの受光面の向きを自在に可変できる保持部材を設け、前記保持部材にラジオメーターが取り付けられていることを特徴とする請求項3記載の独立電源装置。
【請求項5】
風を受けて回転する風車を備えることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の独立電源装置。
【請求項6】
風車の回転軸が垂直方向に配置されている垂直軸風車であることを特徴とする請求項5記載の独立電源装置。
【請求項7】
ラジオメーターの回転軸と、風車の回転軸が同軸上に配置されたことを特徴とする請求項6記載の独立電源装置。
【請求項8】
ラジオメーターの回転方向と、風車の回転方向が反対方向であることを特徴とする請求項6または7記載の独立電源装置。
【請求項9】
風車に発電機が接続され風力発電機として機能することを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の独立電源装置。
【請求項10】
風力発電機の出力が照明に接続されており、風車が回転して発電した電力を用いて前記照明が点灯することを特徴とする請求項9記載の独立電源装置。
【請求項11】
周囲の照度を検知する照度検知手段と、風車の回転を検知する回転検知手段と、照明手段を備え、夜間に前記風車が回転したときに前記照明手段を点灯させることを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の独立電源装置。
【請求項12】
照明手段が点光源の発光体であり、風車に取り付けられていることを特徴とする請求項10または11に記載の独立電源装置。
【請求項13】
照度検知手段として、太陽電池モジュールの発電によって発生する出力電圧を検知する電圧検知手段とすることを特徴とする請求項11または12に記載の独立電源装置。
【請求項14】
回転検知手段として、風力発電機の発電によって発生する出力電圧を検知する電圧検知手段とすることを特徴とする請求項11または13に記載の独立電源装置。
【請求項15】
ラジオメーターのガラスドームの周囲に耐衝撃性のある防護手段を設けることを特徴とする請求項2から14のいずれかに記載の独立電源装置。
【請求項16】
ラジオメーターと風車が共通の取付け部材に取り付けられ、前記取付け部材を介して独立電源装置に固定されていることを特徴とする請求項5から15のいずれかに記載の独立電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−77508(P2009−77508A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243232(P2007−243232)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】