説明

現像ローラー、電子写真用プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置

【課題】圧縮永久歪の発生の抑制を図り、また、現像剤による汚染を抑制し、長期に亘って高品質の画像を得ることができる現像ローラーを提供する。更に、これを用いることにより、長期に亘り高品質の画像を得ることができる電子写真用プロセスカートリッジや、電子写真画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性軸芯体上に導電性弾性層を有し、更に導電性弾性層表面上に樹脂層を有する電子写真用現像ローラーにおいて、導電性弾性層がオルガノポリシロキサンからなるシリコーンゴムを80質量%以上含み、樹脂層が一般式(1)
【化1】


(一般式(1)において、Rはアルキル基を示す。)で表されるアクリル酸エステル単位からなるポリアクリル酸エステル成分を有するアクリル変性ウレタン樹脂を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ローラー、これを用いた電子写真用プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機や光プリンタ等の電子写真装置、静電記録装置等に電子写真画像形成装置が用いられている。電子写真画像形成装置には、回転可能な感光体と、その周囲に感光体を一様に帯電する帯電手段、一様に帯電した感光体表面に露光により静電潜像を形成する露光手段、感光体に現像剤を供給して現像しトナー像を形成する現像手段が設けられる。更に、感光体上のトナー像を転材上に転写する転写手段、転写材上のトナーを定着する定着手段、トナー転写後の感光体表面に残留するトナーの除去を行うクリ−ニング手段等が設けられる。
【0003】
このような電子写真画像形成装置における現像手段としては、一成分現像剤を用いる一成分現像方式や二成分現像剤を用いる二成分現像方式があり、一成分現像方式は小型化、軽量化に有利である。更に、一成分現像方式は、現像剤中に磁性体を含有する磁性現像剤を用いる磁性一成分現像方法と、磁性体を含有しない非磁性現像剤を用いる非磁性一成分現像方法に大別される。フルカラープリンターには、磁性体成分が通常有色であることから、有色の磁性体成分を含まない非磁性一成分現像方法が用いられる。
【0004】
このような非磁性一成分現像方法を使用する現像装置においては、現像剤を収納する現像剤容器の開口を閉塞し、且つ、一部を容器外に露出するように現像ローラーが設けられる。現像剤容器内で現像ローラーに当接して設けられる弾性ローラーによって現像ローラー表面上に現像剤を供給する。ついで現像剤量規制部材により余剰分を除去して現像ローラー上に現像剤を均一な薄膜状に形成すると同時に、摩擦によりトナー粒子に正または負の電荷を与える。さらに、現像ローラーの回転により正または負に帯電した現像剤を、露出部の現像領域に搬送し、ここにおいて対向して設けられる感光体表面の静電潜像に付着させ現像を行う。このような、現像ローラーには導電性ローラーが使用される。また、一般的に現像ローラーは多層構成になっており、各層に機能を持たせ、機能分離を図り、ローラーとして必要な特性を持たせているものが多い。
【0005】
現像ローラーは、現像剤と常時接触しており、長期的に使用することにより、表面に現像剤の付着による汚れが発生する。このため、電子写真画像形成装置により得られる画像の品質が低下する。また、電子写真画像形成装置が長期に亘って使用されない場合、現像ローラーが現像剤量規制部材や感光体による押圧を一定箇所に継続して受けるため、所謂圧縮永久歪と言われる変形を生じる。この変形は、現像剤量規制部材により形成される現像剤の均一な薄膜形成を阻害し、その結果、感光体への現像剤の供給量が変形部分で変動し、一定量の供給が行えず、画像劣化の起因となる。
【0006】
このような現像ローラーの表面の汚れを抑制するため、ローラー表面の樹脂層にアクリル樹脂等を用いその改質を図る方法(特許文献1、2)が報告されている。また、圧縮永久歪を抑制するため、弾性層に反発弾性の高いシリコーンゴムを用いその改質を図る方法(特許文献3)も報告されている。
【0007】
しかしながら、従来の現像ローラーにおいて、反発弾性が高く、圧縮永久歪みの小さいシリコーンゴムからなる弾性層上にアクリル変性ウレタン樹脂のようなアクリル樹脂を含有する樹脂層を設けた現像ローラーはほとんど実施されていない。これは、シリコーンゴムとアクリル樹脂との接着性が弱く、耐久性が懸念されることに起因する。
【0008】
また、シリコーンゴムからなる弾性層とアクリル樹脂を含有する樹脂層の間に接着層を設け、耐久性を向上させ、上記組み合わせを実施している例もあるが、層構成が増すことにより、工程が多くなる。多層構造の現像ローラーは製造工程の増加により製造効率の低下を来たし、均一な電気抵抗を有することが困難となる場合があり、抵抗ムラが生じ、得られる画像の品質が低下する場合がある。
【特許文献1】特開平11−143212号公報
【特許文献2】特開平7−310732号公報
【特許文献3】特開平10−268631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、圧縮永久歪の発生の抑制を図り、また、現像剤による汚染を抑制し、長期に亘って高品質の画像を得ることができる現像ローラーを提供することにある。更に、これを用いることにより、長期に亘り高品質の画像を得ることができる電子写真用カートリッジや、電子写真画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、シリコーンゴムからなる導電性弾性層表面に、特定のアクリル変性ウレタン樹脂を含む樹脂層を設けることにより導電性弾性層と樹脂層の間に充分な接着性を持たせられることの知見を得た。そして、導電性弾性層にシリコーンゴムを使用することで、圧縮永久歪を抑え、さらに表面の樹脂層に特定のアクリル変性ウレタン樹脂を用い表面の改質により、現像ローラー表面の汚れを抑制することが可能であることの知見を得た。これにより現像ローラーにおいて耐久性と高品質な画像形成の両立を図ることが可能であることを見い出し、かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、導電性軸芯体と、導電性弾性層と、該導電性弾性層の表面上に形成された樹脂層とを有する現像ローラーにおいて、導電性弾性層がオルガノポリシロキサンからなるシリコーンゴムを80質量%以上を含み、樹脂層が一般式(1)
【0012】
【化1】

【0013】
(一般式(1)において、Rはアルキル基を示す。)
で表されるアクリル酸エステル単位からなるポリアクリル酸エステル成分を有するアクリル変性ウレタン樹脂を含むことを特徴とする現像ローラーに関する。
【0014】
また、本発明は、回転可能な感光体と、感光体の表面を一様に帯電する帯電部材と、感光体の表面に現像ローラーにより現像剤を供給して静電潜像を現像してトナー像とする現像部材とを有する電子写真用プロセスカートリッジにおいて、現像ローラーが上記現像ローラーであることを特徴とする電子写真用プロセスカートリッジに関する。
【0015】
また、本発明は、回転可能な感光体と、感光体の表面を一様に帯電する帯電部材と、感光体表面に静電潜像を形成する露光部材と、感光体の表面に現像ローラーにより現像剤を供給して静電潜像を現像してトナー像とする現像部材と、感光体の表面のトナー像を転写材に転写する転写部材と、転写材上に転写したトナーを定着する定着部材とを有する電子写真画像形成装置において、現像ローラーが上記現像ローラーであることを特徴とする電子写真画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の現像ローラーは、現像剤による現像ローラー表面の汚染の抑制や、耐久性、さらに圧縮永久歪みの発生の抑制を実現し、長期に亘って高品質の画像を得ることができる。また、本発明の電子写真用プロセスカートリッジや電子写真画像形成装置は、長期に亘り高品質の画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<導電性軸芯体>
本発明の現像ローラーに用いる導電性軸芯体は上層の導電性弾性層及び樹脂層を支持可能であって、導電性を有すればいずれであってもよい。その材質としては、炭素鋼、合金鋼、鋳鉄、導電性樹脂など、カーボンブラックや炭素繊維をプラスチックで固めた複合材料等の剛直で導電性を示す材料などの中から、適宜選択して用いることができる。合金鋼としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブテン鋼、クロム鋼、クロムモリブテン鋼、Al、Cr、Mo及びVを添加した窒化用鋼等を挙げることができる。
【0018】
更に、導電性軸芯体として、導電性軸心体材料にめっき、酸化処理などの防錆処理を行ったものを使用することができる。めっきの種類としては電気めっき、無電解めっきなどいずれも使用することができるが、寸法安定性の観点から無電解めっきが好ましい。ここで使用される無電解めっきの種類としては、ニッケルめっき(カニゼンめっき)、銅めっき、金めっき、その他各種合金めっきなどを挙げることができる。ニッケルめっきの種類としては、Ni−P、Ni−B、Ni−W−P、Ni−P−PTFE複合めっきなどがある。めっき厚さは、例えば、0.05μm以上などを挙げることができるが、作業効率と防錆能力のバランスを考慮すると、0.1〜30μmであることが適当である。
【0019】
導電性軸芯体の形状としては棒状体又はパイプ状体を挙げることができる。必要に応じて、その表面にプライマー処理層を形成してもよい。この導電性軸芯体の外径は、例えば、4mm〜20mmの範囲を挙げることができる。
<導電性弾性層>
本発明の現像ローラーにおける導電性弾性層は、オルガノポリシロキサンからなるシリコーンゴムをベースポリマーとして含むものである。オルガノポリシロキサンからなるシリコーンゴムは歪に対して優れた回復力を有する。現像ローラーは感光体や現像剤量規制部材など各種部材と接触している。そのため、現像ローラーの導電性弾性体の永久圧縮歪が大きいと、各種部材との接触による変形が回復しないため、その変形が画像弊害として表れる懸念がある。導電性弾性層がオルガノポリシロキサンからなるシリコーンゴムを80質量%以上含むことにより現像ローラーにおける永久圧縮歪を抑制することができる。更に、シリコーンゴムの80質量%以上がジメチルシロキサンを硬化して得られるものであることが好ましい。これにより、シリコーンゴム中のシロキサン結合の含有量を高くし、シロキサン結合に起因する、永久圧縮歪が小さいという特性を導電性弾性層に充分に付与することができる。
【0020】
ここで、導電性弾性層中のシリコーンゴムの骨格は固体Si−NMR等を用いて分析することができる。
【0021】
導電性弾性層の硬度としてはAsker C硬度が20度以上、60度以下であることが好ましい。導電性弾性層の硬度が20度以上であれば、導電性弾性層自体からのシリコーンゴム等の滲出を抑制し、感光体の汚染を抑制することができる。また、導電性弾性層の硬度が60度以下であれば、搬送するトナー(現像剤)にダメージを与えることを抑制し、出力画像の画質の低下を抑制することができる。
【0022】
上記導電性弾性層は、導電性を有するものとするため、イオン導電機構、または電子導電機構による導電付与剤を含有する。
【0023】
イオン導電機構による導電付与剤としては、具体的には、以下のものを挙げることができる。
周期表第I族金属の塩(LiCF3SO3、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaCl等)。
周期表第II族金属の塩(NH4Cl、(NH42SO4、NH4NO3等のアンモニウム塩、Ca(ClO42、Ba(ClO42等)。
上記塩と多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等)との錯体。
上記塩とモノオール(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル等)との錯体。
陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤。
【0024】
また、電子導電機構による導電付与剤としては、具体的には、以下のものを挙げることができる。
炭素系物質(カーボンブラック、グラファイト等)。
金属や合金(アルミニウム、銀、金、錫−鉛合金、銅−ニッケル合金等)。
金属酸化物(酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀等)。
【0025】
さらに上記導電性付与剤に銅、ニッケル、銀等の導電性金属めっきを施した物質等も導電性付与剤として挙げることができる。これらイオン導電機構、電子導電機構による導電付与剤は粉末状や繊維状の形態で、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。この中でも、カーボンブラックは導電性の制御が容易であり、また経済的であるなどの点から好ましい。
【0026】
上記導電性弾性層の体積抵抗率は1×104〜1×1011Ω・cmの範囲にあることが好ましい。導電性弾性層の体積抵抗率が1×104〜1×1011Ω・cmであれば、トナーを均一に帯電することができる。弾性層材料の体積抵抗率のより好ましい範囲は1×104〜1×109Ω・cmである。
【0027】
この体積抵抗率を測定する際には、導電性弾性層の成形時と同じ条件で導電性弾性層材料を硬化して、厚さ2.0mmの導電性弾性層のテストピースを作製し、これを用いて測定を行う。具体的には、導電性弾性層材料をシート状にして130℃のオーブンに入れ20分加熱し、厚み2.0mmのゴムシートを2枚成形し、その後200℃のオーブンで4時間加熱し二次加硫を行う。その後、ゴムシートを温度25℃、湿度45%RHの環境に24時間以上放置し、ハイレスタIP(三菱油化社製)を用いて100Vの電圧印加で測定を行い、2枚のゴムシートから得られる抵抗の値の平均値として、体積抵抗率を求めることができる。
【0028】
このような導電性弾性層には、上記組成の機能を阻害しない範囲で、その他必要に応じて可塑剤、充填剤、増量剤、加硫剤、架橋剤、加硫助剤、架橋助剤、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤等の各種添加剤を含有させることができる。
【0029】
導電性弾性層の厚さとしては、その材質や現像剤量規制部材や感光体等との関連において所望の弾性を有するように適宜選択することができ、例えば、1.0mm〜5.0mmを挙げることができる。
<樹脂層>
本発明の現像ローラーにおける樹脂層は、導電性弾性層の表面上に設けられ、抵抗、粗さ、硬度などの特性を調整する。かかる樹脂層は一般式(1)
【0030】
【化2】

【0031】
で表されるアクリル酸エステル単位からなるポリアクリル酸エステル成分を有するアクリル変性ウレタン樹脂を含む。このようなアクリル変性ウレタン樹脂はウレタン樹脂に比べ粘着性が低く、これを含有する樹脂層にはトナーの付着を抑制することができ、現像ローラーにおいて表面の汚染を抑制することができる。
【0032】
一般式(1)において、Rはアルキル基を示す。一般式(1)において、Rが示すアルキル基としては、炭素数が1から8であることが好ましい。炭素数が8以下であれば、疎水性が高くなるのを抑制し、且つ、導電性弾性体層との接着性が低減するのを抑制することができる。炭素数が1から3であると、特に密着性に優れ、現像ローラーにおいて耐久性を著しく向上させることができ、炭素数が4から8であると、現像ローラーにおいてトナー付着によるローラー表面の汚染を抑制する効果をより顕著に得ることができる。かかる点から、Rは、メチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基などを好ましいものとして挙げることができる。一般式(1)で表されるアクリル酸エステル単位からなるポリアルクル酸エステル成分は、Rで示されるアルキル基として1種を含有するものであっても2種以上を含有するものであってもよい。2種以上のアルキル基を含有する場合は、例えば、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル単位からなるポリアクリル酸エステル成分において1種のアルキル基を有するものが複数種、樹脂層に含有されていてもよい。あるいは、アクリル酸エステル単位からなるポリアルクル酸エステル成分中に、2種以上のアルキル基を有するものであってもよい。
【0033】
また、ポリアルクル酸エステル成分において、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル単位の繰り返し数は、10から40であることが好ましい。繰り返し数が10以上であれば、主鎖部分が低分子量となるのを抑制し、架橋密度の上昇による高硬度になるのを抑制し、トナーへ与えるダメージの低減を図ることができる。また、繰り返し数が40以下であれば、架橋密度の低減による含有物の滲出を抑制することができる。
【0034】
このような一般式(1)で表されるアクリル酸エステル単位からなるポリアクリル酸エステル成分のアクリル変性ウレタン樹脂中の含有量は、3.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。ポリアクリル酸エステル成分の含有量が、3.0質量%以上であれば、表面の改質効果を充分に得ることができ、現像ローラー表面の汚染を抑制することができる。また、20.0質量%以下であれば、樹脂層と弾性層の間の粘着性の低減を抑制し、現像ローラーにおいて耐久性を有するものとなる。現像ローラーにおいて優れた耐久性が求められる場合、例えば高寿命機に用いる場合等には、ポリアクリル酸エステル成分の含有量が3.0質量%以上、10.0質量%以下であることが好ましい。
【0035】
上記アクリル変性ウレタン樹脂は、イソシアネート化合物とポリオールとの少なくとも一方に一般式(1)で表されるアクリル酸エステル単位からなるポリアクリル酸エステルを反応させて得ることができる。例えば、ポリアクリル酸エステル成分を含有しないイソシアネート化合物とポリオールに、ポリアクリル酸エステル成分を含有するポリオール等を添加し、これらを反応させることによってアクリル変性ウレタン樹脂を得ることができる。この方法は、樹脂中に含有されるポリアクリル酸エステル成分の量をコントロールすることが容易であるため、好ましい。
【0036】
イソシアネート化合物として、例えば、以下のものを用いることができる。ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート。p−フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、キシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート。パラフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることもができる。
【0037】
また、ポリオールとしては、例えば、以下のものを用いることができる。2価のポリオール(ジオール)として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール。1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール等。3価以上のポリオールとして、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等。ジオール、トリオール等に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを付加した高分子量のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド‐プロピレンオキサイドブロックグリコール等。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
このような樹脂層は、適宜導電性を有するように上記導電剤を含有していてもよい。
【0039】
上記樹脂層は、表面粗さをトナーの搬送に適したものとするため、炭酸カルシウムやウレタンからなる粒子等を含有していてもよい。樹脂層の表面粗さとしては、JIS B 0601:1994表面粗さの規格におけるRaが3.0μm以下であることが好ましい。Raが3.0μm以下であれば、トナーの搬送量が過大になるのを抑制し、感光体上に残留するトナーにより画像が悪化するのを抑制することができる。
【0040】
樹脂層は、上記組成の機能を阻害しない範囲で、必要に応じて、充填剤、増量剤、加硫剤、架橋剤、加硫助剤、架橋助剤、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤等の各種添加剤を含有させることができる。
【0041】
このような樹脂層は、厚さが1〜500μmであることが好ましい。樹脂層の厚さが1μm以上であれば、耐磨耗性を有するものとなり、500μm以下であれば、高硬度になることを抑制し、トナー劣化や融着を抑制することができる。樹脂層の厚さとしては、より好ましくは、1〜50μmである。
【0042】
このような現像ローラーを製造する方法としては、押出成形法、型成形法、射出成形法等の方法によって、軸芯体上に導電性弾性層を成形する方法を挙げることができるが、これらの方法のうち型成形法が好ましい。型成形法は、他の成形方法と比べ、精度の高い導電性弾性層が連続生産により効率よく低コストで得られるため有用である。また、上層の樹脂層との密着性を向上させ剥離を抑制するために、導電性弾性層の表面をコロナ処理、フレーム処理、エキシマ処理等の表面改質方法にて改質することが好ましい。
【0043】
上記導電性弾性層上に樹脂層を成形する方法としては、塗工による方法を挙げることができる。塗工方法としては、上記物質を溶剤に溶解又は分散させて調製した塗工液を用い、ディッピング法、ロール塗工法、リングコート法、スプレー塗工法等を用いることができる。厚さを制御しやすく、製造が容易等の理由からディッピング法を用いることが好ましい。ディッピング法では塗工液の粘度が5〜50mPa・sであることが好ましい。粘度が5mPa・s以上であれば塗工膜が硬化するまでに形状が崩れることがなく、安定した形状として製造することができる。また、塗工液の粘度が50mPa・s以下であれば、塗工性に優れ均一な膜厚に形成することが容易である。このような粘度とするには使用する溶剤、その量を適宜選択することができる。溶剤としては、以下のものを挙げることができる。
アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール)。
ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)。
アミド類(N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド等)。
スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)。
エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等)。
エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル等)。
芳香族化合物(キシレン等)。
【0044】
このような現像ローラーは、特に、周方向において一定の形状として製造されることが好ましい。周方向における現像ローラーの不均一は感光体とのニップ幅の変動が大きくなり、感光体への現像剤の搬送量の不均一を招換し、画像の濃淡となって現れる場合がある。
【0045】
本発明の現像ローラーの一例として、図1に示すものを挙げることができる。図1(A)に長手方向の側断面、(B)に長手方向に垂直な断面を示す現像ローラーは、導電性軸芯体11上に、導電性弾性層12と樹脂層13を順次積層した構造を有する。
【0046】
本発明の電子写真画像形成装置は、主として以下の部材を有する。
回転可能な感光体。
感光体の表面を一様に帯電する帯電部材。
感光体表面に静電潜像を形成する露光部材。
感光体の表面に現像剤を供給して静電潜像を現像してトナー像とする上記現像ローラーを備えた現像部材。
感光体の表面のトナー像を転写材に転写する転写部材。
転写材上に転写したトナーを定着する定着部材。
【0047】
本発明の電子写真画像形成装置の一例として、図2に示す電子写真画像形成装置を挙げることができる。図2の概略構成図に示す電子写真画像形成装置には、矢印A方向に回転する潜像担持体としての感光体201が設けられる。感光体の周囲には、感光体を一様に帯電するため帯電ローラー202を有する帯電部材、一様に帯電処理した感光体にレーザー光203を照射して静電潜像を形成する露光部材が設けられる。更に、静電潜像を形成した感光体に現像剤205を供給し静電潜像を現像する現像ローラー204を備えた現像部材が設けられる。可視化した感光体上のトナー像を、給紙ローラー206により供給され搬送ベルトによって搬送される紙等の転写材207の裏面からバイアス電源を印加して転写材上に転写する転写ローラー208を有する転写部材が設けられる。更に、転写材上に転写したトナー像を加熱などにより定着する定着ローラー209と加圧ローラー210を有する定着部材が設けられ、画像形成された転写材を装置外に排紙するようになっている。
【0048】
一方、転写材に転写されず残存する残存現像剤を感光体から除去し表面をクリーニングするクリーニングブレード211と、感光体から掻き取られた現像剤205を収納する廃現像剤容器212とが設けられるクリーニング部材が備えられる。クリーニングされた感光体は画像形成可能状態とされて待機するようになっている。
【0049】
上記画像形成部に設けられる現像部材には、現像剤205を収容した現像剤容器214、現像剤容器の開口を閉塞するように設置され、現像剤容器から露出した部分で感光体と対向するように現像ローラー204が設けられる。現像剤容器内には、現像ローラーに当接し現像ローラーにトナーを供給する現像剤供給ローラー213と、現像ローラーに供給したトナーを薄膜状に形成すると共に、摩擦帯電する現像剤量規制部材215とが設けられる。現像剤供給ローラーとしては、例えば、軸芯体上に発泡スポンジ体や、ポリウレタンフォームを設けたものや、レーヨン、ポリアミド等の繊維を植毛したファーブラシ構造のもの等が、現像ローラーへのトナー供給と現像後の残留トナーを除去可能な点から好ましい。この現像剤塗布部材は現像ローラーと適切な当接幅を有して配置することが好ましく、また、現像ローラーに対してその当接部において相対速度を有して回転することが好ましい。
【0050】
また、本発明の電子写真用プロセスカートリッジは、回転可能な感光体と、感光体の表面を一様に帯電する帯電部材と、感光体の表面に現像剤を供給して静電潜像を現像してトナー像とする上記現像ローラーを備えた現像部材とを有する。これらが一体的に設けられ上記電子写真画像形成装置に着脱可能となっている。電子写真用ブロセスカートリッジは、その他、感光体をクリーニングするクリーニング部材や、感光体上のトナー像を転写材に転写する転写部材等を上記の部材と共に又は上記の部材のいずれか1個又は2個以上と交換して一体的に設けられたものであってもよい。
【実施例】
【0051】
以下に、本発明の現像ローラー、電子写真用プロセスカートリッジ、電子写真画像形成装置を具体的に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。以下、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を用いた。
【0052】
[実施例1]
[現像ローラーの作製]
[導電性弾性層の作製]
直径6mm、長さ250mmのSUS製軸芯体の表面に、シリコーンゴムとの接着性を向上させる目的で、プライマー処理を行った。
【0053】
両末端にビニル基が置換したジメチルポリシロキサン100部に、充填剤として石英粉末7部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)10部を配合して液状シリコーンゴムのベース材料とした。このベース材料を二つに分け、一方には硬化触媒として白金化合物を微量配合した。この材料をベース材料Aとした。もう一方には硬化触媒としてオルガノハイドロジェンポリシロキサン(Si−H基含有量0.8質量%)3部及び微量の硬化遅延剤を配合した。この材料をベース材料Bとした。その後、ベース材料Aとベース材料Bとを質量比1:1で混合し、液状シリコーンゴムとした。
【0054】
得られた液状シリコーンゴムを軸芯体を設置した金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を150℃、5分間加熱し、冷却後脱型した。その後にさらに、180℃で1時間加熱し、硬化反応を完結させた。その後、UVエキシマ処理を行い表面に凹凸を形成し、導電性弾性層を作製し、弾性ローラーを作製した。このとき、作製した弾性ローラーの口径は12mmであった。また、導電性弾性層に含まれるシリコーンゴムは約83質量%である。
【0055】
[樹脂層の作製]
ポリテトラメチレングリコール(PTG1000SN:保土ヶ谷化学社製)100質量部に、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(コスモネートM−100:三井武田ケミカル社製)25質量部をMEK溶媒中で段階的に混合および攪拌を行った。窒素雰囲気下で80 ℃にて5時間反応させ、重量平均分子量Mn5000、水酸基価30、平均官能基数2のポリウレタンポリオールを得た。アクリルポリオールとしては、一般式(1)中のRがメチル基であるUMM−1001(綜研化学株式会社製)を使用した。これらの材料を、以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料に、メチルエチルケトンを加え、サンドミルで1時間分散した。分散後、粘度を調整するために、さらにメチルエチルケトンを加え、樹脂層塗工液とした。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 49.0
アクリルポリオール(UMM−1001:綜研化学株式会社製) 0.8
ポリイソシアネート(コロネート2521:日本ポリウレタン工業社製) 23.2
ウレタン粒子(アートパールC400透明:根上工業社製) 11.1
カーボンブラック(MA100:三菱化学社製) 15.9
上記樹脂層塗工液に弾性ローラーを浸漬して、塗布膜を形成し、自然乾燥した。次いで、140℃にて60分間加熱処理し樹脂層材料の硬化を行い、膜厚が15〜30μmの樹脂層を形成し、現像ローラーを作製した。
【0056】
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位成分の含有割合は約1.0質量%であった。
【0057】
また、現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れについて、以下のようにして測定し、評価を行った。その結果を表1に示す。
【0058】
[アクリル変性ウレタン樹脂におけるアクリル酸エステル単位の繰り返し数n]
使用したアクリルポリオールについて、平均分子量Mwから含まれる官能基の分子量を引き、その値をアクリル酸エステル単位の分子量で割った整数値をアクリル酸エステル単位の繰り返し数nとした。
【0059】
[アクリル変性ウレタン樹脂中のアクリル酸エステル単位の含有量]
まず、各アクリル酸エステル単位について樹脂中の含有量が既知のアクリル変性ウレタン樹脂のサンプルを用意し、熱分解GC(TRACE2000 series GC:Therumo Quest製)を用い、測定を行った。測定条件は以下のとおりである。
【0060】
カラム HP−5MS 30m
移動相 He
分解炉温度 590℃
温度設定 開始温度 40℃ 5min
温度勾配 10℃/min
最終温度 300℃
この条件でカラム内の圧力が100Kpになるよう調整し、測定を行った。その結果から各アクリル酸エステル単位に由来するピーク強度(例えば、Rが2−エチルヘキシル基であるアクリル酸エステル単位は13.3minに特徴的なピークが見られる。)を求め、その他配合しているポリオール及びイソシアネート由来の特徴的なピーク強度に対する比率を求めた。そして樹脂中の含有量とアクリル酸エステル単位由来のピーク強度比の関係を求め、アクリル酸エステル単位の含有量を求める指標とした。
【0061】
[画像の初期濃度]
現像ローラーをカートリッジに組み込み、初期濃度評価を行った。この評価を行う際にはHewlett−Packard社製 Color Laser Jet3700を用いた。
【0062】
現像ローラーをカートリッジに組み込み、この電子写真用プロセスカートリッジを温度25℃、湿度45%RHの環境に24時間放置した後、同環境において電子写真画像形成装置本体に搭載し、ベタ黒画像を出力した。出力した画像の上部、中央部、下部の領域の左、中央、右の各3点、計9点において、SPIフィルターを装着したマクベス社製マクベスカラーチェッカーRD−1255を使用して濃度を測定し、その平均値を画像の初期濃度とした。
【0063】
画像の初期濃度の値が1.0より低ければ「C」、1.0以上かつ1.1より低ければ「B」、1.1以上であれば「A」とした。
【0064】
[耐久性]
上記画像の初期濃度の測定に続いて、画像出力を開始した。印字率が1%の画像を8000枚出力後、一旦電子写真用プロセスカートリッジから現像ローラーを取り出し、取り出した現像ローラーについて目視により観察した。ここで、ローラー端部の樹脂層に浮きや剥れが確認された場合には「C」とした。
【0065】
問題がない現像ローラーについて、更に新しい電子写真用プロセスカートリッジに組み込み、再度温度25℃、湿度45%RHの環境に24時間放置した後、印字率が1%の画像を8000枚追加で出力した。その後、現像ローラーを取り出し、端部の樹脂層の浮きや剥れが観察された場合を「B」、樹脂層の浮きや剥れがない場合を「A」とした。
【0066】
[表面汚れ]
上記耐久性試験において、最初の8000枚出力後、ベタ白画像を出力し、かぶりの有無、その程度(かぶり値)を測定し、ローラー表面汚れの指標とした。かぶり値は、反射濃度計(東京電色技術センター社製)を用いて、電子写真画像形成装置による画像形成前の転写紙の反射濃度と、ベタ白画像の画像形成を行った後の転写紙の反射濃度を測定し、その差分を現像ローラーのかぶり値とした。転写紙の画像印刷領域を左上から順に1cm×1cmの領域に分割し、各領域における反射濃度を測定し、その値の最小値をその転写紙の反射濃度とした。このかぶり値が1.0より小さければ「A」、1.0以上かつ3.0より小さければ「B」、3.0以上かつ5.0より小さければ「C」、5.0以上であれば「D」として、評価を行った。
【0067】
ここで、かぶりは、表面にトナー付着等の汚れが発生した現像ローラーを用いて画像形成を行うとトナーの帯電量が減少し、この状態でベタ白画像の形成を行うと、帯電量が不足するトナーは感光体へと移動し、更に、転写紙上へ移動することによって生じる。このため、現像ローラーの表面汚れの指標とすることができる。
【0068】
[圧縮永久歪評価]
現像ローラーを電子写真用プロセスカートリッジに組み込み、この電子写真用プロセスカートリッジを温度40℃、湿度95%RHの環境に15日間放置した。その後、更に電子写真用プロセスカートリッジを温度25℃、湿度45%RHの環境に24時間放置した。放置後、温度25℃、湿度45%RHの環境において、電子写真用プロセスカートリッジを電子写真画像形成装置本体に搭載し、ベタ黒画像を出力した。この画像において、放置中の現像剤規制部材との当接による現像ローラーの凹み起因とみられる画像弊害を評価することで、圧縮永久歪の評価とした。凹み起因とみられる画像弊害がほとんど確認できない場合は「A」、わずかに画像弊害が確認できる場合は「B」、はっきりと確認できる場合は「C」として評価を行った。
【0069】
[実施例2]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 46.2
アクリルポリオール 2.8
ポリイソシアネート 24.1
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約3.5質量%であった。
【0070】
[実施例3]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 44.4
アクリルポリオール 4.0
ポリイソシアネート 24.7
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約5.0質量%であった。
【0071】
[実施例4]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 38.9
アクリルポリオール 7.8
ポリイソシアネート 26.5
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.8
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約9.8質量%であった。
【0072】
[実施例5]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 33.1
アクリルポリオール 14.9
ポリイソシアネート 25.2
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.8
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約18.6質量%であった。
【0073】
[実施例6]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 30.7
アクリルポリオール 16.9
ポリイソシアネート 25.5
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約21.2質量%であった。
【0074】
[実施例7]
アクリルポリオールとして、一般式(1)中のRがエチル基となるようUME−1001(綜研化学株式会社製)を用いた。また、以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 49.2
アクリルポリオール(UME−1001:綜研化学株式会社製) 0.8
ポリイソシアネート 23.1
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約1.0質量%であった。
【0075】
[実施例8]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例7と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 47.0
アクリルポリオール 2.5
ポリイソシアネート 23.5
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 16.0
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約3.1質量%であった。
【0076】
[実施例9]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例7と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 45.1
アクリルポリオール 4.1
ポリイソシアネート 24.0
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.8
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約5.1質量%であった。
【0077】
[実施例10]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例7と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 40.4
アクリルポリオール 7.7
ポリイソシアネート 25.0
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約9.6質量%であった。
【0078】
[実施例11]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例7と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 31.9
アクリルポリオール 14.4
ポリイソシアネート 26.9
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.8
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約18.1質量%であった。
【0079】
[実施例12]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例7と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 29.1
アクリルポリオール 16.6
ポリイソシアネート 27.6
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.7
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約20.9質量%であった。
【0080】
[実施例13]
アクリルポリオールとして、一般式(1)中のRがエチル基となるようUME−2005(綜研化学株式会社製)を用いた。以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 48.8
アクリルポリオール(UME−2005:綜研化学株式会社製) 1.0
ポリイソシアネート 23.2
ウレタン粒子 11.1
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約1.2質量%であった。
【0081】
[実施例14]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例13と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 46.7
アクリルポリオール 2.5
ポリイソシアネート 23.9
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約3.1質量%であった。
【0082】
[実施例15]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例13と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 44.6
アクリルポリオール 4.0
ポリイソシアネート 24.5
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約5.0質量%であった。
【0083】
[実施例16]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例13と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 39.2
アクリルポリオール 7.8
ポリイソシアネート 26.2
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.8
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約9.8質量%であった。
【0084】
[実施例17]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例13と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 29.5
アクリルポリオール 14.7
ポリイソシアネート 29.2
ウレタン粒子 10.9
カーボンブラック 15.7
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約18.6質量%であった。
【0085】
[実施例18]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例13と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 25.3
アクリルポリオール 17.7
ポリイソシアネート 30.4
ウレタン粒子 10.9
カーボンブラック 15.7
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約22.4質量%であった。
【0086】
[実施例19]
アクリルポリオールとして、一般式(1)中のRがブチル基となるようUMB−1001(綜研化学株式会社製)を用いた。また、以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 49.2
アクリルポリオール(UMB−1001:綜研化学株式会社製) 0.8
ポリイソシアネート 23.0
ウレタン粒子 11.1
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約1.0質量%であった。
【0087】
[実施例20]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例19と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 46.8
アクリルポリオール 2.8
ポリイソシアネート 23.5
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約3.5質量%であった。
【0088】
[実施例21]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例19と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 45.3
アクリルポリオール 4.0
ポリイソシアネート 23.8
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約5.0質量%であった。
【0089】
[実施例22]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例19と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 40.7
アクリルポリオール 7.7
ポリイソシアネート 24.7
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約9.7質量%であった。
【0090】
[実施例23]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例19と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 32.3
アクリルポリオール 14.6
ポリイソシアネート 26.3
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.8
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約18.3質量%であった。
【0091】
[実施例24]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例19と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 28.9
アクリルポリオール 17.3
ポリイソシアネート 27.0
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.8
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約21.8質量%であった。
【0092】
[実施例25]
アクリルポリオールとして、一般式(1)中のRが2−エチルヘキシル基となるよう、UT−1001(綜研化学株式会社製)を用いた。また、以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 49.3
アクリルポリオール(UT−1001:綜研化学株式会社製) 0.8
ポリイソシアネート 23.0
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約1.0質量%であった。
【0093】
[実施例26]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例25と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 47.4
アクリルポリオール 2.5
ポリイソシアネート 23.2
ウレタン粒子 11.1
カーボンブラック 15.8
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約3.1質量%であった。
【0094】
[実施例27]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例25と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 46.0
アクリルポリオール 3.7
ポリイソシアネート 23.4
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約4.6質量%であった。
【0095】
[実施例28]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例25と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 41.2
アクリルポリオール 7.8
ポリイソシアネート 24.1
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.9
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約9.8質量%であった。
【0096】
[実施例29]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例25と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 32.7
アクリルポリオール 13.7
ポリイソシアネート 26.8
ウレタン粒子 11.0
カーボンブラック 15.8
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約17.3質量%であった。
【0097】
[比較例1]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリウレタンポリオール 50.2
ポリイソシアネート 22.8
ウレタン粒子 11.1
カーボンブラック 15.9
[実施例30]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例1と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリエステルポリオール(ニッポラン5033:日本ポリウレタン工業社製)65.7
アクリルポリオール(UT−1001:綜研化学株式会社製) 1.1
ポリイソシアネート(コロネートL:日本ポリウレタン工業社製) 10.8
ウレタン粒子(アートパールC400透明:根上工業社製) 3.7
カーボンブラック(MA100:三菱化学社製) 18.7
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約1.4質量%であった。
【0098】
[実施例31]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例30と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリエステルポリオール 62.6
アクリルポリオール 3.8
ポリイソシアネート 11.2
ウレタン粒子 3.7
カーボンブラック 18.7
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約4.8質量%であった。
【0099】
[実施例32]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例30と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリエステルポリオール 58.8
アクリルポリオール 7.1
ポリイソシアネート 11.7
ウレタン粒子 3.8
カーボンブラック 18.6
得られた現像ローラーの樹脂層材料を分析した結果、樹脂層材料中に占めるアクリル酸エステル単位の割合は約9.0質量%であった。
【0100】
[比較例2]
以下の組成(膜成形後の組成)となるように混合した樹脂層材料を用いて樹脂層を成形した他は、実施例30と同様にして現像ローラーを作製した。この現像ローラーを使用して形成した画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
組成(単位は質量%)
ポリエステルポリオール 67.0
ポリイソシアネート 10.6
ウレタン粒子 3.7
カーボンブラック 18.7
[比較例3]
直径6mm、長さ250mmのSUS製軸芯体の表面に、シリコーンゴムとの接着性を向上させる目的で、プライマー処理を行った。
【0101】
両末端にビニル基が置換したジメチルポリシロキサン100部に、充填剤として石英粉末7部、カーボンブラック(電気化学工業製デンカブラック、粉状品)20部を配合して液状シリコーンゴムのベース材料とした。このベース材料を二つに分け、一方には硬化触媒として白金化合物を微量配合した。この材料をベース材料Aとした。もう一方には硬化触媒としてオルガノハイドロジェンポリシロキサン(Si−H基含有量0.8質量%)3部及び微量の硬化遅延剤を配合した。この材料をベース材料Bとした。その後、ベース材料Aとベース材料Bとを質量比1:1で混合し、液状シリコーンゴムとした。
【0102】
得られた液状シリコーンゴムを軸芯体を設置した金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を温度150℃、5分間加熱し、冷却後脱型した。その後にさらに、温度180℃で1時間加熱し、硬化反応を完結させた。その後、UVエキシマ処理を行い表面に凹凸を形成し、導電性弾性層を作製し、弾性ローラーを作製した。このとき、作製した弾性ローラーの口径は12mmであった。導電性弾性層に含まれるシリコーンゴムは約77質量%である。
【0103】
得られた弾性ローラーに実施例1と同一の樹脂層を設け、現像ローラーを作製した。この現像ローラーについて、実施例1と同様にして画像の初期濃度、現像ローラーの耐久性、表面汚れ、圧縮永久歪について評価を行った。結果を表1に示す。
【0104】
【表1】

【0105】
表中、R欄の表記は一般式(1)中のRに相当し、M:メチル基、E:エチル基、B:ブチル基、2EH:2−エチルヘキシルを示す。また、樹脂層中の(A)成分は、アクリル変性ウレタン樹脂中のポリアクリル酸エステル成分を示し、単位は質量%である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の現像ローラーの一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の電子写真画像形成装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0107】
11 導電性軸芯体
12 導電性弾性層
13 樹脂層
201 感光体
202 帯電ローラー
203 レーザー光
204 現像ローラー
205 現像剤
206 給紙ロ−ラー
207 転写材
208 転写ローラー
209 定着ローラー
210 加圧ローラー
211 クリーニングブレード
212 廃現像剤容器
213 現像剤供給ローラー
214 現像剤容器
215 現像剤量規制部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性軸芯体と、導電性弾性層と、該導電性弾性層の表面上に形成された樹脂層を有する現像ローラーにおいて、導電性弾性層がオルガノポリシロキサンからなるシリコーンゴムを80質量%以上含み、かつ樹脂層が一般式(1)
【化1】

(一般式(1)において、Rはアルキル基を示す。)
で表されるアクリル酸エステル単位からなるポリアクリル酸エステル成分を有するアクリル変性ウレタン樹脂を含むことを特徴とする現像ローラー。
【請求項2】
一般式(1)中、Rが炭素数が1から8のアルキル基を示すことを特徴とする請求項1に記載の現像ローラー。
【請求項3】
一般式(1)中、Rがメチル基、エチル基、ブチル基又は2−エチルヘキシル基のいずれかを示すことを特徴とする請求項2記載の現像ローラー。
【請求項4】
前記ポリアクリル酸エステル成分において、一般式(1)で表されるアクリル酸エステル単位の繰り返し数が、10以上、40以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像ローラー。
【請求項5】
アクリル変性ウレタン樹脂が、ポリアクリル酸エステル成分を3.0質量%以上20.0質量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の現像ローラー。
【請求項6】
回転可能な感光体と、感光体の表面を一様に帯電する帯電部材と、感光体の表面に現像ローラーにより現像剤を供給して静電潜像を現像してトナー像とする現像部材とを有する電子写真用プロセスカートリッジにおいて、現像ローラーが請求項1乃至6のいずれか記載の現像ローラーであることを特徴とする電子写真用プロセスカートリッジ。
【請求項7】
回転可能な感光体と、感光体の表面を一様に帯電する帯電部材と、感光体表面に静電潜像を形成する露光部材と、感光体の表面に現像ローラーにより現像剤を供給して静電潜像を現像してトナー像とする現像部材と、感光体の表面のトナー像を転写材に転写する転写部材と、転写材上に転写したトナーを定着する定着部材とを有する電子写真画像形成装置において、現像ローラーが請求項1乃至6のいずれか記載の現像ローラーであることを特徴とする電子写真画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−20903(P2008−20903A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155629(P2007−155629)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】