説明

現像剤補給カートリッジの収容ケース

【課題】低コスト、かつ簡易な構成で現像剤補給カートリッジ内のトナーとキャリアを均一に混合する。
【解決手段】トナーとキャリアを含む現像剤18を充填した現像剤補給カートリッジ11が、収容ケース12内に収容される。現像剤補給カートリッジ11の壁部の内面と現像剤補給カートリッジ11との間に、現像剤補給カートリッジ11の動きを許容する間隙47が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機を含む画像形成装置に補給される現像剤を充填した現像剤補給カートリッジの収容ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には、現像装置においてトナーとキャリアからなる2成分現像剤を使用するものがある。この種の画像形成装置には、現像装置から現像剤を排出しないで現像により消費されたトナーを補給する方式と、現像剤の荷電性能を維持するために、現像剤補給カートリッジ(以下、補給カートリッジという。)から新たな現像剤を現像装置に補給しつつ、劣化したキャリアを含む現像剤を現像装置から排出する方式(トリクル方式)とがある。
【0003】
トリクル方式の画像形成装置では、補給カートリッジ内のトナーとキャリアを均一に混合して現像装置に補給する必要がある。トナーとキャリアの混合状態が不均一であるためにトナーのみが現像装置に補給されると、キャリアの荷電性能が著しく低下する。また、トナーとキャリアの混合状態が不均一であるためにキャリアのみが現像装置に供給されると、現像装置中のトナー濃度が低下するので形成される画像に濃度低下が生じるおそれがある。
【0004】
補給カートリッジ内のトナーとキャリアの混合状態を均一化する方法としては以下のものが知られている。第1に、生産設備で補給カートリッジ中に現像剤を充填する際に、予めトナーとキャリアを十分に混合させることが広く知られている。第2に、特許文献1には、補給カートリッジ内にトナー室とキャリア室とを設け、画像形成装置に補給カートリッジを装着して現像装置に現像剤を供給する際に、トナー室に収容されたトナーとキャリア室に収容されたキャリアの混合を実行しつつ現像剤の供給を実行することが記載されている。具体的には、補給カートリッジの下部にリザーブタンクを設け、このリザーブタンク内の現像剤排出室にトナー室とキャリア室からトナーとキャリアを別駆動で補給する。
【0005】
生産設備での補給カートリッジの充填前にトナーとキャリアを混合するには、生産設備に混合のための装置及び工程の追加が必要であるので生産設備が複雑化及び大型化し、コスト上昇を招く。特に、補給カートリッジに充填する現像剤は画像形成装置の現像装置に予め充填する現像剤とトナー濃度が大きく異なるので、混合のための装置及び工程の追加は大幅なコストの増加となる。また、特許文献1のように、補給カートリッジ内にトナー室とキャリア室を設けてトナーとキャリアの混合を実行しつ現像装置への現像剤の補給を実行する構成では、補給カートリッジ自体及び画像形成装置が複雑化及び大型化し、コスト上昇を招く。
【0006】
図13及び図14に示すように、生産設備で現像剤3を充填済みの補給カートリッジ1は、収容ケース2に収容された状態で保存及び輸送される。補給カートリッジ1は図13に示すように収容ケース2の内面に密接して殆ど隙間のない状態で収容される。あるいは、図14に示すように収容ケース2の内面と補給カートリッジ1の間に配置された緩衝材4により、収容ケース2内で補給カートリッジ1が固定されている。図13及び図14のような従来の補給カートリッジ1の収容ケース2では、トナーとキャリアの混合に関して何ら考慮されていない。
【0007】
【特許文献1】特開2006−71859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、低コスト、かつ簡易な構成で現像剤補給カートリッジ内のトナーとキャリアを均一に混合することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、トナーとキャリアを含む現像剤を充填した現像剤補給カートリッジを収容する収容ケースにおいて、前記現像剤補給カートリッジを取り囲んで保持する壁部を備え、前記壁部の内面と前記現像剤補給カートリッジとの間に、前記現像剤補給カートリッジの動きを許容する間隙が設けられていることを特徴とする、現像剤カートリッジの収容ケースを提供する。
【0010】
現像剤補給カートリッジを取り囲んで保持する壁部と現像剤補給カートリッジとの間に現像剤補給カートリッジの動きを許容する間隙を設けているので、輸送時や取扱時に作用する振動等によって現像剤補給カートリッジが収容ケース内で動き、その結果現像剤補給カートリッジ内の現像剤が撹拌されてトナーとキャリアが均一に混合される。
【0011】
好ましくは、収容ケースは、前記間隙における現像剤補給カートリッジの動きを案内する案内手段をさらに備える。
【0012】
前記現像剤補給カートリッジの長手方向と直交する断面の外形輪郭が円形である場合、この外形輪郭に適合する曲面に形成された前記壁部の内面が前記案内手段として機能する。
【0013】
この構成によれば、現像剤補給カートリッジは間隙内において壁部の内面上を転動することで長手方向の軸線回りに回転する。その結果、現像剤補給カートリッジ内の現像剤が撹拌され、トナーとキャリアが混合される。
【0014】
代案としては、前記案内手段は、前記現像剤補給カートリッジの両端をそれぞれ回転自在に支持する一対の突起である。
【0015】
この構成によれば、現像剤カートリッジは一対の突起を支点として長手方向の軸線回りに回転する。その結果、現像剤補給カートリッジ内の現像剤が撹拌され、トナーとキャリアが混合される。
【0016】
他の代案としては、前記案内手段は、一端が前記壁部に連結されて他端が前記現像剤補給カートリッジに連結された可撓性部材である。
【0017】
この構成によれば、壁部に連結された可撓性部材の一端を支点して間隙内で現像剤カートリッジが旋回運動等する。その結果、現像剤補給カートリッジ内の現像剤が撹拌され、トナーとキャリアが混合される。
【0018】
好ましくは、前記現像剤補給カートリッジに充填された前記現像剤の撹拌を促進する撹拌補助手段をさらに備える。
【0019】
例えば、前記撹拌補助手段は、前記間隙に配置された少なくとも1個の磁石である。
【0020】
この構成によれば、現像剤補給カートリッジ内のキャリアが磁石から受ける磁力により移動するので、より効果的に現像剤補給カートリッジ内の現像剤が撹拌される。
【0021】
前記撹拌補助手段は、一端が前記壁部の前記内面に連結され、他端が前記現像剤補給カートリッジに当接する少なくとも1個の弾性体であってもよい。
【0022】
この構成によれば、弾性体から受ける弾性力によって間隙内で現像剤補給カートリッジが振動運動するので、より効果的に現像剤補給カートリッジ内の現像剤が撹拌される。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る現像剤補給カートリッジの収容ケースでは、現像剤補給カートリッジを取り囲んで保持する壁部と現像剤補給カートリッジとの間に現像剤補給カートリッジの動きを許容する間隙を設け、輸送時や取扱時に作用する振動によって現像剤補給カートリッジを動かすことで現像剤を撹拌してトナーとキャリアを均一に混合するので、生産設備に混合のための装置や工程の追加する必要も、現像剤補給カートリッジや画像形成装置に混合装置を追加する必要もない。よって、低コスト、かつ簡易な構成で現像剤補給カートリッジ内のトナーとキャリアの均一な混合を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は本発明の実施形態に係る現像剤補給カートリッジ(以下、補給カートリッジという。)11の収容ケース12を示す。また、図2は補給カートリッジ11の外観を示し、図3は補給カートリッジ11が装着される電子写真方式の画像形成装置の一例であるカラータンデム方式のプリンタ13を示す。本発明は、このプリンタ13の補給カートリッジ11に限定されず、モノクロのプリンタ、カラー又はモノクロの複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機等の他の電子写真方式の画像形成装置における補給カートリッジに関しても適用可能である。
【0026】
図2を参照すると、本実施形態における補給カートリッジ11は一端が閉鎖端15aで他端が開放端15bの円筒状のケーシング15と、ケーシング15の開放端15aを閉鎖する概ね円筒状のキャップ16とを備える。ケーシング15の内側には、図示しない螺旋状の突起が形成されている(図2ではこの螺旋状の突起がケーシング15の外側表面の螺旋状の溝として表れている。)。補給カートリッジ11はプリンタ13に装着されると長手方向の軸線L1周りに回転駆動され、螺旋状突起によってケーシング15内の現像剤18(図1(B)参照)がキャップ16に形成された現像剤排出口17に向けて搬送される。螺旋状の突起に代えて、ケーシング15内に螺旋状の搬送部材を配置し、この搬送部材を回転させることで現像剤を搬送する構成も採用できる。前述のように、本実施形態では、ケーシング15とキャップ16の両方が円筒状であり、補給カートリッジ11全体としても円筒状である。言い換えれば、補給カートリッジ11の長手方向の軸線L1に直交する断面の外形輪郭は円形である。後述するように、軸線L1と直交する断面の外形輪郭を円形とすることで、補給カートリッジ11内の現像剤を効果的に撹拌できる。ただし、補給カートリッジ11が円筒状(軸線L1に直交する断面の外形輪郭が円形)でない場合、例えば多角形筒状である場合にも本発明を適用できる。
【0027】
図3を参照すると、プリンタ13内にはローラに掛け渡された1次転写ベルト21が収容されている。1次転写ベルト21の下方にそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックに対応する4個のイメージングカートリッジ22A〜22Dが配置されている。イメージングカートリッジ22A〜22Dよりも1次転写ベルト21の回転方向下流側には2次転写ローラ23が配置されている。2次転写ローラ23よりもさらに下流側には1次転写ベルト21のクリーニング装置24とこのクリーニング装置24で回収されたトナーを収容する廃トナーボックス25が配置されている。個々のイメージングカートリッジ22A〜22Dは、感光体ドラム27と、その周囲に配置された帯電装置28、露光装置29、現像装置30、及びクリーニング装置31を備える。帯電装置28で均一に帯電された感光体ドラム27の表面に、露光装置29からのレーザ光の照射によって静電潜像を形成される。現像装置30が備える現像ローラ30aには現像バイアスが印加され、それによってトナーが感光体ドラム27へ飛翔し、静電潜像が顕像化されてトナー像となる。個々のイメージングカートリッジ22A〜22Dの感光体ドラム27上のトナー像は、1次転写ベルト21に重畳的に転写され、さらに2次転写ローラ23によって記録媒体に転写される。記録媒体は定着装置32における加熱及び加圧によるトナー像の定着後、排紙部33へ排出される。
【0028】
プリンタ13の1次転写ベルト21の上方に、それぞれ対応するイメージングカートリッジ22A〜22Dの現像装置30に現像剤18を補給する補給カートリッジ11が装着される。プリンタ13に装着された補給カートリッジ11は前述のように回転駆動され、それによってケーシング15からキャップ16の現像剤排出口17に搬送された現像剤18は図示しない搬送経路を通って対応する現像装置30へ送られる。
【0029】
図1(A),(B)を参照すると、本実施形態の収納ケース12は本体41と蓋体42とから構成されている。本体41は、収容する対象である補給カートリッジ11と対応した細長い筒状の側壁43を備える。この側壁43の一端は開口44で他端は端壁45によって閉鎖されている。蓋体42は本体41の開口44の部分に着脱可能である。蓋体42を取り外した状態で本体41内に補給カートリッジ11を収容でき、収容完了後に蓋体42により開口44が閉鎖される。補給カートリッジ11は、軸線L1が収容ケース12の軸線L2と同方向に延びる姿勢で収容ケース12内に収容される。ただし、内部に補給カートリッジ11を取出可能に収容できる限り、収容ケース12の全体的な構造は特に限定されない。また、収容ケースを構成する材料としては、例えば紙、樹脂等を採用できるが、特に限定されない。
【0030】
本体41の側壁43及び端壁45の内面と、蓋体42の内面により補給カートリッジ11の収容空間46が形成されている。この収容空間46は補給カートリッジ11の収容ケース12に対する相対的な変位や回転を拘束しないように十分に大きく設定されている。換言すれば、本体41の側壁43及び端壁45の内面や蓋体42の内面と補給カートリッジ11との間には、補給カートリッジ11の揺動、回動等の動きを許容する間隙47が設けられている。
【0031】
図1(B)に明瞭に表れているように、本体41の側壁43の内面は円筒面であり、軸線L2に直交する断面の輪郭が円形である。一方、本体41の側壁43の外面は4個の平坦面からなり、軸線L2に直交する断面の輪郭は四角形である。
【0032】
生産設備でトナーとキャリアを含む現像剤18が充填された補給カートリッジ11は、収容ケース12内に収容された状態で保存及び輸送される。車両等での輸送時や、人手により取扱時には、収容ケース12には振動が作用し、種々の方向及び加速度で移動する場合もある。前述のように収容ケース12(本体41の側壁43及び端壁45や蓋体42)の内面と補給カートリッジ11との間には、補給カートリッジ11の動きを許容する間隙47を設けている。従って、輸送時や取扱時に収容ケース12に作用する振動等によって収容ケース12内で補給カートリッジ11に揺動、回動等の動きが生じる。具体的には、補給カートリッジ11は収容ケース12内の収容空間46において、軸線L1方向の移動、軸線L1に直交する方向の移動、軸線L1周りの回転、及び軸線L1に直交する方向を軸とする回転のいずれも可能である。収容ケース12内の収容空間46において補給カートリッジ11に揺動、回動等の動きが生じる結果、補給カートリッジ11内の現像剤18が撹拌されてトナーとキャリアが均一に混合される。
【0033】
図1(A),(B)に示すように収容ケース12を横置き(軸線L2が水平方向に延びる姿勢)とした場合、前述のように円筒面である側壁43の内面上に円筒状(軸線L1と直交する断面の外形輪郭が円形)の補給カートリッジ11が、載った状態となる。この状態で、収容ケース12に対して振動等が作用すると、図1(B)において破線で示すように、補給カートリッジ11は収容空間46内で側壁43の内面上を転動し、軸線L1回りに回転(自転)する。このように側壁43の内面を補給カートリッジ11の外形に適合する円筒面として、補給カートリッジ11をそれ自体の軸線L1回りに回転させることにより、補給カートリッジ11内の現像剤18を効果的に撹拌できる。
【0034】
以上のように、本実施形態の収容ケース12では、補給カートリッジ11を取り囲んで保持する本体41の側壁43及び端壁45と蓋体42との間に補給カートリッジ11の動きを許容する間隙47を設け、輸送時や取扱時に作用する振動によって補給カートリッジ11を揺動、回動等させることで現像剤18を撹拌してトナーとキャリアを均一に混合する。従って、生産設備に混合のための装置や工程の追加する必要も、補給カートリッジ11やプリンタ13に混合装置を追加する必要もない。よって、低コスト、かつ簡易な構成で補給カートリッジ11内のトナーとキャリアの均一な混合を実現できる。
【0035】
(第2実施形態)
図4(A),(B)に示す本発明の第2実施形態に係る収容ケース12では、収容ケース12の本体41の側壁43の外面を円筒面としている。換言すれば、本体41の側壁43の外面の軸線L2に直交する断面の輪郭を円形としている。このように側壁43の外面を円筒面とすれば、振動等が作用した場合に収容ケース12にそれ自体の軸線L2回りの回転等が生じやすくなる。その結果、間隙47を設けた収容空間46内における補給カートリッジ11に揺動、回動等の動きが促進され、補給カートリッジ11内の現像剤18の撹拌が促進される。
【0036】
第2実施形態のその他構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
(第3実施形態)
図5(A),(B)に示す本発明の第3実施形態に係る収容ケース12では、収容空間46内に複数個の磁石48を収容している。本実施形態では磁石48は短円筒状であるが、収容空間46内での補給カートリッジ11内の揺動、回動等の動きを拘束しない限り、磁石48の形状、寸法、及び個数は特に限定されない。輸送及び取扱の際に収容ケース12に振動等が作用すると、収容空間46内で補給カートリッジ11が動くだけでなく、複数個の磁石48が不規則な向き及び速度で動く。その結果、補給カートリッジ11内の現像剤18に含まれるキャリアが磁石48から不規則に作用する磁力に引っ張られて移動する。補給カートリッジ11が動くことによる撹拌作用に加え、磁石48から受ける磁力によりキャリアが不規則に移動することにより、より効果的に補給カートリッジ11内の現像剤18が撹拌される。
【0038】
収容ケース12の本体41の側壁43の外周面は、第2実施形態と同様に円筒面としている。
【0039】
第3実施形態のその他構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
(第4実施形態)
図6(A),(B)に示す本発明の第6実施形態に係る収容ケース12では、本体41の端壁45の内面と蓋体42の内面に円錐状の突起51A,51Bを設けている。一方の突起51Aは補給カートリッジ11のケーシング15の閉鎖端15aに形成れた軸受穴52Aに挿入され、他方の突起51Bは補給カートリッジ11のキャップ16の端面に形成された軸受穴52Bに挿入されている。突起51A,51Bと軸受穴52A,52Bは補給カートリッジ11の軸線L1上に配置されており、補給カートリッジ11は突起51A,51Bによってそれ自体の軸線L1回りに回転自在に支持されている。
【0041】
輸送及び取扱の際に収容ケース12に振動等が作用すると、収容空間46内で補給カートリッジ11がそれ自体の軸線L1回りに回転し、それによって補給カートリッジ11内の現像剤18が撹拌される。
【0042】
補給カートリッジ11を回転自在に支持できる限り、突起51A,51Bの形状は特に限定されない。また、突起51A,51Bは収容ケース12の本体41や蓋体42と別体であっても一体であってもよい。さらに、突起51A,51Bと軸受穴52A,52Bを軸線L1から外れた位置に設け、補給カートリッジ11の回転中心を軸線L1に対して偏心させてもよい。さらにまた、補給カートリッジ11に突起を設け、収容ケース12に軸受穴を設ける構成も可能である。
【0043】
第4実施形態のその他構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
(第5実施形態)
図7(A),(B)に示す本発明の第5実施形態に係る収容ケース12では、第4実施形態と同様に突起51A,51Bと軸受穴52A,52Bによって補給カートリッジ11を回転自在に支持している。また、第3実施形態と同様に、収容空間46内に複数個の磁石48が収容されている。
【0045】
第4実施形態と同様に突起51A,51Bで支持された補給カートリッジ11が回転することによる撹拌作用に加え、収容空間46内で不規則に動く磁石48からキャリアに磁力が作用することによっても、補給カートリッジ11内の現像剤18が撹拌される。
【0046】
第5実施形態のその他構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
(第6実施形態)
図8(A),(B)に示す本発明の第6実施形態に係る収容ケース12では、第4同様に突起51A,51Bと軸受穴52A,52Bによって補給カートリッジ11を回転自在に支持している。また、補給カートリッジ11のケーシング15の閉鎖端15a付近の部分と、キャップ16の部分には、それぞれ4個のばね54が配置されている。個々のばね54は一端が収容ケース12の本体41の側壁43の内面に連結され、他端には緩衝部材55が取り付けられており、この緩衝部材55を介してばね54が補給カートリッジ11を弾性的に付勢している。図8(A)に明瞭に表れているように、4個のばね54は補給カートリッジ11の円筒状の外周面の接線に近い方向に補給カートリッジ11を弾性的に付勢している。また、緩衝部材55は三角柱状であり、1つの側面が補給カートリッジ11の円筒状の外周面に当接している。これによって緩衝部材55と補給カートリッジ11の接触面積を極力低減している。
【0048】
輸送及び取扱の際に収容ケース12に振動等が作用すると、収容空間46内で補給カートリッジ11が突起51A,51Bを支点としてそれ自体の軸線L1回りに回転し、かつばね54の付勢力により2方向(図8(B)において時計方向と反時計方向)の回転を交互に繰り返す。このように補給カートリッジ11はばね54の付勢力により振動運動し、それによって補給カートリッジ11内の現像剤18が撹拌される。
【0049】
第6実施形態のその他構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
(第7実施形態)
図9(A),(B)に示す本発明の第7実施形態に係る収容ケース12では、本体41の側壁43の内周面は楕円円筒面であり、軸線L2(図1(A)参照)に直交する断面の輪郭が円形ではなく楕円形である。側壁43の内周面をこのような形状とした場合でも、補給カートリッジ11は収容空間46内で側壁43の内面上を転動し、軸線L1回りに回転(自転)する。
【0051】
第7実施形態のその他構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
(第8実施形態)
図10に示す本発明の第8実施形態に係る収容ケース12では、本体41の側壁43の内周面は軸線L2(図1(A)参照)に直交する断面がいわゆる馬蹄形である。具体的には、図において下側の部分43aが第7実施形態と同様の楕円形であり、上側の部分43bが矩形状である。側壁43の内周面をこのような形状とした場合でも、補給カートリッジ11は収容空間46内で側壁43の内面の内、下側の部分を転動し、軸線L1回りに回転(自転)する。
【0053】
第8実施形態のその他構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
(第9実施形態)
図11に示す本発明の第9実施形態に係る収容ケース12では、本体41内に別体の補助部材56を配置しそれによって第8実施形態と同様に軸線L2(図1(A)参照)に直交する断面がいわゆる馬蹄形の収容空間46を形成している。このように収容空間46は収容ケース12の本体41と蓋体42のみで形成する必要は必ずしもなく、必要に応じて別体の部材を使用して所望の形状の収容空間46を形成してもよい。
【0055】
第9実施形態のその他構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
(第10実施形態)
図12に示す本発明の第10実施形態に係る収容ケース12では、収容ケース12の蓋体42の内面に可撓性部材の一例である紐57の一端が連結されている。この紐57の他端は補給カートリッジ11のキャップ16の着脱可能に連結される。
【0057】
図12に示すように、収容ケース12を縦置き(軸線L2が鉛直方向に延びる姿勢)とした場合、輸送及び取扱の際に収容ケース12に振動等が作用すると、収容ケース12の蓋体42に連結された紐57の一端を支点として収容空間46内で補給カートリッジ11が旋回運動する。また、補給カートリッジ11はそれ自体の軸線L1回りの回転や、軸線L1方向の移動も可能である。補給カートリッジ11のこれらの動きにより、補給カートリッジ11内の現像剤が撹拌される。
【0058】
第10実施形態のその他構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態に係る現像剤補給カートリッジの長手方向の断面図、(B)は(A)のI−I線での拡大断面図。
【図2】現像剤補給カートリッジの斜視図。
【図3】現像剤補給カートリッジを備える複写機の模式図。
【図4】(A)は本発明の第2実施形態に係る現像剤補給カートリッジの長手方向の断面図、(B)は(A)のIV−IV線での拡大断面図。
【図5】(A)は本発明の第3実施形態に係る現像剤補給カートリッジの長手方向の断面図、(B)は(A)のV−V線での拡大断面図。
【図6】(A)は本発明の第4実施形態に係る現像剤補給カートリッジの長手方向の断面図、(B)は(A)のVI−VI線での拡大断面図。
【図7】(A)は本発明の第5実施形態に係る現像剤補給カートリッジの長手方向の断面図、(B)は(A)のVII−VII線での拡大断面図。
【図8】(A)は本発明の第6実施形態に係る現像剤補給カートリッジの長手方向の断面図、(B)は(A)のVIII−VIII線での拡大断面図。
【図9】本発明の第7実施形態に係る現像剤補給カートリッジの長手方向と直交する方向の断面図。
【図10】本発明の第8実施形態に係る現像剤補給カートリッジの長手方向と直交する方向の断面図。
【図11】本発明の第9実施形態に係る現像剤補給カートリッジの長手方向と直交する方向の断面図。
【図12】本発明の第10実施形態に係る現像剤補給カートリッジの長手方向と直交する方向の断面図。
【図13】(A)は従来の現像剤補給カートリッジの長手方向の断面図、(B)は(A)のXIII−XIII線での拡大断面図。
【図14】(A)は従来の現像剤補給カートリッジの長手方向の断面図、(B)は(A)のXIV−XIV線での拡大断面図。
【符号の説明】
【0060】
11 現像剤補給カートリッジ
12 収容ケース
13 プリンタ
15 ケーシング
15a 閉鎖端
15b 開放端
16 キャップ
17 現像剤排出口
18 現像剤
21 1次転写ベルト
22A〜22D イメージングカートリッジ
23 2次転写ローラ
24 クリーニング装置
25 廃トナーボックス
27 感光体ドラム
28 帯電装置
29 露光装置
30 現像装置
30a 現像ローラ
31 クリーニング装置
32 定着装置
33 排紙部
41 本体
42 蓋体
43 側壁
44 開口
45 端壁
46 収容空間
47 間隙
48 磁石
51A,51B 突起
52A,52B 軸受穴
54 ばね
55 緩衝部材
56 補助部材
57 紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーとキャリアを含む現像剤を充填した現像剤補給カートリッジを収容する収容ケースにおいて、
前記現像剤補給カートリッジを取り囲んで保持する壁部を備え、
前記壁部の内面と前記現像剤補給カートリッジとの間に、前記現像剤補給カートリッジの動きを許容する間隙が設けられていることを特徴とする、現像剤カートリッジの収容ケース。
【請求項2】
前記間隙における現像剤補給カートリッジの動きを案内する案内手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の収容ケース。
【請求項3】
前記現像剤補給カートリッジの長手方向と直交する断面の外形輪郭が円形であり、
前記案内手段は、前記外形輪郭に適合する曲面に形成された前記壁部の内面であることを特徴とする、請求項2に記載の収容ケース。
【請求項4】
前記案内手段は、前記現像剤補給カートリッジの両端をそれぞれ回転自在に支持する一対の突起であることを特徴とする、請求項2に記載の収容ケース。
【請求項5】
前記案内手段は、一端が前記壁部に連結されて他端が前記現像剤補給カートリッジに連結された可撓性部材であることを特徴とする、請求項2に記載の収容ケース。
【請求項6】
前記現像剤補給カートリッジに充填された前記現像剤の撹拌を促進する撹拌補助手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の収容ケース。
【請求項7】
前記撹拌補助手段は、前記間隙に配置された少なくとも1個の磁石であることを特徴とする、請求項6に記載の収容ケース。
【請求項8】
前記撹拌補助手段は、一端が前記壁部の前記内面に連結され、他端が前記現像剤補給カートリッジに当接する少なくとも1個の弾性体であることを特徴とする、請求項6に記載の収容ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−2461(P2010−2461A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158951(P2008−158951)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】