説明

現像装置、プロセスユニット、および画像形成装置

【課題】異物が各種部材に堆積することを防止し、長期的に良好で安定した画像形成を行う現像装置、プロセスユニット、および画像形成装置を提供する。
【解決手段】一成分系現像剤を表面に担持し、静電潜像を形成した潜像担持体3に現像剤を供給する回転可能な現像剤担持体45と、前記現像剤担持体45の表面に接触して前記現像剤を摩擦荷電すると共に層厚を規制する規制部材46と、現像剤を収容する現像剤収容部35と、現像剤収容部35に配置され、現像剤収容部35に収容された現像剤を現像剤担持体45に供給する供給部材37とを有する現像装置9であって、現像剤担持体45と供給部材37との間に、現像剤中の異物を捕集する捕集部材36を配置し、供給部材37から供給された現像剤を、捕集部材36を介して現像剤担持体45と規制部材46との接触部に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、プロセスユニット、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電子写真式などの画像形成装置においては、現像剤として、トナーのみからなる一成分系と、トナーおよびキャリアからなる二成分系のいずれかが使用される。一成分系現像剤には、現像装置の構成を簡略化できる、メンテナンスが容易である等の利点があるため、一成分系現像剤用の現像装置が種々提案されている。
【0003】
図6に示すように、一成分系現像剤を用いる従来の現像装置100は、感光体300にトナーを供給する現像ローラ500、トナー収容部600に配置され、現像ローラ500にトナーを供給する供給ローラ700、現像ローラの表面に接触してトナーを摩擦荷電すると共に層厚を規制するドクターブレード800、を基本構成として具備する。図6の現像装置では、現像ローラ500に対するトナーの供給および除去を共通のローラ700で行っているが、図7に示すように、トナーの供給と除去を別ローラ(供給ローラ710および除去ローラ720)で行う場合もある。
【0004】
一成分系現像剤用の現像装置としては、例えば特開2006−178034号公報(特許文献1)、および特開2003−021695号公報(特許文献2)、および特開2001−194904号公報(特許文献3)に記載されたものが知られている。
【0005】
ところで、現像装置においては、現像ローラ500とドクターブレード800の接触部、現像ローラ500と感光体300の接触部、および現像ローラ500と供給ローラ700との接触部に生じる摩擦や、トナー収容部600内およびここに至る図示しないトナー搬送経路内におけるトナーの攪拌・搬送に伴う他部材との摩擦等により、トナーは外力やストレスを受ける。これによって、トナーは劣化し、外添剤の遊離や、トナーの割れなどにより、トナー粒子よりも小さい微粉が発生する。本来のトナーでないこれらの微粉(以後、「異物」と呼ぶ)は、トナーに電荷を与える際に弱荷電や逆荷電を生じ、電界中で正規のトナーとは異なる動きをとることがある。また、微小サイズゆえに物理的な吸着力が大きく、大きな凝集体を形成し易いため、各種部材(特にドクターブレード)への固着やフィルミングを生じる傾向にある。そのため、画像形成装置の動作安定性を害するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の現像装置は、小粒径の現像剤やWAX樹脂を分散させた現像剤を用いた際の現像スジや現像ブレードの融着を防止するため、現像ローラ上のトナーを剥ぎ取るバッファローラに交流電圧を印加し、交流電圧の周期を制御することにより、現像ローラをリフレッシュする構成を提案している。しかしながら、かかる現像装置において、バッファローラによって現像ローラから上記の異物が剥ぎ取られたとしても、この異物は再度現像ローラに戻され、ドクターブレードと現像ローラの接触部に供給される。そのため、現像ブレードでの異物の固着やフィルミングを防止することはできない。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の現像装置は、トナー供給ローラへの外添剤の堆積を防止するために、外添剤を感光ドラムの非画像形成領域に付着させ、感光ドラムのクリーニング位置で回収するように構成している。しかし、二成分現像剤中の外添剤の回収位置が感光ドラム上であるため、トナーの供給位置から回収位置に至るまでの様々な部位(特に規制ブレード)に異物を堆積するおそれがある。
【0008】
さらに、上記特許文献3に記載の現像装置は、一成分現像剤における不良帯電トナーの回収に関するものである。現像ローラの上側に不良帯電トナー除去部材を設け、さらに除去トナー回収部材を、端部の片方が不良帯電トナー除去部材に当接するように配置している。しかし、不良帯電トナー除去部材は、現像剤規制部材としての薄層ブレードの下流側に設けられているため、トナー中の異物は薄層ブレードに堆積するおそれがある。
【0009】
以上のように、いずれの特許文献においても、トナーに含まれる異物のドクターブレードへの堆積を防止するには不十分である。
【0010】
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて、異物が各種部材に堆積することを防止し、長期的に良好で安定した画像形成を行う現像装置、プロセスユニット、および画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、一成分系現像剤を表面に担持し、静電潜像を形成した潜像担持体に現像剤を供給する回転可能な現像剤担持体と、前記現像剤担持体の表面に接触して前記現像剤を摩擦荷電すると共に層厚を規制する規制部材と、現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部に配置され、現像剤収容部に収容された現像剤を現像剤担持体に供給する供給部材とを有する現像装置であって、現像剤担持体と供給部材との間に、現像剤中の異物を捕集する捕集部材を配置し、供給部材から供給された現像剤を、捕集部材を介して現像剤担持体と規制部材との接触部に供給することを特徴とする現像装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、供給部材と現像剤担持体との間に捕集部材を新たに配置することで、複雑な機構を用いることなく、現像剤中に含まれる微小異物を分離することができ、各部材表面における微小異物の堆積を防止することができる。特に、規制部材と現像剤担持体との接触部の直前で微小異物を分離しているので、該接触部には微小異物が除去された現像剤を供給することができ、規制部材表面への異物の付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の一形態を適用した画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】上記画像形成装置の内部構成の一例を示す概略断面図である。
【図3】上記画像形成装置に搭載されたプロセスユニットの概略断面図である。
【図4】上記プロセスユニットの他の例を示す概略断面図である。
【図5】上記プロセスユニットのさらに他の例を示す概略断面図である。
【図6】従来の現像装置の概略断面図である。
【図7】従来の他の現像装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。実施形態および変形例等にわたり、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0015】
まず、図1および図2を参照して、本発明の実施の一形態を適用した画像形成装置の全体構成と動作を説明する。図1は、本発明の実施の一形態を適用した画像形成装置の外観斜視図、図2は、その画像形成装置の内部構成の一例を示す概略的な縦断面図である。両図に示した画像形成装置は、タンデムタイプのカラー画像形成装置である。
【0016】
図1および図2に示す画像形成装置は、装置本体1のほぼ中央に配置され、記録媒体としての用紙SHに画像を形成する画像形成部2と、この画像形成部2の下方に配置され、画像形成部2に用紙SHを給送する給紙部20と、画像形成部2にて画像形成された用紙SHを排出する排紙部25と、画像形成部2の上部に配置され、排紙部25から排出される用紙SHを積載する積載部40とを有する。用紙SHには、転写紙や記録紙等の普通紙(厚紙、はがき、封筒、普通紙、薄紙等を含む)だけでなく、塗工紙(コート紙やアート紙等を含む)、OHPシートもしくはOHPフィルム、あるいはトレーシングペーパ等も含まれる。
【0017】
画像形成部2には、図2に示すように、潜像担持体として構成された複数のドラム状の感光体3a,3b,3c,3dを有し、その各感光体3a〜3dには、互いに異なった色のトナー像がそれぞれ形成される。図示した例では、感光体3a〜3dの表面に、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像およびブラックトナー像がそれぞれ形成される。各感光体3a〜3dは、所定の間隔をあけて互いに平行に配置され、これらの感光体3a〜3dの下部に対向して中間転写体として構成された中間転写ベルト4が配置されている。中間転写ベルト4は、複数の支持ローラ5,6に巻き掛けられて矢印方向(図2中反時計方向)に駆動される無端ベルトからなる。中間転写体としてドラムを用いることもできる。
【0018】
各感光体3a〜3dの周囲の構成は共通するため、以下では、図2において一番右側に配置されたイエロートナー像が形成される感光体3aの周囲の構成を代表して説明する。感光体3aの周囲には、感光体3aの表面に一様な帯電処理を行う帯電手段としての帯電ローラ7と、画像情報に基づいて感光体3aの表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する光走査装置(LSU)8と、感光体3aの表面に形成された静電潜像を顕像化する現像装置9と、中間転写ベルト4を介して感光体3aと対向配置された転写装置10と、中間転写ベルト4に転写後の感光体3aの表面に残留するトナー等を除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレード11とが配置されている。現像装置9の上方には、トナー容器と補給機構が配置され、現像装置9でのトナー消費に応じて補給機構が駆動し、トナー容器から現像装置9にトナーが供給される。
【0019】
かかる画像形成装置において画像形成が開始されると、感光体3aが図2における時計方向に回転駆動され、帯電ローラ7によって感光体3aの表面が所定の極性に一様に帯電される。次いで、その帯電面に、光走査装置8から画像情報に基づくレーザ光が照射され、これによって感光体3aに静電潜像が形成される。感光体3aの表面に形成された静電潜像は、現像装置9の現像ローラ45から供給されたトナーによってイエロートナー像として顕像化され、そのイエロートナー像は転写装置10によって中間転写ベルト4上に転写される。
【0020】
フルカラー画像形成時は上記した画像形成動作が残りの全ての感光体3b〜3dで同様に行われ、これによって各感光体3a〜3dにそれぞれ形成されたイエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像およびブラックトナー像が中間転写ベルト4上に順次重ねて転写される。また、画像形成装置には、中間転写ベルト4を挟んで、支持ローラ6に対向して2次転写ローラ12が配置されている。
【0021】
一方、画像形成部2の下方に配置された給紙部20には、用紙SHを積載する給紙トレイ21と、該給紙トレイ21に積載された用紙SHを送り出す給紙コロ22と、重送された用紙を1枚に分離するフリクションパッド23等が設けられている。
【0022】
給紙部20から給送された用紙SHは、レジストローラ13に向けて送り出され、その先端が停止しているレジストローラ13に一旦突き当てられる。これによって用紙SH先端の斜めずれなどが修正・整合される。その後、レジストローラ13は、上記中間転写ベルト4上に形成されたカラートナー像が2次転写ローラ12を設けた2次転写部で用紙SHの先端部と合致するようなタイミングで回転を再開し、2次転写ローラ12を備えた2次転写部(転写部)に向けて用紙SHを送り出す。
【0023】
2次転写部で未定着のカラートナー像が転写された用紙SHは、定着装置である定着部14に送られ、定着部14による加熱・加圧によって未定着のカラートナー像が定着された後、排紙部25の排紙ローラ対25a,25bにより装置本体1の上面に設けられた積載部40に、画像面を下向き(フェースダウン)にして排出される。定着部14は、例えば定着ローラ14a、定着ローラ14aに巻き掛けられた定着ベルト14c、および定着ベルト14cを介して定着ローラ14aに圧接する加圧ローラ14bで構成される。定着部14としては、上記した構成に限らず、ヒータを内蔵したローラ式のもの、また加熱方式もIHを採用したものなどを適宜採用することができる。なお、カラートナー像転写後の中間転写ベルト4の表面に付着した転写残トナー等は、ベルトクリーニング装置15によって除去される。
【0024】
装置本体1の上部には、画像形成部2を覆う上カバー部材としての上カバー18が設けられる。本実施形態では、この上カバー18の上面部分を積載部40の排紙トレイ(シート積載面)41として用いている。
【0025】
また、上カバー18は、図2に示すように、その下部に画像形成部2の一部である光走査装置8を支持しており、装置の後端側に設けたヒンジ17を中心に上方へ開放可能に構成されている。この上カバー18は、後述するロック手段としてのロックレバー60によって装置本体1にロックされ、このロックを解除すると上カバー18が開閉可能な状態になる。図示を省略しているが、上カバー18を反時計方向へ開放すると、下部の光走査装置8が上カバー18と一緒に移動する。これにより、メンテナンス等のために画像形成部2にアクセスすることが可能となり、感光体3a〜3d、帯電ローラ7、現像装置9、およびクリーニングブレード11が一体化されたプロセスユニット30の着脱が可能となる。
【0026】
図1および図2に示す画像形成装置では、ロックレバー60のロックを解除して上カバー18を揺動・開放可能状態にする操作部61を排紙トレイ41上で、しかもストックされた用紙SHで隠れる位置に設けている。このロックレバー60には、一端側にユーザーが操作する操作部61が、他端側に装置本体1に固着された突起64に係合するロック爪62がそれぞれ一体的に設けられている。ロックレバー60は、上カバー18に固着されたピン63を中心に回転可能に支持されている。また、ロックレバー60には、ピン63の回りに装着された図示しないねじりコイルばねによって、ロック爪62が常に突起64に係合する向きの付勢力が付与されている。ロックレバー60の操作部61は、排紙トレイ41と同一面上に沿うような面を備えた板材で形成されていて、排紙トレイ41には、その操作部61に手を掛けられるようにするため、図1に示すように扇状の凹部44が形成されている。
【0027】
上カバー18を開放するときには凹部44から手を差し込み、図示しないねじりコイルばねの前記付勢力に抗してロックレバー60の操作部61を上に持ち上げることにより、ロックレバー60がピン63を中心に時計方向に回転し、ロック爪62が突起64から外れる。そして、そのまま操作部61を持ち上げることで、上カバー18はヒンジ17を中心として揺動される。
【0028】
〔第1実施形態〕
図3は、感光体3a〜3dおよび現像装置9を有するプロセスユニット30の概略断面図である。画像形成装置には、4つの感光体3a〜3dのうちいずれか一つをそれぞれに含む4つのプロセスユニット30が装備されているが、各プロセスユニット30の構成は基本的に共通するため、以下の説明では、そのうちの一つのプロセスユニット30の構成を説明し(対応する感光ドラムの符号を「3」とする)、他のプロセスユニット30の説明は省略する。
【0029】
図3に示すように、プロセスユニット30は、感光体3が装着された感光体ハウジング31と、現像装置9を構成する各種部品が装着された現像ハウジング32とを有する。感光体ハウジング31と現像ハウジング32とは組付け・分離可能に構成されている。互いに組み付けられた感光体ハウジング31と現像ハウジング32との間には、図1に示す光走査装置8から感光体3に照射されるレーザ光Lを通すレーザ光路空間33が形成されている。
【0030】
感光体ハウジング31には、感光体3の外に、帯電ローラ7、帯電ローラ7の表面をクリーニングする帯電ローラ清掃部材26、潜像担持体の表面をクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード11、クリーニングブレード11で感光体3の表面から除去した転写残トナーを図示しない廃トナー回収部へと搬送するトナー回収部材27(第一の現像剤回収部材)などが装着されている。
【0031】
帯電ローラ7は、導電性芯金の外側に導電性の弾性層(導電ゴム等)を被覆して構成される。帯電ローラ7は図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧および交流電圧の一方または双方が印加される。この帯電ローラ7により、転写後の感光体3の表面に残っている電荷・電位差が除去される共に、感光体3の表面が所定の極性に一様に帯電される。
【0032】
クリーニングブレード11は、板状のゴム等で形成されており、感光体3にカウンタ状態で当接している。この当接によって、感光体3上に残留するトナー、および汚れとして付着した用紙SHの添剤(タルク、カオリン、炭酸カルシウム等)が除去されトナー回収部材27によって廃トナー回収部に搬送される。
【0033】
現像ハウジング32には、図示しないトナーカートリッジから補給されたトナーを収容するトナー収容部35(現像剤収容部)が設けられる。トナー収容部35に溜まったトナー(図3に散点で示す)は、供給ローラ37(供給部材)、捕集ローラ36(捕集部材)、および現像ローラ45(現像剤担持体)を介して感光体3に供給される。トナーとしては、キャリアを含まない一成分系が用いられる。磁性トナー、非磁性トナーのどちらも使用可能である。本実施形態では、例えば負極性帯電性を有する非磁性トナーを用いることができる。
【0034】
供給ローラ37は、トナー収容部35のトナー出口付近に配置されており、図中の矢印C方向に回転駆動される。供給ローラ37は、例えば導電化された発泡ウレタン材で形成することができる。
【0035】
捕集ローラ36は、供給ローラ37と現像ローラ45の間に配置され、供給ローラ37および現像ローラ45の双方と接触している。捕集ローラ36はステンレス鋼等の金属で形成されており、その外周面は研摩等により平滑に仕上げられている。捕集ローラ36は、供給ローラ37に対して順方向(図中の矢印D方向)に回転駆動される。図示は省略するが、捕集ローラ36には、交流電源を接続するのが望ましい。
【0036】
現像ローラ45は、導電性芯金を導電性の弾性体、例えば発泡ウレタン材で被覆することにより構成される。現像ローラ45は捕集ローラ36および感光体3のそれぞれに圧接しており、それぞれの部材との間にニップN、Pを形成している。現像ローラ45には、例えば負極性のDC電源等からなるバイアス電源が接続され、所定電位の現像バイアスが印加されている。本実施形態の現像ローラ45は、捕集ローラ36に対してカウンタ方向(図中の矢印B方向)に回転駆動される。
【0037】
捕集ローラ36の外周面には、清掃部材38が当接している。清掃部材38は現像ハウジング32に固定されており、捕集ローラ36と現像ローラ45との間のニップNよりも捕集ローラ36の回転方向下流側で捕集ローラ36と接触する。清掃部材38の構成は任意で、例えばゴム等の弾性体で形成することができる。捕集ローラ36に付着した異物は、清掃部材38によってローラ表面から除去され、除去された異物は異物回収スクリュー39(異物回収部材)によって、図示しない回収部に移送される。
【0038】
また、現像ハウジング32には、現像ローラ45が担持するトナーの層厚を規制するドクターブレード46(規制部材)、現像ローラ45の表面の残トナーを除去する除去ローラ47(除去部材)、ドクターブレード46によって掻きとられたトナーを回収する第二のトナー回収部材48(第二の現像剤回収部材)、除去ローラ47によって除去されたトナーを回収する第三のトナー回収部材49(第三の現像剤回収部材)が装着されている。
【0039】
ドクターブレード46は、ステンレス鋼等の導電性の部材で構成され、捕集ローラ36と現像ローラ45との間のニップNよりも現像ローラ45の回転方向下流で現像ローラ45と接触する。この接触により、現像ローラ45の表面上の余分なトナーが除去されると共に、当接部を通過するトナーに摩擦による電荷が与えられる。
【0040】
ドクターブレード46で除去された余剰トナーは、第二のトナー回収部材48によりトナー収容部35に移送される。第二のトナー回収部材48は、現像ハウジング32に設けた隔壁32aによりトナー収容部35と区画された隔室352に配置されている。
【0041】
除去ローラ47は、例えば発泡ウレタンで構成されており、現像ローラ45に対してカウンタ回転となる方向(図中の矢印E方向)に回転駆動される。除去ローラ47は、現像ローラ45と感光体3との間のニップPよりも現像ローラ45の回転方向下流側に配置され、感光体3に供給されなかった現像ローラ45表面の余剰トナーを除去する。除去されたトナーは、第三のトナー回収部材49によってトナー収容部35に移送される。
【0042】
現像ハウジング32の隔壁32aは、捕集ローラ36の外周面近傍まで延びている。隔壁32aの先端にはシール353が設けられ、このシール353によって、捕集ローラ36の周辺隙間、具体的には隔壁32aの先端と捕集ローラ36の外周面との間の隙間がシールされてトナー漏れが防止される。シールとして、接触型のシール部材を使用する他、非接触シールを使用することもできる。
【0043】
かかる構成から、隔壁32a、捕集ローラ36、および清掃部材38によって区画されたトナー収容部35が略密閉された状態となる。また、供給ローラ37よりも下流側の空間に必要以上のトナーが入り込まないように、供給ローラ37の外周面と現像ハウジング32との間の隙間Sは極力小さくする。本実施形態では、隔壁32aおよび清掃部材38を供給ローラ37の外周面に近接させることで、隙間Sを狭小化した場合を例示している。以上の構成から、トナー収容部35のトナーは、ほとんどが供給ローラ37と捕集ローラ36との接触点を通過して現像ローラ45に供給される。隙間Sをシール部材でシールしてもよい。
【0044】
なお、捕集ローラ36と現像ローラ45のニップNよりも捕集ローラ36の回転方向下流側では、現像ハウジング32の内側面が捕集ローラ36に近接し、隙間を形成している。この隙間(捕集ローラ36の周辺隙間)を、例えば現像ハウジング32の内側面に設けたシール部材354でシールすることにより、清掃部材38、捕集ローラ36、および現像ハウジング32で区画された空間を略密閉状態することができる。このシールは非接触シールで行うこともできる。
【0045】
以上の構成から、トナー収容部35に収容されたトナーは、供給ローラ37から捕集ローラ36によって現像ローラ45との間のニップNに向けて移送される。ニップNでのカウンタ回転による摩擦でトナーにある程度の電荷が付与され、帯電したトナーが現像ローラ45の表面に付着する。現像ローラ45上のトナーは、ドクターブレード46との摩擦によりさらに大きな電荷を与えられて所定電位に帯電する。その後、感光体3とのニップPに達したトナーは、転写バイアスにより感光体3の表面に転移し、静電画像を顕像化させる。
【0046】
ここで、トナーに含まれる異物は、外添剤や割れたトナー等の微粉末であり、トナー粒子よりも微小であるため、トナーよりも他部材に対する物理的吸着力は高い。本発明では、上記のとおり供給ローラ37と現像ローラ45の間に、新たに表面を平滑化した捕集ローラ36を配置してある。捕集ローラ36の平滑化された表面では、通常のトナー粒子は表面から離れやすいが、粒径の小さい異物は表面に吸着されやすい。そのため、捕集ローラ36上の正規のトナーは現像ローラ45に転移するが、トナーに含まれる異物は捕集ローラ36表面に付着したままニップNを通過する。ニップNを通過した捕集ローラ36表面の異物は、清掃部材38によって掻き取られ、さらに異物回収スクリュー39により図示しない廃トナー回収部に搬送されて廃棄される。
【0047】
このように供給ローラ37と現像ローラ45の間に捕集ローラ36を新たに配置することで、複雑な機構を用いることなく、トナー中に含まれる異物を分離することができる。また、ドクターブレード46と現像ローラ45の接触部の直前で異物を分離しているので、該接触部には、異物が除去されたトナーを供給することができ、特に異物の固着やフィルミングが生じやすかったドクターブレード46表面への異物の付着を防止することができる。また、清掃部材38による異物の除去が行われる空間は、上記のとおりトナー収容部35、さらにはトナーの移動経路と隔絶された密封空間であるので、回収した異物がトナーに再混入することはない。従って、画像形成装置内部の各所での異物の固着やフィルミングを長期にわたり防止することができる。
【0048】
また、捕集ローラ36に交流電圧を印加すれば、捕集ローラ36表面上でのトナーの動きが活発化される。そのため、異物とトナーの分離が促進され、異物の分離効果が高まる。
【0049】
〔第2実施形態〕
続いて、本発明に係るプロセスユニット30の他の実施形態について説明する。図4は上記プロセスユニット30の他の例を示す概略断面図である。なお、本実施形態においては、単色のトナーを用いるモノクロ画像形成装置を対象としている。
【0050】
本実施形態のプロセスユニット30は、第1実施形態とほぼ同様の構成であるが、クリーニングブレード11で感光体3の表面から除去した転写残トナーを、トナー回収部材27により図示しないトナー循環経路に搬送し、トナー収容部35に再供給するように構成している。
【0051】
本発明のような、電子写真方式の画像形成装置では、トナーの完全な転写は困難とされている。そのため、カラー用の画像形成装置においては、中間転写ベルト4に転写されなかった感光体3上の転写残トナーは、他の色のトナーが混在しているおそれがあるため、回収して廃棄するのが望ましい。これに対し、単色のトナーを用いるモノクロ画像形成装置では、トナーの混色がないため、上記のように転写残トナーをトナー収容部35に再供給してトナーの消費量を削減することができる。
【0052】
この場合、感光体3の表面に付着した用紙SHの添料(タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の微小鉱物や化学化合物)もトナー収容部35に供給されることになるが、この場合でも、これらの添料はトナーの粒径に比べて充分小さいため、トナー収容部35に再補給された場合でも、捕集ローラ36により他の異物と共に取り除くことができる。そのため、これら添料がトナーに混入することによる画像品質への悪影響を防止することができる。
【0053】
〔第3実施形態〕
本発明に係るプロセスユニット30のさらに他の実施形態について説明する。図5は上記プロセスユニット30のさらに他の例を示す概略断面図である。
【0054】
本実施形態のプロセスユニット30は、第1実施形態における規制部材としてのドクターブレード46に替えて、回転可能な規制ローラ50を現像ローラ45に接触して配置し、さらに、規制ローラ50の表面に接触する規制ローラ清掃部材51を装着した。
【0055】
本来、トナーに含まれる異物は、捕集ローラ36により除去されるが、完全に除去できなかった異物が現像ローラ45に供給された場合には、ドクターブレード46に堆積するおそれがある。上記のように、ドクターブレード46に替えて回転可能な規制ローラ50を使用すれば、異物が規制ローラ50の表面に堆積しても、適宜、規制ローラ50を所定角度回転することで異物の堆積のないフレッシュな面を現像ローラ45に接触させることができる。また、規制ローラ50の回転に伴い、規制ローラ50の表面は規制ローラ清掃部材51によってクリーニングされる。そのため、規制部材のメンテナンスを容易化させることができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。本発明に係る画像形成装置は、図1に示す画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、その他の複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
3 感光体(潜像担持体)
9 現像装置
35 トナー収容部(現像剤収容部)
36 捕集ローラ(捕集部材)
37 供給ローラ(供給部材)
45 現像ローラ(現像剤担持体)
46 ドクターブレード(規制部材)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開2006−178034号公報
【特許文献2】特開2003−021695号公報
【特許文献3】特開2001−194904号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一成分系現像剤を表面に担持し、静電潜像を形成した潜像担持体に現像剤を供給する回転可能な現像剤担持体と、前記現像剤担持体の表面に接触して前記現像剤を摩擦荷電すると共に層厚を規制する規制部材と、現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部に配置され、現像剤収容部に収容された現像剤を現像剤担持体に供給する供給部材とを有する現像装置であって、
現像剤担持体と供給部材との間に、現像剤中の異物を捕集する捕集部材を配置し、供給部材から供給された現像剤を、捕集部材を介して現像剤担持体と規制部材との接触部に供給することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記捕集部材に交流電圧を印加可能としたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記捕集部材の表面に付着した異物を除去する清掃部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
捕集部材の周辺隙間に、現像剤の漏れを防止するシールを設けた請求項1〜3いずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
現像剤担持体に除去部材を接触させ、潜像担持体との接触部を通過した現像剤担持体上の現像剤を除去部材で除去することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記潜像担持体の近傍に、現像剤を回収し、かつ回収した現像剤を前記現像剤収容部に供給する第一の現像剤回収部材を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記規制部材の近傍に、現像剤を回収し、かつ回収した現像剤を前記現像剤収容部に供給する第二の現像剤回収部材を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記除去部材の近傍に、現像剤を回収し、かつ回収した現像剤を前記現像剤収容部に供給する第三の現像剤回収部材を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項9】
前記規制部材を回転可能な円筒状とし、前記規制部材に、清掃部材を接触させたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の現像装置と、潜像を担持する潜像担持体とを備えたことを特徴とするプロセスユニット。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれ1項に記載の現像装置と、潜像を担持する潜像担持体と、現像剤で顕像化した画像を記録媒体に転写する転写部と、記録媒体に転写された画像を記録媒体に定着させる定着部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−45062(P2013−45062A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184781(P2011−184781)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】