説明

瓦の製造方法

【課題】乾燥によって瓦素地が変形しても、変形に伴う不良品の発生頻度を極めて抑制することのできる瓦の製造方法を提供すること。
【解決手段】粘土材料をプレス加工して瓦素地を成形する。この成形された瓦素地55は乾燥工程を経ることによって全体的に収縮するが、この際に収縮量を考慮して成形部位の収縮量に応じた追加的な肉付けをする。つまり、収縮率が大きい成形部位はそうではない成形部位に対して収縮後にその成形部分が目標とする外形形状と近似するように相対的により大きく突出(肉付け)させて成形する。収縮率が小さい成形部位では相対的に大きく突出させないように成形する。このような構成とすると乾燥によって瓦素地55が収縮すると本来瓦素地55が乾燥によって目標とする当該成形部位の外形形状に近似させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造物の屋根仕上げに使用される瓦の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に屋根瓦は荒地と呼ばれる方形平板の粘土板を金型に挟んでプレス成型をすることで所望の形状の成型品(瓦素地)を得るようになっている。このような荒地による屋根瓦製造技術の一例として特許文献1を示す。この特許文献1でもわかるように、屋根瓦用成型においては概ね瓦の外形形状に類似した荒地をプレスして粘土を金型のキャビティ内で延展させることで屋根瓦として備えなければならない段差部分や掛止部等の凹凸したパーツ部分を一体成型するわけである。成型した瓦は公知の定法に従って乾燥、釉薬の塗布、再乾燥、焼成等の工程を経て選別され製品となる。
【特許文献1】特開平11−291232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このようにプレス成形された瓦素地は乾燥工程を経る際に一般に数%程度収縮することとなる。この際の収縮量は瓦素地全体で一様ではなく成形部位に応じて収縮量は異なる。そのため、乾燥後の瓦素地の各面(特に側端面)が波打ったように変形してしまうことが生じる。これはプレス成形された瓦素地の成形部位によって異なる粘土の密度厚み等の諸要件によってどうしても滑らかな面として均等に収縮できないことによる。
そのため、従来ではあまりに変形の大きな瓦素地は不良品として焼成に回せず廃棄処分、あるいは回収して再度荒地用の粘土にリサイクルするようにしていた。
本発明はこのような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、乾燥によって瓦素地が変形しても、変形に伴う不良品の発生頻度を極めて抑制することのできる瓦の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために第1の手段では、粘土材料を複数の金型によってプレス加工して瓦素地を成形する成形工程と、同成形工程において成形した同瓦素地を乾燥する乾燥工程と、同乾燥工程において乾燥された同瓦素地の前記尻部端面を研削する研削工程と、同乾燥工程において乾燥した同瓦素地を焼成する焼成工程とを有する瓦の製造方法であって、前記成形工程で成形される前記瓦素地の成形部位に当該成形部位の収縮量に応じた追加的な肉付けをすることで、前記乾燥工程を経ることによって収縮する同瓦素地が目標とする当該成形部位の外形形状に近似する当該成形部位の外形形状を構成させるようにしたことをその要旨とする。
また、第2の手段では第1の手段に加え、前記瓦素地は所定の前記成形部位について乾燥後に目標とする外形形状よりも大きめとなるように追加的な肉付けをし、乾燥させた後に目標とする外形形状と略一致するように研削するようにしたことをその要旨とする。
また、第3の手段では第2の手段に加え、所定の成形部位とは平瓦素地の尻部端面に下方側に突出する左右一対の尻剣部であることをその要旨とする。
また、第4の手段では第3の手段に加え、所定の成形部位は前記両尻剣部に挟まれた中間位置にもあることをその要旨とする。
【0005】
上記第1の手段の構成においては、まず成形工程において粘土材料をプレス加工して瓦素地を成形する。そしてこの成形された瓦素地は乾燥工程を経ることによって全体的に収縮するが、この際に収縮量を考慮して成形部位の収縮量に応じた追加的な肉付けをする。つまり、収縮率が大きい成形部位はそうではない成形部位に対して収縮後にその成形部分が目標とする外形形状と近似するように相対的により大きく突出(肉付け)させて成形する。収縮率が小さい成形部位では相対的に大きく突出させないように成形する。このような構成とすると乾燥によって瓦素地が収縮すると本来瓦素地が乾燥によって目標とする当該成形部位の外形形状に近似させることが可能となる。
これを成形工程で使用される金型側で考えると瓦素地に大きく突出させる成形部位を形成する金型部分はそうではない部分に比べてより深くえぐれていることとなる。どの部分がどの程度収縮するかは経験則によって決定される。一般的には厚い部分は薄い部分に比べて収縮しやすく、特徴的な形状部分(例えば外方に突起する突起部のような)でも収縮しやすい。次いで、乾燥工程において乾燥させられた瓦素地は本来瓦素地が目標とする外形形状に近く(つまり焼成後の瓦の外形形状にも近い)乾燥が完了した瓦素地を焼成工程で焼成することで瓦を得ることができる。
ここに、すべての成形部位についてこのような成形部位に応じた追加的な肉付けをする必要はない。特に問題となるのは外部に露出する部分であるので例えば上側に配置される瓦によって被覆されて隠される部分はそれほど問題ではない。もちろん、製品として見栄えがよいのに越したことはないため、すべての成形部位について収縮率を考慮して目標とする外形形状となるように追加的に肉付けすることは構わない。
【0006】
このような瓦素地を成形部位に応じて肉付けする際に乾燥後に目標とする外形形状よりも大きめとなるように追加的な肉付けをし、乾燥させた後に目標とする外形形状と略一致するように研削するようにしてもよい。これは特に平瓦における尻部端面について適用すると有利である。
近年乾燥した瓦素地を焼成して瓦を製造する際に、瓦素地を平坦面に尻側を下にして尻側端面にて自立させて焼成するいわゆる自立焼成が行われている。自立焼成は瓦素地を平置きする場合に比べて燃焼効率と積載効率がよいので望ましいものの、瓦素地が乾燥する際に均等に収縮せず歪みが生じ、特に尻側端面においてその歪みが大きいと不安定となって自立に支障を来してしまう場合がある。つまり、このような場合に尻部端面を研削すれば非常に安定性がよくなるわけである。
特に尻部端面の両尻剣部位置は下方に張り出しており、安定性がよいので成形部位としてこの両尻剣部位置を大きめ(つまり後方側に突出させる)に成形し、尻部端面その他の部分を目標とする外形形状よりも収縮するように成形することで両尻剣部位置を自立の際の当接面とすることができる。こうすれば研削量も少なくてすむ。
更に、両尻剣部に挟まれた中間位置を所定の成形部位とすることが平瓦素地の自立の際の安定性のためにはより好ましい。更に、平瓦素地の前記尻部端面に上方側に突出する係合突起部が形成されている場合にはこれを中間位置の所定の成形部位とすることが好ましい。これによって尻部端面の接地幅が非常に大きくなるため更に安定性が増すこととなるからである。
【発明の効果】
【0007】
上記各請求項の発明によれば、成形部位を当該部位の収縮率に応じた追加的な肉付けをしているため、乾燥した瓦素地は瓦素地が目標とする外形形状に近いものとすることができ、変形に伴う不良品の発生頻度を極めて抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。まず、本発明が実施されることにより製造される平瓦1の構成について簡単に説明する。尚、以下の説明において左右と言う場合は平瓦1を屋根瓦として葺いた状態における桁行き方向をいうものとする。また、屋根の流れ方向における軒側を前又は下とし、棟側を後又は上とするものとする。
図1に示すように、平瓦1は平面略長方形形状をなした高温で焼成した粘土製の板体とされている。平瓦1は大きく分けて瓦本体3と瓦本体3の左側に張り出し形成された衿側側縁部4から構成されている。平瓦1の上面には釉薬層が形成されている。瓦本体3は平面略正方形状の外観を呈する一定の肉厚に形成された板体とされている。瓦本体3の裏面には図示しない補強リブが頭部側から尻部側に向かって平行に等間隔に形成されている。瓦本体3の右寄り部分は衿側側縁部4の上に重ね合わされる桟側の側縁部5とされる。このような左右方向の構成とは別に平瓦1の棟側を向いた後端寄りが尻側とされ軒側を向いた先端寄りが頭側とされている。尻及び頭は平瓦1において画一的に区切られるものではないが、本実施例では上位の屋根瓦1が下位の屋根瓦1とオーバーラップする図1におけるP部分付近を尻部7とし、このP部分とオーバーラップするQ部分付近を頭部8とする。頭部8側は先端ほど下垂するように湾曲状に成型されている。
【0009】
図1及び図2に示すように、尻部7側の最後端位置には左右方向に沿って瓦本体3に対して段違となるよう隆起した段差部11が形成されている。段差部11の後方には左右一対の三角形形状の尻剣部14が下方に向かって突出形成されている。段差部11の上面の尻側端面12に面した位置であって左右方向の中央位置から僅かに衿側の側縁部4に寄った位置には突起部としての係合フック13が形成されている。係合フック13は立ち上げ部13aとフック部13bから構成されている。係合フック13は前後方向が同幅に構成されるとともに立ち上げ部13aでは左右方向において基部側が肉厚とされ上部寄りほど徐々に薄肉となるようにテーパ状に構成されている。フック部13bはその先端方向が衿側の側縁部4の方向に指向して段差部11の上面に対して略水平となるように延出されている。係合フック13は屋根瓦を葺いた状態において上面にオーバーラップして配置される平瓦1の裏面側に係合する。具体的には係合フック13は瓦本体3の裏面側の補強リブに形成された図示しない係合凹部に係合されるようになっている。
【0010】
段差部11には左右一対の透孔15が形成されている。透孔15は屋根瓦として葺く際に釘を桟木に打ち込んで固定するための孔となる。
段差部11には尻剣部14を成型するために瓦本体3のベース面Bとの間がスペース的に幅狭に構成された尾根部16が形成されている。
衿側の側縁部4は瓦本体3の一方の側縁において前後に延びる長尺の長方形形状の板片とされ、その上面bは瓦本体3のベース面Bよりも若干低い位置に配置される。側縁部4の上端縁から側縁にかけて同側縁部4を包囲する包囲壁17が一体形成されており、瓦本体3側の側縁10との間で三方が包囲された樋が構成される。
このように構成される平瓦1は粘土板をプレス成形し平瓦素地を得、更に乾燥させた平瓦素地を焼成して得られるものであり、平瓦素地はプレス成形直後から乾燥に伴って徐々に収縮していく。そして、粘土密度や厚みや形状の要因によってその収縮量は均一ではない。例えば直線で成型した部分であっても必ずしも直線に収縮するわけではなく歪みが生じ場合がある。本実施例の平瓦1の尻部7の尻側端面12では図2の斜線で示す左右尻剣部14の中央の最も低い部分を含む長方形領域18及び係合フック13の左右幅を含むフック形状領域19の3箇所が最も後方(尻側)側に進出している部分(平面)とされている。この面は図3に示すように目標とすべき形状である基準平面PL1上に存在する。基準平面PL1は設計上この基準平面PL1位置に尻側端面12が存在することが理想となる面である。本実施例では長方形領域18及びフック形状領域19以外の尻側端面12は基準平面PLよりも若干窪んでいる(本実施例では最大窪み2mm程度)。
【0011】
次にこのように構成される平瓦1の製造方法の一例について説明する。
図9に示すように、公知のプレス装置50によって第1及び第2の金型51,52内に粘土板Dを配置してプレス成形する。粘土板Dは第1のコンベア54の先端から一枚ずつ順次ロボット53によってプレス装置50内に搬入されるとともに、プレス成型された平瓦素地55はロボット53によって第2のコンベア56に搬出される。第2のコンベア57に載せられた平瓦素地55は公知の乾燥工程に送られる。上型となる第1の金型51はスライダ56の下面に装着されスライダ56の上下動に伴って下動し、下型となる第2の金型52とともに粘土板Dをプレスして平瓦素地55を成型する。本実施例では下型となる第2の金型52によって尻側端面12を成形するものとする。
例えば図4(b)の円形部分の平瓦素地55を拡大して示す図6のように、成形直後の平瓦素地55は実線の外形形状であるが乾燥に伴って破線の大きさまで収縮していく。実線と破線との間隔で理解できるように収縮率は平瓦素地55全体で均等ではない。本実施例ではこの破線が目標とすべき形状の外郭とされている。平瓦素地55のすべての構成面について説明するのは省略するが、平瓦素地55はすべての面で収縮率に応じた肉付けがされており、乾燥に伴って収縮することで本実施例の平瓦素地55に求められる目標とすべき外形形状となる。
以下、本実施例では特に尻側端面12付近の成形に特化して説明する。
もしプレス成形の際に、図10(b)に示すように平瓦素地55の尻側端面12を平面に成形したとすると、乾燥に伴って平瓦素地55は収縮し、乾燥の完了に伴って図10(a)に示すような歪みが生じる。特に異形部分である尻剣部14と係合フック13はプレス成形に伴って粘土が延展されて形成される構成部分であるため一般に密度が低く、また厚みもあるため乾燥に伴って大きく窪む(引ける)傾向にある。図10(a)は平瓦素地55の尻側端面12がプレス段階で平面に成形されるような従来の側板57を備えた金型52を使用したケースである。
【0012】
一方、本実施例では図4(b)に示すように、尻側端面12に通常とは逆に尻剣部14と係合フック13が他の部分よりも後方に突出するような肉付けとなる側板58を備えた金型52を使用している。つまり、尻側端面12を形成する第2の金型52の側板58の成形面58aは平瓦素地55の乾燥後の収縮を考慮して尻剣部14と係合フック13のみが基準平面PLよりも突出するような凹凸形状に加工されている。
このような金型52を使用することによって成形された平瓦素地55が最終的に乾燥が完了した段階では尻側端面12の形状は図4(a)の円形部分を拡大した図5(a)及び(b)に示すように尻剣部14と係合フック13の長方形領域18及びフック形状領域19に対応する突出部Tが基準平面PLよりも後方に突出され、他の部分は基準平面PLよりも後方に突出しない形状となる。
【0013】
次いで、この乾燥が完了した平瓦素地55を研削する。図7に示すように、乾燥が完了した平瓦素地55を図示しないロボットによって第3のベルトコンベア59上に位置決めさせて載置し、グラインダー60の平面をなす研削面60aによって平瓦素地55の左右方向に沿って公知の方法で研削する。これによって突出部Tが研削されて長方形領域18及びフック形状領域19が形成される。長方形領域18及びフック形状領域19はこの段階で基準平面PLに一致する。
次いで公知の釉薬塗布工程とその乾燥工程を経て、図8のように台車61上に尻側端面12側を下にして長方形領域18及びフック形状領域19の3箇所をもって自立させて焼成工程に導き焼成させて平瓦1を得る。
【0014】
このように構成することで上記実施例では次のような効果が奏される。
(1)成形される平瓦素地55は収縮率の違いを考慮して大きく収縮する成形部位は多めに肉を付け、小さく収縮する成形部位は少なめに肉を付けるというような考慮がされているため、乾燥の際に本来平瓦素地55に求められる目標とされる外形形状に近似した形状の平瓦素地55を得ることができ、不良品の発生頻度が極めて減少する。
(2)平置きで焼成する場合には図10(b)のような尻側端面12であっても問題はないが、自立焼成する場合には不安定となって自立に支障を来してしまう場合がある。ところが、このように基準平面PL沿って3箇所の長方形領域18及びフック形状領域19を突出部として平面を出して自立させるようにしているため安定性がよく、自立焼成に有利である。
(3)従来の尻側端面12をすべて研削して平面を出す手法に比べて、平瓦素地55を加工する加工時間が軽減され加工コストが低減するとともに、加工に伴う粉塵も少なくなるため環境にも好適である。
(4)自立する際の当接部となる長方形領域18及びフック形状領域19は尻側端面12から長方形領域18は下側に、フック形状領域19は上側に張り出しており、尻側端面12の上下幅よりも広く接地面に接することとなるため、非常に安定性がよい。
【0015】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施例では3箇所の突出部のうち中央を第3の突出部として係合フック13の端面であるフック形状領域19としたが、尻剣部14に挟まれた他の尻側端面12部分を第3の突出部としてもよい。
・図11に示すように尻剣部14の突出部の領域をもっと広くして例えば尻剣部14の端面全域に拡張した領域62してもよい。また、その場合には係合フック13の端面を突出部としないような構成であってもよい。
・図12に示すように尻剣部14の端面の突出部の領域をもっと狭くして剣先部分だけ(つまり最も下方先端寄りだけ)に限定した領域62としてもよい。また、係合フック13の端面の突出部の領域をもっと狭くしてフック部13bだけ(つまり係合フック13の上方先端寄りだけ)の領域63としてもよい。
・平瓦1は上記のような形状に限定されるものではなく、広く尻剣部14を有する平瓦に応用することが可能である。また、平瓦に形成される釉薬層の有無は問わない。
・製造方法として上記は一例であり、プレス装置や金型の形状、数等、あるいは乾燥装置等の本願発明とは直接関係ない構成について変更して実施するのは自由である。
その他本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更した態様で実施することは自由である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例の実施により得られる平瓦の斜視図。
【図2】本発明の実施例の実施により得られる平瓦素地(平瓦)の尻側部分斜視図。
【図3】同じ平瓦素地(平瓦)の尻側の部分平面図。
【図4】(a)は実施例の平瓦素地を脱型後に乾燥させた後の尻側の部分平面図、(b)は実施例の平瓦素地を金型により成形した状態の脱型前の尻側の部分平面図。
【図5】(a)及び(b)は図4の突出部を中心とする円形部分の拡大図。
【図6】図4(b)の円形部分における平瓦素地の乾燥に伴うサイズ変化を説明する説明図。
【図7】乾燥後の平瓦素地の尻部端面の研削工程を説明する概略説明図。
【図8】研削後の平瓦素地を自立させた状態の説明図。
【図9】プレス装置内の上下金型の間に粘土板を配置して平瓦素地を成形する工程を説明する概略説明図。
【図10】(a)は従来の平瓦素地を脱型後に乾燥させた後の尻側の部分平面図、(b)は従来の平瓦素地を金型により成形した状態の脱型前の尻側の部分平面図。
【図11】他の実施例の平瓦素地の尻側部分斜視図。
【図12】他の実施例の平瓦素地の尻側部分斜視図。
【符号の説明】
【0017】
1…平瓦、12…尻部端面、13…係合突起部としての係合フック、14…尻剣部、55…平瓦素地、PL…基準平面、T…突出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘土材料を複数の金型によってプレス加工して瓦素地を成形する成形工程と、
同成形工程において成形した同瓦素地を乾燥する乾燥工程と、
同乾燥工程において乾燥された同瓦素地の前記尻部端面を研削する研削工程と、
同乾燥工程において乾燥した同瓦素地を焼成する焼成工程とを有する瓦の製造方法であって、
前記成形工程で成形される前記瓦素地の成形部位に当該成形部位の収縮量に応じた追加的な肉付けをすることで、前記乾燥工程を経ることによって収縮する同瓦素地が目標とする当該成形部位の外形形状に近似する当該成形部位の外形形状を構成させるようにしたことを特徴とする瓦の製造方法。
【請求項2】
前記瓦素地は所定の前記成形部位について乾燥後に目標とする外形形状よりも大きめとなるように追加的な肉付けをし、乾燥させた後に目標とする外形形状と略一致するように研削することを特徴とする請求項1に記載の瓦の製造方法。
【請求項3】
所定の前記成形部位とは平瓦素地の尻部端面に下方側に突出する左右一対の尻剣部であることを特徴とする請求項2に記載の瓦の製造方法。
【請求項4】
所定の前記成形部位は前記両尻剣部に挟まれた中間位置にもあることを特徴とする請求項3に記載の瓦の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−290401(P2008−290401A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139828(P2007−139828)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000141738)株式会社宮園製作所 (10)
【Fターム(参考)】