説明

生ごみ処理装置

【課題】台所に臭気を排出しない生ごみ処理装置を提供する。
【解決手段】生ごみ投入口4の下方に設けた投入通路8と、投入通路8の下部に設けた生ごみ処理室9と、投入通路8の周囲に設けた吸気ダクト58と、吸気ダクト58に連通した吸引手段62と、吸引手段62と吸気ダクト58の間に設けたハイブリッド脱臭材63とを備え、投入通路8の内部に着脱自在の投入筒66を設け、投入筒66に通路開閉のための遮蔽部80を設ける。投入通路8を遮蔽部80で閉止して、生ごみ処理室9から上昇してくる臭気を遮断し、吸気ダクト58から台所の雰囲気空気を主体的に吸引することで、臭気が外部の台所へと漏れないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭の流し台にビルトインした生ごみ処理装置に関し、台所に悪臭が発生しないようにした構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の生ごみ処理装置は、流し台ユニット内に生ごみ処理装置が内装してあり、この生ごみ処理装置の生ごみ処理槽内には撹拌羽根を設けている。この生ごみ処理槽内には生ごみ処理材を充填してあり、生ごみ処理材に生息するバクテリアのような微生物の働きで生ごみを分解処理するようにしている。
【0003】
流し台の上面であるシンク天板に投入口を設けて、投入口には、開閉自在の蓋を設けている。投入口と生ごみ処理槽内をダクトで連通している。建物の屋外壁の外には屋外排気口を設けてあり、この屋外排気口と生ごみ処理槽とを排気経路により連通している。排気経路の途中には排気のための送風ファンと触媒加熱方式の脱臭器とを配置している。
【0004】
蓋を開いて投入口から生ごみを投入するとき、ダクトと投入口を介して台所内に臭気が逆流しないようにするため、投入口の開放時には、送風ファンの風量を上げ、投入口から吸気される風量を大きくすることで流速を上げて、臭気が逆流しないようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、別の厨芥処理装置では、排気系に分解ガス中の臭気を吸着脱臭する脱臭手段を配設し、加熱手段による脱臭手段の加熱再生動作を分解が盛んな時間帯を除いて、臭気発生の少ない時に行うようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−66500号公報
【特許文献2】特開平9−47744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、送風ファンを駆動すると、生ごみ処理槽のオーバーフロー容器の空気吸入口を介して、外気が吸い込まれて生ごみ処理槽に新鮮な空気を送り、それを脱臭器で脱臭して外部に排出される。また、脱臭器では、脱臭された排気は、空気吸い込み口からの空気と混合されて希釈されて屋外に排出されるので、生ごみ処理槽が外部である台所と連通した構成となり、生ごみ処理槽から発生する臭気を確実に遮断することができないという課題を有していた。
【0008】
また、投入口から生ごみを投入するとき、ダクトと投入口を介して台所内に臭気が逆流しないようにするためには、送風ファンの風量を上げ、投入口から吸気される風量を大きくするので、送風機の動作音や投入口での風切音が発生するという課題を有していた。また、触媒加熱式の脱臭器は、300℃以上に触媒を維持する必要があり、ランニングコストが上昇するという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、生ごみを生ごみ投入口から投入する時に、臭気として外部に排出しない生ごみ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明の生ごみ処理装置は、生ごみ投入口と、この生ごみ投入口に設けられた開平自在な投入蓋と、前記生ごみ投入口の下方に連通した投入通路と、この投入通路の下部に設けた生ごみ処理室と、前記投入通路の側方に連通して設けられた吸気ダクトと、この吸気ダクトに連通した吸引手段と、この吸引手段と前記吸気ダクトの間に設けたハイブリッド脱臭材とを備え、投入通路は、内部に着脱自在の投入筒を設け、この投入筒に前記投入通路を開閉するための遮蔽部を設けたものである。
【0011】
これによって、生ごみを生ごみ投入口から投入する時に、投入通路を遮蔽部で閉止し、生ごみ処理室から上昇してくる臭気を遮断するので、投入通路の周囲に設けた吸気ダクトから空気を吸引する時に、台所の雰囲気空気を主体的に吸引することで、使用者が生ごみ投入口からの臭気として認識できない状態を作るようにしている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の生ごみ処理装置は、生ごみを生ごみ投入口から生ごみ処理室に投入する時に台所に臭気が発生しないようにすることができる。また、遮蔽部により臭気を遮断するので、吸気ダクトから吸引する空気量を低減することで送風機の作動音や生ごみ投入口での風切音を防止することができる。また、ハイブリッド脱臭材の再生動作は、加熱する電力が必要ないのでランニングコストの上昇を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1における生ごみ処理装置の断面図
【図2】同生ごみ処理装置のA―A側面図
【図3】同生ごみ処理装置の生ごみ投入時の断面図
【図4】同生ごみ処理装置の生ごみ投入時のB―B側面図
【図5】同生ごみ処理装置を搭載した流し台の斜視図
【図6】同生ごみ処理装置の投入筒の遮蔽部閉止時の断面図
【図7】同生ごみ処理装置の投入蓋と遮蔽部の断面図
【図8】同生ごみ処理装置の投入筒の遮蔽部開放時の断面図
【図9】本発明の実施の形態2における生ごみ処理装置のハイブリッド脱臭材再生時の断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の発明は、生ごみ投入口と、この生ごみ投入口に設けられた開平自在な投入蓋と、前記生ごみ投入口の下方に連通した投入通路と、この投入通路の下部に設けた生ごみ処理室と、前記投入通路の側方に連通して設けられた吸気ダクトと、この吸気ダクトに連通した吸引手段と、この吸引手段と前記吸気ダクトの間に設けたハイブリッド脱臭材とを備え、投入通路は、内部に着脱自在の投入筒を設け、この投入筒に前記投入通路を開閉するための遮蔽部を設けたことにより、生ごみを生ごみ投入口から投入する時に、投入通路を遮蔽部で閉止し、生ごみ処理室から上昇してくる臭気を遮断するので、投入通路の周囲に設けた吸気ダクトから空気を吸引する時に、台所の雰囲気空気を主体的に吸引することで、使用者が生ごみ投入口からの臭気として認識できない状態を作ることができる。
【0015】
また、遮蔽部により臭気を遮断するので、吸気ダクトから吸引する空気量を低減することで送風機の作動音や生ごみ投入口での風切音を防止することができる。また、ハイブリッド脱臭材の再生動作は、加熱する電力が必要ないのでランニングコストの上昇を防止することができる。
【0016】
第2の発明は、特に、第1の発明の投入筒は、吸気ダクトの吸気口より下方の投入通路内に載置するようにしたことにより、投入生ごみを生ごみ投入口から投入する時に、生ご
み処理室から上昇してくる臭気を遮断し、吸気ダクトの吸気口から台所の雰囲気空気を主体的に吸引して臭気を希釈しながら遮断するので、生ごみを生ごみ処理室に投入する時に台所に臭気が発生しないようにすることができる。
【0017】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の投入筒は、生ごみ投入口の投入蓋を開放した時に、遮蔽部を作動し通路を閉止するようにしたことにより、生ごみ処理室から上昇してくる臭気と熱気を遮断し、生ごみを生ごみ処理室に投入する時に台所に臭気が発生しないようにすると共に、生ごみ処理室からの放熱損失を低減し省エネを向上することができる。
【0018】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明の投入筒は、生ごみ投入口の投入蓋を閉止した時に、遮蔽部を作動し通路を開放するようにしたことにより、投入蓋により投入通路が密閉状態になった時に遮蔽部が開放されるので、台所に臭気が発生しないようにすることができる。
【0019】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明の投入筒は、投入筒は、投入蓋より所定間隔下方に遮蔽部を設けたことにより、投入通路から長い生ごみや大きな生ごみを生ごみ処理室に入れることが防止されるので、撹拌の不良や投入蓋の密閉状態の不良を起こさないようにすることができる。
【0020】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明の投入筒は、投入蓋の開放動作に連動して遮蔽部を閉止作動するために、投入蓋との連結部を設けたことにより、
投入蓋を開放する時は遮蔽部を必ず閉止するので、生ごみ投入口からの乾燥処理中の臭気を台所に発生しないようにすることができる。
【0021】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明の投入筒は、投入蓋の閉止動作に連動して遮蔽部を開放作動するために、投入蓋により押される受動部を設けた
ことにより、投入蓋を閉めるときに投入蓋の底部で受動部を押すことで容易に遮蔽部を開放することができ、遮蔽部に載った生ごみを生ごみ処理室に落下することができる。
【0022】
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明の投入筒は、投入蓋を開放した時に、投入筒が動かないようにするための取り付け部を設けたことにより、生ごみ投入口の投入蓋を開放した時に、その動作により投入筒が投入通路から飛び出さないようにして、遮蔽部により投入通路を確実に閉止することができる。
【0023】
第9の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明の投入筒は、投入通路に着脱自在に設け、使用者が随時掃除できるようにしたことにより、投入生ごみにより投入筒の内壁が汚れても使用者が容易に掃除することができる。
【0024】
第10の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明のハイブリッド脱臭材は、投入蓋が閉止している時に再生動作を行うようにしたことにより、乾燥処理で発生する臭気成分の内の二硫化ジメチルやアンモニア、アルデヒド類等の物理吸着成分を空気分子で脱着し、ハイブリッド脱臭材の物理吸着成分の吸着性能を維持することができる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における生ごみ処理装置の構成を示す断面図、図2は、そのA−A断面図である。
【0027】
図1、2は、生ごみ処理装置で、生ごみの乾燥処理を行っている時の図面である。
【0028】
図1、2において、流し台1は、家庭の台所に設置されている。流し台1のシンク2は、生ごみや水(水道水等)が共に投入されたり、混入したりする排水口3を有している。通常このような排水口3は、ストレーナ(生ごみかご等)を設けている。生ごみ投入口4は、シンク2の上端の天板5に設けられている。天板5は、ステンレス等(一部樹脂の場合もありうる)の材料によりシンク2と一体に成型され、排水口3がごみ詰まりで閉塞したときに蛇口6からの水が天板5の上端までためられるようになっている。
【0029】
生ごみ投入口4は、この天板5の上端以上の高さに設けられ、シンク2が満水時でも生ごみ投入口4から水が侵入しないようにしている。生ごみ投入口4には、投入蓋7が設けられている。投入蓋7は、閉止しているときは、天板5の上端と略同一面上になるように構成している。生ごみ投入口4は、シンク2に向かって手前右側に構成しているので、シンク2では、その部分の造型が突出した形状をしている。
【0030】
生ごみ投入口4の下方には、筒状の投入通路8を設けている。この投入通路8の下部に生ごみ処理室9を設けている。投入通路8と生ごみ処理室9は、樹脂成型され、一体の容器に構成されている。投入通路8と生ごみ処理室9は、投入蓋7を使用して密閉の容器に構成し、投入生ごみ10の蒸気と臭気が外部に漏れないようにしている。投入通路8と生ごみ処理室9の樹脂材料は、投入生ごみ10の乾燥温度(例えば、70〜100℃)に絶えられる耐熱性の樹脂で成型している。
【0031】
生ごみ処理室9の装着は、シンク2の底部11の下方に配置するようにしている。生ごみ処理室9の形状は、上部が略平面で下部に曲面を配置した、略半長円断面状に構成していて、この略平面部分に投入通路8を結合している。生ごみ処理室9は、シンク2に向かう方向(流し台の正面の家事作業を行う側)に開口12を設けている。この開口12から生ごみ処理室9の内部に生ごみ容器13を生ごみ処理室9の曲面形状に合うような形で引出しのように収納するようにしている。
【0032】
生ごみ容器13は、生ごみ処理室9の樹脂材料と同様に、投入生ごみ10の乾燥温度(例えば、70〜100℃)に絶えられる耐熱性の樹脂で成型している。また、内面には、コーティング処理をして、回収生ごみ16がこびりつかないようにしている。生ごみ撹拌手段14は、この生ごみ容器13内に設けた駆動軸15の周囲に構成されている。
【0033】
生ごみ容器13内の駆動軸15は、生ごみ容器13内に回収生ごみ16(投入生ごみ10と乾燥処理した生ごみ等)がたまり、捨てるときに生ごみ容器13を生ごみ処理室9から引き出すときに容易に作業が行えるように、撹拌手段14の駆動手段17の駆動軸18と着脱自在に構成されている。駆動手段17は、生ごみ処理室9の外側から駆動軸18を介して駆動軸15に結合されている。駆動手段17は、ギアドモータで構成されている。
【0034】
生ごみ撹拌手段14は、このギアドモータにより一定の間隔で停止時間を設けながら毎分5〜20回転で正転、反転を繰り返しながら回収生ごみ16の撹拌を行うようにしている。生ごみ容器13を生ごみ処理室9に収納するときに駆動軸18と駆動軸15が接触して回転を伝達できるようにしている。生ごみ処理室9への駆動軸18の装着は、ベアリングとメカニカルシールで構成する軸受け部19を用いて密閉性を高めている。生ごみ容器13内の駆動軸15に対してもベアリングとメカニカルシールで構成する軸受け部20を用いて密閉性を高めている。この軸受け部20は、駆動手段17反対側の生ごみ容器13の側壁にも設けられ駆動軸15の回転を支えている。
【0035】
生ごみ容器13は、略半長円断面状の生ごみ処理室9にあわせて略半長円断面状を構成しており、引き出す手前側に生ごみ処理室9の略半長円断面よりも大きな外形の前板21を設け、この前板21を生ごみ処理室9の壁面にパッキン22(シール材等)を介してレバー等(図示無)で押し付けるようにして密閉性を高めるようにしている。生ごみ容器13は、引出しのように上部が開放され、生ごみ投入口4から投入通路8を介して投入された投入生ごみ10が落下して貯留するようになっている。
【0036】
生ごみ撹拌手段14は、複数個の棒またはヘラ状の板で構成され、この先端が生ごみ容器13の略半長円の内壁に沿って回転して回収生ごみ16の撹拌を行うようにしている。撹拌手段14の作動は、一定の停止時間を挟んで連続的に行われ、正転と反転を繰り返しながら、回収生ごみ16を撹拌している。
【0037】
生ごみ容器13を生ごみ処理室9から引き出して回収生ごみ16を廃棄するときは、流し台1の前板(化粧板)23に生ごみ容器13の前板21を上方から差し込むように構成することで、流し台の前板23を流し台1に設けられている引出し(図示無)の様にレール構造(図示無)を使用して、流し台1の前板23引き出してきて、生ごみ容器13を自在に取り出せるようにしている。
【0038】
加熱手段24は、生ごみ処理室9の庫内温度を上昇させるために生ごみ処理室9の下部に設けられており、一般的なシーズヒータ、マイカヒータを用い一定の温度調節を行うか、または板状のPTCヒータを用いて自動調節を行うようにしている。(この板状のPTCは、熱伝導の良いアルミや銅の板に貼り付けて均一に加熱することも可能である)加熱手段24により、回収生ごみ16を加熱し、撹拌手段14により回収生ごみ16を反転させて、乾燥処理を促進するようにしている。
【0039】
空気供給手段25は、生ごみ処理室9内に空気26を送るためのもので、エアーポンプまたはターボファンやラジアルファン等の高圧型の送風機で構成されている。空気供給手段25は、生ごみ処理室9内に空気26を噴出すようにしている。
【0040】
凝縮脱臭装置27は、回収生ごみ16の乾燥処理を行うときに発生する水蒸気と臭気を低減するために、液中での気泡発生手段を用いて構成している。凝縮脱臭装置27は、生ごみ処理室9との間に密閉状の循環経路28を構成していて、その間を空気供給手段25により空気26を循環させている。
【0041】
生ごみ処理室9では、空気供給手段25により供給された空気26に押し出されるようにして、生ごみ処理室9内の水蒸気を吸い込んだ排気29が生ごみ処理室9の上部に設けた排気口30から、循環経路28の戻り管31を介して凝縮脱臭装置27に送られるようにしている。
【0042】
戻り管31は、生ごみ処理室9の排気口30から凝縮脱臭装置27の入口までの循環経路28を構成している。凝縮脱臭装置27では、戻り管31の先端に設けられ、凝縮脱臭装置27の液槽32に貯留した水33(水33は、水道水と投入生ごみ10の水蒸気が凝縮した水も含まれる)の中に排気29を気泡として噴出させるためのノズル34を設けている。
【0043】
ノズル34では、微細な気泡を作るために多数の微細孔が設けられている。この水33中を排気29の気泡が通過することで、温度の高い排気29中に含まれる多量の水蒸気が水33により冷却され、凝縮して水33に含水して除去され、絶対湿度の小さな空気26となる。また、排気29に含まれる臭気(例えば、投入生ごみを乾燥処理したときに発生する主な悪臭は、硫化水素、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、アルデヒド類等が
ある)は、水溶性のものが多いので、水33に吸収され、脱臭された空気26となる。
【0044】
液槽32の上部には、一定の容積の空間35が設けられていて、この空間35により水33と空気26を分離している。液槽32の水33の量または空間35の容積を管理するため、貯留した水33の水位を検出する水位検出部36を液槽32内に設けている。水位検出部36は、フロート式または電極式等の液面検知スイッチで構成されている。
【0045】
液槽32の空間35の上部に循環経路28の行き管37の吸引入口38が設けられている。この行き管37の先端は、生ごみ処理室9内に給気口39として開口している。行き管37は、凝縮脱臭装置27の出口から生ごみ処理室9の吸気口39までの循環経路28を構成している。行き管37の途中に空気供給手段25が設けられ、吸引入口38から温度の低下した空気26を吸引するようにしている。
【0046】
この空気供給手段25と給気口39の間の行き管37の途中に上部加熱手段40を設けている。上部加熱手段40は、一般的なシーズヒータ、マイカヒータを用い一定の温度調節を行うか、またはPTCヒータを用いて自動調節を行うようにしている。
【0047】
これにより、給気口39から供給される空気26は、加熱されて相対湿度の低下した乾燥した空気26として形成され、投入生ごみ10からの水蒸気を回収することが容易になる。給気口39は、生ごみ処理室9の駆動手段17側の背面41に開口され、その先端が生ごみ容器13の駆動手段17側の側面42の切り欠き部43を介して生ごみ容器13内の下方に加熱された空気26が向かうように下向きに突出させて設けられている。
【0048】
凝縮脱臭装置27では、生ごみ処理室9内の投入生ごみ10から発生する水蒸気を凝縮させて結露するために生ごみ処理室9の乾燥温度(例えば70〜100℃)との差を維持するように定期的に給水経路44から新しい水33を液槽32内に注入するようにしている。新しい水33は、その時期の上水温度に低下している。この新しい水33を注入するタイミングを図るために液槽32内に水温検知部45を設けている。
【0049】
水温検知部45は、熱電対またはサーミスタで構成され、液槽32内の水33の温度が、投入生ごみ10からの水蒸気により上昇して、水蒸気の露点温度の上昇により、凝縮能力(例えば、新しい水の温度が20℃から開始して60℃程度まで上昇するとすれば、凝縮能力が半減する)が低下する温度を検知している。
【0050】
凝縮脱臭装置27の液槽32の水33の入れ替えのための構成は、液槽32の上部に設けた給水経路44と液槽32の下部に設けた排水経路46で構成している。水温検知部45の信号により制御器47が、水33の入れ替えの指示を行うようにしている。排水経路45の先端は、シンク2の排水口3の排水管48に連通している。排水管48に連結する直前にトラップ49を設けていて、排水管48からの悪臭や害虫の侵入を防ぐようにしている。
【0051】
排水経路46の途中に液槽32側から排水弁50と排水逆止弁51を連接している。排水逆止弁51は、配水管48の一部が詰まり、汚水が上昇してトラップ49を逆流しても液槽32と排水弁50に汚水が入り込まないようにしている。排水弁50は、電磁式の開閉バルブで構成され、制御器47の指示で、液槽32の水33の温度が上昇したときに開放して、水33を排水管48から下水に排出する。排水の終了は、制御器47に設けたタイマーまたは水位検出部36の検知により行い、排水弁50を再度閉止した後に、給水経路44の途中に設けた給水弁52を開放して液槽32に新しい水33を注入する。
【0052】
液槽32に給水経路44を連結する位置は、液槽32の空間35の上部にしている。こ
れは、液槽32に貯留した水33が逆流して給水経路44に侵入しないようにするためである。給水経路44は、キッチン1の蛇口6のための給水管53の一部から分岐している。
【0053】
給水経路44は、この給水管53側から給水弁52と給水逆止弁54とバキュームブレーカ55を連接している。給水逆止弁54は、配水管48の一部が詰まり、汚水が上昇してトラップ49を逆流しても液槽32から給水経路44の上流に流れ込まないようにしている。
【0054】
更に液槽32と給水逆止弁54との間に、この汚水逆流対策の二重の安全装置としてバキュームブレーカ55を設けることで、給水管53側が何かの理由により負圧になった時に、液槽32側の空間35の空気26や水33が給水経路44に侵入しないようにしている。バキュームブレーカ55では、給水管53に負圧が発生した時に空気(この場合は、台所や流し台1の中の空気)を導入して大気圧と等しくして、液槽32側からの逆流を防止するようにしている。
【0055】
また、バキュウームブレーカ55の大気開放された側に排出管56を介して受け容器57を設け、液槽32から大気開放側に一部漏れ出す水33は、この受け容器57に受けて、外部に漏れ出さないようにしている。受け容器57では、漏れ出した水33は、受け容器57内で自然乾燥させるかまたは水33の貯留状態を知らせて廃棄を行う作業を指示するようにしている。
【0056】
また、図3は、本発明の第1の実施の形態における生ごみを投入している時の生ごみ処理装置の構成を示す断面図、図4は、図3のB−B断面図、図5は、この生ごみ処理装置を搭載した流し台の斜視図である。
【0057】
図3、図4、5において、投入通路8の周囲に設けた吸気ダクト58は、生ごみ処理室9の上部を覆うような形で、独立した空間を構成している箱状の吸気通路59に連通している。吸気ダクト58の上部に、投入通路8に向かって複数個の吸気口60を設けている。この吸気口60は、生ごみ投入口4に投入蓋7を載せて閉止するときに投入蓋7により閉塞する構成にしている。投入蓋7を閉止した時は、吸気ダクト58が密閉された空間になるようにしている。
【0058】
吸気通路59の一部から吸引ホース61を連通させ、その端部には吸引手段62を設けている。吸引手段62は、ターボファンやラジアルファン等の高圧型の送風機で構成されている。吸引手段62上流の吸引ホース61の途中にハイブリッド脱臭材63を設けている。
【0059】
生ごみ処理室9で乾燥処理を行っている最中に、投入通路8を介して投入生ごみ10を生ごみ投入口4から生ごみ容器13に落とす時は、回収生ごみ16から発生する水蒸気や臭気が投入通路8を上昇してくる。そこで、制御器47の指示により、吸引手段62を作動させ、生ごみ投入口4の近傍に設けた吸気口60からその水蒸気や臭気を吸い込んで、ハイブリッド脱臭材63で脱臭し、排気口64から無臭の空気65として例えば、台所や床下に排出するようにしている。
【0060】
ハイブリッド脱臭材63は、ファイバーセラミックで成型したハニカム体を担持体としている。このハニカム体にマンガン、銅、コバルトの複合化合物と疎水性の合成ゼオライトをコロイダルシリカをバインダーとして担持させたものである。ハイブリッド脱臭材63は、金属の複合酸化物を有しており、この金属の複合酸化物による吸着作用により、臭気成分である硫化水素を化学吸着している。また、触媒作用で臭気成分であるメチルメル
カプタンを二硫化ジメチルに転化する。
【0061】
また、ハイブリッド脱臭材63を構成している疎水性のゼオライトは、転化した二硫化ジメチルの他にアンモニア等の臭気成分を物理吸着し、これらの複合作用により投入生ごみ10の乾燥処理中に発生する臭気を除去するようにしている。また、ハイブリッド脱臭材63では、硫化水素は化学吸着によって吸着されるので、複合酸化物に吸着サイトが存在すれば、濃度に関係なく吸着が促進される。
【0062】
したがって、ハイブリッド脱臭材63の寿命は、この吸着サイトがなくなった時までということであるため、硫化水素の発生量を投入生ごみ10の量や投入生ごみ10の種類によって想定し、ハイブリッド脱臭材63の交換時期等のタイミングを把握するようにしている。これに対して、二硫化ジメチルやアンモニアは物理吸着なので、濃度によって吸着容量が変化し、数日から数十日で吸着容量に達するものであり、再生操作を行うタイミングや再生時間を把握するようにしている。
【0063】
投入筒66は、投入通路8の内部に設けられており、投入通路8と同様に、投入生ごみ10の乾燥温度(例えば、70〜100℃)に絶えられる耐熱性の樹脂で成型している。投入筒66は、投入通路8の上部に設けられた突起部67に引っ掛ける形で着脱自在に設けられている。また、投入筒66は、投入生ごみ10により内壁が汚れるので、使用者が随時掃除できるように、取手(図示無)により、生ごみ投入口4の投入蓋7を開けて、外部に引き出すことを容易にしている。投入筒66の上部を投入蓋7の下部68で押し付けるようにして投入通路8全体の密閉性を保つようにしている。
【0064】
投入蓋7の下部68は、弾力性の有る耐熱性の材料(例えば、ゴムやシリコン等)で構成され、シール性を向上するようにしている。また、投入蓋7の下部68や投入筒66の内壁の表面は、撥水性の材料をコーティングしてあり、投入生ごみ10の乾燥処理時に発生する臭気が水蒸気に含まれ、内壁の表面に付着して残留しないようにしている。
【0065】
また、投入筒66は、投入通路8内に設置するときに取り付け部69により、固定するようにしている。取り付け部69は、投入筒66の上端を押さえるための押さえ部70とこの押さえ部70を自在に出し入れするためのばね部71で構成され、これにより、生ごみ処理室9内で投入生ごみ10が撹拌手段14の回転により投入筒66を押し上げることを防止するようにしている。
【0066】
天板表示部72は、生ごみ投入口4の近傍の天板5上に設けた投入生ごみ10の投入指示スイッチや確認ランプを含んで構成されている。前板表示部73は、キッチン1の前板23引き出してきて、生ごみ容器13を取り出すときの取り出し指示スイッチや確認ランプを含んで構成されている。生ごみ処理装置75の外装74は、上述した構成部品をすべて収納している。
【0067】
また、図6、図7、図8は、本発明の第1の実施の形態における生ごみ装置の構成を示す断面図である。図6は、生ごみ処理室9に生ごみを投入するために投入蓋7を開けた時に、連動して投入筒66を遮蔽する時の状態を示す図である。
【0068】
また、図7は、投入蓋7を閉めながら投入筒66の遮蔽を開放する時の常態を示す図である。
【0069】
また、図8は、投入蓋7により投入通路8が閉止され、投入筒66の遮蔽が完全に開放された時の状態を示す図である。
【0070】
図6において、投入筒66は、投入通路8内に設置するときに取り付け部69により、固定するようにしている。投入蓋7の下部68に設けたフック状の連結部76から柔軟性のある材料(例えば、ゴムや樹脂)で構成されたワイヤーやロープ状の作動部77を延長するようにしている。
【0071】
また、投入筒66の中ほどに投入筒66の内壁78に支持軸79を設置されて回転する板状の遮蔽部80を設けている。この支持軸79を中心にして遮蔽部80を回転するために遮蔽部80の先端近傍に遮蔽部ピン81を介して板状の連接部82の一方の端部を設けている。連接部82の他の端部には、リング部ピン83を介して板状のリング部84を設けている。
【0072】
リング部84は、略1/4円の形状をしており、その頂点にリング部支持軸85を設置して、遮蔽部80の上下動に合わせてリング部84が回転し、その間を連接部82でつないで連動するようにしている。リング部84のリング部ピン83の位置とリング部支持軸85を中心にして略直角方向のリング部ピン83と同一の円周上のリング部84に固定ピン86を設けている。
この固定ピン86に作動部77の一方の端部を連結していて、投入蓋7を引き上げて開放した時に作動部77に引かれて、リング部84がリング部支持軸85を中心にして略直角に回転するようにしている。リング部84が略直角に回転することで、連接部82が略垂直の状態で平行移動して遮蔽部80を略直角に支持軸79を中心にして回転するようにしている。連接部82は、遮蔽部ピン81とリング部ピン83とは、自在に回転しながら動作するようにしている。
【0073】
これにより、投入蓋7を開放した時に遮蔽部80が回転上昇し、投入筒66の中ほどに設けられた仕切り部87に当たり、投入通路8を閉止するようにしている。仕切り部87の開口は、投入通路8の開口よりも小さく構成され、確実に投入通路8が遮蔽部80により閉止するようにしている。また、図示はしていないが遮蔽部80が仕切り部87に当たった時に投入蓋7にストッパーを設けて、常に遮蔽部80が同じ状態で廃止するようにすることも可能である。
【0074】
また、図6の平面図のように、仕切り部87の一部に開口を設けて、リング部84がスライドする通路を設けることも可能である。この場合、開口は、吸気ダクト58の吸気口60の近傍のため、上昇する臭気の一部を容易に吸引するようにすることが可能である。
【0075】
図7において、投入蓋7を閉止する時に下部68の一部により作動部77が延長されて連結しているリング部84の固定ピン86に設けた受動部88を押すことで、リング部84がリング部支持軸85を中心にして略直角に回転し、それに合わせて連接部82が降下することで、遮蔽部80を略直角に支持軸79を中心にして回転し、開放するようにしている。受動部88は、固定ピン86を延長して設けられている。
【0076】
図8において、投入蓋7が閉止されると遮蔽部80が開放された位置で固定され、投入生ごみ10は、すべて生ごみ処理室9の生ごみ容器13内に落下するようにしている。
【0077】
ここで、投入蓋7は、流し台1の天板5上に設けた支持部89で支持軸90を受けて開閉動作ができるようにしている。また、支持部89と支持軸90は、天板5よりも降下させて、投入蓋7を閉止した時に投入蓋7の最上部が天板5と同一平面になるようにすることも可能である。
【0078】
以上のように構成された生ごみ処理機において、その動作、作用を説明する。
【0079】
まず台所の流し台1で発生した生ごみを処理するために、使用者は、投入蓋7の近傍の天板表示部72を見て、現在の生ごみ処理装置75の運転状況を確認する。使用者は、例えば、前日に入れた投入生ごみ10の乾燥処理が終了していれば、それをごみ袋に廃棄するか、または更に乾燥終了した投入生ごみ10の上に新しい投入生ごみ10を追加して乾燥処理を行うかを判断する。
【0080】
ここで新たに投入生ごみ10を追加して乾燥処理したいときは、投入蓋7を開けるという指示を天板表示部72の指示スイッチで行う。投入蓋7を開放しても良いという許可(この場合は、確認ランプの点灯で知らせる)を受けた作業者は、投入蓋7を開けて生ごみ投入口4から投入筒66の内側に沿って新しい投入生ごみ10を生ごみ容器13内に落下させる。
【0081】
この時、投入蓋7を開けるという指示を天板表示部72の指示スイッチで行うと制御器47の指示により、吸引手段62が作動し、投入通路8の周囲に設けた吸気ダクト58の複数個の吸気口60から生ごみ処理室9内の空気26を吸引する体制に入る。生ごみ処理室9で乾燥処理を行っているときは、投入蓋7を開けると回収生ごみ16から発生する水蒸気や臭気が投入筒66内を上昇してくるので、この上昇してくる空気26と流し台1の近傍の空気を吸気口60から吸い込むことで、使用者に臭気が届かないようにしている。
【0082】
吸気口60から吸引された水蒸気や臭気は、流し台1近傍の空気に希釈されながら吸気ダクト58から吸気通路59を通り、吸引手段62上流の吸引ホース61の途中に設けたハイブリッド脱臭材63で脱臭し、排気口64から無臭の空気65として台所に排出するようにしている。また、吸引手段62で吸引する水蒸気や臭気を含む流し台1近傍の空気の流量は、略200〜300L/minに設定され、上昇する空気26の流速を超える流速で吸気口60から吸引するようにしていて、臭気を逃がさないようにしている。
【0083】
また、投入蓋7を開けることで、投入蓋7の下部68に連結した作動部77により、リング部84が回転しながら引き上げられることで連接部82が上昇し、遮蔽部80が回転して、投入筒66を閉止するようにしている。
【0084】
投入生ごみ10の投入作業が終了し、投入蓋7を閉めると制御器47の指示により吸引手段62を停止するようにしている。
【0085】
また、投入蓋7を閉止する時に下部68の一部により作動部77がリング部84に設けた受動部88を押すことで、リング部84が回転し連接部82が降下し、遮蔽部80を回転し投入筒66を開放するようにしている。投入蓋7が閉止されると遮蔽部80が開放された位置で固定され、投入生ごみ10は、すべて生ごみ処理室9の生ごみ容器13内に落下するようにしている。
【0086】
また、使用者が投入蓋7を閉めることで、生ごみ処理室9での投入生ごみ10の乾燥処理を自動的に開始するか、または天板表示部72に設けられた運転スイッチを入れることで、新しい投入生ごみ10の乾燥処理を開始するようにしている。運転スイッチが入ると、制御器47の指示により、駆動手段17が作動し生ごみ容器13内の生ごみ撹拌手段14が回転し、回収生ごみ16を反転させて撹拌する。
【0087】
また、生ごみ処理室9の下部に設けた加熱装置24が作動し、生ごみ容器13を加熱し内部の回収生ごみ16の温度を上昇させる。また、空気供給手段25が作動し、循環経路28内を空気26が循環するようになる。空気供給手段25による空気26の循環量は、投入生ごみ10の量で水蒸気量が変わるので、生ごみ容器13に貯留させたい容量で想定する必要がある。
【0088】
例えば、普通の家庭で1日の投入生ごみ10の量を700gとして半日ぐらいの乾燥処理時間を仮定すると循環量は、略2〜20L/minに設定するようにできる。また、循環経路28の行き管37では、空気供給手段25により押し出された空気26が上部加熱手段40により加熱され、相対湿度の低下した乾燥した空気26として、給気口39から回収生ごみ16に向かって噴出するようにしている。
【0089】
回収生ごみ16の乾燥処理が行われると回収生ごみ16から水蒸気と臭気が多量に発生してくるので、これを空気26で吸収して最大は、相対湿度100%の飽和蒸気として排気口30から排気29として循環経路28の戻り管31の途中に設けた凝縮脱臭装置27に送る。凝縮脱臭装置27では、空気26を液槽32に貯留した水33にノズル34を介して気泡として噴出して、水33中を排気29の気泡が通過することで、温度の高い排気29中に含まれる多量の水蒸気が水33により冷却され、凝縮して水33に含水して除去され、絶対湿度の小さな空気26となる。
【0090】
また、排気29に含まれる臭気(例えば、投入生ごみを乾燥処理したときに発生する主な悪臭は、硫化水素、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、アルデヒド類等がある)は、水溶性のものが多いので、水33に吸収され、脱臭された空気26となる。空気26は、凝縮脱臭装置27の吸引入口38から再び空気供給手段25に吸引され循環経路28内を流通するようになる。
【0091】
凝縮脱臭装置27は、乾燥処理室9での乾燥処理が進むと、液槽32の水33の温度が上昇する。また、水33内に投入生ごみ10から発生した水蒸気が溶け込み水33の水量も増加してくる。この状態を液槽32内に設けた水温検知部45でモニターしておき、水温検知部45の温度が凝縮能力の低下温度(例えば、新しい水の温度が20℃から開始して60℃程度まで上昇するとすれば、凝縮能力が半減する)を検知した時に、制御器47の指示により液槽32内の水33の入れ替えを行うようにしている。
【0092】
水33の入れ替えは、まず、液槽32の下部に設けた排水経路46の排水弁50を開けて液槽32内の水33を排水管48から下水に排出する。制御器47に設けたタイマーまたは水位検出部36の検知により行い、排水の終了を確認し、排水弁50を再度閉止した後に、給水経路44の途中に設けた給水弁52を開放して液槽32に新しい水33を注入する。
【0093】
給水する水33の量は、制御器47に設けたタイマーまたは水位検出部36の検知により行い、生ごみ処理室9内の投入生ごみ10から発生する水蒸気を凝縮させて結露するために必要な温度(この場合は、その時期の上水温度)と量の水33が貯留したこと確認した後に、給水弁52を閉じて水33の入れ替え作業が終了し、以後、適宜この作業を繰り返していく。
【0094】
また、使用者は、流し台1の前板23に設けた前板表示部70を見て、現在の生ごみ処理装置75の運転状況を確認する。作業者は、例えば、前日に入れた投入生ごみ10の乾燥処理が終了していれば、それをごみ袋に廃棄するために、前板23を引き出すという指示を前板表示部70の指示スイッチで行う。
【0095】
前板23を引き出しても良いという許可(この場合は、確認ランプの点灯で知らせる)を受けた作業者は、流し台1から前板23を引き出して前板23にはめ込まれた生ごみ容器13を取り出し、生ごみ容器13内の乾燥処理の終了した回収生ごみ16を廃棄するようにしている。
【0096】
以上のように、本実施の形態においては、生ごみ投入口4と、生ごみ投入口4の下方に設けた投入通路8と、投入通路8の下部に設けた生ごみ処理室9と、投入通路8の周囲に設けた吸気ダクト58と、吸気ダクト58に連通した吸引手段62と、吸引手段62と吸気ダクト58の間に設けたハイブリッド脱臭材63とを備え、投入通路8は、内部に着脱自在の投入筒66を設け、投入筒66に通路開閉のための遮蔽部80を設けたことにより、生ごみを生ごみ投入口4から投入する時に、生ごみ処理室9から上昇してくる臭気を遮断するので、吸気ダクト58から空気を吸引する時に、台所の雰囲気空気を主体的に吸引することで、使用者が生ごみ投入口4からの臭気として認識できない状態を作ることができる。
【0097】
また、遮蔽部80により臭気を遮断するので、吸気ダクト58から吸引する空気量を低減することで送風機の作動音や生ごみ投入口4での風切音を防止することができる。
【0098】
また、ハイブリッド脱臭材63の再生動作は、加熱する電力が必要ないのでランニングコストの上昇を防止することができる。
【0099】
また、本実施の形態の投入筒66は、投入通路8の吸気ダクト58に設けた吸気口60の下方に載置するようにしたことにより、生ごみを生ごみ投入口4から投入する時に、生ごみ処理室9から上昇してくる臭気を遮断し、吸気ダクト58の吸気口60から台所の雰囲気空気を主体的に吸引して臭気を希釈しながら遮断するので、生ごみを生ごみ処理室9に投入する時に台所に臭気が発生しないようにすることができる。
【0100】
また、本実施の形態の投入筒66は、生ごみ投入口4の投入蓋7を開放した時に、遮蔽部80を作動し通路を閉止するようにしたことにより、生ごみ処理室9から上昇してくる臭気と熱気を遮断し、生ごみを生ごみ処理室9に投入する時に台所に臭気が発生しないようにすると共に、生ごみ処理室9からの放熱損失を低減し省エネを向上することができる。
【0101】
また、本実施の形態の投入筒66は、生ごみ投入口4の投入蓋7を閉止した時に、遮蔽部80を作動し通路を開放するようにしたことにより、投入蓋7により投入通路8が密閉状態になった時に遮蔽部80が開放されるので、台所に臭気が発生しないようにすることができる。
【0102】
また、本実施の形態の投入筒66は、遮蔽部80の閉止する位置により、一回に投入できる投入生ごみ10の量を決めるようにしたことにより、投入通路8から長い生ごみや大きな生ごみを生ごみ処理室9に入れることが防止されるので、撹拌の不良や投入蓋7の密閉状態の不良を起こさないようにすることができる。
【0103】
また、本実施の形態の投入筒66は、投入蓋7の開放動作に連動して遮蔽部80を閉止作動するために、投入蓋7との連結部を設けたことにより、投入蓋7を開放する時は遮蔽部80を必ず閉止するので、生ごみ投入口4からの乾燥処理中の臭気を台所に発生しないようにすることができる。
【0104】
また、本実施の形態の投入筒66は、投入蓋7の閉止動作に連動して遮蔽部80を開放作動するために、投入蓋7により押される受動部88を設けたことにより、投入蓋7を閉めるときに投入蓋7の底部68で受動部88を押すことで容易に遮蔽部80を開放することができ、遮蔽部80に載った投入生ごみ10を生ごみ処理室9に落下することができる。
【0105】
また、本実施の形態の投入筒66は、投入通路8に着脱自在に設け、使用者が随時掃除
できるようにしたことにより、投入生ごみ10により投入筒66の内壁が汚れても使用者が容易に掃除することができる。
【0106】
また、本実施の形態の投入筒66は、投入蓋7を開放した時に、投入筒66が動かないようにするための取り付け部69を設けたことにより、生ごみ投入口4の投入蓋7を開放した時に、その動作により投入筒66が投入通路8から飛び出さないようにして、遮蔽部80により投入通路8を確実に閉止することができる。
【0107】
また、本実施の形態では、流し台1のシンク2に設けた生ごみ投入口4と、生ごみ投入口4の下方に設けた投入通路8と、投入通路8の下部に設けた生ごみ処理室9と、生ごみ処理室9に収納した生ごみ容器13と、生ごみ処理室9との間に循環経路28を介して設けた凝縮脱臭装置27と、投入通路8の周囲に設けた吸気ダクト58と、この吸気ダクト58に吸気通路59を介して連通した吸引手段62と、吸引手段62と前記吸気ダクト58の間に設けたハイブリッド脱臭材63とを備えたことにより、生ごみ投入口4から投入された生ごみは、生ごみ処理室9で乾燥処理を行う時は、発生する水蒸気や臭気が循環経路28を介して凝縮脱臭装置で吸収される。
【0108】
また、投入生ごみ10を投入する時は、投入通路8の周囲に設けた吸気ダクト58から臭気が吸引され、ハイブリッド脱臭材63に吸着され、回収生ごみ16の臭気が生ごみ処理室9から流出しないようにしたので、投入生ごみ10を乾燥処理中に台所に悪臭が発生しないようにすることができる。
【0109】
また、本実施の形態の生ごみ処理室9は、生ごみ投入口4に設けた投入蓋7を閉止しかつ生ごみ容器13を収納した時に循環経路28と密閉の容器を構成し、その循環経路28の途中に凝縮脱臭装置27と空気供給手段25を設けたことにより、生ごみ容器13から発生した水蒸気と臭気のすべてが凝縮脱臭装置27を通過するので、水蒸気を結露させて回収すると共に臭気成分も液槽32内に溶解または凝縮させて低減することができる。
【0110】
また、本実施の形態の生ごみ処理室9は、循環経路28の途中に設けた空気供給手段25の上流に凝縮脱臭装置27を設け、生ごみ処理室9から排出される排気29を空気供給手段25の吸引作用で凝縮脱臭装置27の液槽32に導くようにしたことにより、生ごみ処理室9から排出される水蒸気と臭気を外部に漏らすことなく、すべて液槽32内に流入させるので、乾燥処理中の乾燥性能と脱臭性能を向上することができる。
【0111】
また、本実施の形態の生ごみ処理室9は、循環経路28に上部加熱手段40を設け、この上部加熱手段40で加熱した空気26を生ごみ処理室9に供給するようにしたことにより、凝縮脱臭装置27で絶対湿度を低下させた空気26の相対湿度を低下させるので、生ごみ処理室9で発生した水蒸気の搬送性能を向上することができる。
【0112】
また、本実施の形態の凝縮脱臭装置27は、生ごみ処理室9の乾燥処理中に発生する水蒸気を液槽32で凝縮除去し、発生する臭気を液槽に溶解除去し、その溶液を下水に排出するようにしたことにより、投入生ごみ10から発生する水分と乾燥処理中に発生する臭気を排水として下水に流すので、台所に悪臭が発生しないようにすることができる。
【0113】
また、本実施の形態の吸引手段62は、投入蓋7を開けるという指示を受けた時、または投入蓋7が開いた時に作動を開始し、吸気ダクト58から吸引した空気がハイブリッド脱臭材63を通過するようにしたことにより、生ごみ処理室9から投入通路8を介して上昇した臭気を含んだ水蒸気が生ごみ投入口4から台所に吹出す前に、生ごみ投入口4近傍の空気と共に吸気ダクト58に吸込みハイブリッド脱臭材63に送るので、生ごみ投入口4からの乾燥処理中の臭気を台所に発生しないようにすることができる。
【0114】
また、本実施の形態の生ごみ処理室9から排出される排気29を空気供給手段25の吸引作用で凝縮脱臭装置27の液槽32に導くようにしたことにより、空気供給手段25には、凝縮脱臭装置27を通過した絶対湿度が小さく、温度も低下した液槽内で浄化された空気26を供給するので、空気供給手段25が臭気を含んだ水蒸気や高温による劣化を防止するので、空気供給手段25の耐久性を向上することができる。
【0115】
また、本実施の形態の生ごみ投入口4は、流し台1の天板5に投入蓋7を設けて構成したことにより、作業者がシンク2内の生ごみを捨て易いので、料理の後片付け等の家事時間を短縮することができる。
【0116】
また、本実施の形態の生ごみ処理室9からの排気29を凝縮脱臭装置27の液槽32にノズル34により気泡として噴出させることにより、液槽32内の水33と排気29の接触機会を増加させるので、排気29に含まれる臭気(例えば、投入生ごみを乾燥処理したときに発生する主な悪臭は、硫化水素、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、アルデヒド類等がある)の除去を促進することができる。
【0117】
また、本実施の形態の凝縮脱臭装置27は、水温検知部45の温度が凝縮能力の低下温度(例えば、新しい水の温度が20℃から開始して60℃程度まで上昇するとすれば、凝縮能力が半減する)を検知した時に、制御器47の指示により液槽32内の水33の入れ替えを行うようにしたことにより、液槽32内の水33の温度を常に低温に保つので、生ごみ処理室9からの排気29に含まれる水蒸気を結露させる凝縮能力を向上することができる。また、沸点の高い臭気成分(例えば、硫化メチルやアルデヒド類等)を結露させることで、液化させたり、溶かし込んだりして発生量を低減することができる。
【0118】
なお、本実施の形態の生ごみ処理室9との間に循環経路28を介して設けた凝縮脱臭装置27と、投入通路8の周囲に設けた吸気ダクト58と、この吸気ダクト58に吸気通路59を介して連通した吸引手段62と、吸引手段62と前記吸気ダクト58の間に設けたハイブリッド脱臭材63を流し台1に装着するのではなく、独立した生ごみ処理装置(スタンドアローン型)として構成することも可能である。
【0119】
この場合、凝縮脱臭装置27の液槽32の水の入れ替え用の水タンク(図示なし)と投入生ごみ10から発生する水分を貯留するタンク(図示なし)を付加することになる。この構成により、作業者は、適当な場所において、臭気を防止した生ごみの乾燥処理を行うことができる。
【0120】
なお、本実施の形態の凝縮脱臭装置27の代わりに、空冷式の凝縮装置を用いることも可能である。この場合、凝縮水を貯めて、そこに生ごみ処理室9からの臭気を流通させて水溶性の臭気成分を除去する構成を付加すれば凝縮脱臭装置27と同等の脱臭機能を維持することができる。
【0121】
(実施の形態2)
図9は、本発明の第2の実施の形態における生ごみ装置の構成を示す断面図である。また、図9は、ハイブリッド脱臭剤63の再生操作を行っている時の動作を示す図である。
【0122】
図9において、投入蓋7を閉止して、吸気通路59の一部から連通させた吸引ホース61の途中に設けた通路切り替えダンパ91により、吸引ホース61を閉止し、吸気ダクト58と吸気通路59を密閉するようにしている。この通路切り替えダンパ89の下流側の吸引ホース61に分岐して導入通路92設け、外装74の内部や台所内からの外部空気93を入口94から吸引ホース61に流入するようにしている。
【0123】
この通路切り替えダンパ91は、板状の稼動部をステッピングモータやソレノイドを回転させることで、吸引ホース61または導入通路92を開閉するようにしている。外部空気93は、吸引手段62の作動により、ハイブリッド脱臭材63を通過するようにしている。通路切り替えダンパ91は、投入蓋7を開けている時は、吸引ホース61を開放し、導入通路92を閉止して、吸気口60から回収生ごみ16の水蒸気や臭気を吸い込んで、ハイブリッド脱臭材63で脱臭するようにしている。入口92には、フィルタが設けられ、ハイブリッド脱臭材63への塵やごみを防止するようにしている。
【0124】
以上のように構成された生ごみ処理機において、その動作、作用を説明する。
【0125】
まず、制御器47により、現在の生ごみ処理装置75の運転状況を確認する。制御器47は、例えば、投入生ごみ10の乾燥処理が終了していれば、投入蓋7が開けられないと判断して、吸気ホース61に設けた通路切り替えダンパ91を作動し、吸気通路59側の吸気ホース61を遮断する。これにより、導入通路92が開放され、吸引手段62を作動すると、外装74内の外部空気93が導入通路90を通ってハイブリッド脱臭材63を通過するようになる。
【0126】
ハイブリッド脱臭材63では、この外部空気93が通過することにより、物理吸着している二硫化ジメチルやアンモニア、アルデヒド類等を脱着させて、物理吸着の機能を再生するようにしている。この時、脱着は、時間をかけて徐々に行われるので、使用者は臭気を感じることがないようにしている。
【0127】
また、投入生ごみ10の乾燥処理中であっても、制御器47により、投入蓋7が所定の時間(例えば、投入生ごみ10を入れてから30分〜1時間経過しても次の投入生ごみ10が入れられない時)、開けられないことを確認した後に導入通路92が開放され、吸引手段62を作動して外装74内の外部空気93を導入通路73からハイブリッド脱臭材63を送るようにしている。これにより、投入生ごみ10の乾燥処理中に発生する臭気の多くが物理吸着のため、ハイブリッド脱臭材63の再生操作を頻繁に行うことで、脱臭性能を長期間維持するようにしている。
【0128】
以上のように、本実施の形態においては、ハイブリッド脱臭材63は、投入蓋7が開いていない時と生ごみ容器13を収納している時に生ごみ処理室9で乾燥処理を行っている間は、ハイブリッド脱臭材63の上流の吸気通路59を切り替えて、吸気ダクト58以外の外部から新鮮な外部空気93がハイブリッド脱臭材63を通過するようにしたことにより、乾燥処理で発生する臭気成分の内の二硫化ジメチルやアンモニア、アルデヒド類等の物理吸着成分を空気分子で脱着するので、この再生操作を繰り返しながらハイブリッド脱臭材63の物理吸着成分の吸着性能を維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
以上のように、本発明にかかる生ごみ処理装置は、生ごみ投入時も生ごみ乾燥処理中も悪臭を台所に出さないようにできるので、家庭用の生ごみ処理だけでなく、業務用の生ごみ処理装置等にも適用できる。
【符号の説明】
【0130】
1 流し台
2 シンク
4 生ごみ投入口
7 投入蓋
8 投入通路
9 生ごみ処理室
13 生ごみ容器
16 回収生ごみ
24 加熱手段
25 空気供給手段
27 凝縮脱臭装置
32 液槽
40 上部加熱手段
58 吸気ダクト
59 吸気通路
62 吸引手段
63 ハイブリッド脱臭材
66 投入筒
69 取り付け部
80 遮蔽部
82 連接部
84 リング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ごみ投入口と、この生ごみ投入口に設けられた開平自在な投入蓋と、前記生ごみ投入口の下方に連通した投入通路と、この投入通路の下部に設けた生ごみ処理室と、前記投入通路の側方に連通して設けられた吸気ダクトと、この吸気ダクトに連通した吸引手段と、この吸引手段と前記吸気ダクトの間に設けたハイブリッド脱臭材とを備え、投入通路は、内部に着脱自在の投入筒を設け、この投入筒に前記投入通路を開閉するための遮蔽部を設けた生ごみ処理装置。
【請求項2】
投入筒は、吸気ダクトの吸気口より下方の投入通路内に載置するようにした請求項1項に記載の生ごみ処理装置。
【請求項3】
投入筒は、生ごみ投入口の投入蓋を開放した時に、遮蔽部を作動し投入通路を閉止するようにした請求項1または2項に記載の生ごみ処理装置。
【請求項4】
投入筒は、生ごみ投入口の投入蓋を閉止した時に、遮蔽部を作動し投入通路を開放するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置。
【請求項5】
投入筒は、投入蓋より所定間隔下方に遮蔽部を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置。
【請求項6】
投入筒は、投入蓋の開放動作に連動して遮蔽部を閉止作動するために、投入蓋との連結部を設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置。
【請求項7】
投入筒は、投入蓋の閉止動作に連動して遮蔽部を開放作動するために、投入蓋により押される受動部を設けた請求項1〜6のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置。
【請求項8】
投入筒は、投入蓋を開放した時に、投入筒が動かないようにするための取り付け部を設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置。
【請求項9】
ハイブリッド脱臭材の再生動作は、投入蓋が閉止している時に行うようにした請求項1〜8のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−56404(P2011−56404A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208911(P2009−208911)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】