生体認証システム及び生体認証方法
【課題】利用者を、生体情報の品質によって1:1認証処理を実行する場合と1:N認証処理を実行する場合とに分ける生体認証システムにおいて、1:1認証処理と1:N認証処理とを効率良く組み合わせて併用する生体認証システム及び生体認証方法を提供する。
【解決手段】利用者から提示される生体情報に基づき利用者本人であることを確認する認証システムであって、利用者が認証システムに識別情報を入力した上で生体情報を提示した場合には認証システムは1:1認証処理を実施し、利用者が認証システムに識別情報を入力せずに生体情報を提示した場合には認証システムは1:N認証処理を実施する。
【解決手段】利用者から提示される生体情報に基づき利用者本人であることを確認する認証システムであって、利用者が認証システムに識別情報を入力した上で生体情報を提示した場合には認証システムは1:1認証処理を実施し、利用者が認証システムに識別情報を入力せずに生体情報を提示した場合には認証システムは1:N認証処理を実施する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人認証方式における生体認証システム及生体認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体情報を用いた認証処理は、利用者から取得した生体情報と、予め登録されている生体情報とを照合することにより行われ、認証方法としては1:1認証と1:N認証とがある。まず、1:1認証では、利用者が認証システムに入力した、IDカードやキー入力などの識別番号に基づいて、照合すべき生体情報をデータベースから抽出する。そして、抽出した生体情報と、利用者から取得した生体情報との照合処理を行う。一方、1:N認証では、利用者から取得した生体情報に基づいて、認証システムに記憶されたデータベースに含まれる生体情報との照合を順番に繰り返し、同一であるものを見つける処理を行う。
【0003】
このような、認証方法を用いて、例えば、特許文献1では、利用者をグループ分けしたデータベースを使って、利用者から取得した生体情報に基づいて1:N認証を実行することで識別情報を特定し、その識別情報と、取得した生体情報とを使って全利用者データベースで1:1認証を実行することにより、認証処理を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−145608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、登録者全員に対して1:N認証を実施すると、登録された生体情報の品質が低いために正確な1:N認証処理ができない登録者においても必ず1:N認証処理をすることになり、常に処理時間が長くなる。また、正確な1:N認証処理ができないことから、他人受入が発生してしまう可能性が高くなる。
【0006】
そこで、本発明は、1:1認証の利用者は、1:N認証を実施することなく1:1認証を開始することができ、1:N認証の利用者は1:N認証を開始することができる生体認証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、利用者の生体情報を入力する生体情報入力部と、利用者の識別情報を入力する識別情報入力部と、利用者の生体情報を用いて照合処理を行う生体認証照合部と、生体情報入力部又は識別情報入力部からの入力に基づいて生体認証照合部を制御する制御部と、識別情報を付与した生体情報と識別情報を付与していない生体情報を記憶した照合データベースと、を有し、識別情報入力部が識別情報を取得せずに生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、取得した生体情報と照合データベースに記憶された生体情報とを生体情報照合部が照合し、生体情報入力部が生体情報を取得し、かつ識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、取得した識別情報に対応する照合データベースに記憶された生体情報と取得した生体情報とを照合するように制御し認証成功又は失敗を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、認証成功率を維持しつつ、認証処理時間の短い生体認証システム及び生体認証方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例にかかる生体認証システム
【図2】本発明の実施形態にかかる生体認証システムの詳細な構成
【図3】本発明の実施例にかかる生体情報の登録処理
【図4】本発明の実施例にかかる生体情報の品質判別処理
【図5】本発明の実施例にかかる1:1照合処理
【図6】本発明の実施例にかかる1:N照合処理の一例
【図7】本発明の実施例1にかかる生体認証処理
【図8】本発明の実施例2にかかる分割照合DBへの登録処理
【図9】本発明の実施例2にかかる分割照合DBを用いた場合の生体認証処理。
【図10】本発明の実施例3にかかるバーコード読取処理を利用した認証処理
【図11】本発明の実施例4にかかるバーコード読取処理を利用した分割照合DBでの認証処理
【図12】本発明の実施例5にかかる生体認証処理
【図13】本発明の実施例6にかかる生体認証処理
【図14】本発明の実施例にかかる生体認証システムにおける照合DBの応用例
【発明を実施するための形態】
【0010】
1:1認証は、比較的高精度の本人認証ができる一方で、利用者はIDカードやバーコードを所持したり、キー入力すべき識別情報を覚えたりする必要があり利便性が低い。また、1:N認証では、利用者は生体情報のみを提示すれば良く利便性が高いのに対して、1:1認証よりも照合にかかる時間が長い。また、他人の生体情報から作成された特徴量との照合が誤って成功してしまうような、他人受入が発生する可能性が1:1認証に比べて高い。
【0011】
そこで、本願発明では、以下のような特徴を有する。
【0012】
まず、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、利用者の生体情報を入力する生体情報入力部と、利用者の識別情報を入力する識別情報入力部と、利用者の生体情報を用いて照合処理を行う生体認証照合部と、生体情報入力部又は識別情報入力部からの入力に基づいて生体認証照合部を制御する制御部と、識別情報を付与した生体情報と識別情報を付与していない生体情報を記憶した照合データベースと、を有し、識別情報入力部が識別情報を取得せずに生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、取得した生体情報と照合データベースに記憶された生体情報とを生体情報照合部が照合し、生体情報入力部が生体情報を取得し、かつ識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、取得した識別情報に対応する照合データベースに記憶された生体情報と取得した生体情報とを照合するように制御し認証成功又は失敗を決定することを特徴とする。また、より具体的には、識別情報入力部が識別情報を取得せずに前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、生体情報入力部が生体情報を取得し、識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を照合データベースから取得し、取得した生体情報の生体情報特徴量と照合することを特徴とする。これより、品質の高い生体情報を有する利用者は登録した生体を提示することにより、確実な認証処理を行うことができ、品質の低い生体情報を有する利用者は予め割り当てられた識別情報を入力することにより、迅速で確実な認証処理を行うことが可能となる。ここで識別情報とは、利用者が生体情報を認証システムに登録する際に認証システムから発行される情報であり、利用者や生体情報ごとに重複しないように割り振られた情報である。
【0013】
次に、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、照合データベースが、複数の生体情報が記憶された第1の照合データベースと、第1の照合データベースに記憶された生体情報よりも品質の低い複数の生体情報が識別情報と対応づけて記憶された第2の照合データベースと、に分割され、生体認証照合部は、識別情報入力部が利用者の識別情報を取得せずに生体情報入力部が利用者の生体情報を取得した場合は、取得した生体情報と第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合し、生体情報入力部が利用者の生体情報を取得し、かつ、識別情報入力部が利用者の識別情報を取得した場合は、取得した識別情報に対応する、第2の照合データベースに記憶された生体情報と、取得した生体情報とを照合することを特徴とする。より具体的には、識別情報入力部が識別情報を取得せずに生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、第1の照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、生体情報入力部が生体情報を取得し、識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を第2の照合データベースから取得し、取得した生体情報の生体情報特徴量と照合することを特徴とする。これより、品質の高い生体情報を有する利用者は登録した生体を提示することにより、品質の高い生体情報が記憶された照合データベースによる照合を優先的に実施することができるため、処理の迅速化を図ることが可能となる。また、品質の低い生体情報を有する利用者に関しても、予め割り当てられた識別情報を入力することにより、品質の低い生体情報が記憶された照合データベースによる照合を優先的に実施することができるため、迅速な認証処理を行うことが可能となる。
【0014】
さらに、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、制御部が、識別情報及び生体情報が入力されたか否かを判定する入力情報判定部を有し、入力判定部が識別情報を取得した場合には、取得した生体情報と照合データベースに記憶された生体情報とを生体情報照合部が照合して、入力判定部が識別情報を取得しなかった場合には、取得した識別情報に対応する照合データベースに記憶された生体情報と取得した生体情報とを生体情報照合部が照合するように制御することを特徴とする。
【0015】
また、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、生体情報入力部が、生体を検出する生体検出部を有し、その生体検出部が生体を検出した場合には、制御部が生体情報入力部に生体情報を読み取る処理を動作させ、生体を検出しない場合には、バーコードを読み取る処理を動作させることを特徴とする。このように、識別情報としてバーコード情報を用いる場合においても、生体情報入力部が識別情報入力部を兼ねる構成とすることにより、個別認証システムの小型化を達成することが可能となる。
【0016】
さらに、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、識別情報入力部が利用者の識別情報を取得せずに生体情報入力部が利用者の生体情報を取得した場合で、取得した生体情報と第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合した結果、照合失敗になった場合は、利用者に識別情報の入力を促し、入力した識別情報に基づいて、第1の照合データベース又は第2の照合データベースから生体情報を抽出し、照合処理を行うことを特徴とする。これより、生体の置き方等が不適切であることにより照合失敗になった場合や、識別情報を入力して1:1認証をするべき利用者が誤って生体を提示した場合でも、再度1:N認証用若しくは1:1認証用の照合データベースで1:1認証することにより、認証処理を行うことが可能となる。
【0017】
また、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、識別情報入力部が利用者の識別情報を取得せずに生体情報入力部が利用者の生体情報を取得した場合で、取得した生体情報と第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合した結果、照合失敗になった場合は、取得した生体情報を用いて、第2の照合データベースに記憶された生体情報と再照合を行う。そして、照合成功した場合は、利用者に識別情報の入力を促し、入力された識別情報と照合成功した生体情報と対応する識別情報との照合を行うことを特徴とする。このように、識別情報を入力して1:1認証をするべき利用者が誤って生体を提示した場合に、その生体情報を用いて、1:1認証用の照合データベースでの1:N認証処理をさせるだけでなく、識別情報を入力させ識別情報の照合する構成とすることにより、生体情報の品質が低い利用者の認証処理における他人受入を最小限に留めることが可能となる。
【0018】
次に、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、生体情報登録端末を有し、生体情報登録端末は、利用者から生体情報を取得する生体情報取得部と、取得した生体情報から生体情報特徴量を抽出する制御部と、抽出した生体情報特徴量の品質を判定する品質判定部とを有し、制御部は、生体情報特徴量の品質が規定値以上の場合は、生体情報特徴量を第1の照合データベースに記憶させ、生体情報特徴量の品質が規定値未満の場合は、生体情報特徴量を、利用者の識別情報と対応付けて第2の照合データベースに記憶させることを特徴とする。また、品質判定部は、取得した生体情報における血管と識別される画素数に基づいて、品質を判定することを特徴とする。
(実施例1)
以下、本願発明に係る実施例を図を用いて詳細に説明する。まず、図1は本願発明の実施例にかかる生体認証システム構成を示した図である。図1に示すように、生体認証システム100は、利用者の生体情報を取得する生体情報入力部101と、取得した生体情報に基づいて照合処理をする生体認証照合部102と、利用者の生体情報の品質を判定する品質判定部103と、表示部104と、前述の構成部を制御する制御部105と、利用者に識別情報を発行する識別情報発行部106と、利用者に発行した識別情報入力部107と、識別情報管理部108と、照合DB109と、を具備する。この生体認証システム100では、生体情報入力部101より入力された生体情報から抽出した特徴量データを、照合DB109に格納された特徴量データと、生体認証照合部102で照合することにより、利用者の本人認証を実施することができる。生体認証照合部102では、品質判定部103によって判定された利用者ごとの特徴量の品質に応じて、認証処理が実施される。1:1認証を実施する場合には、生体情報登録時に識別情報発行部106より発行される識別情報を用いる。認証の際には、識別情報入力部107で利用者から入力された識別情報が正しいかどうかを識別情報管理部108で識別し、正しい識別情報である場合には、その識別情報に対応する特徴量データを照合DB109から抽出し、その特徴量データと、生体情報入力部101より入力された生体情報から生成した特徴量とを使い、生体認証照合部102で1:1照合処理を実施する。なお、上記識別情報入力部107は、テンキーであったり、バーコードであったり、接触型カードリーダーであったり、非接触型カードリーダーであったり、その他にも入力方法は考えられるが、ここでは識別情報入力部107の実施形態に関しては特定しない。
【0019】
1:N認証を実施する場合には、生体情報入力部101より入力された生体情報から生成した特徴量を、照合DB109に格納された各特徴量データと照合する。なお、照合DB109には、1:1認証用生体情報データ及び1:N認証用生体情報データが全て格納されているが、1:1認証用生体情報データと、1:N認証用生体情報データとを分けて、別々に照合DBに記憶させることがより好ましい。また、制御部105は、各機能ブロックの間の情報のやり取りを制御する。
【0020】
以下の説明では、表示部104により、利用者に対する生体情報の提示を促す内容や、認証結果を視覚情報にて表示する前提で説明しているが、利用者への情報伝達は、音声などの視覚以外により実施しても良いし、何も伝達しない場合もあり得る。
【0021】
次に、図2を用いて、より詳細な生体認証システムについて説明する。図2に示した例では、ネットワーク201を介して、生体情報登録端末202と、生体情報認証端末203と、照合DB109と、が接続されている。生体情報登録端末202は、コンピュータ204と、生体情報取得装置205と、識別情報発行部206と、プリンタ207と、からなり、コンピュータ204は、生体情報登録端末制御部212と、品質判定部213と、表示部214と、識別情報管理部215と、を備え、生体情報取得装置205は、生体情報取得装置制御部210と、生体情報入力部211と、を備える。生体情報認証端末203は、コンピュータ208と、生体認証装置209と、識別情報入力部222と、からなり、コンピュータ208は、生体認証端末制御部216と、表示部217と、識別情報管理部218と、を備え、生体認証装置209は、生体認証装置制御部219と、生体情報入力部220と、生体認証照合部221と、を備える。
【0022】
図2に構成において、生体情報を登録する場合、利用者は、生体情報登録端末202の生体情報取得装置205の生体情報入力部211に生体情報を提示する。前記提示された生体情報から生成された特徴量データは、照合DB109に格納され、品質判定部213によって、特徴量データの品質が高くないと判定された場合には、識別情報発行部206により識別情報が発行される。発行された識別情報は、プリンタ207によりバーコードに印刷され、利用者が印刷されたバーコードを保持する。ここで利用されるバーコードは、1次元バーコードでも良いし、2次元バーコードでも良いし、その他の実施形態のバーコードでも良い。
【0023】
登録した生体情報を使った認証処理は、生体情報認証端末203によって実行される。利用者は、バーコードを所持している場合には、バーコードを識別情報入力部222から入力し、生体認証装置209の生体情報入力部220に、生体を提示する。生体認証端末制御部216は、バーコードから読み取られた識別情報を、識別情報管理部218に問合せ、正しい識別情報であった場合には、上記識別情報に対応する照合用の特徴量データを照合DB109から取得し、生体認証装置制御部219に通知し、生体認証照合部221は、取得した照合用の特徴量データと、生体情報から抽出される特徴量データとの1:1照合を実施する。利用者がバーコードを所持していない場合には、利用者は生体認証装置209の生体情報入力部220に、生体を提示する。生体認証照合部221は、生体情報から抽出される特徴量データを使い、照合DB109中の照合用の特徴量データと1:N照合を実施する。照合結果は表示部217に表示される。
なお、本発明に係る構成は、上記実施例に限定されるものではなく、照合DB109を生体情報認証端末203に内蔵したり、生体認証照合部221をコンピュータ208に内蔵したり、生体情報登録処理と生体情報認証処理を1台の端末で実行したり、など様々な構成が考えられる。
【0024】
図3は、本実施例に係る生体認証システムにおける、照合用の特徴量データを照合用データベースに登録する際の処理フローチャートである。まず、利用者によって、利用者情報入力が実施され、利用者の氏名など、システムに必要な利用者情報を登録がなされる(ステップ301)。その後、利用者によって生体情報入力部に生体が提示され生体情報が取得される(ステップ302)。次に、取得した生体情報から、照合用の特徴量データが抽出される(ステップ303)。抽出された特徴量データが高品質かどうかの判別が行われ(ステップ304)、高品質であると判定された場合には、その特徴量データが照合DBに登録される(ステップ305)。抽出された特徴量データの判定処理で高品質ではないと判定された場合には、利用者に対して識別情報が発行される(ステップ306)。そして、その識別情報と、特徴量データが照合DBに登録される(ステップ305)。なお、ここで発行される識別情報は、1:1認証処理で利用するためのものである。また、特徴量データが高品質であるとは、特徴量データ中に個体を特定するための情報が多いことを意味する。一方、特徴量データが低品質であるとは、特徴量データ中に個体を特定するための情報が少ないことを意味し、その結果、誤って別の個体と照合成功してしまう可能性が高くなることを意味する。
【0025】
なお、図3では利用者による生体の提示と、照合用の特徴量データの抽出は其々1回ずつ実施しているが、より安定した生体情報や特徴量を取得するために、それぞれ複数回実施しても良い。また、本実施例では、生体情報として指静脈情報を使用した場合について言及しているが、指静脈情報に限定されるものではなく、指紋、掌、虹彩等の他の生体情報を用いても構わない。
【0026】
図4は品質判定処理のフローチャートを示す。まず、利用者が提示した生体から生体情報の取得が行われ、画像データを取得する(ステップ401)。次に、その画像データから特徴量データの抽出が行われる(ステップ402)。そして、血管と識別される画素数が規定値以上かどうかの判別、具体的には、特徴量データに含まれる各画素について、色や明るさに基づいて血管かそうでないかが識別され、血管であると識別された画素数があらかじめ定められた規定値以上であれば、品質が高いと判定され、画素数が規定値未満であれば、品質が低いと判定される(ステップ403)。ここで判別の基準となる規定値は、生体認証システム毎に決定される値である。
【0027】
なお、図4は利用者の身体の一部の血管の分布状況を生体情報として本人認証を行うシステムを前提としているが、実施形態は、生体情報として血管の分布状況を利用する場合に限定されない。また、図4は特徴量データを画像データとして扱い、認証を行うシステムを前提としているが、生体情報から抽出した特徴点を扱い、認証を行うシステムにおいても、特徴点の数や位置や複数の特徴点の相互関係などから品質を判別する構成も考えられる。
【0028】
図5は、利用者により識別情報入力及び生体の提示が行われた際の、1:1照合処理500のフローチャートである。利用者から識別情報及び生体情報を取得したのを契機に、1:1照合処理が開始される。利用者によって入力された識別情報に基づいて照合DBから照合用の特徴量データの取得を行う(ステップ501)。続いて、生体情報から抽出した特徴量データと照合DBから抽出した特徴量データの比較を行う(ステップ503、504)。ここで、両者が同一だと判定されると照合成功となり(ステップ505)、同一でないと判定されると照合失敗となる(ステップ506)。
【0029】
なお、図5は利用者から識別情報と生体情報の両方を取得した後に、識別情報に対応する特徴量データの取得を行っているが(ステップ501)、まず識別情報のみを取得してから識別情報に対応する特徴量データの取得を行い、その後に利用者が提示する生体情報の取得を実施した上で、特徴量データの比較(ステップ503)を実施しても良い。
【0030】
図6は、利用者により生体の提示が行われた際の、1:N照合処理600フローチャートである。1:N照合処理は、利用者から識別情報なしに生体情報を取得したのを契機に開始される。1:N照合処理が開始されると、照合DB602から未照合の照合用の特徴量データを1つ取り出す(ステップ601)。続いて、生体情報から抽出した特徴量データと、照合DBから取出した照合用の特徴量データとを比較する(ステップ603,604)。ここで、両者が同一だと判定されると照合成功となり(ステップ605)、同一でないと判定されると、照合DBに記憶された未照合の特徴量データについて全て比較判定を行ったか否かの判定を行い、行っていれば照合失敗となる(ステップ607)。
【0031】
一方で、全てについて行っていなければ、ステップ601に戻り、未照合の特徴量データを取り出しステップ601以降の処理を繰り返す。なお、図6では、照合DB602の中から照合が成功するデータが見つかると、その時点で照合成功805を出力して終了する構成としているが、1つのデータと照合成功しても、全てのデータとの比較判定を必ず行う構成としても良い。この場合、全てのデータとの比較判定が終了した時点で、照合成功したデータが1つだけなら認証成功とするが、複数のデータと照合成功した場合には、認証失敗としても良いし、照合成功した複数の候補について識別情報の入力または利用者の氏名を表示して利用者に選択してもらうという方法でも良い。
【0032】
次に、図7に実施例1に係る生体認証システムの処理フローを示す。
【0033】
図7は、図1に示した生体認証システム100において、1:1認証処理と1:N認証処理とを併用する場合のフローチャートである。まず、識別情報または生体のいずれかの入力を待受ける(ステップ701)。識別情報の入力がありかどうかを入力情報判別部により判別し(ステップ702)、識別情報の入力が認められた場合には生体情報の取得を行い(ステップ703)、1:1照合処理を生体認証照合部で実施する(ステップ704)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ705)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ710)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ709)。また、ステップ702で識別情報の入力が認められなかった場合には、生体情報の取得を行い(ステップ706)、1:N照合処理を実行する(ステップ707)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ708)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ710)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ711)。
【0034】
なお、図7では、ステップ705、708で照合成功と認められなかった場合には認証失敗709,711としているが、ステップ705、708で照合成功と認められなかった場合に、生体情報を取得するステップ703,706に戻り、複数回に亘って照合処理を試みるシステムも考えられる。
(実施例2)
実施例1で説明したとおり、照合DB109には全ての利用者の特徴量データが格納されているため、1:N照合処理において品質が低い特徴量データも照合対象になる。そこで、図1及び図2に記載の照合DB109を、1:N認証用の照合DB810と、1:1認証用照合DB811とに分割した第2の実施例について、図8,9を使って説明する。まず、登録処理について説明すると、図3と同様に、利用者によって利用者情報入力が実施され、利用者の氏名など、システムに必要な利用者情報を登録がなされる(ステップ801)。その後、利用者によって生体情報入力部に生体が提示され生体情報が取得される(ステップ802)。次に、取得した生体情報から、照合用の特徴量データが抽出される(ステップ803)。抽出された特徴量データが高品質かどうかの判別が行われ(ステップ804)、品質が高いと判定された場合には、その特徴量データが1:N認証用照合DBに登録される(ステップ805)。抽出された特徴量データが品質が高いか否かの判別で品質が高くないと判定された場合には、利用者に対して識別情報が発行される(ステップ806)。そして、その識別情報と、特徴量データが1:1認証用照合DBに登録される(ステップ807)。なお、前述の通り、特徴量データの品質が高いとは、特徴量データ中に個体を特定するための情報が多いことを意味し、一方、特徴量データの品質が低いとは、特徴量データ中に個体を特定するための情報が少ないことを意味し、その結果、誤って別の個体と照合成功してしまう可能性が高くなることを意味する。
【0035】
また、品質の判定処理は、図4に記載した方法と同じであり、図3と同様に、利用者による生体の提示と、照合用の特徴量データの抽出は、より安定した生体情報や特徴量を取得するために、それぞれ複数回実施しても良い。実施例2にかかる図9における生体認証システムは、まず、識別情報または生体のいずれかの入力を待受ける(ステップ901)。入力情報判定部により識別情報の入力がありかどうかを判別し(ステップ902)、識別情報の入力が認められた場合には生体情報の取得を行い(ステップ903)、1:1認証用照合DB811での1:1照合処理を生体認証照合部で実施する(ステップ904)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ905)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ910)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ909)。また、ステップ902で識別情報の入力が認められなかった場合には、生体情報の取得を行い(ステップ906)、1:N認証用照合DB810での1:N照合処理を実行する(ステップ907)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ908)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ910)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ911)。
【0036】
なお、図9では、ステップ905、908で照合成功と認められなかった場合には認証失敗909,911としているが、ステップ905、908で照合成功と認められなかった場合に、生体情報を取得するステップ903,906に戻り、複数回に亘って照合処理を試みるシステムも考えられる。このような構成を採用することにより、利用する1:N認証用照合DB810には高い品質の特徴量データが格納されているため、図9における1:N照合処理では高い品質の特徴量データのみを利用して照合処理が実施されるため、図7に比べて1:N照合処理における誤照合の可能性をさらに低くすることができる。また処理時間も短くすることが可能となる。なお、実施例2で言及していない構成及び処理については、実施例1の構成及び処理と同じものである。
(実施例3)
実施例1、2では、生体情報の種類や取得方法については規定しておらず、また識別情報の種類及び入力方法も規定していない。ここで、所定の条件を満たす生体認証システムにおいては、生体情報入力部と、識別情報番号入力部とを、共通化することができる場合がある。例えば、カメラで画像を撮影して取得する生体情報を利用し、なおかつ、カメラで画像を撮影して識別情報を取得するような生体認証システムの場合である。以下、図10を用いて詳細に説明する。
【0037】
図10は、生体情報入力部と識別情報入力部とを兼ねるカメラを搭載した生体認証システムに関するフローチャートである。まず、生体情報入力部(識別情報入力部)に相当するカメラに対して、何かがかざされたことの検出を行う(ステップ1001)。この検出処理は、カメラで連続的に撮影を行って、何もかざされていない時との画像の差異を検知することによって実施しても良いし、検出専用のセンサーを備えても良い。ステップ1001で何かがかざされたことが検出された場合には、それが生体であるかどうかを判定する(ステップ1002)。生体情報であると判定された場合には、生体情報の取得が行われ(ステップ1003)、1:N照合処理が実行される(ステップ1004)。その後、照合成功かどうかの判別により(ステップ1005)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1013)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ1014)。
【0038】
一方、ステップ1002で生体検出されなかった場合には、バーコード検出を実行する(ステップ1006)。ここで、バーコードが検出されなかった場合には、バーコードが正しく置かれていなかったと判定し、利用者に対するバーコードの置き直し指示した上で、再度バーコード検出を行う(ステップ1007,1006)。ステップ1006でバーコードが検出されると、バーコード読取処理により識別情報が取得され(ステップ1008)、そして生体情報が取得され(ステップ1009)、1:1照合処理が実行される(ステップ1010)。その後、照合成功かどうかの判別により(ステップ1011)、照合が成功と認められた場合には認証成功となり(ステップ1013)、照合が成功と認められなかった場合には認証失敗となる(ステップ1014)。なお、ステップ1005、1011で照合成功と認められなかった場合に生体情報取得1003、1019に戻り、複数回の1:N照合処理または1:1照合処理を試みる構成としても良い。なお、実施例3で言及していない構成及び処理については、実施例1の構成及び処理と同じものである。
(実施例4)
実施例3と同様に、カメラで画像を撮影して取得する生体情報を利用し、なおかつ、カメラで画像を撮影して識別情報を取得するような生体認証システムの場合について、図11を用いて詳細に説明する。図11は、生体情報入力部と識別情報入力部とを兼ねるカメラを搭載した認証システムに関するフローチャートである。まず、生体情報入力部(識別情報入力部)に相当するカメラに対して、何かがかざされたことの検出を行う(ステップ1101)。この検出処理は、カメラで連続的に撮影を行って、何もかざされていない時との画像の差異を検知することによって実施しても良いし、検出専用のセンサーを備えても良い。ステップ1101で何かがかざされたことが検出された場合には、それが生体であるかどうかを判定する(ステップ1102)。生体情報であると判定された場合には、生体情報の取得が行われ(ステップ1103)、1:N認証用照合DBで、1:N照合処理が実行される(ステップ1104)。その後、照合成功かどうかの判別により(ステップ1105)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1113)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ1114)。
【0039】
一方、ステップ1102で生体検出されなかった場合には、バーコード検出を実行する(ステップ1106)。ここで、バーコードが検出されなかった場合には、バーコードが正しく置かれていなかったと判定し、利用者に対するバーコードの置き直し指示した上で、再度バーコード検出を行う(ステップ1107,1106)。ステップ1106でバーコードが検出されると、バーコード読取処理により識別情報が取得され(ステップ1108)、そして生体情報が取得され(ステップ1109)、1:1認証用照合DBで、1:1照合処理が実行される(ステップ1110)。その後、照合成功かどうかの判別により(ステップ1111)、照合が成功と認められた場合には認証成功となり(ステップ1113)、照合が成功と認められなかった場合には認証失敗となる(ステップ1114)。
【0040】
なお、ステップ1105、1111で照合成功と認められなかった場合に生体情報取得1103、1119に戻り、複数回の1:N照合処理または1:1照合処理を試みる構成としても良い。なお、実施例4で言及していない構成及び処理については、実施例1の構成及び処理と同じものである。
(実施例5)
実施例5に係る図12は、照合DBを、生体情報の品質に応じて1:N認証用照合DBと1:1認証用DBとに分割した場合についての実施例である。この実施例5では、生体情報の品質の高低に関わらず、全ての利用者に識別情報を発行した場合を前提としている。まず、識別情報または生体のいずれかの入力を待受ける(ステップ1201)。識別情報の入力がありかどうかを判別し(ステップ1202)、識別情報の入力が認められた場合には生体情報の取得を行い(ステップ1203)、1:1認証用照合DB811での1:1照合処理を生体認証照合部で実施する(ステップ1204)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ1205)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1214)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ1213)。
【0041】
また、ステップ1302で識別情報の入力が認められなかった場合には、生体情報の取得を行い(ステップ1206)、1:N認証用照合DB810での1:N照合処理を実行する(ステップ1207)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ1208)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1214)、照合が失敗した場合には、利用者に予め割り当てている識別情報の入力を求める(ステップ1209)。そして、識別情報を取得した後、1:N認証用照合DBにおいてその識別情報と対応する特徴量データと、ステップ1206で取得した特徴量データとの1:1照合処理を実行する(ステップ1211)。その結果、照合成功すれば認証成功となる(ステップ1214)。一方、照合失敗となれば認証失敗となる(ステップ1215)。
【0042】
ここで、1:N認証用照合DBでの1:N照合処理の後、再度同じ1:N認証用照合DBで、1:1照合処理を行うことにより、生体の置き方等が不適切であることにより照合失敗になった場合等においても再度認証可能となるので利用者の利便性が向上する。
【0043】
なお、実施例5で言及していない構成及び処理については、実施例1の構成及び処理と同じものである。
(実施例6)
実施例6に係る図13は、実施例5と同様に、照合DBを生体情報の品質に応じて1:N認証用照合DBと1:1認証用DBとに分割した場合についての実施例である。実施例6は、まず、識別情報または生体のいずれかの入力を待受ける(ステップ1301)。入力情報判定部により識別情報の入力がありかどうかを判別し(ステップ1302)、識別情報の入力が認められた場合には生体情報の取得を行い(ステップ1303)、1:1認証用照合DB811での1:1照合処理を生体認証照合部で実施する(ステップ1304)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ1305)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1316)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ1315)。
【0044】
また、ステップ1302で識別情報の入力が認められなかった場合には、生体情報の取得を行い(ステップ1306)、1:N認証用照合DB810での1:N照合処理を実行する(ステップ1307)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ1308)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1316)、照合が失敗した場合には、その生体情報を用いて、1:1認証用DBでの1:N照合処理を実行する(ステップ1310)。ここで、照合失敗になれば認証失敗となる(ステップ1317)。一方、照合成功となれば、利用者に識別情報を入力を求め、その識別情報と、照合成功となった特徴量データに対応する識別情報を比較し、一致しているか判定する(ステップ1314)。その結果、照合成功すれば認証成功となる(ステップ1316)。一方、照合失敗となれば認証失敗となる(ステップ1317)。本実施例では、利用者によっては、本来1:1認証処理を実行するべきであるにも関わらず、識別情報を入力せずに生体情報を提示してしまう可能性があり、この場合、ステップ1308で照合失敗とみなされる。このとき、提示された生体情報の特徴量データは1:1認証用照合DB811に含まれるはずであるから、1:1認証用照合DB811を使って1:N照合処理することによって照合する特徴量データを探し、それに対応した識別情報と、入力した識別情報との合致確認をすることによって(ステップ1313,1314)、最終的に1:1認証処理を行うものである。
【0045】
ステップ1311においては、利用者に対する識別情報入力の要求を画面表示により行っているが、音声など視覚以外により実施しても良い。
【0046】
また、ステップ1312における識別情報の入力をキーボードによって実施する場合、利用者が識別情報を記憶するのが負担になるのであれば、ステップ1311で、識別情報入力を求める画面を表示する代わりに、照合成功した利用者の氏名を表示し、それが利用者の氏名と合致しているか否かを利用者に判断してもらい、ステップ1312で判断結果を利用者に入力してもらう構成としても良い。なお、実施例6で言及していない構成及び処理については、実施例1の構成及び処理と同じものである。
【0047】
ここで、照合DBについて図14を用いて説明する。図14に示した例では、照合DBに識別情報、特徴量、利用者IDが格納されている。照合DB内では重複しないIDによって特徴量を管理している。一方、口座DBでは、利用者ID、支店情報、口座情報が格納されており、どの利用者がどこの支店のどの口座を持っているかが分かるようになっている。図14の例では、利用者IDを使って、照合DBと口座DBとを結びつけることで、生体認証によって認証された利用者の口座情報を取得できる。
【符号の説明】
【0048】
100…生体認証システム、101…生体情報入力部、102…生体認証照合部、103…品質判定部、104…表示部、105…制御部、106…識別情報発行部、107…識別情報入力部、108…識別情報管理部、109…照合DB、810…1:N認証用照合DB、811…1:1認証用照合DB。
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人認証方式における生体認証システム及生体認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体情報を用いた認証処理は、利用者から取得した生体情報と、予め登録されている生体情報とを照合することにより行われ、認証方法としては1:1認証と1:N認証とがある。まず、1:1認証では、利用者が認証システムに入力した、IDカードやキー入力などの識別番号に基づいて、照合すべき生体情報をデータベースから抽出する。そして、抽出した生体情報と、利用者から取得した生体情報との照合処理を行う。一方、1:N認証では、利用者から取得した生体情報に基づいて、認証システムに記憶されたデータベースに含まれる生体情報との照合を順番に繰り返し、同一であるものを見つける処理を行う。
【0003】
このような、認証方法を用いて、例えば、特許文献1では、利用者をグループ分けしたデータベースを使って、利用者から取得した生体情報に基づいて1:N認証を実行することで識別情報を特定し、その識別情報と、取得した生体情報とを使って全利用者データベースで1:1認証を実行することにより、認証処理を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−145608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、登録者全員に対して1:N認証を実施すると、登録された生体情報の品質が低いために正確な1:N認証処理ができない登録者においても必ず1:N認証処理をすることになり、常に処理時間が長くなる。また、正確な1:N認証処理ができないことから、他人受入が発生してしまう可能性が高くなる。
【0006】
そこで、本発明は、1:1認証の利用者は、1:N認証を実施することなく1:1認証を開始することができ、1:N認証の利用者は1:N認証を開始することができる生体認証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、利用者の生体情報を入力する生体情報入力部と、利用者の識別情報を入力する識別情報入力部と、利用者の生体情報を用いて照合処理を行う生体認証照合部と、生体情報入力部又は識別情報入力部からの入力に基づいて生体認証照合部を制御する制御部と、識別情報を付与した生体情報と識別情報を付与していない生体情報を記憶した照合データベースと、を有し、識別情報入力部が識別情報を取得せずに生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、取得した生体情報と照合データベースに記憶された生体情報とを生体情報照合部が照合し、生体情報入力部が生体情報を取得し、かつ識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、取得した識別情報に対応する照合データベースに記憶された生体情報と取得した生体情報とを照合するように制御し認証成功又は失敗を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、認証成功率を維持しつつ、認証処理時間の短い生体認証システム及び生体認証方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例にかかる生体認証システム
【図2】本発明の実施形態にかかる生体認証システムの詳細な構成
【図3】本発明の実施例にかかる生体情報の登録処理
【図4】本発明の実施例にかかる生体情報の品質判別処理
【図5】本発明の実施例にかかる1:1照合処理
【図6】本発明の実施例にかかる1:N照合処理の一例
【図7】本発明の実施例1にかかる生体認証処理
【図8】本発明の実施例2にかかる分割照合DBへの登録処理
【図9】本発明の実施例2にかかる分割照合DBを用いた場合の生体認証処理。
【図10】本発明の実施例3にかかるバーコード読取処理を利用した認証処理
【図11】本発明の実施例4にかかるバーコード読取処理を利用した分割照合DBでの認証処理
【図12】本発明の実施例5にかかる生体認証処理
【図13】本発明の実施例6にかかる生体認証処理
【図14】本発明の実施例にかかる生体認証システムにおける照合DBの応用例
【発明を実施するための形態】
【0010】
1:1認証は、比較的高精度の本人認証ができる一方で、利用者はIDカードやバーコードを所持したり、キー入力すべき識別情報を覚えたりする必要があり利便性が低い。また、1:N認証では、利用者は生体情報のみを提示すれば良く利便性が高いのに対して、1:1認証よりも照合にかかる時間が長い。また、他人の生体情報から作成された特徴量との照合が誤って成功してしまうような、他人受入が発生する可能性が1:1認証に比べて高い。
【0011】
そこで、本願発明では、以下のような特徴を有する。
【0012】
まず、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、利用者の生体情報を入力する生体情報入力部と、利用者の識別情報を入力する識別情報入力部と、利用者の生体情報を用いて照合処理を行う生体認証照合部と、生体情報入力部又は識別情報入力部からの入力に基づいて生体認証照合部を制御する制御部と、識別情報を付与した生体情報と識別情報を付与していない生体情報を記憶した照合データベースと、を有し、識別情報入力部が識別情報を取得せずに生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、取得した生体情報と照合データベースに記憶された生体情報とを生体情報照合部が照合し、生体情報入力部が生体情報を取得し、かつ識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、取得した識別情報に対応する照合データベースに記憶された生体情報と取得した生体情報とを照合するように制御し認証成功又は失敗を決定することを特徴とする。また、より具体的には、識別情報入力部が識別情報を取得せずに前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、生体情報入力部が生体情報を取得し、識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を照合データベースから取得し、取得した生体情報の生体情報特徴量と照合することを特徴とする。これより、品質の高い生体情報を有する利用者は登録した生体を提示することにより、確実な認証処理を行うことができ、品質の低い生体情報を有する利用者は予め割り当てられた識別情報を入力することにより、迅速で確実な認証処理を行うことが可能となる。ここで識別情報とは、利用者が生体情報を認証システムに登録する際に認証システムから発行される情報であり、利用者や生体情報ごとに重複しないように割り振られた情報である。
【0013】
次に、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、照合データベースが、複数の生体情報が記憶された第1の照合データベースと、第1の照合データベースに記憶された生体情報よりも品質の低い複数の生体情報が識別情報と対応づけて記憶された第2の照合データベースと、に分割され、生体認証照合部は、識別情報入力部が利用者の識別情報を取得せずに生体情報入力部が利用者の生体情報を取得した場合は、取得した生体情報と第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合し、生体情報入力部が利用者の生体情報を取得し、かつ、識別情報入力部が利用者の識別情報を取得した場合は、取得した識別情報に対応する、第2の照合データベースに記憶された生体情報と、取得した生体情報とを照合することを特徴とする。より具体的には、識別情報入力部が識別情報を取得せずに生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、第1の照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、生体情報入力部が生体情報を取得し、識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を第2の照合データベースから取得し、取得した生体情報の生体情報特徴量と照合することを特徴とする。これより、品質の高い生体情報を有する利用者は登録した生体を提示することにより、品質の高い生体情報が記憶された照合データベースによる照合を優先的に実施することができるため、処理の迅速化を図ることが可能となる。また、品質の低い生体情報を有する利用者に関しても、予め割り当てられた識別情報を入力することにより、品質の低い生体情報が記憶された照合データベースによる照合を優先的に実施することができるため、迅速な認証処理を行うことが可能となる。
【0014】
さらに、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、制御部が、識別情報及び生体情報が入力されたか否かを判定する入力情報判定部を有し、入力判定部が識別情報を取得した場合には、取得した生体情報と照合データベースに記憶された生体情報とを生体情報照合部が照合して、入力判定部が識別情報を取得しなかった場合には、取得した識別情報に対応する照合データベースに記憶された生体情報と取得した生体情報とを生体情報照合部が照合するように制御することを特徴とする。
【0015】
また、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、生体情報入力部が、生体を検出する生体検出部を有し、その生体検出部が生体を検出した場合には、制御部が生体情報入力部に生体情報を読み取る処理を動作させ、生体を検出しない場合には、バーコードを読み取る処理を動作させることを特徴とする。このように、識別情報としてバーコード情報を用いる場合においても、生体情報入力部が識別情報入力部を兼ねる構成とすることにより、個別認証システムの小型化を達成することが可能となる。
【0016】
さらに、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、識別情報入力部が利用者の識別情報を取得せずに生体情報入力部が利用者の生体情報を取得した場合で、取得した生体情報と第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合した結果、照合失敗になった場合は、利用者に識別情報の入力を促し、入力した識別情報に基づいて、第1の照合データベース又は第2の照合データベースから生体情報を抽出し、照合処理を行うことを特徴とする。これより、生体の置き方等が不適切であることにより照合失敗になった場合や、識別情報を入力して1:1認証をするべき利用者が誤って生体を提示した場合でも、再度1:N認証用若しくは1:1認証用の照合データベースで1:1認証することにより、認証処理を行うことが可能となる。
【0017】
また、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、識別情報入力部が利用者の識別情報を取得せずに生体情報入力部が利用者の生体情報を取得した場合で、取得した生体情報と第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合した結果、照合失敗になった場合は、取得した生体情報を用いて、第2の照合データベースに記憶された生体情報と再照合を行う。そして、照合成功した場合は、利用者に識別情報の入力を促し、入力された識別情報と照合成功した生体情報と対応する識別情報との照合を行うことを特徴とする。このように、識別情報を入力して1:1認証をするべき利用者が誤って生体を提示した場合に、その生体情報を用いて、1:1認証用の照合データベースでの1:N認証処理をさせるだけでなく、識別情報を入力させ識別情報の照合する構成とすることにより、生体情報の品質が低い利用者の認証処理における他人受入を最小限に留めることが可能となる。
【0018】
次に、本願発明の実施例にかかる生体認証システムは、生体情報登録端末を有し、生体情報登録端末は、利用者から生体情報を取得する生体情報取得部と、取得した生体情報から生体情報特徴量を抽出する制御部と、抽出した生体情報特徴量の品質を判定する品質判定部とを有し、制御部は、生体情報特徴量の品質が規定値以上の場合は、生体情報特徴量を第1の照合データベースに記憶させ、生体情報特徴量の品質が規定値未満の場合は、生体情報特徴量を、利用者の識別情報と対応付けて第2の照合データベースに記憶させることを特徴とする。また、品質判定部は、取得した生体情報における血管と識別される画素数に基づいて、品質を判定することを特徴とする。
(実施例1)
以下、本願発明に係る実施例を図を用いて詳細に説明する。まず、図1は本願発明の実施例にかかる生体認証システム構成を示した図である。図1に示すように、生体認証システム100は、利用者の生体情報を取得する生体情報入力部101と、取得した生体情報に基づいて照合処理をする生体認証照合部102と、利用者の生体情報の品質を判定する品質判定部103と、表示部104と、前述の構成部を制御する制御部105と、利用者に識別情報を発行する識別情報発行部106と、利用者に発行した識別情報入力部107と、識別情報管理部108と、照合DB109と、を具備する。この生体認証システム100では、生体情報入力部101より入力された生体情報から抽出した特徴量データを、照合DB109に格納された特徴量データと、生体認証照合部102で照合することにより、利用者の本人認証を実施することができる。生体認証照合部102では、品質判定部103によって判定された利用者ごとの特徴量の品質に応じて、認証処理が実施される。1:1認証を実施する場合には、生体情報登録時に識別情報発行部106より発行される識別情報を用いる。認証の際には、識別情報入力部107で利用者から入力された識別情報が正しいかどうかを識別情報管理部108で識別し、正しい識別情報である場合には、その識別情報に対応する特徴量データを照合DB109から抽出し、その特徴量データと、生体情報入力部101より入力された生体情報から生成した特徴量とを使い、生体認証照合部102で1:1照合処理を実施する。なお、上記識別情報入力部107は、テンキーであったり、バーコードであったり、接触型カードリーダーであったり、非接触型カードリーダーであったり、その他にも入力方法は考えられるが、ここでは識別情報入力部107の実施形態に関しては特定しない。
【0019】
1:N認証を実施する場合には、生体情報入力部101より入力された生体情報から生成した特徴量を、照合DB109に格納された各特徴量データと照合する。なお、照合DB109には、1:1認証用生体情報データ及び1:N認証用生体情報データが全て格納されているが、1:1認証用生体情報データと、1:N認証用生体情報データとを分けて、別々に照合DBに記憶させることがより好ましい。また、制御部105は、各機能ブロックの間の情報のやり取りを制御する。
【0020】
以下の説明では、表示部104により、利用者に対する生体情報の提示を促す内容や、認証結果を視覚情報にて表示する前提で説明しているが、利用者への情報伝達は、音声などの視覚以外により実施しても良いし、何も伝達しない場合もあり得る。
【0021】
次に、図2を用いて、より詳細な生体認証システムについて説明する。図2に示した例では、ネットワーク201を介して、生体情報登録端末202と、生体情報認証端末203と、照合DB109と、が接続されている。生体情報登録端末202は、コンピュータ204と、生体情報取得装置205と、識別情報発行部206と、プリンタ207と、からなり、コンピュータ204は、生体情報登録端末制御部212と、品質判定部213と、表示部214と、識別情報管理部215と、を備え、生体情報取得装置205は、生体情報取得装置制御部210と、生体情報入力部211と、を備える。生体情報認証端末203は、コンピュータ208と、生体認証装置209と、識別情報入力部222と、からなり、コンピュータ208は、生体認証端末制御部216と、表示部217と、識別情報管理部218と、を備え、生体認証装置209は、生体認証装置制御部219と、生体情報入力部220と、生体認証照合部221と、を備える。
【0022】
図2に構成において、生体情報を登録する場合、利用者は、生体情報登録端末202の生体情報取得装置205の生体情報入力部211に生体情報を提示する。前記提示された生体情報から生成された特徴量データは、照合DB109に格納され、品質判定部213によって、特徴量データの品質が高くないと判定された場合には、識別情報発行部206により識別情報が発行される。発行された識別情報は、プリンタ207によりバーコードに印刷され、利用者が印刷されたバーコードを保持する。ここで利用されるバーコードは、1次元バーコードでも良いし、2次元バーコードでも良いし、その他の実施形態のバーコードでも良い。
【0023】
登録した生体情報を使った認証処理は、生体情報認証端末203によって実行される。利用者は、バーコードを所持している場合には、バーコードを識別情報入力部222から入力し、生体認証装置209の生体情報入力部220に、生体を提示する。生体認証端末制御部216は、バーコードから読み取られた識別情報を、識別情報管理部218に問合せ、正しい識別情報であった場合には、上記識別情報に対応する照合用の特徴量データを照合DB109から取得し、生体認証装置制御部219に通知し、生体認証照合部221は、取得した照合用の特徴量データと、生体情報から抽出される特徴量データとの1:1照合を実施する。利用者がバーコードを所持していない場合には、利用者は生体認証装置209の生体情報入力部220に、生体を提示する。生体認証照合部221は、生体情報から抽出される特徴量データを使い、照合DB109中の照合用の特徴量データと1:N照合を実施する。照合結果は表示部217に表示される。
なお、本発明に係る構成は、上記実施例に限定されるものではなく、照合DB109を生体情報認証端末203に内蔵したり、生体認証照合部221をコンピュータ208に内蔵したり、生体情報登録処理と生体情報認証処理を1台の端末で実行したり、など様々な構成が考えられる。
【0024】
図3は、本実施例に係る生体認証システムにおける、照合用の特徴量データを照合用データベースに登録する際の処理フローチャートである。まず、利用者によって、利用者情報入力が実施され、利用者の氏名など、システムに必要な利用者情報を登録がなされる(ステップ301)。その後、利用者によって生体情報入力部に生体が提示され生体情報が取得される(ステップ302)。次に、取得した生体情報から、照合用の特徴量データが抽出される(ステップ303)。抽出された特徴量データが高品質かどうかの判別が行われ(ステップ304)、高品質であると判定された場合には、その特徴量データが照合DBに登録される(ステップ305)。抽出された特徴量データの判定処理で高品質ではないと判定された場合には、利用者に対して識別情報が発行される(ステップ306)。そして、その識別情報と、特徴量データが照合DBに登録される(ステップ305)。なお、ここで発行される識別情報は、1:1認証処理で利用するためのものである。また、特徴量データが高品質であるとは、特徴量データ中に個体を特定するための情報が多いことを意味する。一方、特徴量データが低品質であるとは、特徴量データ中に個体を特定するための情報が少ないことを意味し、その結果、誤って別の個体と照合成功してしまう可能性が高くなることを意味する。
【0025】
なお、図3では利用者による生体の提示と、照合用の特徴量データの抽出は其々1回ずつ実施しているが、より安定した生体情報や特徴量を取得するために、それぞれ複数回実施しても良い。また、本実施例では、生体情報として指静脈情報を使用した場合について言及しているが、指静脈情報に限定されるものではなく、指紋、掌、虹彩等の他の生体情報を用いても構わない。
【0026】
図4は品質判定処理のフローチャートを示す。まず、利用者が提示した生体から生体情報の取得が行われ、画像データを取得する(ステップ401)。次に、その画像データから特徴量データの抽出が行われる(ステップ402)。そして、血管と識別される画素数が規定値以上かどうかの判別、具体的には、特徴量データに含まれる各画素について、色や明るさに基づいて血管かそうでないかが識別され、血管であると識別された画素数があらかじめ定められた規定値以上であれば、品質が高いと判定され、画素数が規定値未満であれば、品質が低いと判定される(ステップ403)。ここで判別の基準となる規定値は、生体認証システム毎に決定される値である。
【0027】
なお、図4は利用者の身体の一部の血管の分布状況を生体情報として本人認証を行うシステムを前提としているが、実施形態は、生体情報として血管の分布状況を利用する場合に限定されない。また、図4は特徴量データを画像データとして扱い、認証を行うシステムを前提としているが、生体情報から抽出した特徴点を扱い、認証を行うシステムにおいても、特徴点の数や位置や複数の特徴点の相互関係などから品質を判別する構成も考えられる。
【0028】
図5は、利用者により識別情報入力及び生体の提示が行われた際の、1:1照合処理500のフローチャートである。利用者から識別情報及び生体情報を取得したのを契機に、1:1照合処理が開始される。利用者によって入力された識別情報に基づいて照合DBから照合用の特徴量データの取得を行う(ステップ501)。続いて、生体情報から抽出した特徴量データと照合DBから抽出した特徴量データの比較を行う(ステップ503、504)。ここで、両者が同一だと判定されると照合成功となり(ステップ505)、同一でないと判定されると照合失敗となる(ステップ506)。
【0029】
なお、図5は利用者から識別情報と生体情報の両方を取得した後に、識別情報に対応する特徴量データの取得を行っているが(ステップ501)、まず識別情報のみを取得してから識別情報に対応する特徴量データの取得を行い、その後に利用者が提示する生体情報の取得を実施した上で、特徴量データの比較(ステップ503)を実施しても良い。
【0030】
図6は、利用者により生体の提示が行われた際の、1:N照合処理600フローチャートである。1:N照合処理は、利用者から識別情報なしに生体情報を取得したのを契機に開始される。1:N照合処理が開始されると、照合DB602から未照合の照合用の特徴量データを1つ取り出す(ステップ601)。続いて、生体情報から抽出した特徴量データと、照合DBから取出した照合用の特徴量データとを比較する(ステップ603,604)。ここで、両者が同一だと判定されると照合成功となり(ステップ605)、同一でないと判定されると、照合DBに記憶された未照合の特徴量データについて全て比較判定を行ったか否かの判定を行い、行っていれば照合失敗となる(ステップ607)。
【0031】
一方で、全てについて行っていなければ、ステップ601に戻り、未照合の特徴量データを取り出しステップ601以降の処理を繰り返す。なお、図6では、照合DB602の中から照合が成功するデータが見つかると、その時点で照合成功805を出力して終了する構成としているが、1つのデータと照合成功しても、全てのデータとの比較判定を必ず行う構成としても良い。この場合、全てのデータとの比較判定が終了した時点で、照合成功したデータが1つだけなら認証成功とするが、複数のデータと照合成功した場合には、認証失敗としても良いし、照合成功した複数の候補について識別情報の入力または利用者の氏名を表示して利用者に選択してもらうという方法でも良い。
【0032】
次に、図7に実施例1に係る生体認証システムの処理フローを示す。
【0033】
図7は、図1に示した生体認証システム100において、1:1認証処理と1:N認証処理とを併用する場合のフローチャートである。まず、識別情報または生体のいずれかの入力を待受ける(ステップ701)。識別情報の入力がありかどうかを入力情報判別部により判別し(ステップ702)、識別情報の入力が認められた場合には生体情報の取得を行い(ステップ703)、1:1照合処理を生体認証照合部で実施する(ステップ704)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ705)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ710)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ709)。また、ステップ702で識別情報の入力が認められなかった場合には、生体情報の取得を行い(ステップ706)、1:N照合処理を実行する(ステップ707)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ708)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ710)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ711)。
【0034】
なお、図7では、ステップ705、708で照合成功と認められなかった場合には認証失敗709,711としているが、ステップ705、708で照合成功と認められなかった場合に、生体情報を取得するステップ703,706に戻り、複数回に亘って照合処理を試みるシステムも考えられる。
(実施例2)
実施例1で説明したとおり、照合DB109には全ての利用者の特徴量データが格納されているため、1:N照合処理において品質が低い特徴量データも照合対象になる。そこで、図1及び図2に記載の照合DB109を、1:N認証用の照合DB810と、1:1認証用照合DB811とに分割した第2の実施例について、図8,9を使って説明する。まず、登録処理について説明すると、図3と同様に、利用者によって利用者情報入力が実施され、利用者の氏名など、システムに必要な利用者情報を登録がなされる(ステップ801)。その後、利用者によって生体情報入力部に生体が提示され生体情報が取得される(ステップ802)。次に、取得した生体情報から、照合用の特徴量データが抽出される(ステップ803)。抽出された特徴量データが高品質かどうかの判別が行われ(ステップ804)、品質が高いと判定された場合には、その特徴量データが1:N認証用照合DBに登録される(ステップ805)。抽出された特徴量データが品質が高いか否かの判別で品質が高くないと判定された場合には、利用者に対して識別情報が発行される(ステップ806)。そして、その識別情報と、特徴量データが1:1認証用照合DBに登録される(ステップ807)。なお、前述の通り、特徴量データの品質が高いとは、特徴量データ中に個体を特定するための情報が多いことを意味し、一方、特徴量データの品質が低いとは、特徴量データ中に個体を特定するための情報が少ないことを意味し、その結果、誤って別の個体と照合成功してしまう可能性が高くなることを意味する。
【0035】
また、品質の判定処理は、図4に記載した方法と同じであり、図3と同様に、利用者による生体の提示と、照合用の特徴量データの抽出は、より安定した生体情報や特徴量を取得するために、それぞれ複数回実施しても良い。実施例2にかかる図9における生体認証システムは、まず、識別情報または生体のいずれかの入力を待受ける(ステップ901)。入力情報判定部により識別情報の入力がありかどうかを判別し(ステップ902)、識別情報の入力が認められた場合には生体情報の取得を行い(ステップ903)、1:1認証用照合DB811での1:1照合処理を生体認証照合部で実施する(ステップ904)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ905)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ910)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ909)。また、ステップ902で識別情報の入力が認められなかった場合には、生体情報の取得を行い(ステップ906)、1:N認証用照合DB810での1:N照合処理を実行する(ステップ907)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ908)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ910)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ911)。
【0036】
なお、図9では、ステップ905、908で照合成功と認められなかった場合には認証失敗909,911としているが、ステップ905、908で照合成功と認められなかった場合に、生体情報を取得するステップ903,906に戻り、複数回に亘って照合処理を試みるシステムも考えられる。このような構成を採用することにより、利用する1:N認証用照合DB810には高い品質の特徴量データが格納されているため、図9における1:N照合処理では高い品質の特徴量データのみを利用して照合処理が実施されるため、図7に比べて1:N照合処理における誤照合の可能性をさらに低くすることができる。また処理時間も短くすることが可能となる。なお、実施例2で言及していない構成及び処理については、実施例1の構成及び処理と同じものである。
(実施例3)
実施例1、2では、生体情報の種類や取得方法については規定しておらず、また識別情報の種類及び入力方法も規定していない。ここで、所定の条件を満たす生体認証システムにおいては、生体情報入力部と、識別情報番号入力部とを、共通化することができる場合がある。例えば、カメラで画像を撮影して取得する生体情報を利用し、なおかつ、カメラで画像を撮影して識別情報を取得するような生体認証システムの場合である。以下、図10を用いて詳細に説明する。
【0037】
図10は、生体情報入力部と識別情報入力部とを兼ねるカメラを搭載した生体認証システムに関するフローチャートである。まず、生体情報入力部(識別情報入力部)に相当するカメラに対して、何かがかざされたことの検出を行う(ステップ1001)。この検出処理は、カメラで連続的に撮影を行って、何もかざされていない時との画像の差異を検知することによって実施しても良いし、検出専用のセンサーを備えても良い。ステップ1001で何かがかざされたことが検出された場合には、それが生体であるかどうかを判定する(ステップ1002)。生体情報であると判定された場合には、生体情報の取得が行われ(ステップ1003)、1:N照合処理が実行される(ステップ1004)。その後、照合成功かどうかの判別により(ステップ1005)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1013)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ1014)。
【0038】
一方、ステップ1002で生体検出されなかった場合には、バーコード検出を実行する(ステップ1006)。ここで、バーコードが検出されなかった場合には、バーコードが正しく置かれていなかったと判定し、利用者に対するバーコードの置き直し指示した上で、再度バーコード検出を行う(ステップ1007,1006)。ステップ1006でバーコードが検出されると、バーコード読取処理により識別情報が取得され(ステップ1008)、そして生体情報が取得され(ステップ1009)、1:1照合処理が実行される(ステップ1010)。その後、照合成功かどうかの判別により(ステップ1011)、照合が成功と認められた場合には認証成功となり(ステップ1013)、照合が成功と認められなかった場合には認証失敗となる(ステップ1014)。なお、ステップ1005、1011で照合成功と認められなかった場合に生体情報取得1003、1019に戻り、複数回の1:N照合処理または1:1照合処理を試みる構成としても良い。なお、実施例3で言及していない構成及び処理については、実施例1の構成及び処理と同じものである。
(実施例4)
実施例3と同様に、カメラで画像を撮影して取得する生体情報を利用し、なおかつ、カメラで画像を撮影して識別情報を取得するような生体認証システムの場合について、図11を用いて詳細に説明する。図11は、生体情報入力部と識別情報入力部とを兼ねるカメラを搭載した認証システムに関するフローチャートである。まず、生体情報入力部(識別情報入力部)に相当するカメラに対して、何かがかざされたことの検出を行う(ステップ1101)。この検出処理は、カメラで連続的に撮影を行って、何もかざされていない時との画像の差異を検知することによって実施しても良いし、検出専用のセンサーを備えても良い。ステップ1101で何かがかざされたことが検出された場合には、それが生体であるかどうかを判定する(ステップ1102)。生体情報であると判定された場合には、生体情報の取得が行われ(ステップ1103)、1:N認証用照合DBで、1:N照合処理が実行される(ステップ1104)。その後、照合成功かどうかの判別により(ステップ1105)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1113)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ1114)。
【0039】
一方、ステップ1102で生体検出されなかった場合には、バーコード検出を実行する(ステップ1106)。ここで、バーコードが検出されなかった場合には、バーコードが正しく置かれていなかったと判定し、利用者に対するバーコードの置き直し指示した上で、再度バーコード検出を行う(ステップ1107,1106)。ステップ1106でバーコードが検出されると、バーコード読取処理により識別情報が取得され(ステップ1108)、そして生体情報が取得され(ステップ1109)、1:1認証用照合DBで、1:1照合処理が実行される(ステップ1110)。その後、照合成功かどうかの判別により(ステップ1111)、照合が成功と認められた場合には認証成功となり(ステップ1113)、照合が成功と認められなかった場合には認証失敗となる(ステップ1114)。
【0040】
なお、ステップ1105、1111で照合成功と認められなかった場合に生体情報取得1103、1119に戻り、複数回の1:N照合処理または1:1照合処理を試みる構成としても良い。なお、実施例4で言及していない構成及び処理については、実施例1の構成及び処理と同じものである。
(実施例5)
実施例5に係る図12は、照合DBを、生体情報の品質に応じて1:N認証用照合DBと1:1認証用DBとに分割した場合についての実施例である。この実施例5では、生体情報の品質の高低に関わらず、全ての利用者に識別情報を発行した場合を前提としている。まず、識別情報または生体のいずれかの入力を待受ける(ステップ1201)。識別情報の入力がありかどうかを判別し(ステップ1202)、識別情報の入力が認められた場合には生体情報の取得を行い(ステップ1203)、1:1認証用照合DB811での1:1照合処理を生体認証照合部で実施する(ステップ1204)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ1205)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1214)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ1213)。
【0041】
また、ステップ1302で識別情報の入力が認められなかった場合には、生体情報の取得を行い(ステップ1206)、1:N認証用照合DB810での1:N照合処理を実行する(ステップ1207)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ1208)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1214)、照合が失敗した場合には、利用者に予め割り当てている識別情報の入力を求める(ステップ1209)。そして、識別情報を取得した後、1:N認証用照合DBにおいてその識別情報と対応する特徴量データと、ステップ1206で取得した特徴量データとの1:1照合処理を実行する(ステップ1211)。その結果、照合成功すれば認証成功となる(ステップ1214)。一方、照合失敗となれば認証失敗となる(ステップ1215)。
【0042】
ここで、1:N認証用照合DBでの1:N照合処理の後、再度同じ1:N認証用照合DBで、1:1照合処理を行うことにより、生体の置き方等が不適切であることにより照合失敗になった場合等においても再度認証可能となるので利用者の利便性が向上する。
【0043】
なお、実施例5で言及していない構成及び処理については、実施例1の構成及び処理と同じものである。
(実施例6)
実施例6に係る図13は、実施例5と同様に、照合DBを生体情報の品質に応じて1:N認証用照合DBと1:1認証用DBとに分割した場合についての実施例である。実施例6は、まず、識別情報または生体のいずれかの入力を待受ける(ステップ1301)。入力情報判定部により識別情報の入力がありかどうかを判別し(ステップ1302)、識別情報の入力が認められた場合には生体情報の取得を行い(ステップ1303)、1:1認証用照合DB811での1:1照合処理を生体認証照合部で実施する(ステップ1304)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ1305)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1316)、照合が失敗した場合には認証失敗となる(ステップ1315)。
【0044】
また、ステップ1302で識別情報の入力が認められなかった場合には、生体情報の取得を行い(ステップ1306)、1:N認証用照合DB810での1:N照合処理を実行する(ステップ1307)。その後、照合成功かどうか判定し(ステップ1308)、照合が成功した場合には認証成功となり(ステップ1316)、照合が失敗した場合には、その生体情報を用いて、1:1認証用DBでの1:N照合処理を実行する(ステップ1310)。ここで、照合失敗になれば認証失敗となる(ステップ1317)。一方、照合成功となれば、利用者に識別情報を入力を求め、その識別情報と、照合成功となった特徴量データに対応する識別情報を比較し、一致しているか判定する(ステップ1314)。その結果、照合成功すれば認証成功となる(ステップ1316)。一方、照合失敗となれば認証失敗となる(ステップ1317)。本実施例では、利用者によっては、本来1:1認証処理を実行するべきであるにも関わらず、識別情報を入力せずに生体情報を提示してしまう可能性があり、この場合、ステップ1308で照合失敗とみなされる。このとき、提示された生体情報の特徴量データは1:1認証用照合DB811に含まれるはずであるから、1:1認証用照合DB811を使って1:N照合処理することによって照合する特徴量データを探し、それに対応した識別情報と、入力した識別情報との合致確認をすることによって(ステップ1313,1314)、最終的に1:1認証処理を行うものである。
【0045】
ステップ1311においては、利用者に対する識別情報入力の要求を画面表示により行っているが、音声など視覚以外により実施しても良い。
【0046】
また、ステップ1312における識別情報の入力をキーボードによって実施する場合、利用者が識別情報を記憶するのが負担になるのであれば、ステップ1311で、識別情報入力を求める画面を表示する代わりに、照合成功した利用者の氏名を表示し、それが利用者の氏名と合致しているか否かを利用者に判断してもらい、ステップ1312で判断結果を利用者に入力してもらう構成としても良い。なお、実施例6で言及していない構成及び処理については、実施例1の構成及び処理と同じものである。
【0047】
ここで、照合DBについて図14を用いて説明する。図14に示した例では、照合DBに識別情報、特徴量、利用者IDが格納されている。照合DB内では重複しないIDによって特徴量を管理している。一方、口座DBでは、利用者ID、支店情報、口座情報が格納されており、どの利用者がどこの支店のどの口座を持っているかが分かるようになっている。図14の例では、利用者IDを使って、照合DBと口座DBとを結びつけることで、生体認証によって認証された利用者の口座情報を取得できる。
【符号の説明】
【0048】
100…生体認証システム、101…生体情報入力部、102…生体認証照合部、103…品質判定部、104…表示部、105…制御部、106…識別情報発行部、107…識別情報入力部、108…識別情報管理部、109…照合DB、810…1:N認証用照合DB、811…1:1認証用照合DB。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の生体情報を入力する生体情報入力部と、
利用者の識別情報を入力する識別情報入力部と、
利用者の生体情報を用いて照合処理を行う生体認証照合部と、
前記生体情報入力部又は前記識別情報入力部からの入力に基づいて、前記生体認証照合部を制御する制御部と、
識別情報が付与された複数の生体情報と識別情報が付与されていない複数の生体情報とを記憶した照合データベースと、を有し、
前記制御部が、
前記識別情報入力部が識別情報を取得せずに前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、前記取得した生体情報と、前記照合データベースに記憶された生体情報と、を前記生体情報照合部が照合し、
前記識別情報入力部が識別情報を取得し、かつ、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、前記取得した識別情報に対応する前記照合データベースに記憶された生体情報と、前記取得した生体情報と、を前記生体情報照合部が照合するように制御し認証成功又は失敗を決定することを特徴とする生体認証システム。
【請求項2】
前記識別情報入力部が識別情報を取得せずに、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、
前記識別情報入力部が識別情報を取得し、かつ、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を前記照合データベースから取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合することを特徴とする請求項1に記載の生体認証システム。
【請求項3】
前記照合データベースは、複数の生体情報が記憶された第1の照合データベースと、前記第1の照合データベースに記憶された生体情報よりも品質の低い複数の生体情報が、識別情報と対応づけて記憶された第2の照合データベースと、に分割され、
前記生体認証照合部は、
前記識別情報入力部が識別情報を取得せずに、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記取得した生体情報と前記第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合し、
前記識別情報入力部が識別情報を取得し、かつ、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記取得した識別情報に対応する、前記第2の照合データベースに記憶された生体情報と、前記取得した生体情報とを照合することを特徴とする請求項1に記載の生体認証システム。
【請求項4】
前記識別情報入力部が識別情報を取得せずに、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記第1の照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、
前記識別情報入力部が識別情報を取得し、かつ、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を前記第2の照合データベースから取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合することを特徴とする請求項3に記載の生体認証システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記識別情報及び前記生体情報が入力されたか否かを判定する入力情報判定部を有し、
前記入力判定部が識別情報を取得した場合には、前記取得した生体情報と、前記照合データベースに記憶された生体情報と、を前記生体情報照合部が照合し、
前記入力判定部が識別情報を取得しなかった場合には、前記取得した識別情報に対応する前記照合データベースに記憶された生体情報と、前記取得した生体情報と、を前記生体情報照合部が照合するように制御することを特徴とする請求項1〜4に記載の生体認証システム。
【請求項6】
前記生体情報入力部は、生体を検出する生体検出部を有し、
前記生体検出部が生体を検出した場合に、
前記制御部が、前記生体情報入力部に、生体情報を読み取る処理を動作させ、
生体を検出しない場合には、バーコードを読み取る処理を動作させることを特徴とする請求項1または3に記載の生体認証システム。
【請求項7】
前記識別情報入力部が利用者の識別情報を取得せずに、前記生体情報入力部が利用者の生体情報を取得した場合で、前記取得した生体情報と前記第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合した結果、照合失敗になった場合は、利用者に識別情報の入力を促し、
前記入力した識別情報に基づいて、前記第1の照合データベース又は前記第2の照合データベースから生体情報を抽出し、照合処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の生体認証システム。
【請求項8】
前記識別情報入力部が利用者の識別情報を取得せずに、前記生体情報入力部が利用者の生体情報を取得した場合で、前記取得した生体情報と前記第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合した結果、照合失敗になった場合は、
前記取得した生体情報を用いて、前記第2の照合データベースに記憶された生体情報と再照合を行い、
照合成功した場合は、利用者に識別情報の入力を促し、
入力された識別情報と、前記照合成功した生体情報と対応する識別情報と、の照合を行うことを特徴とする請求項3に記載の生体認証システム。
【請求項9】
前記生体認証システムは、生体情報登録端末を有し、
前記生体情報登録端末は、
利用者から生体情報を取得する生体情報取得部と、
取得した生体情報から生体情報特徴量を抽出する制御部と、
抽出した生体情報特徴量の品質を判定する品質判定部と、を有し、
前記制御部は、
生体情報特徴量の品質が規定値以上の場合は、前記生体情報特徴量を前記第1の照合データベースに記憶させ、
生体情報特徴量の品質が規定値未満の場合は、前記生体情報特徴量を、利用者の識別情報と対応付けて前記第2の照合データベースに記憶させることを特徴とする請求項3に記載の生体認証システム。
【請求項10】
前記品質判定部は、取得した生体情報における血管と識別される画素数に基づいて、品質を判定することを特徴とする請求項9に記載の生体認証システム。
【請求項11】
識別情報入力部が識別情報を取得せずに生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、
前記生体情報入力部が生体情報を取得し、かつ、前記識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、
前記取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を前記照合データベースから取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合して、認証成功又は失敗を決定することを特徴とする生体認証方法。
【請求項12】
前記照合データベースは、複数の生体情報が記憶された第1の照合データベースと、前記第1の照合データベースに記憶された生体情報よりも品質の低い生体情報が、識別情報と対応づけて記憶された第2の照合データベースと、分割され、
識別情報入力部が識別情報を取得せずに前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記第1の照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、
前記生体情報入力部が生体情報を取得し、かつ、前記識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、
前記取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を前記第2の照合データベースから取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合することを特徴とする請求項11に記載の生体認証方法。
【請求項1】
利用者の生体情報を入力する生体情報入力部と、
利用者の識別情報を入力する識別情報入力部と、
利用者の生体情報を用いて照合処理を行う生体認証照合部と、
前記生体情報入力部又は前記識別情報入力部からの入力に基づいて、前記生体認証照合部を制御する制御部と、
識別情報が付与された複数の生体情報と識別情報が付与されていない複数の生体情報とを記憶した照合データベースと、を有し、
前記制御部が、
前記識別情報入力部が識別情報を取得せずに前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、前記取得した生体情報と、前記照合データベースに記憶された生体情報と、を前記生体情報照合部が照合し、
前記識別情報入力部が識別情報を取得し、かつ、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、前記取得した識別情報に対応する前記照合データベースに記憶された生体情報と、前記取得した生体情報と、を前記生体情報照合部が照合するように制御し認証成功又は失敗を決定することを特徴とする生体認証システム。
【請求項2】
前記識別情報入力部が識別情報を取得せずに、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、
前記識別情報入力部が識別情報を取得し、かつ、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を前記照合データベースから取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合することを特徴とする請求項1に記載の生体認証システム。
【請求項3】
前記照合データベースは、複数の生体情報が記憶された第1の照合データベースと、前記第1の照合データベースに記憶された生体情報よりも品質の低い複数の生体情報が、識別情報と対応づけて記憶された第2の照合データベースと、に分割され、
前記生体認証照合部は、
前記識別情報入力部が識別情報を取得せずに、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記取得した生体情報と前記第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合し、
前記識別情報入力部が識別情報を取得し、かつ、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記取得した識別情報に対応する、前記第2の照合データベースに記憶された生体情報と、前記取得した生体情報とを照合することを特徴とする請求項1に記載の生体認証システム。
【請求項4】
前記識別情報入力部が識別情報を取得せずに、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記第1の照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、
前記識別情報入力部が識別情報を取得し、かつ、前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を前記第2の照合データベースから取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合することを特徴とする請求項3に記載の生体認証システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記識別情報及び前記生体情報が入力されたか否かを判定する入力情報判定部を有し、
前記入力判定部が識別情報を取得した場合には、前記取得した生体情報と、前記照合データベースに記憶された生体情報と、を前記生体情報照合部が照合し、
前記入力判定部が識別情報を取得しなかった場合には、前記取得した識別情報に対応する前記照合データベースに記憶された生体情報と、前記取得した生体情報と、を前記生体情報照合部が照合するように制御することを特徴とする請求項1〜4に記載の生体認証システム。
【請求項6】
前記生体情報入力部は、生体を検出する生体検出部を有し、
前記生体検出部が生体を検出した場合に、
前記制御部が、前記生体情報入力部に、生体情報を読み取る処理を動作させ、
生体を検出しない場合には、バーコードを読み取る処理を動作させることを特徴とする請求項1または3に記載の生体認証システム。
【請求項7】
前記識別情報入力部が利用者の識別情報を取得せずに、前記生体情報入力部が利用者の生体情報を取得した場合で、前記取得した生体情報と前記第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合した結果、照合失敗になった場合は、利用者に識別情報の入力を促し、
前記入力した識別情報に基づいて、前記第1の照合データベース又は前記第2の照合データベースから生体情報を抽出し、照合処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の生体認証システム。
【請求項8】
前記識別情報入力部が利用者の識別情報を取得せずに、前記生体情報入力部が利用者の生体情報を取得した場合で、前記取得した生体情報と前記第1の照合データベースに記憶された生体情報とを照合した結果、照合失敗になった場合は、
前記取得した生体情報を用いて、前記第2の照合データベースに記憶された生体情報と再照合を行い、
照合成功した場合は、利用者に識別情報の入力を促し、
入力された識別情報と、前記照合成功した生体情報と対応する識別情報と、の照合を行うことを特徴とする請求項3に記載の生体認証システム。
【請求項9】
前記生体認証システムは、生体情報登録端末を有し、
前記生体情報登録端末は、
利用者から生体情報を取得する生体情報取得部と、
取得した生体情報から生体情報特徴量を抽出する制御部と、
抽出した生体情報特徴量の品質を判定する品質判定部と、を有し、
前記制御部は、
生体情報特徴量の品質が規定値以上の場合は、前記生体情報特徴量を前記第1の照合データベースに記憶させ、
生体情報特徴量の品質が規定値未満の場合は、前記生体情報特徴量を、利用者の識別情報と対応付けて前記第2の照合データベースに記憶させることを特徴とする請求項3に記載の生体認証システム。
【請求項10】
前記品質判定部は、取得した生体情報における血管と識別される画素数に基づいて、品質を判定することを特徴とする請求項9に記載の生体認証システム。
【請求項11】
識別情報入力部が識別情報を取得せずに生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、
前記生体情報入力部が生体情報を取得し、かつ、前記識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、
前記取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を前記照合データベースから取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合して、認証成功又は失敗を決定することを特徴とする生体認証方法。
【請求項12】
前記照合データベースは、複数の生体情報が記憶された第1の照合データベースと、前記第1の照合データベースに記憶された生体情報よりも品質の低い生体情報が、識別情報と対応づけて記憶された第2の照合データベースと、分割され、
識別情報入力部が識別情報を取得せずに前記生体情報入力部が生体情報を取得した場合は、
前記第1の照合データベースから未照合の生体情報特徴量を取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合し、
前記生体情報入力部が生体情報を取得し、かつ、前記識別情報入力部が識別情報を取得した場合は、
前記取得した識別情報に対応する生体情報特徴量を前記第2の照合データベースから取得し、前記取得した生体情報の生体情報特徴量と照合することを特徴とする請求項11に記載の生体認証方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図11】
【図12】
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【図14】
【公開番号】特開2012−133603(P2012−133603A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285282(P2010−285282)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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