説明

生分解性プラスチックとその使用

【課題】生分解速度を増加された生分解性プラスチックを提供する。
【解決手段】前記プラスチックは、a)均一に分散された、生分解性、水溶性の有機成分の粒子、及びb)均一に分散された、N、P及び/またはSを含み、微生物の成長を促進する無機成分の粒子を含む。前記プラスチックは、特にセルロースアセテート等のセルロースエステルを基礎とする。好適な成分a)は、水溶性の糖類及び/または水溶性の有機酸である。生分解性プラスチックは、特に、繊維、フィルム、射出成型品、顆粒ビーズ、及び容器の形態とすることができると有利である。徐放性の殺生物剤及び/または肥料を成型体内に含有することができ、前記内包物が放出されるように、成型体はより速く環境中で分解される。生分解の促進は、前述の成分の相乗的相互作用に基づいて行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解速度を増した生分解性プラスチックとその有利な使用に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コンポスト化燃料、プラスチック製品(例えばタバコの吸い殻のように不注意に環境中に投げ込まれるものであって、素早く生分解されるべきもの)、例えば植物と共に埋めることができる植木鉢のように使用目的のために土中で分解する製品、または、ポリマーマトリックスの生分解により内部の有効成分または殺生物剤が徐々に放出される農業分野における「徐放性製剤」のため、ポリ袋のコンポスト化とともにプラスチックの生分解は多くの分野で望まれている。
【0003】
US-A-5478386には、廃棄されたタバコの吸い殻の分解促進が提案されている。フィルター材料は、セルロースアセテートを基礎としており、そのうち、置換度が2.5未満のセルロースアセテートが約10%以上を占める。これは、TM125209-91の定量法にしたがって、4週間で60重量%の分解を達成するものである。セルロースアセテート、フィラメント及び/またはセルロースアセテートステープル繊維からなるフィルタートウの分解について、EP0632969B1は、アセチル価を53%未満に調製して生分解を促進するために、フィラメントまたはステープル繊維の表面に位置するセルロースアセテートを、アルカリ存在下で加水分解することを提唱している。EP0632958B1は、アセチル価を53%未満に減らすために、セルロース鎖を切り離す酵素添加剤が含まれる、分解促進を提示している。EP0777977A2は、素早く分解可能なポリマー混合物が使用された分解可能なタバコを開示している。E1221869B1は、分解性プラスチックに、分子状で分散され均一化されたN含有化合物を含むことを提示している。PCT/AT92/00126はさらに、どの水溶性または水不溶性の化合物が追加されたか、どちらがより早く分解可能かにしたがって、プラスチックの分解性を向上させることを提示している。この点について、この提示の効果が試験された。つまり、セルロースジアセテート繊維は、糖または塩化ナトリウムが、いずれの場合も2μm未満の粒子に粉砕されており、5〜10重量%の分量で混紡されて製造されている。下記にさらに詳細を示す土中埋込試験において、水溶性化合物の純粋な放出を超えて、顕著な分解促進は見られなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、どの生分解性プラスチックが促進された分解速度を有するかに従った技術的な提言を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、プラスチックが、a)生分解性、水溶性の有機化合物が十分に分散された粒子と、b)N、P及び/またはSを含み、微生物の成長を促進する水溶性の無機化合物が十分に分散された粒子を含むことを特徴とする生分解性プラスチックにより達成される。
【発明の効果】
【0006】
生分解性プラスチックが、a)例えば、糖などの生分解性、水溶性に有機化合物の均一に分散された粒子と、b)N、P及び/またはSを含み、微生物の成長を促進する水溶性の無機化合物の均一に分散された粒子とを含んでいる場合で、後者の粒子が例えば後にフィルター等に加工されるセルロースアセテート糸に混紡された場合、生分解の促進が起こることが判明した。
【発明を実施するための形態】
【0007】
この実情から発展して、この発明に関する知見がさらに進められた。その好適な構成を以下に示す。本発明は、生分解性プラスチックの選択において、いかなる制限をも受けるものではない。生分解性プラスチックは、セルロースエステル、特にセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピネート及び/またはセルロースアセテートブチレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン及び/またはポリヒドロキシ酪酸、ポリ(ラクチド−コ−グリコシド)、ポリラクチド−ポリエチレングリコールブロックコポリマーを基礎とすることが好ましい。混合物の使用が、有利となる可能性もある。
【0008】
成分a)について、関連する材料の質的な制限はない。水溶性糖類のうち、ショ糖、グルコース、マルトース及び/または乳糖が好ましい。シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ヒドロキシカルボン酸、特に乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及び/またはアスコルビン酸及び/またはアミノカルボン酸は、好適な水溶性有機酸であると考えられる。これらは、単独でも混合物でも使用できる。
【0009】
好適な成分a)として、水溶性無機窒素化合物及び/または水溶性有機リン化合物も含む。尿素、グアニジン、ヘキサメチレンテトラアミン、グリシン及び/またはアラニンもまた、水溶性有機窒素化合物として好適である。
【0010】
以下に、定性的に好適な成分b)について記載する:成分b)としては、Cl、K、Mg、Ca及び/またはFeを含む塩の形で存在することが好ましく、特に、塩はNa(NH4)2PO4、NaH2PO4、Na2SO4、(NH4)2SO4、NH4NO3、NaNO3、MgSO4、KH2PO4、FeSO4及び/またはNH4Clの形とすることが好ましい。特に好ましくは、アンモニウムオルトリン酸塩((NH4)3PO4・3H2O)、ジアンモニウムオルトリン酸水素塩((NH4)2HPO4・3H2O)、アンモニウムオルトリン酸二水素塩((NH4)H2PO4・H2O)、オルトリン酸ナトリウム(Na3PO4・12H2O)、オルトリン酸ナトリウム(NH3PO4・10H2O)、リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4・2H2O)、リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4・12H2O)、リン酸水素ナトリウム(NaH2PO4・2H2O)、ピロリン酸ナトリウム(Na2H2P2O7・6H2O)、リン酸水素ナトリウムアンモニウム(NaH(NH4)PO4・4H2O)、テトラメタリン酸カリウム((KPO3)4・2H2O)、オルトリン酸カリウム(K3PO4)、リン酸二水素カリウム(KH2PO4)、リン酸一水素カリウム(K2HPO4)、ピロリン酸カリウム(K4P2O7・3H2O)及びサブリン酸カリウム(K2PO3・4H2O)のような、水溶性のリン酸塩を使用する。これらの成分b)は、単独であっても混合物であってもよく、特に結晶の形であることが好ましい。
【0011】
本発明の目的である生分解性促進の効果は、上記の多様な定性的特徴によってのみ有利に示されるわけではない。むしろ、成分a)が約10μm未満、特に約5μm未満の平均粒度を有していることが望ましい。約2μm未満の平均粒度であれば特にこのましく、さらに約1μm未満の平均粒度であることが好ましい。本発明に従った範囲内における特に好適な対象物を実現するために、好適な定量的条件の範囲を順守するのが好ましい:生分解性プラスチックにおける成分a)は、約0.1〜40重量%、特に約1〜20重量%、さらには約5〜10重量%の量が含まれていることが好ましい。成分b)は、約0.01〜20重量%、特に約0.2〜10重量%の量で生分解性プラスチックに含まれるのが好ましい。特に好ましい範囲は、約0.3〜3重量%である。
【0012】
本発明の上記の事項は、その生分解性が増加された生分解性プラスチックに関する一般的な事項を開示するものである。実際には、この生分解性プラスチックは、特に成型品とされる。これらは、特に、繊維、包装材として使用されるフィルム、特に深く延伸されたフィルム、射出成型体、厚肉の成型体、顆粒、ミクロビーズ、ビーズ及び特に植木鉢としての容器とすることができる。
【0013】
特に、例えば、顆粒、ミクロビーズ、ビーズの成型品が、放出可能な殺生物剤または活性農薬及び/または肥料を含む形態とすることも興味深い。活性農薬剤または殺生物剤としては、例えば、防カビ剤、害虫駆除剤、除草剤、殺細菌剤、殺虫剤を含む。窒素、リン酸、カリウム、石灰及びマグネシウム肥料のような栄養肥料や、NPK肥料、NP肥料、NK肥料、PA肥料のようなマルチミネラル栄養肥料は、混合肥料として上述したものであるが、本発明における肥料として例示することができる。窒素、リン酸及びカリウムを含む混合肥料が特に好適であり、完全肥料と呼ばれる。窒素肥料は、例えば、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、石灰、尿素、尿素アルデヒド縮合物、窒素酸化マグネシウム、硫酸硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、カルシウムシアナミドを含む。本発明における好適な単一成分のリン酸肥料は、例えば、過リン酸塩、二重過リン酸塩、三重過リン酸塩、トーマス転炉の塩基性スラグ及び/またはトーマス燐肥、リン酸二カルシウムである。特に好ましいリン酸カルシウムは、アパタイトと燐灰土を含む。有利なカリウム肥料は、塩化カリウム、リン酸カリウム、及びカリウムマグネシウムのようなマグネシウムを含むカリウム塩を含む。カルシウムとマグネシウムの肥料として使用できるものとしては、例えば炭酸カルシウム、酸化カルシウムがある。上記のリストは全てを開示するものではない。
【0014】
本発明の成型部品の形とすることで、本発明における生分解性プラスチックの使用の実用的な具体化の可能性がより高くなる。本発明のプラスチックについて、糸の形状として使用することが、特に、フィルタートウへとさらに加工するのに有利である。この場合、このフィルタートウは、特にセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレートまたはセルロースアセテートプロピオネートを基礎とすることが好ましい。この場合、さらにフィルタートウへと加工されるために供給されたこれらの糸は、一般的に知られた乾式紡糸法によって生産される。しかし、特に、本発明は、本発明の生分解性プラスチックを使用してフィルムが製造されることも有利であることを示す。この場合、特に、溶液をフィルム成型法によってフィルムへと加工するか、融解したプラスチックを平面射出法またはフィルム吹出法によってフィルムへとさらに加工する。
【0015】
本発明は、特に拘束はされないが、以下のように技術的に説明することができる。発明者らは、水溶性成分として、糖とは別に、少量のアンモニウム、リン酸または硫酸のグループの塩が、均一に分散された粒子の形でセルロースアセテート糸に混紡される場合に、生分解性プラスチックが顕著に促進されることを見出した。さらなる試験によって、この事象の一般化を行うことができた。より多くの塩を含有するセルロースジアセテート糸において、この効果が見られることが示された。発明者らは、この目的のためにさらなる試験を実施した。これらは、下記の表1に示されている。表1の数値は、DIN規格EN ISO 11721-1により決定した。これは、まず「土中埋込試験」における、セルロース含有繊維の微生物への抵抗性を測定することで行われた。本発明における生分解性促進効果は、3つの効果の組み合わせによるものと推測される。第1に、均一に分散された水溶性物質の放出によって、中空構造が形成され、この中空構造により、その外側及び内側から、微生物が周囲のポリマーマトリックスを同時に攻撃することができる。第2に、中空構造は、毛細管現象とポリマーの親水性により、水分をうまく保持することができる。第3に、例えば、アンモニウムイオン及びリン酸イオンが供給されることにより、微生物の生育が促進され、微生物の生育に伴って生分解が促進される。この仮定は、リン酸イオン及びアンモニウムイオンだけでなく、硫酸、硝酸、カルシウム、マグネシウム、カリウム、及び鉄のイオンが生物の生育をもたらす、とする文献(Ullmann's Biotechnology and Biochemical Engineering, Weinheim 2007, page 29)によってサポートされている。成分a)とb)は、生分解性プラスチック内にミクロンの範囲で均一に分散されている必要があるが、その粒径もまた有用である。
【0016】
すなわち、小さな粒径とすることで、重合体の強度特性を実施的に阻害しないようにすることができる。例えば、本発明の生分解性プラスチック製品が、繊維及びフィルムのように非常に薄いものである場合、最適な品質や加工性を実現するために、特に約2μmの粒径とすることが好ましい。
【0017】
成分a)及びb)の粒径をいかにして小さくするかを当業者に開示する必要はないであろうが、下記の手法とすることが有利であることを示す:例えば、既出の塩のような微小な水溶性材料の微細化は、ボールミル内で非水溶媒(例えば、アセトン、酢酸エチル、エーテル、イソプロパノール、エタノール等)で行われる。再凝集を避けるために、溶媒に可溶性のマトリックスポリマーの一部を、予め粉砕の段階で追加する。乾式紡糸工程またはフィルム成型工程における開始懸濁液は、追加の溶媒とポリマー材料とを混合した懸濁液より得られる。すなわち、例えば、セルロースアセテート/アセトン系においては、4〜8重量%のセルロースジアセテートを含むアセトンに、糖、(NH4)2HPO4、K2SO4の固体を、10〜20重量%となるように混入し、さらに別の混同槽でさらにアセトンとセルロースアセテートを、アセトン:セルロースアセテート:微細化固体の重量比が70:28:1.5となるように添加して乾式紡糸工程の開始懸濁液を形成する。この懸濁液のフィルター及び微細な紡糸ノズルによる処理は、目詰まり等を全く起こさずに実施可能である。糸の強度のみが、著しく損なわれていることが明らかとなった。
【0018】
融解状態で処理される生分解性プラスチックに微細化された成分a)及びb)を添加する場合は、上述したような、ボールミル中の非水溶媒における湿式粉砕が最初に行われる。懸濁液が、例えばローラードライヤーまたはスプレードライヤで乾燥されることにより、ポリマーの割合はわずかに増加する。プラスチックがアセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の通常の溶媒に不溶性である場合、粉砕される製品は、例えば、アセトン中で粉砕され、1〜5%のセルロースアセテートで安定化されてもよい。上記により得られた材料は、押出成形機の混合領域において、ポリマーと混合され、マスターバッチとして、均質的に供給される。完全に粉砕された懸濁液を、混練機中のマトリックスポリマーに添加し、次いで乾燥され、融液中の通常の顆粒のように形成されてもよい。
【0019】
本発明による生分解性プラスチックは、例えば、植物とともに埋められる分解性植木のための複合材料に使用されることが、特に好ましい。乾燥されたアシ、または同様の物は、しばしばこのタイプの複合材料の第2構成物として使用することができる。植木鉢の壁表面の分解速度を増加させ、その分解速度を、分解により生じる水溶性材料や栄養の供給が適正な用量となるように調整できれば、有利である。同時に、植物自体が、プラスチック成分の生分解により徐々に放出される栄養や植物保護剤の恩恵を受けることができる。
【0020】
本発明は、実施例において、以下のように詳細に説明される。
【実施例】
【0021】
この実施例は、その生分解性を調査するための、5重量%のショ糖と、1重量%のリン酸水素アンモニウムを含むセルロースアセテート繊維の製造に関する。
【0022】
ショ糖懸濁液:
500gのショ糖を、Bachofen Multilab 直径0.8mmの酸化ジルコニウムボールを使用したBachofen Multilab KD0.31(ボールミル)で、2000gのアセトン内で、d90<1.9μmとなるように微細化した。6重量%のセルロースアセテートを加えて、懸濁液を沈殿しないよう安定化させた。
【0023】
リン酸水素ナトリウムアンモニウムの懸濁液B:
100gのリン酸水素ナトリウムアンモニウムを、ボールミルで、900gのアセトン内で、d90<1μmとなるように微細化した。6重量%のセルロースアセテートを加えて、懸濁液を沈殿しないよう安定化させた。
【0024】
紡糸液の製造:
紡糸液を製造するために、撹拌機を備えた混合槽を使用する。58.81重量部のアセトンに21.93重量部のセルロースアセテートを加えた溶液に、1重量部のショ糖懸濁液と0.4重量部のリン酸水素ナトリウムアンモニウムの懸濁液を添加した。溶液中の固形分の総量は26重量%となる。固形分の内容は以下の通りである:アセトン94重量%、ショ糖5重量%、リン酸水素ナトリウムアンモニウム1重量%。紡糸液中の水分は、2〜5重量%に調製され、12時間撹拌された。
【0025】
紡糸液は、フィルター手段により濾過された(<4μm)。フィルター上の残渣はわずかであり、紡糸液の添加物の総量にのみ影響した。
【0026】
この紡糸液を使用して、三つに分かれた交差部を有する2103dtexの繊維を供給するために、三角形状に配置されたノズルを有する紡糸ノズルにより乾式紡糸を行った。乾燥後、これらの繊維を編み込んで、0.15g/cm2の目付けで2cm×1cmの長方形の布地を作成した。これらの試験片を、EN ISO 11721-1に従って土に埋めた。一定時間後、試験片を取り出して、重量の計測とアセチル価の算出を行った。
【0027】
上述の方法は、特に有利な手段を示すものである。他の例として、5重量%のショ糖とは別に、0.1または0.5重量%のNa(NH4)2PO4を含むもの、さらには5重量%のショ糖とは別に、0.1重量%のNa(NH4)2PO4とTiO2(VLP7000)1重量%を含むものについても検討した。測定結果は、下記の表1に示されている。
【0028】
【表1】

【0029】
注記:EN ISO 11721-1における分解速度測定。4週、8週及び12週後の重量減少率の平均値は、表1に示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解の速度が増加された生分解性プラスチックであって、
a)均一に分散された、生分解性、水溶性の有機成分の粒子、及び
b)均一に分散された、N、P及び/またはSを含み、微生物の成長を促進する無機成分の粒子を含む、
ことを特徴とするプラスチック。
【請求項2】
前記プラスチックが、セルロールエステル、特にセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及び/またはセルロースアセテートブチレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン及び/またはポリヒドロキシ酪酸を基礎とする、ことを特徴とする請求項1記載のプラスチック。
【請求項3】
成分a)が水溶性の糖類及び/または水溶性の有機酸を基礎とする、ことを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック。
【請求項4】
前記水溶性糖類が、ショ糖、グルコース、マルトース及び/または乳糖である、ことを特徴する請求項3記載のプラスチック。
【請求項5】
前記水溶性有機酸が、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ヒドロキシカルボン酸、特に乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及び/またはアスコルビン酸及び/またはアミノカルボン酸である、ことを特徴とする請求項3記載のプラスチック。
【請求項6】
前記成分a)が、水溶性有機窒素化合物及び/または水溶性有機リン酸化合物である、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラスチック。
【請求項7】
前記水溶性有機窒素化合物が、尿素、グアニジン、ヘキサメチレンテトラアミン、グリシン及び/またはアラニンである、ことを特徴とする請求項6に記載のプラスチック。
【請求項8】
前記成分a)は、約10μm未満、特に、約5μm未満の平均粒度を有する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラスチック。
【請求項9】
前記成分a)は、約2μm未満、特に約1μm未満の平均粒度を有する、ことを特徴とする請求項8記載のプラスチック。
【請求項10】
前記成分a)が、約0.1〜40重量%、特に約1〜20重量%の量で前記プラスチックに含まれている、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラスチック。
【請求項11】
前記成分a)が、約5〜10重量%の量で前記プラスチックに含まれている、ことを特徴とする請求項10記載のプラスチック。
【請求項12】
前記成分b)が、Cl、K、Mg、Ca及び/またはFeを含む塩の形態で存在する、ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のプラスチック。
【請求項13】
前記塩として、Na(NH4)2PO4、NaH2PO4、Na2SO4、(NH4)2SO4、NH4NO3、NaNO3、MgSO4、KH2PO4、FeSO4及び/またはNH4Clが単独または混合体で存在する、ことを特徴とする請求項12に記載のプラスチック。
【請求項14】
前記成分b)が、10μm未満、特に5μm未満の平均粒度を有する、ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のプラスチック。
【請求項15】
前記成分b)が、約2μm未満、特に約1μm未満の平均粒度を有する、ことを特徴とする請求項14に記載のプラスチック。
【請求項16】
前記成分b)が、約0.01〜20重量%、特に約0.2〜10重量%の量で前記プラスチックに存在する、ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のプラスチック。
【請求項17】
前記成分b)が、約0.3〜3重量%の量で前記プラスチックに存在する、ことを特徴とする請求項16記載のプラスチック。
【請求項18】
特に、繊維、包装材として使用されるフィルム、特に深く延伸されたフィルム、射出成型体、厚肉の成型体、顆粒、ミクロビーズ、ビーズ及び特に植木鉢としての容器の形態の成型体である、請求項1〜17のいずれか1項に記載のプラスチック。
【請求項19】
前記成型体が、徐放性の殺生物剤及び/または肥料を含む、ことを特徴とする請求項18記載のプラスチック。
【請求項20】
特にフィルタートウを形成する糸を製造するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載のプラスチックの使用。
【請求項21】
フィルタートウを形成する糸を製造するために、乾式紡糸法を使用する、ことを特徴とする請求項20に記載の使用。
【請求項22】
フィルムを製造するためのプラスチックの使用であって、プラスチックの溶液または融液を、平面射出法またはフィルム吹き出し法によって処理し、前記フィルムを製造する、請求項1〜19のいずれか1項に記載のプラスチックの使用。

【公表番号】特表2012−505271(P2012−505271A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530389(P2011−530389)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006734
【国際公開番号】WO2010/043293
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(500017874)ローディア アセトウ ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】