説明

生活リズム人形

【課題】患者が受け入れることのできる、生活リズムを保つ指示を行う、生活リズム人形の提供。
【解決手段】人形の中に、電源2と、時計を内蔵したコンピュータ3と、音声録音用のマイクロフォン4と、録音再生装置5およびスピーカー6とを内蔵させ、両方の手のひらに操作スイッチ9を設け、人形の会話によって1日の生活のリズムが指示されることにより患者はそれを受け入れることができるようにした生活リズム人形。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝たきり老人等に生活のリズムを保たせる人形に関する。
【背景技術】
【0002】
在宅および介護施設等において、寝たきりの老人や患者は、長期間にわたって寝ていたり、痴呆であったりすることから時間の感覚が失われ、生活のリズムがわからなくなり、ひどい場合は朝、昼、夜の区別がつかなくなるようなことがあり、食事や服薬等の時間がわからなくなるということがあり、そのような老人等の生活のリズムを保つようにする器具が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−202390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の技術においては、器具そのものに興味を持たないために、使用されないことが多く、特に老人においては、興味のない器具による誘導に対してはその誘導自体を拒絶してしまうという問題がある。
また、与えられた薬を飲み忘れることが多く、それによって、病状の悪化や他の病気を併発させることが多く、そのためには時間ごとに確実に服薬させることが必要であるが、上記の如く、器具による誘導では効果が得られないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような問題を解決することを課題とするもので、患者が受け入れることのできる生活リズムを保つ指示を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、人形の中に、電源と、時計を内蔵したコンピュータと、音声録音用のマイクロフォンと、録音再生装置およびスピーカとを内蔵させ、両方の手のひらに操作スイッチを設け、人形の会話によって1日の生活のリズムが指示されることにより患者はそれを受け入れることができるようしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、人形との会話によって1日の生活のリズムが指示されることにより患者はそれを受け入れることができ、それによって1日のリズムを保つことができるようになると共に薬の飲み忘れをなくし、良好な治療を行うことができることになるという効果が得られる。
また、人形の手のひらに操作スイッチを設けたことにより、人形の手を握りながらその手のひらを押すことによってスッチ操作が行えるために、積極的に人形と会話をしたり音楽を聴いたり一緒に歌ったりするようになり、感情が高揚することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明による実施例を説明する。
【実施例】
【0008】
図1は実施例を示す回路ブロック図、図2は生活リズム例の説明図、図3は人形例の説明図である。
図3において、1は人形本体であり、この中に図1に示すような回路が構成されている。
現在、ドールセラピーとして高齢者施設や擁護老人ホーム等で人形が使用されているもので、人形が癒しの新しいかたちとして捉えられている。そこで、本発明は人形を用いることにより老人達の生活や感情が高揚されることに着目してわすれてしまう生活のリズムを保たせようとするものである。
【0009】
図1において、2は電池等による電源、3は時計を内蔵したコンピュータ、4は音声録音用のマイクロフォンであり、予め固定音声をライン入力するためにメーカー側で使用するもので、固定音声を録音するものである。本実施例では録音再生装置5が一体として表示してある。6はスピーカ、7は表示部である。8は必要に応じて設ける音源であり、例えば区切りごとに発する電子音等の音源である。
【0010】
前記固定音声とは、会話音声と定時音声があり、会話音声は例えば「あそぼう」「げんき」「だいて」等であり、定時音声は例えば「おはよう」「朝ごはんですよ」「おくすりをのみましょう」「トイレにいきましょう」等である。
録音再生装置5には童謡や唱歌等の音楽が録音されている。
表示部7は時刻や前記定時音声の内容等を文字表示する。
【0011】
さらに、人形の所望個所に取付けたメインスッチ9の他に、左右の手のひらにスイッチが内蔵されており、例えば、右手のスイッチを録音再生装置のスイッチとし、左手のスイッチを固定音声のスイッチとしておく。これによって、それぞれの手のひらを押すと上記のような言葉を発声したり音楽が流れることになる。このような音楽が替わるごとの間にその替わることを知らせる音を音源からながしてもよい。
【0012】
以上の構成によると、各部の動作は、図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない制御部により制御され、人形との会話ができ、利用者は感情が高揚され、看護人との会話も進んだり行えるようになったりすると共にドールセラピーの効果が一層高まることになる。
定時音声は、時間ごとに必ず発声するものであり、例えば、図2に示す如く、時間ごとに上記した言葉を設定しておき、起床の時間、朝、昼、晩の各食事の時間、各食後の服薬指示、トイレの指示等をタイムチャートとしてコンピュータ3にセットしておく。
【0013】
これによって、1日の生活のリズムをきざむことができるようになると共に薬の飲み忘れを防止することができることになる。
このような構成によると、人形との会話によって1日の生活のリズムが指示されることによって患者がそれを受け入れることができ、それによって1日のリズムが保てると共に薬の飲み忘れをなくし、良好な治療を行うことができることになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例を示回路図
【図2】生活リズム例の説明図
【図3】人形例の説明図
【符号の説明】
【0015】
1 人形
2 電源
3 コンピュータ
4 マイクロフォン
5 録音再生装置
6 スピーカ
7 表示部
8 音源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形の中に、電源と、時計を内蔵したコンピュータと、音声録音用のマイクロフォンと、録音再生装置およびスピーカとを内蔵させ、両方の手のひらに操作スイッチを設け、人形の会話によって1日の生活のリズムが指示されることにより患者はそれを受け入れることができるようしたことを特徴とする生活リズム人形。














【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−285981(P2007−285981A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116169(P2006−116169)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(597129229)チェスト株式会社 (31)
【Fターム(参考)】