説明

生物剤の自律モニターシステム

生物剤をモニターするための自律モニターシステム。コレクタは、空気、水、土壌、又はモニターされる物質を収集する。サンプルを調製するためのサンプル調製手段は、コレクタに効果的に接続される。サンプル中の生物剤を検出するための検出器は、サンプル調製手段に効果的に接続される。本発明の一つの実施態様は、サンプル中の生物剤を確定するための確定手段を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生物剤に関し、より詳細には、生物剤のモニターに関する。
【背景技術】
【0002】
民間レベルで作用することができる分散された驚異的な生物剤のセンサー・ネットワークを開発する重大な必要が存在する。“防御/警告のための検出”タイプの検出構造で作用するために、これらのプラットフォームはいくつかの重要な特性を有する必要がある。それらは、事件に対応する十分な時間を考慮に入れて、1乃至2時間のタイムウィンドウ(time window)内に病原体を検出可能にする必要がある。連続的なモニターが多くの適用にとって不可欠であるので、それらのプラットフォームを維持するためには相当に低コストである必要がある。それらのプラットフォームは、(センサーの必要数を制限して)広範囲な地理的な領域をカバーするために十分な感度を有し、事実上、誤った陽性反応を除去するために十分な選択性を有することが必要である。現在利用可能な生物兵器検出システムは、主に戦場での軍隊の使用のために設計されている。これらのシステムを配置することは多くの場合、高価であり、また、そのシステムは一般人の保護には結局のところ、不適当である。
【0003】
例えば、下記の報告がある。“政府の上級官僚が述べるに、バイオテロリズムの脅威に対する防御を支援するために、ブッシュ政権は水曜日に、炭そ菌、天然痘及び他の致命的な細菌が大気中へ放出されたとしても24時間以内に伝達するように意図される、環境モニターの全国システムの配備を開始する。このシステムは、9月11日の攻撃以来、密かに改造され、過去9か月間にわたってテストされた、高度なデータ分析を使用する。それは、国内の至る所の環境保護機関の3000台の大気モニターステーションの多くを適合させ、無能力にして殺傷する疾病を引き起こす異常に多量の広範囲の病原体を登録する。新しい環境の監視システムは、エネルギー省の国立研究所によって一部開発されたモニター技術及び方法を使用する。DNAサンプルは、サンプル中の生物の遺伝記号を検査するPCR技術を使用して分析され、その生物の迅速で正確な評価を行う。そのシステムの開発を支援した官僚によると、ユタのダグウェイ実験場及び国立研究所で行った試験は、そのシステムが、いくつかの最も危険な病原体の計画的な発散をほぼ確実に検出し得ることを示した。「明らかに、放出が拡大すると、生物剤が検出される可能性が高まる」とのコメントを官僚は述べた。「しかし、EPAシステムによって提供される報道によると、風向及び他の気象条件に依存して、わずかな放出であっても検出される可能性がある。」”(例えば、非特許文献1参照。)
例えば、下記の報告がある。“2001年の炭そ菌攻撃と、その結果としての5人の死は、米国人にバイオテロの現実を痛感させ、そのような将来の如何なる攻撃の影響を察知し緩和する方法の必要性に関して米国政府を目覚めさせた。炭そ菌攻撃のかなり以前、米国エネルギー省のローレンスリバーモア国立研究所(LLNL)とロスアラモス国立研究所(LANL)の二箇所の国立研究所の研究者は、生物剤の犯罪の使用を迅速に検出するために煙探知器と同種の“生物検出器”の開発に追われていた。数時間内に主な米国の都市に対して空気伝染されたバイオテロリスト攻撃を察知するように計画されている米国政府が最近明らかにした反テロリズムの国家保護議案、いわゆるバイオウォッチに対して、この技術が多大な役割を果たすと期待される。バイオウォッチは多面的であり、米国エネルギー省、環境保護機関(EPA)、米国保健省、及び米国疾病管理センター(CDC)を含む多機関のプログラムであると1月に発表された。EPAによると、無能力にして殺生する疾病を引き起こす異常に多量の多岐にわたる病原体を登録するように、国の至る所でのEPAの3000台の大気モニターステーションの多くは、生物検出器と適合されている。報告によると、結局のところ、米国の120を越える都市をモニターする、環境モニター及び生物検出器の全国的なネットワークが24時間以内に生物攻撃を察知し報告することが期待される。保安上の理由で、EPAは、プログラムに関するその他の細部をこの時期に開示しなかった。自律病原体検出システム(APDS)は、空気を吸収し、検査を実行し、その結果を報告する、ファイルキャビネットサイズ型(file−cabinet−sized)の機械である。APDSは、同時に多数の病原体及び/又は毒素を検出することができるコンパクトな自律操作機器を提供するように、フローサイトメーター及びサンプル収集とサンプル調製を備えたPCR検出器と、フルイディクスとを統合する。ラングロイス(Langlois)のコメントでは、そのシステムは、連続的に空気サンプルをモニターして、特定の生物剤の存在を自動的に報告する固定した位置において設計される。ラングロイスのコメントでは、APDSは、一般民衆にとって、生物剤の密かな放出に対する危険性が高い、地下鉄システム、輸送ターミナル、広大なオフィスビル及びコンベンション・センターなどの国内の適用を目標とする。APDSは、100の異なる生物剤を測定する性能を提供し、単一サンプルで制御する。現在、公共建物で使用されている。生物検出器とAPDS−IIの最新の発展は、複数の擬似生物の同時鑑定用のビーズ捕獲免疫アッセイ(bead−capture immnoassay)及びコンパクトなフローサイトメーターを使用する。実験室のテストは、24時間におけるAPDS−IIの完全に自律な操作を実証した。”(例えば、非特許文献2参照。)
【非特許文献1】ジュディス・ミラー著、“米国は、細菌攻撃用のモニターシステムを配備している”、ニューヨークタイムズ、2003年1月22日
【非特許文献2】サリー・コール著、“生物検出器の発展、米国都市のモニター”、ホームランドセキュリティーソリューションズ、2003年5月発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の特徴及び利点は、下記の記載から明白となるであろう。本発明の広範な表現を与えるために、添付図と特定の実施態様の実施例を含む記載を提供する。本発明の実施によって、本発明の趣旨及び範囲内の様々な変更及び修正は、下記の記載から当業者にとって明白となる。本発明の範囲は、開示された特定の形態を限定するように意図されず、本発明は、請求項によって規定されるような本発明の趣旨及び範囲内のすべての修正、等価物及び代案を含む。
【0005】
本発明は、生物剤を検出するために空気をモニターするシステムを提供する。空気中の粒子はサイズによって分離され、生物剤を含み得るサイズ範囲の粒子が集められる。収集された粒子中の任意の生物剤は、検出システムによって検出される。本発明の一つの実施態様は、粒子にPCR試薬を加え、粒子でPCR増幅を行い、PCRアンプリコンを検出することによる生物剤の確定を含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施態様は、空気、水、土壌、又は他の物質の生物剤をモニターするための自律生物剤モニター装置を提供する。コレクタは、モニターされる空気、水、土壌、又は他の物質を集める。サンプルを調製するためのサンプル調製手段は、効果的にコレクタに接続される。サンプルで生物剤を検出するための検出器は、効果的にサンプル調整手段に接続される。本発明の一つの実施態様は、サンプル中の生物剤を確定するための確定手段を含む。
【0007】
本発明の一つの実施態様は、空気、水、土壌、又は他の物質の生物剤をモニターするための自律モニター装置を提供する。コレクタは、モニターされる空気、水、土壌、又は他の物質を集める。コレクタは、空気、水、土壌、又は他の物質から選択された潜在的な生物剤粒子を分離する。サンプル調製手段は、選択された潜在的な生物剤粒子のサンプルを調製する。サンプル調製手段は、コレクタによって集められた空気、水、土壌、又は他の物質からのサンプルを調製するためのコレクタに効果的に接続する。検出器は、サンプル中の生物剤を検出する。検出器は、サンプル調製手段に効果的に接続される。
【0008】
一つの実施態様において、コレクタは、プロダクト気流(product air flow)を受け、液体中の所定の粒子サイズ範囲の潜在的な生物剤粒子をトラップして、且つ濃縮する、湿式壁のサイクロンコレクタ(wetted−wall cyclone collector)を含む。一つの実施態様において、サンプル調製手段は、サンプルの注入及び/又は吸入のための手段と、サンプルに試薬を添加するための手段と、サンプルと試薬を混合するための手段と、サンプルと試薬を輸送するための手段を含む。一つの実施態様において、マイクロビーズは、光エンコードされ、光エンコードされたマイクロビーズは、サンプル中の生物剤を検出する際にレーザーによってインターロゲートされる(interrogated)。
【0009】
本発明は、修正及び代替の形式が可能である。特定の実施態様が実施例によって示される。本発明は開示された特定の形態に限定されないことが理解される。本発明は、請求項によって規定される本発明の趣旨及び範囲内のすべての修正、等価物、及び代替を含む。
【0010】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図は、前述した本発明の一般的な記載と、特定の実施態様の詳細な記載と共に、本発明の特定の実施態様を例示し、本発明の原理を説明する役割をする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
添付図、下記の詳細な記載、及び組み込まれた物質を参照するに、本発明に関する詳細な情報は、特定の実施態様の記載を含んで提供される。詳細な記載と特定の実施態様は、本発明の原理を説明する役割をする。本発明は、修正及び代替の形態が可能である。本発明は、開示された特定の形態に限定されない。本発明は、請求項によって規定される本発明の趣旨及び範囲内のすべての修正、等価物、及び代替を含む。
【0012】
テロリストは炭そ菌に汚染されたパッケージを送りつけ、軍隊はシアン化カリウムを獲得し、狂信的なカルト集団は選挙で勝利するために地域住民を毒殺する。悲しいことに、これらのシナリオは3つの最新ベストセラーのプロットではなく、むしろ、かなり現実的な危険性がある、まさに実際の出来事である。
【0013】
1990年代の中頃まで、米国議会は、生物テロに対する米国民の脆さを検討し始め、小規模な生物テロにさえに対処する私たちの能力が相当に欠けていることが分かった。当初の考えは、容易に一般のアリーナへ国防総省の技術を移すことができるかもしれないということであった。しかしながら、さらには、軍部と民間の防衛の必要性のオーバーラップがあるが、生物兵器の場合、注目すべき違いがあるものとされ、それらの違いは、(1)致死量を回避するために脅威に対して十分に迅速に対応するように、兵士は訓練され、保護ギヤーを装備する。(2)軍事情報部は、通常、比較的わずかな生物剤に対する潜在的な脅威を削減する。(3)軍部の戦場での戦略は、兵士数を最小限にするように計画される。しかしながら、民間人は訓練もしていなければ、装備もしておらず、どのような考えられる病原体に対して抵抗性がなく、わずかな拡散が潜在的に何千人をも感染させることができる大群衆(特別なイベント、スポーツ会場など)となって集まっている。近年、これらの違いに応じて、米国エネルギー省を含む連邦機関は、一般人の生物テロに対する弱さを縮小するために費やされる研究努力に対して、資金を提供し始めた。
【0014】
現在、様々な機関の脅威リストにおいて30を越える病原体及び毒素がある。一般の衛生士は、ほとんどの病原体を識別することができず、迅速に識別するのは困難である。加えて、多くの病原性の伝染病が、数日間遅れて、直ちに徴候的ではなく、疾病をコントロールし、かつ患者を治療するオプションを制限する。現在の脅威リストにおける多数の病原体又は毒素を迅速に検知し識別することができる実際的なモニター・ネットワークの不足は、生物テロに対する米国の対応力のあまりのなさを意味する。
【0015】
図1を参照するに、本発明と一致して構成された自律病原体検出システムの実施態様がブロック図によって例示される。自律病原体検出システムは、全体として、参照番号100によって示される。自律病原体検出システム100は、収集101、サンプル調製103及び検出105を提供する。収集101は、空気サンプル、水のサンプル、土壌サンプル又は他の物質のサンプルを提供するために空気、水、土壌及び他の物質を収集することを含む。
【0016】
収集101の後、サンプルは矢印102で示されるようにサンプル調製103に送られる。サンプル調製103は、自動化されたサンプル、免疫アッセイサンプル及び/又は核酸アッセイサンプルを提供する。サンプル調製103において、サンプルは濃縮、精製、胞子のリーシス、混合及び/又は増幅されてよい。
【0017】
サンプル調製103の後、サンプルは矢印104で示されるように検出に送られる。自律病原体検出システム100の一つの実施態様において、検出は多重免疫アッセイ検出器による。自律病原体検出システム100の別の実施態様において、検出は多重PCR検出器による。
【0018】
自律病原体検出システム100は、生物剤を含有する粒子について空気、水、土壌又は他の物質をモニターするための機器及び方法を提供する。自律病原体検出システム100は、モニターされる空気、水、土壌又は他の物質を収集するためのコレクタと、該コレクタによって収集された空気、水、土壌又は他の物質からサンプルを調製するためのサンプル調製手段と、及びサンプル中の任意の生物剤を検出するための検出器を含む。一つの実施態様において、コレクタは、エアゾールコレクタである。別の実施態様において、コレクタは水、土壌又は他の物質を収集する。一つの実施態様のコレクタは、関心のある粒子から別の粒子を分離するためのセパレータ手段を含む。関心のある粒子は、所定のサイズ範囲である。
【0019】
一つの実施態様において、コレクタは、空気を収集し、所定の粒子サイズの範囲の粒子を含まないバイパス気流と、所定の粒子サイズの範囲のサンプル粒子を含むプロダクト気流とに空気を分離するための手段を含む、エアゾールコレクタである。湿式壁のサイクロンコレクタは、プロダクト気流を受け、液体中の所定の粒子サイズの範囲の粒子をトラップし、濃縮する。
【0020】
一つの実施態様において、サンプル調製手段は自動化されている。一つの実施態様において、サンプル調製手段は免疫アッセイサンプルを提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は核酸アッセイサンプルを提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は、空気、水、土壌又は他の物質の濃縮を提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は、空気、水、土壌又は他の物質の精製を提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は、空気、水、土壌又は他の物質のリーシスを提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は、空気、水、土壌又は他の物質の混合を提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は、増幅を提供する。
【0021】
自律病原体検出システム100の一つの実施態様において、検出器は多重免疫アッセイ検出器である。自律病原体検出システム100の一つの実施態様において、検出器は多重PCR検出器である。
【0022】
自律病原体検出システム100の主要な焦点はテロリスト攻撃からの民間人の防御であり、システムは、さらに細菌戦攻撃から軍人を保護する役割を担う。自律病原体検出システム100はまた、医療施設及び研究開発施設での用途を有する。自律病原体検出システム100は健診モニターでの用途を有する。生物剤のモニターが有用である、様々な医学的な適用がある。この最良の例は、患者及びヘルスケア専門家の健康を脅かし得る結核又は院内感染などの高い伝染性の生物剤における病院及びクリニックでのモニターである。自律病原体検出システム100はまた、環境のモニター、すなわち生物種の環境上のモニターから利益を得るすべての適用での用途を有する。一つの例は、家畜の健康に影響し得るバクテリア及び他の病原体の連続的なエアゾールモニターである(最近の口蹄疫の発生など)。別の実施態様は、大多数の人口の健康に影響し得るウィルスの連続的なエアゾールモニターである(最近のSARSの発生など)。
【0023】
ここで図2を参照するに、本発明と一致して構成された自律病原体検出システムの別の実施態様がブロック図によって例示される。自律病原体検出システムは、全体として、参照番号200によって示される。自律病原体検出システム200は、収集201、サンプル調製303、検出205及び確定207を提供する。収集201は、空気サンプル、水のサンプル、土壌サンプル又は他の物質のサンプルを提供するために空気、水、土壌及び他の物質を収集することを含む。
【0024】
収集201の後、サンプルは矢印202で示されるようにサンプル調製203に送られる。サンプル調製203は、自動化されたサンプル、免疫アッセイサンプル及び/又は核酸アッセイサンプルを提供する。サンプル調製203において、サンプルは濃縮、精製、胞子のリーシス、混合及び/又は増幅されてよい。
【0025】
サンプル調製203の後、サンプルは矢印204で示されるように検出に送られる。自律病原体検出システム200の一つの実施態様において、検出は多重免疫アッセイ検出器による。自律病原体検出システム200の別の実施態様において、検出は多重PCR検出器による。
【0026】
サンプル調製203と病原体が検出された検出205の後、サンプルはサンプル調製203から確定モジュール207に送られる。これは図2の矢印206によって例示される。一つの実施態様において、サンプル中の生物剤の確認のためのシステムは、多重免疫アッセイ検出器である。自律病原体検出システム200の一つの実施態様において、サンプル中の生物剤の確認のためのシステムは、多重PCR検出器である。自律病原体検出システム200の一つの実施態様において、サンプル中の生物剤の確定のためのシステムは、リアルタイムPCR検出器である。
【0027】
自律病原体検出システム200は、生物剤を含有する粒子について空気、水、土壌又は他の物質をモニターするための機器及び方法を提供する。自律病原体検出システム200は、モニターされる空気、水、土壌又は他の物質を収集するためのコレクタと、該コレクタによって収集された空気、水、土壌又は他の物質からサンプルを調製するためのサンプル調製手段と、サンプル中の生物剤を検出するための検出器と、及びサンプル中の生物剤を確定するためのシステムを含む。一つの実施態様において、コレクタは、エアゾールコレクタである。別の実施態様において、コレクタは水、土壌又は他の物質を収集する。一つの実施態様のコレクタは、関心のある粒子から別の粒子を分離するためのセパレータ手段を含む。関心のある粒子は、所定のサイズ範囲である。
【0028】
一つの実施態様において、コレクタは、空気を収集し、所定の粒子サイズの範囲の粒子を含まないバイパス気流と、所定の粒子サイズの範囲のサンプル粒子を含むプロダクト気流とに空気を分離するための手段を含む、エアゾールコレクタである。湿式壁のサイクロンコレクタは、プロダクト気流を受け、液体中の所定の粒子サイズの範囲の粒子をトラップし、濃縮する。
【0029】
一つの実施態様において、サンプル調製手段は自動化されている。一つの実施態様において、サンプル調製手段は免疫アッセイサンプルを提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は核酸アッセイサンプルを提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は、空気、水、土壌又は他の物質の濃縮を提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は、空気、水、土壌又は他の物質の精製を提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は、空気、水、土壌又は他の物質のリーシスを提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は、空気、水、土壌又は他の物質の混合を提供する。別の実施態様において、サンプル調製手段は、サンプルの増幅を提供する。
【0030】
自律病原体検出システム200の一つの実施態様において、検出器205は多重免疫アッセイ検出器である。自律病原体検出システム200の一つの実施態様において、検出器205は多重PCR検出器である。
【0031】
自律病原体検出システム200の一つの実施態様において、サンプル中の生物剤の確認のためのシステム207は、多重免疫アッセイ検出器である。自律病原体検出システム200の一つの実施態様において、サンプル中の生物剤の確認のためのシステム207は、多重PCR検出器である。自律病原体検出システム200の一つの実施態様において、サンプル中の生物剤の確定のためのシステム207は、リアルタイムPCR検出器である。
【0032】
図3乃至図12を参照するに、自律病原体検出システム(AUTONOMOUS PATHOGEN DETECTION SYSTEM)(APDS)として指定された本発明の特定の実施態様が示される。APDSは、全体として、参照番号300によって示される。APDS300は、同時に多数の病原体及び/又は毒素を検出することができるコンパクトで、自律的に作用する機器を提供するように、フローサイトメーターと、サンプル収集及びサンプル調製を有するPCR検出器に、フルイディクスを統合する。APDS300は、連続的に空気サンプルをモニターし、自動的に特定の生物剤の存在を報告する位置で設計されている。ペストと炭そ菌は、2つの病原体であり、APDS300が他の多数と共に識別する。APDS300は、100までの異なる生物剤を測定する可能性を含んでおり、単一のサンプルで制御する。
【0033】
APDS300は、多数の空気伝染の驚異的な生物剤の迅速で、連続的で、低コストの環境モニターが可能な独立型の病原体検出システムを提供する。システム300は、多数の重要な特徴を備える“防御/警告するための検出”システムを提供する。システム300は、事件に対応する十分な時間を考慮に入れて、1乃至2時間以内のタイムウィンドウで病原体の検出が可能である。連続的なモニターが多くの適用にとって不可欠であるために、システム300は維持するためにかなり低コストである。システム300は、広大な地域をカバーするために十分な感度を有し(必要な数のセンサーを制限する)、誤った陽性判断を除外するために十分な選択性を有する。
【0034】
多重アッセイは、例えば、米国の郵便サービスのメールスクリーニングで長期モニター操作を可能にして、試薬コストを削減するために使用される。直交の検出部分は、抗体に基づいたアッセイと核酸に基づいたアッセイとを組合せ、誤った陽性判断を相当に低いレベルまで削減する。抗体アッセイは、タンパク質毒素のような核酸なしの生物剤を含むすべてのタイプの生物剤に検出器が反応することを可能にする。核酸アッセイは、与えられた面積を保護するために必要とされるセンサーの数を削減して、さらにより高感度な検出を可能にする。完全に自律なエアゾール収集及びサンプル調製性能は、メンテナンスの必要性を制限し、中央のセキュリティ又はモニター・ネットワークへの統合を可能にする。
【0035】
再度、図3を参照するに、ブロック図はAPDS300を例示する。操作において、エアゾール収集システムは連続的に大気をサンプリングし、攪拌緩衝液中の粒子をトラップする。与えられたサイズ分配の粒子は、仮想衝撃装置ユニットにおいて流速を変えることによって選択される。インラインサンプル調製システムは、すべてのサンプル調製ステップ(つまり、混合、洗浄、インキュベーションなど)を提供し、ルミネックス(Luminex)フローサイトメーターを使用して多重検出を実行する。
【0036】
“検出”サブシステムにおいて、収集されたサンプルは、光エンコードされたマイクロビーズと混合される。マイクロビーズの各色は、与えられた生物剤に特異的な捕獲アッセイを含む。蛍光ラベルが、結合ビーズ(bound bead)上の各生物剤の存在を識別するために添加される。光エンコードされて蛍光標識された各マイクロビーズは、フローサイトメーターで個々に読取られ、蛍光強度は生物剤の濃度と相関する。
【0037】
“確定”サブシステムにおいて、PCR(核酸)増幅及び検出は、生物剤の存在を確定する。アーカイブサンプル(archived sample)は、Taqman試薬と混合され、次いで、SIAシステムによってフロースルーのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システムに導かれる。ターゲットとされた生物剤に関連した特定の核酸のサインが増幅され、Taqmanプローブによる複製した核酸から生じる蛍光を使用して検出される。
【0038】
“統合リモート・コントロール及びフィードバック”サブシステムにおいて、中央コンピュータはすべての機器の機能を制御する簡素なシリアルに基づくラボビュー(Labview)制御システムを使用する。ソフトウェアシステムは、データの獲得、リアルタイムのデータ分析、及びグラフィカルユーザインターフェースを介した結果報告を提供する。
【0039】
APDS300は、独立した“ATM”スタイルのシャシーに統合される。すべての流体及び試薬が機器に含まれる。APDS300は、下記のサブシステム:エアゾール収集301、インラインサンプル調製302、検出−液体アッセイに基づく多重免疫アッセイ検出及び/又は核酸アッセイ検出303、確定−インライン核酸増幅及び検出304、並びに統合リモート・コントロール及びフィードバック305を含む。サブシステムがさらに詳細に記載される。
【0040】
APDSエアゾール収集−301
APDS300の第一段階は、ターゲットとする生物剤を含み得る空気伝染する粒子の収集を提供する“エアゾール収集”である。生物剤のエアゾールの放出は、テロリスト組織の考えられるシナリオのうちの1つと考えられる。細菌戦での生物剤に対して急速に広大な人口を曝す方法のうちの1つは、エアゾールの使用を通じて行うことである(最近では、郵便受けでの比較的小規模な炭そ菌の拡散の影響を目撃)。エアゾール収集システム301は、連続的に空気をサンプリングし、攪拌緩衝液中の粒子をトラップする。与えられたサイズ分配の粒子は、仮想衝撃装置ユニットにわたって流速を変えることにより選択される。
【0041】
エアゾール収集システム301は、ローパスエアゾール部分と、関心のある粒子を湿式壁のサイクロンコレクタに伝達する、仮想衝撃装置のプレコンセントレーション(preconcentration)を活用する、マルチステージのエアゾールコレクタである。仮想衝撃装置は、人間の肺中で捕らえら得る粒子のサイズである1乃至10gmの粒子を捕らえる。湿式壁のサイクロンコレクタにおいて、粒子は、下流での処理をかなり容易にして、流体に収集される。毎分3000リットルまでの獲得の高収集率のファン及び入力は、多くの粒子が短期間にわたって収集されることを可能にして、検出システムにより流れる。エアゾール収集システムは、改善した感度及び減少した収集時間を提供する。オンボードコンピュータは、空気の流速及び収集した粒子のサイズ範囲を制御する。粒子カウンターは、収集された粒子のサイズ及び量におけるリープタイム(reaptime)フィードバックを提供する。
【0042】
図4及び5によって示されるように、エアゾール粒子の相当に多い量は、所定サイズよりも小型の粒子の通過を単に可能にするだけのために設計されるキャップ402に形成される環状スロット401に引き込まれる。所定のサイズは、所望のように選択できる。エアゾール粒子の非常に多量の流れ(例えば、3313Lpmまで)は、10ミクロンよりも小さい粒子の通過を単に可能にするだけのために設計されるキャップ402に形成される環状スロット401に引き込まれることができる。容認された粒子は、環境へ1ミクロン未満のエアゾール粒子をすべて戻す、ダイコトマス(dichotomous)仮想衝撃部分403へ継続し続ける。プロダクトとして知られる残りの粒子(1乃至10ミクロン)は流れる。プロダクトは、次のセクションに流れ続ける。
【0043】
図5によって最良に例示されるように、多量のエアゾール粒子は、キャップ402に形成された環状スロット401に引き込まれる。環状スロット401は、粒子がコレクタに入るように、上限か又はより広範な微粒子のサイズ範囲を制限するように設計される。小型の微粒子を効率的に通過するように、キャップ402は“パッシブ”装置であり、それは可動部を有さず、有限量を有しフローストリーム(この場合は空気)で移動する微粒子がそれらの慣性によりストリームラインに正確に続かないであろうという事実を使用する。ストリームラインの湾曲が十分に大きく、微粒子の量が相応して高い場合、粒子は表面と衝突するようにストリームラインから十分な距離で離れる。粒子は環状スロット401に引き込まれ、遷移部分409に導かれる。
【0044】
APDS300は、4サイズ範囲を備えた内蔵の粒子カウンターを介してサンプリング環境で粒子サイズを測定する性能を有し、リアルタイムで結果を記憶し表示できる。システムは完全に独立し、単に110vac出力接続を必要とする。オンボードコンピュータは、これらのサンプリング・システムのネットワークが遠隔に操作されることを可能にする高速通信性能を有する。
【0045】
APDS300は、ほとんどの環境サンプリングにおいて有用である。特に、生物的な物質の収集に有用であるが、どのような空気伝染物質の収集においても使用できる。APDS300は、コンベンション・センター及び競技場のような公共建築での空気品質をサンプリングするために使用することが可能で、食品加工設備の中でのサンプリング、動物ペン(養鶏所)のサンプリング、又は花粉若しくは殺虫剤の存在の果樹園あるいは農業地域のモニターで使用する。APDS300の比較的コンパクトなサイズと質量のため、航空機又は地下鉄のシステムで見つかるような閉じ込められた空間でサンプリングするために使用することができる。
【0046】
ここで図6を参照するに、仮想衝撃装置部分403が、より詳細に示される。仮想衝撃装置部分403において、分離効率は、主な流れとマイナーな流れ(又はプロダクトに対するバイパス)の比率と、ノズル及び収集プローブの物理的な規模によって決定される。重要なことは、マイナーな流れで濃縮するカットサイズよりも大型の微粒子である。濃度ファクターは、マイナーな流れに対する全流れの比率である。(マイナーな流れが全流れの25%である場合、濃度ファクターは4である。)エアゾールは、加速ノズル601を通過する。加速ノズル601は、直径Dを有する。エアゾールは収集プローブ602に向かって導かれる。収集プローブは、直径Dを有する。加速ノズル601と収集プローブ602との間で、流れ603の主要な部分は90度で転換される。マイナー又は“プロダクト”の流れ604は、軸方向に続く。
【0047】
流れはストリームライン605を形成する。低い慣性の小さな粒子606は、流れのストリームラインに続き、主な流れ603で放射状に運び去られる。より大きな慣性を備えた大型の粒子607は、フローラインから離れるが、それらはマイナー又は“プロダクト”の流れ604で収集プローブ602を下って前方の経路で軸方向に移動し続ける。分離効率は、主な流れとマイナーな流れ(又はプロダクトに対するバイパス)の比率と、ノズルD及び収集プローブDの物理的な規模によって決定される。重要なことは、マイナーな流れで濃縮するカットサイズよりも大型の微粒子である。濃度ファクターは、マイナーな流れに対する全流れの比率である。
【0048】
図7を参照するに、サンプル収集操作の追加的な詳細が示される。プロダクトの流れとして知られる粒子(1乃至10ミクロン)は、マルチステージで湿式壁のサイクロン収集部分に導かれる。サンプリング・システムにおけるこのステージにおいて、プロダクト粒子はトラップされて、2乃至7cc容量の典型的には水である液体に濃縮される。オンボードコンピュータは、サイクロンでの液体レベルの制御と同様に、内蔵のホットワイヤー風速計を使用して、システムを通過する空気の流れをモニターし、制御する。選択された時間に、コンピュータは空気の流れを停止し、外部の液体のサンプル・ポート経由でサンプルを伝達するために内蔵の蠕動ポンプを作動させる。
【0049】
プロダクトの流れの粒子は、マルチステージで、湿式壁のサイクロンコレクタ部分700の入力へステンレス鋼漏斗部分に入る。システムは、サイクロンコレクタ701、蠕動ポンプ707、空気ポンプ704、抜け口706、洗浄705、8リットルの蒸留水の貯蔵所702、及び1リットルの漂白剤の貯蔵所703を含む。貯蔵所702及び703は、フロントパネルのインターフェース708の外側の外部タンクとして提供される。マルチステージで湿式壁のサイクロンコレクタ部分700は、関心のある粒子をサンプル調製システム302に導く。
【0050】
オンボードコンピュータは、サンプラーの2つの排気ポートにマウントされている、内蔵のホットワイヤー風速計を使用して、システムを通過する空気の流れをモニターし、制御する。コンピュータ及び制御ソフトウェアはまた、サイクロンでの液体レベルを制御し、サンプリング・システムのすべての状態インジケータをモニターするように作用する。選択された時間に、コンピュータは空気の流れを停止し、外部のサンプル・ポート経由で収集された液体サンプルを伝達するために内蔵の蠕動ポンプを作動させる。システムはまた、4サイズ範囲を備えたBiotest APC−1000などの内蔵の粒子カウンターを介して背景環境で粒子サイズを測定する性能を有し、リアルタイムで結果を記憶し表示できる。
【0051】
システム300は、完全に独立して、単に110vac出力接続を必要とする。オンボードコンピュータは、多重サンプリング・システムのネットワークが遠隔に操作されることを可能にする高速通信性能を有する。コンピュータは、他の機器を制御するために使用できる、余分なRS−232又はRS−485シリアルポートを有する。キーボード、マウス、プリンター、ディスプレイ及び他の周辺機器は、システムの背部で“プラグイン”可能であるか、又は“ヘッドレス”で開始できる(ヘッドレスは、ディスプレイ、マウスなどを備えないことを意味する)。
【0052】
図8A、8B及び8Cを参照するに、APDSエアゾール収集301及びAPDSインラインサンプル調製302のサブシステムがより詳細に示される。エアゾール収集システム301は、“高収集率エアゾールサンプリング・システム”(HiCRASS)と呼ばれる。HiCRASSは、ローパス“キャップ”402と、遷移部分409と、仮想衝撃装置403と、フーネル部分410と、マルチステージで湿式壁のサイクロンコレクタ700と、バイパスファン412と、及び制御コンピュータ714を含む。
【0053】
HiCRASSシステムは、コレクタに入るように上限又は広範囲な微粒子のサイズ範囲を制限するように設計されるキャップ402に形成される環状スロット401に引き込まれる、非常に多量のエアゾール粒子の流れ(例えば、3313Lpmまでの)を提供する。環状スロット401は、10ミクロンよりも小型の粒子の通過を可能にする。小型の微粒子を効率的に通過するように、キャップ402は“パッシブ”装置であり、それは可動部を有さず、有限量を有しフローストリーム(この場合は空気)で移動する微粒子がそれらの慣性によりストリームラインに正確に続かないであろうという事実を使用する。ストリームラインの湾曲が十分に大きく、微粒子の量が相応して高い場合、粒子は表面と衝突するようにストリームラインから十分な距離で離れる。容認された粒子は、環境へ1ミクロン未満のエアゾール粒子を実質的にすべて戻す、ダイコトマス仮想衝撃部分403へ角の周りで継続し続ける。
【0054】
仮想衝撃装置403は、エアゾールが加速ノズル601を通過するように動作し、流れ603の主要な部分が90度で転換される、収集プローブ602に向かって導かれる。流れはストリームライン605を形成する。低い慣性の小さな粒子606は、流れのストリームラインに続き、主要な流れ603で放射状に運び去られる。より大きな慣性を備えた大型の粒子607は、フローラインから離れるが、それらはマイナー又は“プロダクト”の流れ604で収集プローブ602を下って前方の経路で軸方向に移動し続ける。分離効率は、主な流れとマイナーな流れ(又はプロダクトに対するバイパス)の比率と、ノズルD及び収集プローブDの物理的な規模によって決定される。カットサイズよりも大型の微粒子は、マイナーな流れに濃縮する。濃度ファクターは、マイナーな流れに対する全流れの比率である。(マイナーな流れが全流れの25%である場合、濃度ファクターは4である。)
ここでプロダクト604として知られる残りの粒子(1乃至10ミクロン)は、マルチステージで湿式壁のサイクロンコレクタ部分700の入力へステンレス鋼漏斗部分を下って流れる。システム301のこのステージにおいて、プロダクト粒子はトラップされて、典型的には2乃至7cc容量の水である液体に濃縮される。湿式壁のサイクロンコレクタ部分700は、プロダクトの流れの粒子604が液体によって収集されるシステムである。湿式壁のサイクロンコレクタ部分700は、シリンダ内部のまわりで空気の流れを循環させるシリンダへ空気の流れを接線的に強要することによって作動する。粒子が内壁に沿って循環する液体によって収集される場合、十分な慣性を有する空気の流れの粒子は内壁と衝突する。
【0055】
オンボードコンピュータ714は、サイクロン700での液体レベルの制御と同様に、内蔵のホットワイヤー風速計を使用して、システムを通過する空気の流れをモニターし、制御する。選択された時間に、コンピュータ714は、空気の流れを停止し、外部のサンプル・ポート経由でサンプルを伝達するために内蔵の蠕動ポンプを作動させる。オンボードコンピュータ714は、サンプラーの2つの排気ポートにマウントされている、内蔵のホットワイヤー風速計を使用して、システムを通過する空気の流れをモニターし、制御する。コンピュータと制御ソフトウェアはまた、サイクロンでの液体レベルを制御し、サンプリング・システムのすべての状態インジケータをモニターするように作用する。選択された時間に、コンピュータは空気の流れを停止し、外部のサンプル・ポート経由で収集された液体サンプルを伝達するために内蔵の蠕動ポンプを作動させる。
【0056】
システムはまた、4サイズ範囲を備えたBiotest APC−1000などの内蔵の粒子カウンターを介してサンプリング環境で粒子サイズを測定する性能を有し、リアルタイムで結果を記憶し表示できる。システムは、完全に独立し、単に110vac出力接続を必要とする。オンボードコンピュータは、それらのサンプリング・システムのネットワークが遠隔に操作されることを可能にする高速通信性能を有する。
【0057】
図9を参照するに、本発明の収集部分の別の実施態様が例示される。この収集部分のシステムは、参照番号900によって全体として示される。このシステム900は、空気901をサンプリングし、空気から所定の粒子サイズ範囲のサンプル粒子を収集する。システム900は、細菌戦の生物剤の検出システムの最新型で特に有用である。空気のサンプリング・システムは、統合した細菌戦検出システムにおいて重大な構成部分である。システム900はまた、医療施設及び研究開発施設で使用する。
【0058】
ローパス部分902は、空気901を集めるための事前に選択されたサイズの開口部を有し、サンプル粒子よりも大型の粒子を除外する。一つの実施態様において、事前に選択されたサイズの開口部は、10ミクロンよりも小さい粒子の通過を可能にするだけの環状スロットである。ローパス部分902は、所定の粒子サイズの範囲のサンプル粒子を含む、すべての空気の流れ903を生成する。ローパス部分902は、非常に多量の空気の流れが所定サイズの開口部によって引き込まれることを可能にする。一つの実施態様において、非常に多量の空気の流れは3313Lpmであるか、それより少ない。
【0059】
衝撃装置部分904は、ローパス部分902に接続され、すべての空気の流れ903を受ける。衝撃装置部分904は、サンプル粒子を含まないバイパスの空気の流れ905と、サンプル粒子を含むプロダクトの空気の流れ906にすべての空気の流れ903を分離する。衝撃装置部分904の加速ノズル及び収集プローブは、プロダクト気流からバイパス気流を90°転換し、それによってバイパス気流とプロダクト気流を分離する。一つの実施態様において、バイパス気流とプロダクト気流の分離は、バイパス気流とプロダクト気流の比率によって決定される。一つの実施態様において、バイパス気流とプロダクト気流の分離は、加速ノズルと収集プローブの物理的な規模によって決定される。一つの実施態様において、バイパス気流とプロダクト気流の分離は、バイパス気流とプロダクト気流の比率及び加速ノズルと収集プローブの物理的な規模によって決定される。
【0060】
湿式壁のサイクロンコレクタ部分907は、衝撃装置部分904に接続される。湿式壁のサイクロンコレクタ部分907は、気流906を生じ、液体でサンプル粒子をトラップする。所定の粒子サイズ範囲のサンプル粒子は、液体で濃縮される。一つの実施態様において、湿式壁のサイクロンコレクタ部分907は、2乃至7cc容量の液体でサンプル粒子をトラップし、濃縮する。一つの実施態様において、液体は水である。
【0061】
システム900は、ほとんどの環境のサンプリングにおいて有用である。特に、生物物質の収集に有用であるが、どのような空気伝染物質の収集に使用できる。システム900は、コンベンション・センター及び競技場のような公共建築での空気品質をサンプリングするために使用することが可能で、食品加工設備の中でのサンプリング、動物ペン(養鶏所)のサンプリング、又は花粉若しくは殺虫剤の存在の果樹園あるいは農業地域のモニターで使用する。システム900の比較的コンパクトなサイズと質量のため、航空機又は地下鉄のシステムで見つかるような閉じ込められた空間でサンプリングするために使用することができる。
【0062】
APDSインラインサンプル調製−302
図3に最良に例示されるように、インラインサンプル調製モジュール302は、サンプルをエアゾール収集モジュール301からAPDS300内の適切なモジュールに移動し、サンプル調製を提供する。一つのモードにおいて、サンプル調製モジュール302は、サンプルを調製(混合、フィルタリング、インキュベーションなど)し、サンプル反応量を液体アレーに基づく多重免疫反応アッセイ検出システム303に伝達する。別のモードにおいて、サンプル調製モジュール302は、サンプルを調製(混合、フィルタリング、インキュベーションなど)し、サンプル反応量をインライン核酸検出システム304に伝達する。
【0063】
従来のサンプル調製機器は、使い捨てのフィルターウェルに結合されたマイクロピペットのロボット操作を使用する。ロボットは本質的に複雑であり、スケール化が困難である。サンプル調製モジュール302は、ゾーン・フルイディクスを使用する。ゾーン・フルイディクスは、サンプルの調節及び化学分析を達成するために、狭い穴の導管中の混和及び混和しない流体ゾーンの正確に制御された物理、化学、流動力学的な操作である。ゾーンは、少なくとも一つの独特の特徴を含む流れの導管内の容積領域である。ゾーン・フルイディクスのユニット操作は、検出できる種へサンプルの変形に寄与するか、又は後のユニット操作での操作において調製することを意図した流体処理ステップのセットを含む。ユニット操作の例は、サンプルの濾過、希釈、エンリッチメント、培地の交換、ヘッドスペースのサンプリング、溶媒抽出、マトリックスの除去、非泡立たせ、増幅、ハイブリダイゼーション及び反応を含む。現在の分析の実施において、前述のステップの多くは、手動で処理されるか、又は単独の設備で処理される。統合は十分とはいえず、分析者が関与する程度が高い。ゾーン・フルイディクスにおいて、サンプル及び試薬ゾーンは、流体の制御下であるユニット操作から次の操作まで移送されている連続手法で前述のユニット操作を受ける。
【0064】
ゾーン・フルイディクスのサンプルは、液体に限定されない。むしろ、気体、固体又は細胞を含有する懸濁も含まれる。固体サンプルが使用される際に、粒子は妨害を保証しないサイズに制限される。ほとんどの場合、試薬が調製され、次いで、ゾーン・フルイディクスのマニホールドに結合される。ポンプのメタリング性能及び混合するユニット操作は、試薬とスタンダードがin situで調製されることを可能にする。したがって、試薬は、既製品で、試薬の濃縮、凍結乾燥、又は結晶の形態として適切に設計されたカートリッジのゾーン・フルイディクスのマニホールドに提供できる。スタンダードは、濃度の必要な範囲を提供する個別の貯蔵所として多重位置バルブに垂直にできる。試薬に関しては、スタンダードもin situで調製できるか、又はより広範囲なダイナミック・レンジをカバーするために希釈できる。
【0065】
サンプル調製モジュール302は、連続注入分析(SIA)と呼ばれる強力で柔軟性の高い技術を使用する。オートメーションは、狭い穴の管組織で制御された分散条件下の小さな溶液ゾーンの操作によって達成される。ゾーン・フルイディクスは、狭い穴の管組織の保持コイルの明確なサンプル及び試薬ゾーンのスタックを構成するように、多重位置バルブ及び高精度の双方向ポンプを使用する。このゾーンスタックの適切な操作によって、サンプル処理のユニット操作の広い範囲が適応することができる。ポンプは、一つの装置から次の装置にサンプルを移動するように使用され、処理での必要なサンプル操作を達成する。一旦、検出可能な種が形成されると、ゾーンスタックは、免疫アッセイ検出器303及び核酸検出器304に移送される。
【0066】
図10を参照するに、サンプル調整及び検出のためのシステムが例示される。システムは、参照番号302によって、全体として示される。インラインサンプル調製302は、単一又は組合せで、液体アレイに基づく多重の免疫アッセイ検出303及び/又はインライン核酸増幅及び検出304を実行できる。インラインサンプル調製モジュール302は、下記に記載の様々な構成部分を含む。
【0067】
サンプルを注入及び/又は吸入するための手段1001は、サンプルの注入及び/又は吸入を提供する。一つの実施態様において、注入/吸入手段1001は、ゾーン・フルイディクスシステムから構成される。別の実施態様において、注入/吸入手段1001は、FIAシステムから構成される。サンプルを注入及び/又は吸入するための手段1001は、例えば、milliGAT(登録商標)ポンプ(Global FIA,Inc、Fox Island、WA)で利用可能な注入/吸入装置となることができる。
【0068】
サンプルに試薬を添加するための手段1002は、サンプルを注入及び/又は吸入するための手段1001に効果的に接続される。サンプルに試薬を添加するための手段1002は、例えば、VICI社(テキサス州ヒューストン)から入手可能な注入又は多重位置選択バルブなどのサンプルに試薬を添加するためのユニットとなることができる。
【0069】
サンプルと試薬を混合するための手段1003は、サンプルに試薬を添加するための手段1002に効果的に接続される。混合手段1003は、サンプルと試薬を混合する。サンプルと試薬を混合するための手段1003は、例えば、Global FIA,Inc、(Fox Island、WA)から入手可能なスーパーサーペンタインリアクター(super serpentine reactor)となることができる。
【0070】
サンプルと試薬を移送するための手段1004は、サンプルと試薬を混合するための手段1003に効果的に接続される。サンプルと試薬を移送するための手段1004は、フルイディクスシステムから構成される。サンプルと試薬を移送するための手段1004は、例えば、Cole−Parmer社(Vernon Hills、IL)から入手可能なFEP管組織となることができる。
【0071】
液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出モジュール303は、サンプル中の多数の病原体のターゲットを測定する。液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出モジュール303は、続いて下記に詳細に記載する。
【0072】
インライン核酸増幅及び検出モジュール304は、核酸増幅及び検出に基づく、第二の検出システムを提供する。インライン核酸増幅及び検出モジュール304は、例えば、ロンドンのSmiths Aerospaceの一部である、Cepheid及びバルチモアの環境技術グループ社(ETG)による出版物に記載の検出システム及びロンドンのSmiths Aerospaceの一部である、Cepheid及びバルチモアの環境技術グループ社(ETG)によって成された製品となることができる。インライン核酸増幅及び検出モジュール304は、続いて下記に詳細に記載する。
【0073】
液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出モジュール303及びインライン核酸増幅及び検出モジュール304から増幅したサンプルを移送するための手段1005。PCRリアクターから増幅したサンプルを移送するための手段1005は、例えば、Cole−Parmer社(Vernon Hills、IL)から入手可能なFEP管組織となることができる。
【0074】
導管は、サンプル調製モジュール302内に含まれる。導管の汚染除去及び調節は、適切な流体で導管を洗い流すことにより達成される。例えば、すべての曝された導管の汚染除去及び調節は、曝された導管を通って汲まれ、次に、適切な洗浄溶液でシステムから洗い流される漂白剤などの汚染除去剤を使用することによって行うことができる。
【0075】
統合した遠隔制御及びフィードバックモジュール305は、本質的に自律であり、制御及び/又はモニター機能が遠隔で理想的に実行されることを意味する。センサーの前述のネットワーキングは、RFを使用する無線ソリューションから従来のハードワイヤー型のインターネット接続まで多数の異なる手法で生じることができる。統合した遠隔制御及びフィードバックモジュール305は、高感度で必要とするユニット数を削減する、多大な領域を保護する多重ユニットのネットワークとしてのセットアップである。これは試薬を節約し、多くのパブリックイベントにおいて配備をより実現可能にし、他の関連するコストを節約する。統合した遠隔制御及びフィードバックモジュール305は、1000サンプルのエアゾールサンプルライブラリで統計的に分析される。このライブラリは、多重のサインで使用される同じ病原性の因子においてあらかじめ遮られる。したがって、どんな検出イベントも、一致し難いプライマーの組み合わせにおいて最終スクリーンとして役立つ。
【0076】
検出−APDS液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出−303
APDSシステム300の操作において、エアゾールコレクタシステムは空気をサンプリングし、与えられたサイズ分配の粒子は液体でトラップされ、関心のあるサンプルが調製される。次のステップは、サンプル粒子の任意の病原体の検出である。液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システム303は、サンプルの多数の病原体のターゲットを測定する。液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システム303は、サンプルの多数の病原体のターゲットを測定する検出形式を使用する性能を有する。これは、サンプルの希釈による感度の低下を防ぎ、機器において再度生じるアッセイコストを厳密に節約する。“液体アッセイ”は、アッセイを実行するためのテンプレートを形成する、粒子の光学的又は物理的な(つまり、形状、磁気など)エンコードを可能にする。本発明の一つの実施態様において、液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システム303は、ルミネックス(Luminex)技術を使用する。別の実施態様において、ナノバーコード−金属ストリップで光バーコードされ、次いで反射率により測定されるナノメートルスケールの棒状構造と、量子ドット−広範囲のスペクトル範囲にわたって特定の光を放射するナノメートルスケール粒子のカプセル化と、発光体のアップコンバート(upconverting)が使用される。液体アレイ検出は、すべてのタイプの病原体(ウィルス、バクテリア、タンパク質及び胞子)を検出する性能を有し、比較的コストが低いために、予備スクリーンとして生じることができる。
【0077】
液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システム303は、“コンピューター・チップ”プラットフォームと競合する(ビーズフォーマットで)高度な多重アッセイである、“液体アレイ”を使用する。APDSシステム300において、液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システム303は、テキサス州オースチンのLuminex Corporation社からのルミネックス技術を使用する。検出原理は、分析テンプレートとして使用することができる光エンコードされたマイクロビーズの使用に基づいて構築される。小さな直径のポリスチレンビーズは、1000sの抗体でコード化される。サンプルは最初にビーズに曝されて、生物剤が存在する場合は、ビーズに結合する。第二に、蛍光標識の抗体が、フロー分析において相当の蛍光のターゲットとなるサンプルに添加される。アッセイがマイクロビーズマトリックスで実行されるために、ウィルス及び毒素を含むすべてのタイプの病原体を測定することが可能である。各マイクロビーズは、赤色及びオレンジ色を放射する色素の独特な組合せで着色される。単一サンプルから検出できる生物剤の数は、単に着色されたビーズセットの数によって制限される。システムは、下記の構成部分を含み、それらは、マイクロビーズの特定の試薬、インキュベーション/混合チャンバー、マイクロビーズの捕獲アレイ、並びに光学測定及び解読システムである。
【0078】
液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システム303は、10×10アレイのビーズを成すために十分な精度を有し、100検体の生物剤の検出を実行可能にする。これは、4乃至6倍の時間を要する非自動化の従来の免疫アレイ技術(酵素結合型免疫吸着アッセイなど)に匹敵する感度及び選択性で広範囲の生物剤を測定できる。追加的なビーズタイプは、サンプル調製処理の各ステップをモニターするために内部の正及び負のコントロールとして使用される。これは、品質管理を提供する。
【0079】
確定−APDSインライン核酸増幅及び検出−304
APDSシステム300の操作において、エアゾールコレクタシステムは空気をサンプリングし、与えられたサイズ分配の粒子は液体でトラップされ、関心のあるサンプルが調製され、検出システムはサンプル中の病原体を検出する。次のステップは、サンプル中で検出される病原体の確定である。インライン核酸増幅及び検出システム304は、サンプル中で検出される病原体を確定する。PCR増幅装置は、1996年12月31日に特許となり、発明者がM.Allen Northup、Raymond P.Mariella、Jr.,Anthony V.Carrano及びJoseph W.Balchで、カリフォルニア大学が所有する、発明の名称が、化学反応におけるシリコンベースのスリーブ装置の米国特許第5,589,136号明細書などの出版物に記載された装置であり、多くは、アプライドバイオシステムズのABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム、バイオラッドのiCycler iQ Real−Time PCR検出システム、CepheidのSmart Cycler(登録商標)システムなどが市販されており入手可能である。
【0080】
ここで図11、12及び13を参照するに、液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システム303がより詳細に例示される。図11は、様々な比率の赤色とオレンジ色の色素をポリスチレンのラテックスマイクロスフェア1101にインターカレートすることによって生じる100検体のルミネックスビーズセット1100を示す。光エンコードされた各ビーズ1101は、独特のスペクトル・アドレスを有する。ビーズ1101は、赤色の強度が縦軸に増大し、オレンジ色の強度が横軸に増大し、独特のスペクトル・アドレスを提供するように配置されて示される。
【0081】
図12は、ターゲットの抗原に対して特異的な捕獲抗体でコーティングされたビーズ1101を示す。捕獲抗体の例は、炭そ菌1102、ペスト1103、天然痘1104及びボトクス(botox)1105を含む。抗原とインキュベーションした後、2次又は検出抗体は、蛍光性のリポーター、“抗原サンドイッチ”を完成するフィコエリトリンの追加を後に続けて添加される。
【0082】
図13は、フローサイトメーター1106で解析されているビーズ1101を示す。ビーズ1101は、一度にインターロゲートされる。赤色レーザー1107(赤色)は、ビーズタイプを識別して、ビーズを分類する。緑色レーザー1107(緑色)は、ビーズ表面のアッセイを定量化し、完全なサンドイッチのビーズだけが緑色の蛍光を発し、シグナルは抗原濃度の作用である。
【0083】
図11を再度参照するに、100個のポリスチレンのマイクロビーズのセット1101が示される。ビーズは、各ビーズが独特のスペクトル・アドレスを備える、100個のビーズを産出する赤色とオレンジ色の蛍光色素の正確な比率で埋め込まれる。各ビーズ1101は、図12に例示される与えられた抗原において特異的な捕獲抗体でコーティングされる。抗原とインキュベーションした後、2次又は検出抗体は、蛍光性のリポーター、“抗原サンドイッチ”を完成するフィコエリトリンの追加を後に続けて添加される。
【0084】
抗原を捕らえた後、2次抗体は結合抗原をサンドイッチ状にし、蛍光性のリポーターフィコエリトリン(PE)によって間接的に標識される。図13を再度参照するに、各光エンコードされて、蛍光標識されたマイクロビーズは、ルミネックスフローサイトメーター1106によって個々にインターロゲートされる。赤色レーザー1107(赤色)は、ビーズ内に埋め込まれた色素分子を励起し、ビーズをそれら独特のビーズセットに分類し、緑色レーザー1107(緑色)は、ビーズ表面でのアッセイを定量化する。フローサイトメーターは、毎秒何千ものビーズの読み取りが可能であり、分析は15秒程度で完了する。
【0085】
マイクロビーズは、平面の導波管又はマイクロタイターウェルなどの他の固体状のサポートに対して、幾つかの利点を有する。第一に、5.5(±0.1)μmの球体は、1ビーズ当たり100,000の捕獲抗体まで適応できる広大な表面領域を提供する。高密度の捕獲抗体は、最大の抗原結合を保証し、それによって、アッセイの感度を増大する。第二に、ビーズが溶液中で自由に懸濁しているので、表面のすべての領域が曝されて、結合するための適切な方向で抗原との衝突の可能性を高め、迅速な反応を容易にする。反応量の攪拌又は加熱は、反応力学をさらに改善する。さらに、ビーズは、フィルターが底付けされたプレートで効果的に濾過される。濾過は、非結合の抗原及び他の余分な試薬を洗い流し、非特異的な結合及び望ましくないバックグラウンドの蛍光の高まりを最小限にする。
【0086】
図11、12及び13に例示される液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システム303は、サンプル中の複数の病原体ターゲットを測定する。異なる100個の病原体までが単一のアッセイで検出できる。各ビーズの異なる抗体が、高度な多重検出を可能にする。真に多重化されたルミネックスビーズに基づくアッセイ、すなわち、単一サンプルを使用して、多数の脅威な生物剤の同時検出のために設計されて分析する。液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システムの例は、2003年1月2日に公開され、Billy W.Colston、Matthew Everett、Fred P.Milanovich、Steve B Brown、Kodumudi Venkateswaran及びJonathan N.Simonによる米国特許出願公開2003/0003441に示される。米国特許出願公開2003/0003441の開示は、参照としてここに組み込まれる。
【0087】
図14をここで参照するに、本発明と一致して構成されたシステムの別の実施態様が例示される。システムは、全体として、参照番号1400によって、全体として示される。システム1400は、下記の、サンプル収集1401、サンプル調製1402、多重増幅PCR1403及びPCRアンプリコンの多重の液体アレイに基づく検出1404を含む。
【0088】
システム1400の第一ステージは、ターゲットとする生物剤を含み得る粒子の収集を提供する“サンプル収集1401”である。サンプル収集1401は、空気、水、土壌又はモニターされる他の物質を集める。サンプル収集1401は、空気、水、土壌又はモニターされる他の物質から選択された潜在的な生物剤の粒子を分離する。
【0089】
“サンプル調製1402”は、サンプルをサンプル収集からシステム1400内の適切なモジュールまで移動し、サンプル調製を提供する。一つのモードにおいて、サンプル調製1402はサンプルを調製(リーシス、濃縮、精製、混合など)し、サンプルを“多重増幅PCR1403”に送る。一つのモードは、“PCRアンプリコンの多重の液体アレイに基づく検出1404”を提供する。DNAサンプルにおけるフローサイトメーターでの検出方法の例は、2002年10月24日に公開され、Shanavaz Nasarabadi、Richard G.Langlois及びKodumudi Venkateswaranによる米国特許出願公開2002/0155482に示される。米国特許出願公開2002/0155482の開示は、参照としてここに組み込まれる。
【0090】
ここで図15を参照するに、インライン核酸増幅及び検出システム1500の一つの特定の実施態様が例示される。システム1500は、単一又は組合せで、核酸増幅及び核酸検出機能の実行が可能である。核酸アッセイシステム1500は、サンプルの注入/吸入のための手段1501、PCR試薬の添加手段1502、サンプルと試薬の混合手段1503、PCRリアクターに移送するための手段1504、PCR増幅の実行手段1505、増幅されたサンプルをPCRリアクターから移送するための手段1506、PCRアンプリコンの検出手段1507及び曝されたすべての導管の汚染除去及び調節手段1508を含むいくつかの構成部分を含む。
【0091】
サンプルの注入及び/又は吸入のための手段1501は、サンプルの注入及び/又は吸入を提供する。一つの実施態様において、注入/吸入手段1501は、ゾーン・フルイディクスシステムから構成される。別の実施態様において、注入/吸入手段1501は、FIAシステムから構成される。サンプルを注入及び/又は吸入するための手段1501は、例えば、milliGAT(登録商標)ポンプ(Global FIA,Inc、Fox Island、WA)で利用可能な注入/吸入装置となることができる。
【0092】
サンプルにPCR試薬を添加するための手段1502は、サンプルを注入及び/又は吸入するための手段1501に効果的に接続される。サンプルにPCR試薬を添加するための手段1502は、例えば、VICI社(テキサス州ヒューストン)から入手可能な注入又は多重位置選択バルブなどのサンプルにPCR試薬を添加するためのユニットとなることができる。
【0093】
サンプルと試薬を混合するための手段1503は、サンプルにPCR試薬を添加するための手段1502に効果的に接続される。混合手段1503は、サンプルとPCR試薬を混合する。一つの実施態様において、PCR試薬はプライマーを含む。別の実施態様において、PCR試薬はオリゴを含む。サンプルと試薬を混合するための手段1503は、例えば、Global FIA,Inc、(Fox Island、WA)から入手可能なスーパーサーペンタインリアクターとなることができる。
【0094】
サンプルと試薬をPCRリアクターに移送するための手段1504は、サンプルと試薬を混合するための手段1503に効果的に接続される。サンプルと試薬をPCRリアクターに移送するための手段1504は、フルイディクスシステムから構成される。サンプルと試薬をPCRリアクターに移送するための手段1504は、例えば、Cole−Parmer(Vernon Hills、IL)から入手可能なFEP管組織となることができる。
【0095】
PCR増幅の実行手段1505は、サンプルと試薬をPCRリアクターに移送するための手段1504に効果的に接続される。これは増幅したサンプルを生じる。一つの実施態様において、PCR増幅手段1505は、埋め込まれた熱電対キャリブレーション導管を含む。PCR増幅装置は、1996年12月31日に特許となり、発明者がM.Allen Northup、Raymond P.Mariella、Jr.,Anthony V.Carrano及びJoseph W.Balchで、カリフォルニア大学が所有する発明の名称が、化学反応におけるシリコンベースのスリーブ装置の米国特許第5,589,136号明細書などの出版物に記載された装置であり、多くは、アプライドバイオシステムズのABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム、バイオラッドのiCycler iQ Real−Time PCR検出システム、CepheidのSmart Cycler(登録商標)システムなどが市販されており入手可能である。
【0096】
増幅されたサンプルをPCRリアクターから移送するための手段1506は、PCR増幅の実行手段1505に効果的に接続される。増幅されたサンプルをPCRリアクターから移送するための手段1506は、例えば、Cole−Parmer社(Vernon Hills、IL)から入手可能なFEP管組織となることができる。
【0097】
PCRアンプリコンの検出手段1507は、増幅されたサンプルをPCRリアクターから移送するための手段1506に効果的に接続される。PCRアンプリコンの検出手段1507は、例えば、ロンドンのSmiths Aerospaceの一部である、Cepheid及びバルチモアの環境技術グループ社(ETG)による出版物に記載の検出システム及びロンドンのSmiths Aerospaceの一部である、Cepheid及びバルチモアの環境技術グループ社(ETG)によって成された製品となることができる。
【0098】
導管は、サンプルの注入/吸入のための手段1501、PCR試薬の添加手段1502、サンプルと試薬の混合手段1503、PCRリアクターに移送するための手段1504、PCR増幅の実行手段1505、増幅されたサンプルをPCRリアクターから移送するための手段1506、PCRアンプリコンの検出手段1507内に含まれる。導管の汚染除去及び調節手段1508は、PCRアンプリコンの検出手段1507に直接的に接続される。導管の汚染除去及び調節手段1508は、サンプルの注入/吸入のための手段1501、PCR試薬の添加手段1502、サンプルと試薬の混合手段1503、PCRリアクターに移送するための手段1504、PCR増幅の実行手段1505、増幅されたサンプルをPCRリアクターから移送するための手段1506、PCRアンプリコンの検出手段1507に効果的に接続される。曝されたすべての導管の汚染除去及び調節は、例えば、曝された導管を通って汲まれ、次に、適切な洗浄溶液でシステムから洗い流される漂白剤などの汚染除去剤を使用することによって行うことができる。
【0099】
ここで図16を参照するに、ブロック図は、本発明と一致して構成された自律病原体検出システムの別の実施態様を例示する。この自律病原体検出システムの実施態様は、全体として、参照番号1600で示される。自律病原体検出システム1600は、水のサンプル収集1601、サンプル調製1602、並びに検出1603及び1604を提供する。
【0100】
操作において、水のサンプル収集ユニット1601は、水源から連続的にサンプリングする。水のサンプリング・システムは既知である。例えば、水のサンプリング・システムは、水のサンプリング方法及び被検体を統合した装置という発明の名称で2001年10月23日に発行された米国特許第6,306,350号明細書に示される。米国特許第6,306,350号明細書の開示は、参照としてここに組み込まれる。
【0101】
インラインサンプル調製ユニット1602は、攪拌する緩衝液でサンプルを濃縮する。与えられたサイズ分配の粒子は、セパレータユニットにおける流速を変更することによって選択される。インラインサンプル調製システム1602は、すべてのサンプル調製ステップ(つまり、混合、洗浄、インキュベーションなど)を提供し、ルミネックス(Luminex)フローサイトメーターを使用して多重検出を実行する。
【0102】
“検出”サブシステム1603において、収集されたサンプルは、光エンコードされたマイクロビーズと混合される。マイクロビーズの各色は、与えられた生物剤に特異的な捕獲アッセイを含む。蛍光ラベルが、結合ビーズ上の各生物剤の存在を識別するために添加される。光エンコードされて蛍光標識された各マイクロビーズは、フローサイトメーターで個々に読取られ、蛍光強度は生物剤の濃度と相関する。
【0103】
“確定”サブシステム1604において、PCR(核酸)増幅及び検出は、生物剤の存在を確定する。アーカイブサンプルは、Taqman試薬と混合され、次いで、SIAシステムによってフロースルーのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システムに導かれる。ターゲットとされた生物剤に関連した特定の核酸のサインが増幅され、Taqmanプローブによる複製した核酸から生じる蛍光を使用して検出される。“統合リモート・コントロール及びフィードバック”サブシステム1605において、中央コンピュータはすべての機器の機能を制御する簡素なシリアルに基づくラボビュー(Labview)制御システムを使用する。ソフトウェアシステムは、データの獲得、リアルタイムのデータ分析、及びグラフィカルユーザインターフェースを介した結果報告を提供する。
【0104】
システム1600の第一ステージは、生物剤を含み得る水源からの粒子の収集を提供する“水のサンプル収集1601”である。水のサンプル収集1601及びインラインサンプル調製1602は、湿式壁のサイクロンコレクタへの関心のある粒子のプレコンセントレーション及び伝達を提供する。セパレータシステムは、関心のある粒子を捕獲する。
【0105】
湿式壁のサイクロンコレクタにおいて、粒子は流体で収集され、下流での処理を容易にする。オンボードコンピュータは、水流速及び収集した粒子のサイズ範囲を制御する。粒子カウンターは、収集された粒子のサイズ及び量におけるリープタイム(reaptime)フィードバックを提供する。
【0106】
粒子は、所定サイズの粒子の収集を単に可能にするだけのために設計されるシステムに引き込まれる。所定のサイズは、所望のように選択できる。システムは、単に所望の粒子を収集するために設計される。容認された粒子は、環境へ望ましくないサイズの粒子をすべて戻す、セパレータ部分へ継続し続ける。プロダクトとして知られる残りの粒子は流れる。プロダクトは、検出セクションに継続して流れる。
【0107】
システム1600は、4つのサイズ範囲を有する内蔵の粒子カウンターを介して、環境をサンプリングする粒子サイズを測定する性能を有し、リアルタイムの結果を記憶し、表示できる。単に出力の接続だけを必要として、システムは完全に独立している。オンボードコンピュータは、多重のサンプリング・システムのネットワークが遠隔に操作されることを可能にする高速通信性能を有する。
【0108】
1600のシステムは、水のサンプリングの多くの適用に有用である。システム1600は、公共建築物の水質をサンプリングするために使用することができ、食品加工施設でサンプリングし、花粉又は殺虫剤の存在の農業地域でのモニターで使用し、他の水のサンプリングを使用する。
【0109】
ここで図17を参照するに、ブロック図は、本発明と一致して構成される自律病原体検出システムの別の実施態様を例示する。この自律病原体検出システムの実施態様は、全体として、参照番号1700で、全体として示される。自律病原体検出システム1700は、土壌のサンプル収集1701、サンプル調製1702、並びに検出1703及び1704を提供する。
【0110】
操作において、土壌のサンプル収集ユニット1701は、土壌源から連続的にサンプリングする。土壌のサンプリング・システムは既知である。例えば、土壌のサンプリング・システムは、Elmer Hubersによって成されたビークルが設置された土壌サンプラーという発明の名称で2002年4月2日に特許となった米国特許第6,363,803号明細書に示される。米国特許第6,363,803号明細書の開示は、参照としてここに組み込まれる。
【0111】
インラインサンプル調製ユニット1702は、攪拌する緩衝液でサンプルを濃縮する。与えられたサイズ分配の粒子は、セパレータユニットにおける流速を変更することによって選択される。インラインサンプル調製システム1702は、すべてのサンプル調製ステップ(つまり、混合、洗浄、インキュベーションなど)を提供し、ルミネックス(Luminex)フローサイトメーターを使用して多重検出を実行する。
【0112】
“検出”サブシステム1703において、収集されたサンプルは、光エンコードされたマイクロビーズと混合される。マイクロビーズの各色は、与えられた生物剤に特異的な捕獲アッセイを含む。蛍光ラベルが、結合ビーズ上の各生物剤の存在を識別するために添加される。光エンコードされて蛍光標識された各マイクロビーズは、フローサイトメーターで個々に読取られ、蛍光強度は生物剤の濃度と相関する。
【0113】
“確定”サブシステム1704において、PCR(核酸)増幅及び検出は、生物剤の存在を確定する。アーカイブサンプルは、Taqman試薬と混合され、次いで、SIAシステムによってフロースルーのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システムに導かれる。ターゲットとされた生物剤に関連した特定の核酸のサインが増幅され、Taqmanプローブによる複製した核酸から生じる蛍光を使用して検出される。“統合リモート・コントロール及びフィードバック”サブシステム1705において、中央コンピュータはすべての機器の機能を制御する簡素なシリアルに基づくラボビュー(Labview)制御システムを使用する。ソフトウェアシステムは、データの獲得、リアルタイムのデータ分析、及びグラフィカルユーザインターフェースを介した結果報告を提供する。
【0114】
システム1700の第一ステージは、生物剤を含み得る土壌源からの粒子の収集を提供する“土壌のサンプル収集1701”である。土壌のサンプル収集1701及びインラインサンプル調製1702は、湿式壁のサイクロンコレクタへの関心のある粒子のプレコンセントレーション及び伝達を提供する。セパレータシステムは、関心のある粒子を捕獲する。
【0115】
湿式壁のサイクロンコレクタにおいて、粒子は流体で収集され、下流での処理を容易にする。オンボードコンピュータは、土壌の流速及び収集した粒子のサイズ範囲を制御する。粒子カウンターは、収集された粒子のサイズ及び量におけるリープタイム(reaptime)フィードバックを提供する。
【0116】
粒子は、所定サイズの粒子の収集を単に可能にするだけのために設計されるシステムに引き込まれる。所定のサイズは、所望のように選択できる。システムは、単に所望の粒子を収集するために設計される。容認された粒子は、環境へ望ましくないサイズの粒子をすべて戻す、セパレータ部分へ続く。プロダクトとして知られる残りの粒子は流れる。プロダクトは、検出セクションに続いて流れる。
【0117】
システム1700は、4つのサイズ範囲を有する内蔵の粒子カウンターを介して、環境をサンプリングする粒子サイズを測定する性能を有し、リアルタイムの結果を記憶し表示できる。システムは完全に独立しており、単に出力の接続だけを必要とする。オンボードコンピュータは、前述のサンプリング・システムのネットワークが遠隔に操作されることを可能にする高速通信性能を有する。1700のシステムは、土壌サンプリングの多くの適用に有用である。システム1700は、花粉又は殺虫剤の存在をモニターする農業地域及び他の土壌サンプルの使用において土壌品質をサンプリングするために使用することができる。
【0118】
病原体検出システムの操作において、インライン核酸増幅及び検出システムは、核酸アッセイ方法を提供する。方法は多数のステップを含む。一つのステップは、サンプルの自動注入及び/又は吸入で構成される。別のステップは、サンプルへのPCR試薬の自動添加で構成される。別のステップは、サンプルと試薬の自動混合で構成される。別のステップは、サンプルと試薬のPCRリアクターへの自動移送で構成される。PCRリアクターは、フルイディクス・システムで構成される。別のステップは、増幅したサンプルを生じるPCR増幅の自動実行で構成される。別のステップは、増幅したサンプルのPCRリアクターからの自動移送で構成される。別のステップは、PCRアンプリコンの自動検出で構成される。方法は核酸アッセイシステムで実行され、核酸アッセイシステムは新たなサンプルが分析される前に汚染除去され調節される。
【0119】
システムは、リアルタイムPCR検出及びポストPCR検出の両検出を含む。システムは、噴霧質状で散布された生物剤のテロリストの放出を検出するために現在開発されているようなタイプのシステムのモニターにとって理想的である。開発中の感染症のための実地の検出システムは、サンプル調製及び分析機能を組み込む必要がある。システムは、初期の対応者のような比較的未熟練の人員がリアルタイムのフィールド又はポイントオブケアの核酸アッセイを実行することを可能にする。自律病原体検出システムの様々な他の実施態様において、サンプル中の生物剤の確定は、多重免疫アッセイ検出器、多重PCR検出器及びリアルタイムPCR検出器によって提供される。
【0120】
本発明は、危険な生物剤の放出から国民を防御するように環境をモニターする自律病原体検出システム(APDS)を提供する。自律病原体検出システムは、米国の市民、他の国々の市民及び軍隊の安全性に対する最も重大な脅威のうちの1つであるバイオテロに対する対抗策である。
【0121】
APDSプログラムは、民間の適用において分配された環境上のモニターシステムの要求を満たすために開始された。多重アッセイは、試薬コストを削減するために使用され、長期間のモニター操作を可能にする(例えば、米国の郵便サービスにおける郵便物のスクリーニング)。抗体に基づくアッセイと核酸に基づくアッセイを組み合わせる独特の直交の検出アプローチは、間違った陽性反応を相当に低いレベルにまで減少する。抗体アッセイは、タンパク質毒素などの核酸を除いて、すべてのタイプの生物剤に対して検出器を反応させる。核酸アッセイは、さらに高感度な検出を可能にし、与えられた領域を防御するために必要なセンサーの数を削減する。完全に自律のエアゾール収集及びサンプル調製の性能は、メンテナンスの必要性を制限し、中央のセキュリティ又はモニター・ネットワークへの統合を可能にする。
【0122】
運輸省は、特別のイベント、輸送ハブ、空港設備、輸送センター、このリストのトップに対する適応性の保護のために、バイオモニターシステムのモニターを提供するスペースを積極的に求めている。システムは、前述の要求を満たすことができる。
【0123】
他の環境上又は臨床の病原体検出システムの必要性がある。居住者の病気を引き起こし得るカビ又は菌による胞子を検査するように、疑わしい“シックビル”に移動車を移動することができる。空気伝染の病原体を迅速に検出し、かつ疾病の発生を防ぐために家畜輸送センター又は飼養場に動物疾病用試薬を備えるユニットを配置することができる。病院内のモニターは、患者の間の伝染性物質の空気伝染の広がりを検査するために使用することができる。システムは、主な公共の建物若しくは輸送ノードでの集中的なモニター又は永久的な設置の短期間のオリンピックなどの注目のイベントで使用できる。技術的なエキスパートの小集団が維持し、任意のユニットのアラームに反応することができるように、すべての個々のユニットは、単一の指令センターにネットワークでつなぐことができる。システムは、前述のすべての必要性を満たすことができる。
【0124】
前述の一次的な必要は、テロリスト攻撃からの民間人の保護に向けられる。システムはまた、細菌戦攻撃からの軍人の保護に用いられる。軍は、前述の現在の細菌戦検出システムへのオプションを評価し続け、また、システムは、軍の必要の多くを満たす。
【0125】
本発明が様々な修正及び代替の形態となってよいが、特定の実施態様は添付図の例によって示され、詳細がここに記述された。しかしながら、本発明が開示した特定の形態に限定されないことを理解するべきである。むしろ、本発明は、請求項によって規定される本発明の趣旨及び範囲内のすべての修正、等価物及び代替を含む。
【0126】
なお、合衆国政府は、米国エネルギー省と、ローレンス・リヴァーモア国立研究所の作業におけるカリフォルニアの大学との間の契約番号W−7405−ENG−48によって本発明に権利を有する。
【0127】
関連出願の相互参照
本出願は、ここに参照として組み込まれた2002年8月26日に出願された米国仮特許出願番号60/406159の“生物剤の自律モニターシステム”の恩典を主張する。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明と一致して構成された自律病原体検出システムの実施態様を例示するブロック図である。
【図2】本発明と一致して構成された自律病原体検出システムの別の実施態様を例示するブロック図である。
【図3】自律病原体検出システム(APDS)として指定された本発明の特定の実施態様を例示するブロック図である。
【図4】エアゾール収集システムを示す図である。
【図5】コレクタに入る、より大きな微粒子のサイズ範囲を制限するキャップ部分を示す図である。
【図6】仮想衝撃装置部分を示す図である。
【図7】多段式で湿式壁のサイクロンコレクタを示す図である。
【図8A】エアゾール収集システムの特定の実施態様の詳細を示す図である。
【図8B】エアゾール収集システムの特定の実施態様の詳細を示す図である。
【図8C】エアゾール収集システムの特定の実施態様の詳細を示す図である。
【図9】エアゾール収集システムの別の実施態様を示す図である。
【図10】サンプル調製と検出のためのシステムを例示する図である。
【図11】液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システムを例示する図である。
【図12】液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システムを例示する図である。
【図13】液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出システムを例示する図である。
【図14】複数の増幅及び検出システムを例示するブロック図である。
【図15】インライン核酸増幅及び検出システムの一つの特定の実施態様を例示する図である。
【図16】本発明と一致して構成された自律病原体検出システムの別の実施態様を例示するブロック図である。
【図17】本発明と一致して構成された自律病原体検出システムの別の実施態様を例示するブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物剤を検出するために空気、水、土壌、又は他の物質をモニターする自律モニター装置であって、該装置は、
モニターされる前記空気、水、土壌、又は他の物質を収集するためのコレクタと、
選択された潜在的な生物剤粒子のサンプルを調製するためのサンプル調製手段と、
前記サンプル中の前記生物剤を検出するための検出器を含み、
前記コレクタは、前記空気、水、土壌、又は他の物質から選択した潜在的な生物剤粒子を分離し、
前記サンプル調製手段は、前記コレクタによって収集された前記空気、水、土壌、又は他の物質からの前記サンプルを調製するための前記コレクタに効果的に接続され、
前記検出器は、前記サンプル調製手段に効果的に接続されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記コレクタは、エアゾールコレクタであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記空気、水、土壌、又は他の物質は前記潜在的な生物剤粒子に加えて別な粒子を含み、前記コレクタは、前記他の粒子から前記潜在的な生物剤粒子を分離するためのセパレータ手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記潜在的な生物剤粒子は所定のサイズ範囲であり、前記セパレータは前記他の粒子から所定のサイズ範囲である前記潜在的な生物剤粒子を分離することを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コレクタは、空気を収集し、該空気を所定の粒子サイズ範囲の前記潜在的な生物剤粒子を含まないバイパス気流と、所定の粒子サイズ範囲の前記潜在的な生物剤粒子を含むプロダクト気流に分離するための手段を含む、エアゾールコレクタであることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記コレクタは、前記プロダクト気流を受け、液体中の所定の粒子サイズ範囲の前記潜在的な生物剤粒子をトラップして、且つ濃縮する、湿式壁のサイクロンコレクタを含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
コンピュータを含み、前記サンプル調製手段は該コンピュータによって制御されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記サンプル調製手段は免疫アッセイサンプルを提供するための手段であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記サンプル調製手段は核酸アッセイサンプルを提供するための手段であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記サンプル調製手段は、前記空気、水、土壌、又は他の物質を濃縮するための手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記サンプル調製手段は、前記空気、水、土壌、又は他の物質を精製するための手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記サンプル調製手段は、前記空気、水、土壌、又は他の物質の胞子をリーシスするための手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記サンプル調製手段は、前記空気、水、土壌、又は他の物質を混合するための手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記サンプル調製手段は、サンプルの注入及び/又は吸入のための手段と、前記サンプルに試薬を添加するための手段と、前記サンプルと前記試薬を混合するための手段と、並びに前記サンプルと前記試薬を移送するための手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記サンプルの注入及び/又は吸入のための手段は、連続的な注入分析システムを含むことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記サンプルの注入及び/又は吸入のための手段は、フロー注入分析システムを含むことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記サンプルに試薬を添加するための手段は、注入バルブを含むことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記サンプルに試薬を添加するための手段は、多重位置の選択バルブを含むことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記サンプルと前記試薬を混合するための手段は、スーパーサーペンタインリアクターを含むことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記サンプルと前記試薬を移送するための手段は、前記サンプルと前記試薬を混合するための手段に効果的に接続することを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項21】
前記検出器は、液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出器であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記液体アレイに基づく多重免疫アッセイ検出器は、光エンコードされたマイクロビーズを活用することを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記光エンコードされたマイクロビーズは、抗体とコードされることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記光エンコードされたマイクロビーズは、蛍光標識抗体とコードされることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記光エンコードされたマイクロビーズは、カラーコードされることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記光エンコードされたマイクロビーズは、発光色素とカラーコードされることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記光エンコードされたマイクロビーズは、短直径のポリスチレンビーズであることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記光エンコードされたマイクロビーズは、各ビーズが独特のスペクトル・アドレスを有するビーズのアレイを生じる赤色とオレンジ色の蛍光色素の正確な比率で埋め込まれ、各ビーズは与えられた抗原に特異的な捕獲抗体でコーティングされることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項29】
前記光エンコードされたマイクロビーズを分析するためのフローサイトメーターを含むことを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項30】
前記光エンコードされたマイクロビーズは光エンコードされ、蛍光標識マイクロビーズ及び前記光エンコードされたマイクロビーズは、前記フローサイトメーターによって個々にインターロゲートされることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記検出器は、多重免疫アッセイ検出器であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項32】
前記検出器は、多重PCR検出器であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記サンプル中の前記生物剤を確定するための確定手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項34】
前記確定手段は、多重免疫アッセイ検出器であることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記確定手段は、多重PCR検出器であることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記確定手段は、リアルタイムPCR検出器であることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記確定手段は、PCR増幅を実行するための手段を含むことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記確定手段は、サンプルの注入/吸入のための手段、PCR試薬の添加手段、サンプルと試薬の混合手段、PCRリアクターに移送するための手段、PCR増幅の実行手段、増幅されたサンプルをPCRリアクターから移送するための手段、並びにPCRアンプリコンの検出手段を含むことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項39】
前記確定手段は、サンプルの注入/吸入のための手段、PCR試薬の添加手段、サンプルと試薬の混合手段、PCRリアクターに移送するための手段、PCR増幅の実行手段、増幅されたサンプルをPCRリアクターから移送するための手段、PCRアンプリコンの検出手段、並びに曝されたすべての導管の汚染除去及び調節を含むことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項40】
前記サンプル調製手段は、光エンコードされたマイクロビーズと、所定の期間で前記マイクロビーズを懸濁するためのビーズの懸濁/ミキサー手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項41】
生物剤を検出するために空気、水、土壌、又は他の物質をモニターする方法であって、該空気、水、土壌、又は他の物質は様々なサイズの潜在的な生物剤粒子を含み、該方法は、
様々なサイズの潜在的な生物剤粒子を含む前記空気、水、土壌、又は他の物質の収集ステップと、
サイズによって前記潜在的な生物剤粒子を分離し、前記生物剤を含み得るサイズ範囲の前記潜在的な生物剤粒子を収集するステップと、
前記生物剤を含み得るサイズ範囲の前記潜在的な生物剤粒子で前記生物剤を検出するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
前記サイズによって前記潜在的な生物剤粒子を分離し、前記生物剤を含み得るサイズ範囲の前記潜在的な生物剤粒子を収集するステップは、前記生物剤を含み得るサイズ範囲の前記潜在的な生物剤粒子を含まないバイパス気流と、前記生物剤を含み得るサイズ範囲の前記潜在的な生物剤粒子を含まない含むプロダクト気流への空気の分離を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記サイズによって前記潜在的な生物剤粒子を分離し、前記生物剤を含み得るサイズ範囲の前記潜在的な生物剤粒子を収集するステップは、液体で前記生物剤を含み得るサイズ範囲の前記潜在的な生物剤粒子を濃縮するステップを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記生物剤の検出ステップは、前記潜在的な生物剤粒子と光エンコードされたマイクロビーズとを混合することと、前記光エンコードされたマイクロビーズで前記生物剤を検出することを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記生物剤の検出ステップは、前記潜在的な生物剤粒子と、抗体とコードされた光エンコードされたマイクロビーズとを混合することと、前記抗体とコードされた光エンコードされたマイクロビーズで前記生物剤を検出することを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記生物剤の検出ステップは、前記潜在的な生物剤粒子と、蛍光標識抗体とコードされた光エンコードされたマイクロビーズとを混合することと、前記蛍光標識抗体とコードされた光エンコードされたマイクロビーズで前記生物剤を検出することを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記生物剤の検出ステップは、前記潜在的な生物剤粒子と、発光色素とコードされた光エンコードされたマイクロビーズとを混合することと、前記光エンコードされたマイクロビーズで前記生物剤を検出することを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記生物剤の検出ステップは、前記潜在的な生物剤粒子と、光エンコードされたマイクロビーズとを混合することと、フローサイトメーターで前記光エンコードされたマイクロビーズを分析することを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記生物剤を確定するステップを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記潜在的な生物剤粒子にPCR試薬を添加することによって前記生物剤を確定し、前記潜在的な生物剤粒子でPCR増幅を実行し、及び前記潜在的な生物剤粒子でPCRアンプリコンを検出するステップを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2006−508371(P2006−508371A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503256(P2005−503256)
【出願日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/026485
【国際公開番号】WO2005/001435
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(504471296)ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ カリフォルニア (13)
【Fターム(参考)】