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生物学的物質の調節放出
説明

生物学的物質の調節放出

【解決課題】生物学的物質を放出可能に封入するための過程が提供される。
【解決手段】本過程は、前駆体物質と生物学的物質と、非極性溶媒に溶解した界面活性剤溶液を混合して乳液を形成することを含む。この乳液は、非極性相に分散した極性相を含み、その際、極性相が生物学的物質を含む。次に、極性相から、生物学的物質を含む粒子が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的物質の封入および調節放出のためのセラミック粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
生体分子送達システムの必要特性は、封入、保存、および放出時において生体分子の構造的完全性を維持し、かつ、適切な放出速度特性を可能とする機構を備えることである。
【0003】
一つの一般的応用は、タンパク質薬剤送達システムである。タンパク質薬剤送達応用における現在の技術は、主にポリマー使用に基づく。生物学的物質、例えば、タンパク質の封入体としてポリマー系システムを用いることにはいくつかの欠点がある。すなわち、
*ポリマー生産は、薬品および/または高温の使用を含むが、これらはタンパク質を変性する可能性がある。
*通常、ポリマー基質からのタンパク質の放出機構は、ポリマー基質の侵食(すなわち、溶解)である。侵食(従って、放出)速度は通常、ポリマー粒子の化学的環境に依存する(例えば、pH依存性)。侵食はまた分解副産物を生じる可能性があり、これがタンパク質を変性させる。
*ポリマーは通常疎水性表面を持ち、従って、親水性を導入し、血中における安定性を強化するには、表面処理を必要とする。
*保存中に、例えば、脱水によってタンパク質は損傷および/または変性される可能性がある。
*ポリマーゲルは、乾燥中に重大な収縮を被る可能性があり、これによって、封入タンパク質がはみ出したり、その立体配座に変化を生じる可能性がある。
【0004】
特許文献1は、セラミックカプセルへの生物学的活性物質の取り込みについて述べているが、該特許に記載される化学は、大型生体分子の封入および放出にとって理想的なものではない。シリカ球を形成するために使用されるシリコンアルコキシド前駆体の加水分解時に放出される短鎖アルコールは、タンパク質分子を変性し、その生物活性の相当部分を失わせることが知られる。さらに、ゾル-ゲル反応が、通常、酸性または塩基性触媒の存在下に行われるので、大抵の生物分子とは相容れないpHを招くことになる。さらに、タンパク質は、そのサイズが最大約3000 kDaに渡るので、10 nm直径を上回る可能性がある。酸性条件で形成される微小孔は、一般に、小さすぎて、このサイズの分子を放出させることはできない。ただし、塩基性条件下で形成される中間孔はより大きく、小型タンパク質の放出を可能とすると考えられる。理想的には、pHが、5-8の通常の生理的範囲内に維持されるシステムが必要とされるが、このpH範囲は、シリコンアルコキシドの加水分解を触媒するには適切な条件ではない。
【0005】
特許文献2は、生体分子をセラミック基質に封入するための過程を記載する。しかしながら、この特許公認過程によって製造される粒子は、生体分子の調節放出用として設計されていない。さらに、この過程は、感受性の高い生体分子、特にタンパク質を変性させる、さもなくば損なう可能性のある過酷な条件に、例えば、極端なpH値および高いせん断力に、生体分子を暴露する。さらに、この過程で用いられる急激な凝集は、極めて広範で、かつ、無統制な粒子サイズ分布を招くことが考えられる。
【0006】
従って、所望の放出速度特性を示し、封入、保存、および放出時において、生物学的物質の構造的完全性を維持することが可能な、生物学的物質の送達システムに対しては需要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO01/62232(Barbe and Bartlett)
【特許文献2】JP5 261274(Lion社)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記欠点の内の少なくとも一つを克服すること、または実質的に緩和することが本発明の一つの目的である。前記需要に少なくとも部分的に応えることが本発明のもう一つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1局面では、生物学的物質を放出可能に封入するための過程であって:
−非極性溶媒の中に分散される乳液小滴であって、前駆物質および生物学的物質を含む乳液小滴を含む乳液を形成すること;
−乳液小滴から、その中および/またはその表面に生物学的物質を有する粒子を形成すること;
を含む過程が提供される。
【0010】
乳液形成工程では、第1乳液は、非極性溶媒、界面活性剤、および前駆物質から形成され、かつ、生物学的物質は第1乳液と混合されるか、あるいは、第1乳液は、非極性溶媒、界面活性剤、および生物学的物質から形成され、かつ、前駆物質がその乳液と混合されるか、あるいは、生物学的物質が前駆物質と混合され、得られた混合物が非極性溶媒および界面活性剤と混合されて乳液を形成するか、あるいは、何か別の添加順序が採用されてもよい。それとは別に、乳液形成工程は、界面活性剤および非極性溶媒を、水溶液、要すれば任意に酸性水溶液と混合し、第1乳液を形成すること、および、第1乳液を、前駆物質および生物学的物質と混合して乳液を形成することを含んでもよい。第1乳液は、例えば、微細乳液、すなわち小滴サイズ乳液であってもよい。
【0011】
従って、本発明は、生物学的物質を放出可能に封入するための過程であって:
a)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液を、前駆物質および生物学的物質と混合して、非極性相中に分散される、生物学的物質を含む極性相を含む乳液を形成すること;
b)極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含む過程を提供する。
【0012】
極性相はさらに、前駆物質を含んでもよい。前記過程の工程a)は:
c)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液を前駆物質と混合し、第1乳液を形成すること、その際、前記第1乳液は、極性相を非極性相中に分散させ、かつ、前記前駆物質は極性相に局在し;および、
d)生物学的物質を第1乳液と、極性相が生物学的物質を含むように混合すること、
を含んでもよい。
【0013】
過程はさらに、第1乳液のpHを、問題の生物学的物質に適切なpH、すなわち、生物学的物質を分解または変性することのないpH、または、生物学的物質を劣化させることのないpHに調整する工程をさらに含んでもよい。pHは、生物学的物質が活性を持続する、例えば、生物学的活性を持続するpHに調整されてもよい。そのpHは約1と約11の間、または、約2と11の間、3と11、4と11、5と11、6と11、7と11、1と9、1と7、1と5、2と10、2と8、2と7、3と9、3と7、3と5、5と6、6と7、7と8、8と9、9と10、9と10、5と8、5と7、5と8.5、10と11、5と7、8と10、8.5と10、9と11、または8.5と11、例えば、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、または11であってもよい。pHの調整は、工程d)の前に実行してよい。
【0014】
過程の工程a)は:
e)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液を、酸性水溶液と混合して、第2乳液(要すれば任意に微細乳液または小滴サイズ乳液であってもよい)であって、非極性相に極性相を分散させた第2乳液を形成すること;
f)前駆物質を、第2乳液に、該前駆物質が極性相に局在されるように加えること;および、
g)生物学的物質を、極性相が該生物学的物質を含むように加えること、
を含んでもよい。
【0015】
それとは別に、工程a)は:
h)前駆物質と生物学的物質を混合して極性混合物を形成すること;および、
i)極性混合物を界面活性剤の溶液と混合し、非極性相の中に極性相を分散させる乳液であって、該分散が、極性相が前駆物質および生物学的物質を含むように行われる乳液を形成すること、
を含んでもよい。
【0016】
この別法もまた、前駆物質のpHを、約1と約11の間、または、約3と11、5と11、7と11、7.5と11、1と9、1と7、1と5、3と9、3と7、5と9、5と7、7.5と9.5、8.5と9、9と10、9.5と10、9と9.5、5と8、5と7、5と8.5、10と11、5と7、8と10、8.5と10、9と11、または8.5と11、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、または11に調整することを含んでもよい。この場合、生物学的物質は、pH調整された前駆物質のpHにおいて安定であることが好ましい。
【0017】
別態様として、工程a)は:
j)界面活性剤の溶液に生物学的物質を添加すること;および、
k)pHを約1と約11の間、例えば、約7.5と約11の間に調整した状態で前駆物質を添加し、乳液の極性相が前駆物質と生物学的物質を含むようにすること、
を含んでもよい。
【0018】
前駆体は、セラミック前駆体を含んでもよい。前駆体は、コロイド状シリカ、または他の何かのセラミック前駆体を含んでもよく、あるいは、2種以上の異なるセラミック前駆体の混合物を含んでもよい。生物学的物質はタンパク質を含んでもよい。該物質は酵素を
含んでもよい。過程はさらに、工程b)の前にゲル化支援剤を加えることを含んでもよい。ゲル化支援剤は、塩(例えば、塩化ナトリウム)および/または水溶性ポリマーを含んでもよい。ゲル化支援剤は、溶液として、要すれば任意に水溶液として添加してよい。過程は、非極性相から粒子を少なくとも部分的に分離することを含んでもよい。この少なくとも部分的に分離する工程は、粒子を含む乳液を、沈殿性溶媒と混合して粒子を沈殿させる工程を含んでもよい。その際、前記沈殿性溶媒は、非極性溶媒と混和可能である。好適な沈殿性溶媒は、アセトン、エタノール、またはそれらの混合物であってもよい。沈殿性溶媒は、生物学的物質を変性しない、またはその他のやり方で損傷しないように選ばれてもよい。少なくとも部分的に分離する工程は、上記に加えてさらに、または上記とは別に、粒子を含む乳液を遠心することを含んでもよい。少なくとも部分的に分離する工程の後、粒子を乾燥してもよい。
【0019】
従って、一つの実施態様では、過程は:
−前駆物質であって、ジルコニウムテトラアルコキシドおよびチタンテトラアルコキシドから選ばれる少なくとも一つのアルコキシドを含む前駆物質に対し、pHを約2と約4の間に調整した状態で、生物学的物質を加えること;および、
−生物学的/前駆物質混合物を、界面活性剤溶液に加え、非極性相中に極性相を分散させた乳液を形成すること、その際、極性相が生物学的物質および前駆物質を含み;および、
−極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含む。
【0020】
別の実施態様では、過程は:
−水溶液としての生物学的物質を、界面活性剤の溶液に加え、非極性相中に極性相を分散させた乳液を形成すること、その際、極性相が生物学的物質を含み;
−ケイ酸塩を含む前駆物質を、乳液の極性相が前駆物質および生物学的物質を含むようにpHを約8と約10の間に調整した状態で加えること;
−約6と約8の間にpHを調整すること;および、
−極性相から、生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含む。
【0021】
ある実施態様では、過程は:
a)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の液を、コロイド状ケイ酸塩と混合し、非極性相中に極性相を分散させた乳液を形成すること;
b)乳液のpHを、約5と約11の間のpHに調整すること;
c)乳液を、生物学的物質と混合すること、その際、混合は、極性相が該生物学的物質を含むように行われ;および、
d)極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含む。
【0022】
別の実施態様では、過程は:
a)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の液を、酸性水溶液と混合し、非極性相中に極性相を分散させた乳液を形成すること;
b)乳液のpHが約5と約11の間になるように、コロイド状シリカを乳液に加えること;
c)生物学的物質を乳液に添加すること、その際、添加は、極性相が該生物学的物質を含むように行われ;および、
d)極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含む。
【0023】
別の実施態様では、過程は:
a)前駆物質と生物学的物質を混合して極性混合物を形成すること;
b)極性混合物のpHを、約7.5と約11の間に調整すること;
c)極性混合物を界面活性剤溶液と混合して、非極性相の中に極性相を分散させた乳液を形成すること、その際、極性相が極性混合物を含み;および、
d)極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含む。
【0024】
別の実施態様では、過程は:
a)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の液を、生物学的物質を含む溶液または懸濁液と混合すること;
b)前駆物質のpHを約7.5と約11の間に調整すること;
c)生物学的物質を含む溶液にpH−調整前駆物質を添加し、極性相を非極性相中に分散させた乳液を形成すること、その際、極性相が該生物学的物質を含み;および、
d)極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含む。
【0025】
第1局面の別態様では、生物学的物質を放出可能に封入するための過程であって:
−前駆物質、界面活性剤、および非極性溶媒を混合し、非極性溶媒中に分散される乳液小滴を含む乳液を形成すること、その際、乳液小滴は前駆物質を含み;
−乳液に生物学的物質を加えること;および、
−乳液小滴から、その中および/またはその表面に生物学的物質を有する粒子を形成すること;
を含む過程が提供される。
【0026】
前駆物質、界面活性剤、および非極性溶媒を混合する工程は、界面活性剤と非極性溶媒を混合し(例えば、界面活性剤を非極性溶媒に溶解すること)、次に前駆物質を加えることを含んでもよい。
【0027】
前駆物質は、溶液、懸濁液、分散液、ゾル、または乳液であってもよく、粒子を形成することが可能であってもよい。前駆物質は極性であってもよく、水性であってもよい。粒子形成工程は、下記の工程:
−要すれば任意に、乳液小滴のpHを、生物学的物質が安定で、および/または、活性を持つpHに調整すること;および、
−乳液小滴が粒子を形成するのに十分な時間待機すること、
を含んでもよい。
【0028】
粒子形成工程は、前駆物質を脱安定化すること、および/または、ゲル化すること、および/または、凝集することを含んでもよい。前駆物質は、水を含んでもよく、水溶液、懸濁液、分散液、乳液、またはゾルであってもよい。前駆物質は、セラミック前駆物質(すなわち、ゼラミック材料の前駆体)を含んでもよい。セラミック前駆物質は、金属酸化物前駆物質、例えば、金属オキソ陰イオンの水溶性塩であってもよい。金属オキソ陰イオンは、例えば、ケイ酸塩、アルミ酸塩、チタン酸塩、ジルコン酸塩、または他の何かのオキソ陰イオンであってもよい。セラミック前駆体は、シリカ前駆物質、例えば、コロイド状シリカ、シリカゾル、またはアルコキシシラン(例えば、テトラアルコキシシラン、例として、テトラメチルシラン)、または、金属ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム)、または、上記の内の任意の2種以上の混合物を含んでもよい。セラミック前駆体は、安定なコロイド状分散液を形成することが可能な、任意の、含水金属酸化物を含んでもよい。この酸化物は、2から4族元素であって、遷移元素およびランタノイドを含む元素の酸化物であってもよい。前駆物質は一次粒子を含んでもよく、一次粒子は、直径が約5と約500nmの間、または、約5と約100の間、または約5と約50nmの間にあってもよい。前駆物質は、異なるサイズの一次粒子から成る混合物であってもよく、異なるサイズの一次粒子は、前駆物質を界面活性剤溶液と混合する工程の前に、混ぜ合わせてもよい。前駆物質はアルカリ性であってもよく、約9と約12の間のpHを持ってもよく、あるいは、それは酸性であってもよく、約0.5と約3.5、約3.5と約5.5の間のpHを持ってもよく、あるいは、何か他のpHを持ってもよい。界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、または双性イオン性であってもよく、かつ、非極性溶媒に可溶性であってもよい。乳液は、油中水(W/O)乳液であってもよい。乳液は、約0.01と約500ミクロンの間の小滴サイズを持ってもよい。乳液小滴が粒子を形成するのに十分な時間は、約1分と24時間の間、または、約1と12時間の間であってもよい。乳液小滴から粒子を形成する間、乳液は、攪拌、掻き回し、またはその他のやり方で揺動してもよい。
【0029】
混合工程は、攪拌、振とう、混ぜ合わせ、掻き回し、または揺動を含んでもよい。混合工程は、非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液と前駆物質を混合することを含んでもよい。生物学的物質を添加する工程は、低いせん断力で実行してもよい。低いせん断力は、生物学的物質の損傷、例えば、変性を避けることが可能なほどに十分低くてよい。生物学的物質は溶液として、または懸濁液として加えてもよい。生物学的物質は生体分子であってもよく、例えば、タンパク質、ペプチド、抗体、酵素、ポリサッカリド、DNAまたはRNA鎖または断片、または何か他の生体分子であってもよい。
【0030】
粒子は中間多孔性であって、約1と約50nmの間の平均孔径を持っていてもよい。粒子は、それぞれが複数の一次粒子を含む、凝集体を含んでもよい。粒子は、約0.05と約500ミクロン、約0.05と約100ミクロン、または約0.5と約50ミクロンの間の平均粒径を持ってもよい。粒子は、広い、中間的な、または狭い粒径分布を持っていてもよい。
【0031】
過程はさらに、下記の工程の内の一つ以上をさらに含んでもよい。すなわち、
−生物学的物質を添加する工程の前に、後に、またはその最中に、ゲル化支援剤を添加する工程;
−非極性溶媒から粒子を少なくとも部分的に分離する工程;
−粒子を洗浄する工程;および、
−粒子を乾燥する工程。
【0032】
ゲル化支援剤は、球形粒子の形成を支援するのに十分な量として存在してもよい。ゲル化支援剤は、溶液として加えられてもよく、溶液はまた生物学的物質を含んでもよい。ゲル化支援剤は、水溶性塩、例えば、塩化ナトリウムであってもよい。それとは別に、ゲル化支援剤は、何か他の物質、例えば、水溶性ポリマー、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、またはヒドロキシプロピルセルロースであってもよい。ゲル化支援剤は、溶液として、例えば、水溶液として、約0.1%と約40%w/vの間の濃度で添加されてもよい。ゲル化支援剤が塩である場合、該塩の溶液は、約0.5と6Mの間であってもよい。少なくとも部分的に分離する工程は、遠心、ろ過、微細ろ過、沈降、または何か他の適当な方法を含んでもよい。洗浄工程は、洗浄溶媒による洗浄を含んでもよい。洗浄溶媒は、有機溶媒、例えば、非極性溶媒または、非極性溶媒と混和が可能な溶媒であってもよく、あるいは、極性溶媒、例えば、極性有機溶媒、水、または水溶液であってもよい。洗浄工程は繰り返してもよく、各繰り返しにおいて、同じ、または異なる洗浄溶媒を用いてもよい。各洗浄工程の後には、例えば、ろ過、または遠心によって、洗浄溶媒から粒子を少なくとも部分的に分離する工程を行ってもよい。乾燥工程は、気体の流れ、例えば、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、または、生物学的物質を損傷または変性しない何か他の気体の流れに、粒子を暴露することを含んでもよい。乾燥工程は、周囲温で、または、生物学的物質を損傷または変性しない別の温度において実行してもよい。乾燥工程は、上記に加えてさらに、または上記とは別に、生物学的物質に真空を印加すること、または凍結乾燥することを含んでもよい。
【0033】
ある実施態様では、生体分子を放出可能に封入する過程であって:
−前駆物質、および、非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液を混合し、非極性溶媒に乳液小滴を分散させた乳液を形成すること、その際、前記乳液小滴が前駆物質を含み;
−生物学的物質、および、要すれば任意にゲル化支援剤を乳液に添加すること;
−乳液小滴が粒子を形成するのに十分な時間待機すること、その際、前記粒子が、その内部および/またはその表面に生物学的物質を有し;
−非極性溶媒から粒子を少なくとも部分的に分離すること;
−粒子を洗浄すること;および、
−粒子を乾燥すること
を含む過程が提供される。
【0034】
乳液小滴のpHを調整する工程は、生物学的物質を添加する工程の前に、と同時に、あるいは、の後に実行してもよい。可溶性塩は、添加する場合は、生物学的物質の添加の前、と同時、あるいは、の後に加えてもよい。
【0035】
別の実施態様では、生体分子を放出可能に封入する過程であって:
−コロイド状シリカと、非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液を混合し、非極性溶媒に乳液小滴を分散させた乳液を形成すること、その際、前記乳液小滴がコロイド状シリカを含み;
−乳液にpH調整試薬を添加して、pHを約5と約11の間に調整すること;
−生体分子の溶液または懸濁液を添加すること;
−可溶性無機塩の溶液を添加すること;および、
−乳液小滴からシリカ粒子を形成させるために約1時間から約12時間待機すること、その際、前記シリカ粒子が、その内部および/またはその表面に生物学的物質を放出可能に封入する、
を含む過程が提供される。生体分子は、例えばタンパク質、ペプチド、DNA断片、抗体またはポリサッカリドであってもよい。
【0036】
別の実施態様では、生体分子を放出可能に封入する過程であって:
−コロイド状シリカと、非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液を混合し、非極性溶媒に乳液小滴を分散させた乳液を形成すること、その際、前記乳液小滴がコロイド状シリカを含み;
−乳液にpH調整試薬を添加して、pHを約5と約10の間に調整すること;
−生体分子の溶液または懸濁液を添加すること;
−可溶性無機塩の溶液を添加すること;
−乳液小滴からシリカ粒子を形成させるために約1時間から約12時間待機すること、その際、前記シリカ粒子が、その内部および/またはその表面に生物学的物質を放出可能に封入し、
−非極性溶媒からシリカ粒子を少なくとも部分的に分離すること;
−非極性溶媒でシリカ粒子を洗浄すること;
−要すれば任意に、非極性溶媒とは異なる溶媒でシリカ粒子を洗浄すること;および、
−シリカ粒子を乾燥すること
を含む過程が提供される。
【0037】
本発明の第2局面では、放出可能な生物学的物質を含む粒子であって、約1と50nmの間の平均孔径、約0.05と約500ミクロンの間、または、約0.05と約100ミクロンの間の平均孔径を持つ粒子が提供される。さらに、複数の前記粒子が提供される。生物学的物質は、粒子の中に実質的に均一に分布してもよいし、または、不均一に分布してもよい。粒子は、生物学的物質が、粒子から放出された後でも生物学的に活性を持つような形として存在する。例えば生物学的物質が酵素であるなら、酵素は、粒子からの放出後も、その酵素活性を保持しなければならない。生物学的物質は、粒子からの放出後も、封入前のその活性の少なくとも約50%、または、その活性の、少なくとも約60、70、80、または90%を保持しなければならない。
【0038】
粒子は、
a)界面活性剤を非極性溶媒に溶解した溶液を、前駆物質および生物学的物質と混合し、非極性相中に極性相を分散させた乳液を形成すること、その際、前記極性相が生物学的物質を含み;および、
極性相から、生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含む過程によって製造されてもよい。
【0039】
粒子は、本発明の第1局面の方法によって製造されてもよい。
【0040】
粒子は、直径が約5と500nmの間の一次粒子から成る凝集体を含んでもよい。粒子は、その内部に、および/または、その表面に生物学的物質を放出可能に封入してもよい。粒子および一次粒子はセラミックを含んでもよく、かつ、金属酸化物、例えば、シリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、または、上記の内の任意の2種以上の混合物を含んでもよく、あるいは、シリコン、チタン、ジルコニウム、およびアルミニウムの内の任意の2種以上の金属酸化物の混合物を含んでもよい。粒子は中間孔性であって、約1と約50nmの間の平均孔径を持ってもよい。粒子は、約0.05と約500ミクロン、または約0.5と約50ミクロンの間の平均粒径を持ってもよい。生物学的物質は生体分子であってもよく、例えば、タンパク質、ペプチド、抗体、酵素、ポリサッカリド、DNAまたはRNA鎖または断片、または何か他の生体分子であってもよい。
【0041】
本発明の第3局面では、その内部に、および/またはその表面に放出可能に生物学的物質を封入したセラミック粒子が提供される。前記セラミック粒子は、本発明の第1局面の過程によって製造される。
【0042】
本発明の第4局面では、生物学的物質を患者に送達する方法であって、本発明の第2または第3局面による1個以上の粒子を患者に投与することを含む方法が提供される。方法は、患者における病態であって、該生物学的物質が、その病態の治療に適応とされる病態、例えば、疾患の治療を目的とするものであってもよい。生物学的物質は、病態の治療に適応とされてもよい。投与は、注入、例えば、静注、筋注、皮下注射、または、何か他の注入方式によって行われてもよいし、あるいは、肺、鼻腔、経口、または経皮的送達、または何か他の適当な送達法によって行われてもよい。方法は、1個以上の粒子を臨床的に受容可能な担体に懸濁することを含んでもよい。その際、前記担体は、注入、または、肺、鼻腔、経口、または経皮送達に好適である。
【0043】
本発明の第5局面では、生物学的物質を液体に送達する方法であって、本発明の第2または第3局面による1個以上の粒子に、該液体を暴露することを含む方法が提供される。この局面では、生物学的物質は、例えば、酵素であってもよい。生物学的物質は、液体における反応を触媒してもよい。
【0044】
本発明の第6局面では、生物学的物質を患者または液体のいずれかに送達するために、本発明の第2または第3局面による1個の粒子、または複数個の粒子を用いる使用が提供される。この使用は、患者における病態の治療、または、液体における反応の触媒のためであってもよいし、あるいは、何か他の目的のためであってもよい。使用は、患者または液体に対する、生物学的物質の調節的放出を含んでもよい。
【0045】
本発明の第7局面では、本発明の第2または第3局面による1個以上の粒子であって、患者における病態の治療用薬剤製造のための、それらの粒子の使用が提供される。生物学的物質は、前記治療に対し適応とされてもよい。患者は、動物またはヒトの患者であってよく、動物は、哺乳類、霊長類、または鳥類または他の何かの動物であってもよい。
【0046】
本発明の第8局面では、患者の病態を治療するための薬剤であって、本発明による1個の粒子、または複数個の前記粒子を含む薬剤が提供される。その際、前記1個の粒子、または複数個の粒子の生物学的物質は、該病態の治療に適応とされる。薬剤は、1種以上の受容可能な担体および/または補助剤を含んでもよい。薬剤は、患者への注入、または、患者に対する、肺、鼻腔、経口、または経皮的送達に好適であってもよい。担体および/または補助剤は、患者への注入、または、患者に対する、肺、鼻腔、経口、または経皮的送達に好適であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
次に、本発明の好ましい形態を、付属の図面を参照しながら実施例を通じて説明する。
本発明は、粒子における生物学的物質(例えば、生体分子および/または微生物)の封入および放出に関する。一つの実施例では、粒子は、水性コロイド状シリカおよび/またはケイ酸塩溶液から得られたゾル−ゲルシリカを含む。pHがほぼ中性であり、かつ有機薬品を含まないことから、比較的穏やかな条件が得られ、これは、生物学的物質の元々の構造の保持を助ける。前駆体としてシリカゾルを用いる場合、ゲルは、シリカの一次粒子の凝集の結果中間孔性となる場合がある。すなわち、凝集体のサイズが孔の大きさを決めるので、ゲルの多孔性の、特定目的に合わせた調整が可能となる。この多孔性調節は、粒子のサイズおよび形も調節可能となるならば、調節放出実用の可能性を与える。油中水乳液においてタンパク質注入コロイド状シリカを凝集することによって、本発明者達は、生体分子(例えば、タンパク質)の調節的放出のために使用することが可能なサイズ調節球体を生産した。本発明の過程は、生物学的物質がその中において実質的に均一に分布される粒子を生産することが可能である。これは、生物学的物質の調節放出を促進する可能性がある。
【0048】
本発明における使用に好適な溶媒/界面活性剤混合物を選ぶ際に重要な注意点は、生物学的実施態様に対する破壊を最小にすること、および、コロイド状ナノ粒子とはっきりと相互作用を持つことが予想される物質を避けることである。非極性溶媒は、生物学的物質が分解、変性、または劣化する温度よりも低いレベルに融点を持っていなければならない。その温度は生物学的物質に依存する。融点は、約60℃未満、または、約55、50、45、または35℃未満であってもよい。使用してもよい好適な溶媒としては、アルカン、例えば、長鎖アルカンが挙げられる。アルカンは、直鎖、分枝鎖、または環状であってもよい。アルカンは、約5と24の間の炭素原子、または、約10と24、20と24、5と20、5と10、または10と20の間の炭素原子を持っていてもよく、約5、6、7、8、10、12、14、16、18、20、22、または24個の炭素原子を持っていてもよい。溶媒は、種々の化合物の混合物、例えば、種々のアルカンの混合物であってもよい。使用してもよい溶媒としては、ドデカン、ケロシン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、およびトルエンが挙げられる。使用が可能なその他の溶媒としては、ハロゲン化溶媒が挙げられる。溶媒は、極性の低い溶媒であってもよく、一般に界面活性剤用溶媒である。溶媒は、生物学的物質を変性したり、その他のやり方でそれを劣化または分解してはならない。溶媒は、本発明の製造過程と関連する条件において製造中生物学的物質と反応してはならない。溶媒は、低コストとなるように選ばれてもよい。
【0049】
十分に長いポリエトキシ(−O−CH−CH−)鎖(例えば、Brij52)を含む界面活性剤は、シリカ球の形成を妨げることが判明している。本発明者等は、これは、一次粒子表面に水素が結合し、これが凝集およびゲル化を阻止する立体障壁となるためではないかと仮定した。本発明に使用するのに好適な界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、または双性イオン性であってもよく、例えば、ソルビタンエステル、例えば、Span 20、および、スルフォこはく酸、例えば、エロゾルOTを含んでもよい。ゲル化pHにおいてコロイド状粒子と同じ電荷符号(すなわち、陽性または陰性)を持つ非イオン性またはイオン性界面活性剤が好ましい。従って、低いpH(例えば、約pH8以下)で粒子が形成される場合、長いポリエトキシ(−O−CH−CH−)鎖を持つ界面活性剤は避けるのが一般的に有利である。粒子が比較的高いpH(例えば、約pH8以上)で形成される場合、ポリエチレン鎖を持ついくつかの界面活性剤が、好適な粒子を生産することが判明している。ゲル化のpHは、前駆物質の性質に依存する。
【0050】
前駆物質は、シリカゾルまたはコロイド状シリカであってもよく、上記に加えて、または上記とは別に、金属オキソ陰イオンの水溶性塩を含んでもよい。水溶性塩は、ケイ酸塩、例えば、アルカリケイ酸塩、例えば、ケイ酸ナトリウム、あるいは、ジルコン酸塩、または他の何かのセラミック前駆体(すなわち、セラミック材料の前駆体)であってもよい。好適な前駆物質は、Bindzil 30/360(Eka Chemicals)、すなわち、約9nmの一次粒子を持ち、pHを10から6に下げることによって数時間内にゲル体を形成するコロイド状シリカである。同様のサイズを持つコロイド状シリカの他のブランド品、例えば、Snowtex ST−40(Nissan Chemicals)も好適である。Ludox SM−30(Grace Davidson)も使用が可能である。ただし、これは、殺生物剤を含むので、本発明のある用途には不適である可能性がある。前駆物質は、直径が、約5と500nmの間の一次粒子、約5と250の間、5と100、5と50、5と40、5と30、5と20、10と100、20と100、10と30、10と20、100と500、100と250、250と500、または50と250nmの間の一次粒子を持ってもよく、かつ、直径が、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、または500nmの一次粒子を持ってもよい。種々のサイズを持つ一次粒子を有する前駆物質の混合物を使用してもよい。他の前駆物質としては、アルミン酸塩、ジルコン酸塩、チタン酸塩、その他の金属オキソ陰イオン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0051】
本発明の過程は、前駆物質と、非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液とを混合して乳液を形成する工程を含む。乳液は、油中水(W/O)乳液であってもよい。乳液は、約0.05と500ミクロンの間、または約0.05と250ミクロンの間、0.05と100ミクロン、0.05と50ミクロン、0.05と25ミクロン、0.05と10ミクロン、0.05と5ミクロン、0.05と2ミクロン、0.05と1ミクロン、0.05と0.5ミクロン、0.1と50ミクロン、0.5と50ミクロン、1と50ミクロン、10と50ミクロン、25と50ミクロン、1と20ミクロン、1と10ミクロン、1と5ミクロン、100と500ミクロン、50と500ミクロン、250と500ミクロン、1と250ミクロン、1と100ミクロン、1と50ミクロン、1と20ミクロン、0.1と100ミクロン、0.1と10ミクロン、または1と2ミクロンの間の小滴サイズを持っていてもよく、かつ、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミクロンの小滴サイズを持ってもよい。
【0052】
界面活性剤の、非極性溶媒に対する比は、w/wまたはw/vに基づいて、約5と30%の間、または約5と20、5と15、5と10、10と30、15と30、または10と20%の間であり、約5、10、15、20、25、または30%である。存在する全水分量(これは、添加される前駆物質の量を決める)は、水:界面活性剤のモル比として約2:1と10:1の間、または5:1と10:1の間、または約2:1と5:1の間、または約3:1と7:1の間であってもよく、また、水:界面活性剤のモル比として、約2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、または10:1であってもよい。添加される生体分子の量は、該生体分子の、水溶液に対する可溶性に依存する。問題の量は、例えば、シリカ1g当たり約20mgであってもよい。生体分子の量は、シリカ1g当たり、約1と50mgの間、約1と20、1と10、1と5、5と50、10と50、25と50、10と40、または、10と30mgであってもよく、また、シリカ1g当たり、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、または50mgであってもよく、あるいは、少なくとも一部は、生物学的物質の性質、および/または、所望の、その放出プロフィールに応じて、何か他の量であってもよい。
【0053】
本発明の過程において、前駆物質は、その内部および/または表面に生物学的物質を有する粒子に変換される。粒子は、多孔性であってもよく、約1と50nmの間、または約1と2、1と10、1と20、2と50、2と20、2と10、2と5、5と20、10と20、20と50、10と40、5と30、または5と10nmの間の平均直径を持つ孔を有していてもよく、また、約、1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50nmの径の孔を有してもよい。粒子は、約0.05と500ミクロンの間の直径(例えば、平均直径)を持ってもよく、または、約0.05と250ミクロンの間、0.05と100ミクロン、0.05と50ミクロン、0.05と25ミクロン、0.05と10ミクロン、0.05と5ミクロン、0.05と2ミクロン、0.05と1ミクロン、0.05と0.5ミクロン、0.1と50ミクロン、0.5と50ミクロン、1と50ミクロン、10と50ミクロン、25と50ミクロン、1と20ミクロン、1と10ミクロン、1と5ミクロン、100と500ミクロン、50と500ミクロン、250と500ミクロン、1と250ミクロン、1と100ミクロン、1と50ミクロン、1と20ミクロン、0.1と100ミクロン、0.1と10ミクロン、または1と2ミクロンの間の直径を持ってもよく、また、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミクロンの直径を持ってもよい。
【0054】
標的粒子サイズの選択を支配する二つの因子は:
−凝集体を含む一次粒子が、封入の対象となる生物学的物質(例えば、タンパク質)に匹敵するサイズを持つ可能性のあることである。例えば、一次粒子は、Bindzil 30/360では約9nmである。従って、生物学的物質を十分に封入するためには、最小数の一次粒子が必要とされる。
−タンパク質は、親水性領域と疎水性領域の両方を含むことがある。従って、タンパク質分子は、油中水乳液の水相に存在はしているけれども、該タンパク質分子は、界面活性剤/溶媒境界近くに好んで局在し、タンパク質負荷外「殻」を形成する可能性がある。従って、粒子中の過剰なデッドスペース(すなわち、関連タンパク質を持たないスペース)を最小化し、かつ、タンパク質を保持するのに十分な一次粒子を確保するためには、約1ミクロンの標的粒子サイズが適当であると考えられる。
【0055】
本発明者等は、乳液にゲル化支援剤を加えると、シリカの場合、球形粒子の形成が促進されることを見出した。このゲル化支援剤は塩であってもよいが、あるいは、何か他の物質、例えば、水溶性ポリマー、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、またはヒドロキシプロピルセルロースであってもよい。ゲル化支援剤は、溶液として、例えば、水溶液として、約0.1と40%w/wまたはw/vの間の濃度で、または約0.1と20の間、0.1と10、0.1と5、0.1と1、0.5と40、1と40、5と40、10と40、20と40、1と20、または5と20%w/wまたはw/vの間の濃度で加えられてもよく、また、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、または40%w/wまたはw/vの濃度の溶液として加えられてもよい。ゲル化支援剤は水溶性であってもよく、溶液として、例えば、水溶液として加えられてもよい。ゲル化支援剤が塩である場合、溶液の塩は約0.5と6Mの間にあってもよく、約0.5と3の間、約0.5と1、約1と6、約3と6、約0.5と2、または約1と2Mの間にあってもよく、また、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、または6Mであってもよい。ゲル化支援剤と共にリン酸二水素カリウム(0.0037−0.015M)を含めると、pHを5−7範囲に維持するのがやり易くなる。リン酸二水素カリウムの濃度は、0.0037−0.01M、0.0037−0.005M、0.005−0.015M、0.01−0.015M、または0.005−0.01Mの範囲にあってよく、また、約0.0037、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.011、0.012、0.013、0.014、または0.015Mであってもよい。他のバッファー液も使用が可能である。ゲル化支援剤は、生物学的物質の添加前、最中、または後に、あるいは、生物学的物質と一緒に加えてもよい。添加される、ゲル化支援剤の量は、用いる前駆体および支援剤の性質に依存するが、コロイド状シリカの場合、ゲル化支援剤:シリカの質量比として、通常、約1:10と1:200の間、または約1:10と1:20の間の範囲を持つ。ゲル化支援剤の量は、ゲル化支援剤:シリカの質量比として、約1:10と1:100の間、1:10と1:50、1:10と1:20、1:20と1:100、1:50と1:100、1:100と1:200、1:100と1:150、1:150と1:200、1:20と1:80、1:20と1:50、1:10と1:15、1:15と1:20、または1:13と1:17の間にあってよく、また、ゲル化支援剤:シリカの質量比として、約1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:25、1:30、1:35、1:40、1:45、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:120、1:140、1:160、1:180、または1:200であってもよい。
【0056】
粒子が損傷無く洗浄・乾燥されるようになるためには、粒子が形成され、熟成するためにある時間待機することが必要とされる。その時間は、約1分と約24時間の間、または約10分と24時間の間、または約30分と24時間の間、または約0.5と12時間の間、または0.5と6、または1と24、または6と24、または12と24、または1と12、または2と8、または4と8時間、または約1と60分、または約1と30、1と10、1と5、5と60、5と30、または15と30分の間であってもよく、また、約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、または55分、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、16、20、または24時間であってもよい。待機中、乳液は、攪拌、掻き回し、またはその他のやり方で揺動してもよく、あるいは、揺動せずに安置させてもよい。
【0057】
粒子が形成され、熟成した後、それらを洗浄してよい。洗浄前に、粒子を、非極性溶媒から少なくとも部分的に分離してもよい。少なくとも部分的に分離する工程は、遠心、ろ過、微細ろ過、沈降、または何か他の適当な方法、または上記方法の内の任意の2種以上の組み合わせを含んでもよい。洗浄工程は繰り返してもよく、繰り返しのいくつかにおいて、または全てにおいて、異なる洗浄溶媒を用いて行ってもよい。使用される洗浄溶媒としては、非極性溶媒、水、アルコール類(例えば、生物学的物質の感受性に応じて、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール)、アルカン類、ハロゲン化アルカン類、ケトン類、エステル類、および他の一般的溶媒、または、上記の混合物が挙げられる。洗浄は、粒子を洗浄溶媒に浸すことを含んでもよく、洗浄溶媒を、その中に浸した粒子とともに搖動する(例えば、かき回す、振とうする、攪拌する)ことを含んでもよく、および/または、洗浄溶媒を粒子の間を、例えば、ろ過によってすり抜けさせることを含んでもよい。洗浄はさらに、洗浄溶媒から、少なくとも部分的に粒子を分離することを含んでもよい。
【0058】
粒子は、例えば、気体の流れの中で、および/または、加熱によって、および/または、真空の印加によって乾燥してもよい。粒子が乾燥される温度は、生物学的物質の性質に依存するが、生物学的物質が損傷されない、または変性しない温度未満でなければならない。温度は、例えば、約15と50℃の間、または、約15と40、15と30、15と20、20と50、30と50、または20と40℃の間であってもよく、また、約15、20、25、30、35、40、45、または50℃であってもよい。それとは別に粒子は凍結乾燥してもよい。凍結乾燥の温度は約−80℃であってもよい。凍結乾燥温度は、約−30℃未満、または約−40、−50、−60、−70、−90、−100、−120、−140、−160、または−180℃未満であってもよい。凍結乾燥温度は、約−30と約−200の間、または約−130と−150の間、−30と−100、−30と−80、−30と−60、−50と−100、−50と−80、−100と−200、−100と−150、−150と−200、−150と−50、または−70と−90℃の間にあってよく、また、約−30、−40、−50、−60、−70、−80、−90、−100、−110、−120、−130、−140、−150、−160、−170、−180、−190、−196、または−200℃であってもよい。凍結乾燥の圧は、例えば、約1と約200ミリトールの間、または約1と150、1と100、1と50、1と20、1と10、10と100、10と50、50と200、100と200、150と200、100と150、50と100、または120と170ミリトールの間にあってもよく、また、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200ミリトールであってもよい。乾燥中の圧は、0と1気圧の間、または0.01と1の間、0.1と1、0.5と1、0.01と0.5、0.01と0.1、または0.1と0.5気圧の間であってもよく、また、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1気圧、または、何か他の適当な気圧であってもよい。
【0059】
本発明の粒子は、その内部またはその表面に封入される生物学的物質を送達するために使用されてもよい。この生物学的物質は、治療物質であってもよく、粒子を患者に投与することによって患者に送達されてもよい。この送達は、生物学的物質が適応とされる病態の治療のためであってもよい。病態は疾患であってもよい。生物学的物質が適応とされる病態の例としては、モノクロナール抗体で治療が可能な自己免疫疾患、および、その治療には酵素による薬剤前駆体の活性化が必要とされる癌が挙げられる。投与は、例えば、流体における粒子の懸濁液の注入によってもよく、あるいは、投与は、経口的に、肺を通じて、または何か他のルートを通じて行われてもよい。患者は脊椎動物であってもよく、該脊椎動物は、哺乳類、有袋類、または爬虫類であってもよい。哺乳類は、霊長類または非ヒト霊長類、またはその他の非ヒト哺乳類であってもよい。哺乳類は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ類、げっ歯類、ウシ類、ウサギ類、ヒツジ類、ヤギ類、ネコ類、およびイヌ類からなるグループから選ばれてもよい。哺乳類は、例えば、ヒト、ウマ、ウシ、牝牛、雄牛、バッファロー、ヒツジ、イヌ、ネコ、ヤギ、リャマ、ウサギ、類人猿、サル、およびラクダから選ばれてもよい。
【0060】
本発明の粒子はまた、生物学的物質を、液体、例えば、反応混合液に輸送するために用いてもよい。生物学的物質は、例えば、触媒物質、例えば、酵素であってもよく、粒子は、該触媒物質によって触媒される反応混合液に該生物学的物質を輸送するために用いてもよい。一つの例は、タンパク質切断酵素、例えば、ズブチリシンを含む粒子の、粉末洗剤への取り込みであって、これは、その後、洗剤の分散とともに放出される。第2の例は、口腔衛生目的に一般に使用される酵素、例えば、グルコースオキシダーゼ、および/または、ラクトペルオキシダーゼの、歯磨きに含まれてもよい粒子の中への取り込みである。
【0061】
本発明の粒子に対する生物学的物質の封入は、有害な環境条件、例えば、高いせん断力から該生物学的物質を保護することになるので、生物学的物質の取り扱いを用意にし、その寿命を延長する。封入はまた、生物学的物質の調節的放出、すなわち、生物学的物質の、患者または液体への調節速度における送達をも実現する。速度は、粒子の孔径を調節することによって調節される。
【0062】
ゲル化過程
本発明者達は、コロイド状シリカが界面活性剤液中で分散され、その後数分以内に、粒子が形成され、熟成すると、ゲル化が自然に起こることを見出した。最初のコロイド状懸濁液のpHは通常約pH10である。界面活性剤液に添加する前に、コロイド懸濁液のpHを下げることも可能であるが、pH範囲には、これを超えると、球形粒子が形成されるという限界(用いるコロイド液/界面活性剤/酸に依存するが、約7.5−10)がある。
【0063】
本過程において使用される界面活性剤は、例えば、NP−5、AOT、Span 20、Span 40、Span 60、Span 80等であってもよい。使用が可能なコロイドとしては、Ludox SM−30、Ludox HS−40、Bindzil 30/360、Bindzil 15/500、Snowtex 40、Snowtex UP等が挙げられる。コロイド粒子は、その直径が約30nm未満であることが好ましい。ただし、それよりもやや大きい粒子も使用が可能である。コロイドシリカおよび界面活性剤の濃度は広範囲であってもよく、溶媒は、ある範囲の非極性溶媒から選ばれてもよい。
【0064】
コロイド状シリカの性質
コロイド状シリカ懸濁液は、水に、陰性荷電、非晶質シリカ粒子を分散させることによって製造される。粒子は、全体として、その形が球形である。粒子の表面にはOHイオンが存在し、アルカリイオンによって形成される電気的二重層が伴う。安定化は、陰性荷電粒子間の反発によって実現される。荷電バランスの擾乱は凝集を招き、懸濁液の粘度の上昇および/またはゲル化をもたらす。コロイド状シリカは、pH変化、または塩、電解質、有機溶媒、または界面活性剤の添加によって脱安定化させてもよい。
【0065】
上記因子それぞれのゲル化時間に及ぼす影響は、ゾルの性質および脱安定化を含むパラメータの両方に依存する。例えば、濃度が高ければ高いほど、あるいは、粒径が小さければ小さいほど、pHのゲル化時間に及ぼす作用は大きくなる、すなわち、ゲル化時間は短くなる。しかしながら、ゲル化時間は、pH調節に用いる酸の種類によって異なる。有機酸は一般に、SiO濃度および粒径に依存して、ゲル化時間に関してより優れた安定性を与える。例えば、同じSiO濃度および酸濃度の下では、酢酸ではゲル化時間が、強酸例えばHClよりも遅くなる。これは、弱酸からは放出されるHが少なく、そのため、粒子表面におけるHおよび−O間の反応が減るためによるものと考えられる。
【0066】
合成過程
pH約10において粒子を形成するための全体的合成過程の例の概略を図1に示す。
50mLの非極性有機溶媒に溶解した0.2mol/Lの界面活性剤溶液を準備した。次に、生物学的物質、例えば、タンパク質を含む、2.16mLのコロイド状シリカ(pH=9以上)を周囲温で加えた。約10分攪拌した後、40mLの極性溶媒を加え、乳液を脱安定化し、希釈した。次に得られた粒子をろ過収集し、溶媒で濯いだ。次に、この粒子を室温で乾燥した。
【0067】
ある特定の例では、NP−5およびシクロヘキサンを用いて界面活性剤溶液を準備し、コロイド状シリカはLudox SM−30であった。アセトンを、極性溶媒として、乳液を脱安定化、希釈し、かつ、粒子を洗浄するのに用いた。
【0068】
それとは別に、生物学的物質を含む粒子は、それから乳液を除去するために、2000rpmで3分間遠心し、次に、粒子を、穏やかな溶媒、例えば、ケロシンおよび/またはn−ヘキサンで洗浄してもよい。粒子は、窒素気流の下で室温で乾燥してもよい。
【0069】
ゲル化の予想される機構
コロイド液には、主に二つの力がある。すなわち、ファンデルワールス力(FVDW)および静電気力(FEL)である。全体力(FTOT)は、FVDWとFELの合計である(DLVO理論による)。大型ポリマーを含むコロイド液には、さらにもう一つの力が存在する。減損力FOSである。この状況下では、全体力FTOT=FVDW+FEL+FOSである。コロイドの安定性は、pHを変える、塩を加える、または界面活性剤を加える等によってこれらの力を再編成することにより破壊される。
【0070】
熱力学的に安定な微細乳液(W/O)(これは、通常、界面活性剤が、約10と約13の間のHLBを持つ場合に出現する)では、界面張力はきわめて低い。コロイド液を微細乳液と混合すると、局所の界面力がコロイドシリカを駆動して、水の小滴に凝集させ、大型の粒子を形成させる。この凝集における一つの重要な因子は、コロイド濃度である。凝集を起す機構は下記の通りと考えられる。すなわち、コロイド懸濁液が、界面活性剤・溶媒混合物に加えられると、水とコロイドを含む親水性ドメインが形成される。水分子の内のあるものは、界面活性剤分子の親水性ヘッドと相互作用を持ち、液体・液体界面において水和層を形成する。このため、ある数の水分子が吸着・捕捉されるために、プール内の遊離水の量が減少し、このために、水プールの中のコロイドの濃度が人工的に増大され、これがコロイドのゲル化をもたらす。球状微小粒子の形成に対しては沢山のパラメータが影響を及ぼす可能性がある。中でも、コロイド中のシリカ濃度、界面活性剤濃度、および水対界面活性剤のモル比が大きい。
【0071】
本過程に従って粒子を形成するためには、界面活性剤は、その極性ヘッドと水プールとの間に中等強度の相互作用を持つ必要がある。この分子相互作用は、界面活性剤の足型(A)で測定される。足型は、水小滴表面の表面積(π*d、式中dは水プールの直径である)を、界面活性剤の凝集数(N)で割ることによって計算される。
【0072】
A=(π*d)/N
【0073】
文献から得られる数値を用い、足型を、使用する界面活性剤の範囲について計算した。
【0074】
【表1】

【0075】
媒体相互作用は、1分子当たり約1と約5nmの間の足型に相当し、これは、10nm当たり約10個の界面活性剤分子に一致する。1分子当たり約1nm未満の足型値を持つ界面活性剤(例えば、Brij 30)は、それがいずれのものであれ、小径水プールと共に極めて安定な微細乳液を形成することが可能である。従って、ミクロン以下の球形粒子のみが生産される。比較的大きな足型(>約5nm/分子)を持つ乳液システムは、本過程によって球形粒子を形成するのに適当ではないかもしれない。
【0076】
もう一つの仮説は、界面活性剤分子のオキシエチレン単位が、一次粒子をゲル化してミクロン以下粒子を形成するのに一役買っている可能性である。界面活性剤分子の極性ヘッドを形成するオキシエチレン単位は、水素結合によって粒子表面と相互作用を持ち、そうすることによって、シリカ粒子表面と水との間の相互作用に影響を及ぼし、これが粒子の集合過程の調節をもたらす可能性がある。これが、(−OH)と(−O)の数比が比較的高く、従って、水素結合が比較的強い、低いpHにおいて、一次コロイドの集合がうまく行われず、従って微細粒子が形成されない理由であるのかもしれない。
【0077】
前記仮説は、微細乳液、すなわち、界面活性剤が約10から13のHLBを持つ場合にのみ当てはまる。約9未満のHLBを持つ界面活性剤の場合、別のやり方による粒子形成の機構を理解することが必要である。HLB値が3−9の範囲にある材料は、油中水型乳液おける乳化剤として、または湿潤剤として好適であることは広く認められている。用いたSpan界面活性剤は全て同じ親水性ヘッドを持つが、親油尾部は異なり、かつ、そのHLB値は、Span 80の4.3、Span 20の8.6の間にあった。従って、これらの界面活性剤によってW/O型の乳液が製造される。提案される機構は下記の通りである。コロイド状シリカ水性懸濁液に導入されると、界面活性剤は、液体−液体界面を貫通し、親水性ドメイン(水小滴)を形成する。この親水性ドメインでは、界面力が、コロイドを安定化する力を撹乱する。その結果、コロイド液はゲル化し、大きな球を形成する。Span 20によって形成される粒子は、Span 80によって形成されるものよりもはるかに滑らかであることが観察されるが、その理由について考えられる説明は、Span 80のHLBは小さいので、界面力がきわめて強いためである。コロイド懸濁液が界面活性剤溶液に出会うと、コロイドシリカのゲル化速度は速やかで、そのため、先ず比較的小さい粒子が造られる。従って、水小滴の融合および分裂過程を通じて、粗い表面の微小粒子が形成される。
【0078】
界面活性剤タイプの作用
試験した界面活性剤を下記の表に列挙する。シクロヘキサン溶液とした0.2mol/Lの界面活性剤液を準備した。Triton X−114、NP−9、およびTriton X−100システムについては、乳液の安定性を増進するために、0.2mol/Lの共同界面活性剤(1−ペンタノール)を加えた。TweenおよびSpan界面活性剤では不安定な乳液が得られた。コロイドシリカとして1.08mL Ludox SM−30を加えたことを除いては、過程は、図1に記載する典型的な合成過程によった。対応するSEM画像を図3に示す。
【0079】
【表2】

【0080】
球形の微小粒子は、NP−5、AOT、および各種Span界面活性剤を用いることによって形成された。Brij 30およびNP−6によって形成される微粒子は凝集しているように見えた。他のシステムは全て、不規則な形の産物を生産した。
【0081】
球形微粒子の形成をもたらす界面活性剤の構造を図2に列挙する。提案される選択規則を、最近の実験結果に基づいて下記の節で論ずる。
【0082】
界面活性剤濃度の作用
界面活性剤濃度の粒子形態に及ぼす作用を調べるための界面活性剤としてNP−5を選んだ。界面活性剤濃度を0.05mol/Lから0.5mol/Lまで変化させた。対応するSEM画像を図4に示す。NP−5の濃度を0.5mol/Lよりも増してもなお、球形粒子を製造することが可能であるように見える。しかしながら、界面活性剤の最小濃度は約0.1mol/Lで、これよりも低い濃度では、球形の粒子は少なくなり、凝集ゲル産物がより多くなる。
【0083】
乳液溶媒の作用
図1で概説した典型的合成過程に従って、7種の異なる溶媒を用いてシリカ粒子を製造した。その溶媒とは、石油エーテル(PE、低分子炭化水素の混合物)、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ケロシン、およびシクロヘキサンである。得られた粒子のSEM画像を第5図に示す。画像は、長鎖のアルカン、例えば、ケロシン(中等重量のアルカンの混合物)が、より球に近い粒子を生産することを示しており、アルカン鎖が長ければ長いほど、生産される粒子が小さくなるようである。
【0084】
「反応条件および溶媒の、乳液法によって調製されるシリカ粉末のサイズと形態に及ぼす作用」(“Effect of reaction condition and solvent on the size and morpHology of silica powder prepared by an emulsion technique”)、W-Kyu Part, et al., Korean J. Ceram., 8, 229-235(2000)において、乳液中の小滴サイズ、従って、シリカゲル粒径は、有機溶媒の立体作用によって有意に影響されることが明らかにされた。このことを確かめるために、論文の著者らは、乳液を生産するために、同じ化学式を持つが様々な構造を持つオクタン異性体、および一連のCnH2n+2アルカンを用いた。オクタン異性体およびアルカン基シリーズにおける粒子の平均径は、予想通り、鎖長の増加と共に減少した。イソオクタンから得られた平均サイズは64μmであり、オクタンのものは46μmであった。シリカゲル粉末の平均サイズは、鎖長の増加と共に75μmから28μmへ徐々に減少した。n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン、および、n−デカンの使用によって得られた粒径は、それぞれ、75、51、46、44および28μmであった。これらの結果は、本明細書の結果と一致する。
【0085】
別の参考文献、「AOT逆ミセルシステムにおける銅ナノ粒子の成長行動に及ぼす溶媒作用」(”Solvent Effects on Copper Nanoparticle Growth Behaviour in AOT Reverse Micelle Systems”), J. P. Cason, et al., J. PHys. Chem. B, 105, 2297-2302, (2001)では、銅粒子の成長が、シクロヘキサン溶媒よりも、イソオクタン溶媒中の方が、有意に高速となることが判明した。この文献は、シクロヘキサンの方が、イソオクタンよりも、最終的にやや大きな粒子サイズを支持すると述べている。この依存性は、シクロヘキサンは、ミセル尾部に浸透し、界面活性剤尾部を効果的に溶媒和するのに対し、一方、イソオクタンの方は、その嵩高な性質のために、該尾部をそれほど速やかに溶媒和することができないという事実に基づく。
【0086】
コロイド濃度の作用
10nmol NP−5を含む50mlの乳液に、種々の量のLudox SM−30を加えて、シリカ微小粒子を生産した。結果を下表に示し、かつ、SEM画像を図6に示す。これらの結果から、5.4mLもの高容量のコロイドが、主に球形の産物を生産するようである。コロイドシリカの量の増大と共に、粒子は凝集する傾向が強まるようである。典型的合成のために2.16mLコロイドシリカを選んだ。乳液の中に存在する粒子が少なければ少ないほど、粒子が衝突しにくくなるから、凝集産物を形成する確率は下がる。この結果は、1個の粒子当たりの界面活性剤分子の数は、比較的少数の粒子の場合、大きくなるので、凝集の発生率を下げるという事実によるものと考えられる。
【0087】
【表3】

【0088】
図7は、最初に添加されたシリカの量に対する、製造過程から得られた粒子の収量をプロットしたものであるが、この図から、Ludox SM−30(シリカ:30wt%;密度:1.22g/cm)の最初に添加した純粋なシリカよりも生産量の方が僅かに高いことが見て取れる。この余分の質量は、吸着された界面活性剤と水によるものと考えられる。高濃度のコロイドシリカでは、重量差はさらに大きくなるようである。これは恐らくより多くの界面活性剤が吸着されるためと考えられる。
【0089】
コロイドpHの作用
図8は、LudoxとBindzilの滴定曲線(pH対添加した酸の量)を示す。Ludox SM−30(30mL)およびBindzil 30/360(30mL)のpHは、0.5mol/Lの硝酸の添加と共に約5.5まで徐々に減少する。両システムともに、pH範囲5.5−2.0において急激なpH低下が起こる。この後、pHの減少はふたたびゆっくりになる。一方、Ludox SM−30を12mol/Lの酢酸で滴定すると、pH変化は、2種類の減少速度を示す。その二つの速度の転移点は、ほぼpH5に見られる。滴定中(約2時間)、上記システムにゲル化は起こらなかった。しかしながら、Ludox SM−30を2mol/L硝酸で滴定した場合、4mmol HNOを加えるとコロイドがゲル化した。pHはその点で6.65であった。これは、コロイド濃度作用によるものと考えられる。
【0090】
図9は、硝酸滴定Ludox SM−30によって形成されるシリカ産物の、SEMおよびTEM画像を示す。pHが9を超えると、球形粒子が生産された。pH9未満では、図9dおよびeに見られるように、コロイドシリカはゲル化するが、球形粒子を形成しなかった。
【0091】
一方、Ludox SM−30のpHを酢酸を使って下げると、pHが9を超えた場合(図10aおよびb)、大抵の粒子は球形であった。これは、硝酸による滴定の結果と一致する。これは、コロイドの凝集が、媒体のpHには強度に依存するが、pHを下げるのに用いられた酸の性質とは独立することによるものと考えられる。pH8.57では、不規則な形の産物が生産された(図10c)。pH7.754、6.707、5.869、および5.378では固体産物は生産されなかった。
【0092】
コロイドタイプの作用
各種コロイドシリカ1.62mLの添加を用いた後、典型的合成過程に従った。結果は下表に列記する通りである。対応するSEM/TEM画像を図11に示す。Ludox SM−30、Ludox Hs−40、Bindzil 30/360、Bindzil 15/500、Snowtex 40、およびSnowtex UPは微小球を形成したが、一方、Ludox TM−50、Snowtex 50、およびSnowtex 20Lは、凝集産物(初期のコロイドは約70−100nm)を生産した。Snowtex Nはゲル化しなかったが、これは、供給業者によって、コロイド懸濁液に何かの界面活性剤が既に取り込まれていることを示唆するものと思われる。
【0093】
【表4】

【0094】
粒径分布
粒子の粒径分布は、光散乱によって定量される(例えば、Malvern Mastersizer 2000)。Ludox SM−30の量を1.62mLから50.40mLまで変動させ、典型的な合成法を用いて生産されたシリカ粒子の粒径分布を図12に示す。一般に、3種の、それぞれ別々のピークが、30nmから100μmにおいて出現する。約130nmに中央値を持つ最小ピークは、コロイド濃度とは独立するようである。中間ピークは、Ludox濃度が増すにつれて、1.45μmから2.2μmへとやや増加した。最大ピーク(1−100μm)は、Ludox 1.62mLでは17.4μmであったのが、23μm(3.24mL、Ludox)、26μm(4.32mL、Ludox)から、Ludox 5.40mLでは30μmへと変化した。用いたコロイド懸濁液の容量の増加は、水対界面活性剤比の増加による粒径の増加を、従って、水小滴のサイズの増加をもたらす。
【0095】
粒径分布を下げるためには、より多くのエネルギーをシステムに供給しなければならない。これは、例えば、より高速の攪拌、またはせん断混合によって達成される。図13は、実施例3(酵素の添加は無し)に記載する方法を用いて、Bindzil 30/360から調製された粒子について得られた粒径分布を示す。この方法では、乳液を混ぜ合わせるのに攪拌を用いず、操作の最初の1時間におけるシステムの搖動を増すために超音波プローブを用いた。超音波パルスは、2秒当たり1秒間パルス(50%動作サイクル)で動作させた。1時間後、乳液からプローブを取り出し、合成過程の残りの5時間のために攪拌を開始した。粒径は、典型的なサイズ範囲(図12に示す)から明らかに減少し、約1ミクロンに中央値を持つ。大型粒子から成る小さな成分がある。エネルギーインプットの増大のために、システムの温度は、超音波振動の1時間後には60℃と著明に上昇した。これは明らかに、多くのタンパク質にとって適切ではないが、超音波プローブの動作サイクルを調節することによって、または、温度を下げるよう氷浴を用いることによって修正することが可能である。
【0096】
タンパク質の封入
いくつかのタンパク質は、そのpKaに応じて、高いpHで封入することが可能である。アルカリフォスファターゼは、9.5のpKaを持つが、この酵素を、完全な酵素活性を保持しながら、封入するための過程が実施例1に示される(下記参照)。しかしながら、大多数の酵素は、中性pHの周辺に最適活性を持つ。前述のように界面活性剤液に添加する前にコロイド前駆体のpHを下げることが可能であり、アルファ−キモトリプシン、ズブチリシン、およびアルカリフォスファターゼを、pH=7.5の下げたコロイドに封入する方法が実施例2(下記参照)に示される。しかしながら、本発明者達は、界面活性剤液に水性前駆体を加え、次いで酸を加えてpHを適当な値に下げ、その後、生物学的物質を加えることによって、封入粒子を形成することが可能であることを見出した。pH10における添加の後、粒子が急速に形成されるけれども、形成直後では粒子は十分に密ではなく、従って、粒子が乳液の水小滴において熟成する間に、タンパク質、または他の生物学的物質が粒子の中に浸透することが可能であると、本発明者等は仮定する。通常、水小滴中のpHは、タンパク質の添加の前に6.0に下げられる。この方法を用い、様々のサイズの酵素、アルファ-キモトリプシン(〜25kDa)、ズブチリシン(〜27kDa)、アルカリフォスファターゼ(〜160kDa)、およびウレアーゼ(〜480kDa)が封入される。この封入(すなわち、乳液内のpHを6.0に下げること)の多くに使用される界面活性剤はSpan 20である。もっともAOTも使用され、いずれの場合も同様の粒子が形成される。Span 20によるこの方法を用いて形成される粒子の、典型的SEM画像を図14に示す。
【0097】
このような粒子からの、アルファ−キモトリプシン、アルカリフォスファターゼ、およびウレアーゼの放出速度調節機構を、実施例3(下記参照)において調べた。粒子の平均孔径に影響を及ぼす各種サイズのコロイド前駆体を用い、実施例4(下記参照)でも、ズブチリシンの放出量を調節するために様々なサイズのコロイド溶液の使用を記載する。実施例5(下記参照)では、微小粒子におけるフェリチンの分布を、TEM断面を用い、フェリチン分子の局在をマップすることによって調べた。封入過程のズブチリシン活性に及ぼす作用を実施例6(下記参照)において調べた。ズブチリシンおよびアルカリフォスファターゼの保存安定性試験は、実施例7(下記参照)において記載する。別のセラミック(すなわち、シリカ以外の)基質における酵素の封入を実施例8(下記参照)に記載する。
【実施例1】
【0098】
pH=9.7におけるアルカリフォスファターゼの封入
0.5mol/Lの硝酸0.5mLを、10mLのBindzil 30/360に加え9.7のpHとした。アルカリフォスファターゼ(8mgを400μlのバッファーにpH=9.5で溶解したもの)を、2.5mLの上記コロイドシリカ懸濁液と混合し、次に、50mLケロシンに溶解したSpan 20溶液(0.2mol/L)に攪拌しながら加えた。約10分攪拌した後、粒子を、2000rpmで3分の遠心によって分離した。得られた粒子を、ケロシンで一度洗浄し、その後ヘキサンで3回洗浄し(各洗浄後、固体から上清を分離するために遠心を用いた)、次に、窒素気流の下で室温で乾燥し、凍結器に保存した。
【0099】
アルカリフォスファターゼは、約0.6%(重量で)のタンパク質負荷によって封入した(タンパク質含量の定量については下記参照)。酵素活性は、乾燥直後に測定したが、実際には、溶液中の遊離酵素の活性よりも高いことが判明した。これは、記載の封入過程が、タンパク質を目立つほどに変性しないことを示す。
【0100】
図15は、前述のようにpH=9.7において封入されたアルカリフォスファターゼの放出率を示す。
【0101】
タンパク質含量の定量
微小粒子のタンパク質含量、および微小粒子から放出されるタンパク質の定量は、下記のようにビシンコニン酸アッセイ(BCA)を用いて行った。
【0102】
標準アッセイ:
試薬A:ビシンコニン酸ナトリウム(0.1g)、NaCO・2HO(2g)、酒石酸ナトリウム(二水和物)(0.16g)、NaOH(0.4g)、NaHCO(0.95g)を100mLとした。要すれば、NaOHを用いてpHを11.25に調整する。
試薬B:CuSO・5HO(0.4g)を10mLとした。
標準作業試薬(SWR)=100容量の試薬A+2容量の試薬B
方法:
微小粒子中のタンパク質の定量
タンパク質含有微小粒子(20mg)を、リン酸塩バッファー生食液(PBS液)(400μL)に懸濁し、該懸濁液を5分超音波処理する。懸濁液サンプル(50μL)を三重に取り出し、SWR(1mL)と合わせ、60℃で60分インキュベートする。サンプルを3000rpmで5秒遠心し、溶液の吸光度を562nmで測定し、それを、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、および1.0mg/mLにおける標準シリーズと比較する。
微小粒子から放出されるタンパク質の定量
タンパク質含有微小粒子(100mg)を、PBS液(2mL)に懸濁し、揺動する。必要な時点で、この懸濁液を遠心し、サンプル(50μL)を取り出す。各時点で得られたサンプルをSWR(1mL)を合わせ、60℃で60分インキュベートする。サンプルの吸光度を562nmで測定し、それを、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、および1.0mg/mLにおける標準シリーズと比較する。
【実施例2】
【0103】
pH=7.5(乳液の内部ではpH=6に下げる)におけるアルファ−キモトリプシン、ズブチリシン、およびアルカリフォスファターゼの封入
Bindzil 30/360で形成される粒子の中に、アルファ−キモトリプシン、ズブチリシン、およびアルカリフォスファターゼを下記の方法を用いて封入する。4.5gのSpan 20を、30mLのケロシンに攪拌しながら溶解する。1.25mlのBindzil 30/360を、158mlの1M HClと混合し、pHを10から7.5に下げる。4mgのタンパク質を200μlの水に溶解し、次いで攪拌しながらBindzil液に分散させる。このタンパク質を含む前駆体液を、前記乳液に加える。数分間攪拌の後、72μlの1M HClを加え、pHをさらに下げて6.0とする。最後に、175μlの塩溶液2(組成については実施例6参照)を乳液に加える。6時間の攪拌後、乳液を遠心し、固形物をケロシンで一度洗浄し、次にヘキサンで二度洗浄し、一晩乾燥させた。
【0104】
100mgの前記サンプルを、ズブチリシンおよびアルファ−キモトリプシンの場合は2mlのPBSに、アルカリフォスファターゼの場合はエタノールアミンバッファー(pH=9.5)に分散させる。指定の時点において、サンプルを10,000rpmで10秒遠心し、50μlを取り出す。タンパク質含量は、実施例1に記載する通りに定量し、放出曲線を計算する。図16は、6時間の期間における、アルファ-キモトリプシン、ズブチリシン、およびアルカリフォスファターゼの放出を示す。急激な放出(10分後にはほぼ完全に放出)は、本法によって形成される大孔径(8.7nm)によるもののようである(下記の実施例4の考察を参照されたい)。
【実施例3】
【0105】
pH=6.0におけるアルファ−キモトリプシン、アルカリフォスファターゼ、およびウレアーゼの封入
アルファ−キモトリプシン、アルカリフォスファターゼ、およびウレアーゼは、Bindzil 30/360によって形成された粒子の中に下記の方法を用いて封入した。
粒子合成を記述するフローダイアグラムを図17に示す。放出率は、実施例1に記載する通りに測定した。ケロシンに溶解したSpan 20(18g)の液を、Bindzil 30/360コロイドシリカ(30mL、pH10)と、500rpmの攪拌下に混合し白色乳液を生成する。この場合、生体分子(タンパク質)は、乳液に加える前に、塩溶液に溶解する。生体分子と塩の溶液(1.69ml)の添加、および、塩酸(0.48mL、1M)によるpHの調整によって、約6のpHを持つ白色乳液が得られる。6時間の攪拌の後、粒子を、2000rpmの遠心によって分離し、さらに新たなケロシンによって洗浄し、次にイソプロパノールによって2回洗浄し、窒素気流の下で乾燥させた。得られた粉末は、前記生体分子を封入する。
【0106】
シリカの孔径を増すために、Bindzil 30/360およびSnowtex ZLの混合物を用いた。Snowtex ZLは、70−100nmのコロイド粒子から成り、これは、Bindzil 30/360の、9mlのコロイド粒子よりもかなり大きい。アルファ−キモトリプシン、アルカリフォスファターゼ、およびウレアーゼは、Bindzil 30/360およびSnowtex ZLの混合物によって形成された粒子の中に下記の方法を用いて封入した。
【0107】
18gのSpan 20を、攪拌しながら120mLのケロシンに溶解した。1.5mLのBindzil 30/360を、1.5mLのSnowtex−ZLと混合し、これを攪拌しながら乳液に加えた。0.31mLの1M HClおよび0.422mlの濃縮塩溶液(4倍に濃縮)の溶液に30mgのタンパク質を溶解し、これを乳液に加えた。6時間後、固形物を遠心にて除去し、ケロシンおよびイソプロパノールで洗浄し、一晩乾燥させる。放出率を実施例1に記載する通りに測定し、図18に示す。Bindzil 30/360/Snowtex ZL混合物からのウレアーゼの放出はこの図には再現されていない。それは、吸収液の白濁がタンパク質の定量を妨げるからである。Bindzil 30/360/Snowtex ZL粒子(平均DFT孔径が、Bindzil 30/360粒子の5.5nmに対して、6.7nmである)からの、アルファ−キモトリプシンおよびアルカリフォスファターゼの放出の上昇は、より大きな孔は酵素の放出に著明な作用を及ぼすことを示す。
【0108】
Bindzil 30/360およびBindzil 15/500の両方を用いた粒子の調製を、実施例4に概説する方法によって、ただし塩溶液の添加は行わずに実行した。産物は主に球形成分から成るが、少量の非球形成分を含んでいた。粒径および孔度測定値は、粒子のサイズおよび内部の微小構造は、塩溶液を用いて製造した粒子のものとほとんど同一であることを示した。塩添加および塩無添加の下に製造した粒子同士を比較することによって、塩を添加することによって主に二つの利点が得られることが示唆された。第1は、非球形物質の割合を下げることである。第2は、塩の添加は、封入タンパク質の収率をより高くすることである。生物学的物質としてアルカリフォスファターゼを用い、塩溶液の添加を省略した場合、タンパク質負荷は40%減少した(コロイドおよび酵素水溶液の同じ初回量において、1.5wt%から1.1wt%への低下)。塩溶液は、ゲル化コロイド溶液が、例えばSnowtex−40のように、比較的大型の一次粒子(10−20nm)を含む場合は、さらに重要性を増すと考えられる。しかしながら、特に塩の存在が問題を引き起こす可能性のある場合には、塩は省略してもよい。
【0109】
200mL(塩の濃縮液の場合は50mL)における塩溶液の組成
0.1g KHPO
0.2g NHCl
0.21g NaSO
0.223g CaCl
1.2g 乳酸ナトリウム
0.06g クエン酸ナトリウム
4.1g NaCl
1.973g MgCl・6H
【実施例4】
【0110】
pH=6.0におけるズブチリシンの封入。孔径作用の定量
Bindzil 30/360を用いて製造した粒子からの、ズブチリシンの放出率測定値から、タンパク質放出の大部分は、0.02M PBS液に対する粉末の浸潤後1時間以内に起こることが示された。孔径を下げるための一つの可能な方法は、シリカ前駆体として比較的小さいコロイドを用いることである。Bindzil 30/360は、30wt%溶液において9nmシリカ粒子を含む。pHを6.0に下げるのに必要な酸の量には僅かな違いがある(Bindzil 30/360の1mL当たり0.183mLの1M HClが必要なのに比べ、Bindzil 15/500では1mL当たり0.115mLの1M HClが必要である)。この産物の孔度については下記に論じる。
【0111】
別態様として、コロイドシリカの代わりに、前駆体としてケイ酸ナトリウムを用いてもよい。先ず、9gのSpan 20、60mLのケロシン、および、1mLの4M HClを含む乳液を調製することによって球形粒子が製造される。1mlのケイ酸ナトリウム溶液(27%)を加えることによって、約1−100ミクロンのサイズ範囲を持つ球形粒子が形成される。しかしながら、この製造過程は、出現するpHが極端であるためにタンパク質の封入には適切ではない。ケイ酸ナトリウムのpHの低下は直ちに沈殿を生じる。pHを下げるためには、ケイ酸ナトリウム液を希釈し、イオン交換樹脂を用いてナトリウム含量を下げる必要がある。
【0112】
脱イオン化ケイ酸塩液の例示調製
33mLのケイ酸ナトリウム液(27%)を、蒸留水で99mLに希釈した。34.5gのDuolite陽イオン交換樹脂(H形)を攪拌しながら加え、pHを11.45に下げた。Duolite樹脂をろ過除去し、31.16gの新鮮樹脂を加えてpHを9.8に下げた。
【0113】
20gのSpan 20を攪拌しながら135mLのケロシンに溶解した。pH=9.8におけるクエン酸液6mlを加え、数分間攪拌し界面活性剤液中に分散させた。1mLの1M HClを加え、乳液を攪拌状態に放置した。6時間後、固形物を遠心によって取り出し、ケロシン、およびエタノール(×2)を用いて洗浄した。凍結乾燥サンプルの平均孔径を、下表において他のコロイド前駆体のものと比較する。
【0114】
ズブチリシンの封入
4.5gのSpan 20を30mLのケロシンに投じ、攪拌して溶解した。Bindzil 15/500またはBindzil 30/360のいずれか1.25mLを、前記混合液に加えて乳液を形成した。乳液を、1M HCl(Bindzil 15/50の場合は144μL、Bindzil 30/360の場合は198μL)によって酸性とし、その後、200μLの水に溶解した10mgのズブチリシン、および98μlの塩溶液4を加えた。この反応液を5時間攪拌した。粒子を遠心分離し、ケロシンで、次にシクロヘキサンでは2回洗浄し、窒素気流で乾燥し、淡白色の粉末を得た。
【0115】
ズブチリシンは、下記の方法によってケイ酸塩粒子の中に封入した。すなわち、
18gのSpan 20を攪拌しながら120mLのケロシンに溶解した。8mgのズブチリシンを200μlの水に溶解して得た溶液を、上記界面活性剤液に加え、次いで、前述のように調製した4mLの脱イオン化ケイ酸塩を加えた。0.67mLの1M HClを加えpHを7.2に下げた。この溶液を6時間攪拌し、次いで、固形物を遠心によって取り出した。粒子を一度ケロシンで、次いでヘキサンで二度洗浄した(各洗浄の後で遠心によって上清を取り除く)。
【0116】
図19は、上に概説したように合成した、Bindzil 30/360、Bindzil 15/500、およびケイ酸塩の微粒子から得られたズブチリシン放出曲線を描くグラフを示す。放出曲線は類似の形をしているが、放出される合計パーセントは、粒子の孔径に応じて変動する。図20は、本実施例で用いた三つの異なるサンプルにおける孔径分布を示す。孔径が小さければ小さいほど、粒子から放出されるタンパク質の合計パーセントは低くなる。用いた典型的前駆体の平均孔径を下表に示す。
【0117】
気体の吸着の振る舞いを分子レベルで記述する密度関数理論(DFT)を用いて窒素吸着がモデル化されているが、この理論は、広範囲の孔径をモデル化するのに適切である。円筒形の孔を仮定する。平均孔径を、下表に見るように、様々のシリカ前駆体についてまとめた。平均孔径は、最初のコロイド粒子の大きさ、およびゲル化pHによって決められるようである。別様に指示しない限り、調製に用いた界面活性剤はSpan 20である。
【0118】
【表5】

【実施例5】
【0119】
微小粒子におけるフェリチンの分布
本発明者達は、タンパク質分子の中に疎水性領域が存在するために、タンパク質は、水小滴の内部ではなく、乳液の界面領域に留まる傾向を持つ可能性を考慮した。この偏向作用によって、タンパク質が、乳液小滴の内部に形成される微粒子の外殻に封入されるかもしれないと考えたのである。粒子の本体全体に渡る封入タンパク質の分布を調べるために、鉄コアを含み、従って、透過型電子顕微鏡(TEM)によって簡単に検出されるフェリチンをシリカ粒子にドープした。
【0120】
調製の詳細
Span 20(1.6g)をケロシン(12mL)に溶解した。フェリチン液(〜100mg/mL、126μL)をBindzil 30/360(300μL)と混合した。次に、この混合物を、前記界面活性剤液に500rpmで攪拌しながら滴下した。HCl(1M、480μL)、および塩の濃縮液を混合した。この液の91μLを乳液に加えた。乳液を2.5時間攪拌放置した。その時点で固形物質が反応容器の底に出現した。混合液を遠心し(2000rpm、3分)、固形物をケロシンで一度、イソプロパノールで二度洗浄した。固形物質を窒素流下で乾燥した。最後の粉末は「黄土」色をしており、フェリチンが上手く粒子の中に封入されたことを示していた。
【0121】
粒子におけるタンパク質分布のマッピング
粒子を樹脂の中に包埋し、80nm厚の切片を、Leica Ultracut UCTウルトラマイクロトーム上で30°のDiatomeダイヤモンドナイフで薄切し、ホールカーボン被覆銅グリッドの上に載せた。図21は、粒子の典型的走査像であり、中央の粒子には若干のナイフ傷が明白である。シリカ粒子の断面の一部におけるFe分布を、走査TEM(STEM)エネルギー散乱X線分光光度(EDX)画像法によってマッピングした。この技術では、STEM画像における各ピクセルについて完全なEDXスペクトラムを収集し、次いで、各スペクトラムを処理して背景X線を除去する。要素分布のマップは、各興味の要素に対応するスペクトラム領域においてX線強度をプロットすることによって生成される。Fe分布マップは、フェリチンが調べた領域全体に均一に分布することを示した。これは、タンパク質が、小滴内で、界面活性剤/溶媒界面に留まる方向性を持たないことを示唆する。
【0122】
図22は、STEM暗視野画像法(DFI)による画像(上段左)の大型ボックスに対応する50ピクセル×50ピクセル領域におけるC、Fe、Si、およびOの分布マップを示す。下段パネルに表示されるスペクトラムは、STEM DFIの小さなバツ印の位置にフェリチンによるFe−K X線ピークを明瞭に示す。
【0123】
図23は、STEM DFI画像(上段左)のボックスに対応する75ピクセル×75ピクセル領域におけるC、Fe、Si、およびOの分布マップを示す。下段パネルに表示されるスペクトラムは、STEM DFIの小さなバツ印の位置にフェリチンによるFe−K X線ピークを明瞭に示す。Fe分布マップは、フェリチンが分析領域全体に均等に分布していることを示す。
【0124】
図24は、封入フェリチンを持たないコントロール標本から得られたSTEM EDXスペクトラム画像であって、1枚の微小球切片におけるC、Fe、Si、およびOの分布を示す。予期した通り、Feは検出されなかった。
【実施例6】
【0125】
封入時に使用される各種成分の、アルファ−キモトリプシン、ズブチリシン、およびアルカリフォスファターゼの活性に及ぼす作用
タンパク質の放出後活性は、本発明の粒子の使用にとって明らかに重要問題である。全体アッセイの内のどの成分が活性損失を招くのかを特定する試みとして、アルファ−キモトリプシンおよびズブチリシンの両方を用いてアッセイを行った。これらのアッセイに用いた各種塩溶液の組成を下記に示す。全ての溶液は、脱イオン水によって最大50mlとした。
【0126】
【表6】

【0127】
図25は、封入過程の各種成分の、アルファ−キモトリプシン活性に及ぼす作用を示す。Bindzilの添加は、該酵素の完全な変性をもたらした。しかしながら、これは、もっとも考えられる理由として、Bindzilの高いpH(約10)のせいであろう。pH10のBindzilを除けば、もっとも有害な化学成分は、粒子を洗浄するのに用いられたイソプロパノールが考えられる。塩溶液も、酵素の活性に対して様々な影響を及ぼすようである。
【0128】
図26は、同じ成分/薬品、プラス、さらに別のいくつかの洗浄溶媒の、ズブチリシン活性に及ぼす作用を示す。ズブチリシン活性にたいしてもっとも有害な二つの化学成分は、酸性条件(pH約2)、および塩溶液4のようである。酸性条件(<pH6)は、ズブチリシンに対して有害であることが知られる。さらに塩溶液4、すなわち、カルシウム塩の濃縮液も有害であることが判明した。上に見られるように、時に粒子を洗浄するために用いられる二つの薬品、エタノールおよびイソプロパノールは共に酵素活性にとっては極めて有害のようである。ヘキサンおよびシクロヘキサンは、酵素活性に対し有害作用が認められなかった。
【0129】
9.5のpKaを持つアルカリフォスファターゼは、比較的高いpHでは、大抵の酵素よりも著明に安定である。この酵素を用いて、pH約10における封入の活性に及ぼす影響を調べ、その結果を、pH6での封入過程に用いられる酵素の活性と関連させた。図27は、アルカリフォスファターゼの放出後活性であって、a)図17に記述する通りのpH=6.0における封入過程後の活性、および、b)塩を用いない場合の同じ過程後の活性を示す。この過程は、塩の存在の如何を問わず、同様に約50%の活性減少をもたらす。一方、pH9.7における過程(実施例1に記載する通りの)は、酵素のpKaと極めて近似するが、その触媒作用を強化するようである。このことは、pH約10における封入は、約9を超えるpHを耐えることのできる、またはそのようなpHを好むシステムにとっては有用である可能性のあることを示す。
【0130】
本発明による粒子から放出される酵素に関する、さらに別の反応速度論実験を下記に述べる。図28は、標準(酵素溶液)と比較した場合の、三つのサンプルの酵素反応速度を示す。このグラフでは、直線の勾配は、単位時間当たり、単位の酵素当たり形成される基質の単位数によって記載される、酵素の活性を表す。曲線a)およびb)は、微粒子に封入されたズブチリシンを表す。その際、微粒子には、塩溶液の代わりに、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が、それぞれ、Bindzil 2mg/mLおよびBindzil 5mg/mLの濃度として加えられた。塩をHPCで置換すると、反応速度は低下した。これは、HPCの存在が、ズブチリシンの活性を下げるように働くことを示す。(下記の合成の詳細を参照)。HPCの濃度が増すにつれて、反応速度は遅くなる。曲線c)は、後述するBindzil 30/360とケイ酸ナトリウムの1:1(w/w)混合物の中に封入されたズブチリシンを表す。これらの粒子は、標準とほぼ近似の活性を示すことが見て取れる。
【0131】
合成の詳細
HPCを含むサンプルの先駆体は、Bindzil 30/360に対してHPCを2種類の異なる濃度で、すなわち、Bindzil 30/360 1mL当たり、それぞれ、2mgおよび5mgのHPCに相当する濃度で溶解することによって調製した。第3サンプルの場合、前駆体は、実施例4に記載する通りに調製した、0.625mLのBindzil 30/360、および1.875mLの脱イオン化ケイ酸塩液から成っていた。
【0132】
各サンプルについて、60mLのケロシンに9gのSpan 20を溶解し、前述の前駆体液2.5mLを攪拌しながら加えた。0.46mLの1M HClを加えることによって乳液内部のpHを6.0に下げた。次に、200μlの水に8mgのズブチリシンを含む溶液を加え、次いで0.35mLの塩溶液1(前述)を加えた。遠心にて粒子を分離し、ケロシンおよびヘキサンで洗浄し、その後乾燥した。
【実施例7】
【0133】
封入されたズブチリシンおよびアルカリフォスファターゼの保存安定性
微粒子の中に封入された酵素の保存安定性は、考慮すべき重要な点である。タンパク質の多くは、長期の保存には0℃未満の温度における保存を必要とする。後述の過程によって形成される微粒子の構造的有効性を凍結乾燥過程時に調べた。凍結過程時に起こる粒子の水分含量の膨張が、粒子の破壊または亀裂の発生率を増し、長期保存に対する粒子の有効性を下げることが最初疑われた。図29は、(a)室温で保存されたサンプル、および、(b)<0℃で保存されたサンプルのSEM顕微鏡写真を示す。図29には、二つの保存条件のどちらかに、破壊または亀裂粒子の広がりが増加することを示す証拠は見られない。
【0134】
微粒子全体の構造的完全性は重要ではあるが、微粒子の基質の内部に保存されるタンパク質の有効性についても調べた。図30は、粒子合成直後のサンプルの活性と比べた場合の、約4℃、および0℃未満で保存したズブチリシンの酵素活性を示す。図示の保存期間の間に、酵素活性において約80−90%の低下があることが見て取れる。しかしながら、4℃、または0℃未満の保存の間には有意差は見られなかった。
【0135】
セリンプロテアーゼであるズブチリシンは頑丈で、広範囲の化学的環境において安定である。しかしながら、プロテアーゼ酵素であることは自己破壊的となるため、長期の保存性を下げることになる。タンパク質は、長期の場合フリーザーで凍結乾燥状態で保存することが重要であるが、一方、酵素の活性は、同じ条件下で、微粒子の内部で明らかに減少した。このことは、微粒子内部の環境は、事実上擬似水性である可能性のあることを示唆する。この推測を、後述のように二つのズブチリシン封入サンプルを調製し、一方を凍結乾燥することによって試験した。次に両サンプルをフリーザーに保存した。二日間の保存後、凍結乾燥サンプルの活性は、乾燥させないサンプルよりも3倍高く、9日間の保存後も事実上不変であった。このことは、材料は乾燥固体のように見えるけれども、プロテアーゼの場合は、存在する水の量が問題となる可能性のあることが考えられ、サンプルは、保存前に凍結乾燥するべきである。逆に、図31から見て取れるように、アルカリフォスファターゼ活性は(合成の詳細は実施例1に示す)、2週間の保存によって目立った影響は受けず、全体として図示の期間においてごく僅かな低下を示しただけであった。
【0136】
合成の詳細
18gのSpan 20を120mLのケロシンに溶解した。5mLのBindzil 30/360を攪拌しながら加えた。0.915mLの1M HClを加えてpHを6.0に下げた。400μLの水に16mgのズブチリシンを溶解して得られた溶液をこの乳液に加え、次いで、0.39mLの塩溶液1を加えた。粒子を遠心にて分離し、ケロシンおよびヘキサンで洗浄し、その後乾燥した。
【実施例8】
【0137】
タンパク質封入のための代替え基質
2種類の、代替用セラミック基質について調べた。第1のもの、アルミナは、後述のようにアルミナゾルから調製した。アルミナゾルは、水に溶解したアルミニウムsec−ブトキシドを、10:1の水対アルコキシド比を用い、かつ、75℃の反応温度で加水分解することによって調製した。この混合物を30分攪拌し、温度を81℃に上げ、生産されたアルコールを除去した。次に、硝酸を、0.071:1のH:アルコキシド分子比において加え、溶液を81℃で1時間攪拌した。次に、混合物を密封し、80℃で保存し、ペプチド化を完了した。光散乱から、コロイドの平均粒径は9nmであることが示された。ゾルを回転蒸発させることによって濃縮し10wt%アルミナ濃度とした。
【0138】
9gのSpan 20を60mLのケロシンに溶解し、10wt%のアルミナ2mLを、500rpmで攪拌しながら、このSpan 20/ケロシン混合液に加えた。0.1g KHPO、6.69g NaCl、および1.3g CaClを含む50mLの水溶液から採取した0.05mL分液を加えた。攪拌を5時間続け、次に混合液を2000rpmで遠心し、固形物を取り出し、これをケロシンで一度、エタノールで二度洗浄し、その後乾燥した。光学顕微鏡写真(図32)から、粒子は大きく(平均粒径は約60ミクロン)、サンプルは、比較的大型の球が乾燥および取り扱いによって揺さぶられたことによる、非球形断片をかなりの比率で含んでいることが示される。このアルミナ粒子はさらに、恐らくアルミナゲルの柔軟な性質によると思われるが、いく分奇形である。アルミナ粒子の被る傷害のために、比較的硬いゲルをもたらすことが知られる、第2のセラミック、ジルコノチタネートを調べた。
【0139】
ジルコニウムテトラブトキシド(ZBT)とチタニウムテトラブトキシド(TBT)の1:1(モル)混合物を用いて、ジルコノチタネートゾルを調製した。酢酸(5:1(モル)の酢酸:(Ti+Zr))を加え、ZBTとTBTの加水分解の進行をゆるめ、次に水(25:1(モル)の水:(Ti+Zr))を加えた。PCS測定から、ゾルは、28nmのコロイド粒子から成ることが示された。ゾルのpHは3.0であった。上記ゾル2.5mLを、9gのSpan 20を60mLのケロシンに溶解して得た溶液に加えた。1時間の攪拌後、固形物を遠心で取り出し、ケロシンとエタノールを用いて洗浄した。光学顕微鏡によって球形微粒子が観察された。図33は、典型的SEM画像を示す。光散乱測定によって、粒子は、そのサイズが約1−100ミクロンの範囲を持ち、平均サイズは約26ミクロンであることが示された(図34参照)。表面積および孔度測定値から、物質は、微小多孔性であり、孔径分布は1.1と2.0nmに二つのピークを持っていることが示された。
【0140】
ジルコノチタネート粒子に生体分子を封入する例として、ブロメライン(パイナップルから得られるプロテイナーゼ)が、そのサイズが比較的小型(〜28kD)で酸性条件でも安定であるために選ばれた。その放出曲線を図35に示す。
【0141】
合成の詳細:
9gのSpan 20を60mLのケロシンに溶解し、8mgのブロメラインを200μlの水に部分的に溶解した。サンプルを遠心し、不溶のタンパク質を除去し、その後、前述のように調製したジルコノチタネートゾル2.5mLに加えた。ゾル/タンパク質混合物を、攪拌下に、界面活性剤溶液に分散させ、6時間攪拌した。固形物を遠心にて取り出し、ケロシンで一度、ヘキサンで二度洗浄した。各洗浄の後で遠心により上清を除去した。
【0142】
本発明の利点
ポリマーシステムと比べた場合、本発明に記載されるセラミック封入の使用は、下記の利点を提供する。すなわち、
*製造は、タンパク質および他の生物学的物質に対し比較的穏やかな条件を用いるので、放出時高いタンパク質活性を維持する(実施例6に示されたように)。合成中、比較的無害な長鎖有機物にほんの僅か暴露されるだけなので、生物学的物質の封入は周囲温で実行することが可能である。
*放出機構は、そのサイズが調節可能な内部孔を介する拡散による。拡散速度は、局所の化学的環境に依存する度合いが比較的少ない(すなわち、様々な環境においても変動性比較的少ない)。
*金属酸化物は内因的に親水性であり、従って血管内で比較的安定である筈である。新規の体内分布が可能かもしれない。
*水性コロイドによって生産されるゲルは、内在的に擬似水性環境を与え、得られた粒子は〜10wt%の水を含む可能性がある。これは、実施例7に示したように、ある種の生物剤の保存安定性を強化する可能性がある。
【0143】
さらに、このセラミックシステムは、タンパク質剤送達用途にとって魅力的な、下記のような内因的特性を持つ。
*セラミック粒子は、化学的、生物学的に不活性であり、ポリマーが感受性を持つ溶媒/薬品とも反応しない。セラミック粒子は、強酸条件(例えば、胃)においても安定である。
*セラミック粒子は熱的に安定であり、引火性を持たない。
*シリカおよびその他の軽金属酸化物は、内因的に生体適合性であり、あるものは天然において生体内でも見られる。
*粒子の合成は、「生体分子フレンドリー」であって、シリカゲル前駆体はタンパク質に対して無害である。
*セラミック粒子は、親水性表面を持つ。これは血中における安定を強化する。これらの粒子によって、新規の生体分布特性が得られる可能性がある。
*セラミック粒子は、機械的に強く、外力によっては簡単に損傷されない。
*粒子のサイズおよび放出速度に対し独立的調節を実行することが可能である。これらのパラメータは、優れた再現性をもって導入される。
*全ての合成は周囲温で実行することが可能である。
*同じ一般的封入過程を、全てのタンパク質に使用してよいかもしれない。
*この過程は、工業的規模の量で市販される、比較的安価な成分を使用する。
*この過程は、低資本投資しか必要としない。
*粒子表面を機能化することも可能である。これは、タンパク質の標的送達に対する可
能性を開くことになるかもしれない。
【0144】
本発明の過程は、Barbe and Bartlett,WO01/62232(2001)に詳述される調節送達技術を、薬剤のような小型分子の放出から、比較的大型の生体分子、例えば、タンパク質(酵素を含む)、ポリペプチド、およびDNA/RNA断片の放出まで拡張するために開発された。本過程は、球形シリカ粒子を形成するのに溶媒/界面活性剤乳液システムの使用に基づいてはいるが、タンパク質や、その他の生物学的物質により適合した化学を用いている。本発明に使用される好適な前駆体材料は、市販のシリカコロイド、またはコロイド混合物で、要すれば任意に、さらに粒子の孔径を調節するためにケイ酸ナトリウム液を加えてもよい。水性のシリカ前駆体の使用は二つの問題点の克服に役立つ。先ず、タンパク質は、通常、シリコンアルコキシドの加水分解の際に生産されるアルコールによって変性されるが、この欠点は、本システムを用いることによって回避される。第二に、水性シリカゲル前駆体の使用によって、中間孔度の産物であって、タンパク質の放出にとって好適なサイズ範囲、1−15nmのサイズ範囲の孔を持つ産物が得られる。水性シリカ前駆体は、その低コストと調製し易さのために好ましいが、要すれば、他の水性セラミック前駆体、例えば、チタン酸塩、ジルコン酸塩、またはアルミン酸塩によって置換されてもよい。
【0145】
本発明に記載される技術に対する予想される応用として下記が挙げられる。すなわち、
*タンパク質、医用/薬剤送達(タンパク質薬剤送達、皮膚移植、骨再生、遺伝子治療)
*バイオテクノロジー応用、例えば、酵素の調節的放出(生体触媒)、例えば、界面活性剤における、でん粉加水分解/フルクトース生産、果物ジュース製造、醸造、織布、動物飼養、製パン醗酵、パルプおよび紙生産、皮革産業、食物生産(例えば、チーズ)。
*酵素の特殊な工業的使用、例えば、バイオセンサーおよび他の分析器、個人の保健用品(例えば、歯磨き、コンタクトレンズクリーニング)、微細化学生産(例えば、キラル的に純粋なアミノ酸、希少糖、半合成ペニシリン)、DNA技術(遺伝子工学)における運用。
*美容品、化粧品。
*食品、栄養補助品。
*獣医学応用。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】図1は、pH−10における粒子形成の過程を示すフローチャートである。
【図2】図2は、pH−10において球形粒子の形成を可能とする、いくつかの界面活性剤の構造を示す。
【図3】図3は、各種の界面活性剤を用いて製造したシリカ産物の走査電子顕微鏡画像を示す。
【図4】図4は、各種の界面活性剤を用いて製造したシリカ粒子の走査電子顕微鏡画像を示す。
【図5】図5は、各種の乳液溶媒を用いて製造したシリカ産物の走査電子顕微鏡画像を示す。
【図6】図6は、種々の濃度のLudox SM−30を用いて製造したシリカ粒子の走査電子顕微鏡画像を示す。
【図7】図7は、図1に概説した製造過程を用いた場合の、Ludox SM−30の添加容量に対する生産量を示すグラフである。
【図8】図8は、酸の関数として表したコロイドシリカ(30mL)のpHのグラフである。(a)Ludox SM−30およびBindzil 30/360を、0.5mol/L硝酸で滴定した。(b)Ludox SM−30を12mol/L酢酸で滴定した。
【図9】図9は、硝酸滴定Ludox SM−30を用いた場合に形成されるシリカ産物の、走査電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡画像を示す。
【図10】図10は、酢酸滴定Ludox SM−30を用いた場合に形成されるシリカ産物の、走査電子顕微鏡画像を示す。
【図11】図11は、種々のタイプのコロイドシリカを用いて形成されるシリカ産物の、走査電子顕微鏡画像を示す。
【図12】図12は、図1に概説した合成過程を用いて形成される粒子の、光散乱で定量した粒径分布を描くグラフを示す。
【図13】図13は、粒子の製造に超音波プローブを用いる本発明の合成過程によって製造される粒子の粒径分布を描くグラフである。
【図14】図14は、乳液内部においてpHを6.0に下げることによって形成されるシリカ粒子の走査電子顕微鏡写真である。
【図15】図15は、pH=9.7において形成された粒子からのアルカリフォスファターゼの放出を示すグラフである。
【図16】図16は、6時間の期間における、アルファ-キモトリプシン、ズブチリシン、およびアルカリフォスファターゼの、正規化放出を示すグラフである。
【図17】図17は、Span 20/ケロシン乳液を用い、タンパク質をpH=6.0で封入させた粒子合成を示すフローチャートである。
【図18】図18は、本発明によるシリカ粒子で、平均孔径が5.5および6.7nmである粒子からの、キモトリプシン、アルカリフォスファターゼ、およびウレアーゼの放出を示すグラフである(6.7nmの孔を持つ粒子からのウレアーゼの放出はこの図には表されていないことに注意)。
【図19】図19は、Bindzil 30/360(◆)、Bindzil 15/500(■)、およびケイ酸塩(▲)を用いて生産されたシリカからの、ズブチリシンの放出を示すグラフである。
【図20】図20は、実施例4で概説したように、ケイ酸塩、Bindzil 15/500(6nm)、およびBindzil 30/360(9nm)から製造される粒子の孔径分布を示すグラフである。
【図21】図21は、本発明によるシリカ粒子の走査電子顕微鏡写真である。
【図22】図22は、コントロール標本から得られた、STEM(走査透過型電子顕微鏡)EDXスペクトラム画像である。粒子の薄切においてフェリチンは、C、Fe、Si、およびOの分布を示さない。
【図23】図23は、本発明による粒子の薄切切片におけるC、Fe、Si、およびOの分布を示すSTEM EDXスペクトラム画像である。
【図24】図24は、コントロール標本から得られたSTEM EDXスペクトラム画像であって、粒子の薄切においてフェリチンは、C、Fe、Si、およびOの分布を示さない。
【図25】図25は、本発明の封入過程の各種成分の、アルファ−キモトリプシン活性に及ぼす作用を示すグラフである。
【図26】図26は、本発明の封入過程の各種薬品による処理後におけるズブチリシン活性を示すグラフである。
【図27】図27は、各種封入過程による封入後2週間におけるアルカリフォスファターゼの活性を示すグラフである。
【図28】図28は、a)HPC 2mg/mL(◆)、b)5mg/mL HPC(■)、c)30/360とケイ酸ナトリウムの1:1混合物(▲)、標準の酵素液(●)を用いて製造した、ズブチリシン含有粒子における封入酵素活性率を示すグラフである。
【図29】図29は、(A)室温で保存された、および、(B)0℃未満で保存された本発明による粒子を示す、走査電子顕微鏡写真である。
【図30】図30は、種々の保存条件下におけるズブチリシンの活性を示すグラフである。
【図31】図31は、0℃未満で2週間保存した後の封入アルカリフォスファターゼ活性の変化を示すグラフである。
【図32】図32は、本発明に従って製造されたアルミナ粒子の光学顕微鏡写真である。
【図33】図33は、本発明によるジルコノチタネート微粒子の走査電子顕微鏡画像である。
【図34】図34は、本発明によるSpan 20/ケロシン乳液を用いて得られたジルコノチタネート粒子の粒径分布を示すグラフである。
【図35】図35は、本発明によるジルコノチタネート粒子からの、ブロメラインの正規化放出を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的物質を放出可能に封入するための過程であって:
a)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液を、前駆物質および生物学的物質と混合して、非極性相中に分散される、生物学的物質を含む極性相を含む乳液を形成すること;
b)極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含む前記過程。
【請求項2】
工程a)は:
c)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液を前駆物質と混合し、第1乳液を形成すること、その際、前記第1乳液は、極性相を非極性相中に分散させ、かつ、前記前駆物質は極性相に局在し;および、
d)第1乳液を生物学的物質と、極性相が生物学的物質を含むように混合すること、
を含むことを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項3】
第1乳液のpHを、生物学的物質が活性を維持するpHに調整する工程であって、工程d)の前に実行される工程をさらに含むことを特徴とする、請求項2の過程。
【請求項4】
工程a)は:
e)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の溶液を、酸性水溶液と混合して、第2乳液であって、非極性相に極性相を分散させた第2乳液を形成すること;
f)前駆物質を、第2乳液に、該前駆物質が極性相に局在されるように加えること;および、
g)生物学的物質を、極性相が該生物学的物質を含むように加えること、
を含むことを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項5】
工程a)は:
h)前駆物質と生物学的物質を混合して極性混合物を形成すること;および、
i)極性混合物を界面活性剤の溶液と混合し、非極性相の中に極性相を分散させる乳液であって、該分散が、極性相が前駆物質および生物学的物質を含むように行われる乳液を形成すること、
を含むことを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項6】
極性混合物のpHを、工程i)の前に、約7.5と約11の間に調整することを含む、請求項5の過程。
【請求項7】
乳液が、約1と約11の間のpHにあることを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項8】
前駆体がセラミック前駆体を含むことを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項9】
前駆体がコロイドシリカを含むことを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項10】
生物学的物質がタンパク質を含むことを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項11】
生物学的物質が酵素を含むことを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項12】
工程b)の前にゲル化支援剤を添加することをさらに含む請求項1の過程。
【請求項13】
ゲル化支援剤は、塩、および水溶性ポリマーから成るグループから選ばれることを特徴とする、請求項12の過程。
【請求項14】
非極性相から粒子を少なくとも部分的に分離する工程をさらに含む請求項1の過程。
【請求項15】
少なくとも部分的に分離する工程は、非極性溶媒と混和可能である沈殿性溶媒と、粒子を含む乳液を混合して粒子を沈殿させる工程を含むことを特徴とする、請求項14の過程。
【請求項16】
少なくとも部分的に分離する工程は、粒子を含む乳液を遠心する工程を含むことを特徴とする、請求項14の過程。
【請求項17】
粒子を乾燥する工程をさらに含む、請求項14の過程。
【請求項18】
j)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の液を、コロイドシリカと混合し、非極性相中に極性相を分散させた第1乳液を形成すること;
k)第1乳液のpHを、約1と約11の間のpHに調整すること;
l)第1乳液を、生物学的物質と混合すること、その際、混合は、極性相が該生物学的物質を含むように行われ;および、
m)極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含むことを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項19】
n)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の液を、酸性水溶液と混合し、非極性相中に極性相を分散させた第2乳液を形成すること;
o)第2乳液のpHが約1と約11の間になるように、コロイド状シリカを第2乳液に加えること;
p)生物学的物質を第2乳液に添加すること、その際、添加は、極性相が該生物学的物質を含むように行われ;および、
q)極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含むことを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項20】
r)前駆物質と生物学的物質を混合して極性混合物を形成すること;
s)極性混合物のpHを、約1と約11の間に調整すること;
t)極性混合物を界面活性剤溶液と混合して、非極性相の中に極性相を分散させた乳液を形成すること、その際、前記極性相が極性混合物を含み;および、
u)極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含むことを特徴とする、請求項1の過程。
【請求項21】
放出可能な生物学的物質を含む粒子であって、約1と50nmの間の平均孔径を持ち、約0.05と約500ミクロンの間の平均粒径を持つことを特徴とする粒子。
【請求項22】
a)非極性溶媒に溶解した界面活性剤の液を、前駆物質および生物学的物質と混合し、非極性相中に極性相を分散させた乳液を形成すること、その際、前記極性相が生物学的物質を含み;および、
b)極性相から生物学的物質を含む粒子を形成すること、
を含む過程によって製造されることを特徴とする、請求項21の粒子。
【請求項23】
直径が約5と約500nmの間の一次粒子から成る凝集体を含むことを特徴とする、請求項21の粒子。
【請求項24】
生物学的物質がタンパク質を含むことを特徴とする、請求項21の粒子。
【請求項25】
生物学的物質が、粒子全体に渡って実質的に均一に分布していることを特徴とする、請求項21の粒子。
【請求項26】
生物学的物質が、粒子から放出された後でも生物学的に活性を持つことを特徴とする、
請求項21の粒子。
【請求項27】
生物学的物質を患者に送達する方法であって、請求項21による1個以上の粒子を患者に投与することを含む前記方法。
【請求項28】
生物学的物質を液体に送達する方法であって、請求項1による1個以上の粒子に、液体を暴露することを含む、前記方法。
【請求項29】
患者における病態の治療用薬剤製造のための粒子の使用であって、生物学的物質が前記治療に対し適応とされることを特徴とする、請求項21による粒子の使用。

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図8】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図30】
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【図31】
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【図34】
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【図35】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図11−3】
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【図14】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図29】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2013−47264(P2013−47264A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−243686(P2012−243686)
【出願日】平成24年11月5日(2012.11.5)
【分割の表示】特願2008−518535(P2008−518535)の分割
【原出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(500461941)オーストラリアン ニュークリア サイエンス アンド テクノロジー オーガニゼーション (11)
【Fターム(参考)】